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2009-04-16 第171回国会 参議院 外交防衛委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十一年四月十六日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  四月九日     辞任         補欠選任         佐藤 正久君     中曽根弘文君  四月十日     辞任         補欠選任         中曽根弘文君     佐藤 正久君  四月十三日     辞任         補欠選任         井上 哲士君     仁比 聡平君  四月十四日     辞任         補欠選任         仁比 聡平君     井上 哲士君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         榛葉賀津也君     理 事                 浅尾慶一郎君                 一川 保夫君                 白  眞勲君                 木村  仁君     委 員                 石井  一君                 犬塚 直史君                 風間 直樹君                 谷岡 郁子君                 広中和歌子君                 藤田 幸久君                 岸  信夫君                 小池 正勝君                 佐藤 正久君                 橋本 聖子君                 山本 一太君                 浜田 昌良君                 山口那津男君                 井上 哲士君                 山内 徳信君    国務大臣        外務大臣     中曽根弘文君        防衛大臣     浜田 靖一君    副大臣        内閣府副大臣   宮澤 洋一君        外務大臣    橋本 聖子君    大臣政務官        農林水産大臣政        務官       野村 哲郎君        防衛大臣政務官  岸  信夫君    事務局側        常任委員会専門        員        堀田 光明君    政府参考人        内閣官房内閣参        事官       山本 条太君        内閣官房拉致問        題対策本部事務        局総合調整室長        兼内閣大臣官        房拉致被害者等        支援担当室長   山口 英樹君        内閣府政策統括        官        原田 正司君        外務大臣官房審        議官       石川 和秀君        外務大臣官房審        議官       北野  充君        外務省北米局長  梅本 和義君        外務省国際法局        長        鶴岡 公二君        文部科学大臣官        房審議官     田中 正朗君        水産庁増殖推進        部長       成子 隆英君        防衛省防衛政策        局長       高見澤將林君        防衛省運用企画        局長       徳地 秀士君        防衛省人事教育        局長       渡部  厚君        防衛省経理装備        局長       長岡 憲宗君        防衛省地方協力        局長       井上 源三君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○第三海兵機動展開部隊要員及びその家族の沖  縄からグアムへの移転実施に関する日本国政  府とアメリカ合衆国政府との間の協定締結に  ついて承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送  付) ○委員派遣承認要求に関する件     ─────────────
  2. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  第三海兵機動展開部隊要員及びその家族沖縄からグアムへの移転実施に関する日本国政府アメリカ合衆国政府との間の協定締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣参事官本条太君外十三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 第三海兵機動展開部隊要員及びその家族沖縄からグアムへの移転実施に関する日本国政府アメリカ合衆国政府との間の協定締結について承認を求めるの件を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中曽根外務大臣
  5. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) ただいま議題となりました第三海兵機動展開部隊要員及びその家族沖縄からグアムへの移転実施に関する日本国政府アメリカ合衆国政府との間の協定締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  政府は、アメリカ合衆国との間でこの協定の交渉を行い、その結果、平成二十一年二月十七日に東京において、私とクリントン国務長官との間でこの協定の署名が行われた次第であります。  この協定は、第三海兵機動展開部隊要員約八千人及びその家族約九千人の沖縄からグアムへの移転実施に必要となる多年度にわたる資金提供を始めとする日米政府の行動について規定するとともに、アメリカ合衆国政府が、日本国政府から提供された資金等グアムにおける施設及び基盤を整備する移転のための事業にのみ使用すること等を定めております。  この協定締結は、第三海兵機動展開部隊要員約八千人及びその家族約九千人の沖縄からグアムへの移転実施を確実なものとし、沖縄県の負担の軽減に資するものと考えられます。  よって、ここに、この協定締結について御承認を求める次第であります。  何とぞ、御審議の上、本件につき速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
  6. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 白眞勲

    白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。  まず、グアム移転協定に入る前に、四日のミサイル発射誤報事案について防衛大臣にお聞きしたいと思います。  大臣は、今まで常々この誤報事案についてはヒューマンエラーだという説明をされていたと思いますが、私個人としましては、ヒューマンエラーだということで果たしてそれでおしまいにしていいのかなという部分もあるわけなんですね。人間というのはミスをするものであるという前提に立って、やはりこれは体制をどうするかというところがやっぱり一番ポイントだと思って、人間ミスをするものであるという前提に立ったシステムを構築するべきであると。  だから、人間ミスだというだけじゃなくて、その体制がどうなんだということを前提としてやっていくべきだということを考えますと、これはやっぱり個々人間責任にしてしまうというよりは、それより、個々の、何というんでしょうね、人の責任にしてしまうと全体像が把握できなくなるんじゃないかということですね。そういう部分については、大臣としてどうお考えなんでしょうか。
  8. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 今先生から御指摘のとおり、ヒューマンエラーというのは確かにヒューマンエラーなんですが、この件に関しては今も原因の究明も、検証を今行っておるところでございますので、我々とすれば、現状、なぜそれが起こったのかも含めて、当然我々とすればそれを詳しく検証して、今後このようなことがあってはならないということをやっぱりしっかりとシステム全体として考えていかないかぬというふうに思っていますので、今その検証を含めてやらせていただいておるところであります。
  9. 白眞勲

    白眞勲君 そういう観点からしますと、私は、今回のエラーを実際した、エラーの関係した人物については、基本的には、私個人としてはペナルティー科すべきじゃないんじゃないかなというふうに思っているんですね。  例えば、部署にいる人間が持ち場を離れて別なことをしていて発射を見過ごしていたとか、あるいは、何ですか、画面を見ていたんじゃなくて実は漫画見ていたとか、何かそういう問題だったらこれはもう、これは単純にペナルティーの問題だと私は思っているんですが、今回は、もちろんいろいろ誤報による迷惑というのは掛けたかもしれないですが、逆に今回の場合、ペナルティーを科すことによる今後のその担当者のやはりこういったものに対する、担当者が萎縮してしまうことがあってはならないんじゃないか。逆に言うと、間違いを恐れて、本当に発射されちゃったときに、その慎重にし過ぎちゃう部分での問題点というのも出てくるかもしれない。  もちろん、その体制の問題は重要です。体制の問題と同時に、その個々人についても私はそういうふうに考えて、その方がよっぽど怖いと思うんですね、その慎重にし過ぎちゃって、こういったスピードを要する事案の場合、むしろその方が怖いような感じするんですけれども、その辺は大臣はどうでしょうか。
  10. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 白先生おっしゃるとおりでありまして、私とすれば、今先生がおっしゃったことは、まさにその萎縮という言葉が大変問題だと思っていますし、逆に言えば、この処分の問題等を言うよりも、いかにこれを運用をどのようにスムーズにするか、そしてまた、その中において、今回の在り方というのはいろんなものが見えてくるわけでありますので、そこのところはしっかりと検証しつつ、私とすれば、これも全体的な話、先生がおっしゃるようにシステムの話とそれからまたそういった状況下にある何というか、我々の感情というか、そういったものも含めて、やっぱり思い切ってトライ・アンド・エラーでは、エラーはない方がいいんですが、しかし、前向きにとらえてやっていくということを今後やっていかないかぬなというふうに思っておりますので、まさに先生のおっしゃるとおりに、そういったことも含めて、いろんな体制、我々、これ一部分の、その部分の担当しているところだけの問題ではなくて、これ政府全体としてやっぱり考えないかぬことがあると思いますので、そういった面もあるので、そこのところは、特にそこにピンポイント責任問題をやろうとは思っておりません。
  11. 白眞勲

    白眞勲君 私も防衛大臣のお考えでいいと思うんですよ。  私、この仕事する前に、ある民間企業、これ新聞社におったんですけれども、そのときに取材要請をしたわけなんですね、ある超一流企業です、日本の。そうしましたら、普通、取材要請をすると大体一日、二日ぐらい掛かってからやっと返事が来るのが当たり前なのに、その会社は午後には返事が来ちゃったんですよ。何でこんなにおたく早いのというふうに言ったら、間違ってもいいから早くやれというのがうちの会社ですと言うんですよ。  私、それはやっぱりスピード感を持っているというのが重要で、間違ってもいいから早くやれというのはあくまでも冗談っぽい話なんですけれども、やはりそれだけスピード感を持って、そしてしっかりやれということで私はあるという部分はなるほどなと思って感心したんですね。その会社はもう世界でのナンバーワンの会社ですよ。  そういう私はやっぱり考え方で、やはりこれを逆に、逆に利用しながら、逆転の発想でその担当者たちに、よし、頑張れよという、そういう気持ちを持ってこれからも大臣、やってもらいたいなというふうに思うんですけれども、もう一言お願いします。
  12. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 先生のその御指摘が、私、そういう組織の中で、やっぱりミスはこれはあっちゃいかぬわけでありますが、私も厳しくそこは注意をさせていただきましたが、しかしながら、こういった事案に関しては、やっぱり先生のおっしゃるとおり前向きに、積極的にやっていくということが極めて重要だと思っていますので、私とすればその点はしっかりとやっていきたいというふうに思っておるところでございます。
  13. 白眞勲

    白眞勲君 今度は五日の発射についてお聞きしたいと思うんですけれども、大臣は伝達がうまくいったというふうに説明をされたわけですけれども、やはり今度は点数を上げたわけですから、合格点だと私は思っているんですね、今回は。大臣は何点ぐらいだと思っていますでしょうか。
  14. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 何点ぐらいというのは大変、点数大変難しいかもしれませんが、御納得いただけるところまではいけたのかなと思っております。  ただ逆に言うと、五日のはそれでうまくいったんですが、四日の日の我々のマインドというか、そこのところの前掛かりになってしまっているところとか、そしてまた逆に言うと、これは五日は、その四日があったからなのかよく分かりませんが、大変そういう意味では正確に判断できたというふうに思っておりますが。ただ、やはり情報の出し方というのは確かにかなり早くいけたんですが、何となくそれもすごく早くて、とても早いんで、逆に言うと、うんっと思ったところもなきにしもあらずでありまして、まあ早いだけでいいのかというのもありますし、また全体的な対応の仕方についてもまだまだやらないかぬ、考えないかぬことがたくさんあるなというふうには感じたところであります。
  15. 白眞勲

    白眞勲君 その早過ぎて、うんっと思ったという部分というのは私もやっぱりポイントだとは思うんですけれども、ただ、やって、一生懸命やった人間に対しては今度はきちんと褒めてあげることも必要だと思うんですけれども、その辺はどうでしょう。
  16. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 当然これはよくできたというふうに思っております。  ただ、余りこれで、これが何もない状態で一発でばっとこうやれれば良かったんですが、どうしても四日の件が頭に引っかかるものですから、そういう意味では手放しではなかなか喜べないというのもありまして、まだまだこれから検証して、もっと我々とすれば注意すべき点を課題としてやっていくことが重要なのかなというふうに思っております。
  17. 白眞勲

    白眞勲君 ですから、逆に言えば、やれた部分については褒めてあげる必要もあると思うんですけれども、その辺についてはどうでしょうか。
  18. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) そのとおりだと思います。
  19. 白眞勲

    白眞勲君 今おっしゃいましたように、うんっと思ったというところの中で、報道によりますと、当日は、中央指揮所統合幕僚長が府中の航空隊司令官との間で電話回線をつないだまま確認を待っていたと。つまり、受話器を持っていたということなんですけれども、これは事実なんでしょうか。受話器を持っていたかまではどうか知りませんけれども、電話回線をつないだまま確認を待っていたというのはそうなんでしょうか。
  20. 徳地秀士

