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2009-11-25 第173回国会 参議院 政府開発援助等に関する特別委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成二十一年十一月二十五日(水曜日) 午後二時
開会
─────────────
委員
の異動 十一月二十四日
辞任
補欠選任
水戸
将史
君
松浦
大悟
君 十一月二十五日
辞任
補欠選任
轟木 利治君
金子
恵美
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
岩永
浩美
君 理 事
富岡由紀夫
君
姫井由美子
君
橋本
聖子君
松山
政司君
浜田
昌良君 委 員
小川
敏夫君
大久保
勉君
加藤
敏幸君
金子
恵美
君 木俣 佳丈君
行田
邦子君
武内
則男君
津田弥太郎
君
広中和歌子
君 藤末 健三君
藤原
良信君
松浦
大悟
君
柳澤
光美君
米長
晴信君
岡田
直樹君
木村
仁君
小泉
昭男君
佐藤
昭郎君
西田
昌司君
山内
俊夫君
山本
順三君
渡辺
秀央君
谷合
正明君
事務局側
常任委員会専門
員 堀田 光明君
常任委員会専門
員 諸星
輝道
君
参考人
国際連合開発計
画(
UNDP
)
総裁
ヘレン
・クラ ーク君 (
通訳
下坂 優子君) (
通訳
倉澤
良仁君) ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
参考人
の
出席要求
に関する件 ○
政府開発援助等
に関する
調査
(
国際連合開発計画
と
我が国
の
援助政策
に関す る件) ─────────────
岩永浩美
1
○
委員長
(
岩永浩美
君) ただいまから
政府開発援助等
に関する
特別委員会
を
開会
をいたします。
参考人
の
出席
についてお諮りをいたします。
政府開発援助等
に関する
調査
のため、本日の
委員会
に
ヘレン
・
クラーク国際連合開発計画総裁
の御
出席
を賜り、御
意見
をお伺いしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
岩永浩美
2
○
委員長
(
岩永浩美
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
岩永浩美
3
○
委員長
(
岩永浩美
君)
政府開発援助等
に関する
調査
を議題といたします。 本日は、
ヘレン
・
クラーク国際連合開発計画総裁
の御
出席
を賜り、
国際連合開発計画
と
我が国
の
援助政策
に関する件について
お話
をお伺いしたいと存じます。
参議院政府開発援助等
に関する
特別委員長
の
岩永浩美
でございます。
委員会
を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、
参議院政府開発援助等
に関する
特別委員会
にようこそお越しくださいました。
クラーク総裁
におかれましては、就任後初の
来日
の折、当
委員会
に御
出席
をいただき、
懇談
のお時間を割いていただきましたことに対し、心から感謝を申し上げます。 失礼して、着席させていただきます。 当
委員会
は、
二院制
の中での
参議院
の特性を生かすべく、
政府開発援助
を始めとする
国際援助
・
協力
についての
調査
を行うために設置されたものであります。設置からこれまで四年間、
我が国
の
ODA
がより
効果
的、効率的なものとなるよう質疑を通じ
政府
を監視してまいりましたほか、
議論
を取りまとめた提言、決議を行うことで
国際協力
の
在り方
について国会からの考え方を発信してまいりました。 今後も
我が国
の
ODA
の
在り方
について
調査
をしていく中で、本日、
クラーク総裁
に御
出席
を賜り、
世界
の
開発課題
や
UNDP
と
我が国
との
協力
の現状、今後の
在り方
などに関し御
意見
を賜り、
懇談
を行うことは、
委員会
といたしまして、極めて有意義な
機会
を得たものとうれしく思っています。 では、
