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2009-06-09 第171回国会 参議院 総務委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十一年六月九日(火曜日)    午後一時一分開会     ─────────────    委員異動  五月二十九日     辞任         補欠選任      川合 孝典君     平田 健二君  六月一日     辞任         補欠選任      武内 則男君     梅村  聡君      礒崎 陽輔君     坂本由紀子君  六月二日     辞任         補欠選任      梅村  聡君     武内 則男君      坂本由紀子君     礒崎 陽輔君  六月三日     辞任         補欠選任      吉川 沙織君     亀井亜紀子君  六月四日     辞任         補欠選任      亀井亜紀子君     吉川 沙織君  六月九日     辞任         補欠選任      加賀谷 健君     青木  愛君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         内藤 正光君     理 事                 加藤 敏幸君                 高嶋 良充君                 長谷川憲正君                 河合 常則君                 二之湯 智君     委 員                 青木  愛君                 大島九州男君                 行田 邦子君                 武内 則男君                 外山  斎君                 林 久美子君                 平田 健二君                 吉川 沙織君                 泉  信也君                 礒崎 陽輔君                 世耕 弘成君                 谷川 秀善君                 中村 博彦君                 溝手 顕正君                 吉村剛太郎君                 魚住裕一郎君                 弘友 和夫君                 山下 芳生君                 又市 征治君    国務大臣        総務大臣     鳩山 邦夫君    事務局側        常任委員会専門        員        高山 達郎君    政府参考人        総務省情報流通        行政局郵政行政        部長       吉良 裕臣君        厚生労働省職業        安定局高齢・障        害者雇用対策部        長        岡崎 淳一君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    木倉 敬之君    参考人        日本郵政株式会        社取締役代表        執行役社長    西川 善文君        日本郵政株式会        社取締役代表        執行役社長   高木 祥吉君        日本郵政株式会        社代表執行役副        社長       團  宏明君        日本郵政株式会        社執行役社長  寺阪 元之君        日本郵政株式会        社執行役社長  山下  泉君        日本郵政株式会        社専務執行役   横山 邦男君        日本郵政株式会        社専務執行役   佐々木英治君        日本郵政株式会        社常務執行役   藤本 栄助君        日本郵政株式会        社常務執行役   伊東 敏朗君        日本郵政株式会        社常務執行役   妹尾 良昭君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○行政制度公務員制度地方行財政選挙、消  防、情報通信及び郵政事業等に関する調査  (郵政問題に関する件)     ─────────────
  2. 内藤正光

    委員長内藤正光君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る五月二十九日、川合孝典君が委員辞任され、その補欠として平田健二君が選任されました。  また、本日、加賀谷健君が委員辞任され、その補欠として青木愛君が選任されました。     ─────────────
  3. 内藤正光

    委員長内藤正光君) まず、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  行政制度公務員制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省情報流通行政局郵政行政部長吉良裕臣君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 続きまして、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政制度公務員制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本郵政株式会社取締役代表執行役社長西川善文君外九名を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 行政制度公務員制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査のうち、郵政問題に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 民主党・新緑風会・国民新日本長谷川憲正でございます。  今日は、会派皆さんの御理解と御協力をいただきまして、私が会派代表して質問させていただくということになりました。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  今日は、予定表を見ていただきましてもお分かりのように、私、かなり長い時間をちょうだいをしておりまして、かなり掘り下げていろいろお聞きをしたいということがございまして、大臣、そして西川社長はもとよりでございますけれども日本郵政株式会社の、まあ新聞等でも報道されておりますが、社長続投問題等につきまして、先般、会社の中の指名委員会方向を出されたということがございましたので、この指名委員会委員長であります牛尾治朗さんにおいでをいただきたいということで先週からお願いをしたわけでございますけれども、御都合おいでになれないと。また、これに代わる方ということで他の社外役員の方、この指名委員会にかかわられたお二人にもお尋ねをしたんですけれども、いずれも都合が付かないということでございました。  そして、先般、かんぽ宿等不動産売却に絡みまして、日本郵政の中につくられましたいわゆる第三者検討委員会というものが報告書を出されましたけれども、この委員長の川端さんも御都合が付かないと。また、これに代わるお二人の委員の方についてもそれぞれ御都合が付かないということで、全員お断りでございまして、かつ、日本郵政執行役で、今度のかんぽの宿の売却に関しましての一番の実行部隊といいますか、表で活躍しておられました伊藤執行役につきましても出席お願いしたんですが、こちらは体調を崩したということでございますので、これはもう仕方がないと思いますが、先ほど申し上げました指名委員会委員方々、いわゆる第三者検討委員会委員方々おいでをいただけなかったということについては甚だ残念でございます。  今これだけ大きな話題になっておりますときに私ども審議に御協力をいただけなかったということは、お忙しい方々ですから、それは事情が全く分からないということを申し上げるつもりはないんでありますけれども、御協力をいただけなかったということを大変に残念に思っておりまして、改めて機会がありましたら是非出席をいただいて、この総務委員会の場あるいはそれ以外の場も国会の中ございますので、御意見をお聞きをしたいというふうに思っております。冒頭そのことを申し上げまして、質問に入らせていただきたいと思います。  今日は、特に日本郵政皆さん方にはたくさん参考人として御出席をいただきまして誠に申し訳なく思っております。私が本来考えておりましたのは、西川社長横山さんと、そして伊藤さん、このお三方ということでありましたけれども、話が多岐にわたる可能性ありということで多くの方々に御出席をいただきましたこと、冒頭におわびを申し上げておきたいと思います。  今日は郵政問題の集中審議ということになっております。これ、何で今ごろ郵政問題の集中なのかということは分かり切ったことでございまして、昨年の十二月二十六日以来のかんぽの宿の売却の問題、あるいは最近の新聞紙上でいっぱい出ておりますけれども簡保保険金の不払の問題、あるいは低料第三種という心身障害者の団体の皆さんが発行される郵便物、安く郵便で扱うわけでございますけれども、この制度を悪用した事件、こういったものがいっぱい出ておりまして、国民の不信が非常に高まっているというふうに思うわけでございますし、加えて、日通のペリカン便とゆうパックとの統合の問題でございますとか、本当にこれから先郵便事業の将来を考えたときに大丈夫なのかなというような問題もありますし、また、先ほど来申し上げました社長株主総会以降の人事につきましてのいろいろ指摘がある中で、国民の関心が高まっておるわけでございますので、今日はここで各委員からいろんな問題が指摘をされると思いますけれども、公明正大に議論をして問題点を明らかにしていくということがとても大事だというふうに思っているわけでございます。  そこで、最初に西川社長お尋ねをしたいと思うのでございますが、この日本郵政社長という仕事でございますけれども、一部の方々からは、これはもう日本郵政民間会社になっているんだから大臣といえども口出しをすべきではないんだと、こういう意見があることはあるんですね。大方の方はそうは言っておられませんが、そういうことを言う方もいらっしゃる。西川社長御自身はどのように考えておられるか、お聞きをしたいと思います。
  9. 西川善文

    参考人西川善文君) お答え申し上げます。  日本郵政は、申すまでもないことでございますが、ただいま政府一〇〇%出資の会社株式会社ではございますが、株主構成はそういうことになっております。したがいまして、通常の民間会社のようなわけにはまいらない、そこのところは私も十分心得ているつもりでございます。
  10. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 社長の御認識のとおりだと私も思うわけでありまして、政府が一〇〇%株を持っているそういう特別な会社、いわゆる特殊会社でありますから、民間方々株主であって株主の決めたとおりにやっていくという普通の民間会社とは違うわけでありまして、法律に基づいて設立をされた会社でございますし、その行使できる権限等についてはいろいろまた定めがありまして、それに対して、行政庁である総務大臣監督義務どもいろいろ記されているわけでありますから、株式会社という形態だけに着目して、これはもう経営者に任せておけばいいんだというような論法は私は成り立たないというふうにもちろん思っているわけでありますけれども、どうもこの民営化法そのものをお作りになった竹中平蔵さんが書いておられるものなんかを見ますと、政府口出しをすべきでない、そして会社というのは経営者のものなんだということを書いているわけでありますが、私は学者でおられる竹中さんの御意見としてはもう甚だ理解しかねる。会社株主のものですよね。そして、公的な役割を持ったものであれば、更に加えて従業員のものでもあり、何にも増して会社を利用される一般の利用客皆さん方のものだというふうに私は思うわけでございますけれども。  いずれにしても、公的性格の強い会社人事ということでありますから、今日は指名委員会皆さん方おいでをいただけなかったんですけれども、どういう方が社長にふさわしいのかというようなことについては、それは当然指名委員会の中でもいろいろ御意見はあろうと思いますけれども、どうして株主である政府と事前にきちんと調整をされないのかなと。普通の株式会社であれば、株主からいろいろ意見があれば当然そこと調整をされる、そういったことが一切見えてこないというのは甚だ不思議に思うわけでございます。  私、前に予算委員会の場でも申し上げたんで、繰り返しになりまして恐縮でございますが、この郵政関連組織というのはどこの国にもあります。郵便やっていない国というのはないわけでございますから、どこにもあります。その場合に、経営形態は、アメリカのように国営でやる、今後とも国営でやるんだと明確に言っている国もあれば、フランスのように公社という国もありますし、そして日本が今なっているような株式会社という形の国もあります。しかしながら、株式会社になっている国でも国が一〇〇%株を持っているというのが常識でありまして、何のために持っているのかとわざわざ私、何遍か質問したことが外国に対してもあるわけですけれども、みんな同じ答えが返ってくる。それは、会社は、今は時代が変化が激しいですからいろんなことをその時々で考えて動いていかなきゃならぬ、それを法律で一々決めていたら自由な活動ができないから株式会社という形にするんだ、商法にのっとって自由に行動ができるようにするんだ、経営者に任せるんだ、しかしながら、事業そのもの目的は国家、公共のためのものだ、国民福祉のためのものだという貴い目的があるんだから、国が一〇〇%株を持って、その目的どおりにきちんと経営者仕事をするかどうかを監督して、駄目だったら首にするんだと。これがもう世界の常識なわけでありまして、そういう意味ではどこの会社でも株主が一番怖いんだと思いますが、こういう公的な組織でも、株主がどういう考えを持っているのかということをそんたくしながら、相談をしながら物事を進めていくというのが基本であります。  現に、私が議員になります前に大使として駐在をしておりましたフィンランドという国で、国が五一%の株を持っている電話会社がございまして、日本のNTTのようなものでございますけれども経営陣が新しい方針を出したところが、そんなことおかしいといって新聞等で随分たたかれまして、それを見ましたら、監督官庁であります通信大臣臨時株主総会を要求いたしまして、自らがおいでになりまして会長、社長以下全員首を切ってしまったということがありまして、ああなるほど、国が一〇〇%株主である、あるいは過半数の株を持っているということは重たいものだなというのを身をもって私は体験をしてきたわけでございますけれども、どうも日本では、今回の日本郵政社長のいわゆる続投と言われている問題をめぐっていろいろ面白おかしくいろんなところで議論されているわけですが、私は、人事の問題でございますし、これはもう西川社長の名誉にもかかわることでもございますから、本来であるなら、表でこんなごたごた議論をするのではなくて、政府の中できちんと調整をしていただくべき問題だというふうに本当は思っているんです。しかしながら、事ここに至っておりますので、今日はいろいろお尋ねをせざるを得ないというふうに考えております。  なお、忘れないうちに申し上げておきますけれども、この問題に関しましては圧倒的に鳩山大臣に人気があるようでございます。別にごまをするつもりはございませんが、あるラジオ局番組がありまして、鳩山総務大臣の言っていることを支持するかしないかというインターネットでアンケートをする番組がありまして、六月四日のことでございますけれども、結果を見ますと、二百七十一票対七十六票で支持するというのが支持しないを上回っていると。獲得率は七八%でございますので、世論の人たちは、そんなふうに世の中の人は見ているのかなというふうに感じているところであります。  そこで、私、長話をいたしましたけれどもお尋ねをいたします。  総務省お尋ねをいたしますが、総務省は四月の三日に例の日本郵政から出されました段ボール箱十七箱の資料を点検をされまして、調査結果を報告をされました。と同時に、改善命令も出されているわけであります。改善命令につきましては今月中に報告を出すようにということになっていたと思いますが、私のお尋ねはそのことではございませんで、調査結果報告、これを読ましていただくと、実に詳細にこのかんぽの宿をめぐっての一連の事実が分析をしてあります。  これを読みますと、少なくも私は、日本郵政は、言葉は悪いんですけれども、本当にでたらめなことをずっとおやりになったなというふうにしか思えないわけでありますが、この調査結果報告について、日本郵政からしかるべき釈明とか説明とか、その後求めていらっしゃるんでしょうか、あるいは今後求めることがあるんでしょうか。
  11. 吉良裕臣

    政府参考人吉良裕臣君) この調査結果につきましては、これを改善命令という形で私たちは求めておりまして、それを踏まえて、改善命令に対する報告徴求の中でまたそこは聞くことになろうかというふうに思っております。
  12. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 これは西川社長お尋ねをいたしますが、この改善命令に対しての御報告、いつごろお出しになる御予定でしょうか。
  13. 西川善文

    参考人西川善文君) お答えいたします。  今月いっぱいということになっておりますが、私どもの方では精力的に準備を進めておりまして、今月中のできるだけ早い時期に御提出申し上げたいと思っております。
  14. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 その際に、今総務省の方からもお話がありました十七箱の段ボールに関する調査結果報告、その中身調査結果報告ということで出ておりますので、当然御覧をいただいていると思いますけれども、私は単なる改善措置、将来に向かって今度はこういうふうにいたしますよということだけではとても済まないというふうに思っておりまして、今までやったことについてこれは良かったのか悪かったのか、なぜそうなったのか、問題点をやっぱり明らかにしてその責任をきちんと出していかないことには前に進めないというふうに思っておるわけですけれども、そういった総括はその中でなさいますでしょうか。
  15. 西川善文

