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2009-06-23 第171回国会 参議院 外交防衛委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十一年六月二十三日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  六月十八日     辞任         補欠選任         丸山 和也君     鴻池 祥肇君      山本 香苗君     山口那津男君  六月二十二日     辞任         補欠選任         広中和歌子君     相原久美子君  六月二十三日     辞任         補欠選任         藤田 幸久君     岩本  司君      橋本 聖子君     長谷川大紋君      山口那津男君     風間  昶君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         榛葉賀津也君     理 事                 浅尾慶一郎君                 一川 保夫君                 白  眞勲君                 木村  仁君                 小池 正勝君     委 員                 相原久美子君                 石井  一君                 犬塚 直史君                 岩本  司君                 風間 直樹君                 谷岡 郁子君                 岸  信夫君                 佐藤 正久君                 長谷川大紋君                 山本 一太君                 風間  昶君                 浜田 昌良君                 山口那津男君                 井上 哲士君                 山内 徳信君    国務大臣        外務大臣     中曽根弘文君        防衛大臣     浜田 靖一君    副大臣        文部科学大臣  山内 俊夫君        国土交通大臣  加納 時男君        防衛大臣    北村 誠吾君    大臣政務官        外務大臣政務官  柴山 昌彦君        厚生労働大臣政        務官       金子善次郎君        防衛大臣政務官  岸  信夫君    事務局側        常任委員会専門        員        堀田 光明君    政府参考人        外務大臣官房審        議官       石川 和秀君        外務大臣官房審        議官       知原 信良君        外務大臣官房審        議官       田辺 靖雄君        外務大臣官房審        議官       北野  充君        外務大臣官房参        事官       渡邉 正人君        外務省領事局長  深田 博史君        財務大臣官房審        議官       原  雅彦君        文部科学省国際        統括官      木曽  功君        文化庁文化部長  清木 孝悦君        厚生労働大臣官        房審議官     榮畑  潤君        厚生労働省職業        安定局高齢・障        害者雇用対策部        長        岡崎 淳一君        農林水産大臣官        房審議官     林田 直樹君        農林水産大臣官        房審議官     小栗 邦夫君        農林水産省総合        食料局次長    平尾 豊徳君        農林水産省生産        局畜産部長    佐藤 一雄君        経済産業大臣官        房審議官     小川 恒弘君        国土交通大臣官        房技術参事官   下保  修君        国土交通省航空        局長       前田 隆平君        観光庁長官    本保 芳明君        防衛省防衛参事        官        枡田 一彦君        防衛省防衛政策        局長       高見澤將林君        防衛省経理装備        局長       長岡 憲宗君        防衛省地方協力        局長       井上 源三君    参考人        成田国際空港株        式会社代表取締        役社長      森中小三郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○経済上の連携に関する日本国ベトナム社会主  義共和国との間の協定締結について承認を求  めるの件(内閣提出衆議院送付) ○日本国スイス連邦との間の自由な貿易及び経  済上の連携に関する協定締結について承認を  求めるの件(内閣提出衆議院送付) ○航空業務に関する日本国サウジアラビア王国  との間の協定締結について承認を求めるの件  (第百七十回国会内閣提出、第百七十一回国会  衆議院送付)     ─────────────
  2. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、山本香苗君、丸山和也君及び広中和歌子君が委員辞任され、その補欠として山口那津男君、鴻池祥肇君及び相原久美子君が選任されました。  また、本日、藤田幸久君が委員辞任され、その補欠として岩本司君が選任されました。     ─────────────
  3. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 政府参考人出席要求に関する件及び参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  経済上の連携に関する日本国ベトナム社会主義共和国との間の協定締結について承認を求めるの件外二件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務大臣官房審議官石川和秀君外二十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) また、参考人として成田国際空港株式会社代表取締役社長森中小三郎君の出席を求めることについて、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 経済上の連携に関する日本国ベトナム社会主義共和国との間の協定締結について承認を求めるの件、日本国スイス連邦との間の自由な貿易及び経済上の連携に関する協定締結について承認を求めるの件及び航空業務に関する日本国サウジアラビア王国との間の協定締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。  三件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 白眞勲

    白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。  まず、本題に入ります前に、北朝鮮関連の件につきまして、少々、防衛大臣を中心にお聞きしたいというふうに思っております。  北朝鮮ミサイルなんですけれども、先日、ゲーツ・アメリカ国防長官北朝鮮ハワイ方向ミサイル発射するかもしれないという懸念を持っているというコメントを発したんですけれども、それについて防衛大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
  8. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 先生指摘ゲーツ長官発言というのは、我々が今現在ここで評価するというよりも、北朝鮮の方がどのような行動に出るかというのは全く予想が付きませんので、我々がゲーツ長官発言に対して今ここでお答えするのはどうかと思いますけれども、ただ、当然、この間の発射等考えれば、かなりの距離のものということを考えれば、そういった可能性がないとは言い切れないということは我々も言えると思うんですが、ゲーツ長官発言がどれだけ裏付けがあるものなのかというのは、私どもとしては承知をしないところであります。
  9. 白眞勲

    白眞勲君 もちろん、これはゲーツさんというアメリカ国防長官お話をされたことなので、こちらとしてコメントがどうこうということはないかもしれませんが、そうはいってもやはり同盟国であるという、非常にそういう固いきずなで結ばれている同盟国が全くのガセネタでこういう発言を責任ある方がおっしゃるとも思えないわけですね。当然、アメリカのいろいろな情報を総合してこういう発言につながったのではないんだろうかと。  そうしますと、やはり日本としても、ほかの国のネタとちょっと違う種類発言だというふうに私は思っているんですけれども、そういう観点から防衛大臣として、日本防衛大臣としてどういうふうに、懸念があるかどうか等も含めてちょっとお話を聞きたいと思います。
  10. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 先生も既に御存じのとおりに、今まで北朝鮮がいろいろなミサイルを保持をしておって、それに対して今までその発射をしてきたところはこれは明白なことでありますし、種類からいけば短いものから長いものまでということで、我々の地域にとってはまさにこれは脅威というか、当然それだけの攻撃能力を持ったものを持っているということは当然そうでもありますし、そういった意味においては、今回この件に関しましてもいろいろな発言が多くありまして、そしてまた四月二十九日のスポークスマン発表以来、言ったことは一応すべてやってきているということがここにあるわけでありますので、その意味では、我々とすれば、今北朝鮮に対していろいろな情報能力確度を上げて情報収集をしているということは、これはもう間違いのないことでありますし、今後どのような動きに出るか、これはもう先生の方がよく御存じかと思いますけれども、いろいろな動きがあるというのは我々も承知をしておるところでありますので、なお一層北朝鮮に対しての動向はしっかりと見てまいりたいというふうに思っておるところであります。
  11. 白眞勲

    白眞勲君 今、報道等では二か所の話がありまして、発射する場所ですよね、東倉里舞水端里という東西のそれぞれの場所にあるわけなんですけれども、この件に関しましては防衛省としてどのように把握されていますでしょうか。
  12. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 報道ベースで、北朝鮮北西部東倉里及び北東部舞水端里長距離弾道ミサイル発射準備をしているという種々報道があることは、我々も承知をしております。  このコメントはその事柄の性質上差し控えさせてはいただきますけれども、先ほど申し上げたように、四月二十九日の北朝鮮外務省の声明、そしてまた五月二十五日には核実験を実施したこと、そしてまた五月二十九日、またスポークスマン国連安保理が更なる挑発を行えば更なる自衛的措置が不可避である旨を述べておるわけでございまして、総合的に勘案すると、北朝鮮が更なる弾道ミサイル発射に踏み切る可能性というものは、これは否定できないというふうに考えられます。  いずれにせよ、我々とすれば、情報収集そしてまた分析をしっかりとして、その対応に万全を期してまいりたいというふうに思っておるところであります。
  13. 白眞勲

    白眞勲君 今まさに防衛大臣もおっしゃいましたように、北朝鮮という国は今、過去でもそうなんですけれども、いろいろな言い方をするんですけれども、言ったことについては結構きちっとやっているといいますか、部分があるんですね。ですから、今も大臣おっしゃいましたように、四月二十九日のそういった発表以来種々、五月のそういったことも含めまして、総合的に考えると何かミサイル発射も否定できないような状況になっていると、今まさにおっしゃったとおりだと思うんですね。  ですから、それに対して当然対応というのは日本としても考えていかなきゃいけないだろうと。まして、ハワイに行くにしたって、これ日本の上を通っていきそうだという、仮にですよ、ハワイを目指すようなミサイルが飛んでいくとしても、これ日本に対する影響というのは当然あるわけですから。そういうことを考えますと、前回の、彼らが衛星だと言っている例のテポドンの発射の際には一応事前に発射するということを知らせたということの中での対応というのもあったわけですが、今回同じとは限らない。ともかく、撃つぞということだけは言っているわけですから。そうすると、ゲーツ長官ハワイ方向ミサイル発射するかもしれないという懸念を持っているという報道。  日本としても最大限、万が一ということに備えてSM3とかPAC3の配備、これ対応というとそれまずやっていかなきゃいけないと思うんですよね。もちろん、レーダーのそういった性能というか、そういったものも含めてでしょうけれども。SM3やPAC3の配備のする必要性というものを、今の時点大臣はどのようにお考えでしょうか。
  14. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 先生今御指摘のあった点につきましては、前から先生御存じのとおりだと思うわけでございます、我々も説明をさせていただいておるわけでありますけれども。  この我が国弾道ミサイル防衛に関しましては、日米センサー情報を共有することで弾道ミサイルの探知・追尾について情報確度同時追尾能力向上を図っている。そしてまた、そのシステム自体は、SM3搭載のイージス艦ペトリオットPAC3から成る多層防衛考え方を採用して、これに加えて米国アセットによる防衛想定をしておるところであります。  このように、日米両国センサー、ウエポン、そしてまた指揮統制通信システムなど両国アセットの調整を通じて、より効果的な弾道ミサイル防衛を可能なものとすべく緊密に協力をしておるところでもありますし、我が国BMDシステムは特定のこれは国とか地域を対象にしたものではありませんけれども、我が国の領域に飛来する千キロメートル級の弾道ミサイルに対処できるものと考えておりますし、今後ともこの能力、そしてまたBMDシステムの着実な整備と運用体制向上に努めてまいりたいと思いますし、更に米国とのBMD協力を推進していきたいというふうに考えておるところであります。
  15. 白眞勲

    白眞勲君 いや、今後の方針について聞いているわけじゃないんですね。今まさに迫りつつある危機に対してどういうふうに対処するかということを私はお聞きしているわけでして、アメリカゲーツ長官THAADミサイルハワイへの配備も再度指示しているということを言っているわけですね。それと海上配備Xバンドレーダーハワイ周辺配備したと、ここまでやっているわけですね。当然日本としても、今の時点でそろそろSM3やPAC3の配備について検討する必要、あるいはもう配備する必要、これについての防衛大臣としての認識をお伺いしております。
  16. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 我々とすれば、今先生の御指摘のあったように、いろいろな情報に接しながら我々とすればその準備を進めてまいりたいというふうには思っております。  当然、我々の対応というのは、今先生指摘のように、アメリカではそういうふうにやっているけれども日本はどうするんだというお話でありましたけれども、今の判断ということになれば、当然いろいろなまだ情報収集、そしてまたいろいろな確度を上げて、今ここで手のうちをちょっとさらすわけにもまいりませんし、これはしっかりと今後いろいろな情報を取り入れながら適宜配備を進めていきたいというふうに思っておるところであります。
  17. 白眞勲

    白眞勲君 といいますと、やはりPAC3、SM3の配備については、今もう検討段階に入っているということでよろしゅうございますね。
  18. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) その点については、当然我々の、これは北朝鮮がどこに撃ってくるかというようなこともまだ想像も付きませんし、我々とすればいろいろな情報を得るために常に情報を取りながら、どういった形が一番いいのかをこれからも見定めていきたい。  特に、前回のように、先ほど先生がおっしゃったように、航行制限区域とかそういうものを出してくるのかどうかも含めて、今のところいろんな情報というか、報道等でもあるように、北朝鮮の方も必ずそういったものを設定しながらやってきているところもあるわけでありますので、そういったところも含めて我々、その時期については今後とも考えてまいりたいというふうに思います。
  19. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、やはり北朝鮮動向を見つつ日本PAC3、SM3の配備も含めて検討段階にあるというふうなことであるというふうに思ってよろしゅうございますね。
  20. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 当然そうであります。
  21. 白眞勲

    白眞勲君 そういう中でTHAADシステム、今先ほど申し上げたこの配置といいますか、これはミサイル最終段階で迎撃するPAC3とはちょっと違ったタイプの迎撃システムであるというふうに聞いているんですけれども、日本政府としては、先ほど防衛大臣も今後もアメリカとの関連をいろいろ強化しながらこのミサイル防衛システムについては考えていきたいとおっしゃっていましたけれども、アメリカが保有している迎撃システムというものを今後日本に導入する可能性についてはどうなんでしょうか。
  22. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。  THAADにつきましては、米国のいろんな広範なミサイル防衛システムの中でそれなりの役割を与えられておりますし、最近そういった形の配備というものが可能になったというふうに理解をしております。  一方、地域状況等考えますと、日本に飛んでくる弾道ミサイルというようなものを考えた場合に、THAADというシステムがどの程度の効果があるのかということは一般論として考えられるわけでございますけれども、当面防衛計画大綱考えておりますのは、大臣から御説明をさせていただきましたようなSM3とそれからPAC3による二層防衛でございますので、当面はこういった体制をきちっと充実させながら、その能力向上も図りながら、更に万全を期すためにどういったシステムが適切かということは常に検討していかなければならないというふうに考えております。  いずれにいたしましても、こういったミサイル防衛能力を今後どのようにするのかという点については、今後の大綱なり中期防の在り方の検討の中でいろいろ考えていくということになろうかと思います。
  23. 白眞勲

    白眞勲君 高見澤さんのお答えだと、やるんだかやらないんだかよく分からないんですね。SM3をやるんだと言いながらも、検討はやっぱり多角的にとか言ってみたりすると、さっぱり我々としては分からないんですが、分からないのなら分からないと言っていただいた方がよりクリアなので、長々としゃべらなくてもいいと私は思うんですけれども。  そういう中で、報道ですと、どこに、今大臣もおっしゃったように、三方向に撃つ可能性というふうなことも何かちらほら出たりして、よく分かりませんよ、それは、もちろん。  ただ、今現在自衛隊が保有している迎撃システム、この前の彼らが言うロケットの発射、我々はミサイルだと思っているものについて、やっぱりPAC3の守備範囲の狭さというものもあったわけで、うちの町は守らないのかみたいな、そういう議論も若干あったような感じがするんですね。それを補うためにも、例えば同盟国であるアメリカが持っているシステムを、今回はもうともかく、何か、今後状況によってでしょうけれども、ともかくもう全部入れてくれぬかと、で、やっぱり日本防衛に万全を期すということも私は考えられると思うんですね。一時的にせよ、アメリカの持っているそういうシステムとかあるいはPAC3とかを入れてもらうということも私はありだというふうに思うんですけれども、その辺について大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
  24. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 先生の御指摘もっともでありまして、じゃ一体この国どうやって守るのかといったときに、手段を要するに限定するのはおかしいと思いますし、いろいろな可能性、そしてまた我々の必要なものというのは、これは当然いつも考えていなければいけないというふうに思います。  もう無論、それはそこにはお金が掛かる話でもありますし、そして、じゃすぐにということというのはなかなか時間的には、我々のそういった装備というのは、すぐに持ってきてすぐに使えるというのはなかなか考えづらいところもありますんで、我々とすれば、ただ、先生がおっしゃるように、そういったものを否定せずに検討しながら、そしてそれがいかに効率的であるかということも考えながら、我々とすればやっていくべきだと思います。  そして、日米関係という先生の御指摘もあって、その中で、本当にそういった状況になったときに、じゃそれ配備できるのかどうかということも含めて本来は議論しておくべきことだと思いますので、先生の御指摘を踏まえながら、我々もちょっと少しいろいろなことを考えさせていただきたいというふうに思うところでございます。
  25. 白眞勲

