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2010-11-17 第176回国会 参議院 予算委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十二年十一月十七日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  十月二十五日     辞任         補欠選任      石橋 通宏君     友近 聡朗君      金子 洋一君     一川 保夫君      森 まさこ君     福岡 資麿君  十一月十日     辞任         補欠選任      徳永 エリ君     石橋 通宏君  十一月十一日     辞任         補欠選任      石橋 通宏君     徳永 エリ君  十一月十六日     辞任         補欠選任      一川 保夫君     斎藤 嘉隆君      長沢 広明君     山本 香苗君      片山虎之助君     中山 恭子君  十一月十七日     辞任         補欠選任      梅村  聡君     武内 則男君      山根 隆治君     平山  誠君      大門実紀史君     井上 哲士君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         前田 武志君     理 事                 植松恵美子君                 川上 義博君                 水戸 将史君                 森 ゆうこ君                 礒崎 陽輔君                 猪口 邦子君                 衛藤 晟一君                 加藤 修一君                 小野 次郎君     委 員                 有田 芳生君                 梅村  聡君                 金子 恵美君                 小見山幸治君                 行田 邦子君                 斎藤 嘉隆君                 榛葉賀津也君                 武内 則男君                 徳永 エリ君                 友近 聡朗君                 中谷 智司君                 西村まさみ君                 平山  誠君                 安井美沙子君                 吉川 沙織君                 米長 晴信君                 愛知 治郎君                 磯崎 仁彦君                 片山さつき君                 川口 順子君                 佐藤ゆかり君                 塚田 一郎君                 西田 昌司君                 長谷川 岳君                 丸山 和也君                 山田 俊男君                 山谷えり子君                 石川 博崇君                 草川 昭三君                 山本 香苗君                 桜内 文城君                 井上 哲士君                 中山 恭子君                 福島みずほ君    国務大臣        内閣総理大臣   菅  直人君        総務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣地域主        権推進))    片山 善博君        法務大臣     柳田  稔君        外務大臣     前原 誠司君        財務大臣     野田 佳彦君        文部科学大臣   高木 義明君        厚生労働大臣   細川 律夫君        経済産業大臣   大畠 章宏君        国土交通大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣沖縄及        び北方対策))  馬淵 澄夫君        防衛大臣     北澤 俊美君        国務大臣        (内閣官房長官) 仙谷 由人君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)        (内閣特命担        当大臣消費者        及び食品安全、        少子化対策、男        女共同参画))  岡崎トミ子君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(「新し        い公共」))   玄葉光一郎君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣経済財        政政策科学技        術政策))    海江田万里君    内閣官房長官        内閣官房長官  福山 哲郎君    副大臣        財務大臣    櫻井  充君    大臣政務官        外務大臣政務官  菊田真紀子君    事務局側        常任委員会専門        員        藤川 哲史君    政府参考人        法務省刑事局長  西川 克行君        公安調査庁長官  北田 幹直君        海上保安庁長官  鈴木 久泰君    説明員        会計検査院事務        総局次長     河戸 光彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○予算執行状況に関する調査  (外交防衛等に関する件)     ─────────────
  2. 前田武志

    委員長前田武志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  予算執行状況に関する調査を議題とし、外交防衛等に関する集中審議を行います。  質疑者はお手元の質疑通告表のとおりでございます。  これより質疑を行います。中谷智司君。
  3. 中谷智司

    中谷智司君 皆さんこんにちは。民主党中谷智司です。  今日は、菅直人総理を始め、閣僚皆様方と御質疑ができることを心よりうれしく思います。日本課題について皆様方と真剣な議論をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  まず最初、柳田法務大臣の二つだけ覚えておけばいいという御発言がございましたが、この件に対する柳田法務大臣のお考えをお聞かせください。
  4. 柳田稔

    国務大臣柳田稔君) 私の広島での発言、思慮が足りなかったと心から反省をいたしております。昨日の衆議院の法務委員会においても撤回し、陳謝したところでございます。今後とも、国会の答弁には真摯な姿勢で臨みたい、そう考えております。この場でも心からおわびを申し上げます。済みませんでした、どうも。
  5. 中谷智司

    中谷智司君 今の御発言について、仙谷由人官房長官の御意見をお聞かせください。
  6. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) 先ほど十二時に柳田法務大臣官房長官室においでをいただきまして、事実を問いただしました。そのニュアンスあるいは周囲の状況等々もお伺いして、大変大きな誤解を生む発言でございますので、これは今後とも気を付けて国会論議やあるいは職務に精励するようにという意味を込めて、私から厳重注意をさせていただいたところでございます。
  7. 中谷智司

    中谷智司君 柳田法務大臣には、是非とも今後は大臣らしい御発言をしていただきますよう、よろしくお願いいたします。  私たち民主党は、昨年九月、国民皆様方から、政治を変えてほしい、古い政治を変えてほしい、国民思いが届くような政治をつくってほしい、そういう思いをいただいて政権を託していただきました。国民皆様方が期待していることの重要なことの一つが、税金無駄遣いをなくすということです。(発言する者あり)
  8. 前田武志

    委員長前田武志君) 質疑の妨げになりますから、御静粛に願います。
  9. 中谷智司

    中谷智司君 行政刷新会議事業仕分についていろいろな御意見が出ていますが、総理事業仕分に対する御意見をお聞かせください。
  10. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 事業仕分は、国民皆さん注目をしていただいておりまして、そういうオープンなところでこれまでいろいろ行政がやってきた事業を見直すということで、大変大きな意味を持っていると思います。無駄の削減は我が党として国民皆さんにお約束をし、そして政権発足後、その一つの象徴としてこの事業仕分を順次行ってまいりました。  事業仕分の性格としては、政策を実行するための税金の使われ方をチェックするということでありまして、政策そのもの議論するものではないというふうに理解をいたしております。また、事業仕分の結果については、行政刷新会議に諮った上で、そこでの結論も踏まえて予算編成過程で更に議論をしていくことになります。  いずれにしても、税金を一円たりとも無駄にしないという政府を築き上げることが我々の責務であるという自覚に立って、政府与党一体となって事業仕分を通じた無駄の根絶に臨んでまいりたい、このように考えております。
  11. 中谷智司

    中谷智司君 従来のやり方を変えていくには大変大きな困難を伴います。税金無駄遣いを徹底的になくすために、信念を持って、覚悟を決めて仕事に取り組んでいただきたいと思います。  日本で開催されたAPECについてお伺いをいたします。  今回のAPECは、日本にとって十五年ぶりの議長国であることも重要ですが、加えて、先進国地域にとってはボゴール目標達成期限となる重要な節目の会議でした。菅直人総理議長、大変お疲れさまでした。どのような成果があったか、そして御評価についてお聞かせください。
  12. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) APECというのは、このアジア太平洋地域の二十一の国と地域参加をする協議体でありまして、まさに今、この世界全体の中で最も経済成長が勢いのあるところであります。まさに世界経済を引っ張っていると言っても決して言い過ぎではありません。その中で行われたAPECでありまして、まず、その存在そのもの意味が従来よりもずっと大きな意味を持っている。GDPで約五割、人口で四割にも達しております。  さらに、今御指摘のありましたように、元々APECの中では、二〇一〇年にいわゆる先進国地域がどこまで経済の、貿易自由化ができるかという一つのチェックポイントの年になっておりました。今回のAPECでは、顕著にそうした方向が進んだということをお互い確認し合って、そしてこれから先の経済連携に向かって方向性を出していこうと、それが今回決めた横浜ビジョンであります。  その中では、FTAAP、つまりAPEC加盟国がいろいろな道筋の中で一層の自由貿易を実現して、そして世界を引っ張っている今の成長をより確かに継続していくと、こういう方向性を取りまとめたところであります。その中でも、特に長期的かつ包括的な成長戦略を取りまとめた、このことは大変大きい意味を持ったと思います。  そういった意味で、私は、来年はアメリカ議長国でありまして、ハワイ・ホノルルで開かれます。まさにアメリカが、どなたかの表現を借りれば、大西洋中心活動から太平洋中心に重点を移していると言われる中で、このAPECの持つ意味、もちろん一方では中国とかASEANとか多くのアジア成長を含めますと、この今回のAPECはまさに歴史の一ページを飾るそうした結果を生み出したと、このように私は確信をいたしております。
  13. 中谷智司

    中谷智司君 今、菅総理お話をされたように、横浜ビジョン合意をすることができたのは本当に大きな成果であったと思います。まさに、菅直人総理リーダーシップがあったからこそ、この合意にこぎ着けることができたんだと思います。これからも、ますますこのアジアそして太平洋、このために全力で取り組んでいきたい、そして日本のために頑張っていただきたいと思います。  この会議では、日米首脳会談、そして日中首脳会談も行われました。この件に関して、会議の内容あるいは御評価菅直人総理、お聞かせください。
  14. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今回は、率直に申し上げて、直前までの予算委員会から引き続きG20がソウルでありまして、ほとんどソウルから帰ると同時に横浜に入りまして、APEC議長国としての活動に入りました。そのかなりタイトな中ではありましたけれども、その間の時間を有効に使って、七つの国の首脳との会談を行いました。その中で、今、日米と日中の首脳会談についてのお尋ねであります。  オバマ大統領とは私が就任して三度目、六か月の間に三度というのはかなり密な会談の回数になろうかと思いますが、そういう中で多少ある時期、日米関係がやや揺らいでいるという心配の向きがありましたけれども、しかし、三度にわたる今回までの会議の中で、そういう心配は全くないという状況まできちっとした関係をつくりました。そして、日米同盟を深化、発展させていこうと、来年前半に是非アメリカに来てほしいということもありまして、私がアメリカに伺ったときには、二十一世紀の日米同盟ビジョン共同声明のような形で発出しようということで一致をいたしました。そういった意味でも、日米同盟は新たな段階に、アジアの情勢も含めて新たな段階に進む準備に入ったと、このように思っております。  そして、日中関係については、尖閣諸島の漁船衝突問題以降、ぎくしゃくした状況関係が続いておりました。この間、幾つかの大変会談とは呼びにくい出会いもありましたけれども、今回は正式に日中の間首脳がきちっと会談をいたしました。改めて、私は六月に就任した後に当時の胡錦濤主席とお会いをいたしましたが、そのときに確認した戦略的互恵関係を進めていくというその原点に戻ることを確認をいたしました。これはこの間のマイナスをゼロに戻すということでありまして、その意味では私は大変な大きな意味があったと思っております。  日中首脳会談では、そういったことで戦略的互恵関係を更に発展させていくことや、政府間、さらには民間交流の促進、経済分野を含むグローバルな課題での協力を強化することで合意をいたしました。また、尖閣諸島我が国固有の領土であることを、その立場を明確に述べ、胡錦濤主席からは中国立場の表明がありました。限られた会談の中ではありましたが、非常に有意義な意見交換であったと、このように考えております。
  15. 中谷智司

    中谷智司君 APEC参加された国々との関係日本にとっては大変重要ですし、とりわけ、経済で一位、二位、三位である日本アメリカ中国との関係はこれからも大変重要です。菅総理お話をされましたが、新たな段階に入っていく、そういうふうなお話をされましたが、やはり、今までの量から、これからは量に加えて質を高めていく、こういう関係を構築していくことも大変重要です。これからもこのAPEC参加された国々と良好な関係を築いていけるよう、どうかお取り組みをください。  このAPECには前原外務大臣も御参加をされました。APECの開催と前後をして、日本で、そして世界各国自由貿易議論活発化をしてきました。日本FTAEPAが今までまだまだ進んでいなかったその理由と、この今の時期になって議論活発化してきた理由についてお聞かせをください。
  16. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 中谷委員お答えをいたします。  先ほど菅総理お答えになられましたのに若干付け加えますと、今回の閣僚会合、そして首脳会合確認をされたことの大きなポイントは、二〇〇一年からWTOのドーハラウンドというものが行われておりますけれども、いまだにこれ合意にたどり着けておりません。二〇一二年には多くの国々大統領選挙などが予定をされておりまして、二〇一一年がこれ機会の窓だという認識を二十一か国で共有をいたしまして、何とかこのドーハラウンドを進めていこうということを確認したことがまず一つと。  もう一つは、二〇〇八年の首脳会議で新たな輸出規制というものは取らないという合意をしているわけでございますけれども、それを二〇一三年まで延長したと、スタンドスティルという確認をしたわけでありますけれども、新たな輸出面での保護主義的な措置はとらないということを合意したことも、大変な成果の私は一つだったんではないかと思います。  委員お尋ねFTAEPAが今まで進んでこなかった理由でございますけれども、それぞれの国で保護したい品目あるいは保護しなくてはいけない品目というのがあって、お互いがそれをFTAEPAでは議論してまとめていくわけでありますけれども、なかなかそれが折り合わなかった面があったのも事実だろうというふうに思います。  しかし、他方で、いろんな国が、例えば農業国内対策なんかをしっかりやりながら一方で国を開くということをやってどういう状況が生まれてきたかといいますと、例えば、EUという市場を見た場合、日本韓国という工業先進国で見ますと、自動車の関税EUは一〇%、そして液晶テレビは一四%でありますけれども、EU韓国は結んだわけですね。そうすると関税がゼロになる。そうすると、日本は相変わらず関税が掛かって競争力が弱くなると。  そういう意味で、他の国がやってくると、どうしても日本も含めてそういったものに組み入れていかないと、取り組んでいかないと競争力というものが、輸出競争力というものが取れていけない。そういった面での機運が盛り上がってきたということも一つの背景としてあるんではないかと思います。
  17. 中谷智司

    中谷智司君 前原大臣は、国土交通大臣のときから高速鉄道といったインフラの輸出など経済外交に積極的に取り組んでおられます。自由貿易日本経済成長させていく大変重要な要素ですが、先ほど前原大臣お話をされたように、農業との兼ね合いなど、様々な課題指摘をされています。十分な議論と、そして何よりも国民皆様方への説明を経て日本姿勢を打ち出していただきたい、そういうふうに思います。  今まで外交経済外交について議論をさせていただきましたが、日本国内のことについてお伺いをいたします。  海江田経済財政担当大臣、今の日本経済をどのように認識されていますか。そして見通しについてお聞かせください。
  18. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) お答えを申し上げます。  せんだって発表になりましたこの七—九月のQEでございますが、これは大変いい数字が出ました。しかし、その中心になっておりました個人消費でも、車のエコカーポイントなども廃止になった、それからやっぱり円高影響もございまして輸出が弱含みになっているというようなこともございますので、今この景気の現況では足踏み状態というところでございます。  しかし、いよいよ参議院議論が行われますが、この補正予算、これはセカンドステップでございます。それから、もう既に執行に入っておりますが、予備費を使いましたファーストステップ、これらによりまして何とか景気を下支えをするということ、それによって景気の回復を一日も早くということでございます。  ただ、もちろん下振れのリスクもございます。今もお話をしましたけれども、海外経済がどうなっているのか、円高がどうなるのか。それから、国内的にはまだまだやはり雇用も五%にぎりぎりでございます。まだまだ高い状況でございますから、こういう下振れリスクを何とかして顕在化させないために本当に頑張っていきたい、政府としてしっかり対応していきたいと思っております。
  19. 中谷智司

    中谷智司君 今、海江田大臣から日本経済状況あるいは見通しについてお話をいただきました。リーマン・ショックでずどんと落ち込んだ経済が今やっと立ち直りつつある、そうした中で、円高や株安そして雇用の問題といった、こういった大変厳しい要因もございます。  そうした中で、菅直人総理は三つの段階を経て経済を立て直そうと、まさにこの日本リーダーシップを取って経済を立て直していこうとされていますが、そのことが国民皆様方にはなかなか伝わっていません。どういう対策を打って菅総理経済を立て直していこうとされているか、そのことをお話しください。
  20. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 先ほどAPECの話から国内の話に移ってきておりますけれども、私は本当にこの日本が置かれた環境というのは、大きく変わった中で残念な変わり方もたくさんあったと思っております。今年まだデータは出ておりませんが、長く日本GDP世界第二位の位置をずっと占めてきたわけでありますが、残念ながら、この二十年間GDP伸びはほぼ大ざっぱに言って横ばいで、その中で、中国が大きな伸びを示す中で逆転ももう間近というところまで来ました。つまり、この二十年間の経済成長伸びがなかったということをまず踏まえて、その原因をしっかりと把握して、それから脱却できるかどうかが私は私の内閣のまさに大きな使命だと考えております。  その考え方についてこの場で余り細かくは申し上げませんが、いわゆる一九八〇年代に至ってまで従来型の公共事業依存をやったこと、さらには、その後二〇〇〇年のときにいわゆる小泉・竹中路線デフレ下におけるデフレ政策をやったことがこの二十年間の低迷を招いた大きな原因でありまして、それに対して私は、需要を拡大していく、雇用を拡大していく、その方向性の中でデフレを脱却し成長軌道に乗せていくと。  そこで現在、三段階ステップを踏んでの政策を進めていることは、今、海江田大臣からもお話があったとおりであります。まずは今年度の予備費を活用した第一ステップ、そして今参議院に移って審議をいただく補正予算を軸とした第二ステップ、そして来年度の予算を現在編成を進めておりますが、その第三ステップ、その中で、雇用を拡大することはある意味デフレを脱却する上で、つまり失業率が下がれば給与に対する上向きの圧力が掛かりますので、それをてこにしてデフレから脱却していく、そういう方向性を打ち出しているわけであります。(発言する者あり)  いろいろやじが飛んでおりますけれども、つまりは、需要が潜在化しているところに、例えば介護とか保育とかそういった分野にある程度の財政出動をすれば、潜在化している需要が生まれると同時に、当然ながら雇用が生まれ、生産が生まれ、そして納税者が増えるわけであります。そういうメカニズムを好循環で回していきたいというのが私の考えている経済成長路線への復活の道でありまして、まあ余りやじには答えたくありませんが、是非そういう考え方国民皆さんに御理解をいただきたいと思っております。
  21. 中谷智司

    中谷智司君 国民皆様方日本経済の将来について不安をお持ちになっておられます。どうか、今言ったような経済対策を打ち込んでいくのには何よりも菅総理お話をされたようにスピード感も大切です。スピード感を持って経済対策を打ち込んでいただきたい、そういうふうに思います。  先ほど海江田大臣そして菅総理お話をされました経済指標、例えばGDP成長率を見ていると日本経済はいいようにも見えます。しかし、私の地元は四国の徳島ですけれども、この徳島経営者の方々とお話をすると、景気が悪い、仕事がない、資金繰りが苦しい、本当に経済の厳しいお話ばかりを伺います。この件についてどのような認識をお持ちになられているか。地方経済そして中小企業についての認識を、菅総理お答えください。
  22. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) まさに日本経済を支えているのは中小企業でありまして、その中小企業、時代の大きな変化の中で大変苦労されていることは、私も幾つかのところを視察をしたり話を聞いて、かなり話を伺いました。特に、円高影響、場合によっては海外に親会社が移転してしまって発注がなくなるといったような問題も生じております。  この八月には大田区の中小企業幾つか現場を訪問して、日本物づくり技術の高さを再認識すると同時に、車座の集会の中では、リーマン・ショック直後は八割減といったようなところまで来たけれども、それに比べればかなり回復してはきているけれども、しかしながらまだまだ厳しい状態が続いているという状況を聞きました。  また、その翌日には北九州市を訪問いたしまして、リチウムイオン電池の電極を生産する戸田工業というところ、あるいはLEDのチップを生産している東芝の北九州工場等を見て回りました。特にここでは、低炭素産業の立地支援ということを私の内閣で行ったことで、海外に移そうかどうしようかと考えた工場を改めて北九州内部に造って、その関連した人たちが集まっていただきました。そうした意味で、国内への投資ということの重要性を改めてその場でも感じたところであります。  今後ともそういう現場を見ていくつもりでありますけれども、いずれにしても、国内での立地ということが、やはり中小企業を守っていく上で、あるいは雇用を守っていく上で一つの大きな要素になろうと、このように感じているところです。
  23. 中谷智司

    中谷智司君 今まさに菅総理から、現場を御覧になった、深刻な状況を御理解をされているというお話がありました。  日本経済は、二〇〇二年からイザナギ景気超えと言われていた、景気がいいと言われていた、そういう時期がありました。しかし、私の地元徳島を見ていても、地方ではそのときでもとても経済が、景気が良かったとは言えません。そこに、二〇〇七年から建築基準法の改正によって住宅着工数が落ち込んだり、あるいは原油高騰、リーマン・ショック、そして今は円高株安、こういったマイナス要因、マイナスの四段ロケット、五段ロケット、これで地域経済は大変厳しい、苦しんでいます。  この中小企業を元気にするための政策、今経済産業省でお考えでしょうが、大畠大臣、お聞かせください。
  24. 大畠章宏