最初
に、私から本日参加しております当
委員会
の
委員
を御紹介をいたします。 まず、
理事
でありますが、
民主党
・
新緑風会
・
国民新
・
日本
の
富岡理事
、
姫井理事
、次に、
自由民主党
・
改革クラブ
の
橋本理事
、
松山理事
、次に、
公明党
の
浜田理事
でございます。 次に、
委員
といたしまして、まず
民主党
・
新緑風会
・
国民新
・
日本
の
小川委員
、
大久保委員
、
加藤委員
、
金子委員
、
行田委員
、
武内委員
、
津田委員
、
広中委員
、藤末
委員
、
藤原委員
、
松浦委員
、
柳澤委員
、
米長委員
でございます。次に、
自由民主党
・
改革クラブ
の
岡田委員
、
木村委員
、
小泉委員
、
佐藤委員
、
西田委員
、
山内委員
、
山本委員
、
渡辺委員
でございます。次に、
公明党
の
谷合委員
でございます。 以上であります。 それでは、
クラーク総裁
から
お話
をお伺いしたいと存じます。
クラーク総裁
、よろしくお願いをいたします。
ヘレン・クラーク
4
○
参考人
(
ヘレン
・
クラーク
君)(
通訳
) ありがとうございました。
委員長閣下
、そしてまたこの
参議院政府開発援助等
に関する
特別委員会
の
皆様方
、
皆様お忙しい
中、お時間をいただきまして、このような
お話
をする
機会
を得たことは誠にうれしく
思い
ます。何人か私のよく存じ上げている
先生方
もいらっしゃると
思い
ます、過去にお目にかかった
方々
です。 今回の
来日
は、私が
UNDP
、
国際連合開発計画総裁
として七か月前に就任して以来初めての
来日
でありますけれ
ども
、実は七回
日本
には来ております。一番
最初
は一九七五年でございまして、そのときは青年の船に参加いたしました。ですから、
日本
の若い人と
一緒
に
にっぽん丸
で上陸したという
思い出
があります。ということで、三十年前に私、この
日本
に関しての
思い出
ということではさかのぼることができます。それからまた、ニュージーランドの
首相
としても
来日
は三回ございます。 本日は
UNDP
の話をするということで参っております。
日本
は
国連
の強力な
支援国
であります。また、
国連開発システム
にとっても長年の良き
パートナー
でありまして、事実、今現在、
UNDP
の
通常予算
に対する第六位の
拠出国
でもあります。ということで、こういった強固な
財政基盤
がありますので、私
ども
は、事前に将来を見据えて
戦略
的な
計画
を立てて、最も意義のあるところで
開発成果
を上げられるということになっております。 また、この話の途中でも何回も触れますけれ
ども
、
日本
は、
個々
の
プログラム
、
カントリープログラム
などについても、
世界中
のいろいろなところで展開されておりますが、非常に御
貢献
いただいています。
日本
が
UNDP
とこれまで培っていた非常に強力な
関係
によりまして、貴国は、
UNDP執行理事会
、
ニューヨーク
やジュネーブなどで開かれるわけでありますけれ
ども
、大きな
存在感
を示し、常に
国連
の
改革
、そしてすべての
活動
の
効果
と効率の
向上
に向けた
推進者
でもあります。 また、
UNDP
の
活動地域
そして
分野
というのは
アフリカ
、
アジア
などにわたっておりまして、
日本
も
関心
を示しているところであります。具体的には
イラク
、
アフガニスタン
、スーダンなどであります。
日本
が大きな
貢献
をされてきた場所でもあります。また
分野
としては、
ミレニアム開発
の
目標
、
環境
・気候問題、そして平和と安定、そして
ガバナンス
の
向上
などでありまして、
日本
の
関心領域
とも重なっております。 また、
皆様方
、この
委員会
のメンバーでいらっしゃるということでいわゆる
ODA
の
専門家
でありますけれ
ども
、御存じのとおり
世界
は数々の
危機
にさらされ続けておりまして、その
被害
を大きく被るのが
途上国
であります。もちろん、全
世界
にこの
被害
は至っているわけでありますが、特に
