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2010-05-12 第174回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十二年五月十二日(水曜日)    午後三時開会     ─────────────    委員異動  三月二十三日     辞任         補欠選任      相原久美子君     金子 恵美君  四月十二日     辞任         補欠選任      中川 義雄君     泉  信也君  五月十一日     辞任         補欠選任      喜納 昌吉君     梅村  聡君  五月十二日     辞任         補欠選任      横峯 良郎君     平山  誠君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         市川 一朗君     理 事                 岩本  司君                 谷岡 郁子君                 島尻安伊子君                 伊達 忠一君     委 員                 梅村  聡君                 金子 恵美君                 今野  東君                 佐藤 公治君                 自見庄三郎君                 田中 直紀君                 平山  誠君                 秋元  司君                 泉  信也君                 中川 雅治君                 義家 弘介君                 木庭健太郎君                 紙  智子君                 山内 徳信君    国務大臣        外務大臣     岡田 克也君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣沖縄及        び北方対策))  前原 誠司君    副大臣        内閣府副大臣   大島  敦君        外務大臣    福山 哲郎君        厚生労働大臣  長浜 博行君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        泉  健太君        防衛大臣政務官  長島 昭久君    事務局側        第一特別調査室        長        杉本 勝則君    政府参考人        内閣府政策統括        官        原田 正司君        内閣沖縄振興        局長       清水  治君        水産庁資源管理        部長       江口洋一郎君        国土交通大臣官        房審議官     日原 洋文君        国土交通省航空        局次長      石津  緒君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する  調査  (沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件  )     ─────────────
  2. 市川一朗

    委員長市川一朗君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日までに、相原久美子君、中川義雄君、喜納昌吉君及び横峯良郎君が委員辞任され、その補欠として金子恵美君、泉信也君、梅村聡君及び平山誠君が選任されました。     ─────────────
  3. 市川一朗

    委員長市川一朗君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府政策統括官原田正司君外四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 市川一朗

    委員長市川一朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 市川一朗

    委員長市川一朗君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のうち、沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 民主党の谷岡郁子でございます。  皆様方におかれましては、今日もよろしくお願いしたいと思います。  今、連日新聞等をにぎわしております問題というのは、もちろん普天間問題でございます。これは問題というふうに言ってしまうから私はむしろおかしくなるのであって、本来は、長年見直されてこなかった沖縄の問題というものを根本的に見直すチャンスであるというふうにとらえるべきではないかというふうに考えますし、また、何十年も放置されてきた問題を政権交代によって見直されたということを大事なことだと思っております。同時に、この問題は非常に複雑な、またとても難しい問題でありますけれども、この問題、これを取り上げて、本当に正直に、沖縄方々が今までされてきた御苦労というものを国民がどのようなものであるのかというのを初めて本格的に共有するというこの半年間であった、私はそのように前向きに考えたいというふうに思っているところでございます。  そこで、今日御質問申し上げたいのは、やはりいまだにこの問題あるいは基地移転代替案に対する必要条件というものが私たちの目にまだ明らかでない部分があるということの中で、そういう問題等をクリアにしてまいりたいというふうに思います。  この連休の間に、私は、ワシントン日米そして日米韓議員会議に参加をさせていただきまして、その間を縫って様々な方々にお会いをしてまいりました。その中で、五月六日、ワシントン連邦議会内で行われた日米韓議員会合において、グアム選出下院議員でありますマドレーヌ・ボルダーロ氏が、沖縄からグアムへ移る海兵隊員数は八千六百人と契約書に書かれていると発言なさいました。私どもはずっと八千人というふうに聞いているけれどもこの数字は確かなのかということを聞きまして、そのアシスタントの方にも確かめていただいて、やはり八千六百人という数字が出てまいりましたけれども、これは政府見解と同じだというふうに考えてよろしいのでしょうか。防衛政務官にお聞きいたします。
  7. 長島昭久

    大臣政務官長島昭久君) お答え申し上げます。  今御指摘いただきました契約書という文書があることは私どもは承知しておりません。ただ、それに恐らく符合するだろうという文書考えますと、昨年の十一月にグアム環境影響評価、つまりグアム移転が行われることを想定して、私どもロードマップで八千人と、こういうふうに言っているわけですけれども、その部隊グアムに来たときにどういう環境影響があるかということを評価するそのドラフトが発表されまして、これによれば、在沖米海兵隊を含む約八千六百名、実数でいうと八千五百五十二名というふうに言っておりますけれども、これが想定されていると、こういう記述がございます。  ここに含むと私申し上げましたけれども、私どもとしては、日米で〇六年五月に合意をいたしました再編の実施のための日米ロードマップ、これに基づいてグアムへの移転を進めていこうとしているわけですけれども、ここには御案内のとおり、約八千名の第三海兵機動展開部隊の要員とその家族約九千人ということが、部隊一体性を維持するような形で二〇一四年までに沖縄からグアム移転すると、こういうことになることと承知しております。
  8. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 それで氷解いたしました。  今お配りしております資料の中で、グアム・US・ディフェンス・ディプロイメンツという、これはコングレショナル・リサーチ・サービスというところで、議会から出されております報告書がございます。その中の二ページ目、そこだけを抜き書きして線を引かせていただいたんですけれども、アプロクスメトリー・セブンサウザンド・マリーンズ・ウィル・リメイン・オン・オキナワ、つまり約七千人の海兵隊員沖縄に残存することになるであろうという記述がございます。  これが今まで我々にとってはなかなかよく分からなかった数字でありまして、ほとんど残らない、だから代替の飛行場は要らないとか基地は要らないとか、そういう議論も場合によってはなされたりと、いろんなことがございました。やはり、その代替基地が必要であるということを含めて、七千人ぐらいのこの数というものはほぼ政府認識と同じであるかどうかということを伺いたいと思います。
  9. 長島昭久

    大臣政務官長島昭久君) このCRSのリポートを私も読ませていただきました。ここに確かに七千人、およそ七千人のマリーンが沖縄に残ると、こういうふうに書いてあります。  ただ、これは脚注付いておりまして、ちょうどコピーをしていただきましたこの最後の脚注の七、この部分は、実はこの二つの、一つはロイターですけれども、もう一つデイリーリポート、これどういう媒体か分かりませんけれども、この二つに基づいてはじき出している数字であるように思われます。  私どもとしては、先ほど申し上げました日米ロードマップに基づいて、定数一万八千人というのが沖縄所在をしていると。もちろん、実数で見れば、例えば今アフガニスタンに何千人出ています、今訓練のために何千人出ていますということで、例えば沖縄の県庁の数字では一万二千人とか、そういう数字もあるわけですけれども、私たちはあくまでも一万八千人、第三海兵遠征軍沖縄所在一万八千人というところを基点にして、基数にして、日米間の協議の中で米側から、八千人グアム移転した後は一万人残るという、こういう説明を受けておりますので、いろいろ運用の仕方によってこれは上下、数字はすると思いますけれども、私どもとしては、第三海兵遠征軍一万八千人、定数ということですべての議論を組み立てて、日米の間で協議を重ねてきたということでございます。
  10. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 二、三千人のいわゆる幅ができるということは、これは軍隊として考える場合に通常のことかなと思いますけれども、五千人以下ということではなくて、そういう七千人から一万人というような数字が妥当であるというお考えだということで、私もそのようなものではないかというふうに今理解をさせていただきました。  その次のページを、資料をめくっていただきますと、五月十一日付けの朝日新聞朝刊辺野古工法埋立式からくい打ちにもしも変えた場合、これはまだこれが最終案かどうか分からないという状況であるというふうに理解をしておりますが、環境アセスをやり直す必要はないということが書かれております。これは、沖縄タイムスにもう少し詳しいものが出ておりました。  それは事実として受け止めるとして、この二つ工法ということを環境負荷という観点から考えた場合に、どのように違うのか、またそれは基本的に軽減されるという理解でよろしいのか、その点を伺いたいと思います。
  11. 長島昭久

    大臣政務官長島昭久君) これは、実はまだ協議が、協議といいますか、政府の中で、今日外務大臣沖縄北方大臣お見えですけれども、五人の大臣官房長官中心に今政府案を決めている、そういう最中でもございますし、先日は鳩山総理沖縄を訪問され、総理自らのお考えをお述べになったと、こういう段階でありますので、確かに報道では、埋立てなのかくい打ちなのかといろんな報道出ておりますけれども、今この段階でどちらかを想定して、これ、どちらが環境への負荷が高くなるのか低くなるのかということをこの場で申し上げる実は段階ではございませんで、環境への影響も含めて、具体的な内容は今ここでお答えするのを差し控えさせていただきたいということで御理解いただきたいと思います。
  12. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 最終結果がどうなるにしましても、また辺野古になるにしましてもならないにしましても、少しでも環境への負荷ということは小さくあるべきだと。とりわけ、今年十月には名古屋でCOP10、生物多様性条約会議日本主催国として行われるというような状況の中で、世界の目がやはり日本環境への取組に集まっているというふうに思いますので、是非できるだけその環境負荷ということにつきましては今後も検討を重ねていただきたいというお願いを申し上げたいと思います。  と同時に、この間のアセスにつきましては、県知事意見の中で、想定される飛行機の機種等につきましてはすべて含んだアセスをやってほしいという意見が付いております。これはまだ現段階で分かっていないのかもしれませんけれどもオスプレー配備というものが決まるというような状況になった場合には、やはりそのすべての機種をカバーするという意味でのアセスが行われるというふうに理解してよろしいのでしょうか。
  13. 長島昭久

