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2009-03-24 第171回国会 参議院 環境委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十一年三月二十四日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         有村 治子君     理 事                 岡崎トミ子君             ツルネン マルテイ君                 神取  忍君                 松山 政司君     委 員                 相原久美子君                 大石 正光君                 大久保潔重君                 佐藤 公治君                 轟木 利治君                 水岡 俊一君                 川口 順子君                 矢野 哲朗君                 若林 正俊君                 加藤 修一君                 浜四津敏子君                 市田 忠義君                 荒井 広幸君                 川田 龍平君    国務大臣        環境大臣     斉藤 鉄夫君    副大臣        環境大臣    吉野 正芳君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       岡田 直樹君        環境大臣政務官  古川 禎久君        防衛大臣政務官  岸  信夫君    事務局側        常任委員会専門        員        加藤 堅一君    政府参考人        総務大臣官房審        議官       望月 達史君        外務大臣官房審        議官       小田 克起君        文部科学大臣官        房文教施設企画        部技術参事官   岡  誠一君        資源エネルギー        庁省エネルギー        ・新エネルギー        部長       羽藤 秀雄君        資源エネルギー        庁電力ガス事        業部長      西山 英彦君        国土交通大臣官        房審議官     内田  要君        国土交通大臣官        房審議官     廣瀬  輝君        国土交通大臣官        房審議官     小川 富由君        国土交通大臣官        房官庁営繕部長  藤田 伊織君        国土交通省鉄道        局次長      久保 成人君        海上保安庁交通        部長       米岡 修一君        環境大臣官房長  南川 秀樹君        環境大臣官房廃        棄物・リサイク        ル対策部長    谷津龍太郎君        環境省総合環境        政策局長     小林  光君        環境省総合環境        政策局環境保健        部長       原  徳壽君        環境省地球環境        局長       寺田 達志君        環境省水大気        環境局長     白石 順一君        環境省自然環境        局長       黒田大三郎君        防衛省経理装備        局長       長岡 憲宗君     ─────────────   本日の会議に付した案件政府参考人出席要求に関する件 ○平成二十一年度一般会計予算内閣提出、衆議  院送付)、平成二十一年度特別会計予算内閣  提出衆議院送付)、平成二十一年度政府関係  機関予算内閣提出衆議院送付)について  (総務省所管公害等調整委員会)及び環境省  所管)     ─────────────
  2. 有村治子

    委員長有村治子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務大臣官房審議官望月達史さん外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 有村治子

    委員長有村治子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 有村治子

    委員長有村治子君) 去る十八日、予算委員会から、本日一日間、平成二十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公害等調整委員会及び環境省所管について審査委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  予算説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 大久保潔重

    大久保潔重君 おはようございます。民主党大久保潔重です。  限られた時間でありますけれども、私の方から何点か質問をさせていただきます。  まず、漂流漂着ごみについてでありますけれども、昨年十一月の環境委員会で、漂流漂着ごみについて、私は現状と対策についてお尋ねをいたしました。それで、平成二十年度の第二次補正において漂流漂着ゴミ対策重点海岸クリーンアップ事業として新規に三億円が計上をされ、国の緊急的な清掃事業として実施されることを大変評価をしております。これまではどうしても災害等廃棄物処理事業拡大するというような形で事業されていたんですが、国が直接乗り込んで事業されるということでありますので評価をいたします。  そこで、特に、私も地元長崎県でありますけれども、離島を多く抱えております。このような被害が著しい地域支援体制も含めて、この漂流漂着ごみに関する対策において今年度の予算においてはどう反映されているのか、お尋ねしたいと思います。
  6. 谷津龍太郎

    政府参考人谷津龍太郎君) お答え申し上げます。  御指摘のように、近年、漂流漂着ごみによる環境あるいは景観の悪化、船舶の安全航行、また漁業被害などの深刻化指摘をされているところでございます。特に、外国由来ごみが大量に集積している海岸などでは、地方公共団体がこの漂着ごみ処理に大変苦慮しているというふうに認識をしているところでございます。  このため、環境省では、平成十九年度より七県十一海岸モデル地域におきまして漂流漂着ゴミ国内削減方策モデル調査実施してきております。この中で、漂流漂着ごみ実態把握、効果的な回収処理方法確立地域関係者による対策の在り方の検討などを進めてまいりました。また、海岸保全区域以外に漂着をいたしましたごみを市町村が処理する場合には、その費用に対して支援を行ってきてございます。  平成二十一年度においても引き続きこのような取組を進めていくため、必要な経費を予算案に計上させていただいております。  さらに、御指摘平成二十年度の二次補正予算でございますが、漂流漂着ゴミ対策重点海岸クリーンアップ事業実施しておりまして、十三県二十五か所の外国由来ごみが大量に集積している海岸などにおきまして、国が緊急的にクリーンアップを行うということにしております。  今後、さらに国、地方公共団体地域住民などが連携をしながら、こうした漂流漂着ごみ対策を着実に進めてまいりたいと考えております。
  7. 大久保潔重

    大久保潔重君 漂流漂着ごみの本当に著しい地域というのは、やっぱりそのごみ除去にも、あるいは搬送にも多大な地方自治体の負担にのしかかっておりますので、是非国の御支援をしていただきたいというふうに思っております。  今答弁の中にもちょっとありましたように、今年の一月以降も、また日本海沿岸中心に大量の廃ポリタンク漂着をし、回収物の中には強酸性物質が検出された例もあったというふうに聞いております。さらに、廃ポリタンクの三分の一強はハングル表記がしてありました。このような外国由来ポリタンクなど外来性のもの、漂着ごみ発生抑制対策としてはどのような取組がなされているのか、お尋ねいたします。
  8. 斉藤鉄夫

    国務大臣斉藤鉄夫君) 昨年十一月に御質問いただきまして、私も問題の重大さを認識し、その直後に、十二月に、日中韓環境大臣会合がありまして、まさにこの問題を取り上げました。  取組二つございまして、一つは二国間でやるもの、そしてもう一つ日中韓三国間でやるもの、ちょっと二つに分けております。  まず、二国間でやるものにつきましては、先ほど委員指摘ありました廃ポリタンクについては韓国医療廃棄物等については中国という特徴がございます。それぞれの国にその原因究明と対処方を強く要請をしたところでございます。特に韓国につきましては、先月、日韓実務者協議を開催いたしまして、廃ポリタンク問題に対し日韓両国解決に向けて一層積極的に協力していくことを確認したところでございます。  多国間、三か国共同でと、これはこの海洋漂流漂着ごみ以外の問題もあるんですけれども、この漂流漂着問題につきましても三国間できちんと対応しようということで、先ほど申し上げました日中韓大臣会合において三か国での取組強化を求めまして、合意を得たところでございます。  それから、北西太平洋地域海行動計画、いわゆるNOWPAPの枠組みを利用いたしまして、普及啓発を目的としたキャンペーンを共同で行うということも決めさせていただいたところでございます。  今後とも、外務省とよく連携取りながら、この問題解決を図っていきたいと思います。
  9. 大久保潔重

    大久保潔重君 ちょうど私が昨年質問をした直後に、斉藤大臣におかれましては、第十回の日中韓環境大臣会合、TEMM10に出席をされました。その会合について質問をする予定でありましたけれども、今大臣の方から詳しく御説明をしていただきました。二国間あるいは多国間での、これはもう漂着、いわゆる海洋ごみのみならず、昨今問題になっている黄砂の問題あるいは越境大気汚染やそういう地球温暖化の問題も含めて、是非我が国東アジア諸国の中でリーダーシップを取って取組をなされていかれますよう強く望むものであります。  次に、産業廃棄物について質問をいたします。  年々新たに発覚する産業廃棄物不法投棄や不適正処理事案というのは減少をしております。これはこれまでの環境省取組成果だと一定の評価はしておりますけれども、当然のごとく、残存量というのはもちろん合計は増加しているわけであります。  そこで、全国不法投棄や、産業廃棄物のですね、不適正処理事案調査状況においてどのような特徴といいますか傾向にあるというふうな分析をされているのか、お尋ねをいたします。
  10. 谷津龍太郎

    政府参考人谷津龍太郎君) お答え申し上げます。  産業廃棄物不法投棄などの全国状況でございますが、毎年度、各都道府県の御協力をいただきながら、環境省におきまして全国実態把握を進めているところでございます。  この調査結果によりますと、新規に発覚した不法投棄事案については、先生御指摘のとおり、件数及び投棄量とも平成十年のころをピークにいたしまして減少しておりまして、最近では件数及び投棄量とも半分以下という水準にまで減少してまいっております。しかしながら、平成十九年度の調査結果を見ますと、不法投棄件数が三百八十二件、また不法投棄量は十万二千トンということになってございます。まだまだこうした不法投棄撲滅というところには至っていない状況にあるわけでございます。  お尋ね残存事案でございますけれども、その多くは生活環境保全上の支障はないと都道府県において判断されているものでございますけれども、全体として見ますとまだまだ、二千七百件、量にいたしまして一千六百万トン程度の事案残存している状況にございます。
  11. 大久保潔重

    大久保潔重君 投棄量五千トン以上の大規模事案状況で、平成十九年度の発覚件数は三百八十二件中二件ということでありますけれども、この二件の投棄量合計は全体の三八%を占めているということであります。またさらには、十九年度末の時点で残存している大規模事案残存量は千四百九十五万トンということで、残存合計量の九二%を占めているということであります。  どうしてこういう大規模事案がここまでなるまでなったのか非常に疑問でありますが、なぜこのような状況になったのか、御説明していただきたいと思います。
  12. 谷津龍太郎

    政府参考人谷津龍太郎君) この不法投棄対策につきましては、基本的には都道府県知事が現地で生活環境保全上の支障があるかどうか、これをきっちり確認をし、またその原因者究明をして、必要に応じて措置命令を掛ける。撤去でございますとかあるいは飛散とか流出の防止と、こういったような対策につきまして措置命令を掛けるということで対策を進めてきているわけでございます。  私どもといたしましても、こうした都道府県取組を様々な形で支援する、技術的、財政的に支援をするということで取組を進めてきておりまして、御案内のように、平成十年六月以前の問題については産廃特措法、それ以降については廃棄物処理法に基づく財政的な支援ということで取組を進めてきているところでございます。  まだなぜ残存をしているのかということでございますが、私ども毎年調査をして、その支障の有無あるいはその対策進捗状況について把握をしているところでございますが、この不法投棄事案に関する関心がとみに高まっておりますので、今後、各都道府県において残った案件をどう考えているのかということにつきまして、更に都道府県との連絡調整をしながら対策の促進を図ってまいりたいと考えております。
  13. 大久保潔重

    大久保潔重君 是非都道府県とのしっかりとした連携を取りつつ進めていただきたいと思うんですが、今ちょうど特措法の話も出ました。特定産業廃棄物支障除去等特別措置法に基づいて今後実施される事案のうち、例えば滋賀県栗東市の事案など、特措法の残る期限があと四年ということでありまして、適正処理が間に合わずに期限の延長をしてほしい旨の要望をされている自治体もあるというふうに聞いております。  特措法におけるこういう適正処理実施はもちろん必要であるとして、私が今回お尋ねしたいのは、このような状況になる前に、未然にこういう状況防止できる対策はないのかということでありまして、再度お尋ねしたいと思います。
  14. 谷津龍太郎

    政府参考人谷津龍太郎君) 不法投棄撲滅のためには未然防止という観点が重要であるというふうに私ども認識してございます。  こうした認識に立ちまして、これまで国会で累次にわたる廃棄物処理法改正をお願いをしてまいりました。その結果、不法投棄の罰則の強化マニフェスト制度強化排出事業者責任強化などなど、廃棄物処理法改正を行っていただいたところでございます。  また、私ども地方環境事務所ございますけれども、ここが拠点となりまして、管内の都道府県などと緊密に連携を図りながら、不法投棄撲滅アクションプラン、また全国ごみ不法投棄撲滅運動展開など、大規模事案中心に、新たに発覚される事案が減少させるよう監視活動強化早期発見早期対応による未然防止拡大防止取組を進めてきているところでございまして、今後ともこうした取組を一層進めてまいりたいと思っております。  また、来年度からでございますけれども衛星画像などを活用した未然防止拡大防止対策を進めるためのモデル事業も開始いたしたいと考えております。こうした新たな手法も積極的に導入を図ってまいりたいと考えております。  また、昨年十二月に、中央環境審議会専門委員会廃棄物処理法施行状況点検作業論点というものをまとめていただいたわけでございます。この中で、未然防止強化する観点から、不法投棄対策強化、徹底、これが今後の廃棄物法制度一つの重要な論点だという御指摘をいただいておるところでございます。  今後、中環審中央環境審議会での議論を更に深めていただいて、それを踏まえた未然防止法制面も含めた未然防止を含む不法投棄対策を進めてまいりたいと考えております。
  15. 大久保潔重

    大久保潔重君 この産業廃棄物についていろいろ具体的に問題があった場合に、年々、廃棄物処理法改正をしながら、産廃処理法改正しながらいろいろ取組はなされていると思うんですが、なかなか頻繁に改正があるものですから、逆に、都道府県レベルが非常にそれに付いていくのも精いっぱいというような声も聞くわけでありまして、そういう意味では、国がやっぱりロングスパン問題点をきちっと分析をしてしっかりとやるべきことかなというふうに思っております。  先ほど、衛星画像というのは、これは人工衛星から何か容量オーバーをチェックするというような機能のことなんでしょうかね。
  16. 谷津龍太郎

    政府参考人谷津龍太郎君) 先ほど御説明申し上げました衛星画像を活用した未然防止対策ということでございますけれども、このモデル事業の基本的な考え方あるいはその取組は、岩手大学が中心になって、例の青森、岩手の県境の大規模不法投棄事案ベースに御研究をいただいているところでございます。そうした中で、「だいち」という衛星画像データを利用しながら、拡大状況、あるいは不法投棄の箇所の発見というものを進められておりますので、そうしたことを参考全国展開が図れるかどうか、モデル事業実施したいと考えております。
  17. 大久保潔重

    大久保潔重君 マニフェストという話もありましたけれども、これは廃棄物処理法の十二条の三であると思うんですが、このマニフェスト運用というのは非常に今強化をされていると思うんですが、その運用防止対策というのは十分でしょうか。
  18. 谷津龍太郎

    政府参考人谷津龍太郎君) 御指摘マニフェストでございますけれども、基本的には産業廃棄物処理責任排出事業者が負うと。排出事業者が、最終的に自分が排出した廃棄物が処分されるまでの各工程を追うための手続ということで廃棄物処理法改正していただきまして導入をされた制度でございます。この結果、各都道府県あるいは各排出事業者廃棄物の流れがかなり明確になってきているということで大きな成果が上がっていると考えております。  一方で、今、廃棄物マニフェスト制度は基本的に紙ベースで開始されたものでございますけれども、これを電子化する、電子マニフェスト導入を促進するという取組も並行してやっておりまして、そうした中でより迅速な廃棄物の移動の状況把握が進められるんじゃないかと、このように考えております。
  19. 大久保潔重

