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2010-10-21 第176回国会 参議院 総務委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十二年十月二十一日(木曜日)    午後一時六分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         那谷屋正義君     理 事                 加賀谷 健君                 藤末 健三君                 片山さつき君                 松下 新平君                 魚住裕一郎君     委 員                 石橋 通宏君                 小西 洋之君                 行田 邦子君                 武内 則男君                 友近 聡朗君                 難波 奨二君                 前田 武志君                 吉川 沙織君                 礒崎 陽輔君                 岸  宏一君                 世耕 弘成君                 中西 祐介君                 藤川 政人君                 山崎  力君                 山本 順三君                 石川 博崇君                 寺田 典城君                 山下 芳生君                 片山虎之助君    衆議院議員        総務委員長    原口 一博君    国務大臣        総務大臣     片山 善博君        国務大臣     自見庄三郎君    副大臣        内閣府副大臣   東  祥三君        総務大臣    鈴木 克昌君        総務大臣    平岡 秀夫君    大臣政務官        総務大臣政務官  内山  晃君        総務大臣政務官  逢坂 誠二君        総務大臣政務官  森田  高君    政府特別補佐人        人事院総裁    江利川 毅君        公正取引委員会        委員長      竹島 一彦君    事務局側        常任委員会専門        員        塩見 政幸君    政府参考人        人事院事務総局        給与局長     尾西 雅博君        内閣大臣官房        審議官      太田 裕之君        国税庁長官官房        審議官      富屋誠一郎君        厚生労働省健康        局長       外山 千也君        資源エネルギー        庁資源燃料部        長        安藤 久佳君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○行政制度公務員制度地方行財政選挙、消  防、情報通信及び郵政事業等に関する調査  (行政制度地方行財政消防行政情報通信  行政等の諸施策に関する件)  (郵政改革に関する件)  (一般職職員給与等についての報告及び給  与の改定についての勧告等に関する件) ○平成二十二年四月以降において発生が確認され  た口蹄疫に起因して生じた事態に対処するため  の手当金等についての個人の道府県民税及び市  町村民税臨時特例に関する法律案衆議院提  出)     ─────────────
  2. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政制度公務員制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、人事院事務総局給与局長尾西雅博君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 行政制度公務員制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査のうち、行政制度地方行財政消防行政情報通信行政等の諸施策に関する件、郵政改革に関する件及び一般職職員給与等についての報告及び給与改定についての勧告等に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 藤末健三

    ○藤末健三君 民主党の藤末健三でございます。  本日は、総務委員会の初めての質問でございますので、所信につきまして、投票率の向上やあとICT政策地方自治、そして人事院勧告について御質問をさせていただきたいと思います。  まず、人事院勧告でございますが、この人事院勧告基準、この数字がどのように出されているかについて議論をさせていただきたいと思います。  この人事院勧告基準数字、実は同じような調査国税庁も行っておられると承知しておりますけれども、それぞれの人件費を含めたコストや、そしてその調査内容等を簡潔に御説明いただけますでしょうか。よろしくお願いします。
  6. 江利川毅

    政府特別補佐人江利川毅君) 人事院勧告に当たりましては、国家公務員法に定めます情勢適応原則に基づきまして、公務員給与民間企業従業者給与を比較するという方式でやっております。短くですね、分かりました。  調査は、役職段階勤務地、職種、学歴、年齢、それによって異なりますので、それを同じように合わせるような形で調査をしております。そのために担当者企業に出向かせまして、企業担当者に確認しながら調査をしているところでございます。  実際の調査は、規模五十人以上の民間事業所一万一千抽出をしまして、一万一千事業所人事院職員と、それから各都道府県、指定都市人事委員会職員合わせまして千二百人がそれぞれ事業所に出向いて調査をしているということでございます。それによって、四月の給与と、昨年八月から本年七月までの賞与、実際は夏のボーナスと冬のボーナス、昨年の冬のボーナスということになりますが、それを調査しております。  この調査に要する費用でありますが、旅費とか調査票印刷費などを合わせまして人事院予算は九百六十五万円でございます。調査をする人間は職員でございまして、他の業務と併せてやっているものですから、人件費につきましてはちょっと正確に出しにくいことを御理解賜りたいと思います。
  7. 富屋誠一郎

    政府参考人富屋誠一郎君) それでは、国税庁実施しております民間給与実態統計調査について申し上げます。  この調査につきましては、抽出されました調査対象事業所、二十一年度の場合で約二万一千か所ですけれども、そこに調査票を郵送いたしまして、そこに記載をしていただいた上で返送していただく形で実施をしております。  把握しております実施コストといたしましては、平成二十一年度の場合には、公共サービス改革法に基づく民間競争入札による外部委託経費、これが約二千二百七十九万円、調査票等郵送経費が約九百万円掛かっております。これ以外に国税庁と国税局の職員が若干の事務に従事しておりますけれども、ここは専担者ではございませんので、その経費については正確に算出することは困難であることを御理解いただきたいと思います。
  8. 藤末健三

    ○藤末健三君 二つ調査それぞれの、今年の調査された結果で前年度比どれだけ民間企業が減ったかというパーセンテージをそれぞれ述べていただけませんでしょうか。何%ダウンしたか。
  9. 江利川毅

    政府特別補佐人江利川毅君) 私ども調査は、先ほどの事業規模五十人以上は全国で五万一千か所あるわけでございますが、そこから約一万一千事業所対象にやっておりますので、その一万一千事業所の数そのものは特段減らしているわけではございません。
  10. 藤末健三

    ○藤末健三君 済みません、年間給与平均が何%減ったかとお聞きしているんですよ。私の方から申し上げます、時間がないので。まず、人事院勧告給与は一・五%減というふうに出ている。一方、九月二十八日に発表がございました国税庁調査は五・五%減と出ています。何と四%の差があります。この差の根拠は、原因は何だと思われますか。両省庁にお聞きします。
  11. 江利川毅

    政府特別補佐人江利川毅君) 調査方法一つ、少し違う点があります。正確な御答弁かどうか、私の若干推測も入りますが、一つは、国税庁調査では、勤務時間の少ないパートタイム労働者とかアルバイト等が含まれております。私どもの方は常勤の職員でございます。それから、人数が変動しますと、例えば去年の夏からパート労働者等が増えてきておりますが、そういうものが増えますと平均としては下がると、国税庁調査の方では下がるということが出てきます。また、私どもの方では、ボーナスにつきましては、去年の冬と今年の夏のボーナス調査しておりますが、国税庁の方では下がりました去年の夏と去年の冬が入っているということでございます。そういう点が差になっているんではないかというふうに推測しております。
  12. 富屋誠一郎

    政府参考人富屋誠一郎君) 国税庁からお答えを申し上げます。  今人事院からの御説明もありましたけれども、そもそも調査対象が違いますこと、またデータ処理方法についても異なるものですから、一概にはなかなか申し上げられませんけれども、私ども調査では、先ほど御説明ございましたけれども、一人当たりの平均給与、前年比で五・五%ほど減となっておりますけれども国税庁の方では、統計について、例年取っておりますけれども、その原因分析まではこれまで行っておりませんので、明確な御質問へのお答えができないことを御理解いただきたいと思います。
  13. 藤末健三

    ○藤末健三君 私はここで問題を提起したいのは、人事院勧告の方ではマイナス一・五%、国税庁の方ではマイナス五・五%と、マイナス四%も差がある。この原因は、一つ大きいところでいいますと、パートタイムが含まれるかどうかということもございますが、人事院調査事業規模五十人以上のところしかやっていない、国税庁は一人からやっているということが非常に大きな原因ではないかと思います。  実際に、日本の国民の給与という感覚でいうとどちらが近いかということは明確だと思うんですが、人事院から見てこの国税庁調査はどのように評価されますか、お答えください。
  14. 江利川毅

    政府特別補佐人江利川毅君) 直接のお答えにはならないかもしれませんが、国家公務員法上、様々な原則が規定されておりまして、給与に関しましては六十二条に、「職員給与は、その官職の職務と責任に応じてこれをなす。」という形になっております。それと併せまして民間準拠原則があるわけでございます。  そういう観点から、人事院としては公務員職務職責に応じた給与については、このように直接企業に出て類似職務について調べたそれをラスパイレスで比較するのが適当ではないかというふうに思っている次第でございます。
  15. 藤末健三

    ○藤末健三君 これは先ほど冒頭でお聞きしましたが、例えば人事院の方は一千万円近くの予算を使っておられると、そしてかつ千二百人の方が調査に参加されているということでございますので、実際に必要となっている予算はその莫大な人件費が掛かっているのではないかと思います。また、国税庁調査、これは大体三千万円程度ということでございますけれど、同じような調査二つやっていることの意味、そして、かつ出ている数値が違う。人事院としてはこの調査の在り方を見直すべきではないかと思いますが、いかがですか、人事院
  16. 江利川毅

    政府特別補佐人江利川毅君) 繰り返しての御答弁になりますが、職務職責に応じた給与を決めるということになっているわけでございまして、国税庁の方は確かにすべての事業所それからまた非常勤、アルバイト職員も含めての数字でございます。職務職責に応じてとなりますと、企業に応じて、その企業類似職務に応じて比較するのが適当ではないかと。  それから、地方を含めまして千二百人で調査しておりますが、その成果は地方自治体における給与改定にも生かされるわけでございまして、そういうことで全体としてはできるだけ合理的にやっているところではないかと思っている次第であります。
  17. 尾西雅博

    政府参考人尾西雅博君) 一点補足させていただきます。  私ども人事院地方人事委員会職員千二百名で調査行っておりますけれども、これは特別な調査員ということではなくて、本来的な業務を行っている者がその期間においてそれぞれ割り当てられた会社に行って実地調査をするということですので、特にそれに伴って何か人件費が大きく増えるということでは全くないということで理解しております。
  18. 藤末健三

    ○藤末健三君 この質問はここで打ち切らさせていただきたいと思いますが、まず、働いている方々が本業があって兼業としてやっていますよと、だから人件費が掛かりませんということはあり得ません。もし残業すれば残業代が払われるわけですから、もしそういうお答えをするのであれば、今日明確にどれだけの人件費が掛かったか、人日が掛かったか、そして単価が幾らか、そこまで計算していただきたいと思います。  そして、これは片山大臣是非お伝えしたいんですが、今回人勧よりもこの給与の削減を深掘りするという話がございますが、まずこのような基準見直し是非検討すべきであると思うんですけれど、ちょっと通告はしていませんが、いかがでございますか。
  19. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、人事院において見直しをなされるべきだと考えております。労働基本権の制約の代償としての人事院勧告制度でありますから、その中で検討されるべきだと思います。
  20. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非、まさしくお答えいただいたとおりでございまして、この給与の問題、非常に大きな問題でございますので、本当にいろいろな労働権の問題、そしてこのような基準の問題、様々な問題がございますので、より包括的な議論を進めていきたいということをお願いさせていただきたいと思います。  続きまして、この総務省ICT政策についてお話をさせていただきたいと思います。  ICTにつきましては、所信表明にございましたように、地域の活性化や雇用の創出で非常に大きなウエートを占めるということはもっともでございますが、ただ、私が一つ気にしておりますのが、最近、検索エンジングーグルというのがございます。非常に大きな世界ウエートを占めておりまして、その検索エンジン技術日本の大きな検索サイトが同じ技術を使うということが決定されたわけでございますけれど、これは私は個人的には独占禁止法上非常に大きな問題があると考えますが、公正取引委員会、いかがでございましょうか。
  21. 竹島一彦

    政府特別補佐人竹島一彦君) お答え申し上げます。  ヤフージャパングーグルお話をされているわけですが、専門的なこともたくさんあって分かりやすく御説明するのはなかなか難しいんですが、簡単に申し上げますと、ヤフージャパンというのは、それまでアメリカヤフーが持っておりました検索エンジンを使って日本サービスを提供しておりました。  ところが、そのアメリカヤフー検索エンジンはもうやめるということになりまして、それでいっときグーグルと組もうかという話もあったんですが、これはアメリカ独禁当局から問題を指摘されてなくなりまして、マイクロソフトと組むことになりました。マイクロソフト検索エンジンをこれからはアメリカヤフーも使うということに変わったわけでございます。  それを受けて、関連会社でありますが日本ヤフージャパンは、肝心のその検索エンジン、今までアメリカヤフーのものを使っていたんですけれども、もう使えない。じゃどうするかということになって、ヤフージャパングーグルマイクロソフトを比較して、自分にとっても日本のカスタマーにとってもグーグルの方がいいという判断をされたわけです。これは彼らの経営判断でございます。  そのときに、公正取引委員会に対して事前の相談がございました。それに対して、結論的には、直ちに独禁法上の問題はないという回答をいたしました。それは、まずアメリカアメリカ独禁当局が問題視したということと日本の場合は違うということ。アメリカの場合は、グーグルアメリカヤフーというのは両方とも検索エンジンを持って検索連動型広告サービスをしていた言わばライバル同士、これが一緒になるという話。日本の場合は、日本ヤフー自分検索エンジンを持ってない、人様のものを使わざるを得ないと、こういうことになっているわけで、それについてどれを使うかはまさにヤフーが決めるべきことだということで、そこが大きく違うというのを一点御理解いただきたい。  それで、かつ、そのときのお話は、これからグーグル検索エンジンを使うけれども自分は、ヤフージャパンは引き続き、グーグルそのまま一〇〇%同じというんじゃなくて、自分でカスタマイズしますと。要するに、提供するサービス自分の味付けをいたしますと。それから、広告主をどうやって集めるか、自分はどういう広告主を持っているか、その広告代金は幾らか、こういったことはグーグルとは全く遮断して、従来どおり別々にやりますと。したがって、そういうマーケットにおける競争はこれから引き続き行われますと、こういうことを言ってまいりまして、そういうことであれば直ちに独禁法上問題はないという回答をいたしました。  その後、御案内のように、楽天、それからマイクロソフトから公正取引委員会に対して、そうは言ってもこれは独禁法上問題があるんじゃないですかという申告がございました。その申告を受けて、公正取引委員会は今まさに検討を加えております。いずれ申告に対しては回答しなきゃなりませんので、回答をする予定でございます。
  22. 藤末健三

    ○藤末健三君 御説明ありがとうございました。  そこで、今委員長がおっしゃいました、検索エンジンを共有化してカスタマイズするからいいですよという話ですけれども、この検索というサービス検索エンジンがすべてなんですよ。ですから、検索エンジンは同じで後はカスタマイズしますよというのは、本当に車買ってタイヤを交換するぐらいの差でしかない。その技術的な意味是非理解していただきたいんですよね。インデックスとかいろんなデータベースも同じなんですよ。そして、検索方法も同じ。じゃ、カスタマイズしますよといったら、車の色を塗り替えるとかタイヤを交換するしかできない。それで違うんですよということは言えるかどうか。  そして、もう一つ大事なことは、広告の仕方、そして価格は変えますよということでございますけれども、恐らく同じ車に乗っているようなものですから、価格広告も同じになるはずなんですよ。同じような性能、同じような内容。じゃ、価格はどう差を付けるか、そこが非常に大きな問題点となっております。  そして、もっと大事なことは何か。グーグル検索アルゴリズムはオープンにされていませんし、恐らく公取さんも知らないと思う。そこをできれば教えてください。アルゴリズム、どういう方法エンジンが動いているか、これがすべてですから。  そして、もう一つ大事なこと、それは広告体系がどうなっているか。広告料金がこれは幾らですよという体系は基本的に公表されていません。その中で公正取引委員会が本当に公正な価格競争を担保できるかどうか、その点について明確な答えを与えてください。お願いします。
  23. 竹島一彦

    政府特別補佐人竹島一彦君) グーグルをめぐっては、ヨーロッパでも幾つかの国でユーザーからクレームが付いて、独禁当局調査をするということが行われています。したがって、同じようなこと、要するにどっかの広告会社自分検索順位が今までと違って随分後ろの方に回されたとか、それから広告料金が非常に高くなったとかいうことになって、それが今回の取引の結果であるということになりましたら、これは独禁当局として重大な関心を持って調べます。
  24. 藤末健三

    ○藤末健三君 済みません、ヨーロッパの事例をおっしゃいましたけれども、今どういう状況にあるか、ヨーロッパは。例えばフランス、ドイツ、ここはもうまさしくグーグルが九〇%近く、中には九〇%以上のシェアを占めている状況でございまして、調査は終わっていません。調査中なんです、それは。それは是非とも、ヨーロッパアメリカなどの調査中身一緒連携を取ってください。それを担保してください。  そして、もう一回確認しますけれど、アルゴリズムとかいった技術的な内容をちゃんと審査し、やってくれるか。価格が違いますよというのは結果なんですよ。技術中身をきちんと見ていただかなきゃいけない。  例えば、委員長に今申し上げますけれど、グーグルは、例えば検索したときに順番が出ます。公正取引委員会検索したときにいろんなデータが出ます。この順番がどう出るか、我々は分からないわけですよ。グーグルは、極端な話を言うと、自分たち判断順番を入れ替えることができるわけですよ。その意味は何だかということ。プライスだけじゃないんですよ。与える商品順番を故意にいじることもできる。そういう観点是非考えていただきたいんですけど、外国との調和、そしてテクノロジーをきちんと見た上での判断、この二つを約束していただけますか。お願いします。
  25. 竹島一彦

    政府特別補佐人竹島一彦君) 要するに、企業が大規模である、大であるということをもって悪という考え方は取っていない。大きな者が市場支配的地位濫用をする場合に取り締まるという、こういうことでございまして、日本でもヨーロッパで起きているようなことが起きて、公正取引委員会がその情報を得た場合には、当然同じようにいたします。要するに、グーグルという確かに市場支配的地位がありますから、それを濫用して不公平な取扱いをする、又は不当なる値段を付けるというようなことがあれば、当然独禁法上の問題になる。そういうことでございます。
  26. 藤末健三

    ○藤末健三君 委員長がおっしゃっていることは当たり前のことなんですよ、それは法律に定義されているから。  私が申し上げているのは、公正取引委員会方々は、現象としての優越的地位濫用、若しくはほかのフェアトレードが阻害されたという話ではなくて、まず一つは、技術中身をちゃんと理解してほしいって言っているんですよ、まず一つ。  そして、二つ目に、海外でも同じような事象が起きていますので、海外との連携を取ってほしいというこの二つをお願いしているんですが、この二つについてちゃんと対応するとお答えください。
  27. 竹島一彦

    政府特別補佐人竹島一彦君) 私ども競争当局でございますから、何か舌かみますけれどもアルゴリズムですか、そういう言葉も耳にしておりますけれども技術的なことというのはブラックボックスの部分もあり、企業秘密もありますから、いかに競争当局といえ全部開示せよということができるか、それはおのずと限界があると思います。  我々としては、彼らの取引独禁法上の問題ということで、その点では専門家としてきちんと処理するつもりでございますし、欧米との関係も、これはもう最近は日常的にいろいろな面で意見交換していますし、そういう意味では、これからも本件も含めて協力、連携体制を取っていくということはお約束できますが、前者のことについては、公正取引委員会として調べるべきものは調べるということでございます。
  28. 藤末健三

    ○藤末健三君 委員長是非考えていただきたいのは、これからネット社会なわけですよ。これは、一つネットという商品が世界中で使われ始めていますと。その非常に大きな変化があるわけじゃないですか。昔、ビールだったら、ラベルによってすぐ製品がどこで、シェアがどれだけか分かりましたと。それも国内しかシェアがないですよという状況から、今ネット上では、もうどんどんどんどん技術が発展して、僕は技術を追っていただかなければ、表面的な現象だけを見ていたら絶対もたないと思うのがまず一つです。  そして、もう一つあるのは、世界が市場なんですよ。日本ではこういう運用、独禁法は。こちらではこういうアンタイモノポリーローが運用されていますということではまずいので、是非とも国際的な連携を取っていただくことをお願いしたいと思います。  これは絶対やってください。これは、これから絶対起きます、いろんな問題が。ネット上の商品が国際的に出回り、ネットでは寡占が始まりますから。それに対して現象面しか見ないというような判断であれば、それは独占禁止法の被害が出るまで防げませんという話になっちゃいますよ。それでは僕はまずいと思いますので、是非公正取引委員会も世の中の産業やこういうサービスの変化に対応をしていただきたいと思います。  続きまして、大分時間がなくなりましたが、投票率の向上について質問をさせていただきたいと思います。  今回、総務省におきまして努力をいただき、例えば私が提案していましたのが、若い方々が投票に行っていただくように、例えばショッピングセンターや駅前に投票所を置いてはいかがでしょうかということを二年前ぐらいから提案させていただき、総務省に対応をしていただきました。  実際に、今般、選挙におきましても、ショッピングセンターや駅前への投票箱を置く件数が非常に増やしていただいておりますが、この効果、どのように今検証されているか。そしてまた、今後、このような投票がしやすい環境をどのように整備されるか、総務大臣お答えいただけますでしょうか。お願いします。
  29. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 御指摘のショッピングセンターでありますとか駅前でありますとかに期日前投票所を設置した自治体の動向を見てみますと、明らかにその投票数、期日前の投票者数は増加しております。必要がありましたら具体例も幾つかお話を申し上げても結構ですけれども、総じていい効果が出ていると思います。  引き続いて、各自治体の選挙管理委員会に対しましてこれらの工夫なり努力をしていただくように要請したいと思います。
  30. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非大臣におかれましては、私も実際にこの投票所ができたところを見に行きました、投票日に。やはり、駅前に投票所を作っていたところは本当に列ができるぐらい有権者の方々が行っていただいていると。そしてまた、ショッピングセンターに作っていただいた事例も自治体の方にお聞きしますと、非常に評判は良かったということを聞いておりますので、是非ともこの駅前投票所や、あとそしてショッピングセンターに投票所を作った事例、こういう事例を各自治体、選挙管理委員会方々が広く普及していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  31. 片山善博

    国務大臣片山善博君) そのように努力を続けてまいりたいと思います。
  32. 藤末健三

    ○藤末健三君 そしてまた、地方自治につきまして質問させていただきたいと思います。  一つは、今、子宮頸がんワクチンに対する支援、これが補正予算議論されておりますが、私も、この子宮頸がんワクチンの普及につきましては超党派の議連などに入れさせていただきまして活動させていただきました。ただ、やはり一番大きな問題は、まだ制度自体が固まっておりませんが、各自治体において対応が非常に現状ではまばらになっている。そしてまた、今回の補正予算の運用によっても、また対応が早い自治体、遅い自治体などが出てくるような懸念がございますが、総務省として全国一律にサービスが受けれるような対策等を考えておられたら教えてください。失礼しました、これは厚生労働省にお願いいたします。
  33. 外山千也

    政府参考人(外山千也君) この度の補正予算実施によってかなり市町村における実施というのは足並みがそろうんじゃないかと思っておりますけれども、この子宮頸がん予防ワクチンの接種を公的に実施するに当たっては、事業の継続性であるとか公平性、それから健康被害救済の対応等を考慮いたしますと、できれば法律に基づき実施することがより究極的に望ましいというふうに考えておりまして、このため、そうしますと、恒久的な財源の確保など様々な議論がありますものですから、そのほか定期接種の対象となっていない疾病、ワクチンの在り方も含めまして、予防接種制度の在り方について現在厚生科学審議会の予防接種部会で議論しているところでございます。  ですから、そういった議論も踏まえまして、適切な予防接種の実施が図られるよう、必要な検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
  34. 藤末健三

    ○藤末健三君 恐らく、私も法的な対応が必要だと思いますが、また時間が掛かると思います。是非とも、現状においてなるべく自治体間の格差がないように、総務省連携して厚労省が進めていただきたいと思いますので、お願いしたいと思います。  そして、最後になりますが、自治体における自殺対策の現状、これからの対応について質問させていただきたいと思います。  同僚の松浦議員が決算委員会で御質問させていただきましたが、やはりこの自殺対策における自治体、その活動は非常に大きなウエートを占めると考えますが、自治体の対策そして国を挙げての対策、それらについての考え方を大臣官房審議官、よろしくお願いします。
  35. 太田裕之

    政府参考人(太田裕之君) 地方自治体におけます自殺対策、今委員御指摘のとおり大変重要な課題だと考えております。  そこで、平成十九年の自殺総合対策大綱の策定を受けまして、現在、地方自治体におきましては地域の実情に応じた様々な取組が実施されております。  平成二十一年度には総額百億円の地域自殺対策緊急強化基金を造成いたしまして、各都道府県に三年間で一億円から六億円の予算が措置されているところでありまして、これを踏まえまして、対面型相談支援事業でございますとか電話相談事業というもの、さらには人材養成事業、普及啓発事業、強化モデル事業などが実施されているところでございます。  政府といたしましては、これらの中で非常に有効な施策につきましては、幅広く関係課長会議等の場を通じまして有効な施策を各地方公共団体の方にお知らせしまして、その促進を図っているという状況でございます。
  36. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非これからも総務省連携して地方自治体の自殺対策を充実させていただきたいと思います。  まだまだ本当に質問させていただきたい項目は多うございますが、本当に総務省そして人事院も両方とも非常に大きな国、世の中に対する影響力がある仕事だと思います。是非とも本当に日本の将来を考えて長期的な視野から政策を進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  これで質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。
  37. 片山さつき