    国務大臣(大畠章宏君) 中谷議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。  中谷議員からお話がありましたように、地域中小企業にとっては大変厳しい状況を毎日過ごしております。特に、リーマン・ショックのころ、私の地元でも自動車関連の工場がありましたが、注文が減って、前にも申し上げたかもしれませんが、金、土、日、月と四日間休業と、そして火、水、木も半日だけ工場を動かすという、そういう実態もありました。  そういう中でありましたけれども、最近になって、先ほど海江田さんからお話がありましたように、少し回復をしてきたと、こういう状況だったんですが、円高でまた先行きが見通し悪くなったと、こういうことで、大変厳しくなっていることは事実であります。  そこで、様々な形でありますけれども、ステップ1、ステップ2、ステップ3という予算執行して、早く執行して地域経済を立ち上げてほしいと、こういう要求をたくさんいただいております。ただ、そのときに言われたことは、予算だけではなくて仕事を欲しいと、こういう話でありました。まさにそのとおりだと思うんです。  じゃ、どういう仕事があるのかということでありますが、結局、国民の信頼あるいは安心、そういうことを社会的につくることが必要でありまして、年金とか医療とか、そういう様々な形で過去において制度がおかしくなってまいりました。ですから、今一生懸命、民主党政権としても安心して暮らせる社会をつくるために年金や医療の改革もしているところでありますが、特に私は地域にとって住宅産業あるいは工務店が仕事を取れるというのが大変大事だと思いますので、先ほどからいろいろと御指摘をいただいていますが、耐震化というものを進めることが大変大事だと思うんです。  したがって、補正予算の中に学校の耐震の強化あるいは様々な形でそれを行おうという補正予算も入っておりますので、この補正予算を是非執行するように、早期に成立させるように努力をいただきたいと考えているところであります。
  25. 中谷智司

    中谷智司君 今、大畠大臣お話をくださいましたが、まさに今地方の中小企業仕事がない、このことで大変苦しんでおられます。確かに資金繰り、このことでも苦しんでおられますが、今お金を借りても仕事がなくて将来に見通しがない、そういう中ではお金を借りることもできない、一番に仕事が欲しい、そういうふうなお話をいただいています。今の取組をもっともっと積極的にしていただきたい、そういうふうに思います。  この中小企業対策については、私ども民主党は野党のときから、中小企業こそが日本経済の原動力であって、中小企業を元気にすることが日本経済を元気にし、そして日本の将来を切り開いていく、そういうふうに思い中小企業対策、全力で取り組んでまいりました。(発言する者あり)  今何をやったんだという話をされましたが、民主党政権を担わせていただいて、民主党政策で実現をしたもの、そしてまだ実現はしていないけれどもこれから取り組んでいこうとされていることについてお話しください。
  26. 大畠章宏

    国務大臣(大畠章宏君) 中谷議員の、民主党としてどのような形をやってきたかでありますが、この一年間、様々な社会的な変化の中で民主党中小企業対策を一生懸命進めてきたところであります。その中核にあるのが中小企業憲章でありまして、平成二十二年、今年の六月十八日、閣議決定をさせていただきました。  中小企業憲章についてでありますが、中小企業の歴史的な位置付けや今日の中小企業経済的、社会的役割などについて、考え方を基本理念として示すとともに、中小企業政策に取り組むに当たっての基本原則や、それを踏まえて政府として進める中小企業政策の行動指針を明らかにさせていただきました。  この行動指針にのっとって、現在、補正予算、そして来年の本予算と組ませていただきたいと考えておりまして、特に資金繰り対策、この補正予算の中には五千六百五十三億円が入っておりますし、技術開発及び海外展開支援三十六億円、新規の事業活動への支援二十億円、地域商業の活性化二十億円、雇用ミスマッチの解消等十五億円、様々な形でこの中小企業憲章にのっとって民主党として政策を進めさせていただきたいと思っているところであります。
  27. 中谷智司

    中谷智司君 今、大畠大臣お話をくださいましたが、民主党が練り上げてきた政策は、まさに中小企業皆様方の現場にお伺いをしてお話を伺って、まさにその現場からつくり上げてきた中小企業皆様方が期待をされているものです。一刻も早く実現されるよう取り組んでいただきたいと思います。  海江田大臣から雇用が厳しいというお話もありましたし、菅直人総理雇用を守ることが何よりも大切なんだ、そういうふうなことを言われていますが、ある統計によりますと、大卒求人倍率は、従業員数が五千名以上の企業では〇・四七倍である一方、従業員数三百名未満、つまり中小企業の求人倍率は四・四一倍という、こういうふうなデータがあります。人材不足に悩む中小企業にとっては優秀な人材を集める大きなチャンスでありますし、中小企業に人が集まるような、やはり中小企業は、自分の会社がどういうふうな会社であるか、そういうふうな宣伝力もまだまだ足りていないと思います。  こういった中小企業とそして人を結び付けるための取組、どのような取組をされているか、お話をください。
  28. 大畠章宏

    国務大臣(大畠章宏君) 中小企業がどのようにして中小企業が求める人材が集まるか、あるいは若者にとって人生を懸けて仕事ができる職場を得られるか、これは大変委員指摘のとおり大事な問題であります。  しかし、現実問題、大手の企業には人が集まる傾向にありますが、中小企業にはなかなか若者がその糸口をつかめていないというのも実態でありまして、今回のこの需給ギャップというものをどう埋めていくか、いわゆるミスマッチが生じていることをどう埋めているかということについて、三点ほど申し上げさせていただきたいと思います。  まずは、インターンシップ制度というものを執行しておりまして、二十二年度上期には全国で五千人の職場実習などをさせていただきましたが、新たにこれを拡大して、一万人ほどのインターンシップができるように予算も組ませていただいたところであります。  二点目には、インターネットを通じたマッチングというのがございまして、これも現在の社会においては大変大事だと考えておりまして、現在十一月の十五日時点で登録学生が三万八千八百七十六名、ただ参画企業が二千五百九十三社ということでありますから、これをまた補正予算等で強化していただくということをさせていただきたいと思います。  さらに、ジョブカフェ、これについては採用に意欲のある中小企業の掘り起こし等を考えておりまして、このジョブカフェ、いわゆる若者のためのワンストップサービスセンターというものについてもこの補正予算の中で強化をさせていただきまして、是非若者と、職を求める者と優秀な人材を求める企業がマッチングできるような機会を更にこの補正予算の中で強化させていただきたいと考えております。
  29. 中谷智司

    中谷智司君 今、大畠大臣お話をされましたけれども、経済産業省としては、ほかの省庁もそうかもしれませんが、いろいろなすばらしい取組をされています。しかし、私がやはり地元の方あるいは国民皆様方お話をさせていただいて感じるのは、その取組が伝わっていないことです。  どういうふうにして今言ったような取組を、例えば大学生であるだとかあるいは学校を卒業されて仕事を探されている皆様方にお伝えをされようとしているか、その件についてお聞かせください。
  30. 大畠章宏

    国務大臣(大畠章宏君) 実は、昨日も夕方五時から七時まで経済産業省内で様々な分野の方々のお話を聞く機会がございました。中小企業関係皆さんもおられますが、なかなか学生さんに自分たちが求人している、この情報を伝えることができないと、このようなお話がありました。また、学生さんの方から、私もかつて大学におりましたが、求人するときには学校内の案内を見るわけでありますが、その企業がどのような企業なのか、なかなか知るというのも難しい状況もあります。  これから、昨日のお話等も受けましたが、あらゆるところ、例えば商工会議所ですとか市ですとか大学ですとか、あらゆるところに協力を求めて、そのような形の情報が取れるような形を私はつくることが大切と思いますので、昨日の会議等も踏まえて、委員の御指摘も踏まえて、より学生が求人、要するに職を求めるその情報を得られるような機会を更に増やすように努力していきたいと思います。
  31. 中谷智司

    中谷智司君 今お話をくださいましたが、すばらしい政策をつくっても、予算を組んでも、やはり知っていただかないと前に進んでいきません。資料を作った、あるいはインターネットで公開している、こういうところでとどまらずに、もっと踏み込んで現場にきちんと説明をしに行く、そういうふうな取組をしていただきたいと思います。  人材の話をしていますが、まさにこの中小企業においては何よりも人材が大切です。今、中小企業が起業をしていこう、あるいは創業をしていこうとしている数を廃業が上回っています。人の社会だけでもなくて、この会社の世界でも今少子高齢化となっています。だからこそ、こういった中小企業が元気になるために、人材の育成やあるいは人材と企業とのマッチング、こういったものに全力で取り組んでいただきたいと思います。  この中小企業については、私の地元徳島で例えばITの企業があります。ITだとかICTだとか、情報通信産業はそういうふうに言われていますが、この産業は約九十六・五兆円にも上る、電気機械やあるいは輸送機械、建設よりも大きな巨大な産業です。  この日本のIT競争力世界の中で低迷している理由について、どのように総務省としてはお考えでしょうか。
  32. 片山善博

    国務大臣片山善博君) ITといいますか、最近ICTと言っておりますけれども、この産業の重要性というのは今議員がおっしゃったとおりだと私も思います。我が国経済の中で一割を占めている、成長の面に即して言えばおおよそ三分の一を占めているという、大変貴重なかつ重要な分野だと思います。  これを、世界経済フォーラムが毎年競争力ランキングというのを出しておりまして、これを見ますと必ずしも日本のこの分野での競争力は高くない。これを分析してみますと、インフラ整備においてはかなり高い。例えば、ブロードバンドなどの整備率でいいますと一位ということでありますけれども、むしろ低いのは利用率、利活用であります。ここのところをこれからどういうふうに進めていくのかというのが大きな課題だろうと思います。  先般、実はAPECの一環で情報産業、情報通信の担当大臣会議がありまして、私と経済産業省の副大臣とで担当したのでありますけれども、その各国・諸地域もそれぞれ、このICTをこれからそれぞれの国・地域成長分野として位置付けていこうという意気込みが感じられました。是非、我が国もこれに負けないように更に頑張っていきたいと考えているところであります。
  33. 中谷智司

    中谷智司君 今お話をされたこのIT、ICTの業界、行政やあるいは医療や教育といった分野世界各国ではこういったことに国を挙げて取り組んで問題解決を図っています。ITというのは、まさにこれを使うことによって社会にあるような問題点をきちんと解決をすることにもつながりますし、例えば菅総理が言われるような雇用についても、男女差も非常に少ない、体格やあるいは男女格差、こういうふうなものも全く関係がないような、雇用にも直結するような、そういうふうな産業です。今まで以上に日本政府を挙げてこのITをますます伸ばしていくように取り組んでいただきたい、そういうふうに思います。  尖閣問題についてお伺いをしたいと思います。  まず最初に、十一月十一日の参議院予算委員会理事懇談会で、与野党合意の上、前田武志予算委員長より尖閣諸島沖での我が国巡視船と中国漁船との衝突事案に関する政府申入れがされました。内容は今から述べる三点です。一、インターネットに流出した映像記録について参議院予算委員会への提出及び国民への公開、二、海上保安庁が所持していた映像記録について参議院予算委員会へリストを提示、三、当事案に対する政府の対応について国民への説明政府方針の表明、この三点の申入れがされました。  この件についての御回答について、仙谷由人官房長官にお伺いをいたします。
  34. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) 少々長くなるかも分かりませんが、私の方から説明をさせていただきます。  前田委員長ほかからお申入れをいただいた内容については重々承知しているところでございます。その中のインターネットに流出した映像記録の公開等につきましては、これまでも御説明してきたとおり、その映像記録が刑事事件の証拠でもあり、慎重な取扱いが必要であるというふうに認識をしております。しかしながら、国会法第百四条第一項に基づいて国政調査権の行使として国会から記録提出要求が出された場合には、政府としては捜査の進捗状況をも勘案しつつ真摯に対応していきたいと考えております。  これまで、御承知のとおり、政府といたしましては映像記録の取扱いに慎重を期すべしとの立場を貫いてきたわけでありますが、お許しいただければ多少お時間をちょうだいして、その理由について委員各位そして国民皆様方にも改めて御説明をしておきたいと思います。  委員長からお許しをいただきましたので、御説明していただきます。  今回流出した映像記録の基となりました海上保安庁が撮影した映像記録は、中国漁船船長による公務執行妨害事件についての訴訟に関する書類であります。そして、そのことはもとよりでございますが、その流出について現在、捜査当局が国家公務員法違反被疑事件、守秘義務違反でありますが、被疑事件で捜査を進めているわけであります。これ第二事件が発生しているわけであります。その第二事件の犯罪を構成する中核的な証拠がこのいわゆる四十四分物と言われるビデオテープであります。したがいまして、当然その守秘義務違反事件においても、刑事訴訟法第四十七条に言う訴訟に関する証拠でございます。  したがいまして、当該映像記録につきましては、刑事訴訟法第四十七条の規定によりまして、公判の開廷前には公にしてはならないものとされていることから、その公開については、今後の捜査に与える影響等を考慮して慎重に対応すべきものであると考えております。  一般論でありますけれども、真相究明に向けて捜査を遂げるためには、捜査には密行性、秘密に行う、性格の性でありますが、密行性が強く求められているものでございまして、捜査の途中段階で犯罪の中核となる証拠が一般に流出するというふうなことは、これは被疑者や被害者等の事件関係者の人権保護等の趣旨からも、捜査への影響の面からも、決してあり得てはならないというのが私のいわゆる刑事司法における事件捜査とその捜査中の証拠の取扱いについての理解でございまして、刑事事件の証拠を捜査中に一般的に公開するということは慎重であるべきだと考えます。(発言する者あり)  今、やじというか場外からございました。公判が開廷されましたら公判で開示される、それが証拠でございます。公判が開廷されるまでの、つまり公判請求がされるまでの捜査期間中というのは密行性が必要でございますから、あるいは被疑者の人権ということも考えなければなりませんから、それを一般的には公開しないということになっているという説明をしているのであります。  以上が政府として映像記録の公開に慎重である理由でございましたけれども、先ほど述べたとおり、映像記録の取扱いにつきましては、国会から所定の手続による要求がございますれば、捜査の時期やその捜査の進捗状況、捜査の段階等を踏まえ、適切な判断がなされるべきものと考えているところでございます。
  35. 中谷智司

    中谷智司君 政府としてこの申入れについてしっかりとした対応をしていただきますよう、よろしくお願いいたします。  この尖閣問題を受けて、仙谷官房長官から十一月八日の記者会見で、領海警備等に関する新たな法整備を進めるといった発言がありました。海上保安庁を所管する馬淵国土交通大臣のお考えをお聞かせください。
  36. 馬淵澄夫

    国務大臣(馬淵澄夫君) この尖閣問題を受けまして、私も海上保安庁、海上警察権の在り方そのものについては、これはしっかりと議論しなければならないと、そのように考えておりましたところです。  私自身もこの海上保安庁の現場に関しましては、沖縄・那覇あるいは北方・根室と、さらには洋上視察で大変悪天候の中この北方を視察しながら、こういう厳しい環境の中で保安官が頑張っている、そうした彼らの行動をしっかりと我々は法律の中で担保していかねばならない、その思いで海上警察権の在り方というものについては徹底的な見直しが必要だと思っております。  一つは司法警察権、これは今回国内法にのっとって公務執行妨害において逮捕した、国内法に適切に対応したということでありますが、一方で、行政警察権と呼ばれる抑止のその行為についてはまだ十分でない、不備なところも残っております。  こうしたものも、野党の皆さん方で領域警備法といったものも、御提案ということも聞いておりますが、私どもとしては、まず行政法の立場で海上保安庁法の見直し、あるいはこの行政警察権というものを十全なるものにしていかねばならないと考えておりますので、今後重大な課題として取り組んでまいりたいというふうに思っております。
  37. 中谷智司

    中谷智司君 今、馬淵大臣お話をされましたように、海上保安庁の職員は使命感を持ってまじめに働いています。この海上保安官の皆さんが安心して誇りを持って働けるような、そういうふうな整備を大臣としても是非ともお願いをしたいと思います。  この尖閣問題、ビデオが流出した件については、今までも、政府が非公開としていた情報が漏えいした事例、こういうことが幾つかあります。これらについて今までどういうふうな取組をされてきたか、お聞かせください。
  38. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) 情報保全の徹底には従来から政府を挙げて取り組んできたところでございます。  平成十九年八月には、外国の情報機関による情報収集活動から我が国の重要な情報を守るため、内閣に設置されておりますカウンターインテリジェンス推進会議においてカウンターインテリジェンス機能の強化に関する基本方針を策定をいたしております。  この基本方針に基づいて、政府全体として、特別に秘匿すべき情報について、アクセス管理を徹底し、適格性を確認した者のみにこの情報を取り扱わせることとするなど、厳格な管理を行うこととしたほか、職員一人一人が秘密保全の重要性を理解し、日々の業務を遂行していくため、職員一般に対する啓発活動に取り組んでいるところでございます。
  39. 中谷智司

    中谷智司君 今、仙谷官房長官からお話がありましたし、私、先ほど質疑の中でITに触れさせていただきました。  今までは、こういった公開すべきでないような情報については紙で管理をしている。情報管理も難しかった面もあるかもしれませんが、デジタルになってITという技術を使うことによって、先ほど仙谷長官お話をされたように、公開すべきでない情報についてアクセス制限をしたり、あるいは、どういう人がその情報にアクセスをしたか、こういうふうなことも分かりますし、公開すべきでない情報には、例えばパスワードを付けていたり、あるいは暗号化をしたり、いろいろなことをすることによって今まで問題が起こってきたようなことを解決することもできます。これからはIT化の世の中になって今まで以上に厳重な取組が必要だと思いますので、政府を挙げてこういうことが二度とないように取り組んでいただきたいと思います。  菅直人総理を始め閣僚皆様方に今日は質疑をさせていただきましたが、是非とも、菅直人総理、そして閣僚皆様方には誇りを持って、自信を持って仕事に取り組んでいただきたいと思います。そして、菅総理お話をされましたが、本当に難しいことなのかもしれませんけれども、是非とも私たち国民の生活の現場に行って、どういうことで私たち国民が困っているかを肌身をもって感じて、その解決策となる政策予算案を作っていただきたい、そしてそれが実行できるように取り組んでいただきたいと思います。  本日は本当にありがとうございました。
  40. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で中谷智司君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  41. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、衛藤晟一君の質疑を行います。衛藤晟一君。
  42. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 まず、集中審議を行いまして、こういう機会をいただきましたこと、感謝申し上げます。  最初に、今回、私は実は検事総長の出席を要求いたしましたが、出席をいただけません。その理由は、言わば司法の純独立性だということでございますけれども、これは、大臣の下の検察行政でありますから、この行政の中で行われたことに対して、私ども、ちゃんと聞こうと、しかも、そうしているわけでありますから、このことに出ないという正当な理由は全くありません。  これだけははっきりして政府からちゃんとした答えをもらわないと、議会と執行部との関係において、検察行政を預かる者に今回の事件で聞きたいと、しかも、今回の事件については、検察が判断をしたと、最終的に検事総長が判断をしたということを皆さん答弁しているわけですから、はっきりとそのことを私どもは聞いて明らかにしなければいけない責務があるわけでありまして、このことは、出席できないということ自身は非常におかしい。  これを明確に文書でちゃんとした回答を執行部は、政府は示していただきたいということを、まず、委員長、お願い申し上げます。
  43. 前田武志

    委員長前田武志君) どなたに御質疑されていますか。
  44. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 総理
  45. 前田武志

  46. 柳田稔

    国務大臣柳田稔君) 検察庁を所管する法務大臣として、まずお答えをさせていただきたいと思います。  検察権は、憲法上、その独立が保障されております司法権と密接な関係にございます。司法の独立を保障するために、司法権に準じて検察の独立性の保障が要求されていると考えております。  事件の捜査処理、公訴維持、その他の検察官の活動に関して検察官を証人等として国会に出席させることは、検察官の独立性や公正性の保持の観点から各種の悪影響を招来し、ひいては司法権の独立を脅かすおそれもないとは言えません。また、検察権の行使に関する国政調査権の行使に対しましては、検察運営に関して一般的な指揮監督権を有する、具体的事件についても随時報告を受ける立場にある法務大臣及び法務大臣を補佐する法務当局が責任を負うべきものであると考えております。  したがって、法務省としては、従来から、検察官を国会に出頭させないことについて国会の御理解をいただいておるところでございます。国政調査を行う上で事実関係確認する必要がある事項にあった場合には、今後とも私及びこれを補佐する法務当局において責任を持って対応していく、そういうふうに考えております。  御理解をよろしくお願いいたします。
  47. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 今の言われたことは大変な問題でありまして、これは司法の独立性ということとある程度関係はあります、ありますけれども、しかしこれは検察行政の中で行われていることであって、そして過去にもこの場に出てきたことはあったんです。  私ども、個別の案件について裁判所に出てこいと言っているわけじゃないんです。そういうことを言っているんじゃないんですよ。これは、今回のこの検察行政の在り方について極めて大きな問題があると。ある意味では、今回の取扱いは私は幕末のときの黒船、その幕府の対応とそっくりです。うろうろするばっかりで何もちゃんと決めることができない、そして責任は人にしかなすりつけない。  ですから、検事総長にちゃんと出てきてその経過を、この今回取った検察行政についてのことをちゃんと聞かなきゃいけない。それは議会として当たり前のことです。拒否する権限なんてありませんよ。ちゃんと出てくるように、改めてこれを要求します。
  48. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) これは是非、衛藤先生にも皆さん方に御理解をいただきたい話であります。  例えば、平成十三年三月六日、参議院予算委員会におきまして、高村正彦国務大臣がこのことに、多分当時の野党がやっぱり検事総長等々を出席要求をしたんだろうと思いますが、最高裁長官についてはこれは私が申し上げることではないと、こう思いますが、検事総長の件につきましては、司法権の独立ということが憲法で規定されておりまして、検察についても司法と密接な関係がある、そういうことから準司法機関などと呼ばれておりまして、検察についてもその独立性が必要だということとされているわけであります。そして、検事総長自ら国会でいろいろ質問等を受けることにつきましては、検察の独立性にいろいろな悪い影響があるおそれがある、ひいては司法の独立性に悪い影響が、おそれがある、そういうことから、従来から、ここ何十年間か国会に御理解いただいているところだと承知しておりますということが、当時の多分法務大臣だと思いますが、お答えをされているわけであります。  そういう御意見もございますけれども……(発言する者あり)
  49. 前田武志

