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2010-03-25 第174回国会 参議院 外交防衛委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十二年三月二十五日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  三月十九日     辞任         補欠選任         木庭健太郎君     山口那津男君  三月二十四日     辞任         補欠選任         犬塚 直史君     主濱  了君      北澤 俊美君     松浦 大悟君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         田中 直紀君     理 事                 喜納 昌吉君                 佐藤 公治君                 山根 隆治君                 佐藤 正久君                 山本 一太君     委 員                 大石 尚子君                 主濱  了君                 榛葉賀津也君                 徳永 久志君                 福山 哲郎君                 松浦 大悟君                 岡田 直樹君                 島尻安伊子君                 西田 昌司君                 舛添 要一君                 浜田 昌良君                 山口那津男君                 井上 哲士君                 山内 徳信君    国務大臣        外務大臣     岡田 克也君        防衛大臣     北澤 俊美君    副大臣        外務大臣    福山 哲郎君        防衛大臣    榛葉賀津也君    大臣政務官        文部科学大臣政        務官       高井 美穂君    事務局側        常任委員会専門        員        堀田 光明君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○在外公館名称及び位置並びに在外公館勤務  する外務公務員給与に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 田中直紀

    委員長田中直紀君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、木庭健太郎君、犬塚直史君及び北澤俊美君が委員辞任され、その補欠として山口那津男君、主濱了君及び松浦大悟君が選任されました。     ─────────────
  3. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 在外公館名称及び位置並びに在外公館勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 大石尚子

    大石尚子君 民主党・新緑風会・国民新日本大石尚子でございます。  ただいま議題となりました法案に関連いたしまして、外務大臣にまず質問させていただきます。  岡田克也外務大臣は休日を返上してあちこち外国訪問をされ、大変精力的に外交に努められ、感謝いたしております。去る三月二十日の土曜日に、日本外務大臣として初めてハイチを訪問されました。大変多くの成果を上げてこられたと聞いております。その成果というよりも、実は今伺いたいことは、ハイチ日本大使館が被災しているわけでございますが、その状況並びに大使館員士気の具合、それから日本大使館員生活実態などについて。  外務大臣外務省のいわゆる社長さんでございますから、出先の支社にいらしてそこの職員言葉をお掛けになる、その一言一言が大変身にしみて館員方たちは受け取られるのではないかと思いますが、そのような中で、特別な事態に対して手当が加算されているかと思うのですけれども、ハイチの場合はどのような状況か。  外務大臣とお分けくださっても結構でございますので、副大臣、双方から御答弁いただければと存じます。よろしくお願いいたします。
  5. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ハイチ地震発生の際の大使館状況ですが、お聞きいただいて本当ありがとうございます。  まず、地震が発生したことによって、臨時代理大使宿舎は全壊をいたしました。それから、三名の館員住居安全性が確保できず、そこに住める状況ではないということで、車中で寝泊まりをしながら職務を行ったということでございます。もちろん、地震発生直後は、水、食料などの生活必需品の入手もできない状況で、そういう中で、まず、大使館員として最も行わなければならないこと、つまり、邦人の保護、安否確認という作業に専念をしたわけでございます。  邦人が二十三名、大使館員を含めてですが、おられることが分かっておりましたので、その確認をするということですが、通信手段が基本的には使えない状況でありましたので、館員現地に足を運んで確認するということをいたしました。そして、地震発生が十二日ですが、五日後の十七日に全員の安否確認したところでございます。大使館そのものも入っているビルが使えない状況でありましたので、当面は大使館員宿舎事務所といたしまして、そして、地震発生後十五日後の二十七日に、使えるホテルに間借りをして、仮事務所として現在行っているということでございます。  今回、ハイチを訪れた際に、私、何とか損壊した旧大使館、それから今の仮事務所を訪れたいと思ったのですが、限られた時間の中で、非常に交通も混乱しているということで、残念ながら足を運ぶことはできませんでした。しかし、そういう状況の中で非常に大使館員が頑張って職務を遂行したということは、是非多くの方に知っていただきたいことだというふうに思っております。  あわせて、そういった被災した大使館員は、最低限の仕事をしてもらった上で、一時ハイチの外に出しまして休養させたと。その間は周りの大使館から特にフランス語の使える職員を入れまして、そして職務を遂行してもらったということでございます。現在も人手が足りませんので、引き続きそういった、ほかの大使館からの応援部隊も入れながら現在大使館としての職務を行っていると、こういう状況でございます。  写真を見せるわけにはいかないんですが、かなり大使館自身もひどい状況でありましたので、私もその説明を受けておりますけれども、いろんなことが、今回の経験から今後やるべきことというのが分かってきたというふうに思っております。
  6. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) お答えをさせていただきます。  今御審議をいただいております名称位置給与法第九条の二によりますと、戦争、事変、内乱等による特別事態が発生した場合、外務大臣の指定により、同地に所在する在外公館在外職員に対し、在勤基本手当の額を一五%加算する旨が規定をされております。  本年一月十二日に発生したハイチにおける大地震により、食料や燃料の高騰等もありましたし、館員住居被災等がありまして、在外職員負担が著しく増加をしたということで、特別事態による加算を行うことを決定をさせていただきました。ちなみに、これまで同様の措置がとられているのは、イラク大使館、それから在アフガニスタン大使館でございます。
  7. 大石尚子

    大石尚子君 ありがとうございます。  ハイチ大使館通常代理大使以下五名で、小さな大使館でございます。是非、これからも心安らかに勤務できるように、通常業務簡素化などなどいろいろ御考慮いただきまして、助けてあげていただきたいと思います。  では、次に進ませていただいて、在外公館勤務する外務公務員定員及び配置状況についてお尋ねいたしたいと思います。  日本外務省は、本省二千百七十五名、それから在外が三千五百二十八名、六二%が外へ出ております。それで、先進国状況を見ますと、それでも大変、先進七か国と比較すると日本は六番目で、外務省職員数が少のうございます。七番目はちなみにイタリアなのですけれども、中国などははるかに日本よりも多い人たちが従事していると思います。  大変国際情勢も変わってまいりまして、テロ対策その他邦人擁護等も考えますと、いわゆる在外公館を増やしていかなきゃいけないし、そうすると当然人も要るということになってまいります。この先進国との格差というものをどういうふうにとらえておられるか、それが一点。  それから、定員がございましても、定員が満ちていない状況にございます。これは、現在のところ定員が三千五百二十八、しかし実員数は三千三百七十で、マイナス百五十八となっております。これは、研修員とかそれから交代要員でカバーしている面がありますので、それを引きますと二百六十七名が今不足しているという現状にございます。これは地域的に見ますと、困ったことにアフリカが一番不足しておりまして、四百二十四定員に対して百十三人も足りないわけでございます。次いで中南米、アジア、中近東が大体同じように足りていないという、そういう状況にございます。これの理由はどの辺にあるのでございましょうか、これが第二問。  それから、続いて、この人員を増やす必要があると思うのですが、外務省だけ人員増というのはこの情勢で難しゅうございますので、私は、現在でも五百六十三名、これが、各省庁からのアタッシェがその定員を埋めておられるわけですけれども、これをむしろ幅を広げていって、各省庁協力を得てお互いに乗り入れて、特に若い人を送っていったらいいのではないか、それは日本公務員の育成にも大変効果が上がることではないかと思っております。  これらのことをお考えくださいまして、御意見があれば伺わせていただきたいと存じます。
  8. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) 大石委員からの御質問三点についてお答えをさせていただきます。  まず、先進国との外務公務員格差の問題でございますが、先生指摘のとおり、アメリカ日本を比べると約四分の一でございますし、フランスと比べても約半分というふうな状況ですし、在外職員アメリカと比べても約三分の一強ということでございまして、我々としては、日本世界でしっかりと仕事をし、外交的に力を発揮する上で、やはり在外公館の今の現状というのは非常に先進国に比べると限られた状態だなということを認識をしているところでございます。  ただ、一方で、予算定員は大変厳しい状況でございますし、その限られた状況の中で任地の情勢業務量に応じて効率的かつ効果的に業務が遂行できるように、今、常に断続的に見直しを行っているところでございまして、今後も他の主要国に劣らぬ外交実施体制水準が確保できるように適切な人員配置に努めていきたいというふうに思っています。  二点目の質問でございますが、実員数定員数を満たしていない理由というのは、私も外務省確認をいたしました。基本的には、例えば、新たに新設した公館があって、そこに人員配置がまだ整っていない、整備ができていないとか、それから、生活環境が厳しい、それでなかなか人員配置が容易ではないアフリカ公館の存在や、それから、前任者が離任をして本省に帰ってくるわけですが、その次の後任者の着任が時間的なタイムラグで遅れている問題等がありまして、現実には短期的に乖離をしているという実態でございまして、本省業務も大変今業務拡大をしておりまして、その状況でなかなか在外配置できない実態もありまして、いろんな人繰りをしているというのが現状でございます。  それから、各省庁からのアタッシェを受け入れることについては、定員の問題が、実は外務省に各省庁から振り替えていただくという事情がありますので各省庁との協議が必要でありますが、先生の御指摘を踏まえて、このことについても適正な配置に努めていきたいと思っております。
  9. 大石尚子

    大石尚子君 私の持ち時間があと六分なので、大変恐縮でございますが、私は、今後の動向として、外務省職員人材確保がきちっとできるのかどうか大変危惧いたしております。  今回、在勤基本手当減額ということは、それだけでも気持ちがちょっとめいるというか、士気の低下につながらないといいなと思うのでございますけれども、特に、外へ出ると単身赴任手当はないし残業手当もないという、これがいわゆる在勤基本手当の中に含まれているという解釈だろうと思います。  そういう中で、現在の若者たちは外へ、外国へ余り出たがらない。それから、外国への留学が減少してきている。それがどういうふうにこれから動きとしてなるかというと、今度は外国勤務を遠慮したがるんではないか。それが消極的になるのではないか。そうしたときに、外務省を受けるよりはほかの省庁を希望したいという、そういう動きになってくるのではないか。また、いろいろ世界情勢がございますので、日本の国の中にいる方が安心であるし、家族ができると、家族のことを考えると、子供の教育等々を考えますとやはり国内勤務の方がいいというようなことも出てくる。  そういう動向の中で、これからやはり外務省、特に在外公館というのは、私はむしろ動く日本のアンテナショップとなってほしいし、それから日本文化、これは物づくり文化も伝統もそうでございますが、それをしっかりと踏まえて高等セールスマンになってほしいと願っております。そういうやかたになるのが在外公館やかただろうと思っておりますので、それを充実させていく上に大変知恵を絞らなければなかなかうまくいかない時代が近づいているのではないか。  これに対して一言外務大臣にお尋ねいたしたいと思います。一言で結構でございます、お気持ちだけで。済みません。
  10. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今いろいろ御指摘いただきましたが、もちろんいろんな手当あるいは給与水準議論はあると思います。  ただ、民主党政権として公務員人件費の二割削減という大きな方針を掲げておりますので、そういう中で、やはり民間との比較など、あるいは国内との比較などを行いながら、説明がなかなか困難なものについては、それはきちっと説明可能なように変えていくということが必要だというふうに思います。そういう趣旨在勤基本手当等減額などについても取り組んだところでございます。この方針は今後ともしっかり貫いていきたいと、基本的にはそう考えております。  そして、内向き社会の中でなかなかいい人材が集まらなくなるのではないかということでありますけれども、幸いにして外務省を志望する若者の数は決して減っておりません。しっかりとこれからもいい人材外交官として確保していきたいと、そういうふうに考えているところでございます。
  11. 大石尚子