    参考人西川善文君) お答えいたします。  総務省からの調査結果、さらに私ども社内に設けました第三者検討委員会結論もございますので、これらをきちんと踏まえて、そして反省すべきは反省するということも当然ながら加えまして、改善方向についてのお答えを申し上げたいと思っております。
  16. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) 日本郵政第三者検討委員会報告書というのは読ませていただいておりますが、これはしょせん内部第三者委員会でございますから、当然中身はお手盛りになるわけでございまして、結論としては、いろいろ問題はあるが最終的には問題がないと、こういう書き方なので、これは内部検討委員会ならばしようがないだろうと、こういうふうに思うわけですが。  その後、我々が業務改善命令監督上の命令でございますが、それに対してどう日本郵政あるいは郵政グループが答えるかということで、かなりやり取りが日本郵政総務省の間であるようでございまして、一部のことについては全く、十六の問題点指摘しても今のところ答える気配がないと。今までいろいろやり取りしている案を、いただいた案を見ますと、自分たちはこういう間違いを犯した、したがってこういう反省をしているという部分は一行も今のところ見当たりません。
  17. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 今の大臣お話を伺って、ああ、やっぱりそうだったかという実は感じなんですね。私もそのことを一番心配しているんです。  この改善命令が出たときの総務省扱いというのは、非常に温情ある扱いといいますか、私たちから見ますと、この中身を読むと、これはもう犯罪を犯したと、とんでもないことだというふうに事実上は書いてあるわけですよね。しかしながら、そのことの責任を問うのではなくて改善命令という形で柔らかく表に出された。そのすき間のところをどうやって実際は埋めていくのか。それは我々の義務でもあるし、恐らく日本郵政総務省の間でいろいろおやりになっているのかなと。しかし、私たちが聞くところでは何かそういう話が進んでいるようにも思えないものですから、大変に心配をしていたわけですけれども、それは、西川社長に申し上げますけれども是非おやりをいただかないと、国民皆さん、これだけたくさん問題が出ている中で納得をされないと思うんですよ。  私は、いろんな新聞の論調なんかも見させていただいていますけれども、今度の社長人事のことでも、政局がどうだとか政治的にどうだとかというようなことがいろいろ出ていますけれども、そんなことではなくて、これはあくまでも日本郵政という実業をやる会社社長さんの人事でありますから、もっともっと客観、冷静にやればいいことであって、今までおやりになったことが適正であるということなら、もちろん続投を含めて、ほかにもっといい人がいるのかいないのかということを検討していただければいいわけでありまして、そうでなくて問題があるということであれば、そのことの責任を明らかにしていただくということだと思うんですね。  もう一度総務大臣にお伺いをいたしますが、是非総務省としてもリーダーシップを取っていただいて、きちんと両者の間の点検をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  18. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) よほど問題が深いと思ったから業務改善命令というものを出したわけで、まあちょっとしたことだというんだったら、ちょっと直せばいいというようなことは業務改善命令にはしないわけで、国民共有の財産ですよ、簡易保険に入った方が少しずつ営々と積んだお金が、施設を造り過ぎたとかなんとかというのはあるけれども、少なくとも簡易保険法において加入者福祉施設であると。つまり、これは会社社員寮みたいのを軽井沢とか箱根に造るのと同じ発想ですよね。加入者福祉施設というのを簡保保険料で造った、それが七十九施設のうちの大部分ですが、二千四百億円以上した。固定資産税評価でも九百億近くする、実勢価格でも千二百億や千三百億するだろうと。これを減損会計だとかマジックを使ってどんどん減損していって、竹中流に言えばこれは不良債権だと。もうけちゃいけないんですから黒字にはめったにならない。赤字だったら不良債権だと。そういう決め付けで、だから、例えば鳥取ですか、あのかんぽの宿は一万円で売られて半年後に六千万円で転売されると。一体だれが利益を受けたのかという疑問がある。  ですから、二千四百億がマジック使って百九億円になって、出来レースと思われる不透明な部分がいっぱいあって、それでオリックス不動産に渡そうとしたから私は認可をしなかった。それだけのことがあったから業務改善命令を出したわけでして、だからこれはもう真剣に取り組んでもらわなければならないわけでございます。  ですから、私は、西川社長に対して悪感情もなければ何の感情もありません。お酒一緒に飲んだら楽しそうな方だなと思いますよ。だけど、しかしこれは公的企業のガバナンスの最高責任者としておられたわけですから、これだけのことが起きたならば、それは責任を痛感をしていただかなければ困るというのが私の立場でございます。
  19. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 どうもありがとうございました。  今日は時間たっぷりいただいたとはいうものの、限られた時間でありますので、この調査結果報告指摘していることを一々全部議論をするというわけにはいかないんでありますけれども、せっかく出されたもので、もう世の中の人も忘れている人が多いんじゃないかというふうに思いますので、もう一度問題点を整理をしてみたいというふうに思っております。  幾つか目立ったものを私、拾ってまいりました。お手元にB4の一枚紙の資料をお配りをさせていただいておりまして、左の方に四つほど問題を掲げております。  上から順に行きたいと思いますけれども、この表に入ります前に一つ提起をしたいのは、これもさんざん言われたことでありますけれども、競争入札という言葉が頻繁に使われたわけですよね。これも指摘をされておりますが、この表には入っておりませんけれども、実際は競争入札ではなかったと。最終的には企画コンペというんでしょうか、非常に分かりにくいんですけど、そういうものであったということがだんだん分かってまいりまして、しかしながら、企画コンペというのは、提案をする人がどういう考えを持っているというのを聞いて、そして自分たちの考えと合致するものを選んでいくということでありましょうから、それは入札とはもう全く違うものですよね。これを、日本郵政会社の定めている契約の規定がありますが、これは総務省に届けてあるものでありますが、それを見させていただいたら、会社の手続というのは一般競争入札と指名競争入札と随意契約だというふうに書いてあるわけでありまして、そうすると、これは一般でも指名でもないんですから、今お取りになった今回の契約の仕方というのは随意契約ということになるわけですよね。  で、随意契約ということと競争入札ということはもう全く物事が違うわけでありまして、競争入札であれば、例えば非常に安い価格で落札がされたとしても、まあ落札の予定価格を下回れば落とさないということはあるにしても、それは入札の結果決まったことですから、マーケットが決めたことですから、それでよしとせざるを得ないわけですよね。しかし、随意契約ということになればいろいろなものを見ながら物事を決めていかなきゃならないわけでありまして、新聞の社説など当時出たものを見ても、一部の新聞では、一般競争入札で決めたことをがたがた言うなというような趣旨の社説がいっぱいあったんですよね。そういう誤解を招いた。  これ、もう一度お尋ねをしなければいけないんですが、随意契約の実態なのに競争入札というふうに見せかけた、その理由は何だったんですか。
  20. 西川善文

    参考人西川善文君) お答えをいたします。  かんぽの宿の事業全体を譲渡しようということで、事業の譲渡ということでございますが、その事業の譲渡と申しましても、これは従業員の雇用の継続といったこと、あるいは一部負債の承継といったこともその中に入ってまいりますので、ただ資産価額だけで競争というわけにはまいりません。しかしながら、想定純資産価額、事業全体の価値というものを想定いたしまして、その価格を競争していただくと。もちろん、それには前提として従業員の雇用といったようなことも入っておるわけでございますが、その事業価値をどう見るかというところを競争していただくという意味合いはございました。  ただ、これは、いわゆる会計法に言う一般競争入札ではございませんし、そしてまた指名競争でもございませんし、随意契約というふうに決め付けられるものでもないと思います。その点が、我々の社内でもこれは第三者委員会指摘をされておるんでございますが、この事業譲渡ということについての社内規定がなかったというところが我々としては一つ問題であったなということでございまして、これは第三者委員会からも厳しく指摘をされているところでございます。
  21. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 お聞きしてもちょっとよく意味が分からないんですけれども会社でお決めになっていることはルールがあるわけですよね。だから、どのルールにのっとっておやりになったのかということによって物の見方というのは変わってくるわけでありまして、随意契約ではないというと、一般競争入札ではもちろんない、指名競争入札でもない、随意契約でもない、会計規定で決めていない新たなものをやったんだということなら、どうして最初からそういうふうに言ってくださらないんですか。それだったら世の中の人も誤解せずに、それならそういうことで、中身がいいのか悪いのかというのを皆見たと思うんですよ。  それ、どなたがそういう形で、世の中に対しては入札という言葉を使うような決定をなさったのか、教えていただけますか。
  22. 西川善文

    参考人西川善文君) これは一つ大きな間違いを結果的にしたなというふうに考えておりますのは、ホームページでかんぽの宿の譲渡に関する競争入札という表現をしたわけでございます。この競争入札という言葉を安易に使い過ぎたということでございまして、本来はこれは企画提案のコンペということでございます。そこの使い分けがしっかりと行われなかったというところが混乱を呼んだ一つの大きな原因であろうというふうに思います。
  23. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 それはそのとおり混乱を生んだわけでございますが、そのことについては当初から社長は気付いておられたんでしょうか。それとも、気付かないうちにそういうことが行われたんでしょうか。
  24. 西川善文

    参考人西川善文君) お答えいたします。  大変残念ながら、私はホームページをしばらくたってから見まして、この競争入札という言葉は適切ではないなということを感じたわけでございます。後で気が付いたということでございます。
  25. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 社長がそのようにお気付きになったら、それは訂正を当然なさるべきだ。社長組織のトップですから、適切な指示をして変えられるべきだったと思うんです。そのことがないからその後もずっとおかしなことになりまして、これは十二月の末から総務大臣出来レースじゃないかということをおっしゃって、問題が指摘をされて話題になった。それでも、大新聞の社説が一般競争入札でやることに大臣が口を挟むのはおかしいとまで論評したわけですよ。  大臣、そこのところ、いかがお考えですか。
  26. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) それは先生おっしゃるとおりで、一般競争入札に総務大臣が口を挟むのがおかしいという、そういう論調による私への批判は随分目にしたし耳にしたわけでございまして、しかし実際は一般競争入札ではなかったと、非常に不透明なものだったということが明らかになっているわけでございます。  そもそもが、メリルリンチをアドバイザリー契約というかアドバイザーとして選ぶそのプロセスにおいて、同じ文書を見て同じ人が点数を変えて、つまりメリルリンチにしなくちゃならないという出来レースだったんでしょうけれども、メリルリンチが一位じゃなくて二位だった。さて困ったというので、二日後か三日後にもう一回開いて、同じ人がですよ、メリルリンチの点数を上げて、トップだったところの点数を下げてメリルリンチを選定するという、こういう大疑惑があるわけですね。そういうところからして、何が入札なのか何が採点なのかよく分からないことが多過ぎるんです。  これは私は分かりません。民間会社だったら、純民間会社だったらそういうことはよくあるのかもしれないと思うのです。例えば、博報堂に民営化していくときの広告宣伝を全部任せると。これはもちろん競争みたいなことをしたんだと思いますが、採点者五人なんですね。採点者のうち五人のうち三人が言わば社長の直系の方ですから、最初から意のままになりますよね。そして、さて民営化されたと。今度はまた訳の分からぬ責任代理店制度というのを採用すると。つまり、郵政子会社四つ、ゆうちょ銀行、かんぽ生命だけじゃなくて特殊会社である事業会社、局会社が広告宣伝しようとしても全部責任代理店である博報堂を通したり相談しなければできない。まあ考えてみればとんでもない仕組みをつくり上げた。  そのときに、博報堂を選ぶときも五人の人が採点をして、三人が、失礼ながら、社長の息の掛かった三井住友系というんですか、これはもう最初から結果見えていますよね。それで逮捕者が出て捕まった。低料第三種で博報堂の子会社、エルグの役員が捕まったにもかかわらず、私が記者会見で注意するまでは広告関係は全部博報堂だということを貫いたじゃありませんか。  一般の企業ならいい。しかし、公的な企業がそういうことをやれば、そこに何か巨悪があるんじゃないか、癒着があるんじゃないかと国民が疑うのが当たり前だと。私はそういう体質の問題、これを問題にしておりますので、長谷川先生の御指摘は正しいと思います。
  27. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 ちょっと話がいろいろまた拡散しそうなんで戻したいと思いますが、いずれにしても、競争入札と世の中を誤解させてしまった、そのことについての修正の試みが会社側から行われなかった、社長がリーダーシップをお取りにならなかったというのは非常に残念に思います。  そして、先ほどのこのB4の紙に戻らせていただきますが、私四点指摘しておきました。最初の世田谷のレクセンターの問題であります。  これは元々かんぽ宿等施設、事業運営、これを譲渡したいといって提案をされたときにはこの中に入っていたわけですね。かんぽの宿だけではなくて、この世田谷レクセンターという大変な価値のあるものが入っていた。これは昨年の五月時点で会社自身が鑑定評価された額が手元にありますが、百三十九億円、これだけで百三十九億円。ですから、当然買いたいという人たちの提案額が小さければ、これは外そうというふうにお考えになるのは当然だとは思うんですよ、当然だとは思います。たしかオリックスとそれからもう一社、最後に二社が残ってどっちにするかという判断を会社の方でなさったわけでありますけれども、そのときに、この世田谷のレクセンターについては二十三億円というところと三十三億円というような低い評価が出てきたということからこれを外そうとしたというのは分かるんです。  ところが、総務省が発表されました調査報告を読みますと、今日は病気のためにおいでいただけませんでしたが、伊藤執行役が上司である専務、副社長、そして西川社長に対してこれからの進め方について報告、確認を行ったと、こう書いてあるわけです。そして、この間出されました日本郵政の中にあります第三者検討委員会報告書でも同様に、専務執行役、副社長及び社長に順次口頭報告をして確認を得たと、ただしこれは文書で記録に残っていないと、こう書いてある。  残っていないこと自身は大変問題で、このいわゆる第三者検討委員会報告書は繰り返し文書で残っていないのは問題だということを言っていますが、それは別にして、西川社長が国会の中で御答弁になったことを見てみますと、これは衆議院の総務委員会の松野委員の質問に対してのお答えでありますけれども、この世田谷レクセンターを外すということを聞いたのは最後の段階だったと。自分もいろいろ思うところはあったんだと思いますが、いずれにしても、そういう話を聞いたのはレクセンターを外すということを通告した後の話であって非常に残念であったと、こう御本人が述べていらっしゃいます。これは西川社長、間違いございませんか。
  28. 西川善文

    参考人西川善文君) お答えいたします。  そのとおりでございます。私も世田谷レクセンターを外すということ自体は、当時もう既にリーマン・ショックの後でございまして、このレクセンターはマンション開発用地として活用されるであろうということが考えられる物件でございますから大幅な値下がりをしておりまして、もうマンション事業者も手を出さないと、あの時期では手を出さないというような状況でございましたから、これは外すこと自体はそれは正解であったと思いますが、聞いたのは最後の段階でございますので、通告をされた後聞いております。
  29. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 重ねてお答えをいただきましたので、そのとおりなんだろうと思いますが、そうすると、伊藤さんが総務省に対して述べていること、事前に社長まで報告、確認を行ったということ、あるいは、ついこの間の第三者検討委員会報告書にある順次口頭報告をして確認を得たというのは、事実が違いますね。いかがでしょうか。
  30. 西川善文

    参考人西川善文君) これは私の記憶に間違いがなければということでございます。あるいは私の記憶が不正確であったのかもしれませんですが、私の頭の中にはそういうものが残っております。
  31. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 そこは大変正直にお答えをいただいて、感謝を申し上げます。そのとおりなんだろうと思います。  いずれにしても、これは社長がおっしゃっていることとこの二つの報告書に書いてあることは一致しないんですよ。どっちか間違っているんですね。そういうことが非常にこれ、売る方にしても、ましてや買う方にしてみれば、今までこういうものが一括売却の対象の中に入っていた、それが抜けるという非常に大きな話でありますから、こういったことがいい加減に扱われてはならないと思うし、会社にとって貴重な財産ですから、それはもう当然のことながら、経営者の中で意識の統一が図られていなければいけないと思うんですけれども、これで見ますと、社長のおっしゃるとおりだとすると、伊藤執行役がうそを言っているのか間違っているのか、要するに独断でやったのかというような話になるわけですね。  それと同じことが、その下の社宅(9)の簿価割れと書いておきましたが、これは東京周辺にあります九か所の社宅のことでございます。これも今度の一括売却の中にかんぽの宿と一緒に入っているわけです。世田谷のレクセンターは評価が低過ぎるということで外れましたが、この社宅九か所については簿価割れをしておった提案であったけれども、外れなかったんですね。これ一緒に売るという中に入っていたわけです。これは、調べましたら、五月時点で会社が評価されたときは四十六億円という評価をしておられる。九月の中間決算の簿価では三十二億円と計上してある。それに対してオリックスは九億円という簿価割れの評価をしてきた。  このことについて、本来ならこれもレクセンターと一緒に外すべきですよ、簿価割れしているんですから。それを外さなかったということについて、どうもきちんと担当の伊藤さん、今日はおいでいただいてないんですけれども、最終的な契約を決定するような会議には報告をしてないということらしいんですね。したがって、社外の役員等も含めてだと思いますが、経営陣が認識できなかったと総務省報告書にあります。  第三者検討委員会報告書を読ましていただきましたらば、この伊藤さんはこのことについても先ほどのレクセンターと一緒に報告をして確認を得たということを言っておられるわけです。この点については、簿価割れの社宅を一緒に売ってしまうということについては、西川社長は御認識はあったんでしょうか。
  32. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 社長じゃなくていいですか。
  33. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 どうぞ。
  34. 佐々木英治

    参考人佐々木英治君) 社宅の関係でございますので私の方から御説明をさせていただきますが、このかんぽの宿に係る社宅と申しますのは、旧簡易保険福祉事業団から承継した社宅でございまして、今回のこのかんぽの宿の施設の譲渡に伴いまして一体不可分の関係で譲渡されるのが、私ども経営側とそれから労働組合の側も同様の認識でございました。そういうことで、社員のモチベーションへの影響が懸念されたということもございまして、今回、簿価といいますか、簿価とそれから事業者の評価額は異なりましたけれども、これはかんぽの宿と一体として売るべきであるというふうに私の方といたしましては判断した次第でございます。
  35. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 佐々木さんはそういうふうにおっしゃいますけれども、関係の資料をいろいろ読んでみますと、実際に契約の手続等をやっているメリルリンチからは、これも外すべきだという提案がなされているわけですよね。それを途中で無視して一緒に売ってしまう、しかも経営陣が認識できないような形で会議を開くというようなことは、私はもうこれは非常に意図的であるというふうに思っているわけです。  この件に関しましても、四月七日の西川社長の答弁では、こういうことも含めて聞いていない、後から聞いたというようなお話であったようでありますけれども、これ、私の言っていることは間違いないと思いますが、吉良さん、いかがでしょうか。
  36. 吉良裕臣