    白眞勲君 やはり、予算も限られている中で配備する数もなかなか大変であるという部分において、同盟国であるアメリカがそういうものを持っていて、なおかつ今彼らが、彼らとしての喫緊ではないんだ、あるならばちょっと日本に持ってきてくれぬかと、持ってきて、ちょっとその辺も併せて日本国民の生命、財産を守るために利用させてくれぬかということは私はありだと思うんですけれども、その辺について大臣はいかがでしょうか。
  26. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 我々とすれば、先生、今あるSM3、PAC3でしっかりと対処していくということはこれはもう前提でありますんで、それに対して我々は疑いは持っておりません。  ただ、それ以上のものが考えられる想定というものになれば、当然これはアメリカとの間でしっかりと話合いをするべき事柄だと思います。これはもう先生の御指摘のように、じゃ本当にと言われたときに、我々の想定しない事態が起きないことを望みますけれども、そうなった場合には、当然そういったことも併せて考えるべきことだというふうには思います。
  27. 白眞勲

    白眞勲君 結局、何であれお金が掛かることであるという、大臣先ほどおっしゃったわけですけれど、まさにそうですけれども、ちょっとこれ、質問通告していない部分で、ちょっと大臣に知っている範囲内でもしよろしければということをお答え願いたいんですけれども、F22の件なんですね。  議会で対日輸出検討国防長官に求めると、具体的に日本という場合の求める条項がそこにあるということが何か報道として、報道ベースとしてあるわけなんですけれども、このF22という戦闘機については、もちろんこれは今向こうの、輸出するしないというか、向こうでやっている問題であって、こっちでわあわあ言う話でもないといえばそうなんですけれども、ただ、かといって全く知らぬふりというのも変な話でして、それについて大臣は、このF22、これもし仮に導入がオーケーになったら、やはりこれは検討すべきものであるというふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
  28. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 当然、我々、F4がこれはもう限界というか、かなり年数をたちましたので、更新というか新しい機種を選定しなければならない時期に来ているのは事実でありますけれども、しかし、我々とすれば、あらゆる選択肢を今、どの戦闘機がいいのかというのを考えておりますけれども、ただ、F22という戦闘機自身は、先生御存じのように、もうレベルが違うというか、とにかくすごい戦闘機であることはこれは間違いがないわけでありまして、第五世代になったらこれはもうかなり能力を発揮する戦闘機であるというのは、当然これは我々とすれば無視できないものでありますので、当然興味は持たせていただいております。  ただ、いずれにせよ、輸出禁止の条項がまだ削除されていない。これはもうアメリカ議会の中で、米国議会の中で議論している、もう決まっていることがありますので、それに対してはなかなか厳しいのかなという気がしますが、ただ、そういった兆候が出てきたというのは、大変、我々とすれば興味を持って今も待っているような状況もあります。  ただ、いずれにしても、その時期というのが、どれだけの時期にできるかによってF4をそのまま使い続けなきゃいけないとかということになりますので、そこのところはある程度の時間的な制約というのも我々は課せられているわけでありますので、そこをしっかりとやっぱり判断をしながらやっていきたいというふうに思っております。
  29. 白眞勲

    白眞勲君 今おっしゃいましたように、とにかくすごいんだと。ただ、売ってくれないのであればしようがないわけでして、幾らすごくたって、確かにそれはそのとおりでありますけれども、日本としては非常に興味があるという戦闘機であると。だったら何機ぐらい買いたいのかなというのがあるんですけれども、仮にですけれども、その辺はどうなんでしょうか。
  30. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 先生、これはもう、逆に言うと、これだけの戦闘機でありますので、金額的にはかなりのものになろうかと思いますし、その機数までどうこうと言うのはなかなか、今現時点ではもう全くそういったことも、可能性も本当にあるのかなというようなところでもありますので、あえてそこのところは我々としては言えない部分もございます。  ただ、当然、これは費用対効果、そしてまたその能力というものを考えながら、その部分はこれから決めていくことになろうかとは思いますけれども、もしも可能性が出ればですね。今この時点ではなかなか申し上げられないというのが事実でありますので、あえてそこは控えさせていただきます。
  31. 白眞勲

    白眞勲君 防衛大臣、どうもありがとうございました。今日はこの辺りで私は結構でございますので。防衛省さんは大丈夫でございます。ありがとうございます。  それでは、EPA協定についてお聞きしたいと思います。  まず、ベトナムとのEPA協定についてお聞きしたいんですけれども、この条文を見ますと、将来における看護師や介護福祉士の受入れの可能性について言及があるわけなんですけれども、どうなんでしょう、外務省さん、これは受け入れるおつもりなんですか。
  32. 柴山昌彦

    大臣政務官(柴山昌彦君) 御指摘のベトナムとの関係なんですけれども、ベトナム国内では医療、介護水準の向上ですとか人材育成が必要だとされておりまして、また、看護師に係る国家試験制度等も未整備であるといった状況にあります。ですので、交渉において、インドネシアやフィリピンと同様の受入れ枠組みを設けるという結論には至っておりません。  最終的には、本協定の発効後、可能な場合には一年以内、遅くとも二年以内に結論に達することを目的として両国間で引き続き交渉していくということで合意をいたしまして、これを協定我が国の約束として明記をしました。  ただし、先生指摘の点ですけれども、この約束はベトナム人の看護師候補者をインドネシアやフィリピンと同様の枠組みで将来受け入れていくということについて何ら現時点で決めているものではありません。  なお、この継続交渉に係る約束とは別に、我が国の現行の入管法令で認められている内容を本協定でそのまま約束してほしいというベトナム側からの要望を踏まえて、現行の入管制度の範囲内で、我が国の看護師免許を取得した日から最長で七年間、看護業務に従事するための入国及び一時的な滞在を認めるということ、これについては合意をしております。
  33. 白眞勲

    白眞勲君 交渉をこれからしていくんですよというお答えなんですけれども、交渉するには、当然、こちらとしてのスタンスというのを見せていかないとこれは交渉にならないと思うんですね。  受け入れる方向で交渉していくのか、いや、受け入れたくないけれども向こうからの強い御要望があるから、その辺はそういうスタンスで交渉していって、どこかで妥協点を見出していくつもりなのかどうか、この点についてちょっとお答えいただきたいと思うんですけれども。
  34. 柴山昌彦

    大臣政務官(柴山昌彦君) 今申し上げたとおり、まず、とにかくやはり我々としては質の確保というところが重要な問題であるというように思っております。  当然のことながら、インドネシアやフィリピンとの間で特別の枠を設けて受け入れていくというような仕組みをつくっておりまして、ただ、その制度設計として、現時点では、やはりベトナムの国内状況、そういったことも今申し上げたような状況もありますし、また、トータルとしての看護師、介護福祉士候補者の受入れの実施状況、こういう部分もしっかりと見極めていかなければいけないと思っておりますので、総合的な判断として交渉に当たっていきたいというように思っております。
  35. 白眞勲

    白眞勲君 いや、交渉するのに総合的な判断を最初にしたらそれは変でして、どういう日本政府としてのスタンスがあるのかということなんですね。  今、何か本当にこんな厳しいことを政務官さんに申し上げて申し訳ないんですけれども、要するに、インドネシアとかとは違うんですよということを今おっしゃっていたわけですよね。そうすると、やっぱりそういうスタンスじゃないんだとも思えなくはない。しかし、でも交渉するということはやはりそこに受け入れる可能性があるのかどうかというのも含めて、何らかの日本政府としてこういうスタンスなんですよというのをちょっと教えていただきたいんですけれども。
  36. 田辺靖雄

    政府参考人(田辺靖雄君) 今、政務官から御答弁申し上げましたように、私どもこれまでの交渉の過程でベトナム側に対しまして問題を提起しておりましたのは、ベトナム国内の医療や看護水準の向上や人材育成がまだまだ必要であるという状況がございます。それからまた、ベトナム国内において看護師に関します国家試験制度も未整備であるという状況がございます。そういうことからしますと、ベトナム側でまずその看護師という制度をしっかりとつくっていただいて、ベトナムの中の医療、看護水準が十分な状態であるということがまず基本的な出発点で必要であろうと思います。そこがまだ見極められていないということでございます。  もし仮にそういう状態になりましたら、それは言わば基本的な条件がベトナム側にあるということで、では、そういうベトナムの状況を受けて、日本としてベトナムの看護師や介護士、介護福祉士の候補者の方々を受け入れる必要があるかどうかという今度は日本側から見た必要性を判断いたしまして、あわせまして、これまでインドネシア、フィリピンから看護師候補者、介護士、介護福祉士候補者を受け入れております、その辺の実施状況も見た上で判断をするということでございまして、現段階において受入れについての予断を持って交渉に臨んでいるということではございません。
  37. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、次に、スイスEPA協定について日本との関係でお聞きしますけれども、原産地証明制度が今回簡素化されたということですけれども、これは、今までのEPA協定、特にASEAN関連についてはこれちょっと内容が違っていますよね。これはASEANから簡単に言えば文句出ないのかなという感じがするんですね。こっちもこういうふうにしてくれないかという要請ですけど、この辺どうでしょうか。
  38. 柴山昌彦

    大臣政務官(柴山昌彦君) 今御指摘のとおり、日・スイスEPAに規定される原産地証明制度は、これまでASEAN等で行われておりますような発給当局が原産地証明書を発給する第三者証明制度ということを採用しているのに加えまして、今回、輸出国の権限のある当局から一定の基準を満たしているとしてあらかじめ認定を受けた認定輸出者、これによります原産地申告を認めていくという制度が設けられておりまして、輸出者はこれら二つの制度のうちいずれかを用いるということができるようになります。  この原産地申告制度によって、今申し上げた認定輸出者、こちらは原産品であることの証明に必要な費用及び時間が軽減され、輸出手続が円滑に行われるということになります。これによって日本・スイス間の貿易が促進されることが期待されるということになるわけです。  ただ、今御指摘のように、じゃ、これまでとの均衡はどうなのかという当然声も出てくるんだと思います。要は、認定輸出業者の信頼性という問題をどう考えるかということだと思うんですね。  本件制度の実施に当たっては、これまでのやはりスイスの実績などについてもしっかりと我々精査をいたしまして、日本・スイスEPA及び日本、スイス両国それぞれの関連国内法令、これに基づいた認定輸出者の認定要件の在り方、それから運用ということについてしっかりと厳格に行っていけるかどうかということだと思うんですけれども、双方、認定輸出業者が認定条件を満たさない場合には、その認定の下で不適切な運用を行う場合には認定の取消しの義務をきちんと行っていくと。あるいは、原産地申告に疑義がある場合、原産地申告の真正性あるいは正確性についてそれぞれ締約当事国が確認を行っていくと、そういうことをしっかりと担保していくという制度を設けております。  そのような確認ができない場合には関税上の特権待遇を与えないことができるということが定められておりまして、本制度を適正に運用することによって迂回輸出等の問題にも適切に対処できるというように考えております。
  39. 白眞勲

    白眞勲君 るる御説明いただくのはいいんですけれども、私が聞いているのは、要するにスイスとはちゃんと、原産地証明要りませんよと言っていて、今までやっていたことは、それは駄目ですと、こっちを信用しないのかという話になるわけですね。  今、業者の信頼性というお話がありました。業者の信頼性があるないで決めるんであるならば、国としての信頼性とちょっと違うと思うんですね、これは。これについてちょっとお答えください。
  40. 田辺靖雄

    政府参考人(田辺靖雄君) この原産地証明の認定輸出者という、スイスとの関係で新しく導入することといたします制度でございますが、この制度に関しましては、日本の産業界からも使いやすい証明制度を望んでいるという声もございまして、政府として検討をしてきたところでございます。  一方で、ASEANの場合ですと、ASEANの側で、こういったような自己証明制度の導入について実際に運用が可能かどうかといったことなど、その実効性も含めてまだ検討中であるというふうに認識しておるところでございます。  そういうことですので、こういった制度がASEANとの関係で導入することができるかどうかということは、ASEAN側の状況も見ながら、また日本の産業界のニーズなども踏まえながら、これから検討を行っていきたいというふうに考えております。
  41. 白眞勲

    白眞勲君 先日、日本とタイとの間で二〇〇七年に結ばれた協定があるのにもかかわらず、タイ側のEPAの解釈の問題で現地の日本鉄鋼メーカーが本来ならば支払わなくてもいい税金を払わされたという報道があったわけですけれども、私、この報道を知って、もしかしたらこれと同種のことが実は日本の現地法人で起きている可能性があるんじゃないだろうか、これも否定できないんじゃないかというふうにも何か懸念を持ちましたので、ちょっとここで外務省にお聞きしたいんですけれども、今までで結ばれていたEPA協定のうち、このような解釈の違いからトラブルになった出来事を外務省が把握している件は何件あったんでしょうか、お答えください。
  42. 田辺靖雄

    政府参考人(田辺靖雄君) EPAの実施の際に生ずる様々な問題につきまして、私どもも産業界、利用する側の企業の方々などとも様々な場で意見交換をしながら、その問題を把握しておるところでございます。そうしたことを踏まえまして、このEPAにおきましては、EPA全体に関する合同委員会というものが相手国との間であり、また、個々の分野についてはそれぞれの小委員会といった枠組みが設置されております。  したがいまして、この協定の規定の解釈ですとか実施あるいは運用といったことについては、そういった形で相当頻繁に相手国と話し合うということをやってきておるところでございます。そうした中で、私ども、これまで具体的に何件ということではございませんが、産業界、企業の側から問題提起をされたようなことにつきましては、先生が先ほど御紹介にございましたタイとの関税の問題につきましても、そういったことも含めましても適時適切に対応しておるというところでございます。
  43. 白眞勲

    白眞勲君 質問にちゃんと答えていただきたいんですね。私は件数を聞いているんですね。今後の対策を聞いているわけではなくて、この件について何件あったのか、把握しているだけでもいいですからお話しいただきたい。これ、事前に私レクしていますよね。これ、ちょっとお話しいただきたいと思います。
  44. 田辺靖雄

    政府参考人(田辺靖雄君) 私どもの産業界とのコンタクト、意見交換、相当頻繁に密に行っております。そうした中で、産業界側からの意見ですとか問題の提起といったものもいろいろなレベルのものが種々ございまして、そういうことですので、申し訳ございませんが、それが何件あるかという形では私ども記録を有しておりません。申し訳ございません。
  45. 白眞勲

    白眞勲君 いや、私、これ、外務大臣、結構重要なことだと思うんですね。つまり、せっかくEPA協定結んで、もちろんいろいろなレベルの相談というのは当然これは毎回あると思うんですけれども、ある程度それを外務本省としてもやっぱりまとめていくという作業って私は必要だと思うんですよね。そういう中で、このEPA、今後も結ぶであろうEPAの問題点とか何かも、やはりこれ浮き彫りになってくるような可能性が私はあるというふうに思っているんですけれども。  やはり、外務大臣に私お願いしたいのは、そういう中でいろいろな窓口ですね、やっぱり正直申し上げて、私も現地の日本大使館の担当者の方と何人もいろいろ、この仕事をする前の方が非常に態度がいろいろな人が出てくるんですよ。この仕事をするとみんな結構ぺこぺこしてくれているんですけど、民間にいるときって結構、この人何だって思う人と本当にいい人といるんですよ、やっぱりこれは。どこの組織でも私はそうだと思うんですね。きちっとその辺の受皿づくりというものをやはりスキームとしてやっていく必要があるんではないのかなというふうに思うんですが、大臣、どうでしょうか。
  46. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) EPAの実施に当たり、いろいろな解釈の違いとか、これがまた問題なんかも起きてくるということはあるわけでありますが、そういう中で、両国間で協議をしながら解決できるものはまず解決していくということだと思いますし、今御質問にありました件数ということですが、例えば日本から見れば相手国からの要望とかそういうものの形態、こういうものはいろいろあると思うんですね。  ですから、その程度にもよりますし、本当に両国間のかなり重大な解決を要する事項になることもありますんで、量的な点については、今参考人から答弁いたしましたように、私どもとしてしっかりとした統計的な把握はしておりませんが、しかし、今後、またほかの国ともこのような交渉を行い、また円滑な自由な貿易が進むようにするためにはそういうものも参考にしながらやるということは大切だと思っておりますので、これは我が省一省だけで整理できたり把握できるものではありませんが、委員の御趣旨というものを踏まえて、今後対応検討していきたいと思います。
  47. 白眞勲

    白眞勲君 まさに大臣のおっしゃるとおりだと思うんですね。  財務省にお聞きします。日本国内で、ちょっと聞きたいんですけれども、日本にいる外資系の企業で、このEPAに関連して、相手国政府との関係で、やっぱり関税のやり取り等を通じてその言い分が違った例というのはあるんでしょうか。
  48. 原雅彦

