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2010-11-25 第176回国会 参議院 予算委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十二年十一月二十五日(木曜日)    午後一時三十分開会     ─────────────    委員の異動  十一月二十二日     辞任         補欠選任      平山  誠君     山根 隆治君      佐藤 正久君     塚田 一郎君      丸川 珠代君     山谷えり子君      宮沢 洋一君     山崎  力君      松田 公太君     桜内 文城君      吉田 忠智君     福島みずほ君  十一月二十四日     辞任         補欠選任      石橋 通宏君     金子 恵美君      江崎  孝君     行田 邦子君      山崎  力君     山本 一太君      西田 実仁君     草川 昭三君      桜内 文城君     小熊 慎司君      大門実紀史君     井上 哲士君      片山虎之助君     中山 恭子君  十一月二十五日     辞任         補欠選任      小見山幸治君     斎藤 嘉隆君      吉川 沙織君     難波 奨二君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         前田 武志君     理 事                 植松恵美子君                 川上 義博君                 水戸 将史君                 森 ゆうこ君                 礒崎 陽輔君                 猪口 邦子君                 衛藤 晟一君                 加藤 修一君                 小野 次郎君     委 員                 有田 芳生君                 一川 保夫君                 梅村  聡君                 金子 恵美君                 行田 邦子君                 斎藤 嘉隆君                 榛葉賀津也君                 徳永 エリ君                 友近 聡朗君                 中谷 智司君                 難波 奨二君                 西村まさみ君                 安井美沙子君                 山根 隆治君                 米長 晴信君                 愛知 治郎君                 磯崎 仁彦君                 片山さつき君                 川口 順子君                 佐藤ゆかり君                 塚田 一郎君                 西田 昌司君                 長谷川 岳君                 福岡 資麿君                 丸山 和也君                 山田 俊男君                 山谷えり子君                 山本 一太君                 石川 博崇君                 草川 昭三君                 長沢 広明君                 小熊 慎司君                 井上 哲士君                 中山 恭子君                 福島みずほ君    国務大臣        内閣総理大臣   菅  直人君        法務大臣        国務大臣        (内閣官房長官) 仙谷 由人君        外務大臣     前原 誠司君        財務大臣     野田 佳彦君        文部科学大臣   高木 義明君        防衛大臣     北澤 俊美君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)        (内閣特命担        当大臣消費者        及び食品安全、        少子化対策、男        女共同参画))  岡崎トミ子君    内閣官房長官        内閣官房長官  福山 哲郎君    副大臣        外務大臣    松本 剛明君        財務大臣    櫻井  充君        防衛大臣    安住  淳君    大臣政務官        外務大臣政務官  徳永 久志君        防衛大臣政務官  広田  一君    事務局側        常任委員会専門        員        藤川 哲史君    政府参考人        警察庁警備局長  西村 泰彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)(  内閣提出衆議院送付) ○平成二十二年度特別会計補正予算(特第1号)  (内閣提出衆議院送付) ○平成二十二年度政府関係機関補正予算(機第1  号)(内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 前田武志

    委員長前田武志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十二年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二十二年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。  本日は、北朝鮮問題等に関する集中審議を行います。  質疑者はお手元の質疑通告表のとおりでございます。  これより質疑を行います。川上義博君。
  3. 川上義博

    川上義博君 民主党の川上でございます。  実は、今日午前中に衆議院質疑、テレビで見ていましたけれども、自民党を始めとする各野党が総理対応が非常に遅いんじゃないかという話が出ていましたけれども、やはり私は現場に行くということが一番基本だと思うんですよ。一番の責任者が、何かあれば、一朝事あれば現場に出向くということが一番重要なことだと思うんですね。  あの台湾の李登輝元総統が地震のときに、やはりいち早く自分現場まで行って指揮したんですね。私は、それはどうしてですかと聞きましたら、やはり役人というのは指示待ちなんだと、最高責任者指示をされるのを待っているんだということなんですね。だから、一刻でも早く、まあ現場海域ですから、各省庁が、各担当の省が現場なんですね。だから、現場にできるだけ早く出向いていって役人指示をするということが必要だと思うんですね。  その辺りのことを総理、いや、一生懸命やったんだけれども、今、川上の言っていることの方がやっぱりそうだなというふうに多分思われるだろうと思いますけれども、その辺りどうですか。やはり現場に行かなきゃいけませんよね、一番最初に。やはり官邸にすぐ行くということなんですね。
  4. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今回の北朝鮮砲撃は二十三日の十四時半ごろというふうに、その後、韓国合同参謀本部報告をしております、発表しております。私のところに一報が入ったのは十五時三十分でありまして、幸いにしてといいますか、私は官邸と同じ敷地にあります公邸におりましたので、すぐに関係者を集めるように指示をいたしました。そして、約一時間後に関係者が集まってきましたので官邸に移りましたが、その間も、公邸でも執務はできますので、公邸でいろいろなところからの連絡を受け、また報道も把握しようと、そういうことでありますので、今現場とおっしゃいましたけれども、私にとって現場というのは官邸であり公邸でありますから、その現場指揮を執ったということであります。
  5. 川上義博

    川上義博君 できるだけ早くこういう場合は関係閣僚を招集して指示を出すということが肝要なことではないのかなと、そのように思っています。  もう一つ、午前中に、私どもの齋藤国対委員長代理を、会われているという話でありましたけれども、私はローマのことをよくいろいろ本を読んだりしているんですけれども、カエサルは一つのことだけ考えていないですね、同時に様々なことを考えているんです。だから総理も、国対のことも考えている、当たり前だ、有事のことも、今回勃発したことも当然頭の中には考えている、その他のことも考えているんだ、複数のことを考えるのは当たり前なんですね。  それを、例えば齋藤代理に会って、いや、当然その話をしたと、今回の事件のことを話をしたんだと。当たり前なんですね。そして国対のことも話ししたんだと。それが何が悪いんですか。私はそう思うんですね。複数のことを同時に考えるということは指導者の務めなんです。  一体全体、一つは、何をお話しになったんですか、具体的に。
  6. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今申し上げましたように、十五時三十分に秘書官より一報を受けて、いろいろなところから更なる連絡が来たり、こちらから連絡して、そして官房長官始め危機管理監等を、官邸に集まるようにという指示を出しました。  齋藤さんとの件は、別にこの事件があったから来てくれと言ったわけではありません。前から四時前後に顔を出すということを言われておりましたので、そういうことをやっているときに来られましたので、結果的には、この大きな事件がありましたので、これについて意見交換をして、その途中で官邸に移らなければならない、逆に言うと集まってきましたので官邸に移ったという経緯であります。
  7. 川上義博

    川上義博君 例えば、この問題というのは、これ以上エスカレートするということはやっぱり避けなければいけないと思うんですね。そのために、日本の役割というのは、従来どおり、言わば自民党政権もそうだったと思うんですけれども、アメリカにすべてを任せるという、追随するということではなくて、やはり半島の問題というのは私ども日本にとって極めて重要な生命線なんですね。これもう過去も現在も未来もそうだと思うんですね。だから、どのような解決策総理はお持ちなのか。やはり対話ということを、対話路線というのも一方に取らなくちゃいけない、それも大切だと思うんです。  ただ、日本北朝鮮とのパイプがあるかどうか、政府北朝鮮とのパイプをお持ちなのかどうか、お伺いしたいんですね。というのは、韓国アメリカパイプ持っているんですよ。パイプ持っているんですけれども、水が流れていない。ただパイプだけはある。水は流れようとしたらいつでも流れる。ところが、日本パイプさえもないんじゃないかということをよく巷間言われているんですけれども、その辺りはいかがでございますか。
  8. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 機微に触れる話もございますけれども、ないということはございません。
  9. 川上義博

    川上義博君 まあそれは友好的なパイプがあるかどうかだろうと思うんですね。だから、パイプはこれからつくるかどうか知りませんけれども。  いずれにしても、今回のこの砲弾の事件で、権力継承ではないかと、あるいは自らの目的のために、交渉の場に引き出すためにこういう非難されてしかるべきような行動を取ったんじゃないか、そのようなことをよく言われているんですけれども、やはり権力継承のこういう現象にあるからこういう行動を起こしたんだと。中国筋も、多分そうじゃないかみたいな話をちょっと私も聞いたんですけれども、総理、どのようにお考えですか。総理に。
  10. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) じゃ、私からまず。  今の川上委員のおっしゃったことも、様々要因はあると思います。ただ、日米韓あるいは中国の外相とも話をしている中で、六者協議の在り方については、対話のための対話であってはいけないと、つまりは六者協議で合意をしたことを進める議論でなくてはいけないと。そういう観点からしますと、今回の北朝鮮の起こした事案というのは、それを遠ざけるものであって、決して許されるべきではないと、そう思っております。
  11. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今、川上議員から言われたように、いわゆる権力継承という見方、特に、最近入ってきたニュースによれば、この砲撃のある数日前にそのところに行ったんではないかと、親子でですね、そういう報道も少し流れています。もう一方では、やはりいろいろな交渉の場に相手を引き出そうというそういう意図ではないか。幾つかの説があるわけで、それらをしっかり検討して分析して対応していかなければならないと、こう考えております。
  12. 川上義博

    川上義博君 防衛大臣、今回のこの大砲が、弾撃ったのが百八十発ですか百七十。で、島に着弾したのが八十、あとは多分海に落ちてしまったんだろうと思うんです。  これは、その精度から見れば極めて精度が低いんじゃないかと私は思っているんですね。本当でしたら、百発撃ったら、百中とまでは言わないけれども、九十九発ぐらいは目的地に着弾するというのは当たり前だと思うんですけれども、その辺りは、精度の欠点はどうお考えですか。
  13. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 確かに、島の南側の基地を攻撃したわけでありますけれども、そのうちのかなりの数のものが島を越えて海へ入ったと、こういうことでありまして、じゃ、どんな性能のものかということになると、私らも十分掌握しているわけではありませんが、島の対岸にある岩の部分のところに野砲等が備えてありまして、それを出して撃ったと。多分百三十ミリから百五十五ミリぐらいのものではないのかというふうに推測をいたしておりますが、性能については、既に撃って着弾したことが確認されておりますから、それで判断する以外にはないんではないかというふうに思っています。
  14. 川上義博

    川上義博君 今、野砲という話だったんですね。砲の種類というのは、何か曲射砲だとか野戦砲だとか様々あると言われている。その辺りは特定されているのか。  あるいは、さっき言ったように、山本七平さんの本を読んでいると、最初に弾を撃つじゃないですか、で、空気の流れとかいろいろあって、最初に撃ってそれを計測する、計測した後に軌道修正をして正確に撃ち込むというのが、山本七平さん書いていましたけどね。その意味からいえば、この精度というのはどうも練度が低いんじゃないかと思うんですね。  種類と、もう一度その辺りのことを。
  15. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 走行性野砲というふうに承知をいたしております。しかし、それが何年ぐらい経過したものであるか、最新のものであるか、かなり古いものであるかということについては断定は難しいというふうに思っています。
  16. 川上義博