    片山さつき君 自由民主党の片山さつきでございます。  自由民主党を代表して質問をさせていただきますが、今日は大変楽しみにしてまいりました。片山総務大臣は旧自治省で長らく税務畑を歩まれ、鳥取県でも八年間知事を務められ、また近年は大学で地方自治の教鞭を執られておられて大変多くの論文も出していらっしゃいます。  今日はお手元の配付資料に最近の片山大臣の名古屋市のねじれをどう解決するかという論文も付けておりますが、私は、この菅内閣において菅総理が、たっての御希望で御任命された唯一の民間入閣である片山総務大臣は恐らく内閣随一の論客ではないのかなと思って、その所信に対して質問させていただけることを大変光栄に存じております。  大臣所信の中で大臣は、住民自治の観点から、地方自治体自らが納税者に向き合い、納得を得ながら財政運営を行うことを旨とし、地方税、地方交付税、地方債などの制度全般にわたり、地方自治体の自主性、自立性を高める観点からの見直しに取り組むと、大変意欲的に述べていらっしゃいます。  これ、一見非常にいいお言葉でございますが、今日はその底流に流れているものは何なのかということも含めて是非質問させていただきたいんですが、この論点が恐らくすべて網羅されているであろう壮大な実験が名古屋において行われているわけです、言葉を換えれば。恐らく東京都と並んで財政的な自立が中期的にできる、あるいはできたかもしれない、今となっては過去形かもしれませんが、その可能性がある名古屋でのことでございます。  この河村市長の減税、リコール問題につきましては、衆議院議員時代も民主党の衆議院議員でいらしたわけですが、大変有名な方で、「TVタックル」、「朝ズバッ」などでも有名人であった河村たかし市長が非常に面白い騒ぎを名古屋で起こしているというような受け止め方が恐らく最近までは大勢だったんだと思いますよ。  ただ、この総務委員会はそんな中でもこの問題を取り上げているんですね、衆でも参でもです。特に、海南の市長もしておりました衆議院の我々の同志であります石田議員は、どのぐらいの相場観においてこれを総務省が認めるのかというのは非常に重要だと、波及するということを言っているわけですよ。  この波及というのはどういうことかと申し上げますと、お手元の資料に新聞記事を付けておりますが、後ろから三番目、名古屋市長、議会に云々ですね、この右下の、ちょっと字が小さいんですけれども、名古屋では確かに先般の市長選の際に一〇%減税を公約して現市長が当選されたのは事実です。その後、減税を公約に掲げて当選する首長が続出したんですね。これも客観的に事実ですね。そのうち結果的にやっているのは名古屋が最初であって、その次に半田がおやりになった。半田の場合は交付団体になったんですね。なったことの機会をとらえて、今回はもう減税はしないということになったというお話を新聞報道でも聞いておりますし、私ども自民党の委員会でも総務省の方からこのような御報告を受けております。  今年の春に、片山当時教授は、私どもの方のお願いもありまして、この委員会で参考人として知見を述べていただいているんですが、その中で、この地方債制度につきまして、地方債について国がいろいろと口を出すのが非常におかしい、大変屈辱的であるというようなことをおっしゃっているんですよ。本当にそうなんでしょうか。  この一枚目の表にございますが、新しく、十八年以降こういう制度になったんですね。これは課税自主権を広げるようなところから、全面的にある程度自由化するような形でやってきたわけですが、この上の段で、総務大臣と協議する、総務大臣の同意のある場合に発行する。今のところ、ほとんどの地方債はこの一番上の形で発行されているんですね。同意のない場合に、同意がなく地方債を発行した例はあるのかと昨日事務当局に聞きましたところ、全く五年間でないということでした。  私も習性上、財務官僚だったんですぐデータを調べるものですから、鳥取県の財政状況について調べさせていただきました。片山知事の就任、平成十年度、決算、財政力指数〇・二六〇一五、離任時、十八年度、財政力指数〇・二五六七九。地方債残高、片山知事の就任前、四千六百二十五億円、片山知事の離任、十八年度ですね、決算、六千百二十二億円。地方税収入、十年度決算、六百四十三億円、十八年度決算、五百六十九億円。つまり、この時点において鳥取県は税収の十一倍の借金をためておられますが、通常こういった財政状態で一体どうやって銀行やマーケットからお金を借りるのかなと思うわけですが、現行の地方財政・税制度は非常に良くできておりまして、ミクロ、マクロで財源保障がされているんですね。つまり、ここで同意を得れば返済財源は地財計画の中でも見てもらえるし、基準財政需要の中に入れてもらえるんですよ。それはもう皆さんよく御存じのことで、この委員会は首長さん、議員さんの出身者が非常に多いんで。だから、借りられるんですね、この状態でも。つまり、ずっと不交付でやれる東京都、これは一人当たりの税収が鳥取県の二倍ありますが、東京都も鳥取県もほとんど同じ金利でお金が借りられるということは通常はないんであります。  にもかかわらず、この地方債において、財政のチェックも含めて何もチェックをしないということをもしも目指しておられるのであれば、財政自主権は私は個人的にも賛成ですし、自由民主党も道州制の導入も含めてそういった方向に行こうと頑張っているわけですが、自立というのはやはり自分で賄える部分があってのことであって、ほとんどの自治体が交付税依存体質である場合に、地方債制度への国の関与を徹底的に否定される御発言を総務大臣になってもお続けになるつもりなのか、まず大臣に伺いたいと思います。
  38. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 片山議員の御質問の中にはいろんな要素が盛り込まれているんです。やっぱり一つ一つの要素を分解して見ないといけないと思うんですけれども、私が地方債の関与について否定的だということは、交付税と今地方債が非常に絡み合っていまして、今の現状で全くフリーという、そんなつもりはありません。  まず最初、交付税と起債を関連させないように、要するに、先に地方債を発行して後で交付税で補てんしますというような今制度がありますから、そんなことをやめなきゃいけないというのがまず先行しているんです。その上で、地方債は地方債、地方交付税は地方交付税となった段階で、じゃ地方債をどうするのかといいますと、今のように、一件一件の事業について、一つ一つを微に入り細をうがって国がいいの悪いのと言うような、そんなことはやめるべきだと思うんです。  じゃ、全くフリーにしていいかというと、それは私も必ずしもそうは思っておりません。自治体の規模に応じて、例えば財政力とか人口とか、いろんな指標があるんでしょうけれども一つのある自治体については、例えばどれぐらいまではもうフリーに借りてもいいと。しかし、それを超えるんであれば何らかの関与があると、こんなことでもいいと思いますし。現に今、地方公共団体の財政の健全化に関する法律といって、夕張市の財政破綻に端を発してできた防止法がありますけれども、その中では、自治体の財政力とか財政規模に応じて一定限度以上の債務残高がたまりますと黄信号が出る、それなりの国は関与はする、赤信号が出る、もうそれは再生計画を作らせるというようなものがあるんですね。  そういうものがもう包括的にありますから、個々の個別の事業について、これはいい、あるいは悪い、しかも、その事業の中でも主体施設はいいけれども、門、さく、塀はどうだとか、そんなことまでやる必要はない。しかも、それを総務省系統で、市町村の起債ですと都道府県がやり、それを総務省に持っていく、さらに市町村は財務局を通じて財務省に持っていくという二重の関与になっておるわけです。こんなことはやめるべきだと。あくまでも、包括関与はいいけれども、個別の関与はやめるべきだというのが私の考え方であります。  あと幾つかおっしゃった中でいろいろ御答弁申し上げたいことがありますが、取りあえず私の答弁は、今のところここまでにさせておいていただきたいと思います。
  39. 片山さつき

    片山さつき君 個別の議論にはいろいろ私も今伺っただけで論点はあるなと思いましたので、この総務委員会はたくさんの一般質疑ができるなと思いましたが、まず、この図でいきますと、この下のような制度を否定しておられるわけではないということは分かりましたので、そこは多少安心したわけですが。  次に、減税問題ですね。これは確かに自民党時代に通した法律ではあるんですよ、地方税法で。それまで通常の税率、財政上の必要があると認める場合においては変化させることができたんですが、財政上だけじゃなくて、これは財政上その他の必要があると認める場合ということにして課税自主権を若干広げたと。それを、じゃ一体どういう基準で認めるのかについては自民党の同志たちもいろいろと、どの辺が相場観なのかについては聞いてきたんですね。それについてはお答えがないままに前国会は早めに閉じられちゃったと。その後、ずっと国会をやっていないものですから、それが許可された、どういう形で許可されて何がそのレゾンデートルになっているのか、ベースになっているのかについては国会でやるのがこの場が初めてになったわけですよ。そのことについても、私はこれは制度問題にかかわることなので委員会軽視じゃないのかなと思いますが、そうなったんだから仕方がないんですが。  この平成二十二年度地方債同意等基準平成二十二年総務省告示第百三十三号、これは平成二十二年にできたから平成二十二年告示なんですね。つまり、法律的には地方税の個人住民税を下げるということはできたわけだけれども、前の改正でね。ところが、告示は二十二年にできているんですね。これはいつ、どうやってお作りになったんですかね。国会の方でこの議論が真剣にされたということを私は余り承知していないんですが、もしされていたら教えていただきたいんですが、二十二年の告示はどういう討論、議論によって何日にできたのかなと。  いずれにしても、このできたものについて、そこに書いてあるんですが、標準税率未満により許可を要する場合、つまり、今回の名古屋市の起債は許可なんですね。同意じゃないんです、許可したんですよ。非常に重たい判断総務省はしたわけですね。その条件として書いてあるのは極めてふわっとしたことで、下の二行、当該普通税の税率が標準税率未満であること、六%のところを五・四%掛けたということですから名古屋市はこれに該当しますが、未満であることによる世代間の負担の公平への影響や地方税収の確保の状況等を勘案して地方債を許可するものとするということで、今年許可しちゃったんですね。原口総務大臣のときに許可したわけなんです。  その許可したものを、私はどういう形のもので許可したのかという書類を実はいただいて見ちゃったんですが、これがどうも非常に私の目から見ると甘いんじゃないのかなというものですね。  行政改革を前提にしているというんですが、百二十ぐらいの項目があるんですけれども、まず、百六十五億円ぐらいの減税財源の中で資産の売却が三十億円ぐらいあるんですが、昨日の夜、事務方に聞いたところによると、これが本当に計上されている価格査定がいいのかどうかについては全くチェックしていないと。地元の名古屋の方にお伺いしたところ、まだ売れていないと。これは決算になって売れなかったらどうするんですかねと。  それから、行政改革の努力ということをおっしゃるんだったら、当然、定員削減はどのぐらいやったのか、それから天下り団体に行っている補助金をどのぐらいカットしたのかというようなことが論点に出てきて当たり前なんですよ。  またこれ、私、見付けちゃったんですけれども、原口大臣のときに、行政は、このときは事業仕分非常にはやっていたころですから、チェックしなきゃいけないということで、原口大臣の指揮の下に、これ書いてありますね、原口大臣の指示により政務三役が調査依頼をして云々云々ということが書いてありますが、地方公務員給与のわたりの再調査を行っております。その中で、わたりに課題のある団体の一つとして名古屋市が指摘されております。そのことは当然大臣は御存じだと思いますが、実は私が昨日事務方から説明を受けた名古屋の行財政改革という、これだけお金を削り出したのだから当然減税は認めてくれよという、申請書の中にはこのわたりを改善したという記述がありません。そこが、同じ総務省の中で一体何を見ていたのかなと思うわけですけれども。  まず、これ確認ですが、このわたりの再調査結果について指摘されているんだから、当然これをやらない限りは減税は認めないという判断を原口大臣はできたはずですが、なぜしなかったんでしょうか、それをお答えいただきたい、大臣
  40. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、そのわたりの是正の問題と今回の市民税減税に伴う地方債が許可制度に移るということとは直接連動していないんです。地方債というのは、さっき片山議員おっしゃったように、基本的には同意システムです。だから、同意がなくても発行できるという、こういうことになっています。ただし、固定資産税でありますとか、それから住民税でありますとか、これ標準税率というのがありまして、これを下回った場合にはその地方債制度が同意制度から許可制度に移るという非常に厳しい制度になるわけですね。これをじゃどういう場合に許可するのかということでさっきお触れになった同意基準というのがあるわけです。  いろいろ書いていますけれども、ありていに言いますと、減税したことによって、そのことによって地方債の発行額が増える、そのことによって増える、これは認められないということなんです。もっと分かりやすく言いますと、これ大きな政府、小さな政府と言ってもいいかもしれませんけれども、減税もしないで歳出も削減しないというケースと、歳出は削減してその分を減税に回すというケースとこれどちらを選択しますかということで、それはどちらであっても債務の残高は変わらないわけです。それならば、自治体の方の選択に任せたらいいのではないかということなんですね。  ここで、例えば、議員は多分もっとその許可基準を厳しくすべきだとおっしゃるかもしれませんけれども、じゃこういうときに許可しないというと、じゃ使えばいいんだろうといって歳出の方のカットもしないで税率もそのままにしておく。それよりは、市民から見れば歳出をカットしてその分を本来は、本来は借金の返済に回してもらいたいけれども、選択してそうはしないで税率を下げるという、そういう選択肢もあってもいいのではないかという多様な選択を開いたということだろうと私は理解しています。その中で、減税をしたけれども、そのことによって起債を増やしていないということが認められたので原口大臣のときに許可をされたということだと思います。
  41. 片山さつき

    片山さつき君 今非常に大臣、重要なことをおっしゃったんですけれども、この市の予算は全体として一般会計で四百三十七億円増えているんですね。さらにこれ減税百六十億円して、減収も七十億円しているんですよ。大臣は今同意の説明をされたけど、同意のことは今全然聞いていないんですね。この団体は許可ですから、許可、つまり減税したんだから許可、これは法制上許可なんですよ。同意の話はしておりません。この許可という非常に重い行為をなさるときに、一般会計の予算が四百三十七億円増えて減税が百六十億円、そして今この非常に厳しい円高不況をもろに受けているのが名古屋ですから、法人税収がたんと落ちていますから、減収七十億円の中でここに書いてあるような税収確保努力をしたのかどうかなと非常に疑問に思いますが、いずれにしても七百億円近い予算を増やしており、今年は不交付団体が交付団体となって三十二億円交付税をもらっているわけですね。  ですから、この半田市、さらにほかの県でも私いろいろな機会に、仮に交付団体に転落するということが分かった場合に、それでも減税を首長さんとしてやりますかというお話を伺っているんですけれども、まさにこの半田市長がおっしゃったのと同じようなことを言っていますよ、県民は理解しても国民は理解しないだろうと。交付税は自分の地域だけから来るものではないから。  というようなことも考えて、その辺が、自立とか自主とかいうことを一体どういうふうに考えているのかと。地方自治体がその地域のエリアだけで財政的に全く独立できるならいいけれども、そうじゃないと、あなたは最初の質問に対してそうじゃないという制度を前提にしてお話をされたんだから、これは非常に矛盾しているんじゃないかと私は思いますし、さらに、原口大臣が認めた理由については、国会においては全く質問する権利もないまま、選挙もあり、国会は勝手に早く閉じられたものですから、終わっちゃったんですね。ですから、これは、参考人を呼んでも、徹底的にこの項目が本当に一つ一つ行財政改革に資するものになっているのか検証しないといけないと思ったんですね。  というのは、まず、この中でもっと問題だと思うのは、もうじき例えば耐用年数が来るとか、整備の必要があるといった費用を先に送っているんですよ。これは単年度だったからいいのかもしれないですけれども、恒久だったらこれは先送りなんかやっていいわけないんじゃないんですか。先送りの財源も入っているんですね。そういったことも含めて、しかも福祉関係の項目がある程度切られていますが、増やしている項目も福祉関係なんですよ。ですから、それを一つ一つつなぎ合わせて、こちらで切ってこちらで増やすということを本当にやっていないのかについては何かのチェックをしたのかと言ったら、事務方は、全然やっておりませんということでした。  いずれにしても、ちょっとこれ後の質問ができなくなってしまいますので、このことについてはまた継続して一般質疑の中で、地域主権の法案をまたおやりになるということでしたら、これは徹底的にやらせていただきたいと思います。  次に、リコールの問題ですが、大臣は、雑誌「世界」の中で、長が主導して議会のリコールをやる前に、二元代表制なんだからもうちょっと話し合ったらどうかと。まあリコールしていろいろとやる、かなりコストの掛かることになるんですね。そこまでする前に話合いの余地はなかったのか、だったら住民投票でもいいのかというようなことをおっしゃっています。  これは、私も半分ぐらいはうなずけるところがございますし、ほかにも同じようなコメントを求められている増田元大臣とかいろんな方がそうおっしゃっているんですが、まず、その基本論については、総務大臣になっちゃったから急に元民主党の河村さんに頼まれてこれは引っ込めちゃったよなんということになるのか、あるいは御自身の信念をお曲げにならないのか、伺いたいと思います。
  42. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これ、雑誌の「世界」に書いた論文ですけれども、この考え方の基本は、私は今でも変わっておりません。  二元代表制というのは、それぞれが、議会も首長もが直接選挙で選ばれているわけでありまして、どっちかが偉いというわけではないんです。もちろん最終的には、議会が税でありますとか予算でありますとかを決めますから議会が最終的には意思決定機関になりますけれども、二元がそれぞれ並び立っているわけであります。  両方が別々に選ばれますから、必ずその中にトラブルでありますとか見解の違いというのが出てくるわけです。その際に、違うからといって、レスリングに例えますと、すぐにリングの外に出てしまうというのは、私は二元代表制の理念にもとるんだろうと思います。あくまでも、やっぱりリングの上でバトルを繰り返すんだろうと思います。  私は、知事八年間やりまして、議会との間に相当バトルやりましたけれども、リングの外に降りたことはありません。最近見ていますと、河村さんの場合には、リングの外に降りて市民と一緒に議会を倒そうとしたというパターンだと思いますし、鹿児島県の阿久根の市長は、もうリング自体を閉鎖してしまってレスリングをしないようにしたという、これはどちらもやっぱり私から見れば自分の取る道ではないと今でも思っております。  それから、ちょっとさっき自立という意味について片山議員が重要なことを言われたんで、少し私の考え方も聞いていただきたいんですけれども、私は、自立というのは、例えば自治体でありますと、交付税を交付されているから自立はあり得ないという考えはないと思います。人から支援、他者から支援を受けていても自立というのはあり得ます。  それは、例えば障害者自立支援法というのがありまして、障害者の皆さんの自立を支援する、だけれども障害者の皆さんにはきちっと福祉のサービスは提供するわけです。もし、自立というのが他者から支援を受けないということでありましたら、障害者自立支援法は成り立たないわけであります。  何がポイントかというと、支援は受けていても、決定権とか選択権とかそういうものを失わないということであります。以前の障害者福祉というのは、福祉のサービスの措置をする。そうすると自分はどういうサービスを受けたいのかという、そういう選択肢がなかった、あなたはあの施設に入ってサービスを受けなさい。今はそうではなくて、福祉サービスを行いますけれども、それは選択の余地があるわけです、自宅なのか施設なのかグループホームなのかという。  私は、自治体も同じだろうと思います。交付税は、これは経済力の格差とかそういうもので財政を均てん化する、保障するという面がありまして、その上で、例えば地方税の税率をどうするかとか、どういう施策を選択するかというのは、これが自治体の自由度、裁量であります。そういう意味で、交付税をもらっているから独立はあり得ません、独立はあり得ませんけれども、自立はあり得るということは是非御承知おきいただきたいと思うのであります。
  43. 片山さつき

    片山さつき君 そのためにはやはりできるだけ財政自主性を保てるようなサイズに地方制度自体を変更していかなきゃならないということで、我が自民党は道州制を言っているわけですが、それはなぜだか民主党政権の方でははっきり前面に出てこないで、地域主権という憲法上どうかなという言葉だけが出てきていることを前々から自民党としては指摘しているわけですが。  今、このリコールについて手続上の問題が生じているんですね。報道によると、市の選管というのはこれは独立委員会ですから、独立委員会が、余りにも疑義が多い署名が十万単位で出てきちゃったから、これはまずいわということで、確認するために延ばしたと。たとえ三千万円経費が掛かっても延ばすという判断を独立委員会としてしたということです。今日、その決定が出るようですが、それに対しては、総務省は、これは選管の判断で、必要であれば延長も仕方がないというふうに言っているということなんですが。  ここに至るまで、報道ベースでもあるいは申入れベースでも、喫茶店に置いてあったとか、署名簿が、回覧板で回ってきたとか、いろんなことがあるわけですよ。同一筆跡のものも出てきた。そういうことをやってまで集めたわけですが、問題があると思いますのは、この河村市長はつい最近まで総務省の顧問だったんですね。これ、私、昨日確認いたしました。そして、大臣が就任になってからそれをお辞めさせになった。これは、私、非常に見識があると思いますよ。先ほどの許可は顧問である人に対して大臣がやったんですよ。しかも、顧問の立場を持ちながら、何回も大臣室でいろいろなお話をされて、そのたびに出てきては記者会見やテレビに応じているということの中で、さっき私が、平成二十二年に何でこの条件を付けたんですかと。付けたときの大臣の顧問は河村たかし市長でしょう、違いますか。まずそれを確認させていただいて、こういうことがあるんですから、やはり現職の首長、これは大臣、許認可権を持っているんですよ。それがお嫌であろうが、法治国家ですから持っているんですから、それを安易にぱかぱかと顧問にしたということ、この見識のなさがこの政権の問題を如実に表していると思いますが。  それはそれとして、これは今後また予算委員会とかでやりたいなと思いますが、このリコールですね、リコールの問題について今延期の問題が起きていて、延期でしっかりと見るということですが、河村市長が十月十四日に大臣をお訪ねになっていろんなことをおっしゃっていると。またそれが記事になっていますが、名古屋のような大きな市でリコールをやるのは大変だから、もっと基準を軟化させたいというふうなことを言ったら、大臣がそれに賛同したというようなことが記事になっているんですが、これは、小さな町では一人一人が丁寧に意見を聞いてもらえて、名古屋のような大きな都市の普通の忙しいサラリーマンは喫茶店ででも字を書けと、こういうことでしょうか。
  44. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 先般、名古屋市長が私のところに来られましたけれども、いろんな話をされていきました。  その中の一つに、自身で音頭を取ってリコールをされて、今の、これは法律的には直接請求制度と申しますけれども、これの使い勝手の悪さということを指摘されました。その中の一つに、例えば名古屋市でこういう、このたぐいのリコールをしようと思ったときの署名を集める期間が、実は鳥取県で同じようなことをしようと仮にした場合の期間よりも短いんですね。鳥取県は六十万ぐらいしかありません。ですから、県と市ということで分けているけれども、ちょっとおかしいんじゃないですかというようなことを言われて、それはある意味でごもっともでありまして、人口の少ないところの方が収集期間が長いというのはやっぱりバランスを欠いているんではないかということを私は申し上げたわけであります。  それから、あわせて、必ずしも御質問ではなかったかもしれませんが、名古屋市長は総務省の顧問でありました。これは原口大臣のときに任命されたわけです。ただ、私が就任して、私が切ったわけではないんです。原口大臣が退任されるときに合わせて、顧問で任命された方について退任を促されて、同時に辞められることになったということであります。
  45. 片山さつき

    片山さつき君 それでは、現在において総務省には現職首長の顧問はいないということでよろしいんですね、今後置く予定もないということで。──はい。それは非常に重要な話ですが。  実は、大臣と河村市長がお会いになったときに再議という問題も出ているんですね。この再議の条文は、総務委員会の方も余りこれはほとんど使わなかったので、最近まで、見ていらっしゃらないと思いますが、この再議という制度があるわけですよ。  この再議というのは百七十六条にありまして、条例が出てきて、それがどうしても議会の議決が気に入らない、おかしいと思ったら、送付を受けたら十日以内には理由を付してこれを再議することができるんですね。そうじゃなかったら、これは二十日以内に条例というのは公布しなきゃいけないんですよ。ところが、この夏、事件が起きまして、お盆休みが入ったから忘れちゃったのか、盆踊りがあったのか知りませんが、何日たっても何のアクションも取られないという状況が起きたんですね。それも、非常に重要な案件ですよ。これを見て、先ほどおっしゃった阿久根の市長が、名古屋でやっているからいいじゃないかと、条例なんかほっときゃいいんだよと言い始めたわけですよ。  これは非常にあしき前例なんであって、ですから、きちっと決めなくちゃいけないんですね。自治体で期限内に条例をいつまでに公布しなくちゃいけないのか、それを、自治法のコンメンタール等でもいろいろあるようですが、明定しておかないとこういう問題が起きるんですね。全般的に、首長と議会との間で争訟が起きたときの解決紛争手続についてのデュープロセスが足りないんですよ。それがすべての原因になっているんですが、それを全部責任を負うのは総務省なんですよ。  それについても、私は非常に甘いと思ったのは、この再議について、再議理由があるのかないのかについて知事に申し立てた。神田知事も、非常におかしなことを言っているけれども、これは二元代表制の根幹にかかわる問題だから徹底的にやると、時間を掛けてやると。しかも、有識者懇談会もつくると言っております。ところが、総務大臣は、申立人である市長の話はもう聞いていて、神田知事とは会っていないわけですよ。こういうスタンスは非常に疑義を招きますよ。  それからさらに、これが、知事があるいは却下の申立てをした場合には、市長側は恐らく裁判所に出訴するわけですね。出訴したら、地方自治法を所管しているのは総務省ですから、逃げられないんですよ。当然、私も役人時代、出しましたけれども、この法解釈が争われた場合は公定解釈を持っている役所の意見を出すんですよ。ですから、この点についての考えはいずれ問われるんで、もう問われることが見えておりますので、この場でしっかりと答えていただきたいんですね。  つまり、ここに条文が付けてありますが、首長の一般的な行政執行管理権のようなものをもって条例の制定権という議会の幅広い権限を制約することができると考えているのか。これはもう個別的に例がはっきりしていますからね。民主党にとっても非常に重要ですよ、事業仕分ですから。議会が条例として事業仕分をやって、その中に市議会議員を入れるということに対して首長が反対しているんですが、元民主党の代議士だった首長ですが、民主党政権の目玉である事業仕分では皆さんが入っているんじゃないですか。  じゃ、なぜそういうことが起きているのか分かりませんけれども、ですから、これはいろんな考え方があるという答えが返ってくるでしょうね。いろんな考え方がある問題がなぜ違法なのか。こういうものを全部認めていたら、もう行政は停滞して混乱するだけですよ。もう名古屋では最近こういう話ばかりしかしていなくて、円高不況に対する対策ということは聞こえてこないですから。  それは市民の選択でそういう市長を選ばれたんだからいいかもしれませんけれども、こういうときにこそ総務省はしっかりしていただいて、管理監督するところを、昔のように、私が役所に入省したときには本当に自治省は偉くて、机の上に足を上げて、自治体の人が来ると、あいつが見えた見えないと言っていた役所ですよ。そのころにはもうお入りになっている方ですから、もうちょっとしっかりしていただけないでしょうか。
  46. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 今回の名古屋市におきます市長と議会との対立というのは、これは地方自治法の仕組みによりますと、今おっしゃったように、愛知県知事にげたが預けられるといいますか、そこで一つの解決がなされるわけです。それでも不服であれば、どちらかか若しくは双方から裁判所に行って司法で解決をするということになります。もちろん、その過程で、参考意見として総務省でありますとか総務大臣たる私の見解が求められるかもしれませんけれども、それはそのときにそれに応じて私の考え方を申し上げたいと思います。  一つ、せっかくですからお話をしておきますと、先般、河村市長が来られたときに、これも議論になりました。議論といいますか、話題になりました。そのとき私が申し上げましたのは、議会というのは、国では国会が国権の最高機関、国の唯一の立法機関にして国権の最高機関であります。それは憲法に書いてあります。自治体ではそういう憲法に書いてあるような国権の最高機関と同じような文言はありませんが、地方自治法の九十六条というところにるる自治体議会の権限が書いてありまして、そこでは例えば予算でありますとか、それから税の賦課徴収でありますとか、それから決算の承認でありますとか、重要な財産の売るとか買うとかの承認でありますとか、要するに自治体の非常に重要なことはすべて議会の権限になっているわけです。ですから、議会の権限というのは最大限認められるべきだと私は思います。そういう観点から見て、まあ直接答えは申し上げませんけれども、その権限を越えているとか違法であるとかということになるのかどうか、そこはよく考えられた方がいいですよという話を申し上げました。  じゃ、議会は何でもできるのかということに次になるわけですけど、そこは必ずしもそうではなくて、憲法には自治体には議事機関として議会を置くと書いてあるんです。議事機関というその四文字なんですけど、そこにおのずから制約があるだろう。それは何かというと、議会が行政の執行権にわたるようなことをやる、それは駄目ですよと。だけど、議会が執行権を縛る、例えばさっきおっしゃったように議員を入れろというのは、これは執行権に対する制約を加えるわけでありまして、それはその議事機関としての権限を超えてはいないのではないかというようなことを私はそのとき個人的な見解として申し上げておきました。
  47. 片山さつき

