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2009-07-09 第171回国会 参議院 外交防衛委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十一年七月九日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  七月七日     辞任         補欠選任         谷岡 郁子君     森田  高君  七月八日     辞任         補欠選任         森田  高君     谷岡 郁子君      山田 俊男君     山本 一太君  七月九日     辞任         補欠選任         佐藤 正久君     丸山 和也君      山口那津男君     山本 香苗君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         榛葉賀津也君     理 事                 浅尾慶一郎君                 一川 保夫君                 白  眞勲君                 木村  仁君                 小池 正勝君     委 員                 石井  一君                 風間 直樹君                 谷岡 郁子君                 広中和歌子君                 藤田 幸久君                 岸  信夫君                 橋本 聖子君                 丸山 和也君                 山本 一太君                 浜田 昌良君                 山本 香苗君                 井上 哲士君                 山内 徳信君    国務大臣        外務大臣     中曽根弘文君    副大臣        外務大臣    橋本 聖子君        防衛大臣    北村 誠吾君    大臣政務官        防衛大臣政務官  岸  信夫君    事務局側        常任委員会専門        員        堀田 光明君    政府参考人        外務大臣官房審        議官       堀江 良一君        外務大臣官房審        議官       知原 信良君        外務大臣官房審        議官       北野  充君        外務大臣官房参        事官       石井 正文君        外務大臣官房参        事官       兼原 信克君        外務大臣官房広        報文化交流部長  門司健次郎君        財務大臣官房審        議官       古谷 一之君        国税庁調査査察        部長       岡本 榮一君        経済産業大臣官        房審議官     小川 恒弘君        資源エネルギー        庁電力ガス事        業部長      西山 英彦君        観光庁審議官   西阪  昇君        防衛省経理装備        局長       長岡 憲宗君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○所得に対する租税に関する二重課税回避及び  脱税防止のための日本国ブルネイ・ダルサ  ラーム国との間の協定締結について承認を求  めるの件(内閣提出衆議院送付) ○所得に対する租税に関する二重課税回避及び  脱税防止のための日本国カザフスタン共和  国との間の条約締結について承認を求めるの  件(内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、山田俊男君が委員辞任され、その補欠として山本一太君が選任されました。     ─────────────
  3. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  所得に対する租税に関する二重課税回避及び脱税防止のための日本国ブルネイダルサラーム国との間の協定締結について承認を求めるの件外一件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務大臣官房審議官堀江良一君外十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 所得に対する租税に関する二重課税回避及び脱税防止のための日本国ブルネイダルサラーム国との間の協定締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税回避及び脱税防止のための日本国カザフスタン共和国との間の条約締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題といたします。  両件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 おはようございます。  本日は、ブルネイカザフスタン協定について、これをタイトル繰り返すことはとても長くて舌がかみそうですので、早速質疑内容に入らせていただきたいと思います。  教えていただきたいんですが、ブルネイ日本の現在の経済交流現状、その規模ですとか内容ですとか、そういうことについてひとまずお教えいただきたいんですが、また潜在性についても。
  7. 堀江良一

    政府参考人堀江良一君) お答えいたします。  ブルネイにとりまして我が国は伝統的に最大貿易相手国でありまして、二〇〇七年の統計でありますが、輸出については第一位、輸入については第四位となっております。  ブルネイから我が国への輸入天然ガス石油がほとんどでありますけれども我が国からは自動車、また自動車部品等工業製品輸出しております。二〇〇八年の統計でありますけれども日本からブルネイへの輸出総額、これは約百八十七億円、また、日本の対ブルネイ輸入総額は約四千六百七十六億円となっております。  日本にとりましてブルネイは極めて重要なエネルギー資源安定供給国でありまして、液化天然ガスの約一〇%、また石油の約一%をブルネイから輸入しております。  また、二〇〇六年には、我が国から約三千五百十七万米ドルの直接投資を行っておりまして、エネルギー分野中心として約十社の企業我が国から進出をしております。
  8. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 ありがとうございます。  そうしますと、今、日本輸入ということについては石油天然ガス中心としてエネルギーの重要な国であるというお話が出たわけなんですけれども、これは、経済状況が今のような状況で少し緩和がされた状態とはいえ、中長期で見ればやはりエネルギー争奪戦というのは国際間の重要な問題であろうかと考えます。  そのことにつきまして、ブルネイ日本の、ブルネイからのその供給というようなことの今後の見通しとかということについて、また、ライバル国がそこへ参入してくることの可能性等について教えていただけますでしょうか。
  9. 堀江良一

    政府参考人堀江良一君) エネルギー供給元というのは多角化することも重要かと思いますけれども先ほど申し上げたように、ブルネイからは約一〇%の天然ガス等輸入しておるわけですが、極めて政治的に安定している国でもありますので、ブルネイ先ほど申し上げたように極めて安定的な供給国であるということで、今後ともこれを維持、可能であれば拡大していきたいと思っております。
  10. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 そうしますと、この条約で二国間の交流というものを経済的により深める、よりお互いに容易に行き来ができる状況をつくるということは、このエネルギー供給というものを将来にわたって確保していく上でも、また日本経済交流先というものとの良好な関係を保つためにも意義があるという理解でよろしいでしょうか。
  11. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) まず、この協定についてですけれども、これは今まで我が国がほかの国、諸外国締結をしてまいりました租税協定と同様に、経済的な交流それから人的な交流、そういうことなどに伴って発生をいたします国際的な二重課税、これを防止する、回避すると、そういうことを目的として今回日本ブルネイの間で課税権を調整するものでありますが、今お話ありましたように、ブルネイエネルギー資源に恵まれた国で、まさに安定的な供給国でございます。そういう意味我が国資源外交上重要な位置を占めていますが、この協定締結によりまして二重課税回避の制度が整備されますとともに、投資所得に対する源泉地国課税の軽減などが図られて、両国間の資本とか、それから人的な資源などの交流が一層促進されることが期待をされているわけであります。  昨年七月に発効いたしました日本ブルネイ経済連携協定がありますけれども、それと今回のこの協定とで相まって、両国間の今後の経済関係、またひいては経済関係のみならず両国関係全般、それを一層強化するものになると、そういうふうに期待をしております。
  12. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 大変ありがとうございました。よく了解できます。  これは政府の側からはおっしゃれないことだろうと思いますけれども中国等経済状況あるいはインド、見ていましても、あの地政学的な地位と場所ということからいえばやはり今後の争奪戦にもなりかねない状況において、今、日本の一歩ある優位性というものを確保していただくためにもこの条約というものは大変重要な意義があるものという理解でございますが、再度確認させてください、それでよろしいでしょうか。
  13. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 今申し上げましたように、いろいろな意味といいますか効果があるわけでありまして、総合的に判断して締結するわけでありますが、委員のおっしゃるような意味も含まれていると考えます。
  14. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 私どもは、この条約に今大臣がおっしゃった意味において賛成であります。  次に、カザフスタンとの同様の協定につきまして御質問申し上げます。  カザフスタン日本の現在の経済交流規模、その内容、そして今後のカザフスタン経済成長可能性、その資源産業可能性等について教えていただければと思います。
  15. 兼原信克