    川上義博君 次に、北方限界線NLLと言うんですか、これは休戦協定で、休戦協定の締結には、北方限界線というのはこれは明示されていないんですね。だから、あの海域というのは一体だれが、何というか、管轄をしているのか。私は、やはり当時の連合軍司令部だと思うんでありますけれども、今は在日韓国米軍が統括をして指揮を執っているんではないのかなと、そのように思っているんですけどね。  そうすれば、今回のこの砲撃は、韓国軍をねらっている、一つ韓国をねらっているんでしょうけれども、実際上の問題はアメリカないしは連合軍じゃないのかなと思うんですよ。それをねらっているんじゃないかと思うんですけれども、そのことについて、総理外務大臣はどのようにお考えでしょうか。
  17. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 今回の、北の言い分は、韓国軍事演習を行ったと、そして、その軍事演習を行った地域については、先ほど川上委員がおっしゃったようにそのNLLというのは国連軍が引いたラインでありますけれども、それには北朝鮮は反発をしておりまして、一九九九年に海上軍事境界線という新たな線を引いておりまして、その海域では今までもトラブルがかなり頻発をしております。そこでの軍事演習に対しての、北いわくですよ、報復措置ということが向こうが言っていることでありまして、それ以上のことを我々が推し測るということは避けなくてはいけないんではないか、事実はそういうことではないかと思っております。
  18. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今外務大臣が答弁されたように、私の理解も同様です。
  19. 川上義博

    川上義博君 まあそっけない話なんですけど。  私が言いたいのは、あの攻撃は、連合軍そのもの、言わばアメリカ軍に対する攻撃と要するに同じじゃないかと言っているんですよ。にもかかわらずアメリカが、何か余り対応が他人事のようなアメリカ対応をしているので、それでは国連軍というのはおぼつかない、余りにもおぼつかないんじゃないかなということを言っているんですね。単なる韓国北朝鮮の発生したことではなくて、これは要するに国連軍に対する砲撃なんだという認識はありますかということなんです。
  20. 前田武志

    委員長前田武志君) まず、前原外務大臣
  21. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 委員指摘のように、国連軍というのは、当然ながらいまだ休戦中でありますので存在をしておりますし、ヘッドクオーターは座間にございますけれども、今回の、どう判断をするかということは委員が御指摘をされた点も含めて考えていかなくてはいけない面もあるかもしれませんけれども、いずれにしても、北朝鮮が対外的に発表をしているのは、いわゆる自分たちが引いたラインの内側で韓国演習を行ったと、それに対する報復であるという発表をしているということを我々は認識しております。
  22. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今回の訓練韓国が単独でやっておりますから、先ほど外務大臣から答弁がされたように、あらかじめの警告韓国軍に対してということでありまして、しかもそれはNLLの、北朝鮮側からいうと外側、南側に一定の海域を設けて、今までもそこではかなりの回数でそこへ訓練砲撃をしておるわけですが、その都度いろいろ警告はしますけれども、今般のような報復措置というのはなかったわけでありまして、今回それが初めてということでありますから、韓国訓練に対して挑発行為を行ったということと同時に、あらかじめそれを言ったことは、あの哨戒艇の爆破のときと同じように、もし韓国が安保理へ提訴するとすれば、あらかじめこちらは警告しておいたよ、それにもかかわらずやったと、こういうような言い訳といいますか、そういうかなり段取りはしてやったというふうに考えております。
  23. 川上義博

    川上義博君 時間が来ていますけれども、今、報復という話がありましたよね、相当な報復をしたと。北朝鮮に対する、何というか、損傷、被害と言えるかどうか分かりません、損傷は大体、一体全体どの程度になっているのかお分かりでございますか。これは外務大臣か、どなたか。
  24. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 詳細についてはまだ韓国側から報告は受けておりません。
  25. 川上義博

    川上義博君 それでは、これで質問を終わります。
  26. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で川上義博君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  27. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、山本一太君の質疑を行います。山本一太君。
  28. 山本一太

    山本一太君 まず、菅総理に御質問させていただきたいと思います。  午前中の衆議院予算委員会、我が党の小野寺五典委員質問に対して、今回の北朝鮮による砲撃総理がどうとらえておられるかということについて総理は、休戦協定以来初めてのことだと、本当に戦争を勃発させかねない極めて重大な案件だというような意味のことをおっしゃいました。政府として最大限の関心を持ち、あらゆる不測の事態考え対応していると。この認識で間違いございませんか。
  29. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) そのとおりです。
  30. 山本一太

    山本一太君 今総理がおっしゃったこの極めて深刻な事態緊急事態だと思うんですけれども、私は、こういう緊急事態国家危機管理対応をするときには大事なことが二つあると思っています。  一つは、その国のリーダーのメッセージ力説得力アピール力イメージ力と言ってもいいかもしれません。国民を説得する、説明をする、あるいは内外に発信する力がどれだけあるかということ。もう一つは、発生した緊急事態に対して迅速な対応ができているかどうかということだと思います。  総理は、御自分の、この北朝鮮砲撃事案に対して、これまでの対応に関して今の二つ条件を満たしていると、そんなふうにお考えでしょうか。
  31. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私は、一つ大きなものが今の二つには抜けていると思っています。まずは事実関係情報をしっかり把握するということがすべての前提になければならないと、こう思っています。まさにそれこそが最初にあって、それに対していかに対応していくのか、あるいはいかに対応していることを必要に応じて国民皆さんに伝えるのか。少なくとも情報をしっかり把握しておかなければ、当然ながらそれ以後の対応メッセージも間違ってしまうわけですから、まずはそのことに取り組んだということで、私は、迅速な対応をやってきたし、今日も対応していると、このように思っています。
  32. 山本一太

    山本一太君 総理情報収集なんて当たり前のことなんですよ。そんなこと言うまでもないことなんですよ。まあそういう発言に総理危機管理能力のなさがもう既に表れていると思います。  私から見たら、総理は、この二つ条件二つとも駄目だと思います。  まず一つ目国民に対する説得力メッセージ力内外への発信力総理は、二十四日、この事案が起こった翌日に全閣僚を集めて対策会議を開いて、そこでは随分、これは許されない蛮行だみたいなことで気勢を上げられましたが、一番大事だった二十三日のこの事案が起きた後の対応、特に午後五時十分から総理最初にやったぶら下がりのインタビューですね、これを私は見てびっくりしました。総理表情に全く覇気がないんです。もう何か目が泳いでいて、自信がなくて、何かもうおどおどしていて、こういう総理表情を見て、こういう緊急事態に対して、さっき総理委員会でおっしゃった休戦協定以来初めて北朝鮮韓国国土攻撃した、こういう緊急事態に際して総理が、国を守ると、国民の安全を守ると、そういう決意があの記者会見からは全然伝わってきませんでした。そういう反応は総理の周りでなかったんでしょうか。
  33. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 山本委員が当たり前だと言われましたけれども、まさに情報収集をまずやることが何よりも重要なんです。そして、実際にもう情報にはいろんな種類があります、いろんな種類があります。正式な、例えば韓国合同参謀本部発表もあれば、その前にいろいろな間接的な報道もあれば、あるいは余り表にはできないいろいろな情報も入ってきております。  そういった意味で、私が五時過ぎの時点で、その後の宮中行事がありましたので、その前にその段階までで分かっていること、あるいは得ている情報をベースに二つ指示をしたことをその記者の前で話をいたしました。  私はその時点で、まずは情報収集をしっかりやれと。当たり前だけれども、これがなくては何もできないわけですから。(発言する者あり)当たり前ですから、それが一番重要なんですよ。それに加えて、それに加えて、あらゆるいろんな事態を想定してしっかりとそれに備えろという、この二つ指示をしたことを明確に国民皆さんに伝えたわけでありますから、私は対応は間違いなかったと、こう思っています。
  34. 山本一太

    山本一太君 その対応が、総理、間違っているんですよ。  最初の初動の記者会見のときに情報収集に努めるなんて、そんな中身ありますか。この、私、中身の薄さにびっくりしました。何で情報収集に努めると言う前に、総理もおっしゃった、明らかに北朝鮮側から韓国国土砲撃されたわけですよ。なぜそこに最初非難声明が出ないんですか。なぜ情報収集に努めるだけで、北朝鮮を非難すると、その一言が出ないんですか。その理由を是非お聞かせいただきたいと思います。
  35. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 山本さん、御存じだと思いますけれども……(発言する者あり)ああ、情報御存じなかったですか。  つまり、砲撃がされたということ、その状態に対して正式に韓国政府合同参謀本部発表したのは午後六時過ぎなんです。ですから、私が、その時点では、ほぼそうであろうということは分かっておりましたけれども、まず確かな情報に基づいて物を言わなきゃいけませんから、そういう情報を各省庁がそれぞれの役割の中で把握すると、そのことを言ったわけでありまして、まだ、はっきりした情報が私のところに来たのは今申し上げた段階ですから、そういう段階で、まず言うべきことはその時点で言ったと、そう思っています。
  36. 山本一太

    山本一太君 総理のこの、最初記者会見をやって、情報収集に努めますと。これもう本当に遅いんですよ。アメリカのオバマ大統領は、早朝に起こされて三十分後にはもう報道官が北朝鮮を非難する声明を出しているんですよ。ロシアの、ロシアもこれは北朝鮮については非常に慎重ですが、ラブロフ外相も、名指しはしていませんけれども、こういうことをやる者は非難されなければいけないということでしっかり北朝鮮を非難しているんですよ。  こんなこと、情報収集に努めるってわざわざ総理記者会見して言えば、日本情報収集能力がないということを内外に示しているようなもんじゃないですか。恥ずかしくないんですか、その点は。
  37. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 何度も申し上げますが、実際に砲撃が行われたのが十四時三十四分ごろであります。  ただ、この十四時三十四分ということ、そのものは、その後、午後六時ごろ、十八時ごろに韓国合同参謀本部発表しているわけです。私が報告を受けたのは、この砲撃があった約一時間後の十五時三十分です。そして、その情報はいろんなところから、もちろん私には秘書官から入りましたけれども、いろんなところから入ってきているわけです。私は秘書官から聞いた上で、報道でも出ていますよと言われたから、もちろんテレビをつけました。  そういう、昨日ちゃんと党首の皆さんに御説明をしているんですから、党首の皆さんにちゃんと御説明をしているんですから、よく聞いていただければ分かります。
  38. 山本一太

    山本一太君 総理、この二十三日のうちにほかの国は北朝鮮非難声明を出しているんですよ。日本政府だけが何か、この事案が発生してから五時間も掛かって関係閣僚会議やって、その後、総理じゃなくて官房長官が初めて非難声明を九時近くになって出しているんですよ。  私は、官房長官のこの非難声明についても非常に違和感を感じました。これ、官房長官こうおっしゃってますよね。今回の北朝鮮によるこの砲撃事件は許し難いと、北を強く非難すると、官房長官がペーパーを読まれたんですね。でも、そこに官房長官、怒りを感じないんです。こんな理不尽なことをした、場合によっては、場合によっては日本の安全保障に直接かかわるような事態になるかもしれない、北朝鮮に対するやっぱり官房長官の怒りが全然感じられない。何かもう読まされているみたいな記者会見だったんですけど、それについてどう思われますか。
  39. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) 山本議員のお感じ取りは御自由でございますけれども、私と韓国関係というのは先生もよく御存じだと思いますし、私が北朝鮮韓国に対する攻撃に満腔の怒りを持っているということはよく御承知おきください。
  40. 山本一太