    政府参考人(原雅彦君) 現在、我が国におきましては、合計九つの国・地域とのEPAが発効し、実施されているところでございます。  これらのEPAにつきまして、我が国側における関税割当て等に関しまして、協定解釈の相違によりましてEPAの相手国あるいは輸入者等から申入れといったものが行われた事例は今までのところないというふうに承知しております。
  49. 白眞勲

    白眞勲君 つまり、私もやはり企業活動をしているときに、現地の税務署から何か言われたときになかなかそれを反論するって、その当事者、いわゆる私企業、私企業がやるって大変だと思うんですね、私、これね。  今日は成田空港社長さんもいらっしゃっていて、元々商社にお勤めでいらっしゃる。もしよろしければ発言もしていただきたいなと思うんですけれども。  例えば、当時EPAを結んだときにはないような先端技術が発明されたときの解釈の仕方ですよね。仮にですよ、例えば自転車だと思って今度電動自転車が出てきたときに、いや、これはオートバイだというふうに向こうが見るかどうかとか、そういう解釈の違いってやっぱりちょろちょろ私出てくると思うんですね。ですから、そこの部分をやはりどうこのスキームとしてやっていくかというのが、私、やっぱりこれ、今まさに外務大臣もおっしゃいましたように、これ外務省だけじゃないよねということを言っているのは、まさにおっしゃるとおりです。  オールジャパンで、やっぱりこれをきちっと相談窓口、企業活動ができるための、EPAも関連して何かそういった相談窓口をやはりきちっと設置を、それぞれの各大使館、特にEPAを結んだ国に対してはEPA相談窓口みたいなものも設置する必要も今後あるんではないかなというふうにも私は思うんですけれども、外務大臣、どうでしょうか、その辺は。
  50. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) どの程度の今委員がおっしゃいましたような問題が生じてくるかというのは分かりませんけれども、せっかく締結して、貿易が促進されるような、そういう趣旨で行うわけでありますから、問題があればそれが解決できるように、現地の、また本省も含めて、そういう何らかの対応考えるという必要もあるのではないかと思っています。
  51. 白眞勲

    白眞勲君 ありがとうございます。是非積極的に、また現地の企業がよりやりやすく、日本企業がやりやすくできる仕組みというのをつくっていただきたいというふうに思います。  では、続きまして、航空協定についてお話の方をお聞きします。  この協定により、サウジアラビアの航空会社は日本の成田空港にいつ就航するんですか。
  52. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) 今お諮りしている協定に基づいて就航を予定しておりますが、具体的な時期についてはまだ特定されておりません。
  53. 白眞勲

    白眞勲君 就航の希望は成田にあるんですか。
  54. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) サウジアラビア航空が成田空港への就航を希望しております。
  55. 白眞勲

    白眞勲君 何でそれがいつになるか分からないんですか。もうそこに座っていてください。
  56. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) はい。  まだサウジアラビアの航空会社の方から具体的な就航の日取りというのが通告されてきていないということでございます。
  57. 白眞勲

    白眞勲君 日本の航空会社はサウジアラビアに就航する予定はありますか。
  58. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) 現在までのところ、本邦企業がサウジアラビアの方に運航をする予定があるとは聞いておりません。
  59. 白眞勲

    白眞勲君 どっちも今のところないのに、なぜ結んだんでしょうか。特に、この協定の意義というところを見ると、我が国にとって最大の原油供給国であり、政治面及び宗教面における中東湾岸諸国の盟主国であるサウジアラビアと我が国との間で経済的、人的交流が活発することが期待できるといっておりますけれども、これかえって期待外れになっちゃうんじゃないですか、航空協定結んでも飛ばないんだったら。その辺、どうなんでしょうか。
  60. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) サウジアラビア航空、かつて貨物便を成田に就航させていた時期もございまして、従来から航空協定締結、要は航空関係を安定的なものにするという観点から航空協定締結を希望し、それが今日実現する運びとなったということでございます。
  61. 白眞勲

    白眞勲君 いや、お答えになっていないような感じするんですけれどもね。  だって、飛んでいないのに、こういう人的交流が活発することが期待できるといっても、今後もまだ予定ございませんじゃ、かえって期待外れじゃないですかということを私聞いているんですけれども、その辺どうなんでしょうかと聞いているんですけれども。
  62. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 前田航空局長委員長の指名を待ってから御答弁願います。
  63. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) 失礼しました。  サウジアラビアの航空会社については、希望は持っておりますし、協定締結によって将来は就航するというふうに考えられると思っております。
  64. 白眞勲

    白眞勲君 じゃ、なるべく早く、向こうが希望を持っているんだったらば、将来はやると言ったらなるべく早くやってあげなきゃいけないんじゃないですか、その辺は。
  65. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) 先方から希望があった場合には、具体的ないつ就航というような希望があった場合には、それを受け入れるべく、こちらとしても検討をしたいと思っております。
  66. 白眞勲

    白眞勲君 今、成田空港においてはULルールというのがありますよね。つまり、与えられた発着枠の八割を切った場合はその空いた枠を他社に割り当てるルールの見直しがあったと思いますけれども、それを一時的にせよ停止するということを聞いておりますが、これは、これチャーター便を何か十日申請を五日にするんだなんということなんですけれども、それで本当に増えるんですか。
  67. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) ULルールについては、これを継続した場合に、航空会社が自社のスロットを維持するということで無理に運航を継続して収益が悪化するということを避けるという意味で、一時的に停止をしようということでございまして、現在のところは日本航空が一部運航の停止というのを予定しておりますが、それで空いたスロットについては、ほかの会社からチャーター便運航の希望がある場合にはこれを認めると。それを運航させやすくするために申請期間を短縮したということでございます。
  68. 白眞勲

    白眞勲君 いや、説明はいいんです。増えるんですかと聞いているんです、それで。
  69. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) 現在まだ具体的なチャーター便の申請はございませんので。  先生の御質問については、日本航空が予定している減便について、その分については便数が減ります。そこの空いた発着枠を活用してチャーター便をほかの会社が運航した場合は、その分、減便の運航回数の一部が戻ってくると、こういうことでございます。
  70. 白眞勲

    白眞勲君 いや、御説明をいただくのは、私も一生懸命勉強しましたから分かるんです。一部が戻ってくるわけですよね。  ですから、私が思っているのは、今回、実はチャーター便の申請には、十日前に申請するのを五日にするということだったんだと思うんですよね。でも、私が思うには、チャーター便って、夏場のハワイ路線なんかは確かにチャーター便を運航する可能性、私はあると思うから、その分私は便はそれなりに増えると思うんですけれども。今までだって十日前に申請すればチャーター便は、状況によってでしょうけれども、飛ばすことはできたわけですし、十日を五日にして、私だって海外旅行、結構慣れている方ですけど、やっぱり観光旅行するならば五日前に決めるというのは余りないと思うんですね、私はね。もうそれは一か月ぐらい前から観光旅行の皆さんというのは決めていますよ。それを、十日を五日にして劇的に増えるなんということは私はあり得ないと思うんですよね。  ですから、結局このULルールで、私が申し上げたいのは、JALさんとおっしゃいましたけれども、JALが八割を切りましたと、八割を切っても、結局その分の発着枠がそれだけ減っているということでいいですよね、これからも。減る可能性の方が大であるということでよろしゅうございますね。
  71. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) ULルールの適用によって日本航空が減便を予定していますが、これは今の夏スケジュールに限っての措置でございますので、今回の夏スケジュールにおいて日本航空が予定している減便の分については便数が減るということで正しいと思います。
  72. 白眞勲

    白眞勲君 今、減便予定は中国、韓国便を中心に減便をするというふうに聞いているんですけれども、その辺りいかがでしょうか。
  73. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) 具体的に申し上げますと、日本航空の減便は、北京便が週十九から十四便、上海便が二十八便から二十一便、台北が二十八から二十一便、ソウルが二十八便から二十一便、デリーが四便から三便、合計で週間二十七便の減便を予定しております。
  74. 白眞勲

    白眞勲君 二十七便減便をされると。これ、大きいと思うんですね。  観光庁長官、いらっしゃっていますよね。  中国、韓国って、これ、ビジット・ジャパンの重点地域ですよね。特に中国の場合、これから観光客を増やすために例えばこの七月から中国人の個人旅行解禁されるという、そのタイミングで日本の航空会社が減便、特に中国路線について行うというのは、明らかにこれ、政策の整合性取れないと思うんですけれども、その辺りについてどうでしょうか。
  75. 本保芳明

    政府参考人(本保芳明君) お答え申し上げます。  先生指摘のように、個人ビザの解禁で中国からの需要を期待しているところでございます。しかし、すぐに大きな需要増が起きるということは普通ございませんで、徐々に増加をしていくと、まずこういうふうに見ております。現時点では、中国の個人の旅行客以外の団体も含めて需要動向が全体として落ち込んでいる状況ですから、そういう中で減便をするということは需要に合った動きになっていると見ております。
  76. 白眞勲

    白眞勲君 いや、私が申し上げているのは、今、五月以降だったと思いますけれども、中国のお客さん、増えていますよね。私は、たしか中国のお客さん、最近増え出しているということを聞いているんですね。増えているにもかかわらず、今、ビジット・ジャパンで個人旅行でビザが解禁されても、そんなしばらくは増えないからこれでも大丈夫だというのは、ちょっと整合性が取れないんではないか。  つまり、飛んでくる飛行機が少なくなるということは、その分不便になるわけですよ。どうやって日本に来るお客さんを増やすつもりなんでしょうかということなんです。これ、観光庁長官、お答えください。
  77. 本保芳明

    政府参考人(本保芳明君) ちょっと私の説明が十分じゃなかったと思いますが、供給量はもちろん席数で決まるわけでありますけれども、最終的には、その中で何%が使われるかということが直接的な需要に対する対応になると思います。現状で、私ども、これ航空局長にお答えいただいた方がいいと思いますが、JALが減便を予定しているのは、ロードファクターが落ちているために、減便をしても、需要への対応については十分にできるという、そういう前提で動いているものと理解しております。  したがって、減便即実際の需要対応を不可能にするものと、こういうふうには考えていないということであります。
  78. 白眞勲

    白眞勲君 森中成田空港社長にお聞きします。今日はお忙しいところをありがとうございます。  同じ件について、つまり減便するということをどう成田空港としてはお考えなのか。成田空港も、今経営めちゃくちゃもうかっているというほどでもなさそうな感じです。そういう中で、当然、飛行機の運航が減るということは、成田の主要な収益源である着陸料まで減るということですよね、今二十七便減るということだと。これ、収益、相当響くと見ていいんでしょうか。
  79. 森中小三郎

    参考人森中小三郎君) ULルールが一時的に凍結されるということは、これは決定されたわけでございますけれども、航空会社の便数が減るということは、経営には当然マイナスに影響してまいります。
  80. 白眞勲

    白眞勲君 私、これ、今日、加納副大臣もいらっしゃっています、それから外務大臣にもちょっとお聞きしたいなと思っているんですけれども、今成田空港には四十一か国一地域の国々が就航を希望しているとのことですけど、一方で発着枠が空き出している。これ、やはりちょっと整合性、私取れてないんだと思うんですね。成田空港の経営にも悪い影響を及ぼすと。  これ、先日、アゼルバイジャンの外務大臣とも私お話しする機会がありまして、これ恐らく外務大臣お話ししているかと存じますが、直行便がないんだよって、結構不満おっしゃっていました、日本との間で、アゼルバイジャン。アゼルバイジャン、結構石油が出て、それなりに豊かな国です。たしか、航空協定の申入れの国には入っていないですよね、アゼルバイジャン。でも、気持ちは乗り入れたいと思っている国々、実は四十一か国以上にあるんじゃないのかなと思えなくはないわけなんですね。  ですから、私が思うのは、入りたいと思っているけど、今までは空きがないから無理なんですだったら、それはそれなりの理由だと私は思うんです。しかし、入りたいと思っていたけど、空きもあるのに入れないとなると、私はこれ外交的には損失になってくるのではないだろうか。これ外務大臣、どういうふうにその辺お考えでしょうか。
  81. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 私も、そういう日本への就航の希望についての国別のといいますか、現在の具体的な状況は把握しておりませんが、希望が多いのは確かで、私も海外の外相等と会談する際にはそういうような要望を多々受けます。  ただ、印象として申し上げますと、やっぱり成田との路線をつくりたいというのが圧倒的に多いようでありまして、成田の状況は私よく分かりませんけれども、そういうことで、例えば関空とかほかの地域でまずやっていただいて、お客さんがどれぐらい増えるかとか、また成田の状況とか、そういうのを見ながら、順番にできるだけ希望がかなうように我が国としてはやっているんじゃないかなと、そういうふうに思っておりまして、空きの状況はどれぐらいだからという今お話ありましたけれども、そういう点、ちょっと詳しく承知しておりませんので、申し訳ありませんが、基本的には、成田集中によるちょっと実現が遅れているというのが現状じゃないかなと思います。
  82. 白眞勲

    白眞勲君 非常にお気を遣った御発言、他省庁のなのでなかなか難しい部分もあるかと思いますが、ただ、ポイントは、やはり先方の大臣とかそういった方々が日本に来たいんだよねと。できる限りやっぱりその希望をかなえてあげたいという、外務大臣としてもそのお気持ちはあるかと思うんですね。  それで、その中で、やっぱり成田へ向こうが来たいんだよといったら、その希望もある。でも、私が申し上げているのは、一時的にせよ空きがあるにもかかわらず、それが、いやいや、それはもうチャーターでやっちゃいますからみたいな感じだけでいいんでしょうかということなんですけど、外務大臣、どうぞ、もしよろしかったら。
  83. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 今委員からお話がありました。我々としては、ある国とのそういう交流を更に活発にするとか、それからビジット・ジャパン政策もありますし、そういう意味では、できるだけそういう御希望をかなえてあげたいという気持ちで、私もそういう先方との会談等においてはそういう姿勢で対応しているつもりでございますし、帰りましてからは必ず関係当局にその旨伝えて、できるだけ実現するようにということはお伝えしております。
  84. 白眞勲

    白眞勲君 森中社長さんもいらっしゃるし、やはりできる限り発着枠を最大限使って、収益にもいい影響が及べるようなスキームを作っていかなきゃいけないんではないだろうかと、私はそういうふうに思うんですね。  ですから、私は、例えばですよ、航空局長さん、ちょっと私の一つのアイデアですけれども、期限を例えば半年とか一年とか二年に区切ってしまって、その間でもいいから貸し出すとか、希望する航空会社がいれば手を挙げてください、それだけですけどいいですかという形で貸し出しちゃえばいいんじゃないですか。その辺、航空局長、いかがでしょうか。
  85. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) 発着枠についてのちょっと手続的なことで恐縮なんですが、定期便を設定しようとする場合には、発着調整といって、どの発着枠をどういうふうに使うかというような発着調整等も必要になってまいりますので、一時的に空いたものに定期便をはめるというのは、これははっきり言って難しいと思います。  チャーター便というのはアドホックにあるものでございますので、そこにチャーター便について空いている枠を活用するという観点から、チャーター便の申請があればこれを認めるということを考えております。
  86. 白眞勲

    白眞勲君 お客さんにとってみれば、羽田空港から国際便チャーターといっても、飛行機で別に、何ですか、行き先にチャーターと書いてあるわけでも何でもなくて、乗って行ければいいわけでして、そこはやっぱり工夫する必要が私はあるんではないかなと思うんですね。  ですから、手続上の問題があって国際定期便は難しい、そのとおりです、それは。だったらばチャーター定期便、国際チャーター、何でしたっけ、羽田、何か面白いことを言いましたよね、定期チャーター便という言い方をしているじゃないですか。これも考えてみれば相矛盾する言い方なんですよね、定期チャーター便という言い方。私はそう思いますよ。  ですから、そういうのをうまく絞って、ない頭を、私みたいにない頭を絞って、何かこう、私も何とか一生懸命この成田を活性化したいと思っているわけですから、是非そういったことを、航空局長さん、考えてください。ちょっともう一回お願いします。
  87. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) 成田の発着枠は貴重な資源でございますので、これを最大限有効活用するということについては先生おっしゃるとおりだと思います。ただ、先ほど申し上げましたとおり、定期便というものをはめ込むというのはちょっと難しい面がございます。  それから、羽田の定期的チャーター便というのは、羽田は現在は昼間の時間帯も、夜の時間でもそうですが、国際定期便というのは就航させないということになっておりますが、韓国の金浦あるいは上海の虹橋空港への便については、チャーター便という扱いでありながら、一応時刻等が大体決まって毎日飛んでいるということから定期的チャーター便と呼んでおります。
  88. 白眞勲

