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2010-05-20 第174回国会 参議院 外交防衛委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十二年五月二十日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月十八日     辞任         補欠選任      神本美恵子君     犬塚 直史君  五月十九日     辞任         補欠選任      犬塚 直史君     牧山ひろえ君      岡田 直樹君     丸川 珠代君      南野知惠子君     岸  信夫君      森 まさこ君     島尻安伊子君  五月二十日     辞任         補欠選任      島尻安伊子君     丸山 和也君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         田中 直紀君     理 事                 佐藤 公治君                 山根 隆治君                 山本 一太君     委 員                 大石 尚子君                 北澤 俊美君                 榛葉賀津也君                 徳永 久志君                 福山 哲郎君                 牧山ひろえ君                 西田 昌司君                 丸川 珠代君                 丸山 和也君                 浜田 昌良君                 山口那津男君                 井上 哲士君                 舛添 要一君                 山内 徳信君    国務大臣        外務大臣     岡田 克也君        防衛大臣     北澤 俊美君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)    中井  洽君    内閣官房長官        内閣官房長官  松野 頼久君    副大臣        外務大臣    福山 哲郎君        国土交通大臣  辻元 清美君        防衛大臣    榛葉賀津也君    大臣政務官        防衛大臣政務官  長島 昭久君    事務局側        常任委員会専門        員        堀田 光明君    政府参考人        外務省北米局長  梅本 和義君        国土交通省航空        局長       前田 隆平君        防衛省地方協力        局次長      廣田 恭一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (普天間飛行場移設問題に関する件)  (韓国哨戒艦沈没事案に関する件)  (日本国民海外薬物事犯に関する件)  (在日米軍低空飛行訓練に関する件) ○防衛省設置法及び自衛隊法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 田中直紀

    委員長田中直紀君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十八日、神本美恵子君が委員辞任され、その補欠として犬塚直史君が選任されました。  また、昨日、岡田直樹君、南野知惠子君、森まさこ君及び犬塚直史君が委員辞任され、その補欠として丸川珠代君、岸信夫君、島尻安伊子君及び牧山ひろえ君が選任されました。     ─────────────
  3. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務省北米局長梅本和義君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 外交防衛等に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 山本一太

    山本一太君 昨日から今日にかけての朝刊各紙あるいは夕刊の報道でいろいろと取りざたをされているんですけれども、普天間基地の問題について、例えば今朝の朝日の朝刊は、一面で、普天間月内共同声明日米最終調整辺野古移設を明記するというようなことが書かれておりますし、ほかの新聞でも、例えばくい打ちの桟橋方式についてはこれは断念をするんではないかというような報道も出ておりますし、二十八日には対処方針を決めるという方向検討されていて、二十八日には総理発言で案がまとめられるんではないかというような話がここに来てわっと出ておりまして、私はちょっと愕然としているわけなんですけれども。  まず最初に、官房長官にお聞きしたいと思いますが、この報道、例えばくい打ち方式断念したとか、さらには、報道ベースですけれども、ほとんど現行案に近い形で決着が図られる見込みになってきていると。これは、副長官、事実でしょうか。
  7. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 様々な報道が出ていることを私も拝見をしておりますし、承知をしているところでございますが、今、正確に政府として、その工法だとか移転先場所だとかいうことを正式に発表したことは一度もございません。
  8. 山本一太

    山本一太君 私が聞いたのは、昨日から今日にかけていろいろと出ている報道、これは政府関係者によればとか複数の日米関係者によれば等と書いてあります。恐らく何人かこういうことをリークされた方がいるんだと思いますが、これは事実無根だと、これは全く事実と違うということでよろしいんでしょうか。
  9. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) それはいろんな記事を見てもそれぞれ違いまして、どれが事実でどれが事実じゃないかということをお答えをすることは差し控えさせていただきたいと思いますし、今ぎりぎりの協議をやっているという状況でございますので、何か政府として決定をしたということはございません。
  10. 山本一太

    山本一太君 報道によって違うと言いますけど、大きな方向ははっきりしているわけですね。つまり、これからアメリカとまとめる案、対処方針、これには現行案に非常に近いものを、結局、現行案に極めて近いもので決着させると。つまり、県内施設を造って、かつ、まあこれがどういうふうに微調整されるのか分かりませんが、その県内移設プラス基地機能分散移転、ずっと徳之島政府は御努力をされてきたようですけれども、そういうものが明記されるんじゃないかということと、これが月末、二十八日辺りに発表されるんではないかということなんですけれども、この報道、つまり、かなり現行案に近い形で、県内移設で、報道によっては埋立てにまた戻る可能性もあるみたいになっていますが、この一連の今言った流れは、これは事実無根ですかと聞いているんです。
  11. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 昨日も私もあの記者会見で申し上げたように、今現在、政府としての案を決定したという事実はございません。
  12. 山本一太

    山本一太君 決定するのはだからこの月末だというふうに報道されているわけですね、決定するのは。そうじゃなくて、こういう今報道に出ているような話、こういうことはもう全部事実無根ですかと、そう聞いているんです。  県内移設ということになったら相当現行案に近い形になってくるわけですね、現行案に近い形に。鳩山総理現行案に戻ることはあり得ないというふうに言っていた、もうほとんど現行案に近い形で決着する可能性があると、こういう記事が出ているわけなんですが、これは、この報道された事実はない、これは事実無根なのかというふうに聞いているんです。
  13. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) その報道が、今おっしゃったのが正しいのか正しくないのかとかいうこと以前に、政府として何か今現在案を決定したという事実がないわけでありますので、ですから、今現在決定していない段階でその中身等を申し上げることは当然控えさせていただくということでございます。
  14. 山本一太

    山本一太君 事実無根じゃないと言えないということは、やはり全く事実無根じゃないと言っているのと同じですよ、これ。だって、もしこういう可能性がないんであれば、ここで、ないと否定すればいいんですから、非常におかしいと思いますが。  同じ質問岡田外務大臣に伺いたいと思いますが、この一連報道は事実なんでしょうか。
  15. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、様々な報道がどのぐらいの正確さを持って報道されているかということは、委員もよく御存じのとおりであります。常に事実であるということはとても言えないということは委員も同意されることだと思います。  その上で、今回の件については、現在政府の中で様々議論を行っているところであって、その途中の段階コメントをするのは差し控えたいというふうに考えております。
  16. 山本一太

    山本一太君 もし、例えばくい打ち桟橋方式アメリカに拒否された、これを断念して例えば埋立てにすると、こういう可能性が本当にないんであれば、これどう考えても普通はあり得ないと思うんですね、これまで政府が言ってきたこと、これまでの経緯。本当に可能性がないんであれば、例えば埋立方式も含めてないと言っていただければいいんであって、こうやって一連報道が出ていることについて否定肯定もしないということになったら、これは外務大臣、これ、選択肢の一つとして可能性があると言っているに等しいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  17. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) そもそも、くい打ち桟橋方式なるものについて政府として正式にコメントしたことはございません。したがって、それがまたなくなったとかあるとか、そういう議論についてもコメントすることは控えたいと思います。
  18. 山本一太

    山本一太君 岡田大臣はいつも非常にまじめに注意深く真摯にコメントをされてこられていると思いますけど、鳩山総理が繰り返し約束した五月末までの決着まであと十日しかないんです。いつ、じゃ明らかにするんですか。その経緯も全く明らかにしないで、どんどん新聞のリークで先に物事が出て、結局それで徳之島はやはり政府案の一部だったじゃないですか、先に新聞に出た。  その経緯は明らかにしない明らかにしないというふうにおっしゃいますけれども、例えばくい打ち桟橋方式については、前回申し上げましたけれども、自民党の関係者が直接アメリカ関係者からお話を聞いて、五月の初めの実務者協議では桟橋方式もちゃんと日本側から出て、それについてアメリカ懸念を表明したという話も出ているわけですから、これ、大臣、ずっと否定肯定もしません、今話し合っているプロセスだから言えませんと、そういう本当に秘密主義というか一切情報を出さないという姿勢が混乱を招いてきたんだと思いませんか。あと十日しかないんですけれども、いかがでしょうか。
  19. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 混乱を招いてきたというお話ですが、いろんな憶測やあるいは根拠のないそういった情報が私は混乱を招いてきたというふうに思います。  ですから、我々五月末ということを申し上げているわけですから、出てきたものについてどうかこの場で様々御意見いただきたいというふうに思います。
  20. 山本一太

    山本一太君 今、外務大臣根拠のない情報がいろいろとむしろ事態を混乱させたというふうにおっしゃっていますが、じゃ例えば、鳩山総理は今でも五月末決着断念しないとはっきり自分でおっしゃっているわけですから、何度も繰り返し、官房長官からもありましたけど、おっしゃっているわけですから。じゃ例えば、この根拠のない話が今出ているとして、そういう政府案が出るというときになって、県内移設でやっぱり辺野古付近建設をするということになって、これ私、にわかには信じ難いですけど、以前よく言われた環境配慮型埋立て、ヘドロを使ってやるとか、こういうことが本当に出てきたら、本当、私、怒りますよ。  今、岡田大臣根拠のない情報物事混乱しているというふうにおっしゃっているので、こういう話は出てこないということですね、これ、根拠のない話であれば。いかがでしょうか。
  21. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 私が申し上げているのは、プロセスについて何か明らかにすることはないということでございます。結果を見て御意見をいただきたいと思います。
  22. 山本一太

    山本一太君 私がこうやって強く言うのは理由があるんですけれども、今日の記事、おっしゃったとおりどこまで正確かということは分かりませんけれども、私、愕然としました。  やっぱり鳩山総理は、もう再三再四にわたって、現行案であってはならないというふうに言ってきているわけですね。特にその埋立方式について言うと、辺野古の海を埋め立てるのはこれは自然に対する冒涜だとまで言っているわけですよね。そういう中で、大臣が言ったようにほとんどこれは流言飛語というか不正確な情報混乱させるだけの情報なのかもしれませんけれども、こういう話が上がってくる、メディアの取材でいわゆる政府関係者みたいな人たちからこういう話が上がってくる。これはもう本当に驚きあきれるしかありません。  じゃ、もう一つ官房長官にこれに関連してお聞きしたいと思いますが、今言われているような、岡田大臣はこれは本当不正確な情報だというふうにおっしゃっていますけれども、これ、今言われているような極めて現行案に近い形、辺野古沖から大して移さない、桟橋になるのかあるいは埋立てになるのか分かりませんが、辺野古の近くで少なくとも埋立てを伴うようなそういう決着には絶対ならないと、それははっきりここで言ってください。
  23. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 昨年来、報道ベースでいうといろんな案が報道されてまいりました。それは当然、政府としてもいろんなものを検討しているということであるんですけれども、少なくとも今現在、政府として案というものを決定しているわけではございませんので、ですから、どういう案が出てくるということに対して、今私ども、正式に中身について何か申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。
  24. 山本一太

    山本一太君 答弁、全然絡んでいませんよ、全然。擦れ違いじゃないですか。  鳩山政権、当初から現行案にはしないと言ってきたわけですよね。今いろいろ取りざたされている、岡田外務大臣もおっしゃった不正確な情報によれば、もしかすると、もうだって月末には政府案出てくるわけですから、約束どおり。そこで、辺野古周辺施設を造る、しかも埋立てを伴うようなそういう案には絶対ならないと、これはちゃんとここで言っていただけると思うんですね。総理もずっとそういうことを言ってこられたわけですから。いかがでしょうか。そのことを今お聞きしているんです。
  25. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 決定をする前でありますので、あらゆる可能性も含めて御答弁を差し控えさしていただきたいというふうに思っています。
  26. 山本一太

