○福井
委員 クラシカルミュージックが好きな者として非常に不満なのは、指揮者をずっとやろうと思っていたから閣内不統一と言われてもしようがないんだという鳩山総理のお
言葉がございました。指揮者というのは、自分の頭の中でイメージをつくって、それでリズムもスピードも、まあ音程は決まっていますけれども、そして音色ですね。自分でイメージをつくって、各パートパート、パーツパーツで演奏させるというのが指揮者ですから、すべて細部にわたって、神々が宿る細部にまで練習を積み重ねて音楽をつくり上げていくというのが指揮者だから、ぜひ、
大臣から、指揮者だからサボっていていいんだということは言わないようにお伝えをいただきたいなと。
一つ紹介したいのは、カラヤンの事例で、カラヤンが若くしてベルリン・フィルに行ったときに、職人さんが、バイオリンにしてもビオラにしても、とにかく名うての名手ですから、何じゃ、こいつは、こう思っているわけですね。この若者は一体何者だ、おれ
たちの上司になれるわけがない、こう思っているのはわかっている。そうすると、彼は何をしたかというと、一番簡単と思われるフレーズを繰り返し繰り返し演奏させたんですね。一番簡単なフレーズを繰り返し繰り返し演奏させた、これがキーなんですよ。
つまり、そこが本質なんですね。音楽の一番本質、メロディーのところの一番簡単なパーツにこそ、その曲全体の本質が宿っている、そこで心を合わせなければいい音楽はできないと。だから、ちょっとでも狂いがあったら、それは指揮者の権限としてまさに矯正をさせるということで、もちろん、一日でできるわけじゃない、一カ月でできるわけじゃないんでしょうけれども、そうやって積み重ねて尊敬を得たというのがカラヤンの歴史です。
ですから、一番簡単なフレーズ、つまり政治の一番の本質、それは何かということを鳩山さんにおっしゃっていただいて、それが全員が心が合わさるようにという指導をぜひしていただきたいなということです。
我々として不満なのは、その政治の一番の本質、これだけの変曲点にあって、一番今
国民が知りたいのは、では、十年後、二十年後、どういう国にしてくれるの、どこに私
たちを連れていってくれるのかということを絶対おっしゃらないんですよ。自民党からいえば、成長戦略という
言葉になりますけれども、
国民の
言葉で言えば、どこに連れていってくれるのということなんですね。確かに、命を守りたいとか、詩人の
言葉になられたので、これはやられたと
思いましたけれども。全体は部分の集合じゃなくて、全体は物語だという
言葉があります。だから、物語で、詩で語れば政治は語れると思うんです。だから、もう先にやられてしまいましたけれども、しかし、語っていないのは本質なんですね、政治の本質。今後どこに向かっていくのかということが一番重要だということで、ぜひ
大臣からお伝えをいただきたいなと
思います。
もう一度
最後に、時間があと三分ありますけれども、
法務大臣として、
法務行政を、今おっしゃっていただきましたが、
社会化するということをもう一度おっしゃっていただきたいのと、それからもう一問、ちょっとついでにさせていただいて、
最後にまとめて
お答えいただいて
質問を終わらせていただきたいんです。
先ほどの、縦割り行政の打破ということで、これは本当に神が時代に織り込んだメタファーなんですけれども、一九二九年、前の大恐慌、今度また大恐慌、それで政治が混乱しまして、まあ民主党が躍進したのを混乱とは言いませんけれども、しかし、政治が行政に介入をしてポリティカルアポイントをふやして、それで、戦前ですから、知事を勝手にかえたりそれから警察庁長官をかえたりして、自分の選挙のために政治が行政に介入したという歴史がある。そして、二・二六、五・一五になる。
それでやったのが、改革官僚ということで、官僚の中から、政治がだめだから、大政翼賛会になって、政治が全くチェック機能がなくなったので、では、官僚で自分
たちの国を立て直そうということで、当時、官僚時代の岸信介その他その他の先輩方が
昭和十五年体制をつくって、まあ戦争に行ったことを捨象しなければなりませんが、戦後の高度経済成長のまさにその基盤を、
昭和十五年体制、役人がつくったんですね、改革官僚。
今回は、だから、同じことでずっと来て、国家戦略局なんです。これは民主党の専売特許じゃなくて、自民党時代にもそれをつくろうという国家公務員法の
改正案がありました。ですから、もう
国民的な
合意だと思っていいと思うんですね。ですから、この縦割り行政の打破のために、梁山泊としての官邸に百人、二百人、そういう国士がいて、横ぐしの政策をどんどん論じ合う、そしてそれを
法律にする、
制度にする、
国民をそうやって
国民運動に巻き込んでいくということで、国家戦略局、本当に頑張ってもらいたいと思うんです。
法務省は、わしは知らぬというのは一番だめなんですね。ですから、せっかく今
大臣おっしゃっていただいたように、
社会化もするし、横ぐしにもするとおっしゃっていただいたから、国家戦略局にどうビルトイン、では
法務省の部下をあしたから一人やりましょうとか、
法務省をやめさせて帰るところがないということにして国家戦略局に一人派遣しましょうとか、もちろんあしたからというわけにはいきませんけれども、そういうお気持ちで、ぜひ実際に、現実にやっていただきたいなというふうに
思います。
ですから、鳩山総理のリーダーシップ、そして横ぐしの問題、そして
法務行政の今後のパースペクティブ、まとめてですけれども、済みません、あと三十秒ぐらいしかありませんけれども、ちょっと御答弁いただきたい。