    白眞勲君 森中社長さんもちょっと、何か御意見あればお話しいただきたいと思うんです、この八割ルールについて。
  89. 森中小三郎

    参考人森中小三郎君) ただいま成田空港は滑走路が、四千メーターが一本と、この十月二十二日に供用を前倒しさせていただくB滑走路、平行滑走路なんですが、これは二千五百メーターがございます。来年の三月末、これは来年の夏ダイヤが始まるときでございますが、そのときに発着回数二万回増やすことができるということで、もう既にこれは国そして地域の皆様、すべての合意を得ている状態です。  そんな中で二万回回数が増えるということで、私どもは、今、国が交渉されておられる二国間航空協定交渉において、十分その御希望のある国との間でその二万回の枠について埋めていただいているというふうに感じております。  それから、先生の御質問の肝心な点の、ULルールが一時的にしろ停止した場合、チャーター便等をどんどんという件でございますけれども、これは私どもからも国土交通省の方には、また観光庁長官の方にも、日本の元気を出すのはやはり世界のいわゆる交流を深めるということで、物、人、金、情報の交流の源はやはり航空だと思っておりますので、その点について許される限り、可能な限りお願いしたいということを申し上げております。
  90. 白眞勲

    白眞勲君 加納副大臣、今までのずっと議論を聞いていただきまして、私は、成田の発着は間もなく増えるわけですよ、今そういう中で、今は八〇%を切った部分についても何らかの形で、チャーター便というやり方でもいいですけれども、補ってあげても、結局そのチャーター便については今後、二万回という今発着枠がありまして、そちらに回してあげればいいわけですよね。また、そうすれば、そういった、何というんですかね、新しい発着枠ができたときに優先的に配分するようなスキームとか、いろいろなものを組み合わせながら、ビジット・ジャパンとの関係もある。  つまり、要するに、一人でも多くの観光客誘致に貢献できる、そして成田空港の経営にもプラスになる、さらには日本の利用者の利便性も確保できるような、そういう三者がそれぞれ利益になるようなスキームを検討していただきたい。是非それはお願いしたいと思うんですが、どうでしょうか。
  91. 加納時男

    ○副大臣(加納時男君) いろんな要素を含んだ御質問だと思います。  全体を通じてのことを申し上げますと、この発着枠の問題につきましては、一般的な確実性に加えまして、頭を柔軟にしまして具体的な妥当性、二つの、一瞬、一見矛盾するようですけれども、これを組み合わせていくということが基本にあるべきだろうと思っています。  具体的にいろんなことを想定されての御質問だろうと思うんですけれども、例えば、お互いに合意すればどんどんどんどん増便したり減便したり、自由にやったらいいんじゃないだろうか、二国間協定なんというのは政府が介入しなくてもいいんじゃないかとか、いろんな御意見も実は踏まえた御質問のように伺っているんですけれども、私は、基本的には航空自由化というのは、これは推進するというのが基本でありまして、これまでに八か国・地域との間で合意したところであります。  ただ、首都圏空港については空港容量の制約があるというので、今日の御質問も実はそれが引っかかっているんだろうと思うんです。首都圏空港については空港容量の制約がありますために増便の自由を確保することができない。いろんな国から自分のところ増やせ増やせと言ってくると、全部入れてしまうと需要が供給を完全に上回りますので、これは制約があって各国の航空企業ごとに便数を設定せざるを得ないという状況にあるのも事実であります。  いずれにしましても、引き続き中国などのアジア主要国のほか欧米等の、相手国の自由化方針など個別事情を考えながらも、いろんな課題にこたえながら航空自由化という大きな方向をやっていきたい。その中で、今御質問にいろいろございましたような柔軟性のある対応ということを随所に織り込んでいきたいというふうに考えています。
  92. 白眞勲

    白眞勲君 副大臣おっしゃいましたように、柔軟性のある対応というのが今こういったときに私は必要だと思います。ですから、八割ルールが、減った、これはいろいろな事情があって、JALのいろいろな事情、これからちょっとやっていきたいなと思うんです。今日ちょっと残りの時間をそれもやりたいなと思っているんですが。それはそれとしての議論としてはありますが、ともかく、せっかく今資源だと、この発着枠はと言ったんであれば、それを限りなく有効活用、これ絶対必要ですので、これ是非お願いしたいなと思います。  それで、一つちょっとお聞きしたいのは、空港ターミナルビルにおけるマッサージチェアの問題についてちょっとお聞きしたいんですね。現時点でのマッサージチェアと五年前のターミナルビルのマッサージチェアの数、それぞれお答えください。
  93. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) 五年前の平成十六年では、四空港において七十六台でございました。現在は四百八十四台でございます。
  94. 白眞勲

    白眞勲君 これ一気に増えましたね。四空港で七十六台。それで、何空港で四百八十四台ですか。
  95. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) 失礼しました。二十八空港で四百八十四台でございます。
  96. 白眞勲

    白眞勲君 これ随意契約なんですか、それとも入札なんですか。
  97. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) これはターミナルビルが、それぞれのターミナルビルの運営主体がマッサージチェアの会社と契約を結んで置いているということでございますので、ターミナルビル、ほとんどの場合は民間で経営しておりますが、その民間の運営主体が個別のマッサージチェア会社と契約を、まあ随意契約というか契約を結んでやっているということだと思います。
  98. 白眞勲

    白眞勲君 それで、ちょっと、これ委員会に提出いただきたいんですね、各空港の導入状態。各空港にそれぞれ何台あって、それの随意契約か入札なのか、それから調達額が幾らなのか、それからリースがどうなっているのか、稼働率がどうなのか。要するに、あともうかっているかどうかですね。私が聞きたいのはそこなんですよ。マッサージチェアを置いているんだけれども、どうなっているんだろうと。何か私、空港へ行っても、恐らく委員の皆さんでも空港にマッサージチェアを見たことあると思うんですけれども、何か気持ち良さそうに座っていらっしゃる方は余り私見たことないんですよね。どうなっているの、この稼働率はどのぐらいなんだろうなというのも含めてちょっとお聞きしたいと、委員会に提出したいと思いますが、それお答えだけお願いします。
  99. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) 空港におけるマッサージチェアについては、先ほどのちょっと繰り返しになりますが、ターミナルビルの運営主体とそれからマッサージチェアの事業者との間の契約でやっている、すぐれて民間の自主的な経営判断の下にその契約もなされ、導入も行われているということでございますので、先般、先生からの御依頼もあって台数等については調査いたしましたが、基本的にはなかなか今先生がおっしゃったような詳細について把握するのは困難だと思います。
  100. 白眞勲

    白眞勲君 いや、それはちょっと違うんじゃないんですか。これは空港法三十二条では、国土交通大臣は空港の管理者などに業務又は経理の状況に関し報告をさせることができるんじゃないんでしょうか。  ですから、これは私が聞きたいのは、主要空港全体の七五%が赤字経営であると、特に滑走路などの減価償却負担を考慮するとほとんどの空港、九割以上が赤字なんですね。赤字の中でこのマッサージチェアをこれだけ四百八十四台も導入しているというのはこれはどういうことなんだと。もうかっているんだったらいいですよ、私は。どんどんもうかるから、マッサージチェアを入れることによって空港の経営に何らかのプラスになるんだったら私は分かるんですよ。その辺についてこれはお答えいただきたいなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。もう一回お願いします。
  101. 加納時男

    ○副大臣(加納時男君) 実は、白委員からの質問状について、これは省内で回ってまいりますので私も目を通しております。それで、そのときにも、私もこの件についてはちょっと関心がありましたのでいろいろ調べさせていただいて、どこまで分かるものかということをいろいろ聞きました。  実は、いろいろなところでこのマッサージチェアが誤解を招いちゃったのは、マッサージチェアというと何か職員の娯楽用といいますか……
  102. 白眞勲

    白眞勲君 そんなこと聞いていませんよ。そんなこと聞いていませんよ。
  103. 加納時男

    ○副大臣(加納時男君) ではないだろうか、そうではないんだということであります。そういうことは聞いてないとおっしゃったことも今伺っておりますけれども。  だとすると、ポイントは、こういったことがもうかるかもうからないかということはすぐれてそこの事業者の方の経営判断によってやっているんだという、今航空局長が答えたとおりでございまして、国土交通省としては、これはもうからないからやめろとか、いや、やれとか、もうかるからやるとかいう話じゃなくて、それぞれの人がこれはもうかると思ってやる、あるいは採算が取れると思ってやる、採算が取れなければやめると、こういう話だというふうに私は理解しておりますので、根本のところはそこだと思います。
  104. 白眞勲

    白眞勲君 空港管理規則の二十三、二十四条で、経営の状況や施設や営業状況などについて報告を求めることができるというふうに規定されているじゃないですか。ですから、それはこれちゃんと提出いただきたい。これ、委員長、お願いいたします。
  105. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) ただいまの白委員からの御希望については、後刻理事会で協議をいたします。
  106. 白眞勲

    白眞勲君 一点だけお聞きいたします。航空局長さんにお聞きします。  歴代の航空局長国土交通省に所属する方が導入の働きかけをこのマッサージチェアに関しましてやったことがあるのかどうか、お答えください。
  107. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) 導入の働きかけ等を行った事実はないと。ございません。
  108. 白眞勲

    白眞勲君 最後、語尾、ちょっと。
  109. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) ございません。導入の働きかけですね。それは、私も含め歴代航空局長が行ったことはありません。
  110. 白眞勲

    白眞勲君 成田空港の社長さんにちょっとお聞きしたい、このマッサージチェアについて。ちょっと質問のレクはしなかったので申し訳ないんですけれども。  この導入の働きかけ、あるいは成田空港がこれは独自に判断してやったんでしょうか。
  111. 森中小三郎

    参考人森中小三郎君) お答えします。  成田空港で最初にマッサージチェアを導入いたしましたのは、公団から民営化されました平成十六年の十月です。台数的には、最初は少なかったんですが、現在は今百二十台のものを入れております。  先生の御質問の肝心な点だと思うんですが、もうかっているか、もうかっていないかと。もうけるために導入し、私どもの会社としてはもうかっております。
  112. 白眞勲

    白眞勲君 私も成田空港を見たときには、結構外国の人が喜んでやっているんですね、あれ。日本人はほとんど、まあ日本人は電器店でたまに喜んでやっている人はいるんですけれども、外国の人が結構喜んでやっているなというのがあって、それは成田空港はいいなという感じがするんですが、ほかの地方空港についてはちょっと私は疑問に思っている部分があるので、是非これはまた委員会でやりたいなと思っています。  それと、あと、JALの融資についてちょっとお聞きいたします。  これは、政府は日本航空に対して日本政策投資銀行の融資に政府保証を付ける方針を決めましたけれども、この方針はだれの要請でしたんでしょうか。日本航空からでしょうか、それとも国土交通省からでしょうか、お答えください。
  113. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) 日本航空の方から資金の調達の希望があるということを聞きまして、国土交通省としても、財務省それから関係金融機関の方に、今回の融資については今おっしゃった債務保証も含めて依頼をしたところでございます。
  114. 白眞勲

    白眞勲君 昨日の国土交通大臣大臣発言を読みますと、国民生活や経済産業活動を支える航空ネットワークの維持充実が重要な課題だと、このように書いてあるんですけれども、その部分は私も異論はありませんが、でも、何か、日本航空は、国内線、国際線の不採算路線からの撤退を加速する、コスト削減策を詰める。ネットワークの維持と路線の撤退、これは矛盾しませんか。
  115. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) ただいま非常に日本航空、経営上厳しい状況にございますので、資金的な面も今回調達をするということになったわけでございますが、この調達の趣旨は、これについて私どもが考えましたのは、旅客の運送については本邦の四割、それから貨物についても二割、これを、言わばこの輸送を背負っている会社ですので、この会社が資金が必要な場合には資金の調達などについても要請を行い、ネットワークを維持するという観点から融資を行ったものでございます。  今先生指摘の今後どうやって再建していくか、会社として再建していくかという日本航空の判断としては、路線についても、不採算のものについてはある程度減便も行い、立て直しを図っていくということでございます。ただ、それは再建のプロセスとして日本航空としてそういうことを考えているということだと思います。
  116. 白眞勲

    白眞勲君 経済論理からすると、普通は、こういうことをします、黒字化になりますということが決まってから支援策を決めるというのが私は普通だと思うんですね。支援策、支援をするということを決めてから、これからやりますという、これ私はおかしいと思うんです。これモラルハザードです。これは私は変じゃないか。  私は、別に、何というんですかね、経済論理から企業が不採算の部門を、これ別にこのJALにかかわらず不採算部門を削る、これはよく、森中社長さんなんかもそうだと思うんですが、不採算で赤字で、しようがないですよ、これ削るのは。そうしないと黒字になりませんから、企業というのはそういうものだと思います。  ただ、もちろん、国としては、このJALというある意味公的な役割を背負って、例えば離島航路、島に向かって飛んでいる飛行機については何らかの形で面倒見ましょう、それは私は賛成しますよ。しかし、そうはいっても国民の血税を使いつつ減便するのはおかしくないですかということなんです、私は。私はそれを申し上げているんですよ。  ですから、まず支援がありきで、内容もこれから詰めるということになれば、これはぬるま湯体質から抜けられないですよ。国民の血税を利用するんであるならば、当然納得する説明というのが必要でして、その説明もないまま、税金を利用しつつ、これから具体策を検討します、大臣が指導監督いたします、これ本末転倒ですね。  この辺、副大臣、どうですか。
  117. 加納時男

    ○副大臣(加納時男君) 今いろいろ御発言いただきましたので、昨日の状況をちょっと補足したいと思うんですけど、昨日の三大臣が、官房長官、財務大臣そして国土交通大臣が合意した。
  118. 白眞勲

    白眞勲君 状況は知っていますから、短く言ってください。
  119. 加納時男

    ○副大臣(加納時男君) それの内容は知っているとおっしゃるので繰り返しませんけれども、一番大事なことは、これ緊急な事態である、原油価格の高騰もあった、そしてまた金融危機それから経済危機で大変に需要が落ち込んでいる、加えてインフルエンザの発生によりまたこの需要も大変に落ち込んじゃっている、そういう厳しい中にあって、ただ苦しいから助けるんじゃない、何としてもこの再建のための経営計画をしっかりしたものを作っていくんだ、その中ではビジネスモデルを構築していくんだということであります。  そういうことを昨日、三大臣種々話をしまして、その上で、今委員が知っているよとおっしゃったけれども、大事なことだから再度言わせてもらうと、国民生活や経済産業活動を支える航空ネットワークの維持充実が重要な課題であり、日航の経営改善が図られるよう指導監督をしていきますから、この際、何分、政策投資銀行による危機対応融資の実施についての協力をお願いしたいということを言ったわけでありまして、だから、いわゆるモラルハザードにはならないように経営改善計画を確実にやってもらう。これは文書でも出しておりまして、確実にやってください、その状況はチェックしますよ、不十分ならば更に強く申し上げるということになっております。
  120. 白眞勲

    白眞勲君 いや、ですから、それで、安全性に関する投資、我々が一番怖いのはそこなんですよ。やっぱり、リストラされちゃって、それでその整備が何とかってなったら一番嫌なんですね。私は、その辺は、ほかの航空会社も含めて運輸全体において、そこの部分においてはもう少し公平性を持って、ほかの航空会社、あるいは鉄道会社もそうですよ、そういったものの安全性に関する投資については国である程度面倒を見ましょうとか、そういうスタンスにしていかないと、ある民間企業一社だけを面倒を見るなんということはとんでもないというふうに私は思うんですよ。  航空局長はどうですか、その辺。だから、その辺をもう少し考えてやっていただきたい。それ、最後に一言お願いします。
  121. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 時間が超過していますので、端的に御答弁願います。
  122. 前田隆平

    政府参考人(前田隆平君) 安全性については、支援以外の手段も含め、最優先課題として航空局としては取り組んでおります。  それから、ほかの航空会社と公平にということでございますが、路線ネットワークの維持の観点からは、着陸料の減免等についてはすべて航空会社に対して公平に、固定資産税の減免とかいろんな支援措置がありますが、これについてはすべて航空会社、公平に行っております。  今回はネットワーク維持という観点からこの融資についても要請を行ったわけでありますが、今回については日本航空のみから出てきたということでこれを行ったということでございます。
  123. 小池正勝