    山本一太君 今、官房長官、その辺野古周辺辺野古の近くで埋立てをすると、ほとんどこれ現行案に近い形になりますから、この可能性はないということを言ってくださいと言って、あらゆる可能性があるので特にコメントできないということになったら、これはやっぱり可能性があるというふうに解釈されますよ。そこがないんだったら言ってくださいよ。だって、これは政権が一貫して言っていたことじゃないですか。
  27. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) いずれにしても、今の段階政府の案は決定しているわけではありませんので、中身に関してコメントをすることを差し控えさしていただきたいということを言っているわけです。
  28. 山本一太

    山本一太君 全く答えになっていません。  北澤防衛大臣にも同じ御質問をしたいと思うんですが、この一連報道岡田大臣はこういう不正確な報道がかえって世の中を、憶測報道混乱させるんだというふうにおっしゃいましたけれども、これは、北澤大臣、よく御存じだと思います、自然への冒涜だと、埋立ては自然への冒涜だと。それについて私が外交防衛委員会北澤大臣に御意見を聞いたら、北澤大臣は、いや、これは、総理辺野古の海の前に立って心象風景をおっしゃったんじゃないでしょうかというようなことをおっしゃいました。心象風景でこんな日米同盟にかかわる大事なことを言われちゃ困ると思うんですが。  防衛大臣、この岡田外務大臣のおっしゃっている、いいかげんな、事実かどうかも分からない報道で言われている、これからもう十日以内でちゃんと対処方針というのは外に出てくるわけですから、辺野古のすぐ近くで埋立てを伴うような限りなく現行案に近いような、そういう決着には絶対ならないと、そう言っていただけますか。
  29. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 報道は様々なことを報じておりますが、私もそんなに正確に報道を読み切っているわけではありませんが、断片的な取材何とか案検討中と自分で書いておいて、しばらくしたら、取材を深めていったらどうもそれが正確でないということなんだろうと思うんですが、何とか案政府断念と。これ、私から見ると、何か独り芝居しているようで、迷惑な話なんですが、このたぐいのものは最近非常に多いように思っております。賢明な山本委員はそのことは十分承知の上で野党立場で責めておられるんだと思いますが、あらゆる可能性を考慮しながら、総理は自然に優しい案を何とか見出したいということで今懸命な努力をしているというふうに御理解をいただきたいと思います。
  30. 山本一太

    山本一太君 北澤大臣岡田大臣も、鳩山総理とか官房長官カメレオン長官に比べれば相当私は正直な御答弁いつもいただいていると思いますが、しかし、それは、今の何かころころ報道が変わるというのは、私は今の鳩山政権に言われたくないなという気がいたします。  それと、今大臣おっしゃった、自然に優しい案をあらゆる可能性の中で選んでいるという話ですけれども、とにかく埋立方式はこれは自然への冒涜だというふうにおっしゃったわけですから、私の質問は、大臣、これから十日以内に、恐らく月末に対処方針が出ると、その中で、よもやこの対処方針辺野古と余り距離のないところで埋立方式施設を造るなどというふうにはこれは絶対にならないということを言えますかと、それをしっかりここで言ってくださいということなので、もう一回御答弁お願いしたいと思います。
  31. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今、日米でも真剣に協議をしておりますし、総理も近々沖縄へ行かれるという決意を固めておるようでありますから、そういう協議が進行している中で、予断を持って、こういうふうになるだろうな、こういうふうにならぬだろうなというようなことを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
  32. 山本一太

    山本一太君 じゃ大臣一つだけお聞かせください。  今言った、いろんな案を検討している、予断を持ってなかなか物を言えないということですけれども、これ、つまり辺野古の近くに例えば埋立てで施設を造ると、これは幾ら何でも、これは本当に元の現行案への回帰ですから、これは幾ら何でもやりませんと言えないということは、それも含めてすべての可能性があると、こういうふうに解釈してよろしいでしょうか。
  33. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 山本委員がいつも質問されて、語気鋭くやられているときはまだ安心しているんですが、今のようにちょっと優しく出られたときが私はいつも危ないなと長い付き合いの中で思っておるんですが、今のようなことで、私がそうですよとか、そうでないですよということも含めて、白紙の状態で検討をしているということで御理解をいただきたいと思います。
  34. 山本一太

    山本一太君 私は最大野党の一応委員としてきちっと政府の見解を追及するのが役目ですから、もちろんこの問題、いろいろおかしいことがありますから厳しく追及はしていますけれども、特に御無礼な表現は使ったことはありませんので、トーンが優しいとか声が大きいとかいうことは、大臣、関係ありません。  そこで、ちょっと視点を変えて伺いたいんですけれども、これも報道ベースではありますけれども、いろんなところの情報から、普天間移設について言うと、アメリカはこれまでの議論で、修正案については現行計画を前提に進められている環境影響評価範囲内にとどめるように求めていることが分かったというような報道がなされていますけれども、これは外務大臣、事実でしょうか。
  35. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今いろいろ議論を行っているところであります、それは全般についてですね。したがって、その個々のことについて途中の段階コメントする、内容お話しするということは差し控えたいと思います。
  36. 山本一太

    山本一太君 防衛大臣、いかがでしょうか。このアセスについて、アメリカ側がこれまでの協議で、やっぱり今のアセス範囲内でやってもらいたいと要望していると、そうじゃないと移設の時期が大変遅れてしまうという懸念を表明しているということは、これは事実でしょうか。そういう事実があるんでしょうか。
  37. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今、ぎりぎりの交渉をしておりますから、その内容について私が公に、協議が固まっておるわけではありませんので、中間の状況でこれを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
  38. 山本一太

    山本一太君 今、防衛大臣が、アメリカアセス範囲内でやってくれと要望しているかどうかについては、これはコメントできないというお話だったんですけれども、ちょっと今日連絡が遅れて来ていただけないんですけれども、長島防衛政務官が、これは十九日だと思いますが、衆議院委員会だと思いますけれども、こういうことをおっしゃっているんですね。  滑走路建設場所の選定に当たっては、工期ができるだけ短縮できるよう考慮に入れてアメリカ側との交渉に当たる必要があると、これは防衛大臣の部下である長島政務官が言っているんですね。何と言っているかというと、これは衆議院外務委員会だと思いますが、長島さんが、協議中身は言えないが、工期という点からいえば、もう一度環境影響評価でやるということになると時間が掛かることになるので、我々もその点をしっかり頭に入れて話をしなければいけない。これ、工期という点からいえば、もう一度環境影響評価をやるということになると時間が掛かることになるので、その点をしっかり頭に入れてということになると、これ長島政務官、まるで決着辺野古の今の位置から余り離れていないと言っているのに等しいと思いますけれども、これ、ちょっと今日御本人いないんですけれども、防衛大臣、このコメント、どういうことでしょうか。
  39. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) その質疑中身について私は承知しておりませんので論評は避けますが、日米で合意したロードマップは、二〇一四年に移設先をきちんと完成させると。様々なものがそれに基づいていくという、それが目標になっているという立場からすれば、工期の短縮を議論するのは当然の成り行きだろうというふうに思います。
  40. 山本一太

    山本一太君 ちょっとまた意味のよく分からない御答弁だったんですけれども、長島政務官、次に来られたときにしっかり質問させていただきたいというふうに思いますが、政務官がここまで言っているということは、少なくとも協議の中でこの点について配慮をして政府としてやるんだということなんだというふうに私は解釈をさせていただいています。  そこで、とにかく両大臣官房長官も、官房長官説明を聞いていないで私の話も聞いてくださいね。とにかく昨今出てきている、外務大臣のおっしゃるいいかげんな、世の中混乱させている情報の中で、辺野古の近くに施設建設する、しかも埋立方式でやると、これはあり得ないでしょうということについて、やっぱりだれもそれを否定できない。これ非常に私、腹が立ちます。ここまでまさかひっかき回しておいて、間もなく、恐らく、二十八日なのか分かりませんけれども、案が出てくるはずなんですけれども、これでやっぱり現行案に近い案が出てきたということになったら、一体この八か月間は何だったんだろうということになると思うんですね。  そこで、改めて防衛大臣にお聞きしたいと思いますが、外務大臣から短くでも結構なんですけれどもまずお聞きしたいと思うんですけれども、なぜ辺野古の、改めて言いますが、現行案は駄目だということで民主党政権は判断したんでしょうか。簡単で結構ですから、岡田外務大臣、お答えください。
  41. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 少し正確に申し上げたいと思いますが、さきの総選挙の際に、民主党としては米軍基地の再編についてそれを見直すということをマニフェストでお約束をいたしました。そして、時の代表であった鳩山現総理が沖縄で県外ということを言われたわけであります。その背景にあったのは、やっぱり沖縄の負担をできるだけ減らしたいという当時の鳩山代表の強い思い、それは総理になってもその思いは変わらず、何とかして沖縄の負担を減らしたいと、そういう総理の強い思いを基に様々日米間で話合いをしてきたということであります。
  42. 山本一太

    山本一太君 なぜ辺野古案が駄目なのかとお聞きしたんです。今こうやって何かくい打ち桟橋案とか出てきて、これについては北澤防衛大臣委員会答弁で、専門家によっては環境への影響は埋立てとくい打ちといろいろあるけど評価は分かれると言っているんですね。  だって、まあこれこの後分かることですけれども、今日もちろん岡田大臣がおっしゃったことは記録に残るわけですが、この後分かるわけですが、もしこれで、私がさっき申し上げたとおり、官房長官もちっとも答えていただけない辺野古近くの案になったとしたら、何で自民党、公明党の政権のときに作った辺野古案が駄目だったのかというその理由がよく分からないんですね。そこ、防衛大臣、いかがでしょうか。
  43. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 現行案が駄目だというのは、この問題を協議するときはゼロベースでということからスタートしております。しかし、ゼロベースでスタートしたということは、今外務大臣がまさに答弁したとおり、鳩山総理が選挙のときに沖縄の皆さんにお約束をして、沖縄の負担を軽減をしていくと、できる限りの努力はするということの中から、現行案を全面的に否定してそこからスタートをしたんではなくて、現行案も含めてゼロベースで新しいものを生み出そうという努力を今日までしてきているというふうに御理解をいただきたいと思います。
  44. 山本一太