    大石尚子君 今日は、防衛大臣普天間等でお忙しいのに、ありがとうございます。最後の一言をいただきたいと思います。  さきのこの委員会で、三月十九日、徳永さんが徳永ビジョンを発表いたしました。これは防衛在官活動拡大強化、それによって日本を守っていこうというような趣旨だったかと思います。それに対して北澤防衛大臣は、外務省十分協議をしなければいけないけれども、しっかり徳永委員お話を大切にしながら協議をしてまいりたいという御答弁をいただいております。  外務省に出向している防衛省アタッシェ、いわゆる防衛在官は四十九名と伺っておりますが、定員見ると六十一名ございます。それで、この定員を満たしていただきたいことはもちろんでございますけれども、もっと大幅に若い自衛官海外に出していただくということは、言葉のことからも、それから自衛官の養成に関しても大変いいことだろうと思いますので、防衛大綱、ちょうど見直しの時期にも入っておりますし、もうない定員をなるべくはじいていただいて、外務省とも御相談の上、幅広い自衛官海外に送り出して、そして世界の平和の防衛ネットワークの構築にも資していただきたいと思っておりますが、大臣のお考えを一言お聞かせくださいませ。
  12. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今お話しのように、過日、徳永委員とも御議論をさせていただきました。  おっしゃる意味はもうそのとおりでありまして、防衛省としても、自衛官が国際的な経験を積むということは極めて重要なことでありますし、また各国の武官たちとの交流の中でいろんな情報も聴取できる、さらにまた、我が国が今後国際貢献を進める中で貴重な資材を確保できるというふうにも思っておるわけでありまして、ただ、防衛省の場合は、さっき福山大臣からお話のありましたように、こちらの省から外務省の方へ枠を出してやるというだけではなくて、防衛省の場合は、防衛省事務官の枠を外務省に渡して、その渡したところへ今度は事務官ではなくて自衛官がそこへ入ると、こういうことで、極めて大局的な御質問に対してはみみっちい話のようになるわけでありますけれども、現状がそういうことでありまして、これは政府全体としての考え方をもう少し進めなきゃいかぬ。  徳永委員に申し上げましたのも、そういう意味検討をしたいと、こういうことでありますが、一方、岡田大臣の言うように鳩山政権公務員削減を公約もいたしておりますんで、なかなか厳しいところでありますが、大石先生の理想に沿うような検討は是非させていただきたいと、こう思っています。
  13. 大石尚子

    大石尚子君 ありがとうございました。
  14. 佐藤正久

    佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。  本日は、在外公館名称位置給与改正法案の前に、説明責任外務省海外広報用生け花カレンダーについて議論をさせていただいた後、本来の法案について議論をさせていただきます。  まず最初に、説明責任ということですけれども、最初在日米軍再編に関する説明責任、これについて議論をしていきたいと思います。とりわけ普天間移設に関しまして、前提事項、これについて認識確認したいと思います。  ゼロベースでの移設先検討、これはよく分かりますけれども、その際、前提事項がやっぱりあるわけで、前提事項を踏まえた上でゼロベース検討をするというのが普通だと思います。  ただし、最近その区分がやや不明確になっている、あるいは、以前はこれは前提事項だというふうに発言したものが、いつの間にかゼロベース検討の方に移っているんではないかという部分もあるような気がします。とりわけ、普天間飛行場返還というものが前提事項だと思っていたら、いつの間にか危険の除去が前提事項になってしまって、返還がゼロベース検討に入ってしまっているということもこの前の委員会で明らかになったというふうに思っております。  まず、外務大臣、おとといも総理確認しましたけれども、総理は、この普天間移設に関しまして、ロードマップで合意している二〇一四年までの移設というものを、基本的にその方針にのっとって今ゼロベース検討しているということを確認させてもらいました。外務大臣も同じ認識でよろしいですか。
  15. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 基本的にはそういうことであります。
  16. 佐藤正久

    佐藤正久君 外務大臣、それでは、二〇一四年は前提事項だと。  それでは、普天間移設先ということはいろいろ言われておりますけれども、県外移設の場合、あらゆる可能性を今検討しているというふうにも言われています、総理は。そのあらゆる可能性の中に、例えば佐世保基地とかあるいは岩国基地というものもそのゼロベース検討の中に入っているという認識でよろしいですか。
  17. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 基本的に今政府の中で検討しておりますので、個別のことにはお答えはしかねます。
  18. 佐藤正久

    佐藤正久君 でも、ある程度のゼロベース検討というときに、前提事項を明らかにしないとやっぱり住民は不安になるというところもあると思うんですよね。  外務大臣は、今、基本的には県外移設、あらゆる可能性はあるけれども個別のことについては答えは差し控えるという答弁をされました。しかしながら、二月二十日、防衛大臣岩国市民の前で、普天間基地移設先ということに関しまして、岩国普天間基地の代替になることは全くないというふうに明言されております。  防衛大臣、そのとおりでよろしいですか。
  19. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) そのように発言しております。
  20. 佐藤正久

    佐藤正久君 あるときはそこは個別のことについては答えない、あるときはこれは岩国関係ありません、あるいは、この前の東富士演習場使用協定予算委員会でも議論がありましたけれども、あのときも、それについては場合によっては、地元選出の、よく分かりませんけれども、榛葉大臣が言った言わないとありましたけれども、議論が、そういう話が出ると。  そうすると、何が前提事項で何がゼロベース検討かとやっぱり不安がどんどん増大してしまうという感じがするんですよ。やはりこういう基地問題というのは、地元に対する説明あるいは理解を求めるというのがやっぱり八割、九割は非常に大事なところで、汗をかかないといけないと。私は非難をしているわけではなくて、もっともっと説明をしていただきたいという思いで今議論をさせてもらっています。非常にやっぱりみんな不安なんですよ。特に、防衛大臣榛葉大臣岩国の方に行かれて、いろいろ話をされて、やっぱり市民が非常に不安を持っているということをじかに感じてきたと思います。やっぱりもっともっと説明をすべきだというふうに思います。  さらに、岩国についてもこだわりますけれども、おととい、関係閣僚の方々が集まって、普天間移設についてこれまで検討委員会検討していた状況というのを説明を受けた、説明したというふうに総理とかあるいは官房長官は言われています。であれば、当然、社民党の案あるいは阿部私案と言われるものも説明があったと、中身は聞きません、説明があったというふうな認識で、外務大臣、よろしいですか。
  21. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 委員、不安をあおるといいますか、そういうお話ですが、いろんなことが個別に断片的に出ることこそが地方の不信感といいますか不安感をあおるわけでありまして、基本的に、政府として決めるまでは私は個別のことは言わない方がいいと、そういうふうに判断しております。
  22. 佐藤正久

    佐藤正久君 外務大臣はそう言われる。だけど、防衛大臣防衛大臣はもしかしたら違うことを言っているかもしれない。少なくとも防衛大臣は、岩国の方では、それは全くありませんよと言われた。副大臣は、東富士の方では、そこは真偽は分かりませんけれども、言った言わないの話がいろいろこの前の委員会でも議論されたと。そうなると、言っていることが外務大臣認識防衛大臣あるいは副大臣認識が違うとやっぱり混乱してしまう。  特に、岩国の方ではやっぱり議会の方でも取り上げられているんですよ。実際に今まで新聞報道、これは全部が正しいとは思いませんけれども、いろんな候補地が挙がるたびに、どうなのかなと。まさに沖縄の方も、県内移設があるかもしれない、どんどん不安が増大している。であれば、やはりそこは外務大臣が言われるように、統制するなら統制する、いろんなことが私は大事だと思います。  それで、特に岩国関係についてこれから議論を深めていきたいと思いますけれども、榛葉大臣岩国の方に二度行かれたと思います。岩国基地周辺の、岩国基地関係で交付金含めていろんな自治体関係しています。四つ基礎自治体関係しています。どこか御存じですか。
  23. 榛葉賀津也

    ○副大臣榛葉賀津也君) 岩国市を中心に近隣市町村皆様方には、大変自衛隊並びに米軍施設について御理解、御協力を賜り、心から改めて感謝申し上げたいと思います。  負担の軽減といわゆる抑止力の維持という中で、正直申し上げまして、岩国には空母艦載機の移駐ということで大変苦しいお願いもしなければならないのが事実でございまして、今委員指摘のとおり、二回現地に赴き、また、その後も現地に行く予定をしております。  基礎自治体の名前でございますが、岩国市、和木町、そして大竹市、そして周防大島町でございます。
  24. 佐藤正久

    佐藤正久君 今言われた四つ基礎自治体で、上に山口県があるんですよ。今回、いろんな報道が出る。また、非常に説明が不十分だということもあり、県議会と四つの市町議会集まって、もう議員レベルで基地問題の対策連絡協議会というのまででき上がったと。多分、ここぐらいですよ、そういう県と基礎自治体の議会が集まってこういう問題についてどう対応しておこうかと。非常に関心が高い。  先ほどちょっと言いましたけれども、社民党の検討案の中に岩国が入っているという報道が一部ありました、御存じのとおりです。報道ですよ、報道がありました。よって、それで一番反発をしたのが社民党の県会議員。党本部の方に申入れをしたと。当然、ほかの議員も申入れしたということであります。そういう報道が出るたびに、やっぱり地元の社民党の県会議員も切れてしまうような感じになってしまう。そのぐらい敏感なんですよ。  この前、鳩山総理も言われました。やっぱり地元との信頼関係、これが物すごく大事なんだと。信なくば立たず。あの後、委員会でも何回も使われました、総理自ら。であれば、やっぱりこれはコミュニケーションを図らないと非常にいけないと思っています。  じゃ、それでは、その岩国の再編ですけれども、防衛大臣、どういう今再編計画になっているか、簡単に御説明ください。
  25. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) お答えいたします。  空母艦載機移設が一番大きい問題でありまして、さらに普天間から十二機岩国へ移動をすると、こういうことであります。
  26. 佐藤正久

    佐藤正久君 それだけじゃないはずですよ。もう一度説明をお願いします。
  27. 榛葉賀津也

    ○副大臣榛葉賀津也君) KC130も岩国に来るわけですが、加えて、大変大切なのが、岩国にある海上自衛隊の固定翼が厚木の方に行くという問題もございます。
  28. 佐藤正久

