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竹内委員 この問題は、
予算委員会でも、
基本的質疑の中でも本当に重要な
課題として取り上げられましたし、本当に、今後の
日本にとっても非常に大きな
課題だと思うんですよね。ですから、これからの
法案審議もそうですし、それから、今後の二十三年度の
予算へ向けて、そういう本当に
国民にわかるような、
透明性の高い、公正公平な
仕組みをぜひともつくっていただきたいと願うものであります。また、我々もこれをチェックしていきたい、このように思うわけでございます。
次に、これからは個別の
審議が多くなろうと思うんですが、きょうは
大臣所信に対する
質疑ということで、大きな視野でちょっと
大臣の御
意見をいただきたいと思っております。
大臣の非常にいい点は、いいものはいい、悪いものは悪いとはっきりとおっしゃるというところだと思うんですよね。そういう
意味では、
小沢幹事長の
政治と金をめぐる疑惑につきましてもはっきり物をおっしゃっているというところは、非常に私は
評価しておるんです。
そこで、この話はもうおっしゃっていますのでさておきまして、
コンクリートから人へという中で、これをどういうふうにとらえるか、大きな
日本の
歴史の中で、また
政治と
行政の問題としてどういうふうに位置づけるかということは、非常に重要なことだと思っています。
コンクリートから人への中で出てきたのが、
一つ、
子ども手当という問題でありまして、最終的に
大臣のお
考えを、きょうはせっかくの機会ですので、めったに聞くことがないので、
所管外ですが最後に聞いておきたいんです。
私なりの
考えは、いろいろ
自民党さんが
中心となって戦後つくられてきた
日本、それはいろいろな言い方をされています。
官僚主導だとか、それから
族議員の方と
業界が
一緒になったトライアングルとかいろいろ言われてきましたけれ
ども、しかし、その中で、
公共事業を
中心として、とにかく仕事をつくり出してきた、
雇用をつくり出してきたことは事実だと思うんですね。
雇用の
保障をすることによって、
社会保障の足らざる
部分を代替してきた、これも事実だと思うんですね。
ところが、ここへ来て
限界にぶち当たった。当然、
経済の
成長の
限界、税収の
限界、それから
国債発行の
限界ということで、なかなかこのシステムがうまくいかなくなった。そういうことで編み出されてきた
一つのキーワードとして、
コンクリートから人へだったと思うんです。
ゼネコン業界や
コンクリート業界の人からすればいろいろな
思いがあるんでしょうけれ
ども、それは一たんおいて、これからの
日本は、流れとしてはそういうことなんだろうと思うわけであります。
ただ、そのときに、出てきた今回の
子ども手当というのは、非常に巨大な
現金給付ということになります、はっきり申し上げて。
世界的に見ても、二万六千円になればもう
最高額になると
思います、
ドイツが二万円ぐらいですし、スウェーデンが一万四千円ぐらいですから。そういう中で、私がさまざまな
経済情勢の中で疑問を持つ理由が
三つほどあるんです。
一つは、現実に起きている問題、それは現場の
失業の問題でございまして、
子ども手当のウイークポイントを実は先日、長
妻大臣に私は
予算委員会で聞いたんですが、私がそのときに
指摘したのは、要するに、
雇用を直接的には生まないというところが弱点だと思うんですよね。
コンクリート産業は
雇用を生んできたことは事実だ、そこが違うところだと
思います。
昨年十二月の
失業者数が三百三十六万人で、
失業率は五・一%でございますが、
失業者数は一昨年に比べて七十一万人ふえた。それから、正規の職員から離職した
方々は、八十万人が離職された。その数も一昨年に比べて二十万人ふえておるわけでございまして、私
どもの
京都でも、本当にそういう厳しさを地元でひしひしと感じておるわけでございます。
さらに、
総務省がこの二十二日に
速報値を発表しまして、その中で、十五歳から二十四歳の
失業率、しかも、
最終学歴が高校、中学、そういう
高卒等でくくられる
失業者の率が一四・二%に上がっておる。大変な数字でございまして、この
調査を始めた二〇〇二年以降で最悪となっているわけでございます。大卒の
失業率が八%、短大、高専の
失業率が五・九%ということから
考えても、一四・二%というのはかなりの
異常値でございます。
そんなことで、非常に世の中、特に
建設業を
中心として
失業者が、特に若い人でふえているという実態がある、そういう
危機感を
一つ持っているということです。
子ども手当がそれに対してすぐに
雇用を生まないから、それで心配をしているということが
一つなんです。
二つ目は、今度は
世界の
潮流をちょっと申し上げたいんですが、
社会保障、大体よく言われるのは、
三つの型があると。アングロサクソン型で
アメリカ流の小さな
政府でいくという場合、それから
北欧型の大きな
政府の場合、それからもう
一つは
大陸ヨーロッパ型で
イタリア、
フランス、
ドイツと言われているわけでございます。
もう
大臣もよく御存じのように、
北欧の場合は、現役の
皆さんに
職業訓練とか生涯
教育とか、いろいろ
訓練をしたり
教育を施して、非常に
失業率も少なくて、
経済成長も高
成長を図ってきた。
アメリカ流のところは、高
成長だけれ
ども格差があって、
失業率も高い。一方で、では
ドイツ、
イタリア、
フランスはどうだったかというと、意外にこれが
現金給付が高いんですね、調べてみたら。
OECDの
調査、実は私
どもでいろいろ
調査をいたしました。非常に驚いたんですが、
ドイツ、
フランス、
イタリアの場合は、特に
年金給付が高いんですけれ
ども、
北欧の大体一・五倍から二・四倍ぐらいの水準がありまして、一方で
失業率も、
イタリアが八・四%、
フランス八・九%、
ドイツ九%ということで、
北欧の二倍近くになっておるわけでございます。
最近
ドイツでは、先ほど申し上げた
児童手当を大体最低二万円出しておるんですけれ
ども、これも二万円から、子供がふえるに従ってまだどんどんふえていくんですね。そういう
意味で、
年金給付も高いし、
児童手当も高過ぎて、ちょっと
見直しをしたいと。
雇用が縮小してしまって
財政赤字に苦しんだという反省から、最近は
ドイツも
北欧をまねて、
雇用を支える形の
社会保障への転換を図ろう、頑張って働くということを前提に、それを支える
社会保障をやろうということで、切りかえつつあるようですね。
だから、
世界の
潮流がちょっと早く、
現金給付から
雇用を
中心とした、
雇用を軸とした
社会保障に変わりつつある、こういうふうに思うわけであります。このことは、先日、
予算委員会で長
妻大臣にも申し上げたんですが、そういう
意味で、
世界の
潮流が少し、大きな
現金給付を渡すというところからもう一周早く進みつつあるんじゃないか、このことを申し上げたいんです。
だんだん時間がなくなってきましたので結論を急ぎたいんですが、そしてもう
一つ、最後の理由は、やはり何といっても、御存じのように財政上の問題でございまして、今後、二十三年度どうなるかわかりませんが、赤字国債で二万六千円を出すということでは、やはりこれはちょっとおかしなことになると
思いますし、それからバランスが必要だというふうに思うんです。
また、先ほどの箇所づけの話じゃないですけれ
ども、
公共事業を引っ張ってきて
選挙に勝とうという
時代も終わったと
思いますし、また、ある
意味、
子ども手当で
選挙に勝とうというような
時代ももう終わりつつあるんじゃないかというのが私の
思いなんですよね。
そんなことで、非常に長くなりましたけれ
ども、
大臣の
子ども手当に対する
考え方を率直に述べていただければありがたいと
思います。