    政府参考人(兼原信克君) お答え申し上げます。  貿易につきましては、日本カザフスタン貿易総額は年々増加をしており、二〇〇八年は約千九十五億円でございます。日本からは主として自動車建設用機械等輸出し、カザフスタンからは合金鉄等輸入しております。  投資につきましては、日本からカザフスタンへの直接投資額ウラン開発等資源分野中心にして近年急増しており、二〇〇八年は約四億六千万ドル、二〇〇〇年と比較すると二十五倍の増加でございます。二〇〇八年までの累計投資額は二十二億ドルを超え、中央アジア諸国に対する日本からの投資としては最大規模となっております。  現在、カザフスタン駐在員事務所を置く日本企業大手商社を含めて三十社ございますが、過去三十年間に発見された油田の中で最大カシャガン油田開発事業主体として日本企業が参画をしております。また、埋蔵量世界第二位の同国ウラン資源についても、日本企業ウラン鉱山開発の権益を得て共同開発を行っており、日本企業カザフスタンへの進出資源分野中心に今後とも拡大が見込まれております。このほか、資源以外の電機メーカー等企業進出などの進出企業多様化期待されているところでございます。  もう一つ委員の御質問がございましたカザフスタン成長可能性でございますが、カザフスタンソ連邦解体に伴う苦しい経済状況の中で、独立後、早期から民営化中心とする経済改革を推進してまいりました。積極的な外国資本の誘致によって資源開発を進めた結果、二〇〇〇年から二〇〇七年まで、毎年GDP実質成長率一〇%前後の高い水準における経済成長を実現しております。  現在、昨今の世界的な金融危機の結果、同国の主要な輸出品目である石油価格が下落をしまして、この結果、同国経済に与える影響が懸念されておりますけれども同国は依然として石油天然ガス、レアメタルを含むエネルギー鉱物資源大国であることは変わりはございませんので、また、同国政府公的資金を投入して自国経済の安定を図っているところでございます。今後とも、経済成長そのものは、低いパーセンテージになりますけれども、継続すると見込まれております。  カザフスタン政府自身見通しでございますが、二〇〇九年は恐らくGDP実質成長率で一%、ただ、二〇一〇年は三%、二〇一一年は三・四%と、今後徐々に水準を上げていくということをカザフスタン政府自身が予測しているところでございます。
  16. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 旧ソ連下一つの国であるという状況の中から、日本には比較的地理的にも近い国が非常にいい展開で経済成長を続け、日本との友好関係があるというお答えだったと思います。これは大変将来に対しても望ましいことであると思います。  そこで、ずばり、この条約によって得られる意義経済効果、あるいはそれ以外の効果ということをどういうふうにお考えなのか、教えていただきたいと思います。
  17. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) この条約内容、それから効果等先ほどブルネイのところでも御説明いたしましたけれども、同様の条約目的があるわけでございますが、特にカザフスタンの場合は、先ほどからお話ありますように、石油とか天然ガスに加えてウランなどの鉱物資源に恵まれたそういう資源大国であります。貿易について、今政府参考人から経済状況についても説明がありましたけれども、そういうことも考えますと、この国との関係を強化するということは非常に大事だと、そういうふうに思っております。  また、この国は中央アジアの中でも最大の国土を有しておりまして、国際的な存在感を年々増しております。そういうところから、この国との間で経済的また人的交流、これが拡大される、促進されるということは、我が国として重視をしております中央アジア、この地域が自発的で安定した地域として発展するための地域内協力の推進にも資するものと考えておるところでございます。
  18. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 私どもが一般的な市民的理解ということでの漠然とした推測というものをさせていただきますと、あの地域は旧ソ連下にあって、多分ロシア系の住民が旧来の多くの産業等を支配していて、多分少数民族と言われるような元々の、従来からいらっしゃる方々が恐らく数としてはもっと多い形でいらっしゃると。  そうしますと、そういう国々、またイスラムというような地域でもなかろうかと思うんですけれども、そうしますと我々は、一般的に、これまでこの十年、二十年起きてきた世界的な情勢を見ていると、政情的にはどうなんだろうというようなことをついつい思ってしまうわけです。漠然と、いわゆるカントリーリスクというような言い方は非常にあいまいで、ここでふさわしい表現かどうか分からないんですけれども、そういう意味において、カザフスタンの政情の安定というようなことについてはどういうふうに判断なさっているんでしょうか。
  19. 兼原信克

    政府参考人(兼原信克君) お答え申し上げます。  カザフスタン、人口一千五百五十万の国でございます。その五割がカザフ人でございますけれどもスンニ派イスラムでございますが、イスラム色は薄うございます。一九九一年に独立をして以来、国民の間で安定した支持基盤を有するナザルバエフ大統領が一貫して政権を担当しております。政治体制としては安定をしております。エネルギー鉱物資源に恵まれているということから、大統領主導民主化市場経済化に努め、順調な経済発展を実現してまいりました。これが安定の一つの大きな原因になっているのだろうと思います。  ただ、同国はまだ独立して二十年弱の国でございます。一般的に、先進国に比べてカントリーリスクがないとか低いとかというレベルにはないということは御理解いただけると思います。  例えば、世界銀行などが作成をしております「ビジネス環境現状二〇〇九」という年次報告書がございます。これは百八十一か国を対象にして、ビジネス新規参入業務運営貿易、納税等々、幾つかの指標を基にランク付けをしておりますけれども、ここではカザフスタンは二〇〇八年の八十位から二〇〇九年に七十位と、十ランクランクを上げているところでございます。
  20. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 そうしますと、現在の経済規模に比して、地政学上も、また今後の経済的な成長見込み、資源というようなことを勘案しましても、カザフスタンといい経済関係を持つということは日本の国益にとってとても大事なことであり、それがこの条約意義であるという理解でよろしゅうございますでしょうか。大臣にお答えいただきたいと思います。
  21. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 今政府参考人からも御説明いたしましたとおり、経済的にはこの民主化、そして市場経済化ということで順調な発展をいたしておりますし、先ほど申し上げましたようないろいろ資源的な面でも恵まれている国であります。  我が国は、中央アジアの五か国、ウズベキスタン、カザフスタンタジキスタン等中央アジアプラス日本という対話をずっと行っておりまして、中央アジア地域との協力関係を促進する努力をしているわけでありますが、そのように我が国としてもこの地域、またカザフスタンというものを重視しておりまして、この協定締結することによって、先ほどから申し上げておりますような経済的、人的、また投資等に大きな効果があるものと思われます。
  22. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 先ほど来、大臣の方から中央アジアに対しては大変重視をしているという御説明がなされているわけですけれども中央アジアがなぜ大切なのか。これは質問で事前通告しておりませんが、中央アジア重要性ということについて教えていただければと思います。
  23. 兼原信克