    政府参考人徳地秀士君) 五日の件について申し上げます。  五日におきましては、SEWの有無を統合幕僚長など複数の者で確認するということにしておりましたし、かつ迅速にそれを確認するという必要がありましたので、常に航空隊司令官統幕長の間で連絡ができるような状況にしておりました。
  21. 白眞勲

    白眞勲君 結局その電話回線つないだままだったということですか。もう一度、徳地さんお願いします。
  22. 徳地秀士

    政府参考人徳地秀士君) 一々そこで改めて電話を掛けて呼び出すということは必要な状態にはなっておらず、常に、いわゆるつないだ状況にしておったものでございます。
  23. 白眞勲

    白眞勲君 もう大臣、二十四時間、三百六十五日、電話回線をつないだまま。つまり、今まさにおっしゃったように、余りにもよくでき過ぎているような、うんっと思ったというのはやっぱりこの部分だと私は思っているんですね。つまり、二十四時間、三百六十五日、受話器を持ったまま待っているわけにはいかないわけで、それも統合幕僚長とか航空隊司令官がずっとそこに詰めるわけにもいかないと。  この辺り大丈夫なのかなという部分が私はあるわけなんですよね。まあ今回はいわゆる撃つぞと、こう言われていたわけですから待っていた部分があるけど、実際は予告なしで来るのが普通でしょうから。この辺についてはどうでしょうか、大臣
  24. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) それはもう先生今おっしゃったとおりでありまして、今回の場合はまさに情報があり、そしてそれに対して国民の皆さん方の注視の中で行われたということもありますので、そういう意味では我々が常日ごろから考えておる想定しているものとはちょっと違ったということもございますので、そういう意味では先生のおっしゃる、事案事案によってまた違ってくるとは思いますが、我々とすれば今回の場合が極めて異例というか、そういう状況だったというふうに思いますので、今後そういったことも含めて、じゃ今回はこうだったからそういうふうにやれたけれども、じゃこの次がそうでない場合はどうするのかということは、当然これは我々の課題の中に入ってきているものと思っております。
  25. 白眞勲

    白眞勲君 ちょっとこれは今朝の報道で、産経新聞に出た報道なんですけれども、ロシアの軍機がMD網を偵察していたという報道があるんですけれども、これは事実なんでしょうか。
  26. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 防衛省としては、平素から、我が国周辺軍事動向については、これはロシアの軍の動向も含めて情報収集しているところでありますけれども、具体的な内容については、ちょっと事柄性質上、お答えを差し控えさせていただきたいというふうに思います。
  27. 白眞勲

    白眞勲君 済みません。これは質問通告をしていなかった部分ですので大変恐縮なんですけれども、と同時に、もうあと幾つか、ちょっと質問通告していないものがある。答えられる範囲内で結構なんですけれども。  韓国からの報道によりますと、ミサイル発射の前日の四月の四日なんですけれども、北朝鮮ミグ23がミサイル発射場があった空域を偵察している最中に墜落したという報道が出ているんですね。これは事実かどうか、お分かりになるでしょうか。
  28. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) それはちょっと、私自身聞いておりません。
  29. 白眞勲

    白眞勲君 もう一点聞きますが、韓国からの報道ですが、やはり、今回のミサイル発射において、今度はミサイル発射についてなんですが、北朝鮮はイリューシン28型爆撃機を改造した偵察機ミグ23など二十機以上を動員して大規模な情報収集を行ったと報道されていますが、この辺りはどうなんでしょう。もしあれでしたら、参考人でも結構でございます。
  30. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。  本件事案につきまして、北朝鮮もいろんな動向を取ってきたということは一般的には考えられるわけでございますけれども、そしてまた、我々も重大な関心を持ってその情報収集に努めてきたところではございますけれども、その具体的な内容につきましては、事柄性質上、お答えを差し控えさせていただきたいというふうに思います。
  31. 白眞勲

    白眞勲君 次、もう一つ、この軍用機日本近海まで接近して、このミサイルの第一段落下地点確認し、また、日本やアメリカの追跡活動を牽制していたとの報道もあるんですけれども、この辺は事実でしょうか。
  32. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) 御指摘の点も含めまして、一々コメントするというのは、これはインテリジェンスにかかわることでございますので、事柄性質お答えを差し控えたいと、いただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、本件事案に係る北朝鮮動向については、重大な関心を持って情報収集をしてきたというところで御理解をいただきたいと思います。
  33. 白眞勲

    白眞勲君 北朝鮮は、ミサイル部品回収検討をするというこの日本報道を受けまして、内政干渉だと非難をして、北朝鮮自主権を侵害する耐え難い軍事的挑発だとしたわけなんですね。彼らは衛星だとも主張しており、こちらはその海域に今、日本側は別に軍艦出しているわけでもないんですけれども。  結局、北朝鮮は、私は、耐え難い軍事的挑発だと、彼らは衛星だと言っているにもかかわらず、我々が回収すると言った途端軍事的な挑発だと言うのは、これ、自分たちミサイルだと認めたことになるんじゃないかなと、馬脚を現したのかなと思うんですけれども、防衛大臣、どうお考えですか、これ。
  34. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 御指摘報道については我々も承知しておりますけれども、その一つ一つにまた反応するのもこれまた問題でありますので、コメントは差し控えたいとは思いますけれども。  おっしゃるとおり、我々とすれば、そういった我々の近辺に、近傍にあるものに対して、この回収に当たっての検討というのはこれは当たり前の話でもありますし、そういう意味では、我々もその可能性を追求してやっていきたいというふうに思っております。
  35. 白眞勲

    白眞勲君 中曽根大臣、この今の、あっ、お聞きになっていませんでしたね、済みません。  北朝鮮が、ミサイル部品回収検討をするという日本報道を受けまして、内政干渉だと非難したわけなんですけれども、北朝鮮自主権を侵害する耐え難い軍事的挑発だと向こうが反発をしているわけですね。彼らは衛星だと主張をしているんですけれども、別に日本側としては軍艦を出しているわけでもないわけですから。  彼らは衛星だと、平和利用衛星だということを言っている割には、軍事的挑発だと言って今回反発をしているというのは、どう見てもこれ変な話だなということを思うんですけれども、その辺、大臣、どうお考えですか。
  36. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) その北朝鮮側発言というものを私正しく承知しておりませんので、お答え、非常に難しいんですけれども。  我々が、北朝鮮発射というのは、これは安保理一七一八決議違反だと申しておりますように、これはミサイル関連技術を使用したものであると、ですから、これは人工衛星であろうとなかろうと違反だということをずっと我々としては表明してきたわけであります。  そういうことを考えますと、このブースターというんですか、落下物、これの回収というものは北朝鮮側にとりましては、いろいろな技術的、いろいろな、何と申しますか、そういうものが濃縮されたものであろうと思いますから、我が国が仮にこれを回収するとかそういうようなことを、あるいは我が国じゃなくてもそういうような発言があれば、これは大変強く反応するのは理解できるところでございます。
  37. 白眞勲

    白眞勲君 まさに今、中曽根大臣がおっしゃったように、やっぱりそれだけ反発をしたということは見付けてほしくないということだというふうに思うんですけれども、防衛大臣、どうですか。
  38. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) それは、確かにそういった、我々とすれば極めて今回の打ち上げというのに対しては批判、非難しているわけでございますし、それを逆に逆手を取って、我々が近海に撃ち込まれたもの、落ちてきたものを回収するということに対して反発をされるというのは何となくおかしな感じもしますし、最初からそれを想定して、あの区域を指定して、大体この辺に一段目が落ちますよということをおっしゃっていたわけですから、それに我々が回収できればというのは、言って、それを非難されても、これはちょっと筋が違うのかなという気がしてなりませんので、そういう意味では、我々とすれば淡々と我々のできることを追求していくというのが重要なのかなというふうに思っております。
  39. 白眞勲

    白眞勲君 外務省にお聞きします。  この落下した部品回収した場合の国際法上の権利関係についてはどうなっているんでしょうか。
  40. 鶴岡公二

    政府参考人鶴岡公二君) 落下物所有権についての国際法上の整理についての御質問をいただきました。  御指摘落下物につきましては、仮に回収された場合でありましても、その物体の所有権回収した国に帰属するようになるというふうには言えないと思います。  例えば、我が国自身が国家実行をどのように行っているかと申し上げますと、我が国が打ち上げた物体が海上に落下した場合に、当該物体が海中に沈没し、引揚げが仮に物理的に不可能であったとしても、我が国所有権を明示的に放棄することはいたしておりません。
  41. 白眞勲

    白眞勲君 つまり、これは北朝鮮のものだということなんですか。
  42. 鶴岡公二

    政府参考人鶴岡公二君) まず、特定できるかどうかということはございますけれども、仮に落下物北朝鮮によって発射されたミサイルの一部であったと認定される場合には、北朝鮮所有権が落下することによって消滅するというふうには理解できません。
  43. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、これを日本側が引き揚げることの国際法上はどうなんですか。
  44. 鶴岡公二

    政府参考人鶴岡公二君) これはいろいろな場合があろうかと思います。  全くの公海上のいわゆる海中に放棄されている物質の引揚げという一般的な議論ではなくて、今回の事例におきましては、北朝鮮の事前通報において、日本海におきましては我が国のEEZ、排他的経済水域の範囲に当たる部分があったと記憶しております。排他的経済水域におきましては我が国国際法上持っております一定の主権的権利が認められておりますので、そのような観点から、その海域において生じている事象について我が国自身が行動を取るということは国際法上何ら問題がないと考えられます。  その一部としてそういった物体の回収が行われるということ自体も、それ自体が問題になるということはないというふうに理解しております。
  45. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、日本側回収しても全然問題はないと。ただ、その所有権北朝鮮のものですよと。だから、例えば、簡単に言えば、調べて返してやればいいということになるわけですね。それは国際法上問題ないということになるわけですか。
  46. 鶴岡公二

    政府参考人鶴岡公二君) これも具体的な事例がどのようなことが出てくるかということにもよるとは思いますけれども、一般的に申し上げれば、今申し上げました一定の主権的権利を我が国として国際法上も合法的に有している海域における調査の一環としてのそういった物体の引揚げ自体が問題になるということはないと理解しております。
  47. 白眞勲

    白眞勲君 この北朝鮮発射したミサイル一段目日本海に落下したのは秋田県の西約二百八十キロと推定されると。海面が変色しているのが発見されたのが三百十キロということですけど、この三十キロの差は何だったのかなと。四月九日の衆議院での御答弁では分かっていないということだったと思うんですけれども、その後、防衛大臣、分かりましたでしょうか、これ。
  48. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。  どの地点に落下したかというのは当時の推測でやっておりますし、また、油が変色を見付けた時間帯というのも発射した以降の時間帯でありまして、ずれているというふうなこともございます。それからまた、方向的にどのようなことがあるかというふうなことがございまして、そういったことを含めまして、現在、総合的、専門的な分析を行っているところでございますので、残念ながら、その御指摘落下物について両者がどういう関係にあるのかと、現段階でその落下地点が具体的にどこかというところの特定にはまだ至っていないというのが現状でございます。
  49. 白眞勲

