○
小泉(龍)
分科員 わかりました。
いずれにせよ、我々にあとどれぐらい時間が残されているのかということは不安です、確かに不安です。だけれども、マーケットに聞くわけにもいきません。
そこで、二つの観点からマーケットをウオッチされていらっしゃると思いますけれども、財政
当局としてぜひ、一つは、デリバティブの
一種ですね、ソブリン物の国債のデフォルトリスクを肩がわりしましょう、そのかわり手数料を取りますよという、クレジット・デフォルト・スワップ、CDSというもののマーケットが、この一年間で見る限り、
日本の国債のCDS市場が一・八倍に膨らんだ。絶対水準ではまだ大きなマーケットではありませんけれども、やはりそこに関心が集まっています。もちろん保有者は
海外投資家であります。九五%を
国内投資家が持っている
日本の国債でありますから、まだ今のところ、このCDSマーケットの動きが
国内の長期金利に直接は連動していませんけれども、
最終的には、ギリシャの例を見ると、ギリシャ国債のCDSは暴騰しました。
したがって、国際投機
資金が揺さぶりをかけるときにはこのCDS市場の地合いを見ると思います。このCDS市場に火がつけられるかどうかという、燃え上がり方が、うまく燃えてくれそうなもぐさに見えたときには火をつけてきて、暴落を誘発する、しかけてきます。ですから、ぜひそういう観点で見ていただきたい、御答弁は結構です、そのようにお願いをしたいと思います。
もう一点、図表の一でございます。細かい図表で申しわけありませんが、
日本の国債はあとどれぐらい発行できるんだろうかという俗説がたくさん出てきております。個人金融資産千四百兆、国、地方の長期債務残高が八百六十二兆ですか、まだ差があるんじゃないか、まだ六百兆ぐらい出せるんじゃないかという議論がありましたので、日銀の
資金循環表を十年刻みで並べてみたわけです。
左側が家計でございまして、これは、ネットアウトした、ネットで見て資産超過が家計だけです。中ほどに、
一般政府の
マイナスが並んでいます。九〇年から二〇〇〇年までの間に二百五十兆、マネーフローベースで債務がふえました。二〇〇〇年から二〇〇九年まで二百五十兆ふえています。失われた二十年の前半の二百五十兆の
政府の
マイナスは、家計の資産の増加で賄ったわけであります。家計資産が三百兆ふえましたから。この家計資産を
政府に突っ込めば、二百五十兆の
マイナスはおつりが来ました。しかし、この十年、個人資産は百兆しかふえません。デフレ基調が続く限り、もうバケツの大きさは大きくならないわけでありまして、あとは入れかえです。民間の
資金を食いつぶしながら、
一般政府の借金がふえる、さらに
海外にお金が流れている。
これを、先ほど
大臣が言われたように、増税によって家計から
法人企業に持ってくるという方法もあるかもしれません。しかし、やはりこれはなかなか簡単に答えが出る問題ではありません。財政規律の問題と同時に、成長戦略です。つまり、国の根幹が揺らぎ始めている、財政の問題だけではない、将来の
担税力を食いつぶしながら国が借金を始めているという、
財務省だけの問題ではない、そういう認識もぜひ持っていただければありがたいと思います。技術的な問題ですので、時間の
関係もありまして、これも御答弁は結構でございます。
そこで、とはいうものの、すぐ
消費税の増税とはいかないわけです。やはりいろいろな、
特別会計、あるいは事業仕分け、後ほど申し上げます我々議員の定数の問題、公務員給与の問題をならしていかなければ、増税が
国民の理解に到達するということはなかなか難しい。半年では難しい。一年、二年の時間が必要であります。来年度、予算が組めるのかという問題にも、当然、日夜突き当たっていらっしゃるだろうと思います。
先ほど
城井議員からも
特別会計のお話がありましたけれども、よく頑張って埋蔵金を出していただいている外為特会、今年度の剰余金も予定額をもう出してしまったよ、もう丸裸だよという御
説明なんですけれども、やはり最後にこの二十兆ですね。全部出せとは言いませんけれども、また、これが全部出てくるとなると、歳出膨張圧力がえらく高くなって、マニフェストが膨らんでえらいことになるので、余り公に議論をするのはどうかと思いますが、しかし、
大臣のポケットに入れていただける余地があるんじゃないかと私は思うんですね。
というのは、
財務省の
説明によりますと、百二十三円だそうです、これまでドルを買ってきた、ドル買い介入してきたそのときの加重平均値は、一ドル百二十三円でドルを買いましたと。したがって、そこから先は、円高になれば目減りをします、九十七円を超えれば、今ある二十兆の積立金で埋め合わせることができなくなって、
計算上、負債超過になります、既に負債超過です、二十兆を手放すわけにはいきません、こういう御
説明です。
しかし、普通のファンドではないのです。これは、普通のファンドじゃない。つまり、幾らでもと言っては語弊がありますが、借りかえができるんです。損を覚悟で売らなきゃいけないという場面はないんです。銀行から借金してそれに期限があるならば、損を覚悟で資産を売らなきゃいけない。でも、為券を出せば借りかえができるんです。わざわざ損を出すところで売る必要はないし、百二十三円から円高になったところで、円高介入するかと。
日本の
産業構造が変われば別ですよ。しかし、
自動車産業が、百円を切れば、トヨタで三百億、日産で二百億、一円で為替差損が出ると言っている
産業構造のもとで、どうしてドルを売るという介入が起こり得るんだろうか。
事務当局に聞きますと、いや、それはありますよ、七十円からさらに円高にしたくなることが起こり得ますよと。それはない。
産業構造が変わらない限りないわけですから、
計算上の問題です。
つまり、この外為特会やばいよという理解にならなければ、マーケットが理解すれば、これは
大臣が、いざいざ。ただ、条件があります。これを最後に財政再建の道を進むということです、立法
措置に入るということ。そのための十兆であれば、
国民に理解が求められると私は思いますけれども、いかがでしょうか。