    政府参考人(兼原信克君) 中央アジア地域ユーラシア大陸の中央に位置するところでございます。天山山脈反対側でございまして、中国新疆ウイグル反対側地域でございますけれども地政学上の要衝でございます。豊かなエネルギー鉱物資源にも恵まれております。その安定と発展我が国のみならずアジア地域、それから隣接しますロシア部、アフガニスタン、それからイラン、それからこちらの中国新疆ウイグル地域まで含めて、この地域の安定は極めて重要なものだと考えております。  特に、この地域における旧ソ連圏から脱しまして今これから国際社会に入ってまいりますので、彼らがその移行に成功して、安定的に国際社会に統合されていくことが国際社会全体の利益というふうに考えております。
  24. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 ありがとうございました。私どもはこの条約賛成でございます。  さて、残りの時間をちょっとほかのことに使わせていただきたいんですが、今、まずサミットがイタリアで開かれております。そして、麻生総理もそちらへ行かれていると思うんです。  思い起こせば、あれはたしかジスカール・デスタン大統領でしたか、最初にランブイエでサミットを提唱されて、そして集まられて、首脳がひざを交えて議論することが大事であるということで、今年で何回目になるんでしょうか。これ通告していないんですけれども、今日、朝、テレビを見ておりまして、サミットのことが出ていまして、私も大変、ああ、こういう問題があったなと思ったのでお聞きしたいんですけれども
  25. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 三十五回目だそうでございまして、三十五回目のようでございます。済みません。
  26. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 済みません、別にテストするつもりはありませんで、私もよく思い出せなかったので教えていただきたいと思いました。  私が当時、カナダに留学をしていて、そして日本が入る形で本当に世界頂上会議がなされるということで、学生ながらに大変、我が国が本当に重要な国として認知されたんだということがとても、外国人に囲まれながら、カナダ人に囲まれながら私は誇らしく思ったという、そういう思い出がございます。それは恐らく当時の日本国民の共有の感覚であったろうと。そして、そのサミットということについては、本当に胸躍る思いを持ったというふうに思っております。  しかしながら、その一方でサミットというものも変質してきたし、また日本の置かれた環境というものも大きく変わってきたのではないかなということを今日このごろ思うわけです。  それで、大臣にもし御返答いただければ、今現在のサミットというものを外務大臣として、政治家としてどのような重要性、またどのようにかつてとは変わってきたかというふうにお考えになっているのかを、もしお考え聞かせていただければ幸いです。
  27. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) たしかサミットは当初はエコノミックサミットと、そう称したんじゃなかったかと記憶しておりまして、当時は七か国でございましたけど、が集って、そして世界経済問題を中心議論が始まったと。その後何年か、何回目からかは私記憶しておりませんが、政治的な課題議論されるようになってきたわけであります。  今、当時に比べますと多くの国々経済力が高まって、G7、G8だけでなくて、経済的にも大きな国が出てきたということ、それから課題が、例えば国際社会共通課題ですね、気候変動の問題とかテロの問題とかあるいはエネルギーの問題とか、そういう多くの課題があるわけで、そういう課題議論されるようになってきているわけであります。さらに、メンバー国という意味でも、委員御承知のとおり、G8のみならず、テーマに応じて関係国周辺国が集まって協議をされるようになってきたわけでありまして、私はそういう意味では、こういう国際的な共通課題についてはやはり関係国また多くの国が協議をしながらコンセンサスを得ていくということは大事なことだと、そういうふうに思っております。  同時に、これも最近言われていることでありますが、サミットの在り方についてもこれでいいのかというような議論もあるわけでありまして、こういう点はサミットでも今後議論されるのではないかと、そういうふうに思っております。
  28. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 私自身ロシアが入ってくる前のサッチャー時代に行われたロンドンサミットに、実は当時自民党と連立を組んでいらっしゃった新自由クラブの通訳として雇われてロンドンサミットへ伺いまして、お父様と一緒に、じゃ、多分大臣と相方をやっていたんじゃないかという、そういう経験がございます。また、そういう経験もあります中で、サミットというのがどう変わってくるかということについては、個人的な関心もあってこの間ずっと見ておりました。  ロシアが加わるということによってやはり冷戦時代の構造にその終止符が打たれたんだろうと思いますし、また今、中国を始めとする新たな国々が加わって、そして議論によっては経済のようにG20という形が入ってくることによって、ある意味での集中の時代から拡散時代に入ったんでしょうし、数少ない国々というもので物事が運営できる時代から大きく、多分そうではない形に変わった。また、サミット自身の持っている影響力というものもそういう意味ではある種の拡散もされたでしょうし、ほかの重要な会議も様々に起きてきた。  それが何かこう、私はずっと見ておりまして、いまだに日本では、あれがただ一つ頂上会議であるようにサミットと呼ばれ続けていて、ほとんど、それは随分G8だとかG20だとか言われるように変わってきたとは思うんですけれどもサミットだけをなぜか特殊扱いしてしまっているんじゃないかという気がするんですけど、その辺については何か御感想がありますでしょうか。
  29. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) サミットだけを特殊扱いしているのではないかと、最後にそういうようなお話でありますが、国連という協議の場もありますし、それから二国間とか地域のいろいろな会議がありますけれども、しかし、サミットという形で毎年定期的に開催をし、先ほども申し上げましたけれども、旧G7またG8が中心になってリード役として共通の課題について幅広く議論を行い、そしてテーマによって関係国の意見も入れながらコンセンサスをつくり、それを実行目指していくということ、私はこれは一つの在り方として今後も非常に有効であると、そういうふうに思っております。  ただ、本来の、当初のサミット設立のときから比べますと、これは国際情勢も変わっておりますからそれに応じてこういう形になっているんだと思いますが、しかし、たくさんの国が今度集まると、なかなかコンセンサスもできないというようなこともあろうかと思います、方向性も決められないということもありますので。  今のようなG8というものが核になって、そしてまたテーマごとにいろいろな会議が開かれ、いろんな国が参加するという形、私はこれでよろしいんじゃないかなと個人的には思っております。
  30. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 私がそういうふうにお聞きしましたのも、この何代かの総理のまるでそれが卒業旅行のようにサミットがなってしまっている嫌いがあるんじゃないかというふうに思えてならないからでもあるんですね。  そして同時に、一方では、このサミットが必要になってきたのはなぜだったんだろうと振り返って考えてみますと、多分、国連というものが、その安全保障理事国があって、そこが拒否権を一つずつ持ってしまうようなことの構造の中で、実は物事を決めていけない、それを何か動かしていかなきゃいけない状況というものになって、言わば現実的な意味でかじ取りを国際的にしていく機関というものが必要になってきた構造、時代背景等もあって実はサミットというものが使われてきたのかなとも思うわけです。  大臣のお考えとして、今後の在り方というふうには、どういうふうにお考えになっているのかなと。特に今回、今言われていますのは、実は主役がいなくなったと、中国というその主役がいなくなってしまったことによってこのサミットは大きな影響を被っているということが今言われているわけですけれども、その辺についてもちょっとお考えをお聞きしたいんです。特に、中国がなぜ今回陰の主役だというふうに言われてしまったのかということも含めてです。
  31. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 中国、胡錦濤国家主席が帰国されたということについては、報道をされておりますし、私も承知しておりますが、その理由についてはこれまたいろいろな理由が言われておりますが、それについてはコメントは差し控えさせていただきますが、今回の大きなテーマの中に気候変動等もあるわけでありまして、そういう意味では、この排出量として大きな量を占める中国、これの参加、あるいはそのほかのテーマにいたしましても、やはり中国のような国の参加というものは多くの国が期待をしていたところだろうと、そういうふうに思います。  先ほどから申し上げておりますように、G8というのは、少数のリーダー国といいますか、共通の価値を有するそういう国々が集まって、かつリーダーシップを取れると、そういう国々が集まって重要な問題を議論する、そういう場として私は維持していく必要があるのではないかと、そういうふうに思っておりますが、一方、テーマによって、先進国に限らず途上国、あるいは一定の地域に限らずほかの地域という形で関係国を巻き込んでいくということが大事だと思っておりますが、重ねて申し上げますが、やはりG8が中心でこのサミットというものを今後も開催していくということは私は意義があろうと思います。  そして、卒業旅行というようなことをおっしゃいましたけれども、ちょうど、最近は総理というものが一年で替わる、その前の七月ぐらいにサミットが行われるということで、まあ自民党の総裁任期とも相まってそういうようなこともおっしゃる方もおられるわけでありますが、しかし、日本はやはり経済的にも世界で第二の経済的な力を有している国でありますから、これはサミットというもので真剣に各国をリードしていくというのは大変重要な機会だと思っております。
  32. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 ついでに、今出ましたので教えていただきたいんですけれども、今中国の位置付けというのは、どうなんでしょう、G8にプラスして入っている国なのか、その今おっしゃった、開発途上国も含めてというふうにおっしゃった、どちらのカテゴリーに入るというふうに、理解でよろしいんでしょうか。
  33. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 先ほどから申し上げておりますように、これはテーマに応じていろいろなグループが形成され、またG8に加わって参加するという形になって、また開催国の意向によって招待国等が違ってくるわけでありまして、そこら辺はちょっと今正確に申し上げられず申し訳ありませんけれども、いずれにしましても、いろいろ国際問題を考えますと、中国議論に参加をしてくるということは重要なことだと思っております。
  34. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 今、中国の重要度が増してきたというふうにおっしゃったんですけど、それはなぜなのかという御理解なんでしょうか。
  35. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) もうこれは委員が十分御承知のとおり、経済的な力もそうでありますし、あるいはこの気候変動の問題にいたしてもそうでありますし、あるいは軍縮、不拡散等に関しても、もちろん中国が共に協議をしていくということが大事なことであろうかと思います。そういう総合的な面で各国が中国に対して一緒に会議にやっていくということの必要性というものを感じているんではないでしょうか。
  36. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 そこで、私が従来関心を持っているテーマに移らせていただきたいんですけれども、私は、自分自身が大学関係者としてこの何十年かの日本の大学の変化というものを見てまいりました。そして、中国との関連ということにおきまして、文革が終わったその時点において、中国の大学というものはほぼ壊滅状態であって、それを立て直すということが中国を再建していくための急務であった。結果的に言えばそれは成功したと言えると思います。  その成功の陰には、日本を始めとする各国の、中国の大学再建のための大変大きな支援があったと思っております。特に日本は大変な数の留学生を受け入れ、大学のみならず大学院の修士号、博士号のレベルあるいはポスドクという形で国を挙げて応援をしたわけでございます。そして、日本で育った研究者たちが多く中国へ帰り、今では私どもの大学に来ていた人自身が北京体育大学で枢要な研究所長という地位を占めるというような状況にもなっております。これはもう日本全国、国公私立を問わず大変な協力を行ってきたと思いますし、そのために大学を始めとする日本の全体が大変な中国への応援という形で行ってきたことだと思うんですね。そして、その結果、今では中国では大変な数の大学もあり、また学生の人数もいて、そして中国の大学というのは大いに繁栄したなということを私自身も自分の目で確かめております。  とりわけ北京体育大学は関係をずっと持ってきた大学でありますけれども、北京オリンピックの際に訪れさせていただいて、本当にもう仰天しましたのは、日本のナショナルトレーニングセンターなんていうのは、あれに比べると十分の一じゃないかと思うような施設が今造られておりまして、国立競技場のトラックと全く同じ材質のトラックの三百メートルトラックがその屋内にあって、長さ三百五十メートルもある体育館が造られているというような形で、その持っている施設というものはすごいものがありました。  これは日本ではどこにあっても考えられないですし、国立の競技場などを見ましても、あの北京オリンピックの施設等はもうすさまじいとしか言いようがないような状況でございました。本当に中国は大国になった。また、その意味において大学に対する日本の支援というものは成功したということを考えております。そしてそれは、とりわけODAを使う形で留学生に対して、中国人が七割をずっと占め続けるような状況で大変な応援をしてきたからです。  ただ、今私が疑問に思っておりますのは、今もその必要性は続いておるのだろうかということでございます。これについていかがお考えになりますでしょうか。
  37. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 八〇年代の中ごろですか、留学生十万人計画というものが打ち出されまして、そして留学生が年々増えてきたわけですが、なかなか当初はこれ十万人達成できませんでした。現在はたしか十二万人を超える留学生になっておりますし、委員がおっしゃいましたとおり、その約七割が中国からの留学生であると、そういうふうに私も承知をいたしております。  また、こういう留学制度によりまして、中国から来た留学生が日本で勉強して、また国に帰って中国発展にも貢献したということも、これはそういう点も事実ではないかと、そういうふうに思っております。  これはやはり距離的な面ですね、日本への留学生が多いというのは。それから、もちろん欧米に行くにはお金も掛かるということ等もあって中国の留学生が多いんだと思いますが。ただ、国費留学生は十二万三千人のうち九千九百二十三人ということでありまして、つまり日本政府が奨学金を出してそのような待遇で勉強を受け入れているのは九千九百二十三人で、残りの十一万人については私費留学生でありますが、学生一人一人がどういう気持ちで日本に来ているか分かりませんが、同じアジアの中で近い日本で勉強するということ、これはやはり学生にとりましては、いろいろな経費の面でも留学しやすいんじゃないかと、そういうところから多いんじゃないかなと、そういうふうな感想を持っております。
  38. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 それでお聞きするんですが、今ODAとして、その国費留学生の費用にはどのくらい使われているのか、そしてその給付の内容というものはどういうものであるのか。今大臣がおっしゃいました一万人弱の国費留学生の内訳というものは、国で例えばその一位、二位というのはどういう国が来るのか、この辺について御説明いただけますでしょうか。
  39. 門司健次郎