    山本一太君 仙谷官房長官、後で御自分のあの記者会見、テレビでもう一回御覧になったら私はいいと思うんですね。  仙谷長官は非常に戦闘的な御性格ですよね。自民党、野党の質問者に対しては、ここですごんだり、にらんだり、どなったりすると。この間、私が質問させていただいたときも、新聞記事の事実関係を調べるようなのは最低の質問だと、御自分がずっとその質問をやっていながらおっしゃって、謝罪をされたと。  官房長官、敵意を向けるところが違うんですよ。この政権は見ている方向が違うんですよ。敵意を向けなきゃいけないのは、野党の国会議員じゃなくて、にらまなきゃいけないのは北朝鮮じゃないですか。そして、気を遣わなければいけないのは、顔色をうかがわなきゃいけないのは、中国じゃないんですよ、日本の国益なんですよ、日米同盟なんですよ。そのところをしっかり踏まえて官房長官、発信をしていただきたいと、そのことを重ねてお願いを申し上げておきたいと思います。いや、いい、結構です、もう答弁結構です。  次に、イメージという話をさっき申し上げたんですけれども、私は、総理のこの最初記者会見、五時十分からの、この総理の気力のない姿、何かこう目がうつろな姿を見て、実はAPECのあるシーンを思い出したんです。日中首脳会談、横浜APECの日中首脳会談、これは、二十二分だか二十三分だか忘れましたけれども、まあ通訳を入れたので半分でしょう、十分ぐらいかもしれません。総理がお話ししたのは半分ぐらいかもしれません。そのときに胡錦濤国家主席は真っすぐ総理を見て話をされたんです。総理最初から最後まで役人が書いたペーパーか何かを読んで下を向いていた。  これは、総理、外交はイメージが非常に重要ですから、これがいかに外交的に最悪だったかという御自覚ありますか。
  41. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) イメージというものが今の時代大変、特に画像のイメージですね、画像のイメージが大変重要だということはよく、特に認識をいたしました。それ以降、冒頭のテレビが入っている場面でメモを読むことはやめようということを決意をいたしました。
  42. 山本一太

    山本一太君 もう一回申し上げますが、お聞きしたいと思います。何であのときメモを読んだんですか。冒頭のカメラ撮りなのに何でメモを読んだんですか。
  43. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 皆さんも私の日程はよくいろいろ見ておられると思いますが、当日は、APECの議長という立場と二国会談、バイの会談がずっと重なっておりまして、そういうもので、次々と首脳が、オバマ大統領あるいはメドベージェフ大統領、そういう各国の首脳との会談でありましたので、そういう意味で、順番にどういうことを話をするかということを事前にレクを受け、あるいは相談をし、対応したということであります。
  44. 山本一太

    山本一太君 総理、あの首脳会談の模様がテレビで放送されてから、海外に住んでいる私の複数の友人から電話があったんです。NHKワールドで見たのかそれともCNNで見たのか分かりませんが、全員があれはひどいと言っていました。まるで中国に比べて格下の首脳みたいに見えると言っていました。  その総理が下を向いてもごもごと言っている姿を見て、もう総理総理大臣としての覇気を失っているんじゃないかと、もう気力はなえているんじゃないかと、そういうふうに感じましたけれども、総理、いかがですか。
  45. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) この間、それぞれ長く総理をされた方あるいは短い期間で辞められた方いろいろありますけれども、私はこれからもしっかりと総理として頑張らなければならないと今も強く思っております。
  46. 山本一太

    山本一太君 もう一つ申し上げたいんですけれども、午前中の小野寺委員衆議院での予算委員会質疑の中で一つ驚くべき事実が明らかになりました。  この事案が起こってから初動の七十分間は総理官邸に政治家がだれもいなかった。総理官邸はすっからかんだった、空っぽだった。その総理官邸の横の公邸におられた菅総理は独りぼっちだった。菅総理の頭の中も外交戦略なくて空っぽだから、三つの真空状態が七十分間続いていた。これが、菅総理、民主党の言う危機管理なんでしょうか。
  47. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) まず、これは午前中の議論でもありましたけれども、官邸の中にはこういう事態に対して情報をしっかり収集するための、情報を収集する情報収集室というのが危機管理監の指示で誕生しておりました。  御存じだと思いますが、公邸というのは官邸と実はつながってもいますし、すぐ隣にあります。公邸でも仕事をすることはしばしばあります。例えば、今月の二十日には全閣僚公邸会議室に集まって集中的な討議を行いました。  そういった意味で、私は公邸の中にいたときも、秘書官がやってきておりましたので、いろいろなところからの電話連絡等、あるいは秘書官を通じてのこちらからの電話連絡等行っていたわけでありまして、少なくとも、公邸官邸の差はありますけれども一つの敷地の中でありますから、私が存在していたということは紛れもない事実であります。
  48. 山本一太

    山本一太君 午前中の質疑総理が、官邸が初動の七十分空だと言われたときの非常に感情的な答弁、何度もかんだり口ごもったりする、相当私は痛いところをつかれたんじゃないかなというふうに、そういうふうに思いました。  この午前中の質疑の中で、小野寺委員の方からもこの初動の遅れについていろんな議論がありました。昭和五十一年の閣議決定だったと思いますけれども、緊急事態が起こったときにはやはり閣僚は三十分以内に所属する省庁に参集すると、こういうルールがあったということを小野寺委員の方からお話があったわけですが、これは報道ベースですが、防衛大臣も随分遅れて来られたわけですけれども、何しろ私がこの資料を見て驚いたのは、岡崎トミ子国家公安委員長ですよ。岡崎大臣、この一報を聞いてから五時間たって官邸に来られているんですけれども、この五時間の間、あなたは国家公安委員長として何をしていたんですか。
  49. 岡崎トミ子

    国務大臣岡崎トミ子君) まず、警察庁におきましては、今回の事件の発生を認知した直後から外事課長を長といたします情報連絡室を設置いたしまして……(発言する者あり)設置して、設置しましてから、私のところには二十三日の十六時ごろに大臣秘書官から連絡がございました。そして、その間、対応がどうなっているのか、それを情報をいただき、また私の方からも対応を十分してほしいという、万全を期してほしいというところで指示をしたところでございました。その内容については十分に受けていたと、そのように思っております。
  50. 山本一太

    山本一太君 大臣、私が聞いているのは、こういった事案が起きたときには、これは午前中の委員会の答弁で大臣おっしゃっていますけれども、例えばテロが起こるようなことがないように未然に防ぐと、こういういろんな措置をとらなきゃいけない。あなたの役割は物すごく大事なんです。この五時間、本来であれば三十分以内に警察庁に行くとか官邸に来なければいけなかったかもしれないのに、この五時間、あなたは国家公安委員長としてどこにいて何をやっていたんですか。
  51. 岡崎トミ子

    国務大臣岡崎トミ子君) お答えいたします。  私は、二十三日の十六時ごろに大臣秘書官の方から、情報連絡室が立ち上がったと、そしてその中で関連情報をしっかり受けていると、あるいはまた都道府県警察からの情報、関連情報も受けることになると、そして、もちろんその情報の中身は北朝鮮ですとか朝鮮総連等からの関連情報がどうなっているのか、そして、その内容が特異な何か変わったことがないかということを確かめながらやっているわけでございます。  そして、私はこの間、まず、五時台の間は宿舎に対応しておりまして、いつでも官邸なり警察庁に行ける、そのところに待機をしておりました。(発言する者あり)
  52. 前田武志

    委員長前田武志君) お静かに願います。
  53. 岡崎トミ子

    国務大臣岡崎トミ子君) その後、宮中での行事がございましたので、これもすぐに対応することができるように態勢を取りながら、そのときも、官邸へもあるいは警察庁へも行けるところで待機をしていたところでございます。
  54. 山本一太

    山本一太君 もう一回お聞きしますが、岡崎大臣、どこにおられたんですか。何時から何時まで国家公安委員長としてどこにおられたんですか。
  55. 岡崎トミ子

    国務大臣岡崎トミ子君) 私は五時二十五分まで議員宿舎におりました。その後、六時からの宮中の行事に参加をいたしました。  しかし、これも情報がすぐに取ることができるようにして、また対応ができるようにして、七時半、八時ぐらいまでそこで待機をしておりましたけれども、何の連絡もございませんでした。その後、二十時四十五分……(発言する者あり)済みません、連絡があるように、そういう態勢を取っておりますのでね。それで、八時四十五分、関係閣僚会合に出席をいたしました。  以上でございます。
  56. 山本一太

    山本一太君 岡崎大臣、これは先ほど総理もおっしゃったように大変な事案なんですよ。例えば、北朝鮮の工作員とか特殊部隊がテロを起こす可能性だってゼロじゃないんですよ。あなたの役割は物すごく重要なんですよ。閣議決定のルールもあるんですよ。何で議員宿舎で待機しているんですか、答えてください。
  57. 岡崎トミ子

    国務大臣岡崎トミ子君) 情報連絡室が立ち上がりまして、そこから的確な情報をいただいていることを確認した、その間は私は議員宿舎にいたということでございますが、何かありましたらもちろんすぐに出向いていくところにいたというふうに思っております。
  58. 山本一太

    山本一太君 岡崎大臣、この五時間のうちに、じゃ大臣は一体政府のどなたに連絡をして、どういう情報を取って、どんな指示を出されたんでしょうか。
  59. 岡崎トミ子

    国務大臣岡崎トミ子君) 私の方は、情報連絡室の方から砲撃事件の事実関係、警察庁におきましては外事課長を長とする情報連絡室を設置した内容、そして都道府県警察等の関連情報を収集したこと、国内に特異な動向はなかったこと、そういうことを報告を受けて確認をしたところでございました。  そして、こうした事柄について万全を期すように私の方からも指示をしているところでございます。
  60. 山本一太

    山本一太君 これが政治主導なんですか、岡崎大臣。役所からの連絡待ちなんですか。じゃお聞きしますけれども、どなたから電話があって、どういう報告があって、どんな指示をされたんですか、具体的に教えてください。国家公安委員長でしょう。
  61. 岡崎トミ子

    国務大臣岡崎トミ子君) 私は一つ一つのことに確認をしながら情報をもらう、それについて十分対応していただきたいということで、特異な動向はない、北朝鮮あるいは朝鮮総連等について特異な動向はないということを確認しながら、もちろん何かがあれば対応する、そういう態勢でいたというふうに思っております。(発言する者あり)
  62. 前田武志

    委員長前田武志君) 岡崎大臣質問に的確にお答えください。
  63. 岡崎トミ子

    国務大臣岡崎トミ子君) 連絡情報室にありますその情報の中身を秘書官から受けておりました。  以上です。
  64. 山本一太

    山本一太君 秘書官は何という方で、いつどういう情報を受け取ったんでしょうか。もっと具体的に教えてください。
  65. 岡崎トミ子

    国務大臣岡崎トミ子君) 私の秘書官であります伊藤泰充さんからです。連絡を受けておりました。(発言する者あり)中身につきましては、情報連絡室を設置をしたということ、都道府県警察に対して、関連情報をしっかり受けるように各都道府県の警察にも連絡態勢を取ったということ、そして北朝鮮や朝鮮総連等についてのどんな情報があるか、その特異な動向があるかないかという問題についてきちんとした報告を受けております。(発言する者あり)だから、そのことに万全に対応するように、そういうように指示をしたところでございます。
  66. 山本一太

    山本一太君 それは、岡崎大臣指示をしたということにはなりませんよ。あなたは国家公安委員長でありながら、事案が起きてから五時間あったわけですよ。その間宿舎にいて、どういう行事に行かれた、まあ宮中行事にも行かれたのかもしれませんが、その間、自ら国家公安委員長として……(発言する者あり)ちょっと森ゆうこさん、黙っていてください。国家公安委員長として、国家公安委員長として、自らちゃんと情報収集をして指示をしたということを自らのイニシアチブで一切やらなかったということなんですか。
  67. 岡崎トミ子

    国務大臣岡崎トミ子君) 何か特異な動向があれば私はすぐに対応するという、そういう態勢でいたというふうに思っております。特異な動向が何もないというところから、そういうふうなところでおりました。もちろん、山本さんがおっしゃるように、警察庁に出向いてきちんとした対応ができればそれはよかったかと私も思います。
  68. 山本一太

    山本一太君 ちょっと今の、岡崎大臣、もう一回お聞きしたいと思うんですが、警察庁に行って職務ができればその方がよかったとおっしゃったんですか。もう一回お答えください。
  69. 岡崎トミ子

