○松あきら君 公明党の松あきらでございます。
私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました
財政演説、
平成二十一年度第二次
補正予算案に関連し、
総理並びに
関係大臣に御
質問をいたします。
質問に入ります前に、先般発生しましたハイチにおける地震によって亡くなられた方々、そして御遺族の皆様に対して心からの哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に謹んでお見舞いを申し上げます。
現地では、食料、水を始めとする物資、医療が不足し、現在でも多くの方が苦しんでいらっしゃいます。私
ども公明党も、直ちに全国各地で被災復興
支援のための街頭募金
活動に党を挙げて取り組んでおります。
我が国は、阪神・淡路大震災を始め地震で大変な
思いをした国だからこそ、その教訓を生かしながらハイチ
国民のために全力で
支援すべきだと
思います。
政府の迅速で積極的な
対応を強く要望いたします。
さて、
総理、
鳩山内閣が発足して四か月余り、
国民が今どんな気持ちで
内閣を見ているか御存じですか。言っていたこととやっていることが違うという声が耳に届きませんか。昨年夏の総
選挙で
民主党が
国民に約束した
マニフェストが早くも色あせてきたことに多くの
国民ががっかりし、落胆をしております。
例えば、二十一年度第一次
補正予算を凍結させた挙げ句、似た
ような
政策を第二次
補正予算案として提出するなど、大見えを切ったものの、その結果は
政策の実行を遅らせただけではありませんか。また、初めて編成した当初
予算案も恒久
財源は
確保されず、普天間をめぐって迷走する閣僚の
発言、
政治資金の疑惑も広がる一方、その中で
景気の二番底が懸念されているのが現状です。
公明党は、最も困っている
人たちのために働きます。山口代表を中心に全国の
地方議員、
国会議員、三千有余名が一丸となってチーム三〇〇〇の旗印の下、総力を挙げて、福祉、教育、平和という公明党の原点に立ち返り、この難局に臨んでまいります。
鳩山
政権が進め
ようとする
政策に対してはっきりと物を言わせていただきます。
国民のため、困っている
人たちのために、鳩山
政権も我々の提案にも積極的におこたえをいただきたい。
さて、
総理のリーダーシップ発揮に暗い影を落とし、足かせとなっている問題の一つに、お母様からもらったという巨額の
資金の問題があります。
総理がお母様からもらった毎月千五百万円、総額十二億六千万円もの
贈与が課税を逃れて、その一部が
偽装献金の出どころとなっていたという疑惑は、もし発覚しなければ約六億円もの
贈与税は納めないままだったのでしょうか。一般
国民であれば
脱税と言われます。
総理、
お答えください。
また、
民主党の
小沢幹事長をめぐって、西松
建設からの違法献金疑惑に加え、不明朗な土地取引についての疑惑は、強制
捜査から小沢氏の元
秘書だった
民主党の石川衆議院
議員ら三人が逮捕される事態に発展しました。
現職国会議員の逮捕は、
政治全体への信頼を失墜させるゆゆしき事態と言わざるを得ません。
四億円もの土地購入
資金の出どころについて、世論調査では九割の
国民が
説明に納得をしておりません。そんな中、あろうことか
総理は、
検察当局と全面対決を主張する
小沢幹事長に、どうぞ戦ってくださいとおっしゃったそうですね。
行政の長である
総理が、
行政機関の一つである
検察批判に同調するなど前代未聞、余りに不見識ではありませんか。
総理は
国民の反発に苦し紛れの言い訳に終始をしておられますが、言い訳ではない、だれもが納得する
答弁を求めます。
菅副
総理にお伺いをいたします。
菅副
総理が
政治の世界に飛び込まれたときに真っ先に師事をされ、終生清潔な
政治の実現に尽力をされた、かの市川房枝さんは、
政治家の金銭
関係を清潔にするということが何よりも大事と主張されておられました。
鳩山総理や
小沢幹事長にまつわる不可解な
政治と金の問題について、菅副
総理の御
見解をお聞きしたいと
思います。
次に、経済情勢に対する
認識についてお伺いをします。
デフレが
日本経済にとって大きなおもしになっております。その最大の理由は、世界的な需要不足であることは論をまちません。
我が国におきましても需給ギャップがGDPの七%、約三十五兆円に上るとの
内閣府の推計があります。
スーパーマーケットに足を運べば、二百円を切るお弁当など価格破壊にびっくりさせられます。多くの