    佐藤正久君 今この模様を見た岩国市民は不安になったと思いますよ。これはインターネット中継等で岩国の方も見ています。防衛大臣が再編の概要をやっぱりうまく答えられないと、これは不安ですよ、説明責任以前の問題で。  今言われたように、厚木から空母艦載機などが五十九機来ます。と同時に、今話題となっている普天間からですよ、普天間からKC130空中給油機が十二機来る。岩国からグアムにも行くんですよ。CH53Dというヘリコプター八機が行くんです。同時に、海上自衛隊の部隊が一部厚木の方に行くとあります。そういう枠組みになっているんです。  普天間岩国、これも全然別個ではなく、まさに普天間移設がどうなるか、それによって本当にKC130が来るのかどうかと、みんな関係しているんですよ。だから、岩国人たちは今回の動きを非常に気にしているわけです。そういうことを分かってもらわないと非常に私はつらい。なぜかというと、本当にその基地の周りの方々というのは大変なんですよ、いろんな面で。騒音も安全もそうです。その痛みをやっぱり防衛大臣が自分の痛みと感じないといけないと思います。  防衛大臣、今まで、NLP、御覧になったりあるいは近くでその音を聞いたことがありますか。
  29. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) それは硫黄島でおやりになっていることだと思いますので、私は聞いたことはありません。  ただ、今のお話で、インターネットで見ているから不安があるとか、そういうことをおっしゃるけれども、それならば、詳しいことを全部言ってくれとこう言えば、幾らでも資料はあるんですよ。突然、主要なところだけ答弁させておいて、あとまだこんなにありますよと。細かく時間を掛けて答弁しろと言えば幾らでも答弁を申し上げますので、あたかも大臣がそんなことを知らぬから市民が不安を覚えるというようなことをあおること自体がおかしいんであって、丁寧な質問の資料を出していただければ私はそういたします。
  30. 佐藤正久

    佐藤正久君 詳しい説明はもっとロードマップ読んだらいっぱいありますよ。私は、概要で、主要な、私が説明したのは、ヘリコプターが動くとか、最低限のKC130の話とか、そういう話を。だから、副大臣がそれをフォローされたというふうに私は思います。  実は、硫黄島でやる前に厚木の方でもやっておりまして、NLPは。すごい騒音なんですよ。あの大きな騒音が今度は岩国の方に来ると、それはかなり住民にとっては非常に不安なんです。だから、非常に今までも、自公政権のときも岩国には物すごい気を遣いながら一歩一歩進めていたと。沖縄もそうですけれども、基地問題というのはそういうもので、防衛大臣外交防衛委員長のときもこの話もありましたけれども、愛宕山の問題含めて、非常にやっぱりデリケートな問題。特に、艦載機が五十九機来るって物すごい大きな話ですから、そこはやっぱり理解していただきたいというふうに思います。  それゆえに、更に普天間基地の航空部隊も岩国に来るのかという報道があると、これ以上負担岩国の方に押し付けるのかというふうに住民とかは思ってしまうわけですよ。だから非常に敏感になって、今、県と基礎自治体まで含んで全体での議員連盟まででき上がったと。ついこの間ですよ。ほかには多分ないと思います。岩国だけだと思います、県と市町が集まってやると。  それで、外務大臣、今からある言葉を読み上げます。これはだれの言葉か分かるか、後ほど聞きます。  新政権においては米軍再編について見直しの方向で臨むとされ、個々の再編案はパッケージであると説明されてきました。ところが、先般、空母艦載機岩国移駐につきましては、経緯を検証した上でロードマップに従い進めるという政府答弁書が閣議決定されたところであります。これまで政府からはその検証内容などにつき地元が納得できるような説明もなく、極めて遺憾であります。政府においては、艦載機移駐をロードマップに従い進めるとされた基本的な考え方や具体的検証内容についてまずは明確にされるとともに、これ以上の負担をもたらさない形で普天間移設問題を解決し、再編全体の方針を明確にした上で、与党内の地元国会議員と十分調整をされて、地元への説明責任をしっかり果たしていただきたい。  これはどなたの言葉だと思われますか。
  31. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) それ、時期はいつですか。
  32. 佐藤正久

    佐藤正久君 三月です。今月です。
  33. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ちょっと分かりません。
  34. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは、今月開かれました山口の県議会における知事の発言です。議事録からそのまま取りました。そういう認識なんです、私が言いたいことは。非常に、今まで説明がなくいきなり決まったという認識を知事もお持ちだと。これは別にいじっていませんから、そのまま抜粋したものです。だから、山口県は、知事以下、政府説明責任を果たしていないと感じているんですよ。やっぱり不信がどうしてもある。  それでは、資料二を御覧ください。  資料二でここにずらっと並べていますけれども、まず、民主党のマニフェストで、昨年の選挙で再編は見直しの方向で進むと言われ、地元の平岡議員は、艦載機移駐反対を防衛大臣に井原前市長とともに要請を十月にされています。榛葉大臣は、十一月に岩国に訪問された際、岩国の問題について今検証中であるというふうに述べられています。検証中だというふうに聞いている間に、二十二年度予算、十二月に岩国の再編関連の予算も計上されたと。ええっと、ここで初めて知ったと。さらに、一月に浜田議員の質問主意書で岩国は予定どおり進めるというふうに、これが明らかになったと。それまで政府からはまともな説明がない。  さらに、そういうこともあって、北澤大臣、本当によく行っていただいたと感謝しています、私も、二月に岩国の方に行かれて、市民との対話集会やあるいは市長とも会っていただいたと。そこで、岩国基地再編を見直すというふうには今まで言っていない、検証するとは言ったけれども見直しするとは言っていないという流れがあって、今、この議会での発言になっている。もっともっと説明してほしいというんです、要は、それが今の向こうの状況です。  さらに、外務大臣、この話は、同じですけれども、三月のある人の話です。  空母艦載機などの岩国移転問題につきましては、昨年、防衛大臣岩国に訪問された際に、岩国基地も検証を進めると発言されました。検証作業の状況を注視してまいりました。さらに、与党地元国会議員は、参議院議員の質問主意書に対する答弁書に関しまして、新政権としてもいわゆる岩国の再編問題の検証作業も行われておらず、見直し可能性もあり、政府の最終判断ではないとも取れる発言を行い、先日の大臣訪問を岩国の再編問題検証のスタートであるというふうに位置付けていると。  これは、ある人の同じように議会における発言です。外務大臣、これはどなただと思いますか。
  35. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 国会はクイズ番組ではありません。もう少し敬意を持って質問していただきたいと、まずそのことを申し上げておきたいと思います。ましてや私は、県議会の知事なり、発言が分かるはずがないじゃないですか。それは余りにも失礼だと私は思う。  それから、今の御発言ですが、確かに説明についてもっと地元がきちんとしてほしいと、そういう気持ちがあることは分かります。しかし、委員民主党政権説明が十分じゃないということのみを言われることは、私は承服できません。知事の言われたことも、前政権の時代から頭越しに決めたということに対して不信感がある、私はそう思います。  私は野党時代に岩国市を訪れて、岩国の市役所の補助金が突然止められて、工事が途中でストップした姿を見ております。そういうやり方が、つまり権力をかさに着て、そして結論を受け入れられないなら補助金を止めるというようなやり方までして進めてきたことが私は地元不信感というものを非常に醸成してしまったと。そういう状況にあることも十分分かった上で質問していただかないと、新政権になってからだけの話ではないということを私は申し上げておきたいと思います。
  36. 佐藤正久

    佐藤正久君 私は別に外務大臣をばかにしているわけでも全くなくて、新政権になったときに見直しの方向で進むというものがあって、地元の国会議員は選挙で、艦載機が来ないということも含めてこれは見直しの方向だというふうに言っているんですよ。言っているんですよ。その後、副大臣も行かれて、それは検証中ですと言われたのに、いきなり、いきなりですよ、予算が付いて、あれと。この政府答弁書で、予定どおりと。そういうものがあったからこそ、私は北澤防衛大臣が向こうにも行かれて市民対話もされたというふうに思っています。  自民党政権時代が百点とは言いませんよ。ただし、こういうマニフェストで掲げて戦って勝った以上は、そこは今までよりもしっかりと説明責任を果たすと。ましてや普天間関係するKC130がまた行くという話で、それも駄目だと地元から言われたらいろんな問題が出ます。  さらに、福田岩国市長は、今月、議会でこういうことも言われているんです。  先月二十日に岩国に訪問された防衛大臣からは、政府として、厚木基地の空母艦載機の移駐については、過去の日米合意などの経緯の検証作業を行った上で、ロードマップに定められた日米合意の方針に変更はないとの発言があり、新政権としてこの検証が終わっているという見解があり、政府の言う検証と地元国会議員の言われる検証の意味に差があるという説明もありました。こうしたことから、米軍再編については見直しの方向で進むとした新政権の対応や岩国基地に関する再編の政府方針に対しまして、多くの岩国市民は疑心暗鬼となり、動揺、混乱をしている状況であると考えております。市といたしましては、検証が終わっているなら、政府としてどのような検証を行ったのか、具体的な内容についてきちんと納得のいく説明をすべきであると考えております。新政権は、再編の見直しを掲げ、これまで岩国についてもそれに含まれると受け取られるようなメッセージを発信してきました。こうした経緯を踏まえると、地域住民をいろいろな意味で翻弄させた政府の責任は極めて重いと考えており、国は、検証の内容やパッケージと説明してきたことの整合性を含めて、地元国会議員とも調整した上で地元に対するしっかりとした説明責任を果たす必要があると考えております。  これは、今月の議会における福田岩国市長の発言です。やっぱり市長がここまで感じている、知事も感じているというのであれば、政府方針決めたのであればしっかり説明する、地元国会議員が、また大臣が言われる検証と違うということを言っているのであれば、それは話し合って是正するということが私は大事だと思います。防衛大臣の御認識をお伺いいたします。
  37. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今市長の発言を御披瀝いただきましたが、私は、大筋市長の言っていることは正しいと思います。私も真摯に会談をいたしました。また、議会の代表も正副議長がおいでになりました。その中で、検証について認識の違いがありました。先ほどもちょっと触れましたが、岩国の方とすれば検証は新しいものを生み出すのかと、こういうふうに思っていたと。私の方は、過去の経緯を全部検証して、その中で正すべきものがあるかどうかということであるけれども、岩国については変更はありませんと、こういうふうにお答えして、大変友好裏に御理解をいただいた。  それから、平岡議員のお話ありましたが、平岡議員は度々大臣のところにも訪ねてこられていろいろお話をして、その結果として、選挙のときに確かにいろいろ約束をした、しかし新政権になった上で、鳩山政権がどういう岩国に対する考え方を持っているか、私だけじゃなくて市民にも話してくれと、こういうことで私がお訪ねをしたわけでありまして、これは例えば、佐藤委員も含めて前政権の皆さんは、さきに決定した辺野古へのV字案を、原案をやるべきだと、こう言っておりますが、一方で、地方の、沖縄の県議会あるいは名護市の市議会、それはみんな反対しているんですね。  だから、政治というのは、そういう非常に複雑なものもあるということは、与党だけではなくて野党の側にもあるということと、それからもう一つ申し上げますと、先ほどの知事の発言は、これは私は、岩国に行ったときに知事との会見もお願いをしたんです。しかし、最初は会見をする日時まで決定しましたが、なぜか途中から山口県の方からお行き会いすることはできないと、こういう経緯もあったことを是非また御認識いただきたいと思います。
  38. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣がやっぱりいろんなずれがあったということを踏まえて二月二十日に行ったのは私は評価しているんですよ。行っていただかないと、やっぱりそのギャップはなかなか埋まらない。ましてや、平岡議員が、立場もあるんでしょう、今までの経緯もあるんでしょう、いろいろ発言をされている。そこが政府と違うのであれば、それは大臣として行かないといけないという思いは、私はそれはすばらしいと思っていますよ。ただ、でも現時点においてその認識のギャップがまだ埋まっていないと三月の議会で知事も市長もこう言われている。しかも、これは非常に大事な岩国ですから。  また、知事が何で大臣との面会を断ったかと。もう大臣は当然御存じでしょうけれども、まだ政府から回答が全然来ていないということも言われているんです。県議会から来た要望についてまだ返事がない、また、普天間基地全体の様子も見えない中で会ってもそれは意味がないんじゃないかということも言われているようです。これも議事録の中に載っていますけれども。そういう面もあって、私は説明責任という形でやっぱり国の方が行くべきだと。もう大臣が忙しければ副大臣をもっと派遣するということもあってもいいと思います。  なぜこういうことを更に岩国にこだわっているかというと、艦載機五十九機が来るというためには条件整備が必要なんです、条件整備が。どういう条件整備をしなければ艦載機五十九機が来れないか、防衛大臣、御存じですか。
  39. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) そのために新滑走路を建設をしたわけでありますし、また隊員の宿舎の問題もありまして、知事の方でいろいろ言われているのは多分愛宕山の宿舎の問題だろうというふうに思いますが。  今お話ありましたけれども、私が就任して半年たちますけれども、岩国市とは非常に連携がスムーズにいっていますが、山口県からは一度もまだ御要請もないんで、したがって私が岩国に行くついでに県庁を訪ねたいとこう申し上げたが、お断りになったと、そういう経緯であります。
  40. 佐藤正久