    大臣政務官長島昭久君) 今お尋ね、二つに分けてお答えをしたいと思います。  一つは、オスプレー配備について。もう一つは、そのこととの関連で、県知事意見書についてどう扱うかというこの点。  オスプレー配備につきましては、一般論として、これは海兵隊のウエブサイトの中で海兵隊航空機計画というものが発表されております、毎年。その中にも、CH46あるいはCH53という老朽化したヘリコプターを随時このオスプレーという新しい機種変更、更新していくということが計画をされていると、このことは私ども認識をしております。  ただ、具体的に沖縄の、例えば今は普天間ですけれども沖縄の第一航空団ヘリコプターオスプレーに更新されていくのかどうかについては、実はまだ米側でも、計画にはあるけれども、実際に来るかどうかについての最終決定は決まっていないということを私ども外交ルートを通じて累次にわたって確認をしているところでありまして、したがいまして、今行われている代替施設建設事業に係る環境影響評価の対象にはオスプレーをしていないというのがまず第一段目であります。  そして、沖縄県の環境影響評価条例に基づいて私ども手続を進めてきたわけですけれども、例えば沖縄県議会での県側の答弁はこういうふうになっております。沖縄県の条例には、事業内容を修正等した場合における環境影響評価手続の再実施の要否について規定されているところであるが、あくまでも仮定の話として、報道されているような航空機、つまりオスプレーのような機種変更についてはその要件とはなっていないと承知していると、これが県議会でのやり取りの中での県側見解であります。  確かに、今、谷岡委員がおっしゃったように、私ども環境影響評価準備書に対する県知事意見の中にはすべての航空機を想定してほしいということが書かれておりますので、今後本格的に仮にオスプレーが導入されるというようなことになった場合、事業内容を修正するようなことが必要になった、そういう場合には、知事意見を勘案して、関係法令に従って適切に対応していくことになると、このことを申し述べさせていただきたいと思います。
  14. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 ありがとうございます。  やはり、私ども、これまでの沖縄人々の感情というのは、しばしばなし崩し的に、知らされないままに物事が行われていくということがあったということも大きいのではないかと思います。すべての皆様希望というものをかなえることができない場合でありましても、やはり透明性を持って、正直に、そして本気で誠実に対応するというその状況を確立していくということがこれからの信頼関係にとって大変重要だと思いますので、ただいまの政務官の御返答というものは、私は大変希望を持って聞かせていただきました。ありがとうございました。  さて、外務大臣にお聞きをしたいというふうに思っておりますが、沖縄負担ということに関して、軽減するということが今回のこの間の私ども苦労の、そして皆様方苦労の大きな根っこにある問題であるわけですけれども、なぜかつてロードマップで既に合意されたことをもう一度見直し政権交代とともにしたいとお考えになったのかということについて、やはりアメリカの側にはどのような説明をされてきたのか。これは国民の中に今ただ場所の問題だけが云々されておりますけれども、本来あった問題というものを政府としてどういうふうにとらえていらっしゃったのかということについて改めて御説明いただけないでしょうか。
  15. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) 谷岡委員も御案内のように、政権が発足をしてから、例えば日米外相会談、今日は岡田大臣も御同席いただいておりますが、四度にわたりまして会談をされていますし、2プラス2で検証作業というのもさせていただいておりますし、累次にわたりましてこの八か月間、アメリカとの間では、この交渉をする中で日本としては、日米双方抑止力を維持しながら、そして沖縄方々負担を少しでも軽くしていくためにどのような方法が最善かということに対してアメリカ側協議を申し入れ、そして協議を行ってきたところでございますので、そういった累次の会合において我々としては基本的にアメリカに伝えてきているというふうに認識をしております。
  16. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 その一方で、やはり今の状況、まだ、ワシントン議員方々と話をしていても、この問題に対してはほとんど認識しておられないなという感じを持ちますし、またシンクタンクを始めとして識者と言われる方々も意外と多くの事実を御存じないんだというのが私の率直な感想でございます。もちろん交渉担当者としてのアメリカ側に対するその議論というものも大事ですけれども日本でも同様のように、やはり世論というものを形作る、その中で政治が行われる、決定がなされるということでございますから、やはりそのアメリカ方々に広く、私ども感じている問題、そしてなぜ見直しが必要であるかという状況については理解をしていただきたいなというふうに思うところでございます。  今私が持ってきておりまして、皆様資料では最後に付けましたのがこのワシントン・ポスト、四月二十八日に出されました。これは全面広告なんですけれどもワシントン中心としたアメリカの草の根の関係者たちが、あなたのバックヤードに三十の軍事基地が欲しいですかという形の、そして沖縄がどんなところであるかということの、これはワシントン・ポストに出されましたその全面広告でございます。そういう動きがようやくアメリカの中でも始まってきたんだなと、多くの人々関心を持つ状況というものが出てまいったというふうに感じております。  それと同時に、訳の分からない形で独り歩きするのではなくて、ワシントンにあります日本大使館等を通じて、やはり適切に私どもの問題というものをアメリカ方々にも共有していただくためにこれからも発信を続けていかなければならない。また、ロビイスト等を使うのかもしれませんけれども、しっかりとアメリカ議員方々にも分かっていただくという必要性があるような気がいたしますけれども、この点についてはいかがお考えでございましょうか。
  17. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) 谷岡委員の御指摘はごもっともだというふうに思います。アメリカ国内でも御理解をいただかなければいけないというふうに思っておりますが、我々は選挙の間でも沖縄負担を軽減したいということを主張してまいりましたし、もう御案内のように、国土面積の〇・六%しかない沖縄県内に全国の約七四%の在日米軍専用施設・区域が集中しておると。そのための負担の軽減と危険性の除去というのは沖縄県民の非常に大きな思いだということを我々は受け止めた上で、この八か月間、鳩山総理中心にとにかくアメリカとの交渉をしているところでございますので、それはアメリカ議員の皆さんの理解というお言葉は理解をします。しかし、アメリカ議員の方でもすべてが日本との関係に関して関心を持たれているわけではありませんので、その中で、在米の大使館等も通じながら理解を深めていくように努力をしていきたいと思いますが、我々としては、これまでも米国政府と基本的には理解をいただけるように交渉してきたつもりでございます。
  18. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 外務省も予算が削られていく中で、かつてシンクタンクですとかジャーナリストの方々に行われていた大使館によるブリーフィングなんかもここのところ余り行われていないというふうにも私も聞いております。本当に大変な時期ではありますけれども、こういう大きな問題に関しましては、やはりそういう努力も重ねて、やっぱり日本側発信というものをしっかりやっていただきたいということをお願いしたいと思います。  さて、今大きな問題になっておりますのが、韓国の海軍の船が難破したという形の中で、その問題に関する北朝鮮の関与というものがますます疑惑が高まってきている状況というものがあるというふうに私は理解をしておりますけれども、これはこの極東地域の緊張を示すものなのか、そしてまた、その問題を踏まえて、こういうアジアの緊迫ということを踏まえた上で今政府としてこの基地問題等への決着をお考えになっているのかどうかということ、これは一般論でよろしいのでお聞かせいただけませんでしょうか。
  19. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) お答えいたします。  韓国哨戒艦沈没事案については、谷岡委員も御案内のように、現在韓国政府が引き続き詳細な原因究明にかかわる調査分析を行っているというふうに我々は承知しておりますので、日本政府として今ここでその問題についてコメントすることは適切ではないというふうに考えます。  しかし、一方で、いずれにせよ政府としては、地域の安全及び安定の観点から引き続き本件の推移は注視していく必要があるというふうに思いますし、一般論で申し上げれば、我が国周辺アジア太平洋地域をめぐる安全保障環境というのは依然として不安定であり不確実なものだというふうに考えておりまして、そのことを十分に我々としては念頭に置きながら今回の沖縄普天間基地の問題についても考えていきたいというふうに思っております。
  20. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 その結果として、最終的にすべての県外移設あるいは国外移設というようなものが可能でない場合、ただ、それは沖縄方々の期待ということとは変わってくるというふうに言わざるを得ないと思います。  しかし、その一方で、私、この間ずっと、沖縄でいつどういう形で人々の声が高まり、また沖縄が燃え上がったのかということをやってみますと、やはり米兵による犯罪等含めて、いろいろな形で地位協定とその関連約束に関する問題というものが多く絡まっているという感じを持っております。  そこで、やはりすべて国外県外へ出ることができないという状況になりますと、ますますこの地位協定見直し、そしてまた、その地位協定を単に見直すだけではなくて、それが確実に履行されるということを保証するような状況日本政府として何ともつくっていかなければならないというふうに感じるわけですけれども岡田外務大臣、このことにつきまして今どのような決意を持っていらっしゃるのか、御表明いただきたいと思います。
  21. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 地位協定の問題というのは非常に難しい問題だと思います。日本人の立場からすれば、同じ日本にあってどうして違うルールが適用されるのかと、当然そういうことになりますし、しかしアメリカ立場からすれば、異国の地でその地を守るために勤務をしている、そういう軍人たちに対して、なるべくアメリカ政府としてアメリカルールに近い形でその取扱いをしたいと、そこにそれぞれの考え方のぶつかり合いが出てくるということでございます。簡単に結論の白黒付く問題ではございません。  そういう中で、しかし、地位協定についても見直しの方向で検討するということが我が党の、あるいは連立三党の約束であります。この問題をこれから取り上げていく。例えば、環境の問題などは比較的議論が、私は接点が見出しやすいのではないかというふうに考えておりますが、そのほかの問題については、私はやはりこの普天間移設の問題がめどが付いたところでこういった問題を議論していくということにしないと、何でもかんでも全部一遍に議論しましょうということでは結局いい答えは見出せないというふうに思っております。  したがって、優先順位を付けるという意味では、やはり普天間移設移転の問題をまずしっかりと議論を行うと、そのことについてお互い信頼感を持って解決を見出し得たときに、その信頼感に基づいて地位協定の問題に取り組んでいくと、大きく言えばそういうことだろうと。しかし、環境の問題などはもう少し早く並行して議論できるのではないかと、そういうふうに思っているところであります。
  22. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 一つ一つ解決しながら、信頼性を築きながら、そしてこの普天間の問題の決着というものが沖縄の問題の解決の最後ではなくてむしろ始まりであるというお答えであったというふうに理解をさせていただきたいと思います。  同時に、最後に前原大臣にお聞きをしたいんですけれども、今後の沖縄振興、これはこれまで言われてきた振興というようなものではなくて、本当に沖縄をエンパワーし、そして沖縄自身が日本の一員として、そして本土と同じような、言わば幸せで豊かな生活を享受できるというところに持っていくということ、これは今回の問題で我々が再確認したことであろうと思いますが、そのことにつきまして更にお覚悟をお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  23. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 谷岡委員にお答えをいたします。  沖縄におきましては、県民が望む二〇三〇年ごろの将来像、これを実現をさせるために沖縄二十一世紀ビジョンというものが策定されたのは御承知だと思います。他方、国におきましても、沖縄振興議会等を通じまして現在の沖縄振興特別措置法に基づく諸施策につきまして総点検を行っておりまして、来年が最終年ということになります。  したがいまして、この沖縄の方から出されているものと、そして今回の振興計画をレビューをいたしまして、委員がおっしゃるように、従来の沖縄振興計画の延長線でいいのかどうかということも含めて、新たな観点から真の自立とそして持続可能な沖縄経済の発展のためにどういったことをしっかりやるのかということを含めて検討し、そしてポスト沖縄振興計画に取りまとめていきたい、このように考えております。
  24. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 自由民主党、島尻安伊子でございます。  普天間基地の問題についてはちょっと後回しにさせていただきまして、まず、沖縄の市町村の国保の赤字問題についてお聞きをいたしたいというふうに思います。  これは三月二十三日の当委員会で自民党の秋元司委員から、そしてつい先日、五月十日の衆議院の沖北委員会で公明党の遠山清彦議員からも質問がございました。私からもこれに関連してお聞きをしたいというふうに思います。  遠山議員の十日の質問に対する長浜副大臣の御答弁がございましたが、その中にありますように、この後期高齢者医療制度が国保財政にマイナスになっているという反面、前期高齢者財政調整、これのプラス効果が上回ったということでございます。制度の改正前の平成十九年度が五百八十一億円の赤字だったのに対して平成二十年度は約四百五十億円の黒字になっていると。市町村の国保全体としては約一千億余りの改善になっているということでございます。この件は御答弁の中でお話をなさったことですので、これに間違いはないというふうに思っております。  しかしながら、沖縄県におきまして、御案内のとおりではあるんですけれども、この前期高齢者の加入割合が極めて低いと、沖縄県のものでございますけれども。この加入割合が低いということで、前期高齢者の財政調整による交付金が少なくなってしまう、平成十九年の退職者医療制度の交付金をも下回ってしまったと。二重のマイナスで財政が悪化の一途をたどっているという現状であるということでございます。  九州八県における平成二十年度の前期高齢者財政調整制度の差額で見ますと、福岡県が約二百五十五億円のプラス、人口八十五万人と人口の一番少ない佐賀県でも三十九億円のプラスということで、軒並み黒字であるということであります。唯一沖縄県は、人口百三十五万人ではありますけれども二十二億円の赤字であるという現状でございます。  一方で、今般、前期高齢者財政調整制度の影響で交付金の減少分に特別調整交付金が補てんされたということは一定の評価がされているところでございますけれども、これはあくまでも減少分に対する補てんでありまして、沖縄にとっては財政効果をもたらす中身ではないということでございます。  先日の公明党の遠山議員の質問にもございましたけれども、この原因は沖縄の特殊事情があるということでございます。第二次世界大戦で県民の三分の一が犠牲になってしまったと、この年代がちょうどこの前期高齢者になるということでございまして、つまり、被保険者全体に占める前期高齢者の割合が低いということでございます。  そして、この前期高齢者の加入割合の大小が交付金の計算式に反映されていると。先日の長浜副大臣の御答弁では、平成二十五年度に後期高齢者医療制度の抜本改正、それに向けて平成二十三年度に法案の提出がされるということで、このタイミングに合わせてこの沖縄の問題も考えてみようという御答弁でございましたけれども、今るる御説明しましたように、大変な財政悪化の状況にもあるということでございます。もう待ったなしであるということでありますし、沖縄県にとっては言わばこれは不可抗力であるということも十分御配慮をいただきたいというふうに思うわけでございます。  長浜副大臣の御答弁を再度いただければというふうに思います。
  25. 長浜博行