    政府参考人吉良裕臣君) 私ども報告徴求の場合にこれ全部文書でいただいておりまして、先生がここに書かれていることはこれは文書で、口頭で言った話じゃございません。このとおり、経営会議資料、ちょっと多めに言いますと、経営会議資料及び取締役会資料には九社宅の簿価及びオリックス不動産による評価額は記載しておらず、また各会議の場において口頭での説明を行っておりませんので、簿価とオリックス不動産との評価額の差にマイナス二十三億円の乖離があったことについて、取締役を含む経営陣は認識していませんというふうな回答をいただいております。
  37. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 これも会社にとっては極めて重要なことだと思うんですよ。まさに国民の財産であるべきものが簿価割れをして売られようとしている、そのことが経営陣の判断の材料として提供されない。そういうことが事実としてあったとするならば、それは分かった時点でそれなりの対応をされるべきでありまして、いまだに何かこのことで対応されたというのは私聞いておりませんけれども、これは伊藤さんが、言ってみれば個人の判断でおやりになったことなんでしょうか、それとも社長の意を受けてやっておられるということなんでしょうか。これは西川社長お願いしたいと思いますが。
  38. 西川善文

    参考人西川善文君) 本件に関しましては、私は、今佐々木専務がお答えいたしましたように、従業員が現に居住しておると、かんぽの宿の運営をしておる宿泊事業部でございますが、こちらの社員が現に住まいをしておるということでございますので、これは一体として譲渡する対象に含めなければならないなという判断をしておったわけでございます。
  39. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 表向きはそれだけ聞いたら、ああ、なるほどというふうに思う人もいるかもしれませんけれども、実際には非常に空き家の多いところでありまして、住んでいる人、そんなにいないわけですよね。しかも、これ買うことになったオリックスとの最終の契約なんかを見ますと、実際社宅として使うのは一年ということですか、後はどうなるか分からないというようなことでありまして、わざわざこれお土産に付けたのかなというふうにしか見えないわけであります。  次に、三つ目の問題点でございますが、メリルリンチ社からの売却中止の提案というのがあります。  不動産価格が低迷をしているどころか大変な下落を続けておったという状況の中で、たしか三回にわたって、アドバイザーに選ばれたメリルリンチが全体の売却手続そのものを中止するという選択もあるよということを提案をしているわけですけれども、このことが、一回目のときには伊藤執行役は上層部に対しては報告もしなかったということで、無視をした。次には、十一月に入りまして同じくこういったものが提案をされておりますが、これにつきましては西川社長まで報告をしたかどうか執行役は記憶がないと、こういう極めて大事な判断を報告をしたのかしないのか記憶がないと、非常に無責任極まりないと思うのであります。  これについては、社長の方も後で聞いたということで、大変聞いたのが遅かったことを悔やんでおると、早く聞いたらもっとほかに判断もしようがあったということをおっしゃっているわけでありまして、この点についても、社長、その後、この伊藤執行役に対して何らか責任を追及するとかなさったんでしょうか。
  40. 西川善文

    参考人西川善文君) 伊藤執行役に対しましては、ただいまのところ特段の処分等は行っておりませんが、第三者検討委員会結論も出たところでございますので、今後のけじめを付けるために何らかの処置をする必要があると考えております。
  41. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 最後に、四点目のところですけれども、インフォメーションメモランダムというものが二年後から黒字化と書いてあるというのが問題点のところに指摘してあります。短く書いてしまったものですから御理解いただけないかもしれませんが、これは、今回の一括売却に対して関心ありということで集まってきたいろいろな業者の方に、アドバイザーの実際に契約手続を担当するメリルリンチが配った資料があるわけでありまして、その中に、日本郵政とも相談をして作ったという資料ですけれどもかんぽの宿というのは赤字赤字と言われているけれども、二年後からはずっともう後黒字になります、収支見通しとして年間十億円から十七億円の利益が出てくるんだと、こういう資料が現実に配られているわけです。  このことについては第三者検討委員会では残念ながら言及が全くないんですけれども、このことについては度々西川社長が国会で答弁をしておられまして、例えば一月の段階では、衆議院の予算委員会で、このかんぽの宿の事業というのは不採算事業だから、持てば持つほど負担になるんだ、だから早く売却しなきゃいけないんだということをおっしゃっている。このことが実際いろんな新聞等でも引用されておって、赤字の事業だから早く売るのは当たり前だ、これは不良債権だと、竹中さんまでそう言っているわけでありますが、そういう認識をつくっているわけであります。  最後に、これ、四月の六日の外山委員の決算委員会での質問に対しての西川社長の御答弁ですけれども、そういう資料があることを知らなかった、最近知ったと、こういうことをおっしゃっているわけでして、これ、実際、本当にこのかんぽの宿の売却という非常に大きな取引について社長がきちんと全体を把握していたのかということを非常に私たち疑問に思うわけであります。  こういった資料を出すというようなことについて、社長は事前に相談を受けるということは日本郵政の中ではないんでしょうか。
  42. 西川善文

    参考人西川善文君) 重要な事項につきましては一々相談を受け、あるいは報告を受けるということも当然ございますが、このインフォメーションメモランダムと申しますのは企画コンペへの応募者に対する情報提供ということでございまして、これは、私の記憶に間違いがなければ、ある外資系のコンサルタントに依頼をいたしまして、全施設についての今後の収益改善策等を検討してもらい、それを参考に作成した資料であるということを聞いた覚えがございます。
  43. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 ちょっとよく理解できないんですけど。  そうすると、これに関しては社長は事前には御覧になっていなかったし、そういうものを必ず社長報告をしなければいけないとか、例えば配られたものと社長の答弁が食い違っているというようなときに、日本郵政の部下の方々、今日もたくさんおいででございますけれども社長の言っておられることと資料と違うことがありますよというような指摘も全く上がってこないんでしょうか。社長にお伺いいたします。
  44. 西川善文

    参考人西川善文君) 多分、外部のコンサルタントが作った資料でございますので、応募者に対して御参考までということでお配りをしたのではないかと思います。私は存じませんでした。
  45. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 これは、買おうと思っている人からすると極めて重要な資料だと思うんですね。しかも、その資料には、外資系の企業とおっしゃいましたけれども、メリルリンチという会社が、お金を払ってアドバイザーとして雇っている企業ですよ、その企業が日本郵政の宿泊事業部と相談の上に作ったと資料に書いてある。そういうものを出していて、それが中身が違うということを社長が言っておられるのに、周りの方が一切情報提供もしない、社長の誤りも正そうとしないというと、一体どういう社員管理をしておられるのかなと。  私が残念ながら申し上げたいのはそこのところなんです。世の中ではよくガバナンスという言い方が使われまして、私はそういう片仮名英語は嫌いなんですけれども、しっかりと組織を統率して、部下を統率して、それは社長だって間違うことがある、そうしたらすぐに情報が上がってくる、重要な決定については社長にきちんと相談をする、当たり前のことだろうと思うわけですが、今のお話をずっと聞いていると、肝心なところで一切社長のところには相談が来ないという、そういうことになりますよ。そういうことですか。そういう理解でよろしいですか。
  46. 西川善文

    参考人西川善文君) そういったことでは決してございませんで、本当に重要事項については間違いなく相談を受けております。ただ、その周辺情報については全部が全部私の耳に入るということではございませんでした。  私自身も、いろいろなことがございますので、例えばかんぽの宿について全部起きている事柄について毎日毎日聞くという時間的余裕もないという状況でございましたので、多分そこをしんしゃくして取捨選択をしたのであろうというふうに思います。
  47. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 仮に、部下の皆さんが、社長は御多忙だから大事なことだけ入れようということで、こういうものは大事でないという整理をしたとすると、私はちょっと、それは経営陣としてふさわしからぬ人たちばかりがそろっているんじゃないのかなというふうに思うんです。それは社長の方からも、新聞にもいろんな書き方が出るわけですし、総務大臣からもいろいろ御指摘もあるわけですから、それを重要でないといって受け流しているというのは、それはもういかにもおかしなことだというふうに思うわけでありまして、そんなことはあり得ないと思うんですよね。  こういう形でずっと答弁をしておられますから、今更うそを言いましたとか、間違えましたとかいうふうにはおっしゃいにくいんでしょうけれども西川社長日本でも屈指の有数な経営者でいらっしゃいますよね。銀行業界ではもう赫々たる成果を上げてこられた方ですよ。そして、私も今回改めて昔のことをいろいろ見てみましたけれども、三井住友銀行で頭取をしておられるときにも、それはもうまさにらつ腕といいますか、言葉が過ぎるかもしれませんけれども、敏腕ということで、会社を一手に担ってやっておられた。  そういう方が、今回のように、部下が勝手なことをして、報告をしてもしなくてもどうでもいいというようなことをなさるはずがない。だから、それはもう包括的にこういう形でやれということを言われたから報告がなかったんだろうというふうに私は思っているんです。  このことに関しては、私は総務省の調べた資料を拝見をして申し上げているわけでありまして、実際にもっと事細かに調べられて報告を受けておられる鳩山総務大臣は、このいわゆるガバナンス、西川社長のガバナンスについてどうお受け取りになりましたでしょうか。
  48. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) ある方は、西川社長は被害者なのではないかと言った方はいますよね。それは、いいように部下にやられてしまったんではないかということを私におっしゃった方はいますけれども。  やはり今、長谷川憲正先生がおっしゃったように、最後のバンカーと言われるようならつ腕の方が請われて日本郵政社長になられた。これは公的な会社でありますから、特殊会社でございますから、国民の利益に直結をする問題で、利益が上がればいいというものではないと。例えば、いわゆるユニバーサルサービスというものが四つの会社とも全部求められていくと。  そういう中で、今やり取りで聞いておりましたが、そういうことは知らなかった、あるいは聞いていなかったという話が多過ぎるのは、これは私も好きな言葉ではないんですが、ガバナンスができていなかったということになるだろうと。  今、インフォメーションメモランダムの点で、将来は利益を生むかんぽの宿であるというのがあったわけで、それもお読みでなかったようではありますが、問題は、簡易保険法によって、かんぽの宿は加入者福祉施設であって、もうけてはいけない、ただで泊めても、ただで温泉に入れてもいいんだ、ただし一部の費用は利用者から取ってもいいというそういう福祉施設であるから、当然なかなか黒字にはならないと。赤字という表現が正しいかどうかも分からない。赤字じゃなくて、これは福祉施設なんだから、福利施設です、福利厚生施設ですね、一般的に言うならば。とすれば、赤字が出るのが当たり前だ。片や、赤字が出るということは不良債権だと。千円で売ってもいいんだ、千円で売ったら四千九百万円に化けたと、一万円で売ってもいいんだ、一万円で売ったら六千万円に化けたというような話が多過ぎるわけですね、郵政に関しては。  ですから、私は簡易保険法によってかんぽの宿が言わばもうけることを禁止されていたということを西川社長がお知りであったのかどうかなということも実は疑問に思っておりまして、やっぱりこうなってくると、好きな言葉ではないが、ガバナンスの問題は問題があり過ぎると、こう考えております。
  49. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 ありがとうございます。  私もいろんなことを御指摘をさせていただいたんですけれども結論的に申し上げたいのはそのことなんですね。私は、個人としてはひそかに心の中では、いや、これは部下任せに社長がなさるはずがないので、包括的にこういうことを了承してやっておられたんだろうというふうに思っているわけですが、仮にそうでないとするならば、これはもう手抜きも甚だしいし、いわゆる丸投げですよ。手抜き、丸投げ、でたらめ経営ということになるわけでありまして、非常に悪い言葉ですけれども経営者としてはぼんくらということになっちゃうんですが、そんなことはあり得ない。西川さんのような方がそんなことはあり得ないのであって、私は、やっぱりきちんとこれは今後とも解明をしていく必要があるというふうに思っているところであります。こんなことではどんな会社でも株主はどこも了承しないというふうに思っているわけでありまして、日本郵政の場合には国が唯一の株主でございますから、国に対してきちっと説明するのは当然なことであります。  そこで、もう時間もなくなりましたので最後に一言申し上げますけれども冒頭から申し上げたように、日本郵政社長人事ということについて言えば、今申し上げたようなことも含めて、それ以外にもたくさん問題点指摘がなされておりますけれども、そういうものに対してやっぱり社長社長として適切に役割を果たしてこられたのかどうか。これはもう西川社長の個人的な持っておられる資質だとか力量だとか御性格だとか、そういう話ではないんです。そうではなくて、実績として社長として果たすべき役割をきちんと果たしてきたのかどうかというその評価の上に立って指名委員会株主総会も物事をお考えになるべきだというふうに私はもう単純に思っているわけでございます。  それで、仮にふさわしくないと。今の御答弁のようなことだとすると、これはもう申し訳ないんですけれども、全くふさわしくないと私は思います。続投に強い意欲をお示しになったというのは、それは経営者の立場におられる方として当然だろうとは思いますけれども、こういうやり方を今後も続けるんだったら、それはだれも納得しませんよ。西川さん御自身はいかがなんですか。今のような仕事のやり方で今後もやっていかれる、そのことが世の中の期待にこたえることだというふうにお思いなんでしょうか。これ最後にお伺いさせていただきます。
  50. 西川善文

    参考人西川善文君) お答えいたします。  総務大臣からもいろいろな御指摘をちょうだいしております。したがいまして、改善、是正に向けた必要な措置を講じてまいりますとともに、事業の経営改善に向けて真摯に対応したいと考えております。私自身にもいろいろと至らぬ点もございますが、私といたしましては、いったんお引き受けした以上、民営化の土台をしっかりと築くことが私に与えられた責務であり、また果たすべき責任であると考えているところでございます。  以上です。
  51. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 これからはしっかりやりますという御意味かなというふうに理解をしましたが、再三申し上げているように、今までやってきた実績というものを無視するわけにはいかないわけです。  世の中には立派な経営者がいっぱいおられますから、どういう人が日本郵政社長にふさわしいのか、それは政府がお考えになるんでしょうけれども、当然その中で西川さんが筆頭におられるということは間違いないと思いますが、しかし西川さんの場合には白紙で議論するというわけにいかないので、今まで社長としてやってこられた実績がある、そのことを私たちは見たときに、今のように部下が勝手なことをやっていても、そのことに対してとがめもしない、多くの方々に間違った情報が流れたままになっている、自分もきちんとした理解をしていないということであるとすると、これはもう本当に経営の体を成さないわけでありまして、鳩山大臣には大変、何か世の中の悪者役を一手に引き受けていただいているようなところがちょっとありましてお気の毒だなと思うんですけれども、しかし、それは監督官庁として言うべきことを言っていただくのは当然でありまして、事業を正しく経営をしていくために言いにくいことはきちんと言っていただかなきゃならないし、ましてやそういうことを無視して社長人事というものが行われるようなことがあってはならないと。  これは最終的には麻生総理がお決めになることだとは思いますけれども、そういう意味で鳩山大臣に私たちとしては大いにエールを送りたいというふうに思っているところであります。野党からエールを送られて迷惑だよとおっしゃるかもしれませんが、お考えを最後にお聞きをして、終わりたいと思います。
  52. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) 私としては、今日のやり取りをいろいろお聞かせいただいておりまして、西川社長に対する私は、先ほどから申し上げましたように、何の感情的なものを持っているわけではありません。ただ、日本郵政という巨大な特殊会社の長として統治能力がどうであったかと。国民の共有の財産がかすめ取られそうになることをお認めになってきた。その責任は、それは私が西川社長をどんなに尊敬していたとしても、その部分は私は監督官庁として認めるわけにはいかないと。  さっきちょっと申しましたが、六月三日に日本郵政グループ責任代理店である博報堂との契約の関係について報告徴求をしました。これは簡単なことですから翌日返事をしてくれということで、六月三日にお尋ねをして六月四日に報告を受けましたけれども、実は私どもお尋ねしたことについてはお答えにならなかった。つまり、逮捕者が出たのにまだ博報堂との関係を続けるという指示が回ったじゃありませんか、どういう人がいつどこでというような意味のことを聞いたつもりなんですが、答えがなかった。  答えがないというのはどういうことかというと、日本郵政株式会社法第二十一条によれば、私の報告徴求報告をしない、若しくは虚偽の報告をした場合は三十万円以下の罰金と、こういうことになっているわけですから、報告を求めて、しないというのは本来犯罪にもなり得ることだと。何も大げさにしようとは思いませんけれども、それもガバナンスのなさだと思いますよ。報告徴求、私は法律に基づいてしているんですよ。それに答えない。そういう日本郵政株式会社という会社が正しいガバナンスの下で運営されているとは私は思いません。  そこで、最後のお答えでございますが、私には御承知のように、憲法第九条ではなくて、日本郵政株式会社法第九条によって認可権限が与えられております。この認可権限には財務大臣協議という項目は入っておりません。いろんな権限は財務大臣協議なんですが、この権限は財務大臣協議になっておりませんから、総務大臣の独自判断でやれということであろうと思っておりますので、私はその権限を持っているということを重く受け止めて、私の考え、信念に基づいて権限を行使していきたいと思っております。
  53. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 終わります。
  54. 河合常則

