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2009-05-26 第171回国会 参議院 国土交通委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十一年五月二十六日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月二十一日     辞任         補欠選任         行田 邦子君     米長 晴信君      主濱  了君     田中 康夫君  五月二十六日     辞任         補欠選任         輿石  東君     金子 恵美君      佐藤 信秋君     島尻安伊子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         田村耕太郎君     理 事                 長浜 博行君                 室井 邦彦君                 伊達 忠一君                 山本 順三君                 鰐淵 洋子君     委 員                 植松恵美子君                 金子 恵美君                 川崎  稔君                 北澤 俊美君                 田中 康夫君                 田名部匡省君                 羽田雄一郎君                 平山 幸司君                 広田  一君                 米長 晴信君                 岡田 直樹君                 加納 時男君                 島尻安伊子君                 長谷川大紋君                 吉田 博美君                 脇  雅史君                 西田 実仁君                 渕上 貞雄君                 大江 康弘君    国務大臣        国土交通大臣   金子 一義君    副大臣        国土交通大臣  金子 恭之君        国土交通大臣  加納 時男君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       岡田 直樹君    事務局側        常任委員会専門        員        畠山  肇君    政府参考人        公正取引委員会        事務総局審査局        長        山本 和史君        国土交通大臣官        房長       増田 優一君        国土交通省都市        ・地域整備局長  加藤 利男君        国土交通省鉄道        局長       北村 隆志君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○都市再生特別措置法及び都市開発資金の貸付け  に関する法律の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 田村耕太郎

    委員長田村耕太郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る二十一日、主濱了君及び行田邦子君が委員辞任され、その補欠として田中康夫君及び米長晴信君が選任されました。     ─────────────
  3. 田村耕太郎

    委員長田村耕太郎君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  都市再生特別措置法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会公正取引委員会事務総局審査局長山本和史君、国土交通大臣官房長増田優一君、国土交通省都市地域整備局長加藤利男君及び国土交通省鉄道局長北村隆志君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田村耕太郎

    委員長田村耕太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 田村耕太郎

    委員長田村耕太郎君) 都市再生特別措置法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 広田一

    広田一君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の広田一でございます。よろしくまたお願いを申し上げます。  本法案につきましては、いわゆる賛成法案というふうなことをお聞きをいたしておりますので、その線に沿って御質問をしたいというふうに思っております。  まず、本法案改正の柱の一つは、提案理由の御説明でございましたように、第四章第四節の都市再生歩行者経路協定と第五章第五節関係都市再生整備歩行者経路協定通称歩行者ネットワーク協定創設が大きな柱の一つでございます。金子大臣、この歩行者ネットワーク協定とは何か、そして、今この協定創設しなければならない背景、必要性について御説明をいただければと思います。
  7. 金子一義

    国務大臣金子一義君) 併せて答弁させていただきます。  歩行者ネットワーク協定でありますが、歩行者デッキ歩行者専用通路などの公共的な空間について地域地権者などが適切に整備管理を推進しまして、町の魅力や活力を高めるための協定制度であります。  この協定制度趣旨地権者が替わった場合でも当該協定の効力が及ぶこと、承継効が付与されるという言葉を使っておるようでありますけれども、それが継承されるということ、それによりまして安定的に町づくりを継続したいと。  最近具体的に起こっておりますことは、駅前の再開発をする、駅前広場整備して、そして歩行者デッキを造ると。そして通りを隔てた向こう側民間建物民間商業ビル歩行者デッキ公共施設でありますけれども、そこの橋を渡った、道路を渡った向こう側に、民間商業施設に出口をつくるといったような場合でございますけれども、つくった当初はいいんですけれどもファンド等民間商業ビルを買い取っちゃうといった場合に、もうこんなものはやめてくれ、こんな歩行者通路は嫌だというようなことが行われてしまいますと、せっかくできました、地権者が相談してできました施設というものが承継されないということが出てきますものですから、そういう意味で、ビル所有者が替わってもこういう町づくりのルールというものを継承させていけるようにしていきたいというのが今回の法案趣旨であります。
  8. 広田一

    広田一君 それでは、金子大臣の方からも御説明があったんですけれども、実際、現場でどのような問題が起きているのか、各委員皆様も、歩行者ネットワーク協定必要性につきまして具体例に沿って質問を進めた方が分かりやすいというふうに思いますので、よろしくお願いします。  そこで、配付資料の方の一枚目を御覧ください。  この左下に、先ほど金子大臣の方もお触れいたしましたけれども必要性の①というふうに書いておりまして、こちらの方には、経営状況の悪化などによって所有者が替わってしまった場合にも、新たな所有者デッキなどの経路を確保する義務が承継されると、こういうことが必要性の一番目に挙げられております。つまり、所有者が替わることによって歩行者デッキの使用などができなくなる事態、これを問題視しているわけでございます。  そこで、今回法案説明資料に使われております途切れた歩行者デッキ、これ、まずこの現場は一体どこなんでしょうか。
  9. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  ここで挙げている例は、横浜市中区にございます本牧サティ周辺でございます。
  10. 広田一

    広田一君 それでは、この本牧サティ、これ旧マイカル本牧だと思いますけれども、このように二枚目にはこれを拡大したものも載せさせていただいているんですけれども、このように見るも無残に歩行者デッキが遮断された経緯は一体何でしょうか。
  11. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  写真の途切れた歩行者デッキでございますが、これはかつて横浜市が道路施設として整備をいたしまして、この整備いたしました歩行者デッキと地上の歩道を結ぶ階段民有地の中に確保することや、それらの管理方法等につきまして、当初は市と民間事業者との間で契約を締結して、これでサービスを提供しようということにしたものです。しかし、当該民間事業者会社更生手続に入りまして、ここで挙げられております写真部分建物第三者に渡りました。そういたしますと、今申し上げた契約がうまくその次の方に引き継がれないという事情が生じまして、新しく地権者になられた方が歩行者デッキ接続する建物を市には無断で取り壊してしまったと、こういう例でございます。  実は、恐らく先生また御指摘あろうかと思いますが、その後の話でございますが、これいったん途切れはいたしましたが、新しい地権者の方が賃貸マンションを建設されまして、その賃貸マンション階段と、ここで途切れた歩行者デッキというふうになってございますが、これが再度接続されております。結果としては、事なきを得たというような経緯等でございます。
  12. 広田一

    広田一君 事なきを得た事例をこのように写真に載せることはちょっと私にはよく理解できないんですけれども、御説明にあったように、現在この途切れた歩行者デッキは、次のやつを見ていただきますと、このように接続をされております。この右隣賃貸マンションになっているわけでございますけれども、この歩行者デッキというのはいつ接続されたんでしょうか。
  13. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  再接続をされましたのは平成二十年でございます。途切れたのは平成十七年ごろと聞いております。
  14. 広田一

    広田一君 そうしますと、確認ですけれども皆さんが今回の歩行者ネットワーク協定法案を作成しているときには、既にこのデッキ接続されて使用されていたという理解でよろしいんでしょうか。
  15. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) はい。御指摘のとおりでございます。
  16. 広田一

    広田一君 委員皆さんにもちょっと御理解していただきたいんですけれども、私たちはこの写真とか説明資料だけを見ますと、多くの委員皆さんとか国民皆さんというのは、この旧マイカル本牧現場で、所有者が替わることによって歩行者デッキが途切れてしまって利用者が不便になってしまった、だから問題が起きているんじゃないか、それに伴って歩行者から、住民から何とかしてほしい、こういった苦情が出ている、要望が出ている、だから法改正が必要であるというふうにこのポンチ絵資料を見ると考えるのが私は普通だというふうに思っております。  それではお聞きしますけれども、今回この歩行者デッキが遮断されて、この旧マイカル本牧では住民から何かトラブルが発生したんでしょうか。
  17. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) 私ども国土交通省には、そうした苦情ですとか要望は寄せられておりません。横浜市におきましても、そうした要望ですとか苦情は具体的には寄せられていないというふうに伺っておりますが、当然ながら、地元においては問題となっていたというふうに伺っております。
  18. 広田一

    広田一君 横浜市の方にも苦情要望もないと、国土交通省も、ですから、そういったことも承知していないのに地元では問題が起きていたというのはどのように理解すればよろしいんでしょうか。
  19. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) それは、実際地元の人が困っておられるという状況があって、それが十分には市の方まで声として届いていなかったということがあるのかもしれませんけれども、実は私どももいろいろ、いろんな機会に、その後も含めてでございますが、お話をいろんなところでお伺いする機会がありまして、今回のようなマイカル本牧周辺地域で起こったような事例が再度発生するということのないようにということで今回法案を提出して、歩行者ネットワーク協定創設是非お願いをしたいということで提案をさせていただいているものでございます。
  20. 広田一

    広田一君 実は私もこの現場の方に行かさせていただきまして、地元の選出の県会議員さん、またそこをふだん使っていらっしゃる歩行者方々からお話をお聞きする機会がございました。私の場合は一日だけの視察でございましたので、お会いできる方も限りがあったわけでございますけれども地元の県議さんに聞きましても、これは県議会で一向に問題になったこともないし、自分地元地域活動をしていても、何ら住民歩行者利用者から苦情が出てきたというふうな事実はないということでございました。  先ほどの御答弁の中で、自分たちは承知していないけれどもあったかもしれないので、今後このような問題が起きないようにということは、ちょっと御答弁としてつじつまが合っていない。ですから、議論を整理する意味でも、この旧マイカル本牧地区では何のトラブルも問題も生じていない、こういうことははっきりしなければいけないと思いますけれども、いかがでしょうか。
  21. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) 冒頭答弁をさせていただきましたが、結果的に今回の事例については事なきを得たという答弁をさせていただいて、それはちょっとどうかという御指摘をいただきましたけれども、これは結果において見ればたまたまつながったわけでございますが、私どもとしては、つながらないままということもあり得た、結果としてこれはうまくいったということでありますが、事業者といいますか、第三者所有権が移りまして、その方の御理解を得てたまたまつながったということでございまして、ケースとしてはつながらないままということもあり得る、あり得た事例ではないかというふうに考えております。  これは、その後、横浜市からも私どもも、先ほど先生現地に行ってらっしゃったというお話ありましたけれども、私どもの職員も現地に伺わさせていただきまして、よく状況を見させていただきました。横浜市さんからもそのときの状況等お話を伺いました。その結果、そのままの状態に置かれていると結局その歩行者デッキが行き止まりのままの状態になるものですから、そういう事態に放置されるということになるとなかなか困った問題になったんだというようなことも伺っております。  そういうこともいろいろ含めて、是非今回の制度改正お願いしたいということで提案をさせていただいているわけでございます。
  22. 広田一

    広田一君 つながらないこともあり得るというふうなお話でございまして、確かにそういったことは想定されるわけでございます。  さすれば、お聞きしたいんですけれども、この本法案が改正されて歩行者ネットワーク協定創設されますと、当然この今の旧マイカル本牧地区については歩行者ネットワーク協定を締結しようという動きがあるんでしょうか。
  23. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) これは、例えばマイカル本牧歩行者ネットワーク協定を締結しようといいますと、この前提の段階としては、実はこの歩行者経路協定というのは、先ほど大臣からも御答弁がございましたが、第三者に対する承継効が付くわけでございまして、そのときに、言わば他人の財産権を制約するものですから、歩行者ネットワーク協定の備えるべき条件というんでしょうか、それはございまして、これは大きく二つございます。一つ区域要件というのがございまして、都市再生緊急整備地域か、あるいはまちづくり交付金都市再生整備計画と言っていますが、都市再生整備計画区域の中であるといったような要件が必要になってきます。その上で地権者皆さん合意が必要になります。  今の条件等に照らし合わせますと、このマイカル本牧の例はその地域要件に該当していないものですので、仮に地権者全員皆さん合意が取られても、結果としては歩行者ネットワーク協定法律で申し上げます歩行者ネットワーク協定要件を満たさないことになるということでございます。
  24. 広田一