    ○副大臣(長浜博行君) 丁寧な御質問をいただきまして、ありがとうございます。本院にも在籍された遠山さんの質疑を、つい一昨日ですか、衆議院の方でもやらせていただいたところでございます。  御指摘のとおり、平成二十年度に医療制度改革が行われまして、その改革に伴って退職者医療制度が廃止をされて、新たな前期高齢者の医療給付費を対象とした保険者間での財政調整というシステムを導入したとおりです。  質問のお時間の関係もありますのでダブりは避けますが、そのシステムを使うことによって多くの市町村の中においては黒字転換をしたところがあるんですが、先生の御指摘のとおり、沖縄県の歴史的な事情等々の関係で、前期高齢者の加入割合が高いところと加入割合が低いところとの間で差が出てしまっているのは現実的な事実でございます。  それで、何もしないということではなくて、今御説明にありましたように、御承知のように市町村国保の医療給付費に関しては五〇%がいわゆる国と都道府県で負担をしておりますので、今回の減収部分についても、五〇%は同じ仕組みの中においての負担はありますけれども、じゃ、あとの半分はどうしてくれるんだということの中においての特別調整交付金で、すべて公費で沖縄県の部分においても、沖縄県だけではありません、沖縄県が多いわけでありますが、その部分においても補てんをさせていただいた次第でございます。  そして、先生がおっしゃられた、算定方法の見直しを図ってくれないかという御指摘だというふうに思いますが、この部分においては、やはり前期高齢者という一般的に医療費が高い、かかる年齢の層が少ない分、医療給付費が少なく抑えられているという点もありますし、また前期高齢者を含む加入者数が少なくなっているために、加入者数に応じて負担をしていただいております後期高齢者支援金の負担が低く抑えられていることもありますし、それから、先生自身が先ほど御説明いただきましたように、全国的に見れば黒字転換をしている部分というのが多いということもあり、この算定方法を現在の時点でゼロから見直すということはなかなかできないかなというところが現状であります。  しかし、今申し上げましたように、じゃ十九年度と同じ、あるいは二十一年度と同じような補てんの方法を今年度以降も取らないかといえば、当然のことながら、沖縄県選出の皆様方からも同様の御質問をいただいていることも事実でありますから、こういった方法については今後とも継続をするべく努力をするわけであります。  と同時に、先ほども申し上げましたように、前期高齢者の負担とそれから後期高齢者の負担部分考え合わせますと、やはり二十五年度から実施を予定をしております新しい後期高齢者医療制度の下でこういった問題も解決をする方向で検討させていただきたい、そのように思っている次第でございます。
  26. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 それこそ御丁寧な御答弁ありがとうございます。  しかしながら、結局は二十五年の法改正に向けての二十三年度のタイミングでしかできないとおっしゃられているというふうに思うんですけれども、しかし、このタイムラグがあってもう待ったなしの状況だということ、これを御理解いただけるんじゃないかと思いますが、御理解いただけるとしたら、それをどのように反映していただけるのかと。お願いします。
  27. 長浜博行

    ○副大臣(長浜博行君) 先ほどおっしゃられました衆議院の段階においても本委員会で取り上げられたこともありまして、後ほど先生の御質問があるのかどうか分かりませんが、沖縄担当大臣の方からも厚生労働大臣に対して十分検討するようにという御指示も出ているようでありますので、今のこの御質問、先生の趣旨を体しまして、当然のことながら、後期高齢者医療制度の検討会は続いておりますので、この検討会の中においても御質問の趣旨を体して議論をしてまいりたいと思っております。
  28. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 それでは、前原大臣に同じ質問なんですけれども、このような沖縄の特殊事情が背景にあるということ、もうこれは大臣もよくお分かりだというふうに思いますし、だからこそ沖縄担当大臣としてリーダーシップを取ってやっていただきたいというふうに思うんですけれども、御答弁いただけますでしょうか。
  29. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 先般、衆議院の沖北の委員会におきまして公明党の遠山議員から同趣旨の御質問をいただきまして答弁をしたときには、十九年度の退職金、交付金と二十年度前期高齢者交付金等の差額がマイナスで、しかも二十年度被保険者一人当たりの所得が全国平均より低い市町村というのは全国で八十九しかないんですね。その八十九の実は二十五が沖縄でございまして、まさに島尻委員が今おっしゃったような沖縄の特殊事情、つまりは戦死をされた方々が多い状況で現在前期高齢者の方々が少ないというところからこういった事情が生まれていて、結果として沖縄には不利な仕組みになっていると。  私も、先ほど長浜厚生労働大臣がおっしゃいましたように、長妻大臣と話をいたしまして、制度改革まで沖縄の市町村の負担を待ってくれというのはなかなかこれは厳しいということで、何らかの措置をということで、結果としては長浜厚生労働大臣内閣府の大島副大臣の間で調整をしていただいて、沖縄の皆さん方の御要望にできるだけこたえるように今鋭意話合いを進めているところでございまして、もう少しお時間をいただければと、このように思います。
  30. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 前向きな御答弁をいただきましてありがとうございます。  大臣の答弁の中でも沖縄は不利益を被っているということはお認めになっているわけでございますから、是非、この不利益を被っているところからすくい上げるというのが言わば政治の仕事なのかなというふうにも思いますので、是非、引き続きのリーダーシップを御期待申し上げたいというふうに思います。よろしくお願いします。  それでは、普天間の問題に移っていきたいというふうに思います。  本当にもう連日連日、この普天間の問題、取り上げられております。昨日おとといだったと思いますけれども政府が五月末日までの決着を事実上断念したという報道がなされました。新聞の一面トップに載ったわけでございます。  職を賭して必ず決着させるというふうに総理はおっしゃっていたわけでありますけれども、もういよいよ総理の言うことは信頼に値しないと、もう国民はあきれ果てている状況でございます。平成の脱税王だということもありましたけれども、もう脱税王ならぬ平成のうそつき王だという声も出ている状況でございます。特に、最低でも県外とあれほど自信に満ち満ちておっしゃっておられたわけではありますけれども、結局は沖縄に滑走路を造るんだという、こういう計画がクローズアップされているようでございます。  私、一番納得いかないのが、今年の一月にあったこの名護市の市長選挙、県内移設反対の稲嶺市長、現市長ですね、を当選させておきながら、今になってやっぱり県内だと、それも名護だと、名護に受け入れてもらわなければならないというのはもう余りにもお粗末ではないかというふうに思っております。これはもう到底県民の理解は得られないというふうに思いますし、国民も本当にもうこのことに対しては不信感をもう日々募らせていると、こういう状況だというふうに思います。  先日も、おわびということだそうでありますけれども鳩山総理沖縄に入られました。その市民集会の中で市民から罵声を浴びせられたという状況。実は私もこの市民集会に参りまして傍聴させていただきました。そのときも率直に、もう正直にお話をして、私も一日本国民として、総理大臣があんな状況に置かれるのかと、これをなぜ避けることができなかったのかと大変もう苦々しく思いました。そのときに同席されていた官房副長官、総理をかばうどころか一言も発しなかったし、それから頼みの与党の国会議員も全く他人事でございましたし、そのときに傍聴に来ていたのはたった一人、民主党の国会議員でありましたけれども、この議員ももう大変に批判的にその状況を見ていたということでございます。  これはもう言わば内閣の体を成していないのではないかと大変にもう危惧をしているところでありますけれども、是非この状況を、岡田大臣そして前原大臣内閣を組織する一員としてこの事態をどう考えておられるのか、正直なお考えをお聞かせいただければというように思います。
  31. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、委員が今いろいろマスコミの報道を引いて言われましたが、それがすべて正しいものであるというふうに私は考えておりません。メディアの報道が常に正確なものであるということではないということは、委員も政治家として活動しておられる中で十分御存じのことでございます。一々はコメントいたしません。  それから、総理沖縄行きでありますが、これは総理の強い意思の下で決断されたことであります。なるべく沖縄の県民の皆さんの声を自らが聞いて、そして答えたいと、そういう思いの中で行われたことであるというふうに認識をしております。
  32. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) るる報道等で言われておりますけれども政府があるいは総理が表でおっしゃったことは何かというと、徳之島の三町長に対して、沖縄基地の機能の一部をそして訓練の一部を受け入れてもらえないかということと、そして沖縄に行かれて、すべて県外移転するというのはなかなか難しいということをおっしゃった。これが二つが事実でありまして、それ以外はまさに報道が先走っていろいろと報道されているというレベルだと思います。  五月末の決着に向けて、今、政府の中で総理中心にどう五月末の決着を得るのかといったことをまとめているところでございますので、しっかりと内閣の一員としてサポートをしてまいりたいと考えております。
  33. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 お聞きしたいのは総理が何を言ったかではないんです。総理が言ったことに対して、じゃ地元の市民集会に参加していた人、あるいは沖縄の県民がどういう反応をしたかと、それを認識しているのかどうか。それに対する各大臣の思いといいますか、御答弁をいただきたいというふうに思うんですけれども
  34. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 私はその集会には出ておりません。したがって、直接見聞きしたわけではございませんが、報道などを通じて理解するところ、大変厳しい御意見をたくさんいただいたというふうに理解をしております。
  35. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 沖縄行きを決められたのは鳩山総理御自身の御判断でありますし、また、島尻委員がはたで見られていてどう思われたかということは先ほどお話をされたわけでありますけれども、しかし、そういうものも覚悟の上で総理沖縄の皆さん方との対話をしたい、あるいは沖縄方々の話をじかに伺いたいという思いで行かれたんだというふうに思いますので、それは重く我々としては受け止めなくてはいけないと思っております。
  36. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 是非、その他人事のような答弁ではなくて、本当にこの問題を解決しなければいけない内閣として、チームワークで頑張っていただかなければいけないんだと私は思う次第でございます。もう本当に難問山積ということで大変だというふうには思いますけれども、その辺のところはしっかりとやっていただければと思っております。  こういった、言った言わないだとか、こういう質問と答弁でちょっと時間もありませんので、今日私がお聞きしたいことをちょっと進めさせていただきたいというふうに思います。  最近出てきているくい打ち桟橋方式に関してでございます。報道によりますと、この一千八百メートル滑走路一本を含む代替施設をくい打ち桟橋方式で建設するという考え方を政府・与党内で検討されているということでございます。    〔委員長退席、理事伊達忠一君着席〕  問題は、ポイントにしたいのは、このくい打ち方式は埋立てが伴わないので知事の許可は不要だという、そういった見解があるようでございます。政府内では、仲井眞知事が県民大会に参加しているので埋立許可をもらうことが難しくなったと判断と、埋立てを伴わない移設案を模索する方向に傾いているとされるという報道でございました。  そんなことあるものかと私は思いまして、というのは、県知事の許可がなくてくい打ち方式の桟橋の工事が進められるということに関してはそんなことないんじゃないかと思いまして、いろいろ調べさせていただきました。やはり、地元の許可なくしてできるわけがないということが分かりました。  まず、二つこの法律がございます。ちょっと時間もないのではしょっていきたいと思いますけれども、まずこの国有財産法に基づいて、国有財産の不動産に該当する海底を使用する場合は県知事の同意が必要だということでございますけれども、これについての説明を国交省にお願いしたいというふうに思います。簡潔にお願いいたします。
  37. 日原洋文

