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脇雅史君 多分、一冊どころじゃないんですね。もう物すごい
検討をするんですよ、何年にも掛けて。それは民間のコンサルタントも使ったり、膨大な資料がある、いろんな試行錯誤をしながら一番妥当だと思われるものを決めてきたという歴史があったと私は認識しておりまして、今現実にその資料がないとしたら、これはもう大変な問題であって、きちんとすべきだと思います。
大臣そう言われるように真相をきっちり解明して、なければこれから新しく作ったっていい、そんないいかげんなものであっていいはずがないんです。国民にまさに失礼で、そんなことがないんだったら
河川局は全員辞めちゃった方がいいぐらいの話ですねと、私はそう思います。
いずれ今後の、資料がある、ないはありますけれ
ども、この間も言いましたが、
河川の
計画論というのは有効数字二けたぐらい非常に難しいものなんですね。これだけ近代的な世の中で月にだって平気で行ける、月にある物体がすぐ分かるぐらいであっても
河川の流量
一つ、昔ながらの方法でやっているし、本当に誤差がいっぱいあって、しかも昔のデータというのは結構ないから、いろんなことを考えながらどういうふうに想定したらいいかということを最大限知恵を絞ってやっていくんですから、後でその
過程がなくなっちゃったら本当に困ったものですよね、もう一回きちんとやってもらえばいいんですが。
その
意味で、利根川の
河川整備基本方針をもう一回見りゃいいですよ、きちっとやればいい、今おかしいんだったら。私はおかしいなんということは、いろんな先輩、この間も北野さんの資料をお渡ししましたけれ
ども、みんな必死でやってきたんですから、そんなものないはずがないんですが。しかし、もし万が一なければ、もう一回きちんと国民に説明しなければいけませんから。
その中で毎秒五千五百トンという流量を八斗島で調節をするという
計画になっておる。そうすると、当然、
計画論のときには調節するだけの
施設があって、その
施設を
前提にして計算しているはずなんですね。
ところが、今現実を見ると、八
ツ場ダムまではできていても、これから先、
ダムがどれだけできますか。北野さんのは読んでいただけたと思いますが、あれ読めば、これからはまさに造りたくても造れないかもしれないから
ダムに頼らないことを考えざるを得ませんよというようなことも書いていましたね。まじめに考えたら当然そうなるんです。やたら
ダムを造ろうなんて思って
基本方針を作るわけではありません。
非常に、何というんですかね、げすの勘ぐりというふうに言うんでしょうかね、まさに国民のため、国のためにどう
治水計画があるべきかということしか考えてないのであって、何かの利権のために
計画作るなんということはあり得ないんですよ。よほど根性の悪い人が見て、そうやっているに違いないという疑いを掛けていますが、誠に失礼な話で、そんなことは断じてないんです。だけれ
ども、もし資料がないんだったらもう一回やればいい。
しかも、しかし、とにかくいろいろ上流で調節するといっても調節するすべがないんだったら、一部の
意見では、
見直して流量がちょっとでも減れば八ツ場は要らないんだよなんということを言っていますが、逆ですよね。八ツ場はやるしかないんです。八ツ場までしかできない、
洪水調節にまさに今一番有効な
最後の
ダムですよ、まあこれからまたできるかもしれない、また大災害が来たら変わるかもしれない、
スーパー堤防なんか造ればまた変わっていくかもしれないという今のまさに利根川の現実の姿を見ながら、今後一番いい
治水計画はどうしたらいいかと本気で考えていただきたいんですが。
是非、
大臣、
責任者なんですからね、一切国民の側に立って、この
流域の住民のために、五十年、百年の
計画ですよ、あるいは二百年かもしれない、立派な
計画、
見直していただきたい。その中で八
ツ場ダムをしっかりと