    佐藤正久君 それについては、恐らく陳情の仕方の特別なルールができたということもあっていろいろずれがあったという話も、実際私も山口の方でも確認しました。いろんな要素があるんですよ。  さらに、防衛大臣、今言われませんでしたけれども、当然、施設整備も大事です。同時に、ロードマップに書いてありますように、訓練空域というものも必要なんですよ。  さらに、もっと大事なのは、CH53D、この八機をグアムに持っていかないと艦載機が来れないんです。これが物すごく大きいんですよ。ヘリコプターを岩国からグアムに持っていくためにはグアムの方の整備が終わらないといけない。そのためには沖縄の八千人の司令部要員がグアムに行かないと駄目なんです。沖縄の八千人がグアムに行くためには普天間基地がどこかに移設しないといけないんです。要は、普天間基地移設が終わらないとCH53Dのヘリコプターもグアムに行けないんです。ということは、艦載機五十九機も、これも厚木から来れないんですよ。それはもう浜田委員、嫌かもしれませんけれども、地元ですから。ただ、そういうふうにみんな連係しているんですよ。  だから、これはロードマップに書いてあるように、一括したパッケージと言っているんですよ。そういうことになっているから、みんなそれは岩国市の人分かっているんですよ、パッケージだと。グアムの方がうまくいかなければ、普天間がいかなければ、それは当然岩国の再編も進まない、工期もどんどん延びる、予算も更に伸びる、だからパッケージ。  本当に二〇一四年、大丈夫かとみんな思っているんです。全部がもう関係している、パッケージなんです、このロードマップに書いてあるように。それは岡田外務大臣が多分前からやってます、非常に詳しいと思いますけれども、みんなパッケージ。本当に二〇一四年、みんな疑問を持っています。これは前提事項ではなくゼロベース検討に実際は入っているんじゃないかという疑念もあるんですよ。  防衛大臣、今までの辺野古のV字の滑走路案を作るために、環境影響評価、どのぐらい掛かったか御存じでしょうか。
  41. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) ほぼ二年半というふうに認識しています。
  42. 佐藤正久

    佐藤正久君 二年半ないし、今の時点ではもう三年近く、まだ回答がありませんから三年ぐらい掛かっているんですよ。  やっぱり新しいところを見付ける、それが新たに環境影響評価をしないといけないところであれば、やっぱり三年ないし、場合によっては海だともっと掛かるかもしれません、沖合であれば。そう考えたときに、本当に二〇一四年、やっぱりみんな疑問になってしまう。これは本当に前提事項なのかと。ややもすると、これは前提事項ではなくゼロベース検討に二〇一四年も入っているんじゃないかと。で、一番最初にそこを聞いたわけです。だんだんだんだん前提事項がいつの間にか次第にずっとゼロベースの方に入っている、そうすると、みんなどんどんどんどんやっぱり不信、混乱してしまう。そういう意味もあって、みんな岩国人たち説明を待っている。だから、議会でここまで言うと。  あの五十九機の艦載機が来る来ない、物すごく大きな要因ですから。いつ来るんだ、米軍がもう数がいっぱい増える、じゃ、治安はどうなんだと、いろんなことに不安がある。やっぱりそういう意味では、普天間が大変かもしれませんけれども、やっぱり岩国の方にも、防衛省の政務官も副大臣もおられますから、もっと行ってコミュニケーションを図るべきだと思います。  実際に、岡田外務大臣も、昨年十一月に記者会見で、普天間についてはもっと検証するということを述べられております。やっぱりみんな関心があるんですよ。岩国というのが、普天間だけではなくて、今回の再編の一つのキー、かぎが、場合によってはセンター・オブ・グラビティーの一つが私は岩国だというふうに思います。普天間だけではない、やっぱり両方。  これは防衛大臣仕事ですから、防衛省設置法からいって。そこはもうどんどんどんどん説明責任をやっていただかないと困ると。  次に、資料三を御覧ください。  これは、平成二十年六月に岩国市議会から政府の方に出された、海上自衛隊岩国基地航空部隊の残留を求める意見書です。これは全会一致で、自民党から、民主党さんも、社民党さんもあるいは共産党さん、全会一致で残ってくださいという決議で、先日行って確認してきました。今でも同じです。全会派で海上自衛隊の残留を望んでいますという状況です。  今のロードマップでは、岩国の海上自衛隊の一部の部隊が厚木の方に移ります。防衛大臣、どういう部隊が厚木の方に動くか、御説明願います。
  43. 榛葉賀津也

    ○副大臣榛葉賀津也君) いわゆる海上自衛隊のEP3、OP3、UP3が配置をされている、これが、基本的に警戒監視、情報の収集体制を取っている、こういった固定翼機が厚木に移転をするということでございます。  米軍再編の中で負担を軽減したいという思いでこれはやっているわけですが、岩国には負担が増えるところもあるという中で、前政権から、何らかの負担を軽減したいという思いでこのような仕組みをつくったというふうに理解をしておりますが、委員に対する答弁はそういうことでございます。
  44. 佐藤正久

    佐藤正久君 今言われたように情報部隊なんですよ。これが前の政権のときからまだ議論が継続中の案件で、日米合意を見直してもこれは残すべきかあるいは移転すべきか、いろんな議論が継続中だった案件です。  北朝鮮のことを考えた場合あるいは朝鮮半島のことを考えた場合、そういうこの手の情報部隊が、細部は言いませんけれども、やっぱり岩国の方にあった方がいいという意見もあります、今でもあります。実際にその分析する部隊も岩国にある。当然、厚木にもあります。厚木と岩国、距離的にどのぐらいあるか、約八百五十キロぐらいあるんです。そうすると、移動するだけでも一時間以上掛かるんです。やっぱり情報という分野において、今この体制で、北朝鮮のことを考えたり朝鮮半島を考えて体制を取られているのであれば、できればいた方がいい。  ただし、今までの調整の中で非常に在空機数が多くなるかもしれないという運用上の観点もあって、少し減らそうという話も議論にはありました。ただし、米軍の人に話を聞くと、この部隊が、そう大きな部隊ではありませんから、残っても、そんなに在空機数上、運用上大きな問題にはならないという意見もあるんです。いろんな意見があります。よって、ここは引き続き検討をしていただきたい。  これによって、このEP3、OP3部隊が厚木に動くということは、隊員が約七百名、家族が約九百名、約千六百名ぐらいの関係者が動くというふうに防衛省地元説明されています、千六百名。これは地元にとって非常に大きな話で、非常に自治体のコミュニティー構成上、自衛隊を退職された方、現職の自衛官が物すごい役割をやっている。また、自衛官の奥さんには看護師の方が多いとも言われています。看護師がいなくなったら病院も大変だ、もういろんなことがこの要望書の中に入っています、思いが。であれば、ここは今後とも、まさに米軍再編を見直しの方向で臨むと言われているのであれば、もしも米側がオーケーであれば、ここも2プラス2含めて議論をしていただきたい。  特に、防衛大臣は、この前市民の前で、日米合意は重いが、国民の声はもっと重いというふうに言われています。やっぱり期待を持っていますから。日米合意は重いが、国民の声の方が更に重いとやっぱり言われています。これは議事録に残っていますから。であれば、この辺の状況も踏まえながらこれも検討していただきたいと思いますが、防衛大臣の御認識をお伺いします。
  45. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 我々は六か月前に政権を担当したわけでありまして、前政権で進めてきたこのロードマップに基づく様々な問題に今直面しておるわけでありますが、一方で、今、佐藤委員が言われるように、すべてはパッケージだ、どこか動かしたらみんな狂うよと、こう言われた論理からすると、この問題の取扱方は今のお話からすると矛盾するんですね。しかし、私は、真摯に市民の声をお聞きして、これはいずれにしても二〇一四年のロードマップの完結後に厚木で工事が始まるわけでありますから、時間的な余裕もありますので、今後検討はしたいと、こういうふうにお答えはしておきました。
  46. 佐藤正久