    広田一君 御答弁にございましたように、全くそのとおりでございまして、この旧マイカル本牧地区というのは都市再生緊急整備地域並びに都市再生整備計画区域に指定されておりません。よって、本法律改正案歩行者ネットワーク協定対象地域外になるわけでございます。百歩譲って、この法律ができたときに協定を結ぶのかというふうなことを御質問させていただいても、この途切れた歩行者デッキ現場対象にさえならないというふうなことでございます。  そうすると、確認なんですが、この写真現場歩行者ネットワーク協定とはどのような関連があったのか。るる御答弁を聞きますと、何も関係がないというふうに理解せざるを得ないんですけど、いかがでしょうか。
  25. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) この写真等を掲載させていただきましたのは、歩行者ネットワーク協定対象が、どういうところでどういう問題が発生して必要になってくるのかというのを言わば分かりやすいような形で、確かに先生がおっしゃるように、本牧のこの事例は直接対象にはなりませんが、先ほど申し上げましたようにいろんなところでそういう事例が発生しないとも限らない、そういうことで是非制度の内容を理解していただくために、実際に発生している事例を引きまして理解を賜ろうということで資料等を調製したものでございます。
  26. 広田一

    広田一君 多分そのように御答弁する以外にないのかなというふうに思わざるを得ないんですけど、金子大臣、この説明資料を基にして私がるる御質問をさせていただきましたのは、私はたまたま今回の法案質疑者であったので現地調査もできましたわけです。しかしながら、ほかのこの国土交通委員会委員皆さん、ましてや他の委員会皆さんは、国交省がお作りになった資料に基づいて適否を判断されるわけでございます。  今回の場合、このような写真必要性というものが明記されていたなら、この現場で大問題になっているというふうに考えるのが当然のことだろうというふうに思います。しかし、実際は、御答弁をお聞きのように、何のトラブルも問題も発生をいたしておりません。ないどころか、今は、今回は都市再生を図るため、空き地になったものが賃貸マンションというふうに建て替えられて、現在は歩行者デッキ接続されて二十四時間活用されているというふうに聞いております。  こういったことを踏まえますと、私は、このような事実誤認をさせるような写真を掲載し、資料を作成して国会に提示すること自体、法案是非以前の問題としてゆゆしきことだと考えますけれども金子大臣の御所見をお伺いいたします。
  27. 金子一義

    国務大臣金子一義君) 今委員都市局長やり取りを伺っておりまして、結果としてはつながったんだけれどもというようなことで、誤解を与える資料だったかもしれません。  我々、そういうことがないように、ただ、委員皆様に配付されたのはマイカル歩行者デッキの放置された図だけでありますものですから、そういう意味で、委員が御指摘を、提示されましたその次の写真と確かに、今のやり取りを伺っていて初めて分かるということでありましたんで、必ずしも適切な説明ではなかったかなとも思っております。
  28. 広田一

    広田一君 確認なんですが、もうこのようなやり方で資料を作成しないというふうに約束してほしいんですけれども、いかがでしょうか。
  29. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  誠に誤解を与えるような写真等を掲載いたしまして申し訳ありませんでした。  ただ、これは、先ほども申し上げましたが、こういう問題が生ずることのないようにということの例として私どもとしては出ささせていただいて、それで制度についての必要性について御理解お願いしようと思っていたわけでございますが、至らぬ点があったことについてはおわびを申し上げて、今後、そういう資料等の調製に当たりましては十分留意をして、同じことを繰り返さないようにしてまいりたいと思いますので、是非理解お願いしたいと思います。
  30. 広田一

    広田一君 是非とも以後はよろしくお願いをいたします。  それでは、先ほどるる御答弁の中で、このようなことが起きてはいけないというふうなお話があったわけでございます。ですから、この旧マイカル本牧事例というのは私は実は生きた教材ではないかなというふうに思っておりまして、この現場理解することによって、逆に、るるこれまで御答弁がありましたように、歩行者ネットワーク協定必要性であるとか、必要となるであろう地域像、さらにはこの協定の課題といったものも浮かび上がってくるんじゃないかなと、このように思っているところでございます。  私は、その答え一つが、今回、なぜこの旧マイカル本牧でこのようにデッキが寸断されたにもかかわらず苦情トラブル等が発生しなかったのか。この要因、原因についてどのようにお考えでしょうか。
  31. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  これは、私の思い込みかもしれませんけれども周辺地域住民方々も含めて、デッキが途中で途切れているけれども、いずれ何とかなるだろうというふうに思っていたんじゃないかと思うんです。  私たちとしては、町づくりというのはやっぱりみんなで考えないといけないというふうに考えておりまして、そういうみんなでこの町を良くしていく、あるいはそのために必要なものを整備する、管理をすると、そういうことが当初から皆さんの約束事ということで協定という形で結ばれておけば、今先生指摘になったように、仮に問題が発生しても、皆さん自分の問題として考えていただけるということになろうと思うんですけれども、残念なことに、このマイカル本牧ケースでは、市当局等にも直接、先ほど申し上げましたが、結果としては良かったわけでございますけれども、何というんですか、皆さんがいろんな苦情だとか相談だとかということを直接大きな声としてなかなか行き届かなかったということであろうと思います。  今後、こういう、皆さん自分たちで最初に決めたものであれば、それはちゃんとみんなで守ろうということになりますものですから、是非そういう、何というんですか、気持ちを持って町づくりに当たっていただければなと、そこが若干不足していたのかなというふうに思います。  まあこれは私の私見でございますが。
  32. 広田一

    広田一君 確かにそのようなお考えも成り立つのかなというふうに思いますけれども、私は、今回、この現場住民皆さんから苦情とかトラブルが起きなかった理由として、三枚目の方に写真付けさせていただいておりますけれども、実は、その答え一つ代替通路があったということでございます。  確かに、途切れた歩行者デッキだけを見ますとこれは問題だというふうに思いますが、全体的に見ますと、この現場というのはペデストリアンデッキの枝の部分に相当いたします。そして、この写真にございますように、この下にはふだん横断歩道がございまして、デッキが途切れても通行者の支障は何ら起きないというのが横浜市の見解でございました。  ただ、今回はこういうふうな代替通路があったから住民皆さんから苦情が出なかったんですけれども、これ苦情が出るとすれば、代替通路がないとか、若しくは遠回りをしなければならない、そういった地域が私はこの歩行者ネットワーク協定が必要とされている地区というふうに思われるわけでございます。  そのような場所というのは全国にどれぐらいあるのかということは実態把握をされているんでしょうか。
  33. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) 端的に答えますと、現在のところ、困っている場所について実態把握をしているかというお尋ねでございますが、そこまで行き届いておりません。把握できておりません。
  34. 広田一

    広田一君 併せてお伺いいたしますけれども、六十五ある都市再生緊急整備地域都市再生整備計画区域、これが歩行者ネットワーク協定対象区域になるんですけれども、こういったところの民有地などにおいてペデストリアンデッキとか地下通路などを既に整備している事例というのは全国で幾つあると把握しているんでしょうか。
  35. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) それについても十分把握できておりません。
  36. 広田一

    広田一君 法案を作成する場合に、現場の実態というものを把握しないで法案作成をするというのは、これもまた摩訶不思議な話になるわけでございますけれども。  御提案なんですけれども、もし把握していないのであるとするならば、本当にニーズがあるかどうかも含めて調査すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
  37. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) 具体の箇所数等については今申し上げましたように把握はしておりませんけれども歩行者ネットワーク協定創設に当たりましては、幾つかの地区で具体的な要望をいただいているということでございます。  例えば、今でも任意の協定ということで地権者の方と公共団体が協定を結んで整備とか維持管理をやっておるわけでございますが、そういう箇所が数か所、数か所といいますか、把握しているだけでも例えば汐留とか柏とか岐阜駅とかというところがございまして、そういうところを始めといたしまして、数、トータルは把握しておりませんけれども全国に多数あるというふうに聞いております。  したがいまして、そういう任意の協定を結ばれているところが今回の法律改正で歩行者ネットワーク協定に移行するということになれば、先ほど申し上げました、いろいろ御議論いただいておりますように、第三者に対する承継効が付くということになりますものですから、現時点で数は申し上げられませんけれども、かなり活用されるのではないかというふうに期待しております。  実際、どのくらいの数があるかということについては、できる限り内部でちょっと整理をして、数を把握できるように努めていきたいというふうに考えております。(発言する者あり)
  38. 広田一

    広田一君 田名部先生からもお話がございましたように、まず現場の実態がどうなっているのか、どのような実態になっているのか、どのような問題が起きているのか、それを踏まえて法改正をしていくというのが普通、当然だというふうに私たちは思っているわけでございますけれども、今回、そうではないというふうなことでございますので、このことにつきましては、先ほど御答弁の中でできる限りこれからでも実態把握に努めるということでございますから、早急に具体的に進めていただきますように強く要請をいたしたいというふうに思います。  それでは、次にお伺いしたいと思いますけれども、この現場写真にございますように、現在ここは賃貸マンションが建っているわけでございます。よって、私から言わせれば、ポンチ絵の資料にあったようにデッキが寸断されること自体が私は問題ではないというふうに思います。一時的に通行できなくなること自体が問題ではないわけでありまして、ちょっと考えますと、実際新しくマンションを建てるんだったら遮断しないと建築工事というものはできませんし、むしろ歩行者の安全上、当然のことじゃないかなというふうに思うわけでございます。  しかしながら、苦情が出るとするのならばマンションが建った後にマンション住民以外の歩行者が通れない場合だというふうに私は思いますけれども、現在この本牧地区の場合はどうなっているんでしょうか。
  39. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  この事例ですと、デッキ接続したところから地上部に降りるということで共用通路が設けられておりますけれども、共用通路というか歩行者経路になってございますが、マンションの住民方々の共用通路等に立ち入れる構造とはなっておりませんで、マンションに入るためには一回、何というんですか、セキュリティーを通ってマンションの内部に入るというような形になってございます。
  40. 広田一

    広田一君 どうもありがとうございます。  これ、実は僕もマンションの方から通ってデッキの方に出まして、確認したいのは、横浜市の方からも聞いたんですけれども、具体的にこの信号、青信号のあるところの入り口からデッキのところまでには二十四時間通行が可能であると、こういうふうに聞いているんですけれども、その点はいかがなんでしょうか。
  41. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) 二十四時間出入りができるということになってございます。先生の御指摘のとおりでございます。
  42. 広田一

    広田一君 そういうこともあって、いわゆる歩行者側からは使えるということで苦情は出てこないだろうということは理解できるわけでございます。しかしながら、逆にマンションの住民からすれば、もう二十四時間歩行者が出入り自由なことに不安を持つ方もいられると考えます。そうすると、協定の効力が次の所有者まで義務付けられるいわゆる承継効、今回の歩行者ネットワーク協定のこれは肝になるわけでございますけれども、この課題も浮かび上がってくるんじゃないかと思われますが、御認識をお伺いいたします。
  43. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) ただいま先生指摘いただいたそのとおりだと思っております。特に、歩行者デッキがマンション等の住宅に入るといったような場合には、そこのマンションの敷地を歩行者ネットワーク協定対象とするということになりますものですから、マンションにお住まいの方々に不安感を与えないように、二十四時間そこをマンションの居住者以外の人が通るという意味で不安感を与えるということがあってはいけないというふうには考えているのは先生の御指摘のとおりです。  これについては、私どもとしては、外部の方々、一般の方々に公開された通路部分と、住民皆さんの、マンションの居住者の皆さんの共用通路をきちんと分けたような形で適切に協定が締結されるということが必要だと考えておりますし、そういう、例えばマンションを経路協定の一部に組み込むような場合にはそうした点にも十分配慮して協定を結んでいただくようにというようなことを、私どもとしては法案が成立いたしましたらいろんな機会を通じてPRといいましょうか普及啓発をすると同時に、必要な場合には、技術的な助言ということで公共団体の皆さんにもいろいろ紹介といいますか考え方についてお伝えをしていきたいというふうに考えております。
  44. 広田一