    大久保潔重君 いろんな方策取組を進めていただきたいと思います。産業廃棄物不法投棄監視体制是非強化をしていただきたいというふうに思っております。  次に、質問を変えて、今度は花粉症についてちょっとお尋ねをいたします。  杉花粉飛散ピークを過ぎましたけれども花粉症で悩む人は大変多いと思います。今や国民の五、六人に一人が罹患するとも言われ、年々増加の傾向にあります。このような国民的関心の高まりを受け、政府としても総合的かつ一体的な花粉症対策実施をしており、先日の民主党環境部門会議でも、環境省を始め気象庁、農林水産省や林野庁あるいは文部科学省厚生労働省におけるそれぞれの取組状況についてヒアリングを行いました。  これほどまでに広がりを見せる花粉症の患者さんの実態調査も含めて、この花粉症ピークの期間の社会的あるいは経済的な損失というのがどれほど、どれぐらいあるものか、当局として何か試算されたようなそういう数値データはありますでしょうか。
  20. 原徳壽

    政府参考人原徳壽君) お答え申し上げます。  御指摘の全体量としてどれぐらいかということについては、ちょっと今手元に詳細な数値を持っておりませんので。
  21. 大久保潔重

    大久保潔重君 手元にないだけなのか、試算を何かされたことがあるのかですね。
  22. 原徳壽

    政府参考人原徳壽君) 厚生労働省の方で担当しているというふうに承知をしておりますが。
  23. 大久保潔重

    大久保潔重君 花粉症がどれぐらい損失があるのかというのは非常に難しい数値の計算だと思うんですけれども、全庁的に取組をされているんであれば、何かしらそういう試算をしていただいて、要は、私が申し上げたいことは、大変な損失があるだろうと思うんですね。実は、その損失に見合うだけの予算をしっかり確保して花粉症対策を推し進めていただきたいというふうに思うのであります。  例えば、文部科学省所管の理化学研究所の花粉症関連予算あるいは治験を扱う厚生労働省所管治療研究費を増額することによって、花粉症のみならず、ぜんそくやアトピーといった免疫アレルギー疾患全般についての解明や治療法確立が進むんじゃなかろうかと、こう思うわけでありますが、いかがでありますか。
  24. 原徳壽

    政府参考人原徳壽君) 花粉症対策としましては、政府全体として取り組むということで、先ほど、文部科学省を始め厚生労働省あるいは林野庁、それから環境省、それから気象庁等々で事務連絡会議を持っております。その中でそれぞれの分野における研究等々について連携を図るようにしているところでありますが、今御指摘のところも踏まえまして今後とも一層取り組んでまいりたいと思います。
  25. 大久保潔重

    大久保潔重君 花粉症においては、実は都市部で浮遊する花粉には大気中のいろんな化学物質が吸着しておりまして、これがアレルギー反応を起こしやすくしたりあるいは花粉症症状を増長しているといういわゆるアジュバント効果ですね、これが指摘をされております。  国立環境研究所疫学調査では、これはモルモットを用いた実験で、ディーゼル排気あるいはオゾン、二酸化窒素のいずれにも高い濃度花粉症症状を悪化させる作用があるということが示されております。そして、杉花粉によるはな水量ディーゼル排気暴露で増えるという、こういう結果も出ております。  これはモルモットでありますけれども、人においてはどうなんでしょうか。
  26. 原徳壽

    政府参考人原徳壽君) 御指摘花粉症と様々な大気汚染物質相互作用について動物実験を行ってきております。その中で、モルモットに実際の環境中の濃度の数十倍の濃度、これに当たります粒子状物質を含むディーゼル排気ガスを暴露した場合、明らかにアレルギー症状を増悪させるという実験結果が得られております。  一方、人におきましてはこの暴露実験というのはできませんので、そういう意味におきましては疫学調査を行っております。ただ、現時点においては、現在の環境における大気汚染杉花粉症との関連について、増悪をさせるんだという明確な結論は今のところは得られておりません。  今後とも、御指摘アジュバント効果も含めまして、必要に応じて知見の集積に取り組みまして、花粉症対策につきましては先ほどのように全省庁挙げて取り組んでまいりたいというふうに思います。
  27. 大久保潔重

    大久保潔重君 是非そうしていただきたいと思います。昨今問題になっている、例えば黄砂現象あるいは光化学オキシダント越境大気汚染ですね、因果関係が有意に見られないということでありましたけれども、こういう越境大気汚染物質などとの因果関係も含めて、総合的な花粉症研究対策を進めるには、やはり私は環境省リーダーシップを取ってやるべきだと思っておりますので、是非お願いしたいと思っております。  時間がありませんので、次の質問に入ります。アスベストの問題について。  昨年発表された石綿健康被害労災認定事業所あるいは労災認定等被災者の数字は、依然として我が国アスベストによる健康被害者が続発している状況を表しております。救済新法の制定によるすき間のない健康被害者救済は必然でありますけれども、同時に、今後の被害未然に防ぐための対策も急務であると思います。  昨年、国交省は、民間建築物を対象に、従来の大規模建築物二十六万棟から全国二百万棟に及ぶ中小規模建築物にも調査拡大し、アスベスト飛散防止対策実施する必要があるとしております。環境省試算でも、一九八九年までに建築資材として使用されたアスベストは潜在的に一億トンを有するとしておりまして、この根絶が大きな課題であります。  このような実態に対し、特に民間建築物アスベスト除去が大きく遅れているという状況はなぜなのか、ちょっと御説明していただきたいと思います。
  28. 小川富由

    政府参考人(小川富由君) お答えをいたします。  委員指摘のとおり、今現在、国土交通省としては、一千平米以上の民間建築物につきまして、使用状況実態把握、それから露出して出ているような場合はそれの除去等の措置の指導ということでございます。  現在、一千平米を超えるものにつきましては、露出してアスベストが出ているものが約一万六千棟、そのうち除去等の措置を講じたものが約九千棟、除去率でいくと六割弱というような状況でございます。しかしながら、一千平米未満の建築物もあるということで、そういったものに対して的確かつ効率的な把握を検討すべきであるという勧告などをいただいているところでございます。  こういう小さい建物の問題点ということでございますが、私ども推計をいたしますと、これ二百万棟ぐらいあるということでございまして、これをどのような形の優先順位あるいはリスクなどを考えた上で絞り込みをしていくのか、そういったことについてやはり検討をしなければいけないというふうに考えております。ですから、その調査方法あるいは対策方法等々を今検討しなければいけないというふうに考えているところでございます。
  29. 大久保潔重

    大久保潔重君 今ありましたけれども、この石綿除去に関する助成措置というのは延べ床面積が一千平米以上でありますよね。しかし、地方都市においてこの一千平米以上なんというのは非常に適用範囲が限られておりますよ。正直言いますと、こんな線引きというのはもう実効性の上がらない代物じゃないかと、こう考えております。人命にかかわる問題でありますよ。だから、このアスベストの危険性を過小評価されるべきではないと思いますし、特にこのアスベスト除去には費用が掛かりますよ、負担が掛かるわけですから、そして地方も財政難でありますから、国がやっぱりきちっと支援をする必要があると思います。  最後に、大臣に、このアスベスト、恐らくすべて除去を完了するまでにはあと何十年も掛かるだろうと考えられます。しかし、先ほど言いましたような人命にかかわる問題でありますし、このアスベスト被害未然防止するために、建築物の解体時の飛散防止やあるいはアスベスト廃棄物の適正な処理が求められると思います。どうぞ、大臣の御認識と御見解を最後にお聞かせください。
  30. 斉藤鉄夫

    国務大臣斉藤鉄夫君) 私、昔、建設会社に勤めておりまして、アスベストの吹き付け現場というのを知っております。だからこそ、最初の建設ロボットを作ろうという技術開発プロジェクトで最初に挙がったのが、人を使わないアスベスト吹き付けロボットというのが最初に建設ロボットとしては開発の対象になったんですが、今アスベストそのものが使われなくなりましたので、そのロボットもなくなりましたけれども。  私自身、いかにアスベスト飛散した状況がすごいものであるかというのは認識をしておりまして、今はその解体という課題があるわけでございます。吹き付けと同じような状況になってもおかしくない状況で、ここをしっかり対応していかなきゃいけない、このように考えております。  今も国交省から二百万棟という答弁がありましたけれども、これをいかに対応していくかということで、大気汚染防止法に基づく解体作業等に対する飛散防止対策の徹底、それから廃棄物処理法に基づくアスベスト廃棄物適正処理の徹底とこの二つ飛散防止適正処理、これを環境省としてはしっかり取り組んでいかなくてはならないと思っておりまして、国土交通省等関係省庁とも連携してアスベスト対策の推進に取り組んでいきたいと決意しております。
  31. 大久保潔重

    大久保潔重君 終わります。
  32. 轟木利治

    ○轟木利治君 同じく民主党の轟木利治でございます。  本日、質問をさせていただきます。数多くの質問を準備しておりますので、できるだけ答弁は端的に、また結論だけでも結構でございますので、よろしく御協力をお願いしたいと思います。  まず、水俣病の被害救済についてお聞きしたいと思います。  水俣病被害救済のために与党の特別措置法が提案されました。また、本予算でも水俣病の対策として百十五億が計上されております。今回の与党の法案が最終解決を目指しているとございますけれども、その対象者をどう決定していくのかが最大の問題点だと思います。  そこで、大臣が所信で表明されました、被害を受けられている方々のこの言葉の定義、範囲についてまず見解を求めたいと思います。よろしくお願いします。
  33. 斉藤鉄夫

    国務大臣斉藤鉄夫君) 私の所信表明で言葉を二つ使っております。轟木委員指摘のとおりでございます。  被害を受けられた方々という言葉ですけれども、この被害を受けられた方々とはメチル水銀による健康被害を受けられた方々で、例えば公健法に基づき認定される方々ということになります。また、所信では、こうした方々の速やかな救済を図るとともに、いわゆる与党法案の中に入っております言葉、水俣病被害者ということでございますが、これは我々が言う立場にはないかもしれませんけれども、ここで言う水俣病被害者とは、早期救済を図るための法案が検討されており、水俣病被害者の救済に向けた取組を進めたいとの考えを述べたものでございまして、与党法案において早期救済を図るべき方々と、このように考えております。
  34. 轟木利治

    ○轟木利治君 今の答弁から、我々の理解としては、公健法の申請者だけではなくて、要は保健手帳の人も対象に入れてこれから判断していくんだということでの理解をさせていただきたいと思います。  実は、私ども民主党もこの救済法の検討をしております。その点について、与党の法案との相違点について少し述べたいと思います。  まず、救済基準でございますけれども、与党の方の法案では、四肢末梢優位の感覚障害を有する者となっておりますが、私どもはやはり平成十六年に最高裁で判決が下りたこの基準も考慮すべきだというふうには思っております。したがいまして、四肢末梢だけではなくて、舌の二点識別覚の障害だとか、こういったことも対象として入れていくべきだろうと、医学も発展してきたわけですから、そういったことも十分考慮すべきだと思ってございます。また、地域指定の解除にも触れられておりますが、これは前提としてやっぱり十分な調査が前提だと思っております。そして、分社化についても、やはり企業責任、この完遂が大前提でございまして、早々の分社化については行うべきではないというふうに考えております。  そこで、一点御質問でございますけれども、判断機関として公的医療機関の診断書に限定と与党案ではなってございます。そこで、この公的機関で判断できる医者の数、それからその体制が何人体制で取れるのかについて、現状を分かっている範囲で教えていただきたいと思います。
  35. 原徳壽

    政府参考人原徳壽君) お答えいたします。  与党のプロジェクトチーム案に基づきますと、救済を求める方の申出に応じて公的検診を経てこの対象者を判定すると、こういうふうになっております。今、具体的に公的検診機関をどこにするかということをまだ決めているわけではございませんが、平成七年の政治解決の際に約一万人の公的検診及び判定を実施いたしました。このときには、県外の国立病院などにも協力を得て十三機関で実施したと聞いております。それに対して今回の救済対象者がすべて救済を求められた場合にはおよそその三倍になろうかということもありますので、公的検診ができる医療機関の拡大等も含めて今後検討していきたいと思います。
  36. 轟木利治

    ○轟木利治君 前回の事例を出されましたけれども、対象者が約三万人近くなるのではないかと想定しております。そういった意味では、本当に公的機関のみで対応できるのかどうか。単純に土日は休みにして考えましても、三年間という限定で考えると、一日三十八人を判断しなきゃならないと。こういった数はとてもちょっと今のベースでは難しいのではないかということで、十分またいろんな機関も含めて検討願いたいと思います。  次に、地球温暖化の問題について質問をさせていただきたいと思います。  今回、中期目標をつくっていくということが非常に大きな課題になっておりますが、その前段として少しお聞きしたいのが、今、日本経済が大変収縮をしております。GDPで、政府の発表でいきますと、二〇〇八年度、この三月末まででマイナスの〇・八、九年度が〇%。ただ、一部の報道では、大臣の中でもマイナス六%ぐらい来年なるんじゃないかと、来年度、二〇〇九年度はなるんじゃないかというお話ございます。  今までは経済成長していた上での排出量の量となりますが、経済成長がマイナスになったときに、GDPでマイナスと削減率の関係はどうなるんだというのが非常に注目される点だと思います。一説には、GDPがマイナス二%になれば大体四%ぐらい日本の国内の排出量は削減されるんではないかというようなことも聞いておりますが、実際そういったところを検証されているのかどうかというのが一点と、それから、今、中期目標検討委員会で複数の選択肢が出されました。当然これから削減していかなきゃいけないということになるわけですが、要は二〇二〇年、目標年度、この年度が日本の経済そして国民の生活がどういった状態にあるのかというのをまずきちっと想定していかないと、その削減率というのが本当に実現可能性あるのかどうかというのも検証されなきゃならないと思います。  したがって、二〇二〇年度の経済が、ちょうど二〇〇八年度、この三月末で終わるこの年度で考えると、ピークと下限値というのが両方この一年で経験されたわけですね。したがって、経済成長の段階をどう見るか。一つの例で、産業界で一番CO2を排出している鉄鋼で考えますと、二〇二〇年度の鉄鋼の粗鋼生産を今のピーク時での一億二千万トンで考えるのか、いや一億トンだという位置付けで考えるのか、これによって全然数字の差は出てくると思います。  そういった意味で、九〇年からマイナスしていくんだという前提で考えたときに、実質のGDPとそして雇用、これに与える影響をどう試算、また検討されているか、その検討経過について少しお聞きしたいと思います。
  37. 寺田達志

    政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。  まず、第一点、GDPと温室効果ガスの排出量の関係でございますけれども、実は、GDPと温室効果ガスの排出量というのは必ずしもリニアな関係ではございませんで、例えば景気が悪くなると原単位は悪化するというようなこともございますので、現在のところ一義的にこういう関係にあるというような試算はしていないところでございます。  それから、中期目標の検討でございます。中期目標の検討につきましては、ただいま正確な分析と申しますか、いったん六つの選択肢というものを発表いたしまして、仮分析の結果がそれに付いておりますけれども、今本分析の結果を待っている段階でございますので、今確たる数字というのはなかなかないわけでございますけれども、仮分析の結果で申し上げますと、例えば国立環境研究所、これの行いました分析ですと、二〇二〇年までの年平均のGDPの伸び率、これを一・二八%というふうに置いているところでございます。  では、これに対して対策の関係はどうなるかということでございますが、幾つか対策のケース、国立環境研究所では対策一から三まで、一が弱い対策、三が一番強い対策ということになりますけれども対策一のケースですと、ただいま申し上げました年率一・二八%が年率一・二七%、すなわち〇・〇一%、年にして落ちるということになっておりますし、最も強い対策でございますと、対策三でございますけれども、これが一・二八%が年率で一・一七%、すなわち〇・一%強、各年落ちるというような試算をしております。  また、雇用につきましても、この仮分析では対策が強ければ強いほど雇用に対してはある程度の影響がある、特に石油製品や石炭製品を扱う業種で影響が大きいというようなことが示されております。  もちろん、これは、先ほど申しましたように、まだ仮分析の結果でございまして、更に本分析と申しますか、本格的な分析をやっているところでございます。
  38. 轟木利治

