運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2009-03-30 第171回国会 参議院 総務委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十一年三月三十日(月曜日)    午前十一時五分開会     ─────────────    委員異動  三月二十七日     辞任         補欠選任      平田 健二君     主濱  了君  三月三十日     辞任         補欠選任      主濱  了君     平田 健二君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         内藤 正光君     理 事                 加藤 敏幸君                 高嶋 良充君                 長谷川憲正君                 河合 常則君                 二之湯 智君     委 員                 大島九州男君                 加賀谷 健君                 行田 邦子君                 主濱  了君                 武内 則男君                 外山  斎君                 林 久美子君                 平田 健二君                 吉川 沙織君                 泉  信也君                 礒崎 陽輔君                 世耕 弘成君                 谷川 秀善君                 中村 博彦君                 溝手 顕正君                 吉村剛太郎君                 魚住裕一郎君                 弘友 和夫君                 山下 芳生君                 又市 征治君    国務大臣        総務大臣     鳩山 邦夫君    副大臣        総務大臣    石崎  岳君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       金子善次郎君    事務局側        常任委員会専門        員        高山 達郎君    政府参考人        公正取引委員会        事務総局経済取        引局取引部長   中島 秀夫君        公正取引委員会        事務総局審査局        長        山本 和史君        総務省自治財政        局長       久保 信保君        総務省情報流通        行政局長     山川 鉄郎君        総務省政策統括        官        戸塚  誠君        消防庁長官    岡本  保君        消防庁国民保護        ・防災部長    幸田 雅治君        国土交通省航空        局長       前田 隆平君        国土交通省航空        局次長      関口 幸一君    参考人        日本放送協会経        営委員会委員長  小丸 成洋君        日本放送協会会        長        福地 茂雄君        日本放送協会副        会長       今井 義典君        日本放送協会専        務理事      金田  新君        日本放送協会理        事        日向 英実君        日本放送協会理        事        溝口 明秀君        日本放送協会理        事        永井 研二君        日本放送協会理        事        大西 典良君        日本放送協会理        事        今井  環君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特  別措置に関する法律の一部を改正する法律案(  内閣提出衆議院送付) ○参考人出席要求に関する件 ○放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認  を求めるの件(内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 内藤正光

    委員長内藤正光君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る二十七日、平田健二君が委員辞任され、その補欠として主濱了君が選任をされました。     ─────────────
  3. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省自治財政局長久保信保君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 加賀谷健

    加賀谷健君 おはようございます。民主党加賀谷でございます。  この成田財特法改正案について、私が千葉県出身ということで民主党の中で御指名をいただきましたので、少し質疑をさせていただきます。  この成田空港は、首都圏ひいては我が国の空の玄関口として、我が国国際競争力を維持強化していく上で極めて重要な公共インフラであります。近年における経済社会グローバル化に伴い、成田空港国際空港としての重要性はますます大きくなってきているわけであります。そのためにも空港周辺の早急な整備は必要不可欠であり、周辺市町は鋭意積極的な取組をしておりますが、諸般の事情により、この法律期限内に事業を完了することが困難な状況となっております。さらには、新たな事業を追加することも求められており、当法案是非必要な法案というようなことでございまして、私としては是非とも賛成の立場で少し議論をさせていただきたいと、こう思うわけであります。  現在、成田空港は、平成二十二年三月供用開始を目指して平行滑走路の二千五百メートル化の工事が進められております。これによって、成田空港発着回数は現在の年間二十万回から二十二万回に増える予定でございます。こうした状況を踏まえて、空港周辺の九市町は、空港地域の財産としてそのポテンシャルを最大限に活用した地域づくりを目指し、成田国際空港都市づくり市町プランを策定中と聞いております。また、昨年三月には空港会社から発着回数は三十万回まで増加可能であるとの試算が出され、今年一月には、国、県、空港周辺市町航空会社との間で更なる容量拡大についての具体的な検討作業に入ることで合意していると私は聞いております。  このように、千葉県を中心に、地元市町村成田空港を真の日本の表玄関にふさわしい空港にすべく奮闘努力していることは御承知のとおりだろうと思います。しかし、残念ながら、残念といいますか、去る二月二十一日に羽田空港に関する重大な報道がございました。お手元に資料としてお配りをいたしていると思いますけれども、この朝日新聞の夕刊に出た記事でございますけれども、この件について、国土交通省にまずお伺いをしていきたいと思います。  国土交通省羽田空港発着枠の更なる拡大を目指す方針を決め、五本目の滑走路新設に着手するとこの新聞記事にはあるわけでございますけれども、このことは事実なのかどうなのか、まずお伺いしたいと思います。
  7. 関口幸一

    政府参考人関口幸一君) お答え申し上げます。  ただいま先生指摘のとおり、羽田空港につきましては、平成二十二年の十月、来年の十月でございますけれども供用開始に向けまして新たな四本目の滑走路整備を現在鋭意行っておるところでございまして、これによりまして発着容量が現在の二十九万回、約三十万回でございますが、これが約一・三倍の四十・七万回に増加するということになっております。  一方、今後の首都圏における航空需要に対しましては、羽田空港の再拡張事業、それから成田空港の今おっしゃいました滑走路北伸事業によりまして当面対処が可能であるというふうに考えておりますけれども、さらに、おおむね十年後には再度首都圏空港容量が限界に達するのではないかということが予想されておるところでございます。  これを受けまして、私どもといたしましては、羽田空港の更なる容量拡大機能強化に向けまして管制、機材、環境、施設等あらゆる角度から可能な限りの施策を現在総合的に検討しておるところでございますが、今御指摘のございました二月二十一日の新聞報道にあります五本目の滑走路につきましては、当面のプロジェクトとしては念頭にはないところでございます。  ただ、いずれにいたしましても、羽田空港の更なる容量拡大機能強化の実現に当たりましては、地元関係者方々と十分な意見調整を行うことが不可欠であるというふうに認識しておるところでございまして、今後の検討に当たりましては十分留意してまいりたいと思っております。  一方、首都圏空港問題の解決に当たりましては、当然成田空港能力向上も極めて重要でございまして、今御指摘のありました成田の将来三十万回に向けた検討についても鋭意取り組んでまいりたいというふうに思っておるところでございます。
  8. 加賀谷健

    加賀谷健君 そうすると、この記事のような事実はないということで理解をしていいわけですか。
  9. 関口幸一

    政府参考人関口幸一君) そのとおりでございまして、この記事を受けまして、たしか二十三日の日に千葉県の堂本知事が私ども大臣のところにお見えになりまして、そのようないろいろ御疑問があったわけでございますけれども大臣の方からもこのような事実はないということでお答えを申し上げているところでございます。
  10. 加賀谷健

    加賀谷健君 今の話にありますように、千葉県として、知事以下、この近隣を超えて騒音公害を被るという浦安、八千代、こういう市長さんも含めて二十三日の日に大臣申入れをしたと。私もこのことは県の方から説明を受けておりますけれども、これほど大きな記事になって国土交通省が関与をしていない、発信元として流していないということになると、これは誤報ということになるわけですよね。  それともう一つ、実は、成長戦略論点提言例という、内閣府がこれは経済財政会議にかけた資料だろうと思いますけれども、この中にも提言例として羽田—成田の大深度リニアと併せて羽田再々拡張という、こういうものも内閣府として出しているということでございまして、こういうことが、国土交通省として今のところ考えていないということの、どうもそこら辺の、これだけものが出ているということになると信頼ができないんですけれども、もう一度答弁お願いします。
  11. 関口幸一

    政府参考人関口幸一君) ただいま御指摘経済財政諮問会議の件でございますが、三月三日に経済財政諮問会議において内閣府より参考資料として出されました成長戦略論点提言例という資料の中に羽田再々拡張が取り上げられているということは事実でございまして、これは私どもも認識しておるところでございます。  ただ、この資料につきましては、これは内閣府において主な有識者あるいは経済団体方々からの提言を抜粋して作成したものであるというふうに聞いておりまして、私どもの見解を掲げたものではないというふうに承知をしておるところでございます。  各方面でこの羽田空港再々拡張につきましての御意見があることは私どもも十分承知しておりますが、私どもの現在の検討としては、この五本目の滑走路ということは特に考えていないということでございます。
  12. 加賀谷健

    加賀谷健君 国土交通省考えていないということであれば、それは考えていないんですから仕方がないわけでありますけれども。  ただ、今のD滑走路の問題にしましても、千葉県サイドとしてはかなり協力をして今の滑走路の着工をしているわけでございまして、たまたま私が県議会議員のころ三回ほどこの再拡張に向けD滑走路関係全員協議会というのが行われておりまして、千葉県としては騒音問題も含めて大変だということを申入れをしてきた経過がございます。特に、このD滑走路をやるに当たって、東京湾漁業の補償の問題、これなんかも千葉県が大変努力をして解決をしたというふうに聞いておりますし、また埋立ての砂も千葉県から運んでいるということでございまして、私もその五本目の滑走路というのはどこに造るのかなと本当に疑問なんですよね。冗談で二階建てにするのかと言った人もいますけれども。  なかなかその五本目の滑走路というのは、確かに厳しい状況羽田はあるんだろうと思うんですけれども、この部分については千葉県も大変敏感になっておりますので、是非そういうことがあるならば、事前に十分に千葉県との意思の疎通を図っていただきたい。一生懸命、今成田容量拡大、そしてまた騒音対策等々、取組をしているわけですから、この辺については是非とも、肝に銘じてといいますか、取り組まれるに当たっては十分に千葉県との関係を大事にしていただきたいと、こんなふうに思っております。  じゃ、済みません、本題に戻ってまいりたいと思います。先ほども述べましたように、成田は来年には二千五百メートルの平行滑走路が完成をするわけでございまして、空港容量も二万回増加するわけでありまして、更なる今、先ほど申し上げましたけれども拡大への検討をしているわけでございます。空港容量拡大周辺地域への騒音の増加や、人、物の動きが増えることに伴う空港周辺インフラへの負荷の増大に直結するため、成田財特法による道路を始めとする成田空港周辺公共施設整備は引き続き必要であると考えているわけでありまして、国としては、このような空港とともに発展することを目指す地域動き支援するためにも成田財特法延長をしていただきたい。引き続き地元自治体への財政措置を行っていくべきと考えているわけでございます。  成田空港の更なる容量拡大動きに伴い地元から新規事業追加要望等があった場合、国として法の期限の再延長も含め積極的に支援をしていくべきと思いますが、この辺についてのお考えをお伺いいたします。
  13. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) 成田空港は現在二十万回の発着でございますが、一年後には二十二万回になると思います。さらに、三十万回というのが目標になるのかどうかは私は定かではありませんけれども発着回数が増えれば増えるほど騒音問題等あるいは交通混雑問題等もございまして、更なる周辺整備が必要となってくるのは当然だろうと思います。  そうした意味で、国交省千葉県、地元関係市町、そして成田国際空港株式会社の四者の間で首都圏空港国際競争力向上に向けての容量拡大等について本格的な検討と話合いが開始することになったというふうに聞いておりまして、千葉県からは、こうした今後の空港機能の拡充によって様々な需要が、需要というのか必要性が生まれるということを、そのための周辺整備が必要であるということを伺っているところでございます。  今回、まずは五年間の法期限延長によって整備計画を着実に実行することが重要であると考えておりますが、今回延長すると、今まで十年、十年、五年、五年、五年、五年ですから、今までが四十年間、今回延長すると四十五年になりますが、やはり今回の延長お願いをしておりますが、五年後どうなっているかということもそれは当然考えておかなくてはならないことでございまして、先生からお話のあった、千葉県あるいは国交省と五年後の事柄について今から十二分に話し合っていく必要があると、こう考えております。
  14. 加賀谷健

    加賀谷健君 是非地域の問題ということで、この辺のそこの部分については今大臣からお答えいただきましたので、よろしくお願いをしたいと思います。  もう一点、一月の二十三日に成田空港に関する四者協議会というのが、先ほど申し上げましたけれども、更なる容量拡大についての具体的な検討作業に入ることに合意をしたと聞いておりますけれども、この検討協議が加速されるように、現在進められている成田国際空港都市づくりへの支援など国においても積極的に是非取組をしていただきたい。先ほどの答弁の中にありましたけれどもお願いを申し上げたいと思います。  次に、先日起きました成田空港における航空機事故について少し国土交通省の方の考えをお伺いをしたいと思います。  これは、三月二十三日の早朝、中国広州発定期貨物便でありますフェデックスの八〇便が着陸時に炎上し、機長と副操縦士乗員二名の尊い命が奪われるという大変悲惨な事故が発生したことを皆さんも覚えていると思います。この事故に対して、地元千葉県でも事態を大変重く見まして、事故当日、早速、知事あるいは県会議長空港周辺市町村の連名で航空機安全運航の徹底について国土交通省大臣に申し入れたと聞いております。  先ほども申し上げましたが、折しも今、空港周辺自治体では成田空港とともに発展をするための国際空港都市づくりの機運が盛り上がっておりまして、また、更なる容量拡大に向けた具体的な検討がスタートしたばかりの状況にあります。航空機安全運航は、地域空港の共生はもとより、共栄を目指しての地域皆さんとの理解を得るためにも確実に確保していかなければならないことと考えております。  そこで、お伺いをいたしますけれども、このような事故は二度と起きてはならないわけでありますから、徹底的な事故原因の究明と再発防止策を講ずるべきと考えますが、国土交通省考え方をお伺いしたいと思います。
  15. 関口幸一

    政府参考人関口幸一君) ただいま委員指摘のとおり、三月二十三日、朝の六時四十八分でございますけれども成田空港におきましてフェデラルエクスプレス航空八〇便がA滑走路着陸いたしました際、横転し炎上するという事故が発生いたしました。その際、乗務員二名が亡くなったということでございます。  現在、事故原因を究明するため、運輸安全委員会航空事故調査官を現地に派遣いたしまして必要な調査を行っているというふうに承知をしております。私ども航空局といたしましても、フェデラルエクスプレス社に対しまして、この運輸安全委員会による調査に十分な協力をするように要請をいたしまして、また安全確保に真摯に取り組むよう指導をしておるところでございます。  いずれにいたしましても、航空安全運航は何にも増して最大の重要な課題でございまして、今委員がおっしゃいましたように、運輸安全委員会によります原因調査進展も踏まえながら、私どもといたしましても必要な措置を講じて安全の確保に努めてまいりたいと、万全を期してまいりたいと考えております。
  16. 加賀谷健

    加賀谷健君 もう少しその原因が、確かに分からないということ、突風が吹いたということも言われているわけでありますけれども、御承知のとおり、あれは内陸の真ん中にありまして、周囲に住宅から何からいっぱいあるわけですよ。だから、その辺をもう少し考えていただいて、この悲惨な、たまたま空港内に着陸時でバウンドしてああいう火災が発生をしたということでありますけれども、もっともっとやっぱり地域皆さんに安心、安全を確保するということを考えたら早急な原因調査等が必要だろうと思うんですね。  その辺で、この原因、今のところどういうふうに推測されるのか、分かりましたら教えてください。
  17. 関口幸一

    政府参考人関口幸一君) この事故原因につきましては、今委員が御指摘のとおり、当日の風の影響、特にウインドシアと言われるものの影響などが言われておりますけれども、私どもとしまして、現時点でこの原因を確定することはまだ困難でございまして、調査委員会調査を待つということになろうかと思います。  ただ、いずれにいたしましても、そういった空港周辺気象状況の周知あるいは管制での情報提供といったような必要な安全のための手配というものは十分やっていかなきゃいけませんので、これについては十分な配慮をするように努めてまいりたいと考えております。
  18. 加賀谷健

    加賀谷健君 原因ウインドシアという風、突風だろうと思うんですけれども、この部分は今の段階ではこれは予測はできないというふうに聞いているんですけれども、その辺はどうなんですか。
  19. 関口幸一

    政府参考人関口幸一君) 確かに、今おっしゃいましたウインドシア、あるいは風の変化といいますか、そういったことについてはなかなか予測が難しい面がございますけれども、当日も管制官は、風が非常に強いという状況、おおむね向かい風であったわけですけれども、その状況、またウインドシアというものが発生しているということは前に着陸したパイロットからの報告もございましたので、そういったことについてはこのフェデラルエクスプレスパイロットに対しても情報提供していたというような事実もございますけれども、いずれにしましても、やはりそういった状況をきちんと情報提供していくということが私どもの務めだと思っておりますので、その点については今後も十分配慮してまいりたいと思っております。
  20. 加賀谷健

    加賀谷健君 これで最後にしますけれども先ほども申し上げましたように、本当に内陸空港で近辺に多くの人たちが住んでいるということを考えれば、いかに突発性な風であろうと予測し難いということではこれはとても近隣に住んでいる人たちは安心できないわけでありますから、そういうものの状況が判断されたときにどういう措置をとるのかということをもっとちゃんと明確にして管制に当たらなければ、私は、こういうことというのは自然現象ですから起こり得るわけですから、その回避策というのを是非とも検討していただいて、今後二度と、避けられることをしなければならないと思いますので、こういう状況にならないような手段を検討していただきたい、このことを強く申し上げまして私の質疑を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  21. 山下芳生

    山下芳生君 日本共産党山下芳生です。  まず、国土交通省伺います。  成田空港では二月二十日、アメリカ・ノースウエスト機乱気流事故、そして三月二十三日、アメリカ・フェデックス貨物機着陸事故等死傷者が出る事故が続いております。特にフェデックス貨物機は、開港以来初めて死亡者が出る航空機事故となってしまいました。二つの事故の概要について説明いただけますか。
  22. 前田隆平

    政府参考人前田隆平君) お答え申し上げます。  まず、二月二十日に発生しましたノースウエスト航空二便の事故でございますが、二月の二十日午前十一時四十五分ごろ、千葉県沖においてこの飛行機が乱気流に遭遇いたしまして、四十五名の乗員乗客が負傷するというものでございました。今四十五名と申し上げましたが、うち四名が重傷でございました。  それから、三月二十三日に発生しましたフェデラルエクスプレス航空八〇便の事故でございますが、これは三月二十三日六時四十八分、この航空機成田空港A滑走路着陸した際に横転し炎上すると、こういうものでございました。二名の乗員の方が亡くなられまして、お悔やみを申し上げたいと思います。  これらの事故につきまして、今後、運輸安全委員会による原因調査進展も踏まえながら、私ども航空局としましても必要な措置を講じて航空安全の確保に努めてまいりたいと、かように考えております。
  23. 山下芳生

    山下芳生君 引き続き国交省伺いますけれども成田空港ではこうした航空機事故に対する備えはどうなっていますでしょうか。
  24. 前田隆平

    政府参考人前田隆平君) 航空機事故に対する備えでございますが、成田空港の消火救難体制としましては、総計百四名の専用スタッフが交代勤務によりまして二十四時間体制で、空港内に三か所の消防署ございますが、ここに常駐しております。それから装備でございますが、化学消防車、それから救急車両など、三か所に計十六台配備しております。  今回のような航空機事故などの緊急事態によって傷病者が発生した場合でございますが、空港内の消防署から成田市の消防本部などに速やかに連絡されることになっておりますし、それから、成田空港会社の方では空港周辺自治体消防機関、あるいは医師会などと協定を締結しておりまして、相互に協力し合いながら適切な医療救急活動を実施できる体制を整えているところでございます。
  25. 山下芳生

    山下芳生君 続いて厚生労働省に伺いますけれども航空機事故など、成田空港の緊急時の医療体制について、例えば病院の受入先の確保など、特別な体制を取られているんでしょうか。
  26. 金子善次郎

    大臣政務官金子善次郎君) 成田航空機災害につきましては、航空機炎上等によりまして多数の死傷者が発生したというような場合に備えまして、御案内かと存じますが、災害対策基本法によりまして、千葉県におきまして航空機災害対策計画というものを策定しているところでございます。地域の医療機関と協力して、被災者に対する医療を行う体制を整えているところでございます。  具体的に申し上げますと、千葉県医師会あるいは地元医師会等の協力の下に、被災者に対しまして現場で応急措置を行う災害派遣医療チーム、通常DMATと呼んでおりますが、これらの救護班を派遣する体制、また、あらかじめ指定しております三十一の医療機関にお願いしまして、応急措置後の被災者を受け入れる体制が確保されているものと承知をいたしているところでございます。  厚生労働省といたしましても、災害対策基本法体系の下に、災害時の医療提供の中心となる災害拠点病院の整備、また、先ほど申し上げましたDMATの養成あるいは質の向上を図って、この問題に、対応に努めているところでございます。
  27. 山下芳生

    山下芳生君 続いて消防庁に伺いますけれども、自治体消防、救急搬送の方は成田の周辺について特別な体制を取っているんでしょうか。それからまた、今回の事故での対応はどうだったんでしょうか。
  28. 岡本保

    政府参考人(岡本保君) お答えいたします。  成田市消防本部ほか周辺の八消防機関と成田国際空港株式会社は、今お答えございますように、成田空港とその周辺におきます航空機に関する災害に備えまして相互応援協定というのを締結をいたしております。また、緊急事態におきます消火活動等を迅速、的確に実施いたしますために、航空機事故を想定した訓練や、あるいは燃料貯蔵施設もございますので、これに係ります各種の訓練を毎年実施をいたしております。  例えば、具体的に成田市が空港を抱えているということによりまして救急や消防力の装備としてどういうものをプラス的に抱えているかということを定量的になかなか示すことは難しいわけでございますが、例えば、成田市には化学消防車は四台ございますが、成田市人口十三万弱でございますが、この規模の市では大体化学消防車は平均的に言えば一台、それから救急車は成田市大体九台現在抱えておりますが、全国平均的に言えば四、五台といったような状況でございます。  また、具体的に、二月二十日に発生いたしましたノースウエスト機の乱気流事故では、協定に基づきまして、空港消防の消防車両以外に市町村消防から十七台、空港消防と合わせまして二十四台が出動いたしまして、四十三名の負傷の方々の医療機関への搬送を行いました。  また、三月二十三日に発生いたしました貨物航空機の墜落火災におきましては、市町村消防から三十三台が出動いたしまして、空港消防の十五台と合わせまして四十八台で消火活動等を行ったというところでございます。
  29. 山下芳生

    山下芳生君 今お話があったように、消防にしても救急にしても、それから医療の体制にしても、成田空港の周辺自治体というのは空港を抱えるということでほかの地域にはない特別な体制をやっぱり取られていると思います。  実際に私は、事故の後、成田財特法関係の各消防本部、五つありますけれども、直接いろいろ話を聞いてみました。そうしますと、ある消防本部の方こう言うんです。今回のフェデックス貨物機の墜落は空港内でよかったと。これ、空港外だったら該当する消防署が初期の消火に当たることになると。空港消防は立派な装備と人員体制だから短時間で消火できた面があるが、そうなるだろうかとちょっと御心配もされていたんですね。  特に、今回、フェデックス事故空港消防は泡消火剤を六千リットル使ったというふうに地域の消防署の方は言っておりましたけれども、しかし、地域の自治体の消防署には化学消防車はあるんだけれども、泡消火に使う消火剤の備蓄がかなり不足しているんじゃないかと。どこの消防署でも、搭載しているものも合わせて、それから備蓄も合わせて千か二千リットルしかないと。こういうことで、今回空港内でよかった面があるんじゃないかと、こうおっしゃっていました。  それから、消防士の数、消防車の数など人員と車両の充足率について、これも成田財特法関係の各消防本部に聞いたんですけれども、車両充足率一〇〇%、人員充足率八七%という高いところもありましたけれども、車両も人員も七〇%だとか、車両は八割台だけれども人員は六二%だとか、車両は九割台だけれども人員は六割台というふうに、十分な装備、人員体制がなかなか確保され切っていないという面も伺いました。  これは是非成田財特法というのは三十年前にできたものでありまして、自治体のニーズも道路や下水道ばかりではないと、むしろこういう緊急時に対応するための自治体としての役割を大いに果たしていただいているわけで、泡消火剤というのはこの成田財特法でかさ上げされる消防施設強化促進法の第三条には入っていないんですね、消防ポンプ車とか火災報知機は入っていますけれども。しかし、実際はこういうものが今回の事故でもやはり周辺自治体にも必要になるということも明らかになってきたわけですから、成田財特法の対象いかんにかかわらず、これは国としても支援していく必要があるんではないかなと私は思いましたけれども総務大臣の見解を伺いたいと思います。
  30. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) おっしゃっていることの意味はよく分かりますので。「クライマーズ・ハイ」というJAL一二三便の事故を扱った小説があり、映画化、テレビドラマ化もされまして私も見ましたけれども、これは事故原因調査等も大変すさまじい勢いでやったんだと思います。  今回の事故は、たまたま亡くなられた方がお二人だったということでありますけれども、これが大型の旅客機であったらどうであったかと、あるいは、今委員おっしゃいましたけれども滑走路以外のところに墜落するようなことがあったらどうであったかということを考えると、それは空港というものの持つ特殊性に空恐ろしいものを感じるわけでございますから、それに対してできるだけの万全の備えをしていくということは必要だと思っております。  したがって、成田財特法にはそういうような意味合いもあるんだと思います。特別の需要がいろいろ出てくるわけでありましょうから、現在成田財特法の対象外であっても、事故等を予測したくはありませんが、万が一ということを考えてそれに備えるという意味では、これはやはり特別な需要があるんだろうと、そういうふうに思いまして、まずはそれぞれの自治体の皆様方からよく意見や要望を承っていきたいと、こう考えております。
  31. 山下芳生

    山下芳生君 しっかり調整をいただきたいと思いますが、最後に、直接総務省と所管が違うかもしれませんが、今回の事故死傷者の搬送先ともなりました成田赤十字病院は、非常に大事な役割を果たしていただいているんですが、新聞報道によりますと、内科医三十四人のうち十一人が三月末で退職されると、救急や夜間救急がピンチになっているという報道もありました。これは非常に成田事故対応という点でもゆゆしき問題だと思いますので、厚生労働省とも連携を取っていただいて、是非こういう問題も万全を期していただきたいというふうに思います。  終わります。
  32. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手をお願いをいたします。    〔賛成者挙手〕
  33. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時四十三分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  35. 内藤正光

