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2010-09-09 第175回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十二年九月九日(木曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  九月七日     辞任         補欠選任      中西 祐介君     宇都 隆史君  九月八日     辞任         補欠選任      横峯 良郎君     平山  誠君      木庭健太郎君     秋野 公造君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         中川 雅治君     理 事                 岩本  司君                 谷岡 郁子君                 島尻安伊子君     委 員                 金子 恵美君                 今野  東君                 佐藤 公治君                 田中 直紀君                 難波 奨二君                 平山  誠君                 宇都 隆史君                 高階恵美子君                 中原 八一君                 義家 弘介君                 秋野 公造君                 横山 信一君                 江口 克彦君                 紙  智子君    国務大臣        外務大臣     岡田 克也君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣沖縄及        び北方対策))  前原 誠司君    内閣官房長官        内閣官房長官  福山 哲郎君    副大臣        内閣府副大臣   大島  敦君        外務大臣    武正 公一君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        泉  健太君        外務大臣政務官  徳永 久志君        農林水産大臣政        務官       舟山 康江君        国土交通大臣政        務官       長安  豊君        防衛大臣政務官  長島 昭久君    事務局側        第一特別調査室        長        杉本 勝則君    政府参考人        内閣沖縄振興        局長       大辻 義弘君        厚生労働大臣官        房審議官     唐澤  剛君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する  調査  (普天間飛行場代替施設に関する日米専門家会  合報告書に関する件)  (普天間飛行場代替施設における環境影響評価  に関する件)  (嘉手納飛行場以南の在沖米軍基地返還に関す  る件)  (日米同盟在り方に関する件)  (今後の沖縄振興在り方に関する件)  (沖縄における農業振興に関する件)  (沖縄の離島における医師確保策及び航空運賃  低減策に関する件)  (沖縄への中国観光客誘致策に関する件)  (中国及び台湾と沖縄航空航路開設に関する  件)  (ロシアとの北方領土交渉に関する件)     ─────────────
  2. 中川雅治

    委員長中川雅治君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、中西祐介君、木庭健太郎君及び横峯良郎君が委員辞任され、その補欠として宇都隆史君、秋野公造君及び平山誠君が選任されました。     ─────────────
  3. 中川雅治

    委員長中川雅治君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣沖縄振興局長大辻義弘君及び厚生労働大臣官房審議官唐澤剛君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 中川雅治

    委員長中川雅治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 中川雅治

    委員長中川雅治君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 民主党谷岡郁子でございます。  岡田外務大臣におかれましては、午前中から引き続きの審議ということで、御苦労さまでございます。  私は、今日、午前中の外交防衛委員会でも質疑の対象になりました普天間問題等沖縄基地返還、そしてその後の振興政策ということに関しまして質問をさせていただきたいというふうに思っております。  まず最初に、前提となります沖縄返還行われるためには普天間代替基地が必要であるということから、現在、辺野古の建設問題が話題になっております。この辺野古滑走路建設にかかわりまして今朝の外交防衛委員会でも出ましたことは、いわゆる飛行経路ということのこれまでとの違いであり、それが沖縄県民に説明されることの必要性ということで、そのこと自身は大変喜ばしいことであると思っております。  その飛行経路地域が是正されますと、それに対してアセスということが更に必要になってくるのか。これは全体のアセスのやり直しということにはならないにしても、その何らかの修正が必要なのではないかと思われますが、これについて、そういうことが行われるのかどうなのかということを防衛省の方に御質問申し上げたいと思います。
  7. 長島昭久

    大臣政務官長島昭久君) お答え申し上げます。  飛行場の設置に関する環境影響評価というのは、沖縄県の環境影響評価条例に従って手続を進めてまいりました。その条例及び施行規則によりますと、アセスメントをやり直す場合には二つ要件が挙げられておりまして、滑走路の長さが二〇%以上増加した場合あるいはヘリポートの区域面積が十ヘクタール以上になった場合、こういう場合にやり直すということが規定されておりまして、今お尋ねがありました航空機の飛行経路機種変更となった場合にやり直す要件に当たるかどうかというお尋ねに対しては、これは当たらないというふうにお答え申し上げることができると思います。
  8. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 今お答えをいただきました件につきまして、それでも環境がどのように影響を受けるかということについて、もし沖縄県等の、また地元の求めがあればそこについては柔軟に対応していただけるのかどうか。また、今出ました機種の問題でございますけれども、オスプレイが配備されるということになった場合に、やはりそれに対しても地元に耳を傾けながらアセス等を含めて対応する必要があるのではないかと私自身は思っております。  と申しますのは、やはり前政権以来の、政府がきちんと説明してくれていない、何かまだ隠れているのではないかということが、やはり理解を求める上での障害になるのではないかというふうに感じておるからでございます。その点についてはいかがでございましょうか。
  9. 長島昭久

    大臣政務官長島昭久君) この点は五月の十二日にも先生お答え申し上げた点ではございますけれども、確かに要件にはなっておりませんが、今後とも、仮に機種変更になった場合の対応については、沖縄県とよく調整を行って、関係法令に従って、例えば改めて予測、評価を行うなどといった適切な対応をこれからもしてまいりたいというふうに思っております。
  10. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 ありがとうございます。  そして、普天間辺野古の問題ばかりがこの間クローズアップされてまいりましたけれども、これまでの日米合意というのは実は普天間を含めた嘉手納以南基地返還ということで、その嘉手納以南普天間以外の基地返還についてはほとんどマスコミ等においてもその議論がなされてこなかったような気がいたします。  しかしながら、実際に地図を見てみますと、那覇にも近い、そして観光地域にも近いということを考えますと、面積は小さくても、嘉手納以南幾つかの基地返還というものは今後の沖縄振興にとって大変重要な可能性があるというふうに私自身は感じております。  そこで、この嘉手納普天間以外の嘉手納返還の時期とプロセスについて現在どのようになっておりますのか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
  11. 長島昭久

    大臣政務官長島昭久君) まさに谷岡先生指摘のとおり、沖縄人口の三分の二が集中する嘉手納以南の、そこにおける基地集中というものを是正するために基地返還を進めていくと、こういうことが二〇〇六年のロードマップにおいて定められたわけであります。  そのプロセスですけれども、このロードマップによればこう書かれています。普天間飛行場代替施設への移転、そして普天間飛行場返還及びグアムへの第三海兵機動展開部隊要員移転に続いて、沖縄に残る施設区域統合され、嘉手納飛行場以南相当規模土地返還が可能となると、こういうことでございまして、特に、再編の間の関係ですけれども、嘉手納以南統合及び土地返還は、第三海兵機動展開部隊要員及びその家族沖縄からグアムへの移転完了に懸かっていると、こういう表現になっておりまして、基本的には、普天間代替施設が建設され、そして普天間が移設され、そして嘉手納以南にいる海兵隊部隊グアム移転した後に土地返還されるという、こういう手順になっております。  五月の二十八日の最新の2プラス2で共同発表されました日米合意によれば、これをさらに、嘉手納以南施設区域返還というものをロードマップに従って着実に実施されるということを確認した上で、特にキャンプ瑞慶覧の、アメリカ側が言っておりますインダストリアル・コリドーと呼ばれている区域及び牧港補給地区、これはキャンプ・キンザーと呼ばれておりますけれども、この一部を早期返還させるための優先分野であるということも併せて合意をされておりまして、私どもとしてはこういったスケジュールに基づいて、現時点では具体的な、確定的なことを申し上げることはできませんけれども、引き続きアメリカ側協議をして、また関係自治体とも十分意見調整をしながら精力的に取り組んでまいりたいと、このように思っております。
  12. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 大変重要な点ですので、いま一度整理をさせていただきたいというふうに思います。  グアムへの海兵隊移管というものが行われるということがあり、そしてその代替基地への普天間からの移管が行われるということが言わば前提条件であるというようにもお伺いできる。その一方でグアムへの、返還というものは、公共工事、そしてグアムインフラ整備等が遅れる中で遅れそうだということになりますと、その嘉手納以南土地返還も遅れてしまうということにも見える。そして、一方では、今政務官おっしゃいましたように早期返還瑞慶覧等でないかというお話でございますと、ここの相互の関係がよく見えないのであります。  そこについてもう一度明快に御説明いただけると有り難いと思います。
  13. 長島昭久

    大臣政務官長島昭久君) いや、これは先生、ですからパッケージで動かすということになっているんです。どれか一つつまみ食いをすることはできない、こういう関係になっておりまして、ロードマップでも、したがいまして、1の(d)という項目で再編のアイデアの間の関係を述べているくだりがありまして、そこには、先ほど申し上げたことをもう一度繰り返しますけれども、嘉手納以南統合及び土地返還、これは第三海兵機動展開部隊要員及びその家族沖縄からグアムへの移転完了に懸かっていると。この移転完了は、その前の1の(c)のところに書いてあるんですけれども、普天間代替施設への移転に続いて行われると、こう書いてございまして、これは一つの一連の流れ、パッケージになって動かすことになるということであります。  加えて、最新日米合意によって、このキャンプ瑞慶覧キャンプ・キンザー牧港補給地区、この二つについて、この一部が早期返還できるよう優先分野として日米の間で合意をしたと、こういうことでございます。  ですから、パッケージに全体はなっているんだけれども、最新日米合意によって、この一部について、より早くできるように日米で協力していこうと、こういうことが合意された、ただしスケジュールは今確定的なことを申し上げる段階にはないと、こういうふうに認識をしております。
  14. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 その意味では、アメリカ沖縄に対する人々の気持ちを考えて、できるだけ誠意を見せていただいているというふうに伺いました。それをやっていくためには着々とその交渉は行わなければならないということで、その担当は多分外務省だろうと思いますが、その返還、その準備にかけての交渉、そしてその準備ということをなるべく誠意を持ってやっていただけるということで、現在の外務省準備状況というのはいかがなものでございましょうか。
  15. 武正公一

    ○副大臣武正公一君) 谷岡委員お答えをいたします。  今、長島政務官からもお話のありましたこの嘉手納以南基地返還ということでございますが、嘉手納飛行場以南土地沖縄県の人口の八割が集中をしておりまして、経済活動基盤としても大変利用度の高い本県沖縄県の中南部に位置しておりまして、その返還沖縄負担軽減観点からも重要であるというふうに考えております。  政府としては、今の五月二十八日の日米合意発表を踏まえつつ、同時に閣議決定でも強調された沖縄負担軽減に尽力する覚悟でありまして、嘉手納飛行場以南施設区域統合及び土地返還についても、米国の協力を求めつつ、着実に実施していく考えでございます。
  16. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 さて、実際に土地が、基地が返ってまいりましても、恐らくすぐに使えるわけではなかろうというふうに思います。もちろん、米軍施設撤去もなされなければならないでしょうし、長年基地として使用されてきた土地ということになれば土壌汚染環境問題も中には残っているだろうというふうに考えますが、その土地が本当に沖縄方々の手によって沖縄の豊かさのために使われるということを促進するためには、政府としてどのような処置を今後とっていかれるのか。また、過去には幾つかの基地返還の例等あると思いますけれども、その知見に応じて、今、この嘉手納以南土地についての返還、そしてその処理ということについてどのようにお考えか、お考え伺いたいと思います。
  17. 長島昭久