    ○轟木利治君 要は削減していく上でやはり経済には影響があるんだということを今試算をされているんだろうと思いますけれども、このことをやはり国民に十分理解を求めて、それでもやっていくんだという姿勢を示すのはやっぱり政治の責任だと思います。それか、国民の皆さんが、いや、やっぱり経済を落としては困るというのか、そういったことも含めて十分な周知徹底をしていくということが、ただきれい事だけではやはり済まないと思っておりますので。  そういった意味でも、今回の京都議定書のマイナス六%というのも、実質は〇・六%減らすというのが活動では数字になるわけですから、それを大きくやっていくということを考えれば、やはりその意気込みをしっかり持っていくということも大事だろうと思います。そういった意味で、経済にも影響あるんだということ。  しかし、この試算を見ていましても、二〇〇五年対比でマイナス一四%という数字も挙げられていますけれども、これでもやるべきことは全部やってという前提でございます。そのコストとして、試算では三十三兆ぐらい掛かるんだという試算も出ております。そのことをどう国がまた国と国民の負担をどう振り分け、国がどうやって先行投資をしていくのかと。このこともスピードを上げていかないと、二〇二〇年といったらもう十年しかないわけですから、そういったところをしっかりお願いをしたいと思っております。  ちょっと時間の関係もありますので飛ばしていきますが、次に、前回もちょっと議論させていただきました排出量取引制度の試行的実施の点について少し質問させていただきたいと思います。  前回のときに、その排出の一つの指標として総量でやるのか原単位でやるのかということを議論させていただきました。原単位のところに少し問題があるのではないかという意見を述べさせていただきましたけれども、原単位でもう一つ言わせていただきますと、今企業の生産が減っております。そうすると、原単位というのはフルで動いて原単位は良くなる、低下すると原単位は悪くなるというのは当然でございます。目標に対して量が減ってなおかつ効率が悪くなるということは、原単位は悪化する方向になる。せっかく原単位を下げる計画をしたんだけれども、原単位が悪くなった、しかし生産量は減った。そうすると、排出量で考えますと、その企業は、排出量は減ったんですが、原単位が悪くなった分、その生産量に対して悪くなった分の排出量を買わなきゃいけない、この矛盾が出ていると思いますが、そういった理解でよろしいですか。
  39. 寺田達志

    政府参考人(寺田達志君) 御指摘のとおり、原単位目標を設定した企業の生産量が低下した場合、排出総量が減少しているにもかかわらず原単位が悪化して目標が未達成となることもあり得ますし、逆に、原単位が改善して目標が達成できたとしても排出総量が増加するケースというのは起こり得るというふうに考えております。
  40. 轟木利治

    ○轟木利治君 是非そういったところの、今後、今の時点を考えますと、生産量が増えてというのは利益が得るわけですけれども、生産量が減ってということなりますと企業の利益は減るわけですから、それになお余分なコストをそこで追加しなきゃいけないということになりますので、前回申し上げたことを踏まえてしっかり整合性の合った検証をお願いしたいと思います。  それから、環境省予算なんか見ましても、この排出権なんかでいきますと市場メカニズムに乗ってという言葉が出ておりますけれども、前回、大臣は、この排出量取引制度については、日本の物づくりに見合った、実需に見合ったことをやるんだと。そういう言葉がこの予算の重点項目の中にはほとんど載っていないというのがちょっと寂しい気がしましたので、是非そのことをお忘れなくよろしくお願いしたいと思いますし、こういった景気の状況でいきますと、多分市場でやっても価格は低下になると思います。それが逆に、よしとして進められることが、今回の不況を招いたマネーゲームがまだそこは様子を見て寝ていて、景気良くなったらどんと出てくるというようなことがないように、是非よろしくお願いしたいと思います。  次に入らせていただきます。  これは大臣にお聞きしたいと思うんですが、今回の環境省予算について、方向性について少しお聞きしたいと思うんですが、総理大臣が九月に、やはり今回の、これからは我が国の強みを持つ環境エネルギー技術に新たな需要と雇用を生む力があるとおっしゃいました。要は今、雇用の対策が非常に重要視されております。大臣はこれから日本版グリーン政策をやっていくんだという表明はされておりますが、本予算において雇用創出という点から見たときにそういった試算をされているのかされていないのか、その点について大臣にお聞きします。
  41. 斉藤鉄夫

    国務大臣斉藤鉄夫君) この平成二十一年度予算案そのものがどれだけの雇用を生むのかという御質問に対しては、そういう試算はなかなか難しいというお答えになろうかと思います。  また、環境省として、例えば太陽光発電についてこういう方向をやるべきだと、こうは言うんですが、その実際の予算は経済産業省が持っているというようなことでなかなか我々の予算の中に、環境省予算の中に入っていないというようなこともございましてなかなか、我々が打ち出している政策と雇用がどうなるのかという相関関係についてはなかなかお答えしにくいところでございますが、今年度、あえていいますと、環境保全とともに経済・雇用状況の改善にも資するような事業を盛り込んでいるところでございまして、具体的には、低炭素社会・日本、低炭素の世界の実現の施策の中でカーボン・オフセット推進事業、それから環境配慮型経営促進事業に係る利子補給事業、それからエコポイント、それから低公害車普及事業などでございます。また、自然と人間が共生する社会の実現のための施策の中では、自然公園等事業費、エコツーリズム総合推進事業費などの公共事業を計上してございます。それから、いわゆる循環型社会のための施策の中では、使用済電気電子機器の有害物質適正処理及びレアメタルリサイクル推進事業、循環型社会形成推進交付金などでございます。  これで具体的に何人の雇用かという試算はしておりません。
  42. 轟木利治

    ○轟木利治君 本予算でもそういった項目的なものはあるんだという御回答ですけれども、それはそれで評価したいと思いますが、やはり今の景気状況からすれば、こういうものでこれぐらいの人数は雇用できるんですということをアピールすべきだと思うんですね。それがいろんなアイデアを生む。環境省ではそういう事業、実際携わらないからできないんじゃなくて、環境省としてもアイデアを出すんだということを、やはりこれは、今何が大事かといったときに、この日本の経済を再度元気にすると、このことが最重要だと思っておりますので、そういった視点でお願いしたいと思いますし、いろんな機関が言っておりますが、連合も百八十万人雇用創出プランというのも出しております。こういったものでやっぱり精神的にも意識的にも元気を出すということが大事だろうと思いますのでよろしくお願いしたいと思います。  それから、次に参ります。地熱発電について少しお聞きしたいと思います。  いろんな今自然エネルギー等でいろんな項目が言われておりますが、この地熱に関してはなかなか余り議論がされていないような気がします。私は、日本の国土を考えると、日本のエネルギーから考えますと、この地熱というのは非常に有効なエネルギーだと思ってございます。  そこで、お聞きいたしますが、経済産業省になるかと思いますが、この地熱の現状の問題点、どういう認識を取られているかということについて、端的にひとつお願いします。
  43. 西山英彦

    政府参考人(西山英彦君) お答え申し上げます。  現在、地熱発電所は、全国で十八地点、出力約五十三万キロワット、年間発電電力量で申しますと約三十一億キロワットアワーというふうになっております。地熱発電は、発電過程において二酸化炭素を排出しない純国産の再生可能エネルギーでございます。さらに、年間を通じて設備利用率が高く、安定した電気を供給しておりますので、エネルギー安定供給の観点からも優れたエネルギーであるというふうに位置付けられております。このため、経済産業省といたしましても、これまで地熱発電の開発を支援してまいったところでございます。  しかしながら、地熱発電におきましては、開発リスクが高いということとか開発コストが大きいといった課題を抱えております。また、自然公園の環境規制や温泉事業者との調整など、立地上の課題もございます。こうしたことから、平成十一年の八丈島地熱発電所以降、新しい地熱発電所は建設されていない状況にございます。  経済産業省といたしましては、このような状況を踏まえまして、昨年の十二月に地熱発電に関する研究会を設置いたしまして、これまで国が調査してきた地点における現状と課題を整理いたしますとともに、今後の地熱発電の開発促進を図るための方策について検討を行っているところでございます。
  44. 轟木利治

    ○轟木利治君 ありがとうございます。  今課題で言われた開発コストが掛かると。このことは、やはりそこに参入する企業がまだ少ない、その競争力がまだ十分その市場で成り立っていないということだろうと思います。  そして、これは環境省にお聞きしたいと思うんですが、今お話もありましたように、やはり地形からいきますと、地熱をやれるところという範囲の中で、国立公園なんかの敷地内というのが非常に多くございます。そういったことを考えると、温泉事業者との関係もございますが、今環境省として、その相反するところのギャップがあるわけでございますけれども、今その位置付け、またその方向性についてどう検討されているか、お聞きしたいと思います。
  45. 黒田大三郎

    政府参考人(黒田大三郎君) 我が国を代表する自然の風景地でございます国立・国定公園におきましては、自然公園法に基づきまして、風景や自然環境の保護のためにいろいろな行為、工作物の設置であるとか木竹の伐採、土石の採取、こういう開発行為につきまして規制をしております。  国立・国定公園内における地熱発電の開発計画というものを見てみますと、通例やはり、各種の大型の工作物の設置あるいは樹林の伐採、地形の改変というものを伴うということが一般的でございまして、風景あるいは自然環境に対する影響は相当程度大きいものというふうに認識をしております。  このため、代替性のないといいますか、非常に重要な自然を有する国立・国定公園内の中でもとりわけ重要なところを特別地域としておりますが、こういう重要な地域におきましては、風景や自然環境に影響を及ぼすような地熱発電というのは避けるべきであると、これを基本とすべきと、こういうふうに考えております。  一方で、自家用など小型、小規模な地熱発電、また、国立公園等の地面、地表部に影響を及ぼさない方法による地熱発電、さらには、国立・国定公園の中でも全体の約二割に相当しますが、普通地域というところがございます。そういう地域における地熱発電につきましては、風景、自然環境に対する影響の程度を個別に検討いたしまして開発の適否というものを判断することとしておるところでございます。  また、温泉に与える地熱発電の影響でございます。掘削する井戸の深さであるとか地質の構造、それから温泉の泉脈の状態、こういうものによって影響というか程度がそれぞれ差異があると、こういうふうに認識しています。地熱発電等による掘削が温泉地等への影響が生じない方法で行われることが大事だと、こういうふうに思っています。  なお、温泉資源の保護が適切に行われますよう、地熱発電による掘削が温泉に及ぼす影響に関しましては、環境省といたしましても、今後とも科学的な知見の充実にも努めていきたいと、こういうふうに考えております。
  46. 轟木利治

    ○轟木利治君 基本的な姿勢をお聞きいたしました。その中で、やはり対策としてもし考えられるのは、境界線の外から斜めに入れて、そのエネルギーを使っていくと、これは可能じゃないかというような御発言でございました。  また、温泉の業者として、科学的にこれを検知できるような対策を是非、やはり日本の固有のエネルギーでございますし、この地熱発電所というのはどちらかというと田舎の方、東北だとか九州にございます。そういった意味でも、先ほどお話ししましたように、雇用の創出という面もこれは十分可能性があるわけでございまして、是非一つの大きなテーマとして、重点項目として取り上げていただきたい。  しかし、先ほど経済産業省の方から言われましたように、いろんなコストを考えますと、今日の日経にもちょっと載っておりましたけれども、一説に、RPS法の対象として、地熱発電はフラッシュ発電とバイナリーの発電があるわけでございますけれども、お聞きする範囲の中でいくと、フラッシュの方法がそのRPS法の対象じゃないんじゃないかというようなお話を聞きます。  その点についての御見解をお願いいたします。
  47. 羽藤秀雄

    政府参考人(羽藤秀雄君) お答えを申し上げます。  ただいま御指摘ございましたように、フラッシュ発電は、これはバイナリー発電と並びます地熱の代表的な発電方式であり、いずれもその開発促進が重要な課題であるというふうに認識しております。  その上で、RPS法との関係についてでございますけれども、現在のところ、バイナリー方式の発電設備のみがこの認定を受けております。このことは、フラッシュ発電、それからバイナリー発電を取り上げた場合でございますけれども、地熱の資源でございます水蒸気を含めた熱水が持続可能な形で発電に利用できるかどうか、それから生産設備の追加的な掘削を頻繁に行う必要があるかどうか、経済合理性の観点からその改善が見込まれるかどうか、こういった観点から、RPS法上の取扱いには現時点ではその差異を認めざるを得ないという結果になっております。
  48. 轟木利治

    ○轟木利治君 経済産業省さんは、必要だと言いながらそういった制約を持たれているというのは若干矛盾点を感じます。是非、今後とも、フラッシュ発電もRPS法の対象になるような方向での一つの検討をまたお願いしておきたいと思っております。  次に、風力発電について少しお聞きしたいと思います。  今、風力発電も一つの大きな新しいエネルギーとして脚光を浴びておりますが、若干建設の状態が鈍くなっているのではないかと思います。これはコストの問題、そして地形的な問題等もあると思いますし、一説には低周波の問題もいろいろ取りざたされております。そういったことを考えますと、これから日本の国土だけで風力をやっていくのか、要は海上も考えて風力発電を考えていくのかと、これも大きな一つ対策になるんではないかと思ってございます。  アイデアとして申し上げさせていただきたいと思いますが、海上を考えれば、海にそのまま建てるという考え方、そして浮かべながら固定するという考え方、ただこれもいろんな環境、そして自然の風の関係を含めて一長一短があると思ってございます。一つのアイデアとしてセイリング方式、メガフロートを使って、要は鉄板の板でございますけれども、その上に風車を建てて発電していくと。ですから、日本の海洋を回れるということですね。台風が来たときはちょっと逃げるだとか、そういうこともできる可能性があるし、メガフロートの技術はございます。そういったことも一つの材料としてなるんではないかと思いますが、今のところこういったことは検討の余地があるのかどうか、経済産業省にお聞きしたいと思います。
  49. 羽藤秀雄