    委員長内藤正光君) ただいまから総務委員会を再開いたします  委員異動について御報告いたします。  本日、主濱了君が委員辞任され、その補欠として平田健二君が選任されました。     ─────────────
  36. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省情報流通行政局長山川鉄郎君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  38. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本放送協会会長福地茂雄君外八名を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  40. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。鳩山総務大臣
  41. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) 日本放送協会平成二十一年度の収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、総務大臣意見を付して国会に提出するものであります。  まず、収支予算について、その概要を御説明申し上げます。  一般勘定事業収支につきましては、事業収入が六千六百九十九億円、事業支出が六千七百二十八億円となっており、事業収支における不足二十九億円につきましては、財政安定のための繰越金の一部をもって充てることとしております。  一般勘定資本収支につきましては、資本収入が九百十七億円、資本支出が八百八十八億円となっております。この資本支出において、地上デジタル放送設備の整備など建設費八百二億円を計上しております。  次に、事業計画につきまして、多様で質の高いコンテンツの提供、受信料の公平負担の徹底、円滑な完全デジタル化に向けた取組等が盛り込まれております。  資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てたものであります。  これに付する総務大臣意見といたしましては、これらの収支予算等について着実に遂行すべきものと認めた上で、収支予算等の実施に当たって、一、組織一体となって改革の実現に全力で取り組むこと、二、未収対策業務の強化等の各種施策を推進し、受信料の公平負担の徹底に向けて全力で取り組むこと、三、平成二十三年七月のデジタル放送への完全移行に向けた対応に万全を期すため、中継局整備等を可能な限り前倒しして取り組むとともに、デジタル化により電波が届かなくなる地域への対策等の受信環境の整備に関して、公共放送としての役割を十二分に果たすことなどの点に特に配慮すべきであるとしております。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。  ありがとうございました。
  42. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。福地日本放送協会会長。
  43. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) ただいま議題となっております日本放送協会平成二十一年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、御説明申し上げます。  平成二十一年度は、三か年経営計画の初年度として、放送をめぐる環境が激変する本格的なデジタル時代に向け、諸計画を達成するための取組を確実に進める重要な年度であると考えております。  事業運営の基本となる放送においては、放送の自主自律を堅持し、正確で公平公正な放送に努め、信頼できる情報や多様で質の高いコンテンツを積極的に提供してまいります。また、日本や地球規模の課題に取り組む番組や地域放送の充実等に力を注ぐとともに、国際放送による海外への情報発信の強化に努めてまいります。  あわせて、組織の改革に全力を傾注し、視聴者からの信頼を高めるとともに、構造改革を推し進め、取材、制作の体制を強化し、効果的かつ効率的な業務運営を行ってまいります。  協会の主たる財源である受信料につきましては、公平負担に向けた取組を強化し、公共放送を支える受信料制度への理解を促進するとともに、一層効率的な契約収納活動を推進してまいります。  円滑な完全デジタル化に向けて、デジタルテレビジョン放送の普及に努めるとともに、本格的なデジタル時代の新たなサービスの開発、充実を図ってまいります。  次に、建設計画におきましては、平成二十三年の地上デジタルテレビジョン放送への完全移行に向け、放送設備の整備などを計画的に実施いたします。  以上の事業計画に対応する収支予算につきましては、一般勘定の事業収支におきまして、受信料などの収入六千六百九十九億五千万円、国内放送費などの支出六千七百二十八億六千万円を計上しており、事業収支における不足二十九億円につきましては、繰越金の一部をもって充てることといたしております。  また、資本収支につきましては、支出において建設費など総額八百八十八億六千万円を計上し、収入には、それに必要な財源及び事業収支の不足を補てんするための財源として、前期繰越金、減価償却資金など総額九百十七億六千万円を計上しております。  最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものであります。  以上、平成二十一年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、そのあらましを申し述べましたが、今後の事業運営に当たりましては、協会の改革に向けたこれらの施策を一つ一つ誠実かつ着実に実行し、視聴者の期待にこたえていく所存でございます。  委員各位の御理解と御支援お願いし、あわせて、何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願いを申し上げます。
  44. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  45. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 国民新党の長谷川憲正でございます。今日は、民主党・新緑風会・国民新・日本、会派の一番バッターとして質問をさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  私は、NHKに対しましては、自分で言うのもおかしいんですけれども、応援者のつもりでおります。ラジオ放送が始まりまして今年は八十五年目でありますし、テレビが始まりまして五十七年目、長いとも言えるし短いとも言えるのかもしれませんが、日本の近代化、発展の歴史の中でNHKの果たしてきた役割というのは私は非常に大きいものがあるということで、高く評価をしております。そして、今インターネット時代になりましたけれども、そういう中でも放送に対する国民の皆さんの期待というのは非常に大きいものがあるというふうに思っておりまして、ますます頑張っていただかなきゃいけないと、心底そう思っております。  そういう中で、今日は一つ最初に苦言を呈しなければなりません。それは、三月二十四日のニュース報道の件でございます。  これはもう皆さん御存じのとおりに、小沢民主党代表の秘書が起訴されたわけでございますが、その晩、小沢代表が続投の会見を行いました。その後の午前零時のNHKのニュースでございますが、こう言っておりました。民主党の小沢代表の秘書が東京地検特捜部の調べに対し、西松建設からの献金だと認識していたと、収支報告書へのうその記載を認める供述をしていることが関係者への取材で分かりました、こういう報道であったわけであります。  まず最初に会長にお尋ねをいたしますが、今私が申しましたことは事実と受け止めておられますでしょうか。
  46. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 報道いたしました内容につきましては、十分な取材に基づいて把握した事実に基づく報道であると承知をいたしております。  いずれにいたしましても、NHKといたしましては、今回に限りませず、常に十分な取材を尽くしまして、適切な表現で事実を伝えるという方針でニュースの報道に当たっております。
  47. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 私申し上げたのは、そういう中身のことを伺ったんではなくて、今私が申し上げたとおりの事実が、事実というのは報道をこういう形でしたという事実があったかどうかということですが、今のお答えで推測ができます。そのとおりだったんだろうというふうに思います。  そこで、中身についての御質問なんですけれども、私は、この報道の中での言い方、関係者への取材で分かりましたというふうにニュースは述べておられるようでありますけれども関係者というのは、要するに、その逮捕された秘書さんか、あるいはその弁護人、弁護士、若しくは検察側、特捜部、どちらかだと思うんです。  その後私は、私は民主党の人間ではございませんけれども、今会派が一緒でございますから民主党の会合にも出ていきます。そこでお聞きをしたところによりますと、この小沢代表の秘書さんがそういう供述をしているという事実はないというふうに弁護士さんが言っておられるということでありますから、そうすると、この事実というのは、東京地検特捜部、検察側から取材したということになるんだろうと思うんですね。  そこで、鳩山総務大臣にお聞きをいたします。前法務大臣でいらっしゃいますのでちょっとお聞きをいたしますが、特捜部というのは、検事側というのは、検察側というのは、捜査の途中でこういうことを発表したり、あるいはリークと言われておりますけれども、事実関係をいろいろ外に漏らしたり、そういうことはあるんでしょうか。
  48. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) 私の法務大臣を十一か月と少しやった経験から申し上げて、まず言えることは、一年間近くやっていて一番感じることは、法務大臣というのは、もちろん指揮権発動はしませんでしたが、検察に対して全く何の影響力も持っていないということを体験した、体感した一年であったということでございます。それは、やはり検察の独立というのがあると思います。それから、正確でないかもしれませんが、それぞれの検察官の独立ということも原則としてあるのではないかと、そう私は思う一年でありました。  そんな中で、こういうような事件はありませんでしたが、私のところに、今回こういう事件を捜査しておりまして、こんな状況でございますというようなことはもちろん検察からあるはずもありません。また、刑事局を通してもそういう報告を受けた経験は全くなかったと言っていいと思います。ですから、関係者という中からは法務大臣は除かれるんではないかなというのが実感です。
  49. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 それはもう法務大臣がそんなことを言われるはずはないわけでありまして、私もそんなことを言っているわけじゃないんです。  ただ、関係者から聞いたとなりますと、それはもう秘書さんの側か検察の側か、どっちかしか関係者はいないわけですから、秘書さんの側が否定しているとすれば検察側しかあり得ないんで、そういうことで、検察側のだれかがそういうことをいわゆるリーク、こっそりと報道記者に対して話すようなことがあり得るんだろうかという御質問をしたわけでありまして、私はそういうことはあり得ないと思っているわけです。私はもう日本の検察というものに対して全幅の信頼を置いております。そういうことはあり得ないし、あってはならない。  そうすると、一体だれから取材をしたのだということになるわけでありまして、今会長の御説明をお聞きしていますと、十分な取材をしたというふうに言っておられるんですけれども、だれかが言っているのを記者さんがたまたま聞いたということだとすると、取材の結果分かりました、関係者への取材で分かりましたというのは、余りに私は一方的な結論ではないのかなというふうに思うわけです。  繰り返して申しますが、私は民主党の人間じゃありません。ですから、わざわざ言っているわけです。政治の報道というのは、皆さんが正しいと思ったことをおやりになるのはそれで結構なんです。右の人から見れば左に見えるし、左の人から見れば右に見える、それが政治報道の常ですから、それはそれで私はいいと思うんですけれども、しかし、こういう選挙目前の微妙な時期の報道というのは慎重でなければいけないと。  すなわち、もしだれかがそういうことを言っているというのであれば、いわゆる裏を取るということで、秘書さんの側の意見も聞いてみたらどうだったんでしょうか。その結果、そっちも認めたというのであれば、分かりましたというのは正確だと思います。そうでないならば、違うということを言っていますということも平等に言わないと、やっぱり真実というものはなかなか見えてこない、これはやっぱり国民の皆さんがこの報道を聞かれたら、ああ、これはもう小沢さんの秘書がうんと悪いことをしたんだと。何だこれはひどいじゃないかというふうに理解をします。  それは一定の政治的効果を持つわけでありまして、私は公共放送の報道としては慎重を欠いたと言わざるを得ないのかなというのが感想でございますが、もう一度会長の御意見をお聞きしたいと思います。
  50. 日向英実

    参考人(日向英実君) 繰り返しになりますが、十分な取材に基づいて事実というふうに確信してお伝えしているものです。取材源については、大変申し訳ありませんが、報道倫理に照らしてお答えは御容赦いただきたいと思います。
  51. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 御担当としてはそういう答弁にならざるを得ないんだろうというふうに思いますが、しかしそれで納得するわけにはいかないというふうに思います。  これは事実関係でございますから、いずれ明らかになります。検察側は供述調書を取っておられるはずですから、これを見ているんだったら正確な報道だと私は思いますが、とてもそれは見ているはずがないわけでありまして、いずれ裁判のときに供述調書出てまいります。そうすると、この報道が正確だったかそうでないかということが分かってくるわけでありまして、そのときにはNHKはどういうふうに責任をお取りになるんでしょうか。会長、お願いいたします。
  52. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 常々、NHKの報道につきましては迅速で正確、公平公正はもちろんですが、正確ということをモットーにしておりますし、主義にしております。それにのっとって態度を決めることになろうかと思います。
  53. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 是非、今度の問題というのは非常に私は問題の報道であったというふうに思うものですから、あえて苦言を呈した次第でございます。政治的な問題、絡まる問題は慎重の上にも慎重を期して今後対応していただきたいというふうに思います。  今日は私に与えられた時間が短いものですから、この件に関しましては以上にとどめておきたいと思います。  次に、お伺いをしたいことがあります。それは、組織風土改革というふうにNHKが今言っておられることでございます。  ここ数年間に、残念ながら不祥事がいろいろ起きまして、昨年もインサイダー取引というようなことが発覚をしまして、随分世論の指弾を受けたわけであります。一生懸命頑張っていても不祥事というのは、どこの組織でもそうですが、あり得ることです。ですから、私はNHKだけが非常におかしな組織であるというようなことを言うつもりはありませんけれども、しかし、受信料で成り立つ公共放送としてはいつも身ぎれいでなきゃいかぬ、そのための努力を精いっぱいやらなきゃいかぬということでございますので、会長以下皆さん方がまさにそういう組織風土を目指して改革をやっておられるというのは非常に結構なことだと思います。  現在のところのお取組状況と、今後に向けての会長の決意をお伺いしたいと思います。
  54. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 昨年一月二十五日に会長に就任いたしまして、就任いたします前から、NHKの組織風土の中では縦軸の組織が強い、これは当然のことです。仕事をやっていく上で縦軸の組織が弱かったら仕事になりません。しかし、横のコミュニケーションが全くなされていないところが問題だということをよく聞いておりました。  したがいまして、まず最初にやりましたのは、まずはトップから、まずはガバナンスからということで、役員の個室を全部廃止をいたしまして、まずは役員同士が横のコミュニケーションを良くするということからやりました。その次にやりましたのは、五月から六月にかけての幹部の異動のときに、部局を超えた異動というのを意識的に強化してやりました。その次にやりましたのは、部局を超えた全国からの若者のプロジェクトを、組織横断的なプロジェクトをつくりまして、その中で組織風土改革についての提案を彼らに求めました。その中から、彼らから、若手から出てきましたのがキャリアの複線化ということで、管理職になるまでに二つの仕事に通暁するようになろうということでございまして、要するに、コミュニケーションが大事でございますので、私としましては去年の四月から毎月月初に全職員に会長の声でいろんな問題を投げかけております。今までもやってまいりましたけれども、これからもそういったことを心掛けてまいりたいと、かように思っております。
  55. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 是非取組が大きな効果を上げることを期待をしております。  次に、予算そのもののことにつきましてお尋ねを申し上げたいと思いますが、今回の一連の資料を拝見をしていて非常に目立つものがございます。それは平成二十四年度から受信料の一〇%を還元すると、こういう方針が示されたことであります。これについては簡単なことではないと思うんですね。非常に結構なことですよ。それは受信料が安くなるんであれば国民みんなが喜ぶことでありますから大いに結構なことでありますが、一〇%というものを今約束をして、しかもこれだけ景気が低迷をしている中でのお取組ですから、これは容易なことではないというふうに大変私どもの立場からも心配をしているわけでございますが、掲げた以上は是非やっていただきたいというふうに思うわけであります。  これはもちろん、執行部であります会長以下、皆さんが懸命にお取り組みになって、特に受信料のいわゆる徴収率、今までテレビを見ながら受信料を払っていただけなかった方にもしっかりと払っていただくというお取組をやっておられて、それが年々成果を上げておられるということも承知をしておりますが、これから先、この難関を乗り越えていく上で私は是非お聞きをしておきたいと思うわけです。  これは、会長には今お話を伺いましたので、小丸経営委員長にお伺いをしたいと思いますが、特に今回は経営委員会の中の議論でこの一〇%還元という部分が追加をされたというふうにお聞きをしているわけでありまして、単に経営陣の責任だけでなくて、これはもう経営委員会としても大いに責任を担うことになるわけでございますので、委員長の決意のほどをお伺いしたいと思います。
  56. 小丸成洋

    参考人(小丸成洋君) 皆さんこんにちは。経営委員長の小丸でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  NHKは受信料収入によって運営されており、効率的な経営が行われなければなりません。そのためには明確な目標が必要であると考えました。また、合理的な経営を通じて還元の幅、時期をはっきりと示すことが視聴者の皆様への義務と考え、三か年計画に平成二十四年度以降の受信料一〇%還元を明記をいたしました。三か年計画にあるように、放送の更なる充実を図るため、放送現場の経営資源をシフトするなどの構造改革や、報道地域放送などへの重点配分などにより、総支出を抑制するとともに、受信料収入を目標どおり達成することにより一〇%還元は可能であると考えております。  経済情勢が厳しい状況ではありますが、特に公平負担の徹底という観点からも、収納目標は必ず達成するべきものと考えており、そのためにも執行部と連携、協力していく所存でございます。よろしくお願いいたします。
  57. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 どうもありがとうございました。  これはまさにおっしゃるように、国民が公平に負担をするという本来の趣旨からして非常に結構なお取組だというふうに思いますので、是非これも頑張って成果を上げていただきたいと思う次第でございます。  時間が短くなってまいりましたけれども大臣に一つお伺いをさせていただきます。  平成二十三年の七月に、アナログ放送、今行われているアナログの技術による放送は打切りになりまして完全にデジタル化されるということになっております。そうしますと、放送局の方の対応は万全かと思いますけれども、テレビを実際に御覧になる視聴者の皆さん、これは今までのアナログだけしか映らないようなテレビでは今度は見れないわけですから、新たな受像機をお買いになるか、あるいはチューナーという機械を取り付けてデジタルの放送も見えるようにするとか、いろんな対策をしなければならないわけであります。  これは電波の有効利用という点からすればデジタルの技術になるというのは当然のことだというふうに私は思いますけれども、国民に要らざる負担を掛けてはいけないという観点からして、これはNHKのお取組のみならず、これは政府としての取組がとても重要だというふうに思っておりまして、大臣にその辺の、要するに対策として十分な手抜かりのないことが組まれているのかどうか、自信のほどはいかがか、そこをお伺いしたいと思います。
  58. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) 地デジはオールジャパンで取り組んでいくところでございますから、例えば民放にも恐らく一兆円というような御負担を掛けることになるんだろうかなと、こういうふうに思います。ですが、長谷川先生指摘のとおり、これ国策として決めて再来年の七月二十四日までにアナログを停波するわけでございますから、そういった意味では国が最終責任はすべて取らなければならないと、そう思っております。  実際、世帯のデジタル受像機の、受信機というんでしょうか、普及率が計画よりちょっとまだ下回っておりますが、デジサポ等も五十一か所設けまして全力でやっていって、絶対にこの目標期限延長することなくこれを果たし終えたいと、こういう決意でございます。最後には山間地域等で衛星のセーフティーネットに頼るところがごくわずか残るかとは思いますが、デジタル波で見れないということ、そういう世帯が一軒もないように全力を尽くす覚悟でございます。
  59. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 ありがとうございました。  これは大事なことでございますので、国民の皆さんに迷惑の掛からないような今後ともお取組お願いしたいと思います。  時間になってしまいました。私は本当は大震災対策などもお聞きをしたかったわけでございますが、後の人に譲りたいと思います。  これで終わります。ありがとうございます。
  60. 加賀谷健

    加賀谷健君 民主党加賀谷でございます。  今日は少し盛りだくさんに質問を用意し過ぎましたので、前段の部分は少し飛ばさせていただきたいと思います。  まず最初に、先日の総務委員会でもちょっと私、皆さんにB—CASカードの話をさせていただきましたけれども、NHKの関連団体というか、子会社ではないでしょうけれども、資本が入っているという会社のこのB—CAS社、ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ、この会社の関係について少しお伺いをしていきたいと思います。  この会社とNHKとの関係についてちょっと教えていただけますか。
  61. 溝口明秀

    参考人(溝口明秀君) お答えいたします。  NHKではBSデジタル放送の受信を視聴者の皆さんに確認していただくというメッセージを出しておりますけれども、このためが一つ。それからもう一つは、地上、BSデジタル放送両方にかかわることですけれども、著作権保護のためと。このためにB—CAS社と契約をいたしましてB—CASカードの利用をしていると、こういう関係がございます。  それから、NHKはこういったB—CASのカードをこうした目的のために利用するということがございますので、B—CAS社設立に当たりまして、民放、メーカー数社と共同で出資をしております。発行済株式の一八・四%、これを保有しておりまして、筆頭株主ともなっております。それからまた、代表取締役社長としてNHKOBを送っていると、こういう関係もございます。
  62. 加賀谷健

    加賀谷健君 ありがとうございます。  今答弁がありましたように、一八・四%の株を持っている、そして代表取締役社長を送っているということでございますから、まさに大変密接な関係にある会社でございますので、少しこの中身についてNHKの答えをいただきたい。  今お話にありましたように、受信確認メッセージを送る、あるいは放送のコンテンツ、コピーワンスとかあるいはダビング10というそういう仕事をさせる、あるいはB—CASカードの管理運営をするんだということでございますけれども、この中で、私は、受信確認メッセージを送るというのがNHKとしてはかなり大きなウエートを占めて、この会社に筆頭株主という立場で参画をしているのではないかと思うんですけれども、もう少しこの辺の経緯について御説明いただけますか。
  63. 溝口明秀

    参考人(溝口明秀君) まさしくそのとおりでございます。若干、B—CASの設立の経緯、それから、NHKがなぜ筆頭株主になっているかということについて御説明申し上げます。  まず、B—CAS社を設立した経緯からの御説明をさせていただきますが、ちょうど二〇〇〇年にBSデジタル放送の開始ということを控えておりました。NHK、民放各局、受信機器メーカー、関係各社で、近く迫ったBSデジタル放送のあるべき機能はどうしたものがふさわしいかという検討を行っておりました。その当時、民放各局にとっては、将来、有料放送をするかもしれないということもございました。そういった意味でも、こういったものを具体的に実現できるのは恐らくこのCAS方式しかないだろうという結論になっておりました。  ちなみに、このときアナログ放送が開始されておりましたけれども、アナログ放送の場合ですと、一つ一つの放送事業者が自分たちのチャンネルを見ていただくためには、別々に専用の受信端末を視聴者に配っておったと、そういうことがございました。ただ、放送波がデジタル化されるということもあって、多チャンネル化の動きもありましたので、例えば視聴者の側に立って考えたときに、それぞれ別々の受信端末を御家庭に置くのかと、それは余りにも利便性に欠けるだろうと、また放送事業者の方も、効率的にこういったものを実施するためにはどういう形がいいかということで、結果としてこのB—CAS方式ということになったわけです。  それから、NHK固有の問題としては、先ほど申し上げましたとおり、受信確認メッセージと、こういうこともございました。それで、あとは、こういった経緯を踏まえたときに、NHKが新しい会社を設立した場合にどういう立場に立つかということでございますが、結果として、平成十二年の二月にB—CAS社はできておりますけれども、この出資に当たっては、例えば有料放送を行っている事業者の方々はごく一部のユーザーのためにカードを利用するということでございますけれども、NHKは、受信確認メッセージということですから、視聴者のすべてにこのカードを利用してもらうということから、結果としてNHKが一番このカードを使うことになるということから、協議の末、NHKが筆頭株主になるということになった経緯がございます。
  64. 加賀谷健

    加賀谷健君 そういうことで、NHKのこの「いつでも、どこでも、もっと身近にNHK」、経営計画の中に、受信料の支払率を三年後に七五%、五年後に八〇%を目指すと、こういうことに、大変これは難しい数字だろうと思うんです。そしてまた、この中に衛星デジタル放送の受信確認メッセージの活用強化という文言も入っている。  考えようによっては、この受信確認メッセージ、大変今、BSを見た人は分かると思いますけれども、NHKに出てくるんですね。これ外すのは大変なんですけれども、これをこの地デジにも入れるのではないか。これをやればかなり受信料の率は上がると思いますけれども、こういうことというのは一切考えていないというふうに理解してよろしいですか。
  65. 金田新

    参考人(金田新君) 先生指摘の受信料の公平負担という観点から、それをどのように実現していくかということであらゆる方策を検討しているところでございます。  その中でB—CASカードを使って地上デジタル放送でメッセージを受信するということになりますと、新たなカードの利用料とか、あるいは特にコールセンター関係の対応の費用、いろいろコストが追加に掛かります。そういう意味で、その辺のバランスをよく見極めて考えていく必要があるかと、そのように理解しております。
  66. 加賀谷健

    加賀谷健君 今の衛星放送だけでも大変な、コールセンター、カスタマーセンターにいろんな話が入っていると思いますけれども、そういうことでいうと、今既存の地デジに掛けるということは大変難しいということで私も思っております。  次に、B—CAS社の経営の関係で少しお伺いをしたいと思います。  今、回答がありましたように、受信確認メッセージを出すというようなこともあって、NHKが最大の株主でありますけれども、実は十九億とか十八億とか二十億円程度NHKが負担をしているわけですけれども、今年度の売上げ、九十八億、それに対して費用が九十九億程度掛かって、決算見通しでは九千万円の赤字が出ると、こんなふうに私は説明を受けました。  過去三年間では毎年四から六億くらいの利益を計上していた会社ですけれども、今年度なぜ赤字に転落をしていくのか、簡単に教えていただければ有り難いんですが。
  67. 溝口明秀

    参考人(溝口明秀君) では、今年度赤字になる見込みだということの御説明をいたします。  B—CAS社は元々、我々放送事業者にとって、言ってみればコストセンターという意味合いを持った会社でございます。毎年利益が上がればそれを放送事業者の負担の軽減のために使っていくという経営の方針を取っております。  ただ、今年度につきましては、当然、我々放送局、ユーザーに対して負担軽減をしますということでありましたけれども、彼らが経営努力でやる経費削減計画、これが結果として実現できなかったということで九千万円の赤字ということになってございます。ただ、今現在、利益剰余金が六億円ほどございますので、この中から相殺をするというふうに聞いております。  いずれにしましても、財務状況をきちっと公開するということは会社として当然のことでありますから、我々NHK始め株主としてもこれから先経営情報の公開ということをきちっとやるように指導をしていきたいというふうに思っております。
  68. 加賀谷健

    加賀谷健君 ありがとうございます。  今の話のように、いろんなところにこのB—CAS社の問題というのは、ホームページを含めて出ておりまして、NHKのある関係者の話ということで、私が見たところには、国民の皆さんにうさんくさい会社という印象を与えてしまったという発言があったというような話も出ておりまして、これは、なぜそんなことが出るのかというと、今の説明にあったように、なかなかその経理の内容が不透明なんですね。多分十二名程度の従業員の会社で百億売っているという、これは大変にすばらしい私は会社だろうと思うんですけれども、なぜそういう中で赤字になっていくのかという、そこいらのところが非常に不明朗だと。  さらには、この関連会社その他をなかなか見付けようにも分からないというようなシステムというか、公表されていない。ですから、そういううわさが出て、不透明だとかいろいろなことが言われるのではないかと思うんですね。  今の答弁のように、明らかにしていくということですから、是非取引関係の会社の一覧表というものを御提示をいただければと思うんですが、いかがでしょうか。
  69. 溝口明秀

    参考人(溝口明秀君) B—CAS自体の取引会社、例えばメーカーとかございますけれども、この取引会社の一覧をちょっと出せない事情がございます。というのが、このCASカードにいろいろ書かれております機密のデータ、これを社名を明かすことで、実はこのシステムそのものが例えば破られてしまうとか危機に通ずるということがございます。  ただ、いずれにしても、B—CASが契約している会社についてはきちっとした会社でありますので、この会社の一覧をお出しすることはできませんけれども先ほど委員から御質問のあったように、経営情報をとにかくガラス張りにしていくということについてはこれからも心掛けていきたいというふうに思っております。
  70. 加賀谷健

    加賀谷健君 是非、せっかく、NHKが関与しているわけですから、だれが見ても分かるようなそういう公開をしていただきたいと思います。  総務省、大臣ちょっとお伺いしたいんですけれども、今B—CASカードというのは六千三百万枚という膨大な数が出ていて、将来これは二億枚を超えていくということになるわけでありまして、まさにこのB—CASカードによって、電波を使っていろんなことをやっているわけですけれども、特に著作権の問題でありますとか、先ほど言った受信確認メッセージでありますとか、そういうことを考えていきますと、これを本当に今のような株式会社に任せていていいのかというのは私は大いに疑問に思うんですけれども総務省としての考え、教えていただけますか。
  71. 戸塚誠

    政府参考人(戸塚誠君) お答えいたします。  いわゆるB—CAS方式の在り方につきましては様々な御指摘があるところでございます。総務省といたしましても、情報通信審議会におきまして、地上デジタル放送に関しますコンテンツ保護方式の担保手段の在り方につきまして、消費者や権利者などの参加を得たオープンな形での議論を行っているところでございます。この問題は消費者にとっても大きな影響があるところでございますので、消費者の利便性ということとコンテンツ保護のバランスを取るという、そういう方向性で今夏までに一定の結論をいただけるものと考えております。  以上でございます。
  72. 加賀谷健

    加賀谷健君 やはり公共の電波ということですから、是非分かるようにしていただきたい。私はやっぱり、そういう意味では公益法人みたいなところでやっていく方がこういう問題はよいのではないかなと、こんなふうに思います。  最後に、公正取引委員会にちょっとお伺いしますけれども、これも前回ちょっと質問させていただいた部分とはちょっと違う観点で。  今話してきました受信確認メッセージというのは、これはB—CASカードで出るだけで表示をしているわけではないんですね。実はメーカーが受信機にそういうことを仕掛けているわけですね。わざわざ手間と時間を掛けて表示するようにしてあるんです。受信機によって表示ができているはずなんです。ですから、これは放送側の意向だけで勝手に画面に出るものではないんです。  受信機はこのメッセージを表示する機能を搭載しなければならないなんという法律はないそうであります。しかし、B—CAS社がB—CASカード支給と引換えに受信確認メッセージの表示をメーカーに義務付けている。こういうこと、これは間違いないと思いますけれども、それで放送に実は暗号化して、スクランブルを掛けて、B—CASカードがないとテレビが受信できないような仕組みを作って、受信できるようにするためにはNHKの受信確認メッセージ表示機能を受信機には必ず搭載しなければならないという、こういうことになっているんですけれども、これは独占禁止法で禁止をしている拘束条件付取引にほかならないと思うんですけれども、公取委の見解をお聞かせいただきます。
  73. 山本和史

    政府参考人(山本和史君) お答え申し上げます。  個別事案につきましてはお答えを差し控えさせていただきますけれども、一般論として申し上げれば、放送事業者が番組に係ります権利保護のために特定の暗号化技術というものを用いることによりまして受信機のメーカーにおいてその技術に対応した受信機を製造するという必要が生ずるということ、それ自体は直ちに独占禁止法上問題とすることは困難でございます。ただ、今先生指摘のとおり、例えばそのカードを供給する会社が競争業者の新規参入を阻害するといったような行為を行う場合には独占禁止法上の問題を生ずることとなるものでございます。
  74. 加賀谷健

    加賀谷健君 私が言ったのは、それを付けないとそういう、受信機の中にその装置を入れないとできないわけですよ。それをそのメーカーに拘束しているわけでしょう。義務化だと言っていいんだろうと思うんですけれども、この方であって、前回それは一社しかないというのはちょっと話を聞いていますけれども、でなくて、その拘束をしているという部分、この辺についての考え方をちょっと。
  75. 山本和史

    政府参考人(山本和史君) あくまで一般論としてお答えさせていただきますけれども先生指摘のとおり、独占禁止法は、不公正な取引方法の一つとして拘束条件付取引というものを禁止しているところでございます。ただ、これは取引先の事業活動を不当に拘束するという場合でございまして、例えば取引先の販売方法ですとか販売地域を拘束するということによって事業者間の公正な競争に問題が生じるという場合に問題となるものでございまして、今申し上げましたとおり、特定の暗号化技術を用いるということによって、受信機メーカーにおいてそういった一定の機能なりを付した受信機を製造する必要が生ずるということそれ自体が直ちに独占禁止法上問題とすることは困難でございます。
  76. 加賀谷健

    加賀谷健君 私は法律家、専門家じゃないんですけれども、また少し勉強してこれはやりたいと思いますけれども。  受信確認メッセージがもし出ないテレビが売られるんならそれはまさにそういうことになるんだろうと思いますけれど、今はどのテレビも、B—CASカードを入れただけでは出ないんですけれども、受像機にそういう装置が組み込まれているということですよ。だから、その受信確認メッセージの出ないデジタルテレビというのはないんですね。だから、そこのところを私は、それは拘束されているのではないかと、こう思うんですけれども、もう一度お願いします。
  77. 山本和史

    政府参考人(山本和史君) お答え申し上げます。  今申し上げましたとおり、拘束するような条件それ自体が問題ということではございませんで、それによってその競争にどういった影響を与えるかということが独占禁止法では問題となるわけでございまして、今先生指摘のとおり、放送事業者が番組に係る権利保護等のために暗号化技術なりそういった仕組みを、先生指摘のような仕組みをつくりまして、受信機メーカーにそれに対応した受信機を製造するという必要が生ずるということそれ自体が独占禁止法上直ちに問題とすることは困難でございます。
  78. 加賀谷健