    委員長前田武志君) 御静粛にお願いします。
  50. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) 司法、刑事司法と国会関係は、ある種、慣行的にも、それから制度についての考え方としてもそういうことになっておるわけでありますから、国会の国政調査権を行使するというお考えももっともでありますけれども、そこはひとつ御理解をいただきたいと思います。
  51. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 今回の問題は、個別のだれかが関係のあるところについて、そういうことについて聞こうとしているんじゃないんです。国家の主権に関する問題を言わば検察行政が立ち入ってやったということについて、当然この検察行政の在り方について私どもは聞かなければいけない。これは責任です。ですから、過去においてもちゃんと出てきていることあるんです。過去においてもちゃんとあるんです。だから、それを拒否する正当な理由はないですよ。  私どもが聞こうとしている中身はもう御承知のとおりです。今回のこの国の主権に関することに関して、言わば尖閣の問題に関して、この漁船の船長処理に関して極めておかしいことをやっていると。そして、最終的にはこれは検察庁が判断をしたということですから、その判断のことをちゃんと聞かなきゃいけない。私どもは、裁判官を呼んで聞こうとかしているんじゃないんですよ。検察行政について聞こうとしているんです。  これは委員長、ちゃんと一回整理してください。個別の、個別の変なことについて、個人的などうののことについて圧力を掛けようとかなんとかじゃない。まさにこの国の主権や領土に関することを言わば検察が判断をしたんですから、そしてこの責任者が判断したんですから、ちゃんとして出てこなきゃいけない。当たり前の話です、これは。  いいですか、ちゃんと判断してくださいよ。理事会で取り上げてちゃんとやってください。
  52. 前田武志

    委員長前田武志君) 衛藤委員の御質疑については、立法府とそして行政府のこの議論の中で更に深めていただければ結構かと思います。  続けて質疑をお願いいたします。(発言する者あり)
  53. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 何言っているんですか。そんなことやったらできないじゃない。おかしいじゃない。おかしいですよ。(発言する者あり)
  54. 前田武志

    委員長前田武志君) それでは、委員長において、理事会において協議するよういたします。  それでは、衛藤議員、続けてください。理事会において後刻協議をいたしますから。
  55. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 ちゃんと議会と執行部の関係において、もっとこういう立場を明らかにしてもらいたいと思うんですね。このやっぱり内閣というのは極めて、何というか、秘密性の高い内閣です。国民に対して隠ぺい体質。元々開け開けと言っていたんじゃないんですか、もっと国民に対して。隠してばっかしですよ、本当に。  今日、またちょっと報道がありました。私どもの地元の大分合同新聞に出ています。政治発言をする者は呼ぶなと防衛政務三役が指示、自衛隊行事で通達、そして菅政権の焦りとおごり、これが主な見出しであります。  報道によりますと、十一月十日付けで、政治的な発言をする者を防衛省の行事に呼ぶなといった趣旨の事務次官通達が出されている。内部における事務官の通達としては、事務次官通達というのは極めて重いものであります。  これは十一月三日に航空自衛隊入間基地で開催された航空祭の式典で地元の団体代表があいさつをして、その際に菅政権を批判したということを受けて、民間団体航友会の会長は、民主党政権はもう早くつぶれてもらった方がいいとかいうことを発言したと言われています。それに対して、十日に事務次官名で「隊員の政治的中立性の確保について」との通達を出し、その中で行事への参加団体に対し、これは民間が行った発言なんです。行事への参加団体に対し、政治的行為をしているとの誤解を招くようなことを行わないよう要請する、誤解を招くおそれがあるときは参加を控えてもらうようにということが規定されています。  これは、大変な官から民間人に対する言論統制なんですよ、そのものなんですよ。民間人の思想を事前にチェックしますよと、チェックしなさいということを通達したんですよ。そして、この後に、そのとおり行われたかどうか報告まで求めたんですよ。秘密警察の役割まで自衛隊に求めているんです。むちゃくちゃですよね。民間人の思想を公的機関がチェックしなさいという通達を出している。憲法に保障された表現の自由に反するゆゆしい事態です。これこそ、まさに菅内閣の隠ぺい体質そのものですよ。  この通達は政務三役が指示をして事務次官に出させたと言われていますけれども、間違いないのか。だれが発案をして、だれの判断でこういう通達が出たのか、明確に答弁をしていただきたい。
  56. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) お答えを申し上げます。  事実関係について、少し丁寧に御説明を申し上げます。  まず、先般行われた自衛隊施設内での行事において、部外団体の長により、その場を提供した自衛隊側が政治的中立性に違反したとの誤解を招くような極めて不適切な発言が行われたわけでありまして、防衛省としては今回の事案を極めて深刻に受け止め、今後こうした事案が二度と起きることのないよう、「隊員の政治的中立性の確保について」と題する事務次官通達を発出いたしました。  まず申し上げますが……(発言する者あり)
  57. 前田武志

    委員長前田武志君) 御静粛にお願いします。
  58. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) 自衛隊法で、第六十一条、隊員は、政令で定める政治的行為をしてはならない。これを受けた自衛隊施行令八十六条で、特定の政党の支持又は反対、特定の内閣の支持又は反対等を政治的目的と規定しております。また……(発言する者あり)全部を聞いてから騒いだらいかがでしょうか。また、同令八十七条で、政治的目的のために庁舎、施設等を利用させることなどを政治的行為と規定しておるわけであります。  したがって、この日はほぼ三千人の方々に御来場いただきました。そのうちの半数近い千五百人余りの方が懇親会へ出席をされて、その皆様の前でもう委員も御承知のような御発言があったと、こういうことでございますので、私は、自衛隊の在り方についてはシビリアンコントロールをきちんとして、これが、民主党政権が長くいつまでも続くわけではないんです。政治的な中立をどう担保するかというのが極めて私にとっては重大なことでありまして、そのことのために粛々とさせていただいたと、こういうことであります。
  59. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 大変、誤解してもらったら困るんです。この自衛隊の場所を使って、自衛隊自身が主催をして、そしてそこで政治目的にやるというんなら、あなたの言うとおりなんですよ。そこで例えば菅内閣打倒大会をやるとか、そういうことをしたらこれは駄目なんですよ。そんなことを言っているんじゃないんです。  その祝典のときに、その人が祝辞の中でいろんな発言をしました、それがたまたま政府に対して余り都合が良くなかったかもしれないけど、それに端を発して、そういう発言に、を疑われるようなことを一切するなと。そして、思想、信条を事前にチェックしろと。(発言する者あり)そして、そうでしょう、そう書いているじゃないの。いいですか、実は私、余り文書出すのは、どこから出たかというのは嫌いだったから、ちゃんとほかの文書にしてきていますからね、本物もあるけど、そういうことをちゃんと書いているんですよ。  だから、この新聞の解説にもよく出ています。いいですか。通達を待つまでもなく、自衛隊法は隊員の政治的行為を制限している。言うとおりです、そのとおりですよ。同法施行令は、その行為の定義として政治的目的の国の庁舎、施設、資材又は資金の利用などを定めていると。この方は航友会、自衛隊の協力団体であって、政治的な目的を主眼としているわけじゃないんですよ。これ、お祝いの会で良かったですねとあいさつをしながら、民間団体が来て、そのときにいわゆる一言言ったんですよ。しかし、この民間の発言について官が事前にチェックをしたり、そして自衛隊がそういうことをやったりって、おかしな話じゃないか。しかも、この後には報告まで求めているんですよ。この文書もあるんですけれどもね。こんなばかなことを本気で、あなた方は言論統制をやろうとするんですか、前近代的。  この方は、はっきり言います、前にも自民党に対しても批判しているんですよ、何度か、御承知のとおり。しかし、そのことについて、たまたまそういうところであったときについて何も言いませんよ、それは。いろんな発言はありますよ。とんでもないんですよ、これは、だから。  だから、これは早急に撤回をしていただきたいという具合に思います。  以上。
  60. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) 私は、今日これ全国へテレビ中継していますから、極めて大事な事案でありますから、いい機会であるというふうに思います。  自衛隊は、国家国民の生命と財産をしっかり守っておる、国土を守っておる。そういう団体が、これは一政党のため、一内閣のためではないんです。中立性をどう担保するかということは極めて重要なことでありまして、これがもし自民党内閣のときにこういうことがあったら、私はこの自衛隊法に基づいて多分同じことをなさるんだろうというふうに思っております。(発言する者あり)
  61. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 あのね、これは、いいですか、いいですか、はっきり聞いてくださいね。防衛省の官のあれです。(発言する者あり)  発言取り消せ、もう。(発言する者あり)
  62. 前田武志

    委員長前田武志君) 質疑の、質疑の妨げになります。質疑の妨げになります。御静粛に。
  63. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 いいですか。今のことについて、自民党のときにもこの方ははっきり批判しているんです。そのときに何も言っていないんです。今のはまず取り消して、虚偽答弁だから取り消せということをはっきりしてください。  それから、その次に、中立性を確保を強調しているともっともらしく聞こえますけれども、結局は民主党政権の批判をしたから、その対抗措置としてはっきりとこういうことをやったんです。はっきりしているじゃない。しかも、それを自衛隊自ら民間人の統制をやると、言論統制をやると、やるべしと、それを言っているんですよ。そして、それに対しての報告まで求めているんですよ。とんでもないことじゃないですか。そこのところの問題点がまだ分からないんですか。
  64. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) 今御発言の中に、思想、信条をということがありましたが、私どもの通達の中には自衛隊員の思想、信条をどうこうするなんということは全く書いてございません、まず。  それと、私どもが目指しているものは、自衛隊の施設の中で行った会合の中で自衛隊の在り方を政治的中立性を阻害するような、そういう誤解を招くような行為は慎まなきゃならぬ、このように通達をしております。
  65. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 あのね、明らかにおかしい。例えば、民間人がいろんな発言をしますよ。いわゆる、だからここではっきりと菅内閣打倒決起集会を自衛隊でやりますと、そんなことを言っているんじゃないんです。それだったらおかしいと最初から分かっているんです。  しかし、例えば、これ自衛隊の中でいろいろやるときに、安全保障に関する話をだれだってしますよ、これ全部政治ですよ。そんなの全部やっちゃいけないとあなたは言っているんですよ。民間人の言論を統制しましょうと言っているんです。それを自衛隊に命じて、この中の官房長とかを始め、それから各局長、衛生監、技術監、施設等機関の長、それから幕僚長、情報本部長、技術本部長、装備施設本部長、防衛監察監、地方防衛局長に対して通達を出して、しかも、これについて必要な文書も一緒に添えてこういう形で報告しろまで言っているでしょう。読んじゃいますよ、読みましょうか。  ですから、いいですか、ここのところ、防衛大臣、勘違いしないでくださいよ。だからこそ、この新聞もはっきり言うように、それから、じゃ、ある一人言いましょう。これは田島上智大学教授の、自衛隊の関連行事は国民に開かれているものであり、防衛省が来賓の政治立場理由発言を制限したり来場を拒んだりするのは大きな問題だと。思想、信条の自由を定めた憲法十九条の精神に反する疑いがあると。自衛隊法は、自衛隊員の政治的行為を制限しているが、行事に呼ばれた民間人には全くの対象外であると。同法を根拠に来賓の思想傾向を調べ選別することはできない。防衛省は中立性の確保を理由に規制しようとしているけれども、規制しようとしているのも理解に苦しむ。特定人物を中立ではないと判断し排除すること自体、恣意的で差別的な対応と言わざるを得ない。これが一般的な考えなんですよ。  何を防衛大臣、寝とぼけたことを言っているんですか、あなた。現代民主主義における思想、信条の自由、言論の問題のところをまだ理解していないんですか。
  66. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) 新聞報道を基にしての御発言であるようでありますが、それでは、私どもの事務次官が通達を出した内容を少しこれ読まさせていただきます。  先般、自衛隊の施設内で行われた行事において自衛隊の協力団体の長があいさつし、同施設を管理する自衛隊側が自衛隊法第六十一条及び自衛隊法施行令……
  67. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 もう結構です。もう結構です、それぞれが勝手なことを言っているだけだから。その中身が問題だと言っているんです。そんなので答弁時間を取られたくない。
  68. 前田武志

    委員長前田武志君) 続けてください。
  69. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) 第八十七条に規定する隊員の政治的行為の制限に違反したとの誤解を招くような極めて不適切な発言を行った。防衛省・自衛隊としては、かかる事案が二度と起きないよう、各種行事への部外の団体の参加等については下記のとおり対応すると。  これ読みますと少し長くなりますから申し上げませんが。  それと、もう一つ理解を……(発言する者あり)
  70. 前田武志

    委員長前田武志君) お静かに願います。
  71. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) 質問者の時間が回りますよ、そんなことをしていると。  私どもは、この件について問い合わせが自民党の皆さん方からたくさんありました。資料は全部お渡しをいたしております。
  72. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 まず第一点として、自民党のときにやっただろうと言いますけど、これ、やっておりませんので、まずは取り消してください。こういう自民党を……(発言する者あり)いや、さっき言ったじゃない。いや、言ったじゃないですか。取り消してください。(発言する者あり)いや、取り消してください。取り消してくださいって言っているんです。
  73. 前田武志

    委員長前田武志君) 委員長の指名なきままの議論はお控え願います。  もう一度、衛藤委員
  74. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 自民党でもやったでしょうと言いますけど、自民党も何度か批判されています。何度も批判されています、そういう民間人からそういう行事のときにですね。しかし、それはそれで、民間人の言ったことですからね。それは官からやることじゃないんですから。だから、そんなこと一回も言っておりません。取り消してください、事実と違うんだから。はっきり取り消してください。
  75. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) 私は防衛省・自衛隊の政治的中立性というのはしっかり守っていく立場にあるわけです。そのことを……(発言する者あり)そのことについて、私は、たまたま民主党、菅内閣を批判したけれども、これがほかの党であっても私は全く同じ態度でやります。  ですから、そういう意味において普遍的な、普遍的な……(発言する者あり)私らは何度も会議を開いた結果としてこういうことをやっておりますので、私たちは言論封圧だなんてことは全く考えてはおりません。(発言する者あり)
  76. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 いいですか。いいですか。はっきりと、自民党なら同じことをやっただろうということを、我々はそういうことを言われたけどやっていない。だから、まず撤回しなさい。  それから、隊員の中立性を求める……(発言する者あり)
  77. 前田武志

    委員長前田武志君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  78. 前田武志

    委員長前田武志君) 速記を起こしてください。  ただいまの場内協議の結果、防衛大臣において不穏当な発言がありましたので、発言の取消しを求めます。どうぞ。
  79. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) 議事録を精査しないで、不穏当であるとかなんとかと言われるのは私にとっては誠に不穏当です。(発言する者あり)  そこで、申し上げます。(発言する者あり)
  80. 前田武志

    委員長前田武志君) それでは、北澤防衛大臣、ただいまの発言を取り消す旨の趣旨で御答弁願います。
  81. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) 審議を遅滞させることは私の本意ではありませんから。  先ほど、私は、政党人であるならば普遍的に、どの政党に属したって政治的中立は……(発言する者あり)まあ、しかし、少し……
  82. 前田武志

    委員長前田武志君) 北澤大臣、北澤大臣、簡潔に御答弁願います。
  83. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) そこで、私は……(発言する者あり)私の発言の趣旨を聞くぐらいな度量を持ったらいかがでしょうか、皆さん。(発言する者あり)  私は、そういう意味で、どこの、自民党でもそういう対応をするんではないでしょうかと、こう言ったつもりであります。しかし、ここで私は、この事実関係議論する上でそのことがそんなに大きく問題を混乱させるんであるとすれば、委員長の御指示に基づいて撤回をさせていただきます。
  84. 前田武志

    委員長前田武志君) それでは、衛藤晟一君、続けてください。
  85. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 今のことで非常によく体質が分かったと思います。  今までの答弁で、これは事務的に上がってきたものではないという意味のことは分かりました。明確には言っていませんが、防衛政務三役というか防衛大臣の下で慎重に議論をしましたということですから、恐らくこのことはちゃんと防衛大臣のところで出たんでしょう。  言葉の使い方については、通達の中で、一見、中立性の確保ということを目指しているようにも見えます。しかしながら、その表れ方、具体的な特徴としては、実はどういうことを言っているかというと、自衛隊によって、言わば民間の意見、これ、今回は自衛隊の場所は提供しましたけれども、自衛隊を支える方々がみんな集まっての祝賀会、この入間基地での航空祭という形の祝賀会です。ですから、これ民間の方が皆集まっているわけです。  これ、民間の方がどういう発言しようが、それはめちゃくちゃ非常識な発言だったりだったら、これ非常識じゃないですかということは言えると思いますけれども、このことについて、言わば政治的な中立性を求める形で今後は全部チェックするんですよ、事前に調べるんですよ。そして、この後に、この通達の後ろにもちゃんと出ていますね、報告まで求めるんですよということになっておる。そのことは、言わば大変なことで、実は民間人に対して自衛隊から言わば言論統制ということになりますよと。だから、そういうことになるんですからこれをちゃんと撤回してくださいと言っているんです。  いいですか。あなたは幾らそういう詭弁を使って、それは中立性を、(発言する者あり)詭弁です、そうだという具合に言っても、そういう表現を、おそれがあるとかいうようなことを言っても、結局のところは具体的に出てくる指示は、各防衛省の幹部に対して、一切そういうことについては事前にちゃんとチェックしなさいよ、そして今度はそれについてまた報告を求めるということまでしているんです。これは、民主主義社会における自衛隊からの民間に対する言論統制なんです、言論統制なんです。このことをはっきりとしますか、これを撤回する、撤回してください。この通達について撤回するということをはっきりしてください。
  86. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) どうもかみ合いませんが、ここにその文書課長の書類もありますが、事前に報告しろなんというのはどこにも書いていないんですよ。どうして……
  87. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 事後報告が様式で出ているんです、ちゃんとそれに伴って一緒に。
  88. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) ここで、じゃ読ませていただきます。  防衛省・自衛隊が主催し又はその施設内で行われる行事について、部外団体を代表して参加された方がごあいさつを述べられた場合には、当分の間、その概要を作成し、大臣官房文書課に提出していただきますよう、よろしくお願い申し上げますと。だから、事前になんてことは全く言っていないわけであります。  そこで、経緯を明らかにするために、私の方から少し時系列でお話を申し上げます。  自衛隊員の政治的中立性に関する事務次官通達発出の経緯。四つありまして、一つは、十一月三日に空自入間基地で開催された航空祭の祝賀会において自衛隊の協力団体の会長があいさつに立ち、一刻も早く菅内閣をぶっつぶして、民主党政権では国がもたないなどの発言があり、二つ目、翌四日、文書課長が政務三役にこのことを報告、三役から、こうした事案が二度と起きないよう必要となる処置を……(発言する者あり)必要となる処置を早急に検討し実施するよう指示、同時に祝賀会に出席した方々にこの事案についての説明をすること。  その後、内局と各幕において、具体的な対応について複数のオプション、一つは通達発出、二つ、部外団体に文書提出を要請し、提出しない団体には今後交流を考慮する、三つ目、部外団体の規約に明記等を検討、これは検討をした中身であります。  これを受けて十日夕刻、大臣室において政務三役、事務次官、官房長、統幕、陸上、海上、航空各幕僚長が出席し、「隊員の政治的中立性の確保について」の事務次官通達の発出とその関連処置について合意をいたしました。  そういうことであります。
  89. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 結論は今出ないですから。  いいですか、この文の題名は隊員の政治的中立性の確保となっているんですが、中身が違っているから言っているんです。隊員から民間人に対して政治的中立をする、政治的中立を全部やれということを言っているんです。民間の方がそういうお祭りに来ていろんなことをしゃべるでしょう。その言論統制をすると、しなさいという通達を出したから問題だと言っているんです。まだ分からないんですか。民主主義に対する、あるいは言論の自由に対する認識が全くないよ。いいですか。表は隊員の政治的中立性の確保と言いながら、中身は、自衛隊の幹部に対していろんな行事で民間人に対して一切そういうことを言っちゃいかぬということを統制しなさいと、しかもこの後には報告まで求めている文書も付いているんです。全部あるんです。こんなばかなことはありますかと。  自衛隊が民間の思想、信条まで、言論まで統制するというようなばかなことを言ったのは、この大臣なんです。即刻辞めるべきだ。
  90. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) ちょっと認識が違い過ぎまして、冒頭申し上げたように、自衛隊法第六十一条、政治的行為をしてはならないと自衛隊法に書いてあるんです。これを受けた八十六条で、政治的目的、ですから、要するに簡単に言えば、自衛隊の施設の中で政治的な発言等をすることは駄目だと、こういうことであります。
  91. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 先ほどの自民党に対する、自民党でも同じようなことをやっただろうという発言を取り消す。それから、この通達については重大な意味を持っています。分かるでしょう、これ今並んでいる方々も、どんな意味を持っているか。極めて隊員の中立ということを装いながら大変なことを言っているということは分かるでしょう。民主主義というのはこういう大事なところからちゃんと守っていかなきゃいけないんですよ。そのイロハも分からないような防衛大臣にこんなことは任せられないよ。この通達の撤回、それから辞任を要求しますよ、私は。(発言する者あり)
  92. 前田武志

