○吉野
委員 はい、わかりました。
これは重大なことですので、菅内閣の閣僚の一員として、きちんと事実を踏まえ、
大臣なりの意見を内閣で述べておいてほしい、このように思うわけであります。
さて、過日、自民党の田中和徳筆頭と神奈川県にある理化学研究所を
視察してまいりました。
ここは、植物の研究を大いにしているところなんです。それで、ちょっと驚いたことには、人間の体をつくっている物質、それの比較対照について、代謝物質というものが約二千五百、人間はそういう代謝物質で成り立っている。ところが、野に生えているペンペン草、これは五千も代謝物質があるということなんですね。
なぜ植物にはそういう能力があるのかというと、動けないので、
環境の変化に対応するだけの能力を自然に植物は持っているんだ。人間とか動物は動けるから、
環境が変化したら寒いところから暖かいところに移動することができるということで、植物にはそういう動くことができないから、
環境の変化に対応できる能力がある。
例えば、ある植物が、自分の実とか葉っぱを食べられる虫が来ると、フェロモンという物質を出して、その虫を追っ払ってくれる虫を呼び込む、そういう能力もある木にはあるということも、理化学研究所から聞いてまいりました。
このように、
生物多様性、植物というものは我々人間にもないすばらしい能力を持つ、人間が一番偉いんじゃなくて人間も自然の恵みを得ながらここまで生きてきたということを理化学研究所を見て勉強させられたことを、まず御
報告申し上げたいと
思います。
さて、
COP10についての質疑なんですけれ
ども、
COP10について、
COP10はいろいろな
会議が開かれていまして、私
たちは、地球
環境国際
議員連盟、通称GLOBEといいますが、このGLOBEの
会議が二十五、二十六日に、いわゆる閣僚
会議の始まる前に開かれまして、一つの提言を出した。それを
松本議長に、
環境委員会が終わってからすぐ
名古屋に来ていただいて、まずGLOBEの
会議の中に飛び込んでいただきまして、そこで私
たちの決議文を提言書として
議長に手渡したところでございます。
その前の二十四日には、サンゴ礁についての
議論、これは非公式ですけれ
ども行われて、計三日間、GLOBEで討議をしたわけであります。きょうは、そのGLOBEについて、討議したことを
質問させていただきたいと
思います。
まず一つは、自然資本という概念なんです。ネーチャーキャピタルという言葉であらわされていますけれ
ども。
例えば、森があって、伐採して木材を売って、その収入を測定し記録するということは、いわゆるGDP計算、国民経済計算にその売り上げはカウントされます、測定し記録されております。ということは、国民経済計算、GDP計算にカウントされて、それに基づいていろいろな
意思決定、判断をするわけなんですけれ
ども、森が切られたといった時点で、森の持っているいろいろな
機能、保水
機能とか、それによって洪水を防ぐとか、土砂崩れを防ぐとか、水をきれいにするとか、空気をつくるとか、ここの
部分が木材が切られたがためになくなっちゃうわけなんですね。ここのところを測定して記録していくという
部分が、全く国民経済計算においてカウントされていないんです。丸太が売れた分はカウントされるけれ
ども、丸太を切った後のマイナス
部分はカウントされていない。
こういう物の
考え方から、自然資本という、いわゆる自然も会計システムの中に入れていこう、こういう
考えで自然資本という概念ができているんです。
まさに我々は政治家でありますので、いろいろな政策の
意思決定をしていかねばなりません。そういう中で、生態系サービス、自然資本をこれから
評価して国民経済計算等々に入れていくことが、
意思決定をする政治家として一番大事な要素になるのではないのかなというのが私の
考えだし、GLOBEのまとめの意見の中に入っておりますので、この点について
大臣の御所見を伺いたいと
思います。