    国務大臣岡崎トミ子君) 私は、情報連絡室が立ち上がって、そこで情報をきっちり受けるという態勢ができて、そして私はそれを適宜に情報をきちんと受けるようにして、問題があればということで私は指示をしておりますし、万全の態勢を期してほしいという連絡をし合っているということでございます。(発言する者あり)
  70. 前田武志

    委員長前田武志君) もう一度、山本委員、御質疑を。
  71. 山本一太

    山本一太君 岡崎大臣の御答弁を聞いていると、国家公安委員長として、これだけ重要な事案が起こっているにもかかわらず、自らは議員会館にいて警察庁にも行かない、こちらからきちっと情報を取るように政府連絡をして指示を出すこともしない。これでもあなたは国家公安委員長ですか。あなたは資格ないですよ、国家公安委員長の。(発言する者あり)
  72. 前田武志

    委員長前田武志君) 山本一太君、質疑を続けてください。(発言する者あり)  岡崎トミ子君。
  73. 岡崎トミ子

    国務大臣岡崎トミ子君) 必要な情報について、適宜必要な、十分な、そういうものをいただいていたというふうに思います。ファクスでその都度いただいた分もございます。そのたびに私はしっかりと対応してほしいという指示はしております。連絡をしっかりと取ってくれるように、関連情報について受けるように、そういうふうなことで、そのことが一番大切だと思っておりましたので、そのことについて対応をしていたということでございます。
  74. 山本一太

    山本一太君 これが菅内閣大臣の政治主導なんでしょうか。やっぱり国家公安委員長、これだけの事案が起こっているんですから、三十分ルールもあるんですから、すぐに警察庁に行くべきでしたよ。自らいろんな情報国家公安委員長として収集をして具体的にやっぱり指示をしなかったら、あなたは政治家として国家公安委員長になっている意味がないんですよ。  私、今日、今御答弁聞いて、総理、これ柳田法務大臣と同じじゃないですか。国家公安委員長としての資質ないですよ。この方替えて、仙谷官房長官に法務大臣と一緒に兼任していただいたらいかがでしょうか。総理に聞いているんです。
  75. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 先ほど来いろいろな議論をしていただいていますけれども、是非国民皆さんにも御理解をいただきたいんですが、私、昨日、日韓首脳の間で電話会談を李明博大統領との間で行いました。昼の十二時過ぎでありました。その中で大統領からは、日本からの支持と迅速で力強い対応に感謝するという発言がありました。  つまり、当事者である韓国からは、私たちがやったことに対しては、迅速であって、そしてその支持に感謝するという、そういう受け止め方をされているわけでありますから、何か、それは野党ですから、もちろん政府を責めるのは、それはもちろんそういう立場ということは分かりますけれども、やはり国民的に見たときに、外交的なことまで考えてみれば、ちゃんと関係者が、特に当事者である韓国大統領がよくやってもらっているということを言われているんですから、きちっとした対応ができている一つの証拠だということで申し上げたんです。(発言する者あり)
  76. 前田武志

    委員長前田武志君) 山本一太君、山本一太君……(発言する者あり)  菅総理大臣
  77. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 山本委員も何か仙谷官房長官に兼任させればということを言われておりましたけれども、そういうつもりはありません。
  78. 山本一太

    山本一太君 仙谷官房長官のお話が出たんで、一つ官房長官にも御質問させていただきたいと思います。  官房長官、二十三日のたしか夜の記者会見で、北朝鮮に対する新たな制裁を検討するというふうにおっしゃっていましたけれども、それは具体的にどういう制裁をお考えになって言ったんでしょうか。
  79. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) 新たな制裁を、どういうものがあるのかも含めて、そしてこれは何よりも韓国アメリカとの緊密な連携協議、その中で更に、日本はもう相当程度は踏み込んだ制裁措置を過去ずっととっておりますので、更にどのようなものがあるか、これを検討すると、こういうふうに申し上げたわけであります。  もう一つ私が記者会見で申し上げたのは、現在までとっておる制裁措置が実効的であるかどうか、この検証といいましょうか、フォローアップを是非やらなければいけないと。しり抜けとか、あるいは実質的に漏れているとか、そういうことがあるのかないのかということを厳密にこれからフォローアップしていかなければならないと、こういうふうに申し上げたわけであります。
  80. 山本一太

    山本一太君 官房長官記者会見で新たな経済制裁措置を検討するとおっしゃったんですよ。  私は北朝鮮への経済制裁関連の二本の議員立法に中心的にかかわりました。既に、全面的な輸出禁止、輸入禁止やっています、船舶の入港の禁止もやっています、送金の限度額もかなり引き下げています。もう具体的にはなかなか制裁ないんですよ。それなのに、何となく北朝鮮に経済制裁と言えば世論の受けがいいかと思って行き当たりばったりで言う、それが本当にこの民主党の姿勢なんですよ。いや、要りません、答弁。もう結局具体的な案がなくて、これは外務省の官僚も驚いていましたので、そのことだけ申し上げておきたいと思います。結構です。  行き当たりばったりのこの民主党政権の菅総理の政策のうち、今度私は、この北朝鮮砲撃事件に関する件で大変腹が立っていることがあります。それは朝鮮学校の無償化の保留なんです。  これ、総理記者会見で、私の方から高木文部科学大臣に対して、こういう状況の中でプロセスを停止してほしいという指示を出したと。まあ、この方向性については私は間違っていないと思いますが、総理、これはどういう理由でプロセスを停止するということなんでしょうか。
  81. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) こういう大きな、この北朝鮮による砲撃という中で、今進められていたプロセスを総合的に考えて、プロセスというものをいったん中止をするというか、そういうことが必要だろうと、そう考え指示をいたしました。
  82. 山本一太

    山本一太君 今の答弁、意味不明です。もう一回ちゃんと答えてください。なぜこのプロセスを止めたんですか。どういう理由でどういう根拠で止めたんですか、菅総理。いや、外務大臣じゃないよ、外務大臣じゃないよ。
  83. 前田武志

    委員長前田武志君) 前原外務大臣、次いで総理に。(発言する者あり)
  84. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) ええ、分かりました。短く答えます。  高木文科大臣から、このプロセスを進める上で外務大臣としてヒアリングを受けました。そのときに私が申し上げた前提条件二つございまして、一つは、朝鮮学校の思想教育、この中身についてしっかりとコミットメントしてもらいたいということを言いました。もう一つは、朝鮮半島の情勢が変われば、それについてしっかり留意をしてほしいということを申し上げました。そういうことを含めて菅総理指示を出されたものだと思っております。(発言する者あり)
  85. 前田武志

    委員長前田武志君) お静かに願います。質疑が聞こえません。
  86. 山本一太

    山本一太君 今の外務大臣のお話聞くと、これ、審査基準を見直すと言っているように聞こえますよね。  これは、我々は反対していましたよ。こういう独裁国家の体制を正当化するような教育をやっている学校、そこに、勉強している方々には、生徒さんに罪はありません、だけど、日本の安全保障にとって最大の脅威であるこの独裁国家の体制を正当化する授業をやっているこの学校になぜ国民の血税を入れなきゃいけないのかということで言ってきたんです。  ところが、文部科学大臣はこれについては、これを無視して、しかも検討会は、内々ですよ、一切オープンにもせずやってきて、この間、カリキュラムを問わない、中身を問わない審査基準を作ったばっかりじゃないですか。それ何で変えるんですか。ちょっと文部大臣、根拠を教えてください。根拠を教えてください、ちゃんと。
  87. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 山本委員にお答えをいたします。  朝鮮学校の指定については、外交上の配慮より判断すべきではなくて教育上の観点から判断すべきものであるという、こういう基本的な考え方は変わっておりません。ただ、今般の朝鮮半島の緊張状況、その中で、総理指示によってストップをしたということでございます。  今後、北朝鮮における情勢を十分注意をしながら見守ってまいりたいと、このように思っております。
  88. 山本一太

    山本一太君 大臣自分で言っていて支離滅裂だと思いませんか。何ですか、大臣の発言見てみたら、教育的見地から政治絡みの判断はしない考えは変わらない、だけど……(発言する者あり)
  89. 前田武志

    委員長前田武志君) 質疑が聞こえません。もう少しお静かに願います。
  90. 山本一太

    山本一太君 影響が大きいので重大な決断をしなければならない、今回の事態は世界の平和を脅かす行為だ。これ支離滅裂じゃないですか。ちゃんと分かりやすく説明してください。
  91. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 先ほど述べましたとおりに、私たちはあくまでも、文部科学大臣としては教育的見地に立って物事を判断をいたします。ただ、今回のことは極めて重大なことでございまして、まさにアジアはもとより国際の平和を揺るがすことであると、いわゆる根幹を揺るがすことになる、そのような重大性ということでこのような判断をされたと、このように私は思っております。(発言する者あり)
  92. 山本一太

    山本一太君 答弁になっていませんよ、これは。全く理屈が破綻していますよ、委員長。(発言する者あり)
  93. 前田武志

    委員長前田武志君) 山本委員におかれましては、もう少し質疑の中で……(発言する者あり)  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  94. 前田武志

    委員長前田武志君) 速記を起こしてください。  もう一度答弁を願います。
  95. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 朝鮮半島の極めて重大な状況の中で、総理大臣指示に基づいて行ったわけでございます。
  96. 山本一太

    山本一太君 それでは、菅総理、改めて、なぜプロセスを止めたのか、どういう根拠なのか、どういう理屈なのか、是非分かりやすい御答弁をお願いします。
  97. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 御承知のように、北朝鮮からの砲撃という重大な事態が生じていると、それに対して、もちろん日本においてもその問題に大変に国民皆さんも心配していてこの推移を見守っていると、こういう大変重大な事態でありますので、ここはプロセスをいったん停止をすることが望ましいと、こう考え指示をいたしました。
  98. 山本一太

    山本一太君 支離滅裂じゃない、こんなの。答弁になっていませんよ、委員長。答弁になっていませんよ、これは。止めてください、止めてください。(発言する者あり)
  99. 前田武志

    委員長前田武志君) 菅総理大臣、もう一度答弁をお願いいたします。
  100. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今申し上げたことと繰り返しになりますけれども、今回、北朝鮮砲撃というこれまででも考えられないような許し難い行動に出たわけでありますし、それに対して、それに対して我が国としても……(発言する者あり)ちょっと静かにしてもらえませんか。我が国としてもこの問題の重大性を考えて、今、国会でもいろいろ議論がこうやって行われているわけですから、そういう状況の中ではプロセスをいったん停止をするということが望ましいと考え指示をいたしました。
  101. 山本一太

    山本一太君 全く理屈になっていません。民主党政権の象徴ですよ。政策に一貫性もないじゃないですか、全くないじゃないですか。何の定見もなく、何となく世論から批判されると思ったらそっちに行く、そうじゃなかったらまた元に戻る。これ、総理、本当にひどい答弁だと思います。  じゃ、お聞きしますが、どういうふうになったらプロセスを再開するんでしょうか、お答えください。
  102. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今申し上げましたように、二十三日に、こういう大変、歴史的に見ても朝鮮戦争の休戦以来、直接生活を一般人がしているところに砲弾を撃ち込むということはまさに休戦以来初めての出来事でありまして、そういった意味では、我が国においても、今日のこの審議も含めて議論をする中で、そういう段階でありますから、まずこういう事態のまさに渦中においてはいったんプロセスを停止をすることが望ましいと、そう考え指示をいたしました。
  103. 山本一太