    加賀谷健君 終わります。
  79. 武内則男

    ○武内則男君 民主党の武内則男です。  議題となりましたNHK予算について御質問をさせていただきたいというふうに思います。  私も社会人の時代はシビルエンジニアとして活動してまいりましたので、まず冒頭に、NHKの技術力についてお伺いをしたいというふうに思います。公共放送の豊かな番組や放送文化を支えているNHKの技術力、今後の使命について、是非忌憚のない御答弁と議論をしたいというふうに思うんですが。  昨年の四月六日、NHKのニュースで、ハイビジョンで動画撮影された地球の出というものを見ました。月面越しに大変青く美しい丸い地球が昇っていく映像が大変印象的であり、この撮影に成功した宇宙仕様のハイビジョンカメラを開発をしたのがNHKと聞きました。感動と同時に、この世界に誇るべき技術開発は、公共放送として電波の送受信から番組の制作まで放送にまつわる技術のすべてを持っているNHKだからこそできたものだというふうに私も感動を覚えたものであります。これがそのときの映像でありますが、地上デジタル放送の推進においてもNHKの技術力を大いにやっぱり発揮をしてもらわないといけないし、今後公共放送を支えるNHKの技術力の役割というのは今日大変大きくなっているというふうに考えます。  そこで、お伺いをいたしますが、放送と通信の融合時代を迎え、放送局の在り方についても様々議論がされているのは承知をしておりますが、放送局の技術部門を一部分離すべきとの声すら聞こえてまいります。放送法に定められた視聴者にあまねく豊かな放送を届ける公共放送としてNHKが保持すべき、そして今後発展させていくべき技術力とは一体何なのか、NHKと総務省にそれぞれお伺いをいたします。
  80. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 私は、NHKのこの放送技術というものを大変評価をしておりまして、今NHKの報道と優れた番組というのはこの放送技術に負うところが非常に多いというふうに思っております。  例えば、昨年イージス艦と第五清徳丸ですか、ぶつかって清徳丸が千八百メートルの漆黒の海底に沈んだときに、NHKが開発した超高感度カメラが千八百メートルの海底の模様を映し出しました。もう随分前の話ですが、函館空港の日航機のハイジャック事件のときのあの真っ暗な空港での飛行機を映し出したのもNHKの超高感度カメラと聞いております。  「ダーウィンが来た」という番組がありますが、あの中で水の上を走るトカゲの模様があります。あの画像処理は百万分の一秒だと私は聞きました。コツ、コツという間にあれだけのものが映し出せる技術というのは私は大変だと思っております。  そういったことだけじゃなくて、この少子高齢化の中で人に優しいという研究もいろいろやっておりますし、今、話速変換装置、アナウンサーがしゃべる速度をもっとゆっくりとしゃべらせるというふうな、そうすると番組の時間が合わないんですが、それは、アナウンサーは息継ぎをしますけれども話速変換装置は息継ぎをしないんでぴっちり合うんだということで聞きやすいんです。そういったことから、これは視覚障害、それから聴覚障害、それぞれに持っていらっしゃる方にそういった研究もしております。  そういったのは今の問題でございまして、これからの問題としては、立体テレビの研究でありますとか、今日もヨーロッパからいろいろ来ておりますが、ハイビジョンをはるかに上回るスーパーハイビジョン映像についての研究、それから一番やっぱり、そういったのはNHK放送技術研究所でやっておりますが、私が評価しておりますのは、五十三の放送局のその中の技術の職員たちが実際の仕事を進めながらいろんな工夫をしていると。例えば、今まで一番人手が掛かるのはマラソン中継でございまして、あれ中継していくところにずっと人手が掛かるわけですが、現場の人たちが、技術職員が無人中継システムというものを考え出しまして、今極めて人手が掛からない中継に変わりました。  そういったことは、NHKの技術と放送部門が一体となっているから私はできるんだというふうに思っておりまして、技術と放送と営業と、そしてそれを支える管理部門といいますかロジスティクス部門ですか、この四つがゴールデンカルテットの関係を結んだときにNHKの組織というのはビビッドになってくるんだということをかねがね申しております。  以上でございます。
  81. 山川鉄郎

    政府参考人(山川鉄郎君) NHKは、まさに放送技術分野におきまして世界最先端の研究開発能力を持っておられまして、先生指摘の、世界にもまさに優れたハイビジョン技術の確立あるいは地上デジタル放送方式の技術の開発、実用化など、これまで長年にわたり、我が国というよりも世界の放送技術の発展に重要な役割を果たしてきておられます。我々も高く評価しております。  特に、例えば地上デジタル放送方式でございますが、これは日本放送方式はISDB—Tと申しております。NHKによりまして開発をされましたけれども、世界にデジタル放送の方式は三方式あります。主要なものとして三方式あります。日本とそれから欧州方式、米国方式。日米欧と三方式が主要なものでございますが、特にこの日本方式は時間インターリーブという技術を取っておりまして、雑音とか干渉に最も強い技術でございます。私ども、このISDB—T技術を今まさに世界に御採用を働きかけておりまして、この働きかけ先であります南米のチリやペルー、こういったところで試験放送を実際にしていただいても日本の技術が一番優れているということで多くの方から評価をいただいておるところでございます。  もちろん、今後とも公共放送といたしまして、我が国のICT分野における国際競争力のまさに強化という観点からも、引き続き我が国あるいは世界の放送技術の発展、高度化に是非先導的な役割を果たしていただきたいというふうに思っております。
  82. 武内則男

    ○武内則男君 ありがとうございました。  先ほど会長の方からも何点か技術開発の御紹介もあったわけですが、予算の中で非常に気になるところもあって、開発とか研究というのは非常にお金も掛かって、どうしてもやっぱり経営効率だとかいろんなことの観点からそうしたところが少し置き去りにされていた、あるいは切り離されていく、そういうことを私もこの間実は経験をしたこともございますので、やっぱりNHKが今後放送文化をきちっと築いていくためには、そうした送受信から、番組の制作、それから未来に向けた開発や研究といったものが、そうした現場の技術力というものがしっかりあってこそあまねく放送を提供できるということが堂々と発信をできるのだというふうに思いますから、そういった技術開発について、今後ともサービスの向上という点においても是非御努力をお願いしたいなと、そのことを申し上げて、次の質問に移ります。  次に、地上デジタル詐欺の防止についてお伺いをしたいと思います。  地上デジタルの普及促進と両輪で進めていかなければならない取組として、いわゆる地上デジタル詐欺による被害を防ぐ呼びかけをしっかりやらなければならないというふうに思っていますが、これまでも全国でお年寄りなどをねらって、地デジをかたって架空の工事代金を請求されるケースが相次いできています。総務省九州総合通信局の発表によれば、今年三月二日にも熊本市でお年寄りが三万円をだまし取られる事件が起きたと聞いています。こうした被害は、二〇一一年七月に向けて、それが近づくにつれ更にやっぱり発生が増えてくるのではないかという危険を危惧せざるを得ません。  そこで、九州総合通信局のホームページによれば、類似事件の発生は平成十六年二月から三十二件となっております。総務省として、今日現在で何件把握しているのか。あわせて、特に高齢者の方々などには、私もどちらかといえばアナログ派の方なんですが、インターネットのホームページで告知してもなかなかやっぱり情報が届かないということの懸念もございます。新たな事故防止についてのPRが現時点では私は不足をしているというふうに感じていますが、今後関係機関との連携も含めどう取組をされていくのか、具体策についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
  83. 山川鉄郎

    政府参考人(山川鉄郎君) いわゆる地上デジタル放送のアンテナ工事費等の請求を装うなどの悪質商法の事案でございますが、総務省で本日現在把握しているものは三十四件発生をしております。  この対策といたしまして、総務省ではリーフレットあるいはホームページ等による注意喚起やコールセンターでの相談対応を行っておりますが、それに加えて、昨年十一月、これは民生委員に対しまして詐欺防止のための住民への周知を依頼いたしました。それから、警察あるいは消費生活センター等の関係機関との連携による注意喚起を行っておるほか、放送事業者に対しましてはニュース番組で取り上げるように協力依頼をする等の取組を進めてまいります。  今後、特に御指摘のように高齢者の方などへも必要な情報が確実に届くように、今年二月に各都道府県に拡充して設置させていただきましたデジサポでございますが、ここを通じまして高齢者、障害者等に説明会をきめ細かく行ってまいります。こうした中では、当然、都道府県あるいは市町村、あるいは既に協力依頼を行っております民生委員方々、こうした方々との一層の連携を図りまして注意喚起を図らせていただき、相談対応も充実いたしまして、こうした悪質商法の発生拡大を防止するということで一生懸命努めてまいりたいと思います。
  84. 武内則男

    ○武内則男君 ありがとうございます。  是非そうしたいろんな、民生委員さんというのは国の方から委嘱されている人たちですけれども、いつもそういう被害に遭われるのはそうした社会的にも弱者と言われる人たちのところがどうしてもやっぱり被害に遭ってしまう。そのことに細心の注意を払って、関係機関で是非いろんな連携を模索しながらその防止に努めていっていただきたいことを御要望申し上げたいというふうに思います。  次に移ります。  視聴者率と経営経費率、それを元にして視聴者との回路について若干お聞きをしたいというふうに思います。  二十一年度予算で受信料収入を過去最高の六千四百九十億円としています。今年度を百四十億上回る数字で、先ほどから御指摘があるように、昨今の経済情勢だけを見ても大変厳しい目標ではないかなというふうに思います。  こうした受信料収入の高い経営目標を立てる一方で、二十一年度の予算案の内容を見ると、受信料制度を守る生命線である視聴者との回路が脆弱しているという懸念を強く私は持っています。二十一年度の予算案で、受信料の収納業務に当たる地域スタッフの削減や、構造改革と称し営業関連の予算削減が見て取れます。  経験から言わせていただくと、営業経費率の数値目標ありきで、受信料を払う視聴者に公共放送の役割であったりあるいは受信料制度の意義についてしっかりとやっぱり話をして貴重な接点を持っていく、その部分が失われていくんではないかという危惧をいたしております。返せば、これはNHKの大きな損失にも将来つながっていく危険さえあるというふうに見ています。視聴者会議などで触れ合いを図っているというふうにNHKの方言っていますが、別段、NHK側から呼んで集めた視聴者から意見を聞くのと、実際に受信料を集めにいって一般の視聴者の人、個々の人たちから出てくる意見や苦言とはおのずと質も内容も変わってきます。  構造改革で失った回路をいかにやっぱり担保をして支払率向上に結び付けていくのかとか、あるいは営業以外の職場がどのように今後視聴者と接点を持っていくのか、その辺について会長と経営委員長に具体的に手短にお願いをしたいと思います。
  85. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 視聴者の皆様とあらゆる機会を通じて直接触れ合い、NHKへの意見や要望を聞くふれあいミーティングを今実施をしておりますが、二月までで全国で、今年度は千七百回、三万九千人の方々に御参加いただいております。特に今年度は参加者を公募いたしまして、視聴者の皆様の自発的な意思で参加しているということで、こういった公募型のふれあいミーティングに力を入れます。  番組作成現場などの職員が視聴者の皆様と直接対話をした、このうち渋谷の放送センターでは、大河ドラマ「篤姫」でありますとか、「ラジオビタミン」、「サラリーマンNEO」、NHKオンデマンドなどをテーマにいたしまして、番組の制作者、責任者が参加者と活発な意見交換を十回実施をしたと。ミーティング後の参加者のアンケートによりますと、八割を超える参加者にNHKの好感度とか理解度が上がったとの回答をいただいております。また、職員の側も実際に御意見や御要望に触れることで業務の改善に結び付けるように努めております。  NHKといたしましては、こうした活動を通じて、今後も視聴者の皆様のNHKに対する御理解を深めていただくとともに、視聴者の皆様の声に真摯に耳を傾けて事業運営に反映をさせていきたい、かように思っております。
  86. 小丸成洋

    参考人(小丸成洋君) 私ども経営委員も視聴者の皆様と直接接する機会をできるだけ多く持ち、経営委員会の活動の参考にさせていただきたいと考えております。  改正放送法によりまして、私ども経営委員も視聴者の皆様の御意見を直接伺うよう定められましたので、経営委員会による受信者意見聴取、私どもで言えば視聴者のみなさまと語る会と呼んでおりますが、この語る会を二十年度は全国で六回開催をいたしました。私どもから特定の人を呼ぶのではなく、すべて公募により参加してくださった方々から、放送受信料、経営の在り方などについて実に多様で幅広い御意見をいただいております。中には大変厳しい御意見もありましたが、これはNHKへの叱咤激励と有り難く承っております。  また、語る会では、開催回数を来年度は八回に増やすことにしており、内容もより一層充実させ、視聴者の皆様の多様な御意見に耳を傾けて、経営委員会あるいはまた経営委員の議論に反映させていくように今後ともしたいと考えております。
  87. 武内則男

    ○武内則男君 ありがとうございました。  受信料制度や放送の自主自律を守るという生命線という意味でも、NHKでの営業部門が今後果たすべき役割とは一体どういう役割を果たしていかなければならないのか。そもそも、営業部門のあるべき姿も含めてしっかりNHKのあるべき基調理念というものを守っていけるような、そういう役割についての議論を是非形骸化させないようにNHK内部で御検討いただくことを要請をして、最後の質問に移ります。  最後は、経営計画実施をめぐる経営委員会の監督権と執行権について少しお聞きしたいと思います。  放送法で定められたNHKの執行権と監督権が少し私はあいまいになっているんではないかなというふうに思います。というのは、二月の二十四日の経営委員会後の記者ブリーフィングで小丸委員長は、来年度、経営計画の初年度を迎えるに当たって、経営計画の分野ごとに経営委員の担当を割り当て、経営計画の実施について監督を行っていくと発言をしています。  そもそも、NHKの事業の執行権は執行部にあり、経営委員会は執行部を監督する立場ですよね。その意味からすると、今回、経営委員が執行部の執行のお目付役のような担当まで割り振るということが執行権と監督権の線引きを少しあいまいにしてしまっているのではないか。ひいては、要らぬせんさくかも分かりませんが、執行権の侵害にまで当たるのではないかという懸念があります。  その懸念に対して、執行部と経営委員長の御見解をお聞きいたします。
  88. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 二月二十四日の経営委員会の席上で経営委員長の方から、経営計画実施の監督に当たって柱となる分野を七つにまとめ、経営委員を割り当てて監督していきたい、経営計画の進捗を見極める上で具体的な状況をリアルタイムで把握する必要があるので資料を依頼したり勉強会の開催をお願いしたりすることが出てくると思う、経営計画の達成は経営委員会と執行部が一丸となって取り組むべき課題なので御協力お願いするという要請がございました。  執行部としても、これは執行権の中の問題じゃなくて、経営委員皆さんの勉強会に協力するという意味でこの点を受け入れております。  以上でございます。
  89. 小丸成洋

    参考人(小丸成洋君) 経営委員会としては、役員の業務執行の監督を行う経営委員会とNHKの業務執行を行う執行部は、公共放送の発展のために緊張感を持ちつつ互いに連携協力していかねばならないと認識をしております。その上で、三か年計画の実行に当たっても経営委員会としてしっかり監督していくことが重要だと考えております。  しかし、監督をしっかり行っていくに当たっては、定例の会議の時間だけでは足らないという考えから、幾つかの課題項目について委員の担当を決め、少人数でも執行部から説明を聴取するなどにより勉強会を行える体制をつくり、その内容を経営委員会において共有しているところでございます。目的はあくまでも経営委員の認識を深めるためのものであり、その場で具体的に指示を行うものではなく、執行権を侵害するものでもございません。  平成二十年四月の放送法で経営委員会の監督権限及び監督と執行の分離が明確されましたが、経営委員会としては今後ともその趣旨を踏まえ業務に当たっていきたいと考えております。
  90. 武内則男

    ○武内則男君 ありがとうございました。  これで終わりというふうにしたかったんですが、大変申し訳ありません、時間、若干過ぎてしまいましたが、会長が言われました正確で公平公正な放送に努めるということを冒頭一ページ目で言っています。先ほど長谷川委員指摘した内容について私もそのとおりだと思います。是非、今後の節目のところにおいて、よって立つこの部分においてNHKの勇気ある対応というものを期待をして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  91. 大島九州男

    大島九州男君 民主党・新緑風会・国民新・日本大島九州男でございます。  今日はNHK予算質疑、よろしくお願い申し上げます。  まず最初に、NHKの経営計画では、受信料の公平負担の徹底等により、平成二十四年度から受信料の一〇%還元をうたっておられます。この還元について具体的な還元方法は幾つか考えられることから、平成二十一年度から受信料体系の総合的な検討に着手するとしておられます。この考えられる具体的な還元方法についてどのような検討をされているのか。私は、公共放送として障害者の方や高齢者の方により手厚く還元すべきと考えていますけれども、いかがでしょうか。  さらに、事業者割引のように、この還元が支払率の向上や営業効率の改善に資するような方法も検討すべきと考えます。例えば、指定日までに銀行、コンビニ等で払い込む支払方法より、受信料の支払がより確実な方法である口座からの自動引き落とし等に還元をするというような、そういう考え方はありますか。質問をさせていただきます。
  92. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 受信料の一〇%還元、受信料の引下げですが、二十一年から取りかかりまして、三か年計画の終わります二十三年度中に二十四年度からの計画の中に織り込むということにいたしております。  放送と通信の融合等に象徴されますように、恐らくこの三年間で視聴者が映像を見る視聴態様というのは極めて多様化してくるというふうに思います。そういったものを見極めながらこの受信料体系の在り方を決めていきたいというふうに考えております。  御指摘の口座振替のことでございますが、利用件数は十九年度末で二千七百万件でございまして、割引を適用した場合に受信料収入への影響は大変大きゅうございまして、こうしたことを踏まえながら、受信料体系全体の総合的な検討の中で決めていきたいと、かように思っております。
  93. 大島九州男

    大島九州男君 電気、水道料金というものと違って、引っ越しなんかした場合、電気、水道料金だと引っ越した人が業者の方に連絡をしたりしてそして開始しますから、非常に追跡がしやすいんですけれども、どうしてもNHKの受信料というのはなかなかそういう引っ越してしまうと追跡ができない。  というようなことを考えると、一つの方法としては、そういう事業者と連携をしてやっていくというのも一つの方法ではありますが、やはり我々、今の時代はクレジットカード払いであるとかいろんな引き落としというものについては大変便利である、そういった部分での口座引き落としというのは大変有効な手段ではあるんです。しかし、高齢者医療制度の関係ですね、後期高齢者とか、ああいったものとか前期高齢者の国保保険料の特別徴収という、国がやったようなああいう特別徴収というのは余り国民に理解はされなかったわけですよ。  NHKとしてそのような強制的な徴収とか、そういうのを検討されたことはありますか。
  94. 大西典良

    参考人(大西典良君) お答えいたします。  受信料の徴収については、昨年の十月から訪問集金を廃止をして、それに掛かっていたパワーを、地域スタッフの方を未契約や未収者に直接訪問活動を強化をしていくということで、今確実な成果を現しております。  さらに、様々な改革を進めながら、支払率、この経営計画に表しておりますように、三年後は七五%、五年後は七八%を目指してまいりたいというふうに思います。  以上でございます。
  95. 大島九州男

    大島九州男君 強制的な徴収は当然考えていないという、そんなことはあり得ませんからね、民間では。当然、そういう理解をしておるんですが。  実は、私は今日何が言いたいかというと、(資料提示)この後期高齢者医療制度で天引きをされ、国保の保険料もまたここで天引きをされて、そして消えた年金なんて言われているけれども、その年金が回復するかしないかなんてまだ全然進んでいないのに、今度はこの個人住民税を平成二十一年の十月から天引きするという制度、これもう二年前に決まっているんですよね。こういうこと、これもう一番だれかといったら、おじいちゃん、おばあちゃんが強制的に特別徴収をされているという、こういう制度、こういうことがNHKにあっては当然ならないわけで、民間だったらあり得ない話なんです。  もし私のおばあちゃんが生きていたら、あんたたち国会議員は勝手にそげなこと決めてから、私の年金からまたあんたこんなことを勝手に引いていいとねというふうにおばあちゃんから言われるなと思って私は反省したんです。  実は、この制度、二年前に決まっているとおっしゃいますけれども、会長、私が質問通告をするときまでにこういう意識ありました、十月一日から個人住民税、年金から特別徴収されるなと、これ大臣大臣は当然御存じでしょうけれども大臣のお母さんとか御存じでしょうかね。また、久留米の有権者の皆さんとかは御存じだと思いますか。質問させてもらいます。
  96. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) どこまで徹底しているか、周知されているかは分かりませんが、現在公的年金の個人住民税については、基本的に年四回窓口で直接納付していただいているわけでございまして、これは納める側の納税の手間がある、また市町村の方には徴税の事務負担が生じている、そういうところで、市町村における徴収の効率化、手間を省くということ、それから公的年金の受給者の方が簡単に納税できると。つまり、四回出向いていかなくてもいいということで、個人住民税の公的年金からの特別徴収という制度を導入し、今年の十月支給分から実施することとしているところでございまして、どれくらいみんなが知っているかは正直言って自信はありません。  ただ、これはあくまでも手間暇の問題だというふうに理解をしていただければ有り難いと思いますが、これは特別徴収というのは基本的に全員一斉にということなんだろうと思いますので、その辺はよほど周知宣伝しないと反発が起きる可能性はあると思います。
  97. 大島九州男

    大島九州男君 今大臣が率直にお答えをいただきましたので、私もそれは本当に、是非、おじいちゃん、おばあちゃんたちが混乱しないようなことは絶対望まれるんですが、今おっしゃいましたように、事務の手数の軽減とかいろんなそういういいことがあるんですね。  ということは、NHK、先ほど、割引するとこれは相当な数になるので経営に響くかもしれないということをおっしゃいましたが、先ほど大臣が答弁する話を聞かせていただくと、それだけ事務を軽減できたり効率できる部分があるわけですから、当然そこは一〇%還元の中に入れていくことは選択肢の一つであっていいと思うんです。それは何か、国の特別徴収とは違って、契約者である受信者である国民が自分の意思でそれを申し込むわけじゃないですか。そして、毎月定額をきちんと納めさせてもらうという意思を示すわけですから、まさにそういう方にはインセンティブを差し上げるということでこの一〇%枠の中に是非入れてもらいたい。だから、この政府のあまねく全員から特別徴収といって勝手に引き落とすのとは違うんだということを是非理解をいただいて、今後のそういう計画を御検討いただければというふうに思います。  それでは、次に、NHKの受信料で支えられているNHKの財産、これは国民の財産であるというふうに私も理解をしておりますが、昨今問題となっておりますかんぽの宿、この郵政会社の保有資産と似ていると私は理解をしているところであります。公共放送も郵政の事業も税金によって行われているわけではありませんが、国民からの貴重なお金で事業を運営して資産を形成してきたことは変わりありません。また、その設立根拠が法律に求められている特殊法人である点なども同じであります。ですから、かんぽの宿もNHKの資産も元々国民の財産であり、その財産には公共性の観点から当然求められるべき姿があると思います。  そこで、この二十一年度予算案にも特別収入として遊休不動産等の固定資産売却益が十五億円計上されておりますけれども、NHKはこの資産の売却について、どのような考えに基づいて、どのような方法で行おうとしているのかをお伺いいたします。  そしてまた、今回のかんぽの宿の売却について、かつて民間企業の経営を経験し、今公共性の高い特殊法人の経営者である会長の率直な感想をお述べください。
  98. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) かんぽの宿の売却に関しましてはNHKとしてコメントする立場にございませんが、御勘弁くださいませ。  ただ、NHKにおきます資産売却につきましては、基本的な考え方としては、毎年度の予算に計上しておりまして計画的に処分をするようにしております。  資産の処分に当たりましては、手続的には、官報に掲載の上、広く購入希望者を募集する、鑑定評価に基づく予定価格を設定した上で一般競争入札を実施をする、予定価格を上回る最高額を入札した購入希望者に売却をすると、そういう手順になっておりまして、例えば、この二十一年度の予算では売却予定件数は社宅の跡地など十三件でございます。これの帳簿価額は四億円でございまして、今売却の見込額が十九億円。これはまだ分かりませんけれども、見込額は。そうしますと売却益が十五億円ということで、十五億円を予算計上しておるわけでございます。  以上でございます。
  99. 大島九州男

    大島九州男君 大臣、何か答弁されますか。
  100. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) いや、あなたはなかなかいい質問をされています。  私は、例えばかんぽの宿、特定のかんぽの宿と日本放送協会と、その使命の大きさには随分差があると思います。しかしながら、その根底には元々、税金ではなくて、それは簡易保険料であったり、あるいは郵便貯金であったり、あるいは受信料であったりという、国民が任意に拠出したものがその根底にあるという意味では全く共通の部分があるわけで、それこそNHKが、来年度の予算は二十九億円の赤字か、じゃ不良債権だ、一万円だなんという議論は絶対できないでしょう。それと同じような議論をかんぽの宿でしていただきたいと私は言っているんです。
  101. 大島九州男

    大島九州男君 大変有り難いお言葉をいただいて。まさにこの資産の売却が郵便局のあの郵政会社のようにならないように、是非しっかりとしていただければ。まあNHKは問題ないと思っておりますので、そこら辺はしっかりと見ていきたいと思います。  最後に、定時制の高校の志願者が急増したということで、非常に今の時代背景を本当に如実に表しているようなこういう記事が先日、朝日新聞に出たわけですね。これは子供たちが今、教育、本当に学ばなくてはならない。高校生といえば、ほとんど今は高校までは行っている。本来なら義務教育ぐらいの認識を持たれるような時代になったわけでありますけれども、なかなかそういった子供たちが今非常に親の収入によって学力格差が出ているというようなこともあるわけでありますね。  私どもとしても、やはり子供たち、国民という一つの視点から見たときに、NHKが当然、公共放送であるという観点から言うならば、正直言いまして、スポンサーがいるとそのスポンサーの意向に沿った報道だとかそういう番組編成をするわけでしょうけれども、やはり国民が私はスポンサーだと思っているわけです。そうすると、こういうような状況になったとき、一人でもやっぱり多くの国民、子供たちが勉強をする、そういう中では、教育番組の充実をし、そして全日制に行く子供たちと定時制に行く子供たちの教育間格差が広がらないようにやはり教育内容を充実するとか、そういったことも是非していただきたいというふうに思いますし、公共性の観点という部分でいうならば、先ほど長谷川先生から話がありましたけれども、小沢さんのあの秘書の問題にしても、スポンサーがいて、そのスポンサーがある程度こういう方向で報道してくれなんというふうな意図があってそういう報道をされたんだったら私は分かるんです。しかし、国民のスポンサーという私の観点からいえば、本当に平等でなければならないと。そうすると、取材をして、本当にその取材に沿って報道したとおっしゃいますけれども、じゃ、その取材はどうだったのかというのは今後しっかり我々は検証しなければならないというのを今日の御答弁を聞かせていただいて感じさせていただきました。  まさに国民の本当の公共放送というNHK、そういったことをしっかり努力をしていただきたいというふうに思いますし、やはり私どもは、かんぽの問題にしても郵政の事業の問題にしても、あの竹中さんは、与党も野党も参考人で招致をさせていただいておいでくださいと言っているのに、忙しいから忙しいからって国会には一切出てこられない。こんなことでいいのかと。やはり大臣まで務めた方、郵政の事業を積極的に小泉さんと進めた人が、我々国会がおいでくださいと、与党も野党も一緒においでくださいとお願いしているのに、そういうのに出てこられないようなことがある。こういった、国民に疑念を抱かすような、こういう行動を元大臣はやるべきではない。  まさにNHKは、その報道の観点は国民の視点であり、そして国民がスポンサーであるというそういう強い信念を持って、そして報道を今後続けていただきたいし、また、もしちょっとした方向がずれて、今回の小沢さんの秘書報道のように、少し間違いがあったなというふうなことを素直に認めるときには素直に謝罪をする放送等をしていただきたい。まさに国民の視点に立ったNHKであることを心からお願いをして、私の質問は終わらせていただきます。  以上です。
  102. 行田邦子

    ○行田邦子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の行田邦子です。  私は、テレビ番組の制作委託について、中心に質問をさせていただきたいと思います。  視聴者の皆様が御覧になっているテレビ番組、その大半が番組制作会社の協力によって作り出されています。毎日放映されているこのテレビ番組は番組制作会社の力なしではもはや成り立たない、このような状況になっています。  しかしながら、ところが、かねてから問題視されているのが、放送局から番組制作会社への発注について、その発注方式であるとか、あるいは支払方式などについて様々な問題が指摘をされています。一部の新聞報道では、下請いじめなどというような表現が使われて報道されていました。放送日が当初の予定から延期されたため、支払が番組納入後六十日を超えて行われた。毎年請け負っていたレギュラー番組について、一方的に番組改編期に一律に一定比率で制作費を減らすと放送局から告げられた。あるいは、契約書に記載がなかった業務を追加発注されたが、予定支払金額は据置きのまま追加支払がない。また、放送局が主催するイベントのチケット購入を要請された。こういった事例を公正取引委員会が過去の警告実績から挙げています。そしてまた、昨年総務省が実施をした番組製作取引実態に係るヒアリング調査でも同様の事例が見出されていると聞き及んでおります。  今日は公正取引委員会さんにお越しいただいておりますので、お聞きします。  今私が申し上げましたようなこういった取引が行われているとすれば、これらは下請法に違反するおそれのあるもの、あるいは独禁法、独占禁止法上問題があると思われる取引となりますけれども、こういった実態に対して公正取引委員会としてどのような取組をされていますでしょうか。
  103. 中島秀夫