    政府参考人門司健次郎君) お答えいたします。  我が国への留学生は、先ほど大臣からお答えいたしましたように、平成二十年五月一日現在の数字で十二万三千人でございます。そのうち、日本政府奨学金を受けているいわゆる国費留学生が九千九百二十三人でございます。このうち、中国が一八・一%、千七百九十四名となっております。二番目が韓国、九百三十名で九・四%ということでございます。  そこで、この国費留学生に対しての奨学金でございますけれども、これは、学部レベルでは月額十二万五千円から十二万八千円、大学院レベルでは月額十五万二千円から十五万八千円ということになっております。  それから、残り十一万人については私費留学生でございますけれども、文部科学省が日本学生支援機構を通じて、経済的に修学困難であり、かつ成績優秀な約一万人の学生に対して学習奨励費を給付していると承知しております。この額は、学部レベルでは月額四万八千円、大学院レベルでは月額六万五千円ということになっております。これが全体としてODAでどのくらいに当たるかということについては、文部科学省の数字となりまして、ちょっと今手元に持っておりません。失礼します。
  40. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 実は、今給付金で十何万円ということが出ました。そのほかに、例えば国立大学では国費留学生はほぼ全額授業料は免除ということがございます。今給付されている額というのは基本的に生活費であるということです。また、学部レベル等でも、国立大学等では半額ないしその全額というものが免除をされております。それは外務省の会計ではないかもしれませんけれども、そういう形で使われておるわけです。  ですから、一人当たりにしますと、まず学費が要らないと、七十万円強の国立大学のお金が要らない。私立大学に通う学生たちも、実は申請をすると三分の一の補助が出るケースがほとんどなんですね、文科省から。そうしますと、国立大学の学生たちはもとより、私立大学においてすら留学生たちは三分の二の授業料で済んでいるという実態がございます。そして、そういう形で便宜が図られていると。  世界的に見ますと、これは大変倒錯した状況でありまして、世界国々もODAなどで、とりわけ開発途上国から留学生を受け入れております。しかし、その一方で、一般のお金を出せる留学生の、留学生値段といいます、留学生には授業料を現地の学生とは違う形で設けております。その平均は大体二倍ぐらいなんです。私がこの間ずっと調べてまいりますと、大体一・五倍から二倍の授業料を外国人には取っております。  なぜかといえば、納税者の子女ではなく、将来の納税者ではない。その教育期間のみ恩恵を被る人々というものは、納税者の子女や将来の納税者とは、その国の血税を使ってやる以上違って当然であるという基本的な考え方があります。ただ、開発途上国から来る学生たちに対しては、それでは生活していけないということで様々な支援は別途考えられている。  イギリスなどは、実は私調べてみますと、留学生の授業料は約八倍なんです。そして、現地のイギリス人たちは留学生たちの八分の一の授業料で大学へ行けるようになっております。日本ではそういうことは一切されておりません。むしろ、留学生に対してのみそういう形で政府の給付が行われている。  一方で、日本人学生に対しては奨学金というものはなくて、そして奨学金という名前のローンのみがある、利子が付く学生たちも多いという状況になっていますね。これは、本当に我が国の、日本が一義的に責任のある日本人の教育というものが、親の負担、本人負担で大変大きなものになっていることに対して、留学生に対しては私は必要性を認めるんですよ、国際上の。しかし、今お聞きしたように、中国人が第一位であって、韓国という先進国の学生が二位であるというような状況というものは、本当に外交上必要なんだろうか。ある意味国際協力、支援としてならば、これがアフリカであるとか、本当に、先ほどおっしゃった中央アジアの学生であるとか、そういうところが中心であるならば理解ができるんですけれども。  この辺については、もう、例えば韓国人や中国人が国費留学生を大きく占めるようなことは見直していく時期に来ているんではないかと思うんですが、そこについていかがお考えになるでしょうか。
  41. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 先ほどもちょっと政府参考人の方から御説明いたしましたけれども、全体の留学生の中での中国留学生の比率というのはこれは六割近くなっておりますが、国費留学生という意味では一八%、韓国が二位で、全体の留学生の数では一五%ですが、そのうちの国費留学生という意味では九・四%で、先ほど申し上げましたように、距離的、地域的な面から見ますと、中国、韓国が一、二位を占めているというのは、これは特別異常であるとは私は思っておりません。  むしろ、日本に来て勉強したいという学生が多いということは、これは良好ないいことでありますし、そして、日本で勉強することによって本人の資質といいますか能力も向上し、また、中国、韓国を始めとして自国の発展に役立つということは、我が国のこういう外交あるいは近隣諸国との関係を良好に維持していくという意味においても私はいいことだと思っておりますし、残りの中国、韓国を除いた七十数%はアジアを中心とする、先ほどからのカザフスタンとかブルネイとかいろいろな国から来ているわけでありまして、私としては現在の状況が国費という意味においては特に異常であるとは思っていないわけであります。  日本人の学生との対比において優遇されているのではないかという、そういうような御意見もあろうかと思いますけれども、私はむしろもっともっとこの留学環境というものを良くするということ、そして日本をよく知ってもらうということ、また、これはできれば親日という形で日本との将来の友好関係にも活躍してもらうという、そういうことが期待されるわけで、そういうことが実現できるような留学生政策というのをやっていくべきではないかなと、そういうふうに思っています。
  42. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 中曽根大臣は文科大臣もおやりになった経験がおありになると思いますから、日本の高等教育に対する予算措置の貧困さということについてはよくお分かりになっていると思います。とりわけ、学部学生に対していかに国際的に見ても支援がなされていないかということについてはよく御存じだと私は思います。  そして、もう明らかに途上開発国とは言えない韓国、ある意味世界の大国である中国、この二か国が今の数字見ましても三割近くの国費留学生を占めるということについて、そしてその一方には、日本で今の経済状況の中で親たちが大変苦しんでいて、何とかバイト漬けになりながら生活を維持していて勉強時間も取れないような日本人学生が多くおり、そして退学しなければならない状況に陥っている学生たちが多くなり、そのために国際競争力も、ある意味で潜在的な人間的な資源としての力というものがそがれているような状況において、国益の問題として、ではそれでいいのかということを私はここで指摘を申し上げたいのでございます。  もう少しそこについて言わせていただければ、やはり私は、留学生に対してちゃんとした支援をするということはそれなりに意義があると思っていますし、重要だと思うんですけれども、余りにも日本の国家としての我が日本人に対する支援というものがなさ過ぎるという状況で、私どもは大学の学長などをやっておりますと、いかにも裕福そうに見える中国人、これが減免制度というものを申し込んでくる、そうすると国がそれを肩代わりしてくださるようなことを私学に対してもあるわけです。それを押し続けながら、片っ方で、本当に困窮している日本人学生の退学願に対して判を押さなければならないということをいつも悲痛に感じているものであります。  こういう問題に関して、今十万人を三十万人に膨らませようとなさっている。国費留学生に対するような支援はなくても、現在、明らかに多くの私費留学生に対しても大変な日本の国費が使われているという現実があるわけです。これを十万人を今三十万人に拡大しなければならない国際的、国際政治の中での外務省としての根拠付け、これ、なぜこういう形で今十万人を三十万人に膨らませようとなさっているのかということをお教え願いたいと思います。そして、それに伴う費用を、今後も日本としてその負荷を負い続けるおつもりがあるのかということをお伺いしたいんです。
  43. 橋本聖子