    片山さつき君 この件につきましては、今日お越しいただいている政治家である副大臣と政務官にもちょっとお聞きしたかったんですが、今回、地域主権法の中で直接請求、地位を濫用して署名運動をした公務員等について罰則が設けられているんですね。この精神からいくと、今回、市長が主導して、市長の名前を冠した、市長の自宅を本拠地とする後援団体が積極的に動いているということがそもそもどうなのかという問題もありますし、さらに現職の菅内閣の政務官である松木けんこう氏が市長の側の応援に入っていると。この点に関しては、これはちょっと予算委員会でやりたいと思いますが、これはもう内閣を挙げてこういうことを助長しているのかと見られても不思議はないですよね。当然、政務三役会議で横の連絡がなければおかしいけど、まあどうも余りないようですが、その辺については次回お伺いしたいと思います。  ここで総務大臣に、これは過去の話ではございますが、大臣は鳥取県知事時代及びその前後に数回以上にわたり北朝鮮に渡航されていらっしゃいますね。そして、その際、北朝鮮、これは当時の報道で知事自身がお認めになっていらっしゃいますので、そうなのかなと思いますが、そこで二〇〇二年七月三十一日に、主体思想、チュチェ思想への共鳴者のノートに鳥取県知事片山善博、二〇〇二年七月三十一日と署名されておられます。で、このチュチェ思想というのは何かというと、金正日体制そのものであります。まあいろいろと難しいことが書いてありますが、要は民主主義でもなく自由主義でもないということですね。で、これからこの委員会議論をしていく上で、大臣が民主主義ではなくてチュチェ思想を信じているということであると我々は審議には応じられませんので、まあ前非を悔いて反省していただけるのかどうか。  そして、この関連でですが、外国人参政権問題についていかなるお考えをお持ちなのか。そして、各委員会質問させておりますが、朝鮮学校についての無料化、高校無償化問題の中で朝鮮学校について、まさにチュチェ思想を体現し、拉致問題等についても認めていないというような教育を行っている朝鮮学校の無料化についてのお考え。  まず、北朝鮮との交流について、それからチュチェ思想へのお考えについて、それから外国人参政権問題について、朝鮮学校についてお聞きしたいと思います。
  48. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 何か私がチュチェ思想に共鳴する、その文書に署名したとおっしゃいましたけど、一切そんなことはありません。そんな記事が実は出たことがあるんですけれども、それは何かの間違いだと思います。  私は、過去二回、数回以上と言われましたが、二回北朝鮮訪問しました。それは、当時、鳥取県の知事をやっておりまして、鳥取県には境港という、最近「ゲゲゲの女房」で有名になりましたが、港湾がありまして、そこと例えばウラジオストク、それから韓国の東海岸の東海、それからできれば北朝鮮などを結ぶ航路ができないかと、定期航路ができないかということを模索しておりました。そんなことも併せて念頭に置いて、ロシアの沿海州、それから韓国の江原道、それから中国の吉林省、それからモンゴルの中央県、そこに北朝鮮も咸鏡北道か羅先市かどこかが入ってくれないかなという、そういう構想でいざないに行ったわけであります。  そのときにそんな署名するはずがありません。ただ、ジャーナリストの方で、見たよという方がおられまして、私もそれを聞いたんですけれども、ただ、どんな筆跡か、それを見ないと何とも申し上げられません。もしだれかが私に代わって名前を書いているなら、これはもうさっぱり分かりません、そんなことは。  それから、唯一何かあるとすれば、名前を書いたことはあります。それは、私、当時訪朝しましたときに、当時の県会議長と一緒に訪朝しまして、それは自民党所属の議長でありました。その方と二人、あと随員が行ったんですけれども、そのときに、ある施設を訪問したときに訪問記念に署名簿に名前書いてくれと言われまして、そこで二人で書きました。そのときに、その前後に何もありませんでした。後でだれかがそこに例えばチュチェ思想礼賛とか書かれたら、それはもう私の責任を離れます。  万が一、そんなことがあるのかなと思ったりしましたけれども、きっぱり申し上げますけれども、私がチュチェ思想を、まあどんな思想か知りませんけれども、それを礼賛するようなことを書いたことは一切ありませんので、もうこれは私の名誉にかかわる問題であります。そこはよく御認識をいただきたいと思います。  それから、在住外国人の地方参政権の問題につきましては、これは私はまだまだ国民の間で共通の理解が得られていないと思います。よくこれから議論を行うべきだと私は思います。  それから、朝鮮学校への支援の問題につきましては、これは今文科省の方で検討されていると思いますので、そこでよく御議論、御検討をしていただければと思います。
  49. 片山さつき

    片山さつき君 ありがとうございました。  人権救済条例についても鳥取県知事時代に通しておられて、これも非常に問題があるということでその後廃止されたんですが、次回以降そういったこともお伺いしたいと思いますが、まあチュチェ思想を信奉しておられないということは非常に安心しましたので、これからは民主主義の下で議論をしてまいりたいと思います。  終わります。
  50. 山崎力

    ○山崎力君 自民党の山崎です。  幾つか質問させていただきたいと思いますが、最初ということもありまして、さきの委員会における両大臣の発言の内容から少しやらせていただきたいと思います。  特に片山大臣におかれては、いろんな考え方あろうかと思いますけれども、見えていないところがございますので、ちょっと議論になるかもしれませんので、こう言っては何ですが、自見郵政改革担当大臣の方からお伺いしていきたいと思います。  先日の話の中でちょっと私自身引っかかったことがあったのは、中国での言及がございました。そして、そこでは、郵便サービスに比べて、貯金、保険のサービスを提供し、多くの農村部の人々の暮らしを支えていこうとしているというのが中国であると、そういったことで三事業一体やユニバーサルサービスの実現は我が国だけでなく世界の様々な国々で重要な政策課題となっていると、こういう言い回しでございました。  これをこういう形で言われたということは、今の郵便会社、五事業というのか四事業というのか知りませんが、それをまとめて三事業一体の経営にしていきたいという意思表明と受け止めてよろしいんでしょうか。
  51. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 山崎力議員に御答弁させていただきますけれども、委員御指摘のとおり、三事業一体を目指しておりまして、郵政改革法案は第一条の目的で規定しておるとおり、「郵政事業に係る基本的な役務が利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにする」、すなわち郵便局での三事業一体の実現をその大きな柱の一つとしております。
  52. 山崎力

    ○山崎力君 ということは、報道によりますと、公社化は目指さないんだという言い方をされていたと思いますが、三事業一体でやる、それをしかも法定で、民営化として言ってきた。そこに対してのいろんな経過というのを私も存じ上げている人間の、存じ上げて皆さんいらっしゃると思いますけれども、あえてここでは繰り返しませんが、そこのところまで踏み込んで、要するに一つ会社、公社に近い会社にして事業経営していくという考え方で、それはいわゆる与党合意の中に含まれるというふうに理解してよろしいんでしょうか。
  53. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 三事業一体でございますけれども、形態は、この国の、昔の国営をやっておりました時代がございました。その国営に戻すわけでもなく、また、一時郵政公社という公社の形態を取っておったこともございますけれども、公社にまた戻すわけでもないと。株式会社のままの形態で三事業一体をやるということでございます。
  54. 山崎力

    ○山崎力君 ということは、株主として国がその一体的な経営を民間会社にするという、そういうふうな考え方でございましょうか。
  55. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 先生御存じと思いますけれども、郵便、貯金、保険でございますね、これを、三事業を、今の法律のままだと十年たてば、まあ今でも、御存じのように郵便貯金事業は一般の銀行法の適用になっていますし、簡易保険も一般の生命保険業の管轄の下でなっておりますけれども、そういった中でユニバーサルサービスというのを、今のところユニバーサルサービスやっていますけれども、十年たったら完全な民間の銀行あるいは民間の保険会社になるわけでございますから、地域によっては、完全な民間になった場合、本当にこの地域で三事業一体やっていけるのかと大変不安もございますし、また、御存じのように、今この郵政事業、大変ここのところ、十年間にたしか三回ほど形態が変わったと思いますが、平成十一年、郵貯資金が二百六十二兆円ございましたが、平成二十一年度には百七十六兆円に郵便貯金減少しまして、約この十年間で八十五兆円郵便貯金が減少しておりまして、また、簡易保険の保有契約件数が平成八年度には八千四百三十二万件ございましたが、約四千万件減りまして、実は今四千四百六十五万件だということを、これ平成二十一年でございますけれども、こういったデータを今、私の方いただいておるわけでございますが。  そういった意味で、全体的に非常に経営基盤が弱くなったということも含めまして、しかし、そういった経営基盤弱くなったにもかかわらず、やはりユニバーサルサービスをきちっと、どういった町でも村でもあるいは離島でも、今やっておりますけれども、それを継続してやっていきたいという、住民の方に非常に不安がございますし、そういったことを含めて、それが実現するようなやり方を考えたということでございます。
  56. 山崎力

    ○山崎力君 この問題というのはいろいろ経過があって、私の方も一々そのことに触れているとそれだけで相当な時間掛かりますので、今の時点、現時点でのことを申し上げれば、要するに、自民党、小泉内閣時代、すったもんだの大騒ぎの末できた民営化のやり方、それが民主党それから国民新党の連立政権においては、当時のいろいろな事情で決まったことではあるけれども、ユニバーサルサービスがこのままでは立ち行かなくなるという結論が出て、そしてそれを先取りして、今回、せんだっての国会で駄目になった法案を今回また出すと、そういうふうな理解で我々はいるわけです。  ただ、そこのところで、本当にその検討がなされていたのかどうかということは疑問ですし、私どもの考え方からすると、今までの経過から見て、内部的にはあったにしろ、さきの参議院選挙を前に郵貯の限度額を一挙に二倍にして二千万円にしたと、これは何なんだということもございます。そういう意味でのある意味での唐突感というものの原因がどこにあるのかということも正直言って分かりません。  ということは、あえてこの場できつい言葉で言わせていただければ、本当に郵便制度の、今の郵便制度、将来のユニバーサルサービスのことを考えて、今国会で通る形の法案として出される気持ちがあるのかなという疑問を持っております。本当にこの問題を詰めて国民のユニバーサルサービスの維持を図るんであれば、もう少し与野党で詰めた形での法案でなければ難しい。それはもう重々御承知のことなんですが、それをこのまんま出されているということに関して、ちょっと私自身、経過を知っている者として違和感を感じているということを申し上げたいと思います。  もし、そこの点について感想等あればお聞きします。
  57. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 山崎先生御存じのように、これは大変、五年前の小泉選挙の前も、我が党内でも大変、数か月間も非常に熱心ないろいろな討議があったところでございまして、五年前の選挙でも、これがただ一つのある意味でシングルイシュー的な御存じのように選挙になったわけでございまして、郵貯の預入限度額二千万円に引上げについてという話が今、山崎先生からございましたが、本年三月に、限度額引上げの方針は、亀井静香、私の前の郵政改革担当大臣と原口前総務大臣が国民の貯蓄動向及び利便性、郵政事業の経営状況等を勘案しつつ、地域の中小・地域金融機関等への影響も考慮してバランスの取れたものとなるように総合的に判断したというふうにお聞きいたしておりますが、引き続き当該方針を踏まえて適切に対処したいと思っておりますが、しかし、先生もう御存じのように、限度額については政令で定める事項でございまして、この法律の案文の中には入っておりませんので、この度、御存じのように、提出した郵政改革関連法案の内容とは直接は関係がないものでございます。
  58. 山崎力

    ○山崎力君 そういうふうに答弁されると、結局、そういうことを含めた、政令でいじくれるものだから関係ありませんよと言われるんだったらば、そういうふうな考え方の下での法案全体も認めるわけにはいかなくなりますよと、その辺のことを踏まえた上でこの法案を提出されているんですかということを申し上げたかったということであります。  時間の関係で次に飛びますが、デジタル放送、来年七月ですが、まだまだ十万単位で見られない方がいるであろうということでいろいろ努力されているのは分かるんですが、今回のいろいろな補正、それから来年度の予算につきましても、いわゆる対策費というのが十全になされているのか、それとも、それに呼応した形での対応策という現場でのあれができているのか、その辺の自信のほどをちょっとお聞かせ願えればと思います。自信というか、決意のほどですね。
  59. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 現時点での進捗は順調です、数字の上で。ただ、もちろんまだ残っておりまして、これを本当に来年の七月二十四日までにゼロに近くなるまでするというのがこれからの課題であります。正直に言いまして、よく経済学で収穫逓減の法則といいますけれども、だんだんだんだん最後になるときには、投入するエネルギーと成果との間に、投入するエネルギーに比べて成果が薄くなるということがありますので、より一層努力しなきゃいけないと思います。  これから力を入れなきゃいけないのは、例えば山間部でありますとか、それからビル陰でありますとか、それから経済面での低所得の方々でありますとか、あと高齢者で情報がなかなか届きにくい方々とか、そういうところがこれから力を入れなきゃいけないと、もちろん今までも力を入れておりますけれども、これから力を入れなきゃいけないところであります。  様々な予備費でありますとか補正予算でありますとか、いろんなことを通じて今全力を挙げているところでありまして、これからももう最後まで本当に全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
  60. 山崎力

    ○山崎力君 片山大臣におかれては、鳥取の知事ということで見当付くと思うんですが、これから現場での本当に電波が届くかどうかのチェックがあります。そのときに、デジタルの場合、非常に問題になるのが雨、雪、特に雪の場合はどうなるのか。これは時期が限られております。もう来年七月といっても、二月、三月くらいまでにチェックしておかなければ雪の影響というのは現場ではできません。ということを頭に置いて、いろいろ御努力願いたいと思います。  それではちょっと、本来、ここのところでのいわゆる片山大臣における発言について質問させていただきますが、民主党の政権、国民新党さんとの連立ですが、その中でいろいろな発言がなされておりました、いわゆる自治問題に関してですが。その一つのというか、大きく分けて私自身その問題に関しては二つあろうかと思います。いわゆる言葉で言えば地域主権、この問題ですね。それから一括交付金、絡んでまいりますけれども、この二つの言葉の問題を少し考えてみたいなということでお伺いいたします。  と申しますのは、その前提として、ずっと民主党としてこの二つの言葉でぶち上げてという、表現がいいかどうか分かりませんが、一つの方向性として出してきました。逆に言えば、打ち上げたのはいいんですが、その中身、実体はどうなんだいということがなかなか説明が付かないまんま今日来ている。付かないといいますか、説明しないまま、あるいはできないのかもしれません。そこで、その説明ができる個人を探して、能力のある人を探して今総務大臣を引っ張ってきたんじゃないのかなというふうな気すら私自身はしております。  ただ、そうなってくると、片山大臣自身は民主党の肩書で選挙をやられたことのない人でございます。政治主導と言いながら、どこまで今の政権の、民主党あるいは国民新党さん連立との考え方と一致しているかどうかというのも、政治主導という言葉、どこまで適当か分かりませんが、そこのところにもちょっと引っかかりがないわけではございません。  そういった意味で、もし今後の御答弁の中で、私ども片山大臣説明を民主党政権の説明として受け取りますが、もし個人的で、まだそこのところは正確に党として、政権として詰めているものではないというものであれば、そこのところは明確に分けた形で御答弁願いたいと思います。  それでは、まず基本的なことをお聞きしますが、地域主権と地方分権との一番の違いは何か、長くなるといけませんので、短いなるべく言葉で的確に御答弁願いたいと思いますが、そこから議論を始めたいと思います。よろしくお願いします。
  61. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 自民党政権の時代には地方分権と専ら呼び習わしてきました。これは、地域主権との対比でいいますと、地方分権というのはそもそも中央にある権限を分配するんだと、分権するんだという、どちらかというと上から目線を感じます。  それに対して、それの一つのアンチテーゼといいますか、そうではなくて、そもそもこの地方自治というのは、地域に元々主体があって、本来、地域が主人公であって、そこから自治体が形成されるということを表さんがために地域に主権があるという、まあ地域主権、地域主権改革と呼んだものだと思っております。
  62. 山崎力

    ○山崎力君 そこの絡みから来ているんだと思うんですが、この間の発言の中で、いわゆる地域の住民が自ら考え、主体的に行動し、その行動と選択に責任を負えるよう、この国の在り方を大きく転換していくと、必要だと、こうおっしゃっていますが、この言葉を裏返せば、今までの地方分権では地域の住民が自ら考えることができず、主体的に行動することができず、責任も負えなかったというふうに読み取れるんですが、それでよろしいんでしょうか。
  63. 片山善博

    国務大臣片山善博君) そんなにゼロか十かという議論ではないと思います。程度の問題だと思います。  その点でいいますと、私は二つ問題があったと思います。一つは、これまでの地方分権改革というのは、どちらかというと、地方自治の講学上といいますか、地方自治の学問の世界では団体自治の強化ということに随分力を入れてきたんです。自治体を強化する、権限を強化する。もう一つの要素としては住民自治というのがありまして、その団体を住民がコントロールするという、こちらの方はやはり手薄であった、まあはっきり言えば欠落していたという、そういう問題意識を私は持っております。  それからもう一つは、団体自治であっても、まだまだ自治体の方の権限に属させた方がいいだろうと思うものが少なからずあります。そういう面で、全く何にも住民ができなかったということはありません。ある程度のことはできておりますが、更に住民の皆さんの満足度の高い地方行政を展開しようと思えば、もっと団体自治も強化しなきゃいけないし、住民自治を一層強化しなきゃいけないと、こういう問題認識を持っております。
  64. 山崎力

    ○山崎力君 だとすれば、この言葉遣いというのが非常に問題でございまして、何々できるよう我が国の在り方を大きく転換していくと、こう書いてあるわけですよ。程度問題、大きく転換していくという表現が適当かどうか、私は疑問に思いますが、その点いかがですか。
  65. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 例えば具体例で申しますと、北海道の夕張市は財政破綻しました。なぜ破綻したのか。まあいろんな理由があるんですけれども、例えばいろんな施設を夕張は巨費を投じて造ったんですけれども、その過程で住民は全く参画しておりません。選挙を通じて四年に一度というのはありますけれども、それぞれの事業を予算化するときには参画しておりません。  例えば数億掛けて観覧車を造るといったときに、例えば住民投票でその賛否を問うとか、若しくは、巨費を投ずるんですから、数年間、固定資産税か市民税を上げる、これはどうかと、こういうふうな住民の意思を問うような契機があれば随分違っていたと思うんです。恐らく夕張はあんな状態になっていなかったと思います。  そういうことを考えますと、多少オーバーかもしれませんけれども、大きく社会を転換するというたぐいのことは、私は表現してもいいのではないかと思います。
  66. 山崎力

    ○山崎力君 ちょっと片山さんらしくない議論のすり替えでございまして、一番極端な夕張のことをおっしゃってそういうことを言うんであれば何でも言えるわけです。  それじゃ、夕張以外のところはどうだったのか。まさに片山さんの同僚である自治官僚、そしてそれぞれの地域における地方官僚、そういった人たちが一生懸命それなりにやっていて、しかもそれと同時に、住民の代表として選ばれた市会議員や町村会議員、県会議員、そういった人たちがやってきて、それを全部大転換しなきゃいけないよというふうなことをおっしゃっているわけですよ、程度問題だと言いながら。みんなばかだったと言わんばかりの私は受け止め方をされたときにどう思うかということなんです。  夕張で言います。四年に一度と言いますが、市長だけじゃないんですよ。市会議員もやっているんです。そして、今、片山大臣のおっしゃったことで一番の問題は何かといえば、日本国憲法における基本理念である間接民主制の否定の言葉につながる言葉をおっしゃっているわけだ。そして、今地方自治体は何をやっているか。これ、いわゆる質問通告はしていませんけれども、その話の内容からいけば、地方自治体が財政に困って議員定数をどんどん削減しているんですよ。そのことと今、片山大臣のおっしゃったことがどのように連関するんですか。  住民の代表を議員として選ぶ、そして住民は直接首長を選ぶ、その緊張関係の中で住民に対するサービス、行政サービスをしていくという我が国の間接民主主義的な地方自治制度を根幹から変えるというふうな受け止め方をされても致し方ないような今の説明なんですよ。  当然違うと思いますけれども、私の受け止め方のどこが原因で、誤解しているとすれば、誤解のもとはどこにあるかお答え願えますか。
  67. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 私は別に今の間接民主制を否定しているわけではありません。  さっき夕張の話を持ち出しましたけれども一つは、私は夕張は特異な例だとは思っていません。夕張は例外ではなくて、夕張はこれまでの自治体の一つの代表だと思っています。その意味は、確かに財政破綻しているのは今日では夕張だけですけれども、財政が危機的な状況にあるのはもういっぱいであります。似たような構造であります。借金をした後で交付税で面倒見るよと言われていろんなものを造ってきたという面では一緒なんですね。そういう意味で、夕張は私は代表だと思っています。  それから、間接民主制を否定しているものではないというのは、私がさっき言ったのは、夕張で例として挙げましたのは、観覧車を造ります、そのときに、物入りですから、これは、ですから、向こう十年間住民税を上げさせてもらっていいですかというような契機が今ありません。すべて借金でやりますから。それが例えば、議会が、税条例は議会が決めますから、その税条例を改正して、例えば向こう十年間固定資産税を少し上げるというような、そういうことが今メカニズムとしてあれば随分変わってきたんだと思います。それは決して直接民主制ではないんです。議会が税条例を変えるということです。ですから、この点では、間接民主制がより円滑になるような、そういう制度改正なり運用の改善が必要だろうということを申し上げているわけです。  もっとこの際ですから付け加えて言いますと、アメリカなんかを見ますと、間接民主制を基本にしながらも、しかしそれを補完する意味で、時には住民の住民による住民投票を行う。それは例えばごく重要なことであります。そういうことは補完的にはあってもいいのではないか。間接民主制を基本とするけれども、補完制度はあってもいいのではないかというのが私の基本的な考え方であります。
  68. 山崎力

    ○山崎力君 今おっしゃられたことで幾つか問題点が私なりに感じているとすれば、夕張のときにそういう制度が、今おっしゃられたような制度があればできたのかという話なんです。改善できたのかと。  あの問題は、一番最初に言わせていただければ、今の制度であろうと、そういう制度があろうと、ああいう形でいわゆる財政を市議会その他から隠すような処理をして取っていた。それを見抜けなかった市議会の議員たちはみんな節穴だったというふうに言っちゃえばそれで済んじゃう話なんですよ。その制度を、今大臣の言われたことを取り入れることによって、その節穴じゃない市会議員、住民が増えて、途中で止めれますか。その議論に行かなくちゃいけないはずです。  そして、もう一つ言わせていただければ、確かに日本全国、自治体が非常に財政的に困っている、このことは事実です。そして、そのことを何とかやるためのツールとして、先ほど言ったような形でのいろいろなことをできる部分があるんじゃないか、それがいわゆる先ほどの大きな転換と、こういうふうに言うにしては、私はそれほどのことではないなと思います。  まさに分権から主権という、主権という非常に難しい言葉を使う。これは片山大臣が、私に言わせれば、非常に怒る方もいらっしゃるかもしれませんけれども、民主党的なプロパガンダ、宣伝に乗っかって主権というものをやっていると思います。  ではということでお伺いしたいと思うんですが、その地域主権は行き着くところ、どこまで行くんですか、主権という言葉からいけば。本来、主権という言葉からいけば国民主権、いわゆるこの辺から来た、あるいは国家主権というところがありました。その辺の概念は分かります。税金をどう決めるのか、戦争を始めるのか始めないのか、教育制度をどうするのか。  例えば、アメリカにおいては、いわゆる分権、州のあれで学校制度がそれぞれ州内でも違うということがあります。そこまで考えた上での主権ですか。まさにこの主権の問題というのは、国と地方の役割分担をどこまでするのかという大きな問題なわけです。そのことをしっかりと考えた上でこの地域主権という言葉を民主党が持ち出してきたとは私には思えない。いかがですか、片山大臣
  69. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、国家主権と地域主権というように対比させて考えるべき問題ではないと私は認識しております。  継続審議になっておりますその地域主権改革関連法の中に、地域主権改革という六文字の定義をしているはずです。地域主権改革とは云々と書いてありまして、ですから、その範囲だと理解していただいたらいいと思いますし、私もそう理解しております。  これを非常に分かりやすく表現したのが、前鳩山総理が去る一月二十九日の施政方針演説の中で、地域主権改革とは、地域のことはその地域に住む住民の皆さんが責任を持って決めることなんです、そのようにするのが地域主権改革なんですという意味のことをおっしゃられておりまして、私はそのとおりだと思うんです。地域のことは、だから、国家のことではないんです、戦争するかどうかなんというのは国家のことですから。地域のことはその地域に住む住民の皆さんが責任を持って決めるということです。  地域で決められないことは、じゃ、だれが決めるのかというと、これは最近の用語で言いますと補完主義の原則というのがありまして、市町村で決められないことは都道府県で決める、都道府県で決められないことは国家で決めるという、こういう補完主義の原則にのっとって事務の配分とか権限の分配がなされていくべきだと思います。
  70. 山崎力