    広田一君 そこはできるだけ、かえってこの歩行者ネットワーク協定トラブルのもとにならないような配慮はしていただきたいなというふうに思いますけれども、けど、これも本来であるんだったら、いろいろ現場の実態を把握しながら法案作成すると、これについてもちゃんとクリアになるような対応ができたのではないかなというふうに思うわけでございます。  金子大臣、ちょっとこれまでのやり取りを踏まえて、私も再三申し上げたんですけど、この歩行者ネットワーク協定創設というのは現地現場地域の実情というものを踏まえて作り上げた法律ではなくて、何か机上の議論で法改正をしているんじゃないかというふうに思わざるを得ないんですけれども、いかがでしょうか。
  45. 金子一義

    国務大臣金子一義君) さっき正確な数字把握するというお話ありました。全国でこういう通路あるいは商業ビル歩行者通路でつながっているというのが約百か所あるようでございます。  そういう中で急速に出てきましたのが、ファンドが所有者が替わってしまう、売ってしまう、あるいはその結果として商業ビルやめて建て替えてしまうというようなものが比較的急増しているということで、この法案、いつ何でやるんだと。これは、先ほど局長答弁をしましたとおり、もう少し実態把握をさせていただく、これはやらしていただきたいと思いますけれども、現実にこの建て壊しといったようなことでございましたものですから、予防的にもやはり枠組みとして継承をする、この協定で継承できるという枠組みだけでも先に作っていきたいと。  確かに御指摘のように、マンションとの接続住民に迷惑を掛けないようにどうするのかといったようなことをこの法案で細目まで決めるのがいいのか、あるいは地権者、マンションの場合には住民皆さんもありますので、これは別の法令あるいは条例あるいは地区協定にお任せした方がいいのか。いろいろなやり方があるんだろうと思っておりまして、しかし、そういうことで先ほどのような突然取り壊し、突然不連続といったようなことを、やはり歩行者利便という意味で公共のある意味設備を優先をしていきたいという観点、その概念規定みたいなもの、概念規定と言ったら失礼ですけれども、そこをこの法案提案をさせていただいている。確かに御議論いただいたように、実態面での中の更に詰めなければいけない部分というのは必要事項としてあるのかなとも思います。しかし、この法案でそれを組み込むのがいいかどうかというのもまた御検討いただかなければいけないなと思います。
  46. 広田一

    広田一君 先ほど金子大臣の御答弁の中で、ファンド等の動きが非常に気になる、懸念されるというふうなことがお話がございました。五月八日の衆議院の小宮山泰子議員の質問に対しまして御答弁の中で、現在、十程度の地区から、こういう協定制度ができるのであれば是非活用してみたいということで相談を受けていると、こういうふうな御答弁がございますけれども、具体的に一体どこなんでしょうか。
  47. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答えを申し上げます。  この歩行者ネットワーク協定は、地権者間の全員合意が必要な制度ということになってございまして、今まさにこの制度ができるということを前提に、関係地権者皆さんの間で合意形成の途中であるというふうに理解をしております。  したがいまして、協定の締結を検討している事実を先に公表してしまうということになりますと、合意に向けた努力を、一生懸命重ねている努力に混乱をもたらしかねないということもございまして、現時点ではお答えはなかなかしづらいわけでございますが、また加えて言いますと、現に相談を受けているところからも、そういう地区からも公表しないということを前提にいろんな情報提供を受けているところでございます。  ただ、いずれにいたしましても、歩行者ネットワーク協定に関する合意形成が図られまして協定の締結について公表できるという段階になった際には、当然のことながら、先進的な事例、モデル的な事例ということで積極的に私どもとしてもPRをしてまいりたいというふうに考えております。  ということで、先ほども申し上げましたが、例えば、代表選手でいえば汐留地区のようなところでございます。  是非、私どもも、スムーズに協定が締結されれば、当然のことながら公表もし、内容についても積極的にPRしていきたいという気持ちは非常に強く持っておりますので、そのように対応させていただければ非常に有り難いと思います。
  48. 広田一

    広田一君 この歩行者ネットワーク協定というものは私は仕組み、考え方は大変すばらしいというふうに思っておりまして、ですから、なぜこれを何か秘密裏に、水面下水面下で、ばれないようにばれないように進めないといけないのかということについて私は非常に疑問が出るわけでございます。(発言する者あり)  金子大臣の方からもう一遍具体的に地区を示すように質問しろというふうにリクエストがございましたので、再度お伺いをしたいと思います。
  49. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) 実は、この歩行者ネットワーク協定の中の区域をどうするかということになると、それぞれの地権者、先ほど申し上げましたように全員の合意が必要です。したがって、まだ話をされていない人に先に、何というんですか、表に出たりするということになりますと、皆さん考えておられるような協定経路区域がうまく取れないということにもなりかねないというふうなことではないかと思います。  それで、事前に相談を受けている各地区からも公表しないということを前提に情報提供を受けているものでございますが、先ほど申し上げました、具体的にほかにもないのかという大臣から御指示がございまして、汐留地区というお話を、例えばということをお話を申し上げましたが、そのほかにも大丸有、大手町、丸の内、有楽町地区歩行者ネットワーク協定なんかについても候補になってくるとか、あるいは今度の新東京タワーですね、東京スカイツリー周辺地区でこういうことが活用できないかというような御相談は受けております。
  50. 広田一

    広田一君 最初からそういうふうに言っていただければ議論も非常にスムーズに進んだのではないかなと、このように思っているところでございます。賛成法案でございますので、その辺は余り気を付けなくてもよろしいんじゃないかなというふうに思うわけでございます。  そうすると、これまでの議論を踏まえますと、好意的に解釈いたしますと、この歩行者ネットワーク協定につきまして、現在、通行路の遮断などの問題は起こっている事案は今のところ全くないわけでございますけれども、将来そのようなことが起こったらまずいので、予防措置として本法案を改正すると、創設する、ネットワーク協定創設すると、こういう理解でよろしいんでしょうか。
  51. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) 御指摘のとおりと考えております。
  52. 広田一

    広田一君 ですから、やっぱりそういうふうに最初から御説明いただければ非常に議論が分かりやすかったんじゃないかなというふうに思っております。  それでは次に、この歩行者ネットワーク協定制度上の疑問点についてお伺いをします。  先ほど来、地権者全員の同意が必要だというふうなお話がございますけれども、この歩行者ネットワーク協定の締結者は一団の土地の所有者等とされておりますけれども、具体的にこれはだれなのか、市町村も含まれるのかどうか、お伺いしたいと思います。
  53. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  協定の参加者でございますが、これは民間地権者のほかに公共団体も含まれるのかという御質問でございましたが、土地の所有者といたしまして、市町村ですとか道路管理者等の公的な主体も協定に参画できる、協定が締結できるという制度になってございます。
  54. 広田一

    広田一君 そういたしますと、法律の第四十五条二の四を読みますと、この歩行者ネットワーク協定は市町村長の認可を受けなければならないものとするというふうにあるわけですが、そうすると協定の申請者と認定者が同一になってしまう可能性もあるんですが、このことによって問題は生じないんでしょうか。
  55. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) 今回提案させていただいています歩行者ネットワーク協定と同じように、例えば建築基準法に基づきます建築協定、これについてもそうでございますが、また都市計画法に基づきます開発許可についてもそうでございますが、公共団体が主体となって、例えばここで考えてございますが、市町村の認可といったような同様の仕組みが取られているところでございます。  いずれにいたしましても、申請者と認可権者が同一主体であることによります利益相反的な行為が起こらないようにするということで、各市町村が立場を混同することなく、歩行者ネットワーク協定制度趣旨を十分に踏まえながら対応していただくように要請していきたいというふうに考えております。
  56. 広田一

    広田一君 全くそのとおりだというふうに思います。特に、御答弁の中にございましたが、利益相反にならないようにということが大変重要だろうというふうに思いますが、この点について国交省としてどのように担保できるというふうにお考えなんでしょうか。
  57. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) 担保措置自体は直接ございませんけれども、先ほども申し上げましたが、私ども、この法案が成立をさせていただきますと、いろんな機会を見付けて、ブロック別も含めてでございますが、各担当の部署にこの法律趣旨、目的、ねらい、それと制度の運用に当たっての留意点、こういうことについて技術的な助言ということでいろんな情報を提供していきたいというふうに考えております。  これは今回の歩行者ネットワーク協定に限りませんで、建築協定の運用に当たりましてもそうですし、都市計画法の開発許可の運用に当たりましてもそうでございます。それと同じように、先ほど来いろいろ御議論いただいています利益相反行為が起こらないようにするために十分注意、留意していただきたいということで、周知徹底を図るような工夫をいろいろ重ねていきたいというふうに考えてございます。
  58. 広田一

    広田一君 是非とも、その点は徹底して行っていただきたいなというふうに思います。  次に、この協定締結には土地所有者などの全員の同意が必要であるとか、先ほど質問した市町村長の認可など、幾つかのハードルがあるわけでございます。また、この具体例と挙げました旧マイカル本牧地区のように既に任意に横浜市と不動産会社が協定を結んでいて、もうそういう必要性もないというふうに判断されているところもございます。  確かに選択肢が増えることは歓迎されるべきことなのかもしれませんけれども、この歩行者ネットワーク協定というものが有効に活用されるようにいかにすればいいのかというふうなことを考えると大変疑問が出てくるわけでございまして、何かこの協定を締結するインセンティブというものが私は必要ではないかなというふうに思っているんですけれども、具体的にお考えがあればお示しをいただきたいと思います。
  59. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) 歩行者ネットワーク協定に関して何かインセンティブが必要ではないかという御指摘でございます。  現在のところ、予算ですとか税制による支援措置はございません。ございませんけれども、今回の歩行者ネットワーク協定の一番の効果は、任意の協定ではない第三者に対する承継効が付与されているということで、関係地権者皆さん方がそれぞれ適正な費用負担の下で公共的な空間を適切に整備管理をしようということで、当初作ったルールが第三者にも適用されるということでございますので、当初の思いが安定的、継続的につながっていくということで、それ自体が一つのインセンティブになるのではないかと考えております。  それ以外にも、例えば第三者として土地等を取得して協定区域の中に入ってこられる方が管理費用等を費用負担していただくわけですが、例えば先ほども大臣からも御答弁ございましたが、J―REITなどのファンドが開発後の物件を買い取る場合、そのときに、買い取った後の費用負担をどうするかといったようなときには投資家への説明責任を果たさないといけない。したがって、任意の協定では費用負担がしづらいといった側面がありますが、法定協定であれば当然に守らないといけないということで、その負担も、ファンドが建物等を所有した場合にも負担しやすくなるといったような実際上のメリット等もあるのではないかなというふうに考えております。
  60. 広田一

    広田一君 これは自分の深読みだったら訂正をしていただきたいんですけれども、今回、第四十六条の関係で、これまで第二項の三のイに公共公益施設整備というものが規定されておりましたけれども、それに加えて都市再生整備計画整備された公共公益施設の適切な管理というものが記載事項として追加されることになりました。この改正が土地所有者などが協定を締結するインセンティブに結び付けることができるのかどうか、この点についての御所見をお伺いしたいと思います。
  61. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) 今の点についてのお尋ねでございますが、これは都市再生整備計画区域の中でこうした経路協定を結べるということになってございます。したがいまして、都市再生整備計画の中で、当然歩行者経路協定というのは整備された施設管理を含むものでございますから、その前提となります都市再生整備計画の中に適切な管理のために必要な事項を付け加えて、言わば歩行者経路協定を認める際の受皿としてこの条文を整理したということでございます。それに尽きるというふうに考えております。
  62. 広田一