    政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。  先生御指摘のとおり、海底の土地につきましては国土交通省所管の国有財産とされており、その管理につきましては国有財産法により貸付け、譲渡等の処分の制限がされております。  また、海底につきましては、法律によりまして都道府県の法定受託事務とされております。したがいまして、公共用財産である海底に工作物の新設あるいは掘削等を行う場合につきましては、やはり知事の許可が必要になるということでございます。
  38. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 この公共用財産使用協議というものを出して知事の同意を得る必要があるということでございます。当然といえば当然でありますけれども、同意がないとくい打ちはできないということでございます。  国交省にもう一つ確認をしたいということがあるんですけれども、くい打ちというのは、当然海底にくいを打つわけでありまして、海底に穴が空く、若しくは傷が付くということだと思います。当たり前といえば当たり前なんですが、確認をしたいというふうに思います。国交省、お願いいたします。
  39. 石津緒

    政府参考人(石津緒君) お尋ねの件は羽田の件かと思いますけれども、羽田空港におきましては、現空港の沖合に新しい滑走路を整備しているところでございます。西側に多摩川が流れている関係で、その通水性を確保するという観点から、新しい滑走路島の西側約三分の一ぐらい、これが桟橋構造となっておりまして、この桟橋部の整備に際しまして海底地盤にくいを打設しているところでございます。    〔理事伊達忠一君退席、委員長着席〕
  40. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 今のは羽田の工法だったかというふうに思いますが、これが沖縄だとすると、沖縄のもう海底のところには、まあ岩礁だというふうな私は認識でいるんですけれども、つまり岩礁に傷が付く、岩礁破砕というものに当たるわけでございます。そうなると、農水省の管轄であります水産資源保護法に基づいて沖縄県の漁業調整規則というものが定められておりますけれども、この中の第三十九条に示された岩礁破砕に当たるわけでございます。  農水省にこの辺の説明をお願いしたいというふうに思います。
  41. 江口洋一郎