    佐藤正久君 確かにパッケージの中ですけれども、この海上自衛隊の部隊というのは、それによって芋づる式にほかが影響するというような、先ほどのCH53Dのとはちょっと違いますから、そこは冷静に見ていただいて、本当に国民の声を、更に重たいという発言もやっぱり岩国市民の前でされたと。もう民主党の方も社民党の方も共産党の方も自民党も全会一致で求めている、その状況は変わってないということを御理解の上、オペレーション上の問題もあると思います、一番いい最適解を、米軍がオーケーすれば、いいんであれば求めていただきたいということを申し上げたいと思います。  愛宕山の件については、別の機会にまた議論をさせていただきたいと思います。  次に、外務省の広報用生け花カレンダー、これについての質問をさせていただきます。  資料一を御覧ください。  ここに、中国が配っているものと外務省の二〇一〇年版の生け花カレンダー、この比較を載せています。やっぱり大きいんですよね、中国は。中身やいろいろありますけれども、実は大きさというのは大事なんですよ。これは配る相手が、これは外務省在外公館が、私も経験ありますけれども、配る相手というのは結構大きな家に住んでいる人が多いんですよ、どちらかというと、日本と比べて。そういうところで、小さいか大きいかでやっぱりイメージが全然違いますし、飾ったときのやっぱりインパクトも目の行き場も違ってしまう。実は、これは自民党の時代からの無駄撲滅の関係削減されてしまったんですけれども、私は反対なんです、実は。  これが二〇〇九年版の生け花カレンダーです。(資料提示)これがどんどんどんどん小さくなって、今、二〇一〇年、この大きさになっています。しかも、中身が違うなど、プラスチックのこの留める部分もなくなってしまったんです。これがあるかないかで全然留め方が違うんですよね、御存じのとおり。しかも、これ見てください。今度は一か月に一枚の写真だったのが二か月で一枚の写真なんですよ。カレンダーというのはやっぱり変わって何ぼですから、一か月ごとに新しいこの写真が見える、生け花が見える、これは全然違うんですよ。生け花というのは日本の重要な文化ですから。これを配ることによってふだん会えない人とも会える。これを楽しみにしている日本の応援団の方々もいるわけですよ。  調べてみたら、どのぐらい削減されたのかと、これとこれで。八百万です。八百万でこんな差が出てしまう。さらに、配付部数も足らないために、在外公館職員の方が自分でお金を払って注文しているんですよ。で、自分でそれを外交ツールとして配っている。これは非常に私は本来あるべき姿ではないと思っています。  であれば、これはやはり、私も反省も踏まえて言いますけれども、これはもう一度この二〇〇九年版の方に戻していただきたい。さらに、やはりこれは物すごくいろんな面で、時間がないので細部言いませんけれども、これについて非常に大事だと思っていますので、今後検討していただきたいということを申し上げて、外務省福山大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  47. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) 何でもカットしたら良くないということの表れのような気がいたします。  先ほど委員が御指摘のように、二〇〇七年度版から二〇一〇年度版に至って約八百万円の予算削減が行われました。もちろん、これは前政権の結果でございます。我々としては、このことについては大変問題意識もありまして、二〇一一年度の予算においては、八百万円の半分でございますが、約四百万円増額をいたしまして、できれば大きさを前のA3判に戻すことと、一か月に一枚になるように、今、四百万円の増額の中でどの程度戻せるかについて鋭意工夫をしているところでございますので、努力をしたいと思います。
  48. 佐藤正久

    佐藤正久君 アフガニスタンにおける四千六百億円も大事ですけれども、この八百万円も相当な価値があると思っています、私は。本当に現場で頑張っている方々、このカレンダーを持っていって情報を取るって物すごい効果がありますから、ある意味では外交的なツールだと思っています。是非ともそこは検討していただきたい。さらに、実態を調べていただいて、自分で買っている人もいるんですよ。ただ、大きさだけではなくて部数というところもあると思います。  さらに、在外公館において、今回の議論にもありますが、兼轄しているというところもあります。そこには公館がないんですよ。公館がない。名誉総領事なんかをお願いしているところもある。特に遠隔地においては、このカレンダーを送付することによってまたその関係が更に強化できる、維持できるというところもあります。  この話を聞けば聞くほど、もう一時間ぐらいしゃべれるぐらい実はいろんなドラマがありまして、それを本当に、広報というだけではなく、これは外交的な私、ツールだと思っていますので、どうかしっかり御検討の上頑張っていただきたい、事業仕分に負けることなくしっかりと取っていただきたいというふうにお願いします。  それでは次に、本題の在外公館名称位置給与法改正について御質問します。  まず、ジブチ、今海上自衛隊のアデン湾における海賊対処の一つの拠点にもなっていますけれども、ジブチ、今回、二十二年度予算でどういうような状況になっているか、お答えください。
  49. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) 現在、ジブチは、委員御案内のように、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処のために現地に派遣された自衛隊とジブチ政府関係者との連絡調整等を行うため、在ジブチ連絡事務所を設置をしております。  厳しい財政状況の下、平成二十二年度概算要求においては残念ながら新設公館の機構要求は行いませんでしたが、ジブチでは先ほど私が申し上げた海賊対処のための調整業務等がまさに増大をしているため、在エチオピア大使館の兼勤駐在官事務所の設置として予算を計上しているところでございます。
  50. 佐藤正久

    佐藤正久君 今いるこの岡田委員も実際現場の方に行かれております。非常にホテルの小さな部屋でもう少ない館員でやっていると。実際上はエチオピアの出先というところから始まっていたんですけれども、やはりそこは今、肩書はもう大使なんですよ。大使という肩書でジブチの方におられる。となると、一応今はもうある程度独立的な形になります、業務上は、ほとんどが。だから、海賊対処というだけではなく、要は、そこでやっているODAの案件なんかももうジブチの大使の責任になっているんです。私も十月に行って、本当大変だなと。もうほかの公館から応援をもらっていると。防衛省の方も連絡員というものを送りながらいろいろやっていますけれども、やはりこれは外務省の責任でやらないといけないところはやっぱりあるんです。  であれば、あの状況を見て、海賊対処がこれから更に継続するという可能性がまだまだあるのであれば、そこは今後とも、また二十三年度要求の中でも頑張っていただきたい。  外務大臣はもう行かれましたか、ジブチの方には。
  51. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 私は行っておりません。
  52. 佐藤正久