    広田一君 これに関連して、若干ちょっと細かい話になるんですけれども、今回、公共公益施設云々というふうなお話があるんですが、実はこの公共施設につきましては、第二条の二項において、道路、公園、広場その他政令で定める公共の用に供する施設というふうに定義をされているわけですが、その後ろの公益施設については定義がございません。これは法的に不備になる懸念があるんですけれども、何か明記する必要はないんでしょうか。
  63. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) この公共公益施設というのは公共施設その他の公益的施設を指すものでございますが、特に公益的施設関係についてお尋ねがあったのでお答え申し上げます。  これは先生おっしゃられるように、都市再生特別措置法上は定義を置いておりません。考え方としては、駐車場ですとか多目的ホールですとか観光案内所等々を公益的な施設ということで私ども運用をしておりますが、この考え方は、元々都市再生を進めていく上で公益的な施設というのは、地域地域の実情に応じて柔軟に対応できるようなものにしておく必要があるんじゃないか、法律ですべて決め切ってしまうということは柔軟性に欠けて地域の実情に即した運用ができないのではないかというような考え方から、法律上定義は置いていないというふうに理解をしております。
  64. 広田一

    広田一君 そうしたら、具体例を挙げていただきたいんですけれども、例えばこの地域ではこういうものは公益施設として位置付けられるけれども、この地域では位置付けられないというふうな具体例があるんでしょうか。
  65. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  これは、都市再生整備計画は市町村が作っていただくものでございますので、市町村がその土地、つまりその地区ごとにその地区町づくりをどうするかということを十分関係者の意見も聞いて決められて、そのときに必要な公益的な施設を、これが必要だというようなことを計画に盛り込んでいただくということで決まってくるものと考えております。その中身が、例えば、先ほど申し上げましたが、駐車場ですとか多目的ホールですとかといったような施設がその候補に挙がってくるということでございます。
  66. 広田一

    広田一君 そうしたら、駐車場とかそういうふうなスペースが、ある地域では公益施設になるけれども、ある地域では公益施設として位置付けられない場合もあり得るというふうな理解なのか、それとも、その公益施設については各町づくりを進める市町村が、自分たちにとってはこれは公益施設として位置付けていろいろな整備を推進していくというふうなさび分けをしているのか、いかがでしょうか。
  67. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) これは、市町村の独自といいますか、市町村の判断でお決めいただくということなんです。ただ、例えば、先ほど申し上げました駐車場でも、特定の人にしか貸さないとか、だから、機能としては駐車場みたいなものがあるわけですが、これを公益的な施設として位置付けてちゃんとしっかり整備をし管理をしようということを市町村がお決めになれれば、それは公益的な施設に該当するということでございます。  繰り返し申し上げますが、市町村の判断を前提にして公益的施設の範囲が定まってくるというふうに考えております。
  68. 広田一

    広田一君 以上、歩行者ネットワーク協定について御質問をさせていただきました。  この後、附帯決議等にも出てくると思いますけれども是非、せっかく創設する仕組みでございますので、情報提供等を周知徹底していただき、また実態を把握していただいて有効に活用をしていただきますように取り組んでいかれるように強く要望いたしまして、次の質問に移らさせていただきたいと思います。  次は、もう一つの改正の柱でございますまちづくり交付金についてお伺いをいたしたいと思います。  確認ですけれども、この四十七条二項におきまして、事業等を通じて増進が図られる都市機能の内容を追加することによりましてまちづくり交付金の交付率のかさ上げが今回可能になると、こういう理解でよろしいんでしょうか。
  69. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お尋ねの改正法案の四十七条第二項でございますが、ここにおきましてまちづくり交付金の交付に際して勘案すべき事項として、公共公益施設整備状況に加えまして、都市再生整備計画に基づく事業等を通じて増進が図られる都市機能の内容を追加して、まちづくり交付金の交付率のかさ上げを法律上も確認的に規定しようというものでございます。
  70. 広田一

    広田一君 どうもありがとうございました。  まさしく今回これを追加することによってまちづくり交付金の交付率のかさ上げが可能になったというふうに取ってよろしいんでしょうか、それとも違うんでしょうか。ちょっと今の御答弁だと分かりにくかったんで、いま一度よろしくお願いします。
  71. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) これは、交付限度額を四〇%から四五%に引き上げること自体は、今回の法律を改正しないとできないというものではございません。  これは、その四十七条で交付金の交付については法律上定められておりますが、その限度の範囲の中で四〇から四五に引き上げるということでございますので、この四十七条の二項がないと、改正をしなければ、現在考えております一定の区域についての交付率の限度額を四〇から四五%に引き上げることができないということではございません。ただ、先ほど申し上げましたように、今回は都市機能の内容を追加することによりまして、法律上もそういったものについては、一定のものについては交付限度額を現行の四〇から四五%に引き上げるということを確認的に規定するものでございます。
  72. 広田一

    広田一君 法改正をしなくても四〇から四五に引き上げることができると。確かに、都市再生特別措置法の施行規則の第十六条で、交付率について非常に、僕らみたいな者から見ると分かりにくい図式を用いて交付率が決められているわけでございますけれども確認的に法改正するということの必要性が私にはいまいち理解できないわけでございます。といいますのも、るるこれまで様々な交付金を国土交通省さんもおつくりになっているわけでございまして、議論になった地域活力基盤創造交付金については法的根拠もない交付金がある一方で、地方道路整備臨時交付金なんかは要綱で交付率の引上げ等がなされているというふうに、交付金によってばらばら感があるわけでございます。  先ほど御答弁あったように、今回も施行規則を見直せれば四〇から四五に引き上げることが可能なのに、なぜあえてこの四十七条二項を今回改正、確認的に法改正しなければならないという判断になったんでしょうか。
  73. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  これは現在も、交付金の交付等につきましては、再三委員が御指摘いただいておりますように、四十七条に根拠規定がございますものですから、今回、まちづくり交付金の交付の際に勘案すべき事項として都市機能の内容を追加する法改正を行いますのは、交付率の引上げに係りますまちづくり交付金の拡充措置について、国会の御審議をいただいた上で、法律上も、当然先ほども言いましたように根拠はあるわけでございますが、それを前提として確認的に位置付けた方がより望ましいのではないかという考え方から、ここの条文の改正をお願いしているものでございます。
  74. 広田一

    広田一君 より望ましいことをするというふうなお話でございますが、そうすると、お伺いしたいんですけれども資料の方にも付けさせていただきましたが、今回、交付率を四〇から四五に上げる対象といたしまして、国として特に推進すべき施策に関連した都市再生への支援強化というふうな位置付けがされておりますけれども確認的にというふうにおっしゃって、当該事業を通じて増進が図られる都市機能というふうなことが今回加えられるわけなんですけれども、これ局長、どういうふうに頭を整理したら、この条文で国として特に推進すべき施策に関連した都市再生というふうに読めるのか、ちょっと解説をしていただきたいと思うんですけれども、よろしくお願いします。
  75. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  この四十七条の二項で規定しておりますのは、交付金を交付する際に交付金の限度額をどうするかということを決めてございます。それを省令で決めておるんですが、あくまでもそれは交付限度額を決めておりまして、そういう基準を省令で決めて、その中で、予算の範囲の中で交付金を交付するということになっております。したがって、制度的にはアッパーを決めておりまして、その中で、どのくらいの交付率で、どういうものに対してどういう交付率でその交付金を交付するかということは予算で決定すると、予算の範囲内で決定するということになっております。したがって、その限度の中において一定の枠があるわけでございますけれども、その限度額の範囲の中であれば、四〇を四五にするということについては予算の範囲の中で決められるということでございます。  これについては予算内示をいただいておるわけでございますが、その際に、じゃどういうことかということを書こうとしているかというと、都市再生緊急整備地域における都市機能であって地域整備方針に適応するものですとか、中心市街地における都市機能ですとか、歴史的風致の維持及び向上によります文化機能といったようなものを含むものについては四〇を四五%に引き上げるということにしたいというふうに考えているわけでございます。  ですから、どういうものを対象にするかといったときの根拠として今回四十七条の二項の修正をお願いしているというふうに御理解を賜りたいと思います。
  76. 広田一

    広田一君 まさしく最後の方で答弁したとおりでございまして、どういうものを対象にしているのかというのを規定するため四十七条の二項に追加的に書いたわけでございますよね。それを具体的に言ったのが、資料付けておりますように、国として特に推進すべき施策と。更に具体的に言うと、これが、低炭素型町づくり云々とか、そういうものが対象に加わっていくというふうな理解を私はしているんですけれども、そうであるとするならば、それをそのまま書き込めばいいんじゃないかなというふうに思うわけでございます。  つまり、国として特に施策として推進すべき事業というものも更に追加することによって、まちづくり交付金対象とか、そしてさらにそれにつながる交付率の引上げとか、こういうものを推進していくんだというふうに書いた方が私は、ふだん国民皆さんに公表資料として使っているものとの整合性というか分かりやすさが出てくるんじゃないかなと。むしろ、これの四十七条二項だけ読むと一体何のことなのかなというふうに私たち一般の者は思ってしまいますので、その点はどういうふうに整理されているんでしょうか。
  77. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) これは非常に申し上げにくいのでございますが、四十七条そのものがございましたものですから、この中で、考え方は先生がおっしゃられたとおりなんですが、そのときにどういうふうに条文を修正するかということで今のような形にしてございます。  ただ、これだけだと確かに分かりづらいじゃないかという御指摘もございますので、その点に関しては、運用に当たって、こういうものはちゃんとこういうことになるんですよといったようなことを十分周知徹底を図ってまいりたいと思っております。  何というんでしょうか、非常に難しい条文にはなっておりますが、都市機能の向上を図るということ自体が都市再生の目的ということにもなっている関係で、法律の文言として非常に硬くて分かりづらいというような表現ぶりになっているということなんですけれども、内容としては十分皆さんに行き渡るように意を尽くして説明してまいりたいというふうに考えております。
  78. 広田一

    広田一君 私の持ち時間が過ぎてしまったんですけれども、平山委員の方からあと三十分やれというふうに言われておりますので、そこまでやりませんけれども、もうしばらくちょっとお付き合いをしていただければと思います。  そこで、金子大臣、私は、今回のこの四〇から四五の交付率の上限の引上げについては大賛成でございまして、特にこれは地方の自治体の皆さん大変喜ばれているんじゃないかなと、このように思っているわけでございます。  しかしながら、私は、そもそも、もし改善、改正すべきなのは、こういった交付率とか交付対象の引上げ拡充について財務省のお許しがなければできないと、こういうちょっと非合理な、非効率なものを変えていかなければいけないんじゃないかなというふうに思います。確かに、局長からお話あったように、予算の総枠、予算額についてはそれは財務省の方がしっかりと査定をして決めていかなければならないと思いますけれども、それをいかにしてどこにどういった割合で配分するのかということについては、私はこれからは国土交通省の責任と判断によって行われるべきじゃないかなというふうに思いまして、地方分権も必要ですけれども、霞が関の分権も、中の分権も私はこの際進めていくべきだなというふうに思いますが、財務省設置法第四条の見直し、これについて金子大臣はいかなる御所見をお持ちでしょうか。
  79. 金子一義