途上国
がその
被害者
となっております。問題はより深刻であります。そして、そういった
危機
に対する
対応力
も弱いわけであります。 例えば、食料・
燃料危機
もありましたし、
世界同時不況
、そしてまた
気候変動
に起因する
自然災害
などなど、さらに最近では
新型インフルエンザ
の発生と続きました。これらすべて非常に厳しく、
途上国
に大きな
被害
をもたらしております。また、
UNDP
は、
日本
を始めとする寛大な
パートナー諸国
の
支援
により、こうした
危機
にさらされた
途上国支援
の実は最前線で働いているとも言えましょう。 相互につながり合っている今日の
世界
では、貧しく脆弱な
国々
が今後ともやむことがないであろう
危機
に耐え得る力を身に付けられるよう助けるということは、ひいては我々すべての利益にかなうことにもなると
思い
ます。この新しい世紀において、一連のこういった災難が次から次へともたらされております。 まさにこれは、九月の
国連総会
における
鳩山首相
の演説の精神とも合致すると思われます。
首相
は、
日本
は
先進国
と
途上国双方
を結ぶ
架け橋
になるべく最善の
努力
をするとおっしゃったのです。まさにこのような
架け橋
が八つの
ミレニアム開発目標
を
達成
するためには必要であります。 私、二〇〇〇年にこの
国連ミレニアム宣言
、
ニューヨーク
で
署名
されたわけでありますけれ
ども
、その
首脳
の一人として
署名
、調印いたしました。そして、これらの
開発目標
は必ずや二〇一五年までに
達成
すべきものという皆の熱い強い
思い
があったことをよく記憶しております。 いろいろな
危機
がある前には、かなりこの
ミレニアム開発目標
に関しては
前進
があったのです。例えば、極度の
貧困
にあえぐ
人々
の数は減っておりまして、例えば普遍的な
初等教育
の
普及率
でありますとか、あるいは
乳幼児死亡率
も
低下傾向
を実は示していたわけであります。 しかし、度重なる
危機
が続いたことで悪影響が重なり、積み上がった結果、せっかくの
前進
、改善の足取りは中断どころか逆行の
危機
に今さらされております。
ミレニアム開発目標
は、いわゆる
慢性飢餓
にさらされた
人々
の
苦しみ
を和らげるということですが、非常に厳しい
飢餓
にさらされているわけでありますけれ
ども
、二年前はその数が八億五千万とも言われておりました。しかし、FAO、
国連食糧農業機関
の予測ではこの数が今年は十億を突破するとのことであります。そして、まさにこのテーマが先週のローマでの
世界食糧サミット
では大変大きな
議論
の
中心
となりました。
失業者
の数も増え続けており、
アジア
も例外ではありません。
失業者
の数は、二年前、二〇〇七年の八千万から今年は一億五百万に到達するとも言われております。幸いにも
アジア
の
経済成長
の見通しは
回復
を示しておりますので、それはうれしいことでありますけれ
ども
、
成長
と
回復
が即、
雇用創出
に結び付いて、個人、家族そして
地域社会
の
苦しみ
が和らげられることが一番重要な
課題
なのであります。
世界中
で
UNDP
は、
日本
などの国から
協力
を得て、
途上国
が困難な
状況
を乗り越えられるよう
支援
しています。例えば、要請に応じ、
不況
が
途上国
の
人間開発
に及ぼす影響を
調査
し、その
調査
を基にしてどういった
対応策
を取ったらよいかというようなことに関しても
助言
をしております。例えば、緊急の
雇用対策
、
社会保障
の
仕組みづくり
、そしてまた
財政出動
などなどであります。また、こういった
国々
に対して
資金調達
とかあるいは債務再編成といったところも
支援
や
助言
をしております。そして重要な点は、私
ども
は、世銀、IMFなどの現地で
活躍
する
国際機関
との緊密な
連携
もしていることです。 私
ども
の
目標
は、極めて明確で
簡潔そのもの
であります。
ミレニアム開発目標
、
MDGs
と申しますけれ
ども
、これの
達成
を始めとするその他の国際的に
合意
された
開発目標達成
に向けた勢いがそがれないように
