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2010-03-17 第174回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十二年三月十七日(水曜日) 午後零時十分開会 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
市川
一朗
君 理 事
岩本
司君
谷岡
郁子君
島尻安伊子
君
伊達
忠一君 委 員 金子 恵美君
喜納
昌吉君 今野 東君 佐藤
公治
君 田中 直紀君
横峯
良郎君
中川
雅治君
中川
義雄君
義家
弘介
君
木庭健太郎
君 西田 実仁君 紙 智子君
山内
徳信
君
国務大臣
外務大臣
岡田
克也
君
国務大臣
(
内閣
府
特命担
当
大臣
(
沖縄及
び北方対策
))
前原
誠司
君
大臣政務官
内閣
府
大臣政務
官 泉 健太君
事務局側
第一
特別調査室
長 杉本 勝則君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
沖縄及
び
北方
問題に関しての
対策樹立
に関する
調査
(
沖縄及
び
北方
問題に関しての
施策
に関する件 ) (
派遣委員
の
報告
) ─────────────
市川一朗
1
○
委員長
(
市川一朗
君) ただいまから
沖縄及
び
北方
問題に関する
特別委員会
を開会いたします。
沖縄及
び
北方
問題に関しての
対策樹立
に関する
調査
を議題といたします。
沖縄及
び
北方
問題に関しての
施策
に関する件について
関係大臣
から
所信
を聴取いたします。 まず、
前原沖縄
及び
北方対策担当大臣
から
所信
を聴取いたします。
前原沖縄
及び
北方対策担当大臣
。
前原誠司
2
○
国務大臣
(
前原誠司
君)
沖縄及
び北方対策
を担当する
内閣
府
特命担当大臣
の
前原誠司
でございます。
沖縄及
び
北方
問題に関する
特別委員会
の
開催
に当たり、
所信
の一端を申し述べます。 まず、
沖縄政策
について申し上げます。
沖縄
の
本土復帰
から三十八年がたとうとしています。これまで、
社会資本整備面
を
中心
に
本土
との格差は次第に
縮小
し、
県民
のたゆまぬ努力により、魅力ある
観光地
として、また最近では
情報通信産業
の
分野
においても
沖縄
は着実に発展してきました。しかしながら、
沖縄
の
経済社会
は、
全国
に比べて低い
県民所得
や高い
失業率
に示されるように、今日なお厳しい
状況
にあります。
沖縄経済
の真の自立を実現するため、
政府
と
沖縄
が一体となって、
各種産業
の一層の
振興
、人材の
育成
、
雇用
の安定、重点的、戦略的な
社会資本整備
などに
全力
を尽くしてまいります。
沖縄
における
リーディング産業
である
観光
は、
我が国
にとって有力な
成長分野
です。私は
国土交通大臣
として
観光立国
の
推進
に取り組んでいますが、
沖縄
はその
牽引役
として更なる
成長
を遂げることが期待されます。豊かな自然や温暖な
気候
、おもてなしの心といった
特色
に加え、独特の文化、芸能を
観光
に生かすなど、
沖縄
を訪れた感動をもっと多くの人々に味わってもらえるように、また
沖縄
へ一泊でも長く滞在をしてもらえるように、
環境
を整えていきたいと考えております。
沖縄
の
情報通信関連産業
については、今日では
コールセンター
から
ソフト開発
など
付加価値
の高い業態への拡大が始まっており、
沖縄IT津梁パーク
を始め、これまでに
整備
した
産業基盤
を活用しつつ
支援
をしていきたいと考えております。 ほかにも、
沖縄
の豊かな
自然環境
を踏まえた
環境関連産業
の
育成
や、
亜熱帯気候
の
特色
を生かした
農林水産業
の
振興
など、
各種
の
振興策
を進めてまいります。
沖縄科学技術大学院大学
は、これまで
整備
を進めてきた
恩納
村キャンパスへの
移転
を開始し、
平成
二十四年度の
開学
を目指し準備を本格化します。この
大学院大学
を核に
研究機関
や
民間企業
が集積する
知的クラスター
の形成を目指し、適切かつ積極的に
支援
してまいります。 また、最近の厳しい
経済情勢
に対応し、
沖縄