    ○副大臣橋本聖子君) 今御指摘いただきました留学生の三十万人計画でありますけれども、この計画は、日本世界に開かれた国として、また人の流れを拡大するグローバル戦略の展開の一環として打ち出されたものであります。  外務省としても、留学生の交流というのは、対日の理解の促進と、また諸外国との友好の促進に貢献する人材を育成する観点から、外交政策上大変重要なものだというふうに考えております。今後、在外公館を通じまして、優秀な国費また私費の留学生に対し日本で学ぶ様々な機会を積極的に広報することで、留学生三十万人計画に貢献をしていきたいというふうに思っております。  また、今御指摘をいただきました差し迫った何か理由があるんではないか、政策上というお話でありますけれども、やはりこの三十万人計画、これは第百六十九回の国会、福田内閣のときに総理が施政方針演説の中で開かれた日本ということで、日本世界により開かれた国として、アジア、世界との間の人、物、金、情報の流れを拡大するグローバル戦略の展開だということで話をしていたわけでありますけれども、この中で、やはり三十万人の根拠をお話しさせていただきますが、これは中央教育審議会での特別委員会での議論も踏まえた中でありますけれども、非英語圏の先進国、ドイツが一二・三%の留学生、そしてフランスが一一・九%でありますので、そういったことを含めながら、同様に日本も、全学生三百万人いる中での一〇%程度は留学生を獲得すべきだという方針の下にこの三十万人計画というものが打ち出されたわけですけれども。  やはり人、物、金、情報、これには、やはり人をつくり上げる力というものと、そしてまた国と国とを結ぶのはやはり人でありますし、また人を育てるというのは大変な時間が掛かるというふうに思っております。一つの国家戦略として、やはり人を育て、そして若いうちからの人との交流というものがこれからのグローバル社会において大変大切な国家戦略の一つと位置付けて、これを早急に実施できるように外務省としても力を入れていきたいというふうに思っております。
  44. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 私は断固反対であります。  ガリオア奨学金ですとかロックフェラー奨学金とか、戦後、日本も復興に当たってたくさんの人々が留学して、その方々が国のリーダーになるような形で日本は復興してまいりました。しかし、今はそういうものを取っている日本人というのは本当にごくわずかです。  私自身もAFSの奨学金をもらって高校の時代にアメリカに行かせていただきました。でも、今のAFS奨学金では日本人はお金を払っております。それは、日本がそういう国になれたからです。中国、韓国ももうそういう形になっていて、日本の大学を世界に開くことは大変結構でございます。ならば、留学生の授業料が取れるようにしてもよいではないですか。なぜ日本政府がそこまで私費留学生に対して対応しなければならないのでしょうか。  日本の大学を世界に開くのは大変結構なことでございます。しかし、日本の大学は日本人の学生に開かれておりません。母子家庭に開かれておりません。所得がない学生たちのために開かれておりません。そして、それは日本の国力というものを明らかにそぐ状況だというふうに私は思います。そういうものを確保できないうちにそれをやり続けていいのかということに対して、私には大変大きな疑問があります。  人権条約のA規約というものがございます。この中で日本はある条項を留保されています。つまり、A規約自身には加盟はするんだけれども、この条項に対しては保留をするというものであります。それは高等教育の無償化を各国が推進するということであります。先ほどドイツ、フランスの例を挙げられましたけれども、ドイツ、フランスの大学はフランス人、ドイツ人に対して完全に無償であります。そういう国々が受け入れるということについて私は大いに理解ができます、その国の学生たちに対してはちゃんと大学は開かれているんですから。  日本は、これまでルワンダ、マダガスカルと加えて三国、このA規約のこの条項を留保してきた国であります。最近になりましてルワンダは留保を解きました。つまり、マダガスカルと日本だけが自らの国民に対して人権の問題として高等教育を開くということをやっていないのでありますし、そのやることを留保しているのであります。  日本世界に名誉ある地位を持とうと思うのならば、ソマリアへ海自を出すことも国際協力として重要かもしれませんけれども、こういう文化的に、そして名誉ある地位、人権としてのちゃんとしたものをマダガスカルと日本だけが留保し続けているような状態ということがいかに政治的に、私は国際的に名誉ある地位を占めないでいるのではないのかということに疑問に思うわけであります。  そのことについて大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  45. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) まず、前半で委員がおっしゃいました日本の大学の学生に対する支援あるいは入学のことについてでありますが、これはもちろん日本の学生がやはりより負担が少なくいい環境で勉強できるようにするというのは、もう国のこれは大きな務めでありまして、それに対しては努力はいたしておりますが、財政的な制約もありなかなか国際基準に行っていないということは大変残念なことでありまして、こういうことについては更に努力をしていかなければならないと、そういうふうに思っております。  また、外国との比較でおっしゃいましたけれども、留学生は留学生で、先ほど橋本大臣から申し上げましたように、留学生を受け入れるということはいろんな意味があるわけでありまして、それ自体が私はこれは間違っているとは思いません、各国とも受け入れているわけであります。  ただ、そのことにつきましてはいろいろ問題がまだあろうかと思います。今のような環境で留学生の受入れがこれでいいのかとか、あるいはもっともっと例えば英語での授業を増やすとか、あるいはカリキュラム、内容をもっとレベルを上げるとか、そういう留学生受入れに対しての問題もあろうかと思いますが、それと日本のをどっちがどっちということじゃなくて、日本の方もやはり高等教育への財政的支出を増やして国際基準並みにして、また学生が負担を少なく勉強できるようにするという、これ両方力を入れなければならないことだと、そういうふうに思っております。  今、人権条約といいますか、今委員お話しされましたことにつきましては、この国際規約、社会権規約、この十三条の2の(c)の規定の適用に当たりまして委員がおっしゃったと思うんですけれども、この規定で言っております「無償教育の漸進的な導入により、」と、それに我が国は拘束されない権利というものを留保しているわけでありますが、この留保というのは、高等教育の無償化を行うために要するそういう財政負担の問題や、それから高等教育段階に進学しない学生との間での公平性の確保、そういう見地から我が国としてはこれ留保をしているわけであります。  この留保を撤回するかどうかということにつきましては、留保を付す理由となった事由がこれはなくなるかどうか、その後解消、解除されたかどうかと、そういうことを踏まえて当然のことながら判断されるべきものでありまして、これは我が国の文教政策の在り方とも深くかかわることでございますので、関係省庁と協力をしながら適切に対処していきたいと思っております。
  46. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 時間が超過しておりますので、おまとめください。
  47. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 これで時間が参りましたので終わりますが、今のような不均衡が出てきているのは、これは現政権の政治の結果であったということだけ申し添えておきたいと思います。  ありがとうございました。     ─────────────
  48. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、山口那津男君が委員辞任され、その補欠として山本香苗君が選任されました。     ─────────────
  49. 山本香苗

    山本香苗君 公明党の山本香苗です。  今回の二条約につきましては賛成です。特にカザフの租税条約につきましては、異例の速さで御対応いただきまして大変感謝をしております。今後、カザフに対しましては、民間投資というものが重要な役割を果たすことが期待をされております。本条約締結によりまして、より一層カザフとの間で経済投資の活動が活性化していく、それも円滑に行われていくことを期待をしております。また昨年、ナザルバエフ大統領訪日時に投資協定の交渉もスタートいたしました。投資協定の早期実現によりまして、投資環境の整備も是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。  そこでまた、もう一つ、カザフとの間では交渉が続いているものといたしまして原子力協定がございます。原子力分野につきまして、日本とカザフとの間では、今後より一層強固な関係を築いていくことが見込まれているわけでありますが、本当にそういう中で一刻も早くこの合意がなされなくてはいけないと思っております。なぜ、なかなかこれが合意をなされないのか、何がネックになっているのか、お伺いをさせていただきます。
  50. 石井正文

    政府参考人石井正文君) お答え申し上げます。  委員御案内のように、カザフスタンは、ウランにつきましては世界第二位の埋蔵量を誇る非常に重要な国でございます。我が国としてもそれを重視しておりまして、その原子力協定につきましては、二〇〇七年四月末に交渉開始を決定いたしまして、同年六月中旬、九月中旬、それから本年四月上旬の計三回、既に交渉をしております。これは現在交渉中でございますので、まさに恐縮でございますが、内容につきましては差し控えさせていただきたいと思いますが、今既に三回やりまして、めどが立っておるわけではございません。ただ、最初に申し上げましたように、我が国としてはこの交渉の早期妥結は非常に重要だと考えておりますので、今後とも努力していきたいと考えております。
  51. 山本香苗

    山本香苗君 交渉につきまして中身はという話なんですが、多分に問題は、カザフ側との、国内、いろんなことに起因するものではないかと考えておりますが、とにかくカザフとの交渉は粘り強くやるということが非常に重要でございまして、より一層御努力をお願いしたいと思っております。  実は、この原子力協定、カザフとの間のこの協力関係というのは、我が国の原子力政策を進めていく上で極めて重要な意義を持ちます。資源を持っているこのカザフとそして技術を持っている日本が組む、そこに濃縮能力を持つロシアが入ってくると、これによって初めて新しい核燃料サイクルというものができ上がるわけであります。  せんだって、このロシアとの原子力協定というものが署名されたのもこういうことを見込んでだと思いますけれども、今後、新たな核燃料サイクルというものをどう構築、発展させていくのか、そして、それを我が国の原子力施策にどう位置付けていくんでしょうか。今、原子力政策の基本方針である大綱の改定といったこともちらほら言われているわけですが、そういう中に位置付けていくということも考えられるのかと思いますが、経産省の方に具体的に御答弁をいただきたいと思います。
  52. 西山英彦