    国務大臣金子一義君) 今もう既に財務省設置法について広田委員から御指摘、もうされているものですから、よく御承知の上で意見を聞かれているんだと思います。  この設置法、こういう町づくりのこういう部分だけでなくて、その他道路関係についても、実施計画というようなことでそれぞれ幅広く決められております。そういう意味で、できるだけ委員指摘のような趣旨で要綱等々、枠組みが決まる、そういう中でそれぞれの省庁が責任持ってやれるという、できればそういう体制ができてくればいいと思います。ただ、財務省には財務省なりのこれまでのやり方、あるいは方向というものがあると思います。  先ほども、ちょっと戻りますけれども、なぜ四五%の部分についてこういう法律を、今回のように都市再生緊急整備地域における都市拠点の形成って書いてあるじゃないかと、法律に書いてあるじゃないかという御指摘ありまして、局長からも答弁させていただきましたけれども法律上ですと、ある意味、ある時間のとき、ある時期、それぞれの時期で国として政策誘導したいというような項目が出てくると思うんです。町づくり、今、歴史まちづくりといったようなことをここ一、二年中心に取り上げさせていただいているということで、ある一定の役割が終わると今度別の項目、重点項目というのが出てくるんだろうと思っておりまして、そういう意味で、法律に書き込んでしまいますと今度法律を全部直さなければいけないという、むしろその時代に、あるいはその地域に必要なものをより弾力的にできるという意味で、少し分かりにくい法律体系になっているんだと思います。  財務省設置法の話に戻りますけれども、これは一度、この設置法の財務省が持っている権限については、ちょっと私も頭の中に入れて少し考えさせていただきたいと思います。
  80. 広田一

    広田一君 是非とも、繰り返しになりますけれども、本当にそれぞれの役割が効率的に遺憾なく発揮できるように絶えず見直しをすべきじゃないかな、これが私は非常にいい具体例になるんでないかなというふうに思っておりますので、是非とも御検討を進めていただければなというふうに思います。  それでは、次にまちづくり交付金の交付対象考え方についてお伺いをいたします。  私自身、高知県のある自治体にヒアリングをしましたところ、宅地造成とかそれに伴う残土処理がまちづくり交付金の交付対象外になっているというふうな事例をお聞きをいたしました。町づくりの基本は住宅だと私は思っておりまして、その住宅まで行く道路については交付金の対象になって、肝心の宅地造成が対象にならないというふうなのは何かちょっとおかしいのではないかなと思います。確かに、要綱等を見てみますと、基幹事業とか提案事業なんかでも宅地造成というのは交付対象になっているんですけれども、特にその自治体で若者定住を目指すために、自治体側からすれば少しでも安く分譲価格を設定したいという思いがあって、是非ともこれを交付対象にしてもらいたいという要望が出ているわけでございます。それに対しては、やはり住宅分譲するということはその町にも収入が入ってくるわけでございますので、その点との兼ね合いがハードルになっているということで、その自治体は地域創造支援事業という提案事業で採択目指したんですけれども、駄目だったというふうなことでございます。  まちづくり交付金は、本当に自治体の皆さんからいうと、これまでのがちがちの補助金に比ぶれば使い勝手がいいと。本来だとそれを更に進めて、民主党さんがおっしゃっているように一括交付金にして、さらに、縛りを掛けないというのがいいとは思いますけれども、その一里塚といたしまして私は交付対象についてもっと柔軟に取り組むと。特に住宅造成等については私は是非とも考えていただきたいと思いますけれども、御所見をお伺いいたします。
  81. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  まちづくり交付金におきましては、都市再生整備計画の目標を達成するために必要な事業等に要する費用を交付対象とすることができるということになっています。  御指摘いただきました宅地造成ですとか残土処理に要する費用についても、市町村が都市再生整備計画の目標を達成するために必要なものと位置付けられて実施する場合には、宅地を処分した場合に生ずる収益や定められた費用負担、役割分担ルールなどを考慮しながら適切にまちづくり交付金対象とすることが可能であると考えております。  これは今先生もおっしゃいましたように、宅地を処分した場合に著しく収益が生ずる場合等がございます。そういう場合には、その収益を控除して交付対象事業費とするということが必要になってまいります。また、例えば土壌汚染といったような処理費用は原因者が負担するなど、法令で民間等との間での費用等の分担が定められている場合はそのルールに従った上で市町村の負担部分について支援の対象ということになってこようかと考えております。  いずれにいたしましても、まちづくり交付金対象とすることを一律排除しているということではございませんで、そのときの交付対象事業費をどう考えるかということで、いろいろ考え、検討をする必要がある事項もあろうかと思いますので、私どもとしては、都市再生整備計画の目標が適切に達成できるように、今後とも地方整備局ですとか都道府県等とも連携をいたしまして、市町村に対しましてきめの細かい支援に努めていきたいというふうに考えております。
  82. 広田一

    広田一君 是非ともその点はよろしくお願いいたします。  先ほど言いました若者定住のためであるとか、その自治体は、実際高速道路の立ち退きに伴う代替地のために宅地造成をしたいというところも何か対象にならなかったというふうなことでございますので、まさしく個々のケースでもありますし、いろんな検討はしていかなければいけないというのは十分理解できるわけでございますけれども、先ほどの御答弁趣旨に沿って是非とも、今財政力の厳しい自治体の皆さんが積極的に町づくりを進めようというふうにやっている挑戦に対しては更なる支援というものを行っていただきたいなと、このように思うところでございます。  まだまだちょっと質問をしたいところでございますけれども、幾ら何でも三十分使うわけにはいきませんので、もうこれで終わりにしたいというふうに思います。  あと、無利子貸付けお話であるとか、今回の第一次補正予算と都市再生事業との兼ね合いについて等を質問通告をさせていただきましたけれども、残りの部分についてはいつかまた御質問をさせていただければというふうに思いますので、以上で私の質問を終了させてもらいます。  どうも失礼しました。どうもありがとうございます。
  83. 平山幸司

    ○平山幸司君 民主党・新緑風会・国民新・日本の平山幸司です。  最初に、前回歴史的大転換期に当たる道路特定財源の一般財源化というお話を本院においてさせていただきましたけれども、その際、道路臨時交付金の廃止、それに代わって地域活力基盤創造交付金というものがつくられる。これは私の認識では、法的根拠はなく、毎年の予算措置であるという認識でありました。地域活力基盤創造交付金、町づくりとも非常に、今回の法案とも関連してくると思いますけれども大臣はこの際、ここに議事録ありますが、地域活力基盤交付金は恒久法というふうに言われましたけれども、その根拠を、ちょっとこれは通告していないんですけれども、お伺いしたいと思います。    〔委員長退席、理事山本順三君着席〕
  84. 金子一義

    国務大臣金子一義君) 道路特定財源というのをもう一般化しまして、そして地域臨時交付金に代わるものとして今度地域基盤活力交付金というのを制度化させていただきました。これの期限を設けておりません。そういう意味で恒久法という位置付けで進めさせていただいています。
  85. 平山幸司

    ○平山幸司君 これ、なぜ質問したかというと、今日、地元の議長会が午後ありまして、このことについてもしっかり地元の議長さんたち地域を担う皆さんですので説明しなければいけない、町づくりも含めてどういう形になっているかということを説明しなければいけないという思いでありましたので聞きました。  ただ、恒久法ということに関しては、特に期限を区切っていないということで恒久法という位置付けであると。逆に考えれば、期限を切っていない、法律に定めがないということであれば、これは大臣の思いで恒久法ということを言われているんでしょうか。
  86. 金子一義

    国務大臣金子一義君) これは思いでありませんで、期限を切った場合には法律上明記しなければいけませんから、全くそれを付けていないということで、決して思いではありませんで、これは法律を変えない限り、法律を変えない限り、今回の地域活力基盤交付金という、こういう枠組みで進めさせていただきます。  ただ、予算措置、これはもう道路特定財源が一般化されましたその経緯でお答えしましたとおり、毎年度毎年度の予算で額が決められていくということであります。ただ、制度自身はそういうことで継続をさせていただき、恒久的に制度として使わせていただいておりますので、どうぞお地元の市町村長さんあるいは地域皆様方に、おい、来年どうなっちゃうんだと、再来年これは変わっちゃうのかというような御心配がありましたときには、どうぞ平山委員、いや、これは大丈夫だとおっしゃっていただいて結構でございます。
  87. 平山幸司

    ○平山幸司君 我々としては、先ほど広田委員が言われましたけれども、もろもろの細かい交付金等々を設けるよりも地域地域で使いやすいように一括交付という考え、これは、大臣、大きな議論になるというお話を前回いただきましたので、大きな議論をこの場ではできませんが、細かい議論になると思いますので、これは大きな議論をできるときに、また近い将来多分やるんだろうというふうに思います。  次に、これは通告しっかりしておりますので、前回のやっぱりこの委員会で川崎委員の方が質問されましたけれども国交省の公用車の管理業務にかかわる問題、これは五月の二十二日、二十三日に、川崎委員質問があったその後、公用車談合と国交省に改善要求というお話が各種報道でなされました。  これに対して、まず公正取引委員会の方に今日来ていただいておりますので、事実関係と今後の指導方針についてちょっとお伺いしたいと思います。
  88. 山本和史

    政府参考人山本和史君) お答え申し上げます。  ただいま先生指摘の事件につきましては、昨年の七月に立入検査を実施いたしまして以降、鋭意調査を進めてまいったところでございます。現在は最終的な措置をとるためのいわゆる事前手続の段階にございまして、関係人に対して意見を申し出る機会を与えるために、今後予定される排除措置命令、それからそして課徴金納付命令の内容を通知したところでございます。この事前通知におきましては、関係人がいわゆる入札談合行為を行っていたと認定しているところでございます。  また、本件については発注者の関与があったかどうかという点も含め審査中でございまして、排除措置命令におきまして入札談合等関与行為防止法に規定する関与行為というものに該当する行為が認定された場合には、同法に基づきまして発注者である国土交通省に対しても改善措置を求めることとなるものでございます。    〔理事山本順三君退席、委員長着席〕  今後、現在事前手続の段階でございますので、関係人からの意見が提出された場合には、その内容について検討を行いました上で速やかに最終的な結論を得てまいりたいと考えているところでございます。
  89. 平山幸司

    ○平山幸司君 事前手続中ということでありますけれども、いろいろ調査しているんだと思いますが、もう一つ公正取引委員会さんの方にもう一問ちょっとお伺いさせていただきたいと思うんですが、国交委員会ですのであれですけれども、他の省庁も同じようなことが大小あると思いますけれども考えられるともざっくり思うんでありますけれども、この辺に関してもいろいろと今後考えていかれる、若しくは調査するおつもりはございますか。
  90. 山本和史

    政府参考人山本和史君) 個別の事例についてこの場でお答えさせていただくのは控えさせていただきたいと思いますけれども公正取引委員会といたしましては、独占禁止法に違反するおそれがあるという具体的な情報に接した場合には、所要の対処をしていく所存でございます。
  91. 平山幸司

    ○平山幸司君 そうすると、他の省庁もそういった国交省と同じような形という問題意識自体は公正取引委員会さんとしてはお持ちでしょうか。
  92. 山本和史

    政府参考人山本和史君) 済みません、あくまでも一般論ということでお答えさせていただければと思いますけれども、今御指摘の公用車の問題に限らず、官公庁が発注する入札におきましてそういった入札談合の問題がないかということについては、公正取引委員会として常に目を光らせているところでございます。
  93. 平山幸司

    ○平山幸司君 ありがとうございます。我々としては、無駄遣い等々、無駄を排除して、そして国民の側に立った政治を実現するという立場で考えると、こういった部分はしっかりやっていく必要があるなと感じております。  その意味で、大臣に、こういった問題、二年前に水門の談合等々あるわけでありまして、天下り等も含め、この問題に対して再発防止等、今後どのような取組をしていくのか、大臣のお考えお願いします。
  94. 金子一義