    白眞勲君 この海面の変色の原因は、じゃ何だったのかお分かりになっていないということなんですか、今のところは。
  50. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。  前回の委員会質疑でもその点についてはやり取りがあったかと思いますけれども、我々がはっきり言えるのは、そういった近くにそういった海面の変色があったということを発見したということでありまして、それが今回の落下の関係と具体的に関係があるのかどうかということも含めましていろいろ分析が必要だという認識は変わっておりません。
  51. 白眞勲

    白眞勲君 その海面の部分は採取したんでしょうか。
  52. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。  私の記憶ですと、たしかそれは航空機によって発見をしたということでございますので、その時点で直ちに採取するというふうな状況ではなかったというふうに理解をしておりますが、この点につきましてはもう一度確認をしてお答えさせていただきたいと思います。
  53. 白眞勲

    白眞勲君 今、高見澤さん、分析調査すると言っていて、上から眺めただけで分析どうやってするんですか。これやっぱり、調査するというのは、採取してその内容を分析するというなら話分かるんですけれども、上から見ていて海面の異常が発見されました、で、分析、今調査中ですといったってどうにもならないんじゃないんですか。それちょっとおかしいんじゃないですか。
  54. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。  これまでもいろんなロケットが落ちた、その打ち上げたものが落ちた場所につきまして、いろいろ特定するまでに時間も掛かっておりますし、また、それがどういった状況になっているのかということについてやはり相当周到に調べなければならないということでございますので、その点については御理解をいただきたいというふうに思います。
  55. 白眞勲

    白眞勲君 いや、ですから、理解できませんよ。だから、周到に調べるんだったら当然、そこで発見したならばすぐ船出してそこのものをどういうものなのかを採取すると、それで分析すると、これ当たり前だと思うんですよね。周到にやればやるほどそういうことをやらなきゃいけないのに、やっているんですかということを私は聞いているんですよ。
  56. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) ですから、今回のケースにつきましては、どこで落下したのかと、それからその後の落ちていったものがどういう状態になったかということについて、まさに場所の特定を含めてやろうとしているところでございますので、御指摘の点も含めて、もうしばらく時間をいただきたいというふうに思います。
  57. 白眞勲

    白眞勲君 いや、だから、御指摘の点と言いますけど、私が言っているのは、もう過去に調べたかどうかを聞いているんであって、それが何で御指摘の点なんですか。ちょっと、答えがちょっと変ですよ、それ。
  58. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) ですから、その時点で油の変色した内容物について直ちに回収が成功しているかということについて、私、今手元で具体的な状況を把握しておりませんので、その点についてはまた御説明をしたいということを先ほど申し上げましたので、先生にまた御説明をさせていただきたいと思います。
  59. 白眞勲

    白眞勲君 それ、じゃ是非委員会説明を今後いただきたいと思います。
  60. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) 御指摘を踏まえて適切に対応していきたいというふうに思っております。
  61. 白眞勲

    白眞勲君 いや、今御報告しますと言ったのに、今度適切に対応していきますというのはどういう意味なんですか。御報告するならしていただきたいと思うんですけど、そういう言い方やめてください。
  62. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) まさに先生の御質問に対して、この委員会で御質問がございましたので、それに対して回答をさせていただきたいというふうに思います。
  63. 白眞勲

    白眞勲君 防衛大臣防衛省でも結構ですが、これ現在、恐らく海底に沈んでいる第一段目から何かの物質が漏れ出ている可能性についてはどうなんでしょうか。
  64. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 当然、変色しているということは何らかの原因があるわけだと思いますので、それが何であるかも今、私自身、この時点で持っておりませんので、また、それも含めて報告できるものはしっかりしていきたいというふうに思います。
  65. 白眞勲

    白眞勲君 つまり、可能性はありということでいいですよね。
  66. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 当然そういった、海面に何かが流れ、漂うというのは何かがあるのではないかなという、それは特定はなかなか難しいとは思いますが、私とすれば、何らかの原因があるということであればその可能性も高いなというふうに思っておるところであります。
  67. 白眞勲

    白眞勲君 報道によりますと、一段目の新型ブースターは、液体燃料に腐食性があるので日本では使われていない非対称ジメチルヒドラジンというのを使っているということらしいんですけれども、危険物質や汚染物質が漏れ出る可能性もありということで、やはり可能性が高いということはそういうことでよろしいですね。  もう一度、確認です。
  68. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) それも含めて調査したいというか、今その分析をせないかぬのかなというふうに思っています。今この時点で、ただ海面の変色というだけですと何なのか分かりませんので、それも含めてということでございます。
  69. 白眞勲

    白眞勲君 農水省にお聞きいたします。  この海域、つまりEEZ内のこの海域の漁業資源の影響についてはどうなんでしょうか。
  70. 野村哲郎

    大臣政務官(野村哲郎君) お答えを申し上げます。  今、白委員からの、漁業への影響を御質問だと思いますが、水産庁におきまして四月の六日に、翌日でございますけれども、秋田県なりあるいはまた関係する漁業団体に被害の有無について照会をいたしましたところ、漁業被害があったとの報告は受けておりませんし、その後も被害報告はございません。  なお、この海域は、水深二千メートルでございまして、漁場として利用されることがほとんどございません。したがいまして、今後も漁業への影響はないものと考えているところでございます。
  71. 白眞勲

    白眞勲君 今、漏れ出る可能性が高いんではないかという、そういう防衛大臣の御指摘があるわけなんですね。  海ですから、私が言うのも何ですけれども、当然これはどこかに流れていくわけですから、そういったことを考えますと、今後も安全だなんていうことが言えるんでしょうかね。私は、非常に、極めてそれは一応大事を取ってすべきじゃないのかな。つまり、漁業関係者にきちんと、今は、今は被害の報告は受けていないということですけれども、これからもきちんと安全だということが説明できるんでしょうか。
  72. 野村哲郎

    大臣政務官(野村哲郎君) いえ、安全ということはまだ言っておりませんで、ただ、今までのところそういった影響は出ておりませんという報告をいただいております。  ですから、これから先のことは、またいろいろ情報が分析されたりあるいはまた収集されて、それによる私どもの対応としては適切にやってまいりたい、かように考えております。
  73. 白眞勲

    白眞勲君 是非その適切という言葉、つまり、今まではそういう報告がないにしても、少なくともそういう危険物質が海底に沈んでいる、危険物質を持ったものが、部品が海底に沈んでいるという中で、今後のことについては農水省としても是非注目をしていただきたいというお願いなんですが、もう一度その辺はお願いしたいと思います。
  74. 野村哲郎

    大臣政務官(野村哲郎君) しっかりとその辺は、承ったことを私ども農水省としても適切にやってまいりたいと思っております。
  75. 白眞勲

    白眞勲君 ということは、今後もきちんと調べる必要も私はあるんではないかなと、この海域の調査をですね。それについては農水省としてどうでしょうか。調べる必要あると私は思いますが、いかがでしょうか。
  76. 野村哲郎

    大臣政務官(野村哲郎君) 落下物についての調査につきまして、私どもが主体的にということにはならないと思うんですが、要は、防衛省と連携しながら、そういう、できるだけこの海域に影響があるような物質が流れ出す、そういうことはちゃんと情報として私どもも承りながらやっていきたいと思っております。  ただ、先ほども申し上げましたように、水深二千メートルでございますので、ここは漁場として余り適していない。ですから、この辺で魚を捕るということは、このそば、そばといいますか近郊にはありますけれども、ここの今落ちたであろうと言われているところは漁場としては余り適しておりませんので、この近くのことにつきましては、いろいろ情報を収集しながら、そういう意味での対応をしていきたいと、こういうふうに考えます。
  77. 白眞勲

    白眞勲君 ただ、海面が変色しているんですね。それももう実際には三十キロ離れてきているところの海面が変色したっていうのが発見されている。これはまだ因果関係については今、高見澤さんの方からもまだ分からないということですけれども、そういったことを考えますと、余り、深さ二千メートルで、今そこ漁場じゃないから安心だという、安全だということは私は言えないんじゃないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。余りそういうことを言わない方がいいんじゃないかなという感じがするんですけれども、どうでしょうか。
  78. 野村哲郎

    大臣政務官(野村哲郎君) いやいや、だから、私は先ほど来安全だとは言っておりませんで、まだこれに基づく影響というのは報告はございませんと。ただ、これからのことにつきましては、先ほど申し上げましたように、いろいろ情報を収集しながら水産庁としてとるべき処置をやっていきたいと、こう申し上げております。
  79. 白眞勲

    白眞勲君 外務省にちょっとお聞きしたいと思います。  もし落下した北朝鮮ミサイル部品日本国内で被害を及ぼした場合、これは当然北朝鮮側に損害賠償を請求する必要があると思いますが、その辺りはいかがでしょうか。
  80. 鶴岡公二

    政府参考人鶴岡公二君) 一般論として申し上げれば、北朝鮮ミサイル発射した結果として我が国が損害を受ける、そういう事態が生じた場合には、我が国として国際法上の責任北朝鮮に対して追及できる国際法上の整理になると思います。また、そのような場合に、今度は具体的にどのような請求を行うことになるかというのは、やはり具体的な事例に応じて国際法上の確立した手段を用いることになろうかと思います。
  81. 白眞勲

    白眞勲君 そうしましたら、次に、この部品によって、この落下した部品によって漁業被害が発生した場合の損害賠償についてはいかがでしょうか。
  82. 鶴岡公二

    政府参考人鶴岡公二君) 仮定の御質問でございますけれども、我が国の確立した権利としての漁業の権益がその場合まず前提になっているかと思いますけれども、その権益が北朝鮮の行為によって損害を被るということがあるとすれば、当然この権益についての補償を求めることが国際法上も認められると考えます。
  83. 白眞勲

    白眞勲君 外務大臣にお聞きしたいと思います。  今までのやり取り聞いていらっしゃったと思うんですけれども、やはりこれは早く引き揚げた方が私はいいんじゃないかなというふうに思います。特に外務大臣の場合、このHⅡロケットのエンジンの引揚げの際の科学技術庁長官、文部大臣であり科学技術庁長官をやっていて、陣頭指揮を執られた御経験が豊富であると。豊富でもないかもしれませんけれども、経験があるということですから、この辺り、外務大臣としてどうお考えなのかなと、可能性も含めて何か御見解がありましたらお話しいただきたいと思います。
  84. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 確かに今委員がおっしゃいましたように、これは一九九九年の十一月十五日のHⅡロケットの発射だったと思いますが、私も種子島まで行きまして発射を見たわけですが、残念ながら失敗をいたしました。  やはり、失敗の原因を究明するというのは、これはその後の開発に大変重要なことでございますので、これが、エンジンが引き揚げられないかということを検討いたしまして、その結果、科学技術庁の中の海洋関係の船舶技術を使いまして、たしか水深が二千メーターか三千メーターか、ちょっとはっきり、忘れましたけれども、小笠原諸島の沖の太平洋上からかなりの数のエンジン、それから部品を引き揚げました。そして、このエンジンを、これは液体水素と液体酸素を混合した燃料によって推進薬としているものですけれども、そのエンジンの部品を精密に検査して、それに基づいて改良してその後の発射が成功したという経緯があります。  そういうことを考えますと、先ほどの御質問で、北朝鮮側としても多分かなりの関心があると思いますけれども、我が国として、今、鶴岡局長が、参考人が申し上げましたように、法的な関係もございます。そういうこともありまして、関係省庁で今検討しているということでございます。
  85. 白眞勲