見直していただきたいと思うんですが。
三回にわたって述べてまいりまして、もう時間ですからまとめますが、今日、資料としてお渡ししています、お配りしています。
私は、今まで述べてきたことから、この八
ツ場ダムをやめる理由は全くないと思っていまして、建設すべき理由の一番として、たとえ
整備基本方針を
見直したとしても八
ツ場ダムの
治水上、利水上の役割は不変だろうと。必ずあるんですね、
ダムを造ったなりの効果がある。
治水についても、今申し上げた話ですが、八
ツ場ダムを造ったとしてもまだまだ足りないんですね。それが幾ら、例えば
基本高水を
見直して二千トン、三千トン低くてもいいんだということになったとしても要るんですよ。だから、
見直しのいかんにかかわらず
治水上は必要だということが言えるはずなんです。
そして、利水の問題も、これは、利水というのは水をためる以外にはないんです。もう今の若い方は余り渇水の経験、東京でないかもしれませんが、大変な目に遭って、いろいろ
ダムを造ってきたからこそこうやってやっていられるのであって、みんな知らないかもしれませんけれ
ども、毎年、
ダムから補給しているから水が使えているんですよ。今ある
ダムなくしたら使えなくなるんです。今が最善じゃないんです。暫定利水ということで、暫定水利権で通っていますけれ
ども。そういう
意味でも、特にこの首都圏の水の
安全度が五分の一なんて、こんな国はありませんよ。大体、五十年とか百年ぐらいの確率で、一人当たり大体、我が国より一けた二けた多い水を外国の主要都市は持っています。韓国で、韓国でさえと言っては失礼ですが、韓国も持っているんです。日本だけ低い。なぜそれで済んでいるかというと、幸いしょっちゅう雨が降るんですね。長いこと雨が降らない期間というのは日本は地形上余りないから何とかなっている。
我々、実際に
河川を管理していて、だんだんだんだん
ダムの水位が減ってくる、もうこれは取水制限しなくちゃいけない、本当に嫌なものなんです、雨降らないかなと。そういうことはしょっちゅうやっているんですね、今でも、
皆さんの目に触れないけど。それで何とかなっている。もう駄目だと思ったら大体そういうときに台風が来たり、うまくいくんですね、うまくいっていいんですが。
しかし、かなり綱渡り的な状態が実態で、そういう実態を御存じない方かどうか、わざと、夏場になって
治水に使う
ダムは一斉に水位を下げますね、
治水容量を空ける。あれを、わざと水を流して、せっかくある水を使わずに何か渇水を人工で引き起こしているんだなんとおっしゃる方もいますが、これは多目的
ダムの当然の操作なのであって、それも、げすの勘ぐりと言っちゃ失礼ですが、そんなことで見ればそういうふうに見えるのかもしれませんが、非常に厳しい状況だから、この八
ツ場ダムをここまで来て、あそこに水がためられる、大きな財産ですよ、やめる理由なんか全くない。
そして、
最後に
コストですけれ
ども、もう既に何千億円も使って、それを全部無駄にして、新たな八
ツ場ダムに代わる
河道計画、
河川計画を作ったにしてもそこにまた金掛かるんですよ。それやった方がこの三千億円、四千億円を取り戻すような、そんないい
計画なんてあるわけないじゃないですか。必ず金掛かるんですから、新しく、新しい手法にしたところで。
つまり、八
ツ場ダムというのは、象徴としてやめるんだとおっしゃいましたが、そんな象徴なんという言い方は不謹慎なのであって、利根川のことを本気で考えれば八
ツ場ダムをやめるなんということは全くあり得ないんですよ。それがまともに考える人の常識だと私は思うんです。
そこで、是非、国会、国民のまさに民意を代表する国会で、
行政はやめるとおっしゃっています、中止の方向でとおっしゃっている。それは我々は間違いだと思うから、この
委員会で、私も三回にわたってこうやってお話をさせていただいたんで、是非、
委員会として結論を出してほしい、
委員長に
お願いしたいと思います。