○橘(秀)
委員 今御答弁いただきましたとおり、児童相談所長からの申し立ての数、一年間でわずかに十件。さらに、認容された数、わずかに四件であります。もうここまでなると、運用ではやり切れないところじゃないかと
思います。やはり、きちんと法改正をしない限り、実際に現場では使えない
制度じゃないかということを御指摘させていただきたいと存じます。
今回の法制審への諮問については、
法務省が、児童虐待防止のための親権
制度研究会報告書、インターネット上にアップされておりまして、報告書と議事録を合わせると、ちょっとせこくて縮小で印刷しておりますが、これだけ分厚いものであります。非常に何回もの精密な
議論をされているんですが、この
議論の御努力については敬意を表したいと思うんですが、さらに、十年前の国会の
委員会の中では、もうこの民法をいじること自体に、
法務省の民事局長さん、民法は不磨の大典ではないと言われながら、実際にはゼロ回答だった
時代から見ると、進歩したとは
思います。
しかしながら、この報告書を詳細に見させていただきますと、論点整理にとどまっているんじゃないか。これを前向きに変えていこうということがなくて、言葉が多いのが、新しい
制度をつくる際に、こうした
問題点が指摘された、あるいは慎重に検討する必要があると、消極的な言葉のオンパレードとなっている、そうした
状況であります。警察庁の先ほどの匿名ダイヤルの試み、非常に積極的な試みをされているのに対して、この報告書は、残念ながら非常に消極的だと思ってしまいました。
長い野党の
時代、民主党は積極的に数多くの議員立法をつくって、政治主導で子供の命を守ろうということをやってまいりました。きょうお手元に配付させていただいた資料、
委員の皆さん、ごらんをいただきたいんですが、これは十年前の二〇〇〇年につくられました民主党の児童虐待防止法案であります。
衆議院の法制局の審査も終了いたしまして、ちょっと時系列で申し上げると、二〇〇〇年の四月十九日にNC男女共同参画・
人権・総務部門
会議、次の内閣の部門
会議で了承を受けて、二〇〇〇年の四月二十日で民主党の法案として次の内閣で了承されたものであります。超党派の議員立法で、全会一致を原則としたために、全部は盛り込まれることはありませんでしたが、法律案の八ページ、第八条の中では、民法の改正について踏み込んでいます。法律案の、この資料の最後から二ページは民法の新旧対照表をつけてございますが、親権の停止の
制度の新設、それから身上監護権の停止及び喪失の
制度の新設を書き込んだ非常に画期的な、先駆けとしてのものであったと
思います。
十年前を
思い出していただきたいんですが、この担当されていたNC、次の内閣男女共同参画・
人権・総務部門
会議、この当時、次の内閣の
大臣でありましたのは
千葉景子現
大臣でございました。そして、次の内閣の閣議でも
千葉景子
大臣が御
説明をされました。当時、鳩山代表だったと
思います。
何が言いたいかと申しますと、この警察庁の新しい積極的な試み、本当に、せっかく政権交代をしたところであります。政治が主導して子供の命を守っていかなくてはならないものと
思います。児童虐待の防止は、今最高裁の局長からも答弁いただきました、
厚生労働省、細川副
大臣にもお見えいただいております、そして
法務省、
文科省もそうであります、本当に幾つもの省庁にまたがるところであります。
法務省三役の皆さんにもお願いさせていただきたいのは、ぜひぜひ政治が主導して、役所の
都合であったり法律の整合性、そうしたことも大切なんですが、より大切なのは子供の命を守ることだと思っています。御答弁をお願いさせていただきたいのは、子供の命を守ること、命を守る現場が救われる
制度につくりかえていくことこそ重要であると
思います。
親権の一時・一部制限について、特に身上監護権の制限をしていくことについて
制度を新たに設けることについて、御所見をいただければと
思います。