    佐藤正久君 やはり是非とも、アデン湾あるいは紅海における非常な戦略的な要衝とも言われる国でありますから、また、エチオピアもあのAU関係のいろんな連合の拠点もありますから、エチオピアとジブチ、できればスーダンまで、あの辺りを行っていただいて、現場がどうなっているのかと特にアフリカ在外公館というのは、人が少ない割に物すごく忙しいんですよ。ODAの案件、細かいのもあります。でも、やっぱり先進国と違って一つの案件を上げるのに物すごい時間が掛かるんです。なかなか相手のアポが取れない、返事が返ってこない。一つの無償の案件を上げるだけでも物すごく時間が掛かるということもあって、実際、ある公館の次席が過労死したということがあるように、非常にアフリカ大使館在外公館、ほかもそうですけれども、特にいろんな面で難しさがあります。  是非とも外務大臣には現地の方に行っていただいて、また、防衛大臣もまだ行かれてないと思うので、防衛大臣もジブチの方に行っていただいて、現場を見て、また激励なり、あるいは改善点というものを図っていただきたいということを申し上げ、私の質問を終わります。  ありがとうございます。
  53. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  我が党といたしましては、在外公館位置名称給与法につきましては賛成でございます。その上で、在外公館の体制につきましてまず最初質問したいと思っておりますが、まず、事実関係を、これは福山大臣ですかね。  大使館は兼轄というのがあるんですね。AとBの二つの国があって、二つ大使館を置けない場合はAという国に置いて両方を見ると、こういうことがあるんですが、じゃ、それをAに置くのかBに置くのかというのが大きな問題になるんです。  その関係で聞きますけれども、諸外国で在東京の公館が中国を兼轄している場合、そういう国があるのか、その国の数及びその名前、逆に、在北京の公館日本を兼轄している国の数及びその名前について御答弁いただきたいと思います。
  54. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) お答えいたします。  諸外国で在京大使館が中国を兼轄している国はないと承知をしております。一方、在中国の大使館日本を兼轄している国は、キプロス、マルタ、ギニアビサウ、コンゴ共和国、シエラレオネ、赤道ギニア、トーゴ、ニジェール、ブルンジ、セーシェルの十か国と承知しております。
  55. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 じゃ、逆に、更に聞きますけれども、今、十か国が在北京の公館日本を兼轄していると。その十か国に、日本はその相手国に大使館を置いているでしょうか。
  56. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) 日本在外公館を設置している国はありません。
  57. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ここに問題があると思うんですよね。  これは岡田大臣に、質問通告してないんですけど、印象をお聞きしたいんですけど。相手国も予算もないんで兼轄という制度はしようがないと思うんですが、中国に置かれて日本を見られてしまうということについて、何となく我々はできれば日本に置いてほしいなという気もあるんですけれども、こういう在北京の公館日本を兼轄しているというのが多いという状況、この辺についてどう思われます。
  58. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 基本的には、それはそれぞれの国の決めることであります。恐らく東京よりも北京の方がコスト的に安いということもあるかもしれません。もちろん、それぞれの国が日本と中国をどう見ているかということの反映でもある。非常に残念なことではあると思います。  しかし、それを是非東京にということも一つ考えられますが、私も委員と同じように、中国に行きましたときに大使からその話を聞きまして、もう少し何か考えられないかと。例えば、この十の、日本にもない、そして日本自身も大使館を持っていない国というのは、言わば日本との関係がそういう意味ではかなり疎遠になっているというか、そういう状況ですから、中国に十あるのであれば、それをきちっと中国にある日本大使館がフォローできる体制をもう少し仕組みとして考えたらどうかと、そういうふうに思っております。  今はもちろん、片手間ではないんですけれども、中国にある日本大使館が見ているということですが、もう少しきちんと見れるような体制ができないかなと、そういうふうにも思っております。
  59. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 単に経済的なコストの問題で北京に置かれているんじゃないんだと思うんですよ。多分、中国はこの十か国にほとんど中国大使館を置いているんですね、向こうの相手国に。日本は置いてないという事実があるわけですよ。    〔委員長退席、理事山根隆治君着席〕  しかも、今、岡田大臣はこの十か国、日本関係が疎遠だと話をされたんですが、私、この十か国のうち政務官の時代に二か国訪問しているんです。シエラレオネとブルンジなんですね。これは、重要な国でありまして、何かというと、国連の平和構築委員会のモデルカントリーなんですよ。  日本はこの国連の平和構築委員会というのは力を入れていまして、設置にも尽力しまして、当時、私、政務官のときに、ちょうど日本が議長国になるかどうかということで、議長国になったんですよ。なったこともありまして、日本はなかなか自衛隊というのは制約がありますから、平和構築についてはやっぱり力を入れなきゃいけないという意味では、こういう国についてはやっぱり大使館を置いていくというのは重要だと思っているんです。そういう意味では、北京の日本大使館が面倒を見るというだけじゃなくて、やはり日本現地に、そういうブルンジとかシエラレオネに大使館を置くという努力もしていただきたいと思っているんですよ。  そういう意味では、この三年間、実は大使館の新設というのは割と努力してきたんです。私、三年半前の二〇〇六年八月に政務官になったときには、日本大使館は全世界で百十七か国しかなかったんです。ところが、欧米は大体百五十館体制をしていました。人員も大体日本は五千五百名しかいなくて、欧米は大体七千五百名体制で、よって何とか十年以内に百五十館、七千五百名体制をつくろうじゃないかというのを当時の自民党も公明党も提言を作って、その努力のかいありまして、この三年間、二〇〇七年には六大使館、八年には五大使館、九年には五大使館と、合計で十六、これは過去二十年ぐらいを振り返ってほとんどなかったことなんですよね、やらしていただいた。  残念なのは、この二〇一〇年に概算要求がされていたんだけれども、ゼロになっちゃったんです。これは非常に私は残念と思いまして、外交体制というのは別に政権交代で余り左右される問題ではなくて、国という問題ですから、これは非常に努力してほしかったなと思っているんですけれども。  そこで、岡田外務大臣にお聞きしたいんですが、まず前政権で外交体制の百五十館体制、七千五百名、人員については確かに公務員削減という話もありまして、全員が公務員と我々も考えてなくて、実際、毎年二百名についても、百名は実員ですけれども、百名は予算定員で実は手当てしてきたんですよ。そういう工夫もしながらこういうことを目指してきたんですが、前政権のこういうビジョンについてのまず御評価をお聞きしたいと思います。
  60. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) これは別の場所でも答弁をしたわけでありますが、この百五十館体制というものをどうするか、今検討中であります。  考え方は、委員おっしゃるように、なるべく大使館のない国をなくしていく、少なくとも主要なる先進国と同じ体制をつくっていくというのは一つの考え方で、大使館の最低限の機能として例えば邦人保護というものがあるとすると、大使館もないところでそれが十分できるのかという議論もありますから、そういった大使館のない国を減らしていくというのは一つの考え方だと思います。  他方で、最近、新興国の議論がよく出ますけれども、非常に成長している国々、そういうところにも人をもっと重点的に配置したいと、そういう考え方もあります。  限られた資源をどのように効率的に使っていくかという問題でありますので、様々な考え方の中でどれを採用すべきか、今検討を行っているところでございます。
  61. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 限られた資源でありますので、やっぱり重点配備をする必要があると思っています。確かに、新興国という今後伸びていく国の重点も重要なんですが、今この十か国の中にありましたシエラレオネ、ブルンジといったいわゆる平和構築という分野、これは日本外交では大きな柱だと思っているんですよ。こういうところについて、なかなか新興国と言えるほどの国ではないんですが、例えばブルンジというのは、いわゆるルワンダと同じようにツチ族とフツ族の本当に厳しい争いがあって、そういうことを経験した国である。また、シエラレオネというのは、いわゆる「ブラッド・ダイヤモンド」の映画にありましたように、ダイヤモンドの盗掘があって本当に国が大変だという国について、日本がやはり平和の構築として存在を示すために、そういう視点も今後大使館を置くというときに重要と思うんですが、大臣、どう思われます。
  62. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) そういう考え方も当然あると思いますし、私はどちらかというとそういう考え方に近いわけであります。  それから、この前ハイチに行って思いましたが、ハイチにも大使はいないと。そうしますと、これからやっぱり十年あるいは二十年、三十年とハイチの国づくりというものが国際社会にとって大きな課題になる。もちろん、援助のお金も集まりますし、それをどう使うかということも検討しなきゃいけない。そういうときに大使がいないということになりますと、国際会議なども出れないということにもなりかねません。これからの復興過程に日本が関与していくとするとハイチには大使を置いた方がいいのではないかと、そういう議論は当然あり得るわけであります。アフリカについても、今委員おっしゃいましたように、平和構築ということで考えたときに、早く置いた方がいいと、そういう判断もあり得ると思います。そういうことも含めて、よく省の中で来年度の概算要求に向けて議論してみたいというふうに思います。  ただ、そういうときにはどこか、やっぱりスクラップ・アンド・ビルドといいますか、どこかから定員などは確保しなければなりませんので、そういうこととの比較において考えられるべき問題だというふうに思っております。
  63. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 是非すばらしい展望をつくっていただいて、やはり日本国として、これは政権交代云々の問題ではなくて、やはり日本国としての外交をどう持っていくかという問題でありますので、長期展望をつくっていただきたいと思っております。  続きまして、この前の予算委員会の集中に関連しまして、核廃絶の問題に少しもう一度戻りたいと思っているんですが。四月の十二、十三に核安全サミットに、この前の委員会で、鳩山総理が出席されるという御答弁もいただきました。そういう意味では、この場での日本の貢献の在り方、またこの四月は、従来から指摘しておりますように、国連の安全保障理事会の日本は議長国であるという意味で、この核安全サミットとともに、安保理としてこの四月にどのような日本は役割を果たしていくのかについて、まず御答弁いただきたいと思っています。
  64. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、核セキュリティーサミットへの総理の出席ですが、総理が大変な意欲をお持ちであることは間違いありません。ただ、政府としては最終的に決めておりませんので、そのことだけはちょっと申し上げておきたいと思います。なるべく総理の御意向というものを尊重してと思いますが、これは国会との関係も当然ございます。    〔理事山根隆治君退席、委員長着席〕  それから、四月に日本は議長国になると、安保理の、ということは非常に重要なことであります。  一つ予想されるのは、やはりイランの問題です。イランに対する制裁の議論というのが、今は主として六か国で行われておりますが、それが安保理の場で議論されるということになるタイミングは、四月ということは非常に重要なタイミングではないかというふうに思います。議長国としてそれをしっかりと取り仕切っていかなければなりません。  それから、議長国として何らかの、何といいますか、委員もおっしゃいました、テーマを決めて、そして議論できるというチャンスもございます。これを委員のおっしゃるように核の問題で議論するのか、それとも日本が核と同様積極的に取り組んでまいりました平和構築の問題でやるのか、そしてやるときに総理が行くのか外務大臣が行くのかと、そういうことについて、まだ今決める段階には至っておりません。
  65. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 平和構築も重要な問題だと思っています。そういう意味では扱ってほしいと思っているんですが、やはり今年の四月というのは特別なタイミングなんですね。五月がいわゆるNPTの再検討会議があると。これ、五年に一回しかないわけです。その直前の月であると考えると、平和構築も重要なんですが、やはり核というのはやっぱり扱ってほしいなと。核だけという限定することはないと思うんですけれども、そこら辺についてやはり、最大の日本の晴れ舞台にもなりますし、難しいと思いますけれども、是非これは努力をお願いしたいと。  それともう一点、イランの問題がかかるという話がございました。これについては、アメリカなりヨーロッパの強い要請があるんだと思います。日本も、イランとの関係もありますけれども、やはり核の疑惑に対しては決然たる対応をする必要があると思っています。  ただ、そのときに、やはりイランはイランのいろんな論拠もあるでしょうし言い分もあるでしょうし、それだけ欧米の国が言うんであればカウンタープロポーザルをしてもいいんじゃないかと。私のカウンタープロポーザルというのは、この前も予算委員会の集中で言いましたように、国連の安保理で、消極的安全保障については、九五年の決議というのはあくまでテークノート、留意になっているわけですから、それを本文化するというのは、これはそれだけアメリカとかイギリスとかフランスとかが言うんであれば、それぐらいしろよと。  しかも、これについてはかなり機運も高まっていて、NPTの上でも非常に重要なわけですよね。しかも、イランにとってみれば、そういう国からの核攻撃があるかもしれないから我々も核開発をするんだという言い訳をつくることにもなるわけですから、そういう言い訳をつくらないためにもそういう努力、カウンタープロポーザルをするというのは、私は、鳩山総理は別だと言われましたけど、別ではないと。それぐらいのしたたかな外交姿勢が日本にあってもいいんですけれども、岡田外務大臣、どう思われます。
  66. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) イランの問題は非常に重要で、一昨日も私はモッタキ外相と一時間以上話をいたしました。様々なことを話をしているところでございます。  ただ、イランは、自分たちは核の平和利用はするけれども、核兵器の開発は絶対しないと、そういう姿勢でおりますので、核開発をすることを前提に消極的安全保障を、何といいますか、取引材料にというのは、それはイランが自ら否定しているにもかかわらず核開発を認めるという、そういう話につながりかねませんので、私は、今そういうやり方は好ましくないのではないかというふうに思っております。  それから、消極的安全保障というのは、アメリカは私はそれをより強調する方向にあるのではないかというふうに思っておりますけれども、核保有国の中でそれで完全に一致しているかというと、必ずしもそういうことではない、いろんな条件も付いてくるということで、核保有国が消極的安全保障という考え方をより明確に認め、そして将来的に例えば安保理決議で法的拘束力のあるものにするというのは、私もそれを目指したいというふうに考えておりますけれども、なかなかすぐにいく話ではないと。やっぱり一つずつ、核保有国、説得していかなきゃいけない問題だというふうに思っております。  来週予定されておりますG8外相会合でも、私はこの問題を取り上げてしっかり議論したいというふうに思いますし、この前、フランスのクシュネール外相が来られたときにも持ち出しました。フランスは大分固いです、核の問題については、最低限のものしか持っていないと。こういうことで、なかなか話合いは厳しいわけですが、しかし是非議論は持ち出して少しでもその輪が広がるようにしていきたいと、そういうふうに考えているところであります。
  67. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 是非、G8サミットの外相会合で議論を深めていただきたいと思っています。  あわせて、もう一点、この外相会議でお願いしたいのが、いわゆるICNNDのレポートが昨年十二月に出ました。これは日本とオーストラリアでリーダーシップを示したわけですけれども、これについてはオーストラリアはG8に入っていませんので、日本外務大臣としてこれを御紹介いただいて、是非賛同を得るように御努力いただきたいことを最後に質問しまして、私の質問を終わりたいと思います。
  68. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) G8外相会議の場で言うのがいいのかどうかですが、当然バイの会談もかなり時間の許す限りやっていこうと思っておりますので、アメリカには、ゲーツ長官やクリントン長官には、手紙で私はこの報告書というのは非常に重要な中身を含んでいるということは申し上げたところですが、ほかの国の外相に対しても機会をとらえてそういったことを強調していきたいというふうに考えております。
  69. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 終わります。
  70. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  議題となっています法案は、必要な措置であり、賛成であります。その上で、今日は、高校無償化法案の朝鮮学校への適用に関連して、人権に関する国際条約への対応についてお聞きいたします。  日本共産党は、高等、中等教育の無償化を定めた国連人権A規約、十三条の(b)、(c)項について留保の撤回を求めてまいりました。衆議院の予算委員会岡田外務大臣は、予算が成立し法案がきちんと成立すれば、直ちに撤回についてそれを求めることができると答弁をされました。昨日、予算は成立をいたしまして、法案もほぼ近日中に成立する見込みであるわけですから、成立すれば直ちに留保撤回に向けての手続に入っていただきたいと思いますが、外務大臣としての御決意、今後の手順について、これは外務大臣答弁に関することですから是非大臣からお願いいたします。
  71. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) お答えをさせていただきます。  外務大臣からも衆議院の予算委員会で御答弁して、先ほど御紹介いただいたとおりでございますが、外務省といたしましては、高校実質無償化法案と、我が国が同規定上、いわゆる人権規約の規定上負うべき義務との関係について精査をしておりまして、今まさにその留保の撤回についてどのような形で行うかも含め検討しているところでございますが、外形上の要件が整うように今判断をしているところでございます。
  72. 井上哲士

