○赤松(正)
委員 先ほど、
防災外交という使命があると申し上げました。それは十一日の
松本大臣のあいさつ、ここにもありますけれ
ども、その後、今この場に立つに当たっていろいろと
考えたときに、そういう使命がおありだというふうに思ったわけですが、実は、この
外務大臣あいさつ、十一日の朝の時点で聞いたときに大変不満を覚えました。
きょうはちょっと野党の数が少ないですが、一緒に聞いた仲間とも語ったんですが、要するに
松本剛明らしさが出ていない、だれかが用意したものをそのまま読んだという
部分が非常に強いという印象を受けました。
あえてこれはそれ以上言いませんが、これは
松本大臣だけではなくて、我々の当時も含めて、もっともっとやはり政治家の独自性というものを出した
所信表明になった方がいいんじゃないのかということを思います。
そういうことを踏まえた上で、例えば、今回の
震災でよく言われる
言葉が二つあります。
一つは、想定外だったという
言葉。もう
一つは、予断を許さない。新聞、テレビ、特にテレビを見ていますと、記者たちが予断を許さないと言う。また、今回の
事態、今回のことだけではないですが、想定外、これって、わかりやすく言えば、想定外というのは
考えられなかったという
言葉であり、予断を許さないというのは、要するに、わからないということの、何かそれを少し持って回った言い方をしたら、予断を許さない。私も、新聞をつくる仕事をしていましたので、何かを予測するときに、よくわからぬときには、予断を許さないと最後に結んだ記憶があります。
また、想定外というのは、想定した人もいるんですね。今回の
事態でも、実は、この原発の
事故というものを想定した人はおります。毎日新聞紙上に神戸大学の名誉教授が、ちょっとお名前を失念しましたけれ
ども、今回の
事態を想定していた人が原稿を書いておりました。
あるいはまた、そうしたもの以外にも、私、今回の
原子力発電所の
事故あるいはまた大
津波ということを前にしたときに、かつて見た映画、これはオーストラリアを舞台にした核の恐怖を描いた映画ですが、「渚にて オン・ザ・ビーチ」とか、あるいはまた小松左京の「
日本沈没」、これも見た思いがありますけれ
ども、先ほど大自然の脅威ということも言われましたけれ
ども、そういう大自然との闘い、そして人間の愚かさ、こういった
部分で、きょうは何だか前置きが長くなってしまいましたけれ
ども、二つの角度で
質問をしたい。
一つは、今回の
震災、
津波、原発
事故に関する問題。もう
一つは、リビアの問題について。この二つに絞って、残された時間、
外務大臣にただしていきたい、そう思います。
まず最初に、
原子力発電所の
事故に関して、三つの視点から申し上げたい。
一つは、原発ではありませんが、先ほど申し上げた
被災地の経験としての兵庫からの視点。二つ目は、現時点での東北、関東からの視点。そして三つ目は、
アメリカからの視点、
支援国家の代表としての
アメリカからの視点。この三つの切り口で、
一つずつ簡単にただしていきたいと思います。
まず第一点目の、
震災についての先駆、
震災対応の先駆県であるという自覚があります兵庫。兵庫の闘いというのは、この約十六年間の間に、さまざまなことを提起して
各国に呼びかけて
防災に対する注意を喚起する、あるいは、それぞれの経験、体験を持ち寄って、未来に向けて何がお互いできるか、それをしっかりと呼びかけ合う、こういうことをやってまいりました。しかし、その途上で、例の今回の
事態にまさるとも劣らないインドネシア・スマトラ沖の大
津波事故があったわけですけれ
ども。
こういうことを踏まえて、
日本政府、これは現在の与党、野党にかかわらず、
日本政府として、もっともっと、先ほど来申し上げている
防災外交に取り組むべしと。過去十六年、若干
日本政府としては、今の野党そして今の与党、それぞれの違いを超えてもっと
政府が取り組むべき。地方自治体
外交は、それはそれで立派で大事なことなんですけれ
ども、そうじゃなくて、
政府を挙げて、一大プロジェクトとしてそうした
防災外交というものを進めていく、そういうことを、
震災地の先駆である、先駆けである兵庫からはそういう目で見えてくるというか言いたいと思うんですが、その点、まず
大臣の見解を聞きたいと思います。