○平井たくや君
自由民主党の平井たくやです。
自由民主党・
無所属の会を
代表して、
政府の
政策決定過程における
政治主導の確立のための
内閣法等の一部を改正する
法律案について
質問をいたします。(
拍手)
まずは、
鳩山総理にお伺いします。
鳩山政権は発足して八カ月。発足時は七割近くあった支持率は瞬く間に急落し、
国民の失望感は日増しに強まっています。最大の原因は、
総理、あなたにリーダーシップがないことであります。この八カ月の間、
鳩山総理御
自身が決断を下した場面がどれだけあったでしょうか。残念ながら、私には、ひたすらひたすら低
姿勢で、脱税逃れの言いわけにきゅうきゅうとしている
総理の姿しか思い浮かびません。
国民の多くが同じ印象を抱いているのではないでしょうか。
そんな
総理が就任以来変わらず貫いている
姿勢は二つです。
まず一つは、
言葉が軽く、すべての政策に関してぶれてしまうこと。
五月末には絶対に決めると言い張っている
沖縄普天間移設問題では、
発言のたびに内容が変わっています。消費税についても同様です。消費税の
議論は早過ぎると言ったかと思えば、消費税の
議論を始めることは、ある
意味ではよい時期になると
発言。また、高校の無償化
法案に朝鮮学校が含まれるかについても二転三転し、ついには、揺らぎの中で本質を見きわめることが宇宙の真理だと、常人には
理解できないような
説明を始める始末であります。このような人物が国家
運営の最高
責任者として
政治主導を声高に
主張するとは、まさに噴飯物と言わ
ざるを得ません。
不動の
姿勢の二つ目は、小沢幹事長のかいらい、言いなりであることです。
政治と金をめぐる問題では、小沢幹事長と歩調を合わせて一貫して
国会での証人喚問から逃げ回り、昨年末の予算編成においては、全
国民からの要望なので可能な限り予算に反映させてほしいという小沢幹事長の命令を受け、
マニフェストの目玉だったガソリンの暫定税率廃止をあっさりと取り下げ、小沢幹事長に対し、ありがたいと四回繰り返したと報じられております。
現在の
民主党は、経済面でも外交面においても、
日本を内側から瓦解させるような悪政のオンパレードであります。
鳩山政権発足後の半年を振り返って、
総理は、御自分のリーダーシップ、
政治主導をどう評価されておりますか。ここでぜひ自己採点をしてみてください。百点満点で一体何点だったんでしょうか。また、
総理のおっしゃる
政治主導とは一体何でしょうか。小沢幹事長の意向に従順であるということなのでしょうか。
以上二点につき、私のような普通の人間にもわかるような表現で明確にお答えをください。
さて、本
法案は、
政府の
政策決定過程を
政治主導にするための体制整備の
法案です。
しかし、残念ながら、今や
国民は鳩山
内閣に対して
政治主導の実現など
期待はしておりません。なぜかは、おわかりのはずであります。
民主党がかつて
政治主導で唱えていたことが、うそばっかりであるとわかったからであります。
普天間基地の
県外移設を唱えていたが、
政権をとって勉強してみたら無理だったとわかった、これは
鳩山総理がはっきりと認められました。それだけではありません。昨日の
内閣委員会で
強行採決された
国家公務員法等の
改正案の
審議の中で、
天下り根絶や
国家公務員人件費二割
削減など、
マニフェストで明記していた内容も、すべてうそだったことが明らかになりました。
かつて
民主党の皆さんは、人材バンクは
天下りバンク、
公務員もハローワークに行くべきだと高らかに
主張し、また、いわゆる肩たたき、早期退職勧奨は禁止すべきだと言っていました。ところが、先ほど
採決された
国家公務員法等の
改正案は一体何ですか。人材バンクを恒久化し、
天下りあっせんをやり続けることになっているのではないですか。早期退職勧奨の禁止などという
言葉は、蒸発して完全に消えてしまったじゃないですか。
かつて
天下り根絶の急先鋒だった長妻昭議員、馬淵澄夫議員、先ほどの
法案には
賛成したのですか、本当に心から
賛成したのですか、
政治家として恥ずかしくないんですか。
私は、
大臣、副
大臣としての
答弁は求めません。ただ、あなた方がこれまで
国民の前に明らかにしてきたことはこういうことであります。
政治主導とは、できるかどうかをきちんと検証せず、
選挙で
国民受けしそうなことを高らかに唱えること、そして、
選挙が終わったら直ちに手のひらを返し、やはり勉強してみたらできませんでしたと言って舌を出せばいいということではないですか。
鳩山総理、これでも、
政治主導の確立を今さら目指すのですか。全く信頼に値しない
閣僚たちが
政治主導の確立を目指そうとする、
国民から見たら、これはブラックジョーク以外の何物でもありません。
鳩山総理、あなたのような
総理大臣のもとでは、むしろ官僚主導の方が望ましいとは思いませんか。あなたには
政治主導など無理です。できないことを目指さない方がよいのではありませんか。また、万一にも
政治主導の確立がこの
内閣で実現したら、それこそこの国にとっての危機だと、御自分でも考えているのではないですか。御見解をお伺いします。
ひょっとすると、
鳩山総理は、本気で
政治主導など目指してはいけないということを十分にわかっておられるのかもしれません。というのも、今回の
法案では、どういう
政治主導を目指そうとしているのか、具体的な姿が全く見えません。何の理念も哲学もなく、全く真剣味のない
法律と言わ
ざるを得ません。
例えば、権力の二重構造について、どう考えているのですか。
民主党がモデルと仰ぐイギリスでは、