    委員長前田武志君) 衛藤委員、衛藤委員、どなたに質問を。
  93. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 総理に。任命責任を私は問いたいと思いますから、どうぞ。
  94. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今いろいろな議論をお聞きしておりまして、防衛大臣は、その行為が自衛隊の中立性の問題に該当するという認識の下にこういうことをされたんだということは、今のやり取りの中で分かりました。そのことが正しいかどうか、私も今日初めてこの事案をお聞きしましたので、私として、ある意味で人事の問題等々を言われていますけれども、そう簡単に判断できることではありませんので、しっかり御本人からも改めてお話を聞かしていただこうと思っております。
  95. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 これ、まともな答弁がないようですから、とにかく撤回と、先ほどの発言の撤回、それから通達の撤回。そして私は、こんな答弁しかしない大臣のやっぱり辞任をこれは要求しなきゃいけませんわけで、大変ですよ。これが大変誤解を与えるようなことだからまずかったと、本来は隊員の政治的中立だけを言おうと思ったけれども、民間人に対してもそういう影響を与えるということについて悪かった、だから撤回するというようなことがなければ、これはふさわしくないですから。あと審議もできないし、やっぱり辞任を要求したいと思います。  じゃ、次に行きます。  私もちょっとここだけで質問というわけいきませんので。それから、柳田法務大臣の就任祝賀会についても、御自分のことにつきましてちょっとお尋ねをしたいという具合に思います。  報道によれば、法務大臣が地元の会合において、法務大臣は二つの言葉を覚えておけばいいと、個別の事案については答えを差し控えると、法と証拠に基づいて適切に対応する、この二つだけ覚えておけばいいんだということを言っています。そして、今、このことについて柳田大臣は何と言ったかと。軽率であったと言っている。軽率で済む中身じゃないんです。そして、仙谷官房長官は、誤解を与える内容だと言っている。誤解を与えるということは、受ける我々が誤って理解したんだと。悪いのは我々なの、一般の国民の方が悪いの。  この言葉は大変なことなんですよ。いいですか。こんなとんでもないことを言って、国会軽視も甚だしい。二つだけ覚えておけばいいんだと。もっと丁寧にこれ読みましょうか。  法相だとはいい、二つ覚えていればいい、個別の案件についてはお答えを差し控えますとね、これはいい文句ですよ、これを使う、これがいい、分からなかったらこれを言う。ひどいですね。実際問題しゃべれない、もう一つ、法と証拠に基づいて適切にやっております。この二つ、何回使ったことか、使うたびに野党から責められ、政治家として答えじゃないとさんざん怒られている。まあ云々ですけど、これが単に軽率ということですか。軽率ということだから謝るんですか。そして官房長官は誤解だと、受け取る方が悪いと言うんですか。両方ともおかしいよ、狂っているよ、これ。明確な答弁を求めます。
  96. 柳田稔

    国務大臣柳田稔君) 先ほども御答弁を申し上げましたけれども、先日の日曜日に広島におきまして、県連の皆様並びに二十年間支援をしてくれた皆様が就任のお祝いをしてやろうということで、そういう会を催してもらいました。従来からいろいろとお付き合いもあり、仲の良かった仲間が集まった集会でありました。十数分間お話をさせてもらいました。その中の一フレーズだというふうに私も認識をいたしております。  ただ、先ほども申し上げましたように思慮が足りなかったと。従来からも国会の場においては真摯に答弁をさせていただいたところでありますけれども、この発言については、いかに仲間内であれども思慮が足りなかったと真摯に反省をさせていただきまして、昨日の衆議院の法務委員会でも言葉を撤回し、そして陳謝をしたところでございます。この場でも、こういった思慮の足りなかった発言を申し上げたことを心からおわびを申し上げ、そして今後とも真摯に国会で答弁をしていく、そういうふうに考えているところでございます。
  97. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 あのね、つい身内だから、長いからと言いますけどね、この会には、我々の得た情報では広島市内のリーガロイヤルホテル、約六百人参加、すごいところですね、大変多い。ここでここまでの軽率な発言ができるというか、まあ本当にむちゃくちゃだという具合に思いますね。国会軽視もとにかく甚だしいと思いますから、これは問責決議に値するという具合に私は思います。  ですから、こんな発言をするようであれば、法務大臣に私の方からお勧めします。自ら出処進退を明らかにした方がいいと思いますから、ここでアドバイスします。  次に行きます。──じゃ、法務大臣、はい。じゃ、法務大臣にそのことを求めて。(発言する者あり)
  98. 前田武志

    委員長前田武志君) 審議の妨げになります。御静粛にお願いします。
  99. 柳田稔

    国務大臣柳田稔君) 先ほども申し上げましたように、いかに仲間内の会合といえども思慮の足りない発言をいたしました。この場でおわびを申し上げるとともに、今後とも真摯な国会答弁に努める所存でございます。
  100. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 謝って、そういうことで済むような話じゃありません。先ほど申し上げましたように、国会軽視も本当に甚だしいと思います。個別の事案について答えを差し控えると、法と証拠に基づいて適切に対応するということだけ言っておけばいいんだと、これは大変なおごりであり、傲慢であり、本当に、まあ現実にそういうことばっかりしか言っていないんで問題なんですけれども、これやっぱり国会軽視も甚だしいし、私は問責に値すると思いますけどね。改めて自ら出処進退を明らかにするようにお勧めをいたします。  次に、済みません、時間が大変なくなりまして、尖閣におけるこの問題について、あらまし、ちょっと時間がもうなくなってしまいましたけれど、これ、民間の実は告発が出ました。  十月十二日に民間の方々が最高検に中国人船長に対する公務執行妨害容疑の告発状を出しました。私も前回そのことについて質問をいたしました。そのときに、やっぱりその告発を受理したのかどうかということは答えられないということでございましたし、なかなか受理しないということで、何度も言いましたら、これは那覇地検の方に行っているんだと。それから、要件が整っていれば、当然、法律に基づいて受理しなければいけない義務がありますと。じゃ、十月十二日に出して、要件は整っているのかどうかと。要件が整っていないとは言えないというようなことの話がありました。そして、それではすぐ受理するんですねと言ったら、ずっとなかったんです。  ところが、この告発人が十一月十日に那覇地検に改めて電話をしました、どうなったんでしょうかと。というのは、十月十二日に出して約一か月近くたつわけですからね、しかもビデオが流出していたもう真っただ中ですから。それで、しましたら、那覇地検の方からは、上司によく相談しますとあったんです。上司に相談しますとあった後、一時間後に那覇地検からこの告発人に対して電話が掛かってきた、十一月四日に受理をいたしましたと。ということは御本人の言うことでございます。  そして私は、えっ、十一月四日ですかと。十一月十日で聞いたときには、まだ受理していないと、上司によく相談しますと。一時間後に慌てて十一月四日に受理しましたと。ああ、なるほどなと。そういえば、十一月四日にこの四十四分ビデオが流出したんだもんねと。それでたまらないようになって、こんな受理をしたということにしたのかと。本当に検察庁というのはひどいなと。少なくともそう思われても仕方のないような今までの検察庁の動きであったなということを改めて指摘をしていきます。  それから、今回のこの公務執行妨害について、言わば逮捕をして、そして、本来、国内法に基づいて粛々と処理するということを明確に言ってたんです。ところが、途中から方針が変わって、これを処分保留、釈放ということをやります。その間の答弁で、官房長官を始めいろんな方が二百四十八条を引っ張り出して言いましたけど、これに、言わば処分保留、そして釈放なんていうようなことはできるはずがない中身であるという具合に思います。  この中に書いていますように、日中関係理由に釈放したというのであれば、ちゃんと指揮権を責任持って発動すればよかった、当たり前の話であります。法務大臣の責務は、本来はですよ、そういう形で海上保安庁から訴えが出たんだから、それを受けて、幾らいろんなことがあったとしても粛々とやってくださいと。これは公務執行妨害です、国内法の適用を受けてちゃんとあなた方で判断してくださいと。政治的な問題があれば、私どもが法律で許されている指揮権の範囲内でやりますよというのが、本来、法務大臣がやるべきことだったんです。そういう具合にですね。それで初めて検察としての、言わば司法としての若干の独立性が保たれたんです。  行政の中ではあなたの中に所属しているけれども、各々のところにおいてあなたの責務をちゃんと果たしてくださいよということであれば国民皆さんは納得したんです。そうでない結果であったから、責任だけは検察庁になすりつけて、そして、指揮権も発動してなければ、相談にも応じてない、何もしてないと。それは検察庁の責任だと。検察庁の方は、日中関係に配慮してと。国民生活への影響日中関係にということが出てくるんです。これが極めておかしいと。国民皆さんが八割以上の方々が、やっぱりおかしい、政府余りにもひきょうだと、人に責任ばかりなすりつけてひきょうだと。  そしてまた、今度、ビデオも公開しないんです。仙谷官房長官が先ほど公開しない理由をいろいろ言っていましたけれども、今既に公開しない理由なんていうのはないということは一番お分かりのはずです。四十七条のことを言っていますけど、言わば新聞から盗撮されたと言って大騒ぎをした、ひどいですよ、盗撮なんていうのはね、まずは。この厳秘資料、これをずっとよく丁寧に読んでみると、この資料の中にもはっきりと、何て書いてあるかというと、七分物に関しては、メリットとしては、政府の情報公開の姿勢評価されるだろう(小)、四十四分ビデオは、政府の情報公開の姿勢評価(中)。ここには、残念ながら全部公開について載っていません、写っていません、これは分かりません。  そして、この七分物、六分五十秒物、我々予算委員の理事等が見せてもらったものでありますけれども、これはメリットとして、中国による日本非難の主張を避けることができる。それから、四十四分物では、中国による日本非難の主張を退けることができると、メリットとしてはっきり書いているんです。これこそ公益であり国益ですよ。だから、このことは、四十七条を理由にしながら言わば公表しない理由に使うというのは全く間違っている。  あなた方は、本来粛々として国内法の適用をやってちゃんとすべきところを、それをしないで、ある意味ではここにおいて治外法権を認めたんです。あの幕末と一緒なんですよ。不平等条約みたいなのを認めたと同じなんですよ。まだ分かりませんか、そのこと分かりませんか。  そういうことをしていて、そしてそういう中で処分を、必ず起訴処分か不起訴か決めなきゃいけないにもかかわらず、捜査がほぼ済んだから釈放したと、処分保留にしましたと、こんなばかなことがあり得ますか。これは明らかに検察の越権行為ですよ、明らかに越権行為ですよ。しかも、それにあなた方は乗っかっている。だから国民皆さんは怒っているんですよ。あなた方のやり方に対して、国民に公表しないやり方に対して、すべてそれを隠ぺいするやり方に対して。しかも、国益を守ってくれない、領土や主権を守ってくれない、その政府に対して怒っているんですよ。そのことがまだ分かりませんか。その反省はないんですか。  それで、また四十七条を持ち出してくるんですか。四十七条を持ち出したって、既にあなた方は釈放を決めているんです、処分保留を決めたんでしょう。身柄を元に戻せるんですか。仙谷官房長官が言われたように、もう実質的には起訴はあり得ないでしょう。  そして、もっと詳しい資料を出せと言ったら何と言われましたか、捜査がまだ終了していませんと。捜査がまだ終了していないのに釈放するんですか、処分保留にするんですか。こんなばかなことがありますか。これではずっとずるずると永久に引っ張れる。しかも、本人は海外ですから。このことを言っているんですよ、時効が成立しないんですから。とんでもないことを執行部はやったと、あなた方はやったということに早く気付いてちゃんとやらなきゃいけない。  そんな意味では、私は、今回の措置に関して検事総長がやるべきことは、大変、法の適用をちゃんとやらなくて申し訳なかったと。しかし、取り返しが付かない。取り返しが付かないときの責任の取り方はどうするか。それは私が辞めますと言って辞めることしかないんです。でなかったら、またこういうことを繰り返すことになるんです。これが前例になるんです。これを決して前例にしてはいけない。  大津事件のときの大審院、このことの話ありますが、ここは裁判所です。しかし、今回は検事総長、検察庁自らがこんなことをやってしまった、取り返せないことをやってしまった。これに対する責任の取り方は検事総長が辞めるしかないんです。そのことだけははっきり私は申し上げたいと思います。  大臣、あなたにもそういう意味では責任があるんです。このときに検事総長に対してあなたがちゃんと言うべきことは、法にのっとってちゃんと処理してくれと、我が国は、ここは中国の治外法権ではない、ちゃんと法にのっとって処理することがあなたの仕事なんだという指導をあなたはしなければいけない立場なんです。しかしながら、あなたは、何の判断もしませんでしたということを今までぬけぬけと言っているんです。そんなことの判断もできないような法務大臣だったら、これはふさわしくないんです。これも辞職に値するんですよ。  この検事総長の辞職と、そしてあなたの辞職に対する見解を求めます。
  101. 柳田稔

    国務大臣柳田稔君) 処分保留のままの釈放の理由につきましては当委員会でもるる述べてまいりましたけれども、今日もテレビ中継でありますので、国民の皆様に御理解をいただくために少し時間をいただきまして話をさせていただきます。  釈放の理由については、犯罪事実は収集した証拠によって明白であるもの、ですから公務執行妨害で逮捕、送致された、そういうふうに認識をいたしております。その後、外務省職員からの説明の聴取を含め、捜査の結果、被害の程度、犯行の計画性の有無、我が国における前科の有無等に加えて、身柄を勾留したまま捜査を継続した場合の我が国国民への影響や今後の日中関係を考慮した、そういう総合的な判断の下、処分保留のまま釈放したと、そういうふうに報告を受けております。  衛藤委員指摘のように、その検察の判断に対して、指揮権を有する私、法務大臣がいろいろと考えて、指揮権を発動しろというふうな御意見もあることは聞いておりますけれども、私はこの検察の判断を了として指揮権は行使しなかったということでございます。
  102. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 今あなたが挙げたことは大変なやっぱり重要な意味なんですね。  いわゆる「みずき」に故意に衝突させたことは証拠上明白であると。ところが、その後言っていることがころっと変わるんですよ。「みずき」の損傷の程度は直ちに航行に支障が生じる程度のものではないということがありました。しかし、それが一体どうしたんですか。沈没しなくて良かったですね、本当に。海の衝突というのは大変な危険が伴う。だから「みずき」自身が、私は初めてこの両方のビデオを見て分かったけれども、後で特に四十四分物を見て分かりましたけれども、必死で「みずき」が相手の漁船から逃げている。取り締まる方の海上保安庁の船がぶつけられて逃げている。  関係者にお聞きしますと、船の衝突というのは大変なことなんです。今、船の事故においても、いわゆる転覆が一番、二番が衝突なんですよ、実は。船の関係者が自らぶつけるなんということはあり得ない話なんですよ。あり得ない話で、これだけぶつけた、だから、動けるのは良かった。だからといってこれは釈放の理由になるような話じゃないんです。  具体的に、私は、じゃ、もうちょっと、どれぐらいの被害があるのか丁寧に出してくれと言ったら、これだけしか、海上保安庁から、捜査に関係があるといって見せてもらえませんでした。捜査がまだ終わっていないと言うんですよ。捜査が終わっていなかったら、よくこれ釈放したねと思うんだけれども。ふざけた話だよ、本当に、何もかもね。これだけしかもらえないんです。その程度も書いてもらえない。ただ、「よなくに」手すり一本破損、それから、ヘリ甲板支柱の一本破損、「みずき」云々と。これでも相当な被害ですよ。金額についてもまだ言ってくれない。こんなばかなことがありますか。  捜査がまだ済んでいない。捜査がまだ済んでいないのだったら、何で釈放したんだ。むちゃくちゃですよ、あなた方の言っていることは。だから、国民皆さん方はあなた方の言っていることを全く信用してないんですよ、それが世論調査でも明確に出ているじゃないですか。  いいですか。いつの間にか、言っている中身は、「みずき」の損傷は直ちに航行に支障が生じる程度のものではない、「みずき」乗務員が負傷するなどの被害の発生はないと。そのことが、たまたまこうなったかもしれないけれども、何をこんなことを挙げて言っているんですか。計画性が認められない、本当にそうですか。あの船の状況を見てください。明らかに意図的に、「よなくに」に対して意図的に、故意にあえてぶつけているということは一目瞭然ですよ。  そして、千三百トンの「よなくに」の方に被害が出て、漁船の方には何も出ていない。そうすると、あのへさきには何か強化している、意図があったのではないのかということで当然見られるでしょう。千三百トンと百六十六トンが衝突をして、そして大きな方に大きな被害が出て、小さい方には何も出ていない。しかも、意図的にぶつけていることは分かる。普通はこんなときには船は何とかして衝突を避けようとするものですけれども、この漁船は意図的にぶつけてきているんですよ。四十四分のビデオを見てから、あの動きをずっと見てよく分かりましたよ。  そして、その後出てくるのが、我が国国民への影響や今後の日中関係と出てきています。しかし、上のところを釈放理由に挙げるということは、今まで言ってきたことと違うんですよ。またまた大阪地検でやったあの証拠改ざんと同じようなことを、いつの間にか言うことが変わっているんですよ。まだ分かりませんか。こんなうそを言ってまで、言い逃れをしてまで何ゆえに、法を犯してまで、法で許されていないところ、越権行為をしてまでこんな処置をしたのか、これが分からない。  それから、ビデオについてももっと早く公開していた方が、真実ほど強いものはないんですよ。中国が一時的に文句言うかもしれない。しかしながら、あのビデオをちゃんと見たらどちらが意図的にぶつけたかというのははっきり分かります。分かるということを仙谷さんのメモでもちゃんと言っているんですよ。そしたら、次第次第に、ああ、自分たちは騒いでいたかもしれないけれども、これは今まで政府が言っていたのと違うんだなということで必ず分かってくる。むしろ、この行為が、真実を明らかにしていなかった行為が日中間の溝を深めてしまうという皮肉な結果になった。このことの責任を本当にあなた方は感じなければいけないんです。  総理、これについてあなたは本気でどう思うのか。私は、今までのずっとの動きを見ていると、是非、ひょっとしたらあなたは本当にこの国を愛していないんじゃないのか、この国の主権を大事にしようとしていないんじゃないのかとか、そんなことを思わざるを得ないんですよ。言葉では大事だと言いますよ。しかし、やっていることは違うから。だから、本当に今の私の言葉に対して真摯に答えていただきたい。
  103. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 衛藤議員から大変厳しい指摘をいただきました。  私は、今回のこの衝突事件、それをめぐってどのような形でこれが推移してどうなっていくのか、当然ながら私自身、自分自身としても考えましたし、また関係者とも相談をしながら方向性を決めてきました。  つまりは、この日本の主権の問題、そのことについてしっかり守っていくということは当然やらなければならないことです。と同時に、と同時に、日中の関係に関してそのことがどのような形で展開するかということも、当然ながらいろいろと予測をしなければいけない立場に私はあると、そう思っております。  そうした中で、今回の経緯に関して言えば、今るる議論がありましたけれども、最終的といいましょうか、少なくとも刑事訴訟法に基づく一つの判断の中で釈放ということが一定のルールにのっとって決まったことについて、もちろんそのことがいろいろな議論を現に生んでいるわけですけれども、私は、三年後、五年後に翻ってみたときに、この一連の経緯が、私は、日本の主権にとってもあるいはアジアにおけるいろいろな問題に関しても、歴史に堪え得る一つ方向であったことはまさに歴史が証明してくれるものと、このように確信をいたしております。
  104. 衛藤晟一

    ○衛藤晟一君 総理、あなたは本当に歴史認識も何もないんだということがよく分かりました。あなたの言っていることは逆ですよ。  今回どういう状況が起こったかというと、今まで我々が長い間、例えば中国が一九九二年に領土法を決めて、尖閣も自分のものだとか言いながら、本気でそんなことはしないだろうという具合にみんな思ってきたんです。だから、領海内に船が来ても、漁船が来ても、帰れと追っ払っていた。言わば、こそ泥が来るけれども、それを追っ払っていた。今回ははっきりと強盗に変わったんですよ、これは。船をぶつけてきたんですよ、最も危険な行為に出てきたんですよ。  海の上の衝突ということがどれだけ危険かということは私も海上保安庁の方にも聞きましたし、海の関係者にもそれから漁業関係者にも聞きましたよ。ああ、なるほどなと。だから、あの「みずき」も必死で、黒煙をいっぱい上げて、エンジンをばっと吹かして、離れろ離れろと言いながら逃げていたんですよ。それぐらい危険なことなんですよ。しかしながら、そのことは分かった上であれだけぶつけた漁船の方は何ら傷も一つも受けていない。大きい方の「よなくに」にしろ、あるいは「みずき」にしろ、大変な被害を受けている。  そういう状況だからこそ、国内法にのっとってちゃんと処理する、いいなと思っていたんです。そして、中国から言われる。そのときには、真実はこうですよと、真実はこうですよと何でちゃんと言わないんです。そして、真実はこうですよということを何ではっきり言わないの。そして、ビデオも見てください、こうですよ。我々は当然の権利を行っただけです。あなた方も国際法をちゃんと守ってやってくださいね。私どもは、私どもからけんかを売っているわけじゃありませんよ、中国漁船の方からこういう不当なことをされたんですよ、あなた方は逆にこの中国漁船を取り締まるべき立場でしょうと中国にちゃんと言わなきゃいけないんですよ。  それを、今回の後の動きもずっと見ていても、強盗に入られたら、いつの間にか、証拠もちゃんと調べないで終わったまま、ぱっと無罪釈放して、それで終わりだと。法にのっとっていないんですよ、ちゃんと。そして最後は、悪いことをしている中国に対して、強圧的な中国に対して、あなたはずっともみ手をしながら一生懸命会ってくれ会ってくれと言っただけなんですよ。  これが五年、十年に何で堪えます。全く堪え得ないんです。だから、歴史観がちゃんとない、この国家に対する主権や領土の意識や、あるいは国民に対する愛情がないと言っているんですよ。そのことで終わります。
  105. 前田武志

