○
森田高君 ありがとうございます。
局長が言ったことで、民間に売らせろというのは僕は全然そういうつもりはなくて、こういうものこそ国家がしっかりやらないといけない、あとは技術的な問題だということを言っているんで、何かこう答弁とかみ合わなかったんですごい残念なんですね。あと、アメリカはという話もありましたけれども、アメリカは基本的にポートフォリオの一〇〇%を国債で運用されていますから、それはもうすべてやっぱり国家がまとめて面倒を見るという姿勢が明確になっているわけですから、それはそれで
一つの考え方だと思うんですよ。
まあ
大臣がおっしゃられた人口の出生率ということは、もちろんそれ非常にというか、非常に大きなファクターであることは間違いない。
保険料の収納率と人口ということがやっぱりこれ最大のファクターだと思いますんで、
経済が伸びないと出生率がもう伸びようがないということは多分正しい話だと思いますんで、いかに
経済を伸ばすかと、その中で再分配とか社会保障全体をどう守るかという話になるというふうに私も認識しているんです。
それで、ただ、さっき
大臣が一点だけ、人口の出生率に関しては大体あんまりぶれないんだという話があったんですが、資料九だと、これは
平成十四年と
平成十八年の人口統計ですね。国立人口研究所の統計を示していますけれども、一・三九が一・二六に中位出生で変わっていたりとか、平均寿命も女性の八十九歳が、それが九十になったり、男性が八十・九五が八十三・六七になったり、やっぱりかなり短いスパンで人口統計上の数字も変わっているんで、まあ五十年先とか見ると医学の進歩あるいは戦争あるいは自然災害、いろんなことがやっぱり織り込まれるんで全く予断は許せないと思うんです。ですから、あんまり人口統計は狂わないということは言わない方が学者としては多分いいんじゃないかなというふうにも思います。
一年間、まあ百年のことを言う前にちょっと一年間を振り返ってみたいんですが、次のページから新聞記事をずっと時系列で並べさせてもらったんですよ。これ何を言いたいかというと、世論というのは非常に脆弱で移ろいゆくし、政治家の言っていることや官僚が言っていることはもうころころ変わるんですね、この一年間だけ見ても。
結論からいうとそういう話なんですけれども、例えば資料十見ると、去年の五月ころは結構みんな行け行けだったんですよ。
年金運用、プロに任せてソブリン・ウェルス・ファンドみたいなものをつくって運用だと。当時、自分、一年前財金だったんですが、今
与党の方ではなくなった
大臣が担当
大臣でいらっしゃいまして、自民党の方、
与党の方では田村さんという師弟
関係で結ばれた本当温かい答弁がずっと
質疑がされていて、それははたで見てほほ笑ましい光景でもあるんですが、こんなに行け行けの議論をして大丈夫かなというのは少し寒い思いはしていたんです。
次のページ見てもらうと、やっぱりいろんな世論がやっぱり賢く増やせとか、
与党のPTも、あれ七月二日ごろに多分、答申出しているんですよね、ファンドつくってやろうって。百五十兆のうちの十兆でもいいから
年金の運用はプロがやるべきだと。それはそれで考え方としてはもちろんいいんですが、だけど、七月二日がPTの答申が出た日で、翌日が、一ページめくってもらうと、だあんと五兆円赤字と、五・八兆円のショックと。二〇〇七年度の
年金運用の決算が出たのが七月三日ですから、何とその出る前の日にPTが答申出していると。そうすると、もうみんな、そういうことをだれも言わなくなっちゃって、五兆円、六%のマイナスということですから。
その次の資料十三見てもらっても、
大臣も、七月五日の新聞記事に出ていますから、四日にすぐ何か談話出されているんですよね。ポートフォリオもよく考えてリスクをカバーした方がいいという
趣旨のことを言われて、
大臣の
立場としてはもっともなんですが、新聞も今までは行け行けのもうファンド、ファンドというところから運用益か安定かと一気にトーンダウンしてくるんです。これが資料十三ですね。
資料十四の方に行くと、その後、今度、秋以降から今の話題になっている三・二パーから四・一パーへという、そういう過渡期に入ってくるんですが、実は第二・四半期、
平成二十年度の、その
年金運用の決算が出たのが十一月の二十八日なんですよ。その二週間前にちょうど、これが大体分かっていたのかどうか分かりませんけれども、
厚労省の方は三・二から四・一に上げるということをおおむねで表明しているんですね。多分これ、運用損が出た後だとこういうこと言いにくいんでしょうね、多分、人間としては。僕もそう思うんです。
同じことがまた今年の春に起きていて、第三・四半期で五・七兆円損出ているんですが、その四日前なんですよね、四・一%に確固たる行政目標が定まったのは。こういうことが二回繰り返されて、そのたびに決算、決算と来ていますから、四・一で回せるかどうかという次元の問題とは少し切り離した、ちょっとわい雑な話なんですが、やっぱりこれは、斜に構えて僕が見ているせいかもしれませんが、やっぱりこれ確信犯で、決算期の前にできもしない目標をぼおんと打ち上げて、後に出すか先に出すかというのはやっぱりこれ大きな問題で、損が出ましたと言った後に目標値を設定すると、やっぱりいろんな人が一斉にたたきに入ると思うんですよね。現実、資料十六見てもらうと、やっぱり四・一パーの運用なんかなかなか難しいねという記事が圧倒的に多くなってくるんですよ。
だから、こういうやっぱり世論の流れというものを考えると、一年間でも右往左往するし、ファンドから安定へと、あるいは決算期の発表前後、行政目標の設定なんかもかなり恣意性が私なんかから見ると思えてしまう、それを感じるなという方が無理かもしれないと思う。
国民の多くは、やっぱりこういう記事の流れをちゃんとチェックしている人だったら、そのように考えるかもしれないと思います。
この一年間を振り返って、こういう行政目標の在り方とか経過振り返って、
大臣、どういうふうにお感じでしょうか。