    山本一太君 それは、北澤防衛大臣、違います。  総理は何度も現行案に戻るようなことがあってはならないと言い、辺野古を埋め立てることは自然への冒涜だというふうに言っているわけですから。大臣がこの委員会でもおっしゃったように、当初は現行案も含めて辺野古というオプションもありではないかというふうに考えていたところが、総理の強い意向もあってそういう方の検討を始めたと正直におっしゃっていましたけれども、それはもう全然理由になっていない。自民党がやったことは全部ひっくり返さなきゃいけないというところからの発想としか思えないですね。  実は、今年の三月の委員会で、この委員会です。北澤防衛大臣が、佐藤正久理事、ちょっと今日は出席をしていませんが、なぜ現行案は駄目なのかと聞いたときに、北澤大臣が、埋立てに対する設計の調査をするということすら妨害があった、埋立てには相当の犠牲を払う可能性が高い、もろもろの状況から再検討することに踏み切ったと答弁しているんですね。  総理は自然の冒涜だと言い、大臣埋立ては犠牲を払うから駄目だと言いながら、これまた現行案に戻って、現行案にかなり近いところに戻って、アメリカが反対しているからこの元々駄目な、元々難しいと思いますけど、桟橋方式が駄目で埋立方式に行くということになると、これは本当に国民に対しても沖縄の方々に対しても私は裏切り行為だと思います。  これ、もう間もなく対処方針が出ますので、今日外務大臣もおっしゃっていましたけれども、まさか対処方針で今日おっしゃっていたような、物事を、世の中混乱させる不正確な情報がそのまま政府対処方針となるようなことはこれは間違ってもないというふうに見ながら、またずっとこれをフォローしてずっと私が質問させていただきたいと思っています。  北朝鮮の問題については今日私の次に立つ西田昌司議員に任せたいと思うんですけど、最後に、松野長官、申し訳ないんですけど、官邸に苦言を呈させていただきたいと思いますね。  平野官房長官がまた鹿児島に行きました。徳之島の島民の方々と会いました。これ、何の意図で会ったんでしょうか。これ、賛成派の人を選んで町長の頭越しに、知事の頭越しに官房長官が直接行く、これやっぱり私はアプローチおかしいと思いますよ。まるで、徳之島の方々、一万五千人の島民が集まって反対決議をやった徳之島で、賛成の議員だけピックアップして、内閣ナンバーツーの官房長官が出かけていっていろんな働きかけをする、これは島の人たちにとったらもう露骨な分断工作だと思うんですね。何でこういうことをやるんですか。
  45. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) ちょっと誤解があるようなのでそこは正確に申させていただきますが、まず、賛成派の議員の皆さんというふうにおっしゃいましたけれども、決してこれは賛成派の議員というわけではございません。御本人たち自分たちは賛成派ではないということをおっしゃっているわけでございまして、ただ、きちんとお話を聞きたいということでございます。また、それ以外の部分に関して地元の皆さんのあらゆる意見を聞くということは、これは大変重要なことだというふうに思っておりますので、決してそれがいかぬということでは私はないというふうに思っております。
  46. 山本一太

    山本一太君 やっぱり町長も飛び越えて知事も飛び越えて、今、全部賛成派じゃないと言ったんですけど、少なくとも大勢を占めている反対派じゃないわけですよね。普通、反対派の人たちに働きかけていくんだったらまだしも、やはり町長を飛び越えてこうやって官房長官が、本当に何か行き当たりばったりみたいに、いろんなところで賛成しているとか中立の人を探し出してアプローチするというのは、私は間違っていると思います。  これ、是非こういうふうに山本一太が言っていたと今日官房長官に伝えてください。いいですか、松野長官、代理で来ていただいているんですから。これはけしからぬと、もう非常に強く言っていましたということを言っていただけますか。
  47. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 必ずお伝えさせていただきます。
  48. 山本一太

    山本一太君 時間になりましたが、引き続き、今日の両大臣それから副長官答弁も踏まえて、来週以降もずっと御質問させていただきたいと思います。北朝鮮問題等々については次の西田委員に譲ることにいたしたいと思います。  これで一応私の質問を終わります。ありがとうございました。
  49. 西田昌司

    ○西田昌司君 今日の朝刊に、例の哨戒艦が沈没した最終報告が韓国から発表されまして、北朝鮮の関与だということを断定してこれを日本にも伝えたということが載っておりますが、このことに関して、まず事実関係含め、どういうふうに政府はこれ認識されているのか、その断定されたということを受けて日本政府はどう対応するのか、外務大臣防衛大臣共にお聞かせいただきたいと思います。
  50. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 新聞報道はいろいろなされておりますけれども、韓国政府が昨日の時点で何か公式に発表したということはございません。そして、今日の十時から韓国政府の発表が始まっておりまして、今もまだそれが続いているというふうに理解をしております。  私が把握している範囲で申し上げますと、韓国政府は北の小型潜水艇の攻撃が原因であるというふうに明確に述べたということであります。
  51. 西田昌司

    ○西田昌司君 政府は発表していないと言っておられますけれども、新聞では、要するに韓国の大統領から総理に電話であったというふうにあるわけです。今お話あったのも、それを認める形でおっしゃっているんですけれども。  そうしますと、これは要するに、北朝鮮、韓国、この朝鮮半島で非常に大きな問題、有事が発生しているという認識をお持ちに当然なっていると思うんですよ。とすると、これは先ほど防衛大臣にも質問しているんですけれども、日本としてこの辺りでそういう武力衝突が起こり得るかもしれないじゃないかと。  特に、今北朝鮮は、いわゆる金正日体制、これから次の体制に替わろうとしているんじゃないかという、そういう情報があるわけですよね。そうしますと、そのときに何が起こるか分からない。これに備えて、日本国政府としましてもありとあらゆる情報とそれから防衛のための措置をしなければならないと思うんですが、これはどういうふうにお考えになっているんですか。お二人の大臣、先ほどもそう言ったんです。
  52. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今回のこの韓国政府の発表、現在続いているわけでありますが、まずそれを注意深く見させていただきたいと思います。もちろん、事前に情報交換は行っておりますが、発表されたものをもう一度確認をしたい。そして、それが十分説得力があるというものであれば、これは我が国として、まず第一に、韓国政府に対して、我々は韓国政府と共にあると、しっかりと協力をしていくということを改めて伝えたいというふうに思っております。仮定の議論では、仮にそういうことがあればということでは、さきの日韓外相会談でも私は韓国側に、外相にお伝えしているわけでありますが、改めてそのことをお伝えしたいというふうに思います。  今後、どういうふうに対応するかということは、これから、もちろんそういったこともいろんな仮定の中で準備はしておりますけれども、韓国側の発表を待って日本政府としての対応ということを速やかに考えていきたい、あるいは決定したいと、こういうふうに考えているところでございます。
  53. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) おっしゃるように、極めて衝撃的な事案であるというふうには承知をいたしておりますが、先ほど外務大臣が言われたように、韓国側の一連調査の結果を今ちょうどこの時間に発表されておるというふうに承知をいたしております。この発表が世界的に説得力のあるものであれば、これに対して韓国側がどう対応をしていくかということを注意深く見守ってまいりたいと。  今の段階は、外務省が様々な情報を持っております。連携をしておりますが、ただ、我々、自衛隊も情報の収集能力は保持しておりますので、これを通じて様々な情報はしっかり収集しながら対応を図っておりますが、その中身については性格上御了承をいただきたいというふうに思います。
  54. 西田昌司

    ○西田昌司君 岡田外務大臣、韓国と共同歩調というような言い方されたと思うんですけれども、そうしますと、新聞報道などでは、韓国側は国連の安全保障理事会の方へも提起すると、こういうことが言われておりますが、仮にそうなった場合、当然、日本も共同歩調で韓国側に賛同し、やっていこうと、こういうお考えですね。
  55. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 韓国側の対応というのはまだ承知をしておりません。いろいろな可能性について検討しているというふうには思いますけれども、方針が何か決まったということは確認をしておりません。これから韓国政府とそして米国政府とも意思疎通をよくしながら、しっかりと韓国政府を支持し、そして支えていく、そのことが重要なことだというふうに思っております。  それから、今回の事案、韓国側の今回の発表によりますと、北朝鮮の潜水艇の攻撃によって沈没をしたということでありますが、その結果として四十六名の人命が失われております。ですから、その調査、これから我々じっくりと見させていただきますが、それが事実だとするとこれは大変なことではあります。  したがって、我が国としては、冷静に、しかししっかりと対応というものを様々な面で考えていかなければならない、そういうふうに考えているところでございます。
  56. 西田昌司

    ○西田昌司君 これは制裁も含めてやっていくということだろうと思うんですけれども。  そこで質問したいのは、要は、先ほどから山本委員、またこの外防委員会でもずっと議論の対象となっています普天間問題ですが、ここにいる海兵隊というのはまさにこうした北朝鮮有事、それから台湾海峡有事、このときに日本の安全を守る非常に大きな抑止力として存在しているということがようやく鳩山総理も認識されてきたということであるようでありますけれども、まさに今そういう有事が起きているわけですよね。そうしますと、今この普天間問題でアメリカとの間で非常に外交がぎくしゃくしている、そのときにこういう事件が起きてきた、これは大変な問題だと思うんですよ。  率直に、今、この普天間問題、もう本当に早く解決しなければこういう有事に対応できなくなるんですよね。外務大臣、どのようにお考えですか、それを。
  57. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) この普天間の移転の問題というのは重要な問題であります。しかし、何度も申し上げておりますように、そのことによって日米同盟が現在大きく損なわれているということはございません。あしたもクリントン長官が日本に来られて、そして議論するわけですけれども、この韓国の沈没船の話、そしてもう一つは、これから安保理でまさしく議論が正式にスタートするイランの制裁の問題、そういう問題について、日米同盟、それに基づいて日米間で意思疎通をよくしながらしっかり対応していく、こういうことでございます。  いずれにしても、委員御指摘のように、今回の事態、有事だというのは私は言い過ぎだと思いますけれども、しかし、人命が失われるようなそういうことがすぐ近くで起きているわけで、それは日本に対してもどういう事態が起きるか分かりませんので、そういうことに対して冷静に、しかししっかりとした対応というものが求められているというふうに考えております。
  58. 西田昌司

    ○西田昌司君 大臣たちはそうは思っておられないとは思いますが、要するに、海兵隊がもう日本からなくなって海外に行ってもいいじゃないかと、最低でも県外、できれば海外ということを総理自身がずっと長くお話しになっておられますし、連立を組んでおられる社民党はそういうふうに実際おっしゃっているんですよ。  仮にもしそれが海外に行っていたら、こういう事態が起きたときに一体どうなるんですか。これは、とんでもないことを総理が今まで発言し、国民に誤解を与え、不安を与えることになったというふうにはお考えになりませんか。そして、日米関係はそんな、揺るぎないものであるという発言をされていますけれども、私、大きく揺らいでいると思いますよ。  率直に、外務大臣、そうじゃないですか。今のこの事態、まさに混乱しているのは、先ほどからの大臣の話を聞いておると、根拠のない報道をしているマスコミのためだと、そういう趣旨の発言をされていますよ。しかし、そうじゃないじゃないですか。あなた方の代表者が混乱している発言ばっかりしているんじゃないんですか。そのことに対する責任感、余りにもなさ過ぎますよ。  もう一度、今のこの状態、今まで政府が言ってきた普天間の海兵隊の海外、国外、県外、こうしたことが、この有事の、朝鮮半島のこの状態を見て、間違っていたということをはっきりこの場で認めるべきですよ。どうですか。
  59. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、私は現在有事であるというふうには考えておりません。やはりここは冷静に、もちろんしっかりとした対応が求められておりまして、言葉というものは非常に大事ですので、私は注意深く使うべきであるというふうに思っております。  それから、私が先ほど山本議員に申し上げたのは、いろいろな報道があるけれども、その中には根拠を欠くもの、そして事実じゃないものがあるということを申し上げたわけで、そういうことがあるということは西田議員も与党のときにはよく経験されたことではないかというふうに思います。したがって、そういうメディアの報道すべてが正しいものとして議論するとそれは間違うことがあるということであります。  そして、そもそも政府としては具体的に何か正式に発表したものではありません。それを様々な取材あるいは憶測を交えて記事が作られる、その中にはもちろん正しい、すばらしいスクープもあるでしょうけれども、しかしそうではない非常に裏付けの乏しいものもあるわけで、それを全部前提にして、そして議論をするということは、それは避けるべきだということを申し上げているわけであります。
  60. 西田昌司