県と連携しながら、
雇用
の安定や
地域
の
活性化
に取り組みます。さらに、県土の均衡ある発展を図る
観点
から、広大な海域に点在する離島や、
本島北部
などの
地域
の
振興
を行ってまいります。
沖縄振興特別措置法
による十か年の
沖縄振興計画
の
実施期間
は、残り二年となりました。
沖縄
県は、近く近未来の
沖縄
の姿を展望した
沖縄
二十一
世紀ビジョン
を取りまとめると聞いております。
政府
としては、
現行計画
の総仕上げを行うとともに、これまでの
施策
の検証をしっかりと行いながら、
地元自治体
、
地域住民
の声を受け止め、今後の
沖縄振興
の在り方を検討していきたいと考えております。
沖縄
には
在日米軍施設
・
区域
が集中しており、
基地
の存在に起因する事件、事故を含め、
県民
の
皆様
に大きな御
負担
をお掛けしております。この
基地負担
を
軽減
すべく、その
整理
、
統合
、
縮小
に向けて取り組むことが重要であります。
普天間飛行場
の
移設
問題については、
官房長官
の下で検討が行われていますが、私としては、
沖縄
を担当する
大臣
として、
沖縄
との
橋渡し役
を務めるとともに、
基地
が返還された
跡地
の
利用
についても
地元
の取組を積極的に
支援
してまいります。 次に、
北方領土
問題について申し上げます。 去る二月七日の
北方領土
の日に
開催
した
北方領土返還要求全国大会
において、
鳩山総理
は、
北方領土
問題の
解決
を最も果たしたい一番大きな
思い
であると述べられ、強い
決意
を示されました。 私も、これまで
国会議員
としてこの問題にかかわり、特に昨年は
北方領土問題等
の
解決
の
促進
のための
特別措置
に関する法律の改正に携わりました。今後も引き続き、
北方対策担当大臣
という立場から、
関係団体
と緊密に連携し、
北方領土返還
に向けた
環境整備
に取り組み、
外交交渉
を後押ししてまいる
所存
です。 戦後六十五年がたとうとしている今、生まれた故郷を追われた元
島民
の
方々
の
高齢化
も進む中において、
北方領土返還
に向けた強い
意思
がいま一度世代を超えて共有されることが大変重要です。このため、次代を担う青少年に対する
北方領土教育
や
後継者育成等
を通じた
国民世論
の一層の啓発に取り組んでまいります。 また、ビザなし
交流
や
自由訪問
の
推進
を通じた
北方
四島
住民
との
相互理解
の増進及び元
島民
の
方々
への
援護措置
の充実に取り組んでまいります。
市川委員長
を始め
理事
、
委員
の
皆様方
の一層の御
理解
と御
協力
をお願い申し上げます。 ありがとうございました。
市川一朗
3
○
委員長
(
市川一朗
君) 次に、
岡田外務大臣
から
所信
を聴取いたします。
岡田外務大臣
。
岡田克也
4
○
国務大臣
(
岡田克也
君)
沖縄及
び
北方
問題に関する
特別委員会
の
開催
に当たり、謹んで
所信
を申し述べます。 まず、
沖縄
に関する事項について述べます。
日米同盟
は
我が国外交
の基軸であり、特に
日米安保体制
はその
中核
を成しています。
アジア太平洋地域
には依然として不安定、不確実な要素が存在しており、在
沖米軍
を含む
在日米軍
は、
我が国
の安全を確保する
抑止力
として重要な
役割
を果たしています。 また、
現行日米安保条約締結
五十周年となる本年、今後三十年から五十年先を見据えて、
日米協力
を一層強化し、
日米安保体制
を
中核
とする
日米同盟
が、
日本
の安全、そして
アジア太平洋
と
地球規模
の平和と繁栄のために果たす
役割
を再確認する一年にしたいと考えています。その際、
在日米軍
が
日本
の安全を確保する
抑止力
として重要な
役割
を果たしていることについて、
国民
の
皆さん
に率直に語り、その御
理解
を深めてまいりたいと
思い
ます。 一方、
沖縄
に
在日米軍
の
施設
及び
区域
が集中していることにより、
沖縄
県の
方々
に多大な
負担
をお掛けし、その
軽減
を求められていることは十分認識しています。 このような
沖縄
の
施設
及び
区域
の問題については、
安全保障
上の
必要性
を踏まえつつ、
沖縄
県の
負担
を少しでも
軽減
するとの
観点
から取り組んでまいります。 特に、
普天間飛行場
