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内閣総理大臣(
麻生太郎君) 今あります、目の前にありますものというのは、これは何といっても、これは
日本の
経済を分析すれば間違いなく外需が急激に落ち込んだ、この八年間を見れば、ほとんど外需に頼っておりました
日本の
経済成長、その相手先の
アメリカ並びに
アメリカに輸出しておった
中国に輸出した
日本ということになるんだと
思いますが、そのいずれもが極めて厳しい状況になったために、輸出関連企業を主として
日本の場合は急激に
景気が悪くなっていったという現状だと
思います。
したがって、これは、
中国に限らず
日本も同様に、外需ではなくて内需を喚起するような
経済政策に転換をしていかざるを得ない、するべきだと思っております。それによって
アメリカに対する輸出が減る。逆に言えば、貿易均衡でいきますと、
アメリカの赤字が減り
中国の黒字が減るという形に当面はなるんだと思っております。
そういう
意味では、我々としては、今具体的に
国内の内需を喚起するときに、
生活者、中小企業、そして
地方と、三つに重点を置いてやって、これに合わせて、いわゆる
予算若しくは
補正予算というものもそういったものに合わせてやらせていただいておるというところであります。
ただ、これは目先の話はそうですけれ
ども、中長期のものを経営者は皆考えますので、その中長期なものを考えていくということになりますと、やっぱり
日本の場合は、これは
アメリカも同様なことを
日本に
期待しておりましたけれ
ども、今
世界の中でやっぱり
環境という問題は非常に大きなこれからのビジネスとして考えております。これは、
環境というのは、
経済にとってマイナス
要因ばっかりではなくて、これはプラスの
要因、いわゆる
成長になり得るということだと存じます。一九七三年のオイルショックのときに、間違いなく
日本は省エネというマイナス
要因をプラス
要因に変えて成功しておりますので、そういった
意味では、低炭素、これは斉藤
大臣のところかと
思いますが、低炭素の話を含めまして、これは
日本の技術としては、これは私そんな技術に詳しいわけではありませんけれ
ども、こういったものの可能性というのは極めて大きいと思っております。
もう
一つは、やっぱり少子高齢化というのは、これは
日本の場合は避け難い方向に今流れとしてはなっております。特殊合計出生率が〇・一上がって一・三二とかいろいろ言っておりますけれ
ども、まだその段階であります。そういう
意味では、やっぱり
日本の場合は、介護とか医療とかそういった少子高齢化を考えたところにおきましては、被介護者と介護者の年齢
関係が双方とも高齢者ということになっている実態というのは、これは
地方の方が物すごく顕著に見えているような感じがいたしますので、そういった
意味では、これは医療・介護サービスというものは、これは、今需給のミスマッチとかいろんなありますが、ここは明らかに人材の方が不足していると思っております。ここは大きな雇用の可能性のあるところだと思っておりますので、その
意味では
一つのポテンシャル、可能性が高いところだと、私はそう思っております。
あとは、
日本の中でいろいろ今何となくソフトというものがよく言われて、
アメリカもスマートパワーという言葉を、だれがつくった言葉か知りませんけれ
ども、最近そういった言葉を
国務長官も使っておられますけれ
ども、あれは
日本でいいますいわゆるソフトの話とハードと両方くっつけてスマートパワーというどうも定義のようですけれ
ども、いずれにしても、こういった事業というのは新たな事業でありまして、我々の余りよく分かっていないコンテンツとか、コンテンツというものだけをビジネスにしたコンテンツ産業にしている部分というのはなかなか、ちょっと永田町とか霞が関だと余り見えてこない
世界なんですけれ
ども、こういった部分のソフトパワー、いわゆる底力みたいなものというのが実は若者の間ではかなりなものが広がっているという現実、少なくともクール・ジャパンなんていう言葉は我々の子供のときは考えられない英語でしたけれ
ども、こういったものが全くまかり通っておるという時代というのは、新しい雇用というようなものをまだ創造させるようなものなのであって、それが具体的にどうするかというところまで行っていないと
思いますが、方向としてはそういった方向ではないかと考えております。