    政府参考人(羽藤秀雄君) お答えを申し上げます。  風力発電、特に洋上の風力発電についてでございますけれども、発電施設自体を海底に固定する場合、あるいは施設を浮かせてチェーンなどで海底に固定する場合、こういうものと並びまして、今御指摘ございましたように、セイリング方式というふうに称されておりますけれども、航行することが可能な施設として設置する場合、このような形式があるというふうに承知をしております。  我が国におきましては、洋上風力発電自身について、これは堤防の中において設置した事例というものがございますけれども、外洋における本格的な洋上風力発電の事例というのがないと、そういった現状の下で、四方を海に囲まれている国土でございますので、この洋上風力発電の可能性を探究するということは非常に重要な課題であるというふうには認識をしております。  したがいまして、経済産業省といたしましては、セイリング方式の洋上風力発電を推進するためにも、潮流あるいは台風によるこの波の影響、またヨーロッパなどと比べまして明らかにこれは海の状況について違いますので、こういった点を十分に把握をする必要があると、このように考えております。浅い海が比較的少ないという我が国の洋上にもこの御指摘のセイリング方式というものは利用可能な方式であるというふうに認識しておりますけれども、まずは現在主流の発電施設自身を海底に固定するという実証研究を先行しながら、先ほどのような課題についてよく検証をしてまいりたいというふうに考えております。
  50. 轟木利治

    ○轟木利治君 是非前向きに検討していただきたいと思いますし、お聞きしますと、風力発電のプロペラ、この八割が輸入品だと聞いております。せっかく日本で技術を持ちながら、その日本に需要がないということで外国から買ってきているということ、造っているメーカーはありますけれども、それはほとんど輸出しているというこの変な需給バランスになっております。したがって、やっぱり日本で風力が活用できる、自然に影響を与えない形でその需要を喚起していくということも大きな需要喚起に、また雇用の問題にもなろうかと思いますので、積極的な御検討をお願いしておきたいと思います。  そして、環境省の方に戻りますけれども、先ほど大臣もおっしゃいました雇用喚起のところでの都市鉱山、レアメタルのリサイクルについてお聞きしたいと思ってございます。  前回も、前々回ですか、少しこの都市鉱山についても委員会でも発言をさせていただきましたけれども、私は大変重要な日本の資源だと思っております。しかし、なかなか具体策が見付からない、特に材料を集めるというところでなかなか抜本的な解決策が見当たらないということになりますが、今現状においてこのレアメタルの回収の現状と課題についてお聞きしたいと思います。
  51. 谷津龍太郎

    政府参考人谷津龍太郎君) 先生御指摘のとおり、小型家電、これには使用済みの携帯電話あるいはデジタルカメラなどが含まれるわけでございますけれども、これには多種多様のレアメタルあるいは金などの貴金属が含まれているため都市鉱山というふうに呼ばれているわけでございます。我が国、資源小国ではありますが、潜在的なポテンシャルは極めて大きいということでございます。これをリサイクルをして、レアメタルなどを回収していくことが私ども循環型社会を構築する上でも極めて重要な課題、また喫緊の課題というふうに認識しているところでございます。  しかしながら、現状は先生御指摘のとおりでございますけれども、効果的な回収方法、これがなかなかつくられないといったような課題がございまして、これらの機器からのレアメタルなどの金属はほとんど回収されておりませんで、多くの場合は一般廃棄物として自治体において処分されているという認識をしているわけでございます。このため、私ども廃棄物・リサイクル行政を所管する立場から、使用済小型家電の効果的な回収方法、これには自治体、市町村の協力が不可欠でございます。  これに加えまして、レアメタルの回収技術そのもの、またレアメタルの回収のプロセスで出てまいります有害物質の適正処理手法などについて検討を進めているところでございます。経済産業省とも連携をいたしまして使用済小型家電からのレアメタルの回収及び適正処理に関する研究会を昨年立ち上げまして、自治体、中間処理業者の連携の下でデータや知見の集積を始めているわけでございます。今年度、既に第一次補正予算におきまして七千五百万円をちょうだいいたしまして、秋田県、茨城県、福岡県の三地域で使用済小型家電の回収モデル事業に既に着手してございます。  来年度は、今年度のモデル事業拡大しながら、引き続きデータや知見の収集を行い検討を深めてまいりたいと考えております。
  52. 轟木利治

    ○轟木利治君 是非お願いしたいと思います。  今、実際回収して取り出すところが秋田、茨城、福岡とおっしゃいましたけれども、そのうちの二つが昔の鉱山跡の地域だと思います。そういった意味では、昔の鉱山というのは非常に山の中で田舎の方でございます。先ほど言いましたように、やっぱり雇用を創出するという面からもそういった事業がそこでしっかり成り立つと、このことも大事だろうと思ってございます。  そういった意味で、今年度の予算でレアメタルリサイクル推進事業として約一億円が計上をされております。この中身がどういったものかお聞きしたいんですが、まず大前提として、私はやはり、今は資源がこういうちょっと下がったんですが、今までの経験からいくと、資源が高騰するとせっかく日本で出た都市鉱山が海外へ出ていく可能性がある、このことはまずやめなきゃいけない。やっぱり日本で出た分は日本で処理するんだというこのシステム。そして、都道府県回収してくれと呼びかけても、箱を置いても、なかなかそれは回収されないだろうと思います。  そういった意味で、やっぱりデポジット制も含めて検討する必要があるんではないかということを考えておりますので、この一億円の計画でどういった具合で考えられているのかについて、最後御質問させていただきます。
  53. 谷津龍太郎

    政府参考人谷津龍太郎君) お答え申し上げます。  まず、回収のやり方でございますけれども、ボックスを置いて回収をするというようなボックス回収、それとピックアップ、実際に一般廃棄物の分別の中から小型家電等を選別するというようなやり方、またイベント回収ということで、循環型あるいは様々な地域のイベントに合わせて回収を行うといったようなことを今現に実施しております。これを来年度更に拡充をしたいと考えております。  こうしたモデル的な回収事業のほか、実際にその回収をした結果、どういうやり方が一番効率がいいのかといったような分析、検証、またそれぞれの回収されたものの成分などを分析いたしまして資源性あるいは有害性といった評価、こうしたことをやりたいと考えておるわけでございます。  そうした上で、そういう基礎的なデータを基に、レアメタルのリサイクルあるいは有害物質の処理システムをどういうふうにつくれば全体として回収から最終処分、あるいはその過程でのレアメタルの回収が効率的に進むのかといったようなシステム面の検討も併せてやっていきたいと考えておるわけでございます。
  54. 轟木利治

    ○轟木利治君 終わります。
  55. 加藤修一

    加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。  配付資料の図を見ていただきたいわけでありますけれども、これはよく見受けられる図表で環境省が作ったものでありますけれども。  今日はまず最初に大変単純な質問をしたいと思いますが、京都議定書目標達成計画ということで削減の義務が掛かっているわけでありまして、これはもう国際的な公約ということで、日本はマイナス六%削減で、現在のところ、図に見て分かりますように、八・七%プラスの状態であると。ドイツは、マイナス二一%、これが公約、現段階ではマイナス一八・二%削減履行済みと、進捗の状況はそういうことである。あるいは、イギリスは、マイナス一二・五%が公約であり、現在マイナス一五・一%であるということになっているわけでありますけれども。  こういう状況を考えてみてまいりますと、日本が突出して排出量の削減がうまくいっていないというふうに見受けられるわけでありますけれども環境省はこの辺についてどのように評価分析していますか。
  56. 寺田達志

    政府参考人(寺田達志君) ドイツ及びイギリスの削減の状況についてはただいま委員指摘のとおりでございますけれども、この背景といたしましては、ドイツは東西ドイツの再統合後の経済構造改革という要因があり、イギリスにつきましては石油、石炭から天然ガスへの転換がそれぞれ主たる要因として挙げられているところでございます。  各国の取組やその成果というのは、経済的、社会的背景が異なることからいろいろなものがあるわけでございますけれども、世界全体として地球温暖化問題に前向きな姿勢がうかがわれるというふうに理解しております。
  57. 加藤修一

    加藤修一君 いろいろな背景はあるんですけれども、日本がどういう状況か、背景がどういうふうになっているかよく分かりませんが、しかし何だかんだといってもやっぱり国際的公約はしなければいけない。しかし、かなり排出量が増えているということを考えてまいりますと、これは単純に言うわけにはいかないかもしれませんが、ドイツの現状を考えてまいりますと、かなり一元的に物事をやっていると。環境にかかわる連邦レベルの最上位機関があって、三つの外局があり、その中で、温暖化防止環境エネルギー、再生可能エネルギー等々を含めて一元化されている。  あるいは、さらに、これはイギリスでありますけれども、これは昨年に機構改革をしたわけですね。新たにエネルギー・気候変動省が創設されたと。これまで環境・食糧・農村地域省が担当していた気候変動分野と、ビジネス・企業・規制改革省が担当していたエネルギー分野を統合したというふうになっているわけでありまして、新たに三人の大臣、これは農業・環境担当、あるいは持続可能な開発・気候変動への適応・大気質担当、さらに自然・海洋環境・野生動物・農村地域担当というふうにかなりこれは統合的にやっているように見受けられます。  あるいは、中国の関係も考えてまいりますと、中国は、これ国際公約とかそういうことじゃありませんが、GDP原単位当たりのエネルギー使用量、これはマイナス二〇%を考えていて、現段階でマイナス一〇・九%になっている。中国のこの辺の組織ということについては、総理がトップになっておりまして、国家発展改革委員会の中に事務局を設けていると。非常に強い事務局であります。省庁間の不一致は全く存在しないと。いろんな考え方ができるかと思いますけれども、要は、温暖化対策に関する行政、対外交渉につきましてはこの国家発展改革委員会の温暖化対策局ですか、それに一本化されていると。  こういう非常に重要な問題についてやっていく場合には、特にエネルギー環境、CO2の排出の問題を含めて考えていく場合については、やはり一元化をどうするかと、そういうことが非常に私は大事じゃないかなと、そう思っております。  国内については様々な議論があったりしてなかなか思うように進んでいないという話もあったり、綱引きをしているとか、そういううわさがあるわけでありますけれども、こういったことについて実効性の上がる組織形態をどうするかということが非常に大事だと思っておりますけれども、私は、行政改革と言うとちょっと行き過ぎかもしれませんが、そのぐらいの気持ちを持ってやっていく案件じゃないかなと、こう思っていますけれども、その辺についてお願いいたします。
  58. 寺田達志

    政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。  ただいま一元化というお話ございましたけれども、各国の行政組織はそれぞれその国独自の様々な政治的、歴史的背景の下に成立しているものと考えております。  我が国におきましては、もとより地球温暖化対策というのは、産業、エネルギー、交通、まちづくりあるいは農林業など、あらゆる政策分野とのかかわりが深いものでございますから、当然環境省だけでなく政府全体で取り組んでいくと、そういう性格のものだと思っております。このため、地球温暖化対策推進本部を設置いたしまして、総理を本部長とし、政府一体となって地球温暖化対策を推進する体制を構築しているという状況になってございます。  環境省といたしましても、環境大臣がこの地球温暖化対策推進本部の副本部長ということになっておりますので、そうした立場で政府内でのリーダーシップを発揮してまいりたいと考えております。
  59. 加藤修一

    加藤修一君 政府全体で取り組んでいるという話がありましたが、政府全体が取り組んでいてこういう段階、レベルなのかという、そういうふうに思ってしまうんですけれども、そこはどうですか。
  60. 寺田達志

    政府参考人(寺田達志君) ただいま申し上げました地球温暖化対策推進本部におきまして京都議定書目標達成計画というものを作りまして、それを推進している、その過程での現状でございます。  もとより、委員指摘のとおり、我が国の排出量というものは現状で目標をかなり上回っている。この主たる原因は、原子力発電所の停止に伴うところの電力原単位の悪化というものでございますけれども、ただし、そういった要素を除きますと、現在のところ京都議定書目標達成計画というのはおおむね我々の想定と余り外れない状況で推移しているというふうに認識しております。
  61. 加藤修一