    委員長前田武志君) 関連質疑を許します。山谷えり子君。
  106. 山谷えり子

    山谷えり子君 自由民主党山谷えり子でございます。  北澤防衛大臣の民間人への言論弾圧に対する恐ろしさを全く認識していない答弁、非常に驚きました。また、柳田法務大臣の、国会では二つの言葉で対応すればいいんだと、法と証拠に基づいて適切に、あるいは個別事案については答えるのを差し控えたいという、本当に国会軽視であります。そしてまた、仙谷官房長官の密室的、強権的なやり方、国益を損なう内閣、本当に聞いていて悲しくて情けなくて、御先祖様からお預かりしておりますこの日本国、どうなってしまうんだろうかと多くの国民が思っていると思います。  朝鮮学校の無償化についてお聞きします。  朝鮮学校に日本税金を入れる、国民の多くが不適切と思っております。高木文部科学大臣は十一月五日に無償化を決めました。教育内容は問わないということを言っている。この教育内容について高木文部科学大臣は、一般的認識あるいは政府見解と異なる教育が一部行われていることについて私は遺憾に思っておりますと、大臣自らが遺憾に思っておりますと言っている。そして、具体的な教育内容についての懸念される実態については、申請があれば、留意すべき事項としてこれは自主的な改善を促していく、この努力を我々は今決意をいたしております。決意をするのは御自由なんですけれども、これは法的根拠はあるんでしょうか。
  107. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 山谷委員お答えをいたします。  朝鮮学校の件につきまして今無償化を決めたと、こういう御発言でございますが、まだその段階ではございません。去る十一月五日に決定いたしましたのは、審査をする基準であります。  朝鮮学校については、我が国の政府の方針あるいは国際社会の一般的な見解と異なる部分があることは御指摘のとおりでございまして、私どもとしましては、この申請があるならば、基準に沿ってしっかりその実態を調査をしていくことにいたしておりまして、留意すべき事項ということで自主的な改善を促す、このことにしております。  言うまでもなく朝鮮学校は都道府県が所管する各種学校であります。私学の自主性を尊重する観点からも、基本的には学校が自ら是正を行うものと私は思っております。懸念される事項が改善されない限り、繰り返し私どもはその懸念を伝えて強く改善を促していくことにいたしております。  なお、提出された書類に疑義がある場合においては、これまた繰り返し資料の提出や説明を求めてまいりたいと、このように思っております。
  108. 山谷えり子

    山谷えり子君 法的根拠が全くない中でどのような改善を促すのか、これは北朝鮮と拉致問題の関係を長く我が国はやってきているわけですから、今の答弁は全くのうてんきな答弁だというふうに思います。  無償化について、拉致被害者の家族の会とそれから北朝鮮に拉致された日本人を救う会全国協議会は、無償化は拉致を棚上げしようとする朝鮮総連と朝鮮学校の政治活動を公認し支援するものとなる、国庫補助の実施は北朝鮮に対して拉致問題で日本が軟化したという間違ったメッセージとなる危険性が大きいとはっきり言っております。しっかりと取り組んでいる人たちはそういうことなんですよ。  柳田拉致問題担当大臣、どのように思われますか。
  109. 柳田稔

    国務大臣柳田稔君) 山谷先生、日ごろから拉致問題に大変熱心に取り組まれておりまして、いろんなことで私に対するお話も聞かせてもらっております。その中にも高校無償化のお話もありましたし、拉致被害者家族会のお話もございました。また、国民世論のこともいろいろとお話を聞かせてもらっております。そういった中で、そういった点も高木大臣にはお話しし、その上で、教材の内容、記述、問題があるのではないか、そういったことと、経理の透明性、問題がありますということを御指摘させていただいて、対応方、お願いしたところであります。  拉致被害者の家族会の皆さんは、先生おっしゃるように、大変強い思いを持っているということは私も同様に認識をさせてもらっております。
  110. 山谷えり子

    山谷えり子君 これも本当にアリバイづくりのための答弁だというふうに思います。  朝鮮学校で使われている教科書を取り寄せてみまして、例えば拉致事件についてどう書かれているか。日本当局が極大化して、反共和国、反総連、反朝鮮人騒動を大々的に繰り広げと書いておりまして、これは被害者家族はもう本当に耐え難いというふうに言っております。それから、大韓航空機の爆破事件については、南朝鮮当局はこの事件を北朝鮮工作員金賢姫が引き起こしたとでっち上げ、大々的な反共和国騒動を繰り広げというような、こういうところに国民税金が行くんですね。  これは、我が国の教育基本法の下に日本にある外国人学校も置かれるんですけれども、「国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」という、教育基本法にあります、それを全く無視しているんですね。本当に菅内閣というのは法治国家をずたぼろにして壊していっているんですよ。本当に恥ずかしいです。国際社会で立派な日本国がこのような状況になっている。恥ずかしいことです。  公安調査庁、朝鮮学校と朝鮮総連の関係をどうとらえているか、思想教育、内容についての見解を教えてください。
  111. 北田幹直

    政府参考人(北田幹直君) お答え申し上げます。  朝鮮総連は、朝鮮高級学校などの朝鮮人学校での民族教育を愛族愛国運動の生命線と位置付け、北朝鮮、朝鮮総連に貢献し得る人材の育成に励んでいるというところでございます。そして、朝鮮総連の影響は、朝鮮人学校の教育内容、人事、財政に及んでいると、このように承知しております。  また、思想教育という点、お尋ねでございます。教育内容には、朝鮮人学校におきます教科書を見てみますと、朝鮮総連の傘下事業体であります学友書房が作成した教科書を用いて、北朝鮮の発展ぶりあるいは金正日総書記の実績を称賛する内容が含まれていると、このように承知いたしております。
  112. 山谷えり子

    山谷えり子君 朝鮮学校は、朝鮮総連が人事と財務を握っていると。会計検査院は朝鮮総連をチェックできません。ということは、経理に関しても内容に関しても全く何もできない、そこに税金を投入するということを事実上決めたんですよ。(発言する者あり)ええ、そうなんですよ。  菅総理、この今の公安調査庁の見解は、菅総理の見解、政府見解と同じですか。
  113. 柳田稔

    国務大臣柳田稔君) 法務大臣としてお答えをさせていただきます。  今長官のおっしゃったとおり、法務大臣としても認識をさせてもらっておるところでございます。
  114. 山谷えり子

    山谷えり子君 民主党の支援団体であります日教組、この日教組がかつて日教組新聞に拉致問題についてこう書いてあります。拉致問題、民族排外主義、新たな国家主義の宣伝、扇動などに対して議論せよ。つまり、拉致問題は人権侵害、主権侵害であるにもかかわらず、民族排外主義につながるから拉致問題教えるなというようなことを日教組はずっと言っていた。あるいは、かつて日教組の委員長は北朝鮮の親善勲章第一級をお取りになったというふうにも報道されております。  こうした民主党と支援団体との関係から、もう初めに朝鮮学校無償化ありきで密室の中で行われた茶番劇だったというふうに思っております。無駄な税金カットすると言いながら、こういう本当に訳の分からない使い方をするのが民主党政権だというふうに思っております。主権、国益、考えていただきたいというふうに思います。  今月の一日、二日、韓国で拉致の国際会議が開かれました。私はそこに出席をいたしまして、韓国の与党の幹部あるいは国会議長、元議長あるいは政府高官と意見交換をしてまいりました。そのとき印象に残ったのが、元国会議長が朝鮮半島の統一は雪崩のようにやってくると言われた。しかし、日本の今の自衛隊法では、拉致の被害者を救出することができません。今の自衛隊法では安全が確保されているという条件のときのみ輸送ができる。ですから、有事のときは、急変事態のときは自衛隊は行けない。だれに頼むんですか。アメリカ軍に頼むんですか、韓国軍に頼むんですか、そんなばかな。朝鮮半島の日本人を救出しなければなりません。  自民党は六月にこの救出ができるための改正案を出しているんですが、民主党政権は衆議院にぶら下げて塩漬けにしたまま下ろさないんですね。日本人の命を何と考えているんですか。早く下ろして審議に応じてください。
  115. 前田武志

    委員長前田武志君) 高木文部大臣
  116. 山谷えり子

    山谷えり子君 どうして、違います。今、防衛の問題です。聞いていません。(発言する者あり)
  117. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 山谷委員の御質問であります。  朝鮮学校についてでございますが、私として申し上げたいことがございます。(発言する者あり)
  118. 前田武志

    委員長前田武志君) 委員長の指示に従ってください。簡潔に。関連して簡潔に。
  119. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 拉致……(発言する者あり)拉致問題についてもこれは国家の重要な課題でございます。当然にして……(発言する者あり)  拉致問題は、当然にして我々は国家的な問題として重要に取り組むことは承知です。この朝鮮学校の件は、そもそもいわゆる国際人権A規約、少なくとも……
  120. 前田武志

    委員長前田武志君) 簡潔に答えてください、文部大臣
  121. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 高校生の学校の無償化について、これは国際的流れである、そのことも我々は多くの様々な意見の中から参酌しなきゃならぬと思っております。  いずれにいたしましても、まだ申請も出ておりません。申請が出た段階できっちり審査をしてまいりたいと思っております。(発言する者あり)
  122. 前田武志

    委員長前田武志君) 山谷えり子委員、どなたに御質問ですか。
  123. 山谷えり子

    山谷えり子君 自衛隊法の改正を早く自民党が出しているものを審議に応じてほしいという注文です。北澤大臣、北澤大臣。(発言する者あり)
  124. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) これは私に聞かれても、国対を通じて議運でやっていることでありますから、私にはお答えする能力がありません。
  125. 山谷えり子

    山谷えり子君 同じ問題意識を菅総理にお伺いいたします。
  126. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 自民党の方からそういう法案が提出をされているという今の山谷議員からのことでありますので、大いに私は一般的に言えば議論をすればいいと思いますが、ただ、国会の扱いについて私が今どういう状況かということは、ちょっと答弁できる状況にありません。
  127. 山谷えり子

    山谷えり子君 国会の対応ではなくて民主党政権として日本人を救出してほしい、それに早く審議に応じてほしいということを申しております。  私は、領土議連という、八十一名の自民、民主、たちあがれ日本、無所属議員で構成されております領土議連の会長をしております。長年にわたりまして、例えば対馬、自衛隊の基地の横が外国資本に買われている、あるいは自衛隊の独身寮の横が外国資本に買われていく、あるいは森や水源地といったようなところが外国資本によって買われている。そこで、安全保障上あるいは天然資源、地下資源の保存上、重要な場所を外国人、外国資本が買う場合にはいろいろな許可が要るというようなルールづくり、法整備をすべきではないかということを長年提案してきておりました。  十月十五日、参議院予算委員会菅総理は、法規制について研究してみたい、法務大臣に勉強させ一つの考えをまとめたいというふうに言われました。法務大臣は、総理からどのような御指示を受けて、今どのように動いていらっしゃいますか。
  128. 柳田稔

    国務大臣柳田稔君) 山谷委員の御指摘のように、防衛省の関係もありますし、水資源といったことも関係がありまして、法務省単独というわけではありませんけれども、関係府省庁が連携して検討していかなければならないと、そういうふうに考えておりまして、法務省としては、総理の指示を踏まえて、外国人土地法については従前の経緯そして諸外国の類似の法制度等について調査をお願いし、着手しているところでございます。
  129. 山谷えり子

    山谷えり子君 そのような調査の資料等はもう領土議連にありますから、是非お尋ねいただきたいと思います。  また、自民党の森と水を守る議員連盟では、森を守る法律、そして水を守る法律、この二本の法律を今国会に提出したいというふうに思っております。これも菅総理が法規制について研究してみたいとおっしゃられているわけですから、閣法を作るなら閣法をお作りになってよろしいでしょう。しかし、自民党は自民党の党として、森を守る法律、水を守る法律を国会に提出しようとしている。このスピードでやっておりますので、菅総理、この研究を急いでいただきたいと思うんです。是非来年の通常国会で一緒に議論し合おうじゃないですか。いかがですか。
  130. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私は、森林についてある時期から興味を持って、林業再生本部というものを民主党の中で私が本部長としてやったこともあります。  もちろん、水も森とある意味では一体のものでありますので、そういうことを積極的に進めることは、私、大変好ましいことだと思っておりまして、それは国会の場で大いに議論をしていくべき課題だと思っております。
  131. 山谷えり子

    山谷えり子君 外資に買われますと、買い戻すというのは大変難しゅうございますので、いろいろな国々でもうそのような法律が整備されているわけですから、グローバリゼーションの中で、安全保障上、天然資源、地下資源の保存上大事な場所は、主権、国益の点から守り抜いていただきたいというふうに思います。  続きまして、岡崎トミ子大臣に、第三次男女共同参画基本計画が今大臣の下で、十二月、閣議決定に持ち込まれようとしております。これも仙谷官房長官がエッジを利かせろ、エッジを利かせろと物すごくプッシュをしたものでございまして、五年ごとの見直しですから、これから五年間の政府の公約になる、そうした基本計画でございます。  男女が仲よく家庭で、社会で、職場でお互いに生き生きと持ち味を生かし合って支え合う、活躍し合う、これは当たり前のことです。女性差別をなくしていく、これも当たり前のことです。しかし、そうした表看板と違って、この第三次基本計画の中には家族解体の思想、具体的な提言がずらずらと並んでおります。普通の人が見たらきっとびっくりすると思うんですが、配偶者控除の廃止、縮小、税制の見直しというのが書いてありますね。  民主党は子ども手当をばらまいて扶養控除を廃止しました。その上に配偶者控除を廃止されたらマイナスになっちゃう家庭もあるんです。これ詐欺政権ですね。そして、家族解体の思いを込めた扶養控除の廃止、配偶者控除の廃止、なぜこんなことを考えていらっしゃるんですか。
  132. 岡崎トミ子

    国務大臣岡崎トミ子君) 委員お答えいたします。  選択的夫婦別氏制度の導入を含む民法改正等の問題につきましては、以前から男女共同参画会議基本問題・計画専門調査会で長い期間にわたりましてこの議論を行っていただいてまいりました。そして、その議論も踏まえて今回の答申をいただいたものと理解をしております。  この答申の取りまとめに当たりましては、公聴会やあるいはパブリックコメントなど国民皆さん意見を伺っておりまして、その結果につきましては基本問題・計画専門調査会の方に事務局の方から説明を行いまして、その上で審議が行われ、答申が行われたということでございます。  共働き世帯の増加などの家族形態が大変増えておりまして、変化しております。また、ライフスタイルも多様化しているという状況の中で、この状況を受けて、男性片働きのことを前提とした世帯単位の社会制度・慣行というものをライフスタイルの選択に中立的なものに変えていく、そして男女が共に、今、山谷議員がおっしゃいましたように、仕事や家庭をしっかりと共に支え合ってその役割を果たしていくことができる社会が重要であるというふうに考えておりまして、このようなことの見直しが家族の崩壊につながるとは考えておりません。
  133. 山谷えり子

    山谷えり子君 私は、今配偶者控除の廃止を聞いたので、選択的夫婦別氏制度まで聞いておりません。しかし、選択的夫婦別氏制度を含む民法改正が必要であると言い切っているんですね。これ問題ですね。世論調査をしますと、それはおかしいという声の方が多いんです。そして、パブリックコメントでもそっちの声の方が、反対の方が多かったんです。  にもかかわらず、私は先日、質問主意書を出しましたら、閣議決定されてきました。夫婦別姓は親子別姓になりますよ、ファミリーネームがなくなるということで、子供の育ちにどういう影響がありますか、結婚制度が弱体化しませんか、いろいろ聞きました。そうしたら、閣議決定で返ってきたものは、そのような意見は述べられていないと。つまり、何にも議論をされていなくて、もう初めにこの親子別姓ありきで皆さんは、民主党はお進めになられたということでございます。  岡崎大臣は、十月二十一日の内閣委員会で私の質問に対して、反対の意見もあったということを踏まえて、変更する必要はないと言っているんですね。これすごいことですよね。反対意見が幾らあろうとも自分たちのことをやりたい、家族解体法案をやっていくと。傲慢だと思いませんか。今守るべきは家族ですよ。社会の最小単位、家族、この愛の共同体をしっかりと応援していく、保護していくことで子供が健全に安心して育っていくことができるんです。全く哲学が違うと思います。  国民は無駄を省いてほしいとは思いましたが、主権、国益、国柄、家族を壊してほしいとは思いませんでした。今国民は気付いています。最初感じた違和感から拒否感、もう暴走はやめてくれ、御先祖様からお預かりしたこの美しい国、美しい国柄、家族、これを壊さないでくれと今悲鳴が上がっているんですよ。もっと謙虚に国民の大きな声に、そして日本のすばらしい土壌、民族性、これに着目したまともな政策を出してください。傲慢だと思いませんか、いかがですか。
  134. 前田武志

    委員長前田武志君) 時間が迫っております。簡潔に御答弁ください。
  135. 岡崎トミ子

    国務大臣岡崎トミ子君) お答えいたします。  これまでにも国民皆さんの多くの声を聴いてまいりました。そのパブリックコメント、公聴会、そうした内容を踏まえて、そして長い期間、私はこの問題について議論を続けてきたということで、その結果につきましても、是非、法律を改めても構わない、夫婦別氏制度の問題についても三六・六%の人がそういうふうに答えており、男女ともに四〇%を超えているという状況で、いや、改める必要はないという人が三五%で、また通称使用ということで、婚姻前の氏を通称として使えるようにということで、これは二五%ございました。  私は、今、山谷議員がおっしゃったように、本当に家族を大事にしていきたいというふうに考えております。国際家族年のときのことを思い出しますと、家族の中での男性と女性が民主的であること……
  136. 前田武志

    委員長前田武志君) 時間が過ぎておりますので、簡潔に御答弁ください。
  137. 岡崎トミ子

    国務大臣岡崎トミ子君) そこにもし障害を持つ人がいたらそういう皆さんを大事にしていくこと、お年寄りを大事にしていくこと、家族の中の民主的なそうしたやり方を私はしっかりと行っていくことが家族が大事にされることにつながっていくというふうに思っておりまして、世帯単位から個人単位に変えましても、そういう点をしっかりと私は努力をしながらつくり上げていきたいというふうに考えているところでございます。
  138. 山谷えり子

    山谷えり子君 論理的に整合性のない答弁をなさらないでください。国民の心と思いと逆走するような暴走内閣は即刻皆さん辞任していただきたいと思います。  ありがとうございました。
  139. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で衛藤晟一君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  140. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、加藤修一君の質疑を行います。加藤修一君。
  141. 加藤修一

    ○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。  総理APECお疲れだと思いますが、最初から苦言を申し上げますが、もっと疲れているのは国民ですよ。政府のまずい円高デフレ政策で地方はますます疲弊している。民主党政権中小企業に冷たい、農業にも冷たい。懸命に私は動くべきだと思いますよ。  同様に、総理、四十四分の映像の件でありますが、全面公開に動くべきであります。流出前の中国外務省副報道局長が、衝突事故について中国漁船が巡視船にぶつけられたと主張しているんですよ。副局長は、早くから海上保安庁に最初から最後まで一部始終ビデオの公表を求めていたわけであります。何も中国の提案に従う必要はありませんが、日本政府が自らの意思と責任で公開すべきであります。  このままだとあらぬ疑問も生じかねないと、このように思っているわけでありますけれども、総理の見解、お示しください。
  142. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 中国のこの漁船衝突の映像記録の取扱いについて、まず私が承知しているのは、前の六分ですか、それについては、国会から一定の手続での公開が求められて、そして衆議院でしたか、予算委員会の方で所定の枠の中で見られたと承知をしております。  今回の場合、四十四分という映像そのものが存在するということは既に認めているわけでありますので、国会から所定の手続による要求があれば、捜査の状況を踏まえ、適切な判断がなされるべきものと、こう考えております。
  143. 加藤修一