    ○山崎力君 分かっておっしゃっているのかどうかあれですけれども、主権というふうな言葉を軽くされたような気がしますけれども。  今、私の言っていることを御理解されていると思いますが、何がそれじゃ地元で決めれることなんですか、市町村で決めれることなんですか。何が県で決められないことなんですか。そこのところが一番の問題じゃないんですか。  一番のポイントを言います。この地域の住民は、我々はここまで決めたいと思った、別のところの住民は、我々の決めるところはここまででいいと思った、それを認めるか認めないかということがこの問題の一番の問題だと思うんです。我々は国税を納めたくない、全部地方税で納めたい、そして使いたい。こっちは、そんな税金は少ないから、国の方からもらいたい。それをどう、地元で決めれるか決めれないか、それがまさに分権論の一つの大きなポイントになる。裏返せば、主権論の大きなポイントになる。  鳩山総理が当時おっしゃったこと、それはそれで分かりやすく言っているんだけれども、それをそれじゃ具体的な政策に落とすときにどういう落とし方できるかというのが分からないというのが私の一番最初に申し上げたことなんです。そのことについてはいかがでしょうか。
  71. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 今議員がおっしゃった、所得税を自分たちのところでどうするかというのは、これは国の仕事でありまして、地域のことではありません。それは国家が決めることです。  そうではなくて、税の話がせっかく出ましたから税でいいますと、住民税をどうするのかという、これは地域のことです。仕事をたくさんして住民税や固定資産税をみんなで高く納めましょうかというのも、これも選択肢です。いや、税高いの嫌だから、もう仕事はできるだけ減らして、行政改革をやって、少し税率を下げましょうというのも、これも地域が地域で決めるということです。国税は全国一律で、所得税は何%、法人税は何%と決める。そこに地域の皆さんが、いや、私たちの地域のことだと言う余地はない、私はそう考えております。
  72. 山崎力

    ○山崎力君 そこでずれなんですよ。何で所得税は国の税金なんですか。今決まっているからでしょう。国が、国民が、我々が決めたからなんですよ。我々は、それと同時に地域の住民でもあるんです。私は青森県民だし、片山大臣は、今どちらかは分かりませんけれども、かつては鳥取の県民であったし、私は青森の市民であり、恐らく鳥取であれば鳥取の市民であると。  それぞれの段階で決めれますか。どこまで、その市民としてどこまで制度を要望しますか。日本国民としてどういうことをやりますか。夜警国家論からいったら、これ以上言わなくても分かると思いますけれども、全部違ってくるんですよ。そのことに今取っかかろうということがいわゆる地域主権の話。そこまで考えているとはとても思えないというのが私の今の内閣に対する不信の根本にあるということを御理解願いたいと思うわけであります。  そして、そこのところでどういうふうに片山大臣説明していくのか。今みたいに、所得税は国税なんだから関係ないんです、それは国のことなんで地方とは関係ないんですよ。その発想だったら、この主権の問題は見えてきませんよ。税金というのは、まさに中央目線でいっているわけですよ。所得税というのは国税なんだからこの問題には、討論にはなじまないということ自体が私に言わせればおかしいんですよ。国民一人の立場からすれば、国税であろうと県税であろうと市町村税であろうと、納める税金は変わらない。それをどういうふうにどこまで国の方に持っていくのか。地方の方にやるのか。  三位一体改革のときもその議論ですよ。この部分については国税の方で六割取っている、地方は四割だと。仕事は違う、五分五分だと。だったら、国税の部分を一割を地方に持っていった方がいいんじゃないか、それが三位一体の改革の基本的な考えだということは釈迦に説法だと思うんです。そのときに所得税の、だから国税だから関係ないというのは、もう完全に中央集権的な目線で考えているとしか私は思えない。  その点でいけば、一番この問題でのポイントは何かといったら、地方に任せておいていいのかと、制度論として、そして財政論として。国全体だからいろいろなところで地方交付税その他も出てくるんだけれども、ある村で一括して全部税金を納めたってその村の仕事は賄い切れませんよ。そういうところが幾つもある。国税分も全部納めても村で取ってもその村の財政需要を賄えぬというのは幾らでもある。その比率の問題からいったら、その村の人たちは、おれたち地方税要らないよと、全部国で持っていってください、その代わり地方交付税を潤沢に下さいねと。今度の一括交付金その他の問題でも、一番の地方の本音、これは三位一体改革のときにありました。補助金であれ交付金であれ何でもいい、総額が増えればうちは助かるんだと、本音で言う、まあちょっと問題があるかもしれないけれども、そういう人たちも多かったわけです。  そのことが続いての問題にもつながってくる、私はそう思っていますが、今までのところで何か御所見あれば伺います。
  73. 片山善博

    国務大臣片山善博君) ちょっと論点が錯綜しているようなんですけれども、国税と地方税が、今おっしゃったような意味で、例えば交付税でありますとかそれから税源移譲でありますとか、そういう面でつながっているということは確かでありますけれども、私が申し上げておりますのは、そうやって決まった後の国税というのは、これは国の必要性に基づいて税率は決まっているわけです。  それに対して地方税というのは、自治体の意思によって、どれぐらい仕事をしますかによって多寡が決まってきていいはずなんです、たくさん仕事をするか少なく仕事をするかというのはこれはもう裁量の問題ですから。もちろん、交付税制度がありますから、大体これぐらいの、まあ標準税率って言いますけれども、大体これぐらいを取るのがいいんじゃないですかというのはあっていいですよ、それに基づいて交付税は計算しますから。だけれども、それでもうがんじがらめになって、全国どこに行っても固定資産税は一・四%というような、そういうことではなくて、仕事をたくさんするんなら一・五でもしましょうか、同意を得て。仕事を減らして一・三に下げましょうかというような、そういう意思決定は自治体で私はやったらいいと思うんです。そこに国がいいの悪いのと言うことは必要ないと思います。そういうことを申し上げているんです。今はそれが事実上できないんです。  したがって、できないということは、議会が手足をもがれていると、まあちょっとこれはオーバーかもしれませんけれども、本来、税率というのは議会が決める仕事なんです。その決めるときの基準は、仕事をたくさんすれば税率上がりますよ、いいですかということを決めるわけですね。議会は今そこのところをやりませんから、事実上やれませんから、そこを大きく転換しましょうという意味で、大きく社会を変えるということにもつながるわけです。
  74. 山崎力

    ○山崎力君 議会の話されましたから、論点飛んでいると言いましたけれども、私の方から言わせていただければ、大臣お答えのところがいろんな論点を含みながら飛んでいるといいますか、説明されようというので、その辺のところをただそうと思えばそういうふうになるということで御勘弁願いたいと思いますが、今議会が手足もがれているという表現しました。これはだれがもいでいるんですか。
  75. 片山善博

    国務大臣片山善博君) それは私は二つあると思います。  一つは、地方税財政制度、標準税率というのがあって、さっき片山議員とのやり取りもありましたけれども、標準税率を下回ったら途端に起債の発行権能がなくなる、発行しようと思ったら禁止を解除する許可を求めなさいという、こういうのも一つの足かせであります。  それから、私は自治体自体にも問題があると思います。税を論じようとしない。  例えば税条例というのが、国でありますと所得税法とか租税特別措置法とか法人税法に該当しますけれども、これを多くの団体で議会で議論しないで長が専決処分で決めているなんて実態もあります。これはやっぱりいけないことなんです。ただ、それも、地方税法の改正、これはちょっと国会に関連するんですけれども、毎年度、三月になってから改正の議決が行われる。そうすると、翌四月から課税するときにもうほとんど審議する余裕がない、いとまがない。そこで専決してしまうという実態もありますから、この辺は地方税法の改正のスケジュールなんかも実は考えていただかなきゃいけないことなんです。そういう要素があると思います。
  76. 山崎力

    ○山崎力君 時間が来ていますのでこの議論はまた後ほどさせていただきたいんですけれども、一番私が感じているのは、それは地方自治体も悪いんですとか、こういう制度が、議員もやろうとしないんです、悪いことなんです、これ決めるのはその自治体の住民じゃないんですか。国の方で法律でそこのところをやればというのが、私自身からいけば、地方自治、国の主権が地方の主権を侵しているんじゃないかなという、その辺の疑問があるということを御理解願いたいと思います。  そして、一括交付金のことを最後に質問させていただきます。  これはどういう制度なんですか。だれが決めるんですか。一番最初は財源は恐らく補助金で出ているのを内閣府なりなんなりが集めてきて、それをどういう基準で配るんですか。そこのところがなければこれは議論のしようもない。ところが、ずっと一括交付金、一括交付金。この点について、大臣、いかに御説明なさいますか。
  77. 片山善博

    国務大臣片山善博君) まさしく国会での議論をしていただくために、今そのための準備作業をしているわけです。  このポイントは、今まで各省がそれぞれの政策目的ごとに補助金を出しております。これを各省の枠を超えて一括化しようと。取りあえずは、来年度からは取りあえずハード事業からにしたいと、こう思っていますけれども、それはさておき、一括化して各省の枠を超えてまとめる、それを一定の基準でもって自治体に配って、あとはその枠の中で自治体が裁量をもって使ってもらうというのが大まかな考え方です。  じゃ、どうやってその配分を決めるのかというのは、これはこれから基準を定めなきゃいけませんけれども、一番の重要なポイントは、できる限り客観化する。そこに国の、政府の恣意が入らないような、例えば鉛筆をなめるとか陳情によって結果が動くとか、そういうことのないように客観化した指標を用いるという。  今のところは、そういう大まかな考え方を持って今各省と仕切り直しをしながら折衝を始めているところであります。
  78. 山崎力

    ○山崎力君 時間が来たのでやめますが、今の御説明で一番私が問題となっているのは、理屈はもうそのとおりでずっと来ているわけです。ところが、民主党政権、ずっとその一括交付金がいいアイデアだと言いながら、賛成するも反対するも、そこのところの、具体的にどう配るんだ。その客観的な配り方がはっきり、これだったらみんなにちゃんと分かった配り方ができるねということで初めてこの一括交付金制度というのは意味を持つ。そのことを放置したまんまずっと来ている、私に言わせれば。やる気がない、あるいは宣伝のための一括交付金だと。言いたいのはそういうことです。その辺を踏まえた形での早い時点での明確な指針を出していただきたいと思います。
  79. 片山善博

    国務大臣片山善博君) まさにそのとおりであります。おっしゃったとおりであります。  その基準というものはいずれお示しします。ただ、その基準を示す前段階の各省の岩盤のようなところを今打ち砕きつつあるところでありまして、それをしないまま基準だけ出しても何となくこればつが悪いですから、一つのセットとして作業を進めた上で出したいと思っております。
  80. 中西祐介

    ○中西祐介君 自由民主党の中西祐介でございます。  本日、私は初めての質問という形で本当に意気に感じてこの場に立たせていただいております。本当に限られた時間ではございますが、精いっぱい質問をさせていただきたいと、このように考えております。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  今回の七月の参議院議員選挙におきまして、私は三十一歳という形で当選をさせていただきました。三十歳から参議院は被選挙権を得られるということでございまして、今参議院で一番若い人間としてまず私が心得ておかなければいけないのは、やはり一番若い人間として謙虚に将来のことをとらえながらこの国の行く末を導いていかなきゃいけないと、こういう思いでございます。  今、日本が抱えている最大の課題は、やはり人口減少という中で少子高齢化が進み、また財政的な非常に悪化が進んでいるというふうな課題をまずしっかりと踏まえた上で、長期的に成長できる日本のビジョンを描いていきたいと。その中で、やはり、様々委員会ございますけれども、私が思うに、やはりこの総務委員会が管轄するこの分野においてしっかりと政治のリーダーシップを発揮していかないことには、これから先の日本の展望は開けていかないんではないかなと、このような認識でおります。そういう意味では、本日、片山大臣所信に対する質問をさせていただきたいというふうに思います。以前私が政経塾に在塾をしている間、片山大臣には講師にお越しいただきまして、そういう意味では本日は胸を借りるつもりで御質問をさせていただきたいというふうに思います。  まず、地域主権の推進、地方主権の改革について議題に進めさせていただきたいと思いますけれども、その前に、やはり前提として今の社会で起こっている事象から私は少し触れさせていただきたいというふうに思っております。  お手元にお配りをさせていただきました、平成二十二年十月二十一日の、出典、自治労全道庁労働組合札幌総支部組織局より各支部長あてにファクスされた文書でございます。(資料提示)こちらの文書、中身を拝見をさせていただきますけれども、一枚めくっていただきますと、ファクスの送信票、二段目のところに発信者、自治労全道庁労働組合札幌総支部組織局というところから、送信された先が医大労組及び研究機構労組執行委員長、また各支部長あてにという形でこのファクスが送られております。  中身はどういったものかというふうなことに触れさせていただきますが、次のページでございます。「「中前茂之」必勝総決起集会の参加について」というふうな内容でございます。これはまさに今北海道で衆議院補欠選挙、北海道第五区での補欠選挙が行われているところでございまして、その内容について、その必勝総決起集会の参加を促す、そしてまた各組合の関係各位に対してあてられたファクスということでございます。  この点につきまして、まず現状として大臣の御意見をお伺いしたいというふうに思います。
  81. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 個別の問題でありますので、これは例えば職員が非違行為を行っていた、違法行為を行っていたとすれば、その任命権者がどう考えどう処分をするかということだと思いますし、それから庁舎管理上の問題がありはしないかということも、これは庁舎管理者が調べて必要な処理をするべきことだと思います。  一般論で言いますと、例えば考えられることとしては、例えば地方公務員の政治的中立性が確保されているかどうか、これは地方公務員法上の問題であります。それから、勤務時間中にこの作業が行われたとすれば職務専念義務違反に該当するのかどうか。ただこれも、いつだれが行ったのかということが特定されませんと一概には言えません。私が申し上げたのはあくまでも一般論であります。  北海道庁が今この問題については調査されていると思いますので、その調査結果に基づいて、それぞれその任命権者ないし庁舎管理上の問題として適切な対応をされるだろうと思います。
  82. 中西祐介

    ○中西祐介君 ただいま御答弁をいただきました。あくまでも一般論でということでの御答弁でございました。  まずこのファクスが送られた日程につきまして拝察をいたしますと、二〇一〇年の九月十七日ということでございまして、九時四十四分というふうな表示もございます。九月十七日は片山大臣大臣に就任をされたまさにその日であるというふうな御認識でもって、こちらの事象をしっかりと考えていただきたいというふうに思います。  そしてさらに、こちらの今行われている補選の中身につきましては、元々前議員である小林千代美議員がいらっしゃったところでありますと。また、それは北教組からの違法献金によりまして辞職を伴うものであったというふうなことでございまして、そういう意味では、現在自治体の職員の、管轄に置かれます総務大臣の御意見をお伺いしたところでございますけれども、民主党のとにかく候補者の応援ということでございますので、こちら事前の通告はございませんけれども、できれば副大臣の方に、これまで政治と金の話が非常に取り上げられていた昨今でございますので、この事象についての御見解をお伺いしたいというふうに思います。
  83. 鈴木克昌

    ○副大臣(鈴木克昌君) 総務の方の担当の副大臣を務めております鈴木でございます。  私でいいかどうか分かりませんが、お許しをいただいてお答えをさせていただきたいと思います。  政治と金の問題ということであります。これはもう本当に、私たち議員、議会含めて、最もきちっと姿勢を正していかなくてならないことだと、このように思っております。いずれにしましても、御質問のちょっと私も趣旨、十分踏まえておるわけではありませんけれども、一般論としてはそういうことではないのかなと、かように思っております。
  84. 中西祐介

    ○中西祐介君 今御答弁をいただきましたけれども、十分に配慮しなきゃいけないというふうなお話でございますが、やはりこれは、今政治主導を掲げる、特に政権与党である民主党の在り方そのものが非常に問われている事象ではないかなというふうなことでございます。広く見ますと、世間一般の方は、こうした政治と金の議論、それを更に一歩超えて、本当に日本のための政治をしてほしいというふうな思いで今の政治を見守っている方々が非常に多いというふうな認識でありますので、是非こういう事象に対してしっかりと民主党としてのガバナンスを利かせていただきたいというふうに思います。  もう一点だけ、逢坂政務官にも、元町長としてのお立場も踏まえ、こちらの自治体職員に対するガバナンスの強化について御意見を伺いたいというふうに思います。
  85. 逢坂誠二

    大臣政務官(逢坂誠二君) 元町長としてのということがございましたので、私の体験、若干話をさせていただきますと、この政治と金の問題というのはやっぱり非常にこれ厳格にやらなきゃいけないというふうに思っております。  私がニセコ町長に就任したのは一九九四年でございましたけれども、田舎の町の町長といえども、実は盆暮れには物すごいたくさんのお届け物が来るんですね。これ、現金ではございませんけれども、たくさんの物が来るんです。私、それ見て、これは普通の姿じゃないぞというふうに思いました。  当時、私、子供が小さかったんですが、子供が、お父さん、またお届け物来たよと。今度、開けてみたら、エビだよエビと。またお届け物が来て、お父さん、今度パスタだと言うんですよね。それで、今度のりが届いたんです。何だ、お父さん、今度のりだよと。子供がだんだんだんだん感覚麻痺してくるんですよ。最初の、エビだエビだと喜んだ。のりが来たら、お父さん、のりだと言って、何か悪いものが来たような感じになるわけですね。  私、それ、子供を見てそう思ったわけではないんですけれども、その状況を見て、これはやっぱり政治家というのは相当襟を正さなければいけないというふうに感じた次第なんです。  そして、その結果、私、何をやったかというと、そのお歳暮全部に手紙を付けまして、新たにくるんで、そのお送りいただいた方みんなにお返しをいたしました。お返しするだけで相当お金掛かって、地元からは相当批判を受けました、逆に。こんなものも受け取れないような、ちょっと言葉は適切じゃないんですが実際そう言われたので、けつの穴の小さい町長なのかと言われたんですが、でも、それぐらい襟を正してやらないと政治と金の問題というのはうまくいかないのだという認識は私自身は持っております。  以上でございます。
  86. 中西祐介

    ○中西祐介君 ありがとうございます。  そういう意味では、まだまだ、そういう一般の方々が思う以上のやっぱり裏側の、政治の黒い部分というのをしっかりと、今の政権与党を中心にしながら、また我々も含めて、これからの政治を正していきたいというふうに思います。この事象についてはしっかりとまた民主党内でも結論をいただきたいというふうな認識でおります。  それでは、早速ですけれども、地域主権の推進につきまして大臣に御質問したいというふうに思います。  先ほど、自民党の山崎先生からの御質問もございましたけれども、まず、やはりこの地域主権を進めるに当たっての定義が非常に不十分だというふうな認識があります。定義の中身を問うよりは、多くの方々がこの言葉を聞いてどういう姿を描くかというのが十分にイメージできないと、これが現状ではないかなというふうに思います。  以前、御講義をいただいたときに、まさに言葉の定義を大事にしろというふうな御指導を片山大臣からもいただきました。そういう意味では、さっきの御答弁で国家主権との対比ではないというふうなことでございましたので、まさに地域主権ではなくて地域の主導権を持った分権の在り方について問われているんではないかなという、そういう意味では、自民党の地方分権型の国家というふうなネーミングの方が非常にしっくりとくるのではないかなというふうな印象を持っております。  その中で、原口大臣から地域主権を進めるに当たっての引継ぎを受け、また、そのとおりの工程、しっかりと引き継いでいきたいというふうなことでございましたけれども、鳩山内閣ができたときに一丁目一番地の改革と言いながらなかなかその姿が見えてこないと、これが多くの方々の印象であるというふうに思います。  改めて、大臣就任後、これから具体的な工程についていま一度御説明をいただきたいというふうに思います。
  87. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、前任の原口大臣からも引継ぎを受けましたし、それから、私は九月の十七日に組閣に際しまして菅総理から御指示がありました。  それが、一つは、今、国会にかかっている地域主権改革三法案を成立させること、それから、それとも関連しますけれども地方出先機関改革を行うこと、それから、先ほど山崎議員の御質問にありました国庫補助金の一括交付金化、これらはもう既に作業始まっているので、これを引き継いで着実にやってもらいたいということでありました。それについて、私は全力で取り組みますということを申し上げました。  あわせて、そのときに総理にも申し上げたんですけれども、これまでの地域主権改革の中には、必ずしも強調して明示的にはないようですけれども、私の用語で言うと住民自治の確立、先ほどのちょっと議論でもありましたけれども、団体自治の強化プラス住民自治の強化という、その後者の方の住民自治の強化も是非取り組みたい、それがいわゆる地域主権改革というものの中身にふさわしいと思いますからということを申し上げまして、それも大いにやってくださいと、是非取り組んでくださいということでありました。  そういうことで、以上申し上げたような内容をこれからそれぞれできるだけ早く、できるだけ早く全力で取り組みたいと思います。
  88. 中西祐介

    ○中西祐介君 今のお話でございましたけれども、まず住民主体の発想というふうなお話がありました。この地域主権戦略大綱の中にもまさに同様の言葉で語られているわけでございますけれども、地域主権改革の在り方がまさに住民主体の発想に基づいた改革であると。そこに限ったものであれば、何も国全体を挙げた大きな改革である必要はないんじゃないかなと。先ほどの片山大臣の区分けで行うならば、住民自治と団体自治と、その住民自治の部分についてのみ触れたものが今おっしゃった内容ではないかなというふうな思いでございます。  この地域主権改革の最終的な目標とすべきところ、多くの方々が抱けるような、イメージ持てるような表現でこの地域主権改革の行く末について、どこを目指して着地点に持っていくかということをまずお伺いしたいというふうに思います。
  89. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これはなかなか一口では申し上げられないんです。地域の自治体を行う仕事、しかもそれが住民とのかかわりというのは非常に多様でありまして、多元的、多面的でありますので、一言でどういう社会ということは申し上げられませんけれども。  例えば、イメージとして、モデルとして私がイメージしておりますのは、例えば北欧のフィンランドの自治体などは一つのその向かうべき目標かなと思います。これはもちろんまだ、先ほどの山崎議員の御質問じゃありませんけれども、民主党政権の中でこのイメージを私が摘示しまして、それについて大方の合意を得たというわけでは必ずしもありませんけれども、私は、団体自治と住民自治を強化していった行き着く先は例えばフィンランドの自治体にあるのかなという、そういう思いを持っております。
  90. 中西祐介

    ○中西祐介君 こちらの大綱の中にも十七ページに書かれておりますけれども、この自治体間の連携といいますか、少し一歩高い次元に立った上での仕組みの話を是非お伺いしたいなと思いますけれども。  まさにここに述べられておりますのは、基礎自治体を中心として、地域のことは地域に住む住民自らが行っていくというのと同時に、自治体間の連携が自発的に形成されていくということが重要であるというふうに述べられておりますけれども、ここからイメージさせることは、まさに国が地方と国の関係を主導的に構築するのではなくて、自治体が必要に応じて近隣の自治体との連携を図ると、言わば広域連合のような形を想定されているような表現に映ります。  しかしながら、下の今後の取組の内容については、いわゆる道州制についても検討の内容に入れるという話でございまして、私はこの方向は非常に大きな開きがあるんではないかなというふうな思いでございます。この点について答弁願います。
  91. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは今の政権では道州制を真正面から取り上げて検討していくということは選択に入っていないんだと思います。正確な表現かどうかちょっと自信ありませんが、道州制の検討も視野に入れていくというような表現だったと思いますから、そういうレベルの議論だろうと思います。  当面は、今の政権は、我が国の地方自治というのは基礎的自治体を中心に、すなわち市町村を中心に行っていく。その次の中間段階としての広域自治体というのは今の四十七の都道府県体制を前提にして進めていく。これを基本としながら、自治体間の連携、今おっしゃられた連携、それからもう一つは補完、こういう形で必要に応じて広域的な取組をやっていくという、こういうことだろうと思います。  したがって、道州制を念頭に置いて広域連携とか広域自治体を考えていくことではなくて、あくまでも自主的な自治体間の連携とか広域連合とかそういうものが当面の視野に入っているということだと思います。
  92. 中西祐介

    ○中西祐介君 ありがとうございます。  そういう意味でいきますと、やはり広域連合というのが一つの今の地域主権の発展的なステップの部分だというふうなことで御答弁を解釈をいたしました。  今まさに関西では、関西の広域連合というところが議論がスタートいたしまして、早ければ年末までに一つの形が整うだろうというふうな言われ方をされております。この広域連合が形成された場合に、国からの業務、それから権限、また財源の移譲についてどのようにお考えになるか、御答弁願います。
  93. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 今、この種の都道府県レベルでの広域連合とか広域協議会のようなものは最近芽生えてきておりまして、最近では、一等最初は今おっしゃった関西の広域連合でありますが、最近になりまして九州七県が広域の協議体をつくるということを大体方針決められましたし、直近の報道では、関東でも、昨日だったでしょうか、その結成に向けて話合いが行われたというような報道もありました。いろんなところで今そういう自治体からの取組が行われてきていると。大変私は結構なことだと思います。  そういうものができますと、例えば地方出先機関の改革なども、今実は各省からいろんな反論もあるんですけれども、その中で、一つは受皿がないじゃないかという反論があるんですけれども、それは、北海道とか沖縄はもう一つの地域で完結していますけれども、その他の地域については、そういうブロック単位で広域連合体のようなものができれば、それは受皿としては、その仕組み方によっては十分対応可能でありましょうし、今の政府の政策を自治体と連携してやりやすくなるというふうな評価を私はしております。
  94. 中西祐介