国民は、賃金が上がらず、先行きも不安な中で、賢く買物をし、生活を防衛しなければならない。その結果、売る側の小売は更に値下げ合戦に走らざるを得ない。一見、物が安くなるということは消費者にとってうれしいことの
ようでも、デフレが長期化し、これがスパイラルに陥ることになれば、
日本経済にとって深刻なダメージとなります。
どうすればデフレが止まるのか、
日本銀行の
役割分担はどうなっているのか、将来
ビジョンの
裏付けを持った
政府としての明確なメッセージを発するべきではありませんか。
総理の
見解を求めます。
そもそも、鳩山
政権には経済の司令塔がだれなのかが見えない、迷走を続けていると言わざるを得ません。そこで、何点か
総理に基本的な
考え方について
質問をいたします。
新成長戦略なるものの基本方針が昨年末に決定されました。しかし、来年度の
予算編成が終わってからという、まさに戦略なき
対応でございました。具体策は今後の六月ごろまでにまとめるとのことですが、それでいて名目三%、実質二%を上回る成長を目指すというのは、いささか無理があるのではないでしょうか。
総理、こうした数字となる積算根拠を明らかにしていただきたいと
思います。
財政健全化について伺います。
現時点における
民主党マニフェスト工程表によれば、四年後の
平成二十五年度には、
政権が掲げる
政策の実現に要する
財源は十六・八兆円に上ります。しかしながら、
平成二十二年度
予算では、
予算の組替えによる
財源捻出は微々たるもので、
平成二十三年度以降の恒久
財源はほとんどめどが立っておりません。他方で、
社会保障の自然増を含めた費用はこれからも増え続ける中で、
消費税は四年間上げないと明言をされておられます。
総理、
消費税は四年間上げないのですか。であれば、当然、中期の
財政の姿も
消費税増税を前提としない姿で示されるということでしょうか。これは極めて重要です。この点をあいまいにしたままでは、将来の借金、すなわち国債の増発リスクは解消されず、
日本の信認そのものが傷を負いかねません。
総理、明確に御
答弁ください。
第二次
補正予算についてお伺いします。
総理は、第一次
補正予算を凍結し、その
財源を活用して第二次
補正予算案を編成されました。
総理にとっては第二次
補正予算の編成は想定外だったのかもしれませんが、
経済対策という
観点からすれば、わざわざ第一次
補正予算を
執行停止せずにそのまま
執行していれば一層の
効果があったのではないか、結果として、第二次
補正予算が成立、
執行するまでの間、
経済対策に
空白期間が生まれ、
効果を著しく低減させてしまうことになってしまうのではありませんか。生き物である経済運営を預かる
政府として、臨機応変に
対応することこそが
国民生活を守るため重要なのではないでしょうか。
総理の御
見解を賜ります。
次に、具体的な
政策課題について伺います。
今、雇用問題は深刻です。仕事がない、ハローワークに何百回通っても決まらない、いつ解雇されるか分からないなど、庶民は日々の暮らしに苦しんでおります。特に
若者の失業の
増大は将来の
日本の危機です。今こそ、
政府が全力を挙げて、雇用対策、雇用創出に取り組むべきです。雇用調整助成金の積極活用、雇用保険や住宅困窮者への対策などセーフティーネットの強化、医療、介護、子育て分野、環境、農林水産、観光などの各分野の戦略的な雇用創出など、あらゆる
政策手段を総動員すべきです。
雇用対策に取り組む
総理の
決意と具体的な
取組方針をお伺いします。
次は、子育て
支援についてです。
民主党マニフェストの一丁目一番地と言われた
子ども手当が来年度より一万三千円、いわゆる半額支給として実施されますが、実態は、公明党が四十年掛けて拡充してきた児童手当の五千円に八千円を上乗せする形で実施となる
ようでございます。
子ども手当の創設というよりは、児童手当の拡充ではないですか。
この
子ども手当、
社会全体で子育てを応援する、特に負担の重い方々に対して経済的な
支援を拡充する方向性は、公明党が進めてきた方向性と同じであります。しかし、安定
財源を
確保できなければ
制度は持続できません。
子ども手当の
財源をどうするのか、特に、配偶者控除を
廃止し、恒久
財源として活用するのかどうか、
総理の明確な方針を示していただきたい。
一方、子育て
支援は
子ども手当だけですべてが解決されるわけではありません。公明党は、児童手当や出産育児一時金などの経済的な負担軽減とともに、