    ○小池正勝君 自由民主党の小池正勝です。  それでは、この条約について質問をさせていただきます。  まず、大臣さんからこの条約の意義についてお話ししてもらいたいと思うんでありますが、日本貿易立国でありますから、当然、貿易が活発化する、自由貿易は大切だ、これはもうどなたも異論がないというお話だろうと思うんです。そのためには、このEPA、FTAというのが極めて重要だと、これももうそのとおりだろうと思うんですが、そこで、このスイスとベトナムについての両条約について、その意義というのをまず大臣からお話しいただければと思います。
  124. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 我が国は、WTO、これの下での多角的な貿易体制を補完するとともに、今委員からもお話がありましたけれども、貿易の更なる自由化に加えまして、投資の自由化また知的財産の保護、さらに競争政策でのルール作りなど、いろいろな分野での協力の推進を含むEPAを締結することによりまして、相手国やまた地域との経済関係全体を強化することを目指しているわけであります。  日本とベトナムのこのEPAは、既にベトナムと我が国との関係は非常に密接でありますけれども、経済関係を一層緊密化しようと、そういうものでありまして、ベトナムとのEPAを結ぶということによりまして更にASEAN地域との経済連携の強化にも資するものだと、そういうふうに一つは考えております。  それから、スイスとのEPAは、これは我が国にとりまして欧州の国との間のEPAの初めてのケースでありまして、これは先進国間のまたEPAでもあるということから、内容的には充実した内容を持っておりますし、また我が国経済外交、これを推進する上でも戦略的な意義を有するものだと、そういうふうに思っております。
  125. 小池正勝

    ○小池正勝君 そこで、その貿易が活発化して貿易量が増えていくと、それは大変いいことなんですが、今現在、ベトナム、スイスについての貿易額がどの程度で、どのぐらいに伸びるというお見通しをお持ちになっているんでしょうか。
  126. 田辺靖雄

    政府参考人(田辺靖雄君) お答え申し上げます。  現在、ベトナムとの間では、二〇〇八年の数字で見ますと、日本の輸出額が約八千百二億円でございます。それから、日本の輸入額が約九千四百十七億円でございます。合計いたしますと一兆七千五百億円ぐらいでございます。それから、スイスとの間では、日本の輸出額が約四千四百九十九億円、それから日本の輸入額が約六千六百五十億円、合わせまして約一兆一千百四十九億円というのが貿易の実績でございます。  この貿易がEPAの結果どうなるかということでございます。EPAの発効と貿易額の増減との間でこれを直接的に決定的な因果関係という形で証明するというのはなかなか難しゅうございますけれども、これまでのEPAで見ますと、日・シンガポールEPAですとか、日・メキシコEPAですとか、日・マレーシアEPA、そういったEPAが発効いたしまして、その結果として、例えば日・シンガポール間の貿易額は、二〇〇二年から二〇〇八年の間で見ますと、四八・八%増加したということがございます。あるいは、日・メキシコ間では、EPAが発効して二〇〇五年から二〇〇八年までに約三六・五%伸びたということがございます。日・マレーシアEPAにつきましては、発効して二〇〇六年から二〇〇八年まで二二・九%増加したということがございます。こういうような形で、ベトナム、スイスとのEPAの発効におきましても、今後この貿易が増えるということが期待されております。
  127. 小池正勝

    ○小池正勝君 今のお話では、ベトナム、スイス、いずれも一兆円程度の貿易額だと、それが過去の例に従えば一・五倍とか一・四倍とかになっていくだろうと、これはこれでいいことだろうと思うし、積極的に進めなければならないと思うのでありますが、そこで問題は、個別の案件のお話を幾つかさせていただきたいと思うのであります。  まず一つは、農業分野であります。こういったEPAとかFTAとかというのを語るときに、必ず、とりわけ日本の農業、農林水産業への影響ということの議論が出てくるわけでありまして、その農林水産業に影響があってはならないということもこれまた恐らくどなたも御異論がないんだろうと思うんですね。  そこで、そもそもまず、これは農林水産省の方も来ていただいているかと思うのでありますが、国内の農林水産業との関係でこのEPAとかFTAに臨むこの農林水産省の基本的な考えというのをお聞かせ願いたいと思います。
  128. 林田直樹

    政府参考人(林田直樹君) お答えいたします。  EPAの交渉に当たりましては、我が国の農林水産業に影響を及ぼすことがないように、守るべきものは守るとの方針の下で交渉を進めております。スイス及びベトナムとのEPA交渉におきましても、これまで締結した国とのEPAと同様、先方の納得を得るまで粘り強く説得をいたしまして、我が国の農林水産業にとって重要な品目につきましては除外ですとか再協議とするなど、関税撤廃の例外措置を講じてきたところでございます。
  129. 小池正勝

    ○小池正勝君 守るべきものは守ると、まさにそれはそのとおりなんだろうと思うんですね。  そこで、具体的に、例えばスイスというお話になったときに、日本の畜産との関係でチーズというのはどんな影響があるんだろうか、大丈夫なんだろうか、あるいはスイスというとチョコレートが有名でありますけれども、日本の菓子業界からもチョコレートについてはいろんな議論があったわけでありますが、このチョコレートについてはどうなんだろうか、これを具体的にお話しいただきたいと思います。
  130. 佐藤一雄

    政府参考人佐藤一雄君) お答えいたします。  先生今御指摘のチーズでございますが、今回のスイスとのEPAにおきまして、チーズの譲許の対象につきましては、国産品と競合することのないスイス固有の高価格なナチュラルチーズ、具体的に申し上げますと、チーズフォンデュ用に利用されるエメンタールでありますとかグリュエールあるいはスプリンツ、こういったものに限定して枠を、この輸入実績大体七百二十トンほどありましたものですから、これをベースに関税割当てを設定しまして、低税率のものを設定したわけでございますが、私申し上げましたように、このスイスからのナチュラルチーズの輸入というのは、平成二十年度で輸入量が七百二十トンということで、チーズの総輸入量の〇・四%というようなこと、そして輸入単価も非常に多い豪州産あるいはニュージーランド産よりも二倍以上のものになっておるようなことから、このような一定の歯止め措置を講ずることによって国内生産には悪影響を与えることはないものというふうに考えているところでございます。
  131. 平尾豊徳

    政府参考人(平尾豊徳君) お答え申し上げます。  スイスとの関係で、今回の合意が国内のチョコレート業界に与える影響についての御質問でございます。  まず、現行のチョコレートの輸入関税でございます。これ一〇%でございます。今回、日・スイスのEPAの交渉で合意した内容では、新たに一千五百トンの関税割当てを設定して、その分について枠内税率を二〇%削減して一〇%を八%にするというふうなことで合意しております。  この内容でございますけれども、この関税割当て数量一千五百トンでございますけど、これは国内のチョコレートの需要量が大体二十二万トンから二十三万トン程度でございまして、そうしますと〇・七%でございます。そういう意味から非常に量的に少ないというふうなことと、関税率の引下げも一〇%から八%でございますからごくわずかだというふうなことでございます。  それからもう一つ、スイスのチョコレートの特徴として、一般的に国産のチョコレートと比べて甘みが非常に高いというふうなこと、それから日本のチョコレートは非常に滑らかでございますけど、スイスのチョコレートは比較的滑らかさに欠けるというふうな特色がございます。そういう意味では、日本の消費者の嗜好に比較的合わないものが多いと言われております。  それからもう一つ、価格が一割程度割高だというふうなことでございまして、そういうふうなことから考えまして、今回の内容というのは国内のチョコレート業界に与える影響というのは極めて少ないものと考えております。
  132. 小池正勝

    ○小池正勝君 今のお話は両方とも、関税を全廃するんではないし、しかも量が少ないから心配ないよということですから、それであればと思うんですが。  もう一つ、今度はベトナムの方ですが、はちみつを今回対象にしています。はちみつというのも日本の消費量ではもう輸入物が圧倒的なわけですけれども、もちろんベトナムではなくて一番は中国なわけですが、このベトナムとの今回のEPAで影響はないんでしょうか。
  133. 佐藤一雄

    政府参考人佐藤一雄君) お答えいたします。  今先生指摘のベトナムとのEPA協定における天然はちみつの取扱いでございますが、これにつきましては、これまでのベトナムからのはちみつの輸入実績、これが二〇〇八年度で百五十四トンほどございます。この輸入量をベースにいたしまして、この枠、要するに今度、現行税率二五・五%を一二・八%へ五〇%削減する輸入枠を設定いたしまして、その枠内数量を初年度が百トン、十年間で百五十トンということで、要すれば現行の輸入量というものをベースにいたしまして税率につきまして半減していくというような枠組みでございます。  この場合、国内に与える影響でございますが、私今申し上げましたように、我が国のはちみつの需要量、大体これ四万トンでございますが、これに対して初年度で〇・二%、最終年度十一年目でありましても〇・四%というふうな数字にすぎないというようなこと。それと、ベトナム産はちみつというものは、これは実は非常に加工仕向けに向かっておりまして、我が国の国産はちみつは非常に高級なものでございますので、これまた品質的にも競合しないというようなことで、養蜂への影響というものもほとんどないんではないかというふうに考えているところでございます。
  134. 小池正勝

    ○小池正勝君 今のお話は、これも量が少ないし、日本産は高級だから心配ないんだと、こういうことですから、養蜂家の方に影響がなければ、それはそれで結構な話だろうと思うんですね。  次に、今度は人の移動について御質問します。  フィリピンとかインドネシアでEPAを結んだわけですけれども、そんな中で、先ほど白先生からもお話がありましたが、看護師さんというのを日本に来ていただくようにしたわけですね。それで、例えばフィリピンであれば、フィリピンの看護師さんの資格を持っている方が日本に来て三年間は勉強してもらって、したがって日本の看護師資格は持っていなくて、三年間は勉強してもらって、三年たって受かればそれからいてもらっても構わないんだけれども、もし受からなければ駄目だと、こういう話になる。今そんなふうに運用しているかと思うんですね。  そのときに、まず確認なんですが、そのフィリピンの看護師資格を持ってきて日本の看護師資格を持っていない方が三年間おれるというのは、当然やる業務というのは日本の看護師ではなくて単なるいわゆる補助業務というか、日本人の資格を持っていない人がやれるのと同じことしかやることができないんだと。それはそれでよろしいんですね。
  135. 榮畑潤

    政府参考人榮畑潤君) 経済連携協定により入国する看護師候補者の方につきましては、入国後一定の日本語研修や看護導入研修を修了した上で、各医療機関におきまして働きながら日本の看護師資格取得のための研修を進めるということになってございます。そして、この国家資格取得前の就労、働くという点につきましては、あくまで看護師候補者でございまして、日本の看護師資格そのものはございませんから、看護師業務を行うことはできません。  ただその一方で、じゃ何をしているかといいますと、看護師さんの指導をしていただきながら看護補助者として、直接患者には触りますけれども、患者の日常生活の支援や環境整備、看護用品の整理整頓等をやっていただいているというようなところでございます。
  136. 小池正勝

    ○小池正勝君 それは、確認ですけれども、フィリピンの看護師資格を持っているけれども、来た方は日本の看護師資格は持っていないわけですから、日本の看護師資格を持っていない方がやるのと同じことしかできないということでよろしいんですね。
  137. 榮畑潤

    政府参考人榮畑潤君) はい。
  138. 小池正勝

    ○小池正勝君 それでは、さらに、これも白先生からお話がありましたけれども、フィリピンとかインドネシアというのは看護師という制度があるからこれはいいんですが、ベトナムの場合は看護師という制度がない、その場合どうされるんですか。
  139. 榮畑潤

    政府参考人榮畑潤君) 従来は入管法に基づいて医療の在留資格を取るときには我が国の看護師資格を取得した人が医療機関において一定期間就労することが可能でございましたが、この資格取得前に医療機関で就労するということはできなかったというところでございます。ただ、今回経済連携協定に基づいて、外国人看護師候補者に関しましては、経済活動の連携強化の観点から、言わば特例的に日本の看護師資格取得者でなくても相手国の看護師資格取得者であれば在留が可能となっているということで、具体的にはインドネシア、それからフィリピンとの間でこれまで協定締結されてきたところでございます。  一方、日越間の取扱いになりますと、先方が確かに看護師を日本に派遣したいということに関心がございますが、確かに先方の国内では看護師に係る国家試験制度がまだ整備されていないこととか、それから看護水準の向上とか、人材育成がこれからも必要とされていることから、特例的に在留資格を可能とすること自体慎重に検討していくことが必要と考えてございますが、いずれにしても、協定発効後遅くとも二年以内に結論を取りまとめるべく今後継続して協議ということと考えてございます。
  140. 小池正勝

    ○小池正勝君 今のお話はフィリピンとかインドネシアは、看護師資格があるからこれは特例的に認める方向で来たと。しかし、ベトナムについては、看護師がないんだからこれは慎重なんだと。まあ、これから二年間交渉するんですけれども、基本的な方針は慎重なんだということでよろしいですね。
  141. 榮畑潤

    政府参考人榮畑潤君) 私どもとしては、当然これから日越間で継続協議してまいることになりますが、日比、日・インドネシアの間とはちょっと違う事情があるというふうに考えておりまして、慎重に検討していきたいと思っております。
  142. 小池正勝

    ○小池正勝君 分かりました。  それで、このような人の移動の関係で、二年前にタイともやはりEPAを結んでいるんですね。タイと結んだEPAの中で問題となりましたのは、タイ式スパというのが問題になりました。このタイ式スパ、同じように人の体に触るわけですけれども、これを解禁してくれというお話があって、日本の方はそれはなかなか難しいという話をしてきたと私は聞いているんですが、これがタイとのEPAが結ばれて二年以内にとなっておって、その二年以内の交渉期限というのがこの十月末に来るはずです。今現在、タイとのこのタイ式スパについての取扱いはどんな状況になっていますか。
  143. 石川和秀

    政府参考人石川和秀君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、二〇〇七年に発効しました日・タイの経済連携協定におきまして、今後二年以内に結論に達することを目的として交渉を行うということになってございまして、御指摘のとおり、この秋にその二年が参ります。これまで、関連の小委員会がございまして三回ほど交渉を行ってまいりました。  現在、交渉継続中ということでございますので、中身、詳細に立ち至ることは控えさせていただきますけれども、いずれにしましても、これ、各方面いろいろな御意見があろうかと思います。それから日本の国内法等の趣旨もあろうかと思います。関係省庁と十分に協議をいたしましてタイ側との交渉に臨んでいきたいと、このように考えております。
  144. 小池正勝

    ○小池正勝君 それで、このお話については人の体に触るというお話でございますから、当然、国内での所管となれば厚生省さんというお話になるんだと思うんですが、厚生省さんは、この人の体に触るという話になるとすると、まあ最高裁の判決もありますから、消極的だというふうに承っているんですが、日本政府の方針として、これは今どういう方針で臨んでおられるんでしょうか。
  145. 榮畑潤

    政府参考人榮畑潤君) タイのスパ・セラピストの件につきましては、この方の業務が日本の国内の医療関係諸資格の何に該当するかということから慎重に検討しなければならないところだろうと思っておりますが、いずれにしても、日本の医療関係諸資格の中で該当するようなものがあれば、先生指摘のような体に触るときに医療行為にそれがなるのか、若しくはそのことが人体に対して安全性がきちっと確保されるのか、そういうところを含めて慎重に考えていかなければならないところだと思っておるところでございます。
  146. 小池正勝

    ○小池正勝君 そうなりますと、十月末までにと、二年といってももうほとんどが過ぎてしまってもうすぐなんですが、その時点でも慎重と、今日の時点でも慎重とおっしゃっているわけですが、日本政府対応は慎重ということでよろしいんですね。
  147. 石川和秀

    政府参考人石川和秀君) お答え申し上げます。  今厚生労働省の方から御答弁いただきましたとおり、いろいろ配慮事項があろうかと思います。いろいろな各方面の意見をお聞きしながら、日本にとって不利益とならないようにきちんと配慮をして協議に臨みたいと、このように考えております。
  148. 小池正勝

    ○小池正勝君 非常に抽象的な言い方をされましたので、要するに、今厚生省さんは慎重という言葉をお使いになりました。外務省さんも慎重に検討するということでよろしいんですね。
  149. 石川和秀

