○西田昌司君 なかなか確かに難しいところは分かるんですね、
大臣ですから、私と違いまして。よく分かるんです。分かるんですが、今私が物すごく感じていますのは、
日本の今の一番問題は、
大臣のそのお言葉だけじゃなくて、要するに、我々政治家が自分たちの国の歴史に対して、いい面悪い面含めて、真正面から見て、そこを堂々と
国民に対してまず言えないと。そして、そのことを基にして、
海外に対しても言えない。
海外から、例えば
日本が、かつての戦争、第二次大戦、大東亜戦争時代に
日本が植民地に置いたということを、彼らが
日本の植民地になったんだということで非難することも当然あろうかと思うんですね。それは、今の
考え方からすると当然そういう
考え方があってもしかるべしだと思いますし、我々も甘んじて、そのことに対しては
考えられるところはあると思うんです。
しかし、もう片一方、そのときの、じゃ
世界の情勢どうだったのかということを
考えてくると、先ほど言いましたように、
ODAがなぜ出てきたかというと、元々これはもう、
アフリカもそうですけれども、
アジアも含めて、
世界の列強のすべてある
意味で言えば植民地だったわけなんですよね。その植民地を持つ宗主国の
一つに、五大国の
一つに
日本があったことも事実であります。しかし、その後独立をしてきて、それぞれのかつての植民地の経済の
状況、国の
状況、治安の
状況等を
考えると、やっぱり歴然たる差があることもまた事実なんですね。それを踏まえた上で
ODAというのをやっていかないと、私が言いたいのは、
日本がいいことをやってきたからどんどんそれを宣伝すべきだなんということを言っているわけでもないわけなんですよ。現実として今差が開いてしまっているのは、やっぱりそこにかなりの相関関係があろうかと思うんですね。
ところが、そのことを知らずにというか、
議論の根底に置かずに、
世界が例えばやっていますから、ほかの先進国がここにこれだけやっていますから
日本も負けずにとか、こういう話じゃ私ないと思うんですね。これをやっていっても、さっき言っていますように、本当に砂漠に水をまくような話で、
意味がないんじゃないかと。というよりも、本当に
日本としてもっと誇りのある
ODAをしていただきたいと思うんですよね。そのためには、私が今言いましたそういう歴史観がある程度
国民の中で共有されてこなければならない。
今日は野党の
皆さんもたくさんおられるんですけれども、やじもせずに静かに聞いていただいて非常に感謝しております。うんうんとうなずいていただいている方もたくさんおられますので、実はこれ、本当にこういうことを、参議院の
ODAのこの
委員会といいましょうか
特別委員会というのは、やっぱりこれ衆議院にない、参議院の独自の
議論する場でありますので、党派の壁を超えてそういったところの
議論をしていくべきじゃないのかなと思っているわけであります。
そこで、もう一度
大臣にお聞かせいただきたいと思うんですけれども、そういうことも含めて、
日本は
ODAやるときに、
国民に対してそういう歴史観の話も含めて
外務省がやっぱり言っていかないと、本当の
意味で
ODAというのが
機能しないんじゃないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。