    ○中西祐介君 まさにこの地域主権の改革といいますか、また自民党が申し上げる地方分権の話もそうですけれども、やはり前提には、今の日本の国の在り方、人口であるとか、また財源の分布というものが非常に一極集中をしておりまして、また特に偏在をしているということが根本の認識であります。  ですので、国家をこれから人口が減る中で大きく成長させるためには、いろんな地域であるとか段階において発展を遂げる必要があると、その中でのまずの発想だというふうに思いますので、是非この道州制ということを前提にしながら、今民主党が行っている中での細々とした業務の仕分ということよりは、国の業務は何をすべきなのか、地方の仕事は何をすべきなのかと、こうした大きな議論に立った地域主権というふうな在り方をひとつ探求をしていただきたいというふうに思っております。  引き続きまして、今の話に関連をいたしますけれども、これまで平成の大合併がちょうど一段落をしたところでございます。今、現状として日本の全国土の中で過疎地域というのがございます。平成二十二年の四月の段階ですけれども、七百七十六の町村が過疎に認定されると。この中で、国土の全体の五七・三%がまさに過疎の地域でありまして、そこに住んでいる人は全体の八・八%。言わば八割、九割の方々が四〇%のエリアにしか住んでいないと。  こうした本当に偏在化が進んでいるという現状を踏まえまして、現在の平成の大合併についての評価を大臣からいただきたいと思います。
  95. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 平成の大合併で三千二百余りあった自治体が千七百四十、五十ぐらいに今なっているんでありますが、一概に全部が悪かったとか良かったとかということは言えないと思います。それぞれやはり地域地域によって評価が異なるんだろうと思います。非常に良かったという評価を聞くところがある一方、合併して何もいいことがなかったという、そういう評価が率直に出ている地域もあります。  私は、そういう個別の評価はともかくとしまして、幾つか気になる点はあります。一つは、一番これは気になるんですけれども、そもそも地方自治というのはだれのためにあるかといいますと、住民の皆さんのためにあるわけです。そうしますと、地方自治を運営する自治体の規模、区域というのは、住民を中心に、住民の皆さんにとってどういう区域や規模が最適なのかということを考えなきゃいけない。住民の視点から考えなきゃいけないというのが基本だと思うんですけれども、今時の合併は必ずしもそういう意図から出たものではなくて、別途、例えば財政の効率化とかそういうことから出たんだろうと思います。もちろんそういう要請も重要なんですけれども、一番基本はやはり住民にとってどういう規模が最適かという、ここのところが少し薄かったんではないかというそういう印象を持っております。  これからの自治体の在り方というのは、まだまだ小さい自治体もありますので、これをどうするのかということはあるんですけれども、あくまでも住民の皆さんの視点に立って自主的にどうするかという、ここを基本としながら支援をしていくという、そういう対応をしていきたいと思っております。
  96. 中西祐介

    ○中西祐介君 今の御答弁ですと、あくまでも国のスタンスとしてはそういう在り方、若しくは合併の方向性については基本的にはタッチしないと、地域の自主性に任せるというふうな認識を受けましたけれども、そういう解釈でよろしいでしょうか。
  97. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 必ずしもそうではありません。やはり、自治体の仕事というのもかなり高度化したり複雑化したりしておりますから、必要に応じて助言というのはあるだろうと思います。ただ、無理やり強制とか、強制ではないけれども、もう財政上それに追い込むようなことをするとか、そういうことはすべきではないだろうと思います。そうではなくて、自主性を重んじながらも必要な助言もしながら、それから先ほど来出ている広域連携とかそういう手法も選んでいただきながら、必要な行政ができるようなそういう体制を整えていくというのが基本だろうと思います。
  98. 中西祐介

    ○中西祐介君 先ほど申し上げた地域主権の戦略大綱の中にもありますが、やはり基礎自治体は自主的な、かつ総合的に広く担う存在でなければいけないというふうなことで定義がございますので、そういう意味からすると、これはまさに二〇〇二年に大臣が地元の新聞にも述べられているように、地方自治の在り方が、これから専門的な領域であるとか独自な政策を行っていくためには人員が必要であると、そのためには人口がせめて二万から三万人以上が必要であるというふうな認識を立てられております。  現在、日本の全国の中で二万人の人口以下の市町村が幾らあるかと申しますと、千七百二十七分の七百七十あると。およそ四割近くの自治体が二万人以下で今経営をなされているというふうな状況にございます。まさに大臣がおっしゃる、この質を高める在り方について、この現状を踏まえて、これから総務省としてどのように地方の監督責任を果たしていくかというふうな認識をお伺いしたいと思います。
  99. 片山善博

    国務大臣片山善博君) まさに、質の問題でいいますと、合併するときに本当に住民の意思どおりにやったかどうかということが問われると思うんですね。  これは、私が全部見ているわけではありませんので断片的な印象でありますけれども、まあ私の身近だった団体もそうですけれども、必ずしも住民の皆さんの意思を踏まえて合併するしないを決めたかどうか疑問なしとしないところもあります。そういうことがちゃんと住民の意思を踏まえて行われるようにするというのがまず基本だろうと思うんですね。  今時の合併は、専ら規模の問題を問われたわけです。小さいから合併するようにというそういう問題が問われたんです。それももちろん私はあると思います、そういう要請は。ただ、自治体は規模の問題だけじゃなくて質の問題もやっぱりあると思います。その質の問題というのは、住民の意思をちゃんと踏まえていますかという、その回路が円滑に機能していますかという問題ですね。そこのところをうまく作動するようにするというのがこれからの大きな課題だろうと思うんです。  先ほど道州制の話をされましたけれども、今の四十七の都道府県をそのまま規模拡大するのがいいのかどうか、私はやっぱりここでも質の問題があるだろうと思います。今のままで拡大することが本当にいいのかどうかというのは、私自身、やっぱり疑問なしとしません。  そういう意味で、質の問題という、今質が悪いということを言っているわけじゃないんですけれども、より良くするということが一つの大きな課題だろうと思います。
  100. 中西祐介

    ○中西祐介君 今おっしゃっていただいたとおり、まだまだ今の体制としてはこれからの時代に適合するものではないというふうな状況であると思いますので、まさに総務省がしっかりと政治の主導を果たしていただいて、これからの自治体、特に過疎が本当にひどくなっていると、限界集落どころか限界自治体が出てくるというふうな状況でございますので、しっかりと指導責任を果たしていただきたいというふうに思います。  地方は非常に努力をしている中でございますが、本当にこれから国の公務員の在り方について問われている状況にございます。  時間が限られておりますので、最後、一点質問をさせていただきたいというふうに思います。  今、公務員の総人件費の削減について議論がございます。菅総理は、また代表選の後に、人勧を超えた削減を目指すというふうな意気込みを語られております。その中で、これは給与の引下げのことについて言及されたものだというふうに思いますけれども、そのときの質問に対する大臣お答えは、これから蓮舫大臣としっかり相談して早急に取りまとめたいというふうなお話でございました。その後の見解についてお伺いしたいというふうに思いますと同時に、最後、国家公務員の総人件費二割の削減についての意気込みをお伺いして、質問にさせていただきたいと思います。
  101. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 今年の人勧の処理については、まだ検討中であります。そんなに時間はありませんので、できるだけ早く結論を出したいと思っておりますが、関係大臣とも今協議をしつつあるところであります。  それから、民主党が掲げました総人件費の削減の問題でありますけれども、これはいろんな要素があります。総人件費ですから、単価掛ける人数になるわけです。今、実は単価の問題を当面は議論しているんであります、人勧に絡んで。その問題があります。もう一つは人数の問題がありまして、これがどこまで削れるかということに懸かっていると思います。それは、例えば無駄な仕事を減らして公務員の数も減らしていくという、これが王道だろうと思いますが、あとは例の地方出先機関を地方に移管するという、自治体に移管することによってそこで人数も減るとか、そういう問題もあります。  そういうことで、人数と単価をどういうふうに組み合わせながら総人件費削減を実現させるかということ、これを去年から数えて四年間で実行していくということだろうと思います。
  102. 中西祐介

    ○中西祐介君 これで質問をとにかく切らせていただきますけれども、とにかく地域主権の在り方若しくは分権の在り方というのは国家百年の大計を決めるものだという認識に立っておりますので、しっかりと指導していきたいというふうに思っております。  ありがとうございました。
  103. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。  片山大臣、御就任おめでとうございます。また、自見大臣、留任おめでとうございます。  何か片山大臣は前にこの委員会の参考人においでになりましたものですから、何かもう旧知のような、そんな印象を持つわけでございますが、ただ、あのときかなり過激な参考意見をおっしゃっていたなというふうに思いまして、例えば地方六団体は総務省の天下り先だみたいな、そんな趣旨のことをはっきりとおっしゃったものだから、これは期待できるぞみたいな、そういうような、民主党員でもないと思いますけれども片山大臣の就任を本当に地方自治という観点からも期待をするところでございます。  それで、早速質問をさせていただきたいと思いますが、今年の一月あるいは三月のこの当委員会で、先ほどもございましたけれども、顧問の話を、質問をさせていただきました。前大臣、原口大臣は本当に多くの顧問を採用されておりまして、たしか最大十八名ぐらいだったように思います。言葉は悪かったんですが、与党の元国会議員とかあるいは民主党系の知事や首長、あるいは、これは本当に落ち穂拾いかみたいなことを言ってしまったわけでございますが、人によっては、昨日かおととい何か贈賄で有罪になった方もおいでになったわけでございますけれども、ちょっと顧問としては問題があるんではないのかなと。そうしたら、大臣就任後、十月五日付けで十四人の顧問が一斉に退任されたということでございます。  一斉に辞めたというか辞めさせたというか首切ったというか、これはどういうことなんですか。先ほど、前大臣から申し渡しみたいなことがあったということがあるわけでございますが、トップが替わると顧問まで替わると、こういうことなんでしょうか。
  104. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これ経緯を申し上げますと、原口前大臣が任命されたといいますか依頼された顧問の皆さんは、原口大臣内閣改造に伴って退任される際に辞表を提出していただくように促したということであります。それで取りまとめて、実際に辞任されたのは私が就任された後ですけれども、しかしそれは、もう原口前大臣自分が退任されるときにちゃんと、任命された方々には辞めていただきたい、辞めていただくということを言われたということであります。  ただ、私がその後引き継ぎまして、顧問は皆さん辞められることになったんですけれども、郷原信郎さんについては、総務省のコンプライアンス室長というのを去年から務めていただいておりまして、それは引き続き務めていただくことになりますが、その際には何らかの総務省とのかかわりがなければいけないということですので、引き続き総務省顧問をお願いしておりますので、現在はお一人、原口大臣が任命された顧問としては残っておられますけれども、あとの方はおられないということであります。
  105. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 それは大臣におかれて、十四名辞めると言ったときに、留任といいますか慰留といいますか、そういうことはしなかったんですか。要は、片山大臣としてももうこの人は、必要ないと言ったら表現悪いんだけれども、前大臣の方だねと、前大臣はこの人が必要だという形で顧問になっていただいて、私はもう知事もやったし、もうそういう顧問は要らないよと、もう私が全部やるんだと、こういうようなお考えなのか。ちょっとその辺の、顧問の在り方といいますか、大臣のその辺の御所見いただきたいなと。必要に応じて、時に応じて必要に応じて検討しますというふうに記者に答えているようでございますが、顧問の在り方、今後どういうふうにやっていくのか、その辺の御所見を承りたいと思います。
  106. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これからもし顧問になっていただく必要があるというケースもあるかもしれません。その際には顧問をお願いすることになろうかと思いますけれども、当面は、現時点で必要性は感じておりません。さっき言った郷原さんという方は別途の必要性で顧問になっていただいておりますけれども。  私は、外部の、さっき議員がおっしゃったように、自分は知事もやっていたから何でも全部できるというような傲慢な姿勢、態度を持っているわけではないんです。いろんな方の御意見を伺ったりすることは必要だと思いますけれども、それは必ずしも顧問という形ではなくても、随時伺っても構わないと思いますので、その辺は柔軟に考えていきたいと思います。
  107. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 次に、不正経理防止法についてお聞きをしたいと思います。  今週月曜日に決算委員会ございまして、四十七都道府県、また政令市においても会計検査院から不正経理指摘されたと。地方自治体に関係があることでということで、菅総理に質問をしたわけでございますが、大臣が手を挙げられまして、自治体の問題でもありますという形で少し答弁されたわけでございますが、何か中途半端で終わったなといいますか、そんな気がいたします。  我が公明党、不正経理防止法を何回か出させていただきまして、要するに、公務員等が取引先業者に虚偽の請求書あるいは領収書等を作成させることによって裏金づくりなど、不正な会計処理を、あるわけでございますが、それを根絶するために、国家公務員地方公務員、また資本金二分の一以上を出資している法人の役員、職員対象として三年以下の懲役刑又は百万円以下の罰金刑を設けるという、そういう特別刑法を作ろうと。また、会計検査院の方も改正をいたしまして、この不正経理を行った職員の懲罰処分を要求できるようにしようという、そういう機能強化をする法案も出させていただきました。  今まで公務員は、この裏金づくりですね、不正経理があっても文書注意とか口頭注意とか、そういうことで済ませてきたなというふうな印象を持っておりまして、それでは抑止力にならないと。やはり公金意識が欠如している公務員が一部でもいるという現状では、罰則を設けて、責任追及して抑止力とする必要があろうかと思っておるわけでございます。  また、今国会、同じような法案を提出して成立をさせたいと考えているわけでございますが、是非、新法制定に大臣としても応援をしていただきたいと思いますが、公務員による不正経理防止対策について、政府の取組、そしてまた新法制定についての片山大臣のお考えをお伺いをしたいと思います。
  108. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 私、自治体を八年間預かりまして、やっぱりこの問題には心を砕きました。鳥取県でもかつていろんなことがあったりしました。  それを調べてみますと、一つは透明性がやはり欠けていたんではないかと思います。不透明な中でやはりこういう不正とか不明朗なことが起こるわけですから、お金の使い方、会計について徹底して透明にしていく、情報公開していくということがこれを防ぐ非常に有効な手段、万能薬だろうと思います。  それからもう一つは、イン・マイ・ポケットするというのは、これは悪いことだとだれでも思っています。裏金をつくって私するとか、これは悪いことだと思っていますから、これはめったにしません、どこでも。ただ、イン・マイ・ポケットさえしなけりゃいいんでしょうというような妙な間違ったコンプライアンス基準があるんですね。要するに、組織のためにお金を弾力的に使い勝手がいいようにするという、合法的マネーロンダリングみたいな、これについては余り罪悪感がありませんでした。これは多くの組織でそうだろうと思うんです。したがって、例えば国庫補助金をもらったときに、これはこの科費目では使えないけど、こっちだったら使えるからというような流用を必ずしも合法でなくやったりするということが全国的にあったんだろうと思います。  したがって、イン・マイ・ポケットするというのは、これはもってのほかですけれども、そうではなくて、決められた基準に従わないという意味でのコンプライアンスに欠けているものも、これも駄目なんだよということを徹底するという意識改革が必要だろうと思います。  それからもう一つは、私はやっぱりトップ、自治体の場合は特にトップの意識が問題だと思います。裏金事件なんかあったときに文書訓告なんかで済ますというのは、やはりトップが毅然とした態度を取れないということ。そうすると、精神的にはぐるなのかと、ちょっと表現は悪いですけれども、やっぱりそういう組織ぐるみみたいなものがかつてはあったんだろうと思うんですね。そういうものも払拭しなきゃいけない。ですから、トップ自身が襟を正して、コンプライアンスを自分の問題として心掛けていくということ。  以上のようなことを私は鳥取県におりましたときに自ら感じたものですから実践をいたしました。それでどうなったかといいますと、在任中は恐らくなかったと思うんですけれども、新しいそういう裏金づくりというのはなかったと思うんですけれども、かつてあったものをひそかに抱いていて、じっと管理に困っていたという職員がいたりしまして、その問題では非常に私も県民の皆さんへの説明などで苦慮したことがあります。  是非多くの、すべての自治体でいま一度このコンプライアンスの問題と透明化について徹底していただくよう、折に触れて私の方からも要請したいと思います。
  109. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 もう一つ決算委員会のときに大臣が若干おっしゃっていたのが、補助金改革にもつながるという、いわゆる預けみたいな、そうやってやっていくことが、その点に、じゃ、言及がございましたら御答弁ください。
  110. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 実は、裏金といいますか不正経理の問題を追及していきますと、国庫補助金の問題にやはり行き当たることがありました。それはどういうことかといいますと、補助金をもらって事業をやるわけですけれども、年度末になると余ることもあるわけです、それは入札残とか節約をしたとか。そのときに、お返しをしますということがなかなかやりにくい実態があるんです、余ったお金は返せばいいというのが本来なんですけれども。  これは二つありまして、補助金を出す官庁の方から余りそれを有り難がられない、余ったのを返すことを快く受け入れてもらえないというのが、これが現実にあります。もう一つは、やっぱり自治体側で、もらったものは、せっかくもらったものを返すのはもったいないじゃないかと、やっぱり何か使った方が県民のためになるんじゃないかという、そういう意識もあります。  そうすると、当面使わない、でも余っている、それだったらどこかに預けておこうか、来年使おうかとか、何か形を変えてマネーロンダリングして置いておこうかというようなことに、いけないんですけれども、そういう意識がやっぱりかつてあったわけですね。  したがって、国庫補助金の問題としては、例えば、一つは費目の、費目間流用をもっと融通無碍、無碍とは言いませんけれども、使い勝手を良くするという問題と、それから、余ったものをお返ししたときに煙たい顔をしないでもらいたいと、国費が浮くわけですから、快く受け入れてもらいたいと。  こういうことが言えると思いますが、根本は、先ほど来問題になりました補助金を一括交付金化して自由に使えるということにすれば、この種の問題は大方解消するんではないかと思います。
  111. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 公務員各位の、上から下までの意識改革というのがもう根本にあろうかと思っておりますけれども、そういう指摘がなされる以上、新法の制定とともに、裏金づくりといいますか不正経理について徹底してやっていきたいと、大臣是非御助言もいただきたいと思います。  次に、昨日、岐阜の御嵩町で起きた亜炭鉱の廃坑跡が陥没した件についてお聞きしたいと思います。経産省の方、来ていただいていると思いますけれども。  昨日の午前九時ごろ、御嵩町のところにある住宅地でございますが、東西五十メーター、南北六十メーターにわたって地面が陥没している、深さ約最大三メートルぐらい、空き家も含めて五軒ぐらいが傾いて、五世帯九人が近くの公民館に避難しているという事案でございます。  この町、御嵩町というのは、町面積の一割ぐらい、約六平方キロぐらいが亜炭鉱、亜炭というのは石炭にならない一歩手前のものでございますが、その廃坑跡がございまして、昭和四十二年に廃坑になって閉鎖になったわけでございますが、その後、度々陥没が起きているということでございます。  これ、もちろん鉱物資源を掘るということでございますけれども、しっかりしたフォローがないと地域住民の大変な生活の困難を伴うものでございますが、これにどのように対処しているのか、経産省からお聞きいたします。
  112. 安藤久佳

    政府参考人(安藤久佳君) お答えさせていただきます。  まず、昨日、今先生御指摘のとおりの亜炭の廃坑の事故が起きました。これによりまして、岐阜県の御嵩町の住民の方々が大変御苦労されておるということで承っております。私どもといたしましても、心からお見舞いを申し上げさせていただきたいと思っております。  それで、今の先生の御質問でございますけれども、御案内のとおり、平成十三年度までは国が直接、鉱害復旧工事ということを行わせていただきました。過去五十年間にわたりまして約一兆五千億円の予算を投入させていただいてきた歴史がございます。平成十三年度末におきまして、鉱害復旧対策を含めました国内の石炭政策を原則終了するということで体系を大きく変えさせていただいたわけでございます。  先生御案内のとおり、国が指定をさせていただきます指定法人が復旧事業を行うということで、岐阜県の場合には財団法人の岐阜県の産業経済振興センターというのがございます。こちらの方に国と県で基金約五億円を設定をさせていただいておる次第でございます。  早速、今回の事故が亜炭の廃坑の陥没による事故であるということを先ほど正式に確認をさせていただきました。この当該基金を活用いたしまして、県が工事の施行者になっていただく体系でございます。早速、県が復旧のための工事の開始をするということで、速やかに復旧事業が行われるというふうに期待をさせていただいております。  引き続きまして、先生御案内のとおり、今御指摘のとおり、この地域、大変こうした陥没が多発しておるエリアでございますので、私どもとしても、確認を速やかに行いながら、県と共同いたして復旧事業に万全を期していきたいと、そのように考えておる次第でございます。
  113. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 片山大臣、これ今、指定法人でこういう案件についても復旧工事やると。ただ、十三年までは国のこの鉱害復旧事業という形でやってきたわけですね。これはもちろん九州とかもあります。ただ、大変な金額、一兆五千億という、ずっとやってきたわけでございますけれども、地域によってはこういうのがたくさんあるんだろうなと。これは中部経産局ですか、で担当していると思いますけれども、出先機関もこういうことをしっかりやれという形でやっているわけでございますが、これがいきなり県とか市とか市町村で全部対応しろというのはかなりしんどいんだろうというふうに思っておりまして、出先機関改革に関連すると思いますけれども、こういうような各地に穴ぼこといいますか、いっぱいあるんだろうと思うんでありますが、もちろん災害とかとは違いますよ。災害と言えるのか、だって元々穴が空いているの分かっているわけですから。  そういうふうな事業について大臣はどういうふうにお考えなのか、御所見をいただきたいと思います。
  114. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 先ほど経産省の方から御答弁ありましたように、現在はこの種の鉱害復旧についてルールがありまして、経産省で指定をする法人、公益法人が基金を積んでその基金でもって対応するということになっておりますから、その範囲内で事業が進行する場合はそれでいいんだろうと思います、もう財源措置がしてありますから。足らなくなった場合どうするかということは、この基金をもっと増額をするということをまた地元と経産省の方で相談をされてということになるんだろうと思いますので、取りあえずは一応ルールができているというふうに認識をしております。
  115. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 もちろん足りなくなったらしっかり国もやってもらわなきゃいけないなと思っておりますけれども、この岐阜県の件でも五億ぐらいなんですね。地元、県で出しているのはたしか四千万ぐらいだと思っておりますけれども、じゃほとんど国でしっかりやれという話になるわけでございまして、何も炭坑だけじゃなくて石切り場の跡でありますとか、たくさんのことがございまして、是非注目、注視をしていきたいと思っております。  続きまして、地域主権ということが先ほどからずっと質問で出ておりますけれども、地域主権改革に対する大臣の見解をお伺いをしていきたいと思っております。  今年の四月に、先ほど申し上げましたような参考人として当委員会で意見を述べられました。地域主権改革関連法案の審議でございましたけれども、その法案が行おうとする義務付け・枠付けの見直し大臣は非常にシャビーなものだというふうなお話がされました。シャビー、非常に瑣末なものといいますか、そういう御評価であったというふうに理解をしているわけでございますけれども。この度大臣に就任されて、今度自ら先頭に立って地域主権改革を進めると。だから、今度こそシャビーではないものを、大胆な改革が進むものというふうに大いに期待するものでございまして、片山大臣が思い描くあるべき地域主権改革はどういうものか、お伺いをしたいと思います。
  116. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 私、内閣改造によりまして総務大臣を拝命いたしましたので、是非シャビーでないものをこれからどんどん付け加えていきたいと思っております。ですから、現在継続審議になっておりますあの法案は第一弾、続いて第二弾、第三弾をシャビーでないものを盛り込んでいきたい、次なる通常国会などから盛り込んでいきたいと思っております。  それは、例えばどんなことかといいますと、一つ地方出先機関改革が今当面の課題になっておりますけれども、その出先機関改革をやるときに、出先機関を仮に廃止するとか相当の業務地方に移管するということになりますと、これはもう権限移譲とか、それから地方の義務付け・枠付けの見直しに必ず行き当たるわけですね。それが一つありますし、それからもう一つ、私は参考人のときに申し上げたのではないかと思いますけれども、義務付け・枠付けといったときに、やはり総務省の関係の義務付け・枠付けが点検が不十分であったという認識を持っております。今度は自分総務大臣になりましたので、まず隗より始めよで総務省の自治体に対する義務付け・枠付けも今見直しをしているところであります。
  117. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 今、この法案につきまして、こちらから出発して今衆議院で継続でかかっているわけでございますけれども、別に第一弾と言わないで、もう今議論できていればどんどん修正していけばいい話でございますんで、柔軟に是非対応した方がいいのかなという思いでございます。  次に、税源配分についてお伺いをしたいと思います。  昨年十一月の地方分権推進委員会第四次勧告では、要するに国と地方の歳出比率四、六、税源配分が六、四、それから国と地方が対等、協力の関係にあることを考慮して五、五ということが当初目標とすることが適当であるというような記述がございました。  前原口大臣は、私は余り五対五と言わないんですというような表現でございました。いや、もっと多くていいのかなと思っているからでもありますと、一歩踏み込んだ答弁をされておいでになりました。  確かに、業務量が四対六であれば税源配分も四対六でもよいとも考えられるわけでございますが、片山大臣も同じ方針の下で更に御尽力をいただけるものと期待したいと思いますけれども大臣の現状認識についてお伺いをするものでございます。
  118. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 私は、国と地方との税源配分の問題は、基本は事務量に応じた税源配分が望ましいと思っております。今、国と地方の税源配分で問題になっておりますのは、国と地方、仕事の面では地方が多いのに、税源では国の方がたくさん取っている。その後は、つじつま合わせは国から地方にいろんな形でお金が流れているという、これを仕事をするところに直接お金が入るようにするのがいいのではないかというのが、これが税制、財政の基本だろうと思います。  ただ、我が国は今、例えば東京と私の関係しておりました鳥取県などとは、そうはいいましても全く税源の賦存状況が違いまして、なかなかうまくいかない、税源を与えても税収が入ってこないという地域もありますので、その辺をどういうふうに財政調整制度と税制を絡めるかということだろうと思います。ただ、基本は、さっき言ったように仕事に応じた税源の配分ということだろうと思います。  その上で、地方の方はその配分された、言わば標準的な税率といいますか税負担を前提にしながら、先ほど来議論で、もっと仕事をするんならば税率を上げる、仕事を減らすんならば税率を下げてもいいというような、そういうふうな税率の変動幅があってもいいのではないかというのが私の考え方であります。
  119. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 それで、今年の六月に戦略大綱というのがございました。今後の進め方として、「地域主権改革を推進し、国の役割を限定して、地方に大幅に事務事業の権限を移譲する。国と地方の役割分担を踏まえるとともに、地方が自由に使える財源を拡充するという観点から国・地方間の税財源の配分の在り方を見直す。」と。  大臣、率直なところ、最終的にどの程度の権限移譲を大臣として進めるというおつもりなのか、また、そのための税源配分割合、どの程度が望ましいと考えられているのか。また、この配分の見直しについて、この戦略の工程表には特段具体的な期限が示されていないんでございますけれども、具体的に今後の見通しと併せてお伺いをしたいと思います。
  120. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、当面は例の地方出先機関改革の作業になると思います。そこでどれほどの見直しができて、どれほどの事務、権限が今の国の地方出先機関から自治体に移譲できるか、それに応じて財源をどうするかというお話、その中で、その財源の中で税源をどうするのかということがその段階で出てくるんだろうと思いますので、今の段階でどの程度だということをお示しすることはできかねるところであります。
  121. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 今お話に出てきました出先機関の改革でございますけれども、分権推進委員会の二次勧告では、職員でございますね、三万五千人減らせるぞということでございました。その後、政権交代があったわけでございますが、この合計三万五千人程度の削減を目指すべきという提言に対して、現政権はどういうスタンスなんですか。大臣はどういうスタンスですか。
  122. 片山善博