    政府参考人石川和秀君) 日本社会全体にとって不利益にならないような交渉にしたいと思っております。
  150. 小池正勝

    ○小池正勝君 もう一度言いますが、人の体に触ることについては最高裁の判決があるんです。これは外務省さんもよく御存じのはずです。厚生省さんはそれがあるから慎重ということをおっしゃったはずです。外務省さんは当然所管する厚生省さんの意見を踏まえて対応される、慎重という意見を踏まえて対応されるということでよろしいですね。
  151. 石川和秀

    政府参考人石川和秀君) 政府部内の関係部局と十分、まさに慎重に協議をさせていただきたいと考えております。
  152. 小池正勝

    ○小池正勝君 それでは、人の移動のお話はこれぐらいにいたしまして、もう一つ、これはEPAと直接には関係ないんでありますが、ベトナムとの関係で、先ほど大臣の冒頭のお話にもございましたが、非常に連携が深まってきていると。日本もベトナムと友好関係でいきたいということから、ODAを始め様々な形で日本連携してきている。道路であるとか橋であるとか下水であるとか様々な形で、とりわけODA物件を通して日本はベトナムに協力してきていると思うんですが。  そのときにODA物件で日本の企業さんがベトナムに進出する。日本はどうしても国内市場が少なくなっていますから、しかも優秀な技術を持っていますから、どんどん海外に出ていくと。しかも、ODAですから、日本の税金でやっているわけですから、どんどん出ていってもらうということでいいんだろうと思うんですけれども。その際に、まず基本的に国土交通省さんとしては、こういった海外に日本の建設会社が出ていくということは積極的に奨励しているんだと、こういう理解でよろしいんですか。
  153. 下保修

    政府参考人(下保修君) 先生指摘のとおりでございます。
  154. 小池正勝

    ○小池正勝君 そこで、例えばベトナムのお話をいろいろ聞いてみますと、例えば代金の支払遅延があるとか、日本だったら考えられないですけれども、用地買収ができていないのに発注してしまって、いざ行ってみたら用地買収からしなければならないからとんでもない工期が掛かってしまって、工期がもうずんずんずんずん延びてしまうんだ等々の様々なお話を聞くんですけれども、国土交通省さんの方ではどんな把握をしておられますか。
  155. 下保修

    政府参考人(下保修君) 先生指摘のように、ベトナム国におけます円借款事業、二〇〇七年度で供与額が約九百八十億と膨大なものになっております。その内訳で、先生指摘のように、道路、下水道等の建設系の案件が多く含まれているところでございます。  これらの円借款事業におきまして発生する問題につきましては、国土交通省としては建設関係業界から個別に現在までは情報を得てきたところでございます。一般的には、円借款事業における海外建設工事におきましては、我が国とは異なる自然、社会条件であること等によりまして受注者が想定外の対応を余儀なくされて、本邦建設企業も苦慮する場面が少なくないというふうに聞いているところでございます。  特にベトナムにつきましては、今先生から御指摘ありましたように、予測不可能な地盤条件に起因する技術上の問題の発生でありますとか、契約上、本来発注者が工事着手前に行うべき用地の確保あるいは水道管等の地下埋設物の事前処理等が対応不十分である、さらには、こうした問題に伴う工期延長でありますとか追加費用負担にかかわる発注者との協議が長期化しているといった問題をお聞きしているところでございます。
  156. 小池正勝

    ○小池正勝君 今も国土交通省さんの方から御説明がありましたけれども、予期せぬことが、日本国内ではまず考えられないことが起こると。しかも、日本政府としては日本の建設会社さんが海外へ行くことを積極的に奨励していると。それで行ったと。行ったけれども予期せぬことが起こると。予期せぬことが起こっても、それを受注企業に解決しろという話でほっておかれると。こんなのではたまったものではないわけですね。  そこで、やはりこれは、国が方針として積極的に出ていくことを奨励しているんであれば、そういうトラブルが起こったときにはやはり政府もきっちり相談に乗ってあげなければいけないと思うんです。  そこで外務省さんにお伺いしたいわけですけれども、当然、向こうへ行く、行けばその会社さんは独りぼっちなわけですけれども、しかし、大使館というのが現にあって、日本を守るために大使館はあるわけでありますから、その大使館がこういうトラブル、とりわけODA物件というんであれば向こうの政府なり地方政府なりが発注する仕事なわけですから、積極的に大使館がこういったことに関与していくと、相談に乗ってあげるということが必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  157. 渡邉正人

    政府参考人(渡邉正人君) お答えいたします。  先生指摘のようなベトナムにおきます一部の円借款事業におきます事例、先ほど国土交通省からも御紹介ございましたけれども、私どもといたしましてもJICAあるいは建設業界団体の関係者の話を通じて承知しております。  この問題を解決するためにこれまでもJICAからベトナム側の関係機関に対しまして逐次改善の申入れが行われているところでございますが、外務省といたしましても、円借款の協議などの場を通じまして、ベトナムの政府に対しまして業務対価の迅速な支払に努めるよう累次申入れを行っております。  加えて、このような円借款事業の実施時におきます問題を迅速に解決するために、建設業界団体の代表の皆様の参加も得て、日・ベトナム両国、ここにはもちろん大使館の関係者も含まれますけれども、の実務者レベルでの懇談会というのを開催することを予定しております。現在、国土交通省からの助言も得ながらその実施の詳細につきまして検討を進めているところでございます。また、中長期的には、JICAによる研修などを積極的に活用いたしまして、契約の適正な実行等を含めまして、円借款事業の実施に関しますベトナム側の実施機関の理解、能力向上を図っていきたいと考えております。  外務省としては、このような実施上の問題を解決するため、在ベトナムの大使館あるいはJICA等を通じまして引き続き状況把握に努めまして、事業が適切に進捗するように管理してまいる所存でございます。
  158. 小池正勝

    ○小池正勝君 一般論はもちろん結構なんですが、個別案件が発生したときに、日本の企業を独りぼっちにしないで大使館が相談に乗る、その窓口を開くということはしていただけるんでしょうか。
  159. 渡邉正人

    政府参考人(渡邉正人君) ベトナムのケースにつきましても、大使館の方で幾つかの日本企業の皆様からのお話を受け止めさせていただきまして、私どもと協力しながら解決に当たっているというのが現状でございます。
  160. 小池正勝

    ○小池正勝君 終わります。     ─────────────
  161. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) この際、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  経済上の連携に関する日本国ベトナム社会主義共和国との間の協定締結について承認を求めるの件外二件の審査のため、本日の委員会文部科学省国際統括官木曽功君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  162. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  163. 浜田昌良

    浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  本日は、日本とベトナム、また日本とスイスのEPAについて質問させていただきますが、その前に防衛大臣に、いわゆる公共事業ですね、経済対策でも取られておりますが、前倒し発注もされておりますけれども、防衛省の公共事業、大体、年間一千億ぐらいでありまして、今回、補正も付け加わっているんですが、これをどう確実に実行していくのかという話についてまず御質問させていただきたいと思っています。  実は、私は大学は建築だったんですが、同級生が建設会社にいるんですけれども、最近はいわゆる低価格入札を防ぐためのいろんな方式を各省庁が導入していると。国交省の制度はちゃんとやっていると。ところが、防衛省の制度はざるだという声を聞いたんですよ。これは低入札価格調査というのがありまして、一千万以上の案件についてはこの対象にするんですよ。平成十五年から十七年、約一千件以上の工事を実施してそれぞれ、例えば建築工事だと七五%ぐらいの価格を下回ると、設備だと八〇%下回るとこの対象になるんですわ。ところが、この対象になった三%なり五%の案件はすべて調査の対象なのにマルになっているんですよ。一件もバツがなかった。  これについては平成十八年以降改善されて、特に二十年度から特別重点調査というのが導入されたんです。これ二億円以上なんですが。これについては、例えば直接工事費が七五%を切ったものとか仮設費が七〇%を切ったものとか、それぞれどれか当てはまったら非常に厳しく調査をするというふうになってみると、これが対象になったものの五件のうち四件がもうおっこっちゃったんですね。これ非常に効果が出てきたということでありまして、あわせて、施工体制確認型総合評価というのも二十年度に実施してもらったんですよ。これは、いわゆる入札の百点の点数に対して技術評価を十点から五十点加える。あわせて、ちゃんと下請なんかにお金が回るかどうかと三十点加えるという評価をすると、余りにもこの単価が低いと、これは下請に金行かないじゃないかと分かると。これ対象にすると、ほとんど低入札価格のものが全部自然に落ちちゃうんですよ。  こういう効果が二十年に現れてきているんですが、残念ながらこの対象がまだ二億円以上なんですよ、防衛省は。国土交通省は昨年十月からこれ一億円に引き下げました。是非、これから景気対策の観点からも踏まえて、こういう安かろう悪かろうという、防いでいく必要がありまして、もはや防衛省さんは国土交通省さんの次、実は文科省の公共事業だと大体八百億円ぐらいですから、もう二番目なんですね。  そういう意味では、この特別重点調査を是非二億じゃなくて一億円以上にやっていただくよう取り組んでいただきたいと思うんですが、大臣の御決意をお聞きしたいと思います。
  164. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 先生の御指摘のとおり、我々としても、いわゆるダンピング受注があった場合に防衛施設の品質の確保に支障を来すわけですし、自衛隊の運用等に重大な影響を与える可能性があると考えております。  このことを踏まえて、先生指摘のように、平成二十年度から原則予定価格二億円以上の工事を対象に、品質確保のための体制を評価する施工体制確認型総合評価及び特に低価格の入札者を対象に詳細な資料の提出を求めて厳格に調査する特別重点調査を行っているところであります。平成二十年度の施工体制確認型総合評価方式及び特別重点調査の実施結果から低価格入札の排除に一定の効果があったということを踏まえて、防衛省としては、本年度、対象金額を原則予定価格二億円以上から一億円以上に拡大する方向で今検討を進めておるところでございます。  いずれにしても、先生の御指摘を踏まえて、引き続き関係の法令等に基づいて工事の品質確保の促進のための必要な措置を実施してまいりたいというふうに思っております。
  165. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございます。防衛大臣、満額の回答でございますので、これで質問おしまいですので。  じゃ、日本・スイスEPAの話に移りたいと思いますけれども、今ほども話もございましたが、実はスイスの農産品て高いんですね。私、三年間ジュネーブ住んでいたんですが、非常に高い。問題は、このスイスが出島になってしまって、ヨーロッパの安い農産物が入ってきてしまうんじゃないかというのが一番心配なんですよ。私なんか、ジュネーブで買うと高いものですから、週末にフランス領に行って買ってくるわけですよ。たまに捕まっちゃうわけですね、関税で。そういうこともやっていたんですが。  例えば、フランス製のミルクから作ったチーズ、フランスのブドウから作ったワインというのは、実はこれはスイス製じゃないんですよ、フランス製にしなきゃいけないんですよ、原産地証明からすれば。今回、この原産地証明が自己適合宣言、つまり認定輸出者自身による原産地申告制度になってしまうと、こういうものはちゃんとチェックされるのかと、そういうふうな若干不安がありまして、そういう意味では、従来のように第三者認証で最初やっておきながら、一定の信頼が出てきたらそういう認定輸出者自身による申告制度に移るとか、そういう慎重な対応をすべきじゃないかと思うんですが、外務大臣の答弁をお願いしたいと思います。
  166. 田辺靖雄

    政府参考人(田辺靖雄君) 先生指摘のとおり、チーズやワインについて言いますと、それはスイスにおいて生産されたミルクやブドウから作られたものでなければこのEPAに基づく関税上の特恵待遇は得られないことになっております。そのための原産地証明につきまして、今回、認定輸出者による自己申告制度ということを設けることにいたした次第でございますけれども、この制度に関しましては、EPA及びそれぞれの国内法令に基づいて認定輸出者になるための認定の要件が大変厳格に定められております。  また、この認定輸出者が認定条件を満たさない場合ですとか、あるいはその認定の下で不適切な運用を行った場合には、認定の取消しという義務がございます。さらに、原産地申告に疑義がある場合、原産地申告の真正性又は正確性についての確認を行わなければならないことになっておりまして、そのような確認ができない場合には関税上の特恵待遇を与えないことができるというふうに定められておるわけでございまして、したがいまして、この厳重な要件で認定輸出者の自己申告制度ができ上がっておりますので、これは第三者証明制度と変わらない水準の制度が設けられるということを考えております。  こういう形でこの制度が厳格に運用されて、決して迂回輸入などが生じることがないようにしてまいりたいというふうに考えております。
  167. 浜田昌良

    浜田昌良君 今御答弁いただきましたが、しっかりとチェックをしていただいて、スイスがヨーロッパからの農産物、日本への輸入の出島になってしまわないよう、チェックをお願いしたいと思います。  先ほど白委員からも、じゃ、この制度を今までのASEANの国には適用しないのかという質問もございました。一つの方法だと思うんですね。日本の業者にしてみれば、第三者認証よりはこの自己適合宣言という制度の方が手間が省けるわけですから。  とはいっても、相手国にそれをチェックする能力がなきゃいけないわけですよ。そういう意味では、ASEANの国々、七か国一地域とEPAはもうできているわけですし、また南米とも二か国とできているわけですが、相手国のチェック機能の向上ということを逆に技術支援する、ODAでね、それによって同一品目同一製造者となってきたら、船積みごとにまた第三者認証を受けるんじゃなくて、そういうものについてはこういう認定輸出業者自身による原産地申告書を我が国において適用していくというのを考えるべきじゃないかと思いますが、この点についての御答弁いただきたいと思います。
  168. 田辺靖雄

    政府参考人(田辺靖雄君) 先生指摘のとおり、この認定輸出者による原産地申告制度といいますものは、日本の産業界ではこれを望む声が大変強いわけでございます。これによりまして輸出手続が円滑に行われるわけですので、効果があるということでございます。  そうした中で、一方、逆に相手国においてその制度が、元々そういう制度があるかどうかと。スイスの場合にはその制度があったわけでございます。ASEANの中では、これからそういう制度を構築しようというところであるというふうに認識をしております。  したがいまして、相手国が信頼に足りるこの制度をちゃんと構築して運用できるかどうかということが、私どもこれからこの制度を拡大していくという判断をするときのかぎになろうかと思います。当然、その際には、相手国がそういう制度を構築するということのための言わば技術支援といいますか、能力向上の支援をするといったことも考えられるかと思います。  要するに、相手国、日本、共にお互いに信頼できる認定輸出者の自己申告制度というものが完全に運用されているという前提でこの制度の導入が可能になるものというふうに考えております。
  169. 浜田昌良

    浜田昌良君 今答弁いただきましたように、相手国の信頼に足る制度が前提になりますけれども、貿易量からすればスイスに比べ圧倒的にやっぱりASEANなりが大きいわけですから、そういう国々への日本の事業者の輸出をするときの負担を考えれば、そういう能力構築を図りながら世界の貿易を活性化するというのも日本の貢献の大きな一つだと思いますので、前向きに検討をいただきたいと思います。  次に、ベトナムとの人の交流の話に移りたいと思います。  これにつきましては既に白委員からもまた小池委員からも質問がございました。今回の日・ベトナムEPAにおいては、日本での資格を取ったベトナム人看護師は、フィリピンEPAやインドネシアEPAと違いまして、これらの二つのEPAの場合は期限なしの在留資格が認められたわけですね。今回は違うと、七年間だと。その理由は何かというと、向こうの国に看護師や介護福祉士の国家資格がないというのが根拠になっているわけですね。  だから、そうであれば、相手国に看護師の国家資格の制度をつくってあげると、このための技術支援をするというのは向こうの国のいわゆる医療水準の向上にもなるわけですから、是非こういう視点で是非ODAを活用してそういう制度づくりをし、その延長線の中には七年じゃなくて期限をなしにしていくということも含めて考えていくと、こういう見方が重要と思います。これらについての御答弁いただきたいと思います。
  170. 柴山昌彦