    ○河合常則君 自由民主党の河合常則でございます。  この郵政の集中審議委員会は、四月二十三日の、このときの総務委員会で自由民主党の礒崎議員が低料第三種郵便物についての質問をしました。礒崎議員がされたのに答えて、日本郵便事業会社の伊東常務のお答えは、今捜査中で答えられない、郵便法に抵触するので答えられないという一点張りでございまして、三度、四度、礒崎さんはお尋ねになったんですね。それで、国政調査権のことまでに言及されて質問なさいましたが、お答えはございませんでした。私どももそれを聞いておりまして、あの答弁では国民の納得は得られないのではないかと、そう思いましたし、委員会では何とか言い逃れすればいいのではないかというような、ちょっとこんな受け取り方どうかと思いますが、不遜なというか、傲慢な感じを受けたほどでございました。しかし、西川社長はそれに関して、国会は最高の国権機関ですから、我々としても誠意を持って答えねばならないと引き取っていただきました。あの質問を発端として理事会で協議をして、今日の集中審議の開催になったわけでございます。  私は、郵政民営化によりましてサービスが良くなるかなと、郵政事業が今までよりより弾力的に運営されて効率化されるかなと、大きな関心を持って、うまくいけばいいがなと思いながらも、ちょっと疑いの目を持って見てきた一人でございます。  日本郵政グループを統率している日本郵政株式会社経営陣、特に取締役、代表執行役方々、従来と異なった条件の下で努力されてきたと思うのでございますが、さて、現実は、簡易郵便局の一時閉鎖、郵便局長の集荷等の制限、郵便集配社員の集金等の制限、郵便局の窓口におけるお客さんの待ち時間の増とか、十分な研修がなされないままのコンプライアンスの徹底など、何となくぎすぎす、いらいらという、そういう不満が社内や従業員に少しずつたまってくる事項がたくさんあると思われます。  本社はというと、郵便会社と各事業会社調整のための会議ばかり、持ち株会社による締め付け、自由に物を言えない雰囲気だなどと聞こえてきます。郵便局の職員から温かい心からの笑顔が消えていっているのではないかというふうにさえ心配するのでございます。  郵政研究所には、近代郵便の父、創始者でございます、郵便という名前を付けたと言われています前島密翁が書かれた「春徳萬芽を生ず」という横額一文字があるそうでございます。これは、春のような温かな思いやりのある徳こそがたくさんの良き芽を生み出し、人々の暮らしと郵政を広く発展させるという意味だそうでございます。郵便局の職員、郵政で働く人たちには、そんな春徳のある人を目指してほしい、それは郵便事業を発展させる、日本の人々の文化的生活を支えていくことになると考えておられたのだと思うのでございます。  しかし、この四、五年前から、特に昨今の郵政をめぐる状況は、前島密翁の願いとはかなり懸け離れているように思います。先ほどの長谷川憲正さんの質問にもございましたが、かんぽの宿をめぐるメリルリンチとのアドバイザリー契約のこと、大臣に言われて白紙撤回されましたが、かんぽの宿の売却の仕方、競争入札と国会答弁されながら、競争入札と懸け離れた指名みたいな、随意契約みたいな仕組みのあった入札。あるマスコミには、「宮内—竹中西川」というようなことが何を指すのかなどとマスコミで言われている。こういうことなどなど考えますと、かんぽの宿をめぐっての一連の国会の論議を改めて総括しますと、国民の期待を裏切っているとしか言えないのではないかと思うのでございます。  さて、社長を指名されました指名委員会、五月十八日に行われましたが、それについてお尋ねをいたします。指名委員会は公開でございましたか、秘密でございましたか。だれが結果を発表されましたか。
  55. 高木祥吉

    参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。  指名委員会は公開かどうかと聞かれますと、これは指名委員に限定された会議で、人事に関する会議でもございますので、これは非公開でございます。  その結論につきましては、結論といいますと取締役の選任案でございますが、これにつきましては五月二十二日の取締役会に報告されて、株主総会の議案として決議をされております。その同日行われた記者会見で、取締役選任案につきまして記者から御質問をいただいて、西川社長からお答えを申し上げております。
  56. 河合常則

    ○河合常則君 マスコミの報道によりますと、この指名委員会審議の時間は二分とか五分間とかという報道ございました。これは非公開ですからあれかもしれませんが、ここではこの審議、その二分間か五分間の中身お話しいただけませんか。
  57. 高木祥吉

    参考人(高木祥吉君) 議事録がございますが、二分間とおっしゃっておられますが、議事録では十時から始めまして十時二十分に終了いたしております。  それで、その中身でございますが、最初に議長、指名委員会委員長の方から、定時株主総会におけます取締役選任議案につきまして、現在の取締役を再任したい旨、御提案がございました。それで、西川社長の取締役再任につきましては、そのときに西川社長には御退席をいただきまして、残った四名で審議が行われ、出席委員全員でこれを承認、可決をいたしております。
  58. 河合常則

    ○河合常則君 四人の方からは御発言ございませんでしたか。
  59. 高木祥吉

    参考人(高木祥吉君) これ、人事の話でございますから、結論につきましてははっきり申し上げたいと思いますが、結論として、どなたからも異議がなく、出席委員全員、異議なく承認、可決したということでございます。
  60. 河合常則

    ○河合常則君 次に、かんぽの宿の問題に関して第三者委員会についてお尋ねします。  五月二十九日に出されましたこの第三者委員会報告書によりますと、提言というところにおいて、不動産の鑑定評価以外に事業評価の算定意見を取得することも検討すべきと指摘されながらも、検証においては、今回の譲渡については日本郵政による鑑定評価及び事業譲渡価格の設定が不適切ではなく妥当としているとか、しかしながら、以上のような検討・決定経過の不適切性にもかかわらず、本委員会は、この処分方針の決定自体が、経営判断として許容される裁量の限界を逸脱した不適切なものであるとは考えないなどと、不適切と指摘しているにもかかわらず結論としては不適切でないとされておりまして、普通の人には非常に分かりにくい表現なんですが、そういう結論なんですね。  これは私は、第三者委員会が、年金の第三者委員会と異なりまして、内部組織であって評価が甘かったというのではないかという気さえするのでございます。第三者委員会の先生方には悪うございますが、本来、第三者委員会はスポーツで例えたら審判とかレフリーであるべきものだと国民はだれでもそう思っていると思います。審判のいないスポーツは本来ゴルフだけでございます。プレーヤーがジャッジメントするのは、それはゴルフそのものの品格でございます。この郵政の第三者委員会は、サッカーや野球に例えたら、自分のチームの監督やコーチがレフリーや球審をしたようなものですね。微妙なところで同時のタイミングがアウトになったり時にはセーフになったりするもので、国民の信頼を得ることができないんではないかと、こういうふうに思うわけでございます。  この第三者委員会委員はだれがいらしたのですか。
  61. 西川善文

    参考人西川善文君) 第三者検討委員会は、弁護士でございます川端和治先生、公認会計士である黒田克司先生、それから不動産鑑定士である澁井和夫先生を委員として設置したものでございます。  この委員会は、日本郵政グループが保有する不動産売却等についての基本的考え方やルールなどを整理するため、弁護士、公認会計士及び不動産鑑定士というそれぞれの分野の専門家に公正中立なお立場で忌憚のない御意見をいただくために、それぞれの方の属する団体などに御推薦をお願いしまして、要職を務められた三人の先生の御推薦をいただいたものでございます。
  62. 河合常則

    ○河合常則君 これはどうも年金問題対応の総務省にある第三者委員会と違うようで、郵政株式会社が依頼をされたということですから、これはどうも郵政そのものの品格が問われているのではないかとさえ思いますが、大臣はどう思われますか。
  63. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) 先生御指摘のように、日本郵政に設けられた不動産売却に関する第三者検討委員会、このメンバーは日本郵政によって選定されたものであって、また日本郵政株式会社の中に設けられているわけですから、結局お手盛りの報告になっていくんではないかと私は危惧をしていたところでございまして、悪い予感が当たったわけでございます。  私が、四月四日に監督上の命令業務改善命令を出した際には、経営判断をする上で適正な手続を経ているのかということだけではなくて、取締役会によるガバナンスは働いているかどうかということであったわけでございます。  この報告書では、監督上の命令や私ども指摘した十六の問題点、そうした指摘した事項の一部については記載がありますが、また国民共有の財産を譲渡することに対する認識の甘さの指摘もあるんです。トップレベルで十分な検討が行われていないことの不適切性についても書かれているんです。しかしながら、内部で設けられた委員会ですから、やっぱり立派な方々が集まられても自然そこには限界があるわけで、しかしながら日本郵政における判断は経営判断として許容される裁量の範囲を逸脱していないという結論を付けております。したがって、私が指摘するガバナンスの問題についての認識とは全く異なる報告書の内容となっております。  したがいまして、結果として、著しい不合理性がないからよしとすると。私は著しい不合理性があると申し上げている。だから業務改善命令まで出しているわけですが、結果として著しい不合理性がないからよしとするというこの報告書結論には、私は全くくみし得ません。  現在の日本郵政の取締役に求められる能力は、特殊会社経営者として、国民、利用者によって営々と築き上げられてきた国民共有の財産を尊重して、いかに効果的により良い郵政民営化の実現のためにこれらの財産を使うかということでございます。したがって、この報告書には特殊会社である日本郵政株式会社経営者としてはどういうふうな人が適当かという視点も全く欠落をしているわけでございまして、立派な方のお集まりだと思いますが、結果はお手盛り報告書でございます。
  64. 河合常則

    ○河合常則君 恐らく、この第三者委員会報告書に基づいて業務改善命令が六月の末か、さっきの社長の話ではできるだけ早く御報告が出されるのだと思いますが。  さて、この前、五月二十二日に決算が発表になって、西川社長が記者会見なさいました。それで、いろいろなところで証明できると思うが、この不祥事件は改善してきていると発言されておられます。  私の知る限りでは、実は二十年の一月でしょうか、生駒で八千万円の着服、六月には静岡の蒲原諏訪町の局で一億二千万円の着服、秋田の大館常盤木町でも一万円札偽造、二千万円の着服と、そんなことなどがあって、郵便貯金に関する部内の犯罪者、まだほかにもあるようでございますが、本当に部内の犯罪は改善されているのかどうかというふうにも実は心配するのでございます。数が減ったらいいのでございますが、総務省においては郵便貯金の部内犯罪者について把握されておると思います。民営化後の部内の犯罪者の推移についてお教えをいただきたい。
  65. 吉良裕臣

    政府参考人吉良裕臣君) お答え申し上げます。  総務省として把握しているところでは、貯金にかかわる部内者犯罪は、昨年度、平成二十年度三十三件発覚しておりまして、公社時代から見れば年間三十件のペースで推移しております。二十一年度、今年度に入りましてからも、四月、五月の二か月間だけで既に八件もの部内者犯罪が発覚した旨の報告を受けております。その中には、被害額が一億円超えるような高額の犯罪も発覚しているところでございます。
  66. 河合常則

    ○河合常則君 この社長の五月二十二日の記者会見と今の部長の数字聞かれて、どういうふうにこれ評価されますか。
  67. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) 今事務方から御答弁申し上げましたように、大体公社時代から三十件、多いときで四十件ということで、民営化した年の平成十九年が三十三件、平成二十年度は三十三件、今四、五月で八件で高額の犯罪があったというんですから、このペースでいくと四十八件ということになりますが、そうならないように望んでおりますが、西川社長が、要するに改善してきた、随分減ってきたけどまだ少しそういうものが出ているという認識は間違っていると思います。これは、残念ながら、私も監督官庁としては反省しなければならないんですが、部内犯罪は全く減っておりません。
  68. 西川善文

    参考人西川善文君) お答えいたします。  記者会見の際に質問されましたのは、コンプライアンス全般についてどうかということでございました。したがって、このコンプライアンス全般につきましては、例えば現金の過不足事故等あるいは法律違反、ルール違反等もこれはかなり改善をしてきておりまして、そういう意味でコンプライアンス全体としては改善をしておると。ただ、部内者犯罪については、残念ながらまだ続いておるという趣旨の答えをしたものでございます。  以上です。
  69. 河合常則

    ○河合常則君 もう時間なくなりましたので、申し訳ありませんが、私は、いずれにしましても、本当になかなか、こんなにたくさんの人の中でございますから、不祥事は減らないのかもしれませんが、頑張っていただかねばならぬ。それから、会社の上層部でも次々と何となく不信の事項が発生して、本当にのろわれておるような感じさえします。日本郵政はこのままではどこへ行くのかなと思うのでございます。  郵便局は、国民から安心感を持って疑いもなく信頼されて、信用されてきたわけでございます。その信用、信頼の上にこの郵政という仕事が成り立ってきたというふうに思っています。  食品偽装や金融不祥事や製品の事故などで幾つか今までいろいろなところで改善命令が出されました。民間会社では経営陣責任取って辞任しておりました。こういうことなども考えたり、もう一つは、郵政文化の良いところは何となく壊されて、民間会社の良さがしっかりと郵政株式会社の中へ、四事業会社の中へ植え付けられていかなければならないのに、なかなかそこまで行っていないのではないかなということも思いました。何か資産売却で利益上げて頑張ろうというふうなことが浮き彫りになったような気さえするのでございます。  五月二十九日の読売新聞の「編集手帳」では、かんぽの宿に関する日本郵政に触れたコメントで、「沈黙が「気骨」の産物ではなく、「傲慢」の産物と映るのは致し方ない」とございました。私は、このままの姿、顔で経営を続けるということは、国民からの信頼や従業員のモチベーションを高めることはできないのではないかということを申し上げまして、時間が来ました、これで質問を終わります。
  70. 二之湯智

    二之湯智君 自民党の二之湯智です。  私は、今お手元に新聞記事が配付されましたけれども、京都市左京区南禅寺にございますゆうりぞうと京都洛翠の問題についてまず御質問いたしたいと思います。  このゆうりぞうと京都洛翠は約二十年間運営委託会社であります有限会社洛翠がずっと経営をしておりまして、多くの人々に利用されてきたわけでございますけれども、この洛翠、直轄の共済組合の施設のように大した赤字も出していないにもかかわらず、今なぜこの施設を手放す必要があるのかどうか、まずその点についてお伺いしたいと思います。
  71. 佐々木英治

    参考人佐々木英治君) ゆうりぞうと京都、先生今御指摘いただきました洛翠でございますが、これは日本郵政共済組合所有の施設でございます。日本郵政株式会社あるいは日本郵政グループの所有するものではございませんが、私が郵政共済組合の本部長を兼務をしておりますので、今日はその立場でお答えをさせていただきます。  まず、共済組合の宿泊施設につきましては、特殊法人等の整理合理化計画というのが平成十三年に閣議決定されておりまして、その中で、施設の運営その他の福祉事業については、組合員のニーズ若しくは事業の意義が低下し、又は著しい不採算に陥っているものは整理するとされているところでございます。これを受けまして、郵政共済組合では一番多いとき、昭和五十年度には最多四十三施設を設置しておりましたが、その後順次施設を廃止をしてきておりまして、平成十八年度末時点で三施設まで減少し、十九年度において二施設を廃止をいたしまして、ゆうりぞうと京都が最後に残った一施設となったところでございます。  そこで、ゆうりぞうと京都はなぜ廃止したのかということでございますが、これも先ほど言いましたが組合員のニーズが低下をしておりまして、部内利用者が減少したこと、それから施設が経年二十一年を経過をいたしまして老朽化が進んでおりまして、維持していくための新たな追加投資は困難ということから、閣議決定、先ほど申し上げました閣議決定の趣旨も踏まえ廃止を決定したものでございます。今後、いずれ日本郵政共済組合といたしまして当該施設の土地、建物を売却をすることになります。  なお、付言いたしますと、売却に当たりましては、国家公務員共済組合法の規定に基づきまして、国又は地方公共団体等に随意契約で売却するほかは一般競争契約により売却を行うということになっております。  以上でございます。
  72. 二之湯智