    政府参考人(中島秀夫君) お答え申し上げます。  放送事業者が番組制作会社に対しまして行う放送番組等の制作委託につきましては、平成十五年の下請法改正によりまして、情報成果物の作成委託として新たに下請法の対象として追加されたところでございます。  これを受けまして公正取引委員会は、放送事業者や放送番組等の制作の委託を受けている下請事業者に対しまして書面調査を定期的に実施し、下請法違反行為の把握及びその是正に努めてきているところでございます。  特に、平成十九年度におきましては、放送番組・映像制作委託を行います放送事業者等六十五社に対しまして特別の調査を実施しました。この結果、今先生からも御指摘もありました発注書面の交付義務違反、下請代金の支払遅延、さらには物品の購入強制等の下請法違反が認められました親事業者四十一社に対しまして警告を行ってきたところでございます。  さらに、これらの違反行為が行われます主たる原因の一つとしては、親事業者が下請法の内容を十分に理解していない、承知していないということが考えられますことから、放送分野における下請法違反行為を未然に防止するという観点から、平成十八年度より放送事業者の職員を対象といたしましたいわゆるコンテンツ取引に係る下請法講習会を実施してきております。本年三月にも東京、名古屋、大阪の三か所で開催したところであります。  公正取引委員会といたしましては、今後とも下請法の厳正な執行、下請法の周知、普及、この両面を通じまして、放送分野における下請取引の適正化に努めてまいる所存でございます。  以上でございます。
  104. 行田邦子

    ○行田邦子君 今、公正取引委員会から、テレビやラジオ番組の制作取引については平成十六年から下請法の対象となったという御説明がありました。それまでは、それ以前は下請法の対象外だったわけなんです。ですから、放送業界にとっては下請法というのはなじみが今まで薄いような法律だったということが言えます。下請法に違反する、あるいは独占禁止法上問題があると思われるような取引が続いている、こういうことになると番組制作会社にしわ寄せが行って、そしてADなど番組制作の現場で働く特に若い人たちの賃金がどんどんどんどん下げられていく。ワーキングプアということも言われています。そして、そうなると制作現場のモチベーションも下がっていく。結局テレビ番組全体の質の低下につながりかねない。そうすると、視聴者がテレビ離れを起こすという、こういった業界の地盤沈下を招きかねないというふうに私は思っております。  是非とも、公正取引委員会には、放送業界に対して引き続き法律の趣旨の理解促進、そして啓蒙に力を注いでいただきたい、このことをお願いを申し上げます。  それでは、NHKにお伺いをいたします。  NHKではこの番組の制作委託について、どのような基準を設けていらっしゃいますか。
  105. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) NHKではこういった番組の制作を依頼している先を下請先とは考えておりませんで、パートナーと考えております。といいますのは、今NHK、ラジオ、テレビを合わせまして八つの波でほぼ二十四時間近い放送をしておりますが、このコンテンツをすべて自らの手で作るということはもう不可能です。やはり日本全国のいろんなコンテンツの制作能力を持っている会社、企業、そういった人たちの手を借りながらNHKの番組というのはでき上がっております。  そういうことで、NHKとしては、大変今疲弊してきておりますから、何とかお手伝いできないかということで、NHKがこの五か年計画の中では、NHKの衛星放送の中の約四〇%、全体の二十数%をこれからそういった、中小という表現は良くないですが、NHK以外の、NHKの関連団体を含めた以外のところの人に作っていただこうと。しかも、その中で三〇%近いものが前払金というんですか、着手金というんですか、そういったものをお支払いしていこうと。そして、そういったパートナーと共々NHKのコンテンツの制作能力を高めていこうと、そういうふうな方向で取り組んでおります。
  106. 行田邦子

    ○行田邦子君 NHKが公共放送としていち早く独自の取組をされているということを私は高く評価をしたいと思っております。また、三〇%の前払金というのも、これNHKさんが初めて行われたというふうにお聞きしておりますので、NHKが業界の番組の制作委託の適正化のリード役となって、そして民放のお手本となるということを期待をしたいと思います。  先ほど福地会長からの御答弁の中で、この三か年経営計画の中で、NHKグループ以外が制作する番組の比率を高めていくという御答弁があったかと思いますけれども、私がちょっとここで懸念をしておりますのが、NHKというのは民放と比べて番組制作の外部委託率がこれまで低いというふうに認識をしております。このことが、私が思うには、NHKの番組のいわゆるNHKらしさを保っていると、NHKの番組のクオリティーを一定以上に保っているゆえんであると私は思っているんですけれども、この点、いかがでしょうか。
  107. 日向英実

    参考人(日向英実君) 御指摘のように、NHKの場合ですと、外部の制作会社が作った番組の放送の比率が非常にまだ低いです、まだ一けただと思います。それは、購入番組を含めて五年で二五%まで高めるという計画でございます。  これは、もちろんNHKの番組、公共放送ですからその基準を満たさなきゃいけませんけれども、公共放送としてもやっぱりなるべく多様な番組を放送したいということと、それから日本全体のコンテンツ制作能力というものを引き上げていくといいますか、NHKとしてもきちんとそこには支援をしていきたいということもありまして、二五%という数字は、ほかの民放に比べればそれでもまだ低いとは思いますけれども、その中で購入番組というのも含まれておりますので、決して高い比率ではないというふうに私は思っております。
  108. 行田邦子

    ○行田邦子君 今の御答弁の中で、日本のコンテンツの制作力の向上ということを目指しているという御答弁がありました。是非とも、外部委託することによって経費削減ということではなくて、そういう視点からではなくて、日本のコンテンツの制作力全体を向上していくんだと、NHKがそのために貢献するんだという意気込みで引き続き御努力をお願いしたいと思っております。  鳩山大臣にお聞きします。  先ほども、公正取引委員会から、放送局から番組制作会社への制作委託の実態について説明がありました。この実態について、大臣はどのように認識を持たれているのか、そしてまた総務省としてどのような取組をされているのか、御説明いただけますか。
  109. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) NHK関係では余り今まで問題が指摘されておらないようでございますが、いわゆるコンテンツ制作分野というんでしょうか、放送番組制作分野において下請法で警告を受けている件数というのは相当数毎年あるというふうに聞いております。その関係で番組制作会社の経営が悪化をして、委員がおっしゃったように、悪化すればいい番組は作れなくなるという、そうするといいテレビ番組がなくなるという非常に良くない循環をします。  総務省においては、昨年一月から放送コンテンツの製作取引の適正化の促進に関する検討会というのを開いて、今年の二月に放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドラインを公表したところでございまして、今後民放各社にこのガイドラインに沿って行動してもらいたいと、こう考えております。  先ほどから委員指摘のように、例えば制作会社に番組を発注したときに発注書を渡さないと、例えば口頭で五百万と言っておきながら、後から渡す発注書は三百万になっていたというような例、そういうことは絶対やってはならぬと。いわゆる買いたたきみたいな形で制作費を値切るようなことはさせないというようなこと、そうした内容があるガイドラインというものを周知徹底することがまず第一と。それから、総務本省に、また各総合通信局に相談窓口を整備をいたしまして取引の適正化に努めていきたいと、こう考えております。
  110. 行田邦子

    ○行田邦子君 これまで放送業界というのは、放送局だけではなくて、番組制作会社もいい番組を作りたいという思い、気持ちがあるんだろうと、視聴者の皆様に認められる番組を作っていきたいという思いがあるんだろうと、だからここは、まあつらい部分もあるけれども協力してやっていきましょうよというような放送局と番組制作会社のなあなあな関係というのがあったかと思うんですね。  ただ、これも右肩上がりのとき、潤沢な広告収入が放送局に見込まれている時代はよかったかもしれないんですけれども、結果オーライだったかもしれませんけれども、今やもう放送局は大変厳しい環境にさらされて、そして特に今のような景気後退期には、なあなあな関係での制作委託や契約はまかり通らないという状況になっています。  大臣先ほど指摘されたように、番組制作会社の大半が中小企業となっています。資本金五千万円未満が全体の八〇%、そして従業員百人未満が全体の九三%という状態になっています。そうすると、支払が遅れたり買いたたきが続いたりすると、今のような経済環境では番組制作会社が倒産しかねないという事態にもなってまいります。是非総務省が策定しましたこのガイドラインについて、業界の規律によって守られていくことを私も願っております。  それでは、最後の質問をさせていただきたいと思います。NHKの報道姿勢について伺います。  先ほどから長谷川委員、そして武内委員、そして大島委員からも質問、指摘がありました。公共放送として、そして報道機関として、NHKの報道は公平公正であるべきということはもう言うまでもありません。放送法第三条の二に、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」と、このように記されています。  ところが、NHKの報道、番組編集姿勢が本当にこの放送法第三条の二と照らし合わせて適切なのかどうかと首をかしげてしまうような報道が三月二十四日に起こりました。この日の夜、NHKは、小沢代表の秘書が献金は西松建設からだと認識していたとうその記載を認める供述をしていることが関係者への取材で分かったという報道を何度も繰り返しています。関係者への取材で分かったというふうに報道しているわけですけれども、それではこの関係者というのは片一方だけの関係者ではないんだろうか、もう一方側からの意見や見解というのを十分取材した上で本当に報道がなされているのかということを、私自身この報道に触れて疑問を感じました。  三月二十七日午後五時過ぎなんですけれども、この三月二十四日の三日後になりますけれども、もう一方側の関係者と言っていいと思うんですけれども、起訴された者の弁護人がこのようなコメントを報道機関向けに発表しています。新聞、テレビ等において同氏が政治資金規正法違反に係る起訴事実についてその大筋を認めている等の報道がなされているところだが、弁護人らの認識は全く異なっている、誤解に基づく報道ではないかと考えている、こういうコメントを発表しています。  ところが、私が認識する限りでは、今現在までにおいてこの点についてはNHKさんにおいては報道をされていないわけなんです。「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」と放送法第三条の二では規定をされていますけれども、この放送法に照らし合わせても、NHKの今回の件についての報道姿勢というのは私はいかがなものかと思っております。この点について福地会長の御見解をいただきたいと思います。
  111. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) NHKは、放送法の規定を踏まえまして国内番組基準というものを作っております。その中で、政治上の諸問題は公正に取り扱う、それから意見が対立している公共の問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにして公平に取り扱うと、こういうふうに明記をしております。さらに、この番組基準を基といたしました日々の放送の指針でありますNHK新放送ガイドラインでも、正確な報道に努めるとともに、意見が対立する問題を扱う場合には、多角的に論点を明らかにし、様々な主張を紹介することによって視聴者の判断の材料を提供する姿勢を打ち出しております。  NHKは、この番組基準でありますとかガイドラインに沿って、番組として、放送全体として、報道の公平公正を確保することに努めておりまして、今後もその姿勢を堅持していく決意でありますけれども、私は会長として、すべてのニュース報道をチェックする立場、これはなかなかできませんが、しかし、やっぱりどういうふうにして検証するかという問題につきましては、先々週もそうでございますけれども、去年もやりましたけれども、解説委員会の解説委員会議に突然下りていって、それで明日の解説について議論しているさまを目の当たりにいたしまして、そういった仕組みの中で、私は今の報道が公正に公平に行われるように努力しているさまを自分の目で検証しております。こういった姿勢を今後とも貫いていきたいと考えております。
  112. 行田邦子

    ○行田邦子君 今会長が御答弁されたNHKさんがお作りになっている番組基準、ガイドラインが私は守られていないんではないかということを指摘をさせていただいているわけなんです。今の御答弁、大変残念に感じております。  もう時間が限られておりますが、放送法第三条の二というのは、これは報道機関、とりわけ公共放送であるNHKさんにとってはこれは心臓部分というふうに私は思っております。そして今回のこの件、この報道についてはこの放送法第三条の二というものが守られていなかったのではないかと私は疑問を抱かざるを得ません。是非とも福地会長におかれましては、現場が大切というふうにもおっしゃっています、この現場にもう一度下りていって、この放送法第三条の二の法の趣旨をきちんと報道現場に携わっている皆様に周知徹底をさせていただく、このことをお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
  113. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 民主党の吉川沙織でございます。  これまで同僚議員から、報道の在り方、番組制作について、そして地デジ対応や技術開発についていろいろな観点から質問がございました。私は昨年と同様、視聴者主義とは何か、この観点に基づいて質問をさせていただきたいと思っております。  さて、先日の民主党の勉強会に福地会長お越しいただきました際、印象に残った言葉として、視聴率にこだわらなかったから視聴率が取れた。つまり、これは視聴者の方を向いて番組作成をされた結果である、この言葉が印象に残りました。なぜなら、私自身会社員をしておりましたとき営業をしておりました。営業をする際には、常にお客様にとってより良いものは何か、このことを考えながら仕事をさせていただいておりましたので強く共感をさせていただいた次第です。  そこで、今日は二つの観点からお伺いをしたいと思っております。一つ目が、視聴者との接点、回路という側面。そして、二点目として、NHKの事業収入の九六・三%を占めております視聴者の皆様からの貴重な資源である受信料収入と効率化の側面から質問をさせていただきます。  そこで、まず、公共放送NHKにとって視聴者との接点とは何かを会長に改めてお伺いさせていただきます。
  114. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 日本放送協会にとっての視聴者との接点は、放送品質だと思います。前職のときには私はそれはビールの品質だと申しております。仕事が変わりまして、まさに放送を通じて、報道といい番組を通じて視聴者と結び付いている。そこの品質を上げていくことが、今その放送品質が多様化し、高度化しております。そういったものにきちんと対応していくのが私たちNHKの職員の使命だというふうに思っております。
  115. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 もう少し深い御答弁がいただけるかと思っておりました。なぜならば、会長は今年の年頭あいさつで、NHKにとっての視聴者との接点について次の四点を挙げておられたからです。申し上げます。「NHKにとって視聴者との接点は(1)放送そのもの(2)営業面での受信料契約・収納活動(3)事業活動・イベント(4)全職員の日常活動がある。お客様満足、視聴者目線に満点はない。視聴者満足は常に変化する。視聴者の不満足を一つ一つ解消することはエンドレスの活動と心得るべきだ。」、これ、会長御自身が触れておられます。  今の答弁にもありましたが、放送の品質を上げていくことはもちろん重要です。会長自身が現場主義を掲げていくことも重要だとは理解をしますが、視聴者との接点というものをまず第一に掲げておいていただきたかったなというのは私自身の強い願いであります。  そこで、視聴者との接点、視聴者とのつながりという観点から、昨年十月一日から廃止をされました訪問集金の問題に焦点を当てて幾つか質問をさせていただきたく思います。これは昨年も申し上げましたが、重要な観点ですので申し上げておきたいと思います。  受信料の契約業務には二つの側面があると考えています。一つ目が、公共放送としての自主自律を財政面から支えるために、公平負担の徹底により公共放送の財源を確保すること。二つ目として、日常の契約収納業務で視聴者に接する中で、厳しい意見や批判、期待を受け止め、これを事業運営や番組制作に反映していくための視聴者との接点の役割を果たすこと。  もちろん効率的に契約収納活動を実施することは社会の要請であることに違いありません。ですから、昨年十月一日から訪問集金の廃止に至ったこと自体は理解をいたします。ただ、視聴者との接点、インターフェースという点から見れば、一般的な視聴者との接点、回路を一つ失ってしまったことに相違ないのではないかと思っております。訪問にこの人が来てくれるから受信料を払う、そこでいろんな意見を言う、不祥事があったとしても、この人が来るから、文句は言うけれども払い続けましょう、信頼をします、そういうことを訪問集金が果たしていた役割ではないかと思っています。  そこで、訪問集金、昨年の十月一日に廃止をされましたが、その廃止後、不払が増えるのではないかとの懸念がございましたが、廃止後の状況についてお伺いいたします。
  116. 大西典良

    参考人(大西典良君) お答え申し上げます。  訪問集金を利用していただいた方は、平成十九年度末で二百二十万件でありました。訪問集金廃止の九月末までに三割以上の方が口座振替あるいはクレジット継続払いの変更をしていただきました。九月末までに口座振替、クレジットカードの継続振替のお手続をいただけなかった百四十八万件の方には、振り込み用紙を十月から送付しております。このうち、振り込みがいただけなかった方については、二月以降、訪問による回収を今現在行っております。三月末には訪問集金当時とほぼ同様の実績を確保できるのではないかというふうに今見込んでおります。  今後も引き続き、口座振替あるいはクレジットカード継続振替へのお願いを訪問時と同時に併せて行ってまいりたいというふうに思っております。
  117. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 今御答弁いただきましたが、公表をされておりますNHKさんの視聴者対応報告というものを拝見いたしました。その中に、平成二十年六月の御意見の中で、訪問集金に来てくれないなら受信料は払わない、この結果、理解を求めたということで終わっているようです。平成二十年十一月の視聴者対応報告の中では、三十年近く受信料を一度も欠かさず訪問集金で支払ってきたが、今回振り込み用紙が送られてきた、なぜ訪問で集金してくれないのか、どうしても納得がいかない。これも、理解をいただいたというところで終わっているようでございますが、視聴者との接点の後退は、幾ら口座振替や振り込み用紙、クレジットカードという手段に変えたとしても、視聴者との、ごくごく普通の視聴者の皆さんとの接点という点では後退したのは紛れもない事実であると言えるんじゃないかと思います。  更に言えば、今月公表されておりますNHK理事会議事録を拝見いたしますと、訪問集金の廃止により決算への影響があるということ、そしてまた二月から、これは今、大西理事の御答弁の中にもありましたが、二月から未収金の回収に取り組むと報告をされています。  今御答弁あったかもしれませんが、改めて伺います、何人のスタッフが訪問集金廃止後の未収対策に当たるんでしょうか。
  118. 大西典良

    参考人(大西典良君) 現在、昨年の十月から訪問集金を廃止をいたしました。訪問集金に要していたスタッフの数は二千四百人であります。その千二百人を今後削減し、千二百人については未収対策や、未収というのは訪問集金で払ってこられなかった方、あるいは契約対策の方に振り向けていきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  119. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 今お伺いしているのは、元々訪問集金で受信料をお支払いしていただいた視聴者の方の中で、スムーズに移行がいかなかった場合、まだお客様の積み残しがあると思うんですけれども、そこに、お支払いをいただくためにどれだけのスタッフの方が二月から対応されているんですかということをお伺いをさせていただいておりますので、御答弁をお願いします。
  120. 大西典良

    参考人(大西典良君) 今現在、訪問集金の、振り込めなかった方に対しては、その契約を取り次ぐ業務と訪問集金の未収回収というのは同時に行われるものでありますから、都市部のところについては分業のような形でありますけれども、現在の予算案に書いてある人数の中でそれぞれ振り分けながら今現在行っているということでございます。
  121. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 聞き及ぶところによりますと、その未収対策だけで千四百人ぐらいの方が、二月から、訪問集金で払っていたけれども、引き続きお支払いいただけなかった視聴者の方のところにお伺いをしているというようなことも一部お聞きをしております。  となると、結局、訪問集金であなたが来てくれるから受信料を払う、NHKに対しての率直な意見もお伝えするという役割を果たしていたかと思いますので、一般視聴者との接点、回路を一つ失ってしまったのみならず、すべての視聴者の方がスムーズにその後の手続で移行されていないことにかんがみれば、必要以上にマンパワーと経費が掛かっているのではないかとの懸念を抱かざるを得ません。また、スムーズに移行できているとは言い難い事実がある以上、昨年十月の訪問集金の廃止までに十分な周知が、もちろんされたんでしょうが、できていたのか疑問です。  ちなみに、平成二十年度のNHK予算案に対する総務大臣意見を拝見いたしましても、訪問集金の廃止の対象となる視聴者が新たな仕組みに円滑に移行できるよう万全の対応を取ることと付されていましたのが、すべての視聴者の方が訪問集金からスムーズに移行できず、そこにマンパワーと経費を掛けているというのであれば、視聴者との接点を一つ失うだけの意味があったのかというところは、私自身は強く疑問を感じています。  しかしながら、訪問集金は廃止をされている以上、視聴者との接点という側面から更にお伺いをさせていただきたいと思います。  平成二十年度のNHKの約束の六番に、「みなさまとの結びつきを強化し、開かれたNHKをめざします」とございます。この約束に関して、二十年度の約束評価方針では、重視する点の一つとして、「幅広い意見・要望を吸い上げるため、新たな回路の拡充に向けた取り組み」とありますが、この新たな回路についての進捗状況についてお伺いいたします。
  122. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) NHKでは、視聴者の皆様の声を大切にして、その声を事業運営に積極的に反映させることに努めておりますが、電話やメールなどで全国のNHKに寄せられる声や要望、問い合わせなどの視聴者の声を一元的に集約する体制を整備して、その声に迅速に対応してまいります。  また、あらゆる機会を通じて視聴者と直接触れ合い、NHKへの意見や要望を聞くふれあいミーティング、これを実施しておりますが、二十年度は番組や経営課題などのテーマを設定しまして、参加者を公募する形式のふれあいミーティングに特に力を入れてまいりました。テーマに関心を持つ参加者との活発な意見交換がなされまして、参加者の満足度を一層高めることにもつながっております。  平成二十年四月の改正放送法の施行に伴いまして、視聴者の方々から寄せられた苦情や意見、要望などにどのように対応したか、そういうことをまとめまして毎月経営委員会に報告をしております。これまで以上に問い合わせに速やかにお答えするとともに、貴重な意見、要望を業務に反映させて視聴者満足の向上に資していきたいと思っておりますが。  私は、この視聴者の声といいますか、お客様満足、視聴者満足というのは、視聴者からの耳の痛い声に耳を傾けることだというふうに思っております。これは非常に重視しておりまして、実は、私が会長に就任しましたのは去年の一月二十五日ですが、就任します前に私は溝の口のコールセンターに、私はアサヒビールの相談役ですが今度会長になりますということで、就任前に出かけましたのが上野にあります営業センターと溝の口にある視聴者のコールセンターでございまして、自らもそういった気持ちで取り組んでおりまして、そういったものはこれからも大切にしていきたいと思います。  今、実は視聴者の声を電話でお聞きするのが、営業の方のコールセンターと、それから溝の口にあります視聴者からのコールセンターと、どちらも視聴者ですが、二つあります。本当はこれを一元的に管理する方がいいんですけれども、そういった工夫も今しております。  以上でございます。
  123. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 今会長から電話やメール、ファクス、ふれあいミーティング、そして会長自身がいろんなところに足を運ばれて視聴者の意見を真摯に受け止めるという御答弁があったかと思います。  私はなぜ訪問集金の廃止にこだわるかといいますと、電話やメール、そしてふれあいミーティングも、先ほどから御答弁の中で、公募によって視聴者の方に御参加いただくというお話ありました。でも、どちらかといえば、電話を掛けるにしてもメールを送るにしても、そしてふれあいミーティングに公募で参加するにしても、能動的にNHKに意見を言いたい、NHKにこういう方向で頑張ってほしい、こういうところで文句を言いたい、そういう積極的な、能動的な視聴者であるがゆえに、そうではなくて、黙ってはいるけれども、訪問集金の担当者が足を運んで、靴の底をすり減らしてでも来て、そこで意見を言って、財布を開けて受信料をお支払いする、そこに普通の視聴者との接点があったから私はこだわっていたわけで、ただ、理事会のこれまた議事録を拝見しますと、十月二十一日の開催分の中で会長がこのような御発言をなされています。  十月から受信料の訪問集金を廃止しましたが、現時点でお客様の対応に何らかの傾向や課題は見られますかと会長自身がおっしゃっているのを拝見をいたしまして、気になさってくださっていることに関しては物すごく良かったなと私自身強く思っています。そこで、能動的視聴者の声のみならず、一般的に、普通には黙っているけれども、一般的な視聴者の声を、届くように、聞くようにやはりしていただきたいと思っております。  平成十八年六月に当時のNHK会長の諮問機関であったデジタル時代のNHK懇談会報告書では、このように記しています。「「視聴者第一主義」を広範な視聴者に知ってもらうためには、放送などを通じて経営の実情や番組姿勢について情報を開示し、説明するとともに、視聴者参加のための開かれた道筋を構築することが欠かせない。視聴者の意見を汲み上げる従来の仕組みを充実させるだけでなく、受信料徴収担当者らからも視聴者の反応を収集すること、インターネットの双方向通信機能を活用することなど、多方面の取り組みが大切である。」、こう書かれています。  ですが、訪問集金が廃止になってしまった以上、今日はこれ以上申し上げるつもりはございませんが、平成二十年度の約束にも、視聴者の幅広い意見や要望を吸い上げるため、新たな回路の拡充に向けた取組ということが明記されていますので、しっかりそのような仕組みを構築していただきたいと、若い世代の視聴者の一人として願う次第であります。ここまで、できる限り、視聴者との接点、回路の確保という観点からお伺いをさせていただきました。  視聴者を大事にする、つまりは現場で働く人を大事にすることであるとの思いから、三か年経営計画との関連をお伺いいたします。  この中では、技術、営業、事務を効率化した上で、放送部門へのパワーシフトが具体的施策の一つとして掲げられています。しかしながら、放送部門へパワーシフトをするということは、つまりは経営計画の全体目標である接触者率の向上、三年後八〇%と、支払率の向上、三年後七五%に資することになるのか、会長の見解を端的にお伺いできればと思います。
  124. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 本格的なデジタル時代に向けまして、放送サービスの質を高めていく、そして受信料の価値をより大きくしていかなければならないわけですが、このためにすべての部門で聖域なしに経営資源を見詰め直していこうと。総額がなかなか増えない中で伸びる部門にどういうふうに経営資源を配分していくかということは、これは経営戦略の中で一番重要なことだと思っております。  そのためには、放送部門については、これは人は絶対減らさない、資金も今までのものは確保する。その部分を、御指摘のように技術とか営業の方から出ていくわけですけれども、これについては、大事な仕事ですから、その仕事をほかの部門で、仕事を関連団体に持っていくとかいろんな工夫をしながらしていくと。  要するに、今度の中では経営資源をシフトするということに重点を置いていきまして、そういった考え方で取り進めてまいります。
  125. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 経営資源をシフトするということ、パワーをシフトしていくことというのは分かるんですが、限られた人数の中で放送部門に回すとするならば、やはり技術、営業、事務という部門が減って、そこの職場の人たちは残されていくわけです。そうなると、その残された少ない人数の中で過重労働とも言えるような環境で現場を守っていかなければならない。そこのモチベーションの維持についてはどうお考えでしょうか。
  126. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 具体的には、この営業、技術につきましては、職員の業務の在り方を見直すという、削減だけでなくて必要な業務分野には要員を配置していきます。それから、関連団体も含めた外部パワーも活用します。そういった中で効率的、効果的な業務体制を構築していきます。
  127. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 これまでの三か年、つまりこの平成二十年度までで千二百名の職員を削減してきたことになります、計画に基づいて。経営効率化はもちろん大事なことだと思いますが、現場に大きな大きなしわ寄せが来てしまっては、公共放送NHKとしてみずみずしい放送文化を守っていくことに支障を来しかねないのではないかと思っております。  また、この三か年の経営計画にもこの点についての記述がありますが、会長は現場主義、そしてお客様、視聴者第一主義を掲げておられるはずですから、現場の職場環境の改善というものにも取り組んでいただきたく思います。また、風通しの良い自由闊達な職場環境が公共放送NHKを支えていくことになると考えておりますので、そこは会長を始めとしてリーダーシップを発揮していただければと思っております。  今日は、視聴者主義、そして視聴者との回路という観点から様々な質問をさせていただきました。まだまだ一連の不祥事の視聴者からの信頼回復、そして私のような若い世代の接触者率がまだまだ少ないということは、平成二十年度の約束の中でも一つ項目を立ち上げて触れられているように、様々な課題がまだまだあると思っております。  また、視聴者を第一に考えて、そして視聴者を大事に考えるからこそ放送の質が向上する、でもその放送の品質を向上させるためには現場で働く人にも思いをはせて経営をされていくことが大事かと思いますので、そのようなことを若い世代の視聴者の一人として心よりお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  128. 内藤正光

    委員長内藤正光君) この際、ここで三分間の休憩を取ります。    午後三時七分休憩      ─────・─────    午後三時十一分開会
  129. 内藤正光

    委員長内藤正光君) ただいまから総務委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  130. 谷川秀善