    大臣政務官長島昭久君) お答え申し上げます。  先生指摘返還後の土地利用については、一番問題になるのは何といっても土壌汚染ということだろうと思います。一般的に言って、返還される施設区域の全域について土壌汚染蓋然性をまず把握する、そういう作業を行います。日米合同委員会返還が決まり、その後から返還までの間に返還前の土地利用履歴等に関する資料等調査というものを行います。この調査の結果、土壌汚染蓋然性があると、こう判断された場合につきましては、返還後、防衛省において試料採取分析を行って汚染の有無を把握し、そして確認された汚染の除去を防衛省責任で行った上で所有者に引渡しを行うと、こういうプロセスでございます。  加えて、土壌汚染処理以外にも、不要な建物及び工作物撤去、それから原状回復の期間中の土地使用不能による損失に対する補償、そして在日米軍使用に起因する土地の形質の変更に対する補償、こういうものを行ってから土地所有者に引き渡すと。さらに、所有者に引き渡した後に在日米軍使用に起因すると思われる土壌汚染が発見された場合にも、防衛省所有者との間の当該土地に係る賃貸借契約に基づいて、防衛省責任において適切に措置をするということとなっております。
  18. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 プロセスとして大変よく分かりましたし、日本国政府としての責任がきちんと持たれるということは分かったんですが、一点だけ、土壌汚染蓋然性という言葉が出てきたんですけど、その蓋然性とは具体的にどういうことなのかよく分かりませんでしたので、いま一度御説明いただけますでしょうか。
  19. 長島昭久

    大臣政務官長島昭久君) これは、既に平成十八年に返還された瀬名波通信施設あるいは楚辺通信所あるいは読谷補助飛行場などについて、返還前に土壌汚染蓋然性を把握するための資料等調査を実施しております。  これによって、例えば瀬名波通信施設では土壌処理のために一千二百万を計上しております。また、読谷補助飛行場においては三億六百万を使っております。それは、土地土壌サンプル採取して、そして検査をして、これは場合によっては汚染蓋然性が高いという場合には処理をするということであります。その中で、例えば楚辺通信所につきましては、試料採取分析を行った結果、汚染が認められなかったということで土壌汚染処理は行っていないと。  こういうふうに、これまでの返還された施設でも様々な対処がなされているということで御理解いただきたいと思います。
  20. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 そういう意味で、サンプリング調査などをやってということでの可能性を言わば考えた上での処理をなさるというような意味だろうということで今理解をいたしました。  そこで、前原大臣にお聞きをしたいのでありますけれども、その土地がいよいよ沖縄人々の手によって沖縄のために使われるということになりますとこれは振興問題になってこようかと思いますけれども、長年、沖縄振興というのは、一九七二年の返還以降、日本政府の手によって様々な形で行われてきたにもかかわらず、いまだに沖縄方々の一人当たりGDP所得というものは日本で一番低いというような形にとどまっている。何だか、皆様の努力があったにもかかわらず、やはりそこには問題があったのではなかろうかと。私自身は、本土のゼネコンを始めとする様々な資本を持っていってそれがまた戻ってしまうような形のお金の注ぎ方というようなものが問題であったのかなというふうに感じておりますけれども、政府自身としてはこれまでの反省を踏まえて今後どのようになければならないというふうにお思いでありましょうか。
  21. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 谷岡委員お答えをいたします。  この嘉手納飛行場以南跡地の、返還についてでございますけれども、これは今後の沖縄振興観点から極めて重要な課題であると考えておりますし、この跡地利用在り方については、現在、知事、市町村長有識者等をメンバーといたします沖縄振興審議会等におきまして議論をいただいているところでございます。  なお、一九七二年の返還以降かなり公共事業が行われてまいりました。もちろん、これは無駄であったとは我々は思っておりませんけれども、ただ、委員がおっしゃるように、例えば、国の沖縄予算のうち半分ぐらいはいわゆる沖縄以外の資本によって行われていて半分程度しか沖縄に落ちないという問題もございますし、またあわせて、必要な公共事業はこれからもやってまいりますけれども、やはり持続的な経済発展というものを考えた場合には、ITとかあるいは観光とか、あるいはそれを支える人材育成、こういったものにより力を入れていくことが真の沖縄の自立につながっていくということになろうかと思います。  したがって、跡地利用などのインフラ整備については沖縄方々の御意見伺いながらしっかり国としてやらせていただくと同時に、インフラ以外の人材育成、あるいは観光IT、こういった分野でのしっかりとした国のサポートをこれからしっかりと行わせていただきたい、そう考えております。
  22. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 基本的に大臣の御指摘、またこれからの展望どおりのことでよろしいかと思います。  その中で、私がとりわけ重要なことだと考えますのは、やはり、これまでのような、どこかで、沖縄庶民たちとは懸け離れたところでそれが検討されるということではなくて、本当に多くの子供からおじいちゃん、おばあちゃんまで、沖縄方々がその夢づくりの中に参画していくような構造、そして、その情報の見える化ということがきっちり行われることではなかろうかというふうに思います。  その点につきまして大臣にお聞きをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  23. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) これは以前も谷岡委員から御指摘をいただいて、我々も参考にさせていただいているところでございますけれども、沖縄県において振興考える際に、沖縄二十一世紀ビジョン策定をしたときに、県民アンケートあるいは市町村のワークショップなどを実施をして、各地域各層県民方々の御意見を伺うということで、県民を巻き込む形での議論をさせていただいているところでございまして、今後も、来年で現行の沖縄振興計画が終わります、そしてその後のまた策定ということになろうと思いますけれども、委員の御指摘も踏まえて、できる限り多くの方々が加わっていただける、そんなプロセスを大事にした計画策定をしていきたい、こう考えております。
  24. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 終わります。
  25. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 自由民主党島尻安伊子でございます。  午前中の外交防衛委員会でも普天間問題についてかなり議論がありまして、私もそれに関連してと、その問題から行きたかったところではあるんですけれども、答弁者の御都合もあって、ちょっと順を変えていきたいというふうに思います。  まず、沖縄県における農業政策について先にお聞きをしたいというふうに思っております。  農業農村整備事業について前原大臣にお伺いをします。よろしいですか。  今回の沖縄県からのこの概算要求ですね、二百八十六億円出ていたのに対して結局は百九十三億円という、もう決して十分とは言えない額になったわけでありますけれども、その要因は何であったのか、お答えいただけますでしょうか。
  26. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 平成二十二年度の予算と、そして平成二十三年度の概算要求ということで比べさせていただきますと、今委員が御指摘をされました農業農村整備については、これは前年度比八・一%増の増額要求をさせていただいております。また、農山漁村地域整備交付金、これについては前年度と同等の金額を要求をさせていただいておりまして、特に、この農水省のいわゆる農業農村整備事業につきましては、沖縄県は稲の生産が比率的に少ないというところから割を食うような状況平成二十二年度にございましたので、沖縄県からの御意見も踏まえて、他の全国の平均伸び率は五・二%でございますけれども、沖縄については八・一%の伸び要求をさせていただいているところでございます。
  27. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 いや、その八・一だよというふうなことではあるんですけれども、大臣もお認めになっているように、その前の年の額が低くなっているわけですから、その八・一だよということを、もうこれで増額なんだというふうなことを言われても、これはもう承知いたしかねるということは県の声でもあるということで御理解いただきたいというふうに思っております。  今お話にありましたように、沖縄県、稲作ほとんどない中、サトウキビが基幹産業としておりますけれども、御党の民主党政策戸別所得補償制度、これの円滑化のためにいろいろな農業関連予算が削減をされているという中で、沖縄においては、今御指摘ありましたように、お認めいただいたように、沖縄に対するいわゆるこの戸別所得制度は該当するところが少ないということでありまして、この辺はもうきちんとやっていただきたいというふうに思うんですけれども、その穴埋めと言ったら失礼かもしれませんけれども、戦略作物生産拡大関連基盤緊急整備事業というんでしょうか、大変長い事業名でありますけれども、これが二百二十億円要求されておりまして、農水省のホームページを見てみますと、畑地とかの整備等々に使えるということで、これで沖縄県は八〇%と、補助率の設定ですね、がなされているわけでありますけれども、この補助の内容について具体的にもし決まっているのであればお聞かせいただきたいんですけれども、農水省、これはお願いいたします。
  28. 舟山康江

    大臣政務官(舟山康江君) 今お話のありました戦略作物生産拡大関連基盤緊急整備事業、ちょっと大変長い名前になっておりますけれども、これにつきましては、戸別所得補償制度の本格実施初年度に当たりまして、麦、大豆等の生産拡大の支障となっている排水改良、それから施設の老朽化等による用水の不足等に対応するための暗渠排水、水路の緊急補修、畑地の土層改良等のきめ細かな基盤整備等を実施するために二百二十億円を概算要求をしているというところであります。  沖縄におきましても、安定的な用水供給の確保に必要なかんがい設備、水利施設の補修、修繕及び畑地の土層改良等に活用することが可能だと、そんなことになっております。沖縄で主に生産されておりますサトウキビですけれども、戸別所得補償制度の関連支払対象ということで対象とすることもできますので、是非御活用いただきたいと思います。  なお、補助率が八〇%ということで、これは、沖縄におきましては、沖縄の総合的かつ計画的な振興を図るため沖縄振興特別措置法というものが定められておりまして、この特措法の中で、国営土地改良の負担率、これは九五%を上限に、実際の負担率九〇%となっていますけれども、県営かん排等は土地改良法施行令の中でやはりその国営の方の高い補助率を勘案して八〇%と定めておりますので、今回、この事業におきましても沖縄については八〇%の国庫負担補助率ということで考えさせていただいております。
  29. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 今お話の中で、サトウキビも戸別所得補償制度の適用を受けられるということですけれども、この辺もうちょっと詳しくお答えいただけますか。
  30. 舟山康江