    政府参考人江口洋一郎君) お答え申し上げます。  まず、水産資源保護法でございますけれども、その四条二項におきましては、農林水産大臣又は都道府県知事が水産資源の保護培養のために必要があると認めるときは、水産動植物の採捕に関する制限又は禁止、あるいは水産動植物の保護培養に必要なものの採取又は除去に関する制限又は禁止などに関しまして、農林水産省の省令あるいは都道府県の規則を定めることができるというふうに規定をされております。  それから、その水産資源保護法四条二項に基づきまして、沖縄県におきましては漁業調整規則というものが定められておりまして、その三十九条一項におきましては、漁業権の設定されている漁場内において岩礁を破砕し、又は土砂若しくは岩石を採取しようとする者は、知事の許可を受けなければならないというふうになっております。それから第二項では、この許可を受けようとする者は、申請書に当該漁場に係る漁業権を有する者の同意書を添えまして知事に提出しなければならないと、こういうふうに規定されております。
  42. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 まさに、今の御説明のように、県知事の許可を受けなければその工事なんかできっこないわけでございます。さらには、今の御説明にもありましたように、この知事の許可を受けようとする者は、当該漁場に係る漁業権を有する者の同意を添えて申請を出すということになっております。  さて、前原大臣にお聞きしたいんですけれども、このくい打ち桟橋方式による工事、可能だというふうに思われますでしょうか。そして、今の説明にもありましたけれども、この知事の許可を得る前に必要な漁協長の同意というものを、これ取れるというふうにお思いでしょうか。
  43. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) そもそも、このくい打ち桟橋方式というのは政府で決めたわけでもありませんし、報道で行われているのみでございますので、当然ながら我々としては今それについてコメントする立場ではございません。
  44. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 今きっぱりと、その議論の下にないという大臣の御答弁でございました。じゃ、何も決まっていないということではないか、いわゆる総理の言う五月末決着、いよいよ遠のいているのではないかというふうに思う次第でございます。仮に、その桟橋等を知事の許可がないとできない工事というものになったとしても、これまでやはり民主党の皆さんの推した県内移設反対の名護市長のオーケーが出なければ県知事が同意するわけもありませんし、そういったことも、これからもし名護の沖あるいは県内移設ということをお考えにならなければならない状況になったときには、まず最初にそこから議論を進めていただければというふうに思う次第でございます。  今のまた前原大臣の御答弁で、いよいよまたその五月決着というのが遠のいたかなというふうに思うわけでございますが、そうすると、それこそいよいよ最悪のシナリオ、つまり普天間が何も動かない、そのままであるということになってしまうのではないかというふうに危惧をいたします。それこそ、そのまま残るということは危険除去もできないということでありまして、このことに対して県民は大変な不安を抱いております。  もう最後、時間もありませんので、このところを是非、前原大臣沖縄担当大臣としての御答弁をいただきまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
  45. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 先般、島尻委員と、あれは予算委員会でしたか、議論をさせてもらったときに、仮にという言葉を付けて相当おしかりを受けたわけでありますけれども、私は、沖縄普天間飛行場の最低でも危険除去、そしてやっぱり返還というものをしっかりやっていくということがスタートでありますし、予算委員会でも申し上げましたとおり、私は十三年前からやはり普天間飛行場の返還ということでずっと政治活動をしてまいりましたので、それが実現できるように、内閣としても、の一員としても頑張ってまいりたいと、このように考えております。
  46. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 沖縄振興の問題も聞きたかったんですけれども、今の論議からやはり普天間問題について聞かざるを得ないと思います。  ともかく、鳩山政権そのものはどうやってこの普天間問題に取り組むかということで発足したかといえば、三党の連立のいろんな枠組みを考えても、県外国外移転を掲げて私は民主党政権、鳩山政権政権に着かれたと思います。そして、候補地につきまして様々探されて、昨日は鳩山総理大臣は四十か所ぐらいいろんな検討をしたということもおっしゃっておりました。  ただ、その一つ一つのことが、外務大臣であってみたり、防衛大臣であってみたり、ここら辺じゃないかというようなことの伝わるような発言があったりする中で、国民から見れば、どこに移転するのかというのは二転三転したように見えてしまったところがあると思います。  さらに、この問題で、したがって徳之島や沖縄で県民の大集会が開かれてみたり、ある意味じゃ、この普天間問題は今どういう状況かというと、やはり混迷を深めていると言わざるを得ないところがあると思いますが、なぜこんなに混迷していっているのか、その原因をどう思われるのか、まず冒頭聞きたいと思うんです。  私は、その原因の一番大きな点は、鳩山総理が少なくとも県外というこの姿勢を、岡田外務大臣は途中の段階で、いや、こういうところもあり得るよという話をされている、白紙の状態でというような話を外務大臣はされたことがあったと思います。しかし、そのときでも鳩山総理は、少なくとも県外、このことはおっしゃり続けてまいりました。そして、先日、沖縄に行かれたら、いや、ごめんなさいとおっしゃった。県民が、沖縄県民が怒るのは当たり前じゃないですか。まさにそのことに固執して、私は幾つかのタイミングがあったと思います、それも逸してしまって、固執し続けたことがこの混迷を深めた原因だと私は思っています。  しかし、大臣はどうお感じになられておるか、まずお聞きしておきたいと思います。
  47. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) この普天間危険性除去、移転の問題は、鳩山総理としては特に、とにかく沖縄負担を軽減したい、そういう中でこの普天間移転の問題を実現したいという非常に強い思いがあって、したがって県外ということを言われたこともあります。現在に至っても、とにかく少しでも沖縄負担を減らしたい、そういう思いの中で、非常にある意味苦しみながら、何とかして沖縄のためにということで頑張っておられる。そういう鳩山総理の下で、我々関係閣僚がそれぞれ力を合わせてその思いを実現したい、そういう中で現状があるということでございます。
  48. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 岡田外務大臣は、徳之島や沖縄であの大規模な基地反対の集会ありましたよね、あれをどんなふうに受け止めていらっしゃいますか。今後、アメリカとの形では交渉の窓口にもなられる方ですが、そのなられる方があの徳之島の集会や沖縄の集会をどんなふうにお感じになったか、聞いておきたいと思います。
  49. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 徳之島、沖縄、いずれの集会も、何人かという議論はあるにしろ、しかし非常にたくさんの方が集まって集会を行われたということであります。したがって、そのことはきちんと受け止めなければいけないというふうに考えております。
  50. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 先日、鳩山総理沖縄訪問された際も、ある意味じゃ沖縄の言い分、総理の言い分というのが私は平行線のような気がいたしました。  鳩山総理がおっしゃったのは、日米同盟の関係の中で抑止力を維持する必要性から、国外あるいは県外普天間の機能すべてを移転することは難しい、沖縄県民の御理解を承って沖縄の中に一部機能を移転せざるを得ない、これがおっしゃったことだと思います。一方で知事は何とおっしゃったかというと、県内では県外移設の実現を期待する声が高まっている、政府が真摯に受け止め、一日も早く普天間飛行場の危険性除去に取り組んでいただきたい。さらに、稲嶺名護市長は何と言ったかというと、こんな小さな島にこれ以上の新しい基地ができるのは限度を超えている、最後まで県外国外を模索するようお願いしたい、こうおっしゃった。この二つの発言を対比してみると、鳩山総理沖縄県側認識ということで言うならば、全くの平行線だと私は言わざるを得ないと思います。  集会のほかに、沖縄県議会沖縄県の市長会も県内移転に反対する決議を全会一致でやっている。こういう現状の中で、鳩山総理含めて鳩山政権としてこうした認識の差というのをどうやって埋めるおつもりでいられるのか、具体的にどういう行動でこの差を埋めようとされるのか、お尋ねをしておきたいと思います。
  51. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、沖縄県民皆様の気持ち、そのことは総理始め我々もしっかりと受け止めて、沖縄負担の軽減ということに極力努めなければいけない、実現しなければいけない。だからこそ、これだけ様々な時間を掛けて検討を行っているわけであります。  ただ同時に、そのことだけでこの問題が解決するわけではなくて、やはり日本国民の安全をどう守るかという、いわゆる日本にある、あるいは沖縄にある米軍の抑止力というものをどう考えるかということも同時に議論しなければ、それはバランスを欠いた議論ということになるわけであります。  私は従来から申し上げておりますが、沖縄になければならないということまで言うつもりは必ずしもありませんけれども、しかし、少なくとも日本に現在の海兵隊は必要であるというふうに考えております。そして、そのことによって日本の安全が保たれ、あるいは地域の平和と安定が保たれている、そのことについて今まで余り国民の皆さんに政府が、あるいは政治が語らなさ過ぎたのではないかと、そういうふうに思っているところでございます。そのことを国民の皆さんに御理解いただきながら、なるべく負担を分かち合っていく、そのことをまずしっかりと追求していかなければならない。しかし、限られた時間の中で、限られた時間の中でというのは、この普天間状況をいつまでも放置しておくわけにはまいりませんので、今まで十数年間も掛かっております、なるべく早くその状況を解決する、そういうことであれば、その限られた範囲の中でどういう解決策があるのかということを政府としてはしっかりと見出していかなければいけない、そういう問題だと思っております。
  52. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 今、岡田外務大臣海兵隊抑止力という問題に触れられました。多分、岡田外務大臣は一貫してそういう姿勢を外務大臣になられたときから認識をされていたのかもしれませんが、私がやはり、総理沖縄に行かれて国民の多くの人たちもえっと思った一つの話が何かといえば、鳩山総理が、海兵隊が必ずしも抑止力として沖縄に存在しなければならない理由にはならないと、これは最初だと思うんですけれども、思っていたと。ただ、学ぶにつけ、沖縄に存在する米軍全体の中で海兵隊抑止力が維持できるという思いに至った。認識が、認識がという言葉はありません、浅かったと言われればそのとおりかもしれないという発言をされた。これはある意味では、我が国国民だけじゃなくて、例えばアメリカ、近隣諸国についても、一体日本という国は安全保障についてどう考えているんだろう、そんなある意味では疑問も抱かせたような発言になっていないかと、極めて私は危惧をする発言だったというふうに思いました。  是非、鳩山政権として、じゃなぜ沖縄海兵隊が駐留しなければならないのか、またそれが何の抑止力に役立っているのか、是非、政府内できちんとした統一した見解を持っていただきたいという思いがいたしております。  したがって、今、岡田外務大臣は、少なくとも海兵隊というのは抑止力として、沖縄とは言わないが、とにかく日本にある必要性というのが安全保障上の問題ではあるんだという御認識を示されました。  前原沖縄担当大臣、安全保障についてはかねがね真剣に取り組んでいらっしゃる前原大臣ですから、この点についてどういう認識を持っていらっしゃるか。そして、是非この点は鳩山内閣としてどう考えるのかということをきちんと整理していただきたいと思うんですが、いかがですか。
  53. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 一般的に抑止力というのは、ある相手がいて、ある相手が日本を侵略する、あるいはどこかの国を侵略をすれば相当ひどい犠牲を伴うと、あるいは犠牲どころか大変な被害を被るということを相手に思い知らせることによって侵略を思いとどまらせるのが抑止力ということであります。  じゃ、日本の自衛隊だけではそれがなかなか無理なのかということになれば、これは木庭先生よく御承知のとおり、日本の自衛隊というのは専守防衛でやってきておりますので、盾の役割はします。来たときについては抑止をするということですけれども、やられたらやり返す能力、あるいはやられた場合にその相手の基地を攻撃する能力というのはないわけでありまして、それは日米安保に基づいてアメリカにそれを依存していると、こういうことになります。  そういう意味では、沖縄というピンポイントが正しいかどうかということは別にして、日米同盟関係というものがなければ、日本の安全保障というもの全体で考えれば、日本の自衛隊だけでは抑止力には到底ならないということになると思いますし、付け加えて申し上げれば、例えば情報収集能力、これも日本は四基の衛星、これも多目的衛星ということで防衛省のものではありません。こういうものしか持っていないわけでありますが、じゃアメリカの国防総省だけで一体幾らの衛星を持っているかというと百基以上持っているわけですね。衛星というのは先生も御承知のとおりぐるぐる回ります。ぐるぐる回るということは定点観測しようと思ったら複数のものがなければ定点観測はできないと、こういうことでもありますし、また装備、日本は武器輸出三原則というのを持っていますので、自ら造るとコストが高く掛かるということで、これもアメリカに装備は多くを依存していると。イージス艦にしても戦闘機にしてもそうであります。ミサイル防衛システムにしても、日本の技術が一部入っておりますけれどもアメリカに依存をしていると、こういったこと。  もろもろのことを考えたときに、日本の安全をしっかり守っていくためには、そのアメリカのプレゼンスも含めて日米安全保障体制というものがしっかりしていないと抑止力というのは保てないと、私はそういう認識でおります。
  54. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 お二人はどちらかというとそういう認識を持っていらっしゃる。総理がやや。だれが、じゃ最初にこういう話をしたのかなという気にもなったり、やや疑問なんですけど、是非その辺は整理をしていただいて、きちんとした形に政府としてやっていただきたいと思います。  もう一つ、やはり先ほどから五月末の決着という問題について議論がございました。五月末の決着です。  先日の党首討論の際に、私たち公明党の山口代表が、じゃ五月末の決着というのは何をもって決着とするのかということについて、山口代表が言ったのは、普天間移設について米国と新たな合意をする、それができることが決着なんですか、こう尋ねたと思います。それに対して鳩山総理は、そのとおりだというふうに御答弁をなさったと私はあの場で記憶をしております。  五月末の決着というのは、今私が申し上げたとおり、普天間移設について米国と新たな合意をすること、こう理解していいのかどうか、どちらでも、岡田外務大臣から聞いておきたいと思います。
  55. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) この問題、非常に難しいのは、この問題というのは普天間の問題そのものをいうわけですが、率直に自分の言葉で語りますと、閣僚間で言っていることが違うと、すぐそういうふうに書かれてしまうという、そういう難しさがございます。ですから私は、率直に語るよりは、なるべくそういうふうに書かれないように気を付けて発言するということをここ数か月心掛けているところであります。  今党首討論での総理の発言が御紹介になりました。総理がそういうふうに御発言されているということであれば、それはそのとおりであるというふうに考えております。
  56. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 そこで、米国と新たな合意をする一番の役目を担うのは岡田外務大臣が担当するわけでございますから、そういった今までの状況を踏まえながら、五月末の決着、つまり米国と新たな合意という問題について、五月末ということについて見通しをどう持っていらっしゃるのか、お伺いをしておきたいと思います。
  57. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 五月末に決着を見るというのが内閣の方針であります。その方針の下で今鋭意努力をしているところでございます。
  58. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 そうすると、私は、この普天間問題を決着していくときに、なかなか分かりにくいのは、五月末の決着、米国との新たな合意、そうすると地元の合意というのは一体どこに位置付けられるんだろうか、地元の合意。つまり、米国と交渉するにしてみても、地元の合意がない中で、じゃ米国との合意というのはできるんだろうか。  私たちは、この問題の解決というときに一つ大事なことは何かというと、地元頭越しでいろんなものが決まっちゃいけないよ、地元の合意というものがあって、その上でアメリカとの、米国との合意という問題が来るんだろうと。順番からいって、これ、どう認識すればいいか。  つまり、この問題、政府として一つの方向性、今はきちんと案は今必死になって検討していると、決着目指して頑張っているとおっしゃっているわけですから。その案に基づいて地元合意、米国との合意、どういう段取りでやっていかれるつもりでいるのか、もうさっぱり見えないんですけど、教えていただきたいと思います。
  59. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 地元、特に沖縄の県民の皆さんの気持ち、状況、どういうものであるかというのは、先ほど来お話に出てきたとおりであります。県民集会も開かれました。そして、知事始め各首長の皆さんの御意見もお伺いしているところでございます。そのことは十分にわきまえて、そして物事を進めていかなければいけないというふうに考えております。  今後どういう手順で物事を進めていくかと、五月末に向けてですね、ということについては、これはまさしく政府の中で今行っているところでありますので政府にお任せをいただきたい、その内容について詳細に語ることは控えさせていただきたいというふうに思っております。
  60. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 それでも、前原大臣沖縄北方担当大臣ですよね。ある意味では、地元のことを一番発言しながらやっていかなくちゃいけない立場。その立場からすると、地元の根回し、きちんとしたことも終わっていないときにアメリカとの合意ができ上がっちゃっていると、こんなことが起こったら、これ、その辺どう考えられるんですか。
  61. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 先ほど同僚議員にお答えをいたしましたけれども、今総理としておっしゃっていることは何かというと、二つあるわけです。一つは、徳之島の三町長に対して、沖縄部隊の機能の一部の移転をしてもらえないか、あるいは訓練の一部の移転をしてもらえないかというお願いをされているということが一つと、もう一つは、沖縄に行かれて、すべて県外にということはなかなかいかないということでおわびをされたわけです。  この二つというものを前提で最終的な政府案ということをこれからまとめていくことになろうかと思いますし、様々な各方面との話合いもしていくことになると思います。その過程の中でしっかりと我々は話をさせていただく中で政府案を五月までに決着するために努力をさせていくということでございます。
  62. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 今、米国の方に外務省から何人か行かれているという報道がありました。これは交渉ではないんですか、これは。実務者協議という話ではないんですか。何のためにアメリカへ北米局長始め行かれているんですか、外務大臣
  63. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、実務者協議という何か組織のようなものがあるわけではございません。現在行っておりますのは、外務、防衛の審議官級でございます。日米間で様々な問題点、技術的なことも含めて、そういったことについて意見交換を行っているということでございます。
  64. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 意見交換であって交渉ではないということですかね。
  65. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 何といいますか、見解の相違があったり、あるいは技術的に詰めなければいけない点があると、そういうところを議論しているということであります。  交渉という意味では、内閣の中で私と、そして本来であればクリントン長官ということになるわけですけれども、そうしょっちゅう顔を合わせるわけにはまいりませんので在京のルース大使、この二人で進めていくということになっております。そういう枠組みの中で、より技術的な点あるいは具体的な点について議論意見交換を行っているということでございます。
  66. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 もう一つ鳩山総理、一回お行きになられて、地元の御理解を得るためには何回でもというような報道もあってみたり、決意を持っていらっしゃると。それはそれできちんと自らやられるということについては私どもは決して否定するものではありませんが、しかし、次に行かれるとき、昨日も沖縄県知事がおっしゃっておりましたが、今具体的に詰めている段階だからということなんでしょうが、どういう形でやるかという問題について一回もまとまった紙を見たことはないというふうに仲井眞知事がおっしゃっていたようでございます。  もし総理が、いつになるのか分かりませんが、次に行かれる機会があるとするならば、それはもう具体的に今度は地元にこういう政府考え移設案がまとまりましたという形で行くということになるのかどうか、お話しできる範囲内でお伺いしておきたいと思います。
  67. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 総理が再度行かれるかどうかということは、私の理解では決まっておりません。それはもう総理のお気持ち次第というところもかなりあるというふうに思います。したがって、その仮定に基づく御質問ということについてはお答えは控えさせていただきたいと思います。
  68. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 ともかく、ちょっと質疑をさせていただいたんですが、米国とも少し、交渉とはおっしゃらないけどおやりになっているようですし、地元に対してもそういういろんな働きかけはしたいということですから、同時並行でいろいろおやりになるんでしょうが、なかなか正直に五月末ということが、今日の質疑を聞いている限りは本当に、この前党首討論でおっしゃった、米国と新たな合意をすることとまではなかなかこれ行き切れないんじゃないかなという気がしてならないわけでございますが、まあそれはそれとして、努力するとおっしゃっているわけですから、それはそれとして、やはり島尻委員もおっしゃっていましたが、もうこの問題の一番最悪のシナリオというのがやはり一方であるということでございまして、それは何かといえば、その普天間の現状がそのまま残る、危険性が除去できない、最終的に負担軽減をやろうとしたけどそれもできなくなる、それだけは絶対に避けなければならないと私ども思っております。  この点について今度は岡田外務大臣認識を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
  69. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) この普天間危険性の除去、そしてもっと言えば普天間飛行場の移転移設ということが議論のスタートであります。そのために様々な議論を行っている、こういうことでありますから、何といいますか、普天間飛行場がそのまま残ってしまうということであってはならないというふうに思っております。  そして、沖縄負担の軽減というときに、普天間の飛行場の問題が当然第一にあるわけですが、それ以外にも様々な負担沖縄県民皆様にお願いをしております。そういった負担が、先ほど地位協定の話も少し出ましたけれども、様々な負担についてできるだけそれが軽くなるように現在政府の中で努力をしっかりと行っているところであると、そのことも併せて申し上げておきたいと思います。
  70. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 終わります。
  71. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  今日は、岡田外務大臣普天間問題について質問いたします。  四月二十五日に沖縄県県民の大会が開かれて、ここには県下四十一自治体すべての市町村長さんが参加をすると。九万人の方々が参加をされて、そこで普天間基地の閉鎖、そして撤去、県内移設反対ということをはっきりと掲げて、言わば島ぐるみの意思を示したわけです。それからまた、鹿児島県の徳之島においては、あそこは人口が二万七千人というふうに聞いていますけれども、その島で六割、一万五千人もの人が結集をして反対集会が行われると。その後、本当に人口に匹敵するだけの二万五千八百人余の署名が総理大臣の下に届けられたと。ここも島ぐるみで反対の意思を示したわけです。基地のたらい回しはもう嫌だと、そういう県民のあるいは町民の明確な意思が示されたというふうに思います。  最初に、この民意、ここに示された民意を大臣はどのように受け止めておられるのか、お聞きしたいと思います。
  72. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 委員御指摘のように、徳之島では主催者発表で一万五千人、そして沖縄では主催者発表で九万人、少なくとも非常に多くの皆さんがお集まりになって、そして集会が持たれたということについては、そのことを真摯に重く受け止めさせていただいているところでございます。
  73. 紙智子