    二之湯智君 これ運営委託会社の洛翠は、まあ二十年間も自分のところでやってきたから自分ところの方に購入できないかと、このような申入れもしたようですけれども、返事がないようでございます。  しかし一方、かんぽの宿はオリックス、そしてメルパルクはワタベウェディングという、まあまあ余り国民が知らない間にそういう形で売却先あるいは運営委託先が決まってしまったということで大変不信感を持っているわけですね。日本郵政株式会社は口では共済組合のものだと言いながら、郵政の幹部がどうもこの洛翠の売り先を決めているようだというようなうわさがですよ、うわさが京都市民の間に広がっているわけであります。  この地域一帯は、御存じのように明治の元勲の山県有朋の別荘とか、あるいは明治以来の著名な経済人の別荘が並んでおりまして、西川社長の元の、住友別邸もありますし博物館もある、そういうすばらしいところなんですね。非常に極めて環境のいいところでもありますし、また都市計画上、非常に規制が厳しくて、公的機関が持つのが一番私はふさわしいんではないかと、このように思うわけでございます。  私としては、共済組合から日本郵政が買い取って、そして従来どおりこの洛翠京都を、すばらしい庭園を持つ洛翠を京都市民に開放して、京都の文化の発展に寄与する方が一番ふさわしいんじゃないかと、このように思ったりするんですが、いかがでございましょう。
  73. 西川善文

    参考人西川善文君) ゆうりぞうと京都につきましては、先生の御指摘も踏まえまして、今後、日本郵政グループによる購入の可能性も含めて検討してまいりたいと考えております。  以上です。
  74. 二之湯智

    二之湯智君 今、日本からだんだんだんだん古いものがなくなっていく。古都京都も町家がなくなってくる、あるいは邸宅がなくなってきて、本当に町並みが壊されていくわけですね。しかし、なおかつまだ京都はその古いたたずまいが残っておりまして、それを求めてもう去年は観光客が五千万人を突破したと、こういうことになっております。  したがいまして、私、今も申しましたように、洛翠は非常に名勝地にあり、歴史的に価値のある庭園を持っている施設でございますので、私は日本郵政のような特殊会社、大会社がこれぐらいの施設を持って日本文化を継承するのも会社責任の一つではないかと、このように思ったりするわけでございますけれども、これについて大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  75. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) 私が直接の権限を持っているとは思いませんけれども、今、二之湯先生がおっしゃったことは大変すばらしいと思いますし、これだけの、旧藤田邸というんでしょうか、近代を代表する造園家の七代目小川治兵衛さんが造られたと。写真で見ただけでも名園だということがよく分かるわけでございまして、こうしたものが何かつぶされてマンションになるとか、そういうことだけは避けてもらいたいという思いがありますから、日本郵政ができればこれを共済組合から購入をして、これを市民、地域のために開放する、あるいは地域のために使うという方向でやってもらえたら有り難いなと、こう思うわけで、何かメルパルクを全部ワタベウェディングにばあっと渡すようなこともまた疑惑を生んだりいたしておりますから、そういうことがない、美しい使い道を考えてもらいたいと望んでおります。
  76. 二之湯智

    二之湯智君 次に、郵便制度悪用問題についてお伺いします。  第三種郵便というのはもうかつてほど私はメリットがないのかなと思ったら、新聞記事でこういうあくどい金のもうけ方があるのかなということを初めて知ったわけでございます。  通販会社が大量の郵便物を送っていたと。普通、心身障害者団体が何百万、何千万というような郵便を送って、それが全く窓口でもチェックできない、またその業務をする人も、やたらとこの団体の郵便物は多いなと、こういうことも全くお互い職場同士でチェックできなかったと、こういうことは本当に情けない限りだと思いますけれども、この新聞報道が明らかになるまで、実際、会社の幹部の方はこの制度の悪用ということに気が付かなかったのかどうか、まずこの点についてお尋ねをいたしたいと思います。
  77. 伊東敏朗

    参考人(伊東敏朗君) お答えいたします。  この心身障害者用低料三種の不適正利用につきましては、昨年、各般からの情報提供、内部告発等を含めまして情報提供等がございました。昨年九月以降、特に今先生御指摘ございましたけれども、年間百万通以上利用される十六件につきまして調査をして、全体の実態の把握に努めてきたところでございます。  したがいまして、それまで気が付かなかったかと御指摘を受けますと、事実でございます。昨年十二月一日には総務大臣から郵便事業会社に対しまして、その不適正利用の実態、再発防止策等についての報告徴求がございました。これにつきましては、十二月の二十四日に報告書を提出し、その中で事実関係を明らかにさせていただいているところでございます。
  78. 二之湯智

    二之湯智君 私、毎月一万通ほどの後援会の機関紙を発行しているんですね。それでも、二つの郵便局に私の事務所に取りに来てもらっているけれども、随分の段ボール箱になるんですよね。そうすると、一回に百万通、二百万通の郵便物は大型のトラックで一体何台分になるんだろうなとふと思ったんですよね。これが普通の障害者団体が送るって、これどういうものを送っているんだろうといって、まあまあ疑問に思わないその職員の無能さにあきれるばかりでございますけれども、さておいて。  今、平成七年度以降二百十七件の障害者団体の刊行物は合計で一億八千八百十六万通、そして、そのうち十六件が不適正な利用であったと。十六件だけでも一億四千七百七十四万通に達すると。通常の障害者団体では考えられないことですね。残りの二百団体で三千九百八十二万になるわけでございますけれども、これも、約四千万を二百で割りますと二十万ですね。二十万でも、普通の心身障害者団体、視覚障害もありますし、精神障害もあるでしょう、そういう団体がそういうようなロットで送るというのも、これももう少し詳しく調査をする必要があるんじゃないですか。
  79. 伊東敏朗

    参考人(伊東敏朗君) お答え申し上げます。  先ほど十六件につきまして答弁をさせていただきましたが、それ以外にも五件、やはり有料発売条件でございますが、その八割以上有料という条件を満たさないものもございました。その後、今年に入りましても引き続き調査を行いまして、昨年の十月一日現在二百十六件あったわけでございますが、条件を満たさないもの等につきまして取消しあるいは廃刊届を提出することにより、最終的には、この三月三十日時点でございますけれども、百八十四件になってございます。  もちろん、調査でございますから完璧ということはないわけでございますけれども、私どもとしては、現時点ではひとまず全体の調査はある程度できたのかなという認識をして、総務大臣にも御報告しているところでございます。
  80. 二之湯智

    二之湯智君 私からすれば、この第三種郵便の低料第三種郵便物は広告が五〇%以下、そして有料購読者が八〇%以上。例えば、一万通の第三種郵便出したって八千人は有料購読者だと。これは、八千人が有料購読者なんて、とてもとても普通獲得できませんですね。だから、私はちょっと甘いんじゃないかと、こう思うわけです。もうこれだけのものを持ってきたときに既におかしいなと、こう普通気が付くわけですね。  それで、この障害者団体の承認は一体どこがするのか、それで承認されるための要件はどういうことが整ったら障害者団体として承認されるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
  81. 木倉敬之

    政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。  第三種郵便の承認につきましては、最終的な承認そのものは郵便事業会社の方で行われていると承知しておりますけれども、その承認を受けるに当たりまして提出が必要になります心身障害者団体であること、あるいはその刊行物であることの証明というものにつきまして、公共機関の発行する証明書を付けるというふうになっております。これにつきまして、県を越えての団体でありますと厚生労働省、それから地域地域の団体でありますと各都道府県の方、これが証明を出させていただいております。  この条件につきましては、その団体が心身障害者の団体であるということ、その構成員等から見させていただいてそういうものであるということ、それから、発行されています定期刊行物がその障害者の福祉を図ることを目的として出されていること、これにつきまして、私どもの方でも定款等を見させていただいたり、既存の発行物を見させていただいて判断をさせていただいているということでございます。
  82. 二之湯智

    二之湯智君 郵便局もそうでございますけれども、障害者団体の承認もちょっと甘いところがあったんじゃないかと、これはやっぱり率直に認めてもらわないといけないと思うんです。  調査するのは本当にそんなに難しい問題じゃないですね。書類上だけでやっぱりやっていると、どうしてもこういうことになるんですね。やはりその団体の所在地へ行って、あるいは施設を見させてもらうとか実際やっているのを見るとか、そういうことがあればこういう問題も起こらなかったんではないかと、このように思うわけでございます。  ところで、NPO法人の障害者団体定期刊行物協会というのがございますですね。ここに加入すれば自動的に第三種郵便のこの低料制度を受けられるのか、それとも、ここに入っていてもなおかつ郵便局がちゃんと審査しなければ低料郵便制度が適用されないのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
  83. 木倉敬之

    政府参考人(木倉敬之君) 御指摘の定期刊行物の協会でございますけれども、私どもの方での過去の実績からしますと、その刊行物ごとに申請があって証明を出させていただいているということでございます。
  84. 二之湯智

    二之湯智君 刊行物は、これは月三回以上発行すると、機関誌を。それであと、広告が五〇%以下で有料が八〇%と、こういうこともやっぱり承認をもらうときの必要条件になっているんですか。
  85. 伊東敏朗

    参考人(伊東敏朗君) 心身障害者団体かどうかということにつきましては先ほど厚生労働省側の方から御答弁がございましたので、厚生労働省の方の御答弁で、私どもは、各団体が必要な書類を整えて支社に出していただくことになります。  その支社に出していただく前に、そもそも第三種郵便物の承認条件といたしまして、先生御指摘いただきました、広告が半分以下とか有料が八割以上とか、あと今回は、低料でございますので月三回以上という部分がこの第三種の条件として付きます。それは郵便事業会社の方でチェックをさせていただくことになります。
  86. 二之湯智

    二之湯智君 もう時間でございますから、最後、大臣に質問をしたいと思うんですが、今回の障害者団体割引制度、これは大変いい制度なんですね。しかし、いい制度でもこれが悪用されるということは、大変日本人の道徳が地に落ちたなというような感じがするわけでございます。しかし、これもこれだけ大々的にやるのは、その中に入っている人、仲立ちをする人がいなければなかなかうまくいかない。これは、やっぱり今回の責任は、全体のシナリオを描いた博報堂エルグの責任は非常に重いと思います。  普通、役所に出入りしている業者は不正が発覚した段階で、特に国土交通省の建設業者なんかは、もう下請が事故を起こしたというだけでも指名停止三か月、半年、もう死者なんか起こしたら一年ぐらい指名停止になって死活問題になるわけです。しかし、なかなか、日本郵政の指名業者である博報堂は、相当この問題が明らかに、社会的問題になるまで指名停止されなかった。新聞記事によりますと、大臣の記者会見を受けてようやく日本郵政も重い腰を上げて指名停止になったと、このように私は承知しておるのですが、この点について大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
  87. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) もう言語道断という非常に悪質極まりない事件でございまして、障害者向けに百二十円を八円にするという善意の制度を悪用する、それを何か分け前をみんなで取り分けるというような、あってはならない事件が起きましたことについては、監督官庁大臣としては国民に心からおわびをしなければならないと思っております。  二之湯先生の御指摘はそのとおりでございまして、四月十六日に博報堂の一〇〇%子会社、博報堂エルグの執行役員が逮捕されました。五月六日ですが、これは博報堂本体も絡んでいたことが分かっておりますが、博報堂本体においてコンプライアンス担当の役員三名が処分、これは減給ですね、処分されたと聞いているわけでございます。  しかしながら、日本郵政の方は全くそういう事件が起きながらその気配がなくて、四月二十一日には横山専務の判断として博報堂を早急に切る必要はないと、こういう結論を出しているようでございます。これはヒアリングで聞いております。  そして、四月二十三日の宣伝会議というのがありまして、宣伝会議というのは多分日本郵政とほかの子会社がみんな集まるんだろうと思います。責任代理店制度というので癒着しているんでしょうから、博報堂以外は使っちゃいかぬと。非常に不透明な部分があるんですが、この宣伝会議で何と、この案件は経営判断であると、新たな方針を示さないということはそのままの方針であると。すべて博報堂で行くと、こういうことですよ。経営判断として決定したのだから異議があれば横山専務に申し立ててくれと。つまり、横山専務という人が、もう全部博報堂だ博報堂だと、悪いことしても博報堂だと、こう言うものですから、文句があるんだったら横山専務に言ってくれという、そんな発言が宣伝会議に出ているんです。これはもうとんでもない話ですよ。  私は、こうしたことも日本郵政のガバナンスの問題として非常に大きな問題だと思います。
  88. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。  今日は郵政問題の集中ということで、今マスコミも注目している案件も多々ございます。三十分しかございませんので全部はできませんが、まず人事の問題、社長人事どうするかという問題ございますが、株式会社にして所有と経営の分離ということで、民間の知恵を生かしながら民営化するという形になったわけでありまして、最終的に総務大臣株主としての財務大臣調整役としての官房長官、しっかり調整して早く結論を出してもらいたいなというのが私の考えでございます。これ、そのまま行きますと、日本銀行総裁じゃないけど、空席のままずっと行っていいのかという問題があるし、逆に決まらなければ会社法上そのまま職務の代行をしていくわけですね。やはりどこかできちっと折り合いを付ける必要があるんではないかと、そんなふうに考えるところでございます。  また、不動産売却等に関する問題ございました。第三者委員会報告書も概略読ませていただきましたが、どっちかというと、会社法上の会社の取締役の第三者に対する責任、経営判断だから、裁量だから、それは逸脱することはないよというような趣旨でずっと貫かれているようなふうに読めました。やっぱり弁護士が中心になってやるとそういう発想になるのかなという、そんなふうに見えたところでございますが、やはりちょっと政治の分野で関心があることとちょっとずれがあるなというふうに思っております。  また、いろんな簡保の保険の未払問題等ございますけれども、ただ、逮捕者が出る、あるいは起訴されている、こういう案件は、今先行の二之湯先生が質問されましたけれども、やはり今回の低料第三種を利用した郵政の不正DM事件ではなかろうかなというふうに思っておりますので、今日はこれを中心にお話を伺いたいと思います。  まず、昨日、新大阪支店の山本光男支店長、また新東京支店の鈴木総務主任が略式起訴をされました。罰金が百万あるいは七十万という形でございますが、公判請求はしないんだけれども、しかし、検察としてこれはもう罰すべきであるということで簡裁に略式命令を申請をし、そしてそれが簡裁の略式命令となったところでございます。これは大きく報道がされました。  ただ、特捜部の判断では、個人的に利益がないね、また、この二つの支店の社員の大半が違法性に気付いていたと、だから二人だけをスケープゴートにしてはちょっと酷過ぎるんではないか、そういうような検察としての、特捜としての配慮で公判請求ではなくして略式請求だというように報道されているところでございますが、そういうてんまつがあったところでございます。  また、五月二十六日、厚生労働省の上村勉、これは社会参加係長ですか当時、公文書作成、同行使と、そういうことで逮捕されておりますが、まず、厚生労働省、先ほどありましたけれども、いつからこの心身障害者団体の証明の事務というのをやって、どういう趣旨でこういう事務を扱うようになったんでしょうか。  つまり、郵政の方でも同じように認定するわけですから、あえて厚生労働省がかかわりを持つというのはどういうことなんでしょうか。
  89. 木倉敬之