    国務大臣金子一義君) 平山委員指摘のとおり、こういう、公正取引委員会から国土交通省発注の車両管理業務について課徴金あるいは排除措置命令の前提となります、事業者に対してではありますが、事前通知が行われておりまして、まだ国土交通省には来ておりませんが、これがこういう事態に至ったことは本当に残念でありますし、私も国民に対しておわびを申し上げたいと思っております。  早速に、まだ公取から正式な国交省への連絡は来ておりませんが、今回の報道を受けまして、事務次官をトップといたしました車両管理業務の談合事件について調査するための委員会を立ち上げるよう、昨日、指示をいたしました。実態の解明と再発防止の検討を進めてまいりたいと思っております。ましてや、職員の関与が疑われるというのが出ておりますけれども、これはもう本当に事実が確認された場合、厳正に対処していきたいと思っております。  なお、この公用車の問題につきましては、昨年六月に当委員会あるいはマスコミ等々でも報道が行われました。国土交通省、前大臣でありますけれども、早速に、従来指名競争入札をしておりましたけれども下半期からは一般競争入札に切り替えると、公用車数も大幅に減らすという国交省としての対策は取ってまいりましたけれども、いずれにしましても、こういう公取の今度の御判断をいただき、再度、再発防止あるいはどこに原因があったのかということを先ほど申し上げました委員会で検討をさせていただきたいと思っております。
  95. 平山幸司

    ○平山幸司君 ちょっともう一つだけ今の件に関しまして、実際に前大臣から引き継いでいろいろな手続を行って、無駄遣いということになるのかどうかでありますけれども、今の手続を踏んだことによって実際予算額がどのぐらい減ったのかを教えてもらいたいんですけれども
  96. 増田優一

    政府参考人増田優一君) お答えさせていただきたいと思います。  今大臣から御答弁をさせていただきましたように、二十一年度からすべて一般競争という形で入札をさせていただきました。昨年度と比べましてということで御了解いただきたいんですが、入札の仕方はおおむね月額の単価契約ということでさせていただいておりまして、この月額の単価を二十年度当初発注と二十一年度発注で単純に比較しますと、月単位で約五億八千万円、全国でございますが、の削減と試算されます。これを十二倍したものに合わせまして、一部の事務所では今申し上げました月額単価以外の方式での契約もやっておりますので、それも合わせて、これ単純な試算、合算でございますが、試算値が約八十六億円の前年度に比べまして削減ということになっております。
  97. 平山幸司

    ○平山幸司君 八十六億円と、まあこれ単純計算なので実質、多少誤差は出てくると思いますが、国交省内において、まあ無駄遣いと言えるのかどうかちょっとあれですが、それでも八十六億円は抑えることができたという結果だと思いますので、先ほど他省庁という話もしましたけれども、我々としてはそういった、国民の側から見たら八十六億円、非常に大きな、もう見たこともないような大きな金額であります。そういった部分に関しては、やっぱりしっかり行政側、襟を正していっていただきたいなと思います。大臣にも、午後、予算委員会、参議院であると思いますが、この点も多分いろいろまた出てくるんだと思いますけれども、しっかり国民の側に立った御答弁をされることを御期待いたします。  それでは、本法律案都市再生特措法に関しまして質問をしたいと思います。  これは、平成十四年度からおよそ七年間この法律が施行されてからたつわけでありますけれども、これまでの法律を施行してからの七年間たった今までの現状認識若しくは評価について少しお伺いしたいと思います。
  98. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  これまで、バブル崩壊以後の地価の下落ですとか国際競争力の低下、産業構造転換の必要性、都市の災害に対する脆弱性等を背景といたしまして、都市再生平成十三年四月に発足いたしました小泉内閣による構造改革の大きな柱となったこと等を受けまして、平成十三年五月に内閣に都市再生本部が設置されました。続きまして、先生今御指摘いただきましたように、平成十四年に都市再生特別措置法等が制定されました。  それらに基づきまして、これまで各種の都市再生関連施策を推進してきたところでございます。具体的には、これまでに六十五地域が指定されております都市再生緊急整備地域におきまして、二十九の民間都市再生事業計画が大臣認定をされております。また、まちづくり交付金でございますが、これは八百七十一市町村、千七百三地区で活用されてきているといった状況にございます。  このように、民間の活力によります都市再生の拠点整備ですとか、市町村によります公共公益施設等の整備を通じまして都市の再生が着実に推進されてきているというふうに考えております。
  99. 平山幸司

    ○平山幸司君 現状認識としては着実に進んでいるというお話でありますけれども、特にまちづくり交付金に関しまして、八百三十七ですかね。
  100. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) 八百七十一。
  101. 平山幸司

    ○平山幸司君 七十一。  先ほどのお話を聞くと、どうも大都市に対してこの法律、今回の法律も主に適用されて進めていこうという気持ちがあるのかなというふうに推察するんでありますけれども、私の地元は青森県でございまして、特に現場の実態をしっかり国会に伝えるという意味で、ちょっとこの週末、現場地元にも行ってまいりました。このまちづくり交付金が適用になった地域皆さんからもお話を聞いてまいりました。  まあ着実に進んでいるというお話でありますけれども、具体的な評価、例えば青森県を例とした、つがる市でやられておりますけれども、その評価を、実際に着実に進んでいるんであれば地方都市はどのように、これうまくいっているのかどうかという評価についてちょっとお話を簡潔にお願いします。
  102. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) まちづくり交付金は、都市再生整備計画を市町村がお作りいただいて、その中で、それぞれの地区にふさわしい町づくりの目標を立てて、それを評価するために具体的な数値目標を掲げて、それを、これまでのような補助金ではなくて、事前の手続ではなくて、事後に評価をしていただくということの仕組みになっておるわけでございますが、これまでにそういう意味で事後評価を実施していただいていますのは四百二十六の地区で事後評価をやっていただいています。その四百二十六地区において事前に設定されている数値目標は全部で千五百八ございますが、そのうちの約七割の目標が達成されているということでございまして、その意味で順調に都市再生の成果を上げているというふうにお答え申し上げたところでございます。  ただ、さはさりながら、市町村の置かれている状況は様々でございますので、しかも抱える課題も地域状況に応じてかなりいろいろバリエーションがございます。  したがいまして、今申し上げました評価結果を取りまとめた上で私どもとしては優良事例を具体的に紹介するといったようなことを通じまして、それ以外にもいろんな工夫をしてみたいとは考えておりますが、そうしたことも通じまして、今後より多くの市町村で効果的な町づくりが推進されるように支援を、一層の支援を行っていきたいというふうに考えております。
  103. 平山幸司

    ○平山幸司君 前回も話しましたけれども、どうも国が補助金、交付金を出すという仕組みから、今の答えでいくと、地域の主体性を持って話を聞いているから実際の責任はやっているその地方自治体にあるんだよという、どうも自分としては、余りその部分に関しましては無責任な国の対応かなと。お金は出すけれども責任は取らないよという、どこに責任の所在があるのか、いま一歩明確にならない点が非常に強く私は感じるところでありまして。  一方で、ちょっと地元に行きましたので、今のつがる市、ざっくりした数字を先ほどお答えいただきましたけれども、青森県のつがる市を例として考えた場合に、その評価もほぼ達成していると、ここに昨日いただきましたので。十六年から二十年の間に大体、これ国が、どのぐらいですか、四億円程度交付しているんだと思いますけれども、それに対して、四年間やった結果ある程度の効果があったというお話でありました。昨日、レクで聞きましたけれども。  しかし、また、現地に住む方、いろいろお話を聞いてきました。地元の声をちょっと紹介したいと思います。九つほどありますけれども、ニュータウンなどといった形で住宅地や企業団地が造られているが、空き家や空き地だらけで草がぼうぼうと生えている状態。また、その場限りの政策で、その後の維持管理が大変ではないだろうかという地元の声です。また、地域住民が本当に必要だと思っている施策が講じているのか疑問を感じると。若しくは、地域の知らない人が計画書を二、三回見て、認定基準に合っていれば認可するだけだという認識を持っている。さらには、一部の地権者や土建屋が潤っているだけという印象を持っていると。地域を本当に活性化させるための本当の施策が必要である。また、そうでなければ、税金が有効活用されず、無駄遣いになっているのではないか。地域のことは地域が一番知っているのだから任せてもらいたい。こういった声があるわけです。  先ほどありましたけれども現場の実態を把握していないと先ほどのマイカルの話でありました。机上で計画書を見て中央で判断するということもあると思うんですけれども現場は、地元、私聞いてきた範囲においては、どうも住民からの評価は余り得られていないというふうに感じるんでありますけれども、その点に対しての御感想をお願いします。
  104. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  まちづくり交付金自体は、これは先生も冒頭お話ございましたが、地域の自主性とか裁量性を生かしながら都市再生を推進しようという制度でございまして、これはあくまでも地域の中で具体的に特定の地区を取り上げて、その地区を町の中でどう位置付けて、そのためにどう活性化していこうかと、そのために必要な事業はどういうものだろうかということを地域で御判断いただくわけです。それを、これまでのような補助金ではなくて、補助金ですと個別施設に関する事前の審査を詳細に行ってやるわけでございますが、まち交は今申し上げたような趣旨で事前に認可等は要りません。計画をお出しいただいて、それに対して計画を見さしていただいて交付金を交付するという仕組みになっているわけでございます。その折に、本当にそれがどの程度地区の発展に寄与するものであるかということで事後評価を重点的に行っていただくという観点から、数値目標を市町村の計画の中でお示ししていただいて、それを市町村が事後的に点検をして評価していただく、それを受けて次の町づくりにつなげていこうというのがねらいなものです。  したがって、私としては、今先生お話しのように、地元で余り評価が十分行き届いているという声は聞かないとか、あるいはまち交で整備した、まち交でこれは整備されたかどうかちょっと聞き漏らしましたが、まち交の区域の中でだろうと思いますが、空き地とか空き家が多いとか、あるいは施設整備をしても維持管理が行き届かなくて、結果としてうまくいっていないんじゃないかというお話をいただきましたが、もし仮にそういうことがあるとすれば非常に残念なことで、私どもとしては、せっかくのまちづくり交付金ということで、いろいろ地元で自主性、裁量性を持って地域の意見をくみ上げながらできる事業がそういう結果に終わるということは非常に残念なことなので、私はそういうことはないとは思うんですけれども、もしそういう点があるのであれば、まち交の運用に当たっても、私どもとしても、ほかの団体も含めてでございますが、そういうことにならないように運用面で改良する点があるということであれば、必要であれば検討をしてまいりたいというふうに考えております。
  105. 平山幸司

    ○平山幸司君 ここに大きな自分は差が生まれているんじゃないかなと。国が進める、若しくは地元の裁量権を拡大して地元皆さんにより使いやすくというような考えを最近はたくさんお話しになりながら進めているんだと思いますけれども、一方で、まだ現場の方では実際には行き届いていないというのがこれは実態だと思います。  全国、このまちづくり交付金、北から南まで町が活性化するようにという趣旨で行ったんですよね。しかし、その実態は、自分自身の地元を見ても、これは南に行ってもそうだと思います、西に行ってもそうだと思いますが、大都市圏以外は今の経済状況を踏まえれば非常に厳しい状況になっている。国交委員会には八戸の田名部先生もいらっしゃいますけれども、いつも我々話すのが、やはり青森県の三大都市、青森市にしても八戸、弘前にしても、自分の五所川原、黒石、十和田、三沢、むつ、町村含め商店街はもうシャッター街です。大変です。もうどうなっちゃうのかというぐらい本当に厳しいという声を地元でいただきます。  そういった中で、このまちづくり交付金、ちょっと視点を変えますが、全国一律で先ほど四〇から四五と、交付が全国一律で四〇から四五というお話がありました。これ、私の認識によると、先ほどの地域活力基盤創造交付金に関しては、これは各県においてですかね、財政力を見ていろいろと交付の基準を変えていくと。要するに、財政力の弱い地域により多く配分していくというような考えも一方でこちらでは持っているんですが、このまちづくり交付金に関してそういう考えはありませんか。
  106. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) まちづくり交付金について交付限度額を四〇%から四五%に引き上げるということでございますが、これは確かに全国一律という先生が御指摘いただきましたが、そうでございますが、ただ、その対象地区というのは中心市街地の計画の認定を受けている区域であったり、いわゆる中活法の認定計画区域、それとか、歴史まちづくり法の適用を受けている区域といったように、国として重点的な支援を通じてできるだけ施策効果の発現を高めたいと。そういう施策目的の類型をつくりまして、その類型に当たるところであれば全国どこでも構わないという趣旨でございますので、是非、その施策目的で中活法をやろうとして、認定計画の区域であれば四〇から四五に引き上がるということでございます。だから、それ以外のどこでも四〇から四五に引き上がるということではございません。ということでございます。
  107. 平山幸司