    ○谷川秀善君 自由民主党の谷川秀善でございます。  福地会長さんを始めNHKの皆さん、大変長い間御苦労さまでございます。あと後半戦、同じぐらいあるようでございますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。大臣もお付き合い、大変御苦労さんでございます。  いよいよ平成二十三年七月からデジタル放送への完全移行ということに相なるわけでございます。あと二年半少々でございます。その準備にNHKさん始め皆さん、大変万々怠りのない準備をされておられると思いますが、その中で、NHK、昔大変不祥事が起こりまして、大変私も心配をいたしておりました。それで、大分良くなってきたなと、こう思っておりましたら、またまたいろいろ職員のインサイダー取引だとか経理の不正支出だとか、また起こってきました。非常に残念なことであります。  NHKは、御存じのように、放送法において公共放送の使命を十分自覚をして、その使命を確実に果たしていただかなければなりません。国民・視聴者の負託にどうこたえるかということが一番大事なことだろうと、今までの皆さん方の質問の中にも、この国民・視聴者の負託にどうこたえるのかという質問がございまして、私も会長に初めに質問させていただく前に、この負託にどうこたえるのかという覚悟といいますか、決意をまずお伺いをして、質問をさせていただきたいと思います。
  131. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 昨年の一月に会長に就任いたしまして以来、私の最大のミッションは、不祥事によって失われた視聴者からの信頼を回復することだというふうに考えまして、その信頼の回復に取り組んでまいりましたし、これからも取り組んでまいります。  そういった意味で、平成二十一年度からの経営計画では、視聴者の皆様からの信頼が第一と考えまして、経営方針の一番最初に、「視聴者のみなさまの信頼を高めるため組織風土改革に全力をあげます」ということを明記いたしまして、実行をお約束しております。NHKの一人一人の役職員が、風通しのいい、ビビッドな職場をつくっていくということに努力してまいりたいと思います。  とりわけ、NHKのジャーナリストとしての仕事はロボットでは代わってやれません。やっぱり熱い血の流れた人間しかできません。そういった面で、ビビッドな組織風土をつくっていくということに全力を挙げて取り組んでまいりたいと、かように思っております。
  132. 谷川秀善

    ○谷川秀善君 ありがとうございます。  どうぞよろしくお願いをいたしたいと思いますが、ただいまお話にありました二十一年度から三か年の経営計画の重点目標ということで、これにもありますが、九つ掲げておられます。その重点目標についてちょっと分かりにくい部分がありますので、その点についてお伺いをいたしたいと思います。  ただいまもおっしゃいましたように、NHKの組織風土の改革について全力を挙げますと、こう書いておられるわけでございますけれども、NHKというのはやっぱり特別な組織なんでしょうか、そういうことがちょっと私にも分からないんです。その組織の風土というのは、どういう風土があったのか、今まで。それをどう改革をされて、そしてまた組織をどう変えていかれようとするのか。  長年、公共放送に携わってこられましたからいろいろあったんだと思いますが、特にここに書いておられるように、その組織と風土を改革をすると。どういう方向へ改革をされるのか、今まではどうあったのかということを、これ放送されると思いますので、国民の皆さんに、視聴者の皆さんに分かるように具体的に御説明願えればと思います。
  133. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) NHKの組織風土の一番の特徴は、どこの組織でもある程度はそうでございますけれども、とりわけNHKにとってそれが顕著だと思われるのは、縦軸の組織が強過ぎて横のコミュニケーションが図れていない。だから縦の組織の中でかばい合いが生まれてくるんだ。このぐらいのことは許されるだとか、いいじゃないか、そういったことが生まれてくるんではないかということを聞き及んでおります。  そういった中で、私は、まずはトップからということで、役員の個室を全部やめて役員同士が大部屋に入って横のコミュニケーションを良くする、組織を超えた人事異動をする、それから管理職になる前に二つ以上の仕事をマスターする、いろんな横のコミュニケーションを良くすることに取り組んでまいりました。最近はやっとそういった動きが現場の中で芽生えてきたような感じが私はいたしております。  もう一つの特徴は、これは民間から来まして、全職員が共通の目標といいますか、この指止まれという何かがない。そういったものを是非作りたいということで、これは部局を超えた若手プロジェクトのメンバーに、全職員が共通の目標となるものを君たち若手で考えてくれよと。そういった中で出てきましたのが接触者率ナンバーワンという提言でございました。私はそれを非常に尊重しまして、ナンバーワンというのは比較の問題だと、相手が悪ければ自分は悪くてもナンバーワンになれる。相手の出来に関係なく絶対的な目標を作ろうじゃないかということで、接触者率八〇%というものを二つの経営目標の中の一つにしたわけでございます。  以上でございます。
  134. 谷川秀善

    ○谷川秀善君 どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。  次に、「放送・通信融合時代の新サービスで公共放送の役割を果たします」とあります。この放送融合の時代というのは私も分かるんですけれども、これをどういう新しいサービスでいわゆる国民・視聴者に提供されるのかということを具体的にちょっと御説明願いたいと思います。
  135. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) インターネットや携帯端末など通信技術の進歩は大変目覚ましくございまして、放送と同じような品質の動画をインターネットで見ることができるといったことなど、放送と通信のサービスの区別が本当に付きにくい新しい情報環境の時代となってまいりました。その中で、視聴者はテレビやパソコン、携帯端末などのメディアを、自分の好きなものを選んで見たいときにいつでも放送番組を見ることができるようになってまいりました。  こうした時代にありまして、NHKは、放送を軸にしながらも、多様な伝送路を通じて視聴者が見たい、知りたいコンテンツをいつでもどこでも届けたいと考えまして、「いつでも、どこでも、もっと身近にNHK」という経営計画を作ったわけでございます。  具体的なサービスといたしましては、既に、インターネットを使って、見逃した番組や過去の名作などを提供するNHKオンデマンドを平成二十年十二月から始めました。また、携帯端末へのニュースの配信を今年二月に開始をいたしました。今後は、放送とインターネットが連携した教育コンテンツの開発でございますとか、あるいは放送を核にネット上で視聴者の情報発信や情報交換の場を提供する、こういった取組も進めてまいりたいと思います。  放送通信融合時代といいますのは、情報があふれる時代でもあります。放送、インターネット、携帯端末など、こういったメディアで自律的な編集判断に基づく責任ある情報と多様性のあるコンテンツを提供することがNHKの大変大切な使命であると考えております。
  136. 谷川秀善

    ○谷川秀善君 どうぞよろしくお願いします。  それでは次に、構造改革を推し進め、効果的な体制で受信料の価値をより大きくしますとありますが、今の受信料は大体一台当たり二か月で四千五百八十円ですから、ざっと一か月二千二百九十円ですね。これが高いのか安いのかというのはいろいろ議論のあるところだろうと思いますし、また、受け取る国民・視聴者の側の状況にもよるんだろうと思いますけれども、この受信料は何を基準にして今お決めになっておられるんでしょうか、その点をよろしくお願いいたします。
  137. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 受信料の算出根拠でございますけれども、受信料額はNHKの維持運営のための特殊な負担金であります。この受信料の性格を踏まえまして、視聴者の皆様に公平に御負担いただくことを原則といたしまして、総括原価方式というのを基本に算出をいたしております。  例えば、地上契約の受信料額は、地上放送を行うために必要な総経費、言い換えれば、衛星放送に直接係る経費を除いた事業支出に債務償還を加えた総括原価を受信契約者の方々が均等に支払っていただく受信料で補う、こういう考え方によって算出をされております。また、衛星付加受信料につきましては、衛星放送の受信設備を設置した受信者が衛星放送の実施に当たって直接必要となる経費を負担することを基本に設定をいたしました。  諸外国との比較でございますけれども、昨今の急激な円高下におきましても、昨年十二月時点で、NHKの受信料額というのは、多くの国に比べまして地上波の場合には低い、衛星放送を含めても、イギリスのBBCでありますとかドイツのARD、ZDFなどとほぼ同じぐらいの水準だというふうに承知をいたしております。
  138. 谷川秀善

    ○谷川秀善君 それじゃ、余りそう高くないと。言うてみたら、世界的な水準ぐらいだろうというふうに理解をすればいいわけですね。ありがとうございます。  それで、「受信料を公平に負担をしていただくための取り組みを強化します」と、これは私、非常に大事だと思うんですね。同じテレビを見ながら、受信料を払っている人と払っとらん人がおるというのは、これは国民の側から見ると非常に不公平でおもろうないなと、こういうことだろうと思うんですよ。  それで、二十年度の受信料の予算額は六千三百五十億円で、見込額として六千四百億円となっておりますね。それで二十一年度はちょっと上がりまして六千四百九十億円、百四十億円の増収を見込んでおられるわけですよ。そうすると、これは二十年度と二十一年度の受信契約台数が増えたのか、それとも増えていないのか。  それと、契約台数だけでは判断できないですね。その契約台数から、今度はその支払っていただく人たちがどれだけおるのか、いわゆる支払率ですね、これはどれぐらいあるのか。ずっと見ていますと、この予算書を見ていますと、大体七割ぐらいですね、七割ぐらい。この辺のところをどうされようとされるのか。いろいろ御質問の中でありましたけれども、もう一度お願いをいたしたいと思います。
  139. 大西典良

    参考人(大西典良君) お答え申し上げます。  平成二十年度の受信契約総数は、十九万件増加をして三千六百五十九万件、支払率は七一・五%を見込んでおります。平成二十一年度の受信契約総数は、三十万件増加をさせて三千六百八十九万件、支払率は七二・二%を計画しております。  以上でございます。
  140. 谷川秀善

    ○谷川秀善君 いろいろ御努力をしておられると思うんですけれども、ちょっと私は、やっぱりいわゆる七〇%というのは低いんじゃないかなという気はするんですよ。それで、皆さん方、努力して七三%にしたい、また八〇%に近づけていきたいと、こういうふうにおっしゃっておられるわけですけれども、これで見ていると、この予算書を見ていますと、契約収納関係経費というのがありますね。これが大体、ざっと見まして六千億の収入を上げるのに六百億使うておる。だから一割使うておるんですな。こんなのは、これは非常にないと思います、ほかに。これをなかなか比較するものがないから、民間放送は受信料でやっていませんからないんですけれども、いわゆる一割費用を使うというのは、これはどうも使い過ぎやないかと、本当に。だれが考えたってこれはおかしいですよ。六千億集めるのに一割使うておる。一一・五%でしょう。だから、非常に私はこれは高いんじゃないかと思うんですよ。これを下げたら大分私はNHK楽になると思いますよ。その辺のところをどうお考えでございましょうか。
  141. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) お説のとおり、通常、常識で考えましても、六千数百億の受信料を集めるのに一一%も一二%も払うというのは普通では考えられませんけれども、しかしこのNHKの受信料制度を支えていく一番大切なところが、先ほどおっしゃいました公平負担というところにあると思います。その公平負担を達成していく中でこれだけの経費を抱えておりますが、しかし、これはこの三か年計画の中でこの営業経費率を一〇%以下に抑えていくという努力をまず取り組んでまいります。  以上でございます。
  142. 谷川秀善

    ○谷川秀善君 公平負担というのは、これは大事なことでございまして、だから、その公平負担をするためにできるだけいわゆる契約率も上げる、そして収納率も上げると、こういうことはよく分かるんですよ。そのために費用が掛かるんだということはよく分かるんですが、それはやっぱり大事なことですけれども、掛け過ぎですわ、考えたら。ここにメスを入れない限りこれは解決しませんで。  だから、非常に、これを上げますという努力をされるとちゃんと認識しておられますから私も期待をいたしておりますので、是非これは、何かいい方法、会長、あなた民間におられたんやからよう分かっておると思いますよ。だから、その辺ちょっといい知恵出して、それで頑張ってもらいたいというふうにお願いをいたしておきます。これは答えが出てきますから、二年先、三年先に出てきますから、またその節、私も総務委員会におればお伺いをいたしたいというふうに思います。  それで、これから二十三年に向かってデジタル化するというのは、デジタル化デジタル化と、こう、大変我々は言うているんですけど、地元へ帰って、おばあちゃん、おじいちゃんに聞いたら、デジタル化って何だんねんという。何にも分かっていませんよ。それで、今のテレビで見れなくなるんだよと言うと、ええっと言う。どないなりまんねんと、こう言うてるわけですよ。これは私は本当に大事なことやと思いますよ、もうあとちょっとですからね。ある日突然ぱっとテレビつけたら何にも映らへんがなと。こういうことは、笑うておられるけど、現実起こると思いますよ。そして、チューナー付けたらええとかね。そのチューナーって何だんねんという。何にも分からへんですよ、正直言うて。  だから、この辺のところは、総務省も一生懸命やってはるわけや。やってはるけど、どうも一般の方、特に七十歳以上、二割おるわけ、二千万人おるんでっせ、これ。この人らが、大体テレビが子守ですわ。楽しみなんや、テレビが本当に子守ね。それが、ある日突然ぱっと映らぬようになってもうたと。これは私は非常に大問題になると思いますんで、是非この辺のところ、これからどうされるのか、総務大臣、ずうっと座ってもろうてますから、何ぞないとおもろうないと思いますから、総務大臣の僕は覚悟をちょっとお伺いいたしたい。
  143. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) これは、国策でやる以上は最終責任は国が負うということを申し上げているわけですが、実際、谷川先生がおっしゃっているように、アナログって何だと、デジタルって何だと、何でアナログという波がなくなってしまうんだというのは、本当によほど説明しなくちゃ分からない。  私自身も昔は理科系得意だったんですが、最近の科学技術に付いていけなくて、例えば家に帰って私はDVDを見るのが楽しみなんですけれども、時々機械が、息子が勝手に変えちゃったり、どこかいじると映らない。今度はテレビに戻そうと思ったら、テレビの普通のニュースが映らない。大騒ぎして、だれがいじったんだって、直せ直せって騒ぐ。私だってその程度のものなんですよ。  何というんでしょう、やはりよほど丁寧に説明して回ることが必要だし、そのためにデジサポというのを各都道府県に全部で五十一か所設置して、どんな相談にも応じますと。また、そういうところから巡回して、それこそ戸別訪問して教えて歩くというふうなことにしておりますけれども、とにかく国策として決めた以上は、二〇一一年の七月二十四日までにみんなが見れるようにすると、みんなが見れるような知識を持つということで全力を挙げていきたいと思っておりますが、そう簡単でないことよく分かっておりますので、一層の宣伝というんでしょうかコマーシャル、周知徹底しなけりゃならぬと思っております。
  144. 谷川秀善

    ○谷川秀善君 時間が来ましたのでこれでやめさしていただきますが、これは総務大臣、本当に国策でやったわけですから、一般の国民・聴視者に迷惑が掛からぬように是非どうぞよろしくお願いを申し上げます。  ありがとうございました。
  145. 河合常則

    ○河合常則君 自由民主党の河合常則でございます。  私も、谷川先生の後を受けて、話を聞いておりまして、まずは受信料の未納のことについてお伺いしたいと思っています。  僕は長い間、地方議会、地方議員をしておりましたので、NHKの受信料はみんな払うものだと思っていました。五年前、参議院議員にならしていただいて、えっと思いました。びっくりしました。三〇%の方が払っておられないと。  それで、調べてみました。放送法三十二条では、NHKの放送を受信できる設備を設置した者は放送受信契約を締結する義務を有し、NHKは特に定められた要件に該当する場合を除いては受信料を免除してはならないと書いてございます。  それで、去年の十月一日からは、障害者基本法に定めるすべての障害者、市町村民税非課税の人、それから災害被災者、それから社会福祉施設や学校、これは要らないことになっていますが、これは免除になっています。  それはそれでこれは非常にいいことになったんだと思いますが、免除の数も予算書で見ると二百七万件、六十万件も去年より増えている計算になっています。それはそれで非常にいいことなんだと思いますが、過去の推移見ましたら、平成八年七九・二%の収納率ですよ。その次に平成九年七九・三%、平成十年七九・一%ですね。それで、がたっと平成十八年、十九年と減りまして、七〇・七とか七〇・〇になっていますね。いっときは六九・二になっていますね。  先ほど外国の話ございました、谷川先生の話のときも。イギリスのBBCは約一年間三万三千円で九〇%以上の収納率だそうでございます。フランス・テレビも地上デジタルが三波でアナログ五波で一万九千円、九四%の収納率だそうでございます。こういう一連のことを考えてどういうふうにお感じなのか、お聞きしたいと思います。
  146. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) おっしゃいますとおり、約八〇%近い支払率をかつて取っておりました。不祥事によりまして視聴者の信頼を失ったということで支払率が大きく落ちてまいりました。今、営業の方も努力をいたしまして、それからNHKの職員が一体となって信頼回復に努めてまいりまして、徐々に回復してまいりました。支払率もそうでございますが、まだまだでございますが、支払額はこの二十一年度の予算を達成すればやっと不祥事の前の水準に取り戻せるということで、まずはやっぱりそこをねらっているということで今努力をいたしております。
  147. 河合常則

    ○河合常則君 大体金額が、受信料の収入が六千五百億と、七〇%の収納率なんですね。それで、谷川先生のおっしゃったように料金をそのままにして、それを一%、二%、五%、それで八〇%まで持っていくと、高くしてですよ、八〇まで持っていくと。それもそうですけれども考え方によっては一遍に一〇%落とすとか二〇%落として収納率を高めるという、商売とすればですよ。安く売ってたくさんの方からもらうと、その方が公平なんだと、こういう考え方はできないものかなと。だから、減価償却が七百億円ありますし、それから流動負債と流動資産比較しても言っていることは可能なのではないかなと思うのでございますが、いかがでございますか。
  148. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 御指摘のとおり、支払率を向上させることによって受信料が複数年にわたって安定的にNHKの運営のために必要な経費を上回るような収支構造になれば受信料の引下げは可能になってまいります。受信料の引下げの問題と支払率の向上と並行的になってくると思うんですが、平成二十一年度からの三か年計画では、支払率を三年後の平成二十三年の末に七五%、五年後の平成二十五年度までに七八%まで高めることを経営目標に掲げております。その上で受信料の公平負担への取組を徹底して、二十四年度から受信料の一〇%還元を実行しますというふうに決めたわけでございますが。
  149. 河合常則

    ○河合常則君 それは考え方ですから仕方ありませんけれども、もう一つは、どうしたら収納率高くなるかなと考えてみたんですね。都道府県別に収納率はどうなっておるのかと。それで、全国に五十四局か五十一局、その局別でもいいんですよね。それぞれそういう一定の努力が支局ごとにしてあれば競争もして高くなるのではないかと、こういうふうにも思うんですね。  そして、もう一つついでに申し上げると、地上波だけで千三百四十五円、BSも入れて二千二百九十円、月ですね。金額が細かくて、これはやっぱりもうちょっとすっきりした金額に、千三百円とか二千三百円とか上手にやれば、そして団体、百件以上だったら三百円割引する、五十件から百件の場合は二百三十円割引する、五十件以下の団体は二百円割引する、こういうふうになっていますよね。こんなことを考えたら、それぞれ団体扱いとかいろんなことをして、やっぱり収納率を高めることができるんじゃないかと。それは支局ごとにとか都道府県ごとにやれるのではないかと。例えば、マンションの管理者に共益費と一緒にお願いすると、マンションは戸別だと言っていましたから。電力会社に提携できるとか、電力会社と提携できるかということも大事なことなんじゃないかと思う。  もう一つ申し上げたら、CATV、ケーブルテレビは今や二千二百八十万件入っているそうですよ。これ入ったらBS見られますから。BSだけの契約は千三百三十七万件ですよね。これはやっぱり上手にやればもっと収入増えるんじゃないのかと、安くできるんじゃないのかと、これが公平なんだと。やっぱり一〇%安くして収納率八〇%を目指す、二〇%安くして収納率九〇%を目指す、こういう姿勢は、それは七三%、七五%というのもそれもすごく大事なんですけど、工夫が要るんじゃないかと。そこをひとつお願いします。
  150. 大西典良

    参考人(大西典良君) お答えします。  先ほど都道府県の単位の支払率を公表したらどうかという御質問でございましたけれども、NHKの全国の支払率は十九年度末で七一%と推計をしております。都道府県別の支払率は推計しておりません。その理由は、支払率をまず推計するためには、母数となる有料契約者の対象を把握する必要があります。そのためNHKでは、世帯についてはテレビの設置状況、それから事業所についてはテレビの設置数などのサンプル調査を行って公表しております。この調査の結果について、全国一本でなく都道府県ごとに単位で発表するという信頼性を得るためには、膨大なサンプル調査が必要であります。現在のところ、都道府県の支払率は持ち合わせておりません。  それから、現在、統計に関する外部有識者を交えまして受信契約率の推計方法あるいは検討する委員会を今現在開催しております。都道府県別の支払率の効率的な調査の方法の可能性についても、この委員会の中で検討してまいりたいというふうに思います。  それから、先ほどありました五円あるいは十円の単位で端数についてはどうなのかと、こういう御質問でありましたけれども、NHKの受信料はNHKの維持運営のための特殊な負担金ということで、先ほども会長がお答えしましたけれども、総括原価方式を基本に算出しております。それから、地上契約の場合は地上の受信料、地上放送のための必要な経費、言い換えれば、衛星放送については、直接かかわる経費を除いた事業支出に債務償還等を加えた総括原価を契約をしていただいている方々が均等にお支払いをしていただくということで算出しております。五円、十円の単位ということでありますけれども、月額五円の端数ということでありますけれども、二か月単位、あるいは六か月単位、十二か月単位という支払のサイクルになっております。収納業務については支障には今現在なっておりません。しかし、視聴者の皆さんに分かりやすさという点では、今後の体系の検討の中でそうした点も考慮していきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  151. 河合常則

    ○河合常則君 収納率を高めて、それからいろんな団体とかそういうところにお願いをして手数料も出していくと。例えば、百件だったら三百円値引きすることになっていますよね。手数料を出すというのかな。そうすると、さっき申し上げたように、例えばケーブルテレビ二千二百八十万件、それで千三百七十七万件のBSの加入と。ケーブルテレビ入ったらBS見えますよ。そうすると、このことなど考えて、三百円払いますからといってケーブルテレビの会社に払う、それで一括してNHKさんがおもらいになると。そうしたら、ケーブルテレビの会社は、これはもらい過ぎだからといってお客さんに二百円割引する、ケーブルテレビの会社には百円だけ残ると。こういう仕組みもあるわけですよね。きっとあると思うんですよ。そういうふうにして、やっぱり国民に安く、なるべく安くする、そして入りやすくしてもらうと、契約しやすくしてもらうということが非常に大事なんじゃないかと思うんですね。  私は、払わなくてもいいと、これはもう三割もおると。頑張って文句言って払わなければ助かったと、富山の言葉でいどるこかちという話がございますが、こんなのでは、それを認めるようでは良くないのではないかなと。みんなで助け合って、負担し合って、そして地域社会を守っていく、それから情報通信の仕組みもきちんと守っていくということが大事なんじゃないかと思うんですね。  それで、やっぱり、何といいましょうか、コミュニティーが今大事だと、私は市町村合併してなおさらそうだと思いますが、それぞれコミュニティーを形成する社会奉仕団体とかそういうのもございますよ。自治振興会もございますし、それからPTAとか消防もそうでございますし、それから、いろんなものがあるのですが、婦人会もございますね。これはやっぱり総務省の知恵も借りる、それから応援もいただいて何とか公平な収納率を高める、そういう地域社会をつくっていく、こういう姿勢が要るのではないかと。  それで、やっぱりNHKさんから、総務省、大臣に何か知恵ないかと、みんなでそういう相談さしてもらいたいと、こういうことぐらい言わないと、大臣だって、おれ頼まれもせぬのに物言わぬよと、こういうことになるかもしれませんから、と思いますが、大臣、どう思われますか、どうぞ。
  152. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) NHKは国営放送ではないんですけれども、国民の中には国営放送と思っている人もいるかもしれない。あるいは海外から見れば、あれは日本の国営放送ではないかと思う部分があると思います。そうではありませんが、公共放送であるがゆえに社会的使命が物すごく重いわけですが、その公共放送たるゆえんというのは、受信料によって成り立っているということでございますから、その受信料の問題を抜きにしてNHKを語ることはできないんだと。  そういった意味では、河合先生先ほどからの御質問を、お話を興味深く聞いておったわけで、これが七割というのは実に情けない話でございまして、国民年金が今どれくらいになっているか分かりませんけれども、そういった意味では、根本には教育の問題というのがあるのかなという気はしないでもありません。小学校辺りの教育で、NHKという公共放送には受信料を払わなければならないんだということをきちんと教えるべきなのかなと、そういうふうな思いがございます。  それから、ちょっと余計なことを申し上げますが、よく受信料の支払の義務化ということがテーマとして取り上げられることがあります。しかしながら、私は一年間法務省におったものですから、法務省の刑事局の人に聞きますと、契約が義務化されていますね、契約する義務があるわけですね。だから、支払義務化ということを書かなくても、契約しなくちゃいけないのに契約しないでNHKを見ておったらこれは不当利得ということになると。少なくとも裁判をやれば全部勝つという状況であることは大体明らかなんだろうと思います。  しかし、そこまで世知辛いことをするというのはやはり日本の文化、文明に合っていると私は思いはしませんが、ありとあらゆる工夫をして、教育というのはちょっと時間が掛かりますが、ありとあらゆる工夫をして徴収率を上げるというのは、収納率を上げるということは絶対に必要だと思いますね。やっぱり八割では足りないぐらいで、本当は九割ぐらい、よほど例外、免除されている方は当然いますけれども、免除されていない方の九割ぐらいが受信料を払うという日本にしたいものだと。  ですから、我々としてどういう、私も自治会とかやっぱり婦人会とかそういうのは十分使えるような気がするものですから、いろいろ検討もさせていただきたいと思っております。
  153. 河合常則

    ○河合常則君 ありがとうございました。  会長、是非相談して、公徳心の涵養も大事でございますし、これ払わなかったら、払わなくていいんだよというような雰囲気は、本当に日本中困ると思いますよ。是非頑張っていただきたいと、ここが基本だというふうに思っています。  さて、よく似たことで、どうしたら上がるか、もう一つ考えてみました。視聴率でございます。NHKの事業計画では、放送の番組については、報道の強化、正確な情報、迅速な伝達、高品質な番組、デジタル化に合わせた多様なサービス、教育番組、障害者・高齢者向け番組の充実、地域を見詰め、地域とともに考え報道地域放送の充実、次回冬季オリンピック・バンクーバー大会放送の特番と、これだけ書いてございました。  それで、こういうことをどこが決めるのかなと思ったこともありますが、これは申し上げません、先ほどから何人か話ありましたから。私は、こういうことを考えると、今甲子園やっていますよ。きっとあれ視聴率高いんだと思います。割合地域を踏まえるからでございます。  それで、私はもう一つ、どうしてもNHKにお願いしたいなと思うのは、国民体育大会、これはもうちょっときちんと放送しないと、やっぱりいいのは全国に、いいのというか、大事なところは全国放送。開会式はありますけど、あとほとんどないじゃないですか。  やっぱりローカルなものは、各県の代表選手の活躍は、それはローカルの支局で放送していただくと、しっかりと。オリンピックに出る選手も日本のスポーツのレベルを高めるために大事なんですけど、国民体育大会に出ると、そこまで努力したそういう方々地元で全部スポーツの振興のために頑張りますよ。それは地域を盛り上げることになり、コミュニティーの連帯感を高めることにもなりますよ。そういう意味で、国民体育大会、スポーツの祭典と言われる、もう六十何回ですかね、そんな国民体育大会の放送はやっぱりきちっとやってもらいたいものだと思うんですね。  僕は、国体には、スキーではもう二十年間出ているんですよね。団長としてとか副団長で出ていますが、全然放送ないんだよね。それで、これはやっぱり非常に、そうしたら地域の振興につながるのではないかと、こういうことを思うわけでございます。  それで、あわせて、「ふるさと一番」だって、それから「だんだん」だって終わりましたけど、これは割合視聴率高かったんじゃないかと思うんですね。これはローカルな地域を踏まえるからだと思うんですね。「天地人」だって、やっぱり地域を踏まえているから高いのではないかなと思うのですが、その視聴率も含めてお考えをお聞きしたいと思います。
  154. 日向英実

    参考人(日向英実君) 国体につきましては、平成十九年度の秋田大会から放送日を一日増やしまして、今九日間放送しております。冬の国体についてはいろいろ経費の問題等がございまして、中継は今のところやっておりませんけれども地域の番組、それから全国放送でも様々な放送枠で紹介をしております。もちろん、これからも、視聴者の御要望もございますので、検討していきたいというふうに思っております。  それから、「ふるさと一番」、それから「天地人」、それぞれ、NHKは視聴率にこだわるわけではございませんけれども、非常に高い数字を今いただいております。こういう地域の話題を全国の放送に乗せるようなものですね。それから、大河ドラマももちろん全国向けの放送ですけれども、それぞれの地域の活性化にもつながっているかなというふうに思いますので、これからも是非その辺については力を入れていきたいというふうに思っております。
  155. 河合常則

    ○河合常則君 最後に、要請だけ。何せ、冬の国体、夏の国体、秋の国体、しっかりときっちりと時間を取って出すように、よろしくお願いします。  終わります。
  156. 二之湯智

    二之湯智君 自民党の二之湯です。  私の時間は十八分間しかございませんので、手短に御答弁をお願いいたします。  まず最初に、NHKの国際テレビ放送についてお伺いいたします。  平成二十一年、今年の二月から、NHKの国際テレビ放送が充実強化されたと伺っております。放送は二十四時間放送されているそうですが、どういうような編集方針で、どんな内容の番組を放送されているのか、まずそれをお聞きしたいと思います。
  157. 今井義典

