○永江
委員 民主党の永江孝子でございます。
本
会議に続いて、貴重な
質問の時間をちょうだいいたしましたことを感謝申し上げます。ローカル
放送局で働いていた者として、きょうは、
政府提出の
法律案について
質問させていただきたいと思います。
きょうは、
質問の前に、私が過去取材したある話を
皆様にお聞きいただきたいと思っております。これは、愛媛にいる、いたと言った方が正確ですね、愛媛にいた
花咲かじいちゃんの話です。
その
花咲かじいちゃんは、本名は高岡正明さんとおっしゃるんですが、惜しまれながら九十二歳で亡くなられました。亡くなるまで桜の苗木を
全国各地に、日本だけじゃございません、世界じゅうに五万本も贈り続けられました。これは全く無償の行為でございます。それで
花咲かじいちゃんと呼ばれているんですが、何でこの高岡さんが桜の苗木を贈り続けたか。物すごい熱意を込めて贈られました。
私が高岡さんに初めてお会いしたのはもう二十年も前のことなんですが、そのときも、今度ゴルバさんに贈ろうと思うてなとお話しされていました。ゴルバさんというのは、ゴルバチョフ元ソビエト連邦大統領でございます。世界の要人が日本に来るとなりますと、とにかく桜の苗木を持って会いに行って、無理からにと言うとちょっと語弊はあるかもしれませんけれども、プレゼントをしてしまうんです。
どんな熱意があったかといいますと、戦争中、この高岡さんは青年学校の教師をしておられました。たくさんの自分の教え子を戦地に送り出されました。そのときに、桜の花の咲いている木の下で別れのうたげを開いて、お国のために尽くしてこい、そして、またこの桜の花のもとに帰ってこいと励まして送り出されたそうです。でも、二度と帰ることのなかった若者、教え子たちは大勢いました。それで高岡さんは本当にざんきの念にたえず、何とかしたい、送り出した者の責任として何をしたらいいだろうかと考えたときに、その別れのうたげのときに咲いていた桜の花を思い出して、桜のあの美しい花を見て争いをしようという気になる者はまず世界じゅうにそうはおるまい、だったら、この桜の花を平和のシンボルとして世界じゅうに贈り続けようというふうに思われたんだそうです。
そして、世界十カ国を超えているんですけれども、インドネシアですとか、ベトナム、メキシコ、チュニジアと贈り続けまして、今は、中国の西安市で一千本、リトアニアで千二百本、またローマのバチカン市国でも
花咲かじいさんの桜並木というのが生まれております。
この話はローカル
放送局から
全国発信をされまして、桜の花を見ると、平和のとうとさ、平和のありがたさを感じるようになりましたという声も
全国から愛媛の方にちょうだいもいたしました。ことしも、これから夏に向かって、八月の六日ですとか、九日、十五日を迎えるに当たりまして、
全国の
放送局が各地におられる高岡さんのような
花咲かじいさんを探し歩いてお話をお聞きして、平和を願うその思いと足取りを取材、
放送されるものと思っております。
私がなぜこの話をさせていただいたかといいますと、各地の
放送に携わっている皆さんが
国民の皆さんの知る権利に奉仕するという決意のもとに頑張っているのは、いろいろな思いがあるとは思いますけれども、一番はやはりこの平和を守るためなんです。二度と間違いを犯さないように、
放送に携わる者は、自主自律ということを確保していただいたからには、みずからにも厳しい目を向けながら、それぞれの土地で、それぞれの役割を果たしているということを改めて申し上げたいと思ったからでございます。
この
放送法の
改正審議の中でも、
原口大臣は、言論の自由のとりでを守るんだと、何度もその決意を述べておられます。その言論の自由、表現の自由を守るという確固とした姿勢を支えているのは、
原口大臣の平和への強い思いだというのを伺ったこともございます。
さきの
代表質問で、私、今焦点となっております
電波監理審議会の
権限について
質問をさせていただきましたが、いきなり、その力が個別の
番組内容に及ぶんですかということをお聞きしてしまいまして、そもそもの出発点をお伺いしていなかったなと思いまして、きょうは改めてお伺いをさせていただきたいと思います。
本来は
原口大臣にお尋ねをせぬといかぬとは思うんですが、
大臣と思いや考えを共有していらっしゃる
内藤副
大臣にお伺いをさせていただきます。
そもそもの電監審の
権限の
改正の意図、それから
電波監理審議会に期待される役割をお聞かせください。