    国務大臣片山善博君) この三万五千人というのは、自民党政権の時代の、今中国大使をされている丹羽さんが会長をされている委員会勧告をされたことでありますので、当然それは政権が替わりましても念頭に置いておくべきことだろうと思います。一つの目標だろうと思います。  ただ、今新政権で行っておりますのは地方出先機関改革ということで、原則廃止という基準の下に今見直しをしているところでありまして、これが実際にやってみた結果、何人になるのかというのは今のところまだ分かりません。それは三万五千人になるのかどうかも分かりません。ちょっとそういう、政権交代によりまして多少だごへごはありますけれども、当然念頭に置きながら作業を進めるということであります。
  123. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 大臣はいかがですか。
  124. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 私は、先ほど来申し上げておりますように、この地方出先機関改革というものを原則廃止で、担当大臣になりましたので今全力を挙げて作業に取りかかり始めたところでありまして、今の段階で何人まで行くのか、これ数年掛けてやる作業でありますから、何人になるのかというのは今の段階ではまだ分かりません。
  125. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 それで、この原則廃止という言葉出ましたけれども、これ省庁側が自己仕分というんですか、それをやったら大体一割程度にとどまったとされているわけでございまして、菅総理が再検討をしろと、そういう指示があったということでございます。  これ大臣がインタビューの中で、この出先機関改革の進め方について、自治体から見て出先機関がやっている仕事の中でこんな仕事は要らないんではないかと気になることもあったと、そういうふうなインタビューの中でお答えになっているわけでございますけれども、こんな仕事は要らないという出先機関の仕事はどの程度、知事時代の経験に照らして、例えばどういうものがあったのか、ちょっとお伺いをしたいと思いますが。
  126. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 例えば、県がやっているのに重複して国の出先機関がやっているというものがやっぱりありました。国の方から言わせると、国がやっているのに県がやっていると言われるかもしれませんけれども、いずれにしても二重行政というのは随所に見られましたので、そういうのはできるだけ地方の方が地域のことをやるにはふさわしいと思いますので、国の方を撤退するということでいいと思います。  あと、例えば、先ほどの片山議員とのやり取りにありましたけれども地方債の問題、県もそうなんですけど、市町村の起債について一つ一つの事業を、市町村の起債の一つ一つの事業を都道府県の市町村担当部局もチェックするし、財務局もチェックするということをやっているわけです。これを起債の包括管理、包括的な関与にしますと、そういう事業ごとのチェックは要りませんので、財務局の仕事も相当軽減されるのではないかと思います。こんなことが私が地方にいたときの印象であります。  そのほかに、必要だけれども、国民のために必要だけれども、国よりも都道府県がやった方がいいのではないかというのは幾つもあります。そういうものをこれから対象にしながら出先機関改革をやっていきたいと思っております。
  127. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 先ほどの菅総理の再検討、今月末までに再検討の指示が、行うように指示があったというふうにされておるわけでございますが、まあ今月末だと十日間ですよね、今日を入れてね。かなりしんどいなというふうに思いますし、また、この出先機関改革についてのアクション・プラン、年内めどに作成するというふうにされておるわけでございますけれども、やはり地方自治体への移譲等については、自治体側の要望を踏まえて重点的に取り組むべき事項の速やかな実施を検討というふうに書いてございます。  本当に残された時間が少ない中で今後どのように地方側の意見を聞きながらアクション・プランの策定につなげていくのか、スケジュール観といいますか、そういうものをお伺いをしたいと思います。
  128. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これはまあ言わば二正面作戦といいますか、各省との調整がありますし、それから地方とのすり合わせがあると思います。どちらも今やっておりまして、例えば、具体的には、省庁との間には逢坂政務官、総務省では逢坂政務官が中心になって今各省の政務官の皆さん方と、政務官とかそれから担当部局長などと仕切り直し後の調整を始めたところでありますし、それから、先般も地域主権戦略会議が開かれまして、これは総理が議長でありますけれども、私が切り盛りをさせていただいているんですけれども、そういう中で地方の代表の皆さんとも意見交換などをいたしたところであります。  例えば、その席上でのことを申し上げますと、具体的には、ハローワークが具体的に地方側から持ち出されまして、ハローワークなどを是非この際移譲してもらいたいというようなこともありました。そんなことを今やっているところであります。
  129. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 次に、道州制についてお聞きしたいと思います。  十九年一月に道州制ビジョン懇というのがあり、翌年、二十年三月に中間報告取りまとめしたわけでございますが、ところが、民主党政権になってから活動が止まりまして、今年の二月に廃止になりました。私はここの場で原口大臣にも聞いたわけでございますが、発展的に廃止したという、そういう表現だったわけでございますが、ただ、その後ほとんど、地域主権戦略会議の議論を見ても、特段のやり取りが行われていないわけでございます。  ただ、今月の七日ですか、戦略会議で配付された地域主権戦略の工程表案には、新たに道州制という項目、言葉が加わっているわけでございまして、片山大臣がより積極的に取り組まれていくという、そういう意思表示だなというふうに考えたところでございますが、そうとらえてよろしいかどうか、お伺いをしたいと思います。  また、その場合、前大臣が道州制に関して経団連との間に設置しておりましたタスクフォース、これは一体どういうふうになっていくんでしょうか。要するに、大臣は今後具体的にどういう場で具体的にどういう検討を行っていくのか、道州制につきましてちょっと御教示いただきたいと思います。
  130. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 先ほどもこの道州制の問題に触れさせていただきましたけれども、当面、今の民主党政権、この内閣の方針としましては、自治行政の在り方というのは基礎的自治体を中心に担っていただく、それを都道府県という今の四十七のユニットで補完をしていくということが基本であります。それを前提にしながら、自治体間の連携とか、それから補完とか、こういうものを取り入れていくということでありまして、ただ、従来の経緯もありまして、道州制というものも、これは決して全く火を消したわけじゃなくて、射程に入れていく、だけど当面は、やっぱりいろんなことをこれからできるだけスピーディーにやっていかなきゃいけませんので、ちょっと、道州制というのは少しわきにと言うと失礼かもしれませんけど、少し棚の上に上げておくということだろうと思うんです。  といいますのは、道州制の問題というのは、具体的に取りかかりましても今日明日にできる問題ではありません。かなり年数の掛かることであります。そうしますと、一方では地域主権改革という中で、出先機関改革とか補助金改革とかをやらなきゃいけない。ところが、道州制を一方でやっていると、もうそれに全部合わせてしまって、すべてが先送りしてしまうということになりかねませんので、そこは少し分けた方がいいのではないかと私も思っておりますし、多分、民主党政権が道州制を射程に入れていくという表現をしたのはそういうことではないかなと私自身も推測をしているところであります。
  131. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 公明党も地域主権型道州制というものを主張させていただいているわけでございますが、大臣も以前に雑誌に寄稿された中で、同じような表現ぶりで、内容を読んでみるとほとんど同じかなというふうに思ったわけでございますが、私ども公明党もしっかり道州制、地域主権型道州制というものを進めてまいりますので、是非また御教示いただきたいと思います。  続きまして、地域主権戦略大綱でこの一括交付金について平成二十三年度から創設するという形になってございます。先ほど来から出ているわけでございますが、制度設計がいまだに明確に示されていないために地方側、非常に不安が高まっていると言っても過言ではございません。  大臣は今月八日の記者会見のときに、できるだけ早い時期に対象の洗い出しの作業を進めて、それを見ながら地域主権担当の方で主導的にこの問題を進めていきたいというふうに述べているわけでございますが、省庁横断的な会議が新たに設けられている、今日の新聞にも出ているわけではございますけれども、なかなか結論を出すに至っていないと思いますが、これ、いつごろを想定しているわけですか。
  132. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは工程表からいいますと、来年度からハード系の補助金については一括交付金化に取りかかりたいということでありますので、それを念頭に置きながら今作業を進めているところであります。
  133. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 それで、これ、民主党の代表選挙のときに一括交付金というのが随分飛び回っておったわけでございますけれども、先月十七日にこの一括交付金を一定程度圧縮するというふうな総理から指示があったんでしょうか。一括交付金自体は、これ自由に自治体が使えるというふうな資金であったはずでございますけれども、そういうふうになっていきますと、何か予算削減のツールのように見えてくるわけですよ、地方からしてみると。  まず、大臣は、菅総理からそういう削減をするんだという指示を受けられたのか、この事実確認をしたいと思いますし、もし受けられたとしたら、その指示の目的は一体何であったのか、どのように受け止められたのか、お伺いをしたいと思います。
  134. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 私は、組閣の日に呼び込みがありましたときに、総理大臣執務室で、他にもいろいろ案件がありましたけれども、その中の一つとして、一括交付金化についても全力を尽くすようにという指示をいただきましたけれども、そのときに圧縮せよという指示はありませんでした。  その後、総理とも意見交換といいますか、私の考え方をお話をして、意見のすり合わせをする機会がありましたが、そのときに私が申し上げましたのは、これは国庫の財源を捻出するためのツールとして考えるべきではないと申し上げました。もしそういうことでありますと、自治体は小泉内閣のときにトラウマがありまして、三位一体改革で地方のためだということで始めたんですけれども、結果開いてみると、かなり地方財源が圧縮されてしまったということがありまして、実はもうそれに懲りているわけであります。ですから、今回の一括交付金化もそういう趣旨で始めますと、恐らくそのトラウマがよく効いていますから、アレルギーが出てくると思います。  そうではなくて、これは地方の裁量とか自由度を増す改革だと思います。そのために、省庁の枠を超えて自由度の高い交付金にする。しかも、その配分基準というのは、まだ具体的には決めていませんけれども、できるだけ客観化して恣意性のないものにするということでいかなければいけないと思います。  ただ、そうなりますと、自由度が利きますから、今まで例えば数年掛けて補助金をもらいながらこつこつとやっていたものが、単年度でじゃ集中してやろうということも可能になるケースもあります。そうしますと、例えば手戻りが少ないなどで経費を圧縮することができる、それから他の事業と合わせてやることによって経費を圧縮することができるというような、そんなことが生じてくると思いますので、そういう観点に着目すれば、そういう副次効果を念頭に置けば、多少はやっぱり経費を削ることはできるんではないかという、そういうことも併せて総理に申し上げました。でも、それは恐らくおのずから常識的な範囲でしょうと。それが幾らかというのは、そのすり合わせはしていませんけれども、それは常識的な範囲内に収まるべきでしょうと、こんなことを申し上げまして、大体そういう共通認識に立っていただいているのではないかと私は推測しています。
  135. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 必要な、十分なこの予算を確保するように頑張っていただきたいと思います。これは今、じゃ削減のツールではないということを本当に重く受け止めたいと思います。  それで、この一括交付金を創設する場合、どのような基準に基づいて何に配分するのか、これが非常に大事なことだと思います。  前、大臣が参考人としておいでになったときに一般財源化の話があって、一般財源化すると要するに声の小さい存在というのがだんだん予算がなくなっていくよと、図書館の例を引かれまして、どんどん全国の公立の図書館、どんどん非聖域化してしまっているというようなことがございました。やはり一括交付金というのは使途制限を設けない、そういう意味ではいいわけでございますが、さっき大臣が、この参考人としてお示しになったような弊害が出ないような一括交付金というのは一体どういうものなのか、具体的なイメージといいますか、ありましたら教えていただきたいと思います。
  136. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 幾つかの論点が出たと思いますが、議員がおっしゃいましたのは、私がここで参考人で出席いたしましたときに申し上げたのは、例えば学校図書館なんかの補助金が一般財源化されたら支出がぐんと減ってしまったということを申し上げまして、こういう、弱者とは申しませんけれども、声の小さいところに対する補助金のようなものは必ずしも一括交付金化になじまないのではないかということを申し上げたんです。その面での配慮はやっぱりこれからも必要だろうと私は思います。  それからもう一つは、一括交付金化したときにどんな基準を使うのかということですが、これは再三申し上げていますように、もうできるだけ客観化して恣意性のないものにするということでありますけど、じゃ人口と面積でそのまま配っていいのかというと、そうなりますと今度は地域的に弱い地域が成り立たなくなる可能性もありますから、そこには客観化されても、しかし弱い地域に対する配慮を盛り込むという、客観化されたそういう盛り込み方というのは必要だろうと思います。例えば、高齢化が進んでいるところには恣意的ではなくて客観化されたかさ上げのようなものがあるとか、そんなことが必要だろうと思います。多分そういうことでお聞きになったんではないかと思うので、お答えを申し上げます。
  137. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 終わります。
  138. 寺田典城

    ○寺田典城君 みんなの党の寺田典城でございます。市長と知事は経験しておりますけれども、議会質問は初めてでございます。那谷屋委員長、ひとつよろしく御指導、皆様、賜りたいと思います。  また、片山大臣総務大臣に対しましては、この多事多難な折、総務大臣をお引き受けになったということにつきましては心から敬意を表させていただきますし、日本の国がそれこそ健康で文化的で経済的な有為な国になるように、それが維持できますように、大臣には健康に留意されて職務を全うしていただきたいと率直に思います。  一つは、この国の在り方について質問をさせていただきます。  まずは地域主権改革の推進でございますけれども、ここに資料ありますから少しこれも参考にしていただきますけれども、(資料提示)日本の国は峠は二十年前の一九九〇年でございました。今から比べますと、子供は年間十万人以上多く生まれておりますし、高齢化率は一二・一%、そして所得税、法人税などの税収は約二倍の六十兆円でございました。公債の発行額はその当時七・三兆円ですから、六分の一ぐらいでございます。今は四十四兆円とかですね。間もなく国、地方合わせて九百兆円を超えると言われる国と地方の長期債務残高は、その当時は二百六十五兆円でございました。  あのころの日本というのはやはり若く、国の財政にもまだ余裕があったと思っております。あれから二十年、経済が低迷し、デフレがこのとおり進んでおります。国内の産業も空洞化が深刻化しておりますし、最近の円高により製造拠点であります海外生産比率を更に上げようとする動きが出ております。この国の税収は減少の一途でございまして、埋蔵金使っても、先ほども話しましたが、国債発行額は四十四兆円にも達しております。少子高齢化が進み、年金、医療、介護に要する費用は急増、国民生活にも国の財政にも改善の兆しは見えておりません。閉塞感が蔓延しております。  もはや今までの延長線上で物を考えていてもどうにもならないと私は思います。社会システム、行政システムを変えない限り、この国はあと五年ももつかどうか分かりません。借金による副作用により国の信用がなくなり、国債の暴落などいろいろな弊害が出てくる危険性がございます。  今の我が国の行政システムは、今三枚の紙で表現させていただきます。このような形になっております。(資料提示)これが全く赤字の日本国家でございます。これがコストと仕事の量だと思ってください。権限というんですか。そして、国の権限は都道府県に及んでおりますから、このように仕事が重複で重なっております。そしてこういう、これは都道府県で、これが市町村行政ですね、青息吐息というんじゃないですけれども、本当に困っております。これも県も絡んでいます、国、幼保一体だってまだ進んでいないとか、どこでもみんな、これ道路一本造るにも市町村まだ絡んでいると。  これがコストです。ところが、仕事の量もこのとおりです。これを、コストどのくらい掛かっているかというと、こんなに掛かっているんですね、無駄が。権限が移譲されていない。それこそ、こういうことなんですね。これが同じ仕事しかしていないということでこうなっている。これをひとつ御理解賜りたいと思うんです。  ですから、この三枚の紙で表現させていただきましたけれども、要するにこれを、権限と財源をできる限り地方に移譲して分権型の社会にすることで行政の無駄をなくすと。これ、いつもしゃべられています。低コストで高い効率的な行政を目指すことが地域主権改革の推進のねらいだと私は思っております。  そうしたら、どのような形になるのかということなんですが、今、道州制とか言われております。市町村がこうあるとします。コストは下げていただきましょうと。企業が仕事をたくさんやるからコストは下げてもらいましょうと。これが道州制だと思います。そして、これ、国はどうするのと。国は、これからの話させていただきますけれども、こんなことをやっておったんじゃ、今はもう残れないということですね。こうすべきだと、このことを、こっちどうするかということですね。国の方々は、霞が関は何をすべきか、これをひとつ考えていただきたいと思うんです。  平成十二年の地方分権一括法の施行で、平成十七年まで合併特例法ができました。総務省の主導の下、自立型社会を担うということで、全国の市町村数は先ほど、三千二百三十二から千七百二十七になりました。私は、あの当時、平成十七年、あと五年もすれば北東北三県、青森県と岩手県と秋田県なんですが、合体して道州制も進んでいるだろうと、今の二十二年ころになればですね、そんな話をしておりました。知事同士で話しておったんですが、あれから一体何が変わったでしょうか。借金ばっかり増えております。日本中が疲弊していく中で、私たちが更なるグローバルの社会の競争の中で日本の国は生きていかなきゃなりません。  日本国憲法には、皆さん御存じのとおり、国際平和を誠実に希求し、戦争は永久にこれを放棄すると書いております。日本の長所は、国際社会の中で唯一戦争を放棄した平和国家だということであります。世界で最も安全、安心な国であり、それを支える日本技術、信義を重んじる日本人の精神は国際社会においても高い信頼を得ております。なぜこういった良さを生かそうとしないんでしょうかと言いたい。国家戦略としてこのような強みを生かし、世界に対して安全、安心な技術や人材を提供していくことで国際貢献を果たすことがこれからの日本の生きる道だと思うんです。  こうした国家戦略を支えるために不可欠なのは、地域主権型の道州制の実現であります。中央政府、いわゆる霞が関行政は、外交、安全保障、環境、資源エネルギーなど基本的な機能を担い、世界の発展のために国家戦略として国際社会に打って出るべきだと思うんです。そして、内政は地方に任せる。道州制を進め、各道州、基礎自治体の税源、財源、権限を一括して移譲すると。  一つ一つの条文を見ながら移譲するかどうか時間を掛けて検討するなんということはもうやめて、地方が自立するためのサポーターに霞が関行政はなるべきだと思うんです。それくらい大胆な転換を今すぐやらなければ、この国の将来は私はないと思います。  大臣所信表明で、順次必要な法案を国会に提出してまいりますと、地域主権戦略の大綱で示された工程に従い、迅速に取り組んでまいりますと述べられました。悠長なことを言っている時間はないのです。このままでは、日本の国家の財政も経済も破綻する可能性があります。  質問の一なんですが、地域主権と言っておりますが、地域主権の道州制を本気で進める気があるのかどうか、先ほども重複しました、この国の在り方を大きく転換していくおつもりなのか、片山総務大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。また、いつまでにどのようなお進めをなされるのか、そのスケジュールも工程表もお示ししていただきたいと思います。
  139. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 御質問いただきました道州制につきましては、先ほど来お答えしておりますように、今の私が属しております内閣では、この道州制をいつまでに進めようというのは政策課題としては、当面の政策課題としてはありません。  これは先ほど来申しましたように、広域行政体は現行の四十七の都道府県を前提にしながら補完をし合う、それからもう一つは、自主的に、都道府県が自主的に例えば広域連合を組むとか、北東北三県でまとまるとかという、そういうことを期待をしたり促したりするということであります。ですから、道州制をいつまでにということはございませんので、そこは御理解をいただきたいと思います。  あと、寺田議員がおっしゃったことは私もかなりもう同感であります。そんなに悠長な時間はないよということもそのとおりだと思います。もし私が全権いただければいろんなことをやれるんですけれども、しかし現実の政治はそうはいきませんので、やはり民意を代表された国会でお決めいただくことでありますから、やはり手続は必要だろうと思います。そうなりますと、多少時間は掛かるというのは、これは御理解いただけるんではないかと思います。  ただ、目標は、霞が関は、例えばこの分野でいいますと、自治体のサポーターに徹するということ、これは全く私も同感でありまして、今総務省の省内で特にこのことを職員の皆さんに話をしているところであります。
  140. 寺田典城

    ○寺田典城君 次に進ませていただきます。また再質問もさせていただきますけれども。  公務員制度の改革であります。私は、市長を経験させていただいて、行政の無駄と透明性のなさによく矛盾を感じておりました。職員には情報公開という意識がなかったため、平成七年に情報公開条例を制定させていただきました。ところで、市長を務めていても壁に当たりました。当時は県庁主権とも言うべき状態で、市長をやっていても県の課長を乗り越えることができませんでした。逢坂さんも経験なさると思います。    〔委員長退席、理事藤末健三君着席〕  私は、市長の職を辞して一九九七年に秋田県知事に当選し、三期十二年にわたり、情報公開を徹底的に行い、議論のプロセスを透明化するなど公正で明るく開放的な県政を目標に掲げ、主権在官から主権在民への改革に努めてまいりました。市や県でもこんな状態でしたから、ましてや国の省庁は岩盤のごとく堅いものでした。事あるごとに主権霞が関を痛感させられました。国民のニーズが多様化し、世界経済がいや応なくグローバル化、フラット化していく中で、国が地方の隅々までコントロールする今のような全国一律の制度では、もはやこの国は生き残ることができないと、私はそう思います。  行政の仕組みが複雑で手続が煩雑になってしまうのは公務員の数が多いからであります。公務員の皆さんは優秀でまじめなので、一生懸命仕事をつくって全国の隅々まで責任を持ってコントロールしております。これがいいことであるか悪いことであるかはよく分かると思うんです。そのため、国と地方で重複した仕事がたくさんこのようになっているということであります。仕事も肥大化します。  そこで、道州制を導入し内政を地方に任せれば、先ほどの三枚の紙で、あのとおり、説明したとおりになるわけですから、公務員は余剰になります、余ってきます。地方もこのとおり効率的になります。国にインターネットでぼんとメール来て、あれ出せ、これ出せということもなくなる、物すごく、三分の一ぐらいは必要なくなるんじゃないかと。  人口千人当たり、地方も道州で二人ぐらいでやっていけるんじゃないかなと思うんです、私は。それから市では、私、市長の経験して、七人まで落とせましたので、やれると思うんです。そういう、市町村でも十人以下ぐらいでできると思うんですよ。地方公務員も大幅に削減できるはずでありますし、実際にこれくらいの人員で行政運営している自治体もございます。  こうして生じる余剰人員をどうしたらよいでしょうか。  例えば、東北地方整備局の職員は約三千人と言われております。これを東北六県で五百人ずつ受け入れてくださいと言われても、自治体は業務の効率化を進めており、国家公務員を大量に受け入れる余裕はありません。かといって、解雇することも難しいでしょう。現実的には、新規採用を抑制しながら、時間を掛けて削減していくことになるのではないでしょうか。    〔理事藤末健三君退席、委員長着席〕  人員が適正規模に収束するまでは、先ほど申し上げたように、グローバルな態様の新しい国家像を示した上で、国際戦略として全国の優秀な公務員の能力を国際社会の舞台で大いに発揮させることが大切だと思うんです。防災、災害復旧、農業も含めたインフラ整備、都市整備、環境衛生など、日本の得意な技術と人材を産業界と協力して積極的に世界に提供していくことではないでしょうか。国の総力を挙げて国際貢献を果たす、世界の人々を豊かにすることが新たな産業を生み、日本の国際競争力を向上させていくのだと、私はそう思います。地域主権が進み、官民がグローバルな舞台で活躍する、政府にはこのような前向きな改革を期待しております。  片山総務大臣は、質問の二番目ですが、地域主権改革において国の出先機関を原則廃止と述べられました。原則廃止とは一体どういうことなのでしょうか。具体的にはどのように取り組んでいくおつもりか、お答えいただきたいと思います。  また、国家公務員の総人件費の削減について、いつまで何をどのように進めていかれるのか、具体的なスケジュールをお示ししていただきたいと思います。みんなの党は二割の賃金を削減するというお約束もしていますが、民主党も約束しております。どうしますか。それも具体的にお示ししていただきたいと思います。よろしく。
  141. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 立て続けに幾つか御質問いただきましたので、ちょっと漏れているかもしれませんが、そのときは御指摘をください。  公務員の処遇についてお話がありまして、寺田議員は、道州制を導入すれば公務員が相当圧縮できる、その公務員をどうするのかということで、もっと前向きに国際関係の業務に従事させたらどうかというのは、これは、実は道州制を導入しなくても現実の問題として今実は困っている問題に対する回答一つだろうと思います。すぐどうなるか、これは分かりませんけれども一つのアイデアだろうと思います。  といいますのは、現在でも、道州制関係ありませんけれども、現在でも、天下りを禁止して早期退職が基本的になくなって大幅に減っております。採用も減らしておりますけれども、結果は非常に中膨れといいますか、そういう状態になっておりまして、いろんな苦肉の策を今講じているような次第なんです。そのときに、単なる後ろ向きではなくてもっと前向きに、明日につながるように職員を活用したらどうかというのは、それは私は一つのいいお考えだろうと思います。頭に入れておきたいと思います。  それから、出先機関の原則廃止はどういうことかということなんですが、これは出先機関を全部廃止することができるかというと、それは無理です。例えば国税局、税務署なんというのはこれは国の出先機関ですけれども、これを廃止するわけにはいきません。ですから、そういうものは国家の事務としてこれからも存続させなきゃいけませんので、それは残すということであります。  ただ、出先機関の多くは自治体の事務と重複したりするようなものもありますし、自治体で担えるものもありますから、それらはもう廃止するということで、そういう意味原則廃止ということで、それに向けて今作業を進めているところです。  それから、人件費削減の問題は、これも先ほどちょっと触れたと思いますが、要するに単価掛ける総人数でありますので、単価の問題としては、例えば今回の人勧の処理をどうするかという問題を今詰めておりますけれども、それ以外に、例えば退職手当をどうするかとか各種手当をどうするかというような問題もあります。これが単価系統の問題であります。総人数の問題としては、事務を削減して何人減らせるか、それから出先機関改革で何人減らせるか、そういうことをこれから、先ほど言いましたように昨年から起算して四年間で仕上げていくということであります。
  142. 寺田典城