    ○西田昌司君 大臣のそういう話を聞いていると、国民は、今置かれている状態が何なのかさっぱり分からないんですよ。  じゃ、改めて聞きますが、今のこの状態、どういうことなんですか。政府は、普天間について、元々はこの普天間を県外、国外ということを言っていたんですよ。そして、その案はどうなのかということになると、今、先ほど山本委員がおっしゃったように、例えば徳之島に代替施設を持ってくるなり、いや、くい打ち方式に変えるなり、いろいろ出ています。しかし、それも含めて、官房長官の話を聞いていると、政府はまだ何も案を出していないということらしいんですよね。  だから、それならそれでいいんですけれども、要するに、じゃ今置かれているこの普天間問題の状況というのはどういう状況なんですか、簡潔に説明してくださいよ。つまり、あなた方の発言聞いていると、勝手に世間が騒いでいるだけじゃないかと言っているのに等しいんですよ。そうなんですか、今、うんとおっしゃっているけれども。じゃ、今どういう状態なんですか、今、この普天間の基地の状況というのは。もう一遍おっしゃってください、今はどういうことになっているのか。
  61. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 委員もよく御承知のように、沖縄には米軍基地が集中しております。その負担は極めて重いものがあります。その負担をできるだけ減らしたいと、日本全体の抑止力がこれは減ずることがないその前提で、つまり抑止力を維持しながら沖縄の負担を減らすと、そのためにはどういったことが考えられるのかということで、鳩山政権として様々な検討を行ってきていると、その今途上にあるということでございます。
  62. 西田昌司

    ○西田昌司君 今、沖縄の負担、これを軽減するためにいろんな案を考えているんだと、こういうことですよね。  そうしますと、沖縄の負担、確かに基地が集中していることもあります。しかし、もう片一方で、これは大臣が認められておられるように、要するに、沖縄に海兵隊があることが大きな抑止力という、日本にとりましてですね、非常に大事な役割を担っていただいているのも事実です。そこの中でいろんなことを考えておられるんでしょう。  そうすると、その中で沖縄の負担軽減というのは一体具体的に何を指すんですか。沖縄の負担軽減というのは具体的に何を指すのか、そのことをおっしゃってください。
  63. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 沖縄の負担軽減というのは、もちろん一つ考えられることは普天間の基地の移転ということであります。そして、それ以外にも沖縄県からも様々な要望をいただいております。基地の返還とか、あるいは訓練飛行の移転とか、そのほか、知事にお会いすればいろいろなことをいつもおっしゃっておられます。そういうことについて、誠実に一つ一つ実現可能なものを見出して、そして交渉していくと、これも負担の軽減であります。
  64. 西田昌司

    ○西田昌司君 今大臣おっしゃったように、一番におっしゃったのが普天間の移設です、移転ですよね。自公政権もそのことを一番の念頭に置いて、普天間基地をまず、これは世界で一番危険な基地だと言われているんですから、これをまずなくす、それが一番の沖縄の方々にとっての負担軽減じゃないかと、こういうふうに現行案を決めたんですよ。そして、それがもう環境影響評価も終わって、今年になったらそれがもう工事に掛かって、二〇一四年にはそれがすべて、北澤大臣がおっしゃったように、ロードマップでは移転設備ができて普天間基地が返還できる、そこまでできていたんですよ。  それを、今、あなた方の政権になってから、その返還自体ができなくなったんじゃないんですか。まさに、負担を軽減すると言いながら、沖縄の負担の軽減ができなくなったんじゃないですか。その責任どう考えているんですか。
  65. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) そういう断定口調で結論を先取りして言われるのは、私は非常に不本意であります。  それから、沖縄との合意ということを言われますが、沖縄県としては必ずしも政府案に納得していたわけではないと、そのことは知事は言い続けておられるわけであります。現行の日米合意案に対して、それを移動する、そのことは最近まで知事は主張しておられたわけで、そういう意味で、何か順調にすべてが物事がうまくいっていたと、そういうふうに言われるとしたら、それは違うと。現に沖縄の県民の皆さんの中には、何とかこの問題についてより負担を軽減してもらいたいという、そういう思いは非常にあったというふうに考えております。
  66. 西田昌司

    ○西田昌司君 物すごく、大臣、不誠実なんです。今の鳩山内閣の一番の問題は不誠実。つまり、岡田大臣は、そこまで断定されると不本意ですとおっしゃっているけれども、現に、今までの、前の現行案がそのまま採用されていれば、ここまで混乱する必要なかったし、間違いなくこの普天間の返還のロードマップの上に乗っていたんですよ。  今一番大きな問題は、これがもしも仮に、そういうことがあるのかどうか分かりませんが、もし現行案に近い形になっても、名護の市長さんは絶対反対なんですよ。本当でしたら、四年後に普天間基地は返還されていた。ところが、今沖縄では、あなた方の政権できて、海外、少なくとも県外ということであおったために、市長さんが、市民がもう受入れを拒否していますよ。それを受け入れていただくためには、この市長さんが、今年なったところですが、四年後の選挙でもう一度住民に信を問う形の市長選挙で受入れをしてくださる方が当選されない限り、事実上できませんよ。  ということは、これ空白の半年とか八か月とか言われているけれども、そうじゃないんですよ。まさに空白の四年間をつくってしまうんですよ。沖縄の方にとっては負担が、著しい負担がこの四年間ずっと続いてしまうと、そして、その後の解決策も全く見えない。とんでもない状況に置かれているんじゃないんですか。そういう認識をあなた方持ってないんですか。そこをお聞きしますよ。
  67. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今、沖縄県民の負担ということを言われましたが、沖縄県民の皆さんの気持ち、今の気持ちということでいえば、やはり日米合意案では困るということだと思います。そういう民意というものも十分に踏まえて、そして進めていかなければならないということでございます。
  68. 西田昌司

    ○西田昌司君 いや、私が言っているのは、だから、あなた方は今その問題について責任を感じておられないのかということですよ、民意をあおって。  それで、一番国民ががっくりきているのは、民主党案に、民主党が政権になっていろんなことをおっしゃいましたよ。これだけじゃない。ガソリン税の話からいろいろあった。しかし、どれもこれも、これだけでたらめ並べ立てて、そして問題ないのかと責任を問われれば、それは前の政権の問題だというふうにすり替えてしまう。前の政権時代もすぐできるわけではなかったというような今言い方されているけれども、少なくとも今のような事態じゃなかったんですよ、これは。これはずっと。混乱させたのはあなた方なんですよ。  だから、本当は、我々、野党であったからそこまで分かりませんでしたと、しかし政権を取って様々な地元の問題も話してきたら事実が分かったと。だから、ここは国民に頭を下げ、これは素直に誤りを認めて、そして真摯にお願いをしていく、そういう姿勢があったら県民の方々も国民ももう少し違った反応があったと思うんですよ。  ところが、あなた方がやっているのは何ですか。開き直りと責任回避じゃないですか。そこが一番の問題なんですよ。本当に、私は野党ですから、あなた方の政権を責めるのが仕事ですが、しかし、この安全保障の問題については、そういうことを責めているだけじゃないんですよ。本当に今北朝鮮でああいうことが起きていると、目の前で。日米関係をしっかりしておかないと、海兵隊の問題も早く解決しておかないと、何が起きるか分からないんですよ。そうなったときに、あなた方がやっぱり政策の誤りをしっかり認めて国民にわびる、説明すると。そうなってきたら、我々、野党であっても、当然、これ安全保障の話ですから、しっかりそれは協力していこうということになるんですよ。当たり前なんですよ。  ところが、あなた方がそういう態度をしないから問題が複雑になる。そして、今どういう状況かということが新聞で先書かれたら、それは政府が言っているわけじゃないですからといってその情報も公開しない。沖縄県民だけじゃないです。鹿児島・徳之島の人だけじゃないですよ。日本国民全員があなた方のその態度に非常に落胆しているんですよ。  だから、大臣、ここは、岡田大臣はひょっとして次、総理大臣になるかもしれない方じゃないですか。あなたが素直なそういう態度でここでしっかり答弁することは非常に大事だと思うんですよ。もう一度お聞きします。
  69. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今のお話の中で、私は、今の沖縄県民の皆さんの気持ち、さきの集会でも多くの方が集まって、そして自らの意思を明らかにされました。そこには、知事もそうですし、県下の首長のほとんどの方が出席をされました。そういう沖縄県民の民意というものを、私はあおられた結果だというふうに思ってはおりません。やっぱりそれは沖縄県民の皆さんの気持ち、現在の気持ちというものはこれは十分に大切にして、そしてその沖縄の負担を減らすということについて誠心誠意努力しなければいけない、そういうふうに思っているところでございます。
  70. 西田昌司

    ○西田昌司君 もう最後までそういう不誠実な発言をされているんなら、あなた方の政権に未来はないです。国民は本当にがっかりしましたよ。  だから、我々は全部正しいと言っているんじゃないんです。いろんな問題あるのも事実ですよ。しかし、その中で、抑止力と安全保障とそして沖縄の負担の問題、これを考えて、いろんなことがあったけど苦肉の選択で沖縄の方々にも御了解いただいて、まずは普天間基地を返還してもらう、そのための代替施設をキャンプ・シュワブということになってきたんですよね。  それで、もしも、それじゃ、私は、鳩山総理に腹案がいろいろあると言われていたけれども、結局なかったんですが、北澤大臣にお聞きいたしますよ。  要は、これは日本に外国の基地があるのはおかしいじゃないかと。つまり、本当は、自分たちの国は独立国なんですから、そもそもアメリカの基地が、外国の基地があるのはおかしいと。海兵隊の話もそういうところからきている。そういうことが大変根強くあると思うんですよ、素直な気持ちとして。それが、先ほど岡田大臣がおっしゃったように、そういう、あおっただけじゃなくて、沖縄のいろんな意見があるんだということにもつながっていると思いますよ。  そこで、私が申し上げたいのは、それじゃ、海兵隊は今すぐは撤退しなくても、いていただくにしても、将来的には要するに自分自分の国を守っていくと。つまり、防衛力を増強していくということが抑止力と安全保障の観点で一番大事なんですよ。もしもあなた方が、自民党にはできなかっただろうけれども、新しい民主党政権になって、自分の国を自分でしっかり守るんだと、だから抑止力も海兵隊以上に自分たちの自衛隊でやっていくんだという方針を出されるんなら、私はこれはなかなかすごいと思いますよ。自民党がなかなかそこまでは踏み込んでできなかったと。  もちろん、我々は自民党の中でいろんな意見を言っていますよ。しかし、なかなか政策としてそこまでできなかったことは事実ですから、もしも民主党さんがそういう話でされるんなら、これはこれでまたなるほどという見識だと思いますよ。しかし、それもないんです、反対に言えば。防衛予算も含め事業仕分の対象になって、なぜ自衛隊の服は国内で生産しなきゃならないんですかというようなことを事業仕分で言われたり、まあこれは、大臣、とんでもないという話を言われたみたいですけれどもね。全く見識がない話をされているんですよ。  だから、今、政府案がまだ出ていないというんだから、防衛大臣、そういうふうに自分たちで自分たちの国の防衛力を増強してやっていこうと。そのことによって沖縄の負担もちろん減りますよ。それ、一つの筋じゃないですか。防衛大臣としての見解をお聞きしたいと思います。
  71. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) この問題は極めて我が国の重い課題でありまして、我々日本は第二次世界大戦の中で三百五十万の国民が命を落とすという悲惨な体験をしたわけであります。その結果として、新しい憲法を作って、国際紛争その他について武力をもって解決をすることはしないという決意を述べたわけです。  しかし、吉田総理が、朝鮮動乱の中で、米側との交渉の中で最小限の自衛の力は持つという選択をしたわけで、その後、日米安全保障条約を締結して、我々は日本国そのものが侵略されたときにはこれを排除すると。しかし、その危険のある部分については、前方展開は米軍にこれを任す、しかしその代わりに日本国に米軍の基地を置くということで、戦後我々は自国を守り、日本国の安定、そしてまた経済発展を成し遂げてきたということで、これをほぼ全面的に担ってきたのは自由民主党であるわけでありまして、我々は、今、西田委員が言われるように、その日米安保条約を変更して、我々自身が打撃力を持つような武力を持つというような発想は全く持っておりません。
  72. 西田昌司