    ○紙智子君 多くの皆さんが集まったということを受け止めるわけですか。そこで示された民意についてどう思うのかと聞いたんです。
  74. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) そこで示された民意というものについて重く受け止めさせていただいているところでございます。
  75. 紙智子

    ○紙智子君 重く受け止めたというふうにおっしゃったんですね、今。──はい。  今日、今もお話ありましたけれども政府普天間問題で米国と日米実務者協議をすると、そういうものはないということも今話されていましたけれども、いうことだと。ここで何を交渉するのかというふうに私も思うわけですよ。  それで、十日に関係閣僚で協議をして、米軍のキャンプ・シュワブの沿岸部を埋め立てる現行計画を修正をして、一つは、このくい打ち桟橋工法で滑走路を建設するなどの複数の移設案とともに、普天間基地を拠点とする米海兵隊ヘリコプター部隊の一部訓練の県外移転などの危険除去、負担軽減策を組み合わせる政府案の骨格を固めたということが報じられているわけです。地元との合意もないのに、こういった中身を米国に説明するんでしょうか。
  76. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 政府がどういう現在考え方を持って米国政府意見の交換をしているかということについては、いろいろ報道はございますが、その中身についてはここで申し上げることは差し控えさせていただきたいというふうに思っております。
  77. 紙智子

    ○紙智子君 先ほど、民意については重く受け止めると、そういうふうに言いながら、引き続き県民に対して県内移設を押し付けるということは、これ、はっきり申し上げて県民に対しての裏切りだというふうに言わざるを得ないんですけれども、いかがですか。
  78. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 委員の御質問は一定の前提に立って、仮定に立っているわけですから、それについて私はコメントいたしません。
  79. 紙智子

    ○紙智子君 しかし、実際には、総理自身が現地に行かれて、そして県外というふうに言ったにもかかわらず、最低でも県外と言ったにもかかわらず、やっぱり県内だということを話しに行ったわけですよね。それはもうはっきり言って県民の皆さんを失望させているわけですけれども、これ押し付けじゃないんですか。
  80. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 委員のお立場日米安保反対という前提で御議論になっているんだと思いますが、先ほど申し上げましたように、私は、在日米軍、その抑止力というものが日本国民の命を守るために必要であるという前提でお話ししているところでございます。
  81. 紙智子

    ○紙智子君 いつも岡田外務大臣は、そういう前提に立っていると、安保反対だからということで言われるということを言うんですけれども、決してそうじゃないですよ。いや、もちろん反対はしていますけれども、基本的にはそうですけれども、しかし、今言っているのは、県民の皆さんとの関係で、県民の皆さんがこれ以上の基地は嫌だと言っているにもかかわらず、しかも選挙の公約のときには国外か最低でも県外かというふうに公約しながら、それをやっぱり平気で破るということをやるということに対して問題だというふうに言っているわけですよ。  政府案についていろいろと報道もされていますけれども、専門家の方の中には、名護市のキャンプ・シュワブの沿岸部にくいを打つ桟橋方式にしても、これは環境破壊は変わらないということを指摘されているわけですよ。くいを打てば、これは先ほども話がありましたけれども、サンゴ礁は壊される、そして光合成できなくなり、その施設の下の海草は消滅すると。周辺でも海流の変化で海草が減少して、貝類や甲殻類も消滅するということが指摘をされているわけです。  先日、鳩山総理埋立てをこれ自然への冒涜だというふうに言われているわけですけれども、くい打ちも辺野古の海を埋め立てるということと変わらないんじゃないんでしょうか。この点で大臣認識はいかがでしょうか。
  82. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 総理の御発言、自然への冒涜ということを前提にしての御質問かと思います。  私は、総理はどういう思いで言われたのか必ずしも理解をしているわけではございません。記者会見で記者の皆さんに同じようなコメントを求められたときに私がお答えしたことは、それは総理に直接お聞きいただくしかないということでございます。  ただ、同時に、なるべく沖縄県民の皆さんの思い、負担軽減、そのために努力をする、そういう思いと、しかし同時に、先ほど来申し上げておりますように、日本国民の生命、財産、特に命をしっかりと守るために米軍の存在が抑止力として必要であるということと、この二つはいずれか一方ということではなくて、その両立をどう考えていくか、果たしていくかと、こういう問題なんだろうというふうに思います。  委員がそういう前提で御議論いただくなら、まあそれは結構だと思いますが、いや一方の方は横に置いてということになると、これはいつまでも議論はかみ合わないということになると思います。
  83. 紙智子

    ○紙智子君 それは総理に聞いてくれという話ですけれども、余りにも無責任だなと。  じゃ、そういう計画は全くないということを言えるんですか。
  84. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今政府の中で様々な議論を行っているところでございます。どういったことが議論されているかということは、これは政府としてまだ最終的に決めたわけではございませんので、この場で申し上げることは控えたいと思います。
  85. 紙智子

