○東(順)
委員 公明党の東
順治でございます。
大変深刻な
状況というものがますます広がりを大きくしております。日本も本格的な雨季に入りました。梅雨です。この梅雨のさなかに、
家畜農家の皆様はもちろん、行政の
関係の人
たち、あるいは自衛隊員の
皆さん、
関係者すべてがどのような御苦労をされているかを思いますときに、これはもう本当に大変だなという思いがますます募ってまいります。
大臣、実はきのう、私は壱岐島に行ってきたんです。長崎県の、
大臣の
地元ですね。やはり、ここまでかという思いをいたしましたよ。大変な心配をしている。不安と心配が物すごい。
壱岐島というのは、私も
関係者の皆様にしっかり取材をさせていただいたんですけれども、まさに子牛の生産基地なんですね。それで、岡山とか山口とか四国とか宮城、福島、松阪、兵庫等々から
皆さん、子牛を買いにおいでになっている。ところが、今、九州には子牛を買いに行くなという感じになってきている。非常に心配されておられました。
競り市も、六月一日、二日、これは中止になりました。二カ月に一回やっておられるということで、一回に約八百頭が競りにかけられる。次は七月の一日、二日に予定されている。ところが、これをやれるかどうかわからない。恐らくこれもまたやれないだろうと、大変頭を悩ましておられました。一年間で子牛を約五千頭、これが競り市にかけられて買われていくんだ、こうおっしゃっておられましたね。
この壱岐島の農
畜産物の販売高の三分の二が牛なんですって。ウイルスというものが、これは東国原知事もこの間発言しておられましたけれども、まさにパンデミックだ、
感染爆発のステージに入ったと。どこに飛び火してどこから出てくるかわからない状態になってきた。こうなってくると、いつ何どきこの壱岐島でも
発症するかどうかわからないというようなことで、フェリーの船着き場では、特にトラックそれから乗客、乗客でいえば靴の裏、トラックはまさにタイヤですね、車体、
消毒に物すごく神経を使ってやっておられましたよ。
あるいは、つい最近の六月六日、サイクルフェスタ、九州全体から集まってくるこういうサイクルフェスタというものが企画されておった。ところが、これも中止をした。あるいはまた修学旅行も延期になっている。民泊とかホテル等にも徐々に
影響が出始めている。非常に緊迫しておりました。
おとついは、私は徳之島に行ってきたんです。徳之島といえば、
宮崎よりも沖縄の方がはるかに近いですね。壱岐島も、
宮崎よりも福岡、長崎の方がはるかに近い。この徳之島でも、物すごい緊張をしていましたよ。大変な不安です。ここは、鹿児島からの種牛を一度、十二頭受け入れた。それで、第二回目の種牛受け入れを決めておった。ところが、
都城で
発症したものですから、これは大変だということで、急遽、二回目の種牛受け入れをお断りした、こう言っておられました。ここでもやはり競り市が中止されている。一回競り市を中止して、ここから見込まれる損害といいますか、私伺ったんですけれども、
一つの町だけで一千百十二万円。次の七月、これも恐らく開けないだろう。そうすると、またやはり一千万以上のそういう損害が、
一つの町ですよ、出てくる。これは三カ町ありますから。
だから、徳之島に行ってみたら、確かに、米軍基地移設反対というスローガンや立て看、そういうものがだあっと島のあっちこっちに張られていました。この移設も大変な大騒動になっちゃいましたけれども、同時に、その不安と同じく、この
口蹄疫、牛がやられたらということに対する物すごい不安、緊張、やはりそういうものに駆られておりました。まさに、実態的にパンデミックはもう進んでいる。
報道を見ていますと、九州にかかわらず本州でも、センターの種牛を移動させる、あるいは精液を移動させていくというような記事が出ていましたね。「種牛守れ 分散策次々
口蹄疫 全国でリスク回避」。大分、岐阜、兵庫、宮城等々で、もうこういう動きが始まっている。これはもはや
宮崎だけの問題ではない、あるいはまた隣県の鹿児島だけの問題でもない、熊本だけの問題でもない、大分だけの問題でもない。オール九州、ひいては、この不安というのは全国に大きく急速に広がり始めているという心配に私は本当に今、駆られています。
そこで、よくイギリスの例が出されます。あんなことになっちゃったら、これはもう大変ですよ。関西圏は吹っ飛びますよ。二十一万人の軍隊を出したというんでしょう。それで、終息に一年間かかった、六百五十万頭を
処分した。さっきから、殺
処分が間に合わなかったらどうするんだ、こういう話が出ていましたけれども、もうイギリスは、野焼き、焼却、そういうところまでいった。場合によっては、これは、本当に六月二十日まで間に合わなければ、焼却も考えなきゃいけないという
事態になるかもしれませんね。かかったお金がたしか一兆七千億ですか、イギリスの場合は。全土の
家畜の移動禁止という、これはもう大変な状態ですよ。
もし日本がこんなことになっちゃったらば、これはもう想像を絶する被害、恐らく政権は吹っ飛ぶでしょうね。というぐらいの大変な状態になる。その
可能性が今どんどん広がり始めているという心配を非常に私はするんです。決して大げさに、あるいは風評被害を広げるためにこんなことを言っているわけでもない、本当に心配しているんです。だから、先手先手で今のうちから大きな手を政治的に打っておかないと、大変なことになったらばもう収拾がつかなくなるんだろうというぐらいの心配を私はしております。
そこで、きょうは官房副長官、おいでになっていますね。伺いたい。
確かに、農水
大臣は大変な御努力をしておられます。これまでも
現地対策本部として、副
大臣として、へとへとになるまでやっておいでになった。政府にも確かに
対策本部というのは立ち上がっている。しかし、これで
対応できるんだろうかという思いがいたします。
後手後手に回り続けていったら収拾がつかない状態になってしまって、イギリスのようなあんな状態になっちゃったらこれは大変なことになると思いますので、副長官、私は、ぜひ、
菅総理の決断で、
口蹄疫の
対策に特化した特命
大臣というものをびしっと今のうちに置くべきだと。
そして、その特命
大臣のもとで、自衛隊員の協力の問題から、あるいは、これから起こってくる二次災害の問題、これは何も
家畜農家だけに限らないわけですから。観光業だとか
飲食業だとか、そういう二次災害がもう僕のところにもどんどん寄せられてきていますよ、すごく心配だ。あるいは、埋却
処分をした後の公害の問題。三年間どうするんだろう。北海道は十年前は五年かかったというんだから、埋
却地、後のものですよ。しかも、臭気やさまざまな公害も
発生をしたというようなことだとか、いろいろなことが広がっていきますね。経営再開の問題、
生活再建の問題。
だから、当面の
対応は本当に大変ですけれども、同時に、その後考えられる大きな事柄が次々と出てくることが心配される。そうすると、やはりこの
口蹄疫対策だけに特化して、
口蹄疫の事柄に対するすべてを授権されて、権限をしっかり持って、速やかに、スピーディーに次々と先手先手で手を打っていく、そういう特命
大臣というものが私はここに絶対必要だと思う。農水
大臣といったって、農政全般の仕事があるんだもの、あるいは水産業の仕事があるんだもの。政府の
対策本部といったって、これは
口蹄疫だけをやっておられるわけではないわけですから。私はそう思うんですけれども、強く願うんですけれども、官房副長官、いかがですか。