    ○西田昌司君 長々答弁されましたけれども、要するに、自分自らそれを増強してやっていこうということは考えていないということでしょう。  そうしますと、大事なのは、結局一番大事なのは、今、日米同盟と言われている中で、この普天間の基地、ここにいる海兵隊をどういうふうにして日本の中で、沖縄に置いておかなければ困るわけですから、だから、その中で沖縄の負担軽減というのは、案は限られてくるじゃないですか。そういうことを冷静にお考えにもしなっていたら、今日のようなこの混乱なかったんですよ。恐らく、現場の岡田大臣北澤大臣も私の意見に、そうだろうというふうに思われると思うんです、賛同を得られると思うんですよ。  ところが、問題は総理なんですよ。総理の発言がこの今日の混乱を生んだんでしょう。あなた方は内閣の一員として総理に任命されたかしれないけれども、それは、総理、余りにもむちゃですよということをなぜ言ってこられなかったんですか。お一人ずつそのことをお聞かせください。総理が今まで言ってきたことに対して、それは無理だということをおっしゃってこられなかったんですか。
  73. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今委員は海兵隊が沖縄になければならないという前提でお話をされたと思いますが、それは疑問の余地なきことではないというふうに思います。少なくとも日本の中のどこかに移設可能であれば、そういう選択肢というものは全く考えられないわけではない。例えば、それは専門家の中でもそういう議論はあるわけであります。  しかし、全面的に移設するということになると、訓練地と部隊を離して、そして移転するということは、これは非常に運用上問題があるということでありますから、全面的に本土の中でそれを引き受けるというところは出てこないというのが現実で、したがって沖縄の皆様に引き続きある程度のことをお願いすると、こういうことになっているんだというふうに思います。しかし、それは議論の余地なき問題ではなくて、いろんな議論もあり得るということでありますので、それが、何といいますか、無条件に沖縄になければいけないというそういう前提で考えるというのは、私はやや行き過ぎた議論ではないかというふうに思います。  いずれにしろ、総理とは関係閣僚、私ももちろん含めまして常に意見交換を行い、意思疎通をしながら今回のこの普天間の移転の問題に取り組んできているところであります。
  74. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 西田委員の先ほどからの論理を聞いておりますと、我々民主党が沖縄の民意をあおって現行案ができなくなったと、こういうふうに言っておりますが、民意は民主主義国家の中で選挙という神聖な行事の中で決められるわけでありまして、その結果をだれがあおったからとかいうことは、それは沖縄県民に対するそれこそ冒涜であります。私は、選挙の結果というものは謙虚に受けなきゃいかぬと、そういうふうに思っておりまして、決定された民意を大切にしながら、その中で我が国をどう守っていくかという道を探るということは極めて当然のことだと思います。
  75. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 質問の時間が過ぎておりますが。
  76. 西田昌司

    ○西田昌司君 もうこれで終わりますが、委員長。  今とんでもないこと言っていますよ。民意をあおって、公約、マニフェストとやったものが全く今実現できない。この普天間だけじゃないんですよ。それで、それを国民に言って、出てきた選挙結果を民意だと。何を言っているんですか。直ちに解散してもう一遍民意問い直しなさいよ。そのことを強く要望して終わります。
  77. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  本日は中井大臣に御足労賜りました。申し訳ございません。実は、四月の二十二日にこの委員会で日・タイ受刑者移送条約の質問をさせていただきました。中井大臣答弁に勇気付けられたという意見がたくさん我が事務所に参りました。その件で、是非追加的に聞いてほしいという要望をいただいたものですから、申し訳ございません、今日一般質疑なんで来ていただきました。  何かといいますと、この前の日・タイ受刑者移送条約で、タイの受刑者で多かったのは薬物事犯だったんですね。その方が、結構日本人の方が海外で軽はずみでいわゆる密輸の問題に絡んでしまうというのを、なかなか広報が十分じゃないんじゃないかと外務省に聞いたんですが、外務大臣答弁なくて、副大臣答弁でした。それで、是非、警察ってやっぱり日本で信頼ありますんで、国内だけじゃなくて海外においてもこれ十分広報啓発やってほしいということについて、考えてみたいという御答弁いただいたんで、これについて、まあすぐなんですぐ結論出ていないと思うんですけれども、どんな感じの御検討をされているのか、少しでも結構ですから、要望ありましたので、御答弁いただきたいと思うんですが。
  78. 中井洽

    国務大臣(中井洽君) お呼びいただいて、喜んで参上いたしました。ただ、十分なお答えになるかどうかはじくじたる思いもございますが、お許しをいただきたいと思います。  今、警察庁におきまして先生御指摘の海外の薬物事案に対する罰則あるいは刑罰、こういったものについて鋭意調査をいたしております。ほぼ終わりつつあるかと思っておりますが、私が想像しておった以上に厳しく、きついというのが全体の印象であります。同時に、所持しておったぐらいではまあまあというところと、これぐらい以上持っていたらもうそれは密売だというので徹底的に売人扱いして重罪にするという国がかなりあるんだと。  そういったことを海外旅行をする邦人がきちっと認識をしてもらうにはどういう方法があるか。近く内閣で薬物の連絡会議等もまた開かれますが、ここへ問題提起をして、内閣全体でやるのか警察でやるのか、これらを含めて実行をしていきたい、このように思っています。
  79. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございます。そういう調査をしていただいて、是非、広く国民が事前に認識できるように、軽はずみでそういうことを起こさないように、お願いしたいと思っております。  もう一問、併せてそのときに御答弁いただいた話で、いわゆる執行猶予になった方々というのが五千人以上おられるんですけれども、その方々がほとんど薬物の依存症に関するいろんな教育を受けていなくて執行猶予になっているということで、そういうことに対して、強制的にダルクなどのプログラムを受けるようにするとか、成人男子以外にも対象とするとか、いろんな考えを述べていただきまして、本当にこういうことが必要なんだという声もいただきました。このことについても是非これから前向きに御検討いただきたいんです。この件についても少し検討状況をお願いしたいと思います。
  80. 中井洽

    国務大臣(中井洽君) この間の委員会を終えまして帰りまして、早速担当者を呼び、公安委員長として直接指示するというのもこれは差し障りがございますので、要望をいたしたところでございます。  パンフレット等についてはすぐにでも全員に見せていく、これはもう実行してくれていると考えております。同時に、受けずに社会へ出ていく人たちにどう対応していくんだとか、受講して途中で抜けた人をどうするんだとか、そういったことを含めて、先生のこの間の質問主意書にもお答えを申し上げましたが、薬物乱用対策推進会議やその会議の中に置かれている薬物乱用防止戦略加速ワーキングチーム、ここにおいて検討する、相談するということを強く申し入れてございます。警察庁の担当官からもこの場できつく申し上げて実効あらしめると、こういうことで対応いたしますので、しばらくの間、時間をお貸しいただきたい、このように考えています。
  81. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございます。まだ四月二十二日から一か月たっていない状況でありますけれども、そういう形で進めていただいているということに対して感謝申し上げたいと思っております。  そこで、中井大臣が来ていただくので、もう一つ関連で聞いてほしいという要望がありましたので、お聞きさせていただきます。これは何かというと、道路交通法の改正の問題なんですね。これは自公政権のときに、平成十六年に改正させていただいて、十八年から新しい規則になりました。何かといいますと、駐車禁止の取締りの民間委託の問題なんですね。  これがされまして、取締り件数が、いわゆる確認標章取付け件数と今言うんですが、一・八倍になりました。これ件数でいいますと、今までは、平成十七年は百五十九万件だったものが平成二十一年は二百四十六万件、約百万件増えているんですね。これ一件当たりの反則金って一万五千円ですから、金額に直しますと百五十億円なんですよ。  これがどう見るかなんですが、これについてこういう声があったんですね。これだけ取締りがされているんですけれども、五分、十分の短時間駐車が大幅に取締りされているというので、弱い者いじめになっているんじゃないかという声なんですね。  例えば、ルートサービスを行う店舗なんですけれども、その店舗は車数百台持っておられるんですが、こう規制が変わったのでなるべく民間駐車場を使うようにということで、月間の駐車料金が今までは月二十万だったのが今五百四十万使っているんですよ。それで駐車料金を払っていると。それでもやはり月約二十件、駐禁で捕まっていると。掛ける一万五千円払っているということなんですよ。  また、個人店舗もこの前聞きまして、その方は二日連続でやられたというんですよ。そういうところは、中小企業、個人営業ですから、二人乗っていられないというんですよね。ちょっと店に入って伝票を渡して帰ってきたらもう張ってあると。そういう中で、確かにまあ駐禁はいけないと分かっているんですけれども、やっぱり道路状況を考えたら、一時間、二時間というところは、悪質なものを集中的にやってもらう、分かるんですけれども、何か五分、十分でこれだけやられている、しかも二日連続、もう自営業で三万円の反則金を払うのも大変なんだというので。  警察庁の通達を見ますと、新制度においては、確認事務の民間委託に伴い、駐車違反取締り執行力が増大するなど、取締りが強化されていることから、従来以上に、公平かつめり張りを付けた取締りを推進する必要があると、こう書いてあるんですね。この辺の何か理解が、何となく腑に落ちないものを感じているというのが自営業者とか零細業者にあるのは事実なんですよ。確かに、警察から、ルールからいえば、全部放置自動車は同じなんだという定義かもしれませんが、この思いをもう少し、今まで警察の方は割と温情主義もありまして、何とかということがあったんだけれども、民間の方はもうしゃくし定規ですから、非常に現場でやるせない思いをしている事業者が多いということなんですが、この辺についてそろそろ、これだけ徹底してきていますので、より悪質なものを重点化するという指導に少しずつシフトすると、この辺の必要性について大臣の御見解をお聞きしたいと思うんですが。
  82. 中井洽