政権党幹部の全員が入閣しています。それに倣うのであれば、当然、
民主党の幹部はすべて
内閣に入ってしかるべきであります。
民主党の最高権力者とされる小沢幹事長は、
内閣に入っておりません。なぜですか。入閣すれば、本
会議や
委員会で
答弁に立たねばならず、答えたくない
質問に関しても、いや応なく答えなければならないからであります。小沢幹事長は、それを逃れるために
内閣に入っていないのではないですか。
自身の潔白を
主張するなら、正々堂々と
国会の場で
説明すればいいのではないですか。
権力の二重構造を排し、
内閣の意思決定をスムーズに進めるためにも、小沢幹事長を即刻入閣させることが必要だと考えます。
総理のお考えを明確にお答えください。
また、かつて
マニフェストで掲げていた、官僚依存でなく政務三役が中心になって政策決定するということは、引き続きやるのですか、修正するのですか。
内閣委員会の
審議の中で、
仙谷大臣は、事務次官を廃止して、かわりに事務系副
大臣をつくる
可能性を示唆されました。この場合、政務三役の中に官僚のトップが入るのですか。
政治主導はやめて、官僚主導の政務三役に切りかえるということですか。
仙谷大臣、
政治主導の確立と事務系副
大臣の創設がどういう関係にあるか、御
答弁を下さい。
また、今回の
法案では、政務調査官を置いて、政務三役をサポートすることになっています。しかし、一方で、現在総務省で検討されている退職管理
基本方針では、これまでなら
天下りしていた幹部官僚たちを役所の中で処遇するために、高位の専門スタッフ職なるものをつくろうとしています。その仕事も、政務三役の企画立案のサポートだそうです。一体、これはどういう関係にあるんですか。
結局、政務調査官は、
民主党職員を役所に連れてきて箔をつけるため、高位の専門スタッフ職は、幹部官僚たちを
天下りのかわりに高給を保障するためのポスト。実際の仕事があるかないかなどはお構いなしで、ともかくポストのためにポストをつくったということとしか思えません。
総務省では、落選した前
国会議員を総務省顧問として任命し、非常勤報酬を支給しています。これも、実際の仕事があるかないかではなく、落選議員に肩書と非常勤報酬を与えるためにやっていることではありませんか。こんなことをやっていて、
国家公務員の
人件費二割
削減などできるわけがありません。
総務
大臣、以上の点について御見解を伺います。
今回の
法案では、国家戦略局の創設についても定められております。
しかし、そもそも、今ごろになって国家戦略局をつくっても遅過ぎです。なぜ、昨年九月、
政権発足直後にすぐつくらなかったんですか。官僚依存から脱却を目指すというなら、官僚機構にかわってしっかりとした戦略策定を行う部隊が必要だったはずです。これをやらなかったから、予算の全面組み替えもできず、
天下り根絶もできず、
普天間問題は迷走に迷走を重ねたのではないですか。
鳩山総理、今
国会まで国家戦略局の創設をおくらせた
理由をお聞かせください。
国家戦略局の規定に関する具体的な
問題点は
委員会審議の中で伺いますが、きょうは、官房長官に一つだけ伺っておきます。
国家戦略局の局員で
国会議員がつくことのできるポストは、国家戦略局長と国家戦略官の二名だけになっています。なぜ、こんなことにしたのですか。これでも
政治主導ができますか。
本当に
政治主導の国家戦略局をつくろうというなら、もっと大勢の
国会議員が参画できるようにしなければならないことは明らかです。かつて、菅副
総理が国家戦略担当
大臣だったとき、
民主党に国家戦略室への人的応援を要請したことがあったはずであります。
今回、こんな
法案にした
理由は何か。小沢幹事長が
国会議員を
政府に余り大勢入れることに難色を示したからというだけではありませんか。御
答弁ください。
最後に、
民主党の議員に申し上げます。
あなたたちは、執行部の
方針に唯々諾々と従うために議員になったんですか。それがあなたたちの本分なのですか。だとするなら、
国民、有権者を愚弄していることにほかなりません。キャリアや党内の
立場の差異こそあれ、同じく
国民の負託を受け、我々はこの場に立っているものです。にもかかわらず、
国民の多くが疑念や違和感を抱いている事態にあなたたちが口を閉ざしているのは、みずからの職責を放棄し、
国民の意思を冒涜している以外の何物でもありません。あなたたちに
民主の美名を語る資格はないと断言をいたします。
さきの
選挙の勝利は、
鳩山政権への白紙委任ではありません。
政治主導という名のもとに、
内閣官房や
内閣府に新たなポストを新設するなど大幅な組織拡大を図る。これは
行政改革の精神にも逆行するものであり、
民主党の
国会議員や
民主党職員にポストや給料を配るためのお手盛り
法案だと言わ
ざるを得ません。
さきの総
選挙は、
政権を運転する運転手をかえた
選挙です。しかし、鳩山
民主党は、
政治主導の名のもとに、車そのものまでも自分のものだと
主張しているように思えてなりません。
民主党の皆さんも、よく考えてください。
政権交代とは、運転手の交代であり、
日本という車の所有者は、あくまでも
国民の皆さんであり、決してあなたたちではないんですよ。
野に下った我々
自民党に残されている取り柄の一つは、どこかの政党とは異なり、党内で自由に物が言え、
議論ができることであり、物事は極めて
民主的に決まっていることであります。
自由民主党は、本当の
意味で
政治主導を実現することを
国民の皆様方にお誓い申し上げまして、私の
質問を終わらせていただきます。(
拍手)
〔
内閣総理大臣鳩山由紀夫君
登壇〕