    参考人今井義典君) 先生御質問のテレビ国際放送は、NHKワールドTVというふうに呼びまして、最新鋭のスタジオをNHKの中に造りまして、二十四時間英語のニュースを中心にお届けしております。アジア各地にNHKの支局が設けてございますが、このネットワークを最大限に生かして、国際社会で存在感を増しているアジアの動きを、日本動きも当然でございますけれども、リアルタイムで伝えて、アジアの情報はNHKからというブランド、信頼できる放送の確立を目指しているところであります。  ニュースのほかに情報番組も放送しているわけでありますが、この中には、日本の政治経済から伝統文化、それからライフスタイル、食、ポップカルチャーなど、視聴者の幅広いニーズにこたえるいろいろな番組を発信しております。最近、評価が高い番組の一つに、日本の町工場が持つユニークな技術力を世界に紹介する「J—TECH」といった番組を作りまして、NHKが国際放送用に制作する番組、さらに、国内放送の「NHKスペシャル」ですとか「クローズアップ現代」などを英語化しまして放送しているところであります。
  158. 二之湯智

    二之湯智君 現在、日本には二百万人を超す外国人が居住していると、こう言われておりますし、さらにまた、観光客を始め日本を訪問する外国の方は大体七百五十万人ぐらい今いらっしゃるんじゃないかと、このように思うわけでございます。緊急時を考えたときに、こういう国際テレビ放送が国内でも受信できるようにしたら大変有益だと思いますし、若い人々が英語を学ぶときにその放送が国内でも受信できたら大変英語教育にも非常に有益だと、このように思ったりするわけでございます。  技術的にはそんなに難しい問題があるとは思えませんけれども、もしそういう国内向けに放送をするためにはどのような課題を克服しなきゃならぬのか、その辺をお伺いいたします。
  159. 今井義典

    参考人今井義典君) お答えします。  先生おっしゃいましたように、技術的には余り大きな問題はないと承知しております。ただ、制度上クリアしなければいけない問題が幾つかございます。  一つは、このテレビ国際放送は放送法第二条第二号によりまして、「外国において受信されることを目的とする放送」と定められております。それから、NHKが国内で放送業務を行う際に、チャンネルの数が国の放送普及基本計画に基づいて決められております。したがいまして、国際放送を国内で放送するためには、新たにチャンネルを確保することを含めまして難しいのが現状であります。  しかし、日本国内には外国人が二百万人を超えて居住しております。NHKでは、日本語の分からない視聴者の方々に必要な情報をお届けすることが重要と認識しております。このため、NHKの国際放送の中からニュースや番組を二か国語の放送で実施したり、国内で放送しているニュースにも英語を付けて放送したりする方法を総合テレビですとか衛星第一放送、それからデジタルの教育テレビなどで放送しております。  また、英語のニュースの中から英会話の教材としてニュースの番組を使用することも二十一年度から行うことにしております。また、インターネットを使ってホームページの上にテレビを見せることもできるようになりまして、今年の二月からNHKワールドオンラインといたしまして、テレビ国際放送をテレビの放送と同時に国内のインターネットでも大部分が見えるように工夫をしているところであります。  いずれにいたしましても、テレビ国際放送をどのような形で日本の国内で見ていただくことができるか、どのような手だてがあるか、引き続き検討させていただきます。
  160. 二之湯智

    二之湯智君 NHKは、公共放送として公正中立、不偏不党の立場を貫いて国民に良質な番組を提供する、そして民主主義の発展に寄与するということがNHKに課せられた大きな使命だと思うわけでございます。さらにまた、地域間の格差の是正とか日本の伝統文化を保存、継承する、こういう使命もあるかと思います。その観点から幾つか質問をしたいと思います。  まず第一に、さきのWBC、ワールド・ベースボール・クラシックなんかは非常に視聴率が高くて、多くの野球ファンが画面の前にくぎ付けになったと、このように思うわけでございますけれども、そこで、いよいよメジャーリーグも始まりますけれども、BSで夜中十一時半ごろからでしたかね、メジャーリーグのダイジェスト版を放送されますけど、そのときの取扱いが、どうも特定の選手に非常に時間を割いて、日本人が多く活躍しているのに、正直なところ、松井選手の場合は七分か八分放送して、イチロー選手が三本ヒットを打ったって一分か二分で終わってしまうとか、ほかの選手は三十秒ぐらいで終わってしまうとか、やや偏りがあるんじゃないか。  さらにまた、三年ほど前ですかね、早稲田実業の斎藤佑樹選手が非常に活躍します。それはそれでいいんでしょう。しかし、全日本の選抜チームでアメリカへ行きました。ところが、二十何人が行っているのに斎藤君ばかり映すからだれが行ったか分からない、どんな活躍したか分からないと、こういう取扱いは若干NHKとしては行き過ぎじゃないかと、このように思ったりするんですが、こういうことに関しまして御意見をお伺いしたいと思います。
  161. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) まず、大リーグ中継でございますけれども日本人選手の活躍を中心にお伝えしていると。ニュース番組においては特定の選手に偏らないように配慮はしておるんですが、ニュースバリューに応じてやはり放送しているということが一つございます。その辺を御理解いただきたいと思います。
  162. 二之湯智

    二之湯智君 さらに、よくNHKでは討論番組がございます。そして、そこに出てくる学者、有識者がほとんど東京、関東圏の人が多いんですね。そうすると、例えば、学者先生でどこどこの大学の先生が出てまいりますと、受験生の人は、若い人は、ああ、テレビに出てくる人は優秀な学者だと。その学者を慕ってその大学へ入りたいと。こうなりますと、全部がもう東京へ東京へと受験生が、地方の若い人が受験すると。それで、私が聞きますと、どうも東京六大なんかの偏差値は物すごい高い、関西の一流私大よりもはるかに高いと、こういうことを言われておるんですが。地域間格差を考えれば、地方の私大も、余りにもすべての人が東京の大学をお受けになりますと地方の私大と東京の大学の格差がますます開いてくるんじゃないかと。  NHKは各放送局があるわけでございますから、そういう番組にも、地方には立派な学者も、ある特定の問題について見識のある豊かな方もいらっしゃるわけですから、スタジオを結んでそういう討論番組をするとか、そういう工夫を是非とも私はしていただきたいと、こう思うのでございますけれども、この点についてお伺いします。
  163. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 討論番組の場合には、どなたに討論していただくかということにつきましては、その討論のテーマに最もふさわしい方ということになっております。別に東京を意識しているわけじゃございませんけれども、どうしても東京の方が多いと。しかし、場所といいますか取材といいますか、それについては東京、首都圏に限らず全国に求めております。三月二十一日に「日本の、これから」とか「テレビの、これから」という番組がございました。これは北海道も、いろんなところから集まっていただいておりますが、そういった点にも配慮はいたしております。
  164. 二之湯智

    二之湯智君 だんだんだんだん地方から人がいなくなって、若い人がいなくなって、地方から古くから伝わっている伝統文化、行事がだんだんだんだん担い手がなくなってきたと、こういうことが言われておりまして、将来そういうお祭りなんかもなくなってしまうんじゃないかと。さらにまた、せんだっても私友人から聞きましたら、二之湯さん、京友禅もあと十年やでと。もう後継者が育たない、職人が育たないと、こういうことも聞いたわけでございます。ということは、日本から着物を、既存の着物はあってももう新しい着物はできないと、こういうことで非常に深刻になっておるんですね。  やはり若い人がそういうところに興味を持ち、そういう仕事に従事する、あるいは地域の文化をもっと担っていこうと、こういう若い人に志を高くするといいますか関心を向けるということについて、私はNHKの果たすべき役割は非常に大きいんじゃないかと、このように思うわけでございますけれども、そういうことにやはりNHKとしては目を向けさせるような、そんな番組を是非ともこれからも心掛けて作っていただきたいと、このように思うのでございますけれども、会長、いかがでございましょう。
  165. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 日本の伝統文化と、それから各地方にあります芸術文化というものは、こういったものを放送していくというのはNHKにとっての大きな使命だというふうに私は思っております。  とりわけ、最近方言を話す若者が少なくなりまして、私は方言というあれは各地域の非常に貴重な言語文化だと思っております。例えば、NHKのラジオ番組の中で方言で朗読をするというふうなことも大事だと思うし、こういったものにつきましてはこれから先も大切にしていきたいというふうに思っています。  例えば、古典芸能の保存と育成の問題でありますとか、それからテレビでも古典芸能の保存と育成の問題、それから寄与して日本文化の継承に努める、それからテレビで歌舞伎の義太夫などを紹介する「芸能花舞台」、それから「日本の伝統芸能」、こういったものを放送しておりますし、ラジオでは、日本各地で公開収録いたします「民謡をたずねて」とか「邦楽のひととき」、こういったものをやっておりますし、地域の伝統文化の方も放送で取り上げるようにしておりますが、隠岐の島で独自の変化を遂げた伝統の舞の復活を描いた特集番組「命の舞い」、こういったものも視聴者の高い評価をいただいておりますが、こういったものはNHKでしかできないとか、NHKだからできる番組だと思いますから、こういったものには心を砕いてまいります。
  166. 二之湯智

    二之湯智君 今たまたま日本から方言がなくなってきたと、こういうことでございますけれども、今日は自民党の谷川先生が大阪弁、それで河合先生は富山弁、私は京言葉、そういうことでローカル色豊かに質問をさせていただこうと、こういうことでございます。  あとわずかしかございませんけれども、最近経済不況の影響で親御さんが職を失う、会社で整理になって収入の道が途絶えてしまうと。高校に通っている子供たちが余儀なく退学をしなきゃならぬと、中途退学。さらにまた、最近は不登校というのが増えまして、高等学校をやめる方がいらっしゃいます。  そういう中で、NHK学園は通信制課程で高校資格を受けられると、できるという、そういうことで、またそれは高校を卒業してからだけではなくて、福祉とか介護の資格も得られると。これは大変地味でございますけれども、NHKならではの私は事業ではないかと、このように思っているわけでございます。  教育番組の充実とか利用促進という観点からも、もっともっとNHK学園をPRされまして、そしてNHKとお互いが連携してもっと前向きに取り組んでいくべきではないかと、このように思うわけでございますけれども、この学園の充実について御意見をお伺いしたいと思います。
  167. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 全くおっしゃるとおりでございます。  実は、昨日の日曜日、NHK学園の卒業式がございまして、私行ってまいりました。昨年に続いて二回目でございまして、私感動しましたのは、NHK学園の高等学校の卒業生が答辞を読むわけですが、その答辞を読んだ高等学校の卒業生は、実は私は中学時代は人に会うのが嫌だと、人間の不信感に陥っていたと、そういったことで登校拒否ですか、そういったことをやっておったんだけれども、NHK学園に入って自分はこういうふうにして勉強できるようになってきたということで、私は感動いたしました。NHKも随分いいことをやっているなというふうに実は思いましたけれども、随分と卒業生が増えてまいりまして、これまでで六万四千人以上の卒業生がおるということでございます。  それからもう一つ、昨日びっくりいたしましたのは、NHK学園高等学校の現役から東大に合格者が出たということも昨日聞きまして、非常に内容も学力も、それから雰囲気も非常に良くなってきているというふうに思います。お説のとおり、大変大切にしていきたいと思っております。  以上です。
  168. 二之湯智

    二之湯智君 平成十六年の職員の不祥事以来、NHKも非常に強い風当たりがあったわけでございますけれども、福地会長を迎えられまして新しくNHKも頑張っていこうと、こういうことでございますので、ひとつ職員の皆さんは萎縮せずに頑張っていただきますよう心からお願いいたしまして、質問を終わります。
  169. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 自由民主党の礒崎陽輔でございます。  私も、この総務委員会で、放送法に定めます政治的公平性の問題を何度も議論をさせていただきました。今日は、またその件で野党の委員の皆様からいろいろ御指摘もありまして、ふだん与党が主張していることについても少し御理解を進めていただいたんではないかと、そのように思っているところでございます。  報道番組、「ニュース9」なんかを見ましても、昔に比べてNHKも大分言いたい放題を言うようになったなと思っておりますけれども、キャスターの問題もいろいろ議論しました。あの番組は田口五朗さんというのがキャスターを務めているわけでございます。どういう人かと思って調べてみましたら、私の地元の大分県の高校の出身者であるということが分かりまして、そう思ってもう一度「ニュース9」を見てみますと、なかなか田口さんも頑張っているじゃないかと、そういうふうに感ずるわけでございまして、なかなか政治的公平というのは難しい問題があるわけであります。  冗談はさておき、この政治的公平も、NHKは比較的きちんとやっていると思いますけれども、民放の報道を見ますとなかなかそうでもないところがあるのではないかと私は考えております。  したがって、この前の三月十九日の総務委員会鳩山総務大臣に御質問をいたしたんですけれども、やっぱりこういう政治的公平性、ただ法律に書いていて自主規制だけにゆだねるというのではなかなかもう間に合わぬのじゃないかと。これはやはり万機公論というか、皆さんでしっかり議論してもらったらいいんじゃないかと。しかし、公権力の介入のようなことはこれは慎重に、避けていかなければなりませんが、例えば今民間には放送倫理・番組向上機構、BPOなどというのもありますし、またそうでない機構でもいいと思いますけれども、今前例がまだなくて、BPOでもきちんとそういう公益的観点、いわゆる具体的な権利侵害がなくても公益的観点から議論できるかどうかよく分からないんですけど、こういうものも活用しながら、要は民間の機関に政治的公平について大いに議論していただいたらどうかという御提案をいたしました。それに対しまして、鳩山総務大臣からは大変前向きな答弁をいただいておりますが、同じ質問をNHKの会長にもしたいと思いますので、御意見のあるところをお述べいただきたいと思います。
  170. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 放送法は、放送事業者に対しまして、放送番組の編集に当たっては政治的に公平でなければならないと定めておりますが、こうした規定は放送事業者の自覚と責任において自律的に守るべきものだというふうに考えております。  このBPOですか、放送倫理・番組向上機構のこの三委員会のうちの放送倫理検証委員会では、ニュースや番組の内容について公平性を欠くことが放送倫理上の問題であるとこの委員会が判断した場合には審議の対象になり得ると考えているということでございまして、このBPOの考え方を尊重してまいりたいと思っております。
  171. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 仕組みの問題もですけれども、こういう政治的公平性というのを民間の皆さんの中で大いに議論するということについてはいかがですか。
  172. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) これは、NHK自身もこの政治的な公平性というのは番組制作基準の中で、放送法の規定だけでなくて、自らの番組制作基準の中でも守っておる、配慮しておるつもりでございます。
  173. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 先日の大臣の答弁に続いて、会長の答弁もやや慎重な気がいたしますけれど、議論するのが悪いということはないと思うんですね。自主規制でちゃんとやっているときは、NHKの話だけではないですけれども、自主規制できちんとやれるんだったらそれでもいいけれども、そうでないような事例も出てくるのであれば、本当にその放送法の規定が守られているかどうかというのを民間の有識者の間で、結論を出す出さぬは別にして、そういう議論をしていただいても私はいいと思いますから、どうぞ総務省、NHKも少し前向きに考えていただきたいと思います。  それでは、ホテル、旅館等に対する受信料の割引の件もここで何回か議論をさせていただきました。昨年、事業者割引というか二分の一の割引を既に施行していただいておりますが、引き続いてもうちょっと御検討いただこうということで、ホテル、旅館業者に対する徴収委託制度というのを御検討いただいて、徴収委託をした場合には事実上の受信料の減免のようなことができるというような仕組みを御検討いただいておるということはさきの総務委員会でも御質問をしたところでありますが、そのときにも業界との話合いを続けているというような御答弁をいただきましたが、その後の業界との話合いの進捗状況はどのようになっていますでしょうか。
  174. 大西典良

    参考人(大西典良君) お答え申し上げます。  ホテル、旅館の宿泊業界の五団体の皆さんは、団体の力によって翼下の事業所に適正な受信契約の締結を働きかけ、受信料を取りまとめてNHKに払っていただくという、業界団体の取りまとめについてお話合いを続けてまいりました。五団体の皆さんとはもう既に四月一日から業務開始に向けた業務委託書の締結を完了しており、それぞれ翼下のホテル、旅館に対して働きかけを進めていただいているというところでございます。一〇〇%の契約を前提としたこの取組により、ホテル、旅館における受信料の公平負担を徹底してまいりたいというふうに考えております。  なお、この施策は、NHKが業界団体と受信料の契約収納業務の業務委託を締結をするということで手数料をお支払いするということでありますので、受信料の割引制度ではないということを更に御理解いただきたいということで、四月一日からスタートをできる状態にあるということでございます。  以上でございます。
  175. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 今理事がおっしゃったように、徴収委託という制度であって、手数料をお支払いするということでございますけれども、私の聞いているところでは、それが一三%程度で、その業界の中で利用する部分もあるというふうに聞いておりますので、実質的には、昨年からやっている二分の一の事業者減免と合わせて実質的な負担が三七%になるんだという話を昨年聞きましたけれども、これは間違いないですか。
  176. 大西典良

    参考人(大西典良君) それぞれ業務委託の中身については幾らというのは、相対の業務委託契約でございますので差し控えさせていただきたいというふうに思います。
  177. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 いや、差し控えるというのはちょっと意味が分からぬのですけれども、何で差し控えなきゃいかぬのですか。
  178. 大西典良

    参考人(大西典良君) 受信料を一括徴収をしていただいて、その業界団体に手数料をお支払いするという業務委託を、先ほど言いましたように四月一日でスタートするということを締結をさせていただいたということでございます。その個々の業務委託の手数料の内容というのは、よりコストが削減できたり、あるいは視聴者の皆さんにとって利便性があったり、様々な業務委託の内容がございますので、個別については差し控えさせていただきたいというふうに思います。御理解いただきたいと思います。
  179. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 それは業界とかあるいは契約によって率が違うということですか、だから言えないということですか。
  180. 大西典良

    参考人(大西典良君) 業界で一律という、要するに、ケーブル事業者の皆様で団体一括でやっていただいて納入をしていただいている、そういう制度もございますし、今回の業界団体の皆様と業務委託をするというのは初めてでございまして、業界団体として翼下の事業者の皆さんを一〇〇%契約をしていただくということで、まとめてお支払いをしていただくということの業務委託の手数料でございますけれども、業界団体として取りまとめていただくというのは初めての施策になるということでございます。
  181. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 これはテレビ放送しておるのに、答弁拒否されちゃ困るんですけどね。別々だから、たくさんあるから一つ一つの団体を言えぬというのは分かるけれど、今はホテル、旅館のことを聞いているんですよ。ホテル、旅館に対する手数料の率は何%ですかと聞いておるのに、NHK、答えぬのですか。それは答えなきゃ、あなた、これ止まりますよ。
  182. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 明確に答弁願います。
  183. 大西典良

    参考人(大西典良君) 手数料については一五%をお支払いするということでまとめさせていただいております。
  184. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 そんな別に内緒でもないことをそんな答弁拒否しないでくださいよ。そうしたら、事実上三五%ですね。  私が言いたいのは、受信料の割引制度ではないけれど、実質的には協力してくれる旅館、ホテル業界については三五%ぐらいになると。ただ、外国の例でよく出るのが、イギリスの例であれば、こういうホテル、旅館については、これはちょっと私確認をしておりませんけれど、五台に一台、二〇%ぐらいではないかと言われておりますけれど、それぐらいをやはり私も目指していただくべきではないかと思うんですが、会長のお考え方いかがでしょうか。
  185. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) まず、今年の二月からこの事業所割引導入したところでございますし、それから、先ほど申し上げました業界団体取りまとめの制度を導入するところでございますので、まずはやっぱりこの二つの制度を使って、まずはこれを定着させて、その次の段階かというふうに考えておりますが、まずはこの線から始めていきたいと思っております。
  186. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 私も、先ほど言いましたように、まず事業所割引をやっていただいた、今回は徴収委託という制度をつくっていただいた、それは評価いたしたいと思いますが、今すぐ五分の一、二〇%というわけにもいかぬと思いますが、ただ、ここで是非NHKとしても御理解いただきたいのは、私は、ホテル、旅館の経営が大変だからまけてくださいとお願いをしておるわけでは決してないわけです。やっぱり受信料というのは当然テレビを見る対価として払うわけですから、そこに公平性があるかどうかということをきちんと考えなければいかぬと思うんです。  というのは、ホテルというのは、御承知のとおりお客さんが夕方来て朝出るわけですから、普通は普通の家庭の二分の一ぐらいしかない、寝る時間を考えればちょっと何分の一テレビ見るのか分かりませんけれど、非常に実際にテレビに触れる時間は少ないわけですね。もちろんNHKを見るか民放を見るかというのは、これまで議論するともう議論が大変ふくそうしますから、そこまで言いませんけれど、こういった宿泊施設、あと宿泊研修施設という話も私もいつも議論いたしておりますが、そういうふうに実視聴時間が違うんじゃないかと、そういう人たちの公平を図るべきでないかというのが私の意見であるわけです。  だから、さっき言いましたように、今すぐそれをやってくださいとは言いませんけど、そういうことも含めてしっかりと議論をする必要があるんじゃないかと。そうすれば、今言ったホテル、旅館等の宿泊施設における実際の視聴時間というのがどれかというやっぱりデータが必要なんですね。データなしにこれを議論していてもしようがないので、私は、是非NHKにホテル、旅館業界と御相談をした上で、実際の視聴時間というのはどれぐらいであるのか、あるいはどれぐらいと考えるのかという話合いをする、あるいは調査をする、そういうことからまずきちんと議論を始めて、その上で我々とまたどういう受信料の在り方があるかという検討をするということが必要だと思うんですが、そういう調査をやっていただけるお考えはありますでしょうか、会長にお伺いします。
  187. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 実はその辺が一番難しいところでございまして、例えば、一般の視聴者の中で受信料をお支払いにならない方で、私はNHKのテレビを全然見ないからというふうな方もいらっしゃいますが、受信料制度自体がNHKのテレビを見るとか見ないとかということじゃ、御存じのとおりでございますよね、NHKの放送制度を支えるための拠出金といいますか、そういった考え方からいたしますと、このホテル、旅館の場合も、お部屋に置かれたら、お客様が、置かれた以上は、見ないからということが一般の視聴者の私はテレビを見ないからと通じてきますので、この辺は調査の目的をどこに置くかという問題ともかかわってきまして、ちょっと苦慮をいたしております。  以上です。
  188. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 苦慮されても困るんでして、これは理屈の話をしておるわけで、別にテレビを置く置かぬということを話をしているんじゃないですよ。払わぬでいいテレビがあると言っておるんじゃなくて、NHKか民放かと言っておるんでもない。旅館というのは滞在時間が決まっておるわけだから、滞在時間以外は見ないので、その時間を調べるつもりがありますかとお聞きしておるんです。
  189. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) そういった調査をいたしましたときに、じゃこのテレビはほとんど見られていない、だから受信料の問題につながってもNHKとしては大変困る問題になってきますので、現在のところはそういった考え方、今ございません。
  190. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 いや、言っておる意味が全然分かりませんね。  私の言っておるのは、別に個別のテレビごとに調べて、それで受信料取れと言っておるわけじゃないんですよ。旅館、ホテルにあるテレビがどのくらいの視聴時間があるかという大体の話を、今からホテル、旅館に対する適正な受信料を定めるに当たって議論の材料として調査するつもりはないかと言っているんです。何か誤解していませんか。
  191. 大西典良

    参考人(大西典良君) 先ほど会長から答えさせていただいたわけでありますけれども、テレビの視聴の時間で料金が決定をするということじゃございませんので、そういった意味でいくと、設備をされておりましたら受信料の対象になるということでございます。それから、事業所についてはこの二月からスタートしました二台目以降は五〇%割引ということで、今それぞれ周知をしております。  受信料体系については、これまでも様々な検討をしてまいりましたけれども、公平で合理的になるように必要に応じて検討を進めてまいりたいというふうに思います。
  192. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 何か今日はNHK調子悪いけど、ちゃんと答えてください。  私の言っているのは、別に一台一台のテレビの時間で払うとか払わぬとかやれと言っておるんじゃないですよ。ホテル、旅館に対する受信料の適正な額を検討するに当たって、実際の視聴時間がどれくらいあるかというのを議論をする上のデータとしてきちんと調べる気はないですかと聞いているんです。  会長、ちゃんと答えてください。おかしいですよ、ちょっと。
  193. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 現在のところその予定はございませんが、このホテル、旅館の妥当な受信料についてはやっぱり何らかの形で検討していくことは必要だというふうに思っております。(発言する者あり)
  194. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 老人ホームという声もありますけどね。それはいろいろありますけど、別にどうしろと今言っておるわけじゃなくて、やはり実視聴時間が短いテレビの扱いについても、皆さんはそういうことに対して何か判断をせにゃならぬと言うから今回も徴収業務委託契約とかいう方針も考えたわけでしょう。  だから、もう昔のように一律な料金ではないという考え方にNHKの受信料も変わってきておるわけですから、それが今の、さっきの話だと二分の一プラス一五%で三五%という水準がいいのか、あるいはもうちょっと、さっきも言ったようにイギリス並みに二〇%ぐらいがいいのか、そういうことをきちんと議論をしましょうという私はお願いをしておるんであって、議論の前提の調査もしないというんじゃ話にならぬのですけれども、もう一回答えてください。
  195. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) いずれにいたしましても、この四年後、この三か年計画が終了しました翌年に受信料全体の一〇%の引下げをするということはお約束をしているわけですから、そういった中において全体的な受信料体系を検討していくと。そういった中で、こういったホテル、旅館団体のことも併せて検討していく必要はあるかと思います。そのときに、どういうふうなデータが要るかということは今後の問題だというふうに考えております。
  196. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 答弁ですからね、私がこう答えないかぬということは言わないけれど、ちょっと言っておることがおかしいですよ。私の言っておるのは、そういう調査もちゃんとした上で、国会の場で言っておるわけですから、こちらが調査ぐらいしたらどうかと言うのに調査もしませんじゃ答弁ならぬと思いますよ。だれかしっかりした答弁してくださいよ。
  197. 内藤正光

    委員長内藤正光君) どなたがお答えになりますか。  調査が必要ではないかという旨の指摘ですが。
  198. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 調査をしないって申し上げているのではございませんで、ホテル、旅館の受信料決定について、どういうふうな受信料体系が妥当かということについて何らかの調査は要ると。それが、ホテル、旅館がどれだけテレビを見ているかという調査が、今お約束しないといけないということでは私はないというふうに思うんですが。
  199. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 何かえらい、会長さんにしては今日かたくなですけれども、いや、だからそれは調査をすることも検討するぐらいのことを言っていただければいいんですよ。もういいですよ。  何かちょっと、今日は長時間だから会長も理事も何か調子悪いみたいだけれども、そんなむちゃくちゃなことを言っておるわけじゃないんですよ。それでやっぱりみんなで共通認識をつくって、きちんとそういうホテル、旅館、まあ福祉施設という話もありましたけれども、そういうところも含めて、きちんとあるべき受信料の水準をみんなで一緒に考えていきましょうと言っておるだけで、その調査が出たらそのとおりまけなきゃいかぬとか、そんなことまで言っておるわけじゃないんで。まあいいでしょう、調査をするかどうかを含めて検討してくれますね。もう一回。
  200. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) おっしゃるとおりだと思います。
  201. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 大変時間が掛かりましたので予定の半分しかできませんでしたが、前向きな議論をしたものだと思いますので、今日はありがとうございました。
  202. 弘友和夫

    弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。  まず、監査委員会状況についてお伺いしたいんですけれども、昨年の放送法の改正でNHKに監査委員会が設置されまして、監査委員三人以上をもって組織されるとなっておると。それで、経営委員会委員の中から任命すると、そのうち少なくとも一人以上は常勤としなければならないというこれは法律になっているわけですね。これが現在多分いないというふうに思いますけれども、その件について一つと、ちょっと時間が余りありませんので一緒に聞きますので、それは経営委員長にお伺いしたいと、それをどうするおつもりなのか。  それと、常勤の監査委員がいないという、これは違法状態でございますけれども、この状態というのは、放送法第二十三条の四で、監査委員会は、役員の執行を監査する、第三十八条に業務報告書に対する意見書、第四十条に財務諸表に対する意見書に関する規定というのがありますけれども、これは監査委員会としての権限であると。これが違法状態であったら、その監査の内容、意見書の有効性に疑念が出てくるのではないかと考えるわけですけれども、これは総務省にお伺いしたい。  両方併せてお伺いしたいと思います。
  203. 小丸成洋

    参考人(小丸成洋君) お答え申し上げます。  経営委員会は、経営委員の中から三名の監査委員を任命していますが、現在常勤の経営委員はいないことから、必然的に常勤の監査委員はおりません。ただ、この四月一日から、現在監査委員に任命している経営委員のうち一名が常勤になります。したがって、それ以降は常勤の監査委員がいない状態が解消されることになります。  以上でございます。
  204. 山川鉄郎

    政府参考人(山川鉄郎君) 常勤の監査委員が不在の状況は望ましいものではないというふうに私どもも思っておりますけれども、今委員長お答え申し上げましたとおり、現在常勤の経営委員が不在でございまして、やむを得ないものと考えております。  御指摘の業務報告書や財務諸表に対する監査あるいは意見書でございますが、これにつきましては、年度終了後のこれから常勤の監査委員を含む監査委員会によって行われるものでございまして、有効性について問題はないものと考えております。  なお、監査委員の井原委員が、先ほど委員長申し上げましたとおり、明後日の四月一日より常勤の経営委員となられると承知しております。
  205. 弘友和夫