各国
を
支援
することであります。
日本
が
人間
の
安全保障
の
推進
、
MDGs
の
達成
に向けて
努力
を倍加されると言われた
首相
の
約束
に
大変意
を強くしております。
ODA
の
主要拠出国
である
日本
の
支援
は非常に大きな力となり得るからであります。 するべきことはたくさんあります。
MDGs
の
目標達成年
二〇一五年まで残すところ六年しかありません。したがって、非常に国に特化した
努力
が必要だと
思い
ます。そして、どういったギャップがあるのか、
目標達成
までに。そしてまた、立証された
イニシアチブ
、
政策
、そして
能力
など、どういったものがその
個々
の
国々
で必要とされているか、そして
目標
にいかにそういう
努力
をして
達成
するかということであります。
MDGs目標
はそれぞれ関連し合っておりますので、こうした
努力
は
一貫性
を持ち、かつ
戦略
的でなければなりません。
日本
が非常にこれまで
支援
してくださった
分野
として一例を挙げれば、ジェンダー平等を確立することがあります。それ自体非常に重要な
目標
でありますが、残りの
目標達成
にも必須な要件であります。
ミレニアム開発目標推進
に当たり最も遅れている
地域
を見てみますと、やはり
女性
や少女のニーズ、地位が軽視されているところと重なることが分かっております。
日本
・
UNDPパートナーシップ基金
を通じ、
日本
は
女性
のエンパワーメントを促進する
UNDP
の
取組
を
支援
してきました。同じ
努力
は、我々のすべての
活動
で強化しなければなりません。そうすることで初めて
開発
の
進展
の恩恵に
女性
もあずかれるようになるからであります。 また、特に
アフリカ
には注視、注力しております。
MDGs
の
達成
が今現在非常に難航している
地域
だからであります。
サハラ以南
の
アフリカ地域
では、
MDGs
の
進展
という意味ですべてが大きく後れを取っております。
日本
とともに
UNDP
は、
アフリカ開発会議
のプロセスを基に、
TICAD
であります、こういった名称で呼ばれておりますけれ
ども
、強力な
パートナーシップ
をつくり上げてまいりました。二〇〇八年の第四回
TICAD
における前
政権
の二〇一二年までに
アフリカ
への
ODA
を倍増するという
コミットメント
は、新
政権
にもきっちりと引き継がれるとの確信を私
ども
いただいております。 この
TICAD
の下に、そして様々なスローガンの下に、私
ども
、
アフリカ
・
アジア
・ビジネス・フォーラムも
一緒
に
協力
してまいりました。
アフリカ
の
平和維持訓練センター支援
も互いに力を合わせてやってまいりました。
日本
からの九千二百十万ドルの投資を活用して、
気候変動
に
適応
するための
政府
の
能力強化
を
アフリカ
の二十一か国を対象に実施することもできました。 九月に
国連
の
事務総長
が
ニューヨーク
におきまして
国連気候変動首脳会議
を主催いたしましたが、その折、大きな注目を集めたのは、
鳩山首相
の、すべての
主要国
による意欲的な
目標
の
合意
を前提にではあるが、
日本
は
温室効果ガス
を二〇二〇年までに九〇年比二五%削減するというこのスピーチでありました。 コペンハーゲンでのCOP15はもう数週間後となりました。この
気候変動
の問題に取り組んでいられる方は、この
サミット
での新たな
進展
を非常に熱い
思い
で見守っている人だと
思い
ます。 そのような新しい
合意
は、
開発
にも配慮した取決めであることが必要であり、
炭素排出量
を抑えつつ、
途上国
が
成長
し、かつエネルギーへのアクセスも可能とするような道筋を切り開くものでなければなりません。そのためには十分でかつ予測可能な
資金
の裏付けが必要であります。よって、
鳩山首相
が
途上国
に対してこれまで以上の
資金
的また技術的な
援助
を
約束
されたことは、大変喜ばしいことであります。そして、私
どもUNDP
は、この
イニシアチブ推進
に向けて
日本
と
協力
する
機会