    ○平山幸司君 地方の財政力指数の低いところに割合を上げていくという考えを持っているか持っていないかということを私は聞いたんでありまして、それに関してはどうですか。
  108. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) 私どもとしては、まち交については、今申し上げたような施策目的を重点といたしまして、その施策の効果があるようにまち交の運用に当たっても四〇を四五に引き上げようということでございます。  それで、地方の負担分について財政力の弱いところはどうかというようなお話がございましたが、それについては、まち交の制度だけでもなくて、ほかの例えば各種の事業補助制度もございますし、融資の支援制度もございますし、いろんな制度を組み合わせることによって、地域の財政力に応じたようないろんな町づくりの支援方策を組み合わせて活用していただくことが非常にいいのではないかなと、効果的なのではないかなというふうに考えております。
  109. 平山幸司

    ○平山幸司君 今ありましたいろいろな制度を組み合わせながらという話ですけれども、これ、住民の立場から考えたり、若しくは地方自治体の行政側から考えると、この間、市議会の方から聞きましたけれども国交省からこういった交付金に対して、その担当者が実際に係長として来たというようなお話も聞いておりまして、非常に複雑で分かりづらいわけですね。ですから、そういったもろもろの、細切れにこの制度を用いたりこの制度を用いたりこの制度を用いたりということであれば、地方で住民の声を聴く議員の先生方も、実際にそれをやっていこうとする首長も分かりづらいということに対して非常に苦労しているわけです。  ですから、そういった細切れに交付金をいろいろと設けるというよりも、やっぱり私は、地域の声をしっかり聴いて、この国会で議論をするよりは地域のことは地域に任せるというような発想が必要なのではないかなと思うのでありますが、大臣、この辺に関しまして大臣考えお願いします。
  110. 金子一義

    国務大臣金子一義君) 大きな流れはもうそういう方向に行きつつあると思っております。まちづくり交付金も、先ほど局長とのやり取り伺っておりましたけれども、それぞれの地域の自主性、計画性、しかも歴史まちづくり、あるいは都市再生、あるいはその他、地域開発等々、地方自治体が取り組みたい事業に対してこのまちづくり交付金が、こういうのをやりたいという計画自身も、もう地方自治体が自分たちでやりたいものを設計図を持って来られると。あと、ただ、確かにおっしゃるように、交付率とか、いや、ほかの制度があるではないかといったようなことが今御指摘ありましたけれども、骨格はそういう方向でそれぞれの地域が選択をできると。  下水道の例、引き合いに出して恐縮でありますが、下水道も今までは、建設省、公共下水、農林省、集落排水、環境省、合併浄化槽と、今、大枠はこの三つでやっておりますが、従来は地域を都道府県が決めると。この地域は公共下水、この地域は農村集落排水でやらなければならないような、そういう計画を作ってやっていましたけれども、これもやはり下水が、それぞれの地域の人たちにもっと任せた方がいいのではないかということで、これはもう数年前になりましたけれども、市町村長が、ここの地域自分地域のこのエリアはもう下水道計画になっているけれども、そんなものやめちゃって合併浄化槽でやりたいという場合には、地区の計画、どこの事業でやるかということを都道府県知事が決めておりますが、市町村長がそれをひっくり返して、この地域はこれでやるとオーバールールしちゃって、そして認めると。そして、その予算は内閣府に置いてありますけれども、下水道でも集落排水でも浄化槽でもいい、こういう言わば水処理に使っていただくというような、そういう意味で地方の自主性というものをいろんなところで配慮しておりまして、今、全体の流れは、元に戻りますけれども、平山委員指摘のように、できるだけ地方の自主性を尊重して、地方がやりたいことをやっていくと。  逆に言い換えれば、逆に言い換えれば、従来はメニュー方式なんていいまして、地方に必要のないことも、この事業をやるために併せてこの事業もやりなさいなんていうメニューを持ってきているものですから、食べたくないものも食べなきゃいけないというようなのがありましたけれども、今、もうそういう意味で、本当に地方自治体が自ら選択をしていただき、余計なことは、無駄なことは、地域がやらないことはやらなくて済むという全体の流れが今でき始めて、流れは更に進んでいくと思います。
  111. 平山幸司

    ○平山幸司君 全体の流れはそういうことであるという大臣お話ですが、無利子貸付制度に関して、今回、一つの大きな柱だと思うんですが、これも、やりたいところ、まちづくり会社若しくはNPOが、全体仮に一千万だとすれば、その中の五百万は自己資金として負担していただいて、あと残りの四分の一は市町村、残りの四分の一が国というような骨格だと思うんです。  大臣も今言われたように、地域のやりたい方向でやっていただくんだというお話でありますが、一つ忘れていることが、地域はもうお金がないです。  例えば、まちづくり会社ですね。大きな、この辺の大都市に関しては、みんなから、各々の商店からお金を集めて、それを元に、それを資本にして半分を何とかしようという努力をすれば何とかこの辺ではできるんだと思うんですが、これ、青森県の話が、自分の選出の区でありますので、その地域でいいますと、コンパクトシティーという、青森市の中心街やっていますけれども、青森市が一番大きいんでありますけれども、そこを一生懸命やっている人ももう自己資金が全くないという話ですね。よって、こういう貸付制度を用いたとしても、自己資金がないわけですから、これ適用されないわけですよ。この辺に関していかがでしょう。
  112. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) 制度については、先生、今御指摘された構造になっております。  それで、自己資金の分の調達でございますが、私どもとしては、自己資金を、民間金融機関から資金調達をまちづくり会社等がしていただくということになるわけでございますが、今回、全事業費の四分の一を公共団体が、また四分の一を国が、トータル二分の一、公的支援ということで無利子貸付けを行うわけでございますので、そうした資金支援が今申し上げました民間金融機関からの資金調達の言わば呼び水になって、資金調達がよりしやすくなるということではないかなと。それで、資金調達が非常に困難に直面しておりますまちづくり会社等に対しましてもその分有効に機能するものではないかなというふうに考えてこの制度創設させていただいたということでございます。
  113. 平山幸司

    ○平山幸司君 今の御説明でも本当に実現可能かどうかというところは疑問が残るところでございまして、民間からお金、資金を調達するということに関しても話を聞いておりますが、優良企業であればお金は民間でも貸してくれると。しかし、非常に厳しいところ、シャッター街と先ほど言いましたけれども、店を閉めなければいけないような、しかしやる気はあるというようなところでもなかなか厳しいのが地方の現状でありまして、民間からお金を借りられるようにという話もこれは非常に非現実的な話でありまして、現場はもっともっと困っております。よって、もう少し現場の実態に合ったものを、まあ賛成法案でありますからこれ以上は言いませんけれども、そういったところにも御配慮を願いたいと思います。  最後の前に、本当は前回もやった東北新幹線、八戸から新青森駅、そして新青森駅から北海道に行くという、そういった新幹線に関する質問もしようと思っていたわけでありますが、時間が来てしまいましたので次回にしたいと思います。  ちょっと最後にお伝えしたいと思いますが、我が方では鳩山新代表が地方主権、地域主権という概念をしっかりと明確に打ち出したわけであります。私は、細切れに国がいろんな施策を、計画書を机上でのみ認定しながら行うような中央集権型の理念から、やはり地方が地方の考えの下に、地域皆さんがより地域で実効性を持って、誇りを持ってやれる社会をすぐにでも実現することが必要であるなと、このように感じております。  最近では、地方を束ねる、先頭に立つ首長さんたちや、地域に誇りを持つ、やる気を持つ人々の力を十分に発揮できる仕組みが問われていると思うんでありますが、どうも昨今の地方選挙を見てみますと、今の国の在り方、地方の在り方、国、県、市という枠組みに対して、住民は違うんじゃないかというこういう結果を出していると思いますので、地域主権の方により強く早急に変わっていく必要があると思いますけれども大臣、最後にもう一度御見解をお伺いしたいと思います。
  114. 金子一義

    国務大臣金子一義君) 我々も、最終的に道州制というのを検討しております。今、平山委員指摘ありましたように、今のままの地方自治体というのも、やはり在り方、地方自治体の在り方自身も、必ずしも今知事と市長とが考え方が違うというような事例が随所に出ておりまして、地方自治体の在り方というものについてやはり考え直しながら、しかし一方、今申し上げたような、我々も、御党もそうかもしれません。地域主権といっても、最終的にどういう形を持っていくのかという意味では道州制というのは比較的近い考え方なのかなと思っておりますけれども、将来そういう方向に向けてやはり進めていく必要があるんだと思っております。
  115. 平山幸司