    政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。  これは、元々の法は郵便法、それに基づきます郵便規則の中で定められた手続、そのときに、先ほど申し上げましたように、昭和五十一年に低料の第三種郵便制度というもの、これが始まっております。  これは、従来ありました身体障害者の方のものを更に広げていただきまして知的な障害者の方々の団体にも広げていただいたと、それで低料というものが始まったというふうに承知しておりますけれども、そのときに私ども通知を出しております。この団体が郵便局の方に低料の第三種郵便の適用を受けるその手続をされます際に公共機関の証明を付けて出すというふうになっておりまして、これを当時、当時の郵政省、厚生省の間で協議がなされて、その証明を、全国的な団体であれば厚生省の方が、それから地域の団体であれば地方自治体の方がということで証明をさせていただくということになったというふうに承知をしております。  その際に、約款、当時であれば郵便規則の方でございますけれども、その中で定められております、定期刊行物を発行する団体が障害者の団体であるかどうかということ、それから発行する定期刊行物が障害者の福祉を図ることを目的としたものであるかどうかということ、これにつきましての証明書を出させていただいておると、こういう経緯でございます。
  90. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 この証明書発行に関して、この上村勉さんという方が、虚偽公文書作成ですよ、偽造じゃなくて、虚偽公文書を作ったということで逮捕になっているわけでございますけれども、これに関連して、マスコミ報道では、石井一参議院議員がかかわっていたかもしれないというような報道がなされている。石井先生の事務所のコメントとしては、とんでもない、全く関知していない、あるいは週刊誌によれば怒髪天をつくと、こういうような形になっているわけでありますが、ただ、事案の解明がまだ途中であるということもあるわけでございますが、ただ、公務員が公務員としての職務を棒に振ってこんな虚偽公文書作成するだろうか、そこ何かもう少しすっきり釈然としないものがあるものですから、この事案の解明をしっかり待たしていただきたいというふうに思っているところでございます。  それで、一般論で結構でございますが、厚生労働省、国会議員とかあるいは秘書とか、早く証明書出してもらいたいよというような要望あった場合、対応は違ってくるんでしょうか。
  91. 木倉敬之

    政府参考人(木倉敬之君) この証明の事務そのものにつきましては、先生御指摘のように、五月二十六日に私どもの職員が逮捕されましてからまだ捜査を受けておる立場にございます。これ自体についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思っておりますが、これまでの実績としてのこの証明の事務につきまして、私ども、どのような方からお話がありましても、郵便規則あるいは今であれば郵便約款に定められました条件というものを満たしておるかどうかをきちんと審査をさせていただいているというふうに承知しております。
  92. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 そこで、伊東常務、先ほど二之湯先生の質問であったわけでございますが、この不正利用というか、いつごろから気が付いたのか。御答弁では昨年の秋ごろからいろんな内部通告みたいなのがあってというお話でございましたが、しかし、去年のこれ五月二十三日ですか、牧義夫衆議院議員が衆議院の経産委員会で質問をしているんじゃないですか。  大丈夫ですか、答弁は。
  93. 伊東敏朗

    参考人(伊東敏朗君) お答えいたします。  昨年の五月に、先生御指摘のとおり、日本郵政に対しまして牧先生から御質問がございました。その答弁をしたのは私でございます。
  94. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 じゃ、なぜ秋まで何にもやらなかったんですか、伊東さんは。
  95. 伊東敏朗

    参考人(伊東敏朗君) 五月に御指摘がございまして、監督官庁からも実態どうなっているかと。そのときも実態を調査させていただくという答弁をしておりますので、五月から六月にかけまして各支社とも相談し、どういう形で調査をするかという検討をしてまいりました。その結果、先ほど申し上げましたように、非常に大量の心身障害者用の低料第三種郵便物を出す団体があるということに気が付きまして、さっき申し上げましたように、年間百万通以上出す団体が十六件というのが八月、九月にかけて分かってまいりました。それを調査したというのが、先ほどの答弁でございます。
  96. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 じゃ、今の御答弁は先ほど二之湯先生への御答弁、訂正するという趣旨でよろしいんですか。
  97. 伊東敏朗

    参考人(伊東敏朗君) 先ほど申し上げましたように、年間百万通以上あるものを抽出して、十六件でございますけれども、これを支社を通じまして特別調査を掛けようということを行いましたのは昨年の九月でございます。そこに至る過程におきまして、実態がどういうふうになっているのかということで、百万通以上のものがどのぐらいあるのかとか、特別調査を掛けるためには一定の手続も必要ですので、そういう準備を行ってきたというのが五月、六月以降の状況でございます。
  98. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 是非きちっと御答弁をいただきたいと思います。  今おっしゃったような形で調査が進んで、牧代議士は十一月にも同じように質問をされていて、若干言い訳的な御発言があったところでございますが、私はだれがどうのということじゃなくて、私の知る限り牧先生が一番最初なんですよね、五月が。  何で内部で分からないのかということを聞きたいんですよ。例えば、平成十八年五月ですか、長岡で郵便の別納の制度を利用して本来の発送の通数よりも大幅に減らして、三十四億ぐらい損を被ったというような記事がございましたけれども、この制度の不正利用というのはかなり横行しているというふうに見えるわけでございますが、内部のチェック体制というのは一体どういうふうになっているんですか。
  99. 伊東敏朗

    参考人(伊東敏朗君) お答えいたします。  大量な第三種郵便物を引き受ける際に、それぞれの支店におきまして、その通数、重量などの差し出し票を提出していただきまして、記載内容をチェックしているところでございます。それから、有料発売条件、先ほど八割以上と答弁させていただきましたけれども、これにつきましても原則年一回の定期調査を行っているところでございます。  ただし、この定期調査の対象としておりますのが、刊行物の出される直近のものを対象にして調べております。実態はかなり号外とか増刊で出されるケースもございまして、それにつきましては、出される支店一か所とも限りませんので、それぞれのところで同時に三千通以上出た場合には、差し出し状況を中心となる支店に報告をいたしまして、そこで不審な点があれば支社に報告して調査をすると、そういうルールができておりました。しかしながら、そのルールが徹底されていなかったというのが現状でございます。  したがいまして、再発防止策といたしまして、それがシステム上定期的にモニタリングできるようにする等につきまして今回実施することといたしまして、本件のようなことが二度と起きないようにしているところでございます。
  100. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 これは、内部の問題はシステム上の問題があると。先ほど引用した特捜の判断、二つの支店の社員らの大半が違法性に気が付いていた。気が付いていたら普通言うのが当たり前でしょう。それを何か言えないようなそういう社風というか、あるいは昔の郵政省時代からの気風といいますか、体質がそのまま引き継がれているのではないのかと、そんなふうに思われるわけなんですね。やっぱり内部だけでは厳しいのかな。  外部はないんですか、外部チェック体制というのは。例えば指定調査機関とか、そんなものはつくらないんですか。今どうなっていますか。
  101. 伊東敏朗

    参考人(伊東敏朗君) 今先生御指摘の指定調査機関というのは、郵政省時代、平成四年でございますけれども郵便法を改正いたしまして、当時の郵便文化振興協会というところに委託をしてやっておりました。これは、公社時代あるいは民営化になりまして、自らの組織、第三種郵便物調査事務センターという形で引き継いでおります。  ここでやっておりますのは、先ほど申し上げました、原則年一回行います定期調査の際に出されます発行人からのいろいろな資料でございます。しかしながら、その定期調査で行う以外の増刊とか号外といったものがここでは調べる対象になっておりません。それは、先ほど申し上げました、三千通以上出されたものを集めてきて支社が調査するということになっておりまして、ただ、当然のことながら、その調査の能力もございますので、こういう点も含めてちゃんとした調査ができるように、今後体制をしっかり固めていきたいと思っているところでございます。
  102. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 第三種郵便調査事務センターというのはどういうところでしょうか。
  103. 伊東敏朗

    参考人(伊東敏朗君) 先生御指摘の第三種郵便物調査事務センターについて今御答弁させていただいたところでございます。
  104. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 何か、そういうのをつくっても、だれが気が付いても、やはりきちっとそういうところに、監督機関というか監査機関というか、上がってくるその体質が大事だなというふうに思っておりますが、実は郵政のグループ、日本郵政を頭に、持ち株会社にして四事業会社となっているわけでございますけれども、この構図自体が旧来の郵政の持っていた体質を改善するというそういう役割を担ってつくったんではないのかなと、体質改善の切り札であり、またガバナンス強化という側面があると私は思っておるわけでございますが、この低料第三種郵便の原因も含めて、その辺の体質改善について西川社長のお考えをお示しいただきたいと思います。
  105. 西川善文

    参考人西川善文君) 確かに、四事業会社に分割をしたということは、それぞれ専門性を追求していこう、そして競争力を付けようと、こういう趣旨でなされたんであろうというふうに私は理解をいたしております。  その一方、それぞれの会社において今問題になっておりますのは一種のコンプライアンスでございますが、これを徹底すべく、それぞれそういう組織をつくりまして、その上に監査部隊を充実してきちんと監査をしていこうということで、実際そのように行われておるわけでございます。これもう非常に重要なことなんでございますが、それでもまだまだ、ややもすれば、そういったコンプライアンスがいま一つ徹底されずに抜け穴が残っておるということがございます。  そういうことでございますので、やはりコンプライアンスも含めて一層の改革をしっかりと進めていく必要があるというふうに考えております。
  106. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 郵政としては大変な損害を被ったわけですよね。これ、障害者団体に請求すればいいという話だけじゃないだろうと思うんですね。かかわった社員にもやっぱり職員にもそれは責任の一端あるだろうと。罰金さえ払えばいいと、そんな話じゃないとは思いますし、また、実質このダイレクトメールを依頼した会社にも、これ法的責任といいますか、法的措置含めてどんなふうにやろうとしているんでしょうか。
  107. 伊東敏朗

    参考人(伊東敏朗君) お答えいたします。  契約当事者である心身障害者団体に対しまして、法的責任が認められるものに対して差額を請求する旨の内容証明郵便物を発しております。障害団体への請求は、現時点で十九団体、二十一刊行物、総額約四十九・三億円でございます。  今先生御指摘のとおり、この団体だけで十分なのかということ、当然私ども認識しておりまして、障害者団体以外の関係企業につきましても、現在のところ約二十九億七千万円要求をしているところでございます。これにつきましては、今後、事案の判明状況等の動向を見ながら、必要に応じて更にその拡大等も含めて検討してまいりたいと思っているところでございます。
  108. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) 私が受けている報告では、郵便事業会社は博報堂と博報堂エルグに対して共同不法行為だといって損害賠償請求されているんではないんですか。
  109. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 なかなか、ふだん答弁される方が質問されると、やりづらいなということがございますが。  いろんな法的構成が可能だと思うんですね。共同不法行為で不真正連帯でやるとか、場合によっては不当利得になっているかもしれないと。その辺を含めて、やっぱり国民の財産であるこの郵政の損害を少しでもカバーされるように是非図っていただきたいというふうに思います。  それで、日本郵政株式会社は社会あるいは地域貢献基金というのが一兆円まで積み立てる必要がございますね。これ、今回の、売上げが減っているというか、免れているわけですから、この点どうなんですかね。この低料第三種郵便の不正があったとするとその額が少なくなるんではないのかと。もちろん、株式を日本郵政がもらって、配当をもらって、そしてやっていくということなんでしょうけれども、しかし、やはり全く影響がないとも言えないと思うんですが、この点いかがですか。
  110. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 鳩山大臣の発言についてはよろしいですか。
  111. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 いや、僕は質問していません。
  112. 伊東敏朗

    参考人(伊東敏朗君) お答えいたします。  社会・地域貢献基金、現在、平成十九年度決算で四十二億五千九百万、平成二十年度で百九億二百万積み立てているところでございます。この地域・社会貢献基金の原資といたしましては、主として、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命の株式の売却益あるいは配当収入等を充てることとしております。  したがいまして、本件事案による影響というのはほとんどないのかなとは考えておりますが、この社会貢献基金の対象そのものが今回の心身障害者用の低料第三種郵便物でございますので、この制度の適切な運用が前提となるということでこの基金という制度もできておると思いますので、低料第三種郵便物制度の適正な運用に今後とも努めてまいりたいと考えておるところでございます。
  113. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 それでは、先ほど総務大臣の御質問ございましたけれども、やはりきちっとけつをふいてもらいたいという趣旨で、いろんな有名な企業が出ていますね、どういうふうに法的措置まで含めてやろうとされているのか、総務大臣指摘の点も含めて御答弁ください。
  114. 伊東敏朗

    参考人(伊東敏朗君) 先ほども少し答弁させていただきましたが、不適正利用に関与した団体、法的責任が認められる障害者団体そのものということだけではなくて、いろいろな関係者がおりますので、その関係の判明状況、事実の判明状況を見まして、現在もさっき申し上げましたように障害者団体以外の関係企業への請求もしているところでございます。今後の事実の判明状況を踏まえまして適切な法的措置をとる予定としているところでございます。
  115. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 今は日本郵政株式会社等になっているわけでございますが、これは昔は郵政省だったわけですよね。こういう逮捕者を出すようなことになれば、これはもう昔の郵政省、何やっているんだという、本当に政治マターになったなというふうに思うわけでございますが、今、監督責任ということで報告徴求だけすればいいみたいになっていますが、やはり総務省として、日本郵政の生みの親みたいな立場でありますので、その辺の監督責任をどういうふうに総務省としてお考えなのか、お示しをいただきたいと思います。
  116. 吉良裕臣

    政府参考人吉良裕臣君) お答え申し上げます。  今回の不正利用につきましては、昨年十二月二十六日の監督上の命令を出したり、あるいは不適正利用の再発防止策について三月末に日本郵政から報告を受けたりしているところでございますが、今後は更にその改善の定着が図られているかについて確認をしていくということにいたしております。  これに加えまして、今回の事件を踏まえまして、昨日にも追加的な再発防止策の検討状況を内容とした報告徴求を発出したところでございます。報告される内容を精査いたしまして、更に何が追加的な措置として必要かについても検討したいというふうに考えております。  それから、今回のような不正利用の再発防止の観点から、心身障害者用低料第三種郵便制度が適正に運用されるように引き続き監督してまいりたいというふうに考えております。
  117. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 この辺にしておきまして、次に、簡易郵便局の一時閉鎖のことについてお聞きしたいと思います。  参議院は御案内のとおり郵政民営化法案否決して、四年前に衆議院解散まで行ったわけでございますけど、やはり国民の利便性というものをまず最優先で考えなきゃいけない。ユニバーサルサービスということをかなり言われたわけでございますが、簡易郵便局もかなり閉鎖されてきたといいますか、五月末現在で三百四十四局が一時閉鎖であると、そういう報告がございますけれども、一時閉鎖というのはどういうものなのか。  そしてまた、昔、昔はというか、要するにそこに簡易郵便局があったわけですから、周りの人は不便になっているわけで、どういうふうにこれを措置をとっているのか。やはりこれ、魅力あるといいますか、いけるようにしていかなきゃいけないと思っておりますが。  また、逆に、新たな、セコム株式会社ですか、そういうところに簡易郵便局参入しようという動きもあるようにお聞きしておりますが、それは今どんな状況になっているのか、お示しください。
  118. 寺阪元之

    参考人(寺阪元之君) 郵便会社を担当しております私の方からお答えをさせていただきます。  魚住先生御指摘のとおり、簡易郵便局の問題というのは大変私ども会社にとりましても重要な課題でございまして、民営化をいたしましたとき、簡易郵便局の一時閉鎖というものが随分増えまして大変困惑をしたわけでございますけれども、その後、簡易郵便局の受託をしやすくするような施策を種々講じました。例えば取扱手数料を大幅に引き上げる、これは四割ぐらい引き上げたわけでございますけれども、そのような抜本的な見直しを行いまして、簡易郵便局の一時閉鎖の解消に懸命に取り組んでいるところでございます。  お話ございましたとおり、そういうような取組の結果、一時閉鎖中の簡易郵便局は、民営化時には四百十七局ございましたし、その後、平成二十年五月末には四百五十四局まで増えてまいりました。ただ、先ほど申し上げましたような施策を講じましたことによりまして、急速とは申しませんが減ってまいりまして、今年の五月末、三百四十四局になってございます。これは減ったからいいというものではございませんので、まさに地域の住民の皆様の利便性あるいはサービスというものを今後とも引き続き心掛けてまいらなければならないわけでございまして、そういう御不便を少しでも解消させていただくための緊急対策も設けてございます。  一つは、三百四十四局全局というわけにはまいりませんが、約四割ぐらいに相当いたします全国の百三十一か所におきまして、いわゆる直営郵便局の渉外社員を派遣してサービスを提供するというような形、あるいは、五か所でございますけれども、移動郵便局というものを設けましてそれでサービスを行っておりまして、実質的な一時閉鎖の状態というのは現在二百八局程度になってございます。  引き続き、これを解消すべく、今後とも努力してまいりたいというふうに思っておりますけれども、そのほか、その地域の郵便局等にもビラ等を配付したり、それから地方自治体、地元の自治体等ともいろいろ相談を差し上げながら受託者の募集に努めておるところでございます。抜本的な見直しを行いましたことによりまして、この簡易郵便局に携わりたいという方もある一定の数を確保できてございますので、準備が整い次第、着実に再開をしてまいりたいと、そういうふうに考えてございます。
  119. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 もう時間がなくなってきましたから、あと一問だけ。総合担務問題、お聞きしたいと思います。  民営化の前は、郵便配達途中で貯金等の依頼を受けるとか、あるいは郵便局長によって小包の集荷が可能であったとか、いろんな事業が一緒だったから兼ねてできたと思いますが、今はちょっとできないと。国民から不満が寄せられているのではないのかと。何のためにこれは民営化したのかという話になるわけでございますが、郵政グループとしてどういうような取組を行っているのか、端的にお示しください。
  120. 寺阪元之