    山本一太君 そうしたら総理、じゃ、どういう条件が整ったら再開するんですか。総理がお決めになったんでしょう。
  104. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 何度も申し上げていますように、何度も何度も申し上げていますように、今まさにその北朝鮮砲撃したことに対しての、まさに今日この場でもその議論をしているわけですよ。ですから、そういう議論なども踏まえながら、現時点ではいったん停止を、プロセスを停止するように指示をいたしました。どうなったらどうなるかというのは、まさにこの推移を見守って判断することになります。
  105. 山本一太

    山本一太君 ちょっと、これじゃ答えになってないよ、ひどいよこんなの。(発言する者あり)  速記止めてくださいよ、委員長
  106. 前田武志

    委員長前田武志君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  107. 前田武志

    委員長前田武志君) それでは、速記を起こしてください。  もう一度御質疑をお願いいたします。
  108. 山本一太

    山本一太君 先ほどからの総理の答弁は全く理論破綻していますよね。教育的見地から決めなきゃいけない、だけれども何か平和にかかわる問題だから止めると。これ全く理屈になってない。  これが民主党政権なんですよ。これが民主党政権のやり方なんですよ。例えば、さっきの仙谷長官の、北朝鮮に制裁するとつい記者会見で言っちゃう、具体的なアイデアはないと。何となく世の中から批判されそうになるとぶれて、実は官邸が判断したことも検察に押し付けると。最初は事業仕分か何かやって、人気があれば政権浮揚になるかと思ってやっているけれども、関心がなくなったらこれはぽいっと捨てると。マニフェストの約束も約束だけして、できなかったらほおかむりすると。この総理の今日の全く理論の通っていないこの答弁が、民主党政権の私は正体だと思います。  もうこれ以上やっても全く理屈にならないので、もう一つ質問させていただきたいと思います。  戻ります。安保会議を開かなかったのは、総理、なぜなんでしょうか。
  109. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 昨日の十一時にこの問題での全閣僚を含めた対策本部を立ち上げました。その中で、必要な大臣全員にお集まりをいただいておりますので、そこでまず現状の認識内閣の方針をその中で協議をし、確認をし、そしてそれぞれが自分の担当についてはしっかりと実行していくと、こういう態勢を取ったところであります。
  110. 山本一太

    山本一太君 答えていないじゃないですか。どうして答えないんですか。もう一度止めなきゃ駄目だよ、やっぱり止めないと。(発言する者あり)
  111. 前田武志

    委員長前田武志君) 菅総理大臣質疑にお答えください。
  112. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 安保会議について、私も安保会議の設置の法案もよく拝読いたしました。いろんな場面が想定されますけれども、今回の段階では今申し上げたような対策本部が現時点では好ましいと、そう考えまして、その対策本部が言わば安保会議が必要としている部分をメンバーとしては全部含んでいますので、その中で協議をしてきたということであります。
  113. 山本一太

    山本一太君 総理のおっしゃっていること、全然よく分かりません。安保会議を開かないということは、制服組が参加していないということなんですよね。  これは総理がおっしゃったように、いや、別に官房長官に聞いていません、韓国国土に対する大変な攻撃だと、そういうことであれば、最初から軍事的ないろんな側面をシミュレーションしなきゃいけないと。安保会議がなかったら、制服組が入っていないじゃないですか。どうやって情勢判断するんですか、総理
  114. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) 二十三日の二十時四十五分から関係閣僚会合を開いたわけですが、そこには当然のことながら危機管理監もそれから統幕長もちゃんと出席をして、統幕長は統幕長の情報をちゃんと我々に伝えて、こうこうだから今の段階はこういう事態というふうに考えるという情報はいただいております。
  115. 山本一太

    山本一太君 安保会議については御質問ありますけど、あと一分しかないので申し上げますが、さっきの総理のこの無償化の答弁聞いていて、本当に支離滅裂。やっぱりこの政権には定見というものがないです。一貫性というものがないです。  我々は、仙谷官房長官の問責、そして国土交通大臣の問責、不退転で出します。本来であれば岡崎大臣も高木大臣も問責したいぐらいですけれども、総理も問責の前に、気力もなえているようですから御自分でお辞めになったらいかがですか。あるいは国民に信を問うと、そちらの方がずっと楽になりますから、それをお勧めして、私の質問を終わらせたいと思います。  ありがとうございました。
  116. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で山本一太君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  117. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、長沢広明君の質疑を行います。長沢広明君。
  118. 長沢広明

    ○長沢広明君 公明党の長沢広明でございます。  北朝鮮による砲撃事件について質問をさせていただきますが、初めに、今回の砲撃による犠牲者の方々、また韓国政府国民に対して深く弔意を表するものでございます。  今回の事件は、一九五三年の朝鮮戦争の休戦以降、北朝鮮が海上ではなく韓国領の陸地を直接砲撃した初めての事案でございます。しかも、着弾地点が民間人の生活地域に非常に近いところというか、そこをねらっているとしか思えない、そういうところで、大変な危険な地域に砲撃をされておりまして、事実、民間人の犠牲者が出ていることからも、民間人の犠牲が出ることもいとわない無慈悲で意図的な砲撃であったというふうに言わざるを得ません。こうした北朝鮮の軍事行動については、常軌を逸した暴挙であり、強く非難すべきであります。  今回の事件は、核開発を進めると見られている北朝鮮が隣国韓国の領土を直接砲撃するという、極東の平和と安定を脅かす新しい局面につながりかねない事態であります。我が国としても、関係国との連携を一層強化して、厳正に対処していく必要に迫られているとも言えます。  しかしながら、その意味では、今、多くの国民が大きな不安を感じていると言っていいと思います。それは、残念ながら、我が国の政府、現政権の外交能力にはずっと大きな疑問符が付いて回っているからであります。尖閣諸島での衝突事件、北方領土に対するロシア大統領の突然の訪問に対する対応、こういうものを含めまして、現政権においては国を守るという重要課題に対する不手際と不始末の連続であると言って間違いないと思います。これで我が国の国民と領土と国家の主権を本当に守れるのか。本当に心もとない、大変に不安だというふうに言わざるを得ません。  周辺海域の緊迫した状況を考えますと、我が国の危機管理上の対応、これは政府として漏れがない備えになっているかをしっかり検討して、しっかりした態勢をつくっていただかなければならない、こういうふうに思います。  まず、今日午前中、衆議院集中審議がございました。そして、今日、参議院でこのように予算委員会で審議が行われておりまして、この問題に関する審議をずっと見ておって、私自身ももう分からないこと本当にたくさんございますが、まず一点。  総理、先ほど来、山本議員の質疑でも取り上げられておりましたが、五時十分に、二十三日、官邸記者の取材にあなたは応じました。これは、砲撃事件の後、初めての総理としての公式の発言でございました。そこで総理は、情報収集に全力を挙げる、それから不測の事態に備えてしっかり対応できるように準備をすると、こういうことを指示したというふうに述べられた。先ほど来あるとおり、私もあの画面を見て、本当に力のない発言だったなというふうに見て、あの画面を見て、あっ、大丈夫だ、国はしっかりやってくれるから大丈夫だと、こう安心した国民はいないと思います。  私は、この段階で総理はまさに日本国の首脳として今回の北朝鮮行動に対してまず厳しく非難する声明を出すべきであった、それをあの時点で出さなかったのは一体なぜなのか、もう一度確認させてください。
  119. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 先ほども答弁をいたしましたけれども、少なくとも当事者である韓国の李明博大統領からは、迅速で強力な日本からの支持があったことに感謝するという、そういう感謝の発言をいただいております。  時系列的に言いますと、私のところに秘書官から話が入ったのが十五時の三十分であります。そして、その後、関係者を集めるように指示をして、集まったところで私は、公邸官邸はすぐそばでありますので、官邸に移りました。そして、その後、十七時過ぎからは宮中行事に出かけなければならないという中で、その時点における情報の中で指示できることについて二点指示をいたしました。それがまさに、しっかりと更なる情報を収集するようにということと、不測の事態に備えてということを申し上げました。  確かに他の国がその後いろいろな声明を出されていますが、私の理解が間違っていないとすれば、たしか他の国の声明も十八時ごろではなかったかと思います。私は、十七時の段階ではまだ、入っていた情報も幾つかありますけれども、この時点では更なる情報収集ということで申し上げました。  宮中行事、これはいろいろと見方がありますけれども、大変重要な行事でありましたので、それが終わってすぐ官邸に帰ってまいりまして、そういう意味では、それで帰ってすぐに関係閣僚会議を開いて、その上で官房長官からメッセージを発していただいたと、そういう経緯であります。
  120. 長沢広明

    ○長沢広明君 総理、まず宮中行事を理由にしてはなりません。それはもう大変不謹慎です。  それからもう一つ、先ほど来、その時点、五時十分の時点指示できることを私は指示したと、こうおっしゃいました。ほかの国も同じようなタイミングだったと、六時の段階だというふうなことをおっしゃっておりますが、アメリカとかロシアとかEUの声明を出すのと、極東の安定、平和のど真ん中にいる、極東の当事者である日本の声明とは全く次元が違います。それを同じレベルで考えてもらっては全くおかしい。日本国の、この極東の安全保障体制のど真ん中にあって、しかも韓国、隣国がこういう事態に立っているという中にあって、まだこの段階で北朝鮮に対して非難する声明を持てなかったという、そこにあなたの総理としての資格の弱さがあるんですよ。そこに本当に責任感のなさがあるんですよ。そこが根本なんですよ。  日本政府として北への非難を明らかにしたのは、官房長官の会見で夜九時過ぎ。総理の発言として非難したのは、翌日十一時の第一回対策本部まで、もう一日過ぎているわけですね、ほとんど。もうそこまでにして北を非難するということを、特に十七時十分の段階で非難することをしなかったということは、すなわち、あなたはその段階で、指示は出した、情報収集とか安全に万全を期すようにと指示は出したけれども、北を非難しないという判断をその段階であなたがしているということになるんです。なぜそこで北に対する非難をしなかったのか、その根拠は一体何なのかということを聞いているんです。そこをお答えください。
  121. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) よく時系列で国民皆さんにも理解していただきたいと思いますが、たしか韓国軍が正式にこの攻撃の内容を発表したのも十八時半ごろであります。まさに今おっしゃったように、我が国は韓国あるいは北朝鮮とも近隣で、特に北との関係も非常に厳しい中にありますから、まずは事実関係を、もし間違えて、間違えてですよ、情報を間違えて、こうだと思ったら後になったらそうではなかったということにはできませんので、そういう意味で、私が十七時に官邸を、これは出かける前にぶら下がりをやったわけでありますけれども、その時点で確実に分かっていることをベースに申し上げたわけでありまして、その後官邸に戻ってきたときには、更なる正式な発表がありましたので、その内容に沿って北朝鮮に対する批判を、非難を明確にいたしたという、時間的な流れの中でそういう行動を取ったということであります。
  122. 長沢広明

    ○長沢広明君 時間的な流れとおっしゃいますが、だとしたら、発生から二時間半近くたってもちゃんとした情報を得てなかったということですよ、要するに。そこの情報がつかめてなかったということです。正式な発表があるまでは、自分たちはこの事態について正式な発表がなかったということをあなたは認める、正式な情報を押さえてなかったということを認めているんですよ。
  123. 前田武志

