○湯原
委員 大臣、ありがとうございました。
検討ということでありますので、一義的には了としますけれども、よく行政の中で、
質問をして、これこれはどうですかと言うと、先進事例の一個か二個を言って、さも全部でやっているような答弁をよく聞くことがありまして、品川区の事例とか他の先進事例は、ありがとうございます、了解しました。
問題なのは、私が申し上げたのは、
全国的にこういったシチズンシップ
教育を導入すべき、
大臣がおっしゃっているような
社会性を高めるための
教育としてどういうものが必要かと考えたとき、私は必要ではないかなという思いを持っています。
なぜかといいますと、私はシチズンシップ
教育に
最初に関心を持ったのではありません。
最初に関心を持ったのは、有権者
教育とか政治
教育ということに関心を持ってこの問題をずっと調べ始めました。その前提は何かといいますと、実は、小泉
政権時の選挙では郵政選挙だったわけですけれども、小泉劇場とマスコミはやゆしておりましたけれども、テレビの影響で、余りにも有権者の意識が翻弄されているのではないかという、私
自身、有権者の一員でありますけれども、危惧を持っておりました。
実際、今までの
教育現場でそうした政策を判断するような
教育カリキュラムをやってきたかというと、日本は先ほど申し上げたように反動からかありません。では、世界各国ではどうかというところから調べ始めたら、こういったように、シチズンシップ
教育の前として政治
教育、有権者
教育を徹底して行っているということがわかりました。アメリカでは、多民族でありますし、模擬で大統領選挙を高校生時代からやったりとか、ディベートをやってきています。ドイツでも、ヒトラーが普通選挙
制度で選ばれて
政権をとったその反動からか、実際こうやってちっちゃいときから政治
教育の一環としてやっていって、それは教師が特定の政党とか政治を刷り込んだり押しつけるのではなく、
子供たちにとって政策とか
社会の
一つのことを判断する物差しを自分なりにつくるような
教育をずっとしてきているんですね。
私が調べたあれですけれども、ドイツでは高校生のときに、実際の選挙の
マニフェスト、例えば先ほどの衆議院選挙の
マニフェストを高校生の段階で吟味して、君
たちだったらどこに投票するということを実際に高校のときからやっています。イギリスでは、それに道徳がプラスアルファになって、こうやってシチズンシップ
教育になっていますし、北欧では、御案内のように税金の問題があって高いので、賢明なタックスペイヤーにならなきゃいけないということで、有権者の判断が最終的には
社会を決めるし税金の使い道を決める、そのためにはちっちゃいときから自分なりの物差しをつくりなさいよということで、その
支援をするような
教育をカリキュラムに入れてやってきております。
日本は、先ほど来申し上げるとおり、翻って言うと、投票率も低くなる、
社会性も
大臣が
あいさつでおっしゃったように低くなっている
現状の中で、私はこういった政治
教育、有権者
教育のもっと大ぐくりなところのシチズンシップ
教育というものをぜひとも日本の
教育現場の中に、カリキュラムの中に入れていただきたいと思っております。そういう
意味でぜひ御検討をいただきたいと思います。この点について、また御答弁いただけたらと思います。
次に、時間がないので、
学校図書館の
位置づけについて聞きたいと思います。
大臣は所信
あいさつの中で、資源小国の我が国の発展を支えるのは人と知恵であり、来年度の
概算要求でもソフトとヒューマンへの投資と述べられております。一方で、経済不況のもとで、
子供が経済的理由で十分な
教育が受けられないことも懸念をされておられます。
私は、この点、図書館というものの
役割は非常に重要、大切ではないかなというふうに思っています。
アメリカでは、図書館というものを民主主義のとりでとさえ言っているようであります。民主主義のとりでであります。なぜならば、貧富の差に関係なく、過去の情報を含めて知ることができる、それが図書館であるからであります。
学校においても、当然ながら、
学校図書館の
重要性は申し上げるまでもないと思っておりますけれども、先ほど申し上げたシチズンシップ
教育と同様に、
社会性を高めたり、
子供の好奇心を高めるため、情操
教育には欠かせない図書館、
学校図書館であります。
文部科学省の平成二十年度の
学校図書館の
現状に関する
調査結果を拝見させていただきました。近年、
全国的に
学校内での一斉読書は成果が出つつあるということは認識をしておりますが、一方で、
学校図書館の充実のための予算が地方交付税に算入されているにもかかわらず、私の記憶ですと、大体七八%ぐらいしか
学校図書館に使われていないという
数字を拝見させていただきました。
例えば、
学校図書館の蔵書冊数でも図書標準を達成していない
学校の割合が非常に多いです。逆に達成しているのは、小
学校で四五%、中
学校で三九%は図書標準を達成しておりますけれども、過半数の小中
学校が図書標準を達成していない、こういう
状況であります。
スタッフの面はといいますと、司書教諭は一九五四年施行の
学校図書館法で規定がありますので
配置はされているものの、担当職員の
配置は小
学校で三八%、中
学校で三九%にとどまっています。それも
配置の多くは非常勤であります。
つまり、児童生徒が本のことを聞きに行っても、司書教諭というのは自分でクラスを持っていたりしますので、
位置づけはありますけれども、任命はされていますけれども、
学校図書館にはおられません。非常勤でありますので、時間的にも限りがある。こういう
現状が今あります。
私は、資格を持つ専任の図書司書をぜひ
配置すべきだというふうに考えております。
子供たちが実際
学校図書館に行って本の相談あるいは情報の相談をしたときに、その場でちゃんと対応をできるようなそういう
制度にすべきと考えております。
このことについて、図書館の
役割、特に
学校図書館の
役割についての認識と、また今の
学校図書館の充実度について、図書標準や常勤の専任司書の
配置などについても含めて、
大臣の答弁、所見を求めたいと思います。