    参考人(寺阪元之君) お答えいたします。  御指摘のとおり、旧郵政公社時代に総合担務という制度がございまして、それを実施しておる地域におきましては、郵便の集配を担当いたします社員が貯金や保険等の金融サービスも行うことができるようになっておりました。一定の制限はございましたけれども、行うことができるようになっておりました。  ところが、民営化によりまして、一部の地域で取扱いができないというようなことでサービスダウンの御指摘がございました。そのため、私どもは当初、郵便の集配担当社員がお客様から金融サービスの御依頼をいただいた場合には、当該集配担当社員が郵便局にそのことを連絡し、郵便局の社員の方が直接お客様宅を訪問して金融サービスを提供するというような策を講じてまいりましたけれども、最近になりまして、地方、特に過疎地等のいわゆる旧総合担務実施の地域の皆様から強い要望もございましたので、お客様から訪問要請があった際に、訪問をして金融サービスを提供する担当社員というものを郵便局の中に設けるというような制度をつくりまして、お客様の御要請に迅速に対応できる体制というものをつくったところでございます。  今後とも、私どものサービスレベルを維持する、あるいは向上するという観点から、お客様の御不便がないような取組を積極的にやってまいりたいというふうに考えてございます。  以上でございます。
  121. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 終わります。
  122. 山下芳生

    山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  日本郵政社長人事国民の注目を集めております。日本共産党は、西川善文氏が日本郵政社長に就任したときから不適格として反対してまいりました。理由は、かつて三井住友銀行が中小企業に対し金利スワップ商品を押し付け販売して、大きな被害を出したそのときの責任者、頭取が西川氏だったからであります。しかし、当時の竹中大臣西川氏には知見があるからと社長に就任させました。その結果、日本郵政で何が起きたか。  今日はパネルにまとめてまいりました。(資料提示)日本郵政西川社長、六つの責任というふうにまとめてまいりました。  一つは、これはもうよく知られた二千四百億円で造ったかんぽの宿がわずか百億円余りで売り飛ばされようとするなど、国民の財産をたたき売りにした。それから二つ目に、ゆうちょ銀行がクレジットカード事業に参入する際に三井住友カードと提携をした、あるいは、巨額の郵政資金が三井住友系の信託に預託されているなど、西川社長出身の三井住友グループとの癒着が余りにも目に余るということ。そして三つ目に、かんぽ生命の保険金未払が公表されなかった。数十万件から百万件を超える未払があることを把握しながら、国会で私が追及するまで一切明らかにしませんでした。そして四つ目に、今質疑があった障害者団体向け第三種郵便の悪用を見逃し続けてきた。そして五つ目に、簡易郵便局が四百か所全国で閉鎖される、あるいは各種手数料が何倍にも値上げされるなど、国民サービスが低下をした。そして六つ目に、現在郵政グループには二十一万人の非正規労働者の皆さんがいらっしゃいます、働いておられます。日本の最大の非正規労働者を抱える企業グループですが、その非正規の郵政で働く皆さんが月十万円あるかないか、本当にワーキングプアに置かれているし、その上、最近またその待遇が切り下げられようとしてきたなどであります。  西川社長の下で国民はこんなに被害を被った。私は責任を取ってお辞めになるのが当然ではないかと思うんですが、社長の見解を聞きたいと思います。
  123. 西川善文

    参考人西川善文君) お答えいたします。  私自身にもいろいろと至らぬ点もあり、今から思えば反省すべき点もあったかと考えますが、私といたしましては、先ほどもお答え申し上げましたとおり、いったん引き受けました以上、民営化の土台をしっかりと築くことが私に与えられた責務であり、また果たすべき責任であると考えておるところでございます。  以上です。
  124. 山下芳生

    山下芳生君 私は、だれに対して何の責任を全うするのかが鋭く問われていると思うんですね。この六つの西川さんがおやりになったことを振り返ってみますと、出身の三井住友グループに更に利益を供与する責任を果たそうとされているのか、あるいはまたオリックス、リクルートなど、規制緩和を推進してきた企業グループに新たな利益を与えるために責任を全うされようとしているのか、そう思いたくなるわけですね。  国民に被害を与えたという自覚と反省が余りにもなさ過ぎると思います。そういう自覚と反省ありますか。この六つ、どうですか。
  125. 西川善文

    参考人西川善文君) 六項目一つ一つについてお答えする時間的余裕もないかと存じますが、中でも、ゆうちょ銀行のカード事業など三井住友と癒着という御指摘をいただいておりますが、これは、やはりカード事業につきましては大手数社に企画提案をお願いして、そしてコンペの中でゆうちょ銀行として決めたというふうに私は理解をいたしておりまして、決して私が三井住友カードを強く推薦するとか、あるいは三井住友カードのいいところを主張するとか、そういったことは全くございませんでした。  以上です。
  126. 山下芳生

    山下芳生君 幾ら社長がそうおっしゃっても、客観的にはそう見えるようなことがいっぱい起こっているわけですね。  現に、日本郵政の中には、先ほど出席された横山専務執行役、妹尾常務執行役、みんな西川さんが三井住友から連れてこられた、いわゆるチーム西川と言われる方々ですね。そういう方が配置されて、こういうカード事業一つ取っても、一つだけじゃないです、不動産売却だって三井住友系のいろいろなところが利益を被るような売却がやられております。  ですから、責任をどう取るのかというときに、方向が私は間違っていると思う。あなたが見当違いの責任を全うすればするほど国民の被害は拡大する。国民共有の財産が食い物にされて、地域社会を支えてきた郵便局のネットワークがほころんで、職員のモチベーションが下がるという事態になっていると思います。私は、あなたがお辞めになることが国民の立場から郵政事業を再生させる第一歩になるということを指摘しておきたいと思います。  鳩山総務大臣に伺いますが、日本郵政株式会社法第九条には、「会社の取締役の選任及び解任並びに監査役の選任及び解任の決議は、総務大臣の許可を受けなければ、その効力を生じない。」とあります。国民の立場に立つなら、私は、仮に株主総会西川氏が取締役社長に選任されたとしても総務大臣として断じて認可すべきでないと思いますが、大臣の考えを伺いたいと思います。
  127. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) 政治家になって以来、日本共産党と余り意見が合ったことがないんですが、今日は八割方、大体御意見、私すんなり入ってまいります。  特にカード事業の問題は、三井住友のカードをやっておられる方が日本郵政に入られて、猛烈に運動されて、見事にカードは三井住友になったという話も聞いておりますから、法的に云々ということはありませんが、やっぱり公的な会社ですから、国民から見て、要するに、何度も言っている李下に冠を正さず、瓜田にくつを入れずという部分が全くできていないということがあるわけです。それは、例のJPエクスプレスの件も同じです、これ以上申し上げませんけれども。いいとこ取りをしようとしているというのも見え見えでございます。  そういう意味で、私は西川社長という方は立派な方だと思いますし、尊敬すべき方だと思いますが、日本郵政グループを率いていく中でこうした問題がいっぱい出てきておりますので、それは私なりに考え方を持っているわけでございます。  日本郵政株式会社法第九条の規定の重要性は、これは財務大臣協議が入っておりません。ということは、財務大臣株主総会で判断をすることと総務大臣が取締役について判断する基準は違うということです。財務大臣は何か投資したもの、出資したものの安全が保たれればいい。私はそうではない、郵政すべてがうまくいかなくちゃならぬと、そういう観点でございますから、財務大臣協議でないということは、私が単独で懸命に考えて、信念に基づいて判断をするということでございます。
  128. 山下芳生

    山下芳生君 西川社長に伺います。  大臣の判断には従われますか。
  129. 西川善文

    参考人西川善文君) お答えいたします。  それは、法律の決めたことでございますから、法に従うまででございます。
  130. 山下芳生

    山下芳生君 進退問題について、大臣の判断に従うことを西川社長がお認めになりました。大臣はしっかり判断していただきたいと思います。  西川社長をかばうわけではございませんけれども、先ほど紹介した六つの責任は決して西川社長個人の問題から生じたものではありません。郵政民営化路線そのものの当然の帰着だと思います。  元々、郵政民営化の要求は日米の大手金融機関から出てきたものです。三百兆円を超える郵便貯金と簡易保険国民の金融資産を日米の民間金融機関に明け渡せと迫ったのが郵政民営化の出発点でした。そこから先ほど並べた国民の被害が生まれてきているわけですから、西川社長辞任は当然ですが、それだけでは問題は解決されないと思います。郵政民営化そのものを根本的に見直すことがどうしても必要だということを指摘して、次のテーマに移りたいと思います。  郵便事業会社の高齢再雇用制度について質問します。  まず、厚生労働省に、高年齢者雇用安定法に掲げられた継続雇用制度とは何か、概要と趣旨について説明を求めます。
  131. 岡崎淳一

    政府参考人(岡崎淳一君) 御質問の高齢者雇用安定法第九条で高齢者雇用確保措置が定められております。  これは、六十五歳未満の定年、今はまだ経過措置期間中でありますから六十三歳でありますが、それ以下の定年を定めている事業主につきまして、六十五歳までといいますか、今は六十三歳までにつきまして、定年を引き上げるか、継続雇用制度を導入するか、あるいは定年を廃止するかということを求めたものでありますが、継続雇用制度というのは、現に雇用している高齢者の方が希望するときには定年後も引き続きその年齢まで継続して雇う制度と、こういうものでございます。
  132. 山下芳生

    山下芳生君 郵便事業会社における〇九年度の高齢再雇用社員の受験者数と合格者数、それぞれ何人ですか。
  133. 團宏明

    参考人(團宏明君) お答えいたします。  郵便事業会社におきましても、高齢再雇用制度をつくっております。  今御質問の〇九年度の選考試験の受験者が千二百七十四人、合格者は千百五十一人でございます。
  134. 山下芳生

    山下芳生君 現に雇用されていた労働者が継続雇用を求めたにもかかわらず、一千二百七十四人中百二十三人、一〇%が不採用になっております。これは高齢者雇用安定法の趣旨に照らして私は大きな問題だと思います。  この制度は年金支給の開始年齢の引上げに伴う措置ですから、六十五歳に定年延長しない場合の代替措置ですから、これ法律の趣旨からいっても希望者全員が採用されるべきだと思うんですが、どうして一〇%もの労働者が不採用になったんですか。
  135. 團宏明

    参考人(團宏明君) 当社の高齢再雇用社員制度でございますけれども、これは法律に基づきまして高齢再雇用社員の選考基準というものを労働組合との協約及び高齢再雇用社員就業規則によって定めております。その基準にすべて該当する者は高齢再雇用社員として採用することとしてございますけれども、このすべてに該当しないという職員がいたために、残念ながら今議員御指摘の数の方が再雇用にならなかったというものでございます。
  136. 山下芳生

    山下芳生君 ちょっと納得できませんね。まあまあ聞きましょう。  その基準、三つ全部言ってください。
  137. 團宏明

    参考人(團宏明君) 協約等に決めております基準でございますけれども、選考基準としましては、一に、選考における面接試験又は作文試験の評価が著しく低くない場合、それから二番目に、身体検査の結果、就業可能と判断された場合、三番目に、正社員の人事評価に基づき実施した人事評価結果を二百点満点で点数化した直近二年間の人事評価結果が、いずれも八十点以上である者又は八十点未満であっても面接試験の評価が良好と判定された者というものが選考基準になっておりまして、この選考を面接試験等で行っておりますけれども、それに該当しなかった者がいたということでございます。
  138. 山下芳生

    山下芳生君 私のところに近畿支社で不採用になられた、Nさんとしておきましょう、という方から手紙が届きました。  Nさんは、私は人事評価はシートAかBだと。その評価は毎月の手当にも反映されている。平成十九年、二十年の二年間で支店長から三回も表彰状を受けている。イベント小包も、イベント小包というのは母の日、父の日、お中元、クリスマスというときにいろいろ小包を買っていただく方を増やすことですけれども、平成二十年度で五十個を達成した。暑中見舞いはがき二百枚、年賀郵便はがきは八千枚販売してきた。会社の方針に従って必死で努力してきたと、こうありました。Nさんのいた職場では、今年の四月の勤務表にこのNさんの勤務が書き込まれていたんです。周りはみんなNさんは高齢再雇用者に当然採用されるものと思っていたんですね。ところが採用されなかった。  表彰状も届きましたけれども、こういうものですね。「表彰状 年賀王特別賞」「あなたは「平成二十年用お年玉付年賀葉書におけるインセンティブ施策」において、積極的な予約・販売活動に取り組まれた結果、優秀な販売成績を収められました。 よって、ここにその努力と功績に対し、報労品を贈呈するとともに表彰いたします。 今夏の「かもめーる」予約・販売においても、活躍されることを期待しています。」と。これ支店長名ですよ。  こういう方、優秀な労働者が不採用になっている。Nさんは、何で不採用になったのかを当然支社に聞くわけですけれども、総合的に判断したという回答しか返ってこなかった。これ納得できるはずないじゃありませんか。  これ厚労省の指針には、もう時間がありませんから、高齢再雇用の基準は具体性がなければならない、そして評価に客観性がなければならない、そしてだれもが、なぜ不採用になったのか予見できるようなものになっていなければならないと、こうありますけれども、具体性も客観性もなければ予見なんかできない。みんな採用されると思っていた、予見していたのに違う結果になったということですね。  私は、郵便事業会社法律の趣旨に反して継続雇用制度を恣意的なものにしていると言わざるを得ません。優秀な労働者を不採用にするのは郵便事業にとっても損失です。  総務大臣に伺いますけれども、これ必要な資料を後で提供しようと思いますけれども、何でこんなことになったのか調査をして改めさせていただきたいと思いますが、いかがですか。
  139. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) 私も昔、労働大臣というのを六十四日間だけやったことがありまして、羽田内閣でございました。  高齢者雇用安定法というのも大事な法律でございます。特に、郵政関係は専門知識が要りますよ。それから、地域であるならばなじみになっているということがありますから、したがって、高齢者の再雇用というのは私は非常にいい仕組みだと思っております。  なぜ今具体的に言われた件が不合格であったのかは調べてみます。
  140. 山下芳生

    山下芳生君 調べるということでした。  実は、Nさんだけではないんです。お手元の資料に、郵便事業会社の資料を基に各支社ごとに高齢雇用社員の採用状況を一覧にしてみました。こうやって並べてみますと、やっぱり近畿支社の不採用が人数、率とも飛び抜けて多い。二百三十三人受験して不合格が四十四人ですから、全体は九・七%ですが、ここはもう二割近い人がはじかれております。  郵産労の調査では、大阪中郵支店は十人受験して四人不採用です。新大阪支店も十人受験して二人不採用です。尼崎支店、四人受験して二人不採用。姫路支店、七人受験して二人不採用。神戸中央支店、十六人受験して五人不採用。向日町支店、二人受験して二人とも不採用。四割、五割の人が不採用となった支店も少なくありません。不採用とされた社員は、現に雇用されて健康上も就業可能であって、直近二年間の人事評価もおおむね八十点以上の方ばっかりなんですね。  総務大臣、近畿支社の実態は、継続雇用を求める労働者を恣意的に不採用にしているんじゃないかと私は疑いを持ちます。Nさんのケースだけではなくて、近畿支社全体を調査する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
  141. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) その点も、他との整合性がありませんから、調べてみる必要があると思います。
  142. 山下芳生