    大臣政務官(舟山康江君) 済みません、ちょっと言い方に誤解があったかもしれませんけれども、戸別所得補償制度そのものの対象とはなっておりませんけれども、関連施策としてサトウキビの振興等もさせていただいております。  そのような関係で、今回の戦略作物生産拡大関連基盤緊急整備事業、こちらの方の整備についてサトウキビの畑であっても対象とさせていただきたいと、そういう趣旨で申し上げました。
  31. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 結局、沖縄県の農業農村の整備率が全国に比べると六割から七割程度であるということ、これは是非今後の予算配分を行うに当たってきちんと考慮していただきたいというふうに思っております。  この点に関して、是非大臣の方からの御所見伺えればというふうに思います。
  32. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 今お話がありましたように、本事業に対して農水省平成二十三年度の概算要求に二百二十億円、これ非公共でございますけれども、概算要求していると承知をしております。  沖縄担当大臣といたしまして、沖縄農業振興基盤づくりを戦略的に推進すべく、本事業について農水省と所要の調整を図って、できる限り沖縄の皆さん方の御要望におこたえできるように努力をさせていただきたいと思います。
  33. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 是非よろしくお願い申し上げます。  これに関して、大臣から答弁いただきましたので、舟山政務官、お座りいただいておりましたけれども、退室していただいて、ありがとうございます。  それでは、次に続いて行きたいと思います。沖縄振興計画についてお聞きをしたいというふうに思っております。  第三次沖縄振興計画、先ほどの御質問でもありましたけれども、平成二十四年三月三十一日で切れるというわけでございまして、今後十年間の沖縄振興計画を新たに審議をしなければならないという大変重要な時期を迎えております。  これまでの計画の中で沖縄における社会資本整備は、まだまだ足りないところはあるというふうには思いますけれども、随分整ってきたかなという率直な思いも持っております。しかし、一方で、県民所得の向上、それから雇用問題、離島振興、それからこれからの基地跡地利用、もう大変難問山積というような状況でもございますが、今後十年間の新たな沖縄振興計画を立てるに当たっての前原大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  34. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 今委員が御指摘をされましたように、現行の沖縄振興特別措置法は平成二十三年度末で期限を迎えるところでございまして、昨年度来、これまで実施をしてまいりました沖縄振興策の現状、そして課題について沖縄振興審議会でレビューを行ってきておりまして、本日、この委員会の後、その結果を中間報告として取りまとめる予定でございます。  今後の沖縄振興在り方につきましては、この中間報告を踏まえ、また本年三月には沖縄県から沖縄二十一世紀ビジョンを出していただきました。こういったものをしっかりと反映をさせて、沖縄の持つ特性を最大限に生かして、先ほど同僚議員に答弁させていただきましたように、沖縄の経済の真の自立、これを持続的に行えるようなそういった計画にしてまいりたいと、このように考えております。
  35. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 その協議ということでありまして、これまでの審議会に代わるものとして沖縄政策協議会なる、そういった一つ議論の場というのが必要なのではないかということが沖縄県の方からも出ているというふうに思いますけれども、この設定について、もし、現時点でも構いませんけれども、大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
  36. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 今後の沖縄振興在り方につきましては、先ほど仲井眞知事や基地を持たれている自治体の首長さんたちもお越しになりまして、御要望を承りました。また、午後には、恐らく今、同時刻だと思いますけれども、官邸に行かれて官房長官にも同様の申入れをされているということでございまして、官邸と相談してしっかりとした受皿をつくり、そして中身のある議論を推進するための組織をつくってまいりたい、そのように考えております。
  37. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 といいますのも、これまでの振興計画ではなく、大臣がおっしゃるような真の自立経済を求める、その計画にするために、ドラスチックなものにするためには、やはりその法律、その根拠法になっている、振興法の方ですね、沖縄振興特別措置法ですね、この法律を変えるというようなこともあるいは必要になってくるのかなというふうに思っております。そのためにもやはり一歩進んだ協議会というものが必要になってくるのではないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  38. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 繰り返しの御答弁になって恐縮でございますが、官邸にも今、仲井眞知事始め関係の首長さん含めて申入れをされておりますので、その後また官邸とも相談をしながら適切に対応をしっかりとしてまいりたいと考えております。
  39. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 結局これまでの、沖縄二十一世紀ビジョンもそれを加味してということであるというふうに思うんですけれども、それを策定するためにこれまでやられてきたことはこれまでの計画のレビューでしかなかったような気がするんですね。そうじゃなくて、新しいものをこれから立てていく上でやはり違う協議会の場というのが、政策協議会というものが必要になっていくのではないか、その延長上にこの特別措置法を、この法律をドラスチックに変えていくということも必要になってくるんだろうというふうに思います。  それこそ、先ほど谷岡委員の方からもありましたけれども、もう本当の意味沖縄の自立経済、あるいは、いわゆる末端まで潤うという表現が適切かどうかは別としても、とにかく自立できる、食べていける沖縄をやはり何としてもつくらなければいけないんだというふうに思っておりまして、そのためには是非この沖縄政策協議会の設置、私の方からも強くお願いをしておきたいというふうに思っております。  基地跡地利用ということで、先ほどもお話が出ていたわけでありますけれども、この嘉手納以南基地返還に向けてということにちょっと話を移していきたいというふうに思っております。  今後十年間の計画を立てる上で、やはりこの嘉手納以南のあれだけ広大な土地が返ってきて、それを考慮しての計画かそうじゃないかというのもかなり変わってくるというふうに思うんですけれども、大臣のそのお考えの中で、今後十年間の振興計画を立てるというお考えの中で、この嘉手納以南基地が返ってきた後、それから、返ってくると私は信じておりますけれども、その辺の微妙なバランスだとは思うんですけれども、この辺に関してどのような計画を立てていかれるおつもりか、お話しいただけますか。
  40. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 先ほど同僚委員の御質問にもお答えをいたしましたけれども、嘉手納以南基地返還をされた場合、これから沖縄の自立的な経済発展考えた場合に非常に大事な跡地利用計画になろうかと思っておりますし、この跡地利用のまずはバックアップをしっかり国としてやり、そして一義的にはやはり沖縄県に、あるいは沖縄県が当該自治体と御相談をされながら、どういうビジョンを描いていこうとされているのかというお話をしっかり承り、国としてできる御協力をしっかりさせていただくというのが真の地域主権ではないかというふうに思っておりますので、沖縄県と今までもいろんな御相談をさせていただいておりますけれども、沖縄県から出された御要望についてしっかりと配慮したものにしていくための国としての取組をしていきたいと考えております。
  41. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 その取組の中に嘉手納以南基地返還があるとの前提で今後十年間の計画を立てられるおつもりでしょうか。
  42. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 先ほどから委員の御質問で若干ちょっと気になっていてダイレクトにお答えをしなかったのでありますけれども、これから十年間という言い方をされておりますが、ポスト沖振について十年にするかどうかまだ決めておりません。  それは、例えば五年にして五年しか考えないよということではないんです。つまりは、十年というスパンが、これだけ世情の変化が激しい世の中において十年という長い計画が果たしていいのかどうなのかと、沖縄のためにですよ、沖縄のためにいいのかどうなのかということも踏まえて、十か年計画にするか、あるいはもう少し短くするかということはこれから検討していきたいというふうに思っております。  そしてまた、当然ながら、これは外交交渉もございますけれども、我々は沖縄基地負担軽減というものをしっかりやっていく。そして、今計画をされている基地返還計画については、できる限りそれが着実に実行されるように、これは外務省防衛省の担当にはなりますけれども、しっかりと交渉していただいて、そして返ってきた段階においては内閣府で、例えば現行の沖縄振興計画と同じ時期で切れてしまう現在の軍転法、それに代わるものも必要となりますし、また、沖縄県から、今日、仲井眞知事から御要望をいただきましたのは、今の軍転法よりも更にバージョンアップをしたものということで具体的な御要望も幾つか承っておりますので、そういうものを加味しながらしっかりと跡地の利用というものを、沖縄の自立的な経済発展、持続的な発展につなげていくためのものを沖縄県と御相談しながら国としてできることは精いっぱいやらせていただきたいと、そう思っております。
  43. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 大臣、その十年かどうかということにはちょっと前も言及されていらしたかというふうに思うんですけれども、大変に大事なところだというふうに思います。それが五年なのか八年なのか、あるいは九年なのか、もうこれは大事なところだというふうに思うんですけれども、ただ漠然と十年かどうかは分からないよという投げかけでは、これは大変なことになってくると思います。  もう一度この辺きちんと御答弁いただけませんでしょうか。
  44. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) あくまでも前提は、時代の流れが速いわけですね。したがいまして、十年という計画というものが本当に沖縄にとっていいのかどうなのかということを考えたときには、私は、もう少しスパンの短い期間で、しかし着実にそれはやっていくというようなものの方がいいのではないかと今私自身考えているところでございまして、これもしかし、沖縄県からの御要望も承っているところでございますのでしっかりすり合わせをしながら考えていきたいと思っておりますが、誤解はされていないと思いますけれども、沖縄経済発展のために何がベストなのかということを考えて申し上げているつもりでございます。
  45. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 普天間の問題もそうなんですけれども、ある程度国としての方向性を決めてから是非、特に数字とかは大変もう重要なところでありますので、それは大臣の思い、それからお考えというのはよく分かるんですけれども、世の中というのはそういう大臣の一言が先に独り歩きしてしまうということも十分あるわけでありまして、我々沖縄県民としては、本当にこれまで普天間のことでも大変にもう翻弄されているわけでありまして、それこそ今後のポスト振計を考えるとき、この重要なときにその辺のところ、じゃ、今の大臣お話ですと、十年なのか何かは分からない、だけれども沖縄のためにというのは、それは百歩譲ってお気持ちは分かるんですよ。だけれども、それは大事なところなんです。じゃ、計画によって、三年、五年、十年のものにするのか、じゃ、それによって予算はどう組んでいくのか、本当にもう実務的にも大事な、大変なことになりますし、それこそこのポスト振計、計画を立てるにも立てられない状況になってしまいます。  なので、この辺のところは是非、これまでの普天間でもうどれほど皆さんが苦労しているかというのはお察し申し上げますけれども、同じ轍は踏まないような御覚悟をいただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  46. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 普天間の問題とは同列にお考えいただかなくて結構だと思います。あくまでも沖縄から御要望いただき、そして平成二十三年度末の三月三十一日が、平成二十四年の三月三十一日が振興計画が切れる段階でございますので、あと一年半余りございますけれども、地元ともしっかり御相談をしながら、何が沖縄にとってベストなのかという観点考えてまいりたいということを申し上げております。
  47. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 普天間と同列じゃなくてというふうにはおっしゃいますけれども、どうかその辺のことはきっちりと御覚悟いただいた上で発言をしていただきたいと、御答弁をいただければというふうに思います。  ちょっと先ほどの嘉手納以南基地返還について戻りたいというふうに思うんですけれども、前原大臣からもありましたように、外務大臣岡田大臣外務大臣の努力で返還の後には内閣府が一生懸命頑張るということでございましたけれども、この嘉手納以南基地返還に関するアクションプログラムとかそういったものは今あるのかどうか、そして米国との交渉はどんなふうに進んでいるのか、お聞かせいただきたいと思います。
  48. 武正公一