の
移設
の問題については、
日米合意
の重みを十分認識した上で、
在日米軍
が果たしている
役割
、
沖縄
の
負担軽減
などの諸点を十分に勘案し、
地元
の
理解
を求めつつ、米国ともすり合わせをして
理解
を求め、
政府
が責任を持って、五月末までに具体的な
移設先
を決定します。 次に、
日ロ関係
及び
北方領土
問題について述べます。
ロシア
とは、
アジア太平洋地域
におけるパートナーとして、新しい
関係
を構築していきたいと考えます。 そのためには、
北方領土
問題を最終的に
解決
しなければなりません。この問題が未
解決
のままであるために、
日ロ
間の
協力関係
が本来あるべき姿になっていないことは大変残念なことです。 昨年末の日
ロ外相会談
では、私から、領土の帰属の問題に目に見える進展がないことが問題であること、五六年宣言では最終的な
解決
になり得ないことを述べ、
ロシア側
の積極的な対応を求めました。 また、今月六日及び七日には北海道を訪問し、
外務大臣就任
後、初めて
北方領土
の
視察
を行いました。その際、改めて
地元
の
皆さん
から
北方領土返還
に対する熱い
思い
を直接お伺いし、この問題の
最終的解決
に向けた
決意
を強くしました。 戦後六十五年が経過し、これ以上この問題の
解決
を遅らせることは許されません。私としても、
鳩山総理
、
メドベージェフ大統領
、
プーチン首相
という顔ぶれがそろっているこの機会に、政治と
経済
を車の両輪のように前進させつつ、
北方領土
問題を最終的に
解決
して
平和条約
を締結すべく、強い
意思
を持って
ロシア側
と
交渉
を行っていく
所存
です。
最後
に、以上のような
外交
を
推進
していく上で、
国民
の
理解
と
信頼
を得ていくことが不可欠です。こうした考えの下、私は
外務大臣就任
当日に、いわゆる密約問題に関する
調査
を命じ、今般その
調査
結果を
有識者委員会
からの
報告書
とともに発表したところです。今回の作業が
外交
に対する
国民
の
信頼回復
につながることを期待しています。これからも
国民
とともに歩む
外交
を実践し、
国民
の負託にこたえていきたいと
思い
ます。
市川委員長
を始め
委員各位
の御指導と御
協力
を賜りますようお願い申し上げます。
市川一朗
5
○
委員長
(
市川一朗
君) 以上で
所信
の聴取は終了いたしました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 両
大臣
は御退席いただいて結構でございます。 ─────────────
市川一朗
6
○
委員長
(
市川一朗
君) 次に、先般本
委員会
が行いました
委員派遣
につきまして、
派遣委員
の
報告
を聴取いたします。
岩本司
君。
岩本司
7
○
岩本司
君
委員派遣
につきまして、その
概要
を御
報告
申し上げます。 去る一月十二日から十四日までの三日間、
沖縄
県に赴き、同県の
振興開発
及び
基地問題等
に関する
実情
を
調査
してまいりました。
派遣委員
は、
市川委員長
、
谷岡理事
、
伊達理事
、
島尻理事
、
紙委員
、
山内委員
及び私、
岩本
の七名です。
沖縄
県は、
本土復帰
から三十七年が経過した今日においても、
完全失業率
は
全国
の二倍、一人当たりの
県民所得
も
全国平均
の約七割にとどまるなど、依然として多くの
課題
を抱えております。 他方、
沖縄
には
全国
の
在日米軍施設
・
区域
の約七四%が集中し、その
整理縮小
が強く求められております。また、
基地返還
に伴う
跡地利用
を進めることも大きな
課題
となっております。 このような
状況
を踏まえ、今回の
委員派遣
では、
振興開発
や
米軍基地
の問題を抱えている主な
市町村
を訪問し、
自治体
、
企業
、
住民等
から
概況
を聴取し、
意見
や
要望
の把握に努めたほか、あわせて、その
地域
に
関係
する
施設等
の
視察
を行ってまいりました。 以下、
調査
の
概要
について、日程に沿いながら御
報告
申し上げます。 初日は、まず、
那覇市内
で
沖縄県議会
と
沖縄県庁
から
要望
を聴取し、
仲井眞知事
からは、
地域
の
活性化
、
米軍基地
の
整理縮小
及び
跡地利用
などについて今後も国の
支援
が必要であるとの