    弘友和夫君 四月一日から常勤の方がいるということになるのでいいんですけれども、これは参議院で同意が得られなかった結果、こういう状況になった。だけれども、違法状態というのは、過去にさかのぼってその違法状態で決めたものはどうなんだということを必ず問われると思いますので、今後是非頑張っていただきたいというふうに思います。  次に、地域スタッフの問題ですけれども先ほどからお話しになっている平成二十一年度はこの三か年経営計画の初年度ですね。その中で、この二十一年度中に地域スタッフを三百人削減の予定であると。これは先ほど来の経営の効率化云々という話があるわけですけれども、この三か年経営計画というのはこの今の経済の状況、百年に一度と言われるこの経済の状況の前に多分考えられた、多分というか考えられたもので、今本当に大変なこの状況の中で、じゃ三百人そのまま削減していいのかどうかという、これは雇用じゃありませんけれども、委託ですけれども、やはりそれは委託契約外したら失業者になるわけですから、雇用問題が深刻化する中でやはり三百人削減を予定どおり進めるおつもりかどうかというのをまず会長にお伺いしたい。
  206. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) この委託契約の三百人削減というのは、NHKの方から勧めて三百人減らすわけではございませんで、毎年かなりの数の自己都合で解約する方いらっしゃいます。それに対して同数を今まで補充してきたわけですが、その補充をしないということで達成をしていくということにいたしております。
  207. 弘友和夫

    弘友和夫君 じゃ、その委託契約を結ばないというんじゃなくて、そういう希望がないという意味なんですか。
  208. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 要するに自己都合で解約なさる方が数百人いらっしゃるんです、かなりつらい仕事でもありますから。それに対して同数を今まで採用していたわけですが、その採用を抑えるということでございまして、こちらから辞めてくださいと言って辞めるわけじゃございません。
  209. 弘友和夫

    弘友和夫君 辞めさせるわけではないというお答えですけれども、今、むしろ雇用、新しい雇用を生み出すということが大事な時代なんですね。ですから、公共的な一番その先駆を行かないといけないNHKが、是非これは、その辞めた補充をしてでも、先ほど七割の契約しかないという、じゃ、あとの三割を集中的にその人たちにやってもらうんだとかなんとかいうことで、私は、経営の効率も大事かもしれませんけれども、補充してでもやはりこれは雇用というものを生む必要があるんじゃないかなというふうに思うんですね。  ただ、この経営委員会で、そんなの、そういうことは駄目だ、効率的にしなさいと、こう言われたらまたあれですから、委員長にも是非、これは事業をやっておられるわけですから、雇用というのは大事な問題だと思いますのでお伺いしたいと思います。
  210. 小丸成洋

    参考人(小丸成洋君) 先生、確かに現在の経営環境あるいは経済の状況の中で雇用問題が我が国の大きな社会的問題になっていることは私も十分に認識しております。しかしながら、契約収納関係経費の削減につきましては、限られた資源の中で放送をより強化していくための構造改革につながるとともに、国会からも毎年度求められているものでありますので、計画的に進めていかねばならないと私も考えております。その中で、地域スタッフの効率化につきましてもその方々の業務等を配慮しながら進めていくべきものと認識をしております。
  211. 弘友和夫

    弘友和夫君 二十一年度予算って赤字編成なんですけれども、これは別にNHKの責任じゃないわけですね。地デジの対応というか共聴施設に対して百億というのですか積んで、ですから収入はむしろ増収というふうになっているわけですよ、収入は。ですから、その地デジ対応というのを除けば、私は、十二分にそれは補充しても、だからそれは少し、今委員長言われましたけれども、延期してでもこれは雇用というものを考えるべきだというふうに考えます。ちょっと時間がありませんので、是非考えていただきたいというふうに考えております。  次に、その雇用にもなるんですけれども、また、NHKの障害者雇用の率というか、どういう今状態であるか、お聞きしたいと思います。
  212. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) NHKの障害者雇用率は二十年の六月一日現在で一・八七%、法定雇用率の一・八〇%を若干ですが上回っております。  NHKの子会社の中では、平成二十年度の障害者雇用状況報告では、一人以上の障害者を雇用することを義務付けられている団体は十七団体ですが、そのうちの雇用義務を達成しているのは八団体でございますので、これはなお進めていかなければいけないというふうに思っております。
  213. 弘友和夫

    弘友和夫君 一・八七ですから一・八はクリアしているというお話ですけれども、国とか地方公共団体は二・一%なんですね。それから、都道府県の教育委員会も二・〇%。民間であっても、特殊法人は二・一%、一般の企業は一・八%。NHKは特殊法人なんですけれども、なぜか知らないけれども、この二・一%の方に入っていない。民間の一・八の方に入っているからそれはクリアしているということでしょうけれども、やはり私は、是非これはクリアして、クリアというか、地方公共団体だとか国並みに二・一%を目標にしてもいいんじゃないかなというふうに思うんです。  それで、一つ私は耳を疑ったのは、NHKで北京オリンピックだとかパラリンピック、いろいろ障害者のパラリンピックも放送されているし、土曜日も何か障害者の特集番組やっていました。ところが、会長の時代じゃない、その前の時代ですけれども、パラリンピックでスキーで金銀銅メダルたくさん取っておられた方が、スキーを取るのか仕事を取るのかと迫られて辞めざるを得なかったと、そして今は民間の広告会社に行っているというふうに。そんなはずはないだろうと私は思ったわけですよ。天下のNHKが一人の雇用をというふうに思ったけれども、実際そういうことがあったわけですね。  二〇〇七年六月までに、大日方さんという方が金は二個、銀三個、銅三個と獲得して、NHKのディレクターとして教育番組に携わっていたと。それが、御本人はそういうふうに書いておりません。この十年間、競技と仕事をどう両立させるか、また周囲からいかに理解を得るか、そのために費やすエネルギーは年を追うごとに増える一方だったというふうに書いているんですけれども。  これは、調べてみたら、前の執行部のときにそういう選択を迫られたという。これはおかしいんじゃないかなと。片一方ではパラリンピックだとか何とか障害者のことが大事だと言いながら、自分の会社では仕事を取るのかスキーを取るのかというか、そういう体質。会長はおられなかったわけですけれども、この中におられる理事の方だってたくさんおられるわけですよ。何でこういうことがそのまま、だれも異論がなくなったのかという、私は疑問に思うわけですけれども、簡単に。
  214. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 御質問のこの元職員につきましては、入局以来十一年にわたって競技生活を支えるためにNHKとしてはできる限りのサポートをしてきたというふうに聞いております。  具体的には、ディレクターの仕事というのは御承知のとおり主として春から秋の期間に限っておりまして、秋から春にかけては競技生活に専念できる配慮をしてあげていたと。実際に、本人もパラリンピックやワールドカップへの出場と、そしてそのための強化練習には専念して数々のメダルなどを取って成果を上げられたというふうに聞いております。
  215. 弘友和夫

    弘友和夫君 そのシーズンがどうだとかいろいろあるでしょうけれども、だから配置いろいろ変えるとか、温かいことでやはり僕はやるべきだったと思いますよ、終わったことですから。だけど、そういう体質というのを変えていかないと、私はNHKも、いろいろな環境にしても、そういう障害の問題だとか雇用の問題だとか、そういう問題の先頭を行くようなものになっていただきたいというふうに。  もう一つ。この間、二月二十二日にNHK福岡放送局で、私の地元ですけど、爆発が起こったんです。これは前代未聞の、後で東京、札幌、長野、鉄砲の弾が送られて、赤報隊だと名のって、言論に対するテロですけれども、これを地元、その放送がされなかった、ローカルでちょこっとしただけで。その夜、民放は全国放送しているのに何でされなかったのかと、どういう判断でしたのかというふうに私は思うんです。  ですから、これは是非報道担当の理事の方、それから放送総局長、それから福地会長、いつ、じゃ、この問題を知ったのか、時間的にこれは六時前に起こった事件ですけれども、いつ起きたのかちょっとお聞かせいただきたい。
  216. 日向英実

    参考人(日向英実君) 事件の一報は六時半前に私のところに届いております。事件の一報については六時半前に私のところに来ております。
  217. 弘友和夫

    弘友和夫君 担当理事は。
  218. 今井環

    参考人今井環君) 私のところには、当日の夕刻、午後六時四十分ごろだったと記憶しておりますけれども、六時四十分ごろでございます。報道局の当番の責任者から連絡がございました。
  219. 弘友和夫

    弘友和夫君 会長。会長はいつごろ。
  220. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 私はこれを報告を聞きましたのは翌日でございますけれども、これは、判断はリスク担当の担当理事のところにはちゃんと入っております。  いろんな、どの問題をどういうふうに会長の耳に上げるかということがございます。恐らく、判断の中では、けが人がなかった、ぼやの段階で済んだということで私への報告を差し控えたんだと思いますが、私は、やはりこれはテロだ、だから報告をすべきだということで翌日リスクマネジメント委員会を全部招集いたしまして、もう一遍、そういったリスクに対する考え方についてもう一度徹底すると同時に警備体制を強化したということであります。
  221. 弘友和夫

    弘友和夫君 お二人の先ほどの六時半と六時四十分という。これを放送しない、する、全国放送するという、最終的にどなたが判断されたんでしょう。
  222. 今井環

    参考人今井環君) 通常、ニュースの採択、それからニュースのオーダー、順番を決めるのは、それぞれのニュースの編集責任者を指定しております。ニュースの編責と言っておりますけれども、編集責任者が決めます。ただ、時に、その編責も出向の現場、それから上司と相談をすることもございますし、上司がアドバイスをすることもございます。  この日のニュースの扱いにつきましては私も連絡を受けましたけれども、その段階でけが人がなかったこと、それから建物への直接の被害がなかったこと、それから犯行声明ですとか犯人の意思表示といったものも全くなく意図が不明であったこと、それから番組や報道についてのトラブルというものも確認をされてなかったことなどから、冷静な対応が必要であろうということで、まずローカル放送で扱うという判断を現場がして、私も了としたところであります。
  223. 弘友和夫

    弘友和夫君 けが人もなかった、何もなかった、冷静な対応が必要だという判断でローカルでやったと。六時四十分で御存じだったわけですから、九時の放送にしろ何にしろ、それはできたはずなんですね。だからそれは、そういうことが冷静に判断しないといけないということで、だけど、御自分のところの建物が爆破されたわけですね。爆破、爆発物でしょう。それで冷静に対応しないといけない。ほかの民放は全部放送しているわけですよ。翌日の新聞だって大きく扱われている。当事者のNHKだけが全く翌日もしないという、そんなばかな、そういう判断がおかしいんじゃないか。それは責任いろいろなっているかもしれませんけれども、それをまた会長にも翌日になるまで連絡をしなかったという。  だから私は、もう時間が余りありませんから、だけど、福地会長は、去年の一月就任されて、先ほどの組織風土はどうかという話だった。それを変えていこうと。今までNHKはいろいろな問題があったわけですよ。だけど、今そういう問題をクリアして、一体となって組織風土を改革しないといけないという、縦だけじゃなくて横も、役員同士も話合いをしながらやらないといけないと、そういう改革を今やっている最中に、全然そういう連絡もしない、何もしない、これだけ大事な問題を。ほかにもいっぱいありますよ、一々言いませんけれども。さっきのインサイダーからセクハラから、何やかんやいっぱいある。だから、そういう組織風土を改革しないといつまでたっても良くならないんですよ。それは、やはり会長を中心に変えていく、改革していくしかないんですよ。経営委員会の方でもそういうことも加味しながら、是非今から改革を進めていただきたいと思います。  終わります。
  224. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。  二十一年度予算、また事業計画等についての質疑でございますが、先ほど会長の方から、多様で質の高いコンテンツ、あるいは地域放送の充実等ということがございました。これに関連して若干質問をさせていただきたいと思います。  先行質問の中でも放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドラインというのが取り上げられたところでございますけれども、いろいろ新聞記事等見てみますと、このコンテンツ産業、本来、日本の未来に向かってしっかり健全育成をしていかなきゃいけないということが声高に言われているわけでありますが、その制作現場、中小企業も多いし勤務も不規則、年収が百万、二百万という社員がいるワーキングプアみたいな世界、私も知っているいわゆる業界人間、本当にどういう生活しているのかなと思うような、そういうような人もいるところでございますが、平成十五年改正の下請法の中で放送コンテンツの制作取引についての規制対象に追加された、そしてまた十九年の公取の特別調査の対象に入れられたということで、総務省と放送局と番組会社が協議してこのガイドラインが作成されたというふうに承知をしております。二月二十五日に発表になったところでございますが。  このガイドラインについて総務省の方から概略を御説明をいただきたいと思いますし、また、コンテンツ産業の業界の健全な発展をやはり促していくべきだと思っておりますが、総務省として今後どのような取組をなされようとしているのか、併せてお考えをお伺いをしたいと思います。
  225. 戸塚誠

    政府参考人(戸塚誠君) お答えいたします。  委員指摘のとおり、放送事業者と番組制作事業者の間の制作取引の適正化の要請が高まっていることを受けまして、総務省では、放送コンテンツ制作環境の改善などを目的といたしまして、昨年一月から放送コンテンツの製作取引の適正化に関する検討会を開催いたしまして具体策を検討してまいりました。その検討結果を踏まえまして、本年二月、放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドラインを公表したところでございます。  このガイドラインの中では、下請法等の関係法令に照らしまして、例えばでございますが、番組発注時の発注書の不交付でございますとか制作費の買いたたきといった問題となり得る事例についても挙げまして注意喚起をしているところでございますが、このほか法令の趣旨を踏まえまして、例えばでございますが、発注書の交付でございますとか、あるいは契約金の支払時期などにつきまして望ましい事例というのも併せて公表しておるところでございます。  今後、このガイドラインに関します周知徹底を図りまして、また、本省や各総合通信局におきまして相談窓口を整備することなどによりまして取引の適正化の促進に努めてまいると、こういう所存でございます。
  226. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 今御紹介がございましたけれども、契約書がなかったり、あるいは契約書があっても金額が入っていなかったり、信じられないようなこともあったようでございますし、また買いたたきということもあったんだろうというふうに思っております。  これに関連して、NHKさんが何か四月放送分から下請への着手金を払いますよと、何割か三割か分からないけれども、それはすばらしいことだなと。そんなことやっていなかったのかということが逆にびっくりするわけでありますけれども。じゃ、NHKだけがこの放送業界の中でいい子になっていればいいという話ではないけれども、やはりこの業界の体質改善という意味では、NHKが先鞭を着けるという意味では非常に有意義であるというというふうに評価するものでございますが、今概略説明があったこのガイドラインに沿ってNHKとしてどういう取組をなされようとしているのか、御説明をいただきたいと思います。
  227. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 今回のこの総務省のガイドラインの示されていることは、私どもNHKにとってもまさにやらなければいけないと思っていた問題でございまして、全く違和感はございません。  現在、全日本テレビ番組製作社連盟、こういったところの意見などをいただきながら、制作会社の権利を明確にして、より適正な取引、番組制作委託ですが、を行うための基準を作成中でございます。この基準は言わば共通の約款みたいなものでございまして、NHK本体とそれから制作会社との直接取引だけでなくて、NHKの関連団体と制作会社の取引についてもこの基準に沿ってやっていきたいというふうに考えております。  また、この基準の中で、制作会社に著作権がない場合であっても一定の条件の下で番組の二次利用の配分を認める方向で検討いたしております。こうした基準の整備に合わせまして、制作会社からの疑義等を受け付けて対応する体制、これは外部制作委員会というのをNHKの中に三月に設置いたしました。個別の契約内容が基準に適合していないというふうなことが仮にあった場合には、この相談対応窓口を通じて是正をするということにしていきたいと思います。  今お話の中にございました、当初四月の契約分からというふうに考えておりましたが、なるべく早く実施をと考えまして、実はこの三月から前倒しをしてスタートいたしました。  以上でございます。
  228. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 NHKの番組でも例えばブルーレイであるとかDVDにして売っているわけでありまして、二次利用。そんなふうに商売しているのに制作会社が何もないよということを考えると、やはりそれは適正にしていくというのは大事だなと、この産業を本当に育成をしていくのに非常に大事な観点だと思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。  その関係で、次にNHKのオンデマンドというんですかね、去年の放送法の改正で去年の十二月からスタートしているようでございますが、この三月末の時点で八万人の目標というふうに伺っておりますが、今日は三十日でございますが、利用状況はどうなんでしょうか。
  229. 日向英実

    参考人(日向英実君) オンデマンドサービスは、パソコンを介して御覧いただくものと、それからIPTVとかケーブルテレビを介して御覧いただくという二つの種類がございます。パソコン系のサービスの登録会員数、今日の午前十時現在で四万三千人です。それからテレビ系のものについては、ちょっと数字が直接私どもで把握できないんですけれども、大体販売数が四万でございます。そこから推定される利用者数というのがおよそ二万ということで、全部で六万三千となっておりまして、当初の八万人という数字からは目標を下回っているというのが現状でございます。
  230. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 これは利用が伸びない原因、どういうふうにお考えですか。利用者も、かなり年代層も固まっているようですし、男性の方が圧倒的に会員が多かったり、オタクが多いのかみたいな、思っちゃうわけでございますが、それが悪いということじゃなくて、ちょっとその辺やはり打開をしていくという意味で、どういう原因だとお考えでしょうか。
  231. 日向英実

    参考人(日向英実君) 一つは、どうして、もインターネットを介したオンデマンドサービスで動画をサービスしているもの、たくさんあるんですけれども、基本的に無料のものが多いんですね。有料のサービスというのは非常にまだ、いわゆるレートカマーといいますか、後から出てきたものですから、ネットに対してお金を払って見るという習慣がまだちょっとできていないところがあると思います、正直言って。ただ、NHKのオンデマンドサービスというのは非常に画質の優れたもので、特にテレビで御覧になるといわゆるハイビジョンの高画質で御覧いただけるので、一度体験していただければ非常にその良さは分かっていただけるんじゃないかなというふうに思います。  それからもう一つは、やっぱり最初のころ、パソコン系のサービスで、動画を再生するソフトが古いバージョンですと、要するに権利処理の問題がありまして、非常に高いセキュリティーを掛けていたものですから、実際に見ようとしてもなかなか見ることができないということが起きました。これについてはほぼ解消しておりますので、そこの部分については大丈夫かなというふうに思います。  ただ、これから、来年度というのは非常に大事な年だというふうに認識しておりますので、例えば視聴可能、見逃しサービスについては今一週間というふうに言っているんですけれども、それをもうちょっと延ばすとか、それから、様々な利用しやすいような対策をこれから次々に打っていきたいというふうに思っております。
  232. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 利用促進策、しっかりやっていただきたいと思っております。  これ、よく考えてみると、結構再放送、いい番組って再放送になるんですよね、一週間。だから、自分で自分の手足を縛っているような感じも若干するわけでございますけれども。  このオンデマンドは独立採算という形でございますが、初期投資は別として、平成二十五年度単年度黒字とならない場合には業務の継続について検討を行い必要な措置を講ずるということになっているわけでございますが、これは立ち上げたばっかりで言うのも大変だと思いますけれども、そうなった場合、事業の廃止もあり得ると考えているんですか。
  233. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 御承知のとおり、二十三年度末で単年度黒字、二十五年度で繰越欠損金が消えるというふうな収支計画になっておりますが、サービスが始まったばかりでまだまだ知名度が低いということと、それからサービスの内容が十分理解されていないというふうなことですが、私は、放送法の改正によって、これはやっぱり目玉だというふうに思っておりますし、私も、昨年の五月でございましたが、川口にありますアーカイブスセンターへ行ってきました。当時で四百六十万のアーカイブスでございます。毎日千か二千か増えているわけでございますが、私はそれを見ましたときに、ああ、これはNHKの財産じゃなくて日本の国の財産だというふうに思いました。これを何とかうまく活用できたらということで、これは権利関係の処理がございますからとてもなかなかはかどりませんが、しかし、そういったものを踏まえていきますと、このNHKオンデマンドは是非成功させたいと、そのためのいろんなこれから活動をやっていかなきゃいけませんけれども、そういうふうに考えております。
  234. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 せっかくの事業でありますので、料金の見直しもそうでありますけれども、魅力あるコンテンツの配信とか、また、分かりやすい操作、利用しやすい環境、こういうことも一層の充実強化をお願いをしたいと思います。  次に、二十一年度の重要事項の一つとして、地域を元気にする拠点というのを掲げておいでになるわけでございますが、今お話にあった、インターネットや携帯端末に向けて地域情報を届け、つながる場として地域皆さんと交流していく、共に作る参加型コンテンツというふうに展開をするというふうに考えているようでございますが、具体的にどういう取組を行っていくつもりなのか、お伺いをしたいと思います。
  235. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 私も各放送局を回りましたときに、各放送局の局員は、今度の中期計画の中で「放送局のちから」ということを方針に取り上げたことを非常に歓迎しております。これは、どちらかといいますと、今の各放送局が出しておりますローカル番組の時間を増やすということじゃなくて、ローカル番組で作った内容のものをどれだけやっぱり全国中継してあげるかというふうなことが放送上の問題では一番大きいようでございます。自分の作った作品が全国中継されたということで、非常に若い局員、制作関係報道関係は楽しみにしておりますし、それからもう一つは、いろんなイベントにつきましても、地域の局が「いつでも、どこでも、もっと身近にNHK」ということを実現していくために、もっと視聴者に接していくということを中心にいたしております。  実は、五十三放送局から「放送局のちから」ということについてどういうふうに取り組んでいくのかということを四月一日から全部ホームページで公表してまいります。五十三放送局が、私の放送局はこうやりますということを、詳しくはございません、三項目か五項目でございますが、そういったものを集めて、地域の視聴者にお約束をしながら取り組んでいくということにいたしております。
  236. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 先ほど方言の話がございましたけれども、方言だけでやっているという番組もあるというふうに承知をしておりまして、他県から聞いたら何言っているか分からないという、そんなテレビ番組もあるようでございますが、非常に大事なことなんだろうなと。  私は、この日本の体系の中で、中央集権といいますか、情報の一極集中といいますか、発信元の一極集中、やっぱりこれを変えていかなきゃいけないというふうに思っておりまして、この地域発というのは非常に注目をしていきたいと思っておりますが。  ただ、もっと推し進めると、例えばパブリックアクセスチャンネルというのも実はあるようでございまして、必ずしも編成権の問題もあるようでございますので大変難しい問題もあるようでございますが、しかし地域発とかあるいは市民発という観点からしてみると非常にこのパブリックアクセスチャンネルという考え方も大事ではないかなと思いますが、総務大臣、この点に関しての御見解がございましたらお願いいたします。
  237. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) 魚住先生のおっしゃるとおりで、そういう地域発のもの、とても大事だと思っておりますし、これはそういうものを取り上げることのできる、なかなか民放では難しいものをNHKが取り上げるというのが一番大事だと、こう思っておりまして、実は私は、NHKに「きょうの料理」という番組がございます。月曜日から木曜日までは普通に料理をします。でも、私は大体その程度の料理は全部作れますから、月曜から木曜は全く見ません。金曜日に、もう長年、いろいろ名前は変わりましたけれども、「この土地この味」というのがあって、まさに地域参加なんですね。それぞれの地域で参加していろいろ料理を作る。これを秘書の皆さんに頼んで毎週金曜日の夜の「きょうの料理」だけはずっと取り続けて、多分七、八年分はあるから三百か四百かあるんですよ。  例えば、河合先生のところですと、マスのすしはどうやってできたかと、最近枠を作る人が少なくなっているとか、案外うまいところとまずいところがあるとか、あるいは大分県だと、何かくろめという特別においしい海藻があって御飯泥棒だと言うんだ、御飯が進んでもうこれ以上進むものがないというので、私一生懸命取り寄せて作ってみたら御飯が全然減らなかったんですけれども。本当に四、五百本持っているんだと思うんです。あれはNHKでしか絶対作れない番組だったと思うんです。最近それ何か途絶えているんじゃないかと思うんですね。金曜日になっても余り面白いのやっていないんですが。  私は、だから、その土地その土地の地域の風土、地域の文化、文明、これを大事にできるのは、それはやっぱり、何というか、NHKの組織力と、いわゆるスポンサーを付けないで放送を流せるNHKしかないと思いますので、福地会長、今後もよろしくお願いいたします。
  238. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 時間が大分なくなってきましたけれども。  そこで、去年の電波の日に情報通信月間の総務大臣表彰を受けられた山江村の番組がございまして、これはインターネットのテレビのようでございますが、これは総務省、どういう理由で表彰なさったんでしょうか。
  239. 山川鉄郎

    政府参考人(山川鉄郎君) 委員が御指摘の熊本県の山江村というところの取組でございますが、これは住民ディレクターという方がおられまして、それが地元でしか取れないというしゅんのリポート、情報、こういうものを映像化されたわけでございます。これを、インターネットでございますが、配信して独自の取組を行われてきたということで、やはり地元の情報発信、非常に重要な意味もございますので、そうした意味で昨年度の情報通信月間で表彰をさせていただいたわけでございます。
  240. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 これからもしっかり地域発を訴えていきたいと思います。  終わります。
  241. 山下芳生

    山下芳生君 日本共産党山下芳生です。  二〇〇九年度NHK予算は、昨年の十月に決定された三か年経営計画の初年度となります。今度の経営計画は、受信料収納率を今の七一%から三年後七五%に引き上げ、さらに五年後には七八%に引き上げる。そして、接触者率、接触者率というのは一週間のうちにNHKを五分以上見たり聞いたりした人の率のことだそうですが、これを八〇%に引き上げる。この二つの目標を掲げ、そして二〇一二年度から受信料収入の一〇%還元を実行するとあります。ただ、この二つの目標は大変大きな困難な課題だと思います。  まず、NHKに伺いますけれども、接触者率の推移、どうなっておりますか。
  242. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 接触者率の推移は、これはまだ三度しかやっておりませんけれども、二〇〇七年の十一月が七五・六%、二〇〇八年の六月が七六・九%、二〇〇八年の十一月が七六・一%、これは小数点以下差がございますけれども、統計的には有意な変化等はないということで、ほぼ七六、七%と考えていいかと思います。
  243. 山下芳生

    山下芳生君 いろいろ努力をされても接触者率の引上げというのはなかなか難しいんですね。これを三年間であと四、五%引き上げて八〇%にするというのはなかなか大変だと思います。  私は、接触者率の向上を求める余りに、民放で問題となっている視聴率至上主義に陥る危険性はないか心配をしております。例えば、教育テレビに「福祉ネットワーク」といういい番組がございます。月曜日から木曜日まで夜の八時から三十分間放送されておりまして、私もたまたまつけたら、心の病、うつにかかった方々が、働きたくても働けない、社会復帰はできるのかというお悩みをお持ちの方々が、どうすれば社会復帰できるのか、そのために家族だとか職場の方々はどんなサポートをすればいいのかということを具体的な実例で、また当事者の方の討論で浮き彫りにされておりました。こういうのはなかなか普通に暮らしていたのでは分からない、非常にいい番組だなと思いましたけれども、これは視聴率で見たらやっぱり大して数字は上がっていないのではないかと思いましたけれども、しかし非常にいい番組です。  こうした良質な番組が後景に追いやられていくことにならないか心配するんですけれども、いかがですか。
  244. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 今お話ございましたとおり、今のような番組は視聴率は稼げません。しかし、接触者率は稼げると思うんです。  私は、実は、NHKの番組が視聴者にどれだけ評価されているかという指標を見る上で接触者率というのは極めて大事だというふうに思っています。  去年の四—九月の上期のゴールデンタイムでNHKが視聴率ナンバーワンになりました。これはNHKの歴史始まって以来のことですが、私は翌日にその関連の職員を集めまして、視聴率をねらわなかったから取れたんだと、視聴率をねらうということは相手の手のうちが気になってしまう。そうじゃなくて、相手の手のうちよりも、自分たちがお客様、視聴者に向かってどれだけいい番組を作っているかと、自分の手のうちの方が大事なんだと。それをひたすら追求したから視聴率が取れたんだと。  例えば、紅白が四二%、久しぶりに四〇%を超えました。あの紅白がこれまでと違うところは、去年ですが、去年の紅白の特徴何だと私が聞きましたら、「歌の力 ひとの絆」がコンセプトだと。要するに、だから私は、いい作詞家がいい詞を作る、そしていい作曲家がいい曲を作る、それをすばらしい歌手が歌唱力で歌い上げる、それが歌の力だと、そういったものをひたすら追求していくのがNHKの紅白歌合戦なんだと。だから、要らない応援団も少のうございました、ほとんどございませんでした。だから、歌手の数が例年より二、三人増えてできました。  そういったコンセプトに従ってお客様に向き合ってきっちりいい番組を作っていく、だから取れたんだということで、こういった姿勢は大事にしていきたいと思っております。
  245. 山下芳生