    ○井上哲士君 確認しますけれども、つまり、この法案が通れば外形上の、言わば外交上の要件としては整った、ほかの措置をあえてする必要はないという現時点での御判断でいいんですね。
  73. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) そのことも含めまして、いわゆる規約上の負う義務との関係を精査をしているところでございます。
  74. 井上哲士

    ○井上哲士君 教育の無償化という国際水準に追い付くという点で高校教育の無償化は歓迎でありますし、是非この留保の撤回を直ちに行っていただきたいと改めて求めておきます。  一方で、一連の国際条約から見ても問題なのが、この無償化から朝鮮高校を除外しようという動きであります。一部閣僚が拉致問題と絡めて朝鮮学校を無償化の対象から外すように求めたというのが発端であります。  朝から別の問題で物議を醸していらっしゃるので大変残念でありますが、国連人種差別撤廃委員会が三月の十六日に日本の人種差別撤廃条約の実施状況を検証した報告書を発表しております。この中で、この動きについて、子供の教育に差別的な影響を与える行為として懸念を表明をして、その上で、教育機会の提供に一切の差別がない状態を確保するよう勧告をいたしました。  文部科学省来ていただいておりますけれども、この勧告をどう受け止め、どう対処されるんでしょうか。
  75. 高井美穂

    大臣政務官(高井美穂君) 御指摘をいただきました最終見解の部分でございますけれども、該当部分、仮訳ですが申し上げますと、委員会は、次の事項を始めとする子供の教育への差別的な影響を及ぼす行為について懸念を表明するということで、その後の項におきまして、締約国において、現在国会に提案されている公立及び私立の高校、専修学校、そして高校に相当する課程を置く多様な機関の授業料を無償とする法制度変更において、北朝鮮の学校を除外することを示唆する複数の政治家の姿勢、この点が問題であるというような、正確に言うとこういう御指摘でございました。  十六日に出されましたけれども、我々、法案審議に二月二十五日から入っておりまして、恐らく推測いたしますに、この撤廃委員会の方は、こうした国会のいろんな議論やマスコミ等に出てくるいろいろな発言等を踏まえた上でこうしたことを出されたのではないかと推測をいたしますが、この最終見解というものは御承知のように法的拘束を有するものではございませんけれども、こうした内容を改めてきちんと精査をした上で、対応をする必要があれば対応するということで、現在検討しておるところでございます。これからも検討を進めてまいりたいと思っています。
  76. 井上哲士

    ○井上哲士君 これは、勧告は是非重く受け止めて、教育機会の提供に一切の差別がないと、こういう状況を実施をしていただきたいと思うんですが。  今年の三月の三日に国連の第十三回人権理事会で、外務省の西村政務官がステートメントに立って、我が国は本年二月には人種差別撤廃条約に基づく政府報告審査を受けたところであり、委員会からの勧告等については積極的に対応してまいりますと、こういうふうに外務務官は述べておられます。今回の報告書を受けて外務省としてどういう積極的な対応をするのか、いかがでしょうか。
  77. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) 外務省としても、今文科省が答弁されましたように、関係省庁とともに適切に対処をしていきたいというふうに思っております。
  78. 井上哲士

    ○井上哲士君 法案自体は所管が文部科学省でありますけれども、文部科学省に対して、こうした勧告を受け止めること、そして人種差別撤廃条約を始めとした人権諸条約を守る、そういう立場でしっかり働きかけをしていただきたいと思いますけれども、その立場はありますか。
  79. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) 今回の高校の実質無償化の対象となる範囲については、我々としては外交上の観点等で判断するものではないというふうに思っておりまして、高等学校の課程に類する課程としての位置付け上、制度上どう担保するかという観点で文科省が判断されるものというふうに理解をしております。外務省としては、何か必要があれば意見を申し上げますが、現時点においてはその必要は感じておりません。
  80. 井上哲士

    ○井上哲士君 現に、この朝鮮学校の適用についてはもう先延ばしになっているわけですね。そして、そういう国会でのいろんな議論動きの中でいろんなやっぱり問題が起きているんです。  今回のこの人種差別撤廃委員会の報告書では、さらに、朝鮮学校に通う子供を含む集団に向けられた明白かつ重大な発言や行動に懸念を表して、コリアンに対する暴力行為及びこの点における当局の対応が不適切であるとする報告に懸念し、政府が当該行為を防止し、それに対処するためのより断固とした措置をとるよう勧告をしているわけですね。  外務省として、当然、関係省庁との連携や具体的な措置をとっていくことが必要かと思いますが、この勧告をどういうふうに受け止めて対応されるつもりでしょうか。
  81. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 先ほど申し上げましたように、この勧告自身は法的拘束力を持つものではありませんが、その中で述べられた今委員の引用された部分というのは、これはやはり、そういったことは子供には全く罪はないわけでありまして、それに対して差別的な言葉を投げ付けるとかいろいろな嫌がらせ行為があるというようなことは、これはやはり看過し得ないことだというふうに思います。  したがって、関係省庁ともよく連絡を取りながら、そういう事実があればきちんと対応をしていく必要があるというふうに思っております。
  82. 井上哲士

    ○井上哲士君 私は京都住まいでありますが、その南区というところに朝鮮第一初級学校というのがありまして、ここでも最近本当にひどい嫌がらせがありまして、一月に京都弁護士会の会長が声明を出されております。  これは、授業中に正門前で、ある市民グループが拡声機で約一時間にわたって大音量で罵声を投げ付けたと。朝鮮学校、こんなものは学校でない、スパイの子供やないか、朝鮮学校を日本からたたき出せと、こういうようなことが授業中に行われたということで、これは明白な人権侵害であり一連の国際条約にも反するということで、弁護士会の声明が出されております。これは京都だけでなくて、様々この間、全国でもあるわけですね。今大臣もおっしゃいましたけれども、拉致は許し難い行為ですけれども、何の責任もないこういう子供たちが言わば報復的に人権侵害を受けるようなことは、私はあってはならないと思うんですね。  私は、この間の一連のそういう一部閣僚の発言とか、それに基づく政府動き、例えば、国交がないので教育内容が分からない、何かえたいの知れない学校かのような発言が出されたりしました、こういうことがむしろこういう発言や差別行動を助長しているんではないかと、こういう懸念があるわけですね。そういうことをやはり外務大臣として閣内等でも問題提起をして正していくべきじゃないかと、こう思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  83. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) そこまで行きますとちょっと、何といいますか、想像にわたる部分があるのかなというふうに思います。閣僚の発言がそういった行為を助長しているというふうには私は思いませんが、しかし、委員が今御指摘のようなことがあちこちで起きているとすると、それについては、政府としてもどういった対応ができるのかよく議論してみる必要があるというふうに思います。先ほど申し上げましたように、やっぱり子供たちに全く罪はないわけでありまして、そこについてきちんと対応していく必要があると、そういうふうに思っております。
  84. 井上哲士

    ○井上哲士君 今挙げた南区の例は昨年末のことですので、これは直接関係あるということを申し上げる気はないんですが、やはりそういう空気を醸成するようなことは慎むべきだと思うんですね。  先ほどの答弁にありましたように、高校課程に類するかどうかということが今後の判断基準だということでありますが、子どもの権利条約は第二十九条で教育の目的というのを定めておりまして、締約国は児童の教育が次のことを指向すべきことに同意するとした上で、児童の父母、児童の文化的同一性、言語及び価値観、児童の居住国及び出身国の国民的価値観などへの尊重の育成というのを挙げているわけですね。  まず、外務省にお聞きしますけれども、今後、この無償化適用を判断するという上で、こういう教育に関する条項が十分に配慮されるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
  85. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) 先ほども申し上げましたように、このことは一義的には文科省が今検討を加えておられますし、また、いろんな検討に関してもどういった形でやるかを検討されているというふうに承っておりますので、そのことを我々としても見ながら、必要があれば意見を言っていきたいと思います。
  86. 井上哲士

    ○井上哲士君 これは、子どもの権利条約、日本が批准しているわけですから、これがしっかり生かされるべきだと思います。  文部科学省、お聞きします。  朝鮮学校は日本の学習指導要領に準拠したカリキュラムを取って、都道府県に教育内容も届出をしております。同時に、朝鮮史とか、それから朝鮮語の授業もあるわけですね。しかし、今、子どもの権利条約で教育の目的というところを挙げましたけれども、父母との文化的同一性や言語及び価値観、出身国の国民的価値観、これへの尊重を育成するということからいいますと、今後、この教育課程を検討し無償化の適用を判断する上で、朝鮮史や朝鮮語を学んでいるとか、こういうことが適用の妨げになってはならないと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
  87. 高井美穂

    大臣政務官(高井美穂君) 私どもも、御指摘のあった児童の権利条約に関しては、文部科学省の教育政策を実施する上で当然尊重すべきものであるというふうに考えた上で、先ほど来御指摘ありました件ですが、あくまでも文部科学省としては、後期中等教育に値する、類するという課程に当たるかどうかをきちんと対象として、そういう学校を対象とするということの中で、その客観性をあくまでも担保しなくてはならない、確保しなくてはならない。その位置付けが学校教育法その他制度的に担保されているものを規定する、その担保されたものに対して支払をするというふうに考えておりますので、再三、文部科学委員会や文教委員会でも大臣からも御答弁ありますけれども、外交や、またその他の問題等で決めるというのではなくて、あくまでも客観的に後期中等教育の課程に類する課程とみなされるかどうかできちんと決めたいと思っています。  なので、中身について、何をどう教えているからどうだこうだという話ではなくて、カリキュラム等、いわゆる制度的にきちんとこの課程に類するかどうかを判断するということで今検討をしているところであります。
  88. 井上哲士

    ○井上哲士君 人種差別撤廃委員会の勧告にありますように、教育機会の提供に一切の差別がないということがちゃんと実施されますように強く求めまして、時間ですので終わります。
  89. 山内徳信

    ○山内徳信君 私は、社民党・護憲連合の山内徳信でございます。  通告しましたときは外務大臣最初にお伺いしたいと思っていたんです。核の再持込みとか非核三原則について論議を深めておきたいと思いましたが、今朝の新聞を見ますと、防衛大臣は今日午後から沖縄にいらっしゃると、こういう報道がありましたから、急遽繰り上げて防衛大臣から先に、時間があれば外務大臣にお伺いしたいと思っているんですが。  さて、今日は防衛大臣は沖縄入りが決まっておりますが、沖縄県知事を始め、どなたにどういう目的でお会いに行かれるのでしょうか、なるべく詳しく説明をお願いいたします。
  90. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) お答えをいたします。  今日、民航機で沖縄へ入りますが、沖縄県議会議長とまず面談をいたします。御要請があったことにこたえるということであります。次に、翌日、沖縄県知事を表敬訪問をさせていただきます。また、第十五旅団新編行事に参加する、これが主目的であるわけであります。それから、さきの委員会でも議論になりましたが、与那国町長を表敬訪問をするということで日程を調整をいたしました。
  91. 山内徳信