    ○副大臣武正公一君) 先ほども委員の方にお答えをいたしましたが、嘉手納以南返還につきましては、この五月二十八日の日米合意、これを踏まえて、沖縄負担軽減という観点から、米国の協力を求めつつ、着実に実施をしていくということで今臨んでいるということでございます。  以上です。
  49. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 武正先生も大変閣僚答弁といいますか、大変堅い答弁、板に付いてこられたなというふうに思いますけれども、是非武正先生のお言葉で御答弁願えますか、もう一度。
  50. 武正公一

    ○副大臣武正公一君) 私の言葉で答えなさいということでありますけれども、あくまでもこの五月二十八日の日米合意に盛られた両国の合意、やはりその線に沿って、何といっても沖縄の負担の軽減という観点からの嘉手納以南返還に向けてこの合意形成を進めていくということで、米国ともそうした協力を求めていくということでございます。
  51. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 先ほどもパッケージ議論があったわけでありますけれども、そのパッケージというのは、これとこれとこれという例えば三つの項目がセットになって一つパッケージだというふうに思うんですけれども、ちょっと確認をしたいんですが、このパッケージの中に先にAがあり、そしてその次にBがあり、そしてCになるということのパッケージ意味なのか、そうではなくてこの三つが同列に並んでいるというような認識でいいのかどうか、ちょっと御説明いただけますでしょうか。
  52. 武正公一

    ○副大臣武正公一君) 直接的には防衛省お答えすべきところかとも思いますけれども、私の受け止め方ということで申し上げてまいりたいというふうに思いますが、先ほども触れましたように、全体的なパッケージの中で沖縄に関連する再編案が相互に結び付いているということでありまして、特に嘉手納以南統合及び土地返還は、第三海兵機動展開部隊要員及びその家族沖縄からグアムへの移転完了に懸かっていると、沖縄からグアムへの第三海兵機動展開部隊の移転は、普天間飛行場代替施設の完成に向けた具体的な進展、グアムにおける所要の施設及びインフラ整備のための日本の資金的貢献に懸かっていると、こういった再編案間の関係があるということであります。
  53. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 先ほど、振興計画の中でこの嘉手納以南土地返還後のプランも中に入っているのかというふうな御質問をさせていただきましたけれども、私としては、もうこの普天間の問題、ここまでこじれてきている、本当に地元も政治不信一色でありまして、こんな中で、ロードマップどおりあるいは日米合意どおり進めていくのがもう大変困難な状況になっているという中で、このパッケージを外せということではないんですけれども、例えば嘉手納以南土地返還に対する交渉をまず先に始めていただくとか、それから八千人の海兵隊員のグアム移転、これを県民に見える形でまず始めていただくとか、何か今までとは違うような、そういうものを県民にお示しいただいてもいいのかなというふうにも思っておりますけれども、大臣、手が挙がっているようですが、御答弁願えますか。
  54. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 基本的に、先ほどのグアムへの移転の問題と普天間の移設の問題とそして嘉手納以南基地返還の問題の関係は、先ほど副大臣が述べたとおりであります。  ただ、それに加えて、五月二十八日の日米の共同発表の中では、両政府は、嘉手納以南施設区域返還が、再編の実施のための日米ロードマップに従って着実に実施されることを確認した、加えて、両政府は、キャンプ瑞慶覧のインダストリアル・コリドー及び牧港補給地区の一部が早期返還における優先分野であることを決定したということでありますから、特にこの二か所について優先的に検討していくという方向性は日米間で合意されているところでございます。
  55. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 是非今後、県民に分かるような形で、見えるような形で、まあ進んでいる話、話せないということもあるかもしれませんけれども、是非一つ一つまた県民の不信感を払拭するためにやっていただきたいというふうに思います。  ちょっと話が飛ぶんですが、新石垣空港について移りたいというふうに思います。  新石垣空港、国交大臣として前原大臣、空港特会の改革ということをお話をなさって、そのことによって二〇一三年三月の供用開始が遅れるのではないかと専ら地元の皆さんが心配をしておりますけれども、この件に関して、遅れは出ませんね。
  56. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 平成二十三年度の税制要望で、これはちょっと国土交通大臣としての答弁になりますけれども、航空機燃料税について、地方への譲与税を除く十三分の十一については半額で要望をし、その結果として航空機燃料税の負担軽減を航空各会社に是非享受してもらいたいと。これからLCC含め国際大競争の時代に入ってまいりますので、公租公課の見直しの第一弾として平成二十三年度の税制要求をしているところでございます。そのことによりまして、全体としては当然ながら施設整備やあるいはいろんな更新というものは当然スピードは遅くなるわけでございます。  ただ、この新石垣について申し上げれば、この空港の整備はこれまで着実に進められておりまして、今年度は用地造成、滑走路の新設、照明、無線施設整備等を行って、年度末の進捗状況は約七七%になると、こういう予定でございます。  新石垣空港については平成二十四年度開港という地元の強い御要望を踏まえて努力をしてまいりたいと考えております。
  57. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 もう本当に郡民の長年の夢でありますこの新石垣空港であります。それこそもういろんな紆余曲折も経ながらやっとここまで来たものでありまして、本当、もうやっとここまで来たということをいつも覆されている沖縄県民としては、もうこれだけはやってほしいというふうに思うんですけれども、この新石垣空港の開港に合わせて石垣—台湾間の就航ということも期待されているところでありまして、大臣おっしゃるようなオープンスカイですね、この可能性がこの新石垣空港あるかどうか、ちょっとお尋ねしたいというふうに思います。
  58. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 空港が、現在ある、あるいは新たな空港ができた場合、どのような便を飛ばすのかということについては、まさに地元が航空会社、これは内外問わず航空会社としっかりと議論をしていただいて誘致をしていただくというのが基本になります。  例えば茨城空港という空港については、知事さんや地元の財界が今一生懸命に航空会社の誘致をされておりまして、春秋航空という中国のLCCの誘致を今一生懸命されておりますし、また、スカイマークも国内便としては飛んでいるところでございます。  我々は、空港建設についてはしっかりとバックアップをさせていただきますし、できた空港については県を中心に地元でしっかりと営業活動して様々な航空会社を誘致していただければというふうに思っております。
  59. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 是非この新石垣空港の開港は遅れることのないようにお願いしたいというふうに思っております。  それでは、ちょっと時間も迫ってまいりましたが、福山官房副長官もお見えでございますので、午前中の外交防衛委員会でも取りざたされた普天間問題、私の方からも質問をさせていただきたいというふうに思います。  今回、国政選挙、初めての沖縄北方委員会だというふうに承知しておりますけれども、改めて、これまでの普天間の混乱ぶりを踏まえて、なおかつ今後の普天間移設問題に対する前原大臣岡田大臣、そして福山副長官の御見解をいただければと思います。
  60. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) この普天間返還の問題については、日米間、2プラス2中心に御努力をいただいているところでございますので、沖縄担当大臣として申し上げられるのは、返還をされた後にしっかりと跡地利用が進むように地元の皆さん方としっかりと議論をし、準備をするということに尽きるかと思っております。
  61. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 普天間返還の問題については五月の日米合意がございます。その合意を基本に、沖縄理解も得ながら、しっかりと普天間の危険性除去、辺野古への移設のために誠心誠意努力してまいりたいというふうに考えております。
  62. 福山哲郎

    内閣官房長官(福山哲郎君) 島尻委員におかれましては質問時間について御配慮いただきまして、ありがとうございました。今も、たった今、沖縄県知事を始め、那覇市長を始め市町村長さんから沖縄県についてのいろんな要望を承っておりまして、遅参をいたしましてお許しいただければと思います。  今、前原大臣岡田大臣から言われたとおりでございますが、やはり日米合意を踏まえながら、同時に、閣議決定されたように、沖縄負担軽減に懸命に努力をしていく覚悟でございます。そして、一方で沖縄の皆さんの理解を得られるよう誠心誠意説明を尽くしてまいりたいというふうに思っております。
  63. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 午前中もありましたけれども、その誠心誠意尽くすということが、じゃ一体どういうことをやるのかというようなことに尽きるんですけれども。  この五月末の日米合意ということも各大臣おっしゃっておられますけれども、沖縄県、地元意見としては、この五月末の日米合意というのはもう県の頭越しに決められたんだということであって、県議会でもこの日米合意の見直しということが決議されております。  この件に関しての前原大臣岡田大臣、そして福山副長官、簡単に御答弁いただきたいと思います。
  64. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 議会で一致して決められたわけですから、そのことは重いというふうに思います。  ただ、やはりこれは、この日米合意というものがあった上で、国内で、沖縄県民の皆様とお話をしないと、何もないところで議論するというわけにはまいりません。もちろんこれは日米両国政府で決めたものでありますから、県民の皆さんがそのことについて承知していないとおっしゃるのはそれはそのとおりかもしれませんが、しかし、物事を前に進めるためにはこういうやり方しかないということは恐らく委員も御了解いただいているところではないかというふうに思っております。  これは従来から、今の、まあ自民党政権のときから、まず日米議論してその上で沖縄というのが基本的なパターンであったのではないかというふうに思います。
  65. 福山哲郎