    ○加藤修一君 私は提出してくださいと言っているんですよ。要するに、参議院予算委員会では既に四十四分の映像の公開を決定しているわけであります。西岡参議院議長国民全体に公開すべきである、また御党の参議院の議員会長は公開が望ましいと、このように言っているわけであります。総理、何をちゅうちょしているんですか。ここまで流出した問題について、すぐにやはり私は公開すべきであると、このように強く要請しますよ。
  144. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) これは私、この事件が起きて、今回、今日までいろんな議論がありますけれども、私も法律の専門家ではありません。しかし、この議論の中で、捜査に関連したものについての扱いは、やはり刑事訴訟法なりなんなりに一定の規定があるわけでありまして、例えば私がかつて厚生大臣のときに、厚生省にあった資料は時の大臣がこれは開示していいと言えば開示ができたわけでありますけれども、捜査にかかわっているものについてどこまで、たとえ総理という立場にあってもこれを、つまりは大臣なり総理の判断そのもので開示していいのかどうかというのは、やはり捜査にかかわっている段階では捜査機関が第一義的には判断をすべきものだろうと、こう考えてまいりました。  ですから、何かちゅうちょという言葉をあえて言えば、私自身、先ほども申し上げましたように、四十四分のものについては一定の手続があれば適切に判断がされるべきものと考えているわけでありまして、ただ、それを政府が捜査機関とか国会手続なしに、これはもういいんだ、出してみろと、出していいと言うことは、やはり捜査にかかわっているという意味であえてちゅうちょがあるとすれば、そういう意味で若干のちゅうちょがあるので、きちっとした手続を取っていただきたいということを申し上げているわけです。
  145. 加藤修一

    ○加藤修一君 あえてお聞きしますけれども、日中間で何かの約束があるということはないですよね。
  146. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私が知る限り、そんなものは全くありません。
  147. 加藤修一

    ○加藤修一君 絶対にありませんね。確認いたします。
  148. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 絶対にありません。
  149. 加藤修一

    ○加藤修一君 総理は、所信表明演説でこの外交について、受動的に対応するだけでは不十分であると、国民一人一人が自分の問題としてとらえ、国民全体で考える主体的で能動的な外交を展開していかなければいけないとおっしゃっているわけですよ。国民皆さん一人一人がこの件について判断できるような材料を、しかもそれは政治主導でやっていくべきだと私は思っています。どうなんですか。
  150. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私が申し上げているのは、まさに今、加藤議員が言われていますように、この外交というものが一部の専門家とか一部の人たちの関心事であるという形ではなくて、大きな問題は国民全体がいろいろ、日本の安全保障がどうあるべきかとかそういうことを含めてやはり議論に関心を持ち、また発言をしていくという、そういうことが望ましいということの趣旨で申し上げました。  個々の案件の中で、特に先ほど来言われていることは私率直に申し上げました。つまり、この事件が起きて以来、捜査というものが絡んだ中でどこまでそれを、私のような立場であったとしても、それを公開するしないというのは、これは少なくとも捜査が進んでいる段階では、一義的には捜査機関が判断されることということであって、決してそのことと一般的に国民皆さん外交全般にわたって必要なことを開示してお知らせするということは、私は矛盾しているとは思いません。
  151. 加藤修一

    ○加藤修一君 私は外交の全体を開示せいとは言ってませんよ。ビデオの話ししているんですよ。所信表明でそういう言い方をして、自らの所信表明を自分で踏みにじるようなことをするべきでないと私は思いますよ。  それでは次に、中国漁船の件でありますけれども、領海侵犯、違法操業を続けていたわけでありますけれども、今後、海洋権益を目指して公船、公の船でありますけれども、海洋調査船が尖閣諸島の領海内において停留、徘回する可能性が十分あり得ると。この場合、領海外国船舶航行法、これは退去命令等ができるのかというと、これはできないわけであります。平成二十年の十二月、日本の領海内において中国の海洋調査船がいたわけでありますけれども、それができなかったと。そうであるならば、果たして日本の領海警備は機能しているのかと、そういうことになるわけでありますけれども、海洋権益の拡大をねらい海洋調査が活発である日本の領海における外国の公船、海洋調査船の活動について強い態度で私は臨んでいく必要があると、このように思います。  国連の海洋法条約は沿岸国の資源探査に関して主権的権利を認めている、しかし日本には資源探査を規制する国内法がないと。国内法を整備する、そして日本の領海等を厳正に取り締まるべきであると、このように私は考えておりますけれども、大臣の見解をお尋ねします。
  152. 馬淵澄夫

    国務大臣(馬淵澄夫君) 御質問の件、まず先ほど先生がおっしゃった領海等における外国船舶の航行に関する法律、これ平成二十年七月、当時、冬柴大臣が在任中に作られたわけですが、これによって不審な行動を抑止するということを目的とした法律でありますが、一方でこれは外国公船に対しては管轄権は及ばないということでありました。  こうした状況の中で、海洋基本法、これらに定められる海外の船による資源探査、こうした国連海洋法条約において資源探査に対して何らかの我々が措置ができる方法はないかということの御指摘でありますが、私どもとしても海洋資源というのは極めて重要だという考えを持っております。  したがいまして、こうした海洋資源探査という名目で海外の船がということに関しては、国内法の整備、これ極めて重要な観点だと思っておりまして、今年の七月に閣議決定いたしております。これは、制度の不備、これも十分に認識しながら、我が国の排他的経済水域等における権益を確保し、探査、開発等のための主権的権利を適切に行使するため、資源探査及び科学的調査に係る制度整備を検討し、適切な措置を講ずると、このように閣議決定をしておりまして、現在、総合海洋政策本部におきましてこの法制を併せて検討中でございます。  御指摘のように、しかるべき措置は必要であると考えておりまして、先生御自身が海洋基本法のフォローアップ研究会のメンバーで非常に熱心に取り組まれているということもよく承知しておりますので、極めて重要な課題であると認識をしております。
  153. 加藤修一

    ○加藤修一君 総理、これは日本の将来にとって、国益にとって極めて重要な内容です。是非法制化を進めていただきたいと思います。  それで、次に八ツ場ダムの関係になりますけれども、前原国土交通大臣がいわゆる住民の意見を聞くまでもなく、問答無用に八ツ場ダムの建設中止表明から既に一年以上過ぎているわけであります。我が党は昨年の九月の二十二日に、突然の中止発言の五日後でありますけれども、山口代表が現地視察、住民との意見交換、実は本日も期せずして公明党の国会議員、県会議員等が現地視察、意見交換を行っているところであります。国交省はダムの再検証を来年秋までに終了としておりますが、旅館の休業も相次ぎ、住民は極めて疲れ切っております。  改めて聞きますが、できるだけ、できるだけ早い検証作業の終了、例えば明年の概算要求のころをめどにして是非早めにやっていただきたいということが第一点であります。  大臣、視察してお分かりのように、生活再建、これが大変大事なわけでありますけれども、ただ、大きな課題があります。六都県の国への負担金の支払、これが止まっている、このまま続くと来年の一月には資金が底をつくと。生活再建に大きな影響が出る。苦しむのは住民でありますから、大臣は早急に関係六都県の知事と協議をして、この点について是非しっかりと解消をするようにしていただきたいと思いますけれども、どうですか。
  154. 馬淵澄夫

    国務大臣(馬淵澄夫君) まず、一点目の再検証をできるだけ早くこれは結論を出すべきだという御指摘であります。私どもも、再検証を行うという枠組みを決めていく、できるだけダムに頼らない治水、これを考えていく有識者の会議を設置をしまして、そしてその再検証のプロセスをつくってまいりました。この間、地元の住民の皆様方に大変、将来先の見えない状況ということを強いたということに対しては心からおわびを申し上げます。  こうした中で、ようやく、実はこの八ツ場におきましてはこの再検証の場というものが具体的に、これ全国のトップを切って先月一日に検討の場の第一回幹事会が開催されました。また、十一日にも第二回目の幹事会がこれ開催されておりまして、先般私が訪ねたときには来年の秋をということで目標期限定めましたが、できるだけ早くというこの思いはまさに私どもも思っておるものでございます。この再検証をしっかりと行って結論を御提示をしていきたいと思います。  また一方で、生活再建支援策、これも前原大臣が住民の皆様方の御労苦にこたえる部分ではしっかりと取り組まねばならないと、このように発言をされてまいりました。引き続きこのことについては取り組んでまいりますが、御指摘のように、一都五県からの直轄の負担金、さらには利水の負担金、この支払を留保ということになっておりまして、この現状におきましては来年の一月上旬には資金が枯渇する可能性が高いということも地方整備局において発表もさせていただいておりますが、私どもとしては引き続き、これに対して御理解をいただけるように、まず一都五県、これは知事、この皆様方に私の考えをお伝えをしたいと思っております。これもできるだけ早いタイミングでお会いをして御理解をいただきたい。  まずは第一に、地元の住民の方々に御迷惑が掛かるような形になってはならないと、このことを強く思っております。引き続き再検証、予断なく再検証し、また一方でダムの必要性ということについて広く国民皆様方に御提示をしていく、途中のプロセスもしっかりと示していくということを行ってまいりたいというふうに考えております。
  155. 加藤修一

    ○加藤修一君 是非住民に迷惑が掛からないように大臣がイニシアチブを取ってほしいと思います。  無駄な公共事業は駄目なわけでありますけれども、これが中止になってしまうと相当の税の無駄につながるわけでありますけれども、会計検査院、二〇〇九年度の決算検査報告書、三点について報告してください。
  156. 河戸光彦

    説明員(河戸光彦君) 本年十一月五日に内閣に送付いたしました平成二十一年度決算検査報告における指摘件数は九百七十九件、指摘金額は一兆七千九百四億円となっております。
  157. 加藤修一

    ○加藤修一君 これ大変な金額で、前年度比七・五倍という話なんですよね。  これ総理、これは指摘は、会計検査院が指摘はできますけれども、改善は指摘された官庁がやらざるを得ないと。指摘されながら返還をしていない。百三十億円、これ増えてきているということなんですね。  我々公明党は、会計検査院の権限強化、これは法改正をすべきであると。会計検査院の指摘にどう改善したかの報告の義務化、これはまず必要である。二点目は、不正を犯した職員の懲戒処分要求を義務化すると、これは会計検査法の改正をするという内容でありますけれども、こういう法案を作りました。あるいは不正経理に罰則を設ける、いわゆる不正経理防止法の法制化でありますけれども、こういうことをやらないとなかなかこういう不正経理等の問題はなくならないと、このように考えておりますけれども、総理の見解をお尋ねいたします。
  158. 野田佳彦

    国務大臣(野田佳彦君) 所管でございますので、私の方からお答えさせていただきたいというふうに思います。  先ほどの会計検査院からの決算検査報告については、これはしっかりと受け止めまして、十一月の九日でありますけれども、閣僚懇におきまして私の方から各閣僚に対して、改めて予算の厳正かつ効率的な執行と経理の適正な処理に努めていただくとともに、平成二十三年度予算編成に的確に反映するように要請をさせていただきました。また、不当事項として指摘されている事案について、国庫等への早急な返還を求めるなど、改めて適切な対応をしていただくよう各省庁に要請をしているところでございます。  さらに、御指摘のありました御党が御提起をされている会計検査院法改正案そして不正経理防止法案については、先般の十月の決算委員会で木庭健太郎議員からも御指摘がございました。そういう御指摘なども踏まえまして、現在、民主党の決算部門会議におきまして不正経理防止の在り方について御党の御提起も含めて検討させていただいております。  こうした党の取組等も踏まえながら、政府としても適切な対応をしていきたいと考えております。
  159. 加藤修一

    ○加藤修一君 これは非常に大事な法案でありますので、しっかりとやっていきたいと思いますし、是非そういった面、よろしくお願いしたいと思います。  次に、地域再生基盤強化交付金にお尋ねしたいわけでありますけれども、これは地域再生法に基づいて農林水産省、国土交通省、環境省における道整備あるいは汚水の処理、港の整備、これ一本化して省庁の壁を乗り越えて効率的に行うものでありまして、その財源がこの交付金でありますけれども、これは平成二十一年、二十二年の国の認定数は何件になりますか。あるいはさらに、来年の二十三年度以降でありますけれども、予定していた交付金総額、事業費総額はおよそ幾らですか。
  160. 片山善博

    国務大臣片山善博君) お答えをいたします。  お尋ねの認定数でありますけれども、これは平成十七年度から認定をされておりまして、二十一年度にちなみに二十四件認定しておりまして、二十二年度は百九十一件認定をしております。  それから、二十三年度に概算要求などどうなっているかということでありますが、概算要求は、これは出されておりません。これはもう議員御承知のことと思いますけれども、内閣府の本府の行政事業レビュー公開プロセスにおいて、その政策効果が検証できないというような理由があったようでありまして、二十三年度の予算要求では計上しないこととしているところであります。
  161. 加藤修一

    ○加藤修一君 答弁納得できませんが、要は、交付金総額としては二十三年以降は一千七百八十五億円が想定されるわけですね。あるいは事業費ベースで考えていくと三千六百五十億円ということでありますけれども、今答弁にありましたように二十三年度の予算措置はやってない、廃止だというんですよ。なぜ廃止になったんですか。おかしいじゃありませんか。これ、今年の三月、六月に国の認定を行っているわけですよ。百八十三件ですよ。応募を受けておいて国が認定をしておきながら、それでこれは廃止、やめますというのは、なぜこんなことが理解できますか。
  162. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、議員のおっしゃるような問題点が現にあります。私もその問題点を認識しております。廃止といいますか、概算要求されてないことについては、先ほど申し上げたような事情と経緯があって要求をしてないわけでありますけれども、現実の問題として幾つかの件数がもう既に走っておりますので、これは何らかの形で来年度の予算編成の過程で検討を加えなければいけない課題だというふうに今認識をしております。
  163. 加藤修一

    ○加藤修一君 これは事業費ベースで先ほど三千六百五十億円と私、その相当の話いたしましたけれども、それ自体も実は仕事地域からなくなるということですよ。しかも、今申し上げましたように三月、六月に国の認定を百八十三件も、これ前年度比約七倍超えるわけですから。必死の思いで地方の自治体が応募して、国の認定もらって喜んで、そしてぬか喜びしているような状態ですよ。アクセルを吹かしながら、今度急にブレーキじゃないですか。二階に上げてはしごを取るようなものですよ。マッチポンプに等しいですよ、これは。どういうことですか。これ、ちゃんと善処しないと納得できませんよ。
  164. 片山善博

    国務大臣片山善博君) この件は、もう議員が別の委員会で担当の副大臣との間で御議論いただいていると思います。私もそのときの事情なり内容を伺いました。  いずれにしても、何らかの形で来年度の予算編成においてこの問題についてその解決を見なければいけないと担当大臣としては考えております。
  165. 加藤修一

    ○加藤修一君 それ具体的に言ってください。何らかの形というのはどういうことですか。どういう内容なんですか。
  166. 片山善博

    国務大臣片山善博君) いずれにしましても、その該当の予算というのは、昨年度まであった予算というのは今年度要求をされておりませんので、これをどういうふうな形でこれからの予算編成の過程で処理をするかということ、これは少しお時間をいただければと思っております。
  167. 加藤修一

    ○加藤修一君 これ、関係の市町村の数は一体どのぐらいの数になります、県、市町村の数、この認定事業関係している。これ、地域の再生にかかわる非常に大事な事業展開なんですよ。三年、五年先のことを考えてやっている事業なんですよ。途中で予算が切られるような話になっているわけですよ。県、市町村、何件、どういう数になっています。
  168. 片山善博

    国務大臣片山善博君) この交付金の対象事業の実施主体とされております地方公共団体数は三十九県、それから三百九市町村であります。
  169. 加藤修一

    ○加藤修一君 大変な数じゃないですか。これ、地域再生法には地方自治体と協議してやっていくことになっているわけでありますけれども、地方自治体とこれ協議したんですか。寝耳に水だと言っていますよ、自治体の方は。おかしいじゃないですか。
  170. 片山善博

    国務大臣片山善博君) この件については、地方自治体との間で必要な協議は行っていなかったというふうに聞いております。
  171. 加藤修一

    ○加藤修一君 いや、いなかったというのはどういうことですか。責任問題じゃないですか。むちゃくちゃな話ですよ、本当にこれは。とんでもない話ですよ。どうやって善処するんですか、大臣
  172. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 私もこの問題については議員と同じような問題の意識を持っておりまして、いずれにしても、先ほど申しましたように、概算要求が今なされておりませんので、これをこれからの予算編成過程においてどういう処理をするか、どういう道筋を付けるかということについて検討させていただければと思っております。
  173. 加藤修一

    ○加藤修一君 いや、私は非常にこれは納得できない話ですよ。どんどん応募させておいて、この一年間で百八十三件ですよ。そして突然、この予算は計上しない、廃止にいたしますと。何ですか、これ。地域主権を言っている民主党にしては全く逆なことをやっていますよ。  この地域再生会議議長総理ですよ。総理、百八十三件も国が認定をしておいて、いや、知りません、事情が変わりました、予算措置しませんと、どういうことですか。財務大臣も答えてくださいよ。
  174. 野田佳彦

    国務大臣(野田佳彦君) 事実関係はさっき片山大臣からお話があったとおりで、概算要求としては金額は出てきていません。  問題となるのは、特に同法に基づく継続事業の取扱いだというふうに思います。この取扱いについては、制度を所管する担当大臣片山大臣中心予算編成過程で検討させていただきたいというふうに思います。
  175. 加藤修一

    ○加藤修一君 総理
  176. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今いろいろ御議論を聞いておりましたが、本交付金が対象としている事業については、今後予算編成過程で調整をいたしたいと、こう思っております。
  177. 加藤修一

    ○加藤修一君 これ、調整という言い方しておりますけれども、一千億円超えるぐらいのあれですよ、どうやって捻出するんですか。ここで言葉だけじゃ私は納得できませんよ。もうちょっとそこの根拠のある話をしてくださいよ、答弁してくださいよ。
  178. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは今、例えば二十三年度の継続事業分の事業費が幾らあるかというのは現時点で分かりませんけれども、それをよく精査をいたしまして、それに基づきましてどういう予算措置が必要なのかということを関係省庁で検討しながら、この問題について適切な解決策を見出したいと思っております。
  179. 加藤修一

    ○加藤修一君 適切だというのはそれぞれ人によって違いますから、はっきり言ってくださいよ。  本当にこれ、担保取れる、要するに移行措置がなされていないんですよ、代替措置がなされていないで突然やめたという話ですよ。こんなことが通るんですか、世の中。おかしいでしょう。具体的に私は質問通告しているわけですから、具体的にもう大分前からしているんですよ、これは。質問主意書で総理にも出しているわけですから、相当長い期間あるわけですから、調整調整という、そういう言葉だけでごまかすようなことはやめていただきたい。具体的に言ってくださいよ。
  180. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 議員のおっしゃっている問題意識は本当に私も共有しております。このままではいけないという私は考え方を持っております。  ただ、現在予算編成中でありますし、それから、例えば補助金改革などについても今検討中でありまして、それらを含めてどういうふうにすべきか、一番適切な方法は何かということを考えているところであります。
  181. 加藤修一

    ○加藤修一君 総理、今大臣がそういう話ありましたけれども、総理、これは、総理議長をやっている地域再生会議なんですよ。先ほど申し上げましたように百八十三件を国が認定したと。これは今年ですよ、今年三月、六月ですよ、認定したのが。やめたと言ったのは八月下旬じゃないですか。その前に、地域再生法によると、地方自治体としっかりと連携をして、協議をして、このことを進めていかなきゃいけないと。  しかも、これは三年後、五年後という、そういうスパンで物事を考えている地域の再生をどうするかと、その計画に、事業に従って地域で展開していく内容になっているわけなんですから。それを途中で、今年だけじゃないんです、三年後、五年後、続いているやつだって当然あるわけですから、今年から始まったやつでもあるんですよ。これを突然やめたという言い方というのは、これは暴挙としか言いようがないですよ。総理、答弁。
  182. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 先ほど来、私もお答えしておりますし、財務大臣も先ほど答弁ありましたけれども、継続事業についてはやはりしかるべき措置が必要だろうという認識を私持っておりますので、予算編成過程でどういう措置をするか、いましばらく時間をいただければと思います。
  183. 加藤修一

    ○加藤修一君 もうしっかりこれは対応していただきたいと思います。もう市町村が大変混乱しておりますよ、これは。馬淵大臣、頭を振っておりますけれども、うなずいておりますけれども、意見があったら言ってください。
  184. 馬淵澄夫

    国務大臣(馬淵澄夫君) 先ほど来議論を聞いておりまして、地域が大変混乱をしてしまう、そのような状況は決してあってはならないと思っておりますので、担当大臣がしかるべき措置ということを答弁されております。政府全体として当然ながらその方向で措置されるものと、そう思っております。
  185. 加藤修一

    ○加藤修一君 関係大臣になるわけでありますから、是非この辺については、この場で切り抜けたと思わないで、ごまかしたと思わないで、これはしっかりと手当てをすると、こういう言質を得たと私はそう思っておりますので、対応をよろしくお願いいたします。  それから、地域再生基盤強化交付金の中で汚水処理交付金がございます。これは下水道事業、あるいは農業集落排水事業、浄化槽の事業がある。これ公共下水道事業がどっちかというと中心に進んできたわけでありますけれども、どうも合点がいかないのは、やはりこの浄化槽の関係、下水道の関係、これ法律の目的は同じでありまして、公共用水等の水質の保全なんですよ。しかし、下水道には相当の規模の予算を付ける、浄化槽には余り付けない。しかも、補助率は下水道は二分の一、浄化槽は三分の一、こういうふうになっているわけなんですけれども、これ民主党政権になりまして、こういった実態をどうお考えかと。総理、どうですか。
  186. 馬淵澄夫