  124. 長沢広明

    ○長沢広明君 いや、聞いてない聞いてない。(発言する者あり)  いやいや、委員長委員長、私は聞いてない。お願いします。
  125. 前田武志

    委員長前田武志君) どうぞ。続けてください。
  126. 長沢広明

    ○長沢広明君 二時間半にわたってそういう情報を得てなかったということでありますし、私は、あの段階で北朝鮮韓国砲撃しているということを信じられなかった国民は多分いないと思いますよ。私のところだって友人から、家族からもメールが来ましたよ。大丈夫なのか、どうなっているんだ、日本はどうなるんだと、みんなそう思っていますよ。テレビのテロップだって、北朝鮮砲撃韓国応射と、こう出ていますよ。そのことについて、正式な情報がなかった、正確な情報がなかった、正式な発表がなかったということを理由にして、国家として、国家の首脳としてきちんと国民皆さんに対する声明を出さなかったというのは、あなたのこれは今回の最大の失点であったと思います。しっかりお答えください。
  127. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 長沢委員が言われますが、私はその論理はちょっと違うんだと思っています。  まず、やはり政府として物を言うときに、当事者の韓国自身がどういう認識をきちっと持ってこの問題に対応しようとしているのか、そのことがあって我が国としてもあるいは政府としてもそれに対して、支持するなら支持する、そしてやるわけであります。  その意味では、北朝鮮の意図、軍の動向といった情報を収集し、分析していたわけでありまして、砲撃事件の直接の当事者である韓国や、その同盟国であり在韓米軍を有する米国のそれぞれの政府の公式な対応方針や、それらを受けた事態の推移の見通しを持った上で私は日本としてのしっかりしたメッセージをすべきだということで、十七時の時点ではまだそうした正式な見解は出ておりませんので、まずは情報収集と、日本に対して何らかの影響がないようにということで、不測の事態に備えろということを申し上げたのは、私は総理としてはやらなければならないことはやっていたと、このように思っております。
  128. 長沢広明

    ○長沢広明君 いや、そういう情報がつかめるまでは何もできないということであれば、私は、もうこれ下手したら、長距離射程のミサイルが飛んだら、もうとっくに着弾していますよ。そういうことで、対応は甘い。  要するに、総理公邸で第一報を耳にしてテレビで事件報道を見ておきながら、午後四時から四十分近く公邸で民主党の国会対策関係者と面会していたと、ずっとこれ問題になっています。本来なら、今、情報収集されていると、正確な情報を知らなければいけなかったというふうにおっしゃるのであれば、もうすぐにでも官邸に行って対応すべきだったと。元々の約束だということだと、面会の約束があったというんであれば、その面会の約束をキャンセルしてでも私は官邸に行くべきだったと思うんですよ。  ということは、事の重大さを全く認識してなかった、安全保障会議を開かなかったということも含めまして事の重大性に対する認識がなかった。総理の頭の中では、その段階で、隣の韓国で起きている日本をめぐる安全保障上の重大事案よりも、当面の国会対応の方が重要だったんじゃないかということになっちゃうんですよ。だったら、その段階でキャンセルすべきだ。四十分も民主党の国会対策関係者とそこで話を公邸でしている。それは、元々、その対応自体がおかしいと私は思います。  危機管理の即応態勢が元々問われる可能性が高い。この政権は、尖閣の問題もそれからロシアの問題もいろんなものを含めて、いろいろな危機管理体制をずっと随分問われております。そういうことが問われる可能性が高い。大分遅れて官邸に入りましたが、官邸に入ったそのすぐ後に記者のぶら下がり取材に応じて、私はちゃんとこう指示を出しましたと、こうアピールだけしておけばそれでよいという感覚だったんじゃないかということがあるんですよ。  支持率が急落する、揺らいでいる自分の政権の足下、あなたは自分の政権の足下のことで頭がいっぱいになっている。日本として北朝鮮の蛮行を厳しく非難するという、国家の首脳としての一番大事な声明を出すということが頭から、そこから欠落していた。そこに菅政権の政権担当能力の限界を感じてならないということを私は指摘しておきたいというふうに思います。  もう一つ、午前中の審議でもありましたけれども、緊急事態が発生したときに、首脳が入るルール、それから各省庁の担当者、幹部と随行員、こういう人たちが危機管理センターに入るというのに二十分以内に官邸に参集すると、こういうルールがあるんではないでしょうか、官房長官
  129. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) 私どもは、その二十分、三十分という決まったルールが文章化されてあるとは思っていませんが、できるだけ早く入ることが望ましいというのは当然です。  当日のことをちょっと御説明をさせていただきますが、事案発生前は、これは平素の態勢でございます、休日でございましたけれども、九名態勢で行っておりました。十五時二十分に情報連絡室を設置をしました。担当参事官が緊急参集をいたしました。そこから、十六時十一名、それから十六時過ぎに担当班員を呼集したと、十六時三十分二十三名、十六時四十五分には第一次参集班呼集、十七時三十分には三十五名、十七時四十五分には第二次参集班呼集、十八時三十分以降は五十名と、こういうのが危機管理センター及び情報連絡室の当日の態勢でございました。  もうちょっといいですか、先生、もうちょっといいですか。  それで、先ほど、菅総理の五時十分ごろのぶら下がり、それから八時四十五分からの関係閣僚会議、この間のこともおっしゃられましたけれども、実は、これはさっき菅総理おっしゃったように、やはりオフィシャルな確定される情報をしっかりと踏まえてでないと言えないことと言えることとございます。そこで、韓国がどのような今情報で、事実認識の下でどういうふうにやっているのか。これは、十八時あるいは十八時三十分のいわゆる韓国の統合本部ブリーフ、あるいは統合本部の正式な報道官の記者会見というものを我々も待って確認してからの方がいいんではないかというのが、私どもが五時十分でできなかったこと。  それからもう一つ、もう一つ……
  130. 前田武志

    委員長前田武志君) 簡潔にお願いします。
  131. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) はい。  もう一つ、ホワイトハウスの関係も、実は、例えばホワイトハウスで零時五十分の段階でも、国防総省のラバン副報道官は米国の軍事行動を検討することは時期尚早との見解を示したというのが流れております。  私どもも、各国見ますと、それはそうはいうものの、各国トップが早々に堂々と出ていって何かをやるということは少なくて、割と報道官、副報道官とかが徐々に積み重ねていって、どこかでトップの意思を表明するわけであります。現に……
  132. 前田武志

    委員長前田武志君) おまとめください。
  133. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) 現に、オバマ大統領が激怒しているという談話を副報道官が発表したのは当日、一日変わった五時四十七分でございました。
  134. 長沢広明

    ○長沢広明君 委員長、ちょっと今の答弁長くて。  要するに二十分というこれは、例えば緊急事態が発生したときに、官邸危機管理センターに対して、各省庁の幹部ですね、参集幹部というのが決まっていて、その参集幹部と随行員、連絡を受けるその随行員は原則として二十分以内に官邸に参集するという、こういうルールがあったわけですよ。このルールに対して考えれば、今回、危機管理監、何時に着いたんですか、危機管理監。
  135. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) 十六時三十分直前というふうに確認しております。
  136. 長沢広明

    ○長沢広明君 もう全然遅れているんですよ、そういう意味では。もう全く遅れている。そういうことから考えると、これまでの通常の危機管理態勢よりも今の政権の危機管理の状況というのは非常に緩くなっている、悪くなっているということがもうこういう数字からはっきりして分かるわけですよ。  ちょっとこの問題、またあれなんですけれども、ちょっとほかにも確認したいことあります。  国際的なやっぱり枠組み、これからつくらなきゃいけないと。特に、この今回の問題は、今後、日米韓の三か国の枠組みが非常に重要になってまいります。残念ながら、民主党政権下で日米関係は決して良好な関係とは言えないということの心配がある。また、この日米韓の三か国で情報交流をどれだけきちんとするかということが非常に大事な局面を迎えていますが、この情報交流という面でも、テロ対策情報が流出したり、尖閣ビデオが流出したりということで、我が国の情報管理に対する他国からの信頼が著しく低下しているという状況の中にあります。  一方で、日米は同盟関係、米国と韓国も同盟関係と。しかし、日本韓国というのは厳密な意味では同盟関係とは言えないと。もちろん、同盟関係を築く、日本韓国との間でいわゆる同盟というレベルをつくることがいいのかどうかという議論があるし、現実的には非常に難しい問題。しかし、同盟国ならではの、特に外交、防衛、軍事に関する情報というのは同盟国ならではの情報交流というのが必要になると。こういう日韓の間での協力・信頼関係をどうつくるかということが、これは非常に重要な課題になります。  日米韓の三か国の枠組みをこれからどうつくっていくおつもりか、総理にお考えを伺います。
  137. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私は、現在、日米、日韓、大変良好な関係にあると、こう認識をしております。  確かに、日米について、普天間の問題等でいろいろと心配があったこともありましたけれども、この間、私が総理に就任して三度、オバマ大統領と首脳会談を行い、そして三つの面、つまり安全保障と経済、そして文化や人的交流と、こういうことで日米同盟を深化していこうと、そういう話も着実に進んでおりまして、日米間の信頼関係はより強いものになっていると思っております。  韓国については、特に八月十日、ある意味で日韓の関係で百年目の節目とされた年でありましたけれども、総理談話を出し、そうした活動の中で、日韓は国民レベルでも大変関係が良くなっていると同時に、私も李明博大統領とも何度もお会いをいたしまして、今回もこの問題が起きたので、すぐ、翌日の十二時過ぎに電話会談を行い、そして我が国の姿勢について感謝の意を述べていただきました。  そういう意味では、日米韓の三国体制をしっかりしながら対応していきたいと考えております。
  138. 長沢広明

    ○長沢広明君 時間が来たので、済みません、本当はもっと話をしたかったこといっぱいあるんです。今のお話、同盟は難しい、しかしやはり日韓の協力と信頼の関係をどうつくるのかということは非常に大事な問題であるということで、例えば、公明党の山口代表、この間ソウルへ行ってきました。ソウルで日本人学校にも行って、日本人学校についても、ソウル、韓国の側が非常に配慮してすばらしい学校をつくって、日本人の子弟の教育というものにも大変力を入れてくれている……
  139. 前田武志

    委員長前田武志君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。
  140. 長沢広明

    ○長沢広明君 ということも含めて、そういう教育とか文化の関係は非常に重要と。  先日、李明博大統領からも、特に日韓図書協定、これの早期締結に対する期待、すごく強く出されましたので、これしっかりやると、一言だけお答えください。
  141. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) しっかり取り組んでまいりたいと思います。
  142. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で長沢広明君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  143. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、小熊慎司君の質疑を行います。小熊慎司君。
  144. 小熊慎司

    小熊慎司君 みんなの党の小熊慎司です。  まず初めに、今回の砲撃事件で被害に遭われた方々に弔意を表しますとともに、けがをされた方々の一日も早い回復をお祈りを申し上げる次第であります。  これまでの質疑の中で様々明らかになってきましたけれども、やはりどのように総理が言葉を重ねても、初動の遅れ、その対応のまずさということは否めないというふうに思います。  あえて初めにお聞かせいただきたいと思いますけれども、五時十五分の記者団のぶら下がりに際して、なぜ北朝鮮に対する非難をできなかったのか、お聞きいたします。
  145. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 先ほど来繰り返し申し上げておりますが、やはり総理大臣が言う以上は、事実関係を間違えて理解していたりしたら、後である意味取り返しが付かないことにもなりかねないわけであります。ですから、十七時という時間でいえば、まだ、韓国の正式なブリーフィングが行われたのが十八時三十分でありますし、よくアメリカやロシアということも言われますけれども、それもそのころに行われたわけでありまして、私が官邸を出なければいけない直前に行いました記者に対するいわゆるぶら下がり取材に対しては、その時点で分かっていることで必要なことを申し上げました。  二つの重要なことを申し上げました。つまりは、いろいろな報道等はあるけれども、しっかりとまず情報をありとあらゆるパイプを使って把握すること、そして先ほどミサイルという言葉も議員の方から出ましたけれども、少なくとも我が国にとって万全の体制をつくること、この二つについて指示をしたと、このことを表明したわけでありまして、決して、何か初動態勢が遅れた遅れたと、何かわざわざそういうイメージをつくり上げようとされていますけれども、全くそうじゃありません。十五時三十分からの対応については、きちっきちっとその情報の把握された段階で指示を出し、必要なところは国民に向かってもちゃんと発信してきたと、このように考えております。
  146. 小熊慎司