    加藤修一君 図を見ますと、九・三%の排出削減が必要であるというふうに、これは場合によっては誤解を与える書き方かなと私は思っております。といいますのは、これは森林吸収源対策で三・八%、京都メカニズムで一・六%、これができたという前提で書いているように思いますので、ここはやはり私は注意を要するような表記法だと思っておりますので、是非そういった面についても誤解があるような伝わり方がないようにやっていただきたいと思います。  それから、実効性の上がる組織的な大胆な取組、これはやはり私は改めて要求しておきたいと思っておりますが、環境省の理論上の特徴として言われていることは、第一点は、やはり環境行政の一元化であると。二点目は、政府部内でのチェック・アンド・バランス機能の発揮。三点目が、政府全体の環境政策の総合調整機能と。  更なる課題としては、多くの共管分野が存在し、かつ環境省と他省庁との境界が、これは非常に問題になっていると思いますけれども、明確でないと。あるいは、二点目としては、仕事をする上での基礎的な行政資源、いわゆる予算とか人の関係ですよね、人員の関係、これが不十分であると。私は後ほどその辺について説明したいと思っておりますけれども。  二〇〇一年にいわゆる環境庁が環境省へ格上げされたのも、これは中央省庁の再編の一つの目玉であったわけでありまして、地球環境問題が大きくなる中、環境行政の役割強化が求められてきたと。次のような意見もあります。環境省は、ほかの省庁との管轄がかぶっているところがあるのが問題でしょうと。例えば、廃棄物・リサイクル対策部は経済産業省と、環境保健部は厚生労働省と、あるいは水・大気環境局は水部門で国土交通省とそれぞれ担当がかぶっていると。両者の意見が食い違えば、これは私が言っている話ではありません、こういう意見があるということでとらえていただきたいと思っていますけれども、新参者的な環境省の立場は弱いものがあると、こんなふうに言っているわけなんですね。そういう報告があったということなんですけれども。  環境省の、庁の誕生時から、環境行政の調整官庁としての役割が与えられた、所轄としてのしっかりした役割は明確ではなく、余り与えられてこなかったということもあります。この点に関して多少の議論があるかもしれませんが、しかし今後は、ほかの省と対等になるように他省との分担範囲の明確化をしなければならない、従来の旧態依然の様式では、激しい国際競争の中で、日本の環境力を駆使して環境ビジネスなどに関しても後れを取ってはならないと、このように私は考えております。  それで、環境省の機能強化と充実をいかに行うかということでありますけれども、例えばですが、中央省庁再編基本法において環境省共同所管するとされる事項について環境省が強いリーダーシップを発揮できるようにしなければ当然ならないわけでありますけれども、先ほど紹介いたしましたように、諸外国の環境省並みに組織体制を整備するということは言うまでもありませんが、例えば環境基本計画における数値目標等を更に更新して実効性あるものに見直しをしていかなければいけない。  私は、二点目として森林行政の見直し、これは非常に大事であると。営利事業というよりは環境、国土保全に重点を置いているのが今の日本の国有林の在り方だと私は思っておりますけれども、やはり国有林野行政の在り方を再検討することが必要であると。  三点目は、これは水道行政の一元化という話でありますけれども、これは、水道水源は産業廃棄物の最終処分場に近接していることなどもありまして、河川、地下水などの水質と上水道の水質を一体として保全するために根本的な対策が当然求められていると。環境省が水道原水の水質管理、あるいは水源林の保護と水源から末端の上水道供給まで一元的に担当して、自治体連携を取りながら責任を負うことが大事でなかろうか、ここをやはり明確にすることが今後の課題ではないかなと、そう思っております。これは単に私が私的に話しているわけじゃなくして、これは我が党の二〇〇〇年の採決された内容なんですね。公明党の一つの当時の考え方がこういう考え方であったということについてはしっかりととらえていただきたいと思います。  それで、省庁改革の背景を考えてみますと、平成十三年一月六日に、いわゆる省庁改革として、内閣機能の強化、国の行政機関の再編成並びに国の行政組織並びに事務及び事業の減量、効率化等の改革を推進する、これが目的としてこの基本法というのが働いているわけでありますけれども環境省がこの下に新たに発足することになったと。この改革は、当時としては最新の社会動向の変化に対応するための組織改革であったという、だから環境行政についても当然それは求められていたと。環境省が唯一、庁から省への昇格により新たに設置されたことはこれが反映されていたということに当然なるわけでありますけれども、最近の地球温暖化状況を考えていきますと、更にその背景というのは大きく変わってきている。ですから、やはり何らかの組織的な改編をするということが極めて私は重要だと思っております。  それで、中央省庁等改革基本法には、環境省の編成方針として、地球温暖化防止等の環境行政における国際的な取組に係る機能及び体制を強化すること、あるいは関係行政との間の調整及び連携強化等を通じた環境行政の総合的展開を図ることが定められているわけでありますけれども、要は、専ら環境の保全を目的とする事務事業等については環境省に一元化するというふうに書いてあるんですね。それで、さらに環境の保全の見地から必要な勧告等をこれは環境大臣が行うことができると。環境行政における横断的な調整機能を十全に発揮することが、そういったことから大きく記載されているわけでありまして、十年ぐらいにこの改革基本法というのはなるわけでありますので、背景は相当変わってきているということにも十分理解しなければいけない。ですから、それを考えると、やはり基本法についても若干の手直しが必要かもしれません。その手直しのときに環境省の機能強化を含めてどう考えるかということが、やはり私は相当議論されなければいけないというふうに考えております。  それで、予算の措置とか定員の関係でありますけれども、ここから質問になるわけなんですけれども、表一を見ていただきたいんですけれども政府の一般会計当初予算における環境省分は一%に届かない。二〇〇九年で〇・二五九%でありまして、これはもうずっと、二〇〇〇年が〇・三〇五%でありますからどんどん減ってきている、構成率で考えますと。二千億円程度にとどまっていると。昨年はグリーンニューディールとか様々な形で環境エネルギー等々かなり議論されたわけで相当関心が高まっているわけでありますけれども平成二十一年度の予算でさえほぼ二千三百億円、これもう過去最低の〇・二六%ということなんですね。だから、当初予算環境省予算をどう位置付けるか、これは政治の力が非常に大事である。  それから、表の二を見ていただきたいんですけれども、これは環境保全経費の関係になりますけれども政府全体に占める環境保全経費、これも長期低落でありまして、二〇〇四年には三・一四%、現在は二・三九%ということで非常に残念な話だと思います。ほかの先進主要国がこのような状況であるかということについては押さえておりませんが、やはり私は、戦うためにはそれなりの武器が必要なわけで、こういう状況であるということについては非常に疑問を感ぜざるを得ない。環境省分の比率も変化なし、ほとんど一〇%前後で動いております。  さらに、地球温暖化の関係で京都議定書目標達成計画の予算でありますけれども、これ二〇〇八年からまさに京都議定書の目標達成の対象期間になりますから多少一千億円程度は上乗せがありますけれども、例の単純な言い方をしますと、ニコラス・スターンが、直ちにGDPの一%ということをそのままここの考え方に持ってくると、五兆円規模があったっていいという話になってしまうんですけれども、これはちょっと議論しなければいけない話でありますけれども、やはり私はこういう予算措置を見たりしてまいりますと、認識の甘さが非常に強いんではないかと、そんなふうに思います。  それから、環境省の定員を考えてまいりますと、確かに二〇〇一年から環境省発足でありますから、環境省の大変な努力で構成率は上がってきておりますけれども、これも霞が関の国家公務員のいわゆるワーク・ライフ・バランス調査によりますと、最も残業が多いのはどこかという話をしてまいりますと、厚生労働省、労働系とか厚生系という話なんですけれども、たまたま二年前にやった調査を考えていきますと、環境省調査の対象になっていないんですね。調査に応じなかったという話ですけれども、その前の調査では第一番目ですよね。過労死になるようなぐらいに八十時間を超えるという、そういう状況なわけでありまして、そういう状況で、どんなに優秀な官僚であったとしても能力を十分発揮することはできないだろう。ほかの省庁に比べて一・五倍とか二倍近くのような、そういう仕事をしなければいけないということを考えていきますと、やはり定員の関係についてもしっかりとこれは対応していかなきゃいけないんではないか。  そういった意味では私は、環境大臣の役割というのはこういうところでも非常に大きいと、そう思っておりまして、何とか平成二十二年度予算については従来と違う格段の結果が得れるように、最大限努力していただきたいと思います。私も環境省の応援団の一人でありますので、そういった面を含めて頑張ってまいりたいと思っておりますが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  62. 斉藤鉄夫

    国務大臣斉藤鉄夫君) ありがとうございます。頑張りますという答えしかないわけでございますが、環境省の仕事を見てみますと、もちろん自然共生また循環型社会ということで直接事業もしているんですけれども、基本的には環境という切り口で各省庁の仕事の調整ということも非常に大きな役割です。  ところが、今、文明史論的な大転換期にあります。新しい、これまでのある意味では金融資本主義的な行き方から環境という、我々の命や生活ということ、そして幸せということは何かということを考えてこれからの社会を築いていこうという中で、中心的な理念を提案すべき切り口が環境だと思っておりまして、そういう面では国民の皆様の理解をいただきながら頑張っていかなきゃいけないと思っております。  ただ、組織を大きくすればいい、林野庁も一緒に入れて、厚生労働省や経済産業省や国土交通省の中で関係する分野も一緒の組織にしてというものでもないと思っておりまして、いわゆる理念を発信する官庁としての在り方、そしてそこが力を付けていくことの方向性ということをこれからしっかり頑張っていきたいと思っております。
  63. 加藤修一

    加藤修一君 理念を発するだけの官庁じゃないと思うんですね。私は、実効性を上げると、CO2の排出削減に向けてどれだけ頑張って結果が出てきたかということは非常に大事なわけでありまして、先ほどの図なんかを見ますと、本当に政府全体として頑張っていると言うけれども、頑張った結果がこれだということになってしまいますと、これは本当に残念な思いでいっぱいであります。  私は、やはり環境省の持っている環境保全力とか環境力とか、いわゆる環境外交力ですね、そういった面についても十分発揮できるように最大限努力を傾注していただきたいと、このように思います。  それで次に、環境情報に対するとらえ方ということで、これは環境省が現在まとめていることだと思いますけれども環境情報戦略についてどういう考え方をお持ちなのか。あるいは、これに関連しまして海外の情報をいかに入手するかということも極めて重要で、とりわけフェース・ツー・フェースで取り入れる。インターネットで取り入れる情報というのはどなたにとっても共有の情報でありますので、価値としてはそれほど大きくはないと。問題は、やはり環境大臣が様々なほかの国の大臣とお会いして議論する、あるいはキーパーソンとスタッフが議論する、そういったところで得る情報が極めて重要だと私は考えておりまして、そういった意味では海外派遣スタッフ、これをどのように拡充していくかというのが極めて重要だと思っております。  環境情報戦略のかかわり、それからスタッフの関係、これについてお願いいたします。
  64. 小林光

    政府参考人(小林光君) 今、環境情報戦略についてのお尋ねでございました。環境情報戦略、現在中央環境審議会で、昨日も総合政策部会というところで御議論賜っているものでございまして、現在作成中ということでございます。大変地味な分野でございますけれども環境行政を合理的に進めていくためにはやはり環境情報の収集、そして利用が欠かせないという発想でございます。その中で幾つか問題点指摘されておりまして、こうしたところをこれから変えていきたいということの一つとして、今御指摘のとおりの海外の情報の収集が遅れている、今度返す刀でございますが、海外に対する情報の発信も遅れているということも指摘をされております。  それに対しまして、今、加藤委員指摘のとおり、いろんな情報、海外にもあるわけでございます。大別いたしますと、インターネット等々で手に入る二次データといったようなもの、そして生のデータ、それから人づての、人に関するデータといったようなことがあろうかと思いますが、今回のその環境情報戦略におきましては、まずもってすぐできる、直ちに取りかかるべき政策ということを特定してございまして、今の海外情報の収集ということになりますと、例えば、これは生データの世界になろうかと思いますけれども、国境を越えます環境汚染に関する情報、例えば日中韓のモンゴルでの黄砂関連の情報の収集、あるいはクリーンアジア・イニシアティブで整理をされておりますところの情報、こういったようなものを国際的なネットワークをつくって集めてこようというところでございまして、そういうことを手掛かりにこの情報の整備ということをしていこうと考えてございますが、今、加藤委員指摘の人のこと、これは大変重要と思いますが、現在この戦略の中で明示的に取り上げているものではございません。  海外の人のことにつきましては官房長の方から答弁をさせていただきます。
  65. 南川秀樹

    政府参考人(南川秀樹君) 海外の派遣でございます。環境省職員、現在、海外の国際機関あるいは外務省を通じて大使館に勤務しておる者、職員は十九名でございます。この四月からようやくデリーの在インド大使館にも人を派遣することができます。  私ども、現地にスタッフを置くことが生の情報収集あるいは生きたプロジェクトの発掘に結び付くと考えております。今後とも充実を図ってまいりたいと思います。
  66. 加藤修一

    加藤修一君 環境情報戦略の中身の一つに、課題として、一枚目に書いてあるんですけれども、海外の情報の収集が遅れているというふうに書いてあるんですね。ここに書いてあるやつは大体後ろの方にあるわけなんですけれども、詳しく、これについては海外の情報の収集が遅れているということに対してどういうふうに戦略性を、方向付けを示すかということについては具体的に何も書かれていないんですね。ここは非常に私は大事だと思っています、先ほどの関係になるわけですけれども。  国際協力ネットワークの強化、構築というのがありますけれども、これは人工衛星等々を使っての情報収集でありまして、要するに今官房長から話がありましたそういう人を通しての情報収集ということについての点もまるっきりこの中には入っていない。そういうことを含めてやっぱりもっと検討していただきたいなと思いますけれども、どうですか。
  67. 小林光

    政府参考人(小林光君) 今御指摘のとおりでございまして、現在の案文におきましては、御指摘のありました今後すぐ取りかかる施策の七番目というところで、国際協力ネットワークを強化して環境情報の収集、整理、提供をしようという部分ございます。人工衛星のデータもそうでございますし、私、先ほど答弁させていただきました国境を越える越境汚染のデータといったようなことについてもそこに書いてございます。  ただ、今お話ありましたように、海外の人から直接ちょうだいできる行政の情報等々も大変重要なことだと思います。現在、この情報戦略策定中でございますので、また担当の人、この専門家の方々つくっていただいているところでございますので、今委員の御指摘もフィードバックさせていただきまして、改良すべきは改良していきたいというふうに考えてございます。御指摘ありがとうございました。
  68. 加藤修一

    加藤修一君 配付資料に二十一世紀環境立国戦略というのがあるんですけれども、これはこれで非常に立派な戦略だと私は思っております。あるいは今言った情報の関係の戦略もそうでありますけれども。問題は、次の段階でPDCAということになってくる話でありますけれども、この次の段階がどうも具体的につながっていないというのが非常に残念なところだと私は思っております。だから、いかに次につなげいていくか、こういう策定したということだけじゃなくて、もっと具体的に次の段階にどう取り組んでいくかということが非常に大事だと思っておりますので、そういった面も含めてよろしくお願いしたいと思います。  今日は諸般の事情で質問をここで終わります。
  69. 市田忠義

    ○市田忠義君 今日は、安定型処分場と産廃特措法の問題についてお聞きします。  この間、千葉県の富津市や茨城県水戸市の安定型処分場建設等差止め請求のように、最高裁や地裁で建設の差止めが認められるなど、今、安定型処分場の在り方が厳しく問われています。  まず、この問題について、大臣の基本的認識を簡潔にお述べいただけないでしょうか。
  70. 斉藤鉄夫

    国務大臣斉藤鉄夫君) 安定型最終処分場につきましては、御指摘の裁判での判決において、埋立処分が認められている安定型産業廃棄物にそれ以外の産業廃棄物が混入することが避けられないとの指摘がなされたものと認識しておりまして、安定型最終処分場における搬入管理の強化などの対策が必要であると考えております。
  71. 市田忠義

    ○市田忠義君 安定型処分場で実際にどういうことが起こっているかということについて具体的にお聞きしていきたいと思います。宮城県の村田町竹の内地区の産業廃棄物最終処分場の問題について具体的にお聞きいたします。  ここは一九九〇年十二月に最終処分を開始して、翌十一月には住民から県に苦情が寄せられました。その後も悪臭の苦情が頻発するなど立て続けに問題を起こして、二〇〇一年の七月、仙台地方裁判所から焼却炉操業停止の仮処分決定が下されました。この決定文の中で、悪臭によって周辺住民がどのような被害を被っているというふうに記述されているか、お述べください。
  72. 谷津龍太郎

    政府参考人谷津龍太郎君) お答え申し上げます。  本件処分場周辺では、平成六年ころから異臭ないし悪臭が感じられるようになっていたが、平成九年ころになると、本件処分場周辺の多数の住民が悪臭による生活被害を訴えるようになったとの部分がございます。また、本件処分場から約三百メートルのところにある中学校では、学校が保護者及び生徒に対し硫化水素についての注意を呼びかける事態に至っているという表現もございます。
  73. 市田忠義

    ○市田忠義君 この仮処分申請で提出された陳述書を読んでみますと、頭痛、目まい、呼吸困難、あるいはのどが痛いなどのつらい症状の訴え、あるいは悪臭に我慢できないで転居を考えていると、そういう苦しい思いがつづられています。二〇〇一年九月には周辺住民の健康調査も行われました。その結果が報告されていますが、例えば、産廃施設から六百メートル以内では頭痛を訴えた人が半数に上ると、こういう健康被害が明らかになりました。  そこでお聞きしますが、この処分場で観測された硫化水素の最も高い数値は幾らでしょうか。
  74. 谷津龍太郎

    政府参考人谷津龍太郎君) 平成十七年五月に取りまとめられました宮城県の村田町竹の内地区産業廃棄物最終処分場総合対策検討委員会の報告書によりますと、宮城県は、平成十三年八月以降、処分場のガス抜き管において発生するガスなどを採取し、分析を行ったとされております。その結果、平成十三年六月に二一〇〇〇ppm、同年七月に二八〇〇〇ppmの硫化水素が観測されたと報告をされております。また、同じく同報告書によれば、その後、硫化水素濃度は低減する傾向にあり、ガス抜き管における活性炭吸着などによります無害化処理前の硫化水素は〇・三から八〇ppm前後であり、無害化処理後は〇ppmであることが確認されたという記述も宮城県の報告書に盛り込まれておりまして、二八〇〇〇ppmという高濃度はその当時の濃度であり、その後は確実に硫化水素濃度が下がっているというふうに認識しております。
  75. 市田忠義

    ○市田忠義君 聞いていることだけに答えていただいたらいいんです。最高の値は幾らだったかと聞いたんです。あなたは下がっている下がっているということが言いたいんでしょうけれども、聞いていることだけにお答えください。  じゃ、お聞きしますが、硫化水素の人体への影響の目安について、この仮処分決定、どう述べていますか。
  76. 谷津龍太郎