    国務大臣(馬淵澄夫君) 公共用水域の水質保全ということで目的は同じではないかという御指摘でありますが、下水道に関しましては私の方で、国土交通省で所管をしております。下水道は御指摘のとおり、これは二分の一あるいは十分の五・五といった補助率になっております。これとは違うということでありますが、所管されているのが環境省でありますけれども、そうしたその一つの事由としては、環境省所管の浄化槽に関しては個人というのが事業主体で多い、あるいは市町村ということだとか、あるいは検査回数などが年一回だと、こういったことが定めの中にあるということだというふうに私も理解をしております。  一方、下水道は、これは都道府県、市町村でございますし、検査回数も年二十四回、検査項目も四十項目と、このように規模が大きいということもありますし、公共団体ということが中心だということがあるかと思いますが、ただ、御指摘のような選択ができるという、浄化槽あるいは農業集落排水の選択ができるというような形の中で、今後こうした課題について取り組まねばならないということも政府としては十分認識をしております。  四月より国交省、農水省、環境省、政務官をメンバーといたしまして、今後の汚水処理のあり方に関する検討会、これを設置しております。有識者の方々からの御意見もちょうだいをしておりますので、いずれにしましてもそうした課題についてはしっかりと取り組まねばならないということを考えております。
  187. 加藤修一

    ○加藤修一君 大臣、検討するというのはいいんですけれども、検討した結果同じような形になる可能性も十分考えられるんですよね。  私は、下水道が二分の一、浄化槽は三分の一の補助、それから農業集落排水施設、これは浄化槽法、その法律に基づくわけでありますけれども、これは三分の一じゃなくて二分の一なんですよ。これは非常におかしい。法律の目的は、先ほど言いましたようにきれいな水を保全する、確保すると、そういうことなんですよ。違うことについてどうとらえているんですか。
  188. 馬淵澄夫

    国務大臣(馬淵澄夫君) 国交省が所管する下水に関しましては、これは下水道法で補助率定めております。そして、今先生御指摘のこの浄化槽に関しては、これは環境省所管の法律ということであります。したがいまして、私どもとしてこれ所管する立場にないんですが、ただ、問題意識は同様に持っておりまして、したがって国交省、環境省、農水省、この三省合わせての検討会議を立ち上げたということであります。  御指摘のような補助率、これをそろえて分かりやすくしていくということも一つの私は大事な議論の柱だと思いますし、そのことについては四月からの議論始まっておりますので、様々な御意見をちょうだいしながら整理をしていくべきだというふうに思っております。
  189. 加藤修一

    ○加藤修一君 今回、地域再生基盤強化交付金、その中のこの汚水処理交付金の関係についても言及しているわけなんですけれども、この交付金の関係については、更に申し上げたいことは、この三つ、すなわち下水道、農業集落排水施設、浄化槽、この三つのうちから二つ以上の事業の実施がいわゆる採択条件になっているわけですよね。ですから、これはそれぞれ二分の一のやつがあったり三分の一のやつがあったりするわけでありますから、どうしても最後は三分の一の補助の関係については見送ってしまうと、こういう状態になるわけですよ。  そして、皆さんのお手元に今日資料を配付させていただいておりますけれども、公共下水道七三・七%、普及率でありますけれども、それから農業集落排水施設三%、浄化槽は八・八%。全部横に足してまいりますと、日本全体の普及率の関係については八五・五%のカバーをしていると。残り一五%はなかなか下水道事業が展開できないところであります。そういった意味では、浄化槽をいかに、山坂が多いところ、管渠をなかなか工事することができないところ、そういうところにこの浄化槽が適しているわけでありますから、是非そういう方向で私は検討すべきだと思っております。  ですから、下水道は今や市町村の重荷になっているわけですよね。重荷になっているから、いわゆる一般会計から特別会計の方に移すような形になっているわけですから、これは行政の健全化、財政の健全化を考えてまいりますと、ここはやはり残りの一五%については何とか浄化槽という、環境省が所管しているとかほかが所管しているとかそういうことじゃなくして、やはり財政の健全化を考えていくと浄化槽ということに私は必然的に落ち着くと、このようにとらえておりますけれども、重ねての質問でありますけれども、大臣、この辺についての見解をお願いいたします。
  190. 馬淵澄夫

    国務大臣(馬淵澄夫君) 所管の問題というのは法律のことを申し上げたわけでありまして、まさにこの三省が今後の公共用水の水質保全ということについて取組を始めておりますので、御指摘の部分を十分に踏まえながらしっかりと整理をしてまいりたい、結論を導いてまいりたいと、このように考えております。
  191. 加藤修一

    ○加藤修一君 ともかく、総理、非常に中小企業に冷たいですよ。農業に対しても冷たいですよ。もう一つ言いますと、地域に対しても非常に冷たい。今回の補正予算の組み方は非常に私は残念ですよ。是非大きくこれは転換するようなことをやっていかないともたないですよ、日本が。菅政権はもたなくても、日本がもたないんですよ。  是非この辺についてはしっかりと対応を考えていただきたい、このことを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。  以上です。
  192. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で加藤修一君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  193. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、小野次郎君の質疑を行います。小野次郎君。
  194. 小野次郎

    ○小野次郎君 みんなの党の小野次郎でございます。  しょっぱなから総理にお伺いいたしますが、最近のスー・チーさんの釈放、私も大変喜んでおりますけれども、総理も同じ印象だろうと思います。これ、やっぱり国際社会の一致した要請、要望というものが寄与したものと私は思います。  みんなの党は、既に参議院の方にノーベル平和賞受賞者である劉暁波氏の釈放要求決議案、提出しております。これにはすべての会派の賛同が必要なんです。もう時間もないんです。十二月十日に授賞式が行われます。  民主党の代表でもある総理の御認識をお伺いするとともに、また、総理の言動というのは内外に大きな影響があるんです。大きな影響があるからこそ、こういう問題に関しては信念を持って自らが劉暁波氏の釈放を訴える行動を起こすおつもりがあるかどうか、お伺いしたいと思います。
  195. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) これは、劉暁波氏が受賞された段階でも、あるいはその後の段階でも、そうした議論の中で私も幾つか申し上げました。  中国においても、国際社会における普遍的価値である基本的人権及び自由が保障されることが重要であると考えております。このノーベル賞平和賞をこの劉暁波氏に決めたということは、そういう普遍的な価値というものについて重視したノーベル賞の平和賞の決定であったと、こう思っております。このような観点から、私としても、劉暁波氏についてそうした基本的人権は認められるべきであり、釈放されることが望ましいと、こう考えております。  御指摘の決議案については、現在参議院において対応が検討されているものと承知いたしております。
  196. 小野次郎

    ○小野次郎君 日本の国としても、こういったある種人権外交というんですか、人道問題に関しては総理がこういうことこそリーダーシップを是非取っていただきたいと。今、何かこのことは参議院にお任せしていますからと言われないで、民主党の代表でもあるわけだし、この件に関して具体論ではどの会派にもそんなに異論がないんですよ。是非リーダーシップを取って、早くこの決議案が採択されるように、さらには、日本政府自らがそういった発信を中国政府に対しても国際社会に対しても取っていただくように改めてお願い申し上げます。  次の質問に移りますけれども、今日は柳田法務大臣にもお越しいただきました。大阪地検特捜部の証拠改ざん事件と言われているものについてお伺いいたします。  この事件では、二月に地検特捜部の検事による内部告発がありました。巷間、ロン毛の検事とか美人女性検事がという、あのたぐいのことでございます。特捜部長らは、表現はともかく、組織を防衛するというのか口封じとか口裏合わせとか、そういったある種の工作をして、この案件については処理される、適切に処理されるんだということを当時の上司である検事正らに報告したというふうに伝えられています。  一方で、この村木さんの裁判に関しては、五月までに大量の調書が裁判所から証拠却下されているんですね、証拠として使えませんよと突き返されている。それに対して最高検は危機感を覚えて、五月末には大阪地検に対してメールで問い合わせ、追及をしたというふうに言われております。  実際、この事件、この証拠改ざんの方の事件が報道されたのは九月二十一日からなんですけれども、私のお尋ねしたいのは、九月二十一日の報道以前に、大阪地検検事正ら地検幹部、あるいは今申し上げた内部告発した、大変日本中有名になったそのロン毛の検事とか女性検事が涙ながらに訴えたというその案件について最高検はだれかから耳にしていなかったんですか、耳にしていたんですか。そこをお伺いしたいと思います。
  197. 柳田稔

    国務大臣柳田稔君) していなかったものと承知をいたしておりますが、今最高検の中で検証が行われておりますので、そのことも明らかになるだろうと、そう思っております。
  198. 小野次郎

    ○小野次郎君 私がこんなことをこの十一月になって改めてお伺いするのは合理的な疑いがあるからなんです。だって、最高検の次席検事が記者会見で言われているのは、九月二十日、つまり報道の前日に初めて聞いたというような言い方を書いているんです。ところが、二十一日に初めて報道されて、即日ですよ、その日のうちに最高検が直接捜査に乗り出すということを決めているんですよ。だって、大阪地検というのは東京地検に並ぶぐらい大きな役所ですよ。そこに検事は何十人もいるんですから、それが一人について疑惑が報じられたら、途端に大阪地検は相手にならぬ。その上には大阪高検があるんですよ、これも相手にせずと。  最高検というのは、私の知る限り、最高検検事といったら、皆さん、どこかの検事正終わったような方のなる最高の役所ですよ。そこが直接捜査に乗り出すというのも極めて異例だし、また最も異常なのは、その日のうちに、報道された初日にこの特捜検事は逮捕されているんですよ。こんなこと考えられないじゃないですか。だから、私は聞いているんです。あらかじめ捜査資料を最高検は収集したり、逮捕に踏み切るだけのある種の証拠的なものを持っていたんじゃないんですかと、それでお伺いしているんです。  これはっきり申し上げて、この事件は大阪地検の特捜部長以下の刑事事件ということで今処理されようとしていますけれども、トカゲのしっぽ切りなんじゃないか、みんな言っているんですよ。そういうふうに、そういう心配が起きるような事実関係があるから私はお尋ねしているんです。  もう一度伺いますけれども、最高検はいつの時点でこの疑惑について、別に確定的なものでなくてもいいですよ、そういう騒ぎがあった、そういう疑いがあるんだということを、だって、地検検事正は知っているんですよ、以下の幹部はみんな。それから、同じお勤めになっている大変熱心な検察官の方たち、涙ながらに訴えた方が何人もいるんですよ。そのことが最高検に本当に九月二十日の夕方まで、夕方かどうか知りません、九月二十一日の報道の前日まで知らなかったということで通るのかと。もう一遍お伺いします。
  199. 柳田稔

    国務大臣柳田稔君) 先生も御存じのように、前代未聞の事件が起きたと、そういう認識を最高検も持っているものと、私はそう思っております。  その思いにこういうふうな判断になったかと思いますけれども、私が聞いておりますのは、九月十九日、報道関係から大阪地検関係者に話があり、調査の結果、前田元検事による証拠改ざんが発覚し、九月二十日に大阪高検経由で最高検に連絡がなされたというふうに承知をしておりますけれども、先ほど申しましたように、いずれも詳細にわたっては最高検で検証をされておるわけでありますので、その中に明らかになるのではないかと、そう思っております。
  200. 小野次郎

    ○小野次郎君 柳田大臣は九月十七日付けですか、十七日付け。それまでは千葉前大臣法務大臣でおられたわけでございます。改ざん疑惑について千葉大臣は報告を受けていなかったんでしょうか。疑惑を承知して放置していた場合には大変大きな責任があると思いますし、そうでなかった場合においても、これずっともし十一月まで同じ大臣が続いていたら、まあ柳田大臣が今そのお立場にあるわけだけれども、部下の不祥事、監督不行き届き、あるいはもし大臣や高級の幹部のところに不作為とか怠慢があったとしたら大変大きな責任が後で問われてくる、そういう立場に千葉前大臣だって置かれたわけです。  ところが、九月十七日に辞めてしまったということなんですけれども、本件についてある意味で当事者でもある、ある意味で責任がある。これ、千葉前大臣自身も、十一月十日の検察の在り方検討会議の第一回の会議で自分にも重い責任があると言っているんですよ。その方を座長に据えて、検察の在り方検討会議、それで国民の信頼が得られるとお考えですか。
  201. 柳田稔

    国務大臣柳田稔君) 証拠改ざんの件については、私が就任して、先ほど申した日にちにそういうことが刑事局長の方から報告がありました。それが初めてであったというふうに私は承知いたしております。  なお、今回の検察検討会議の座長につきましては、この当委員会でも申し上げましたように、この前代未聞の不祥事、国民の信頼が地に落ちたという状況を見たときに、できるだけ早く国民の信頼を回復しなければならないと、そういう思いで検察に対する厳しいお考えをお持ちの方を私は検討会議のメンバーに選んだつもりであります。そういった中で千葉前大臣はいろんな面で厳しい御指摘をされたというふうに私は承知いたしております。  そういうことでお願いをしたわけでありますが、犯人隠避、これについてはいろいろと御指摘がありますけれども、千葉前大臣、今回の行為者の地位等にかんがみますと、前大臣の責任までを問われるのではないと、そういうふうに私自身は考えております。
  202. 小野次郎

    ○小野次郎君 大臣の答弁は全然理解できません。私が聞いているのは、そんなことで国民の信頼が、この検討在り方会議そのものが信頼を得られないんじゃないですかと聞いているんですよ。今のは全然、御自分の選んだ過程を説明しているだけで、信頼が得られるという説得力ある説明じゃないじゃないですか。  次を進めさせてください、時間がないので。ビデオの話ですけれどもね。  今回のビデオの流出、私はこういう状況だったと言えると思うんです。それは、映画館で見たのは今回初めてだけれども、そのストーリーも粗筋もそしてまた予告編も何回も何回もテレビで見てきた、そういう状況だったと私は思います。  刑訴法の四十七条で保護される対象は、これまで内閣委員会、予算委員会、いろいろなところで質問させていただいて議事録もチェックしましたけれども、その形状、形ではなくて情報の内容だと法務省の答弁はなっています。また、既に広く流布した情報は保護の対象にならないとも法務省は答弁されています。  そうだとすれば、こういう解釈からすれば、この四十四分のビデオが流出する前からストーリーも予告編ももう嫌というほど国民が知っているわけですから、そのビデオの情報が刑訴法の四十七条や国家公務員法で保護される実質的な秘密に含まれるんでしょうか。また、今に至っても出せない理由はもはやなくなったと私は思いますけれども、大臣の御所見をお伺いいたします。
  203. 柳田稔

    国務大臣柳田稔君) 実質的な秘密はないのではないかという御質問だと思いますけれども、国家公務員法第百条第一項の秘密については、最高裁の判例において、非公知の事実であって実質的にもそれを秘密として保護するに値すると認められるものをいうとされているのは御承知のとおりだと思います。  しかし、個別具体的事件において犯罪の構成要件に該当するか否かは当該事件の事実関係に基づき判断されるべき事柄であると考えますので、御答弁は差し控えさせていただきますが、なお、本件流出ビデオの情報は非公開とされている訴訟に関する書類でございます。また、今回那覇地検は、衝突事案の映像記録を衆議院に提出するに当たり、公にした場合の支障等を総合考慮し、相当と認められる部分を抽出した約六分五十秒のDVDを作成して国会に提出するとともに、海上警備並びに取締り活動の秘匿性及び映像に記録された関係者の名誉、人権の保護に配慮する必要があるから慎重な取扱いを求める旨の要望をしたことは御承知のとおりであります。今そういう立場に我々はおるところでございます。  なお、先ほど官房長官が答弁をされたかと思いますが、国政調査権に基づいて適切に対応すると、冒頭委員長の要望を受けてそういうふうな発言をしたと、そういうふうに承知をいたしております。
  204. 小野次郎

    ○小野次郎君 今の大臣の最後に触れられた部分はちょっと私はフォローできていないんですけれども、時間がないからまたちょっとそれは後に個別に相談させていただきますが。  個別の案件に答えられないって大臣いうのは、例えば私たち、ここに総理大臣以下おられるあるいは国会議員がいる、だけれども、それが知られていない、どこどこでいつ何日に起きたこの事件、これどうですかとあてたときに、捜査当局なり法務大臣は個別の事件について一々事実判断をしませんよというのはあり得るんですよ。だけれども、これ全国民がこうやって二か月議論しているんですからね。柳田さんというのは政治家の一人なわけでしょう、大臣なわけでしょう、それが、私は分かりませんでは通らないですよと言っているんですよ。だって、検事総長を出してくれってあれだけ言ったって出さないんだったら、法務大臣、あなたが答えなければだれが日本で答えるんですか。もう一遍答えてくださいよ。
  205. 柳田稔

    国務大臣柳田稔君) そこで、先ほど少し省きましたけれども、冒頭に官房長官が申し上げましたように、国会法第百条第一号に基づき国政調査権の行使として国会から記録提出要求が出された場合には、当然のことながら、当該映像記録の保管者においてそのことを踏まえて法令にのっとり適切に対応するものと承知をいたしておりますというふうに冒頭、官房長官から発言があったと思っております。
  206. 小野次郎

    ○小野次郎君 じゃ、そのビデオの公開制限の話に入りますけれども。  六分の、まあ六分五十秒、六分版といいますか、六分版を作成したのは、那覇地検が現地の海上保安庁と協議して進めたことが明らかになっているんですね。海上保安庁はこれまで、馬淵大臣、お聞きいただいてますか、コピーは保有するけれども、公表の可否の判断は海上保安庁にはなくて地検だというふうに、検察官だというふうに一連の答弁してきたのは、全部これ虚偽答弁じゃないんですか。
  207. 前田武志

    委員長前田武志君) どなたに。
  208. 小野次郎

    ○小野次郎君 馬淵さんです。
  209. 馬淵澄夫

    国務大臣(馬淵澄夫君) このビデオの公開ということに関しましては、先ほど来官房長官あるいは柳田法務大臣お話しのとおり、刑訴法四十七条に基づいてということでございますし、この公開の問題に関しましては、私どもは検察庁と海上保安庁、適切に協議をしながら最終的な判断がなされたものというふうに思っております。
  210. 小野次郎

    ○小野次郎君 質問を聞いてないですよ、大臣。だって、現実に今まで答弁されているんですよ、既に。あなたは相談受けてないかもしれないけど、現地で、十一管区海上保安本部なのか石垣海上保安部の方が那覇の地検と相談して短くしたと言っているんですから、答弁で。だから、それはあなたの部下の一人なんですよ。その海上保安部とか管区海上保安本部ですか、どちらにしたってそれは海上保安庁の一部なんで、海上保安庁は保管はするけれども公表の可否判断は保安庁にはなくて検察だと言っているけど、現実にこの何時間あるか分からないビデオを六分五十秒に縮めたのは海上保安庁が手を貸しているんですよ。だから聞いているんじゃないですか。もう一遍答えてください。
  211. 馬淵澄夫

    国務大臣(馬淵澄夫君) 御質問、整理させていただきたいんですが、このビデオの編集という作業に関しては当然ながら協議をしながらということでありますので、これは海上保安庁、それは当然そこの作業の中にかかわるということもあるかもしれませんが、そのどこの部分を御指摘されているのか、私にはちょっと今質問の中でも理解できなかったんですが、繰り返しになりますが、こうしたビデオの提出に関しましては、求めに応じて最終的には検察庁と那覇地検、そして海上保安庁で協議をしながら御提出をさせていただいたというものであります。  作業を具体的にだれがやったかとか、そういうことで私に質問されているのであれば、そのことに関しましては、大変恐縮ですが申し上げることはできない、現時点においてもこの作業等について具体的なことで言えば申し上げることができないと、このように答弁をさせていただきます。
  212. 小野次郎

    ○小野次郎君 非常に不誠実な答弁だと思いますよ。だって、その編集、短くした理由の中に、海上保安庁の業務に支障がある部分を短くしたと言っているんですからね。だから、単に物理的に運転してくれとかという話で物理的な作業をしたわけじゃないんですから。  総理に最後に伺いますよ。これ、国会法百四条で、内閣は要求されたものに対して提出できないときは理由を疎明しなきゃいけないと国会法百四条に書いてあるんですよ。これ、何時間もあるビデオを六分五十秒に縮めたということは、私の素直な理解では九十何%については提出を拒否して六分五十秒だけを提出に応じたということですよ。総理内閣として提出できないということの理由を疎明すべきだと国会法上思いませんか。
  213. 前田武志

    委員長前田武志君) 柳田法務大臣、もう時間が過ぎておりますので、簡潔に。
  214. 柳田稔

    国務大臣柳田稔君) 衆議院の御要望に応じて私どもはビデオを提出したと、そういうふうに認識をさせてもらっておりまして、衆議院の要望は満足しているという判断でございます。
  215. 小野次郎

    ○小野次郎君 内閣がきちんとした理由の疎明をしない限り、この国会内閣に対するビデオ提出の要求というのは満たされていないと私は思いますよ。そこを指摘して、理事会でまた御協議いただきたいと思いますけれども、極めて不誠実だということを御指摘申し上げて、私の質問を終わります。
  216. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で小野次郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  217. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。
  218. 井上哲士

