○丸山和也君 ここではっきり言っているわけですから、まさか告訴を受理しないということはないと思いますので、そのようにお取り計りいただきたいと思っております。
それから、現在、
海保職員が取調べを受けているということでありますけれども、これについてもどのように処分されるか分かりませんし、もちろんもう
大臣にこれを聞くのが適当でないこともよく分かっております。
ただ、場合によっては、私も彼の弁護人になるかも分からないわけですよね、いろいろな事情で。そういう中で、やはりこの
事件を単なる一刑事
事件として処理するには余りにも大きな問題が含まれていると。それが、
先ほど官房長官が
メモの中で、
ビデオが
流出したら情状酌量に影響するからというふうなことを
発言してしまったことに関連するんですけれども、もしこの
行為を刑事
事件として起訴して、訴追されてやるということであれば、堂々とやっていただきたい。
堂々とやっていただきたいということは、この
事件をせっかく、せっかくって変ですけれども、せっかくこういう
事件が残念ながら起こったわけですから、いい
意味でも悪い
意味でもね、やはり国益とは何かとか、国家公務員の秘守義務とはどういうことかとか、それから、やはり国を思い、いろんなことを思って義憤に駆られたような
行動に対して法の
適用はどのような対応で臨むのかという、これ非常に難しい、簡単なようで非常に難しいと思うんですよ。
これは、この
事件を、例えば法に従って粛々とやる過程において
国民みんなが
考えさせられる問題だ、非常にいい、いいと言ったら変ですけれども、いい試練となる
事件だと思うんですね。
例えば、もう全然話が違いますけれども、歴史が好きなもので若干言わせていただきますけれども、赤穂浪士の討ち入りがありましたね。あのときに、やはりこれはもう全員、法的に言えば、当時の法から、幕藩体制の法からいえば獄門さらし首ですよ、本当は。集団で殺りく
行為に及んでいるわけですから、言語道断。しかし、一部では、これは本当に名誉ある、武士の魂、名誉ある
行為であって、幕府としてはこれはもう、今で言う
国民栄誉賞みたいなもんですね。そして、やっぱり寛大に、むしろ褒めてやるべきじゃないかという
意見もあったそうです。しかし、体制を維持するという中でしかるべき処断をしなきゃならないと。しかし、結果は名誉ある切腹ということで、斬首にはならなかったと。
こういう、我々の先人がいろんなことを
考えた中でいろんな
行為をやっている。それから数百年を経た我々の法治国家の時代でありますけれども、やはり法を運用する上での知恵とか心というのをなくしては法のために人は死んでしまうと思うんですよ。
ですから、
法務大臣というのは、僕は言いましたけれども、各省庁の役人の中でももうトップクラス、一番重要な職責だと思うんですね。ですから、生意気なことを時々言わせていただいておりますけれども、やはり
官房長官をしのぐぐらいの気持ちでこの
事件の処理に当たっていただきたい。そういう心意気が法の執行の中で伝播するぐらい気迫を持って、単に厳罰とかそういうことだけじゃなくて、やっぱりこういう特殊な
事件に対しては日本はどういうふうに法を
適用するのかと。
しかも、これはなぜそういうことを言うかというと、もう既にお
感じになっていると思いますけれども、粛々と厳格にこれはもう大変な犯罪だということでやった場合、中国人船長は自ら確信犯として体当たりしておきながらそのまま
釈放と、こういうこととのバランスが必ず問われると思うんですよ。いや、あれはあれで法に従って
那覇地検が粛々とやったんだと、こちらは厳罰に処しますということでは、やっぱり法の執行というのはもたないと思いますよ。
既に、賢明な
法務大臣ですから、そういうことは十分お分かりになっていると思いますけれども、どこまで
官房長官は賢明かも私も知りませんし、ですから、是非、法の執行の最高
責任者としてそこら辺のバランスも
考えて、今回の
ビデオ流出事件の今取調べを受けている
職員に対する法の執行については覚悟を持って当たっていただきたいんですけれども、この点についてお覚悟をお聞きしたいと思うんです。