意見
が述べられました。続いて、
内閣
府
沖縄総合事務局
、
防衛省沖縄防衛局
及び
外務省沖縄事務所
から
概況説明
を聴取いたしました。
宜野湾
市においては、
嘉数高台
から
普天間飛行場
を
視察
し、町の
中心部
に広大な
基地
が存在し、ヘリコプターが上空を飛び交う光景を目の当たりにしました。続いて、
基地
の
周辺
に住む
住民
の
方々
から騒音に苦しんでいる現状などについて話を伺い、
住民
の
方々
の日々の不安を実感することができました。その後、
宜野湾市役所
を訪問して、
普天間飛行場
の
危険性除去
、
沖縄
からグアムへの
海兵隊移転
などについて
意見交換
を行い、一刻も早くこの問題を
解決
しなければならないとの
思い
を強くした次第であります。 そして、この日の
最後
に、
沖縄
県
中部市町村会
から国の
保育施設
への
支援
、
基地
の
跡地利用
の
促進
などの
要望
を聴取いたしました。 二日目は、まず、
嘉手納
町役場を訪問し、
普天間飛行場
の
移設
問題に伴う
嘉手納統合案
などについて
意見交換
を行い、
地域住民
の
基地負担
の
軽減
に向けて
全力
を挙げて取り組んでいくことの
必要性
を痛感いたしました。また、「道の駅かでな」から
嘉手納基地
を
視察
し、町の大半が
軍用地
となっており、
基地
が
住宅地
に隣接している
状況
などを確認することができました。 うるま市においては、
特別自由貿易地域
、
IT津梁パーク
、
沖縄科学技術研究
・
交流センター
を
視察
した後、うるま
市役所
を訪問し、中城湾港
新港地区
の
港湾整備
などについて
意見交換
を行い、この
地区
において
企業誘致
を
促進
していくためには
進出企業
が求めている埠頭の
整備
を行っていくことの
必要性
を感じました。
名護
市においては、まず
キャンプ・シュワブ
で
辺野古沿岸域
や兵舎の
建設状況
、続いて
名護
市みらい三号館では
企業
が入居する
施設
をそれぞれ
視察
しました。 そして、この日の
最後
に、
沖縄
県
北部市町村会
から
北部地域
への
鉄軌道
の導入、
へき地医療
の
対策
などについて
要望
を聴取いたしました。 三日目は、まず、
辺野古漁港
において、
キャンプ・シュワブ周辺地域
の
住民
の
方々
から、
辺野古
の海には
希少動物
が生息しており、それを守るためにも沖合に
基地
を造らないでほしいとの切実な声を聴いてまいりました。続いて、
恩納
村に移動して
沖縄科学技術大学院大学
の
研究棟
などを
視察
しましたが、これらの
施設
は大変すばらしく、
沖縄振興
に貢献していく上でも大きな
可能性
を持っている
大学
であると実感いたしました。
沖縄
市においては、
沖縄市役所
で
泡瀬地区
の
開発状況等
について
意見交換
を行った後、同
地区
を
視察
し、海の埋立てに伴う
環境
への影響を踏まえつつ、市民の同意を得ながら対応していくことが重要であると感じました。 今回の
委員派遣
におきましては、
現地
において多くの
方々
から多岐にわたる
意見
や
要望
をいただき、また、
現地
の
実情視察等
を通じて、
沖縄
が抱えている問題について、より一層
理解
を深めることができました。
報告
を終わるに当たり、今般の
委員派遣
に際し、御
協力
をいただきました
内閣
府
沖縄総合事務局
を始め国の
関係
各
機関
、
沖縄
県、
関係市町村
、
県中部市町村
、
県北部市町村
及び
視察先
の
皆様
に厚くお礼を申し上げます。 なお、
委員派遣
の文書による
報告書
につきましては、本日の
会議録
の
末尾
に掲載されますようお取り計らいをいただきたいと存じます。 以上でございます。
市川一朗
8
○
委員長
(
市川一朗
君) 以上で
派遣委員
の
報告
は終了いたしました。 ただいまの
報告
につきまして、別途、詳細にわたる
報告書
が提出されておりますので、これを本日の
会議録
の
末尾
に掲載することにいたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
市川一朗
9
○
委員長
(
市川一朗
君) 御
異議
ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十六分散会