を楽しみにしております。 私
たちUNDP
は、
貧困削減
と
MDGs達成
は
気候変動
に対するグローバルな
取組
と密接に結び付いていると考えています。
貧困削減
かあるいは
気候変動
問題のいずれかという二者択一ではあり得ません。もし私
たち
が
生態系
を破壊してしまえば、持続可能な
開発
はまた不可能になります。したがって、
UNDP
は非常に大きなポートフォリオを持っており、
適応
と
緩和
に関する諸
戦略
を
国家開発計画
の
中心
に据えるよう、
各国
に
支援
を提供しています。 そして、特に
環境金融
については、
UNDP
は、
支援国
が
環境金融
にアクセスできるよう
支援
を活発化させています。これは、
資金規模
は大
規模
なものとなることが今後予想されますが、これを利用する上で求められる
能力強化
に力を注ぐ必要もあります。すなわち、
京都議定書
の下での
クリーン開発メカニズム
を始めとする現在の
環境金融システム
の下では、ほとんどの
資金
は
官僚制度
などが整っている大きな
途上国
に吸収されていますが、
最貧国
や
脆弱国
が十分な
資金
を享受できる方途を見出す必要があります。 昨今、
気候リスク管理
は、広範な
災害リスク軽減
の
取組
において極めて重要な一角を形成しています。UNの一つの報告によれば、
自然災害
に起因する
死亡者
の約七〇%、約七割は
アジア太平洋地域
に集中しています。そういうような
自然災害
がここ数か月あるいは数週間の間にも多くの国を襲ったことを把握しております。
UNDP
は、四十を超える
災害頻発国
の
政府
との
協力
を通じて、
兵庫行動枠組
に
貢献
しています。そして、
各国政府
が
災害リスク
の
軽減
に取り組み、
リスク
の
評価
、
脆弱性
の
軽減
、
災害
への備えといった
分野
での
制度構造
を整備又は強化するよう
支援
しています。
日本
は、この
太平洋地域
において台風の経験もありますので、非常にこの
領域
においては
専門性
を持って
支援
していただいております。 そのほか、
日本
より多大なる
貢献
を受けている
領域
として、平和と安定の
領域
があります。この
委員会
においても、
紛争
から、まだ十分平和の
配当
が適切に行われていない国が多くあります。
紛争
からの脱却に努めているにもかかわらず、平和の
配当
が適切に行われていないために再び
紛争状態
に陥る事例もあります。
UNDP
を含む
国連システム
としては、
地域社会
による
生計手段再建
の
努力
、
地方レベル
での
国家当局
の
再建
と法の統治の促進といった様々な
活動
を
支援
しています。
UNDP
は、
日本
の多大なる
貢献
を得て、
コンゴ民主共和国
やソマリア、
イラク
やスリランカ、ブルンジやリベリア、そして
パレスチナ自治
区、東ティモールといった
世界中
の
紛争
中及び
紛争
後の
地域
でたゆまぬ
努力
を続けています。 また、
日本
にとり
アフガニスタン支援
における
平和構築
と安定がいかに重要であるかを私も認識しております。
日本
は、最近、対
アフガニスタン支援
を、今後五年間で
最大
約五十億ドルの
規模
で行う方針を発表しています。私
ども
も、
首相
を始め
閣僚
の
皆様
と、
アフガニスタン
に対する
日本
の
支援拡大
を
UNDP
がどのようにお手伝いできるのかについて
お話
しし、我々が
実績
を持つ
分野
における
具体的提案
を行ったところです。 これには、元兵士の
武装解除
と
社会復帰
、そして
生計手段
の
再建
、
警察訓練
、
地方開発
、
ガバナンス
の
向上等
が含まれており、私
ども
は共に大きな
成果
を上げることができると考えております。 また、さらに、
日本
との幅広い
プログラム
において、私
たち
はより強い
政府
の
構築
に取り組んでいます。そして、
人権保護
、司法及び
選挙制度
の
構築
、
議員
の
監視者
としての
役割強化
、そうした
パートナーシップ
の下、取り組んでいます。 そして、実際に発展の
成果
を共有する
機会
を
国民
が手にしたときに、