    ○山内徳信君 特に、沖縄県知事と県議会議長との話の内容はどんなものでしょうか。
  92. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) こういう情勢下でもありますので極めて微妙な話になるというふうに思いますが、基本的には、今官房長官の下で進められて、我々もつい一昨日経過を説明をされました。許される範囲で地元の知事に申し上げてまいりたいというふうに思っております。
  93. 山内徳信

    ○山内徳信君 沖縄から伝わってきておりますのは、北澤防衛大臣を迎えて抗議団が、なぜ沖縄なのか、なぜ沖縄の陸上案なのか、なぜ沖縄の与勝海上案なのかと、こういうことについて、やはりそのままでは沖縄側としては黙っておれないと、こういう動きがあるやに聞いております。  それは一つの状況でございますが、今回の陸上案については、どうも沖縄の人々は、防衛省あるいは防衛大臣がある特定の人を通してそういう陸上案への操作をしていらっしゃるんじゃないかと、こういうふうに受け止められておりますが、いかがですか。
  94. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 極めて摩訶不思議な話でありまして、私はそのようなことは全くありませんし、現在、官房長官の下で進められていることに対して、防衛省側とすれば知見を有した特命チームを五名編成で内閣官房の方へお手伝いをさせておりますが、私の個人的な意見とかそういうものをその場に反映させるというようなことは全くありません。
  95. 山内徳信

    ○山内徳信君 先ほども質問がありましたが、普天間は基本的に普天間移設なんです。負担軽減。ところが、最近使われておる言葉が全部普天間の危険性の除去という言葉に矮小化されておることは、政党関係者は全部、社民党もそういうふうに感じておるんです。県民もそういうふうに感じておるんです。したがいまして、やはりちゃんと普天間を移していくと、こういうことが危険性の除去につながるんだろうと思っております。  もう一つは、北澤大臣は歴史の教訓に学ぶとおっしゃいました。学ばれたその中身は何でしたか。
  96. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) いろんな議論をする前提として、沖縄の基地のありようについていろいろ承知をしたものについてそういう表現を用いたわけでありまして、私の思いの中には、沖縄に新しい基地を造らないというのは沖縄の県民の皆さん方の切なる願いであるということが前提になっておりますので、基地内の移動の、楚辺の通信所の事例を挙げて申し上げた次第であります。
  97. 山内徳信

    ○山内徳信君 私のところにいらっしゃれば本当の歴史の教訓を学ぶことになったと思うんです。  楚辺通信所は俗称象のおりといってスパイ基地と言われたんです。私は立場上、何度も中に入って交渉をしてまいりましたが。例えば読谷にある瀬名波通信所、トリイ・ステーションという陸軍の通信所の方に移していく、これはむしろ私たちも縮小という意味で勧めたわけなんです。  楚辺通信所は読谷飛行場の西の一角に建っていたんです。読谷飛行場を、読谷補助飛行場はパラシュートの降下演習場でしたから、海兵隊の、それを読谷に返還するためには、その飛行場の中から通っておりますケーブルが嘉手納飛行場に通っていましたから、それをやはり通信所を移さぬと読谷飛行場の返還ができないと、こういうこともありまして、キャンプ・ハンセンの喜瀬武原の一角に移っていきます。  当時の金武町長さん、訪ねてきました。この楚辺通信所は生活に、あるいは生活環境にどうかと。そして、当時の読谷の周囲の環境をお話し申し上げました。それで、結果としてキャンプ・ハンセンという基地の一角に、喜瀬武原の近くに立地したわけです。  ところが、今回、大臣は、防衛省は、基地の中に造るんだからという発想でございますが、県民の抵抗をなくするには基地の中に造ればいいじゃないか、造れるんじゃないかと、これは安易過ぎると思ったんです。  要するに、通信所は周囲の生活環境に与える影響はそれはほとんどないのかもしれません。ところが、今、普天間の代替施設としての陸上案は二か所ありまして、千五百の陸上なのか、五百メートル滑走路の陸上なのか、これは後でお尋ねしますが、やはり飛行場とアンテナしか立っていない通信施設とは違うわけです。そういうことで、歴史の教訓から学ぶということにしては少し事例としては良くなかったんです。  そういう意味で、陸上案は千五百メートルの滑走路の造る陸上なのか、五百の陸上なのかをお尋ねいたします。
  98. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 山内先生とは初当選以来、この委員会で大変お親しくしていただいておりまして、今のお話からすればもう少し懇親の時間を取っておけばよかったなと今しみじみ思っております。  そこで、今のお話でありますが、これは私は全く何の前提も置いておりませんし、先ほど申し上げましたように、五百メートルであるとか千六百メートルであるとかというようなことを私の方から発信したという事実は全くないわけでありまして、これはあくまでも報道がどういう事象に基づいて報道しているのか分かりませんけれども、あくまでも報道上の話であって、私が関与しているということはありません。
  99. 山内徳信

    ○山内徳信君 二十三日の夜の関係閣僚会議ですか、それを受けて、また新聞、テレビは、陸上案、与勝海上案、そして鹿児島県の徳之島とか、この三本しか報道されていないんです。それほど沖縄をばかにするのかと。沖縄の基地じゃなくて日本の基地問題であるのに、どうして沖縄だけに封じ込むんだと。それはもう人権の問題、差別の構造じゃないのかと、こういう怒りが満ち満ちておるわけであります。  そういうふうなことでは問題は解決はできぬわけです。広く選択肢を広げて、国内、国外も含めて検討しなければこれはとても、今政権が進めようとしているのは、針の穴からこんな大きな麻のロープを通そうとするようなもので、これは不可能であります。  そこで、あと三分しかありませんから、もう一点御指摘申し上げておきますが、官邸の中に、どうも動きとして伝わってくるのは、新しい勝連沖案について概要を申し上げますが、普天間は四百八十一ヘクタールです、面積。ところが、新しく今官邸にも提起されておるというように新聞は報道しておりますが、一千二百十ヘクタールのすごい大きな島を造ろうという話なんですね。それは普天間の代替施設じゃないでしょ。これが問題の一つ。  私は、そのかいわいはよく承知しております。不思議なことに私はその近くの高等学校に六か年勤務しましたから、特に希望して、離島の島は全部私に家庭訪問をさせてくれと言って、私は島伝いにそこに泊まって回ってきていますから、ここはよく承知しています。私の学級の遠足の場所は浮原、ウチバルグァーと言います。そこに船をチャーターして、生徒五十名ぐらい連れて、そこへ行ってキャンプを張ったりしたんです。そういうきれいな海です。そういうふうな海でございまして、そしてこれは、何度も出ては消え、消えては出てきた案でございます。したがいまして、こういう出ては消え、消えては出るようなものは、やはり歴史の教訓として、ああ、これは駄目だなと。一回失敗したものは二回も三回も四回も失敗したらいかぬのです。  そして、最後に申し上げますが、この海域は、沖縄県の自然環境の保全に関する指針というのがあります。ランクをⅠ、Ⅱ、Ⅲと決めるんですが、ランクワンです、ランクⅠ。ランクⅠというのは、自然環境の厳正な保護を図る区域と決められておるんです。そういうところに、国家権力ならばそういう自然を保護せぬといかぬようなところにもやはり手を入れて破壊せぬといかぬのかと。だから、ここは日本一のモズクの産地なんです。もう漁民は、漁業組合は反対というのろしを上げておるんです。そういうことをひとつ北澤大臣、肝に銘じて沖縄に行かれていただきたいと思います。  終わります。
  100. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  在外公館名称及び位置並びに在外公館勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  101. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、山本君から発言を求められておりますので、これを許します。山本一太君。
  102. 山本一太

    ○山本一太君 私は、ただいま可決されました在外公館名称及び位置並びに在外公館勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新日本、自由民主党・改革クラブ、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     在外公館名称及び位置並びに在外公館勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   今日、国際情勢が不透明さを増している中、我が国に求められているのは、国益を踏まえつつ、国際社会との協力・連携の下、国際的諸問題に毅然と対応する外交力であり、そのためにも我が国外交を担う外務省の体制強化と危機管理体制の改革が強く求められる。他方、国内においては、依然として財政事情が厳しく、経済も苦境に直面しており、在外職員に支給される在勤手当など、在外公館に係る様々な経費についても、国民から厳しい視線が注がれている。外交体制強化等への取組に際しては、こうした国内事情を重く受け止め、国民の声に真摯に応えていく必要がある。   これらを踏まえ、政府は、本法の施行に当たり、次の事項について検討の上、適切な措置を講ずるべきである。  一、我が国の外交力強化の観点から、外交の最前線基地である在外公館の重要性にかんがみ、我が国の国益、相手国との相互主義等を踏まえつつ、戦略的に大使館の実館化を進めること。あわせて、国際的な影響力が高まりつつある新興諸国等における我が国の在外公館の体制強化に努めること。  二、在外公館においては、大規模自然災害や犯罪・テロ等の緊急事態の際、在外邦人に対して迅速かつきめ細やかな支援を行えるよう、情報の日常的な提供・共有体制等も含めて危機管理体制の機能拡充に努めること。  三、我が国の厳しい財政事情を厳粛に受け止め、在外公館にかかわる予算の効率性・透明性を高めるとともに、その執行に当たっては、適切な支出が図られるよう具体的な措置を講ずること。  四、在勤手当については、各任地の事情を勘案するとともに、民間企業や諸外国外交官給与手当水準、為替・物価の変動など客観的な基準を踏まえ、必要に応じて全般にわたる見直しを行うこと。見直しに際しては、国内の財政事情及び外交活動を推進する上での必要性の双方を考慮し、適切な額を算出すること。なお、外務省が平成二十二年度に実施する各地の生計費調査の結果及びその在勤基本手当等への反映状況については、国会に対して十分な報告を行うこと。  五、国際社会のグローバル化による海外渡航者や在外邦人の増加に伴って領事業務の重要性が高まっていることにかんがみ、邦人の活動環境を向上させるため、国民の視点に立った領事サービスの不断の向上に努めること。  六、外務省においては、より一層の情報公開と外交機能強化のための組織・制度の改革に全力で取り組み、その成果を国民に対して分かりやすく説明すること。  七、在外公館における監査・査察体制の一層の強化を図ること。  八、国際機関における幹部職員を含め邦人職員の増強に向けて国際社会に通用する人材の一層の育成を図るとともに、援助や平和構築など様々な分野において高級幹部も含め外部の人材の積極的活用を図ること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  103. 田中直紀

    委員長田中直紀君) ただいま山本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  104. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 全会一致と認めます。よって、山本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、岡田外務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。岡田外務大臣
  105. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 在外公館名称及び位置並びに在外公館勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案を可決いただきまして、誠にありがとうございました。  外務省としては、ただいまの附帯決議の御趣旨を踏まえつつ、今後とも外交実施体制の強化を図り、種々の外交課題に全力で取り組んでまいる所存でございます。
  106. 田中直紀

    委員長田中直紀君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  107. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五分散会