    内閣官房長官(福山哲郎君) 今の岡田大臣の答弁と同様でございますが、少なくとも菅内閣になってからもう総理は早々に仲井眞知事とも会談をいただきました。また、それ以降も、外務大臣沖縄担当大臣、防衛大臣、そして官房長官が、知事、そしていろんな関係者との協議をさせていただいておりますし、力不足ではございますが、私も八月の十一日、十二日にかけて沖縄を訪問させていただきまして、五月の二十八日に至る経緯、そして今検討しております負担軽減の具体的な案について等々御説明をさせていただきました。また、八月の三十一日の専門家の会合の結果についても、上原副知事に対して瀧野官房副長官からも御説明をさせていただきました。  先ほども申し上げましたように、沖縄の皆さんの理解をいただくというのは大変厳しいところだとは思いますが、誠心誠意説明を尽くしてまいりたいと思っております。
  66. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 県議会から御要望をいただいているのは委員がおっしゃったとおりでございますけれども、日米合意をしっかり説明をして、そして御納得をいただけるようにしっかりと説明責任を果たし、そして努力をしてまいりたいと考えております。
  67. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 先ほど岡田大臣の方から、何もないところからの話合いというのは無理じゃないかという御発言がありまして、私はそうではないというふうに思っております。それこそ、頭越しに決められた、つまり沖縄県の意見が入っていないということで日米合意を見直しをせよという県民意見という、考えというのがきっと岡田大臣にはまだ御理解いただけないんではないかというふうに思うんですけれども、やはりこの日米合意日米で先に進められたものありきで今後もそういう折衝をなさるおつもりですか。
  68. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 日米合意を踏まえてこの普天間基地の移設の問題を進めていくというのは内閣の方針であります。  もちろん、日米合意、私がアメリカ側交渉するに際して特に力を入れましたのは、これが全く動く余地のないものであってはそれは頭越しと言われても仕方がないわけで、若干の幅を持たせるということを日米合意の中でも文章として入れ、その結果としてI字案とV字案の二つになり、そしてそのI字案、V字案についても多少、環境影響評価に著しい遅延をもたらさない範囲でそれについても変更し得るということも明記されているところであります。そういう幅の中で沖縄県側とよく意見調整してまいりたいというふうに考えているところであります。
  69. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 ちょっともう時間もないので、実はもうここからという感じもするんですけれども、そのI字案についてもV字案についても、我々から見るともう帳じり合わせにしか見えないわけですよ。それこそ沖縄県の考え方というのがもう何も入っていないということで、それこそ、今後日米合意ありきでその交渉に当たるというふうな大臣の御答弁でありましたけれども、それではますます県民の心は離れるということを私は言わざるを得ません。  本当に是非この辺もう一度お考え直しをしていただいて、今朝の、朝の委員会から、じゃ、どういうことが県民理解を得られるということなのかという、そういう質問もありましたけれども、それに対しての本当に全く納得のいく答弁も得られない、こういう状況では何も、一歩も前に進まないというふうに思っております。  是非、大臣、もう皆さんのそれこそ考え方の見直しを私はしていただきたいというふうにお話をさせていただきまして、質問を終わりたいというふうに思います。ありがとうございます。
  70. 秋野公造

    秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。  私にとっては初めての機会となりますので、沖縄の皆様のお役に立てるよう質問をさせていただきたいと思います。  まず最初に、沖縄振興予算確保の取組について伺いたいと思います。  昨日の新聞報道によりますと、政府沖縄沖縄振興策とそして基地負担の軽減について沖縄県と意見を聞く協議会を設置するというのがありました。しかしながら、これは、沖縄の皆様の意見を聞くということについては私たち公明党が再三求めてきたことではありますが、基地の移設についての意見を聞く場がないのであれば、この協議会は不十分なものであると言わざるを得ません。しかしながら、沖縄負担軽減を行うためにも、そして沖縄振興計画の総仕上げをきちっと行うためにも、沖縄振興予算要求、要望共に満額の獲得を必ずやってほしいと思います。  前原大臣の決意をまずお願いをいたします。
  71. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 秋野委員におかれましては、当選早々、先月、石垣、宮古、与那国などなど視察に行かれて、そして今の沖縄の現状をつぶさに見てこられたということで、心から敬意を表したいというふうに思います。  その上で、来年が、沖縄振興、現在の振興計画の最終年でございまして、何とか真の自立、持続的な発展というものを定着をさせるためにこの予算は満額を確保したいと思っておりますし、何よりも、もちろん必要なインフラ整備は行ってまいりますけれども、インフラ整備に偏り過ぎてきた嫌いがあると思っておりまして、ITなどの新たな産業振興、あるいは観光、そしてそれを裏付ける人材育成、特に私はこの人材育成というのは非常に力を入れていきたいと思っておりまして、十年間で二百人の海外留学等を含む七千人規模の人材育成、国際交流を推進する万国津梁人材基金というものを設立をしようと思っておりますので、委員あるいは御党の御協力を是非お願いしたいと思います。
  72. 秋野公造

    秋野公造君 ありがとうございます。  要望枠の中には、沖縄振興のために必要な那覇空港の道路でありますとか那覇港の問題でありますとか、先ほど大臣もおっしゃっていただいた沖縄の未来を担う青年のための予算が入っておりますので、何としてもよろしくお願いをいたします。  次に、今大臣からおっしゃっていただきましたが、八月に私、山口代表とそれから遠山衆院議員と一緒に沖縄の離島をつぶさに見てまいりました。与那国島、南大東島、伊良部島、そして宮古島、石垣島、行ってまいりましたけれども、大きく分けて二つ、三つの問題ございましたので、質問をしたいと思います。  一つ目は、黒糖工場の経営安定化対策についての問題であります。もう一つは、移動に関する悩み、特に医療にかかる際の交通費、そして医師不足に関する問題でありました。  まず、黒糖工場の経営安定化対策について伺いたいと思います。  生産者手取りの八割を政府が交付金で補てんをするいわゆる分みつ糖の制度と比べ、含みつ糖は黒糖の販売価格に製糖工場の経営が左右をされています。七月の報道ですが、県内の黒糖七工場すべて赤字であるとの報道でありました。小さな小さな島で作られているこの含みつ糖の制度支援を分みつ糖並みに引き上げるなどの運用により、一日も早いこの含みつ糖の事業者の経営安定化対策を講じる必要が、大急ぎでやらなくてはいけないと思いますが、今後の対応、いかがお考えでしょうか。
  73. 大島敦

    ○副大臣(大島敦君) 御質問をいただきまして誠にありがとうございました。  秋野先生おっしゃるとおり、分みつ工場というのは島にしかございません。伊平屋島、粟国島、多良間島、小浜島、波照間島、西表島、与那国島。ですから、島のサトウキビ農家の皆さんがそこの島にある分みつ糖の工場に出荷をして、それで町の、その島の経済がもっているという認識でございます。  先生おっしゃるとおり、内閣府としても沖縄糖業振興対策費により分みつ糖の製造事業者等に対し生産コストの補てん等の支援を行っております。ところが、先生今御指摘ございました、近年大分赤字の工場が増えていまして、デフレであったりあるいは健康ブームが鎮静化したり加工黒糖等の増加によりまして沖縄産の黒糖が販売不振となっているとともに、この価格が低落して、分みつ糖の製造事業者の経営が、含みつ糖の製造事業者の経営が非常に厳しい状況になっております。  そこで、今、各島ごとの、各工場ごとに大分ばらつきがございます。ちゃんと合理化して操業が非常に維持されているところとそうでないところがございまして、沖縄振興局内に関係省庁及び沖縄県から成る、これ含みつ糖ですね、沖縄含みつ糖対策検討チームを設置をして、経営悪化の原因を見極めつつ、現行の含みつ糖の製造事業者への支援方法はもとより、需要拡大方策や製造合理化支援の在り方も含めて幅広い観点から今検討を行っているところでございまして、実施可能な施策から講じていきたいと考えております。
  74. 秋野公造

    秋野公造君 検討を行ってからしか支援が行われないということですか。
  75. 大島敦

    ○副大臣(大島敦君) 若干私も、分みつ糖じゃなくて含みつ糖ですので、済みません、そこだけ訂正をさせてください。  まずは、ちょっと現状認識、現状の経営状況がどうなっているか、どういう問題があるかについて早急に検討を行って、まずは問題点を明らかにしたいと思います。それから、この含みつ糖の事業について対策を、先生の御指摘にもございましたので、打っていきたいと考えております。
  76. 秋野公造

    秋野公造君 それは沖縄糖業振興対策費などを使ってやっていただけるということですか、それとも検討を行ってからやるということですか。ちょっとそこだけ教えてください。
  77. 大島敦

    ○副大臣(大島敦君) 沖縄糖業振興対策費、これは含みつ糖製造事業者に対しての生産コスト補てん等の支援を行っておりますので、これは現在でも行っているところでございます。ですから、このスキームも含めて、各島ごとの工場がどうやったら成り立つかについて検討をしていきたいと考えております。
  78. 秋野公造

    秋野公造君 どうぞよろしくお願いします。  一方で、先ほど言われましたけれども、純粋な黒糖ではない、黒糖が少し入った加工黒糖や、あるいは黒糖が全く入っていない再製糖といったものが純粋な黒糖と間違われるような形で販売をされていたり、外国産そして国産の区別が付きにくい表示も見受けられるようであり、こういったことが純粋な黒糖の販売を阻害しているようにも見受けられます。  今こそ生産者や消費者のためには黒糖の品質表示基準やあるいは原産国表示を規定すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  79. 大島敦

    ○副大臣(大島敦君) 消費者担当の副大臣としてお答えをさせていただきます。  先生のおっしゃるとおりでございまして、黒糖という表示について、政府としても黒糖の表示区分の明確化については、今年の三月に食品表示に関するQアンドAということで公表させていただいて黒糖の定義を示して、先生指摘のあった再製糖と黒糖を区別することにいたしました。ですから、黒糖と表示できるものについては、サトウキビの搾った汁を、中和をしたり沈殿等により不純物を取り除いて、そして沸騰させながら凝縮をして、糖みつ分の分離等の加工を行わずに冷却して製造した砂糖であるというふうにまずは明確にさせていただきました。  もう一つは、加工食品の原料原産地表示の義務化だと思います。先生指摘になりました。日本で作ったのか台湾で作ったのか、そういう原産地表示については、消費者庁で三月二十九日に開催した意見交換会及びこれに先立つ意見募集で義務化すべきという要望が多かったです。これは、黒糖であったり昆布巻であったり果実飲料等について非常に多くて、現地調査も含めた調査を行い、七月の二十一日に消費者委員会の食品表示部会において流通状況等の調査報告を行いました。  今後のスケジュールなんですけれども、消費者委員会への諮問等の必要な手続を経た上で、今年度末までに黒糖の原料原産地表示に関する結論が出せるよう消費者庁として今準備を進めているところでございます。ですから、先生の御指摘の今いただいた点も含めて前向きに検討したいと思います。  ただ、黒砂糖と黒糖の定義の明確化の課題、これまだ残っておりますので、これも併せて検討を進めていきたいと考えております。
  80. 秋野公造

    秋野公造君 ありがとうございます。どうか黒糖事業者のためによろしくお願いをいたします。  もう一つの問題ですが、離島の住民にとって非常に重くのしかかる交通費の問題であります。  沖縄の本島から四百キロ離れた南大東島、行ってまいりましたけれども、往復で四万四千円掛かりました。これは医療にかかる際にも掛かるお金になります。ほかの代替手段がない状況で、先ほど航空燃料税については半額にされると、要求をしているというお話もありましたけれども、新たな空港整備がもうほとんどない状況においては、少なくとも一番困っている離島—離島間の航空燃料税についてはもう必要ないのではないでしょうか。離島住民の負担を軽減する環境整備のために、この飛行機を乗っても離島にしかたどり着くことができない離島—離島間の航空路線の航空燃料税、今こそ廃止すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  81. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 先ほど御答弁をいたしましたように、地方譲与税を除いた十三分の十一については、半額で平成二十三年度の税制改正要望をさせていただいているところでございます。  なお、今、沖縄の離島航路につきましては、既に航空機燃料税については半額にしているところでございまして、もしこの平成二十三年度の税制改正要望が通りますと沖縄の離島航路と一般の航空機燃料税が同じになってしまうということでございますので、沖縄については更に半額を考えているところでございます。
  82. 秋野公造