    国務大臣(中井洽君) 御指摘の点は確かに承っておきます。  ただ、全国各地で駐車違反の車による交通渋滞等が大変起こって、これを十分今の警察の状況では画一的に取り締まれない、こういうところで新しい制度を始めたわけでございます。その効果も如実に現れておりまして、交通渋滞がかなり目に見えた形で減っていることは間違いありません。おっしゃるように、駐車違反の摘発の件数も大幅に増えたというのも事実でございます。  一方、小さなお店で交通の要衝にあるところがなかなか商売がやりにくくなったというお話等もございます。また、私、大臣になりましてから八か月でありますが、この間、五団体ほど、商売にならない、何とかならぬのかという陳情があったことも事実でございます。お話はそれぞれにお聞きをいたしているところでございます。  できる限り地域の警察に、地域の自治体とか商店街の方々とか、時間を区切って、実態を見て、この区間、この時間帯は少し外してくれないかという御要請があったときには十分調べて柔軟に対応する、このことは公安委員会といたしましても各地区に通達を出しているところでございます。  したがいまして、自動車を運送して営業をなさっている業者さんが自分のやつだけ、自分の商売だけ何とかしろというのはなかなかでございますが、地域地域、本当に必要であるかどうかを地域の警察が十分判断する、こういう方向でできる限り御不満を、御理解いただけるようにして実効あらしめていきたいと考えております。  もしまた何か、こういう地域、こういう御商売がございましたら、遠慮なしにお申し付けいただければ検討をさせてまいります。
  83. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございます。  もう法施行されて四年たっておりますので、その中で、今言いましたように、この事業者は月間の駐車料金が二十万から五百四十万。そういう意味では、今までに比べればちゃんと駐車場所に駐車をしてやっていることが徹底されてきていますので、その効果も出ています。その中で過剰な形になっていないかという視点でもう一度法執行状況を見ていただくことをお願いしまして、中井大臣はここで結構でございますので、次の質問に移りたいと思っております。  それでは、普天間問題に移りたいと思いますが、まず、先ほど西田委員質問、私も答弁には承服できません。やはり私は、この前の委員会でも岡田大臣が最後に言われたんですよね。このロードマップの期限の問題、二〇一四年というので、これが普天間代替施設建設の目標であって、それができたら移ると。しかも、併せて、いわゆる海兵隊のグアム移転も二〇一四年となっていると。これ守れるんですかと聞いたら、いや、沖縄県民が最低県外、できれば国外と言っていたらこれはできなくなってしまうから危惧しているんですよと。それを言ったら、やはり民主党があおったんじゃないかと私は思っていますよ。  この期限について、私は、何としても、場所がどこにしても二〇一四年は守ってほしいんですよ。だって、これ、問題の根本は、普天間基地の危ないものを移そうというのが、これはもう与野党問わず合意だったはずなんですよね。  それで、この決意を少し、防衛大臣、また官房長官、できれば辻元大臣にも、その目標は何とか守りたいという思いをそれぞれお答えいただきたいんですが。防衛大臣から。
  84. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今お話しになりましたように、ロードマップの中には目標と、こう書かれております。しかし、目標である以上、それを完遂しようとするのは政治の責任であるわけでありまして、その基本は変わらないわけでありますが、先ほど来議論もありますように、さきの衆議院選挙で沖縄の民意は大きく変わり、そしてまた、政権交代の中で鳩山総理が何とか県外へ移せないかということで今日まで協議をしてきたわけでありまして、ここまで来ますと、一四年を今ここで約束せいと、こういうふうに言われましても、五月末の決着の問題もありますが、私は、二〇一四年に極めて近い形で努力することは重要でありますけれども、今一四年にかっちりできるのかということになりますと、なかなか難しいのではないかというふうな感触を持っております。
  85. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 今、北澤防衛大臣が御答弁されたように、私どももできるだけ早くその移設の問題というのを実行したいというふうに考えております。
  86. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 目標、一四年を守るのかと聞いているんですよ。
  87. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 今大臣がおっしゃったように、それは守るのかと言われると、これはなかなか難しいところはあるんではないかというふうに思いますけれども、ただ、もちろんできるだけ早く、ロードマップの二〇一四年を目標にということを踏まえつつ、できるだけ早く行ってまいりたいというふうに思っています。
  88. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 度々、浜田委員に本委員会に呼んでいただいておりますけれども、これは外交防衛の話でありまして、申し上げていますとおり、国交副大臣として、他の副大臣関係者が横からああしろ、こうしろと言う立場にはないと思っています。  ただ、一般論として、今まで十四年間、この問題がなかなか前に進まなかったというところはどこにあるのかと。それはやはり地元の皆さんの合意ということ、コンセンサスというところにやはり今までも問題があったのではないかと。これは今回の、今御指摘の問題だけではなくて、あらゆる行政にとって、地元とのコンセンサスがない限りうまくいかないというのは、これは一般論として言えると思いますので、付け加えたいと思います。
  89. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今、十四年間ずっとうまくいかなかったとおっしゃいましたが、実は四年前の平成十八年五月一日の日米ロードマップで一応合意をしたんですよ。四年前には一応合意をして、四年間はうまくいってきたんですよ。その認識をまず持っていただきたい、辻元大臣。  その上で、これはそういう意味で、具体的な御答弁はできないというお話なんですが、今の進め方なんですね。何か、結局閣議決定もしないみたい。こういう重要な問題って、今まで、与党合意もして日米も合意をして地元も合意をすると、三つのことがあったのに、このこともあやふやになっていると。私は、この問題って、もし自公政権だったら与党間でしっかり合意をつくるというのがベースですよね。そういう意味では、今与党の中には基本政策閣僚委員会ってあるわけでしょう、社民党さんの党首も入られた。そういうところでしっかりと議論をなされずに、何かなし崩しに議論が進んでいるというのは余り良くないと思いませんか。  社民党の議員として、本来こういうものは基本政策閣僚委員会でしっかり議論すべきと思いませんか。いかがでしょうか。
  90. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 最終的には、基本政策閣僚委員会で話をするのかどうかは総理官房長官の御判断になると思いますので、そこにゆだねるしかないと思っております。
  91. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 それは、総理官房長官の判断じゃなくて、社民党の一議員として、それはやってほしいと思いますと、そういう御答弁はされませんか。
  92. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) その点ばっかりおっしゃいますけれども、私は今、先ほどから申し上げているとおり、もう国交副大臣になったときにそれに徹しようと思ってやってきたわけですよ。それが連立政権をきちっと維持していく上でのルールだと思います。  というのは、それは自公のやり方はどうだったか知りませんけれども、自公は自公ですよ。しかしいろんな党の人間が入って連立政権やっているわけですよ、違うつかさの話にみんな場外乱闘するようなことでは、私はそういう立場は取りたくないと思って今日までやってきたわけです。何回お呼びいただいても同じ姿勢でいきたいと思っています。
  93. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 再度がっかりしました。  辻元大臣答弁はこれでおしまいですので、御退席いただいて結構でございます。  配付資料を配らせていただきました。これは何かというと、二〇一〇年の米議会におけるグアム関連予算法案の審議状況のデータなんですね。  なぜこれ用意したかというと、五月末というのは何なのかということなんですね。五月末自身が別に約束じゃないという話も出ているんですが、アメリカの、今回の普天間基地問題が揺れることによって、それとワンセットであった海兵隊のグアム移転自身がこれも壊れてしまうんじゃないかという一番恐れている事態があり得るんですね。それで、去年の予算の審議状況のデータを付けました。  まず最初にお聞きしたいんですけど、これ、アメリカの予算というのは、法案一本じゃなくて授権法案というのと歳出法案と二本になっているんですね。授権法案で上限を決めておいて、併せて、具体的に何するかという歳出法案で決めていくという。この授権法案が最初にかかるわけです。この授権法案に入っていなかったら、もう上限ですからできないわけですね、グアム移転が止まっちゃうかもしれない。  これが、去年だと六月十六日に下院の委員会で可決されていますが、まずこの軍事委員会に去年の国防授権法案がかかった日付はいつでしょうか、お願いします。
  94. 梅本和義

    政府参考人梅本和義君) お答え申し上げます。  二〇一〇年米会計年度国防授権法案でございますが、これが米下院軍事委員会に付託をされ審議が始まったのは昨年の六月二日であるというふうに承知をしております。
  95. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 六月二日にアメリカのこのグアム移転の予算が去年はかかったということですね。  それで、この授権法案というのは上限を決める法案なので、途中で修正がされます。修正というのは、大体これは上限だから減額修正がされるんですね。もしこれが最初の段階でグアム移転予算が入っていなかったと、途中でこの話を、復活で、授権法案の減額じゃなくて増額修正した例が過去にあるかどうか、これについてお願いします。
  96. 梅本和義

    政府参考人梅本和義君) 私ども、過去の前例についてすべてを承知しているわけでは当然ございませんけれども、国防授権法案につきましても増額の修正が行われたという過去の例はあるというふうに承知をしております。
  97. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今、あると答弁されましたので、何年、どういう件でしょうか。
  98. 田中直紀

    委員長田中直紀君) まだ、ちょっと待ってください。梅本北米局長、後ろから来なさい、前じゃなくて後ろに座っていてください。
  99. 梅本和義

    政府参考人梅本和義君) 例えば米議会調査局の報告書によりますと、二〇一〇年米会計年度国防授権法案につきましては、両院協議会を経て約千五百万ドルが増額をされたというふうに承知をしております。
  100. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 二〇一〇年度に今千五百万ドルが増額されたという話なんですが、これは実は外務省に作ってもらった資料なんですけど、これに何でじゃ削減としか、増額は書いていなかったんでしょうか。
  101. 梅本和義

    政府参考人梅本和義君) お答え申し上げます。  この提出申し上げました資料はグアム関連予算法案の審議状況ということでございますので、このグアム関連予算については、この資料にもございますとおり、〇・五億ドルの削減が行われたということでございまして、ただいま申し上げました二〇一〇年の国防授権法案につきましては、トータルとして約千五百万ドルが増額をされたというふうに承知をしているところでございます。
  102. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 その増額された内容は何でしょうか。
  103. 梅本和義

    政府参考人梅本和義君) お答え申し上げます。  誠に恐縮でございますが、この議会の調査報告書の中をちょっと私ども隅から隅まで読んだわけではございませんので、あらかじめ何がという御質問もいただいていなかったこともあり、ちょっとそこの内容については承知をしておりません。
  104. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 じゃ、二〇一〇年以外ではこの増額された例は何件あるでしょうか。
  105. 梅本和義

    政府参考人梅本和義君) 私ども、これは外国の予算の審議でございますので、その一々について全部把握しているわけではございません。  アメリカの授権法につきましても、国防授権法案のほかにもいろんな授権法案があるわけでございまして、大変恐縮でございますけれども、私ども、例があるかどうかということで今回お調べをいたしまして、二〇一〇年度についてそういう例があるということは承知をしたわけでございますが、それ以外にどのぐらいあるかということについては承知をしているわけではございません。
  106. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 それは少し不誠実じゃないかと思うんですよね。  つまり、五月末というのが、総理の言葉は軽いですから守れるかどうか分かりませんけれども、もっと心配なのは、この普天間のごたごたによってグアム移転自身がずれてしまうんじゃないかと。その一番際なのが、アメリカ自身がグアム移転の予算を二〇一一年度に計上するかしないかが大きなポイントなんですよね。  一般的には、今言いましたように、六月二日という、五月三十一日終わった即直後に案が作られる。かつ授権法案ですから、一例あったかもしれませんが、基本的には減額修正が普通なんですよ、増額はほとんどない、今まで。その中で、その一件が何かをつかんでいない。しかも、一件以外は何も分かっていない。そんなことでこの期限をどうこう議論する余地が今の内閣にあるんでしょうか。まさにこれによって遅れるかもしれないという危機管理はちゃんとしているんでしょうか。外務大臣、お答えいただきたいと思います。
  107. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 以前にもこの場でも申し上げましたが、そういった予算が付かない、そのことによってグアムへの移転が遅れるということが起きないように、そこは日米間で真剣に話もさせていただいているところでございます。  委員の今の御指摘、そういった具体例を承知していないのはまじめにやっていない証拠ではないかと。それは私は少し違う、いろいろな制度について詳細について聞かれていないわけですから、そのことが答えられないからまじめに考えていないというのは、私はそういうふうには考えておりません。
  108. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 聞いていないから知らないというようなことじゃなくて、知っているのが当然でしょう。今、いわゆる五月末の期限が守れないかもしれないという事態になっていて、その結果どういう影響が生じるのかというのは、本来責任ある内閣であれば十分管理をした上でスケジュール管理をするのに、そんなことも分からない。それで通ると思っているんですか。そんな甘い感じでこの普天間問題をやっているがゆえに国民の不信が高まっている。本当にひどいと私は思っています。  あわせて、逆にお聞きしたいんですが、防衛省、今回、一部訓練移転を、本土に移すという話がありますけれども、それについて、これは平成七年、八年に、当時、沖縄の実弾射撃訓練については、地元の要望もあったので本土に移転したと。手続をしました。でも、これはかなり時間を掛けてやっているんですよね。二年ぐらい、地元の合意をしてやっていると。その辺の手続ってどういう手続をしたのか、御答弁いただきたいと思います。
  109. 廣田恭一

