○池坊
委員 免許更新制のときに私も内閣におりましたから余り偉そうなことは言えないのですが、でも、やってみて誤りがあったならそれを修正することは私は必要ではないかと思います。何か忘れましたが、孔子の言葉にもありましたね。誤りというのはすぐにそれを直したならばそれは誤りではないんです。だけれども、このまま過ごしてしまったら、現場の教員
たちが非常に負担が多く、そして余り意味がないのではないかというふうに私は思うんです。
私が今さら申し上げるまでもございません、もう十二分に御存じのことではあると思いますけれども、教員の十年研修と免許更新制というのは、
内容は似ておりますけれども、形式が全然違うんですね。十年研修は、
教育委員会がずっと自発的にやってまいりました。ところが、これが平成十五年度から、
教育委員会が自主的にやるのではなくて、
法律として義務づけられました。
そういう意味では免許更新制と同じような性質があるのではないかと思いますが、言うまでもなく免許更新制というのは、十年たったら、八年から十年の間にとらなければいけない、とらなければ免許が剥脱される。そしてこれは国がやっていくというものですから、形式が全然違うし、それから、
大臣御存じですか、自己負担として三万円ほどかかるんですよ。だから、お金はかかる、時間はかかる、そしてとらなければこれは自分の身分保障も剥奪されるという大変重いものではあるんですね。
私も現場に行っていろいろ聞きまして、免許更新制の利点は何もなかったか。そんなことはないんですね。なぜかといいますと、大学が教員研修のために大変意欲的にさまざまなカリキュラムをつくるようになった。
今までちょっと手ぬるかった教員養成系の大学が緊張感を持って研修をしたりするようになったということが私はプラスであったのではないかと思いますけれども、大体、
子供たちと向き合って十年といいますと、三十四歳ぐらいの働き盛りなんです。子供と向き合わなければいけない、本当に現場重視の
立場に立っているのがこういう人
たちであるわけですね。ですから、二つをとらなければいけないというのは、大変私は負担ではないか。
教員の質の担保からいっても、何も免許更新制をしなくたって、十年研修で
チェックできることがたくさんあると思うんです。これは例えば、では本当に要らないような不適格教員はこの免許更新制で
チェックできるかというと、私はなかなかできないと思いますよ。不適格教員、不適格な人というのは、現場において不適格なのですから、このような講習を受けただけで
チェックできるなどということは絶対に私はないと思います。私は、この二つの研修、講習を絶対に
一つにしていただきたいと思います。
それで、免許更新制のアンケート、あれはアンケートもとっておりますよね。一〇%の受講生が、受ける必要がなかったというふうに
自己評価しております。現状では、さっきも言ったように、重複している、時間的にも、またさまざまな点で自分には重荷だったと。まあ、九割がよかったと言っているんですが。
このメニュー、多分
大臣はごらんになったことがないと思いますけれども、
文部科学省が定めたメニューと、それ以外に選択できるメニューとがございます。選択科目の方が評価が高かったんですね。選択できるメニューの中には、受講者がゼロというような講座もございました。
ですから、私は、これを必ず
大臣も副
大臣も精査なさって、このような無駄なことは調整する必要があるというふうに思いますので、再度、これに対して
大臣は今まで余り御認識がなかったのではないかと思いますので、御認識いただきたいと思います。中教審の審議をするよと中教審にばかりおんぶにだっこではいけないと思います。やはり
大臣のリーダーシップというのが問われていると思います。いかがですか。