    山下芳生君 一方で特定の企業グループに莫大な利益を供与してきた民営化された郵政が、労働者をこんなふうに粗末に扱うなんてもってのほかだということを指摘して、質問を終わります。
  143. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  改めて西川社長にお伺いしたいと思いますが、先ほど山下さんは六つの責任というふうにパネルをお出しになりましたが、私はもっと多いんではないのかと。  一つは、一番冒頭から言われているように、国民共有財産であるかんぽの宿や不動産の疑惑に満ちたたたき売りの問題、二つには簡易生命の未払問題、三つには郵便事業における低料第三種の不正問題、そして四つには、度重なる年賀状などのノルマ販売など職員の酷使の問題、五つ目には、二百億円以上の課税申告漏れと九十二億円の追徴課税、六つには、利益相反、背任と見られる横山専務らの社宅の問題、七つには、カード事業の三井住友との癒着の疑惑問題、そして八つには、先ほども出ましたが、簡易郵便局の閉鎖であるとか、分社化に伴って一番根本であったユニバーサルサービスが低下をしておるという問題、こういう問題などがあると思うんですが、先ほどから西川さんは、いろいろと反省をする点があるとおっしゃるけれども、そのいろいろ、総括的にもう少し国民にこの場を通じて説明をいただきたい。
  144. 西川善文

    参考人西川善文君) 反省点はいろいろございます。先生がただいま御指摘をいただいた項目それぞれについて、もう一度よく考え直してみる必要のあるところだと存じます。一部に私は認識が違うんではないかと思われるところもありますが、それはともかくといたしまして、総括的に反省をしなければならないということはもちろんそのとおりでございます。  ただ、公社時代の話も含めまして、民営化の過程でグループ各社において予想外の様々な問題が出てきたことも事実でございます。国民、利用者の皆様に御迷惑をお掛けしたという点については、日本郵政グループ代表しておわびを申し上げたいと存じます。  以上です。
  145. 又市征治

    ○又市征治君 私もすべてが西川さんの責任だと申し上げているつもりはありません、それは公社時代の話もあるわけですから。しかし、経営というのは一面では継続をしているわけですから、そういう点での結果責任という問題はこれはどうしてもあるわけですね。そういう意味で西川さんを結果的に我々追及せざるを得ないわけでありまして。  私は、こういう問題が次々に起こっている背景というか、ここのところは、やはり強引な民営化による利益優先の経営、あるいは三事業を四分社化するなんというこんなばかげたことをやったこと、そうしたことが、全国津々浦々における三事業のサービス低下であるとか、あるいは郵便労働者を結果として酷使をしたりという問題が起こっておるし、そしてまた一連の不祥事であるとかという問題をもたらしている。こういう負の中間総括というものをしっかりとやられるべきで、いろいろと考えてみにゃならぬという話を今されたんでは困るんです、これ。今ここではむしろ総括をきっちり出されにゃいかぬ、国民に対して。株主総会、これだけ大きな問題になっているんですから。  当分の間、郵政グループは、今申し上げたようなことに対しての是正をする経営方針こそが今求められているんだろうと思いますね。つまり、大臣の言葉を借りて言うと、国有に戻す以外は聖域なき見直しが必要だということをまさに今やらなきゃならぬ、この時点に来ているんだろうと思う。  これは視点は違うけれども政府日本政策投資銀行についてもやみくもに民営化、民営化なんて言っていたけれども、ちょっとこれは方向転換をしたわけだよね。悪性インフルエンザならぬ民営化のはやりというのは、これはやっぱりもう一遍、これだけの時間がたってみたら、大臣の言葉、なかなかうまいことをおっしゃるなと思ったけれども、かさかさした社会つくっていいのかと、潤いのある社会でなきゃならぬと、こうおっしゃった。そういうことが今見直しの時期に来ているんじゃないか、こう思いますが、これは何も郵政の社長にそのことを今お聞きするつもりはないんです。これは私の意見として、今日せっかくの委員会ですから、皆さんにもお訴えしておきたいと思います。  そこで、少し具体の問題を幾つか聞いておきたいと思うんですが、先ほど同僚議員からも出ましたが、横山専務の疑惑について私は、低料第三種問題にも絡んでいる、こんなふうに思います。  横山専務が決裁した博報堂の一括契約によって、十九年度の博報堂への支出は何と前年度の十九億円から一挙に七倍の百四十六億円に上がった。また、二十年度、その翌年ということになりますが、二百二十二億円にも増えている。横山氏がこの利権を与えたとも言って過言でないんじゃないかと、こう思うんですが、そこで、先ほど大臣がむしろこのことをおっしゃったが、横山さんは四月十六日、博報堂エルグの社長らが逮捕されても、さらには五月七日の博報堂本社から契約自粛の申入れがあったにもかかわらず、まだ博報堂とずっとやりなさいということを指示をし続けた。これは極めて奇怪な、いや、公的な組織の専務としてあるまじき行為ではないのか。大臣、うなずいているけれども、まさにそうだと。そこで、総務大臣が六月三日に、何だこれはと、こう指摘をなさって、ようやくこれは転換を図る、博報堂との契約はやめると、こうなった。  なのに、西川さん、そこで私は聞きたいのは、あなた、四月、五月の段階でこうした状況があったにもかかわらず、何ら是正をされない、その指示もなさらなかった、大問題になっているのに。これはなぜだったんですか。
  146. 西川善文

    参考人西川善文君) 博報堂との契約につきましては、博報堂エルグの役員の逮捕後、グループ各社の契約状況の調査を行うとともに、捜査等の進展に応じて適切に対処することといたしておりました。横山専務の事柄については、誤った情報が伝わっているんじゃないかというふうに私は理解をいたしております。  その後、同社の役員が起訴されたこと等を踏まえまして、当面、新規の契約は見合わせることとし、博報堂を責任代理店とすることをやめるということとしたものでございます。
  147. 又市征治

    ○又市征治君 総務省に対する報告徴求に対して答えなさっていることと違うんじゃないですか、これは。私、あなたのお話聞いていて、どうも時々腑に落ちなくなる。意見が違ってもいいんだけれども、しかし腑に落ちない。  あなたは前に私に対して、いや、横山氏は優秀だと、三井住友はいつでも戻ってこいと、こう言っている、こう開き直られた。今回も彼をかばって、彼のところへまともな情報が上がっていなかったんじゃないかと。私、そんなこと聞いているんじゃなくて、これだけ問題になっているのに、そして総務省からの報告徴求に対しても公式にお答えになっているのに、まだこれをかばっておいでになる。つまり、国民から預かった国民共有財産である郵政会社、これを何だと心得ておいでになるのか。私、この一事をもってしても、あなたね、国一〇〇%出資会社責任者として、どうもこれは納得できないと、こう言わざるを得ない。  鳩山大臣、この問題について、ちょっと違うんじゃないですか。
  148. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) 又市先生、雄弁に語っておられるとおりなんです。  四月二十一日に、さっきも言いましたけれども横山専務の判断として博報堂は切らないと、早急に切る必要はないということが言われているんです。四月二十三日の宣伝会議では、多分、日本郵政から子会社全部集まる会議で、これは責任代理店という制度があるからこういう会議をやるんでしょう、この案件は経営判断であると、新たな方針を示さないということはそのままの方針であると。つまり、博報堂を使い続ける、経営判断として決定したのだから、異議があれば横山専務に申し立ててくれという発言があっているんですね。つまり横山専務が、いろいろあったがこれからも博報堂でいくと、だから文句があったら横山専務に言えと、こういう話になっている。  その辺が余りに不透明で、まさに何らかの癒着があるんではないかと思うでしょう、常識的に。思うから報告徴求したら、この部分について全く答えなかったんですよ。もう私をこけにした、ばかにしたような報告書法律上の報告徴求したら何にも書いてこない。そういうガバナンスは問題ですよと私は申し上げている。
  149. 又市征治

    ○又市征治君 そこで、次の問題に移ります。  もう一つ、四月に発足した日通との小包合弁企業、JPエクスプレスでは、非正規社員、いわゆるゆうメイトの大量首切りをしようとしている。これを私は三月十九日、この委員会で質問して、あなた方は、非正規社員から正規社員に登用するという雇用政策、さらには一昨年十一月、これもこの委員会西川さん、答弁をいただきましたが、非正規のウエートが非常に高くなってきたと、これはいろいろとマイナス影響も出ていると、こうおっしゃった。こういう認識と今の対応、全く違うんじゃないのか、おかしいんじゃないのか、こう答えながら。国会をばかにしているのかと、こう言いたくなる。  具体的に伺いますが、JPエクスプレスへ日通の労働者の皆さんは多くがそのまま継続して雇われるけれども郵便事業会社由来の期間雇用社員の方は新会社にほとんど異動できない。全国で数千人から一万人が非正規ゆえに職を失うのではないか、こう言われている。  まず、現在、郵便事業会社の期間雇用社員十五万人余りのうち、ゆうパック事業に携わっている人の数。二つ目に、またそのうちJPエクスプレスに移行できる人数は何人と見ているのか。三つ目に、その差、つまり会社都合によって職を失う人たちの数と、これにどういう一体全体雇用政策を取ろうとしているのか、これについてお答えください。
  150. 伊東敏朗

    参考人(伊東敏朗君) お答えいたします。  郵便事業会社におきまして現在ゆうパックにかかわっている社員についてのお尋ねでございますが、特に期間雇用社員についてのお尋ねでございますが、トータルとして、期間雇用社員、現在十五万二千人雇用しております。当然のことながら、一人で手紙、はがきの仕事をしたり、ゆうパックの仕事をしている人が多数おりますので、何人がゆうパックを扱っているという数字の把握はしておりません。したがって、ゆうパック業務に携わっている社員数ということでは今データは私ども持っていないものでございます。  それから、何人JPEXに必要としているのかということでございますが、トータルといたしまして、JPEXが日通のペリカン業務、それから郵便事業会社のゆうパック業務を行うに当たりまして必要な契約社員数というのは八千五百人を予定しております。  その言ってみれば差引きがどうなるのかという御指摘でございます。これにつきましては、当然のことながら、二つの事業を一緒にすることによって効率的なネットワーク、効率的な会社ということを目指しますので、その間に当然のことながら必要となる人員調整というのは出てくると思っておりますが、可能な限りそれぞれの関係者の希望を踏まえた上で、先生御心配のようなことにならないような対応を今後していく予定でございます。
  151. 又市征治

    ○又市征治君 伊東さん、あなたいつもそう言われるんだよね、あなた方の答弁というのは。  既に四月から十五万人全員が六月までの三か月雇用に短縮されている、現場では。明日の我が身も分からないという不安を募らせているわけですよ、この人たちは。そこへ、一人ずつ呼び出されて、あなたがおっしゃったようにみんなの意向を聞いている。意向確認書を書かされて、賃金ダウンや業務替え、遠方への配転を選ばされて、嫌なら自発的に退職せよ、こういう誘導じゃないですか。そして、行くのも残るのも保証はないよと。つまり解雇通告ですよ。  八月と十月で新会社に完全移行により全国で数千人から一万人が非正規ゆえに職を失うといってみんな不安がっている。新会社への採用数一覧が公表されていますね。例えば、千葉県内の浦安、船橋、千葉の三か所だけで推定二百人がいわゆる雇い止めにされる、こう見られている。  しかし、これは大変に違法行為ですよ。事業譲渡による解雇というのは平成十五年四月十日の厚生労働省通知で禁止をされています。期間雇用だといっても、実際はそれをどんどん更新をし続けているわけだからこれは適用されないんだ、そういう臨時みたいな格好ではね。だから実質はこれに抵触をする。  そこで、西川社長、お聞きになっておって、雇用安定、非正規労働者は今切り捨てはいかぬ、派遣切りやめさせろと、こう政府も言っているわけですよ。そのときに、政府一〇〇%の出資会社で、孫会社でこういう不当解雇を制度化をするなんというばかな話、これ許されていいんですか。
  152. 西川善文

    参考人西川善文君) 先生の御指摘誠にごもっともでございまして、JPEX一社については今伊東常務がお答えしたとおりでございますけれども、グループ全体としてやはり雇用という問題を考えてまいらなきゃならないというふうに私は思っております。  以上です。
  153. 又市征治

    ○又市征治君 何か意味がよく分からないですね。もうちょっと責任を持って、何か聞いていると、私も余り人の首切る話を一緒にするのは嫌な方なんだけれども、だんだんだんだん何を言っているんだかという、今具体の話を聞いているときに、まして事前通告してあるわけでしょう。  そこで、社長、もう時間がなくなってきましたから、今冒頭から申し上げてきた、あるいは今日の委員会が長谷川委員以下ずっと問うてまいりましたかんぽの宿の売却を始めとしてこれまで出されている不祥事やあるいは疑惑、あるいは不適切な経営問題、責任が大きく問われている。これは政争の具なんというたぐいのものじゃないんですね。  加えて、決算が黒字とはいえ、中期計画を大きく下回っています。六月二十九日の株主総会を控えているわけだけれども、再任はおかしいというのは国民の今や共通の理解になっている。さっき長谷川さんもおっしゃった。先週行われた民放の二つぐらいの調査を見ますと、やはり西川さん、お辞めになるべきだというのは七割、こんな格好だ。鳩山さんが言っていることはよく分かると、こういう格好になっている。仮に西川社長人事が国会同意人事なら、間違いなく参議院では否決ですよ、これは、今この空気は。そのことをしっかりと受け止められるべきだと私は思う。  民営化推進のお仲間である指名委員会がどう言われるにせよ、これだけ国民の信頼を失って、責任者が責任を取らないで事業がうまくいくわけがない。経営者、指導者というのは、これは釈迦に説法だけれども、結果責任じゃありませんか。  そういう意味で、あなたを始めとした、私は人心一新をもって出直しが必要なんではないかと、こう思うけれども、晩節を汚されないように、あなたの決断をここで最後にお伺いしておきたい。
  154. 西川善文

    参考人西川善文君) お答えいたします。  先生の御意見をよく受け止めまして考えてまいりたいと思います。
  155. 又市征治

    ○又市征治君 最後に、大臣に伺います。  あなたの日本郵政の今日のありように対する様々な指摘、これについてはこの委員会全体的には多くの人が支持をしてきた、私もその一人であります。  しかし、先ほどもちょっと申し上げましたが、残念ながら政治家の中にもこれを政争の具として扱っていろいろとしゃべる人がいる。あるいは、一部のジャーナリズムも事の本質を見失ってそういう報道をされている。ひどい例は、与党のある幹部は、鳩山氏は選挙が強くない、選挙のことを考えて、かんぽの宿問題で人気があったので突っ走るしかないんだろうと。どこかのまた幹部は、鳩山氏も西川氏もどっちもどっちだと。これで一体全体、国民共有財産問題をどうするかという論議をしていることに対して、かつて総理か何か知りませんけれども、こんなことを言っている人がいるのは情けないな、同じ政治家としてと、こう思います。  私は、冒頭申し上げたように、強引な民営化による利益優先経営と三事業の四分社化、そして三事業のユニバーサルサービスの低下と郵政労働者の酷使、そして一連の不祥事をもたらした、こういうことだと思いますけれども、だからこそ今その是正が日本郵政に求められている、グループ全体に求められている、こんなふうに思うし、そのことに頑張ってもらいたい。こういうことで現場で働く人々には特にそのことを呼びかけたいと思うんですけれども、その観点から、大臣日本郵政に一連の不祥事や不適切経営の責任を問う権限を行使されるとおっしゃっていることについては支持をしたいと思う。  と同時に、私は、そのことについての大臣のもう一度改めて決意と、もう一つは、そうは言いながら、総務省はこうした不祥事続きの郵政そのものの監督責任もある。この問題もどうするのかという問題もまた私は問わなきゃならぬのだろう、国民もまたそのことを求めているだろうと思う。  そういう意味で、あなたがおっしゃる正義の実現のために、この二点について、最後に決意のほどをお伺いしておきたい。
  156. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) 様々な問題について監督責任があることは間違いがありませんから、低料第三種を悪用した事件とか様々な事柄については、あるいはかんぽ生命の不払の件がずっとほったらかしになって、そのために費用が掛かって、逆にお客さんである保険金を受け取れる人の金額が百億ぐらい減ってしまう、こういうことについては本当に心からおわびをしなければいけないと思うし、もっといい監督、厳しい監督の方法について考えていかなければならないと、こう思っております。  私は、こんなことが新聞に毎日出ますけれども、非常に残念でございまして、これは政争だとか選挙とか全く関係のないことですよ。国民常識、それが政界の常識、私の常識でなければいけないと思って、私は常識的に判断をさせていただこうと思っております。
  157. 又市征治

    ○又市征治君 終わります。
  158. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 長時間にわたり御苦労さまでした。  本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後四時九分散会