行政機構
のあらゆる層で
透明性
が確保され、
説明責任
が果たされ、
国民
の
意見
に耳が傾けられたとき初めて持続可能となると、私
たち
はこうした国の
ガバナンス
を高めることで可能となると考えています。 現在の
危機
の下、
途上国
は
資金
と
プログラム
を必要としており、
日本
の
支援
が求められています。
ODA
は、
開発
という方程式の一部にすぎません。しかし、それでも触媒的な
役割
を果たしています。
ガバナンス
の
段階的変革
、優れた
戦略
の策定、
国家
の未来を変える上での必要となる
能力強化等
を
支援
するものであります。 過去十年間にわたり
日本
の
ODA予算
は
縮小傾向
にあります。しかし、私
たち
は、具体的な
領域
につき質、量の両面において強化させるという
日本
の
約束
を称賛したいと
思い
ます。 また、
日本
は
UNDP
を始めとする
多国間組織
との
協力実績
があり、今後も私
ども
とこのような強固な
関係
が継続されることを期待します。一方で我々は、
日本
の対
UNDP通常予算
への
拠出削減
を懸念しています。九年前、
日本
は
最大
の
拠出国
でありましたが、現在六位になり、来年は更に七位に落ちるものというように予想されています。
日本
では今、
大変予算
が厳しい
状況
にあるということは理解しておりますけれ
ども
、一方で、
通常予算
については今回の訪日における一日半の間に、
鳩山首相
及び
閣僚
の
方々
と協議を重ねてきたところであります。 昨日、また、私は
国際協力機構
の
緒方貞子理事長
とお会いする
機会
に恵まれました。
国連
においてはすばらしい、十年以上にわたる御
活躍
でよく知られています。UNHCRでの
活躍
でよく知られていらっしゃいますが、
JICA
は
世界最大
の二
国間開発支援機関
であり、私
たち
は
JICA
と覚書に
署名
をし、引き続き
協力
を、
連携
を強めていこうということにしております。 そして、この
委員会
におかれましても、
国連改革
に
関心
をお持ちのことと
思い
ます。
武見敬三
元
参議院議員
も
国連システム
の
一貫性
に関する
ハイレベルパネル
の
委員
を務められておりましたが、これがいわゆる一体となった
任務遂行
のための
パイロット事業
を
世界各国
の
国連事務所
で実施するという考えをこの
パネル
は打ち出しました。この
パイロット事業
は、
UNDP
の
常駐代表
が主導しておりますが、この
常駐代表
は
国連常駐調整官
を兼任し、
国連
諸
機関
を調整する立場にあります。本
事業
はこれまでも非常に成功してきており、これらの
パイロット事業
に対する
独立評価
が終了し、
国連総会
により本
事業
の
推進
に強固なマンデートが付与された暁には、
日本
からの御
支援
を期待したいと
思い
ます。 最後に、まとめといたしまして、私
たち
は、長年にわたり
開発
に対し、そして
UNDP
に対し、
日本政府
、そして
日本
の議会、
日本
の
国民
からいただいている御
支援
に大変感謝しております。今後も
UNDP
はより良い
連携
に向け継続的な対話を
日本
と続けていきたいと考えております。とりわけ、
アフガニスタン
での
支援
、
気候変動
における
適応策
と
緩和策
、そして
MDGs達成
に向けた
取組
の
拡大
において、より緊密な
協力関係
を
構築
できることを期待しております。これらはいずれも
日本
が
コミットメント
を強化している
領域
ですが、その実施に際し、長年の
パートナー
である
UNDP
として、更に我々の
パートナーシップ
を
拡大
できることを期待します。
委員長
、どうもありがとうございました。少し私の方から
お話
をさせていただきましたが、
委員
の
皆様
からも
お話
をお伺いしたいと
思い
ます。 ありがとうございました。(拍手)
岩永浩美
5
○
委員長
(
岩永浩美
君) ありがとうございました。 これをもちまして
委員会
はいったん
休憩
といたします。 午後二時二十六分
休憩
〔
休憩
後
開会
に至らなかった〕