    白眞勲君 ですから、結局、これは北朝鮮のこのミサイルも失敗だったんじゃないかということで、日本の当時のロケットが失敗の原因の究明のために引き揚げようじゃないかという部分、それからやはり漁業被害の問題もこれは懸念されるということを考えると、やはりこれは早めに引き揚げるべきではないかなというふうに思いますが、これは防衛省ではそういう技術的に引き揚げようといったってなかなか難しいんじゃないかということになりますと、やっぱり文科省さんとかいろいろなところの知恵をオールジャパンで出していく必要があるのではないかな。  もちろん、法的な問題クリアしなきゃいかぬといっても、今の話ですと、どうも法的には多分、ともかく、早く引き揚げられそうなことですので、これについて、防衛大臣、オールジャパンでやっていったらどうかなと思うんですけど、閣議にかけてさっさと決めたらいかがでしょうか。
  86. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 先生おっしゃるように、これ政府全体、我々防衛省ではその能力を持っておりませんので、逆に言えば、今、中曽根外務大臣からお話がありましたように、文科省のそういった能力も使ってということになれば、当然、これ政府全体で考えることになろうかと思いますし、また当然その海の、海況の問題、それも調べなければなりませんし、またいろいろなそういったもろもろのことの経費ということも、費用対効果もあるわけでありますので、当然そういったことも勘案しながら政府全体でやらなければこれは対応できないというふうに思っておりますので、その可能性があれば当然それは議論していくということだと思います。
  87. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 今防衛大臣からもお話ありましたけれども、先ほど御説明いたしました我が国のロケットのエンジン部分の引揚げのときは、大変幸運なことに海底面、落下していた海底面が非常にきれいな平らなところであったというようなことがありまして、今回の物体がどういう状況にあるかとか、そういうことによりまして非常に難度といいますか、違ってくるわけでございまして、そういう点もあるということは御理解いただきたいと思います。
  88. 白眞勲

    白眞勲君 この問題において、ちょっと外務大臣にお聞きしたいんですけれども、アメリカの北朝鮮の特使のボスワース氏が、アメリカとの二者直接協議も適当と考えれば応じるというふうにも述べているわけでして、今日大臣、恐らく午後韓国外務大臣とお会いになる予定もあるかとも聞いているんですけれども、もし、北朝鮮がアメリカと二者協議を今後するかどうか分かりませんが、ともかくやはりここはきちっと連携を深める、特に、今日韓国外務大臣も来ているようでしたら、この連携をきちっとして、ボスワース氏に核の検証や拉致問題についてもしっかりとした話をしていく必要があると思うんですけれども、この辺り、いかがでございますでしょうか。
  89. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 御案内のとおり、発射を受けた安保理の議長声明をまた受けて北朝鮮がメッセージといいますか、報道機関によるものをコメントを出しておるようで、今後の六者協議の再開というのはそれはもう簡単ではない状況になっていると、まずそういうふうに思っておりますが。  アメリカの代表が、ボスワース氏が北朝鮮と接触といいますか、そういうようなことをという、これも報道でしか私、存じ上げておりませんけれども、いずれにいたしましても、我が国としては、この六者会合を中心として核とミサイルと拉致の問題も含めて北朝鮮との間の話合いを進めて、そして特に拉致の問題、この三つの問題については包括的に解決すると。そして、最終的には日朝正常化を図るという大きな目標があるわけですから、そのために資することであれば、米朝の話合い、あるいはそれが行われる場合も我が国や関連諸国との事前の緊密というものが必要と思いますけれども、この六者会合の再開にこれが資するものであれば、私は結構なことだと思います。  韓国外務大臣とも今日お会いいたしますけれども、そういうような点についてもしっかりと意見の交換をしていきたいと思っております。
  90. 白眞勲

    白眞勲君 次に、グアム協定についてお聞きしたいと思いますが。  今回、八千人のアメリカ海兵隊員がグアムに移るということにより、沖縄の負担軽減はされるものなんでしょうか。
  91. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 今回の海兵隊のグアムへの移転というものは、これはこの協定文の前文にもありますように、この移転により「沖縄県を含む地域社会の負担を軽減」をすると、そして「もって安全保障上の同盟関係に対する国民の支持を高める基礎を提供するものである」と、そういうふうに記してあります。沖縄の皆さんからは長い間負担の軽減というものを、こういう要請をいただいておりまして、これを実現することにより、私は負担の軽減になると思っております。  特に、これはロードマップに基づきまして、このグアムへの移転と、嘉手納以南の返還と、あるいは普天間の移転と、この三つの事業がロードマップで合意されているわけでありまして、移転をすることによりまして嘉手納以南の土地等が戻ることによりそこの活用も行われる、あるいは普天間が移転することによってあの地域の安全性が高まるとか、いろいろな面で、負担というのはいろいろな要素があるかと思いますが、総合的に負担が軽減されるものと、そういうふうに思っております。
  92. 白眞勲

    白眞勲君 私、前に質問主意書をこの件で出したんですけれども、そのときに定員の一万人が残ることになるということでよろしゅうございますね。
  93. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) アメリカ側からは、このグアム移転、八千人の定員を移すことによって沖縄における海兵隊の定員は約一万名になるという説明を受けております。
  94. 白眞勲

    白眞勲君 でも、定員って今後変わる可能性あるんじゃないんでしょうか。この辺、どうなんでしょうか。
  95. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) もちろん、全くの一般論として申し上げれば、これは日米安保体制の下でどのように在日米軍が日本に展開をするのかということについては、安全保障環境に対する評価、それから日米それぞれの役割、任務、能力、そういうものを踏まえまして適切に配置をするということでございます。  ですから、これは現下の安全保障状況の評価を基礎として現在の規模の米軍のプレゼンスというものがあるところから、それが今一万八千ある、それからこの米軍再編の中でそのうちの八千をグアムに移すということでこのロードマップができているわけでございます。
  96. 白眞勲

    白眞勲君 つまり、アメリカの言うならば勝手で定員は少なくもできるし多くもできるということでよろしゅうございますね、今後は。
  97. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) この米軍再編につきましては、まさに何年も掛けまして、共通の戦略目標として日米がどういうふうなことを追求していくのか、さらにその前提となる安全保障環境はどういうものであるのか、そしてその中で日米の役割、任務、能力というものをどういうものにすべきか、そしてそれを前提としたときに最も適切な米軍の配置というものはどういうものだろうかということを検討してできたわけでございます。したがいまして、日米が協議をしてこの規模のものが適切である、しかし沖縄の負担軽減というようなことから海兵隊については一万八千からそのうちの八千をグアムに移すということになったわけでございます。  したがいまして、安全保障環境が仮に大きく変わるというようなことがあれば、また日米が協議をして変わり得るということはもちろん将来排除されるわけではありませんけれども、現在の状況というものを前提とした上でいえば、これは一万八千の定員から八千を移してその残りが一万になるということでございます。
  98. 白眞勲

    白眞勲君 今、現在の状況というふうに言って、今まで長い間話してきたんだって言うんですけれども、二〇〇九年一月二十一日のオバマ・バイデン・アジェンダには海兵隊二万七千人の定員枠の増員を打ち出しているんですね。  これ、当然御存じだと思うんですけれども、つまり、今回中曽根外務大臣がサインされたのはその後、二月十七日ですから、そうするとこの二万七千人の定員枠の増ということを考えますと、今おっしゃいましたように現在の状況が今変わってきているということじゃないですか。その変わってきている中で、この一万八千人が定員ですよということはこの協定には書いていませんね。なぜ書かなかったんですか、この一万八千人という定員を。
  99. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) 海兵隊を増員をするということはアメリカが発表しております。これはまさに、現在撤収の方向にあるとはいえイラクにも相当の規模の部隊が出ている、またアフガニスタンにおいても相当の部隊を、規模のものをアメリカは展開をしておるということでございまして、それ以外の地域の米軍の体制というものが手薄になっている、伸び切っているということから、海兵隊について陸軍と同様に増やすということでございまして、これは、それがここの、東アジアの安全保障環境あるいは日米安保体制の下での米軍のプレゼンスということとは関係なく行われているわけでございまして、それがあるからといってここの定員が変わるというようなことはないというふうに理解をしております。
  100. 白眞勲

    白眞勲君 これは、話したんだったら話して、一万八千人なら一万八千人というような枠を書くのが当たり前だと私は思うんですね。一万八千人の中から一万人が減って八千人になったから沖縄の負担軽減が少なくとも担保されるんじゃないんですかと、それに対する引っ越し代が二十八億ドルが出すんですよというのが協定としては当たり前だと思うんですね、私は。その一万八千人、つまり金だけ負担されて、協定だけは生きていますから、お金は負担されると。だけれども、一万人が二万人になったら三万人になった、二万七千人増やすと言っているんですよ、これ。そういったことを考えますと、この協定はちょっと私は欠けている部分があるんじゃないかな、そういうふうに思うんですけれども、いかがですか。
  101. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) 度々御説明をしておりますが、この協定というのは、ロードマップを実施をしていく、これは日米双方が最高首脳レベルでも度々確認をしているわけでございます。この日米双方がロードマップを全体として進めていく、その中でグアムへの海兵隊の移転、その中の真水部分についての経費の日本側の資金拠出についてこの権利義務関係を設定すると、法的な枠組みをつくるというものでございまして、そういう意味で、あくまでもロードマップというものを前提としてこれを実施していくんだということでございますので、今のような取決めになっておるということでございます。
  102. 白眞勲

    白眞勲君 質問に答えていませんよ。ロードマップにも一万八千人なんてことは書いていないですよ。違いますか。今回の協定にも一万八千人書いていなくて、一万人減らしたからといっても、また増やしちゃったら、まして二万七千人増やしているということを言っているじゃないですか。もう一度ちゃんと答えてください。
  103. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) そこは、まさに先ほど申し上げましたように、ロードマップというものは、例えばそれ以外のところについても現在の数字というものは書いておりません。ですから、米軍再編をする前の状態というものを前提といたしまして、そこからどう再編するのかということをロードマップで決めているわけでございますので、今のような定め方になっておるということでございます。
  104. 白眞勲

    白眞勲君 二万七千人はどういうふうに配置されるんですか。聞いたんですか、それでは。それをお答えください。二万七千人の状況についてお答えください。
  105. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) 二万七千人を具体的にどこにどう当てはめるかということについては私ども聞いておりませんけれども、この沖縄の定員を増やすということに使われるということではないというふうには聞いております。
  106. 白眞勲

    白眞勲君 あなたが聞いているというんじゃなくて、それを書くのが協定じゃないですか。私はそう思いますよ。その協定に、二万七千人のを増やすかどうかも分からない、一万八千人なら一万八千人でフィックスさせて、そこから一万人減って残りが、あっ、八千人減って残りが一万人の定員になりますよということが担保されて引っ越し代を負担するというならまだ話は分かるんですよ。それをしないまま、これから増やされるかもしれない、実際に海兵隊帰るかもしれない。それについては答えていないですよ。もう一度お答えください。
  107. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) 在日米軍は、日米安保条約それから地位協定に基づき我が国及び極東の平和と安全の維持のために日本に駐留しているわけでございますが、その在日米軍の定員を何人とするのかということについて日米間で合意をするといった性格のものでは必ずしもない。したがって、そういう合意はございません。  しかしながら、政府としては、ロードマップの協議の過程において、沖縄に駐留する海兵隊の定員は約一万八千名であり、本件グアム移転が実現した後の海兵隊の定員は約一万人になるという米国からの説明を受けているわけでございます。  したがって、この八千人分の定員を移すと、そのために必要なインフラ整備等がグアムで必要になる、そのことについて日米が共同して措置をとっていくということがこのグアム移転事業でございます。
  108. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) いいですか。
  109. 白眞勲