    大臣政務官(柴山昌彦君) 御指摘非常にごもっともだと思います。その御指摘の技術協力については、今回協定署名時の共同声明に添付されている日・ベトナム間の協力事業・計画リストの一項目として、ベトナムの看護師、介護福祉士の資格制度整備のための技術協力という項目が盛り込まれているところであります。  この技術協力については、現在ベトナム政府が我が国に要請する支援の内容を検討しているところでありまして、今後、同政府から具体的な要請が出された後、実施の是非を含めて我が国政府において検討を行うこととなります。
  171. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございます。是非そういう視点で取り組んでいただきたいと思いますが。  次は、日本とベトナムの人の交流をしていく、よりそれを拡大していく上で内なる国際化が重要と思っているんですね。内なる国際化とは何かというと、日本の中に既にベトナム人の方で定住されている方々がおられると。この方々が二国間の懸け橋になれるのかどうなのかと。実態は、懸け橋になるどころか非常に厳しい経済状況に置かれているんですね。  一つは、その状況が子供たちに表れていまして、実は文科省の予算で二十一年度補正予算で虹の架け橋教室って三十七億円認められたんですが、これは対象が当初ブラジル人等になっていたんですけれども、等にはペルー人だけじゃなくて是非難民として厳しい生活を強いられてきたベトナム人を始めとするASEANの人々を対象としてほしいんですよ。  どういう背景かというと、実は、私の地元神奈川県大和市には九八年までインドシナ難民定住促進センターというのがありまして、ベトナム、ラオス、カンボジアからの定住者が八千名以上なんですね。県内の外国人登録者の五%で、この比率は全国一位なんですね。ASEANの定住者が特に多いんですが、実は神奈川ではブラジル人、ペルー人よりもASEANの方の定住者の方が多いんですよ。そういう方々の子弟にこの虹の架け橋事業の対象に考えていただきたいんですが、この点について御答弁を文科省からお願いします。
  172. 山内俊夫

    ○副大臣山内俊夫君) 平成二年に出入国管理法が改正されまして、日系の二世、三世に対しての就労制限のない定住者の在留資格が付与されました。日本に居住する日系ブラジル人等がそれ以降大変多くなってまいりました。しかしながら、昨今の景気が大変悪化してきたということによりまして、日系ブラジル人等は特に強くそれ影響を受けているわけなんですね。その子供たちの就学への影響も大変大きくなってきているという事実があります。また、ブラジル人学校等に通っていた子供たちの多くは日本能力が十分でなくて、公立学校への転入も容易でないということが多いわけでございます。  こういったためで、今回の平成二十一年度の補正予算の定住外国人の子供の就学支援事業については、これら日系ブラジル人の子供たちを中心に公立学校やブラジル人学校等へいずれも通っていない子供たちを主な対象として考えておりまして、我々は一応国際移住機関、IOMに拠出するわけでございますけれども、そういうシステムで行っておりますが、先生指摘のASEANに展開できないかという御質問でありますが、これはASEANの国々の定住外国人の子供が本事業の対象になるかということについては検討していきたい、このように考えております。
  173. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございます。  是非現場の実態を見ていただいて、特に神奈川はASEAN関係の方が多いという、その方々が未就学になっている場合が多いんです。就学していても付いていけなくて中学校ほとんど行っていないという現場もたくさん見てまいりました。是非、そういう意味では期待されていますので、御検討をお願いしたいと思います。  次には、子供たちではなくて大人の方なんですね。これも大変なんですよ、今。  昨年のリーマン・ショック以降、日本語の不自由な定住外国人の多くは解雇されて、今求職活動を行っても、今までは日本語がしゃべれなくても手作業ができたと。ところが、今後は、面接に行くと、もっと日本語勉強してこいと言われて追い返されているという状況なんですよ。  この生活者としての外国人のための日本語教育事業というのは文化庁がやっているんですが、二十一年度予算、一億七千七百万しかないんですよ。これが補正予算も要求していないと。  我が党として実は六月に官房長官には申入れしたんですが、日本語教育の専門家育成システムも何か非常にマニアック過ぎて使いにくいと、ボランティアの方々にすると役立たないという声も聞くんですよね。  こういう日本語育成システムを変えなきゃいけないし、かつ、もっと文化庁が日本語教育の体制を強化してくれないと内なる国際化が進まないというのを、是非、副大臣に御答弁いただきたいんですが。
  174. 山内俊夫

    ○副大臣山内俊夫君) 今先生おっしゃったとおり、公明党からそういった趣旨の要望は出されております。それも承知しております。  今現在、財団法人日本国際教育支援協会が実施いたしております日本語教育能力検定試験、これは日本語教育の専門性を確立しながら、日本語教育の水準の向上を目的に日本語教育の知識、能力を判定するものということで、昭和六十二年から実施されております。  その試験は、日本語教員を目指す人たちの到達目標として活用されておりまして、国内外の日本語学校における教員採用の条件の一つとして採用されていることが多くて、決して絶対にそれを取らなきゃいけないとかいうわけではございません、必須条件というような状況で、日本語教育施設における一定の教育水準を確保するという上で大変大きな役割を果たしてきております。  しかしながら、近年の日本語学習者の増加とか学習目的の多様化に伴いまして、日本語教育の指導者には学習者の多様性に応じた日本語教育指導力が求められております。また、日本語教員の養成現場や受験者からは、現行の試験ですべての領域に必要な教育能力を測定することは、これは非常に困難であるという指摘も受けているところでありますが、このような状況を踏まえまして、協会においては、日本語教育能力検定において、現行の試験における専門家としての最低限の知識そして能力を測定するという水準を保った上で、基礎的な実践能力を測定するものとするために、平成二十三年度中の新試験の実施に向けてこれを大きく見直しを進めていく、このように承知をいたしております。  文部科学省としては、協会における見直しの状況を注視しながら、必要に応じて協会に対して助言を行っていく、このように考えております。
  175. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございます。是非、現場のボランティアの方々が非常に使いやすいというような、そういうものに変えていっていただきたいと思っていますが、今言いました、子供じゃなくて大人の方の非常に就職が厳しくなっているという状況は、ブラジル人、ペルー人だけじゃなくて、ベトナム人の方、ASEANの方が非常に厳しい状況です。  ちなみに、神奈川のデータで見ますと、県全体で外国人登録者は、ブラジル人、ペルー人よりもASEANの方が圧倒的に多いんですね。個別で見ると、相模原市なんかはブラジル人、ペルー人は七%なんですけれども、ASEANの方は二四%、大和市は前者が二四%、後者が二九%、平塚はブラジル人、ペルー人の方は三八%で、ASEANは三〇%と、そういう状況なんですが。  厚労省さんが日系人就労準備研修事業というのが約十・八億円、十一億円も使ってやっておられるんですよ。ところが、これがブラジル人、ペルー人の日系人だけを主目的にしていると言われているので、それはそんなに限定する必要ないじゃないかと。厳しい現場に置かれているのはブラジル人、ペルー人だけじゃなくてASEANの方々もそうなんだから、是非これについて検討の対象を広げていただきたいと。厚労省の政務官に御答弁いただきたいと思います。
  176. 金子善次郎

    大臣政務官金子善次郎君) 先生指摘の就労準備研修事業でございますが、雇用情勢が厳しいという中で、一般的には日系人の方々、日本に参りまして派遣、請負等の形で働いていると。  ところが、こういう情勢の中で雇用を解雇というようなことで、これまでは派遣の事業所の方から通訳とかいろんな形で世話を受けながら働いてきたと。  要は、そういう方々を独り立ちをさせなきゃならないだろうという観点からの研修事業でございますが、先生指摘のとおり、いわゆる日系人だけで本当にいいのかどうかという観点は、私どももそう考えておりまして、ただ、いわゆる外国人全体に広げる場合に、一般的にはこの研修事業もあくまでも集住地域といいますか、一般的に集まっている場所で開催させていただいておりまして、これをどう全体的にやるのかという観点等になりますと、労働行政の観点もございますし生活そのものの観点もあろうかと思いますので、関係省庁とも相談しながら、この問題を重要な課題としてとらえて対応してまいりたいと、このように考えております。
  177. 浜田昌良

    浜田昌良君 今、集住地域と言われました。集住しているんですよ。どこに集住しているかというと、県営住宅なんですよ、安いから。相模原の大島地区にどかっと県営住宅がある。また、相模原に市営住宅がある。そこに、約二割ぐらいの方はもう外国人になっているんですよ。平塚もそうです。そういうところに、外国人がもうそこにしか住めなくなっているんです。  そういう意味では集住はしていますから、是非前向きに、もう一度答弁いただきたいと思います。
  178. 金子善次郎

    大臣政務官金子善次郎君) 御指摘の点を先ほどもお答えしたつもりでございますが、関係省庁とよく連携しながら前向きに検討してまいりたいと、このように考えております。
  179. 浜田昌良

    浜田昌良君 前向きな検討、ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。  ただ、事業の実施の仕方も併せて見直してほしいというのが次なんですね。これ見てみると十億八千万もあるんですが、たった五千名しか研修しないというんですよ。一人当たり二十万も掛けると。何なんだろうと。  神奈川県を調べてみたら、海外日系人協会、これ財団法人で外務省の所管なんですが、これで七千三百万という金が行く予定なんですけど、たったの三百八十人しか研修しないと。それで効果が本当に、確かにそれだけぴかぴかな人ができていいんだかもしれないんだけど、今実態がどうなっているかというと、子供のための日本語教室に、大人が就職できないからそこに一緒に大人が来ちゃっているんですよ。大人が集まってきちゃうともう教室がいっぱいになって座れなくて、立って勉強している。立って、しかもそれでも教室に入れないからといって踊り場に出て、みんなそれで二時間ぐらい日本語を学んでいるというのが実態なんですよ。  その人たちは、教材費がボランティアで出ないから持ち出しになっていると。これ、一人当たり二十万じゃなくて一人当たり二千円を出してほしいというのが現場なんですよ。その現場を全く分からずにこういう事業を組んだって、確かにこれで何人かの人は、三百八十人は救われるかもしれないけど、救わなきゃいけないのは本来は三万八千人だと思いますよ。それぐらいの人間が神奈川だって必要だと思っています。  是非そういう、一人当たり二十万掛けるという事業も重要かもしれませんが、一部の予算については、そういうもう草の根、ボランティアの方がやっている人たちにちょっとでも、教材費一人当たり二千円ぐらいがコピー代でも渡るような事業の実施の仕方も弾力的に認めていただきたいと思いますが、これらについて御答弁をもう一遍お願いします。
  180. 岡崎淳一

    政府参考人(岡崎淳一君) 御指摘の事業でございますが、これは雇用対策の事業としてやらせていただいております。事業主の拠出金を元にした事業でございますので、やはり雇用にきちんと結び付いていくという観点でやっていかなきゃいけないと。単価につきましては、一応三百時間ぐらいの研修を受けていただいて、ある程度必要であれば公共職業訓練等も受けていただけるようなというような形で構想したものでございます。  ただ、現場の状況その他で、皆さんを三百時間ということではなくて、もう少し二百時間とか百時間とか状況に応じて少し短い形のものも、現在もやっておりますが、その辺については地域状況を見ながら対応していきたいと。  ただ、先生指摘のようなボランティア団体等のものまで出すかということになりますと、これはちょっとこの予算の性格からなかなか難しいというふうに考えております。既存の予算の中で、その趣旨の範囲内でできるだけ多くの方に受けられるようには努力していきたいと、こういうふうに考えております。
  181. 浜田昌良

    浜田昌良君 予算の趣旨ってよく分からないんですが、その方々は、みんな働きたいために学んでいるんです、日本語を。その方々がいるのに、なぜ予算の趣旨と合わないんですか。もう一度答弁お願いします。
  182. 岡崎淳一

    政府参考人(岡崎淳一君) 雇用対策として、ある程度安定した職業に就けるような形の予算という形で組んでおります。  先生指摘のように、多くの方々が日本語を学びたいという状況にあるということ自体は認識しておりますが、これは政務官からも答弁がありましたように、厚生労働省の雇用対策の予算でできるものと、それ以外の部分いろいろあると思いますので、そこにつきましてはほかの省庁とも連携しながら対応したいと思いますが、この予算につきましてはやはり当初の予算の範囲内で、ただその範囲内で可能なものについてはできるだけ地域状況に応じて対応させていただきたいと、こういうふうに思います。
  183. 浜田昌良

    浜田昌良君 別にASEANの方だけじゃなく、ブラジル人、ペルー人の方も同じように立って勉強しているんですよ。三百八十人救えばいいって、全く考えられない。これについてはちゃんと見直してほしい。現場をちゃんと見回ってほしい。政務官の決意だけ最後聞いて、終わります。
  184. 金子善次郎

    大臣政務官金子善次郎君) 先生指摘の点はよく理解しておりますので、本当に真剣に取り組んでまいりたいと、このように思います。
  185. 浜田昌良

    浜田昌良君 終わります。
  186. 井上哲士

    井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  EPAと日本農業の問題に絞ってお聞きいたします。  まず、外務大臣にお聞きしますが、ベトナム、スイス、両国の農林水産物の平均関税率はそれぞれ幾らか、また、両国より平均関税率がはるかに低い日本がこの分野で譲許する理由は何なのか、まずお願いします。
  187. 柴山昌彦

    大臣政務官(柴山昌彦君) WTOの統計によりますと、ベトナム及びスイスの農林水産品に対する平均関税率は、それぞれ二四・二%及び四三・五%でありまして、我が国の平均関税率二一・八%よりも高い水準となっております。  そして、後段の、なぜ日本がこの分野で譲許するのだということについてなんですけれども、当然のことながら、日本そしてこれら両国との間におきましては、産業構造も国の発展段階も違うわけでございます。そして、それを踏まえて、こうしたEPA協定締結すれば相互発展に資するということからこうした協定締結するわけでありまして、その上で、お互いの困難な状況を考慮しまして互いの国内産業へ悪影響を与えないよう十分留意をした上で、御指摘の農林水産品も含めて双方が関税の撤廃や削減を行っているということで御理解をいただきたいと思います。
  188. 井上哲士

    井上哲士君 農水省が出していますOECD加盟国の農産物平均関税率は、スイスは五一・一パー、ベトナムは二七・二五パーと、こうなっております。日本は関税率は一一・七パーでありますから、スイスは日本の四・三七倍、ベトナムは二・三三倍ということになるわけで、この数字を見ても日本側の譲許が本当に必要なのか疑問であります。  具体的にそれぞれについて聞きますが、今回のベトナムとの譲許表に野菜等冷凍品が入りました。そのことの日本農業に与える影響についてどうお考えでしょうか。
  189. 小栗邦夫

    政府参考人(小栗邦夫君) この度のベトナムとのEPAにおきましては、委員お話のありましたように、冷凍のホウレンソウ、エダマメ、ササゲなどの冷凍野菜の関税につきまして、五年から十年で段階的に撤廃する方向で合意したものでございます。  この合意内容につきましては、これら冷凍野菜の輸入につきましては中国などからの輸入が大宗を占めておりまして、ベトナムからの輸入は中国などからの輸入を補完するような位置付けにございます。例えば、ベトナムからの輸入が最も多いホウレンソウにおきましても、中国が全体の約八割近くを占め、ベトナムは一割強にとどまっておるところでございます。  また、これまでタイとかインドネシア等の東南アジア諸国との間で締結されましたEPAにおきましても、この度のベトナムと同様の内容で譲許をされておりまして、この度の合意が大きな状況の変化にはならないと読まれておりまして、このようなことから国内の野菜生産への影響は少ないものと考えているところでございます。
  190. 井上哲士

    井上哲士君 私は見通しが甘いんじゃないかと思うんですが、ベトナムに進出をして農水産物の加工品の日本への輸出をねらう日本企業もかなりあります。経済産業省の九州経済産業局が去年の三月に報告書を出しておりますが、この中で、九州には農産物栽培や水産物の養殖、食品加工に関する技術の蓄積があることから、それらの技術移転や提供を行い、付加価値を高めた製品のベトナムでの生産、加工や生産委託での展開可能性は高いと、こういうふうに経産省の報告書でもしているわけでありまして、そうするとやっぱり今後の影響というのは看過できないということは指摘しておきます。  スイスとの譲許品目で聞きますが、ナチュラルチーズが入りました。スイス側の強い要求があったということなのか、及び、この具体的な譲許措置の中身についてお聞きします。
  191. 佐藤一雄

    政府参考人佐藤一雄君) お答えいたします。  ナチュラルチーズにつきましてはスイス側の主要な関心品目であったということから、国内に悪影響を与えない範囲で一定の譲許を行ったところでございます。  具体的には、まず譲許の対象でございますが、国産品と競合することのないスイス固有の高価格なナチュラルチーズということで、主にチーズフォンデュ用に利用されるエメンタールあるいはグリュイエール、スプリンツ、こういったものにまず対象品目を限定いたします。そしてまた、二つ目といたしましてこの数量でございますが、これまでの輸入実績、二〇〇八年度が七百二十トンでございますので、こうした量を踏まえまして、枠内数量を十年で六百トンから千トンに拡大して、枠内税率を五年で現行の二九・八%から一四・九%へと五〇%削減する、こういう関税割当を設定することで合意したところでございます。
  192. 井上哲士