    政府参考人谷津龍太郎君) 決定文、その当該箇所でございます。  硫化水素は〇・〇五ppmで人が感知し、五〇〇ppmを吸引すると死に至る場合もあり、一〇〇〇ないし二〇〇〇ppm吸引すると数分間で死亡する毒性を有するとされているという記述がございます。
  77. 市田忠義

    ○市田忠義君 最近下がったとおっしゃいましたけれども、今説明を聞くと、最高の数値で二八〇〇〇ppmという恐るべき数値であります。しかも、中学校が三百メートル、小学校が五百メートル以内に位置して、民家や耕作地が隣接していると。  こんなに高い濃度の硫化水素が発生して周辺住民への健康被害を起こしているわけですけれども、この処分場が驚くべきことに安定型処分場なんです。元々、安定五品目以外は入れないわけですから、メタンガスやこんなに高い濃度の硫化水素が発生するはずが本来ないわけであります。  どうして安定型処分場でこういうことが起こったとお考えなんでしょう。
  78. 谷津龍太郎

    政府参考人谷津龍太郎君) まず、この安定型五品目以外のものが処分された廃棄物の中に混入していたということが原因であると考えられます。この処分場から硫化水素が発生しているということを考えますと、可能性としては、廃石こうボードが混入をした廃棄物が埋め立てられたのではないかというふうに推察されます。
  79. 市田忠義

    ○市田忠義君 おっしゃったとおりだと思うんですけれども、安定型処分場といいながらそういう事態が生じていると。  支障除去実施計画書にはどのように記されているか。例えば、許可容量及び許可区域を超えた埋立てが行われたこと、また許可外、いわゆる安定型以外ですけれども、の廃棄物の埋立処分が行われたこと等によりとはっきり書かれているわけであります。  お聞きしたいんですが、ここで指摘されている硫化水素の発生、拡散の原因である許可外の廃棄物、許可容量、許可区域を超えた埋立ての違法部分はきちんと撤去されたんでしょうか。
  80. 谷津龍太郎

    政府参考人谷津龍太郎君) 宮城県が現在取り組んでおります事業でございますけれども、まず、硫化水素の更なる発生を抑制するために……
  81. 市田忠義

    ○市田忠義君 聞いているのは撤去したかどうかだけ。
  82. 谷津龍太郎

    政府参考人谷津龍太郎君) 撤去はなされておりません。雨水が浸透することを防ぐための措置が今講じられつつございます。
  83. 市田忠義

    ○市田忠義君 いろいろ言われたけれども、撤去されていないということははっきりしているわけであります。  これは大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、この間の最高裁、地裁の判決では、安定五品目だけに分けることそのものが不可能に近いと、こういう厳しい指摘がされています。日弁連は、これよりさかのぼって二〇〇七年に環境省に対し、安定型処分場の類型廃止を求める意見書を提出をしています。この間の判決や、この竹の内で周辺住民に及ぼした健康被害環境破壊の実態を真摯に受け止めるならば、安定型処分場の在り方を抜本的に見直すべきだと思いますが、いかがでしょう。大臣認識を聞いております。
  84. 斉藤鉄夫

    国務大臣斉藤鉄夫君) 現在、安定型産業廃棄物を埋め立てる方法としてこの埋立処分、認められております。したがって、搬入管理の強化などの対策が必要だろうというふうに考えておりますが、今、市田委員指摘のような問題点もあり、裁判の結果もあり、環境省では、昨年十一月に学識者で構成される検討会を設置いたしまして、安定型最終処分場の在り方について検討を行っているところでございます。  今後、取りまとめられる検討結果を踏まえて、安定型最終処分場の適正化のために必要な措置を講じていきたいと思っております。
  85. 市田忠義

    ○市田忠義君 二度とこういうことが起きないように、小手先の手直しじゃなくて抜本的な見直しが必要だということを指摘しておきたいと思います。  例に挙げました竹の内最終処分場では、許可量の三倍もの廃棄物、許可区域を越えた埋立てが行われて、許可外の廃棄物の埋立処分も行われていました。度重なる周辺住民の切実な訴えを受けても県が必要な対策を取らなかった、したがってますます深刻になりました。  村田町といいますのは、宮城県選出の議員もおられますのでそちらの方がお詳しいと思いますが、蔵王を仰ぎ見る日本の原風景のようなところでして、ついの住みかとしてこの地を選び、ここに移り住んできた方もいらっしゃいます。それなのに、臭気で気持ちが悪くなって夜中に目を覚ます、そういう深刻な被害が発生していますし、孫が生まれて、処分場の影響を考えるとこれ以上住めないと引っ越しされた方も現にいらっしゃいます。地域の皆さんの願いは、文字どおり地域の皆さんには何の責任もないわけで、安心して孫子の代まで住み続けることができる環境を返してほしいと、ごく当たり前の、当然の私願いだと思います。  産廃特措法に基づく支障除去実施計画書では、宮城県環境審議会の意見として次のようなことが書かれています。地域住民説明し、理解を得て実施すること、地域住民に安心を与えるよう配慮すること、この条件を付して同意をしているわけですが、この条件はきちんと遵守されているのか。具体的に、二〇〇六年十一月二十七日の住民説明会で知事が行った説明は地元住民の理解を得ることができたのかどうか。簡潔にお答えください。
  86. 谷津龍太郎

    政府参考人谷津龍太郎君) 産廃特措法に基づく実施計画を都道府県が策定する際には、この法律に基づく基本方針に即して準備を進める必要があるわけでございます。その中で、住民等との関係部分でございますけれども、関係市町村及び住民に対し、その事業内容等について十分な理解を求めていくことが必要であり、例えば、事業計画の策定段階において、事業の内容、処理方法、周辺の環境対策等について関係市町村や住民に対する十分な説明と意見聴取を行うこととされております。  これを受けまして、先生御指摘の二〇〇六年の十一月二十七日に宮城県が、知事も御出席されたと認識しておりますけれども、開催いたしました地元説明会において、宮城県知事が、村田町のこの事案に関する支障除去対策として、県の考える対策案についての理解を求めたわけでございます。その会の締めくくりに当たりまして、村田町長の意見が求められたと聞いております。その際、町長は、町の公的機関である環境審議会等の御意見をいただくことも必要との認識などから、若干の時間が欲しいというお答えをされたと聞いております。  その後、村田町は、県からこの支障除去対策の協議に対して県へ回答するに当たりまして、町の環境審議会からの答申、あるいは町が設置して住民代表の参加も得られた村田町の竹の内産廃処分場再生検討委員会からの報告を受けて、町議会との協議も経て、県の支障除去対策を同意する旨の結論を下し、平成十九年一月十二日付けで県に回答したと聞いております。  特に多数の地元住民代表もメンバーとなっているこの再生検討委員会では、当該検討委員会の報告書として県の示した対策を早急に進める必要がある旨の結論が得られるとともに、当該報告書において示された協定書案をベースにこの委員会委員長を立会人として、県、町との間で同処分場支障除去対策に係る協定書も策定をされたと聞いております。  こうしたことから、環境省としては、本件事案に係る県の対策について地元の理解を得られたと認識しております。
  87. 市田忠義

    ○市田忠義君 あなたね、答弁長過ぎるんですよ。地元住民の納得を得られたのかと聞いたら、そのことについてお答えになったらいいので、それ以外のこと長々長々としゃべって、そういう姿勢だからこういう問題が解決しないんですよ。大したことない、あとは納得したと、違いますよ。  地元の新聞を紹介しましょうか。こう書いていますよ。地元の意見、大半の住民の意見は、不法投棄された産廃の全量撤去や無害化処理という抜本的対策を願うのに対して、封じ込め政策。地元住民からは反対意見が噴出し、約一時間の協議は平行線をたどったと。村井知事は最後に、同席した地元の佐藤町長に、議論を続ければ更に対策が遅れる、町長には一歩前に進む決断をと迫ったと。こう書いてあるんです、結論として。県に従うか背くかの二者択一を強いるような言動は、住民に強権的イメージを残したように感じたと。決して住民は納得していないんですよ。この言い方は、私、一種の、住民からとったら恫喝だと思うんですよ。  こう言っているんですよ。知事は冒頭のあいさつで、県の対策工法をやっていいという結論に至らなければ、この工事は国から特措法の認定を受けることができないと。そんなことを言われたら物を言えないですよ。こう言って、県の方針に従うのか背を向けるのかと、文字どおり二者択一の迫り方をやって恫喝したら、不承不承だけれども、そのやり方には非常に不満足だけど、やむを得ず従わざるを得ない方向に持っていったと。  しかも、周辺住民への十分な説明というのは、産廃特措法の基本方針でも書かれていることですし、同法が審議されたときの衆参の附帯決議でも確認されていることなんです。実際には、この産廃特措法期限に縛られて、認定を盾に県の対策工法である封じ込めを押し付けると。  大臣、こういう有無を言わさないようなやり方というのは、やっぱり法の精神からいっても、もちろん一〇〇%住民が納得できない場合もあるでしょう、しかしこれほど不満が多いものについて、最終的には同意を得たと先ほど答弁されたけれども、こういう一種の恫喝的な、脅し的な、このやり方以外認めなかったら駄目なんだというふうなやり方は、きちんとした説明という範疇には私は入らないと思うんですよ。大臣、いかがですか。
  88. 斉藤鉄夫

    国務大臣斉藤鉄夫君) この問題につきましては、先ほど廃リ部長から答弁申し上げましたとおり、村田町は町議会との協議も経て、県の支障除去対策を同意する旨の結論を下したと、このように聞いております。町、県、国、住民の皆様の御理解を得られるようにしっかりと連携して努力をしていきたいと思っております。
  89. 市田忠義

    ○市田忠義君 私、この問題でこの間何回か、例えばフェロシルトの問題だとか福岡の筑紫野の問題などについても質問し追及をしてまいりました。  竹の内産廃処分場の問題で、県の責任は私、明確だと思うんです。これは県知事は陳謝していました。しかし、環境省も人ごとではないと思うんですよ。行政処分の指針の不徹底を始め、該当自治体への指導監督がやっぱり十分でなかったという国の責任の自覚がなければ、その後うまくやっているというような言い方では本当に住民は納得しないということを言っておきたいと思うんです。  現地は支障除去対策工事第一期終了を迎えているわけですけれども、今年ですよ、あの数値高かった昔の話だと先ほどおっしゃったけれども、今年二月二十四日付けで、村田町の町長、寄井地区の行政区長、竹の内産廃処分場からいのちと環境を守る会代表、竹の内水田埋立組合代表の連名で県知事あてに要望書を出しています。それを読みますと、モニタリング関係、支障除去対策工事関係、今後の計画などについて求めて、特に、焼却灰の撤去、違法部分の大量廃棄物の撤去など、いわゆる封じ込めするがゆえに起こった問題が浮き彫りになっています。  私は、こうなっている背景には、国の産廃特措法の適用期限である二〇一二年度末までに支障除去対策工事が終了しなかったら駄目だという対策工法の制約、国の関係予算が貧弱だということが私は背景に横たわっているというふうに思うんです。これは、さきに確認した知事の、ちょっと言葉はきついかもしれませんが、恫喝的な発言でも明らかだと思うんです。  私はお聞きしたいんですが、竹の内産廃処分場問題で今述べた二月二十四日に地元関係者一同から知事あてに提出された要望書、これは環境省、お読みになっていますか。
  90. 谷津龍太郎

    政府参考人谷津龍太郎君) 今の時点では私としては確認をしておりません。早急に確認をしたいと考えております。
  91. 市田忠義

    ○市田忠義君 やっぱりこの問題の重要性を感ずるなら、私だって手に入っているわけだから、環境省はこういう要望書ぐらい、二月二十四日ですよ。しかも、地元の町長、寄井地区の行政区長その他、言わばその地域を代表するほとんどの人の連名で、具体的にこういうことをやってほしいと。それはやっぱり読んで、対策講じるというのが私、環境省の任務だと。大臣、どうです。大臣、お読みになっています。大至急お読みいただきたいと思います。どうですか。
  92. 斉藤鉄夫

    国務大臣斉藤鉄夫君) 私まだ読んでおりませんが、今取り寄せるということですので、読んでみたいと思います。
  93. 市田忠義

    ○市田忠義君 本当に至極当然の最小限の要求がここには書かれていまして、本当にそこに、時間がないので一々項目をここで私は読み上げることはいたしませんが、是非正面から受け止めて住民の願いにこたえていただくことを強く要望しておきたいと思うんですが。  そういうことから考えても、これは竹の内処分場だけじゃなくて、このほかにも大量に残されている産廃の支障除去対策、これは予算期限で縛られることがないように、関係予算を大幅に増やしてでも、そして同法の期限を延長してでも、衆議院の答弁で斉藤大臣は、今まで努力しているところもあるのでむやみやたらと期限を延ばすわけにはいかないとおっしゃっているけれども、この期限がやっぱり制約になって中途半端な対策に終わるということもあるわけですから、こういう実態、これからお読みいただく地元の要望書なんかも踏まえて、予算の面、期限の面でやっぱり前向きの検討を是非やっていただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょう。
  94. 斉藤鉄夫

    国務大臣斉藤鉄夫君) 期限の問題につきましては、先ほど、今、市田委員からありましたように、衆議院でも問われました。  期限というもの、これは各地方自治体、皆さん承知をされて、ある意味ではイコールフッティングの立場で努力をされてこられたものでございますので、今の時点で安易に、間に合いそうもないところもありますから、じゃ延ばしますとは私この場でお答えできませんけれども、モラルハザードを起こすようなことがあってはいけないと、このように思っております。
  95. 市田忠義

    ○市田忠義君 時間が来たので終わりますが、モラルハザードじゃないと思うんですよね。安易どころか、やっぱりこれだけ重大な事態が起こっていて、しかも、繰り返して失礼ですけど、こういう要望書すらお読みになっていないというふうな環境省の姿勢では、やっぱり僕は問題の解決にはならないということを指摘して、終わります。
  96. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 改革クラブの荒井です。  私は、今回の景気対策というような観点からいっても、バランスのいい景気対策で実効性を上げる、ほかの分野にゆめゆめしわ寄せを与えてはならないと、こういった配慮に基づく、グリーン、緑の景気・雇用対策が必要だろうと、このように思っております。  そこで、冒頭、国交省さん等にかかわるところでお尋ねをさせていただきたいと思います。  いわゆる高速道路のETC、千円になる、ここのところですね。私は、一定のこれは評価はいたしておりますが、では、地球に与える負荷、CO2の排出量という観点からどうなのかというところからお尋ねをさせていただきたいと思いますが。今回のETCを千円にする、ETCを持っている人のみなんですけどね。ここは問題点があります。ETC付けるというと、皆さん、クレジットもう一回組み直しなんですよ。いろいろなことでこれ私は問題があると思って、様々な電子マネーを使える道を開いて、大勢の人が乗れるようにしたらいいと、こう言っているわけです。  ETC、この千円というのは、環境省さん、CO2排出量から見ると、これは多くなっているんでしょうか、少なくなっているんでしょうか。この政策としてはどうなんでしょう。
  97. 寺田達志