    白眞勲君 止めてください。駄目ですよ、こんなもの。
  110. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  111. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 速記を起こしてください。
  112. 木村仁

    ○木村仁君 自由民主党の木村仁でございます。  グアム協定に入ります前に、安保理議長の声明に関することをちょっとだけお聞きしておきたいと思います。  テポドン2のミサイル発射されたときにオバマ大統領は即座に、テポドン2ミサイル発射は安保理決議第一七一八号に明確に違反すると、それゆえアメリカとしては、この問題を安保理に持ち込んで決議を新たにするということを言われました。その直後にプラハに参りまして、また厳しい発言をして、違反は罰せられなければならないというような発言をいたしております。  この間、日本では、テポドン2という言葉が出てきませんで、飛翔体という言葉が使われておりました。私は七日の当委員会において、日本も安保理事会に持ち込んで、きちっと新たな安保理決議をやるということを目指すのであれば、テポドン2ミサイルだということをはっきり言うべきではないかと申しておりましたが、それはやがてテポドン2ということになっていくわけでありますが、なぜアメリカのオバマ大統領の発言日本発言と若干の食い違いを見せたのであろうかということがよく分からないんですが。推測するに、一つには日本情報収集能力及び解析能力がまだまだアメリカに及ばないで、テポドン2ミサイルであるかどうかということを確定できなかったのかなと。特に、誤報事件を起こした後でもありますし、そういう慎重な態度であられたのかと思いますし、あるいはまたもう一つには、アメリカにはまだまだテポドン2もノドンも届かないから安心して挑発的なことを言える。それに対して日本では、余り挑発的な発言をするといきなりあの国からノドンが飛んできやしないかというような心配もあるから控えたんですよということかもしれないなと思って聞いておったんですが。  今となっては一つの興味にすぎませんけれども、なぜそれだけの違いがあったのか。どちらになりますか、外務大臣でしょうか、お答えいただきたいと思います。
  113. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 今委員がおっしゃいますように、私始め日本政府側のこの発射に対する表現の仕方は、必ずしも発射直後統一されておりませんでした。発射体という表現やテポドン、私、ミサイルという言葉も使いました。その時点では、実際に発射されたものの様態といいますか状態というものをしかし確認をしっかりしてからでないとよろしくないのではないかと、そういうような認識もありましたために発射体という言い方を主に使っていたわけでございます。その後、あっ、飛翔体という言葉を使っていたわけでありますが、その後、国会での御決議もあり、私たちも検討いたしました結果、ミサイルということで表現させていただくようになったということでございます。
  114. 木村仁

    ○木村仁君 その時点では、オバマ大統領も、また麻生総理大臣も、国連安保理事会における新たな決議で対抗するという意思が固かったと思います。ところが、若干の時間を経て、ロシア及び中国が議決には反対するという態度が明らかになった時点で、オバマ大統領は極めて速やかに決議には固執しないというようなことを言われました。やがて麻生総理大臣も形式は問わないということを言い出されました。  ここ辺りは連係プレーでよろしいのだと思いますが、その後、十一日にタイのパタヤで行われた日中韓首脳会議、麻生、温家宝、李明博の首脳会談でありますが、この首脳会談では、麻生総理は冒頭から、形式もさることながら日中韓で連携して早期に強いメッセージを発出したいと、こういうことを言っておられまして、もうその時点で決議はあきらめたということのようでありました。  私は、やっぱり決議をもう少し頑張っていただいた方がいいのかなという気もいたしましたし、またそういう論評を加えた方も私以外にもいらっしゃると思います。  しかしながら、この発出された声明の内容を見てまいりますと、なるほど麻生総理が言われるように、形はどうでもいいと、そういうふうに言ってもいいのかなと思います。ともかく、温家宝は三か国共に受入れ可能な内容のものを作ってくれと言って、一致したということでありましたけれども、あるいは温家宝はここまで強い文章が出てきて通ってしまうとは思わなかったのかもしれません。  第一に、イン・コントラベンション・オブ・一七一八ということについて、その発射を非難するという言葉が明確にされております。それから第二に、発射しないことを要求するディマンズという言葉が使われております。第三に、対北朝鮮制裁委員会が速やかに行動を起こして四月二十四日までに安保理に報告せよと、もし、それができない場合は、安保理が自ら四月三十日までに行動を完了するというようなことも言っております。  そして最後に、これが大事なところかもしれませんが、安保理としては、六者会合を支持し、その早期の再開を要請し、二〇〇五年九月十九日の共同声明の完全な実施を求めると、こういうことでありますから、私は、まだこれでも内容に不満という日本の人は多いかもしれませんけれども、私は、この国際情勢の中で大変、中曽根外務大臣始め外務省の皆様、努力していただいたものと評価をいたしております。  ところが、北朝鮮はどういう反応をしたかというと、もう御承知のとおりでありまして、これは絶対こういう決定を受け入れるわけにはいかない、そして肝心かなめの六者会合も全部もう反対すると、そして廃棄した原子炉等も、施設等も全部復活して、そして燃料もちゃんと使ってやると、そういうことを言っているわけであります。  そういう態度に北朝鮮が出てくるということはある程度予想されていたのか、いや、ちょっとひどいなというお感じなのか、どういう御感想でありましょうか。
  115. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 今回の経緯についても委員からもお話ありましたけれども、我が国といたしましては、これはもうミサイル発射後直ちに安保理の会合の開催を要請いたしまして、アメリカや韓国を始めとする関係国と連携をして、国際社会がとにかく速やかに一致した強いメッセージを出すことが大事だということで外交努力を重ねてきたところでございます。  特に、日米間では、当初から北朝鮮の行為はもう安保理決議違反であると、安保理が一致してメッセージを出すべきという点では、もう当初から一致をしておりました。これは発射前の日米首脳会談また外相会談、発射後の三度にわたる日米電話会談等におきまして、緊密に連携をしていこうと、さらには安保理において強力なメッセージを出そうということで連携を取ってきたわけでございますが、このように日米、そして韓国も含めて大変緊密な連携を取ってまいりました結果、当初慎重な姿勢でありました中国も我々の立場に理解をまず示すように至ったと、そういうふうに考えております。  今お話ありましたように、タイのパタヤにおきまして、これは十一日でございましたが、麻生総理、そして私が中韓両国の首脳、外相と協議するなどぎりぎりの調整を行ってきたわけでございますが、これを受けて、ニューヨークにおいて主要関係国間で安保理の調整が行われました結果、形式については残念ながら決議とはなりませんでしたけれども、今お話ありましたような内容、大変強い内容を含む議長声明案がまとまったわけでございます。  こうして十四日に発出されました安保理の議長声明案には、我が国が主張してまいりました内容、今御説明いただきましたけれども、そういう点が十分に反映をされておりまして、決議とはなりませんでしたけれども、議長声明としては十分に強い内容のものであったと考えておりまして、北朝鮮に対する国際社会の一致した強いメッセージを発出することができたと考えています。  今お話ありました北朝鮮のその後の反応でございますが、北朝鮮がこの議長声明の発出を受けまして六者会合に今後は参加しない、そのような旨表明したことは私も承知をいたしております。  しかしながら、この議長声明には安保理の総意として六者会合の早期再開を要請するということ、そして六者会合共同声明、またその他の成果文書の完全実施のための努力強化を求めること等が含まれているわけでございまして、我が国といたしましては、北朝鮮がこの議長声明を重く受け止めて、そして六者会合に復帰をし、安保理決議の第一七一八号、これを完全履行することを求めていく考えでございます。  当然のことながら、今後も、米国を始めとする関係国と緊密に連携を取りながら、六者会合プロセスの前進のために取り組んでいきたいと思っております。
  116. 木村仁

    ○木村仁君 その後、米国は、今朝の新聞、昨日か今朝の新聞にも出ておりますけれども、経済制裁のための十一の法人を決めてこれを制限を加えるということでやっております。また日本は、実はそれ以上に十四法人について制裁を加えるということも聞いておりますが、日本独自の制裁というのは極めて微温的だという、一般的には考えられておりますけれども、この日本独自の制裁をもっと強化する手だてというのは当面考えられるのでしょうか。
  117. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 委員御案内のように、去る四月のこれは十日でしたか、我が国政府といたしましても、今回の北朝鮮によるミサイル発射を契機といたしまして我が国の対北朝鮮措置というものを行いました。今後のこれ以上の対応というものにつきましては、拉致とかそれから核、ミサイル、これら諸懸案に対する北朝鮮の今後の対応や、また六者会合での会議の模様、また国連安保理などにおける国際社会の動きなども踏まえまして総合的に判断することを基本方針としているところでございます。
  118. 木村仁

    ○木村仁君 六者会談はもう絶対に参加しないというようなことを、乱暴なことを言っているわけであります。我々としてはやはり六者会合を、会議をやりながら拉致の問題も含めて核、ミサイル、すべての問題を解決していかなければいけないと考えておりますが、私もそう思いますけれども、現時点ではなかなかそうはいかないとすれば、アメリカが単独で北朝鮮と折衝を始めて六者会議復活の糸口をつくるというのはいいのかなと私は思うんですが、その点についてはどのような方針をお持ちでしょうか。
  119. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、そのような米国の動きについて私も報道で承知をしているところでございます。  北朝鮮のその後の対応、また反応を見ますと、六者会合の再開というのは当面は難しいものと考えておりますが、先ほど申し上げましたように非核化それからミサイルの問題、特に拉致の問題も含めて六者会合を一日も早く再開をしてこれらの解決のためにこの努力をしていくというのが、これが大変重要なことでございますので、どういう方法が六者会合の再開に効果があるかということは今後も検討していかなければなりませんし、関係各国と協力をしなければなりませんが、米国が単独ででも北朝鮮と接触をし、この打開に向けて努力をされるということであれば、私はそれも一つの方法だと思いますし、その際にはその他の関係国とは十分な事前の打合せ、また事後の報告等が必要であると、そういうふうに思っております。
  120. 木村仁