    政府参考人(廣田恭一君) お答え申し上げます。  キャンプ・ハンセンにおける百五十五ミリりゅう弾砲等の本土への移転につきましては、平成八年八月十二日に、日米合同委員会の下に設置された特別作業班会議で、本土の五演習場、矢臼別演習場等でございますけれども、において訓練を行うことによって沖縄県の負担を軽減するという結論を得たところでございます。  それで、その後、鋭意調整いたしまして、特に同年の八月十九日から二十六日にかけて、当時の防衛長官、臼井日出男国務大臣でございますけれども、地元への協力要請を行い、北海道から大分県まで関係の自治体に説明を行ったところでございます。その成果もございまして、各演習場から、国の責任において訓練を実施することについては理解するといったような御理解をいただいたところでございますけれども、おおむね約八か月の期間を掛けて地元の御納得をいただいたところでございます。
  110. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 そういう意味で、最低八か月要りまして、実はその前後関係も、村山談話から含めますと約二年ぐらい実は掛かっているんですよね。  そういうやっぱり一歩一歩、地元の合意を取り付けるって大変な作業で、それが五月末でどういう具体的地名が出てくるかも分かりませんけれども、全く地元の意向、民意を十分踏まえないで一方的にやってしまう、このことについては是非再考願いたいということをお願いしまして、私の質問を終わります。     ─────────────
  111. 田中直紀

    委員長田中直紀君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、島尻安伊子君が委員辞任され、その補欠として丸山和也君が選任されました。     ─────────────
  112. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  群馬での米軍による低空飛行訓練について再度お聞きいたします。  前回、四月の八日に当委員会質問をいたしました。当時は少し訓練は収まっていたと聞いていたんですが、実は、後の報道を見ますと、私が質問した当日に随分訓練が行われまして、多くの苦情が寄せられております。さらに、今月に入っても低空飛行訓練が続けられておりまして、一月から五月の十二日までで県や市町村に寄せられた苦情件数は五百七十四件に上っております。特に、昨年までは四月の苦情件数は一けた台だったんですが、今年は九十七件に急増をしている。そして、ゴールデンウイーク中の五月の四日、五日の両日にも四十一件の苦情があったと、こういうことなわけですね。  前回質問の際に、雫石の事故の後に自衛隊の訓練地域はすべて海上に設定をされたと、にもかかわらず、この群馬の人口の密集地の上空にこの訓練空域であるエリアHとエリア3が設定をされ、しかも自衛隊の戦闘機の訓練は行われずに専ら米軍の旋回訓練などが行われているという問題を指摘をいたしました。何でこんなことになっているのかということを申し上げたわけでありますが、政務官、重要な指摘なので、この点の詳細について調べて後日お答えしたいという答弁がありました。  まず、その後、詳細がどのように判明をしたか、答弁をいただきたいと思います。
  113. 長島昭久

    大臣政務官長島昭久君) 井上委員から御指摘をいただきまして、私どもで、三十年以上前の資料でありますけれども関連資料が残っていないか捜索をさせていただきまして、結論的に申し上げますと、この空域の設置の目的あるいは内陸部上空に設置された理由についての資料は見付かりませんで、この場で明確にお答えすることはできません。  ただ、経緯につきましては幾つか資料が出てまいりまして、当時の防衛長官から旧運輸省の航空局と協議をした資料が幾つか出ておりまして、例えばエリアHにつきましては、昭和四十六年八月十日付けで防衛長官より運輸大臣あてに自衛隊の訓練空域及び試験空域について協議が設定されると、こういう資料、あるいは昭和五十二年十一月九日付けでありますが、我が方の当時の防衛局長より当時の運輸省航空局長あてに、エリアH訓練・試験空域(高高度)の設定についての協議の促進に関する資料が、文書が残っておりました。  ただ、先ほど申し上げましたように、経緯は断片的には分かるものの、設定した理由につきましては、これまでお答えすることができるほどの関連資料が残っておりませんので御容赦いただきたいというふうに思います。
  114. 井上哲士

    ○井上哲士君 今もありましたように、当時の運輸省と協議をしているわけですが、国土交通省はこの経緯についてはどういう認識をされているでしょうか。
  115. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) お答え申し上げます。  ただいまの御答弁のとおりでございまして、昭和四十六年に雫石事故が起こり、それを受けて定められました航空交通安全緊急対策要綱、ここで民間航空機の飛行する空域と自衛隊機の訓練及び試験空域とを完全に分離するということが定められたことを踏まえまして、当時の防衛庁と協議の上に設定されたものでございます。  エリアHにつきましても、当時、防衛庁の方から設定の依頼がございまして、民間航空機の航空路との分離を図るなど協議を行った上で、これは昭和五十三年でございますが、現在の位置に設定されてございます。
  116. 井上哲士

    ○井上哲士君 民間航空機と分離を図ると、それはそのとおりなんですね。しかし、そのために全部海上に訓練地域が設定されたのに、なぜこんな人口密集地に設定されたのかということが焦点なわけでありますが、今の答弁でも、政務官答弁でも、目的、理由はよく分からないわけですね。  私は、であるならば、現実に今これが米軍の低空飛行訓練の空域になっているということを見れば、それ自体を見直すことが必要であると思います。  この訓練空域の使用統制機関は入間基地だということでありますが、自衛隊以外の者がこれを使用する場合はAIPに基づいて使用の都度自衛隊と調整するということでありますが、この調整は当然米軍も行うということでよろしいんでしょうか。
  117. 長島昭久

    大臣政務官長島昭久君) 今、井上委員が御指摘いただきましたように、自衛隊の訓練・試験空域は国土交通大臣の公示により設定され、自衛隊以外の者がこれを使用する場合には、国土交通省が発行している、委員がおっしゃいましたAIPに基づいて使用の都度自衛隊と米軍との間で調整されると、こういうことでございます。
  118. 井上哲士

    ○井上哲士君 そうしますと、今年一月から、米軍からこの空域を使用する旨のこのAIPに基づく通報があった日数及び時間を月ごとに明らかにしていただきたいと思います。
  119. 長島昭久

    大臣政務官長島昭久君) 本年一月以降、米軍からエリアHの使用統制機関に対してその使用予定の通報があった月ごとの日数及び時間数は、以下のとおりであります。  一月が九日間、約十八時間、二月が十六日間、約四十時間、三月が五日間、約二十九時間、四月が十日間、約十六時間、五月は現時点でまだデータがまとまっておりません。  以上です。
  120. 井上哲士

    ○井上哲士君 先日の質疑では、米軍の運用に係る事項なので必ずしも承知をしていないというようなこともありましたけれども、実際にはこういう調整をして、空域の使用状況については把握をされているということであります。  それで、先日の質疑の際、このHエリアでは自衛隊の戦闘機の訓練はやっていないということであります。確認しますけれども、雫石事件以降、自衛隊のジェット戦闘機、陸上部の上空では低空飛行訓練はもちろん、基本的に飛行訓練はやっていないと、こういうことでよろしいんでしょうか。
  121. 長島昭久

    大臣政務官長島昭久君) 必ずしもそうではありません。自衛隊の戦闘機も、任務遂行に万全を期すために陸地の上空において必要な訓練を実施してきております。例えば、指定された時間どおりに目的地まで到着する技術を養うための戦闘航法訓練や射爆撃場において模擬弾を使用した射爆撃訓練などというものを実施しております。  ただし、低高度で行う訓練飛行につきましては、最低安全高度、これ三百メートルですけれども、以下の高度で飛行する場合は、航空法第八十一条の規定に基づき国土交通大臣の許可を受けていると。その際には自衛隊の飛行場や演習場など自衛隊の施設の上空で行っています。したがって、それ以外の場所においては最低安全高度以下の高度で飛行するいわゆる低高度訓練というものは行っておりません。  以上です。
  122. 井上哲士

    ○井上哲士君 低高度訓練については、施設の上空以外は自衛隊はやっておらぬということのわけですが、この訓練が今米軍によって行われていることが大きな問題なんですが、米軍が国内で同じような低空の飛行訓練を行う場合は米国内ではどういう規制が掛けられているでしょうか。外務省、お願いします。
  123. 田中直紀

    委員長田中直紀君) もう一回質問してください。
  124. 井上哲士

    ○井上哲士君 昨日通告してあるんですが。
  125. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) お答えいたします。  米国本土において人口密集地の上空を米軍機が訓練目的で飛行することがあるか否かについては、詳細については外務省として承知をしてはおりません。低空飛行訓練に関していえば、これを人口密集地の上空で行うことがあるとは承知しておりません。
  126. 井上哲士

    ○井上哲士君 米軍の場合は、米国内では指定空域でしか訓練やっておりませんし、当然、国土が非常に広いこともありますが、住宅密集地ではやっておりませんし、野生生物の生理的影響とか、それから自然公園における環境破壊とか、そういうことまで考慮してこういう訓練が行われるわけですね。日本国民は野生生物以下なのかということにもなるわけでありますが。  政府はこれまで、安保条約の目的達成のために米軍が施設・区域以外の上空でも通常の飛行訓練を行うことは地位協定上認められるということで、この低空飛行訓練について答弁をされてきましたが、地位協定上認められると言いますけれども、そのことは一体明文的にどこに地位協定に書かれているんでしょうか。
  127. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) 日米の地位協定の特定の条項に明記されているというわけではなく、日米安保条約及び日米地位協定により、米軍が飛行訓練を含む軍隊としての機能に属する諸活動を一般的に行うことを前提とした上で、日米安保条約の目的達成のために我が国に駐留することを米軍に認めていることから導き出されるものと承知しております。
  128. 井上哲士

    ○井上哲士君 駐留米軍がいろんな活動をすると。しかし、自由勝手に何やってもいいということになれば、これはもう占領軍と一緒なんですね。ですから、施設・区域の使用の在り方とか裁判権の問題とか、それを明文で取り決めたというのが地位協定なわけですね。  この低空飛行訓練という問題は、先ほどありましたように、日本の自衛隊は上空では基本的にやっていない、そしてアメリカでは様々な規制が掛かっていると。それをやって、結果として様々な被害を与えているわけですね。それを、地位協定の明文規定もないということは、私はこれはおかしな話だと思うんですけれども、改めて、いかがですか。
  129. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) これは委員はもう御承知の上で御質問いただいていると思いますが、低空飛行訓練に関しては、平成十一年の日米合同委員会合意において人口密集地域に妥当な考慮を払うとされておりまして、我が国において在日米軍低空飛行訓練を人口密集地上空で何ら制限なしに行うことが許されているわけではないというふうに承知しております。
  130. 井上哲士

    ○井上哲士君 全く空域の制限もなしに今行われているんですね。  群馬上空などで行われているああいう訓練について、日本は空域としてアメリカ側に提供している、訓練空域として、こういう認識でしょうか、政府は。
  131. 長島昭久

    大臣政務官長島昭久君) 先ほどから説明申し上げているように、国土交通大臣の公示によって設定されているわけですけれども、米軍を含めた第三者が自衛隊の訓練空域を使用する場合には、先ほど申し上げましたAIPを踏まえて自衛隊との間で空域使用の調整を実施すると。しかし、この空域というのは、自衛隊以外の者がこれを使用することを禁止されるといった排他的な性格を有するものではないために、防衛省・自衛隊としては、米軍を含め第三者に対して使用を禁止したり許可したりするそういう立場にはない、したがいまして調整を続けていると、こういうことでございます。  しかも、委員が御指摘いただいたような、例えば市街地の上を飛んでしまうとかこういう場合には、その都度我々としては在日米軍を通じて米側に抗議をし、再発の防止を求めてきたと。基本的には、先ほど福山大臣からお話がありましたように、日米合同委員会の取決めに従ってかなり米側に対しては規制をした形で空域の使用を許可していると、こういうことになっております。
  132. 井上哲士