    小熊慎司君 あれだけの映像が様々な報道によって流されて、私、ちょうどその五時過ぎの時間は地元で警察署長さんと懇談をしておりましたけれども、そのとき既に私の地元の署長さんは、こういう事態においては様々なオペレーションがあると、シミュレーションをしていると、しかし何の指示もないということをおっしゃっていました。地方の一警察署長さんが既にいろんなシミュレーションをしていたんですよ、その五時過ぎの段階で。幾ら韓国が正式な声明を出していないといっても、これだけの重大な事案に関して何も発言を、非難をされないということは、大変ゆゆしき問題だというふうに思います。  そしてまた、その後、政府の正式見解が二十一時五十分でございます。日本時間においては、韓国が六時、ロシアは七時、アメリカは六時三十三分に出されておりますけれども、この段階においても、先ほどの答弁であったとおり、報道官とかそういう方々が各国ではされていますが、いわゆる日本は隣国であるということと事の重大さを考えれば、やはり総理のリーダーシップの下で総理自身がしっかりとその声明を出すべきだったと思いますけれども、見解を求めます。
  147. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今、小熊さん御本人からもありましたように、少なくとも十七時の段階ではアメリカやそういった国々も出していないんですから、そこだけは、初動が遅かったと言われることについては、十七時のことを皆さん言われますけれども、他の国も首脳がそこまでのことは踏み込んだ発言はしていませんから、そういうことを含めてきちっと対応したということは改めて申し上げます。  その後の対応についても、官房長官が多くの場合は、こういう重要な課題についても、報道といいましょうか、報道関係の方に伝えるというのが一般でありますので、大変重要な案件だということを十分分かった上で、官房長官から関係閣僚会議の結論を踏まえて発表していただいたということであります。
  148. 小熊慎司

    小熊慎司君 その一般であると言うことが、もう危機意識の欠如だというふうに思っています。  九・一一テロのときの政府見解はこれは総理がやられているというふうに私の調査で明らかになっておりますけれども、総理自身がこの九時過ぎの声明も出さなければ、これは韓国との信頼、そして日本国民に対する生命、財産をこの政府が守っていくんだという姿勢を示すことにはならなかったというふうに思っています。総理自身が危機管理が欠如しているから自分で答えずに官房長官にたらい回しをしている、そういう証左ではないんですか。ここはやはり政治家としてしっかりと総理が声明を出すべきであったと指摘をさせていただいておきます。  それでまた、今後の対応が非常に重要になってきます。韓国対応がまた待たれるところでありますけれども、国連安保理での北朝鮮の制裁決議を取るべきだというふうに思いますけれども、今後のそのことに対する日本政府対応をお聞きいたします。
  149. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 今回の砲撃事案の被害国、当事者は韓国でございます。昨日、総理は李明博大統領とも電話で話をされましたし、私も金星煥外交通商部長官と話をいたしまして、当然ながら国連への対応を含めた話合いをしているわけでございますけれども、まずは、当事国である韓国がどのような思いを持って事に当たろうとしているのかということを尊重しながら、日韓あるいはアメリカも含めて連携して対応していきたいと考えております。
  150. 小熊慎司

    小熊慎司君 日米韓の連携の中でしっかりとこれは取り組んでいただきたいというふうに思っております。  さらに、北朝鮮に強い影響力を持つ国が中国であることは皆さん御承知のとおりであります。あの韓国の哨戒艦沈没事案のときもそうでしたけれども、中国の、ほかの国との協調を取らなかったことで安保理でも決議がされなかったということがありました。今回のこの砲撃事件に際しても中国の声明は、ロシアでさえ非難をしているのに、中国は、これは戦略的互恵関係の下にそういう発言が出てくるのか分かりませんが、情報収集に努めるということが中国外交部から出ているところであります。  この中国に対してしっかりと北朝鮮に責任ある行動を取るように働きかけるべきだと思いますけれども、御見解をお尋ねいたします。
  151. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 昨日、程永華駐日大使を外務省に来てもらいまして話をいたしました。全く問題意識は小熊委員と私は同じでございまして、もちろん当事国である韓国の思いをしっかり受け止めながら日米韓の連携をしっかり取る。しかし、六者協議でも議長国でありますし、また、国連の場で何か話を持っていく場合には、これは常任理事国でございますので、また北朝鮮に対する支援を行っている国でございますので、そういう意味においては中国の役割は極めて大きいということで、様々な話をいたしました。  程永華大使からは、とにかくこの応酬の連鎖というものが広がらないようにしっかりと取り組んでいかなくてはいけないという話がございまして、また中国からも働きかけを強めてもらうように、様々な外交ルートで今後も緊密な連携を取って、中国からもそういった働きかけをしてもらうように我々も努めてまいりたいと考えております。
  152. 小熊慎司

    小熊慎司君 過日のAPECの首脳会議の際に戦略的互恵関係を更に進展させていくというふうに確認をしたというふうに総理はおっしゃっていますけれども、アメリカ中国もこの後政府レベルでの様々な取組をされるというふうに聞いておりますが、総理自身は今回の件に関して、中国首脳との戦略的互恵関係の中で何か連絡を取ったということはありましたか。
  153. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私自身、北朝鮮に対して大きな影響力を持っている中国が、国際的な社会のルールにのっとって、今回の問題では当事者である北朝鮮自身が砲撃をしたということを認めているわけですから、前の哨戒艦のときは北朝鮮が認めていなかったわけですけれども、今度は認めているわけですから、そういうことも含めて、北に対する影響力をきちんと行使をしてほしいというふうに思っております。  その上で、私の方からも、今、前原大臣からありましたように、まずは大使を大臣が招いてそういう意図をしっかりと伝えてほしいと、そういう行動を取ったところであります。
  154. 小熊慎司

    小熊慎司君 この東アジア地域の中でのしっかりとした日本のプレゼンスを高めるためにも今回の対処をしっかりとしていただくことを求めて、次に移ります。  官房長官、よく冷静に対処をと言っておられますけれども、しっかりと危機管理をやって冷静にということで遅々として進まない対応はまずいというふうに思います。今回も政治家の反射神経が問われた事案だったと思いますけれども、この反射神経を欠いたような対応だったというふうに私は思います。しかも、今回の事案だけではなくて、過日の尖閣諸島沖の船長の釈放についても、そしてまた様々なビデオ流出、仙谷官房長官が主導的に対応したことを認めて、危機管理の反省をしてこなかったから今回の対応のまずさも表れたということを認めていただきたいというふうに思いますけれども、仙谷官房長官の御見解をおただしいたします。
  155. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) 今回の対処の中でどこを指して危機管理上問題があると言われておるのか、私は分かりません。(発言する者あり)開き直りとおっしゃるけれども、開き直りではなくて、具体的にこの間の情報収集とあるいは万全な態勢の指示、そして各国との対応、あるいは情報収集、分析、ここまでは適切に対処ができていると私は考えております。
  156. 小熊慎司

    小熊慎司君 官邸に入る時間も遅かったわけでありますし、その後の声明を出すのも遅かったという点で、その対応がまずかったというふうに私は思っております。
  157. 前田武志

    委員長前田武志君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。
  158. 小熊慎司

    小熊慎司君 今回の官房長官の、主導的な対応をして失敗をしたということは否めません。この失敗の危機管理を続けている以上、国民はまくらを高くして寝れません。官房長官を即刻更迭して、的確な危機管理ができる、国を守るにふさわしい官房長官の任命を要求したいと思います。それがなされなければ、本日、直ちに我が党は官房長官の問責決議案を提出することをお伝え申し上げて、質問を終わります。
  159. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で小熊慎司君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  160. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。
  161. 井上哲士

    井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  多くの民間人が住む韓国の延坪島に対する北朝鮮による無差別の砲撃は、朝鮮戦争の休戦協定にも国連憲章にも違反する無法な行為であります。また、例えば二〇〇七年に南北首脳会談での、南と北は互いに敵対視せず、軍事的緊張を緩和し、紛争問題を対話交渉を通じて解決することとしたと、こういう宣言など、南北間の様々な合意にも反する行為であります。我が党は、この北朝鮮による軍事挑発行動を厳しく批判をするものであります。  北朝鮮のこの無法行為に対して韓国の大統領は、これ以上の挑発があれば断固たる措置をとるということを表明をしております。同時に、今回の砲撃について、軍事攻撃などの言葉は使わずに武力挑発という表現をし、事態が拡大しないよう命じるなどの冷静な対応をしております。このことは大変私は重要だと考えますけれども、総理の御認識はまずいかがでしょうか。
  162. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) おっしゃるように、韓国大統領府広報首席秘書官は、今回の北朝鮮砲撃行為について武力挑発であるとの表現を用いて声明を出されております。このように抑制された表現を使用していることは、韓国政府が冷静かつ一方では断固とした対応を取っていることの表れであると、このように評価をいたしております。
  163. 井上哲士

    井上哲士君 この挑発への対応で大事なことは、無法行為は絶対繰り返させないと、こういう毅然たる立場で臨むことであります。同時に、挑発に乗って軍事的な緊張を強めたり事態をエスカレートさせてはならないということであります。  横須賀から米空母ジョージ・ワシントンが出動しているようでありますが、そこは冷静に対応し、国際的な非難でこの北朝鮮の行為を包囲をするということ、事態を絶対に拡大させないということが重要だと考えます。  軍事的な緊張を高めたり、そして軍事紛争につなげるのではなくて、外交的、政治的な努力によって解決をするというこの国際社会の努力が重要だと考えますけれども、この点での総理の御認識はいかがでしょうか。
  164. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 今回の北朝鮮によります砲撃は、韓国のみならず我が国を含めたこの地域の平和と安全に対する挑戦でありまして、そういうゆえに我々は強く非難をしているわけでございます。まずは、今の御指摘の前提となるのは、北朝鮮がこのような挑発行為を繰り返さないことをしっかりと我々が連帯してメッセージを出す、働きかけをしていくということが大事だと思います。  その観点から、今委員指摘のように、平和的、外交的な解決が必要でございますので、今、我々、様々な国との連携を模索をしておりますけれども、そういった各国との連携というものを更に強めながら、北朝鮮の更なる挑発を抑え、平和的な解決に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
  165. 井上哲士

    井上哲士君 北朝鮮がこの攻撃とその被害の責任を取って、挑発的な行為を繰り返さないように厳重に我々も求めるものであります。  そして、それをやめさせて、外交的、政治的な努力で解決をするという上で日本政府の役割は非常に大事だと思うんですね。様々な連携ということがありましたけれども、具体的に関係諸国を始め国際社会に対してどのような働きかけを行っていくのか。例えば、日本として周辺関係諸国による会議などを呼びかけるとか、様々な方法あると思いますけれども、具体的にどういうことをやろうとされているんでしょうか。
  166. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 今回は、北朝鮮砲撃韓国に対して行われたということで、被害を受けた国は韓国でございますし、韓国がどのような対応をするかということを我々は第一義的に尊重しなくてはいけないと思っております。  その上で、韓国の思いというものをしっかりと、今話合いを進めておりますけれども、その上で韓国の同盟国であるアメリカ、そして日米韓の協力関係をどのように進めていくのかと。今朝はクリントン長官とも話をいたしまして、この日米韓との連携を更に進めていこうということでの合意を得たわけでございますけれども、それと同時に、先ほどから話が出ておりますように、中国あるいはロシア、ロシアについては今回の対応についてはかなり批判をしております。そういったところとの協議もしっかりやっていかなくてはいけないというふうに思っております。  いずれにいたしましても、その会議がどうのというよりも、各国との連携の中でいかに効果的に韓国の思いに立った北朝鮮への働きかけをしていくのか。そして、先ほど委員が御指摘をされた平和的、外交的な解決に向けての取組というものを、必要に応じてはニューヨークのいわゆる国際社会の場でも働きかけをしながら行ってまいりたいと考えております。
  167. 井上哲士

