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国務大臣(
松本龍君) この
参議院の
環境委員会は、
川口元
大臣とか
中川事務次官とか、もうそうそうたるメンバーで足ががたがた震えるぐらい今日は緊張してまいっておりますけれども、
点数は人に付けていただくことにしたいとまず思っております。
COP10の大きな
成果といいますと、懸案でありました、みんながやっぱり
失望感を持っていたポスト二〇一〇年に
空白期間を設けてはならないということが一つありまして、これには二〇五〇年の
愛知目標、そして二〇二〇年までの
目標等々ありまして、いわゆる
ABS名古屋議定書ができたことが大きな
合意だっただろうというふうに
思いますし、
ABSにしましては十八年間一生懸命
事務方が頑張ってきた、CBDが頑張ってきて、ようやく
愛知で、
名古屋でまとまったというのが一番大きいというふうに思っております。
モントリオールの
会議で五月、七月、九月と今月あったんですが、もうこれはなかなかできないという中で、
日本が
会議表を出してまで何とかまとめようというのが
最後に成就をしたというのが私としてもうれしかったというふうに
思います。
ちょっと深掘りをさせて
お話をさせていただきたいと
思いますけれども、今回の
成果というと、一つは、すべての
国々が言われたんですけれども、
愛知、
名古屋のホスピタリティーといいますか、もてなしが物すごく有り難かったというのがそろって言われたことであります。もう一つは、
会議の運び方、議事の
運営の仕方が公平でスムーズでよかったということを言われました。
これは、やっぱり
事務方が一生懸命それぞれの場で頑張ってくれたおかげだというふうに思っております。
COP15が終わって
皆さんこちらに来られましたから、そことの比較もあったんだろうと
思いますけれども、そういうこともありました。
そして、今回一番大きかったのは、今まで試みがないんですけれども、非公式の閣僚級
会議というのを二十七日、二十八日、
最終日の三日前からずっとやりました。これも非公式の閣僚級
会議でオープンであるという、何かよく
皆さん御理解できないと
思いますけれども、とにかくオープンにしていきながら、そして公平で公正な立場を貫いていこうということで、この閣僚級
会議の得た
合意を作業部会あるいは交渉
人たちにアウトプットした、あるいはガイドラインを示してきた。
ですから、ここで
お話しされたときは、とにかく
名古屋で
ABSをまとめましょう、
COP10を成功させましょう、ポスト二〇一〇年をやりましょう、しっかりやりましょうという閣僚級の
合意をしっかり、
合意をしていただいたことをフィードバックしていった。このことはこれからの
国際会議で物すごく大きな
意味を持つというふうに
思います。交渉をする
人たちが最終的に政治判断はなかなかできないわけですから、そういう
意味ではいい試みを
世界に示したんではないかと
思います。
議長提案につきましては大変厳しかったです。もう
最終日の朝の八時からそれぞれ
議長提案を
皆さんに渡してまいりました。私は、あえて
皆さんに言ったのは、この
議長提案は完璧ではありませんと言いました。というのは、やっぱりそれぞれがみんな完璧ではないと思っておられるわけですから、これ完璧な
議長提案ですと言うわけにはいきません。完璧でないけれども、みんなこれでまとめてくれませんかということを口を酸っぱくして各
地域代表に言いました。
そうしたら、やっぱりそれぞれが、さっき言いましたように譲歩し
妥協して
議長提案に乗るということを言われましたので、そのときはもう涙が出るほどうれしかったわけですけれども、しかしやっぱりここで最終的に
合意しても、それぞれ
妥協の案ですからまだガラス細工であると。これをしっかりしたものにするためにはもうその時点から
危機管理を始めましょうということで、
環境省、
外務省それぞれに申し渡して
危機管理をしてきたところであります。
ですから、もう二国間交渉はその日から絶対するなということでやめさせました。一つの国が一つの文言を、これは駄目だ、この一文字を変えてくれと言ったら、すべての国が言い出しますからまとまりません。ですから、そういう
意味では、
最後、公平を貫いた、そして各国を信頼し切ったということが一番大きな
成果だったかなというふうに思っております。
いろいろ話せば長いことがありますけれども、本当に人類の英知が結集して、例えば
途上国はお金が欲しいとか言います、
EUは高い
目標を下ろさなければならないと言いますけれども、私は、
途上国がお金が欲しいとかいう、そういう生易しい
思いでこの
ABSをまとめたとは思っていません。そのくらいやっぱり
世界の
生物多様性を守るという
思いがそれぞれの腹の中にあって、それが結実したというふうに思っておりますので、この
成果はこれから問われるというふうに
思いますし、
評価という点ではこれからが正念場であるというふうに思っておりますので、
委員各位のこれからのお力添えをまた賜りますようにお願いを申し上げたいと
思います。
本当にありがとうございました。