    ○紙智子君 直接の回答を逃れるというのは本当にひどいなと思うんですけれども、一言言っておきますと、このくい打ちの計画にしても、これは九六年、SACOの最終報告のときに浮上してきた案です。打ち込むくいは、当時でいえば八千本ですかね。だから、埋立てよりもむしろ大きい影響があるんじゃないかということで批判されているものだったわけですよ。ですから、本当にそういう意味では、一方では生物多様性ということを言いながら、これは本当に見識が問われる問題だというふうに一言言っておきたいと思います。  それで、政府案の中で、嘉手納の基地を含む沖縄県内での米軍訓練の全国自衛隊基地への分散移転、鳥島それから久米島の射爆撃場の返還、沖縄本島東側の訓練区域の一部解除などの負担軽減も取り組むとしていると。これは、基地危険性負担を結局は私は全国に拡散するものだというふうに思います。  嘉手納の負担の軽減ということでいっても、二〇〇六年に負担軽減ということがありました。そういってF15戦闘機の本土移転が合意されたわけですけれども、結局現実はそれまでよりもはるかに上回る外来機が飛来していると。そして、〇九年の嘉手納町の測定でも、基準値を超える爆音というのは二万五千回ですよ。過去最悪だということが分かったわけです。軽減する軽減すると言いながら、実際にはもう軽減どころか負担は増えていると。  ですから、この委員会で今年一月に現地に委員派遣で行きました。各地回って、そして嘉手納に行ったときに嘉手納の町長さんがどういうことをおっしゃったか。皆さん一緒に同席しているので聞かれていたと思いますけれども、嘉手納の町長さんは、この嘉手納基地というのは、言わば最大の基地であると。そして、米国がずっと使ってきていて、そこで当然協定を結んでいますよね、騒音防止協定ですとかそういった協定を結んできたけれども、結局何十年とその約束が守られていないと。もう早朝から深夜に飛行機が飛来すると。それで、どんなに抗議しても、政府に対しても何とかしてくれと言っても改まっていないと。体調を崩して裁判になっている事態だってあると。そういう今まで全然守られてこなかったことが、これから先、いろんな条件を付してそれを守らせるからと、受け入れてくれと言われても、これまで守られてこなかった約束がこれから先守られる保証が一体どこにあるんだと、こういうふうに怒り込めて言っておられたわけですよ。  もちろん騒音のことだけじゃないですよ。私たちが行ったその直前には、読谷村でひき逃げがあったわけですからね。動かぬ証拠を突き付けてようやっと、それでも立件に至るまでの時間がたっているわけですけれども、そういうことがもう多々あると。そういう怒りに立って町長さんはおっしゃいましたよ。私は日米安保は賛成の立場だと、しかしながら、こういう事態を目の当たりにしたら、やっぱり基地があればなくならないと、こういうことは。しかし、基地を置かなきゃいけないのが安保条約があるからだとなったら、それ自身を、その是非を含めて、その問題を国会で是非議論していただきたいんだと。こういう問題になっているわけですよ。ですから、負担軽減だなんて言うけど、とんでもないと。  私は、この嘉手納の町長さんの話について、どのように受け止めになられるのか、負担軽減にはなっていないじゃないかというふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか。
  86. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 私も嘉手納町長には直接お会いをして、そして町役場の中でお話をお聞かせいただいたところでございます。  今委員のお話を聞いておりまして、やや論理に混乱が見られるのかなというふうに思います。  二つの話を言われたわけであります。  一つは、いろいろな日米間で取決めをしても、そこに例外条項のようなものがあって、そこを使うことで実質的には、騒音をなるべく減らすという、そういう双方の合意があっても、そのことが結果的には果たされていないということについて嘉手納の町長は御指摘をされました。しかし、だからといって訓練移転をほかに分散しなくていいと言ったわけではもちろんありません。そういったことが実効性が上がるようにしてもらいたいと、こういう話でございました。  そのことは当然のことだと思いますから、現行の枠組みの中で、あるいは場合によってはその枠組みに修正を加えることで騒音をなるべく抑えるという、その約束がしっかり実効性が上がるように努力をしなければならない、これは当然のことであろうと思います。  もう一つの問題は、県外への訓練の分散移転ということでございます。そのことは、やはり私は、沖縄県民もあるいは知事や町長も求めておられるというふうに思います。したがって、我々としては、そういうことを真摯に実現していく、つまりこの在日米基地負担というものを沖縄県だけではなくて日本全体で分かち合っていくということの重要性であります。  この二つの問題を委員は指摘されたわけですが、やや論理に混同が見られるのかなというふうに思って承っておりました。
  87. 紙智子

    ○紙智子君 あのね、本当に現場の痛み分かってないですよ。そういうことをおっしゃるということ自体、私は本当に怒りに思います。  それで、時間がちょっと詰まってきたんですけれども、県民の皆さんがこの間署名集めたり集会も開いてきているのは、やっぱり閉鎖を、撤去を早くしてほしいと、たらい回しはやめてほしいということですよ。  それで、この県内移転ということはもとよりですけれども日本の国内のどこにも地元で合意が得られるような場所はないということを、私はもうはっきり言って米国に対してそのことをどうして報告しないのかと、普天間基地を速やかに閉鎖、撤去するように、明確にこのことを米国に言うべきだと思うんですよ。  恐らく先ほどもその議論の中で言われていましたけれども大臣アメリカ海兵隊抑止力が必要なんだと、負担と軽減ということを今までもずっと言われてきているわけですけれども、そういう立場だと思うんですけれども、じゃ、海兵隊抑止力というのは一体何なんですか。
  88. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 先ほど前原大臣からも御答弁がありましたように、抑止力というのは、例えば日本ということで考えますと、日本を攻撃した場合に、その攻撃、場合によってはそれ以上の反撃を受ける、そのことをもって攻撃を思いとどまるということであります。  他方で、日本の自衛隊というのは専守防衛ということで相手を攻撃する能力というのは基本的にない、そういう中でそれに代わるのが米軍の存在であります。国民の命を守るためには、私は米軍の抑止力というものは、これは米軍の存在というものは日本に必要であると、そういう前提で議論させていただいておりまして、議論の前提が委員とは異なるということであります。
  89. 紙智子

    ○紙智子君 理屈はそういうことを言うんでしょうけれども、幻想だと思いますね、私は。  やっぱり抑止力ということをいつも言うんだけれどもアメリカ海兵隊の任務については日本の防衛のためにあるわけではないということは、この海兵隊の任務を規定したアメリカの法律の中にもあるわけですよ。米国のかつてワインバーガー国防長官が、沖縄海兵隊日本の防衛任務には当てられていないと明言しているわけですよ。更に言えば、日本の側の元陸上自衛隊の冨澤幕僚長ですね、在日米基地というのは日本の防衛のためにあるのではなく、米国中心の世界秩序の維持、存続のためにあるんだということを述べているわけですよ。  現実に、今までどんなことをやってきているかといえば、やってきたことは、アメリカの先制攻撃の戦争でイラクやアフガンに出て行って、民間人の大量殺りくに参加しているじゃないですか。日本の平和を守るための抑止力というのは、私はこれはごまかしにすぎないと思いますよ。
  90. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 委員と共通のところもあるのだなと思って今聞いておりましたが、私は、アメリカのイラク戦争には反対をした一人であります。ああいった明確な国連決議がない中での攻撃ということに対し、武力行使ということに対して、私は今でもそのことに対してこれを是とする、そういう考え方は持っておりません。  しかし、今、日本の防衛のために米軍、在日米軍がいるのではないというお話ですが、もちろん日本を防衛する一義的な責任は自衛隊にあるわけです。しかし、抑止力として、攻撃能力というものがなければなかなか抑止力としては弱い。その攻撃能力を備えたのが米軍であるということでございます。その辺の認識が若干異なるのかなというふうに思っています。  もちろん、在日米軍というのは、日本のためだけではなくて、地域の平和と安定のためにもあります。そういう意味では、日本のためだけではないということは言えると思いますけれども日本及び東アジア地域の平和と安定のために存在する。  もう一つ申し上げておきますと、例えばインドネシアの津波あるいは台湾の地震、そういうアジア地域における様々な災害の際に、真っ先にといいますか、かなり早い段階で駆け付けて災害救助に当たったのが沖縄にある海兵隊であるということも申し上げておきたいと思います。
  91. 紙智子

    ○紙智子君 災害救助のために海兵隊がいるなんというのもちょっと本当に初めて聞きましたけれども。  やはり私が申し上げたいことは、そういう今の説明も説得力を持たないと思うんです。私は、やはりこの間の沖縄の問題、普天間の問題、この問題については、やはり現地の人たちとの約束したことをしっかりと守る立場で、国外か最低でも県外かと言ったそこのところを最後までやっぱり守り抜くということで貫いていただきたいと。それを守れないようでは、もう本当に何のための政権交代かと言われても仕方がないということを申し上げて、質問を終わります。
  92. 山内徳信

    ○山内徳信君 私は、各委員の皆さん方の質問を聞いていて、それに対する答弁はむなしく思いました。  そして、最近どうも外務大臣の表情は変わってきておると、明るくなっておるんです。一体何だろうと私考えたんです。そうしましたら、やっと沖縄の方に押し付けることができる道筋を示すことができたと、そういう心理状態にいらっしゃるから笑顔が表れておるんだろうと、こう思っております。  一方、沖縄担当の前原大臣は、最近は深刻な表情をしていらっしゃるんです。それは一体何だろうと考えましたら、閣僚で話合いがあっても、回り回って沖縄に向かうときは、担当大臣として割って中に入って、これは道が違うじゃないかとおっしゃってくださいよと、こういうふうに申し上げておいたんです。ところが、五名そろって十日午前十一時から沖縄への方向付けをしていらっしゃるわけです。それに対して各委員からは厳しい指摘がありました。  そういうふうな大臣の気持ちを私は読み取っておるんですが、私はここで、通告にもしてございませんが、沖縄総理大臣がやってくるときは必ず災いが起こるんです。いや、立派なお仕事をされた、やはり銅像の建つ大臣もいらっしゃるんです。  私の記憶によると、昭和十八年ごろ、太平洋戦争始まった後ですね、東条英機がやってまいりまして、あの当時、そして師範の先輩たち、当時の中学校生、あるいは那覇、首里の市民も動員を掛けて歓迎体制を組まされたわけです。そこに東条英機は、この太平洋戦争を勝ち抜くために、戦意高揚の立場から大演説をされておるんです。  私は、そういうことを知っておる世代の一人として、この間、私が尊敬してまいりました鳩山総理沖縄に来られて、県知事県議会議長、そして伊波市長、稲嶺名護市長等々と話合いをして、それは窓越しに怒号が飛び交っておるんです。私は、そういうところにやはり総理を追い込んだのは、総理自ら先頭に立たなければいかぬという思いにやはりさせたのは、周囲の支えが、周囲の思いが足らなかったと思っていますよ。  その責任は、ここにいらっしゃるお二人にもあります。残りのお二人にもありますが、やはり総理がおっしゃっていたのは、やはり国外、最低でも県外ということを昨年の七月の十九日におっしゃっておるわけですよ。それを、それは公約ではないという言葉をまた使って、そして五月四日、各場所に行かれて、総理が、沖縄にもまた負担をお願いしなければいかないような状況にもうなりますと、こういうふうに言わせたのは外務大臣ですよ。あなたが以前から、私の考えには外に出す、そういう気持ちはないと記者会見でおっしゃっていたんです。そういう反省をしてもらわぬといかぬのです。  それで、私は、明日もありますから、引き続き明日は外務、防衛大臣に質問いたしますが、今日は少し、ここら辺を知っていらっしゃらないから、今の若い大臣たちはやはり何でも沖縄に押し付ければ通ると思っておるからああいうことをやるんです。  そこで質問に入ります。  一九四一年、太平洋戦争が始まりましたが、日本軍は戦争を勝ち抜くために、多くの戦争のための飛行場、基地沖縄本島、伊江島、宮古、八重山等々にいっぱい造りました。そして、そういう旧軍が造った飛行場の処理がほとんどいいかげんであります。旧地主は泣いておりますよ。  そこで質問。沖縄県内に旧日本軍が造った飛行場の件数とその名称をおっしゃってください。解説は要りませんから、件数と名称だけ。
  93. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 沖縄県が平成十五年度に取りまとめました旧軍飛行場用地問題調査・検討報告書によりますと、沖縄県内に旧日本軍が造った飛行場の件数につきましては十六か所となっております。  その名称は、本島及びその周辺では伊江島飛行場、沖縄北飛行場、沖縄中飛行場、沖縄南飛行場、小禄飛行場、石嶺秘密飛行場、沖縄東飛行場、与根秘密飛行場。宮古島の海軍飛行場、中飛行場、西飛行場。石垣島の白保飛行場、平得飛行場、平喜名飛行場、宮良秘密飛行場。そして、南大東島の海軍飛行場でございます。
  94. 山内徳信