    ○木村仁君 大変御苦労さまでございますが、日本のためによろしくお願いをいたしたいと思います。  グアムの問題について幾つか御質問をいたしたいと思います。  この在日米軍の再編というのはそもそも何から起こってきたかというと、やはり沖縄の住民を中心に、基地所在の地元の住民が非常に大きな不満を持っている。特に、次々と起こる事故であるとか不祥事であるとか、あるいはレイプのようなひどい事件とかいうことが重なってまいりまして、やっぱり何とか地元の負担を軽減しなければいけないというのが発端であったのではないかと思います。  もちろん、日米安全保障協議委員会がSACOを設置いたしました時点では、抑止力を維持しつつ沖縄の地元の負担軽減を図ると、これが対になって、対語になって目的として掲げられております。  この二つの問題について、私は沖縄の地元の負担軽減ということを中心に我々は考えていかなければいけないと思いますけれども、このロードマップができたころ、あるいはその前に普天間返還の合意ができたころと比べると、現在は、主として北朝鮮の問題、あるいはどんどん拡大していく中国の軍備の問題、あるいは台湾、中国の緊張関係等、いろいろ事態が変わってきております。  そこで、心配されるのは、八千人の定数か実人員か知りませんが、それがグアムに行ってしまって本当に日本の抑止力というのは維持できるのであろうかということを心配する向きもあるんだろうと思いますが、防衛大臣の自信のほどをお聞かせいただきたいと思います。
  121. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 我々、我が国の自らの防衛力を整備しつつ、そしてまた日米安全保障体制の下で軍事的なプレゼンスを確保しつつ、その抑止力をもって我が国の安全を確保すると、防衛政策の大きな柱としております。したがって、在日米軍による抑止力は我が国防衛上の重要なものと考えております。  一方、在日米軍再編を含め世界的規模の米軍の軍事体制の見直しは、近年、安全保障環境に適切に対応するために進められているものであるというふうに考えているところであります。  在日米軍の再編においては、在沖米海兵隊のグアム移転や厚木から岩国への空母艦載機の移駐など、地元負担の軽減のための措置が多く盛り込まれておりますが、沖縄には海兵隊の実動部隊が引き続き駐留し、空母艦載機の岩国への移駐は米空母及びその艦載機の長期にわたる前方展開能力の確保に資するなど、抑止力の維持と両立する再編の事業を計画、実施しておるところでございます。  また、横田及び座間における日米の司令部併置による司令部間の連携の強化、そしてまた訓練移転に伴う日米共同訓練による自衛隊と米軍の相互運用性の向上、またPAC3、そしてまたXバンドレーダーの配備などによって抑止力の維持のための事業も実施しております。特にまた、先般の北朝鮮によるミサイル発射事案を踏まえれば、極めて迅速な連携を必要とするミサイル防衛において日米の司令部間の連携を強化することには、抑止の観点からも意義が大きいと考えておるところでございます。  そしてまた、本年二月のクリントン米国務長官との会合でも、同長官から、アジア太平洋地域における米軍のプレゼンスは重要であり、二十一世紀の安全保障環境に適切に対応して抑止力を有効に発揮する上でも米軍再編は重要であるという旨の発言がございました。  我々政府としても、地元の負担軽減を図るとともに、抑止力維持の観点から重要な意義を持つ米軍再編を着実に実施したいというふうに考えているところでございます。
  122. 木村仁

    ○木村仁君 SACOの示した四つのイニシアチブというのは、いずれも沖縄の地元の負担軽減ということを目指すものであろうと思います。第一が、土地の返還、普天間飛行場の返還であります。そのほか、嘉手納以南の地域のほとんどの基地を返還するということ。それから第二に、訓練及び運用の方法を調整してできるだけ地元に迷惑を掛けないようにしよう、第三に、騒音軽減のイニシアチブを展開しようということで、第四は、地位協定運用を改善して更にこの摩擦を少なくしようということであります。  そういうことを背景にして、これは苦悩の選択であったということのようでありますけれども、キャンプ・シュワブ水域、名護市辺野古沿岸に場所は決定して、移築の方法はその後変わったりしたようでありますけれども、今の計画に落ち着いているわけであります。  私は実は、クリントンと橋本総理が会談をしてこの普天間飛行場の返還が決まったその日に宜野湾市におりました。浪人中でありまして、ある調査機関の手伝いをしておったのでありますが、宜野湾市の地域づくりの計画を依頼されまして、その最終の報告で行っていたのであります。その朝、返還の最終的な決定が下されたという情報が入りましたので、実は調査委員の皆様はかなり緊張をして、それでは自分たちとしても何らかのコメントをここで出さなければいけないだろうということを協議されたようでありますが、当時の宜野湾市長は、これはあなた方が今何か発言するような事柄ではありませんと言って毅然として断られたということを聞いております。  実は、それからもう既に十二年ですか十三年かたってしまって、せっかく返すと決めたのならばできるだけ早く実現しなければいけないと、そういうふうに思いますし、また、名護の地域の方々からすれば自分のところが今度は負担を負うことになるというジレンマがある、そのために十二年も掛かっているのかなという気がいたすのであります。  いずれにいたしましても、地域が大きく変化する地域が二つある。一つは宜野湾でありまして、これは確かに四百八十ヘクタール、四・八一か何かの平方キロの更地ができて、地主は二千八百人からいらっしゃるようでありますが、これから新しい町づくりを進めていくという地域がある。とすれば、一方では、また新しい飛行場ができて、そしてそれと関連して、これはやはり地域の、東部地域の、北部地域と言うんですか、の開発を進めなければいけないと、これも政府の政策になっているようでありますから、これからいずれにしても地域づくりということが問題になっていくわけであります。  協定の議論とは少し離れるかもしれませんけれども、この返還されるすべての地域あるいは新しく施設が立地する周辺の地域、その地域における開発というものは、沖縄開発特別措置法あるいは米軍再編を進める特別措置法が持っているその計画、システムの形にかかわらず、できるだけ地元の自主性を重んじた開発をしなければいけないというふうに考えておりますが、官房の副大臣にその点について御意見をお伺いしたいと思います。
  123. 宮澤洋一

    ○副大臣(宮澤洋一君) 今お話ございました、その普天間飛行場を含みます嘉手納以南の米軍施設の大規模な返還というのが予定されておりまして、この跡地利用につきましては、今後の沖縄振興の大変重要な、大変大きな課題だと考えております。  これらの地域につきましては、地域のおっしゃるように自主性を生かしながら、沖縄振興の基本方向であります自立型経済の構築に資するような、そういう土地利用がなされることを大変期待しているところでございます。特にあの普天間基地の跡地、飛行場跡地につきましては、平成十八年二月に跡地利用の基本方針を策定いたしまして、また十九年五月にはその計画の策定に向けた行動計画を策定しております。  この基本方針の中でも目標というものが定められておりまして、三つございますけれども、一つ沖縄県や中南部都市圏の振興、二つ目が宜野湾市の将来都市像の実現、三番目が地権者意向の実現ということが目標として定められております。これに沿って、今沖縄県また市町村においていろいろな検討が行われているところでございますけれども、まさに自主性を本当に尊重する方向で、国としても今後とも支援をしていきたいと考えております。
  124. 木村仁

    ○木村仁君 この跡地利用についての制度を持っております沖縄振興特別措置法では、単純な質問で申し訳ございませんが、跡地利用に関する大規模跡地の指定というのはまだやっておられないんでしょうか。それから、名護地域の周辺の開発計画もありますが、これも周辺地域、これはこの駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法、昨年の法律でありますが、これによる指定というのはまだ行われていないんでしょうか。
  125. 原田正司

    政府参考人(原田正司君) お答えいたします。  大規模跡地の指定の件でございますが、三百ヘクタールを超えるという要件のほか様々な要件がございますが、この普天間飛行場跡地については当然対象になり得ると考えておりますが、現時点ではまだ指定は行っておりません。
  126. 木村仁

    ○木村仁君 時間がありませんので、また次の機会に聞かせていただきたいと思いますけれども、地元では県及び宜野湾市が中心になって、普天間飛行場跡地利用計画の策定に向けた行動計画というのを持っていたり、あるいは「みんなで創ろう夢のあるまち」というのを、それから宜野湾市・沖縄県普天間飛行場跡地利用基本方針というのを、これは自主的にお作りになっているんであろうと思います。  ところが、法律の方はやっぱり国が方針を示して、県が作ってまた市町村が作るという形になっております。これは、計画は、法律でありますからそういう法律になっているけれども、私はこれからの沖縄県のそういった地域の計画作りというのは、まず市町村が主導権を持って案を作って、それが沖縄県に行き、あるいは総合事務局に行き、国の計画ができていくという下から上にボトムアップでいく計画でなければいけないというふうに考えておりますので、是非そういう点に配慮をして計画作り、これはもう多分、新しい飛行場自身が二〇一四年までにできるかどうか分かりませんけれども、しかし、もう地域の計画は今からどんどん準備しなければ間に合わないと、そう思いますので、何ならもう事前に指定でもして仕事を進めるというようなことを考えていただきたいという気がいたしますが、御感想をお聞かせいただきたいと思います。
  127. 宮澤洋一

    ○副大臣(宮澤洋一君) 委員おっしゃるように、大変これは沖縄県にとっても大事な重要な振興計画であります。そして、もちろん地元の方の、市町村であり県の意向というのが一番大事なところでございますので、指定自体がどの程度繰り上げられるかというのはいろいろ検討してみなければいけないと思いますけれども、なるべく早く計画が作られるよう、そしてそれが実現できるよう、国としても最大限やっていきたいと思っております。
  128. 木村仁

    ○木村仁君 終わります。
  129. 浜田昌良

    浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  中曽根外務大臣は、本協定の国会審議に先立ちまして二月十七日にクリントン国務長官と署名をされました。また、その署名に先立ちまして、一月の三十一日、二月一日という土日でありますけれども、お忙しいスケジュールの中、沖縄を訪問されておりまして、このプレスリリース等を見ますと、沖縄戦没者墓苑の訪問の後、キャンプ・シュワブ内の普天間飛行場代替施設の視察また普天間飛行場視察、嘉手納飛行場視察、仲井眞沖縄県知事との意見交換、基地所在市町村長等の意見交換と、非常に分刻みのスケジュールで回られたとお聞きしております。この場において、海兵隊のグアム移転また普天間の辺野古移設、嘉手納以南の返還についていろいろ意見が出されたと思うんですね。  これにつきまして、この地元の声をどのように受け止められたのか、率直に大臣の言葉でお聞かせいただきたいと思います。
  130. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 今委員がお話しされましたように、去る一月三十一日から二月一日まで沖縄県を訪問いたしました。そして、今委員がお挙げになられましたような軍の施設等を視察をしたところでございます。そしてまた、県知事さんや市町村の幹部の皆さんとも意見交換をさせていただいたんですが、とにかく感じましたことは、この米軍の施設・区域が集中していると、全国の七四%でしたか、この沖縄皆さん方の負担というものを改めて実感をいたしました。  長い間このような環境の中でおられるわけでありまして、一日も早くそういう御負担を少しでも軽くすることが大切だと、そういうふうに思っておりますし、そのためには、今御審議をお願いをしております海兵隊のグアム移転、これにつきましても、できるだけ早く国会での御審議を終了してこれが実現するようにしていただきたいなと、そういうふうに思っているところでございます。
  131. 浜田昌良