    秋野公造君 済みません、沖縄の分はもう更に半額の半額を考えているということでよろしいですか。
  83. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 今、一としますと、沖縄は半額になっているわけですね。こちらを半額にするということは一般と沖縄が同じになってしまいますので、この沖縄の部分を更に半額にするよう要望をいたします。
  84. 長安豊

    大臣政務官(長安豊君) ちょっと補足させていただきます。  現行の航燃税について申し上げますと、通常はこれ二万六千円でございます。沖縄路線は一万三千円、離島路線は一万九千五百円という設定でございます。この中で、これ全体を半分にするということではなくて、地方の譲与税部分がございます。それは維持して、それ以外の部分に関して半額にするということでございまして、先ほどの申し上げた本則の部分の二万六千円は一万五千円になりますし、沖縄路線の一万三千円は七千五百円になりますし、離島路線の一万九千五百円は一万一千二百五十円になるということを現在要望しているということでございます。
  85. 秋野公造

    秋野公造君 ですから、那覇よりも離島の方が高いわけですよね。だから、そういった現状もあるので、離島については、離島—離島間については見直しをしてほしいという話をしているわけです。
  86. 長安豊

    大臣政務官(長安豊君) もう委員よく御存じのことでございますけれども、航空運賃というもの自体は、基本的には航空法上、航空の事業会社が料金を届出制で設定をするということになっております。これは、収支の状況であったり、また経営の状況ということを自ら考えて設定されているものでございます。  国土交通省としては、そういった中でも、やはり離島の皆さんの移動というものを応援していきたいという思いで今まで運航費補助等の支援策を講じてまいりました。今回、先般の概算要求の中でも、地域公共交通確保維持改善事業といたしまして新たな支援策というものを要求をさせていただいたところでございます。今、航空機燃料税だけの割引のお話をさせていただきましたけれども、そういった取組を通じて航空事業者が利用者利便に資する運賃設定を行えるような環境整備にこれからも努めてまいりたいと考えております。
  87. 秋野公造

    秋野公造君 那覇と離島との差で離島の方が高いというのはやはり見直すべきだろうと思うので、どうか検討していただきたいと思います。  また同時に、小規模離島航空路利用活性化事業で、病院がないところ、あるいは高校がないところ、そういったところのいわゆる運賃を補助していく取組というのは非常にすばらしいと思っています。那覇—粟国、あるいは那覇—南大東・北大東、那覇—久米島、石垣—与那国、宮古—多良間、こういったところで、離島住民、観光客、そして離島高校割引が行われているというのは非常にすばらしいことだと思っています。けれども、この事業の思想の根幹を成す、病院がないところに対する補助ですから、あくまでも医療を受けやすくするためのものだと思います。その意味では、例えば妊婦が健診を受けやすくするための妊婦健診でありますとか、その離島の中の島では受けることができない医療、例えば手術とかそういったものは全部島外に行かないと受けることができないわけです。  そういったもの、医療割引とかいったものを加えて命を守る政策というものを行う考えはいかがでしょうか。
  88. 大島敦

    ○副大臣(大島敦君) 先生、お医者さんでございますので、お医者さんの立場からの要は問題点の指摘だと思います。  今、小規模離島航空路利用活性化事業、これは沖縄県において、御指摘になりました定住条件のより厳しい、中核の病院がない、あるいは高校がない小規模離島を対象として、航空運賃を下げることによって離島住民の過重な負担を軽減するとともに、都市地域との交流等を促進してその経済効果を検証する、まずは社会実験として始めさせていただいております。  小規模離島における航空運賃割引については、先生指摘のとおり貴重な意見を承りまして、この今の社会実験の状況、そして沖縄県からの要望を十分に踏まえ、今後検討していきたいと考えております。
  89. 秋野公造

    秋野公造君 南大東島では妊婦健診について五回補助をするような努力をしておりました。村もそういう努力をしていますので、そういう声が上がってきたときにはどうかよろしくお願いをいたします。  次に、離島の医師確保対策について伺いたいと思います。  概算要求でも各県に対して医師確保のための要求がされていますけれども、隣の市町村に対して車などで移動することができる、広域な協力を行うことができるほかの地域と異なり、離島というのは海で隔てられているところでありますので、いわゆる特段の配慮が必要である、ほかの都道府県と横並びではなく、沖縄に対しては特段の配慮が必要であると思っています。  離島の首長さんたちが本当に医師確保に一生懸命やっていました。しかしながら、島の中の市町村が個別にその市町村の診療所の医師を確保するということは非常に非効率であり、非常にまた大変な問題であります。  そしてまた、その主体となる若いお医者さんは、ある一定程度の医療のレベルを確保したいと考えますので、そういう意味では、ある一定の医療レベルを確保することができる医療機関を派遣元として、そしてへき地などの診療所に派遣をするような、そういうネットワーク全体を定員ととらえて医師をぐるぐる回すことができる仕組みをつくっていくことが非常に重要ではないかと私は思っています。すなわち、医師バンクの機能あるいはドクタープールの機能といったものをいわゆるへき地の拠点病院とかそういったものに持たせることが非常に重要であると思っています。  沖縄には本当に国立病院もなく、そして社保系の病院もなく、国の病院がない中で沖縄の医療というのは維持がされてきました。沖縄のへき地拠点病院に医師をプールする機能を持たせる、若しくはへき地支援機構に医師をプールしてそこからきっちり診療所に安定的に医師を派遣するような仕組みを構築するための予算を計上する、いかがお考えでしょうか。
  90. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) 御指摘のとおり、離島などにおきます医師の確保、大変御苦労をいただいているわけでございます。こういう離島のようなへき地に対しましてドクタープールを活用いたしまして医師を派遣をするという取組は、大変重要な御指摘だと考えております。  厚生労働省におきましても、離島地域を含むへき地における医療提供体制の確保につきまして、従来からへき地医療支援機構等によります医師の派遣調整を行ってまいりました。また、平成二十三年度の概算要求におきまして、へき地医療支援機構のドクタープール機能の強化、こういうことを行うほかに、元気な日本復活特別枠におきまして、全県的な医師確保の取組を支援するものとして地域医療支援センター、これはまだ仮称でございますけれども、こういうセンターの創設の経費を盛り込んでいるところでございます。  沖縄県におきましては、離島地域への医師派遣調整や医師の再就業支援を行うゆいまーるプロジェクト、これは助け合いの心という意味のようでございますけれども、こういうプロジェクトを取組をされてきていると承知をしておりまして、国におきましても、へき地医療支援機構運営事業等を通じまして沖縄県の取組を今後とも支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。
  91. 秋野公造

    秋野公造君 沖縄のゆいまーるプロジェクトもドクタープール、医師バンクの機能を持たせているもので、なかなか都道府県だけではうまくいっていないところの方が多い現状だと思います。うまくいっているところの状況参考にしながら、どうか国の方できっちり支援していただいて、どこの県でも、そして特に困っている離島県がドクタープールをきっちり確保してつくることができる体制をよろしくお願いをいたしたいと思います。  次に、中国観光客誘致対策について伺います。  七月から中国の個人向け観光ビザの発給要件が緩和をされまして、従来の富裕層から中間層の方々観光客のターゲットが広がっています。沖縄振興においてはこういった巨大マーケットを取り込むことが非常に重要であると考えておりまして、その中で、やはり那覇と中国を結ぶ、北京空港を結ぶ定期便の就航を早急に実現することが非常に重要であると私も思っています。  新聞報道によると、仲井眞知事が八月二十日に訪中されたときに中国の航空会社が北京—那覇間の定期航空路の路線開設を明らかにしたということで、国土交通省の許可を待って十月中旬以降就航時期を確定するとの報道がありました。観光立国と沖縄振興のためにはどうしても必要なことだと思います。  年内の定期便就航を強く要望しますけれども、その実現の見通しと国土交通省の取組について教えてください。
  92. 長安豊

    大臣政務官(長安豊君) 今委員指摘ございましたように、観光振興という意味では非常に重要な問題でございます。  この那覇—北京というのは、日中間の航空協定に基づきまして日中双方の航空企業が定期便を運航できる地点として指定されております。今お話のございました、中国の海南航空が週三便の就航をしたいという意向を持っているということでございまして、既に中国側の行政手続は終了したと、完了したということでございます。  一方で、まだ日本には正式に申請が来ておりませんで、私ども国土交通省といたしましては、正式な申請があり次第、速やかに就航が可能となるように航空法に基づいて所定の手続を行うこととしております。
  93. 秋野公造

    秋野公造君 先ほど話に出ましたけれども、石垣—台湾とか与那国—台湾とか様々な可能性があるかと思います。どうか要望があれば速やかにお願いをしたいと思います。  以上で質問を終わります。
  94. 江口克彦

