○石川
委員 無所属の石川知裕でございます。
質問するに当たりまして、
民主党、与党の中から、また自民党の方にも御
理解をいただいて、お時間をいただいたことに感謝申し上げたいと思います。
石津先生も、二十分という短い時間であれば
お願いしなかったんですが、本当に心から感謝を申し上げたいと思います。
さて、今回の
法案でありますけれども、名称等でもめたと聞きました。しかし、与党も野党も思いは同じだと思います。どうやって
地域おこしをしていくのか、そしてそのためには
農林漁業者の
所得を確保して、そしてそこで
雇用を確保していこう、そういう思いの中で
法案づくりに取り組まれたと思います。公共
事業の削減や、製造業の工場が海外移転される中で、どんどん
地域が疲弊していく、そうした中で、一村一品運動ですとか
地産地消ですとか、または六次
産業化、これによって
地域を元気にしていこうというあらわれだと思います。
ただ、大変心配をしているのは、ただ
制度をつくるだけでは、本当に
農林漁業者の方々が元気になって
地域が元気になることができるのかということを私は大変危惧いたしております。
今、中小企業の方々または
農業者の方々が
地域おこしをするためには幾つかの
制度があります。
一つは中小企業新
事業活動
促進法、新
連携、また中小企業
地域資源活用
促進法、
地域資源活用法、そして二年前にできた
農商工連携促進法でございます。
今回の六次
産業化というのは、
農商工連携は
農林水産業者のメリットが少ないのではないのかという指摘もある中で、
農林水産業者の
所得確保そして
雇用増大による
地域おこしを目指したと思います。
私も、二年前、
農商工連携のときに
質問に立たせていただきました。その後、事例を調べさせて、去年もまた
質問に立たせていただきました。
農商工連携は、
農業者と
中小企業者、これが有機的な
連携を行って、今回は融合という話でありましたけれども、まあ
言葉はどっちでもいいんです、
農業者の方が元気になって、
地域が元気になればいいわけですから。しかし、
制度をつくっても、私が地元にいて感じるのは、実は、既に力を持っている
農業者の方々または
中小企業者の方々が、その
制度に合わせて乗っていくだけの
法案に、
制度になりはしないのかという危惧があります。
私が三百ぐらい
農商工連携の事例を調べて、同一の人や企業が行っているというのが大体十一個ありました。
一つ例に挙げると、例えば、ツツイという
農業者がある物をつくった、株式会社ニイガタがそういう製品を探していた、この二人が融合してこういうものができた。二人は同一人物なんですよ。そういうのが幾つか見られる。
今回も、この六次
産業化法案をつくって、この
制度に乗るためにいろいろな資料だとかアイデアだとかを持っていかないといけないですよね。そのために大事になるのが、今回の六次
産業総合推進
事業という中で、先ほどから出ていました六次
産業化プランナーというものをつくって、ここのポンチ絵に書いてあるのは、「六次
産業化プランナーが個々の
農家をサポート(手とり足とりアドバイス、情報提供)」「六次
産業化プランナーが、案件の発掘から
農林漁業者等への専門的なアドバイス、申請書類の作成等を行う。」ということが書いてあります。
二年前、
農商工連携が発足した後、私の地元の帯広市というところで、商工
会議所の工業
委員会がアンケートを行いました。コーディネーターの利用について、国の支援策であるコーディネーターの利用希望、必要か必要でないか。希望はわずか一八%でした。
これは能力にもあると思います。私もそのときちょっとお話を聞いたんですけれども、当然、能力にも、それぞれ個々ですから限界があります。今回、まずは各都道府県に四、五人程度。北海道は十四支庁あって、これで、果たして四、五人程度でこの六次
産業化プランナーが本当に機能するのかどうかという懸念もありますし、もう
一つは、六次
産業化プランナーをたとえつくったとしても、それぞれ個人の能力の違いによって、これは
農業者の方が
自分で案件を発掘するのは無理ですから、そういうところに相談に行こうというわけですよね。でも、なかなかそういう能力を持っていない。
そこで、この六次
産業化プランナーが必要なんでしょうけれども、私は引き出しをつくらなきゃいけないと思うんですよ。そこに行ったときに六次
産業化プランナーの人が、いや、あそこの
地域にはこういう技術がある、あそこの
地域にはこういう農作物があると。これは、
農商工連携のときに経産省の方にもそうしたものをつくらなきゃいけないと言ったんですけれども、なかなかそういうものができませんでした。
もう時間もないので、
一つは、こういう引き出しをつくるのかどうかということだけお答えをいただきたいと思います。