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古賀敬章君 ようやく出番がやってまいりました。
民主党の
古賀敬章でございます。
民主党・
無所属クラブを代表いたしまして、ただいま
議題となりました
一般職の
職員の
給与に関する
法律等の一部を
改正する
法律案並びに
国家公務員の
育児休業等に関する
法律の一部を
改正する
法律案について
質問をさせていただきます。(
拍手)
まず、
一般職の
職員の
給与に関する
法律等の一部を
改正する
法律案について伺います。
今回の
改正は、ことしの夏に行われました
人事院勧告に基づくものであると承知しております。その
内容を見てみますと、
平均年間給与を十五万四千円ほど下げる、率にして前年より二・四%下げるという大幅な引き下げとなっております。過去を見てみますと、
平成十五年の勧告時にそれぞれ十六万五千円、二・六%という大幅な引き下げがありますが、それに次ぐ厳しい
内容となっております。ちなみに昨年は、官民の格差はないという勧告になっていますから、大きく変わりました。
そもそも、
国家公務員の
給与についての
人事院勧告は、労働基本権が制約されている現状において、その代償
措置として設けられているものであり、また、
国家公務員法第二十八条で民間準拠という情勢適応の原則が定められていますので、民間企業の厳しい
状況が勧告に反映されたものと思います。
なぜ、これほどの大幅な引き下げの勧告があったのか。それは、長期の景気低迷により民間の労働条件が悪化したため、民間準拠という観点から、それを
人事院勧告は反映したものであると思われるのであります。
翻ってみれば、行政を
運営する上で、
国家公務員は全力を出して職務に当たることが必要であります。そのためにも、適切な処遇ということは、そのインセンティブあるいはやる気を高めるためにも、ぜひとも必要であると思います。
民間でいえば、経営者は、賃金に当たる
給与を下げることは忍びないことであると思いますし、それは
政府も同様であると思います。一方では、経営者として考えてみれば、厳しい経営
環境の中で泣く泣く賃金カットも行っているわけで、民間では、こうした事情も当然考慮に入れて経営が行われているわけであります。
とにかく、現状では、労働基本権が制約されているわけでありますので、その代償
措置としての
人事院勧告制度が尊重されることは当然であると思います。まずは、今回の
一般職の
職員の
給与に関する
法律の一部
改正について、どのようなお考えでこれを提案されたのかをお伺いいたします。
あわせて、この労働基本権に関連して伺います。
民主党のマニフェストでは、公務員の能力、実績に応じた処遇を着実に実施することや、公務員の労働基本権を回復し、民間と同様に、労使交渉によって
給与を決定する仕組みをつくることを
約束しております。また、
国家公務員制度改革基本法第十二条において、「
政府は、協約締結権を付与する
職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示し、その理解のもとに、国民に開かれた自律的労使関係制度を
措置するものとする。」と規定されておりますが、この労働基本権を含む公務員制度改革全般についてどう取り組んでいかれるのか、総務
大臣にお伺いをいたします。
さらに、
一般職の
職員の
給与に関する
法律等の一部を
改正する
法律案のうち、自宅に係る
住居手当を廃止するとされています。
住居手当というと、居住する住宅について、これを借り上げる場合に、その借り上げ額の一部を手当として国が支給することはわかります。今回は、この借り上げ住宅ではなく、新築された自宅等について、新築から五年を経過していないという
要件で、一律に月額二千五百円を支給するとされている、この自宅に係る
住居手当を廃止するとしていますが、廃止の理由についてお伺いいたします。
次に、
国家公務員の
育児休業等に関する
法律の
改正についてお伺いします。
我が国では、少子化がかつて例のないほど急速に進行しております。このまま少子化の傾向が続けば、人的パワーが不足し、日本の国力、活力が維持できなくなってしまいます。
なぜ少子化がこれほどまでに進行しているのか。いろいろ原因はあると思われますが、その一つに、親としては、子供に教育の機会を与えてやりたい、この願いは切なるものがありますが、この願いが達成できないのではないか、そんな心配が親にあると思います。そこで、子供たちに教育のチャンスをつくり、社会全体で子育てをする国にする、我が党がマニフェストで子ども手当を国民の皆さんにお示しいたしましたのは、こうした思いがあるからでございます。
しかし、この少子化への対策は、子ども手当だけでも、また
政府だけででもできるものではありません。官民挙げて、つまり、国を挙げて取り組まなければならないと考えております。皆がそれぞれ自分のできることを全力で取り組む必要があります。
こうしたことから、公務員にとっても少子化対策は急務であります。つまり、家族を構成する男女がともに、家庭生活における責任を担いつつ、仕事と生活の両立、調和を図ることが肝要です。もはや、家事を女性に押しつけ、男は仕事だけをすればいいという考えはあり得ません。男女で共同して家庭を守り、そして働き、社会に貢献していくことが求められているわけです。
そこで、まず、今回の
国家公務員の
育児休業等に関する
法律の
改正案の
内容についてお伺いいたします。
さらに、関連して、公務員の中には、遅くまで仕事をし、毎日、終電で帰る、または、終電にも間に合わず、泊まり込みで激務をこなしている方もおられると聞きます。本当に国のために身を粉にして働いている公務員も多くいるわけで、頭が下がる思いです。
しかし、余りのオーバーワークはいけません。そうした
状況が続くと、過労死や心身を壊して病気になってしまうこともあり得ます。また、そんな仕事人間では、家族のための活動は期待できません。仕事と家庭の両立など夢のまた夢となってしまいます。
そこで、
国家公務員の
一般職の
職員の
給与に関する
法律の一部
改正案で超勤の割り増し率を引き上げるという
改正を盛り込んでおられます。なぜ割り増しを
措置するのか。今回の超勤の割り増し率の引き上げの
趣旨について、まずお伺いいたします。
あわせて、超過勤務の縮減は、ぜひ解決しなければならない大きな課題だと思います。個人個人ができる、効率的な仕事をするなどの個人の工夫にも限界があります。やはり、
政府全体の問題としてとらえることが大切であります。この超過勤務の縮減についての
政府のお取り組みについてお伺いをいたします。
最後に、仕事は、結局は人がするものであります。能力があって、かつ、やる気がある人材が求められています。そのため、先ほど申し上げましたように、
民主党のマニフェストでは「能力・実績に応じた処遇などを着実に実施する。」ことと書いてあるわけです。
こうした取り組みを進めることも大事なことですが、一方、人材を採用した後、どう育てていくかも大事な視点です。
政治の主導のもとに着実にそれを実施していく、意欲ある人材が求められます。そのためには、よい人材を採用することも大切でありますが、それとともに、人材を磨いていくことが大切であります。そのためには、OJTとともに、職場から人を離し、必要な知識や知見を伝授する研修が大切な要素と思われます。
企業でも、景気が悪くなり、収益が悪くなると、こうしたすぐには成果が出ないものが削減される傾向にありますが、地方公共団体も同様だとのことです。これでは、長期的に見て問題があると思われます。必要な研修などは何としてもやらなければなりません。そのくらいの余裕がなければ厳しい国と国との競争に打ちかってはいけないでしょう。
日本は資源がない国です。しかし、すばらしい人材に恵まれた国です。このかけがえのない人材を大事に守り育てていかなければなりません。正すべきは正し、守り育てるものは積極的に守り育てる意識が必要であります。
以上、公務員制度について私の考えを申し上げ、また、真摯で活発な議論が行われることを望みまして、私の
質問を終わります。(
拍手)
〔
国務大臣原口一博君
登壇〕