    政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。  一般的に、高速道路の料金引下げの二酸化炭素排出への影響につきましては、新たな自動車利用の需要が喚起されまして排出増につながるという面もありますけれども、一方で、一般道の渋滞を緩和させるということで排出削減につながる側面もございます。  また、今般の高速道路料金の引下げにつきましては、休日の上限一千円とする割引のほかに、平日の三割引き以上の割引も導入されるということでございますけれども、前者、すなわち休日につきましては、主に需要の喚起を目的とする一方で、後者、すなわち平日につきましては、主に一般道から高速道路への利用転換を促進するものというふうに考えております。  国土交通省による今回の料金値下げに伴う二酸化炭素排出量の試算では、全体として需要の喚起による増加量は高速道路からの利用転換による減少量を上回らないと考えているというふうに聞いております。
  98. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 では、これは国交省の方がいいでしょうか、環境省がいいでしょうかね。こうして先ほどのように内需拡大を含めて観光振興、こういったために休日やるわけですね。こういったことを世界はどのように見ているとお考えですか。環境省さんでいきますか。じゃ、国交省さん。
  99. 廣瀬輝

    政府参考人(廣瀬輝君) お答えいたします。  私どもの今回の料金引下げ、委員指摘のような上限千円のほか、いろいろ曜日や時間帯ごとに割引率を設定いたしております。これは、道路の交通事情であるとかあるいは政策課題に対応した目的を持っているものでございます。  こうした高速道路の料金に着目いたしました交通誘導につきましては、我が国が先駆的な取組を行っていると、このように考えております。引下げ後の交通状況を検証し、効果的に運用するとともに、国際会議など様々な場でその効果について御説明してまいりたいと、このように考えております。
  100. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 専ら国交省さんですから交通事情ということでの今御説明だと思うんですね。もう一つは政策要請ということで、今回のいわゆる内需拡大、観光振興、こういったことで千円というものが出てきたわけです。こういうことを環境としてとらまえるならば、私はもうちょっと違う判断というのがあるだろう、評価というのがあるだろうと思います。  それはどういうことかと申しますと、まず国交省さんにお尋ねしますが、いわゆる交通事情という分野でないとすれば、政策上のいわゆる内需拡大、観光振興、こういった今度の景気対策的な意味でいうならば、例えば政府が補てんして鉄道の割引をする。もちろん民間会社ですよ、鉄道は。しかしこれ、公共交通。乗ったらその領収書をもらっておいて、まあ領収書大変だという人いるかもしれませんが、きちんとこれを控除対象にする、そういう形で、鉄道を利用するという形でのCO2の排出量削減と、こういうものを考えたことはなかったんでしょうか。あるいは、そういうやり方もまた交通事情、この混雑緩和、物の運び、いろんな意味で見直されてきているんですね。  交通事情といっても非常に幅広い観点でとらえられるんですが、CO2の排出量が削減されるという例えば鉄道の様々な工夫における利用者の増大のための割引とか控除とか補てんをすると、こういったことを考えたことはございませんか。
  101. 久保成人

    政府参考人(久保成人君) お答えいたします。  先生御指摘のように、鉄道というのは自家用車と比較しますと環境に対する負荷が十分の一と、こう言われておりまして、環境に優しい交通機関であると、まさしく地球温暖化対策等においても鉄道の果たす役割は大きいものと私ども認識しています。  ただ、直接的に鉄道の運賃を引下げというのは、これは市場原理の下で事業者の自主的な経営を通して競争しながらサービス提供をするという形で、国がそこに対して直接支援をして引換えに運賃を引き下げると、こういう制度にはなっていないということでございますので、現在のところは各鉄道事業者さんの創意工夫によって、今回も、例えばこの三月から新幹線の「こだま」の指定席往復切符などいろんな企画の割引乗車券を実施して利用促進を願っていると、こういうことでございます。  私どもとしましては、施設整備に対するその補助制度だとか税制等で、これは支援は今までも実施しておりますけれども、その充実に努めて、鉄道が利用されやすい、利用促進に努めていくということも今後とも続けたいと思っています。
  102. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 ちょっと私の聞き方が悪かったんで、お尋ねは、更問いはしませんが、いわゆる割引というのは民間ですからできないですが、これは大臣にも環境省の皆さんにもお聞き届けいただきたいんですが、政策要請でやる場合に鉄道を使わない手はないです、観光振興、内需拡大にしても。そのときに、公共交通について、この場合は鉄道を言っていますが、利用者の負担を軽減する策というのは幾つもあるわけです、さっきも申し上げましたように。そういったものを合わせ技でバランスよく私はやっていくべきだったと。それが、先ほど加藤委員からもありましたけれども、いわゆる事業型ということばかりが、私は加藤先生に賛同するものではありますが、極めて、斉藤大臣の下で、私は哲学型あるいは生き方、そういうものをやっぱり広める省であってほしいんですね、閣内にとって。そういうものを私は求めたいと思いますので、どうぞ御検討をいただきたいと思います。  それからもう一つ国交省さんに、その立場で私が言うならこういうことなんです。低排出車について千円というのはあり得るんですよ。高速道路乗るときに、いわゆるグリーン購入の対象になったものについて安くする。例えばいろいろな誘導策というのはあるんです。ですから非常に、ここも環境省さん、国交省さんに申し上げたいと思うんですが、それも先ほどからお話があったように、タスクフォースとしてうまく機能していないんじゃないかというところなんですね。極めて総合で、省内で、いわゆる政府全体で地球温暖化対策推進本部というのがある、タスクフォースを持っている。持っているなら、そこでどうしてバランスのいい、そしてまた、強力な前進するような方策あるいはそういう選択肢というのを提示できないか。  これが私、若干ですけれども、今回の補正予算から本予算、そして恐らく追加ということになったときに、こういったところの観点が抜けていると、実は予算の無駄遣いであったり、実はCO2をむしろどこかで排出するということになりかねない、定着していかない、そういうことにもなると思いますので、あえてこういったところを指摘をさせていただいた次第でございます。  続きまして、外務省さんにお話をさせていただきたいと思います。  これは太陽光発電についてです。ODAで太陽光パネルを設置してくださいと、こういうような御要望が各国から出て、やった事例というものを御紹介ください。
  103. 小田克起

    政府参考人(小田克起君) ODAを活用いたしまして途上国による太陽光パネルの導入支援しました実績でございます。これは過去五年間、平成十六年度から今年度二十年度まででございますが、無償資金協力で八件、それから円借款で一件の実績でございます。
  104. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 今後の取組といいますか、この太陽光発電についてはどのように外務省としては考えていますか。
  105. 小田克起

    政府参考人(小田克起君) 外務省といたしましては、ODA分野におきまして、途上国によるクリーンエネルギーの利用促進など、気候変動対策は非常に重要だというふうに考えており、昨年、クールアースパートナーシップを公表しております。  今後とも、太陽光パネルを用いた途上国支援につきましては、供与した機材が適切に維持管理されるように配慮しながら積極的に拡充していきたいと、このように考えております。
  106. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 太陽光パネルは電気を起こしますと、あれは直流なんだそうです。ですから、一回交流に変えるということが必要になってまいります。  この間、ある国の州知事が、大臣、私のところにたまたま参りまして、太陽光発電などもやりたいけれども、今度は是非、そういう支援もそうですが、直流の冷蔵庫とかがあるとうんといいんだと、こういうようなお話もあって、なかなか太陽光発電というのも、お国柄あるいは使い勝手、メンテナンス、先ほどありましたけれども、いろいろ課題はあるなと思っておりますが、その中でも、世界的にやはりどんどんこういった部分への切替え、途上国はなかなか難しいと思います、まず電気需要を満たすということですから。しかし、そういう中にも我が国の哲学を入れて支援をしていただきたいと、このように思っている次第でございます。  そこで、環境大臣も経済産業大臣も口をそろえておっしゃるのが、世界の太陽光発電ナンバーワンを奪回する、ナンバーワンになると、こういうことなんですけれども、いま一度原点に返らせていただきたいと思うんです。  この飛躍的に省エネとか、飛躍的な新エネ、対策をする、拡大をさせていく、定着させる、そのねらいといいますか、考えの根本は何なのでしょうか。まず、経済産業省にお尋ねします。
  107. 羽藤秀雄

    政府参考人(羽藤秀雄君) お答えを申し上げます。  省エネルギーあるいは新エネルギー対策の充実という観点、これが地球温暖化対策、それからエネルギーセキュリティーといった、こういう点から非常に重要であるということに加えまして、エネルギー政策にとどまらず、地域経済の活性化あるいは雇用の創出の効果、こういった産業政策の観点からも重要であると、そのように認識をしております。  とりわけ、現下、厳しい経済情勢の下でございますので、我が国が高い技術力を持っております省エネルギー、新エネルギーの技術、これを海外も含めて戦略的に活用していくということによって、エネルギー環境問題の克服と経済の活性化、この課題を同時に実現するという、こういった視点が非常に重要であると、そういう観点から経済産業省としては全力で取り組んでおるところでございます。
  108. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 すごく分かるようになってまいりました。  副大臣、いかがでございますか。
  109. 吉野正芳

    ○副大臣(吉野正芳君) ドイツに抜かれて、日本は世界一だったんですけれども、世界一の座を降りる羽目になりました。ですから、太陽光パネル世界一奪還という、そういうのが前面にちょっと私は出過ぎていると思います。  目的は、斉藤大臣が提唱しております緑の経済と社会の変革です。社会の変革、省エネ、新エネ、これで次なる世代を、低炭素社会をつくる上で社会がどう変わっていくか、そこにやっぱり主眼がございまして、そういう意味で、私たち環境省は、人間の生き方を変える、価値観を変える、こういう意味での省エネ、新エネという形で、そのシンボルとして太陽光というものを位置付けているところでございます。
  110. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 全く本当に感服して聞いておるわけです。  副大臣のお話、そのとおりですが、今日は本会議があるということで、我々もCO2削減ばかりじゃなくて質問時間削減ということで協力をしておりますので、今日は総務省、文科省さんにも来ていただいておりましたけれども大臣に締めくくりでお尋ねさせていただきたいんですが、今の発言も含めまして、改めて、大臣がおっしゃる緑の経済と社会の変革ということ、これについてのお考えと、それらをどのような形で今後まとめていくのか、そうした少しロードマップ的なものもお聞かせいただいて、私の質問とさせていただきたいと思います。
  111. 斉藤鉄夫

    国務大臣斉藤鉄夫君) 今、吉野副大臣から答弁申し上げたとおりでございまして、まさに我々は太陽の恵みで生きているという基本的なことを認識するためにも非常に重要な施策ではないかと思っております。  緑の経済と社会の変革の中身ですけれども、緑の社会資本、これは、学校を始めとする公的施設への太陽光発電パネルの設置等でございます。また、環境に配慮した交通インフラの整備。それから、緑の消費、同じものを買うのにも環境配慮製品を買おうという方向に持っていくための消費の在り方。それから、緑の投資、お金を投資するのも我々が目指すべき社会をつくるためにお金を投資しよう、そういうインフラをつくる。また、緑の技術開発、技術革新、それからアジアとともに成長する、緑のアジアへの貢献といった内容を盛り込んで、これからの日本の社会の在り方というものを提言すると同時にそこから雇用と需要を生み出していく、そういう力あるものをまとめ上げられればと、このように考えております。
  112. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 それでは、そういう方向で是非、四月二日ですか、G20もあるわけです。もうだあっと景気景気ということで、これは一番重要です。雇用も重要です。世界経済の安定、これ重要ですが、それをやっていることによってまた例えば地球に負荷を掛けるようなこと、これをどう抑えつつ達成するかという一番の試金石になっているので、是非G20の前に大臣の方からも総理にまたお会いいただきまして、そういう機会があると思いますが、是非、その辺のきちんとしたバランスを取った対応をしてこそ初めて持続可能な経済成長、そしてその成長も豊かさという意味で、ただ単に量が増えるというだけではなくて、伸びていくんだという考え方に立った我が国の哲学を発信していただきますように、その発信していただくことが日本全体の株を上げることである、日本人と日本というものの評価を上げることになる、そういうことを是非図っていただきたいとお願いして、終わります。
  113. 川田龍平

    ○川田龍平君 よろしくお願いします。  国土交通省にまずお尋ねします。  建設リサイクル法におけるアスベストについての届出の件数について教えていただきたいと思います。また、アスベストがあった場合の申告件数把握しているかどうかということについてお願いいたします。
  114. 内田要

    政府参考人(内田要君) お答え申し上げます。  ただいまリサイクル法の事前届出についてのお尋ねがございました。御案内のように、建設リサイクル法では、解体工事等の着手前に都道府県知事に対して届出を行うこととなっております。  平成十九年度の届出件数でございますが、全体で約二十六万件というようになっておるところでございます。しかし、御案内のように、何分この法律は建設資材のリサイクル促進を主目的としておるわけでございますので、全届出のうち吹き付けアスベストを含む工事の件数については、現在のところ集計を行うという仕組みは取っておらないところでございます。  以上でございます。
  115. 川田龍平

    ○川田龍平君 それでは環境省お尋ねいたします。  大気汚染防止法に基づく昨年の十九年度、この石綿の含まれる解体工事というのは届出が何件ありましたでしょうか。
  116. 白石順一

    政府参考人(白石順一君) ただいま委員指摘のように、大気汚染防止法では、吹き付け石綿の除去する等の工事を行う場合届け出るという仕組みでございます。平成十九年度の大気汚染防止施行状況調査におきまして、法律的な表現でございますが、特定粉じん等排出作業の実施件数一万四千七百三十五件でございます。そのうち解体作業に係る件数は二千四百九十七件でございます。
  117. 川田龍平

    ○川田龍平君 建設リサイクル法による解体工事の件数が十九年度二十六万件、そして労働安全衛生法第八十八条に基づく吹き付け石綿除去作業に係る計画届出件数七千六百件となっておりまして、この大気汚染防止法による解体作業の届出件数というのは、先ほどおっしゃったように、二千四百九十七、それから一万四千七百三十五という数字があるんですが、これで非常に数字が離れていて、環境省がこういった大気汚染防止法だけで、届出義務ということだけで十分な指導ができるのかどうかということで、環境省、これをどのように監督していくのかということをお知らせください。
  118. 白石順一

    政府参考人(白石順一君) 大気汚染防止法、外に排出することがないようにということの法律体系でございますので、その数字ということであれば、今私どもが申し上げましたような数字であろうかというふうに考えております。  ただ、いろいろそのためには事前調査等々を行っていただかなければいけない等々、仕組みございます。これについては、法律、仕組みはこうであるけれども、実際上そういうふうにいかないようなケースがあるのではないかという指摘はいろいろ新聞報道等でございますので、環境省といたしましては、そういう漏れがないようにということはこういう仕組みですということの啓発等々も含めまして、今後とも更にやっていかなければならないと考えております。
  119. 川田龍平