    ○平山幸司君 終わります。ありがとうございました。     ─────────────
  116. 田村耕太郎

    委員長田村耕太郎君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、佐藤信秋君が委員辞任され、その補欠として島尻安伊子君が選任されました。     ─────────────
  117. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。  法案について質問をいたします。  都市再生特別措置法では民間活力を中心とした都市再生も取り組まれていますが、その事業区域は首都圏に集中しているというのが実態でございまして、結果として東京への一極集中を招き地域間格差を拡大をさせているというのが実態ではないかと思うのでありますが、どういう認識でございましょうか。
  118. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  東京一極集中につきましては、国土の適切な利用の観点からも災害発生時の危機管理の観点からも好ましいものではなく、また、各地方が地域資源を生かして地域活性化を図ることが我が国全体としても大変重要であるというふうに考えております。  都市再生関連施策といたしましても、平成十六年に全国都市再生を推進するためのまちづくり交付金創設いたしましたほか、平成十七年には、地方都市等における都市開発事業に対する支援といたしまして、市町村による公共施設整備と連携しながら、民間の力を活用した都市再生を進めるための民間都市再生整備事業を創設いたしたところでございます。このように、都市再生は東京ばかりでなく全国で推進することを旨として取り組んでいるところでございます。  今後とも、地域がそれぞれの個性を生かした町づくりを進めることを支援し、全国都市再生を図ってまいりたいというふうに考えております。
  119. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 地方都市における中心市街地の空洞化は依然として進んでおり、再生とは程遠い実態にあるように思うのでありますが、全国都市再生のための緊急措置による成果についてどのように判断されているのでしょうか。また、今回、法を改正することによって都市再生は現実可能となるんでしょうか、いかがでしょうか。
  120. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  地域の知恵と工夫を生かした町づくりの取組を後押しをしていくということが非常に重要であるという認識の下で、平成十四年の四月に全国都市再生のための緊急措置、これを都市再生本部が決定いたしまして、稚内から石垣までの全国の都市を対象に、地域が自ら考え自ら行動する取組に対して支援をしてきたところでございます。  平成十五年から十九年度まで内閣官房におきまして選定の上実施いたしました全国都市再生モデル調査では、テーマや実施主体を限定せず、各省庁の所管にとらわれないまちづくり活動の提案を募集いたしまして、五年間で八百五件を選定いたしまして調査の実施をいたしました。これにより全国の参考となる取組を支援しておりまして、この調査が契機となって地域再生計画の認定、さらには観光施策との連携などに至ったものもございます。  今回、主に地方都市を対象といたしまして、地域住民皆さんですとか地元企業等が主体となった町づくりに対する無利子貸付制度創設するとともに、中心市街地の活性化ですとか歴史まちづくりなど国として特に推進すべき施策に関しましてまちづくり交付金の交付率の上限を四〇%から四五%に引き上げるなど、地方都市を含めて全国町づくりに対する支援を強化することとしてございます。  今後とも、地域がそれぞれの個性を生かした町づくりを進めることを支援いたしまして、全国都市再生を推進していきたいというふうに考えております。
  121. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 中心市街地の活性化については中心市街地活性化に関する法律においても各種施策が講じられていますが、都市再生特別措置法による施策との関係はどのようになっておられるんでしょうか。緊密な連携が図られているのかどうか、お伺いいたします。
  122. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お尋ねの中心市街地の活性化と都市再生でございますが、これは、それぞれ法律の目的は異なりますけれども、両方の目的から地域の活性化を目指していこうという地域はたくさんございます。したがいまして、国土交通省といたしましては、これらの相乗効果を見込みまして、これまでもまちづくり交付金において、市町村の提案に基づいてソフト活動等の支援も可能な提案事業の枠を認定中心市街地においては一割から二割に拡大するといったような重点的な支援を行ってきているところでございます。  本法案におきましては、新たにまちづくり会社等に対します資金支援といたしまして、空き地、空き店舗の活用など公共性の高い事業に対する無利子貸付制度創設することとしておりますが、それに加えまして、これとは、法制度とは別途でございますが、予算措置といたしまして、オープンカフェの設置などの町づくりに関するソフト活動を支援いたします都市環境改善支援事業を創設することとしておりまして、認定中心市街地活性化基本計画の区域においても活用できることとしておるところでございます。  さらに、平成二十一年度より、認定中心市街地におけますまちづくり交付金の交付率の上限を四〇%から四五%に引き上げるということとしておるところでございまして、こうした措置を通じまして、各種の施策とも連携を図りまして、地域の活性化を効果的、効率的に進めてまいりたいというふうに考えております。
  123. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 今回提出の法案は、歩行者の移動上の利便性及び安全性の向上のための経路整備、また管理に関する歩行者経路協定制度を新たに設けるわけでございますが、なぜこのような制度を設ける必要があるのかどうか、その理由について具体的に御説明願いたい。
  124. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  鉄道の駅の周辺ですとか大規模な開発が行われた地域等におきましては、歩行者デッキですとか歩行者専用通路等を公的な主体だけでなく個人の方々ですとか企業等の地権者が所有する事例が増加してきております。こうした公共的な空間の適切な整備ですとか管理に対するニーズが非常に高まってきているものというふうに私どもとしては受け止めております。  こうした状況を踏まえまして、歩行者デッキ歩行者専用通路等の公共的な空間につきまして、地域地権者による適切な整備管理を推進することを通じて町の魅力ですとか活力を高めていくために、今回、歩行者ネットワーク協定制度創設することとしたものでございます。
  125. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 歩行者経路協定は、承継効という特別の法効果が付与されることから、それにふさわしい条件を備えた地区であることが必要であると言われていますが、具体的にはどのような条件が必要であり、またどのような地区が想定されているのかお教え願いたい。
  126. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  歩行者ネットワーク協定でございますが、まず大きく二つ類型がございまして、一つは、都市再生の拠点として都市開発事業等を通じて緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべき地域として政令で定められた都市再生緊急整備地域、これが一つの類型でございます。もう一つが、都市再生緊急整備地域に準ずる区域として、都市再生整備計画区域のうち一定の要件を備えており、かつ同計画にその旨が定められている区域、これを対象とするものでございます。そして、その地域地権者がその全員の合意により歩行者の移動上の利便性及び安全性の向上のための経路整備又は管理のために必要とする場合に締結することとしているものでございます。
  127. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 歩行者経路協定を定めることができる要件として、関係する土地所有者等全員の合意が調うこととなっておりますが、全員の合意がなければ歩行者経路協定を定めることはできないのでしょうか。また、許可基準を一つでも満たさない場合は認可できないということなのでしょうか。いかがでしょうか。
  128. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) 歩行者ネットワーク協定につきましては、協定内容が一定の地域内の土地について財産権の制約を行うというものでございますので、地権者全員合意を必要としておるものでございます。また、歩行者ネットワーク協定は、制限内容が、ただいま先生からもお話がございましたように、後から協定区域内の地権者となった者にもその効力が及ぶという承継効という特別の法的な効力を有するものになるものでございますので、妥当な制限であるかどうかを公的主体が判断する観点で、認可基準を充足した上で市町村長の認可を要するということとしているものございます。  ただ、この認可基準でございますが、内容といたしましては、申請手続が法令に違反しないこと、土地や建物の利用を不当に制限するものではないこと等でございまして、そのすべてを満たすことがそれほど厳しいものではございません。したがって、認可基準が満たせなくて、意欲はあってもこの基準が一個を満たせなくて締結できないというようなことには、なかなかそういうことにはならないのではないかというふうに考えております。
  129. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 歩行者経路協定はあくまで私的自治が原則に基づいて定められている自主的規制というのであれば、協定に違反した場合の措置まで定めることは私的自治の範囲を超えているのではないかと思うのでありますが、その点いかがでしょうか。協定に違反をした場合、具体的にはどのような措置が必要と考えられておるのか。また、他にこのような類例があるかどうか、お知らせ願いたいと思います。
  130. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  本法案では、歩行者ネットワーク協定の記載事項として、協定に違反した場合の措置を盛り込んでございます。これは、協定を締結する地権者に対しまして、例えば違約金の定めなどの協定違反に対する措置をあらかじめ、これは皆さん方、自分たちで定めておくように求めるということでございまして、協定において定められる措置の内容は法令等によって国や地方自治体が定めるものではございません。繰り返しになりますが、あくまでも地権者間の合意によって定めるものでございますので、私的自治の原則にのっとったものであるというふうに考えてございます。  また、他の法律、他の制度でどうかという御指摘でございますが、これは、例えば建築基準法に基づきます建築協定、都市緑地法に基づく緑地協定、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律に基づきます避難経路協定等においても同様の規定が定められているところでございます。
  131. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 先ほども質問があっておりましたけれどもまちづくり交付金の交付に際して勘案すべき事項として、都市再生整備計画に基づき事業等を通じ増進が図られる都市機能の内容が追加されましたが、どのような理由で追加をされたのでありましょうか。また、この効果についてはどのように考えられておるのでございましょうか。
  132. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) まちづくり交付金は、これまで全国八百七十一市町村、千七百三地区で活用されてまいりまして、全国都市再生に大きく貢献してきたところでございます。しかし、その一方で、中心市街地活性化法の改正ですとか歴史まちづくり法の制定、環境モデル都市の指定など、いろいろ施策が進展してきておるわけでございますが、そうした事柄を背景といたしまして、国としてより一層推進すべき施策の実現においても、まちづくり交付金のより一層の支援が必要というふうに認識しているところでございます。  そうしたことから、平成二十一年度予算におきまして、中心市街地の活性化ですとか歴史まちづくり、環境モデル都市などに関連をいたしました事業について、まちづくり交付金の交付率の上限を四〇%から四五%に拡充いたしまして、支援の強化を行うこととしているところでございます。  本法案では、まちづくり交付金の交付に際して勘案すべき事項に事業等を通じて増進が図られる都市機能の内容を追加してございますが、これは今回の拡充措置を法律でも位置付けることとするものでございます。  こうしたことを通じまして、国として特に推進すべき施策に関連した都市再生が一層推進されるものというふうに期待をいたしております。
  133. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 まちづくり交付金のこれまでの予算を見てみますと、今年度も含めて六年間で約一兆二千九百十二億円の巨額が投資されるわけでございますが、どのような成果が得られたのでございましょうか。また、今後の課題はどのようなものがあるか、お尋ねいたします。
  134. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。  成果でございますが、これまでにまちづくり交付金を交付していろいろ事業を行ったところについて事後評価を実施していただいております。事後評価を実施した地区は四百二十六地区ございまして、その結果を見ますと、事前に設定されました千五百八の数値目標のうち約七割の目標が達成されておりまして、順調に都市再生の成果を上げていると考えております。  しかし一方で、町づくりの目標によりましては地方公共団体におきましてこれを達成するための事業内容ですとか事業の効果的な組合せを見付けにくいといったような課題もあるというふうに伺っております。  こうしたことから、国土交通省といたしましては、評価結果を取りまとめた上での優良事例の紹介を行うなどによりまして、より効果的な町づくりが推進されるよう、今後ともより一層の支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
  135. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 時間ですので、終わります。
  136. 田村耕太郎

    委員長田村耕太郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。     ─────────────
  137. 田村耕太郎

    委員長田村耕太郎君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、輿石東君が委員辞任され、その補欠として金子恵美君が選任されました。     ─────────────
  138. 田村耕太郎

    委員長田村耕太郎君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  都市再生特別措置法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手をお願いします。    〔賛成者挙手〕
  139. 田村耕太郎

    委員長田村耕太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、室井邦彦君から発言を求められておりますので、これを許します。室井邦彦君。
  140. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 私は、ただいま可決されました都市再生特別措置法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党、公明党、社会民主党・護憲連合及び改革クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     都市再生特別措置法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一、都市再生事業の推進に当たっては、良好な都市環境の形成や伝統的な文化の継承、景観の保全等に十分配慮するとともに、地域の自主性や創意工夫をいかしたまちづくりの推進のため、都市計画法、景観法等関係諸法に基づく各種制度のより効果的かつ積極的な活用が図られるよう努めること。  二、NPO、まちづくり会社等、民間のまちづくりの担い手による活動については、その透明性の確保に留意しつつ、継続・強化が図られるよう、資金支援、担い手間の情報交換、交流の場の整備・拡充等の環境整備に努めること。    また、現在まで一つも設立されていない都市再生整備推進法人については、無利子貸付け対象や、都市計画提案権が付与されたこと等を周知徹底し、その普及促進に努めること。  三、都市再生歩行者経路協定等については、協定が必要と認められる地区の把握に努めるとともに、まちづくりの円滑な推進のため、その締結の促進、協定締結後のトラブル発生防止に資する協定の雛形の作成、優良事例の紹介等、関係者に対する情報提供を図るとともに、地域の実情に応じて、移動等円滑化経路協定地区計画など既存制度との適切な役割分担が図られるよう十分配慮すること。  四、都市再生緊急整備地域都市再生整備計画区域において、歩行者経路都市再生整備事業で整備される施設のバリアフリー化の促進に努めるとともに、バリアフリーに係る情報提供等、ソフト対策も含めた各種支援制度の充実・強化を図ること。また、都市再生歩行者経路協定等の認可基準の設定に当たっては、高齢者の利便性、安全性の確保について十分配慮すること。  五、まちづくり交付金制度の交付対象の拡大を図りつつ、まちづくり交付金による事業など、都市再生特別措置法に基づき実施する事業の情報公開、実施した事業等の効果・影響を適切に評価・把握するとともに、その結果を踏まえ、必要な措置を講じること。また、民間都市再生整備事業に係る財団法人民間都市開発推進機構の支援措置については、情報公開を適切に行い、その透明性を一層確保すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ各委員の御賛同をお願いいたします。
  141. 田村耕太郎

    委員長田村耕太郎君) ただいま室井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手をお願いします。    〔賛成者挙手〕
  142. 田村耕太郎

    委員長田村耕太郎君) 全会一致と認めます。よって、室井君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、金子国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。金子大臣
  143. 金子一義

    国務大臣金子一義君) 都市再生特別措置法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことを深く感謝を申し上げます。  今後、審議中におきます各委員の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存であります。  ここに、委員長始め理事の皆様方、また委員会皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。  大変ありがとうございました。
  144. 田村耕太郎

    委員長田村耕太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  145. 田村耕太郎

    委員長田村耕太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十分散会