    浜田昌良君 まさに今大臣がおっしゃいましたように、米軍施設がこの沖縄に集中しているという悲惨な状況がある中で、一日も早くこの負担を軽減されたいと。そのためにもこの協定の、本日から審議が始まったわけでございまして、これにつきましては、協定ですので衆議院から送付されて一か月がたちますと自然成立になるということでございますが、私は是非野党の皆様に、そうならずに、早期審議をしていただいて、今大臣からありましたように沖縄県民の期待にこたえていただきたいなというのが一点でございます。  その衆議院でいろんな議論があったようでございますが、その中でよく展開されましたのが普天間移設とのパッケージ問題ですね。特に、それが辺野古移設というのとなぜこれがパッケージになるのかということがよく議論されたわけでありますけれども、これは私はパッケージにならざるを得ないんじゃないのかなと、こういう理解をしております。  なぜならば、在沖縄米軍再編の考え方は負担の軽減と抑止力の維持でありますね。具体的には、海兵隊の司令部部隊はグアム移転する一方で、その実力部隊は沖縄にとどまるというものであります。その考え方を前提とするならば、実力部隊の主要移送手段であります回転翼機、いわゆるヘリですね、ヘリはその近接で利用可能でなければならず、普天間飛行場の移設を行うとすればその代替施設は沖縄県内に設置されなければならないというのは当然の帰結だと私は理解をしておりますが、そういう意味では県外移設という主張は論拠を有さないんじゃないかと思いますけれども、外務大臣の見解をお聞きしたいと思います。
  132. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 二〇〇五年の十月の2プラス2、この文書にも明記されておりますように、日本と米国両政府沖縄の県民の方々の希望というものも念頭に置きまして普天間飛行場の代替施設の県外移設を検討したと、そういう経緯がございますが、この検討した結果、両国の政府は在沖縄海兵隊のプレゼンスが提供する緊急事態への迅速な対応能力の維持がまず必要であるということ、それからその対応能力の維持のためには定期的な訓練とか演習また作戦における部隊の相互の連携が必要であると、そういうような理由から、現在、普天間飛行場に駐留をしております回転翼機が日常的に活動を共にするそのほかの米軍の組織の近くに存在できるようにということで、普天間飛行場の代替施設は沖縄県内に設けられなければならないと、そういう結論に至ったところでございまして、そして辺野古に代替施設を建設するということが合意されたわけでございます。  現在の安全保障環境の下では、在沖縄米軍を含む米軍の抑止力は、我が国はもちろんなんですが、地域の平和と安定のためにも大変重要な役割を果たしているわけでありまして、二〇〇六年のロードマップに示されましたとおり、グアム移転事業というのは、地元の沖縄の方々は在沖縄の海兵隊の部隊の移転が速やかに実施されるということを強く希望しているということも認識をしながら、かつ部隊としての一体性を維持すると、そういうような方法で行うものでございます。  政府といたしましては、この現在の計画が、委員がおっしゃいましたように、抑止力を維持をしながらこの地元の負担の軽減を図る、そういう観点から最善のものであると、そういうふうに考えておりまして、その着実な実施に努めていきたいと思っております。
  133. 浜田昌良

    浜田昌良君 これ通告していないんですが、両大臣にちょっと感触、イエス、ノーでお聞きしたいんですけれども、今日の読売新聞の社説でこのグアム協定の関係の記事が載りました、社説に。お読みになったでしょうか、それぞれ。それぞれ、イエス、ノーで。
  134. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) さらっとですが、読みました。
  135. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) はい、読みました。
  136. 浜田昌良

    浜田昌良君 その御感想をお聞きしたいと思うんですが、これどういう題名かというと、「海兵隊移転協定 民主党は「反米」志向なのか」と、こう言われているんですよ。中のポイントを言いますと、民主党は、海兵隊のグアム移転と一体計画とされる普天間飛行場の沖縄県内移設にも反対し、県外・国外移設を唱えていると。普天間飛行場の返還は、一九九六年の日米の基本合意以来、一貫して県内移設が前提だったと。沖縄など地元自治体も、代替施設の位置の微修正は求めているが、県内移設は容認している。迅速な負担軽減を希望するからだと。県内移設の見直しは、時計の針を十三年前に戻すことを意味すると。民主党は、一連の日米合意をすべて白紙にする覚悟と再交渉を通じて日本により有利な合意をまとめる自信があるのだろうかと。民主党は、インド洋での海上自衛隊の給油活動の中止や在日米軍の思いやり予算の見直しも唱えていると。小沢代表は、在日米軍は第七艦隊で十分と発言した。これでは、日米同盟を重視するどころか、反米志向と受け取られても仕方があるまいと。米国に注文すること自体は悪くないと。だが、民主党の重大な欠陥は、要求するだけで、同盟強化のため自らどんな負担をするのか何も具体的に語らないことだと。  こういうことであるんですが、この内容についてどのようにお感じになったのか、両大臣に率直にお聞きしたいと思うんですが。
  137. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 私どもは、その内容に対してというよりか、先ほどから申し上げておりますように、これは長年の沖縄の県民の皆さんの希望でもありますし、騒音、事故等々のこういうような御負担も軽減できると思いますし、さらには返還された土地の活用によって沖縄の振興にもつながると思いますし、そういう意味で、民主党さん、またそのほかの政党の皆さんにも御理解いただいて、これが早く実現できるようにお願いしたいと思っております。  また、現地の仲井眞知事も、このグアム協定、署名をいたしましたときに、沖縄県民の基地負担の軽減につながる在沖縄海兵隊のグアム移転を確実に実施するためにこれは締結されたものであると、そういうふうに認識されていると、そういうようなコメントを出されているわけでありまして、そういう県を代表する知事さんのコメントというものもございますが、是非、各党の御協力をいただきたいと、御理解をいただきたいと思っております。
  138. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) いろいろな御意見があってしかるべきだと思いますし、その中で、この委員会、議会において、その中で新しい考え等々いろんなことが出てきて、その中でやっぱり総意が決まってくるというふうに思っております。  そういう意味においては、逆に言えば、我々、政党のお考えというものに対してコメントする立場にはございませんけれども、しかし我々とすれば、これが我々の考え方であるということをお示しをしたところでございますので、それに対して、またこの国会という場で大きな議論をされることというのは極めて重要なことだと思っておりますので、今後、そういった意味においては、我々の意見も御理解をいただいた上、通していただければ一番いいわけでありますが、しかし、足らざるところがあれば足していただいて前へ進めていっていただければというふうに思っておるところでございます。
  139. 浜田昌良

    浜田昌良君 済みません。通告していない質問で申し訳ございませんでしたけれども、いわゆる日米協定、このグアム移転協定については、やはり日米の全体の安全保障体制をどうしていくのかという中での位置付けというのをやっぱり議論しなきゃいけないなと。確かに、沖縄の方々の負担も分かります。その中を考える一方で、やはり日米の安全保障体制の中でどう展望するのかという視点を是非今後聞いていきたいと思っております。  もう一点、この衆議院での審議を聞いておりまして、論点になっているなというのが、果たしてこの予算は日本が払う義務があるのかどうなのかという問題なんですね。  確かに、今回の米軍の再編、海兵隊の移転というのは、一九八九年のベルリンの壁崩壊以降、二〇〇一年九月三十日に公表されました四年次国防見直し、QDRというのがあるんですね。これで、今までは仮想敵国がいて、それに、脅威ベースに対応する脅威ベースアプローチというものから、そういうテロ集団のような、どこに出てくるか分からないというので能力別アプローチに変えるということが米国で発表されて、実は九・一一直後にこれは発表されているんですが、さらに、その考えに基づく在外米軍部隊基地の見直しとして、グローバル・ディフェンス・ポスチャー・レビュー、GPRというものが背景となったのは事実であります。  しかし、このいわゆるグアム移転自身についてはあくまで私は日本からの要請に基づくものと、こういう理解をしているんですが、この理解について外務大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
  140. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 日米政府は、日米安保体制を基盤とするこの日米同盟を新たな安全保障環境に適応させて、また我が国の平和と安全を確保していくために在日米軍の再編、兵力態勢の再編に取り組んできたところでございますが、そうした中で、在日米軍の再編に係る協議におきまして、我が方から、抑止力を維持をしつつ、特に沖縄の負担を軽減することの重要性を一貫して強調してまいりました。  このような経緯の下で、在沖縄海兵隊のグアム移転は、委員指摘のような、世界規模の米軍の再編の一環としてこれは要求があったものではなくて、沖縄の負担軽減を実現するそういう措置が必要であると、そういう日本側からの要請を踏まえまして、そのための措置として日米間で合意をしたものでございます。
  141. 浜田昌良

    浜田昌良君 今御答弁ございましたように、我が方から抑止力は維持しつつも負担軽減を求めるという中で出てきた話でありまして、一方的にアメリカが自分の戦略に基づいてどうこうしたというものではないと。そういう意味で、私は日本が資金負担するという根拠はあるんではないかと理解をしております。  じゃ、その次の問題は、この金額が妥当かどうかという議論になるわけですね。それで、本協定の一条一項で、日本側の負担として規定されている真水の二十八億ドル、防衛大臣にお聞きしようと思っているんですけれども、九条二項では、米国側のグアム移転の措置の前提となっている日本国の資金面の貢献、これは真水二十八億ドルに加えて、JBICと言われておりますが、その出融資を含む六十・九億ドルと。これはあくまで上限というか枠でありまして、その精査というものは、あくまで我が国の二〇一四年までの毎年の予算要求及びその国会審議で確保されていくと、そう理解しておりますが、防衛大臣の御理解いかがでしょうか。
  142. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 基本的に、今、浜田議員のおっしゃったとおりでありまして、この真水事業につきましては、二十八億ドルを上限として各年度において具体的な事業の内容及びその所要経費について日米両国間で協議を行い、日本側としてしかるべく精査した上で予算に計上していくこととしております。  また、家族住宅及びインフラにかかわる民活事業については、ロードマップで合意した二〇一四年の移転完了に向け、現在もその具体的な事業の在り方等について日米間において協議を行っているところであります。これらにかかわる出融資等の経費についても、各年度において予算に計上されることになります。  したがって、御指摘のとおり、真水事業及び民活事業にかかわる経費については、日本政府としてしかるべく精査を行った上で、各年度ごとに最も効率的な形で予算を計上し、国会での御審議を賜ることになると考えております。
  143. 浜田昌良

    浜田昌良君 今御答弁ありましたように、そういう意味では毎年毎年の予算審議でしっかりと議論していく、これが重要だなと。そういう意味では、逆に、現時点で真水二十八億ドルについて一応の考え方は多分あるでしょう。ただ、これから事業を進めていく上でいろんな現場の問題もあるでしょうから、その中で詰まっていく問題もあると。よって、現時点ですべてこれが説明されていないとこの協定が結べないというものではないんじゃないかなと。むしろその進捗進捗に応じて、予算審議においてしっかり詰めた審議をしていただくということが私は重要と理解しております。  それで、じゃこの二十一年度の予算においては、一般会計で三百五十三億円というのが初めてグアム移転関係で計上されたわけですね。これにつきましては、衆参の予算委員会がもう既に審議されて予算自身は通っているわけですけれども、具体的にどのような、どの党からどういうような論点が出されて審議されたのかについて御紹介いただきたいと思います。
  144. 浜田靖一

    国務大臣浜田靖一君) 在沖米海兵隊のグアム移転にかかわる事業経費につきましては、平成二十一年度予算の御審議において様々な議論がなされました。その中で、議論の一部を御紹介すれば次のとおりでございます。  平成二十一年度予算に計上した基盤整備事業が海兵隊ではなく米海空軍の施設を対象にしているのではないかとの御指摘があり、この基盤整備事業にはあくまで海兵隊の移転に伴う所要の増大に対応するものであるなどの内容を御説明いたしております。  日本の財政負担の理由や財政法上の根拠についての御指摘があり、グアム移転事業の必要性や、財政法上、海外の外国政府施設の整備について日本の財政負担を禁止する明文の規定はないことなどを御説明いたしております。  三つ目に、在沖米海兵隊のグアム移転にかかわる経費の積算根拠についての御指摘があり、移転経費については各年度ごとに精査し、予算計上を行っていくことを御説明いたしております。  こうした御審議を経て、今国会において平成二十一年度予算を御承認いただいたところでございます。
  145. 浜田昌良