    ○川田龍平君 この問題というのは公の、公立の学校の解体工事の場合に、自治体が発注者になって、自治体がそのチェックもすると。両方自治体が兼ねているときに、自治体のチェック機能が機能しないということが起きまして、地域住民の方がこの解体工事の現場でアスベスト飛散が起きているかもしれないということで調査に是非入ってほしいということが自分のところにも来たんですけれども、そのときには県から工事の現場に入ることができないということで断られてしまって、事前の調査というのがアスベストがないということにされてしまうと、これが結局、飛散対策が取られるということもその後ないということになってしまいます。  そうすると、周辺の住民、特に子供たちの工事現場からの石綿の粉じんを浴びてしまう状況などが、これは絶対に避けなければいけないことだと思うんですが、今ある制度の、既存の制度を活用した取組というのが必要だと思っています。具体的には、総量的に把握している数字を、やはり省庁間の、縦割りで抜け落ちてしまうんではなくって、すき間になってしまうんではなくって、総量として国として省庁間のやっぱりこの数字をしっかり把握していただくということを是非やっていただきたいと思うんですが、このことについて、環境省、いかがですか。
  120. 白石順一

    政府参考人(白石順一君) おっしゃられますように、法律制度があったとしても、それがきちんと施行されないとその法の目的、趣旨が生かされないということは御指摘のとおりでございます。私どもといたしましては、こういうアスベストの取扱い、事前にちゃんと調査をして、ないということは責任を持ってないんだということであるということをきちんと周知徹底をさせていかなければいけないとは思っておりますし、また、いろいろな今自治体の──よろしゅうございますか。
  121. 川田龍平

    ○川田龍平君 その自治体取組について次に質問したいと思っていたんですが、二〇〇五年度に千代田区内で解体された建物で、二百六十九件中、区は築年数であったり建物の構造などから大体三十四件ぐらいがこの石綿使用の可能性が高いと、大きいというふうに見ていたんですけれども、その石綿の申告がわずかに六件しかなかったということで、区が独自に解体前の建物のアスベストの有無をチェックするという検査を行って、二〇〇七年から千代田区が始めたこの検査制度というのが、千代田区は初めて行っているんですけれども、これについて環境省はいかが考えていますか。
  122. 白石順一

    政府参考人(白石順一君) 法律の制度というものはやはりその趣旨ということがございまして、アスベストの有無についての調査、汚染者負担の原則ということを踏まえますれば、大原則は事業者の責務でございまして、事業者自らが本来行うべきであるというふうに考えております。  その上で、千代田区の要綱であったかと思いますが、の指摘ございました。こういうものというものは、そういう汚染者負担の原則にのっとりつつ補完的に一つの工夫として自治体で行われているというふうなことであろうかと思っております。原則は原則として、やっぱり事業者にまずはきちんとしてもらうということを指導することが私どもには課せられた一番の課題であると思っておりますので、その上で自治体が独自の判断で行うということについては、それはそれなりのものだというふうに評価をしております。
  123. 川田龍平

    ○川田龍平君 私は、この千代田区のようなチェックのやり方というのを是非、これは国が補助をしてでもやっぱりこういったことを助けていくべきではないかと思っています。これは是非国土交通省の方で、耐震チェックですとか建築基準法に基づいた安全のチェックというのをしていくわけですけれども、その中で、この解体工事の事前調査をしっかりできるようなやっぱり仕組みというのが必要だと思っています。  アスベストの専門家を養成したりですとか、アスベストが使われている建築物の解体で周辺に飛散しないように十分な養生を行って工事が行えるように、その外形的なやっぱりチェックの仕組みをつくるのが国の仕事だと考えていますが、国土交通政務官、いかがでしょうか。
  124. 岡田直樹

    大臣政務官(岡田直樹君) ただいまの御指摘いただきまして、検討したいと思います。
  125. 川田龍平

    ○川田龍平君 国土交通省の方で是非やっていただきたいと思っております。  それから、環境大臣にも是非そういったこと、できるかどうか、是非考えていただきたいと思いますが、じゃ、ちょっと次に行きます。  それで、このアスベスト問題については、やはり子供の健康と環境に関する全国調査をするということを環境大臣の方でおっしゃられていましたけれども、是非疫学調査の中でアスベストの暴露についても環境が子供に与える影響についての調査をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
  126. 斉藤鉄夫

    国務大臣斉藤鉄夫君) この子供のいわゆる環境化学物質との関係、子供の健康と環境の問題なんですが、主体はどちらかといいますと、環境中の化学物質が子供、胎児から含めて子供の成長、生育に与える影響という観点でとらえております。  したがいまして、解体時に出てくるアスベストがどのような影響を与えるかということについては今の時点では対象に考えておりませんけれども、そういう御意見があったということを踏まえてまた検討させていただきたいと思います。
  127. 川田龍平

    ○川田龍平君 大気汚染防止法では、石綿製品工場の敷地境界濃度基準というのが一リットル当たり十本という遵守義務がありますが、解体工事においては基準がまだありません。子供への影響は大人に対する場合とはやはり異なってきます。子供へのリスク評価及び子供の生活環境の管理をやっぱりしっかり行っていただきたいということをお願いしていきます。  それでは次に、ここまでは解体工事に伴う環境への飛散アスベスト飛散の問題についてでしたが、現在使用中の建物におけるアスベストの使用実態について、特に民間建築物のエレベーターにおけるアスベストの使用実態と対策についてお聞きしたいと思います。国土交通省、お願いします。
  128. 小川富由

    政府参考人(小川富由君) 民間建物のアスベストの使用実態でございます。  エレベーターということで殊更にということではございません。建物の中でエレベーターを使っているときに、エレベーターの内部、これは鉄骨を使うものですから、耐火性を上げるために、それまで古い建物ですとよくアスベストを使われたというようなことがございます。私ども、今民間建物についてはおおむね千平米以上の実態把握をして、見付かったものについてはアスベスト除去等の対策を講じていただいているということでございます。  今大きな課題となっておりますのは、一千平米未満の民間の建築物、これをいかに的確に把握をし、そして対策を講じていくかということが非常に大きな課題だと思っております。  私ども、今推計で二百万棟あるということでございます。この実態の建物が、どこにだれが管理しているということまで含めて分かるということは、今度は解体も含めた対応というのが非常にスムーズになるというわけでございます。その二百万棟、今どういう形で優先順位を付けて対応していこうかということで、現在、私どもの審議会のアスベスト対策部会というのがございますけれども、そこで検討していただいておりまして、その結果をいただいた上で着実に進めてまいりたいと考えております。
  129. 川田龍平

    ○川田龍平君 ここに石綿暴露作業による労災認定等事業場一覧表というのがあります。これ平成二十年の三月二十八日に公表されたものですけれども、この中に、六十六ページに及ぶこの資料の十四ページ目の二百五十一番のところに、エレベーターの製造又は保守にかかわる作業にかかわっていた人が肺がんによって亡くなったという方が労災保険法の支給の決定になっています。  これはエレベーターのシャフトの中に使われているアスベストというのも、これはエレベーターに乗っている人も、天井に換気口などがある場合もあります。ピストン運動という、狭い筒の中をエレベーターが動いていることを考えてみますと、やはり圧力が壁に掛かったり、その老朽化によって飛散する可能性というのもなくはないと。本当に住民であったり勤務先というところのエレベーターでずっと長期間低量に被曝するということになってきた場合、これは保守管理にかかわる作業員だけの問題ではないというふうに考えますが、これは水俣病の問題もそうだったんですが、低量で長期に被曝をするという、暴露するという問題についてしっかり取り組んでいただきたいと思いますが、大臣政務官、いかがですか。
  130. 岡田直樹

    大臣政務官(岡田直樹君) 大事な御指摘をいただいたと思います。  エレベーターシャフトということで、非常に見えにくいというか気付きにくいところにも問題があると。エレベーターも含めて民間建築物アスベスト対策につきましては、その使用実態を正確に把握するということが非常に大事であると思っておりますし、社会資本整備審議会における専門家の御意見もしっかり踏まえながら進めてまいる所存でございます。  どうか御指導いただきますように。
  131. 川田龍平

    ○川田龍平君 ありがとうございます。  さらに、やっぱり密閉することも難しく、除去も大変困難ということで予想されるんですけれども、いかなる対策を取るおつもりですか。政府参考人、お願いします。
  132. 小川富由

    政府参考人(小川富由君) いわゆる飛散をしそうなというようなものにつきましては、除去をするか、あるいは封じ込めということで上から別のもので覆いをする、あるいは別なもので固めていく、そういうような作業が必要かと思っております。
  133. 川田龍平

    ○川田龍平君 これは環境省に聞こうと思っていたんですけれども、間違えました。  環境省としては、環境省に伺ったところ、建物内部のことは管轄外だとおっしゃるんですけれどもアスベストに関してはどこかへ消えてなくなってしまうということではなくて、吹きだまりのようなところにたまって風で舞ってしまうというようなこともあるようです。労災や救済法では救われずにやはり肺がんで亡くなってしまう人たち、理由が考えにくい中皮腫の方などもこれから出てくるかもしれません。既に出ているかもしれませんが、二〇〇七年のクボタショックのときにアスベストは大きく取り上げられて、今大きく取り上げられて対策が取られてきていますけれども、これは今もこれからもやっぱりこの問題に注目し続けなければならないことだと思っています。結果としてこの被害がすぐに出てこないからこそ、国としてやっぱり責任を持ってこういった施策を取っていただきたいと考えています。  環境問題に取り組んでこられた滋賀大学の前学長であった宮本憲一さん、今は立命館大学の名誉教授でありますけれども、宮本さんがアスベストは二十一世紀最大の社会災害であるということを言っておられました。本当にこの問題はやっぱり二十一世紀の問題として、解体ですとか使用におけるアスベスト被曝の問題を是非国として取り組んでいただくようにお願いいたします。  それでは、次に移らせていただきます。  次に、海上保安庁にお伺いしますが、海上標識灯火のLED化を導入した理由についてお願いいたします。
  134. 米岡修一

    政府参考人(米岡修一君) お答え申し上げます。  本年二月、海上保安庁では、管理する灯浮標や浮体式灯標など千三百九十基すべての海上標識のLED化を完了したところでございます。  理由につきましては、海上に設置される灯浮標等へのLEDの導入は、クリーンエネルギー化の推進、航海者に対する灯火の見やすさの向上、機器保守作業の軽減のため実施してまいりましたところでございます。
  135. 川田龍平

    ○川田龍平君 そのLED化による保守管理の軽減とその省エネ効果について、具体的にお伺いしたいと思います。
  136. 米岡修一

    政府参考人(米岡修一君) LED化に伴う省エネ効果でございますが、LEDは発光効率が良いため、従来使用していた白熱電球と比較しまして消費電力が少ないことが特徴でございます。このため、灯浮標等の海上標識の電源は小容量の太陽電池で賄える程度となっております。  また、交換作業等につきまして、長期間LEDが使用できるため交換作業等が不要になりまして、いわゆる点検回数が減り、船舶の燃料の消費も軽減しております。
  137. 川田龍平

    ○川田龍平君 具体的には、五百時間で切れていた電球が十五年たっても切れてないということだそうです。そして、太陽光発電ですとか波力発電というものが海上での灯火に使われて、そういったクリーンエネルギーを海上保安庁の方ではかなり促進して、十五年間掛けてやってきたということなんですが。  続いて、防衛省の方にお尋ねしたいと思いますが、自衛隊の飛行場における光熱費の推移と、それから飛行場灯火の数、そしてLED化しているのかどうかというのを教えてください。しているのであれば、その数とまた達成率をお願いしたいと思います。
  138. 長岡憲宗

    政府参考人(長岡憲宗君) お尋ねの飛行場、灯火を有する自衛隊の施設でございますけれども全国で三十八か所ございます。灯火数につきましては、合計で一万五千七百七十四台でございます。  光熱費でございますけれども、私ども、基地全体として把握しておりますので個別の光熱費については不明でございますけれども、過去五年分で申し上げますと、平成十五年と十六年度がそれぞれ五十二億円、十七年度が五十一億円、十八年度と十九年度がそれぞれ五十億円となってございます。  それから、自衛隊の施設の飛行場の灯火でございますけれども、いわゆる電球式を採用しておりまして、今のところLEDは採用いたしておりません。
  139. 川田龍平

    ○川田龍平君 これ、是非、防衛省の方でLED化を促進していただきたいと。それから、やはり電気料についてもずっとこの五年ぐらい変わらないということで、これは昨年の六月にこの環境委員会で温対法の改正の法案の質疑があったときに防衛省の方に私が一度伺ったんですが、庁舎とかではやっているんだけれども設備の方ではやっていないということだったんですね、装備の方ではやっていないと。これ、やっぱり是非、CO2の削減というのは、防衛省として訓練などでも実はできるんではないかというふうに考えています。  それから、やはり中央環境審議会が十九年の五月に出しました気候変動に関する国際戦略専門委員会が出した気候安全保障に関する報告というのが上がっております。この要約のところに安全保障の概念の変化というのがありまして、この気候変動が、国家安全保障のみならず、人間の安全保障、食糧安全保障、エネルギー安全保障などのあらゆる安全保障にかかわるということで書かれています。  去年の朝日新聞の記事ですけれども、フィンランドの国防省は、軍の活動で出る二酸化炭素のうち七三%は空軍が占めていて、訓練空域まではバスの運転手のようにゆっくりと操縦して、現場でF1レーサーのようになるようにしたとか、ドイツ国防省では、エネルギーの効率化や再生可能エネルギーの利用拡大という形で軍も温暖化を防げると言っていますし、朝日新聞の取材に、イギリスの方もCO2の排出を〇七年度に六百万トン減らすという戦略も出しています。防衛活動による排出が気候変動に寄与しないようにするということをイギリスでも言っていますし、アメリカの国防省も、エネルギー効率の向上は温暖化防止とともに戦闘力向上にもつながるので矛盾しないということも言っています。  やっぱりこの航空機の数を減らして、航空観閲式の航空機の参加機数を減らすというのを百里基地の方でもやっているそうですけれども、やっぱり是非、防衛省の方でこのLED化を進めてやっていただきたいと思いますが、政務官、いかがでしょうか。
  140. 岸信夫

    大臣政務官(岸信夫君) 自衛隊の飛行場につきましては、先ほど御説明したとおり、まだ導入されていないというような状況でございまして、一般の民間空港については一部入っておるような状況がございます。  LED化につきましては、いろいろな灯火がございますけれども、LED化につきましては、今後の技術開発の状況また国交省状況も勘案しなければいけませんけれども委員の御指摘の点、観点をしっかり考えまして、今後適切に導入に向けて対応してまいりたいと思います。
  141. 川田龍平

    ○川田龍平君 是非来年度からやっていただきたいと思うんですが、いかがですか。
  142. 岸信夫

    大臣政務官(岸信夫君) 時間的な問題、これは技術的な問題もございますけれども、早急に検討を進めたいと思います。
  143. 川田龍平

    ○川田龍平君 是非来年度からやっていただきたいという、すぐにでもやっぱり取り組むということを是非おっしゃっていただきたいと思うんですが、よろしくお願いします。もう一度お願いします。
  144. 岸信夫

    大臣政務官(岸信夫君) 失礼しました。  これは予算の問題もございますけれども、大至急やりたいというふうに思います。
  145. 川田龍平

    ○川田龍平君 ありがとうございました。  是非これ早急にやっていただくようによろしくお願いいたします。  ありがとうございました。質問を終わります。
  146. 有村治子

    委員長有村治子君) 以上をもちまして、平成二十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公害等調整委員会及び環境省所管についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  147. 有村治子

    委員長有村治子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十七分散会