    政府参考人(西山英彦君) お答え申し上げます。  おっしゃいますように、カザフスタンは非常に重要なウラン供給国でございます。このカザフスタンとの関係はこれから互恵的なものにしていかなければいけないと思っておりまして、燃料加工分野とか軽水炉の導入などに関して、山本政務官時代にも御尽力いただいた合意を実現していくということが重要だと思っております。  原子力協定重要性はもちろんでございますけれども、同時に、中央アジアの内陸国でありますカザフスタンウラン開発に当たりましては、ウランの輸送とか濃縮のサプライチェーンの構築というものが非常に安定供給の観点から重要だと考えております。この観点から、周辺国も含めまして中央アジアとの経済協力関係を強化していくということがますます重要になると思っております。この一環としまして、経済産業省では、今年の年内に日・カザフ双方の官民が参加する経済会議を開催しまして、原子力分野に限らず幅広い経済協力関係の強化を図っていく予定でございます。  今委員がおっしゃいましたように、ウラン資源に乏しい我が国でありますので、カザフスタンとかロシアを始めとして、ウラン燃料の供給力のある国と協力関係を一層強化しまして、これを日本の国是であります核燃料サイクルとしっかり結び付けていくということが重要だと考えております。公的金融の活用などを通じて、日本の電気事業者とかプラントメーカーなどの国際展開も支援してまいりたいと考えております。
  53. 山本香苗

    山本香苗君 もうちょっと具体的な御答弁が欲しかったなと思っていたんですが、とにかくこの分野では平和利用というものを前提とした上での国家的な戦略というものをしっかり練っていただきたいとお願い申し上げまして、ちょっと次の話ともつながってくるんですが。  先月末に麻生総理が国問研の講演におきましてユーラシア・クロスロード構想というものを発表されまして、中央アジアだとかコーカサスだとか、そういう地域を重点的に支援するという考えを表明されました。この構想につきまして、新しい構想という形で報道はされておりましたけれども我が国の外交施策にどう反映されていく形になるんでしょうか。自由と繁栄の弧というのは麻生総理が外相時代に出されましたけれども、それの発展版というような位置付けになるんでしょうか。  実際、中央アジアへの支援の仕方というのは、既に中央アジアプラス日本という行動計画の中で今実施をされているわけでありますが、この新たな構想とこの行動計画との関係はどうなるのか、具体的にこれをどう進めていくのか、ちょっとまとめてお伺いをさせていただきたいと思います。
  54. 兼原信克

    政府参考人(兼原信克君) お答え申し上げます。  麻生総理、先般の安全と繁栄を確保する日本外交というスピーチにおきまして、ユーラシア・クロスロード構想を発表されました。中央アジア・コーカサス地域を通ってユーラシア大陸を南北東西につなげる広域インフラの整備に我が国が協力をするということでございます。  中央アジア地域は、ユーラシア大陸の中央に位置する地政学上の要衝でございまして、かつ豊かなエネルギー鉱物資源に恵まれております。その安定と発展我が国のみならず国際社会全体にとって極めて重要ですが、この地域の広域インフラの整備はこの地域の自立的で安定した発展に資するものと考えております。  南北ルートでございますが、委員御指摘のとおり、二〇〇六年の外相レベルで策定をした中央アジアプラス日本の対話行動計画におきまして、中央アジアからアフガンを経由する南北輸送ルートの整備、この支援を表明しているわけでございます。  具体的には、アフガニスタンにおきまして幹線道路の整備支援を行っておりますが、中央アジアにおきましても、ウズベキスタンにおいて鉄道幹線建設事業、タジキスタンにおけます道路整備事業、キルギスタンにおけます道路整備機材供与、専門家派遣などを実施しているところでございます。特にウズベキスタンにおきましては、タシグザール—クムクルガン鉄道新線建設計画が、今年二〇〇九年の秋ごろに全事業の大部分を占めます五つの橋の建設が完了をいたしまして、来年春ごろには通信設備を含めて全工程の工事が終了する予定でございます。  タジキスタンにつきましても、アフガニスタンとの国境からドゥシャンベに至ります途中のクルガンチュベ、ドゥスティ—ニジノピャンジ間の道路、これの一部は完工しておりまして、他の部分は今から取り組むところでございます。  東西回廊、これが今回の総理の新しい構想でございますが、これにつきましては、これまで我が国が黒海西岸の港湾の整備に関する協力を円借款で実施をしてまいりました。具体的には、ルーマニア、ブルガリアのコンスタンツァ南港、ヴァルナ港、ブルガス港をやってまいりました。これに現在、グルジアにおけます東西道路の一部の整備というものを円借款で検討をしております。これによりまして、黒海を挟みまして黒海の西岸と南岸、さらにはカスピ海に抜けていく東西回廊の整備に貢献したいというふうに考えている次第でございます。
  55. 山本香苗

    山本香苗君 ちょっと確認ですけれども、といいますと、既にやっていることに更に促進するということで、新たなものをこれからまた決めていくということではないということですか。
  56. 兼原信克

    政府参考人(兼原信克君) 現在作業をしておりますのがウズベキスタンの鉄道幹線とそれからタジキスタンの道路でございます。それからもう一つ、グルジアの道路をやっております。これに加えて今度あと何をするかということにつきましては、恐らく、黒海の西側が済んでおりますので、今コーカサスをやっておりますから、もし先方から期待があればカスピ海沿岸につきましても何かやっていければというふうに考えておりますが、まだそこのところの具体的な話があるわけではございません。
  57. 山本香苗

    山本香苗君 この新しい構想を実現していく上で、だからまさにやっていない方向の方ですけれども、その辺りでは焦点はカザフになってくるんだと思います。  御存じのとおり、援助実績に比べても、こういった構想、新たな構想をやろうとしても、カザフスタンにおける実施体制というのは不十分であるわけなんです。この点におきまして、カザフスタン援助実施体制評価におきましては、JICA、JBIC事務所設置を含めた人的体制の強化が必要ということが提言されております。また、先ほどお話が出ておりますように、貿易投資考えれば、ジェトロや、また、キルギスの事件のときに閉鎖されましたけれども、JOGMEC、こういった事務所の設置ということも必要だと考えます。  是非、早急に、こういった新たな構想を立ち上げていく中で、構想で終わるのではなくて、実際やっていく体制のところまで見ていただいた場合に、カザフにおける実施体制の強化というものは非常に重要だと思いますので、早急に取り組んでいただきたいと考えますが、外務大臣の御見解をお伺いいたします。
  58. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 委員カザフスタンでお仕事もされたことがあるということですし、またカザフ語ですか、専門家としても御活躍されたと伺っておりますけれどもカザフスタンは、先ほども申し上げましたけれども中央アジア最大の国土を有しておりますし、ウランやそれから原油、そういう豊富なエネルギー鉱物資源を擁する地域の大国でありまして、日本の対中央アジア外交、それから資源外交上の大変重要な国でございます。  今委員からお話ありましたけれども同国にはJICAの事務所はございませんが、首都のアスタナに常駐の援助要員を配置をいたしております。二名が常駐しておりましてJICA関係業務を行っておりますけれども、そこで人材育成とかあるいは産業振興などのODA関連業務を行っております。また、JOGMEC、これも事務所はございませんけれども日本大使館に一名職員が出向しておりまして、資源外交推進の観点からまた大きな成果を上げているところでございます。ジェトロ及びJBICは、これはタシケント、それからモスクワにそれぞれ事務所を持っておりますけれども、そこでカザフスタンを含む中央アジア全域を管轄をしているということでございます。  いずれにしましても、我が国にとりまして大変重要なこの地域また国でございますから、こことの関係強化には我が国関係政府機関と密接に連絡を取りながら引き続き取り組んでいきたいと、そういうふうに考えています。
  59. 山本香苗

    山本香苗君 事実としての体制は、今どうにか人繰りをしながらそういう形をやっているわけなんですが、是非、よく中央アジア関係全体を見た上でどうするか、どういう形で人的配置をやっていくか、もう一度見直しをしていただきたいなと思うわけなんです。  あと三分になったので、最後に、外務大臣に議連の顧問をしていただいておりますトルコについて、簡単に二点お伺いしたいと思います。  一つは、二〇一〇年、御存じのとおり一八九〇年のエルトゥールル号事件から百二十年となりまして、トルコにおける日本年が開催されることになっております。本事業につきましては、ギュル大統領が去年来た際に全面的に支援すると政府が合意されて、トヨタの張会長を委員長とする実行委員会も立ち上がりまして着々と今準備が進められているんですが、そこで国交省に来ていただいておりますけれども、この共同声明の中に二〇一〇年を観光交流年にするということが明記されているんですが、これは具体的にどうやっていただけるんでしょうか。  そして、先月、日本とトルコの航空当局との協議の間で、二〇一〇年の成田増枠後にトルコ直行便の増便ということが決定されたわけですが、是非こうした動きもにらみながら、トルコにおける日本年の事業と連動いたしまして、観光交流年の中に更にこの両国間の人的交流が進むような仕掛けをつくっていただきたいと思いますが、やっていただけますね。
  60. 西阪昇