    ○寺田典城君 地方財政のことでございます。  地方分権が進めば、地方は自立せざるを得なくなります。自己決定、自己責任の自立型の社会だと思います。財政が飛躍的に好転する見通しも立っていません。税収が減少する中で、国も地方もお金を掛けずに、行政というのはお金を掛けることが行政だと思っている、仕事だと思っているんです、これが一番欠点だと思うんですね、掛けずに運営することを知恵を絞らなければならないと思うんです。  さて、地方が自由に使える財源として地方交付税があります。平成十五年の二十三・九兆円がピークでした。平成十九年までの小泉改革を経て十七・八兆円まで、約五兆円の削減が進みました。  この間、地方では行政改革などスリム化に夢中になって取り組みました。行政運営の効率化に励みました。それこそ生きるか死ぬかというぐらいみんなが知恵を絞ったと思うんですよ、お金がないから。実際に私は秋田県の知事時代に、毎年三%の退職者が出ました。新規採用を一%に抑えて、十年ほど掛けまして、知事部局の人員、約五千人弱なんですが、それから三千五百人へと、三割削減することができました。また、聖域とされた学校や警察署の統合も手掛けました。県全体の職員人件費平成十年の千八百三十二億からそれこそ昭和六十三年並みの千五百五十一億と、二割削減することができました。これはやればできるんです。国家だってやらなきゃならないことなんです。  それにもかかわらず、今年度の地方財政計画では地方交付税総額は二十四・六兆円です。過去最高に達しました。そのうち、臨時財政対策債は七・七兆円と、これまでに例のない規模であります。これは赤字地方債です、御存じのとおり。小泉改革では地方へ三兆円もの税源移譲もなされているのに、なぜ国から地方へこんなに多くの仕送りをしなければならないでしょうかということ。こんなことを続けていては地方はいつまでたっても自立はできず、日本は財政破綻への道を歩むことになるのではないでしょうか。  質問の三番目なんですが、片山総務大臣は、地方交付税などの制度全般にわたり、地方自治体の自主性、自立性を高める観点から見直しすると表明されました。一方で、今年度の地方交付税の総額は過去最高の二十四・六兆円でございます。このことについてどのように説明されるのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
  143. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 寺田議員が秋田県でいろんな改革をされたというのは私も存じておりまして、そのころ私も非常に苦労しながら改革をいたしました。例えば給与カットを人事院勧告以上に五%、七%やるとか、現業職員給与は二十数%カットするとか、いろんなことをやりました。予算総額も相当減らしました。そんなことを、苦労したことを今思い出しながら伺っておりました。  交付税が増えているではないかというのは、これは、交付税というのは地方税収とのトレードオフの関係にあるわけで、地方税収が減れば交付税が増えるという、そういうメカニズムになっているわけです。本来ならば赤字地方債ではなくて全額地方交付税で措置されるということが基本でありますけれども、今国庫のこんな状況でありますので、国庫も火の車でありますから、残念ながら赤字地方債という形の交付税もどきが七・七兆円あるということで、これは今の、現時点での経済情勢と、それから国、地方を通じた財政事情ではやむを得ない措置としてこういうことになったんだろうと思いますが、決して本来の姿では私はないと思います。  本来は、私は、理想的な交付税というのは、こうやって毎年毎年何か赤字地方債で措置をして地方に借金を重ねていくということではなくて、もう国税五税のそれぞれの何%というふうに交付税率を数年間はフィックスして、確定して、その中で国も地方もそれぞれ、国はもちろんですけれども地方も自主性を持って運営していくという、そういう地方財政の姿を目指さなきゃいけないと思うんです。それは今日明日できる話ではないと思いますが、そういうことにしなきゃいけないと思います。  片山議員が先ほど来、私の鳥取県知事時代の財政運営についていささか非難がましく、借金増えているじゃないかということをお触れになられましたが、実は、増えているのは全部赤字地方債なんです。交付税の身代わりなんです。実質的な借金は、実は私は、自慢するわけじゃありませんけれども、減らしているんです。ただし、もう地方財政の中にビルトインされてしまった交付税の肩代わりとしての借金、これはしようがありませんので、それは随分増えました。それはやっぱり正常ではないと思います。そんな認識を持っております。
  144. 寺田典城

    ○寺田典城君 時間ないですから。  そうしたら、公務員の総人件費の削減について、私も賃金カットしたことあるんですけれども、賃金カットする気がおありになるのかないのか、それからその人数はどのように考えて、もう一度具体的に示していただきたいと思います。
  145. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 先ほど来言いましたように、単価の問題でありますけれども、今まさにそれを検討しているところでありまして、政府内で検討しておりまして、人事院勧告という労働基本権制約の代償としての現行制度を基本的には尊重しなきゃいけないという原則があります。それからもう一つは、現下の財政事情、社会経済情勢で公務員人件費をどうするかという問題があります。これを今どうするかで苦吟しながら検討しているところであります。  人数の問題は、先ほど来言いましたように、地方出先機関改革で一体どれぐらいのものが出てくるのかというのは、これは今のところ分かりません。もうこれは全力で取り組むしかありません。あともう一つは、無駄な事業をやめることによってできるだけ多くの人数を減らすことができるように努力をしたいと。  現時点ではそのようにしかお答えすることができません。
  146. 寺田典城

    ○寺田典城君 最後に一言。  今のシステムでは恐らく将来、日本の国は行き詰まってしまうだろうと思います。国会も、それこそ官僚も、これには責任取ることが必要だと思います。ひとつ努力していただきたいと思います。  以上です。
  147. 山下芳生

    ○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  私は、片山善博前鳥取県知事が総務大臣に就任されることが決まった瞬間から、論戦できることを大変楽しみにしておりました。  といいますのは、実は私、初めて大臣にお会いしたのはもう十年ほど前になります。当時、鳥取県知事だった大臣は、鳥取県西部地震で壊れた個人住宅を再建するために、県独自に全壊世帯に三百万円支給することに踏み切られました。地震発生からわずか十日後の決断だったと記憶しております。当時の政府はどうだったかといいますと、私有財産制の国では個人の財産は自己責任が原則だ、個人の財産に対する支援は憲法違反だという考えに固執して、それより五年前に起こった阪神・淡路大震災の被災者への住宅本体に対する直接支援を拒み続けていたわけであります。私は初当選が一九九五年、阪神・淡路大震災の年で、いかに被災者を支援するかを私のもう原点として国会に上がりました。当時の村山首相、その次の橋本首相に個人補償をやるべきだと何回迫ってもさっき言った厚い壁に阻まれました。そのときにまさに片山知事がそういうことをおやりになった。画期的な私は政策だったと思います。  そこで、超党派の国会議員で片山知事を国会、議員会館にお招きして話を聞いたんです。そのとき知事は、被災地に行くと山間地の民家がたくさん壊れていたと、住んでいるのはみんなお年寄りだと、住宅再建を支援しなければお年寄りたちはもう村から出ていくしかない、娘、息子さんたちのところに行くしかない、そういうところで壊れた道路や橋を幾ら直しても住民がいなくなったのでは全く意味がないじゃないか、だから個人の住宅再建を支援するのは高い公共性がある、憲法違反なんかには全然当たらない、政府と論戦しても絶対負けないんだということを国会でおっしゃったんです。私は論旨明快な話に非常に感激したことを今でもはっきりと覚えております。  住民こそ主人公という地方自治の本旨、それから住民の福祉の増進という地方自治体の一番の仕事を知事として実践されたことに深い尊敬の念を持った次第であります。  そこで、改めて、当時知事としてどのような思いであの政策を実施されたのか、聞かせていただけますでしょうか。
  148. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 十年前の十月の六日にマグニチュード七・三、最大震度六強という阪神・淡路とほぼ同じ規模の地震がありまして、かなり壊滅的な打撃を受けました。幸い人口が希薄な地域であったものですから、死者は一人もいないという幸運にも恵まれました。  その際に、被災地に行きますと、今、山下議員がおっしゃったような状況でありまして、被災者の大半は高齢者、独居世帯でありまして、その人たちは皆さん、もう家が壊れてそれを再建する資力も気力もないという状態で、都会に出ている子供を頼って出ていく相談をされておりました。  そういうときに、災害復旧、道路でありますとか橋でありますとか、そういうものはもうどんどん進みます。政府から有り難いことにお金はどんどん出てきます。しかし、肝心の壊れた住宅をどうするかということについては一切ありませんでした。厳密に言いますと、住宅金融公庫の低利融資がありましたが、これは借りられた人だけでありますから、借りられない人には関係ないということでありました。  そうしますと、はてさて災害復旧のミッションは何だろうか。道路を直すことがミッションなんだろうか。それは違うわけです。生活者がそこに住み続けることを可能にするための道路を直すためなのに、その生活者がいなくなるのでは何をやっているか分からないと私も思いまして、それは住宅を直すしかない、住宅再建支援をするしかないということにしたわけです。  その際に、政府からは非常に激しい反発がありました。貧乏県のくせにそんなことをするなと、個人の財産に支援をすることは憲法違反だと言われました。私はそのときに単純に伺いました、憲法第何条にそれが書いてあるのかと。それに対しては答えがありませんでした。そんなことは書いてありません。  それからもう一つは、じゃ農地災害復旧というのがあるけれども、これは個人の資産形成にお金を投入することではないんですかと聞きましたら、しばし絶句された後、まあそれは生産手段だからいいんでしょうねと言われまして、生産手段は優遇されるけれども生活手段は非常に冷遇されているという、その辺のギャップを感じたような次第であります。  いずれにしても、憲法違反ではありませんので鳥取県のお金を使って住宅再建をした次第であります。おかげさまで、この災害がきっかけとなってあの地を後にされた人は一人もいなかったということで、また、孤独死とか自殺とかそんなことも一件もなかったということで、大変私は有り難かったと思っております。  あともう一つ、正直に言いますと、実はこの方が安上がりだったということもあるんです。仮設住宅を造りますと、撤去費も含めて大体四百万円ぐらい掛かります。その必要性もありましたけれども、住宅再建支援をするということになりましたら、皆さん御自分でやられますから三百万の方が安上がりだったということ。余り言いませんでしたけど、こんなことも実は事情としてはございました。
  149. 山下芳生

    ○山下芳生君 大変教訓に満ちたお話だったと思います。  更に詳しく聞きたいんですけれども、災害復興のミッションとは何かという二〇〇七年三月の大臣の講演録を読ませていただきました。これは、二〇〇〇年に発生した鳥取県西部地震で独自の支援、住宅支援に踏み切った経験を、知事退任直前の大臣が阪神・淡路大震災の被災者を前に神戸市で講演されたものであります。その中で現場主義のことも語られておりますし、先ほどおっしゃられた、中央政府からそんなことは憲法違反だからやらないようにと圧力が掛かったけれども、何条に書かれているんだと言ってはね返したという話もありました。  そこで、一つ聞きたいんですけれども、なぜ当時、大臣は政府、総務省と闘うことができたのか。その力はどこから出たのか。といいますのは、阪神・淡路大震災の被災地の首長は、多くは残念ながらそれができなかったんです。何が違うんですか。
  150. 片山善博

    国務大臣片山善博君) それは、先ほど申しましたように、私は憲法違反だと言われたときに、私もいささか憲法を勉強しておりましたので、一体何条にあるんですかという単純な質問をしたわけであります。それで、当時の政府の皆さんの憲法違反説というのはもろくも崩れたわけであります。  後日、阪神・淡路の関係の方が来られました、鳥取県に。鳥取県はどうしてできたんですかと。なぜ、我々神戸の者ができなかったのができたんですかと、こう言われまして、その方々は多くは弁護士さんでありました。その弁護士さんに私は、なぜあなた方は憲法違反だと言われたときに憲法第何条かと問いたださなかったんですかと聞きましたら、憲法は余り日ごろ勉強していないからと、こうおっしゃっていましたけれども。要するに、憲法違反だということに対して実定法で追い詰めていったということだけのことであります。
  151. 山下芳生

    ○山下芳生君 今の話を阪神・淡路の被災者の方には余り聞いてほしくない、大変なお話だったと思います。  しかし、阪神・淡路の方々も、知事が鳥取でそういう対策、政策を発表された直後に、よくやってくれたと、自分たちが願っていたことなんだといって大変応援のメールを送ったということも聞いて、それにまた知事が励まされたということもこの講演では語られておりますけれども。  私は、今の話聞きまして、政治家の使命とは何か、これを考えさせられたんです。つまり、前例がなくても、あるいは既存の政策がなくても、切実な痛切な要求があればそれを実現するためにありとあらゆる方途を探り出して道を付けていくと、これが政治家の使命、知事あるいは大臣も含む使命ではないかなと思いますが、いかがでしょうか。
  152. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これはミッション、私はミッションとよく言うんですけれども、だれのために何の目的で仕事をしているんですかということだと思うんですね。率直に申しますと、憲法違反だということを言われて、第何条に書いてあるのかということでその憲法違反説はもう瓦解したんですけれども。  その後のことを申しますと、困るという話が出てきました、やってもらっては困るという話が。これはなぜ困るのかというと、阪神・淡路のときに憲法違反説でそれで押し通していたのに、鳥取県ができるということになったら困るということであります。確かにそれは分からないでもありません、私も役人をやっておりましたから。だけど、鳥取県では、被災地に行きますと住宅再建支援をやらなかったら被災者が困るわけです。その住宅再建支援をやれば霞が関の関係者は困る。どっちが困る方が重要だろうかといいますと、やっぱりそれは被災者だろうと思うんですね。被災者は家を失っているわけです。霞が関の皆さんはちゃんと家があって生活に困っていないわけです。それだったら霞が関の皆さんの方に困ってもらう方が政治としては選択することではないかと、こう思った次第であります。
  153. 山下芳生

    ○山下芳生君 地方自治とは何か、自治体の仕事とは何か、政治家の使命とは何か、お話を聞きました。私は、知事として実践し語った立場を是非総務大臣としても貫いていただきたいと、そう思っております。今後、その立場から大臣の活動を注視させていただきたいと思います。  次に、市町村合併の問題について、引き続き片山大臣に伺います。  先月、鳥取市を訪ねてまいりました。鳥取市は二〇〇四年十一月の大合併で周辺八町が鳥取市に吸収されました。人口は十五万人から二十万人に、面積は三・三倍、七百六十五平方キロメートルになりまして、地図を見ますと、日本海から岡山県境までずどんと全部鳥取市になっていて大変びっくりいたしました。  その中の吸収合併された地域の一つ、旧鹿野町というところに行きました。人口三千四百人ほどの小さな城下町でして、城跡公園には今も内堀、外堀、石垣が残っておりまして、京風千本格子が大変美しい町並みで、訪れた者を和ませてくれておりました。それで、この鹿野町では合併前から町民と行政が一緒になって、町営の国民宿舎、温泉館、そば道場、ふるさと農産加工所などの施設を造り、運営をされておりました。鳥取市と合併する際も、町民が一株五万円の出資をして株式会社ふるさと鹿野を立ち上げて、これらの施設を現在、指定管理者として運営しております。こんなやり方があるんだなと学びました。年に一度お祭りがありまして、紺屋町、鍛冶町、大工町など町ごとに屋台、だんじりですね、これを引くそうですけれども、ふるさと鹿野交流館で祭りのビデオを見せていただきましたけれども、夜の城下町をちょうちんを付けた屋台がゆっくりと進む風景はとても趣がありました。  私が思ったのは、こんなにすばらしい文化、住民自治が息づいている鹿野がどうして鳥取市との合併を選んだのか、非常に素朴な疑問が浮かんだんです。いろいろ町民の方々に話を聞きますと、町財政が大変なんだとか、あるいは合併しなければ現在数千円の健康診断が一万円に跳ね上がるなどが集落ごとに宣伝されて、逆に一体感のある町ゆえに不安も一気に広がってしまったという話を聞きました。背景には小泉三位一体改革による地方交付税の削減と市町村合併の誘導が、この自治の町、鹿野をして鳥取市との合併に進ませたのかと、改めてその罪深さを私は感じたわけですが、大臣平成の大合併についての認識、評価について聞かせていただきたいと思います。
  154. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 先ほどお答えしましたように、現時点で一概にいいとか悪いとかということはなかなか難しいと思います。これは、まあ百年の計とまでは申しませんけれども、地域の在り方というのは今の評価とまた将来の時点での評価と違ってくる可能性もあるとは思います。  そういう前提でありますけれども、私の印象を申し上げますと、幾つかありまして、一つは、これはさっき申し上げたことですけれども、住民の皆さんの意思表明と合意形成というものの手順がなかなかできていないところが多かったんではないかと思います。短時間のうちにもう為政者といいますか首長と議会だけで方針決めたところもありますし、それから財政難で追い込まれてという事情があったところもあると思います。そういう意味で、住民の皆さんの意思表明、意思形成、合意形成というものが必ずしも十分でなかったということはあると思います。  それと関連するんですけれども、私がそのとき痛切に感じましたのは、情報の偏りがやっぱりあったと思います。このままいくともう駄目になるんだという情報ははんらんしておりました。いや、だけどこうすればうまくいくんではないかという情報はないわけではありませんでしたけれども、貧弱でありました。ですから、重要な政策を考えるときに、やはり情報提供、バランスの取れた情報提供というものがやっぱり必要ではないか。そういう意味では、官とは離れたところの例えばシンクタンクとか地域を考える研究所とか、そんなものが日本では手薄であって、国それから県、市町村ともみんな合併しないと大変になる、合併すればバラ色になる、多少問題はあるけどこうすれば克服できるという、そういう論調の資料ばかりでありましたから、住民の皆さんの判断にもそういうものは色濃く影響したんではないかと思います。やはりバランスの取れた情報というものが必要だろうと思います。  あと、せっかく鳥取市のお話がありましたんで申し上げますと、これはもう決められたことでありますから、私は当時知事でありましたけど、一市民としてそれなりの見識、見解を持っておりましたけれども、これはどうしようもありませんでした。正直言いまして、余り合併で規模ばっかり大きくなるのは必ずしも賛同し難いということは実は内々申し上げたようなこともありましたけれども、それよりもやっぱり合併の吸引力の方が強かったということだろうと思います。  そのときに私が申し上げましたのは、地方自治というのは、幾つかの重要な要素がありますけれども一つはやはり住民の皆さんのために質の高い仕事をしなきゃいけない、そのためにはある程度規模は大きくならなきゃいけないと、これは事実だろうと思います。それからもう一つは、そうはいってもやっぱり地方自治というのは民主主義が基本でありますから、民主主義を実践しようと思ったら余り規模は大きくない方がいい。やはり空間と民主主義の関係というのは非常に重要でありまして、空間が広がれば民主主義が薄くなる。どんどんどんどん広がれば、世界的に言えば、これは空間が拡大すればもう帝国になるしかないというのがもう歴史でありますので、ちょっと大げさでありますけれども、民主主義は余り大きく、民主主義の観点からいえば区域は余り大きくならない方がいいと、こんなことを申し上げたんですけれども、結果としては今のようになっております。これを将来どう評価するかは後世の人の評価に懸かっていると思います。  ただ、悪いことばっかりではないのは、鹿野町は今おっしゃったようないろんなことをされているんですけれども、合併後芸術の拠点になりまして、演劇、鳥の劇場、こういう演劇集団がそこに拠点を設けて今活躍されておりますけれども、これらは合併後の鳥取市が支援をしたことでありまして、さて合併前の鹿野町でそれができたかどうかと、これは疑問でありますから、そういう評価すべき点もあるということは申し上げておきます。
  155. 山下芳生

    ○山下芳生君 先ほど規模お話が出ましたけれども、私も行って規模の問題感じたんです。同じく吸収合併された旧国府町というところに行きました。人口八千七百人ほどの町で、西は旧鳥取市、東はもう兵庫県境の山と接しておりました。鳥取市との合併で役場の雰囲気が大きく変わったというふうに聞きました。旧役場時代には七十人余りいた職員が今二十五人で、しかもその半分が顔を知らない、つまり国府町が地元じゃない人になったと。旧町時代は夜中でも職員の自宅に頼み事が舞い込んでくるほど町民と役場が身近な関係にあった。これがいいか悪いかという面はあるかもしれませんけれども、今は頼んでも権限がなく判断が遅い。それなら初めから本庁へ行くということになって、今支所になっているんですけれども、支所に来る人がもう極端に減ったということなんですね。  元々この国府町の職員だった方が、合併後しばらく鳥取市の職員として市役所で働いたときに感じたことは、職員が全く住民のところに出ない、苦情処理のときぐらいにしか出ないと、えらい違うなと思ったそうですけれども、旧国府町の職員時代にはもう呼ばれたらすぐ行くし、呼ばれなくても問題がありそうだったら行っていたと。何でそうなるかということを私聞いてはっとしたんですけれども、小さな町では町の職員も住民でありまして、サービスの提供者であるとともに受益者でもあると。地域が良くなって住民が良くなれば自分も良くなると。そういう関係にあるということを聞きまして、なるほどこれは大事だなと。住民自治の原点、自治体で働く労働者のやりがいの原点かもしれないと。やはり自治体の規模は私も大き過ぎてはならないなというふうに感じた次第ですが、もう一度、その点、感じることがあれば。
  156. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、私は、規模の問題とそれから質の問題の兼ね合いだと思うんですね。小さければ小さい方がいいというものでもありません。やはり難しい仕事をするためには専門のスタッフも置かなきゃいけません。ある程度のやっぱり規模がなければ高度な業務はこなせません。さりとて、大きくなればなったで、先ほどの民主主義と空間との兼ね合いが負の要素で出てくるということがありますから、それをどこで折り合いを付けるか、バランスを取るかというのが、これがまさに住民の意思形成、合意形成だろうと思うんですね。そこの合意形成のところ、納得ずくの合意形成のところがいささか手薄であったんではないかということをさっきから申し上げているわけです。
  157. 山下芳生

    ○山下芳生君 いろいろ議論をさせていただきましたが、私は、民主党が掲げている地域主権改革というのは、国の仕事は外交防衛などに特化すると、福祉、教育などは地方に任せると。したがって、基礎自治体がそれを担うだけの力を付ける必要があるということで、これは必然的に新たな上からの市町村合併にならざるを得ない面があると思っております。是非、もしそういうことが起こってくれば、私は、片山総務大臣は体を張って止めていただきたい。それが私は片山総務大臣のミッションだと思うということを申し上げておきたいと思います。  最後に、自見郵政担当大臣質問させていただきます。  日本郵政の正社員化の問題です。非正社員の正社員化について、当委員会での私の質問に対して亀井前大臣は、二〇一〇年度から三ないし四年掛けて十万人の正社員化を進めていくと、できるだけ時間を掛けずに速やかに、少なくとも現在働いておられる非正規社員で希望される方々については逐次登用していきたいと答弁をされました。  自見郵政改革担当大臣は、亀井前大臣と同じ考えで進めていかれるのでしょうか。
  158. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 山下先生からの御質問でございますが、日本郵政グループの非正規社員の正規社員化は日本郵政グループの経営判断によって行われるものだと思っておりますけれども、私としてはそのような労働環境の整備につきまして重要な事項であると認識しておりまして、今回提出した郵政改革法案の第三条において、はっきり法律に一般的な規定として郵政事業における労働環境の整備に関する配慮規定を設けているところであり、亀井大臣と同じ考えで異なるものでないということを申し上げておきたいと思っております。
  159. 山下芳生

    ○山下芳生君 亀井大臣と同じだということでありました。  それともう一つ、私は、日本最大の非正規社員を擁しているのが日本郵政です、二十一万人ですから。どういう日本郵政が雇用形態をつくり実行していくのか。これは郵政にとどまらずに、我が国の将来にとっても極めて重要な課題だと思っております。日本郵政における非正規社員の正社員化は日本社会全体に大変大きな前向きの影響を与えると、そういう意義のあるものだと思いますが、その点、大臣の御認識、いかがでしょうか。
  160. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 山下議員と私とは全くその点認識が一致しておりまして、私は十二年前に郵政大臣をさせていただいたわけでございますが、そのときまだ国営ということでございましたが、三十二万人の正規社員なる国家公務員がこの郵政三事業を担っておりました。  今先生の話にございましたように、現在は、日本郵政グループ、正規社員が二十三万人、非正規社員が二十一万人ということでございまして、約、もう日本最大の、先生が言われたように、非正規社員を雇用している組織体がこの日本郵政でございまして、私も先日、当時亀井大臣と我々、森田さんも行きましたが、民主党、社民党の議員も一緒になりまして、東京、大阪、広島、福岡、それから長野、それから新潟の郵便局に非正規社員の方五十人ずつぐらい大体お集まりいただきまして、一時間ぐらい話を聞かせていただいたんですよ。  その話を最初から聞いておりまして、確かに、特に女性の方は若いとき、子供が小さいときは週に三日、午前中だけ働くのがいいというようなことも言われる方もいました。しかし、もうほとんどの方が、同じ働いていて何で我々は、たしかボーナスが二万、五万、十万でして、それから、非正規社員ですから期限が来たらまた継続されるかどうか非常に不安になるとか、そういった非常にいろいろな不安、不満を聞いてきましてね。それから、そういったことでまさに我々は、このことは非常に国の在り方として、この十年間、本当にこういった企業体が変わったなということを実感を持って感じたわけでございまして、しっかり、今先生が言われたように、今これ、亀井大臣がこういったところできちっと正規社員化をするということを言われたわけでございまして、これは実際、正規社員化しておりますが。  実は、日本郵政の経営判断として試験をしたわけでございますけれども、先生もう御存じと思いますが、六割が実は不合格になっておりますが、実は今、私もこの前話を聞いてびっくりしたんですが、非正規社員の教育、この問題はもうほとんど以前に比べて教育システムもございませんし、もうこれは本当に暗たんたる気持ちでございましたが、そういった意味で、しっかりやっぱり今の経営陣も人材育成教育、典型として郵政大学校も廃止しましたし、これを新たにやはり、もう明治以来、郵便局で働く人はやっぱり自分たちの身内できちっと教育をしていくということをやってきたわけでございますから、そういったことを考えて、こういった、いずれにしても私たちは、日本郵政グループはこのようなフォローアップにきちっとモチベーションを維持することを期待をいたしておりまして、是非、まず六割ということでございましたが、どうしても不合格となった人をまた教育するということをこの前も社長さんが言っておりますし、しっかりその方向でやっていただきたいということを私からもお願いをしたような次第でございます。
  161. 山下芳生