    ○江口克彦君 みんなの党の江口でございます。  岡田大臣とは久しぶりですし、前原大臣にこのような場で直接お話を、お考えをお聞かせいただけると。大変うれしく思っております。  今まで緻密に的確な御質問がずっと続きましたので、特にこれから前原大臣岡田大臣にちょっと教えていただきたいということでありますけれども、まず最初に、対等な日米同盟ということがよく言われています。どこの党も言っていますし、政府もそういうふうな対等な日米同盟というようなことでありますけれども、その対等というのをどういうふうに考えておられるのかということですね。  アメリカと対等である以上は、アメリカと同じような、少なくともそういう条件というものを持たなければいけないということになるし、あるいはまた、対等というようなことで、じゃ、アメリカの方から、自分のところはこうだから、じゃ、自衛隊を出してほしいと、対等だと言われたときにそれどうするのかというような問題も出てくるのではないだろうかということであります。現政権が日米同盟の対等化ということを目指していくのであれば、究極、その兵力まで対等というようなところまで考えなければならなくなってくるのではないだろうかと。  そういう対等ということについて、対等な日米同盟というのをどういうところまでの対等と考えておられるのか、それがまた対等というふうな日米関係というふうに言えるのかどうかと。対等について、対等な日米同盟はどういうものかということについて前原大臣岡田大臣にお教えいただきたいと思います。
  95. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、私自身は余り対等という言葉を殊更言うのは好きではありません。まるで対等でないこと、現状が対等でないかのようなそういう印象を与えるからであります。ただ、党としてはマニフェストなどでも対等な日米関係という言葉は使っております。  今の委員の御指摘ですが、これ、私よく言うんですが、対等というのは全く同じであるという意味ではございません。若干誤解を招くかもしれませんが、夫婦対等というときに夫婦は全く同じであるというふうに考える人はいないのであって、それぞれの役割があって、それをお互い補完し合って夫婦関係というのはでき上がっているわけであります。日米関係も、それぞれの得意とするところ、あるいは余り得意でないところもあるわけで、同盟関係の中でお互いが相補いながらやっていくということが私は対等の意味であると思います。  クリントン長官とこの一年間で六回会談をする機会がありましたが、例えばイランの問題、最近、日本の付随的措置についても閣議決定したわけでありますが、核開発を進める疑惑のあるイランに対してどう対応していくかということについて日米間でよく話し合いながら、外交関係という意味ではアメリカよりも日本の方がイランとは歴史がありますから日本にしかできないこともある、そういったことについてお互い対話をしながら、イランの核開発というものにどうブレーキを掛けるかということを議論してきたわけでございます。  北朝鮮に関しても、あるいはミャンマーに関しても、あるいは地球温暖化に対しても、そういったことでお互い議論しながら同盟関係の中でより良い結果を目指して進めてきたと。これが私は対等ということの具体的なあかしであるというふうに思っております。
  96. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) お答えいたします。  私も、今、岡田大臣が答弁をされたように、全く同じ能力あるいは予算であることが対等だとは思っておりません。予算規模では全くアメリカの方が大きいわけでございますし、また、日米安保条約というものを見ていただきますと、集団的自衛権の義務を負っているのはアメリカのみで、これは第五条でございますけれども、その代わり第六条として日本は極東の安全に資するために米軍施設区域を提供するという、非対称的な役割分担をしているということだろうというふうに思います。また、専守防衛を旨とする日本の安全保障を考えたときに、盾の役割をするのが日本で矛の役割をするのがアメリカであるという役割分担をしていると。  つまりは、主権国家としてお互いが合意の上で決めた役割をしっかり果たしていくということが対等という意味で私はとらえさせていただいております。
  97. 江口克彦

    ○江口克彦君 その対等という言葉につきましてですけれども、岡田大臣は余り自分は本意ではないというようなことを冒頭に申されましたけれども、それじゃどういう言葉を使われているか。
  98. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) どういうと言われてもちょっと困ってしまうんですが、お互い同盟国としてそれぞれの責任を果たすということで私は十分であると思います。
  99. 江口克彦

    ○江口克彦君 ありがとうございました。  それでは、岡田大臣に御質問をさせていただきたいと思いますけれども、昨年来から普天間の混乱というものがありまして、本来であれば日米同盟は五十周年という節目という中で深化できたはずの日米関係の機会利益を失っているという状況ではないかと。日米の信頼感がこのごろ急速に薄くなってきている、あるいはまた、中には必ずしも良好ではないというそう言う先生方もおいでになるわけでありますけれども、現状維持以外の政策というものが全く見えない。  要するに、この間、何も言ってみればやっていない、要はできていない、ただ普天間の問題の混乱のままのそれが維持されているという日米関係というのは、どういうふうにお思いになりますか。
  100. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 基本的認識が大分違うなというふうに思います。  日米間で、先ほど言いましたように、外務大臣同士でも頻繁に議論を行っておりますし、共同して様々な事柄に当たっているわけでございます。その間の信頼関係というのはしっかりありますし、まあいろんなことを言う人はいるのは承知しておりますけれども、例えばアメリカでも、どちらかというと共和党寄りの方はオバマ政権に対しても日本民主党政権に対しても厳しく言うと。しかし、それはある意味ではお立場上当然のところもあるわけで、やはり本質をしっかりと見ていただきたいなという気がいたします。  余りにもそういった、日米関係についてそれがうまくいっていないという、そういう見方が一部にあることを私は非常に残念に思っております。
  101. 江口克彦

    ○江口克彦君 分かりました。  私は、日米関係が必ずしも順調にいっている、うまくいっているというふうには、そんな大臣がお考えのように楽観的には私は考えていないので、かなりシビアに、日米関係というのは従来に比べると相当やっぱり厳しい状況にあるのではないだろうかと。そういう厳しい状況が企業あるいはまた経済にもいろいろ影響を与えているということに私は見受けられるのでありますけれども、両国の首脳としてもっともっと率直に意見交換を行うそういう場を、具体的にそういう場を持っておられるのか、それは今日まで普天間以降どういうふうな回数で行われたのか、お伺いしたいと思います。岡田大臣
  102. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 首脳という意味が総理大臣という意味であれば、これは菅総理が就任されてG8サミットの折にオバマ大統領と会って会談をしたということでございます。
  103. 江口克彦

    ○江口克彦君 私がそういうふうに申し上げるのは、例えば中国の脅威というか、どんどんどんどん大きくなってきているということは当然皆様方も、先生方も大臣の皆さん方も御存じだと思いますけれども、そういう中国の脅威に対して戦略的な対話をやっぱり日米間で行うべきではないだろうかというふうに思うのでありますけれども、全く中国の脅威というのは感じておられないんですか。それとも、感じているけれどもそういうことをする必要はないのか、あるいはまた、感じてやっておられるのか、どちらですか。大臣お答えください。
  104. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、私は中国が脅威であるというふうには考えておりません。もし、恐らく脅威という、正式な意味での脅威というふうに委員が言われるとすれば、それは恐らく多くの議員が共有する認識ではないと、そういうふうに私は思います。  その上で、もちろん日米間でいろいろなレベルで、中国がより国際社会の中で、何といいますか、急速に大きくなっているわけですが、国際的なルールに従って行動するということについて様々なレベルで議論は行っているところでございます。
  105. 江口克彦

    ○江口克彦君 ありがとうございました。  それでは、前原大臣とそれから岡田大臣にも一言ずつコメントをいただきたいんですけど、普天間問題について、日米関係に動揺というか与えつつも、遅ればせながら在沖縄海兵隊の抑止力を理解して、本年五月にようやく合意を得ることができたと。大変な御努力があったと思うんですけれども、今後は沖縄理解を得ることに最大の努力を払ってこの合意を実現させる以外の道はないのではないかと、こう思ったりするんですけれども、しかしながら、現在の民主党代表選を見ると、ある代表候補者はこの期に至って、日米合意に疑問を呈し、在沖海兵隊の存在を否定し、別の腹案があるかのような発言をされているわけです。このような発言は、これまでの日米間の、また大臣たちの御努力というか、それを無にして、また一からやり直すということになりかねないのではないかというふうに私は大変心配しているんですけれども、前原大臣、あるいはまた同時に岡田大臣、どのようにお考えなのか、よろしくお願いします。
  106. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 報道されるところがどこまで正確かということを私分かりませんので余り断定的なことは言いたくないのですが、今のお話の中で、沖縄海兵隊は必要かという問いに対して、海兵隊の実戦部隊は要らないと思うと、アメリカも要らないと思うから引き揚げているという御発言がありました。ここは、実戦部隊は沖縄から引き揚げているわけではありません、アメリカは。グアム移転しようとしているのはむしろ司令部機能を中心とした部隊であります。ですから、その事実関係は間違っているのではないかということを私は記者会見で申し上げたところであります。したがって、海兵隊の実戦部隊は要らないということにはならない、少なくともアメリカはそういうふうには考えていないということであります。  そのほかいろいろ、日米合意を見直すというふうには明確には言っておられないので、公約の中でも日米合意という単語を使ってそれを見直すという、そういう表現を私は見ておりませんのでそういう趣旨ではないだろうと、日米合意は尊重されるということではないかというふうに思っております。
  107. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 抑止力という議論をするときに、私は一番大事なのは同盟国である日米関係の信頼感だと思います。これは、信頼感がなければ私は抑止力という議論は根底から崩れてしまうのではないかというふうに思っております。  そういう意味では、お互いの国で積み重ねてきた信頼感、そして具体的なテーマを着実に実行していくと。今回であれば、五月二十八日の2プラス2の合意、そして八月の末に決められた専門家会議での合意、これを沖縄の皆さん方に御説明をし、そして御納得いただく形でまとめ上げていくといったことが大事なことであろうと思います。  その意味において、そういった信頼関係がないままに例えばアメリカの部隊は第七艦隊だけでいいんだということを言って、それが、日米間でずっと水面下で積み重ねてきて、そしてそういう合意に至ったらいいですよ。だけれども、何も話をしないままに、いや、アメリカは第七艦隊だけいてくれたらいいんだというようなことでは本当の意味での日米合意というのは全く成り立たないと、私はそう思います。
  108. 江口克彦

    ○江口克彦君 ありがとうございました。
  109. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  まず、普天間基地の移設問題についてお聞きをします。  日米専門家会合の報告書は、V字案、I字案を併記をし、軍用機の飛行経路は明記しないというものです。地元紙は玉虫色だと書きましたし、県民不在の空文だというふうに報道がされています。名護の市長さんは、話にならないと、言語道断だということを、重ねて拒否を表明しています。これ、当然のことだというふうに思います。  これまで自民党政権のV字案では飛行経路を示す台形図が示されていたわけですけれども、今回はこれも示されていません。米側の主張している区域がこれまでの日本側の説明の台形図よりもはるかに広いということは、これ、飛行経路の見直しが今後あるということなんでしょうか。外務大臣にお聞きします。
  110. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 米側の示しているものが日本側の従来説明してきたものよりもはるかに広いというふうには考えておりません。ただ、それが陸地に近づいているということは言えるかと思います。  なぜ、我々といいますか、従来の、前政権の時代ですけれども、自民党政権の時代ですが、台形の案を日米合意したものとして国会などでもお示ししていたと思います。ところが、米国からするとそれは必ずしも合意していないというふうに言っているわけであります。私は、過去のことをいろいろ言うよりは、現に食い違いがあるということは事実なので、そのことは正直に政府として申し上げ、そして、もし日米間で本来の、今までの台形のものに代わるものが合意できればよかったわけですが、そこまで話は煮詰まりませんでしたので今回の専門家同士の合意の中には入れなかったということであります。  引き続いて日米間で議論を行い、新しい要素も加わるかもしれません。そういったことを含めて、地元になるべく負担が少なく、同時に米軍の運用上の要求も満たす、そういう飛行経路というのはどういうものなのか、しっかりと日米両国で議論を行って、しかるべきときにそれをお示しする、それが政府責任であるというふうに考えております。
  111. 紙智子