    井上哲士君 今、輸入チーズ量が国内生産量の五倍以上を占めるという中で、やはり更にチーズ輸入量への拡大圧力を加えていくことになると思うんですね。何よりも、チーズなどの乳製品の販路を切り開いて生計を立ててきた酪農家の経営努力、特に今、北海道では国産チーズの市場拡大努力を頑張っていますが、こういうことにやはり背を向けることになるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
  193. 佐藤一雄

    政府参考人佐藤一雄君) 今お話し申し上げましたこのナチュラルチーズの中でスイスからのものにつきましては、これは先ほども何回も申し上げておりますが、いわゆるチーズフォンデュ用のチーズ固有のものであるということと、それと、これにつきましては豪州産あるいはニュージーランド産よりも二倍以上高いものでございます。こうしたことから国産のものと競合するようなことはないというふうに考えております。  また、今御指摘ございましたように、国産チーズ、我々拡大を図っておりまして、そうした今申し上げましたようなチーズフォンデュ用のところでない違う分野で今だんだん伸びてきておりますので、こうしたことについては今後とも積極的にやっていきたいというふうに考えているところでございます。
  194. 井上哲士

    井上哲士君 農水省は、日本・メキシコのEPA以来、この程度なら国内への影響がないということで農水分野での譲許を繰り返してきたわけですが、結果的に輸入圧力が加え続けられているということでありまして、私は、やはり日本が食料輸入大国を見直して食料主権の見地から国内農林水産業を立て直す、食料自給率の向上に取り組むという姿勢が問われているときだと思います。こういう輸出国の要求に応じた譲許の姿勢というのは容認できないということから、私どもはこの協定には賛成できないということを申し上げておきます。  次に、関連しまして、このEPAの政府の交渉姿勢についてお聞きをいたします。  今年の五月に日本とカナダの外相会議が行われておりますが、この場でカナダのキャノン外相から日本とのEPA交渉の立ち上げの要望が出されております。  まず確認いたしますけれども、二〇〇七年の日加経済枠組み共同研究報告書では、この農林水産分野の輸入自由化の措置について、日本の農林水産分野に対する影響への懸念にかんがみ、今回は合意に達することができないとしております。つまり、この分野での自由化はできないという結論に達しているわけでありますが、この結論について今回の外相会談では変更はなかったということでよろしいでしょうか。
  195. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 日本とカナダのEPAにつきましては、二〇〇七年十月に日加両首脳に提出をされました日加共同研究の結果を踏まえまして、現時点で交渉を開始することは困難でありますけれども、日加経済関係を更に深めると、そういう点が重要である、そういう観点から日加次官級経済協議でその可能性を再検討して、まずは双方にとりまして実施可能な協力から進めていくと、そういうことになっております。昨年の十二月にも次官級協議が行われました。先日の五月の日加外相会談におきます私とカナダのキャノン外相とのやり取りも含めまして、こうした現在の我が国の立場に変更はございません。
  196. 井上哲士

    井上哲士君 カナダの先ほどの報告書では、日本の輸入自由化によって日本では穀物及び肉製品の生産が減少する、こうありまして、国内農林畜産業への経済的打撃を指摘をしているわけですね。立場に変わりはないという答弁でありましたが、堅持していただきたいと思います。  同時に、国内農業への打撃を及ぼす懸念のもう一つは日本とオーストラリアのEPAでありますが、今年三月に第八回会合をされております。オーストラリア側からの日本側への農林水産品の関心品目について、現時点ではどういう要求がされているんでしょうか。
  197. 柴山昌彦

    大臣政務官(柴山昌彦君) 日豪EPA交渉におきましては、豪州サイドよりは、米、牛肉、乳製品、砂糖及び小麦を含む多くの農林水産品に係る関税等の国境措置に関して特恵的な待遇を得ることについて関心が示されています。
  198. 井上哲士

    井上哲士君 いずれも非常に国内、日本農業にとって重大なものなわけでありますが、農林水産省にお聞きします。  二〇〇六年にオーストラリア産の農林水産物で輸入量が多い牛肉、砂糖、乳製品、小麦の完全撤廃をした場合の試算をされておりますが、当時、日本の生産に与える直接的影響はマイナス八千億円というふうにされておりますが、この試算が今でも有効かということ。また、その関連産業などに与える影響などを含めまして総額幾らの経済的打撃が懸念されているのか。いかがでしょうか。
  199. 林田直樹

    政府参考人(林田直樹君) お答えします。  日豪EPAによりまして豪州産農産物の関税が撤廃された場合の直接的な影響につきましては、一定の前提の下に小麦、砂糖、乳製品、牛肉の四品目につきまして試算を二〇〇六年に行ったところでございます。また、関連産業につきましては影響額の試算は行っておりませんが、製粉業、製糖業、乳業等の関連産業に甚大な影響があるものと見込んだところであります。  この試算の前提であります我が国と豪州の農産物の価格差は二〇〇六年以降も変わらず大きいままでございますので、このような品目に対する関税を撤廃した場合には大きな影響が出るものと考えております。
  200. 井上哲士

    井上哲士君 北海道は、道として道内経済に与える影響が一兆三千七百十六億円と、酪農・畑作地域経済社会の崩壊につながると、こういうことも言っているわけですね。こういう事態をやはり踏まえたことが必要だと思うんですが、対カナダの農林水産分野の自由貿易は先ほどありましたように見送りを決断をしたわけですね。そして、日豪につきましては〇六年十二月、衆参の農林水産委員会で全会一致の決議が行われております。万一、我が国の重要品目の柔軟な取扱いについて十分な配慮が得られないときには、政府は交渉の継続について中断も含む厳しい判断をすべきだと、こういう全会一致の決議であります。私はやっぱり、カナダではそういう決意をした、そしてこういう決議を尊重するんであれば、もう日豪についても交渉を中断すると、こういう決意があってもよいと思いますが、いかがでしょうか。
  201. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 日豪のEPAにつきましては、これは日豪両国の関係、これの更なる強化につながると、そういう認識の下に交渉を進めているわけでありますが、今までのところ大変有意義な議論を行ってきております。  農林水産分野の市場アクセスの交渉に当たりましては、今委員から衆参の国会での決議について言及がございましたけれども、我が国の農林水産業の重要性を十分に認識をいたしまして、やはり守るべきものは守る、そういう方針の下で日本側の立場を主張しながら粘り強く交渉を続けているところでございます。  また、投資とかサービスの分野、またエネルギー、鉱物資源など広範囲にわたる分野において交渉が続けられているわけでありますが、我が国にとりましてやはり最大限のメリットを獲得できるように政府一丸となって交渉していく、そういう考えでございます。
  202. 井上哲士

    井上哲士君 時間ですので終わりますが、我が国の農林水産物の平均関税率は、OECD加盟国の中でも最低水準なわけですね。世界の中でも日本ほど自由化を進めている国はないわけでありまして、むしろ食料主権の確立という立場で関税・輸入規制措置の強化などを進めるべきだと申し上げまして、質問を終わります。     ─────────────
  203. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、山口那津男君及び橋本聖子君が委員辞任され、その補欠として風間昶君及び長谷川大紋君がそれぞれ選任されました。     ─────────────
  204. 山内徳信

    山内徳信君 ただいま審議されております三つの協定について、私は基本的に同意する立場であります。とりわけ、ベトナムとの関係について、少しだけ総括的な立場から外務大臣の、あるいは防衛大臣の御認識もお伺いしておきたいと思います。  御承知のように、ベトナム戦争は、アメリカが言っておりますように、日本なくしてはベトナム戦争は戦えなかったと、こういうふうに言われておるわけです。たしか神奈川県にあります相模原からアメリカ軍の戦車は送り込まれていきます。そして、横須賀とかあるいは佐世保とか那覇軍港等からは艦船がベトナムに参ります。そして、港湾労働者も送り込まれてまいります。嘉手納飛行場からはB52が連日連夜爆弾を満載して攻撃に行っております。  その結果は、ベトナム戦争の犠牲者は、九五%は民間人であったというふうに言われております。十年以上にわたるアメリカとベトナムとの戦争は、結果は、世界最強であるアメリカをしてもベトナムで戦争の勝利はあり得なかった。いわゆるベトコンを相手にして、ジャングルにおるベトコンと戦って勝てなかった。これはやはり今後の世界にとって、戦争を語るときの大きな教訓があるだろうと私は思っております。  その当時、ベトナムのお母さんたちから日本のお母さんたちに、あるいは沖縄のお母さんたちにいっぱい手紙が送られてまいりました。日本から戦車を送らすな、飛行機を飛ばすな、軍艦を送らすなと、こういうふうな手紙が随分日本に送られてきたわけでございます。  私は、そういうふうなベトナム戦争と関係のあった、あるいはその戦いを支えてきた日本政府が、今日ここに参議院の外交防衛委員会で、ベトナムとの経済連携協定締結に向けての審議までこぎ着けていただいた関係者の努力を多とすると同時に、やはり加害者の立場に立っていた日本、被害者の立場にあったベトナムとの間にこういう経済提携の協定というのは、大変私は個人的にもうれしく存じております。そして、当時ベトナム戦争を指揮されたアメリカのマクナマラ長官は、ベトナム戦争は間違っていたと、彼は自らの回顧録でそういうふうに振り返っております。  そういうふうに、私たちも今日は大臣にはそのことは要求しませんが、やはり踏んでいる者には踏まれておる者の痛みは分からないと、私は常々そんなことを申し上げるんでありますが、そういう立場に立って、そして、ナパーム弾だとか枯れ葉剤の被害は現在も続いておりまして、今年の三月二十六日にベトナムの被害者の皆さん方を沖縄にお呼びしました。私の住んでおる読谷にもおいでいただきましたし、那覇でもその体験を語っていただきましたが、そういうふうに交流をしておりましても、やはりベトナム民衆のあの大きな傷はいまだいえておりません。  そういうことを私たちは踏まえた上で、今日こういう締結に向けての審議が進んでおるわけでございますが、こういうベトナムに対する外務大臣の認識といいますか、やはり過去において直接ではないにしても間接的に戦争に加担をしてきた日本政府として、今新たな出発をしようとしておるこの時期にどういう感慨をお持ちでいらっしゃいますか、お伺いしておきたいと思います。
  205. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 政府といたしましては、ベトナムはまずは地政学上、大変重要な位置を占めております。そして、非常に高い潜在的な経済力、潜在力、これを有しておるわけでありまして、まずそういうベトナムとの関係、これを重視をしております。  特に、先日五月末、私もハノイに参りました。これはASEMの会合でございましたけれども、ベトナムの非常に高い経済成長とそれから国際社会における役割の増加に伴いまして、我が国とベトナムとの関係がいろいろな分野、レベルにおいて活発化しているということを本当に結構なことだと思っております。四月にはマイン共産党書記長が訪日をいたしまして、両国が戦略的なパートナーとして共通の信頼とまた利益に基づいて、アジアの平和と安定、また協力と繁栄のために、この二国間関係のみならずアジア全体の、アジア地域、また国際社会のそういう直面する諸課題についても緊密に協力していくこと、そういうことで一致をいたしたところでございます。  また同時に、政府といたしましては、今委員からもいろいろベトナム戦争のときの話がございましたけれども、地雷や不発弾処理のための支援とか、あるいはベトナム戦争で特に影響を受けました地域への病院や小学校の建設、そういう支援を通じまして、ベトナム戦争の傷がいまだ背負っているそういうベトナムの方々にも裨益をし得るそういう支援が大事だと思って実施をしているところでございます。  今申し上げましたような我が国にとりましてのベトナムの重要性なども踏まえまして、今後、より良好な関係、また経済的な関係を緊密化していきたいと思っております。
  206. 山内徳信

    山内徳信君 私は、次に、辺野古新基地建設の突堤の問題とオスプレーの質問をしたいと思いますが、私の持ち時間は十二時四十七分まででございますから、この二つはできないと思っておりますが。  まず、防衛省にお伺いいたします。  普天間における事故ヘリの修理についてでございます。過去十年間、二〇〇〇年から今年まで、事故ヘリの修理のために大型輸送機で海外に運んだという実績がありますでしょうか。簡単にお答えください。
  207. 井上源三

    政府参考人井上源三君) お答えを申し上げます。  普天間飛行場におきます事故ヘリ機の修理についてでございますけれども、米軍の運用に関する詳細については必ずしも承知をしているわけではございませんけれども、これまでの同飛行場代替施設に係る米側との一連の協議を通じまして聴取いたしましたところ、普天間飛行場における大型輸送機による航空機の輸送頻度は年一回程度であるというふうに聞いております。
  208. 山内徳信

    山内徳信君 確認しておきますが、今日まで一回ということですね。
  209. 井上源三

    政府参考人井上源三君) 年一回程度でございます。
  210. 山内徳信

    山内徳信君 それは輸送してどこに持っていくんですか。どの国のどういうところに持っていくんですか。
  211. 井上源三

    政府参考人井上源三君) 輸送先、修理場所でございますけれども、普天間飛行場では修理が不可能でありまして、飛行不可能な航空機を沖縄から補給廠レベルで修理可能な施設、例えば日本の本土、韓国、シンガポール等にそういう施設があるわけでございますけれども、そこまで輸送し修理をしているというふうに聞いております。
  212. 山内徳信

    山内徳信君 今、本土というお答えがございましたが、本土はどの基地ですか。
  213. 井上源三

    政府参考人井上源三君) 厚木であるというふうに聞いております。
  214. 山内徳信

    山内徳信君 後で私が行って調べてきます。  私の常識からしますと、ヘリコプターであろうが輸送機であろうが、その修理を要する場合はやはり現地とか現場にそういう修理をしていく機能をつくって、そこでやるのが常識だろうと思うんです。わざわざヘリコプター一機をギャラクシーに載せたり、あるいは、その他の方法で他の地域に運ぶというのは少し合理的ではありませんね、アメリカ的ではありませんね。そういう指摘をしておくだけにしておきます。  それから次に、現在の普天間基地になくて辺野古新基地建設計画に新たに設置されるものをお答えいただきたいと思います。
  215. 井上源三

    政府参考人井上源三君) 普天間飛行場代替施設に関する具体的計画でございますけれども、準備書では主な飛行場施設として十五の施設を記載をしているわけでございますけれども、そのうち、現在の普天間飛行場にない施設で代替施設に新たに設けることを予定している施設といたしましては、航空機への弾薬搭載作業を行います弾薬搭載エリア、航空機用燃料の補給のための桟橋、それからヘリが故障した場合等におきまして船舶による輸送を行うための係船機能付き護岸でございます。  いずれにいたしましても、これまで、現在の普天間飛行場におきまして何らかの形で対応しているというものでございますけれども、代替施設におきましてヘリ基地機能を最低限維持するために必要なものでございまして、新たな機能を付与しているというものではないということを御理解賜りたいと存じます。
  216. 山内徳信

    山内徳信君 あと三分でございますから、確認だけしておきたいと思います。  要するに、政府と日米がずっと言ってきたのは普天間の代替施設、代替施設と。普天間の今の飛行場を向こうに造るんだという、そういうふうに強調してこられましたが、新たな機能とか施設ができるということは普天間そのものではないと、全く新しい基地を造っておるというふうに私は考えたいわけであります。  したがいまして、もう時間だと思いますから終わりますが、今答弁していただきましたことを、装弾場だとかヘリパッド四つだとか、あるいは普天間は陸上ですから当然岸壁はないわけですね。その岸壁問題についてはまた次の委員会に引き継いでいきたいと思いますが、今おっしゃった新しい分については、ひとつ一覧表にしてあした辺り提出いただけますか。
  217. 井上源三

    政府参考人井上源三君) 先ほど申し上げました現在の普天間飛行場にない施設で代替施設に新たに設けることを予定している施設、先ほど申し上げたとおりでございますけれども、それを文書にいたしまして提出させていただきます。
  218. 山内徳信

    山内徳信君 終わります。
  219. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  まず、経済上の連携に関する日本国ベトナム社会主義共和国との間の協定締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  220. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、日本国スイス連邦との間の自由な貿易及び経済上の連携に関する協定締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  221. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、航空業務に関する日本国サウジアラビア王国との間の協定締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  222. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  223. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十七分散会