○又市
征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、二〇〇七年度一般会計
決算、特別会計
決算、
国有財産増減の是認に反対し、その他には賛成の
立場で討論を行います。
さて、二〇〇七年は、四月十三日にG7が過去三十年で最も力強い持続的拡大と声明をしたのに、同十月十九日には早くもG7
財務相等会議がサブプライムによる減速のおそれを予告し、現在へと続く急転落のスタートとなったことを想起します。
また、二〇〇七年当初
予算は、近年、参議院で可決した最後の
予算でした。同年七月の参議院
選挙で与野党が逆転した結果、二〇〇七年度の
補正予算は参議院で否決され、両院の意思が一致しない近年
最初の
予算となりました。直近の
国民の意思によるものであり、したがってこの
決算の審査はとりわけ慎重であらねばなりません。社民党はそうした
立場で審査に臨んでまいりました。
そこで、まず第一に、一般会計
決算では租税収入が
マイナス二兆四千四百億円となりました。これは、再三指摘したように、
予算段階で税収の過大な見積りが常習化していることにも責任の一端があります。
第二に、
歳出面ですが、一つは、厳しくなる
国民生活に逆行し、社会保障費二千二百億円の抑制、生活保護世帯の母子加算の廃止、雇用保険の国庫負担金の一千八百億円
削減などが開始されました。現在へと続く生活破壊、雇用破壊を加速したものであり、誤りだったことは明らかであります。
二つ目は、地方交付税の
計画的引下げが急速に進み、ついに二〇〇七年度は十五兆円を割り込んで十四兆六千百億円に落ち込みました。この
削減は特に市町村分需要額の意図的な切下げによったもので、累計五兆円を
計画的に復元しなければ地方の再生はあり得ません。
三つ目は、時の安倍
内閣が、憲法改悪のための
国民投票法、
国民生活
金融公庫の縮小、
統合、消えた
年金の未
解決を固定化する
社会保険庁廃止法などの悪法を強行し、社会では自殺者が九年連続三万人を超え、所得格差を表すジニ係数が過去最大となり、九月に福田
内閣に交代後も、完全失業率が四%台に落ち、いじめの件数が六倍になるなど、政治の反動化が社会経済に悲劇を広げました。にもかかわらず、福田
内閣は、参議院の否決を踏みにじり、インド洋での米軍への給油に踏み出し、また
政府税調による
消費税引上げ答申を容認するなど、前
内閣の悪政路線を踏襲しました。
四つ目は、十月に郵政民営化が発足し、旧国有財産のたたき売りはますます合法、加速され、また郵便・貯金・保険サービスの切捨てで
国民に大きな被害を与え始めました。ちなみに、
国有財産増減のうちの
政府出資の増減の大部分は郵政民営化関連であり、反対であります。
第三に、特別会計に関して社民党は、
国民の福祉や地方財政の回復に資するよう、余剰資金の活用を一貫して求めてきましたが、最も大きな財政融資資金特別会計の積立金十九兆七千億円について、
政府は様々な口実を並べて活用を拒否してきました。しかるに、二〇〇八年、二〇〇九年度になって一転してこの活用に転換したことは、過去長年の拒否の理由が虚偽であったことの証左であり、歴代
財務大臣らの責任を厳しく追及せざるを得ません。
以上などの理由から、二〇〇七年度一般会計、特別会計の
決算については到底是認できないことを表明をし、
総理及び
財務当局の深刻な反省を求めたいと思います。
第四に、全会派で合意できた
警告決議案及び措置要求決議案については当然賛成であります。
終わりに、
決算審査の充実について
委員各位に訴えたいと思います。
参議院が
決算審査を殊のほか重視してきた意味は、巨大な行
政府の
予算執行を立法府の参議院が与野党問わずに厳しく
チェック、監視し、問題点の是正を翌年度
予算編成に最大限反映させるためであります。それゆえに、一年掛けた審査の結果、「
政府の責任を明確にするため、
決算の是認否認にかかわらず、
警告決議を行うことができるものとする。」と、
平成八年十二月、全党会派一致して参議院制度
改革検討会報告がまとめられてきたのです。
ところが、参議院が与野党逆転したゆえをもって、与党側が昨年、
決算が否認されるのであれば
警告決議と措置要求決議の案が全会一致であったとしてもその決議に反対という態度を取ったことは極めて遺憾でした。これは厳しい指摘を受ける側の省庁を喜ばせるだけで、
決算重視の参議院の自殺行為であり、使命放棄と言わねばなりません。
今年も
警告及び措置要求決議は全会派が一致しているわけです。今年再びその過ちが繰り返されぬよう与党の皆さんに強く求め、二〇〇七年度
決算終結に当たっての私の討論といたします。
終わります。