    ○紙智子君 今の話を聞きますと、飛行経路がより広がる可能性が必ずしもあるとは言えないことも言いつつも、しかし陸上に近づくということですとか、もしかすると広がる可能性も含んでいるわけですよね。  大臣は記者会見で、この米側が主張する飛行経路の見直しは沖縄に導入予定のオスプレイ配備が背景にあるということも言われています。それで、最新鋭の米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの配備というのは、これ、あるんでしょうか。
  112. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 私が先ほど広い狭いと申し上げたのは、全体の面積でいうと必ずしもアメリカの主張しているものが日本の台形案よりも広いと、面積として広いという、必ずしもそういうことではないと、そういう趣旨で申し上げたわけであります。ただ、より陸上に近いということはおっしゃるとおりで、私も先ほどそう申し上げたつもりでございます。  オスプレイについては、まだはっきりと決まっていないということでございます。従来はこれも、そういうものは聞いていない、あるいはないというふうに説明してきたかと思います。しかし、今オスプレイはかなり幅広く導入されておりますので、私は可能性かなりあるのではないかと。あるとすれば、やっぱりそういうことを念頭に置いて、もちろんあるかないかということをまず確認をしっかりと日米間で取る必要がありますが、あるということであれば、当然そのことを前提飛行経路も変わってくるわけでありますから、それに沿ったものにしなければいけないかもしれないということであります。  いずれにしても、なるべく正直にいろんなことを申し上げて、そして誠意を持って説明していくと、そういう姿勢で挑んでいきたいというふうに考えているところであります。
  113. 紙智子

    ○紙智子君 米側ははっきりと配備の方針、政策を言っているわけで、そこはやっぱりはっきりと日本側もする必要があるというふうに思います。  オスプレイ配備ということになると、住民生活や環境にどういう影響をもたらすとお考えですか。
  114. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ですから、まだ日米間でそのことを確認しておりませんので、正式に何か政府としてそれを調査しているということはないと思います。  騒音とかそういった問題でどういう影響があるのかということについて、もし導入するということであればそのことをしっかり見極めていかなければいけないと、そういうふうに考えております。
  115. 紙智子

    ○紙智子君 沖縄県民がオスプレイ配備に反対しているのは、やっぱり事故の危険ですとか、あるいは騒音が更に拡大するんじゃないかということなんかもあって、拒否感ですね。そういうやっぱり認識を大臣はお持ちでしょうか。
  116. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) オスプレイは導入当初かなり事故があったということは事実です。しかし、そういうものは克服されたからこそ今幅広く導入されているわけで、私、今数字手元に持っておりませんが、オスプレイが従来のヘリコプターと比べて事故率がどのぐらい高いのかとか、あるいはそもそも高いのかとか、そういったことは、それもこれから議論していかなければいけないことだというふうに思います。現時点では特に数字は持っておりません。  騒音の問題も、果たしてオスプレイになれば騒音が大きくなるのかどうかということについても今後の検討課題であると、こういうことであります。
  117. 紙智子

    ○紙智子君 オスプレイは、今、克服されているという話しされたんですけれども、九一年から二〇〇〇年の間の主な事故だけでも四件で三十人が死亡しているわけですよね。今年も四月にアフガニスタンで墜落事故があったばかりと。ですから、不安定な構造で事故がやっぱり繰り返されているということで、米国においては未亡人製造機というふうな言い方もされているわけですよ。  ですから、騒音や事故が従来のヘリコプターと同じなのかどうかと、違うのかということについての御認識はどうでしょうか。
  118. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 繰り返しになりますが、過去においてはいろいろトラブルが多かったということは認識をしております。しかし、そういうものが基本的に克服されたからこそ、今広く配備されているというふうに考えております。  騒音の問題も、これは科学的に計量して数字がきちんと出てくる話でありますので、今後検討課題として、あくまでも客観的にしっかりと認識をしていきたいというふうに思っているところであります。
  119. 紙智子

    ○紙智子君 米側はこのオスプレイを配備すれば当然飛行経路というのは変わるという話もされていますから、今、岡田大臣自身もそういう影響なんかも見直さなきゃいけないという話をされたと思うんですけれども、やはり環境アセスメント、これ必要ですよね。
  120. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ですから、飛行経路がどう変わるのか、そして騒音とかそういったものが多いのか少ないのか、そういう事実をきちんと把握をした上で、環境影響調査、まあ全面的な見直しというふうには私考えませんが、やや追加的なものが必要なのかどうかということも、そういった今申し上げた前提がどうなるかによって変わってくる。そういう調査、追加的な調査が必要でない場合もあるかもしれませんし、あるいは必要な場合もあるかもしれないと、現時点では断定的には申し上げられないということでございます。
  121. 紙智子

    ○紙智子君 米国でもこのオスプレイの配備に当たっては環境影響評価が行われて、これ、二〇〇〇年から昨年まで九年間費やしてやってきているわけですよね。ですから、一部とかいうことじゃなくて、やっぱり方法書からやり直して、オスプレイも含めてこれはしっかりとやるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
  122. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ですから、それは導入するということになれば、先ほど申し上げましたように客観的な数字として特定できるわけですから、それに基づいて、より追加的な調査が要るかどうかというのが決まってくるということであります。飛行経路とか、そういうことによってもその結果というのは変わってくるというふうに考えております。
  123. 紙智子

    ○紙智子君 それと、もう一つお聞きしたいんですけれども、I字案ですね、このI字案で埋立面積を減らせばその分環境が守られるというふうにお考えのようなんですけど、そういうものではないと。埋め立てれば、そこだけでなく周辺にも影響が出るということで、自然保護協会によりますと、I字案は、国の天然記念物であるジュゴンのえさ場となる海草藻場ですね、このうち被度の高い場所が消失するということが分かっているわけです。ですから、これ、V字案もI字案も藻場が消失するということでありまして、それら含めて、V字案もI字案もどちらもこれ、地元は受け入れられないというふうに思うわけです。  沖縄県民の皆さんにとっては、この辺野古への移設反対、そして普天間基地は無条件撤去というのは、これ変わらない強い思いなわけです。大臣は、沖縄を説得するということではなくて、この辺野古への移設そのものを是非とも断念すべきだということを強く申し上げておきたいと思います。  それで、あともう一つ聞きたいことがあるので、今のことについての答弁は要りません。  それで、もう一つ、北方問題について質問をしたいと思うんです。  私、八月の二十一から二十三まで実はビザなし交流で色丹島に行ってまいりました。開発がかなり進んでいるというふうに聞いていたんです。実際に訪問してみましたけど、私も初めてだったんですけれども、色丹は。以前訪問された方がかなりカラフルな建物が増えたということを言っておられました。それから、学校は非常に新しくて立派なものができていました。  それから、出生率がサハリン州の中では最も伸びているという話を聞いたんですね。それで、その理由については、若いカップルが多いんだということと、それから行政府が住宅手当とかあるいは子供とかの手当、それから女性の健康の問題というか保健の問題で対策を打っていて、その成果だということも話をされました。  全体としては住民生活が少し向上しているのかなということを感じたわけです。  問題は、問題なんですけれども、今回の交流のときに、住民との意見交換の場が直前になくなったんです。すごく不自然な形でなくなったわけです。それで、北海道の担当の方は、いや、手違いだったんだと言うんですけど、これ、五月にも対話集会が中止になったと。そして、出入国カードも要求されたこともあったわけですよね。  一方で、ロシアがいわゆる対日戦勝記念日というのを制定をすると。択捉での軍事演習も最近やってきているわけで、ロシア側の態度は実効支配を更に強化しようというふうに、そのことを世界にも認知させようとしているかのように見えるわけです。  それで、ロシアの一部の議員が言っている分にはまだ聞き流すということはあったかもしれませんけれども、上院議長自身日本の北方領土の返還要求は歴史の歪曲だということを演説をされていると。  それから、メドベージェフ大統領の署名でこの記念日が制定されているということでいいますと、外務省は欧州局の参事官の名前で申入れをしたというんですけれども、やっぱり抗議を含めて、そもそもソ連がこの領土不拡大という戦後処理の言わば大原則に反することをやったからこういう問題が起こっているということをやっぱりはっきりさせながら、日本国民が領土返還を求める大義を堂々とやっぱり掲げて交渉に臨まないといけないんじゃないかと。そのことが、この間、絶えず政権が替わったりもする中でしっかりとやられていないということがいろいろなことにしわ寄せとして出てきているんじゃないのかと、今度の交流事業にも現れているんじゃないかというふうに思うわけです。  この点で、大臣に対して今後の対応ということでお聞きしたいと思います。
  124. 武正公一

    ○副大臣武正公一君) 紙委員お答えをいたします。  今のその住民交流会が行われなかったことは大変残念でありまして、本年度の四島交流において、実施団体間で相互理解の深化という目的に合致するようなプログラムが創意工夫の上、実施されていると承知をしております。  今御指摘の第二次大戦終了の日の記念日に追加をされたことにつきましては、現在の日ロ関係にふさわしいと思えず、特に日本国民、元島民の方の感情をかんがみて残念であるという旨は、七月二十七日ですかね、参事官から在京臨時代理大使に、そしてまた、私から八月十三日にも臨時代理大使に、また九月三日にはモスクワにおいてサルタノフ次官に直接その旨を伝えました。そして、今後の日ロ両国の関係に否定的な影響を与えないようにということを求めてきたところであります。  また、七月初めに行われた択捉島における軍事演習については、判明後直ちにロシア側に対し、北方領土に対する我が国の法的立場にかんがみ受け入れられず、また我が国国民の対ロ感情にも否定的な影響を与えかねず極めて遺憾である旨抗議するとともに、演習の即時の中止を求めておりまして、このような御指摘の事案に対して我が国として適切に対応してまいっております。  いずれにせよ、こうした問題を根本的に解決するためにも北方領土問題の解決が必要でありまして、政府としては北方領土問題の最終的解決に向けて具体的な進展が得られるよう、強い意思を持ってロシアとの交渉を進めていく所存でございます。
  125. 紙智子

    ○紙智子君 やっぱりビザなし交流でいいますと、日本とロシアの双方がお互いに領土問題という問題について解決のための意見交換をする、それで理解を深める機会としてきていたわけで、元島民の皆さんが自らの体験とそれから歴史の事実を示して、そしてやっぱり領土返還の思いを伝える場としてもすごく大事なわけですよ。  ところが、領土問題を抜いてやりましょうという話になると全然やっぱり趣旨が違ってきちゃうわけで、そういう点では、やっぱり領土交渉ということと両方、両輪でやっていかなければ、交流事業に大きな負担が掛かってきているという状況もあると思いますので、そこは強くこの後の交渉の中で含めていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
  126. 中川雅治

    委員長中川雅治君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時二分散会