保育所の待機児童ゼロ作戦、放課後児童クラブの拡充、病後児保育の推進など、子育ての環境整備を両輪として取り組んでまいりました。現場からは、
子ども手当もいいけれど、
保育所などに入れる
ようにしてほしいとの声を多く聞きます。
子育ては、経済的
支援、環境整備の両面を含めたパッケージで
支援してこそ
社会全体で応援する
体制と言えるのではないでしょうか。トータルな子育て
支援をどう進めるのか、具体策を
総理に伺います。
次に、
子供を化学物質から守る
取組について
お尋ねをいたします。
我が国では、この十年で先天異常の
子供が倍増するなど、深刻な
状況であります。
子供の健康にかかわる異変が
指摘されております。これらに加えて、発達障害、精神障害、アレルギー疾患、肥満、生殖能力などに化学物質が
影響している可能性が
指摘をされております。
公明党は、
子供の健康と化学物資の
関係について解明する疫学調査の実施を主張してまいりました。新年度より十万人のお母さんを対象とする大規模な疫学調査を実施することになったことは評価をするものであります。その上で、この調査とは別に、
子供を取り巻く化学物質について各省横断的な実態調査を実施することを提案したいと
思います。
総理のお
考えをお伺いします。
さらに、東京都が化学物質の健康
影響を未然に防止するため子
どもガイドラインを策定していますが、国としてガイドラインを策定する
考えがないか、併せてお伺いします。また、
子供の健康と環境について国際的な連携を一層強化するため、
日本が主導して子
ども環境保健
関係大臣世界サミットを開催することを提案いたしますが、
総理の御
見解をお伺いします。
次に、乳がん、子宮頸がん検診の無料クーポンの拡充についてお伺いをいたします。
がんは、診断と治療の進歩により、早期発見、早期治療が可能となりました。しかし、女性特有のがんについては、いまだ検診受診率が極めて低い
状況にあります。このため、公明党が主導した二十一年度第一次
補正予算で、一定年齢の方を対象に、乳がん、子宮頸がん検診の無料クーポンと検診手帳の配付を実現し、多くの自治体から個別勧奨が検診率向上に
効果を上げているという報告が寄せられております。
無料クーポンは五歳刻みで、五年たたないとすべての人に行き渡らないことから、最低でも同じ条件で五年間の
継続事業が不可欠であります。ところが、二十二年度
予算案では、女性特有のがん検診の国負担分を半分に減らし、残りの半分を
地方負担分とし、
地方交付税で措置されることとなりました。子宮頸がん征圧をめざす専門家
会議の野田起一郎議長は、無料クーポンはがん検診にとって起死回生の妙手であり久しぶりのホームランだと高く評価をされております。
日本は、OECD三十か国中、検診率は最低レベルであります。二十一年度の検診クーポン
事業は二百十六億円。今回は七十六億円。なぜ必要な
制度の
予算を半分以上も削ろうとするのか。女性の命が懸かっているんです。
総理、
見解を求めます。
最後に、子宮頸がん予防ワクチンの公費助成について、
政府の
見解を伺います。
近年、若い女性の子宮頸がんが急増し、毎年一万人以上の方がこの病気で苦しんでおります。子宮頸がんはウイルスによって感染します。つまり、粘膜感染です。しかし、実はこれを知らない方がほとんどです。女性も知らない方がほとんど、多いんです。しかも、死亡率の高いこの子宮頸がんの増加傾向をこのまま放置することは
日本社会にとって大きな損失であり、今こそ
政府の真剣な
対応が求められております。
子宮頸がん対策は、海外では百か国以上で予防ワクチンが承認され、大きな
効果を上げております。
日本では昨年十二月にやっと発売が開始され、十歳以上の女性に予防接種が可能となりました。ところが、この予防ワクチンの接種費用は、一回のワクチン価格一万二千円、それを最低三回は接種する必要があり、三万六千円と高額になります。
子宮頸がんは予防ができる唯一のがんであります。予防ができる唯一のがんであります。女性のだれもが平等に予防接種が受けられる
よう、公費助成への英断を下していただきたいのであります。公費助成でも約二百十二億円と言われております。治療費との費用対
効果を
考えると、投資額に対して約二倍の
効果が
期待できるとの試算を示す専門家もおります。
総理、公費助成への明快な御
答弁をお願いいたします。
以上、公明党は、清潔
政治の実現、
国民生活を守る
景気・経済回復、命を守る
政策実現に全力で取り組んでまいりますことをお誓いし、私の
質問を終わります。(
拍手)
〔
内閣総理大臣鳩山由紀夫君
登壇、
拍手〕