    政府参考人(西阪昇君) お答えいたします。  先生御指摘のとおり、二〇一〇年、日本とトルコの観光交流年でございますので、トルコは大変親日的な国でもございますので、私ども、是非これを契機に日本とトルコの観光交流の一層の促進を図っていきたいというふうに考えております。  具体的には、トルコにおける日本年の事業で、トルコにおける日本の各種紹介などの事業が予定されておりますので、それとうまく連携を取って相乗効果が図れるように、また我が国の観光関係業界ともよく相談をいたしまして、具体的な中身のある事業を実施をして、両国の観光交流が一層促進できるように取り組んでいきたいというふうに考えております。
  61. 山本香苗

    山本香苗君 もう一つ、時間がもうないので。  今お話がありましたけれども、トルコと日本というのは本当に極めて友好な歴史がずっと続いてきているわけですが、経済関係というのはその歴史に比べて不十分で、事あるごとにトルコ側から二国間の経済強化ということが求められてきているわけであります。そうしたこともありまして、実は六年前に、経済合同委員会とは別に、経産省が中心となって官民で構成するトルコビジネス環境分析研究会というのが立ち上げられたんですけれども、たった二回会合をやっただけで立ち消えになってしまっているわけなんです。  そこで、是非お願いしたいんですが、経産省にもう一回、二〇一〇年日本年に向けてこのトルコ研究会を立ち上げていただいて、今度こそは両国間の経済関係の拡大につながるような成果を出していただきたいと思いますが、どうでしょうか。
  62. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 時間が超過をしておりますので、簡潔におまとめください。
  63. 小川恒弘

    政府参考人(小川恒弘君) お答え申し上げます。  トルコにつきましては、先生御指摘のとおり、欧州市場への輸出拠点といたしましてトルコとの経済関係について高い関心を有しているところでございます。また、御指摘のとおり、二〇〇三年から二〇〇四年にかけましてはトルコ研究会というものを開催をいたしまして、現状分析、日本企業の支援策を検討いたしました。これを受けまして、ジェトロや中東協力センターを通じまして、投資フォーラムの開催などの事業実施をいたしまして、経済交流の振興に努めてまいりまして、現在、その結果、自動車関係企業中心といたしまして日系の企業約六十社進出しているところでございます。  経済産業省といたしましては、今後とも、御指摘のとおり、とりわけ来年はトルコにおける日本年に当たるということもございます。トルコとの経済関係の一層の深化に向けて様々な方策を検討していく必要があると思っております。したがいまして、トルコにおける我が国企業ビジネスを後押しするためにどのような方策が望ましいかについて、もう一度、トルコに対する日本企業の関心やビジネスの実態などを踏まえながら、研究会の設立も含め検討していきたいと思っております。  以上でございます。     ─────────────
  64. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、佐藤正久君が委員辞任され、その補欠として丸山和也君が選任されました。     ─────────────
  65. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  これまでに結ばれてきた租税条約全体に対してお聞きいたしますが、日本は、途上国に投資している企業がその国で租税上の優遇措置によって減免された租税の額を納付したものとみなして日本の法人税額から控除することを認めております。いわゆるみなし外国税額控除でありますが、資本金が三百億円以上の日本の法人が最近五か年、このみなし税額控除を受けている実績をまず述べていただきたいと思います。
  66. 岡本榮一

    政府参考人(岡本榮一君) お答え申し上げます。  国税庁は、外国税額控除の適用状況を標本調査に基づき把握しております。これによれば、過去五年間のみなし外国法人税額は、それぞれ、平成十五年分二百二十億円、平成十六年分二百八十億円、平成十七年分五百二十億円、平成十八年分五百二十億円、平成十九年分千百十億円となっております。
  67. 井上哲士

    ○井上哲士君 五年間で実に五倍に膨れ上がっているわけですね。九六年十一月の政府税調の法人課税委員会報告を見ますと、みなし外国税額控除の一層の見直し・縮減の努力を継続すべきものと明確に述べております。これによりますと、この制度の問題点として、税の公平といった課税の基本原則といった観点も踏まえる必要があるという指摘もしているわけでありますが、この制度のどこが問題であるという認識でしょうか。
  68. 古谷一之

    政府参考人(古谷一之君) お答え申し上げます。  この制度は、先ほど先生から御指摘がございましたように、開発途上国であります条約締結相手国が、経済開発を促進するために、外国企業の誘致などを目的としまして租税の減免措置を行いました場合に、これに対して減免した税額相当額の控除をこちら側で認めまして、言わば自国の課税権を制約する形により開発途上国の支援をするという特別の措置でございます。  これにつきましては、OECDなどでも議論が行われておりまして、開発途上国に対する支援の手法として必ずしも効果的ではないんではないかとか、投資促進手段としての有効性に疑問があるのではないかとか、さらには、途上国に所得を移転するなどの誘因となりまして濫用のおそれがあるのではないかといった指摘が行われております。  こういった指摘がございます中で、政府税調の指摘にもございますように、近年の条約締結、改正に当たりましては、適用期限を付すなど、この制度の見直し、縮減を行ってきているところでございます。
  69. 井上哲士

    ○井上哲士君 税調でも、今紹介あったOECDでも様々な問題が提起をしているわけですが、しかしそれが、実績は五年間で五倍の額に膨れ上がっていると。この認識と逆行する事態については、財務省としてはどういう認識をされているんでしょうか。
  70. 古谷一之

    政府参考人(古谷一之君) みなし外国法人税額が増加している理由につきましては、必ずしもつぶさに私ども分析はできておりませんけれども世界経済のグローバル化が進展いたします中で、この制度の適用が認められております租税条約相手国、現在、中国、タイ、ベトナム、バングラデシュ、フィリピンといったアジア諸国が入っておりますけれども、こういった国での我が国の法人の経済活動が活発に展開されているということが一因ではないかと考えております。
  71. 井上哲士

    ○井上哲士君 私は、それだけではこの五年で五倍になったということのなかなか説明にはなっていないなと思うんですが、やはりここはきちっと分析をされる必要があると思います。  そこで、外務省に聞きますが、日本租税条約でみなし外国税額控除を供与している国がありますが、その中で、この供与期限の設定がない国は今どうなっているでしょうか。
  72. 北野充

    政府参考人(北野充君) お答え申し上げます。  現在、日本がみなし外国税額控除を供与している国というのは合計八か国ございます。順に申し上げますと、スリランカ、ザンビア、ブラジル、フィリピン、それから中国、タイ、バングラデシュ、ベトナムの八か国でございます。このうち、フィリピンにつきましては平成三十年まで、それからベトナムにつきましては平成二十二年まで、また中国につきましては、事業所得は平成二十八年までということになってございますけれども、そのほかの国につきましては供与期限というふうな形での設定は行われておらないところでございまして、先ほど財務省の方からも答弁がございましたように、今後の協議の中で、改正というふうな形の中で縮減を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
  73. 井上哲士

    ○井上哲士君 税調やOECDの報告書の方向に照らしますと、私はこれ早期見直しが要請されると思いますが、改めて大臣から御見解を伺いたいと思います。
  74. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 先ほどからお話ありますように、外国税額控除というのは、課税の公平性とか中立性、あるいは租税回避のために濫用されるおそれがあるとか、あるいは投資交流の促進に必ずしも資するものではないというような問題点、そういうものも指摘されております。  そういうところからも、先ほどから御答弁申し上げておりますように、今後の締結交渉とかあるいは改正交渉におきましてもこの規定は設けないことを基本といたしまして、そして既存のみなし外国税控除に関する規定の廃止、それから縮減、これらを図ってまいりたいと考えています。
  75. 井上哲士

    ○井上哲士君 今回の対カザフにおいては、使用料に対して議定書において実質五%に引き下げられた源泉地国課税となっておりますが、過去の答弁で、使用料は、相応の担税力があると考え租税条約で一〇%程度に軽減しつつ源泉地国課税権を確保したと、こういう答弁があるわけで、担税力があるにもかかわらずこの税率を引き下げるということになりますと、進出する日本の大企業に特に有利に働くと思いますが、この点、いかがでしょうか。
  76. 兼原信克

    政府参考人(兼原信克君) お答え申し上げます。  使用料は、委員御承知のとおり、文学上、芸術上若しくは学術上の著作物の著作権、特許権、商標権等の使用料のことでございますが、日・カザフスタン租税条約では、日・カザフスタン両国間の知的財産権に関する交流を促進するという観点から、この使用料に対する源泉地国の課税に関して、その限度税率を実質五%になるように規定したわけでございます。この規定は、必ずしも大企業に限らず、国境を越えた経済活動を展開している中小を含む我が国企業及び個人について広くその税負担を軽減して、日本企業カザフスタン進出を促進するという効果を有するとともに、現地での競争条件を改善することにつながると考えております。
  77. 井上哲士

