○福井
委員 ありがとうございました。
あと五分しかないので、
事業仕分けのことについてどうしてもお伺いさせていただきたいと
思います。
私自身も、そして
自民党のある部会でも勉強したんです。無駄とは何か。
ムダどり学会というのがありまして、無駄を取る学会というのがあるんですよ。その主宰者は、複雑系の数学者で、渋滞する、渋滞して突然車がぴたっととまるというのは、マイナス四度の水が突然氷になるのと同じ相転移なんですね。液相、固相という相ですね。相が突然転移する相転移と同じ現象であるということを看破した数学者と、工場をずっと実地に回って、リストラして、その工場の無駄取りをして生産性を上げるという、いわば職人さんですね、数学者と職人さんがコラボレーションしてムダどり学会というのをつくって、そしてありとあらゆる実体験をして、極意の
結論に至ったんです。
無駄取りの極意とは何か。それは、すべての人間を生かし切ることだ。いいでしょう、これ。すごくいいんです、特に地方の私にとっては。すべての人間を生かし切ることだ。だから、無駄な中山間地帯などどこにもない、無駄な人間なんかどこにもいない。もちろん、二・六・二の原則もあります。だから、余り働かない、サボっている二割の人も必要なんですね。無駄じゃないんです。すべての人を使い切ること、これが無駄取りの極意であるというのが
結論なんですね。それが一つ。ちょっと頭に入れていただきたい。
それから、私、町づくりとか道路づくりとか河川づくりをしていて、まず現場に行って教えられるのが、例えば、今ダムがとめられていますけれ
ども、川に行ったら、川の相があるから、川の相を見なさいと言われるんです。人相、手相の相です。つまり、洞察力が必要だということですよね。都道府県のダムだったら都道府県知事が、市町村の道路だったら市町村長が、それぞれ地相を見て、そして人々の人相を見て、そして川だったら川の相を、総合的に全人格をかけて洞察して、この道路が必要か、この河川が必要か、どういう河川整備をするかということをまさに総合評価するんです。
今
事業仕分けをしている物差し、これは一体何か。まさにマネータームのBバイCでしかすぎないわけですよね。きのうやられた、おとといでしたかやられたのをちょっと後で御紹介していただきたいと思うんですけれ
ども、その物差しが間違っているということをぜひ
大臣からも言っていただきたいと思うんです。私たちも間違ったことが一回ありました、三位一体のときに。
自民党の各部会ごとに、私たちはこれだけ削減しましたということを、当時与謝野政調会長でしたけれ
ども、争ってやったんですね。
ですから、私に言わせれば、今やっていることは主計局ごっこです、主計局ごっこ。人民裁判とは言いません。公開処刑とも言いません。ごっこです。だって、ずっと
自民党でいらっしゃったころ、最終、八百億ぐらいですよね。
最後のプラスするのを
大蔵省が
政治家にやらせた。
今、やはり同じように、マイナスですけれ
ども、それは一兆、二兆とけたが上がっていますけれ
ども、そこのところをいわば
政治家にやらせている、仕分け人にやらせているというふうにしか私には見えないわけです。しかも、その物差しが単一スケールですね。BバイCでしかはかれないようなことで判断しようとしている。
しかし、私たちは
政治の本質を知っている。
政治の本質とは洞察力であり、そして総合評価であり、そして歴史観であり、総合的なもっと深い価値基準であるはずなんです。今まで六十年間ずっと国家公務員がやり過ぎたから、例えば治山治水だって役所しかしていなかったから、こうやってダムの問題も
政治の世界で
議論しなかったから、いわば霞が関が永田町をスポイルしたという
認識がありますね。ですから、今はいいんですよ。だから、そうやって
政治の世界で、総合評価とはいかなることか、そして評価した結果として
予算はどうあるべきか、制度はどうあるべきかというのを今
議論しているというのは非常にいいことだと
思います。
もう時間がなくなってしまいましたので、済みません、政務官、御答弁なしで。
大臣に、今行っている
事業仕分けの物差し、価値基準と、あるべき価値基準、本当に個人的な、それを
総理大臣におっしゃっていただきたいとは言いませんから、ここでおっしゃれる範囲内で結構ですから、そこのところをちょっとお述べいただきたいと
思います。