    ○井上哲士君 しかし、現実は、これはずっと国会でも議論されてきましたけれども、様々な被害が続けられているわけですね。  外務大臣答弁いただきたいんですが、米国内では住宅地上空などでの訓練は行われておりません。そして、日本の自衛隊も、安全の確保という点からいっても住民の被害からという点からいっても低空訓練というのは行っていない、基本的に、こういうことになっているわけですね。  ところが、そういう日本の上空を我が物顔に米軍だけがこういう低空飛行訓練をやっている、そして地位協定上にも明文の規定もなしに行われている。私はこれは異常だと思いますけれども、大臣、是正をするという意思はありませんか。
  133. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、委員御指摘のこの群馬県前橋市上空における飛行訓練でありますが、これが米軍が定義するところの低空飛行訓練であったのかどうか。私の聞くところでは、それが低空飛行訓練であったということは、私自身承知をしておりません。  そして、低空飛行訓練に関して申し上げますと、先ほど来御答弁申し上げておりますように、在日米軍による低空飛行訓練についての日米合同委員会合意というものがございます。その中に、全体で六項目にわたって、その影響を最小限にするための具体的なことが書いてあるということでございます。  この日米合意というものがしっかりと守られるように、今後も日米合同委員会の場等で米国側と意見交換をしてまいりたいというふうに思っているところであります。
  134. 井上哲士

    ○井上哲士君 時間ですので終わりますが、定義の問題ではなくて、現実に住民の皆さんが被害を受けていると、何とかしてほしいという声が上がっているわけでありますから、是非正していただきたいと思います。  終わります。
  135. 山内徳信

    ○山内徳信君 社民党の山内徳信でございます。  官邸の動きが日替わりメニューのごとく、昨日の情勢が今朝もう追い付かない、おとといの情勢が昨日は追い付かない状況がありまして、質問要旨いっぱい準備したんですが、それから少し外れますから、御了承いただきたいと思います。余り難しいことは申し上げません。  私たちの頭の整理が必要と思っているんです。冷戦構造は崩壊して、今、鳩山総理は北東アジア構想、アジア全体は将来どうあるべきかという構想を練っていらっしゃるわけです。だから、地球の命も人々の命も大事にするとおっしゃった。だから、鳩山総理もっと頑張れと、こういうエールを送っておるわけです。  そこでお伺いしますが、アメリカ政府も、グアム協定を作り上げた当時の日本政府も含めて、安全保障の観点から見ても、あるいは抑止力の観点から見ても、海兵隊は何が何でも沖縄に駐留し続けなければいけないという認識には立っていらっしゃらぬのです。それがグアム協定であります。  グアム協定のこの前文について共通認識を伺っておきたいんですが、その前文をちょっと二、三行読ませていただきます。  グアムが合衆国海兵隊の前方での駐留のために重要であって、その駐留がアジア太平洋地域における安全保障についての合衆国の約束に保証を与え、かつ、この地域における抑止力を強化するものであると両政府が認識していることを強調し、以下、具体的な八千名とか家族九千名とか、こういうのが書かれておるわけですね。  今私が読み上げたこのグアム協定の前文は、やはり海兵隊をグアムに移していく、そのことが重要であって、そして、グアムに移していってもやはりアジア地域の安全保障と抑止力の強化になるとこの前文は書かれておるんです。私は、改めてまた昨晩もこれを読み直してみたんです。前にも二、三度読んでおりますが。  それで、この認識、これに書かれておる認識、これについて外務大臣防衛大臣からごく簡単に、同じ認識に立っていらっしゃるのか、いや違うと、沖縄に海兵隊は封じ込んでおかなければいかぬという観点に立っていらっしゃるのかということを伺っておきたいと思います。外務大臣からどうぞ。
  136. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) グアム協定に書いてあることの解釈の問題でもあると思います。  私の理解するところによれば、沖縄から八千人を移転するということであります。しかし、その機能は主として司令部機能的なもので、最前線の部隊については引き続き沖縄に置くという、そういう整理をしたものであるというふうに理解をしております。
  137. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) ただいまの外務大臣の認識と同じであります。
  138. 山内徳信

    ○山内徳信君 防衛大臣は人生経験はやはり先輩だろうと思います。これについての御認識も少しぐらいは味を付けておっしゃるといいんですよ。岡田外務大臣と一緒と言うと、聞いておる側は余り面白くないんです。  私が強調したいのは、やはり時代とともにその軍備、配備の仕方、武器も通信技術も全部変わってきたんですよ。大きく言えば、日清戦争のときのあの状況、日清、日露、第一次世界大戦、第二次大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、今のイラク戦争等々、全部変わってきておるんです。  したがって、私たちも頭の整理をして、やはり旧態依然として抑止力抑止力とおっしゃったんでは、そして、沖縄に封じ込んでおけと言ったら、なぜ民主党はあれだけの新しい議員を引き連れて中国に行かれた。私は、新しい時代、新しい政権として、中国との関係を一層経済的にも社会的にも政治的にも人道的にも文化的にも発展させようという思いがあったんじゃないかと思うからであります。そういうことで、私たちは過去のしがらみに余り引っ張られないようにしておきたいと思うんです。  これも簡単なことですが、外務大臣防衛大臣に伺っておきたいんですが、政府が重要問題を決定していく場合には、少なくとも、基本は閣議決定でしょう、あるいはいろんな理由があって閣議決定というその時間が持てないとかいう場合は閣議了解とかだろうかなと思うんですね。こういう行政手続が必要であると思います。自治体は全部行政手続を踏むわけですね。そうせぬと、議会で問題になるわけです。  ところが、新聞を見ますと、今回は、どうも五月決着の話もあるんでということでしょう、総理発言で対応したいという趣旨のことが報道されておるわけです。これは問題だと思いますよ。これは問題ですよ。これは、やはり地元合意がまだできていない、あるいは三党合意がまだできていない、そういうことが残っておるから五月いっぱいでは解決しないということなんですね。  ですから、少し思い切って、まあ開き直ってといいますか、やります、沖縄県民の負担軽減をやります、民意にも逆らうことはしませんと、そういうふうな立場に立って、総理がおっしゃった、国外、少なくとも県外と、こういうふうな視点を今転換をしていく、そういう覚悟が外務大臣防衛大臣に今必要なんです。  そういう意味で、私は次の点を申し上げますが、こういうコンセンサスができていませんから、少なくとも二十八日に普天間問題について日米合意をして共同声明を発表するとか、日米合意の、これなんです、これ今朝沖縄から送ってもらった新聞ですが、これによると、日米、普天間、二十八日合意とあるわけですね、合意。私の質問は、通告してありますのは、くい打ちから辺野古の話、いっぱい質問出してありますが、そういうふうなやはり少なくとも政府がコンセンサスを得るのは三つあるわけです。アメリカとのコンセンサス、地元の合意形成、そして三党の合意形成が必要なんです。これをまだ達成していないこの段階共同声明という形で発表しますと、これは更に政権を苦しい立場に追いやっていくことになりますが、共同声明を発表するとか、あるいは日米の合意というものをそういう具体的なところまで踏み込んでしまうと、後は政権そのものが更に追い込まれていって身動きが取れなくなりますよ。そういう意味で、余りアメリカとの、クリントンが来られても、2プラス2のその話も、深入りをされると後はえらいことになりますよ。そういうように私は思います。  これについて少し、いや、質問している山内さん、余り心配するなと、こういうこともやはり答弁としてあってもいいんじゃないですか。どうぞ。まあ軽く流してください。
  139. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 山内委員の御指摘、しっかりと聞かさせていただきました。ただ、委員も連立政権の一員でありますので、是非この歴史的な連立政権鳩山政権、これを支えるためにお力を貸していただきたいと思います。
  140. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 必死に今協議を進めている段階でありますから、確定的なことを申し上げることはできません。また、政府の対応がどういう形でやるかということも官房長官を中心に今案を練っておるようでありますので、私から申し上げる段階ではないというふうに御理解をいただきたいと思います。
  141. 山内徳信

    ○山内徳信君 最後に、私は、私ほど鳩山政権を、鳩山総理を支えておる国会議員は少ないんじゃないかと。厳しいことを言う人は敵と思ったら困るんです。  そこで申し上げますが、私は一貫して視野を広くアジア全体に物を見てきておるつもりであります。外務大臣にお伺いいたしますが、ヘンリー・スタックポールという元沖縄におりました四軍調整官、私、何度も会っています。その後、彼はアメリカ太平洋海兵隊の最高司令官になりまして、ハワイに行かれたんです。そのスタックポールがこう言っておるんです。くい打ち方式について利点なし。その理由はあえて申し上げません、御存じですから、皆さんは。そして、基地負担について、日本のこれは国内問題であると、こういうふうに言っておるんですね。  そしてさらに、スタックポールは、日本政府が海兵隊基地の県外移設を望めば、インフラ整備などでコストが掛かる可能性はあるが、最終的には日米二国間が決めることであると。そして、彼は、このスタックポールは、これはその可能性を、経験者として、最高司令官のそういう立場から、やはり県外、グアムに沖縄の海兵隊は移せますよと、日本政府が正式に提案すれば、それは道は開けるとおっしゃっておるんです。  だから、私は、最初からこの外交防衛委員会では外務大臣にお願いしておるのは、やはり内向きにならずに外に向かってくださいと、アメリカと対等に胸を張って交渉してくださいと一貫して私の質問はそのことを訴えておるんです。  私は、そのスタックポールさんのところ参りまして、読谷補助飛行場におけるパラシュートの降下演習は事故、事件が余りにも多過ぎたから、私、何度も訴えてきまして、最終的には、私が五回目、アメリカへ行って、帰りにハワイへ寄って、スタックポールさんのところへ寄ったときに、彼が、あと二か年時間をくれと、返還に向けての手続に入ると、こういうようにおっしゃってくれたんですね。  ですから、やはり外務大臣、これほどの苦難を強いてきた、そして県民の民意というのはもうはっきりしておりますから、胸を張ってアメリカとの交渉、クリントンの前で縮こもったらいかぬですよ。北澤防衛大臣は2プラス2の話のときにうつむいたらいかぬですよ。胸を張って交渉をやってください。そういうふうになさったときに、新政権鳩山政権はまた国民からの支持が大きくなって、更に更に浮上しますよ。  そういうことをお願いも期待も申し上げまして、質問を終わります。
  142. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  143. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 次に、防衛省設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。北澤防衛大臣
  144. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) ただいま議題となりました防衛省設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。  この法律案は、防衛省の所掌事務をより効果的に遂行し得る体制を整備するため、自衛官の定数及び即応予備自衛官の員数を変更するものであります。  以上がこの法律案の提案理由であります。  次に、この法律案内容について、その概要を御説明をいたします。  まず、防衛省設置法の一部改正について御説明をいたします。  これは、防衛省の所掌事務をより効果的に遂行し得る体制を整備するため、海上自衛隊の自衛官の定数を三十二人削減し、航空自衛隊の自衛官の定数を五人削減し、共同の部隊に所属する陸上自衛官、海上自衛官及び航空自衛官の定数を三十九人増加し、情報本部に所属する陸上自衛官、海上自衛官及び航空自衛官の定数を二人削減するものであります。  なお、自衛官の定数の総計二十四万七千七百四十六人に変更はありません。  次に、自衛隊法の一部改正について御説明いたします。  これは、陸上自衛隊の組織の改編に伴い、即応予備自衛官の員数を十二人増加するものであります。これにより、即応予備自衛官の員数は八千四百七十九人になります。  以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いをいたします。
  145. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時八分散会