    ○井上哲士君 経産省の基本調査、二〇〇四年実績で見ますと、日本の大企業の本社が海外から受け取る投資所得の内訳で、例えば非鉄金属部門全体では二十六社で二百十一億五千六百万円ですが、そのうち使用料が九十三億八千八百万円で四四・四%を占めております。これが五%というふうに措置をされるとどうなるのかと。  この使用料は、現地子会社への技術移転が終了するまで支払が継続をいたしますし、それから技術移転の進展とともに増加をしていくわけで、現地におけるこの使用料の源泉課税の実質軽減措置というのは非常に大きな恩恵になるわけですね。とりわけこの非鉄金属、それから資源エネルギー産業の巨大固定資本というのはパテントの塊みたいなものでありますから、そういう点では、この使用料の軽減税率というのが大企業、多国籍企業にもたらす恩恵は非常に大きいというふうに言わざるを得ません。  こういう、先ほどのみなし外国税控除額が事実上拡大をしているということや、こういう大企業に対する優遇税制措置が更には上塗りされるということでありますから、これはやはりOECDなどが指摘するように公平性と効果に非常に問題があるということを指摘をいたしまして、質問を終わります。
  78. 山内徳信

    ○山内徳信君 私は、付託されております二件の案件につきましては賛成いたします。  以下、防衛省に質問をいたします。  あらかじめ、防衛省が沖縄県に提出をしてございます環境アセスの準備書は公文書かあるいは非公文書か、お答えください。
  79. 長岡憲宗

    政府参考人(長岡憲宗君) 御指摘の準備書でございます。これは平成二十一年四月一日に沖縄防衛局長から沖縄県知事等に送付した公文書でございます。
  80. 山内徳信

    ○山内徳信君 分かりました。  準備書についての意見の概要及び事業者の見解の七十五ページのナンバー九の事業者の見解によると、ジュゴンの生息は辺野古沖では平成十一年度まで、宜野座から金武湾では平成十六年度まで確認されましたが、その後は確認されていませんとあります。しかし、政府参考人は七月七日の私の質問に答えて、宜野座沖で発見された後、辺野古沖をゆっくりと北上し、長島、平島辺りでUターンをして南下していったと、こういうふうにジュゴンの存在を確認されましたが、その確認したのは平成何年何月何日か、簡単にお答えください。
  81. 長岡憲宗

    政府参考人(長岡憲宗君) 環境省の報告書にございますが、平成十七年の三月七日で確認されたということでございます。
  82. 山内徳信

    ○山内徳信君 分かりました。  それでは、辺野古沖では平成十一年度までしか確認されていませんという記述は事実に反していたことが明らかになりました。そのことをこの場で確認をしておきたいと思います。よろしゅうございますか。
  83. 長岡憲宗

    政府参考人(長岡憲宗君) 今回の私どもの準備書においては、今まで再三御答弁させていただきましたけれども、ジュゴンの確認位置を記載する際に、辺野古沖と宜野座沖、金武湾のエリア分けをして分類いたしております。御指摘の十六—九のジュゴンにつきましては、環境省の位置情報から、宜野座沖、金武湾の分類で整理をして記述したところでございます。  先般、沖縄防衛局が沖縄県等に送付しました住民等の意見の概要と事業者の見解においては、こういったエリア分けの整理に基づきまして、今先生がお読みになりましたように、既往の調査結果によるとジュゴンの生息は云々と記述をいたしたところでおります。  ちなみに……
  84. 山内徳信

    ○山内徳信君 簡単にしてください。
  85. 長岡憲宗

    政府参考人(長岡憲宗君) はい。ちなみに、広辞苑によりますと、生息というのは生活すること……
  86. 山内徳信

    ○山内徳信君 そこまでは要りません。──いやいや、よろしゅうございます。あんた方、必死に逃げようとしておるじゃないか。  お手元にこの資料を配っております。北村副大臣もよく目を通していただきたいと思います。今、政府参考人の必死の説明は、この図の宜野座から金武湾、この文章は金武湾から宜野座という項目になっていますよ。この項目に今確認したジュゴンは入っておるという説明をやっておるんです。ところが、辺野古沖はここなんです、ここ。御覧になっていますね。そして、緑の、ここに、辺野古の沖に七時間から十一分も悠々と泳いでいた。このことを全く書いていないわけです。したがいまして、幾ら広辞苑を引いてもこの存在は否定できませんことを北村副大臣に強く申し上げておきたいと思います。  進めてまいります。  環境影響評価準備書のページ六—十六—四十六の表、この四十六の表というのがこれなんです、これ。これはもう配ってありますし、皆さんお持ちでいらっしゃいます。それから、十六・一・七の個体数の発見位置の項目の金武湾から宜野座沖の二頭の中に、十六—九ジュゴン、今確認しました辺野古沖を回遊していたというジュゴンのことです、は含まれているとの説明は明らかに虚偽であります。虚偽。海域が違うんです。東シナ海にいたのを太平洋にいたと言うようなものですよ、これは。バルチック艦隊は東シナ海から日本海を通って北上したんです。それは違う、太平洋から行ったなんて、こういう話になりますよ。事実関係ですから、そのことを強く申し上げておきます。  したがいまして、金武湾と宜野座沖の中に含まれているという防衛省の説明は事実に反する説明であると、このことをはっきり申し上げておきます。したがいまして、この表現は改ざんであると。私はこのこと、この二つの表は一歩も譲れません。それほどあなた方は改ざんしておいて、あと三分あります、公の場で、これに含まれている、これに含まれていると。こんな話は通らぬでしょう。そういうことを強く申し上げておきます。  そして、あと二分ぐらい残っておりますから申し上げますが、基地を造るために、とにかくジュゴンの生息とかジュゴンの存在を意図的に皆さんはこの図とか表から削除しております。消し去っておりますよ。これを意図的とかあるいは改ざんと言わずして何と言いますか。したがいまして、公文書とおっしゃいましたから、こういう公文書の作り方、沖縄県知事と沖縄の環境評価審議会をばかにしていますよ。いいかげんなものを出して適当に審議させろと、そういうことでありますから、私はここで問題を提起いたします。  刑法十七章には文書偽造の罪というのがあります。公文書偽造あるいは虚偽公文書作成、虚偽公文書行使の規定に抵触する可能性が大であります。したがいまして、私はこの場で、このような意図的に改ざんされた準備書を撤回を要求いたします。撤回を要求いたします。それが私の今日の質問でございます。  それで、最後のは答弁は要りません。  こういう、うそ偽りの、事実存在したのを認めておいて、いや、金武湾と宜野座の表に含めてありますと。こんないいかげんな資料作り、いいかげんな資料作り、意図的な資料作りを許すわけにはまいりません。そして、皆さんは、あの二頭の問題もありますが、今日はもう時間だと思いますから次にまた触れますが、二頭についても、あれは二頭なのか四頭なのかと、その可能性さえも否定をしておる。可能性を否定するというのはアセスの精神に反するということなんですよ。  以上です。終わります。
  87. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより両件について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  88. 井上哲士

    ○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、日本ブルネイ租税協定及び日本カザフスタン租税条約締結承認に反対の討論を行います。  本協定及び条約案は、二〇〇三年に締結された日米租税条約の規定がベースとなっています。すなわち、海外投資先国における配当、利子の限度税率、親子会社間配当の軽減税率の認定を受けるための持ち株比率要件、特許料、使用料等の一連の投資所得に対する源泉地国課税日本と他国間の改正済みの租税条約並みに低率で措置することがその主な内容であります。  日本の多国籍企業の海外子会社の所得は、事業活動の拡大に伴い、近年急激に増加しています。これは、日本の多国籍企業が、投資先各国の外資優遇税制と、各国に展開している海外子会社の法人税などの源泉課税税率の相違及び関税率の相違を、事業収益拡大のてことして利用している実態があります。  また、政府税制調査会とOECDが、課税の公平性と中立性を侵すという理由でみなし外国税額控除制度の廃止、縮減を求めている下で、近年、同税額控除額の大幅拡大が見られることは問題であります。  日本国内において、我が国政府が多国籍企業に対する優遇税制措置を重ねてきたことにより、法人課税の実効税率が事実上三〇%ないし三三%台まで引き下げられているという実態があります。  こうした下で本協定及び条約締結されれば、現地子会社を持つ日本の多国籍企業に更なる優遇税制を積み上げることになり、これは税の公平負担原則の観点から見て容認はできません。  以上をもって討論といたします。
  89. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、所得に対する租税に関する二重課税回避及び脱税防止のための日本国ブルネイダルサラーム国との間の協定締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  90. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、所得に対する租税に関する二重課税回避及び脱税防止のための日本国カザフスタン共和国との間の条約締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  91. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時三十四分散会