    ○山下芳生君 最後におっしゃったように、三万三千二百七十九人受験応募されて、合格者が一万三千四百六十四人と六割落ちているんですね。亀井大臣も、一回の試験でふるい落とすというんじゃなくて、何度も能力、実績を評価した上で逐次登用したいとおっしゃっていますから、そのためには、おっしゃられた研修など、それからフォローする体制、これはどうしても必要ですから、改めてその決意を伺って終わります。
  162. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) もう今、山下委員が言われたとおりでございまして、御指摘の不合格者に対するフォローアップについては日本郵政グループにおいても研修を行う、社員全体の資質向上のために、今さっきも言いました郵政大学校を活用するなど、新たにこれは再開をいたしましたので、人材育成を実施していくものと聞いております。  いずれにいたしましても、非常に日本のここのところの労働法の規制緩和、行き過ぎた規制緩和、あるいは人材派遣業というのが大変ここのところ進んできたわけでございますけれども、実態はこういうところもあるわけでございますから、日本郵政グループのような、しっかりフォローアップにモチベーションをきちっとして、いい仕事を期待して、しっかり郵政改革担当大臣としてもやらせていただきたいと思っております。
  163. 山下芳生

    ○山下芳生君 終わります。
  164. 片山虎之助

    片山虎之助君 片山虎之助でございます。私が最後の質問者ですから、もうしばらくの御辛抱をお願いいたしたい。  まず、私事から話すことをお許しいただきたいと思いますが、今度の新しい総務大臣は私と姓が同じです、御承知のとおり。鳥取の知事だったんですが、出身は岡山県なんですよ。自治省では、私の方が年寄りですから、先輩と後輩でございまして、入るときからよく知っているんで、何かの因縁だなと、こう思っておりますが、まさかこういうところでやり取りしようとはね。  私、御存じの方あると思いますが、初代の総務大臣なんです。平成十三年の一月に総務省ができまして、その前から大臣をやっていたんですが、そのまま三省庁統合になってなって、初代で、恐らく新大臣が九代目だと思いますよ。だから、大変そういう意味では親近感を感じておりますが、どうも私は、民主党政権に政権交代する、菅政権ができる、恐らく入閣するんじゃないかと思いましたよ、そういう見当は私、いいものですから。だから、そうなるとこういうことになるんだなと。  私は、この辺はもう大変なじみがあって、しょっちゅうその辺に座って、山下さんなんかにいじめられまして、今日聞くと新大臣にはべたべたですな。私のときは一切なかった。まあ、私が平成の大合併や三位一体改革の最初をやったものですから、そういうあれもあるんですが、ここでは今隣ですから、これもまあ因縁だと思っております。  それで、片山大臣は華麗な転身ですよ、皆さん。自治省のお役人から鳥取県の知事になって、鳥取県の知事も二期で辞めて、大学の先生でしょう。半分タレントですよね。タレント風になって、今度は大臣ですから。だから、いろんなことで地方自治に転身しながらかかわってこられた。だから、相当な、今日聞かれても、知識も見識もありますよ。  そういうことの中で、あなたの今までの半生で、まだまだ大分おいきになるでしょうから、今の日本地方自治についてどうお考えになっているか、あるいはどこに問題があってそれはどう直せばいいか、歯切れのいいところで頼みます。
  165. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 私、地方自治をライフワークにして、いろいろ転々としてきましたが、ライフワークとしておりまして、幾つか気になっていることがあります。  一つは、地方自治というのはやっぱり住民が主役であります。もっと住民の政治参加機会があった方がいいと思います。もちろん間接民主主義が基本でありますけれども、それを補完する意味でもっと住民の出番があってもいいというのが一つ私の考え方であります。  それと関連するんですが、地方自治というのは一番の基本は税を決めることだと私は思っております。どれだけ共通の仕事をするのか、それに要する費用をみんなで負担分任をする。そうしますと、たくさん仕事をすれば税率は当然上がる、仕事をやめれば税率は下がるというこのメカニズムが地方自治の原点だと思うんですが、我が国の地方自治ではこのメカニズムがほとんど作動しておりません。  それから三つ目は、議会であります。これはいささか言いにくい面もありますが、もう率直に申し上げますと、多くの自治体、地域に行ったときに、住民の皆さんと議会との間に必ずしも十分な信頼関係がない。本来、間接民主主義というのは、選ぶ人と選ばれた人との間に信頼関係があって初めて成り立つものであります。その上で、まああの人たちが決めたんだからいいわということなんですけれども、どうもその信頼関係が必ずしも十分でない。この信頼関係を取り戻すことが必要だ。  ほかにもいろいろありますけれども、以上三つが私が今一番気になっていることであります。
  166. 片山虎之助

    片山虎之助君 言われるとおりなんですよ。私は、今の日本地方議会いろいろありますよ。一律に、一概に言うのはあるいは間違うかもしれませんが、自浄能力は余りないと思う。  それからもう一つが、住民もあなたが言われるように責任を持って負担を分任する、それだけのまだあれがあるのかどうかですね。甘ったれているところがある。だから、それで住民住民と、確かにまたいいですよ、住民自治ももう少しこれは充実した方がいいと思う。あるいは、地方議会にもっとやってもらわなきゃいけません。  しかし、どうですか。今の我が国は大統領制なんですよ。地方は二元代表制と言われましたがね。ところが、二元じゃないわね。圧倒的に首長が強いんですよ。見てください。それは名古屋もそうだし、大阪だって、阿久根だってそうでしょう。そういう地方制度になっているんですよ、今、地方自治の制度に。私はそれは考えなきゃいかぬと思う。  明治二十一年に山県有朋が内務卿のときに市制、町村制をつくるんですよ。本格的な地方自治制度を我が国に入れるんです。そのとき彼が言ったのは、この地方自治をやることは国民の教育になると、ここでみんながいわゆる議会政治というものを学ぶと。民主主義の学校ですよね。それはいいんだけれども、もう一つ彼が言ったのが、私は大変感心しているんです、山県有朋という人が。中央政治の影響を遮断するんだと。中央が大したことなくても、がたがたがたがたろくなことしなくても、地方がしっかりしていればこの国はもつということなんですよ。その点、どう思いますか。
  167. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 全く同感であります。  私は、一つの国家が成熟した形でこれから運営されていくためには、やはり中央と地方というのは、全くこれ独立するというわけにはいきませんけれども、当然連携とか協力は必要ですけれども、それでも、中央がいろいろなことがあっても地方の方はしっかりしている、地方の方は、幾つか悪いところがあるかもしれないけれども、全体が全部悪くなることはない、そういうふうな関係ができることが望ましいと思っております。
  168. 片山虎之助

    片山虎之助君 これは知事にも流行がありまして、はやりがあるんですよ。昔は官僚が、昔は官選ですから、知事も、官僚がそのままなった知事が多かったんですけれども、そのうちそれじゃ駄目だ、学者がいいということになる。ところが、学者がこれは財政運営の能力が余りない人が多いから、これも人によっていろいろですけれども、そのうち実務家がいいということになる。そのうち女性がいいということになる。そのうちタレントがいいということになる。今どういう流行の時代ですか。  私は、そういうことの中で、自分だけ目立てばいいとか、そういう地方自治じゃ駄目だと思うんですよ。みんながちゃんと責任を分かち合ってみんなが参加する、そういう住民本位の地方自治をつくらなきゃいけませんわ。まだまだ私は過渡期にあると思うんで、それは総務省を始め関係のところに頑張ってもらわないと。頑張り方が、妙なところ頑張っちゃ駄目ですよ。そこで、あなたは大臣何年やられるか分かりません。私は幸い約三年やらせてもらった。だから、いろいろなことをやって、いいことも悪いこともありますよ。平成の大合併は私も反省しているところはある。  三位一体の改革は、元々の案はいいんですよ。地方に自主的な財源を与えようと。国と地方の税源を五対五にしようと。仕事は四対六だから、三十五対六十五ぐらいだからせめて五対五にしようというところで始まったんだけど、途中いろんなあれがあって、私の次の麻生さんがやって竹中さんがやったんだけれども、その辺が具体化したんです。そのころは好況もあって交付税をばさっと切っちゃったんですね。私は党に帰っておりましたけど、びっくりしました。あれが三位一体の改革そのものを台なしにした、そういう反省がありますよ。  しかし、あなたは大臣を何年やられるか分かりませんが、大臣としてこれだけはやろうというのがあったら、一つ二つ言ってください。
  169. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 先ほど申しました、税のメカニズムを作動させるというのは、これは私は是非やりたいと思うんです。  といいますのは、今日本地方自治体の財政運営で、税というのはもうフィックスされてしまっております。固定資産税はいつまでたっても一・四%。この一・四%はどういう意味があるのかといいますと、私はかつて自治省固定資産税課長をやっておりましたけど、昭和二十年代のシャウプ税制のころの、実は当時の市町村の財政事情を考慮して決めた税率なんです。その後、本当は、歳出とそれから歳入の変動をにらみながら標準税率は変えていかなきゃいけなかったんですけど、それは全く変えてない。しかも、自治体もすべて標準税率、一・五のところもちょっとありますけれども、一・四でそろっている。  ところが、自治体の歳出というのは年々変わるわけです。変われば税率だって変わるというのが本来の姿です。そこで、例えば歳出を膨張しようと首長が言ったときに、いやそんな税が上がるのは困るというので歳出膨脹に対する抑制装置が働くんですけれども、それが働かない。そうなるとどうなるかというと、国に頼んで特交、特別交付税をもらう、地方債を増やすという話になって、どんどんどんどん歳出は膨脹してしまうという、こういう傾向があるわけです。  ですから、自治の原点の税率が、税が財政運営のかなめになるというところを、私は是非日本地方自治で作動するようにしたいと思っております。
  170. 片山虎之助

    片山虎之助君 まさにあなたの言われるとおりなんですよ。ところが今でも、今は窮屈な税制ですよ、仕組みになっているけれども、それでも法定外の普通税を取ったり、標準税率の超過課税を、超過の税率を決めることできるんですよ。やっているところはほとんどありませんよ。あるのは全部企業に負担をやらせることだけなんです、若干あるのは。それからあとは森林環境で今は税が出ておりますけど、これは均等割に乗せるような簡単なあれなんですよ。みんな嫌がるんですよ。自分でおまえ自分の負担を決めろと、もっと高くやれと、それだけの需要があるなら。そういう認識も直さないと。そこポイントなんですよ。  それは、河村さんは、彼は勇敢にやりましたよ、一割カットはね。しかし、これもいろんな問題がある。そういう全体の中で税を私は緩めて、もっと地方の自主性、自立性を認めるのはいいけれども、そこの兼ね合いがありますよ。それはどう思われますか。
  171. 片山善博

    国務大臣片山善博君) それはもうおっしゃるとおりであります。  私はもう一つ、国側の問題もあると思います。  それは、税率をフィックスしているということ以外に、今の地方財政を、最後は、最終的には地方財政計画であんばいするというやり方をやっています。本当は、本来交付税の方は数年間はフィックスして、それを前提にして個々の自治体は、物入りならば税率を上げる、行革をやれば税率下げるという、これが本来の姿だろうと思うんです。今逆になっていまして、地方税の税率は個々の自治体でフィックスしておいて、何年も、で、足らなければ交付税の方に持っていくという、要するにいわゆるラストリゾートというのが納税者ではなくて国になっているという、これがやっぱり、ここは変えなきゃいけないと思うんですね。交付税の方はもうベースとしてあって、それを前提にしながら税率変動でもって財政運営をやっていくという、こういう姿に戻さなきゃいけないということになりますと、今の地方財政の仕組み、これを点検しなきゃいけない、見直しをしなきゃいけないと私は思っております。
  172. 片山虎之助

    片山虎之助君 やっぱり、今窮屈にして国の了承がないとできないようなことにやると、責任は国になるんですよ、逆に。だから、もっとそこは地方に権限というのか自分で決定できるようなあれを与えたらいいけれども、兼ね合いが難しいわね。税制というのは、一つのところだけで勝手なことをやられたら困る点はあるんですよ。国税との関係、よそとの関係ね。だからそれは、私は方向は正しいと思いますけれども、慎重に是非お願いいたしたい。  そこで、地方主権戦略大綱、今年の六月、何か民主党政権がお決めになった。それは名前はいいわ、名前は。打ち出しもいい。中身は良くありませんよ。これ、まず実現できないわね。一括交付金なんというのは、本当にどこの地方団体が喜んでいますか。地方自治体で賛成だというところありませんよ。これは補助金と交付税の真ん中で、中途半端でどうにもならないんですよ。しかも、それに総額を減らされるおそれがある。小沢さんの名前出しちゃいかぬけれども、代表選で、七割にしてももう地方は喜んでやると、五割だっていいと言ったでしょう。玄葉さんだって、五割、七割はともかく、一、二割はカットできると言った。みんなびくびくしていますよ。  それから、ひもを付けない自由な使い勝手がいいものということ、そういうことになりませんよ。今どこの省庁も、とにかく国の責任、国の関与、あれを残さなきゃ責任が持てないとみんな言っているじゃないですか。  だから、打ち出しはいい、華々しくていいけれども、できなきゃ一緒ですよ。それを外形標準で人口や面積や道路の延長や河川の延長でやったら、要らないところにたくさん行くおそれもある。要るところは行かないようになる。個別に査定したら手間が掛かるだけですよ。どう思われますか。
  173. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 今、片山議員がおっしゃったような課題を克服していくのがこれからの我々の作業であります。おっしゃったようなことを念頭に置きながら、そういう危惧が現実化しないように取り組もうとしているところであります。  それで、だれも喜んでないとおっしゃいましたけれども、例えば知事会など、いろんな人と私も就任後お会いしているんですけれども、本来の一括交付金だったらもう喜んで受け入れるということをおっしゃっています。ただし、おっしゃったような懸念で、この際がっぽり減らされるんなら願い下げだということであります。  それで、おっしゃったように、ひもはもうなくす、これが一括交付金化のポイントであります。それから、配り方が恣意がないというのもポイントであります。ただ、当面は暫定期間として、今まで事業をやっていますから、何年間かの継続事業もありますから、一挙に客観化する、客観的な指標でもって決めるということは、これはできないだろうと思います。数年間はやっぱり現状をにらみながら、だんだんだんだん平準化していくということだろうと思います。  その時点でどうなるかということなんですけれども、ここから先は実は政権の中でまだちゃんと詰めておりませんけれども、そうなってだんだんだんだん平準化していったら、例えばそれを交付税の方に移行するとか、それから税源移譲の方に移行するとか、そんなことが政策課題として出てくるんだろうと思いますけど、取りあえずはその自由度を高めて、それで暫定措置をつなげながら平準化していくという、そういう構想であります。
  174. 片山虎之助

    片山虎之助君 今、国の補助金は、ひも付きと言うのかどうかは別にして二十一兆円あるんです、御承知のように。社会保障が十四兆なんです。公共事業は三兆一千億なんです。それで、文教の義務教育や科学技術が二兆三千億なんです。その他が八千億なんですよ。その中で、できるのは公共事業とその他の三・一兆円に八千億なんですよ。できても四兆円なんですよ。しかし、それも、それだって各省に要望をお取りになったら、出てきたのが分かりますか、消防の補助金九億円と水道の補助金十九億円なんですよ。二十八億円しか自主的にどうぞ一括に入れてくださいというのが出てきてないんですよ。約四兆円あるんですよ。補助金としては二十一兆円あるんですよ。そんな、およそ私はできると思わない。  それから、国の地方出先機関、原則廃止でしょう。この前お聞きしたのは、十三の出先機関について、五百の事務を自己仕分をさせたんですよ。一割ですよ。小さなものばっかりで、あなたが言われたハローワークだとか、例えば直轄国道や河川なんというのは一切駄目ですよ。こんなこと、出先機関の原則廃止なんかできっこない。一部の統廃合だって私できないと思いますよ。  しかし、それにもかかわらず、マニフェストや菅さんは、代表選で、総人件費の二割カットと言っている。二割カットを人勧を抑えてやる。およそ人勧の仕組みが分かってない。あれは水準なんですよ。総量を抑える仕組みじゃないんですよ。官民の均衡を取る、格差をなくする制度なんですよ。その人勧を切って、二割も切れますか。今までずっと、今までの歴史で一遍、五十七年に一遍だけやったんですよ。四・八%プラスするやつを抑えたんですよ。その代わり後三年で返していったんですよ。だから、事実上、人勧のカットはないんですよ。それを、総人件費二割にかこつけて人勧を抑えるなんというのは、およそ私は分かってないと思いますけれども、どうですか。
  175. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 人勧の絡みで二割単価を切ると。単価を切るというのは、こうじゃなくて、プライスを切るという意味ではおっしゃっていないと思うんですね。そうではなくて、さっきから言いましたように、単価掛ける総量、人数ですから、それの組合せだと思います。  それはもちろん難しいです、本当に。難しいですけれども、(発言する者あり)ですから、総量の問題でいいますと仕事を減らして人数を減らす、出先機関の改革をして地方に移譲できるもの、それによって国の人数を減らす、あと単価の問題は退職手当とかそういうものも含めて見直しをする、そんなことの組合せで総人件費を減らしていこうという、そういうもくろみであります。
  176. 片山虎之助

    片山虎之助君 しかし、この地方主権戦略大綱、私は、(発言する者あり)地域か、地方分権と地域主権というのはどっちでもいいと思うんですよ、これは漢字の問題でね。まあ地域主権の方が勇ましいわね。しかし、中身がないしですよ、言ったことは全部実行する内閣じゃないの。私はとっても実行できるとは思えないので、総務大臣もそこは慎重に言われた方がいいよ。あれだけ調子よくいろんなことを言って、何にもできないじゃないかと。どうやるかという手だてをしっかりと考えていただかないと。それから、独り善がりはいけませんよ。大臣はそんなことはないと思うけど、内閣も、みんなが納得して、みんなが協力して、みんなが喜ぶ改革でないと。是非それをお願いします。  それで、時間がなくなったので、もう一問。  郵政ではユニバーサルサービスというのが大変なこれ議論になるね。それは通信にもあるんですよ、ユニバーサルサービスというのは。今の通信のユニバーサルサービスは、簡単に言うと固定電話なんですよ。しかし、固定電話の時代は終わったでしょう。携帯が一億を超える。まあ中国は六億だというけれども、むちゃくちゃですけれども、この携帯電話、それからブロードバンドサービスが、光ファイバーやケーブルテレビもあって、今や全国に普及しようとしている。いつまでもこのユニバーサルサービスというのを、昔の考えではいかぬので、直してくださいよ。これは法律を直さないかぬようになるかもしれぬ。  そういうことの中で、前の大臣は、とにかくNTTの経営形態のことも議論するような仕組みに持っていった。私は関係ないとは言わない。関係ないとは言いませんが、これが大議論になって、私は党のそういう放送通信の委員長をやっているときに、五年間凍結したんですよ。平成十年に議論を始めて、平成十二年に結論を出そうと、できるだけ早くね、いつまでと。その点についての新大臣のお考えを聞きたい。
  177. 片山善博

    国務大臣片山善博君) ユニバーサルサービスについては、もうおっしゃるような観点が必要だろうと思います。固定電話とか、それから電話ボックスにあるああいうものだけではなくて、新しい考え方が必要だろうと思います。現に、今、光IP電話などをユニバーサルサービス対象に含めるかどうかということも情報通信審議会などで検討しているところでありますので、おのずからこの見直し作業は進んでいくだろうと思います。  それから、NTTにつきましては、一概に経営形態を見直すということではなくて、光の道構想というものを進める過程でNTTとの関係はどうなるかということ、これはよく点検しなきゃいけませんけれども、さればとて、これを一気に見直すとか、そういう段階に来ているとは私は認識しておりません。
  178. 片山虎之助

    片山虎之助君 時間がなくなりましたので、郵政改革を、これは法案がもし来れば、来ますか、まあ分かりませんがね、来ればしっかり議論をさせていただきますけれども、私も総務大臣をやらせてもらっている間の一番大きな課題はこれですよ。国営事業を、日本郵政公社をつくって、これも大変だったんですよ。それと、通信事業に民間参入をやったんですよ。大変な抵抗ありました、正直言って。日本郵政公社をあれだけ苦労してできたのなら、私は十年ぐらい公社でやって、慣れて、具合が分かってきたらなだらかに民営化にすべきだと私は思った。ところが、小泉さんはそうはいきませんわな。彼は、ライフワークでもうすぐやろうということですから、それで平成十五年の総裁選でもう一遍民営化を打ち上げるんですよ。私は平成十五年の九月に辞めましたから。それで、その後、麻生さんがなられて、そこで竹中さんが郵政改革担当大臣になられた。それからは、ワッショイワッショイ、皆さん御承知のとおりなんで、いろんなことありました。  私は、党側としていろいろ言った中の主要な点は、ユニバーサルサービスは絶対確保する、郵便局のネットワークは残すということなんですよ。これは当時の自民党のみんなの願いだったんですよ。だから、それでもう大変なやり取りの中、いろんな仕組みを中に入れるんですよ。郵便が将来おかしくなったらいかぬから二兆円の地域振興基金を組んだり、ワンタッチの株の持ち合いを認めたり、いろんなことを入れましたよ。だから、民間とイコールフッティングで、完全に経営のフリーハンドを与えてもユニバーサルサービスは確保できると、郵便局のネットワークは残るということが当時の政府のあれですよ。  ところが、今度はそれを守るために、例えば出資を、五分社を三分社にするのはこれは賛否両論ありますよ、私は一つの意見だと思うけれども、これももう少し検証せにゃいけません。ところが、出資を残して二つの分社化に持ち株が三分の一出資をするんでしょう、三分の一超の。  それから、限度額を何で引き上げにゃいけませんか。一千万を二千万に、一千三百万を二千五百万に。だから、それがいろんなことを言われるんですよ、見えない政府保証だとか実質的な政府保証だとか見えない国営化だとか。そこのところはどうですか。  私は、ユニバーサルサービスネットワークを守るのは賛成です。これは基本的に守らにゃいけません、日本のもうあらゆるところの地域のために。しかし、何で今度の改正をやるんですか。民営化の中で、民間も喜んで、イコールフッティングで経営の自由を与えながら何でやらないんですか。
  179. 森田高

    大臣政務官(森田高君) 大臣に先立って、一言だけ答えさせてもらいます。  ユニバーサルサービスを守ることが普遍的な価値であると先生がおっしゃったことは、まさに私ども同感でございますし、それは恐らく世界中で共有されている価値観だと思います。事実、合衆国政府は郵便事業は国営事業でやっておりますし、イギリスにおいても民営化されている会社は、これはロイヤルメールはすべて政府の一〇〇%出資において賄われ、そのロイヤルメールが金融子会社を持っているというような仕組みになっておりますので、これは洋の東西を問わず、国家がある程度公益性のある事業体として郵政事業をサポートするという形は取り得べしというふうに思っております。  その中で、五分社化と三分社化ということに関して、若干自分の私見も踏まえて申し上げますけれども、昨今、例えばゆうパックの問題が起きました。ああいったときに何が実際現場で起きたかということを念頭に置いていただければ非常に簡単に御理解いただけるだろうと思いますが、郵便事業の集荷部門が大きなトラブルに巻き込まれているわけですよね。だけど、実際の現場部門で郵便局員、局長さんは一切手出しができないと。こういうことがやっぱり健全な仕組みかどうかということを考えている中で、やはり郵便事業と局というものは一体だろうと。その中で金融子会社をぶら下げるのは、これは世界中で常にこれは取られている仕組みでございますので、決して三分の一が突出した考え方ではないように思っておりますが、これからよろしくお願いいたします。
  180. 片山虎之助

    片山虎之助君 だから、こうやると結局は郵便がだんだん駄目になるんですよ。郵便の方、努力していますよ。ただ、そうなるとゆうちょ、かんぽの稼ぎで郵便を救うんですよ。だから、それは税金を入れぬからいいじゃないかという議論ありますよ。  何で郵便がだんだんおかしくなるかというと、政策料金がいっぱいあるからですよ。政策料金あるなら、何で税金出しませんか。子ども手当もいいですよ。しかし、子ども手当は私はまだ公共性が高いと思いますよ。高速道路のいいかげんな無料化よりずっといい。だから、そこのところを総合的に考えないと。ゆうちょやかんぽを稼がせて、民間を抑えて、それで郵便を救うなんというのが通りますか。
  181. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 片山先生、片山議員御存じのように、最後の郵政大臣で初代の総務大臣でございまして、もうよくお分かりのように、郵便を今先生の御質問の御懸念のとおり、要するに金融の部門の利益で維持するんじゃないかと、ネットワークも含めてという話でございますが、先生御存じのとおり、郵便は自分できちっとお金でやりなさいと、これは郵便法にも書いてあるわけでございますし、それで今までずっとやってきたわけでございますからね。これは、御存じのように、区分経理をきちっと別勘定に、もう御存じのようにそういうふうな法律になっておりますので、そういう御懸念はないというふうに確信をいたしております。
  182. 片山虎之助

    片山虎之助君 自見大臣は自民党時代の郵政大臣の先輩ですから。  分かりました。また法案が来たら十分議論させていただきます。どうもありがとうございました。
  183. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 三件に対する質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  184. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 次に、平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫に起因して生じた事態に対処するための手当金等についての個人の道府県民税及び市町村民税臨時特例に関する法律案を議題といたします。  まず、提出者衆議院総務委員長原口一博君から趣旨説明を聴取いたします。原口一博君。
  185. 原口一博

    衆議院議員(原口一博君) ただいま議題となりました法律案につきまして、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。  まず、本案の趣旨について申し上げます。  本年四月以降に発生が確認された口蹄疫は、我が国の家畜防疫史上最大級の被害をもたらし、宮崎県及びその周辺地域の経済全体が深刻な打撃を受けております。本案は、このような状況にかんがみ、必要な税制上の措置を講ずるとした口蹄疫対策特別措置法第二十七条を踏まえて、被害を受けた発生農家等の税負担の軽減を図り、地域の基幹産業である畜産業の早期の再建を目指して、緊急に対応すべき措置を講じようとするものであります。  次に、その内容について申し上げます。  個人住民税の所得割の納税義務者が、口蹄疫対策特別措置法の施行の日から平成二十四年三月三十一日までの間に、家畜伝染病予防法第五十八条の規定による手当金や口蹄疫対策特別措置法第六条第九項の規定による補てん金等の交付を受けた場合に、当該手当金等の交付により生じた所得に係る個人住民税の所得割の額を免除するものとしております。  なお、この法律は公布の日から施行することとしております。  以上が、本案の趣旨及び内容であります。  何とぞ、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  186. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。──別に質疑、討論もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫に起因して生じた事態に対処するための手当金等についての個人の道府県民税及び市町村民税臨時特例に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  187. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  188. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十三分散会