    ○山内徳信君 この飛行場の戦後処理は、これはやはり沖縄担当の皆さんとしては避けては通れないことですから、やはり旧地権者から要求があるときにはまじめに対応していただきたいと思います。  今も那覇飛行場の関係者が必死な動きをしておりますが、何度も私のところに訪ねてきたこともありますが、とにかく誠心誠意対応してほしいということだけここでは申し上げておきます。  さて、日本軍が飛行場を次々と造っていくわけですが、そのときは、地主を学校とかそういう公共の施設に集めて、この戦争を勝ち抜かなければいかないからひとつここに飛行場を造らせてくれ、戦争が終わったら返しますと、こういうふうに言って造っていくわけです。あの当時はやはり反対とか意思表示できる時代ではありません。読谷村に来たときは、国民学校の校舎に集めて、そして天野少尉が来て、警察本部からも付いていって、そして説明をして、返しますと言っておるわけです。ですから、私は、返してもらおうと思って、約束を果たしてもらうために頑張ったという話なんです。  そして、山内が言うことがうそと思うんでしたら、福岡、福岡出身いらっしゃいませんか、今の福岡空港はその前は板付空港なんです。その前は、旧軍が接収したときは席田と言っているんです、席田飛行場なんです。ここはやはり約束どおり旧地主に返還をして、名義も移してからその所属部隊は解散をしておるんですね。そういうふうにまじめにやったところもあるわけですが、ほとんどはもういいかげんに、戦争終わったからといっていいかげんにやっておるわけです。  さて、現在、地権者から返還要求があると思いますが、現在、それぞれの飛行場は大体どういう状況に現況はなっておるか、伺っておきたいと思います。
  95. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 先ほど申し上げました十六か所のうち既に旧地権者に返還された飛行場は、沖縄南飛行場、石嶺秘密飛行場、沖縄東飛行場、与根秘密飛行場、中飛行場、西飛行場の六飛行場でございます。  なお、平喜名飛行場、宮良秘密飛行場、海軍飛行場については、元々村有地でございましたことなどもありまして、旧軍飛行場地主は存在しておりません。  また、いまだ返還されていない飛行場の現状については、伊江島飛行場、これは伊江島補助飛行場と伊江島空港などになっております。沖縄北飛行場というのは読谷村の村有地になっております。沖縄中飛行場につきましては、嘉手納飛行場、これ米軍基地でございます。小禄飛行場は那覇空港でございます。海軍飛行場、これ宮古島でありますが、宮古空港と農地でございます。それから、石垣島の白保飛行場は農地、そして平得飛行場、これも石垣島でございますけれども、これは石垣空港と農地でございます。  ちなみに、沖縄南飛行場、これ浦添市でございますが、旧地主に所有権が返還されておりますけれども、現在、牧港補給地区として、これ米軍基地として利用されておりまして、旧地主に地代が支払われているところでございます。
  96. 山内徳信

    ○山内徳信君 今後のために申し上げておきますが、南飛行場は、戦後、昭和二十二年ごろの地籍調査のときに、関係地主は、いや、戦前は売ってない、それから土地代ももらってない、自分たちのものだと言って、地籍調査のときにやったんです。  東飛行場は、沖縄一悪い高等弁務官と言われた弁務官おりまして、キャラウェイというのがおりまして、そのキャラウェイを説得をした、東飛行場の近くにおりました当時の琉球立法院議員、そして後に議長になり、県知事になられた平良幸市さんがキャラウェイ高等弁務官に訴えて、ヘリコプターに二人乗って、ここからここが東飛行場だと、これは旧軍に接収されて、地権者は何も補償されていないということで、弁務官が沖縄におるときに、分かったと言って用地の処分をしていくわけですね。そういうふうに誠心誠意アメリカのキャラウェイ弁務官でさえもやったわけです。そういう事例がありますということを申し上げておきたいと思います。  それから、旧軍飛行場だったのがそのまま今米軍に使われておるところはどういうところがありますか。
  97. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 伊江島飛行場が伊江島補助飛行場、これ米軍の基地でございます、それから、沖縄中飛行場が今の米軍の嘉手納飛行場でございます。  それから、先ほど申し上げたように、所有権は返還されておりますけれども、牧港補給基地というのは米軍基地として利用されて旧地主に地代が支払われております。
  98. 山内徳信

    ○山内徳信君 中飛行場は今の嘉手納飛行場です。北飛行場は今の読谷補助飛行場なんですね。南は今浦添市の基地内にある飛行場なんですが、やはり何といいますか、これは政治的に解決すべきものだと私は思っているんです。したがって、嘉手納飛行場、それはああいう飛行場の地権者は、全部焼き払われてその所有権証明書も全部失って、復帰後の処理としてはやはり地主は救われていないんですね。それ事務方、少し改めて検討をやっていただけたらと、こういうふうに思います。  さて、時間も十七時二分までですから、時間ももう来ておりますから進めていきたいと思いますが、私は、こういうふうな戦争にまつわるようなものをいいかげんに解決策を怠ってきたらこういうふうなものに全部響いてくるんです。政府は信用できないと。旧日本軍が造ったあの飛行場、そして、私は実際の証拠を握って、持っておるんですが、私は村長になって、この板橋に来たんです。そうしたら、読谷飛行場関係の当時の責任者が健在でいらっしゃいまして、山内さんが裁判を起こすんだったら証人として出ていいということまでおっしゃった人なんです。もう今他界しましたがね。そして、読谷飛行場についてはきちっとした金銭の支払はやっていませんと、こういうふうな、ある参謀でしたが、そういうふうなこともございましたから、やはり落ち着いた今でも、戦後六十五年たってもまだ未解決のがいっぱいあるわけですね。そういうふうなことを担当大臣に申し上げておきたいと思います。  私も最後普天間辺野古問題について申し上げておきますが、今申し上げました旧軍飛行場が十六もあると。その解決が必ずしも完全には行われていないわけですね。そうしますと、地主にとってはもう死んでも死に切れない。日本刀をちらつけて説明に来て、戦争終わったら返しますと言っていたのに、何だこれはというふうな話になるわけですね。  ですから、いつの時代においても約束を守るというのが政治の基本でなければいかぬと思っております。それには外務大臣沖縄担当大臣も異存ありませんでしょう。約束を守ると。そして外務大臣は特に、外交は信なくんば立たずとおっしゃったのは外務大臣でしたよ。  そこで申し上げますが、今回の国外県外ということを強調されて、沖縄県民に大きな期待と希望を持たせていただきましたのは鳩山現総理でございます。したがいまして、そういう約束をしたこと、選挙といえども、いや、それは選挙期間中だったからという言い逃れはできぬのです。舞い戻って、再び沖縄にあるいは辺野古に、しかもくい打ちとおっしゃった。私はどきっとしましたね。外務大臣はどきっとしなかったでしょう、喜んで表情が明るくなっておるんだから。  私はどきっとしましたのは、海底といえども生き物ですよ。鳩山総理の命を大事にするという言葉の一つには、地球の命を大事にするとおっしゃったんですよ。そこに、八千本も九千本近い鉄のくいをどすんどすんと。私は想像しましたよ。私の背中にこんな鉄筋みたいな針をどんどん打ち込まれたら、そういうイメージがわいたんです。それは自然破壊ですよ。  だから、いつか申し上げましたように、文化国家じゃないんですよ。文化国家、文明国家とお互いは言われたい、そういうふうに信じたい、これからも発展させたい。ならば、自然破壊という野蛮的なことはやめるべきですよ。そうでなければいかぬと思います。  そして最後に。沖縄県民は腹は決まりました。どういうふうに決まったかといったら、四月二十五日のあの県民大会、あの県民大会に結集したときに、私は、これだけの県民大会やっても政府が押し付けることがあるならば、この四・二五は新たな闘いのスタートであると、こういうふうに私は考えたわけでございます。  したがいまして、そういう自然破壊をやってはいかないということ、そしてもし、今政府案と言われておるものを押し付けるならば、県民の動きは、これは普天間基地に向かって、県民自らが普天間基地を撤去をさせるためのそういう県民ぐるみの闘いになります。それでも聞かぬというならば、四軍調整官がおる、普天間の北の方の石平というところにおります、私は何度も入りました。何度も交渉に行きました。そういう石平の司令部に向かって沖縄県民が動いていってもいいというんですか。外務大臣、それじゃいかぬでしょう、やはり。それじゃ政府の存在価値はありませんから……
  99. 市川一朗

    委員長市川一朗君) 時間を過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
  100. 山内徳信

    ○山内徳信君 はい。終わりますが。  そういう最悪の事態を避けるように、やはり外に向かって出てくださいと。総理が言われたように、総理は二番目にしか県外とおっしゃっていないんです、総理の言葉の最初は国外ですよ。ひとつ、そういう方向付け、そういうふうにしていくことによって、やはり鳩山政権はしっかりしておると、さすが鳩山政権だと、こういう評価につながると私は思っているんです。  以上です。
  101. 市川一朗

    委員長市川一朗君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後五時四分散会