    山下芳生君 やっぱり良質の番組を作ることが接触者率も高め、ひいては視聴率も高めるということだと思います。  そこで、受信料の値下げについてNHKからいただいた三月二十五日のペーパーがあります。受信料値下げに関する視聴者の皆様の意向についてというペーパーですが、視聴者コールセンターに過去二年間に寄せられた受信料値下げに関する御意見やお問い合わせは次のとおりですとありまして、お問い合わせの総数が二百二十六件なんですね。二年間で二百二十六件しかこの問題では問い合わせがない。少ないなと思いました。  その中身ですけど、受信料値下げに賛成という方が五十件。主な御意見として、今国民は不況に苦しんでいるのだから受信料を下げてほしいとか、新聞でハイビジョンチャンネルは廃止と出ていたが、その分衛星料金はかなり下げられるはずだなどという御意見。それから、受信料値下げに反対という御意見もまた五十件ありまして、主な御意見として、値下げしたために番組の質の低下があっては困りますとか、良い番組を作ってさすがNHKだと国民を納得させた方がいいと思いますという御意見でありました。  これは非常に重要な数字だなと思ったんです。要するに、受信料値下げについて視聴者からの声はそんなに多いわけじゃない。賛否は分かれております。受信料値下げよりも質の良い番組を作ってほしいという声もかなり強いということだと思います。良質の番組をというのは、この視聴者の声にもしっかりと表れているということを肝に銘じていただきたいと申し上げておきたいと思います。  その上で、御存じのとおり、今度の経営計画、三か年計画の中に二〇一二年度から受信料収入の一〇%の還元を実行しますとの方針が明記されるまでには多少いきさつがありました。  小丸経営委員長伺いますけれども、昨年十月十四日の経営委員会において、NHK執行部が決定した経営計画に対して経営委員会は修正動議を発議し、修正議決を強行しました。これは放送法のどの条項に基づいたものですか。
  246. 小丸成洋

    参考人(小丸成洋君) お答えを申し上げます。  経営委員会は、放送法上、NHKの経営に関する基本方針を議決する権限を有しております。したがって、経営委員会にかけられた議案について、経営委員会の議論の中で一部修正の上議決をするということは、議決権の行使の一環として当然行い得るものと考えております。
  247. 山下芳生

    山下芳生君 放送法十四条に経営委員会の権限というものがありますけれども、そこにはこういうことを議決すべきだということが具体的に、予算、決算の議決ですとか書いてありますが、修正動議を発議して修正議決するということは書いておりません。なぜこれを、その権限の中に入ると判断したんですか。
  248. 小丸成洋

    参考人(小丸成洋君) 委員会の中で、執行部と経営委員会、やはり思いがいろいろございました。しかし、ある程度一定の受信料の値下げということを表に打ち出さないと視聴者の皆さんも納得していただけないだろうと。特に、先ほど来から申しております経営環境が非常に悪化している中で、三年後には必ずや一〇%の受信料を下げるという強い決意をその中へ入れ込んだわけでございます。御理解をしていただければと思います。
  249. 山下芳生

    山下芳生君 ちょっと質問に直接答えていただいていないんですが、総務省に伺いますが、発議をして、経営委員会が、修正議決することはできると、放送法上できるという見解を経営委員会に示したのは総務省ですか。
  250. 山川鉄郎

    政府参考人(山川鉄郎君) 御指摘のとおり、放送法を所管いたしております総務省といたしまして、経営委員会のお求めに応じ放送法の解釈をお示ししております。
  251. 山下芳生

    山下芳生君 できるという見解を示したんですか。
  252. 山川鉄郎

    政府参考人(山川鉄郎君) おっしゃるとおりです。
  253. 山下芳生

    山下芳生君 先ほど申しましたように、放送法の条文でも政令でも規則にも、そういうことが発議し、議決できると、経営委員会の権限にあるとは明文化されておりません。経営委員会が、しかしながらそういう権限があるかのように私は勝手な解釈を、これは総務省の局長がやって、文書を出しているんですね。越権行為じゃないですか。
  254. 山川鉄郎

    政府参考人(山川鉄郎君) 放送法によれば、放送法第二十三条というところに経営委員会の議決の方法につきましての条文がございます。放送法の二十三条でございますけれども、ここには、議事の手続、その他経営委員会の運営に関する事項について、特段の定めを置いておりません。  御指摘のような修正動議ができるかどうかということでございますけれども、私どもといたしましては、この議決事項につきまして、その手続あるいは修正、経営委員会の場で経営委員が実際に発議できるか、提案できるか、こういうものにつきましては経営委員会の運営に関する事項だというふうに思っておりまして、特段の定めがない以上、経営委員会の権限に属する事項であるというふうに判断させていただいております。
  255. 山下芳生

    山下芳生君 その判断がどういうことを招いたのかということであります。経営委員会が修正動議を発議し、修正議決をするということは歴史上初めてのことであります。  私は、昨年十月十四日の経営委員会の議事録を読ませていただきました。午後一時四十分から午後五時四十五分までかなり長時間にわたって議論がされておりますが、ここで古森前経営委員長と福地会長が激しいやり取りをされております。  古森前経営委員長が主張して譲らなかったのは、受信料の一〇%値下げを書き込めということでありました。それに対して福地会長は、デジタル化対応に予見できない課題やリスクがあると。アメリカ発の経済危機もあると。したがって、この時点で二〇一二年から一〇%値下げを約束することは困難です。しかし、受信料の体系の見直しはしました。その結果、高齢者世帯の免除などを実施したいと思いますと、こういうふうにやり取りしているんですが、これは、私は率直に公平に読んで福地会長のお立場の方が合理的なお立場ではないかなと思ったんですが、それでも古森経営委員長は納得できない。一〇%値下げを三年後から書き込めということを主張されて、会議は一時中止をいたします。そこで何があったかは分かりません、議事録からは。そして、再開後、突然経営委員会の方から修正動議が出されたと、そして議決されたということになっておりますが、小丸委員長伺いますが、修正議決に反対した委員、何人いらっしゃいましたか。
  256. 小丸成洋

    参考人(小丸成洋君) 修正動議と併せて修正された計画案のいずれに対しても、賛成が九、反対が三でございます。
  257. 山下芳生

    山下芳生君 反対された委員の方の理由も議事録に載っております。視聴者に説明ができない、国民参加の議論が尽くされていないなどであります。これは、視聴者の代表であるべき経営委員会が国民・視聴者を外に置いているということではないかと私は感じました。  そもそも経営委員会の役割とは何か。それはNHKの公的機能を保障することにあります。それはすなわち、権力の介入からNHKを守ること、そして国民の立場から執行部を監督し助言することです。そのために経営委員会は合議機関として存在している。これは、戦前のNHKの在り方の深い反省からこういう組織ができたわけですね。その経営委員会の役割が私は今変質してきているのではないかと、この間の経過を見て危惧しております。  前経営委員長の古森氏は、安倍元首相を囲む経済人の集まり、四季の会のメンバーでありました。安倍元首相が経営委員会に送り込んだ方であります。その安倍氏はNHK番組改変にかかわった前歴がある。その安倍氏によって経営委員会に送り込まれた古森前委員長の下で、国際放送にかかわる国益発言が行われ、そして安倍内閣の菅総務大臣が二〇%受信料値引き、値下げということを主張し、それが挫折した下で、今度は古森氏が一〇%値下げをごり押ししたという形になるわけであります。  私は、こういう経過を見ますと、本来経営委員会というのは国民の立場に立ってNHKを監督する、そして権力からの介入を許さず、NHKをそこから守るということでできたはずなのに、逆に政治から、権力からの意向を受けてそれをNHKに押し付けるような役割に変質しているんじゃないかと率直に危惧しております。  小丸委員長伺いますけれども先ほど申しました経営委員会のそもそもの役割、NHKの公的機能を保障する、権力の介入からNHKを守る、国民の立場に立って執行部を監督し助言する、この立場をしっかりやることが本来の経営委員会の機能だと、そのことをお認めになりますか、そしてそれを守る意思はありますか。
  258. 小丸成洋

    参考人(小丸成洋君) ごもっともであります。  常に公平公正であり、そして自主自律を堅持しなければならないというふうに思っております。
  259. 山下芳生

    山下芳生君 そういう経過の中、そういうお立場から御覧になって、小丸委員時代、経営委員長になられる前の委員も今の修正議決の状況、ずっと参加されているわけですけれども、賛成されたわけですけれども、こういうやり方について、これからも場合によっては発議し、議決すると。私は、合議制の機関たるべき経営委員会としてこういう手法をごりごりやることは決して好ましくないと思ったんですが、そういう点について見解を伺いたいと思います。
  260. 小丸成洋

    参考人(小丸成洋君) NHKは受信料収入によって運営をされております。効率的な経営が行われなければなりません。また、この効率的な経営には経営の合理化の明確な目標が私は必要だと思います。  今回の三か年計画には、特に地上デジタルへの完全移行があって還元が非常に難しい状況でございます。しかし、この三か年計画をきちんとした形で実行すれば、平成二十四年以降の一〇%の還元は可能であると考えたわけであります。合理的な経営を通じて値下げの幅あるいは時期をはっきりすることが視聴者に対しては非常にいいことではないかということで、併せてその際の動議をやったわけでございますけれども、あえて一方的に走っているというわけではございません。よくその辺のところは見極めながら、これからの審議をしていきたいと思います。よろしくお願いします。
  261. 山下芳生

    山下芳生君 一方的に走るわけではないと。私は客観的に見て、一方的に突っ走ったんではないかという危惧を感じました。しかし、そういうことではないと新経営委員長としてお立場を表明されましたので、その立場から我々も経営委員会の在り方を見ていきたいと思います。  終わります。
  262. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  第一に、営業経費削減問題と視聴者との接点の問題について伺ってまいりたいと思います。  NHK予算及び経営方針では、営業経費削減が強く打ち出されておりまして、職員や地域スタッフ、あるいは番組制作の内容などにいろんな影響が出てくるだろうと思います。  まず、その逆の例から申し上げるんですが、実はここに三月二十一日土曜日の各紙朝刊に掲載をされたNHKの一面全面広告があります。鳩山大臣、好きそうな中身なんですが、一面丸々、「きょうの料理」、「趣味の園芸」、「おしゃれ工房」、「きょうの健康」云々と八つのテキスト丸々載っているわけですね。これのまず費用と趣旨とを御説明願いたいと思います。
  263. 溝口明秀

    参考人(溝口明秀君) お答えいたします。  出版協会に確認をいたしましたが、三月二十一日に各紙に掲載したまず規模でありますけれども、全国紙が五紙、ブロック紙四紙、それから地方紙五紙、合わせて広告掲載料総額で八千八百万円と聞いております。  なお、この新聞広告への掲載費用でございますけれども、掲載の判断と経費そのものはNHK出版が独自で行ったものでして、NHKからのいわゆる受信料は一切使っておりません。
  264. 又市征治

    ○又市征治君 私はこの二十一日の朝刊を開いてびっくりしたんですが、少なくとも受信料を払った上にテキストを買わされる視聴者のコスト感覚に照らしていかがかというのがまず一つ。  そして、自らの番組で繰り返しこうした中身については宣伝をしながら、それとは別に今お話ありましたように八千八百万円、その日一日の新聞で掛けて宣伝をされる、こんな必要があるのか。  おまけに、今報告があったように、全国紙五紙、地方紙なんというのは五紙しかないわけで、河合さんと私、同じ、同郷ですけれども、富山県なんか行ったら、こんなものあれですよ、地方紙載っていないわけだから県民の大体一割ぐらいの人しかこんなの見ないわけですよ。そういう格好になるわけだ。だって、富山の地方紙なんて載りゃせぬのだから。そういう格好になっていくことも含めて、いかにもこれ随分と格差のある話であって。  NHK出版の広告費というのは、NHKが直接出しているわけじゃないけれども、子会社だから逆にNHKは吸い上げる側なんだろうと思うけれども、二〇〇九年度の計画では十一億円だそうですけれども、費用対効果というのはどんなふうに計測されているのか、お伺いしたいと思います。
  265. 溝口明秀

    参考人(溝口明秀君) 例年三月に発売するテキストでございまして、これは四月から教育テレビで新しいテキスト番組が始まるということがあります。何よりも教育テレビで放送しておりますテキスト番組についてはテキストをお手元に置いていただくということがございますので、四月からの新番組の放送開始に合わせて例年行っているものです。  ただ、今年は、視聴者のテキスト番組を見、かつテキストを利用なさる方に対して利便性を図ろうということでテキストの発売日をちょっと後ろにずらしました。というのは、十六日に発売しておるんですが、前月の、テキストがなくなってしまうということもあって、これを二十一日に変更したということで、テキスト発売の大きな変更項目がありましたので、それだけの規模の掲載、記事広告をしたということでございます。
  266. 又市征治

    ○又市征治君 営業経費節減が一方で方針だと言っておきながら、一方では人減らしをそういう方針でやっておきながら、こういう部門に、こんなものを何も全面やることもないんですよ、これ考えてみれば、そういう今の主張ならね。こんな格好で派手に金を使うというのはいかがなものか。むしろ、この際、見直されるように私は勧告しておきたいと、こう思います。  そこで、さっきまでおられましたが、経営委員長である小丸さんが社長を務めておいでになる福山通運の子会社がNHKの受信料の集金を受託した件というのは、これは私は大変不適切だ。衆議院でも問題になっていますから、そのことだけ申し上げた上でNHKに伺いますが、小丸委員長は、衆議院では、NHKから要請があったから福山通運の方は受けたんだと、こういうふうに答弁されている。NHKは、いつ、どういう形で要請をされたものか、お伺いしたい。  というのは、既にこの集金を委託している会社の中では最も額が大きいのはクルーガーという会社で、年に約七億円ですけれども、同社もNHKの前々の会長、海老沢さんの懇意な人が社長だというふうに聞いていますけれども、つまり契約手続が不透明ではないか、こういうふうな点について問われてどういうふうにお答えになるのか、お聞きしたい。
  267. 大西典良

    参考人(大西典良君) お答え申し上げます。  福山通運に対する契約収納業務の委託につきましては、あくまで効率的、効果的な営業活動に向けた業務委託先を開発するという観点から実施したものであり、不適切なものではありません。福山通運と業務委託を開始した地域は山間部であります。こうした地域においては、既に訪問のためのネットワークが整備されている宅配業者への委託が効率的あるいは効果的と考えて、平成十八年四月以降、複数の宅配業者と業務委託の交渉を開始し、福山通運とも平成十八年九月に交渉を開始しました。福山通運以外の業者からは、宅配事業のスキームが崩れる可能性がある、あるいは管理業務が負荷になるなどの理由でいずれも断られました。  結果として、現在までのところ合意に至ったのは福山通運のみとなっているものであり、契約手続上、不透明があったとは考えておりません。
  268. 又市征治

    ○又市征治君 ということは、つまり随意契約ですね。そういうことでしょう。うなずいていますからもうそれ以上聞きませんが、つまり、そういう点で幾つか言って、随意契約で福山通運の子会社と契約された。金額、どう決めたかということをお話しになりませんでしたが、どういう交渉があったのかというのも、細かいことを聞いたらもう時間ありませんから。  ただ、こういう格好で前々の会長のところ、あるいは今経営委員長のところという関係ありますから、こういう疑いの持たれることのないように、是非ともしっかりとした取組を進めてもらうように申し上げておきたいと思います。  そこで、従来は郵便局に集金を委託していた分が郵政民営化後は引き受けてくれなくなってしまった、こういうところがあるわけですね。NHKは、それでも地域スタッフを削減をして、集金専門業者への委託を増やしているわけです。  しかし、集金専門業者ではこれは大変問題があるわけで、私は、二年前に社会保険料のケース、厚生労働省の報告から紹介をいたしました。つまり、取りやすい家だとかそういう地域だけを集金してノルマを達成をする、こういうことが起こってくる。公共料金として不適切な実例が厚生労働省の厚生年金問題で明らかになっている。そして、悪く言えば債権取立て屋になりかねない。従業員の出入りが激しく、教育もおろそかで、NHK受信料も社会保険料もサラ金の債権も区別せず取り立てるという、そういうおそれが出てくる。営業経費節減目的での取立て業者の委託によって受信料制度の生命である視聴者との対話が弱まっているんではないかという、そういう私は疑問を持ちます。  そこで、伺うんですが、まず、視聴者との接点というのは専属の経験ある地域スタッフを基本とすべきじゃないのかというのがまず第一点。二つ目に、その意味で、営業経費とは違って、広告以上に価値のある受信料制度の普及啓発という、このコストと考えて、経費からむしろ相殺すべきものではないのか。そして三つ目に、政府の営業経費節減要求に対しても、むしろそうした守るべき一線としては公共性維持、こういう立場、公平性というものを主張すべきじゃないのか、こういうふうに思いますが、以上三点、御見解を伺います。
  269. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 訪問集金の制度を廃止いたしましたけれども、NHKが公共放送として視聴者との回路を重視するという姿勢は今後とも変わるものではございません。地域スタッフなどによります契約取次ぎでありますとか、未収回収のための訪問活動は継続しておりますし、そうした場において引き続き視聴者の皆様の御意見等をお伺いをしてまいります。  また、NHKの職員が視聴者の皆様から直接御意見をお伺いするNHKふれあいミーティングでございますとかコールセンターのサービス改善にも取り組んでまいりますとともに、今年度から職員研修において視聴者の皆様の御意見を聞く活動、昨年も新入社員で受信料の収納活動をかなり重視をしてやらせましたけれども、今度、視聴者の御意見を聞く活動、こういったものも新入職員の研修にも取り込んで、受信料の重み、それから視聴者とのコミュニケーションの大切さということを体感をさせていきたいと、かように思っております。
  270. 又市征治

    ○又市征治君 通告したのを忠実にやってもらわぬと、あなた、先の方を言ってしまわれまして、私の今の言った質問には全然お答えになっていないんですよね。まあいいでしょう。一生懸命職員にもと。  ただ、問題は、さっき武内委員やあるいは吉川委員からも出ましたけれども、訪問集金というのはやっぱり視聴者に公共放送の役割や受信料制度の意義を話す貴重な接点でしょう。その廃止というのはNHKにとって私は大きな損失になるんではないかとずっと一貫して申し上げてきた。視聴者会議だとかありますけれども、NHK側が招いた視聴者から意見を聞くというものと受信料を集めに行って聞く意見だとか苦情だとかというのは、おのずと質が違うわけですよ。  そういうわけで、だから、先におっしゃったというのは、今日、営業以外の職場の職員は視聴者と接するようにいろんな努力しているとかなんとかというふうにおっしゃったわけだけれども、もう一つお聞きしておきたいのは、NHK主催以外で、視聴者などが自主的に対話集会などを求めてこられるものなどについてはどんな対応をなさっておるんですか。
  271. 大西典良

    参考人(大西典良君) 直接対話活動という形で今把握している中では、視聴者が会を持たれて私どもが参加をしているということはありませんけれども、先日、消費者団体の皆さんであるとか、あるいは各県には視聴者会議という形でそこに参加をしていただいている、そこの中から御意見をお伺いさせていただくということで、様々な形で視聴者の声を吸い上げていきたいというふうに考えております。  それから、又市先生がおっしゃいました訪問集金の活動はなくなりましたけれども、営業は一軒一軒お訪ねをして受信料の契約の手続をしたり、あるいは未収がたまっている方に対して訪問活動は更に強化をしていくということで、一切訪問していかないということじゃありませんので、仕事の中身を変えて、またその中からでも意見をお伺いさせていただきたいというふうに考えております。
  272. 又市征治

    ○又市征治君 私の方は、いろんな意味で、大学の先生方だとかいろんな視聴者の皆さんから、大変NHKのそういうものを求めても非常に態度は固いと、こう言われているわけで、そこらのところはやっぱりしっかり、あなた方はすぐ皆様のNHKと言いながら、その皆様が来ると余り会おうとしないというのは駄目です、これは。そういうのはしっかりとやっていただきたい。  そこで、大臣に、ずっと我慢されておりますから、一つお伺いしますが、総務大臣意見に、NHKに経営節減を求められておるわけですけれども、私はこの集金・契約業務に関しては以上申し上げてきたような見解なわけです。つまり、受信料というのは税金や民事債権じゃないわけでありますから、そういう意味では、視聴者にNHK放送の必要性を認めて受信料を払ってもらう、教育を受けた営業マンが丁寧に一軒一軒訪ねてやっぱり放送に対する意見もまた承る、これこそやっぱりNHKの独立性、存立の基盤じゃないかと、私はそう思います。むしろ、総務省がもう一方で求める受信料の支払の公平という観点からも、多少収納にコストが掛かったとしてもやむを得ないんではないのか。それはできるだけ節減する努力は当然必要ですけれども、しかし、今申し上げた性格から、公共料金、こういう立場からいってもそういうことはあるんではないのかと。  政府が過度に営業経費節減ばっかり言うのではなくて、NHKの公共性と自主性を守り、そしてやっぱり受信料の自然体での伸びを助けることが必要なんじゃないのかと、こう思いますが、見解違いますか。
  273. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) 地デジ対応等の問題があってNHKにも相当な出費をしていただくということですから、経費節減ということは当然にやっていただかなければならないことでありますが、先ほどもお答え申し上げましたように、NHKが公共放送であるゆえんのものは受信料収入で経営がされているということですから、受信料の問題を除いてNHKを論じることはできないと、そう思っております。  したがって、負担公平という意味で受信料の収納率はうんと上げてもらいたいと、こう思いますし、公共放送であるから当然国民の声を広く聞いてこれを強く取り入れると、そういう義務もあるだろう。それが、いわゆる訪問して受信料を徴収していく中で様々な意見を聞いてきたという面もありますから、今回、訪問徴収はしなくなったようでありますけれども、今度、未契約あるいは契約しているけど未収というところには徹底して戸別訪問を掛けるということでございますので、そういうところで是非とも地域のあるいは国民の声というものは聞いてもらいたいなということでございます。  結論から言えば、ただただ効率化だけを議論すると公共放送は間違うこともあるということだと思います。
  274. 又市征治

    ○又市征治君 同じ認識だろうと思います。是非そんな格好でNHKでもしっかり取り組んでいただきたい、こう思います。  次に、NHKが民放の追随を許さないのはひもの付かない国民の受信料のおかげですけれども、丁寧な取材とNHKアーカイブスに代表される豊富な映像なんだろうと思います。例えば世界遺産シリーズというのがユネスコと提携して自然保護の、歴史的遺産の紹介に、国際的にも大変な貢献をされているということだと聞いています。  また、私は、かつて国策に追随したNHKが戦争と植民地支配の歴史の反省を視聴者に紹介することが平和憲法の下での役割だという、こういう観点から、NHKがその取材力やあるいはアーカイブスをもっと活用した番組を提供するように度々申し上げてまいりました。  二十五日の衆議院での質疑でも亀井久興委員が、大本営発表をそのまま報道した誤りのことについても言及をされておりましたけれども、近現代の歴史教育が非常にやっぱり弱いと言われている、日本の場合は。NHKのそういう意味で映像というのはたくさん持っているわけですから、これが活用されることは非常に大きな力ではないかと思うんですが、こうした豊富な映像を活用した公平公正な観点からの近現代史の番組というのはどんなものが計画されているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
  275. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 様々な番組で近現代史も取り上げておりまして、例えば「NHKスペシャル 引き揚げはこうして実現した 旧満州・葫蘆島への道」、それから、教育テレビ特集で「女たちの地上戦 沖縄 埋もれた録音テープ 百五十時間の証言」、それから、「戦場カメラマン 小柳次一 日中・太平洋戦争 従軍五千キロの記録」、それから、衛星放送では兵士や市民の証言を記録した「戦争証言プロジェクト」をシリーズで放送しております。それから、デジタルアーカイブスで未来に残す取組も行っております。  それから、四月から三年間にわたって放送が始まります大型シリーズの「プロジェクトJAPAN」では、「戦争と平和の百五十年」、これに正面から取り組みます。それから、司馬遼太郎原作のスペシャルドラマ「坂の上の雲」、これを放送いたしますほか、NHKスペシャル、それから教育テレビ特集などで日本の近現代史を多面的な切り口で描いてまいります。  そういった計画になっております。
  276. 又市征治

    ○又市征治君 もっと多くそういうものを、しっかり豊富な素材をお持ちですから、頑張っていただきたいと思います。  最後に、今日も出ましたが、三月二十四日の民主党小沢代表の秘書の起訴に関する報道については、一方の側が否定しているのに片一方では、そういう意味では、こういうことが分かったという報道は、これ中身申し上げません。しかし、どう考えたって、これは公平公正な報道だとは国民は受け取れない。やっぱり疑いを持たざるを得ないし、国民に予断を与えていると言わざるを得ないと私は思います。そういう点では、直ちにこのことについての検証と適切な措置というものを求めて、終わりたいと思います。
  277. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手をお願いします。    〔賛成者挙手〕
  278. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  この際、加藤君から発言を求められておりますので、これを許します。加藤敏幸君。
  279. 加藤敏幸

    ○加藤敏幸君 私は、ただいま承認されました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)   政府及び日本放送協会は、協会に対する国民・視聴者の信頼の向上を図り、公共放送の使命を全うできるよう、次の事項の実現に努めるべきである。  一、協会は、内部統制機能の強化によるコンプライアンスの徹底に努めるとともに、職員の一人ひとりが、視聴者の視点に立ち、公共放送に携わるものとしての高い倫理意識を確立するよう、組織一体となって改革に取り組むこと。  二、協会は、放送が社会に及ぼす影響の重大性を深く認識し、放送の不偏不党と表現の自由を確保して、公平、公正な放送の徹底を図るとともに、豊かで良質な番組の放送に一層努めること。  三、経営委員会は、協会の業務執行の監督及び経営に関する意思決定機関として、その重い職責を担うものであることを認識し、国民・視聴者から信頼される公共放送の発展のために一層の努力を行うこと。また、政府においては、委員の人選の在り方について広く研究を行うこと。  四、協会は、受信料の不払い・未契約の割合が依然として全体の約三割に達している現状にかんがみ、引き続き、あらゆる対策を講じて国民・視聴者の理解を得て、未払い・未契約等の減少に努め、受信料の公平負担を図るとともに、受信料収入の国民・視聴者への還元方法を含め、受信料体系の総合的な検討を行うこと。また、受信料収入に対する経費の比率が未だに高い水準にあることから、受信料制度に対する視聴者の理解に不可欠な地域スタッフの業務に配慮しつつ、今後も契約収納業務の効率化を更に進め、経費削減に努めること。  五、協会が行う外国人向けテレビ国際放送については、多額の受信料が投じられていることにかんがみ、その費用対効果について、評価・検証するとともに、より効率的・効果的な放送が実施されるよう、業務の体制及び放送の内容に対する不断の見直しを行うこと。    また、総務大臣が国際放送の実施要請を行うに当たっては、協会の表現の自由、番組編集の自由を最大限尊重すること。  六、協会は、地上放送の完全デジタル化に向け先導的な役割を果たすとともに、政府は、デジタル放送に対応した受信機器の普及促進、共聴施設の改修等の支援などあらゆる対策を講じ、地上放送の完全デジタル化の円滑な実現に万全を期すこと。  七、協会は、公共放送の質の向上に資するよう、業務全般について徹底的な見直しを行うとともに、子会社等の統廃合を含めた一層の合理化を進めることにより、グループ全体の業務の効率化・スリム化を図ること。また、協会と子会社等との取引は、依然として随意契約の比率が高いことから、競争契約の比率を高めるなど取引の透明化・明確化を図るとともに、積極的な情報開示に努めること。  八、協会は、地域の活性化に資するよう地域からの情報発信強化等地域放送の充実に努めること。また、災害時等において、国民が必要とする地域生活に密着した正確な情報や最新ニュースを時宜に応じて提供する必要があることから、緊急報道体制の更なる充実・強化に努めること。  九、高齢者、障害者にかかわるデジタル・ディバイドの解消が喫緊の課題となっていることから、字幕放送、解説放送、手話放送等の更なる拡充と番組内容の充実を図ること。  十、協会は、番組アーカイブについては、早期の収支改善に努めるとともに、提供するコンテンツの充実及び利便性の向上に取り組むこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  280. 内藤正光

    委員長内藤正光君) ただいま加藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手をお願いします。    〔賛成者挙手〕
  281. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 全会一致と認めます。よって、加藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、鳩山総務大臣及び福地日本放送協会会長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鳩山総務大臣
  282. 鳩山邦夫

    国務大臣鳩山邦夫君) 本日の数時間にわたる御質疑を、自分で答弁することもありましたが、聞かせていただいて、NHKに対する諸先生方のお考えとか御要望あるいは問題点というものがよく分かったわけでございまして、この附帯決議にはそれらの問題点がほとんどすべて入っておりますので、これを重んじて、これを何といっても、この附帯決議を私どもの行動指針にしたいと、こう考えております。
  283. 内藤正光

  284. 福地茂雄

    参考人(福地茂雄君) 日本放送協会平成二十一年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、ただいま御承認を賜り、厚く御礼を申し上げます。  本予算を執行するに当たりましては、御審議の過程でいただきました御意見並びに総務大臣意見書の御趣旨を十分生かしてまいりたいと考えております。  また、ただいまの附帯決議につきましては、協会運営の根幹を成すものでございますので、これを十分踏まえて、業務執行に万全を期することで公共放送の使命を全うしたいと考えております。  誠にありがとうございました。
  285. 内藤正光

    委員長内藤正光君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  286. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  287. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 最後に、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、参考人出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  288. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  289. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十七分散会