    井上哲士君 私は、やはりこの憲法九条を持つ日本にふさわしい、軍事的な緊張ではなくて外交的な解決をつなげるための努力が必要だと思います。  最後に、この問題に関連して、菅総理から、朝鮮学校から高校無償化制度の申請があっても手続を見合わせるようにという指示があった。先ほども議論になりました。  私は、これは、外交上の問題は考慮しないで教育の観点から制度を適用すると言ってきた政府の方針からも大きく食い違うものだと思います。教育を外交圧力の道具にするということは、私はあってはならないと思います。子供には関係ないのに差別をするような、そういう措置をとるのはおかしいと。やはりこれは、学校教育、子供が教育を受ける権利ということとこの問題は切り離して考えるべきだと、このことを最後に指摘をいたしまして、質問を終わります。
  168. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  169. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、中山恭子君の質疑を行います。中山恭子君。
  170. 中山恭子

    中山恭子君 たちあがれ日本・新党改革の中山恭子です。  まず、この度の北朝鮮での攻撃によって被害を受けた韓国の人々に、その悲しみに思いを致し、心から弔意を表します。  今回、北朝鮮砲撃は、一般住民が生活する韓国領土に対する砲撃であり、国連憲章第二条第四項に抵触し、五十一条に言う武力攻撃に当たるものと考えております。  政府は、関係閣僚会議を開催したとのことですが、今回の武力攻撃は、安全保障会議設置法に言う重大緊急事態に当たると考えられます。速やかに安全保障会議を開催すべしと考えますが、総理、いかがでしょうか。
  171. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) これは、砲撃のありました十一月の二十三日に、まず夕方、関係閣僚会議を開きました。そして、翌日二十四日にこの問題の対策本部を設けました。閣議で決定をいたしました。そこには全閣僚が参加をする形になっております。  そういうことで、安全保障会議というものの性格を考える中で、まずはこの北朝鮮による砲撃事件対策本部で全体の意見を議論をして方向性を出していくと。また、場合によっては必要に応じて安保会議を招集することも考えなければなりませんが、現時点ではそれに代わってこの対策本部で対応しているということであります。
  172. 中山恭子

    中山恭子君 三月の哨戒艦沈没事件の際にもこの安全保障会議は開催されていません。  安全保障会議設置法、もうよく御承知と思いますが、第二条では、重大緊急事態については内閣総理大臣は安全保障会議に諮らねばならないと義務付けています。同時に、この安全保障会議での決定に対して総理が責任を持つということは明らかなことでございます。  安全保障会議を開催せず閣僚会議で済ませようとするのは、まさに法律に違反している、法律に背いている、つまり国会を軽視していることであり、また責任を分散しようとしていることであると言える。又は、そうでなければ、この事態を重大緊急事態ととらえ切れずに真剣さに欠ける対応を行ったあかしであると言えると思います。  北朝鮮の動向は日本にとっても直接かかわるものであり、常に監視し、事態に正面から向き合って遺漏ない対応をしていかなければなりません。北朝鮮情勢について常時情報を収集し、安全保障会議で常に議論し対応を検討していれば、今回の砲撃も決して偶発的なものでなく想定内の事案であり、直ちに毅然とした対応が取れたはずだと考えています。  これまで北朝鮮の動きを、この後のことですけれども、動きを見てみますと、今回の事件が落ち着いたころ、日本に対し対話を求めてくると考えられます。脅して甘える、この常套手段により北朝鮮関係国から約束を履行することなく支援を勝ち取り、核開発を行う時間を稼いできました。先ほど、六者会合において対話のための対話は行わないとの御発言がありましたが、特に日朝間では拉致被害者全員を帰国させるとの明確な方針が示されなければ対話に応じないとの対応策を取っていただきたいと考えています。  また、仙谷官房長官にお伺いいたします。  法務大臣、拉致担当大臣仙谷官房長官の兼務となりました。先般の尖閣諸島の問題でもその対応の在り方に判断ミスがあり、また自衛隊に対する暴力装置発言の問題を見ましても、国家の主権にかかわる重大事項で、官房長官考え方、資質に問題があると言えるかと思います。国家意識のない方が危機管理の担当であり拉致問題の担当であるということは、国民にとって大変不安の多いことでございます。  官房長官は、国家を預かる政府首脳として、国民の生命、財産と領土、領海を守る、日本の国益を守ることを明言していただけますでしょうか。
  173. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) 質問が多岐にわたって、なかなか簡潔にできないかも分かりませんが……
  174. 前田武志

    委員長前田武志君) 時間が迫っておりますので、簡潔におまとめください。
  175. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) 先ほどおっしゃった安全保障会議設置法第二条九号の重大緊急事態は、通常の緊急事態対処体制によっては適切に対処することが困難な事態をいうということですから、そこまでの現在は状態であると考えていないから関係閣僚会議で対処しているということを御理解をいただきたいと思います。  それから、拉致事件の解決については、中山議員がおっしゃるように、重大な国家主権侵害、人権侵害問題を私も全力を尽くして、中山先生がなさったような方針の下、頑張ってまいりたいと思っております。
  176. 中山恭子

    中山恭子君 今国会で対北朝鮮決議を今準備が……
  177. 前田武志

    委員長前田武志君) もう時間が過ぎておりますので、おまとめください。
  178. 中山恭子

    中山恭子君 はい。  準備が今行われていると思いますが、その中に是非拉致問題も加えていただきたいと思っております。備えを万全にし、毅然と対応することを総理に強くお願いして、質問を終わります。
  179. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で中山恭子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  180. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
  181. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  北朝鮮による砲撃は極めて問題であり、社民党は強く抗議をいたします。犠牲になられた人たちに心から弔意を表します。  総理、今回の件は休戦協定違反だと考えますか。政府は国際法違反についてどう考えていますか。
  182. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) お答えいたします。  休戦協定につきましては、これは当事国ではございませんので日本が判断をする立場にはございませんけれども、韓国側についてはそのような発言があるという認識を持っております。  また、今回無防備な一般人に対する砲撃が行われたということで、ジュネーブ条約違反の疑念が極めて強いのではないかという認識を持っております。
  183. 福島みずほ

    福島みずほ君 韓国は極めて自制的であると同時に、何倍でもやり返せという声も出ています。朝鮮半島で武力行使をエスカレートさせないことが極めて重要であり、そのために、日本こそ韓国北朝鮮、また世界に対してメッセージを出し、働きかけることが必要だと考えますが、総理、いかがですか。
  184. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) この砲撃事件がエスカレートすることは、この東アジア、東北アジアにとって大変重大な危機を招くことになりますから、それを抑制していくということは全力を挙げて取り組まなければなりません。  今我が国として対応できることは、まずは、当事者国である韓国との意思疎通、連携を深める。これは昨日、李明博大統領との電話会談をいたしました。また、韓国とも同盟関係にあり日本とも同盟関係にある米国との関係をしっかりこの問題で連携をしていくということ。さらには、北朝鮮に対して影響力を持っている中国に対しても、そうした方向での北に対する抑制的な力を発揮することを要請していくと。そのために外務大臣中国大使を呼んで意向を伝えたところであります。そういう形で取り組んでまいりたいと考えております。
  185. 福島みずほ

    福島みずほ君 この領域で米韓の軍事演習が行われるというふうにも聞いておりますが、できるだけ軍事的緊張が高まらないように、日本メッセージと働きかけを心からお願いいたします。  六か国協議の再開に向けて国際社会の努力が行われてきました。北朝鮮は、ウラン濃縮施設を公開するなど核問題についても挑発的な態度を取っております。だからこそ六か国協議を再開し、解決をしていくことが重要だと考えています。そのために日本政府はどのように動いているでしょうか。
  186. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) この六者協議につきましては、韓国そしてアメリカ中国とそれぞれ話をしておりますけれども、我が国も含めてこの四か国で共通をしておりますのは、対話のための対話再開であってはいけないと、やはり何らかの前進が得られるものでなければならないという点では一致をしております。  そういう前提に立てば、今回のウラン濃縮あるいは韓国の延坪島への砲撃、こういったものについては、北朝鮮自身が自ら望んでいるのかもしれませんけれども、六か国協議の再開というものは遠のいたという認識を強く持つべきだと思います。
  187. 福島みずほ

    福島みずほ君 あらゆる努力を尽くして、この北東アジアにおける安全保障構想あるいは安定のために、日本政府こそ、日本こそ役割を果たすことを強く要請をいたします。  韓国政府は、国連安全保障理事会への問題提起を急がず、国連軍事停戦委員会に調査を要請する方針と見られています。朝鮮戦争の休戦協定に違反するかどうかを判断し、南北双方の意見を聞いた上で国連に報告するとしております。安保理への提起について、日本政府の方針はいかがでしょうか。
  188. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 今回の事案につきましては、北朝鮮からの砲撃を受けた当事国である韓国の意向をしっかり踏まえて行動していきたいと思っておりまして、この件についても韓国と密接に今協議をしているところでございます。
  189. 福島みずほ

    福島みずほ君 このような事態に当たって、在日朝鮮・韓国人の人たちに対して嫌がらせやいじめ、差別、不利益取扱いなどがあってはならないというふうに考えております。  朝鮮学校の高校授業料無償化ですが、今まで政権は、外交上の配慮で判断すべきではないとしてきました。であるならば、やはり切り分けて、これはやっぱり筋を通すべきだと考えますが、総理、いかがでしょうか。
  190. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 先ほど他の委員の方にも答弁をいたしましたけれども、今回、北朝鮮砲撃を民間人が住む韓国領に加えるという大変重大な案件が発生をいたしております。そして、国内でもこの予算委員会を含めてこの問題について議論をしているまさに最中であります。  そういう中にあって、これまでのプロセスをいったん停止をすると、このことが好ましいと考え指示をいたしました。
  191. 福島みずほ

    福島みずほ君 今まで言ってきたことと、事件が起きて、展開が違うからお聞きをしているんです。  私は、やはり筋を通すべきだ、今まで外交上の配慮で判断すべきではないとしているのであれば、それをやはり通すべきだと考えています。日本人も、アメリカで日系アメリカ人の強制収容所に例えば戦争中入るなどのことがありました。やはりこれは北朝鮮には強く抗議する、問題あり。しかし、日本にいる在日韓国・朝鮮の人たちあるいは高校授業料無償化とはやはり切り分けて考えるべきだと思いますが、いかがですか。
  192. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今申し上げていますように、今まさに、この事件が起きてまだ三日目になりますか、そういう中でいろいろ議論をしているこの状況の中で、いったんプロセスを停止をするということが好ましいと、そう判断いたしました。
  193. 福島みずほ

    福島みずほ君 日本政府が、この北東アジアにおける安定、平和の構築、そして軍事的なことのエスカレートをさせない、外交上の努力も含め、平和的な努力も含め、日本政府ここにありと、日本のイニシアチブを心から要請し、私の質問を終わります。
  194. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて北朝鮮問題等に関する集中審議は終了いたしました。  次回は明二十六日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十二分散会