    井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  総理は、十三日の日米首脳会談オバマ大統領に、アフガニスタンに自衛隊の医療部隊を派遣を検討する方針を表明をされました。これは憲法上の重大問題であります。多くの無辜の市民の命を奪ったアメリカのアフガン戦争、自公政権はこれをインド洋上の給油活動への支援という形で支援しました。しかし、そのアフガン本土への自衛隊の派遣はできなかった。憲法上の問題があったからであります。ですから、総理の方針というのは、初めてアフガニスタンの本土に自衛隊を送るということになる。  一体、どういう法的根拠でこれをやろうとされているんでしょうか。
  219. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) お答えいたします。  総理日米首脳会談でそういうことを発言されたということは私も承知をしておりますが、現在アフガニスタンの治安権限を同国政府に移譲するということが極めて重要な今段階に来ておるわけでありまして、同国におけるNATO訓練ミッション分野での人材育成が重要な課題となっておるということを防衛省としては承知をいたしております。  そこで、現時点において自衛隊の医療要員をアフガニスタンに派遣し、アフガニスタン国軍の医療関連施設において、各国から派遣された教官とともにアフガニスタン国軍の医療・衛生要員に対して教育を実施することを検討をいたしておるわけでありまして、派遣の法的根拠を含めて現在検討をいたしておるというふうな状況であります。
  220. 井上哲士

    井上哲士君 NATOの訓練ミッションの教官になるという方向だそうでありますが、そうなりますとどうなるのかと。  今アフガンではNATO軍などによる国際治安支援部隊ISAFが活動しておりますが、衆議院の安保委員会で防衛大臣は、この自衛隊の医官が派遣をされますと、当然ISAFのプログラムに入る、こういうふうに言われております。そして、安住副大臣は、ISAFがキャッチャーになる、傘の下の指揮権には入りますけれども、限定したミッションによる派遣ということで、かつ防衛大臣の指揮下で行うという取決めを行うと、こういう答弁をされておりますが、これ、何らかの取決めを行えばこのISAFのプログラムに入る、その指揮の傘下に入ると。  これは、一体どういう法的根拠があるんでしょうか。
  221. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) 国連決議に基づいて今ISAFが活動をしておるわけでありますが、その主要な部分はNATOがこれを行っておるということでありますから、現在NATOが行っておるプログラムの中に我々も組み込まれて、そこで、建物の中で学校の授業のような形のものを今想定しておるわけでありまして、一方で、NATO軍等からもたしかあらゆる国に対して、その友好国等に対してこのようなミッションに参加するような要請は、我々もNATOの友好国という立場で受けておるわけであります。
  222. 井上哲士

    井上哲士君 衆議院の委員会では当然ISAFのプログラムに入ると言われているわけですから、ISAFの活動の一環に派遣された自衛官が入ると、こういうふうに聞いてよろしいですね。
  223. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) ここのところは、これからNATOあるいはISAFと密接な連携を取ってどういう形になるかということを今検討中でありまして、今たまたま武官がこちらへ帰国しておりましたから、ちょうど総理首脳会談をしたころにまた任務に就いておりますので、その調整を我々が聴取するように今待機をしておるということであります。
  224. 井上哲士

    井上哲士君 ISAFはタリバンの掃討活動を遂行しているまさに軍事部隊でありまして、現に空爆をして多くの民間の人たちの命が奪われております。そのISAFの活動の一環としてということになりますと、まさに武力行使と一体化をするということになるわけですね。しかも、医師の派遣、これ別に一般人の医療活動をするわけじゃありません。このISAFのプレスリリースを見ますと、どういう訓練をするのかと。八週間の集中的なカリキュラムは戦場での初期治療に焦点を当てると。生徒は、止血、呼吸チューブ及び静脈ラインの挿入、負傷者をより高いレベルの治療を行う場所への輸送する方法などを学ぶと。つまり、まさに現場、戦場での医療活動の訓練を派遣された医官は行うんです。まさに戦闘行為と密接に結び付いた訓練活動日本の医官が行うということになるんですね。これは私は憲法上認められないと。  しかも、今アフガンどうなっているかと。国連の報告では、アフガニスタンの今年上半期の紛争による民間人の死傷者は三千二百六十八人、そのうち死者は千二百七十一人で、前年同時期比の三一%増加だというふうに言われております。まさに戦地と言われるような状況ですが、このアフガンの現在の情勢に対しての総理認識はいかがでしょうか。総理総理に、日米首脳会談の話だから、総理総理、答弁して。
  225. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 現在の議論そのものは、今防衛大臣からお話がありましたように、まだその派遣を決めているということではなくて、派遣の形態や法的根拠について検討していると、そういう報告をいただいております。  アフガンの現状、今御指摘もありましたし、私も、カルザイ大統領、何か月か前でしたか、いろいろお話を聞いたり、間接的には若干の情報をいただいています。そういう中では、米軍ができるだけこのアフガニスタンに対して主権といいましょうかいろんなものを移したいと思っておりますようですけれども、なかなかそれが可能なのかどうか、御指摘がありましたように、いろんな形での戦闘といいますか、あるいはテロといいますか、そういうものがまだまだ頻発している状況にあると、そう認識しております。
  226. 井上哲士

    井上哲士君 戦闘が頻発しているという認識でありますね。  民主党が二年前に出した法案では、アフガニスタンに自衛隊を送る場合はその地域を極めて限定をしております。いわゆる抗争停止合意が成立している地域ないしは住民の生命若しくは身体に被害が生じることがないと認められる地域、ここに限定しているんですね。そして、民主党は当時、じゃ、そこ、今アフガニスタンにそういう地域があるかという問いに対して、ないと。つまり、自衛隊を送れるような条件のある地域はないというふうに二年前答弁しているんです。そして、今のアフガニスタンの状況というのは、今総理が、戦闘がまだまだ続いているというような状況があるわけですね。  じゃ、何で、どういう状況で、この民主党がかつて出された法案からいっても、どうしてこんなところに自衛隊を送ることが可能なんですか。
  227. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) 先ほど総理の答弁の前にちょっと詳細なことを申し上げようと思ったわけでありますが、要するに、派遣される自衛隊の医療要員にその能力を十分に発揮できる環境をまず整備する一環として、当該医療要員のアフガニスタン国内における法的地位をまず確保する必要があるというふうに考えておりまして、また、アフガニスタンに要員を派遣しているほかの国はNATOとの取決めを作成し、同国における自国の活動の円滑化及び要員の法的地位を確保していると、そのように承知をいたしております。  したがって、我々もそういう意味でこれから協議を進めていくわけでありますから、その際、自衛隊の活動が憲法の範囲内で行われるというふうに我々が承知をしていることはもう当然のことであります。
  228. 井上哲士

    井上哲士君 全然答えてないんですよ。ですから、あなた方が出した法案でも自衛隊を送る条件のある地域はないと二年前に言っていた。今も戦闘行為が起きているんです。そこにどうして送ること自身を検討ができるのかと。これ、今首都カブールだって、今月十二日に自爆テロがあって二人兵士が負傷していますよ。そういうところに送られた自衛隊、自衛官というのはテロの対象になる可能性もあるんです。  そして、それだけじゃないんですね。日本が自衛隊を送るということが、現に今現地で民生支援をしている皆さんにとってもテロなどのターゲットになると。だから、今現地に行っている日本国際ボランティア協会もJICAの皆さんも、自衛隊を送ることは反対だと、こういうふうに言っているんですね。
  229. 前田武志

    委員長前田武志君) 時間が過ぎましたので簡潔にお願いいたします。
  230. 井上哲士

    井上哲士君 ですから、私は、こういうやり方はアフガンの真の支援にも逆行するし、憲法にも反するものだと、検討を撤回をするように強く求めまして、質問を終わります。
  231. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  232. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、中山恭子君の質疑を行います。中山恭子君。
  233. 中山恭子

    中山恭子君 たちあがれ日本・新党改革の中山恭子でございます。  今日は政治家の判断を取り上げたいと思います。  一九七七年十一月十五日、十三歳の横田めぐみさんが、学校からの帰宅の途中、北朝鮮に拉致されました。そのときから三十三年がたちました。日本人被害者を救出するのは日本政府しかありません。今このときにも北朝鮮では、北朝鮮に拉致された日本人被害者が日本からの救出を待っております。この問題は、日本政府国民を守るとの観点から、国の最重要課題として対応する問題であると考えております。  総理は、APECオバマ大統領を始め多くの首脳の方々と会談なさいました。この首脳の方々との会談の中で北朝鮮による拉致問題についてどのように説明されたのでしょうか。
  234. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今、中山議員がおっしゃるように、拉致問題は我が国の国家主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題であります。国の責任においてすべての拉致被害者の一刻も早い帰国に全力を尽くさなければなりません。  横浜APECの際に行われた日韓の首脳会談、十四日ですが、において拉致問題解決の必要性に言及するなど、私の内閣発足後に行われた首脳会談や国際会議の場において北朝鮮による拉致問題を取り上げ、国際社会へ働きかけ、関係国との連携に努めているところであります。  引き続き、拉致被害者の皆さんの帰国を実現するため、政府としてやれることは何でもやるという覚悟で臨んでまいりたいと考えております。
  235. 中山恭子

    中山恭子君 昨年、キッシンジャー博士にこの拉致問題について理解をいただきたいと、お会いして説明いたしました。そのときキッシンジャー博士は、十三歳の少女が学校からの帰宅途中で拉致されるというようなことは、人権問題というよりは人間の尊厳に対する侮辱であると怒りを込めて述べておりました。  韓国のみとお聞きしまして、少し残念に思っております。現政権がこの拉致問題について真剣に取り組む決意が見えないように思えて大変残念に思っております。  また、朝鮮学校無償化につきましても、政府が一体となった対北朝鮮政策を持ち対応していれば、朝鮮学校を授業料無償化の対象とし国庫補助を与えるとの判断は出てくるはずがないと思います。朝鮮学校授業料無償化をすると判断したならば、これは大きな判断の間違いであると考えます。  尖閣諸島の問題について官房長官は、那覇地検から報告を受け中国人船長の釈放について地検の判断を了としたとおっしゃっておりました。間違いございませんでしょうか。
  236. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) そのとおりでございます。
  237. 中山恭子

    中山恭子君 了とするという言葉はこれで結構だと思いますが、行政府の中では、説明を受けよく理解した、その行動を取ることを了承するという意味を持つ言葉でございます。その案件に対して責任を持つということを示しております。官房長官が船長を釈放するという地検の判断の報告を受け了としたと明言なさったことは、この地検の判断が内閣としての判断となり、その結果について官房長官も当然責任を持つということを明らかにしたものでございます。  日本の領海を侵犯し、さらに日本の巡視船に意図的にぶつかっても何の罪に問われることもないということを、この判断が、中国やさらに世界の人々にそう思わせてしまったという意味で取り返しの付かない判断であったと考えます。  もう一つ、海上保安庁の撮影した映像の公開の問題でございます。映像があると言いながら国民に見せないということは、国民を信頼していないということであろうと思っております。領土、領海、国民を守るとの政策を遂行するには、事実についての情報を国民と共有し、日本の人々の信頼を得ることが不可欠であると考えております。この映像を見れば、海上保安官たちが命を張って日本の広い海を守っているということがはっきり分かります。日本の人々は、この映像を見て正しく判断し、理解し、正しく行動したと考えられます。現内閣がこの映像を当初から公開すると決定なされば、この点で日本の人々の政府に対する信頼は強まったと考えております。  刑事訴訟法第四十七条を盾にこのフィルムは捜査資料であるから公開しないと強弁していらっしゃいますが、よく御承知のとおり、そのただし書では「但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。」とはっきり書かれております。  総理、官房長官がこの条項、ただし書を使って公開すると判断していれば、国内においても政府に対する信頼が増え、また、世界、国際社会がこの映像を見る状況がつくられていれば、中国側が異なる対応をした可能性すらあると考えられる問題でございます。  瞬時瞬時の政治家の判断が正しい判断ができるかどうか、正しい判断ができない場合、いかに国益を損なうことになり、それは取り返すことのできないほどの大きな意味を持つものであるということをこれらの案件が厳しく示していると思っております。現政権の対応は国家としての意識が欠落しているように思えて、空恐ろしい気がいたします。  また、先ほどの衛藤先生と防衛大臣のやり取りを伺っていましても、戦前の、(発言する者あり)そうですね、言論の自由を抑えるという方向に進む可能性があるのではないかと感じて、非常に恐ろしいことと考えております。  現政権は、これまで今申し上げましたような誤った判断を重ねているということについて責任を問われることは避けられないのではないかと考えております。この点について総理のお考え……(発言する者あり)では、時間が参りましたので、これで終了いたします。
  238. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で中山恭子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  239. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
  240. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  雇用と派遣法について一言まずお聞きします。  総理、大学生の内定率は最悪の五七・六%。雇用の立て直しは急務です。労働者派遣法の改正法案に関して菅総理は所信表明演説で、労働者派遣法改正法案などの審議もお願いすることとなりますとおっしゃっています。しかし、この臨時国会、何にも動いておりません。成立させる意思があるんでしょうか。総理国民へのこれは約束です。有言実行内閣ですから、やる気ない内閣ではないと思っております。総理、決意を示してください。
  241. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) まず、新卒者のことではジョブサポーターとかトライアル雇用とかということでかなり関心が高まっておりまして、何としても就職率を上げていかなければと全力を尽くしているところであります。  また、労働者派遣法については、行き過ぎた規制緩和を適正化して労働者の生活の安定を図るということが大変重要であると考え、社民党も含めた三党で案を作ったわけであります。現在提案しております改正案は派遣労働者を保護するための抜本的な改正を行うものであり、今国会における速やかな成立を目指して政府としても最大限努力はしているつもりであります。国会での扱いについては政府が思うとおりにはなかなかならないところも多いわけですけれども、政府としても最大限これからも努力をしてまいりたいと思います。
  242. 福島みずほ

    福島みずほ君 是非これは派遣法の改正法案の成立、一緒にできるよう頑張っていきたいと思います。  次に、中国漁船衝突事件についてお聞きします。  これは政府の方針が見えないということが問題です。また、政府のガバナンスが機能していないということが明らかになりました。この事件が発生した時点での担当大臣である前原大臣にお聞きをします。  九月七日の昼と夕方、海上保安庁から説明を受けていらっしゃいます。夕方、毅然としてしっかり対応するようにと指示をしていらっしゃいます。刑事手続についてどのような見通しを持っていらっしゃったんでしょうか。また、この尖閣諸島の海域での初めての逮捕という重要な案件です。外交的な問題についてどのような見通しを持ち、どう対応されたか、御説明をお願いします。
  243. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) まず、時系列でありますので、しっかりとお答えをいたしたいと思います。  九月の七日の午前十時十五分に中国トロール漁船が巡視船「よなくに」に接触し、逃走するという事案が発生をいたしました。当時、私は参議院の国土交通委員会に出席をしておりましたが、その最中の午前十一時過ぎに秘書官を通じて報告がございました。これを受けて、同委員会の上野ひろし議員の質問にお答えをする形で本事案について報告受けた旨を国会説明をいたしました。委員会終了後、委員会室の出口で海上保安庁長官より事案の概要について説明を受け、また同日夕方にも海上保安庁長官から立入検査の状況等について報告を受けるなど、逐次報告を受けておりました。私からは、我が国領海内の事案であることなどから、しっかりと対応するように申し上げたところであります。  また、この公務執行妨害事案について逮捕する判断ということについてでありますけれども、この事案につきましては、海上保安庁が当時国交大臣であった私や政務三役あるいは官邸に報告を行いつつ、海上保安庁長官の指揮の下に我が国の国内法令にのっとり適切に対応したものと承知をしております。  外交問題になるということは、当然ながら当初からもちろん把握をしておりました。詳しくは申し上げませんが、今回の補正予算にかかわる海上保安庁の予算の増額については概算要求を行っていた私から指示をしたものでございますし、また、この近辺の、何隻かは申し上げませんが、これのいわゆる警戒態勢もアップすべきだという話をしておりました。当然ながら、こういう事案が起きたときには外交問題になるということは当初から分かっていたことであります。
  244. 福島みずほ

    福島みずほ君 補正予算に社民党も海上保安庁の体制支援については要求を出しております。  私が聞きたいのは、今回の事件において、政府内、政府のイニシアチブ、政治の意思が見えないということなんです。ですから、前原大臣国土交通大臣としてどのような政治的な動きをしたか、外務大臣とどういう話をしたか、中国とどう交渉したか、どう対応したか、それを教えてください。
  245. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) この問題については、私は国土交通大臣でございました。外交問題を統括するのは岡田前外務大臣でございました。それを調整するのが官邸でございました。そして、私はその事案を聞いて海上保安庁長官に対して、国土交通省、海上保安庁としての指示を出して、そして二度にわたる官邸の会合の中で総合的に判断をされたと私は理解しております。
  246. 福島みずほ

    福島みずほ君 いや、分からないんですよ。逮捕しろというか、それは肯定して、その後の政治的な動きが見えないんですよ。対応したんですか、してないんですか。国土交通大臣ですから外務大臣ときちっと協議しなくちゃいけないじゃないですか。
  247. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 当時、岡田外務大臣は外遊中でございまして、私は直接連絡をするというよりは、それは官邸が行っていたと承知をしております。
  248. 福島みずほ

    福島みずほ君 でも、国土交通大臣で、その後外務大臣になっているわけですよね。ですから、これは逮捕をする、毅然と対応せよと言ったのであれば、その後に起きる外交的な問題、政治的な問題は分かるじゃないですか。だとしたら、そこは責任持って官邸と交渉する、それは海上保安庁を統括するトップとしてしっかりこれはやるべきなんですよ。それが欠けていたからこんなことになったんじゃないですか。
  249. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 二つ申し上げたいわけでありますが、その当時、外務大臣になるとは私は想定をしておりませんでした。したがって、外務大臣がどうのこうのということについては当たらないと思います。  あと、私はその当時国交大臣としてビデオを見ましたけれども、これは福島議員もビデオを見られたと思います、ユーチューブで流れているわけでありますから。今おっしゃっている前提というのは、こういう事案を、恐らく逆の立場であっても、では何もせずに見過ごして、これは事案として立件をしなくてもいいという前提でおっしゃっているのかどうなのかということを私は申し上げておきたいと思います。  つまりは、トータルの判断はまさに……(発言する者あり)私からは、ですからこの問題は外交問題でもあるので、中国との主権にかかわる問題であるので、官邸において調整をしてもらったということであります。
  250. 福島みずほ

    福島みずほ君 見えないんですよ。毅然としてしっかり対応してくださいって言ったわけですね。その後のが見えないんです。  では、前原大臣、これは逮捕して、毅然としてとおっしゃったわけですが、刑事事件になることが分かっているわけですね。そうすると、その証拠の管理ということが必要ですが、証拠の管理について海上保安庁に指示をされましたか。
  251. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 海上保安庁はいろんな事案について情報共有をするということで、教習用にビデオを共有しているということは私自身ももちろん知っておりましたけれども、今回の事案は、先ほど私には質問がありませんでしたからお答えをいたしませんでしたが、公開をしたらよかったじゃないかといつも皆さんおっしゃいますけれども、これについては、逮捕をしましたと、逮捕をした段階で証拠ビデオは、これは、ビデオは証拠物件として検察にいわゆる出すというふうなことになるわけですよ。そうすると、公開に慎重になるのは当然のことではないですか。  その意味で今の質問にお答えをいたしますと、このビデオについては、当然ながら証拠物件として出されるということで慎重に扱われるべきだと私は考えておりました。
  252. 福島みずほ

    福島みずほ君 いや、問題なんですよ。逮捕を承諾しながらその後ビデオが流出している。つまり、ビデオに対する管理が甘かったんですよ。だから、結果的に当時の担当大臣としての前原大臣の責任は極めて重いと考えますが、いかがですか。
  253. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) いろんな立場からお話をされるのは分かりますけれども、まず一つは、あの事案で私はビデオを見て、極めて悪質な事案だと思いました。したがって、その観点から、国土交通大臣として、海上保安庁を統括する国土交通大臣立場として私は意見を言いました。  そして、外交問題になるということから、当時海外におられた岡田大臣も含めて意見を求められて、最終的に総合調整をして官邸が相談をし、そして逮捕する権限を持っている海上保安庁が最後に判断をしたということであります。
  254. 福島みずほ

    福島みずほ君 私が言いたかったのは、ビデオが流出するというのは、やっぱり大臣としてそれは分かっているわけですよ、逮捕の後、証拠になる。ですから、それは大臣としてきちっと管理をすべきだったんですよ。指示をしっかり出さなかったという点について問題であり、また、その後の交渉を責任を持って国土交通大臣としてやり切れなかったというところが、これが問題です。  総理……
  255. 前田武志

    委員長前田武志君) 時間が過ぎております。
  256. 福島みずほ

    福島みずほ君 はい。  政治のイニシアチブが見えないということと、それから、やっぱりビデオの流出に見られるようにガバナンスが徹底していないというところが問題です。  総理、TPPを開始するというのはいつから小泉総理と同じようになったのかというふうに思いますが、これはまた後日質問いたします。  ありがとうございます。
  257. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて外交防衛等に関する集中審議は終了いたしました。  明日は午前八時五十分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時七分散会