    浜田昌良君 そういう意味で、予算委員会で正規の手続を経て審議をされて可決されていると。  あと一点お聞きしたいのが、じゃ、お金が付いた後の話ですね、いわゆる会計検査の問題なんですね。確かに予算はしっかり決まったんだけれども、実地としてそれが執行されたのかと、適正にという問題があるんです。  これ、外務省にお聞きしたいんですが、具体的に会計検査院の実地検査について米側の協力が得られるという、そういう理解がされているんでしょうか。これについて御答弁いただきたいと思います。
  146. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) 本協定締結することによりまして日本側が提供することとなる上限を二十八億ドルの資金につきまして、米側による適正な使用及び管理がこの協定で法的に整備をされるわけでございます。そして、本協定第四条それから第七条についても、きちっと適正に使用すること、適正に管理することというようなことが書かれているわけでございます。  また、今御質問にありました会計検査院の検査につきまして、これは、我が国提供資金は防衛省の歳出予算の執行として行われますので、会計検査院の検査の対象となるわけでございます。米国においても、米国内法に従って米側が会計検査を実施することになるというふうに承知をしております。  そこで、現地における我が国の会計検査院の調査の実施については今後日米間で必要な調整を行うことになっておりますけれども、この協定の交渉過程におきまして、米側から我が方に対し、米国内法令の範囲内で我が国が資金を提供した施設及び基盤等に関しまして我が国会計検査院による調査に協力する用意はあるというふうに伝えられておるところでございます。  政府といたしましては、本協定に従い、本件グアム移転事業に際しての日本側提供資金が米国政府によって適切に使用、管理されるよう努めてまいるということでございます。
  147. 浜田昌良

    浜田昌良君 終わります。
  148. 井上哲士

    井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  米国の領土内にある米国の基地のために外国政府が財政を出動すると、これ自体が極めて前代未聞のことであります。しかも、協定を見て私は非常に驚いたんですが、今回の協定には、日本の支出二十八億ドルのみ明記をされて、アメリカ側の拠出の金額は明記をされておりません。これは一体なぜでしょうか。
  149. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) この協定におきまして、いわゆる真水事業に対します日本側の提供する資金につきましては、支出の上限を定めるために二十八億ドル、上限二十八億ドルと明記されているものでございます。他方、米側の資金の拠出額につきましては、これは日米間の交渉を通じまして、グアム移転事業の実施に必要となる費用の残額をすべて米側が負担すると、そういうことになっておるわけでございまして、そういうところからこの米側の具体的な金額については明記をしなかったものでございます。  以上の点につきましては、この協定の前文におきましても、ロードマップに記載されておりますとおり、米国がグアムへの移転のための施設及び基盤の整備に係る費用の残額を拠出することを日米政府として再確認をしているところでございます。  いずれにいたしましても、この第二条におきまして、米国政府移転のために必要な措置をとるということが二条で明記されているわけでありまして、米国側が所要の財政負担を行うということは、これは明らかなところでございます。
  150. 井上哲士

    井上哲士君 確認しますが、このロードマップで日米政府が合意した金額をアメリカが必ず支出をするという担保はどこにあるんでしょうか。
  151. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 二〇〇六年五月のこのロードマップにおきまして、二〇一四年までにこの沖縄にあります海兵隊のグアム移転を実現するということをロードマップで合意しているわけでありますが、その後、首脳を含めました様々なレベルでこのロードマップの着実な実施確認をしてきているところでございます。また、クリントン国務長官が訪日いたしました際にも、私との間で、今御審議いただいていますが、グアム協定に署名いたしたわけでございまして、これはもう本件グアム移転事業、これの実施に対する明確なこれはコミットメント、これの表れであると、そういうふうに思っております。  実際米国側は、米国の二〇〇九会計年度におきましても既に本件グアム移転事業に関連しまして必要な予算を得て、マスタープランの策定を含む所要の調査の検討のほか、環境影響評価それから米財務省勘定の設置などを着実に実施をしてきております。さらに、米側は二〇一〇米会計年度予算に本件グアム移転事業のための資金を計上すべく現在予算の案を作成中であると、そういうふうに承知をしております。  したがいまして、米国といたしましても、二〇一四年までにグアム移転を実現するためにこのグアム移転事業に対して資金の拠出を行うということに対して明確なコミットをしていると、そういうふうに考えております。
  152. 井上哲士

    井上哲士君 協定上どこに担保があるのか、今の答弁で私には分かりませんでした。  ロードマップでは日本の真水支援を二十八億ドルと定めた上で、米国は施設及びインフラの整備費の残りを負担し、それが財政支出三十一・八億ドルと道路のための十億ドルから成ると、こうなっているわけですね。大臣も答弁されましたように、アメリカが負担するのは日本が負担した残りの部分という、こういう位置付けになっているわけで、全体額がどうなるんだろうかという下で、果たしてアメリカが合意した金額を払うことになるんだろうかということは、大変私は疑問なんです。  しかも、今回の協定はアメリカ議会に承認を求めないということになっているわけですね。衆議院の議論を見ておりますと、梅本局長の答弁で、米議会は、できるだけ米国の負担を下げよう、同盟国の負担を求めるという姿勢が非常に強いという一般的な傾向がある中で、米政府が今回の協定について議会の承認を求めない行政協定というふうにしていると私どもは理解しておりますと、こういう答弁がございました。  これ非常に驚いたんですが、日本の議会はあれですか、負担を下げようという姿勢がアメリカに比べて弱いということだからこういう協定にしたんですか。
  153. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) 私は、まず米国議会の一般的傾向について御説明をしたということでございまして、それと本協定日本で国会承認を求めるということとの関係について御説明をしたわけではございません。
  154. 井上哲士

    井上哲士君 しかし、議会にかけたらば、できるだけ負担を下げようという傾向があるということを、今回のアメリカが行政協定というふうにして議会の承認を求めないという理由として挙げられたわけじゃないですか。そういうことじゃないんですか。
  155. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) 私の御説明は、まずアメリカがこの協定を議会承認協定とするかどうか、これはまさにアメリカの立法府と行政府の関係であり、これはアメリカが判断すべき事項であるということを御説明をしたわけでございます。さらに、その上でアメリカの議会の一般的な傾向について別途これを御説明したということでございました。
  156. 井上哲士

    井上哲士君 別途じゃないんですよ。米政府が今回の協定について議会の承認を求めない行政協定というふうにしている、その言わば理由としてこのことを挙げられているんですね。  そして、しかも、議会にかけたら削減をされるんじゃないかということだけではありませんで、昨年の九月に出されたアメリカ政府監査院、GAOでもこう述べています。国防総省は、すべての財政需要を特定しておらず、省内での優先順位の競争を前提とする資金獲得において困難に直面するかもしれないと、この事業についてこういう指摘をしているわけですね。ですから、議会の方も削減するという傾向があると。監査院も国防総省の中での競争で困難があるんじゃないかと、こういう指摘をしているわけですね。  ですから、そういう状況があるにもかかわらず、アメリカ側だけは支出の金額も明記されない、議会にはかけられない。つまり、アメリカ側の負担というのは極めて不透明であるにもかかわらず、日本の負担の責任だけは明記をされる、財布はしっかり日本だけが握られると、こういうことになるわけですね。一体どこの国の基地の建設事業なのかと非常に私は疑問に思うんですが、大臣、いかがですか、これは。
  157. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) 先に、委員長。  私が申し上げたことは、米国議会の一般的傾向でございます。これはもうもちろん日本においても同じでございまして、私どもも同じ目的を達成するためにはできるだけ効率的に小さいコストでやりたいということで、二十一年度予算につきましても、これは防衛省の方で要求をされ、精査をして、財政当局と調整をして、予算に計上して御承認をいただいたわけでございますが、できるだけコストは効率的にやりたい。アメリカについてもまさに同じでございます。そのことを御説明したわけでございまして、米国議会にかけるかどうか、これはアメリカがアメリカの立法府と行政府の関係を考えてこれは判断をすべき事項であるということでございます。
  158. 井上哲士

    井上哲士君 大臣
  159. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 今参考人からも答弁申し上げましたけれども、この協定の第二条では、米国政府がこの海兵隊のグアム移転に係る事業に対しまして資金の拠出を行うことを義務付けているものでございまして、その予算措置の時期とか資金拠出の対応についてはそこまで決めているものではありませんが、いずれにいたしましても、日米両国政府のハイレベルにおいてこれは合意をしているものでありまして、そのような懸念というものはないと私は考えております。
  160. 井上哲士

    井上哲士君 時間ですので終わりますが、元々ロードマップで日米両国政府が合意していた、それに対して今回協定をしたわけで、その中で日本だけが金額が明記をされ、日本だけが議会承認をし、向こうはしないと。一体それで果たしてアメリカが本当に出すのかどうか全く不明確。こういうのは本当に対等の国同士の協定としては認められないと思います。  以上で終わります。
  161. 山内徳信

    ○山内徳信君 私は、グアム協定についての私の思いを最初にお伝えします。そして、昨日遅くから通告もしてございますが、ほとんどそこまでは行けないと思います。御了承をいただきたいと思います。  政府は、グアム協定について、沖縄の基地負担の軽減と沖縄の声に真摯に耳を傾けることを強調されておりますが、それが事実ならば国民も県民ももろ手を挙げ喜ぶのだが、事実は違うのではないでしょうか。  政府、官僚が結んだこの協定は、戦後六十四年、基地の島で生きてきた沖縄県民にとってはこれほど屈辱的な協定はありません。角を矯めて牛を殺すという言葉があります。政府が結んだ協定に国民を無理に従わせようとする国民軽視、県民差別、アメリカ追従の協定であります。血税を納める国民の立場から申せば、なぜアメリカ軍の基地をアメリカ領に移すのに二十八億ドルを支出するのかという疑問があります。  普天間飛行場の危険性を日米政府が認識した上で、その当時の橋本総理とモンデール大使による共同記者会見がありました。これは何度も申し上げておりますが、私はその当時、中部の市町村会長をしておりまして、これをテレビで見たときに私たちはこぶしを握ってやったぞと跳び上がりました。それは、七年以内に全面返還するという表明でございました。  ところが、それがいつの間にかアメリカ側から代替施設として海上基地、いわゆる今の辺野古海上新基地建設の県内移設のたらい回しの条件が付いてきたわけです。沖縄県民はこのことをたらい回し、たらい回しというふうに言っておるわけであります。総選挙を目前に政権交代さえ言われている政治状況の中での協定締結は、駆け込み協定のそしりを免れません。  そこで一つ、辺野古の新しい基地は沖縄の当時の県知事が誘致をしたのか、あるいは当時の比嘉鉄也名護市長が誘致をしたのか、まずそのことを質問をいたします。  これはもう外務大臣と私の人間人間の知見による質問と答弁をお願いしたいと思います。どうぞ。
  162. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  163. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 速記を起こしてください。
  164. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 突然の御質問でございまして、私当時のいきさつを詳細に今承知しておりませんので、時間が掛かって大変申し訳なく思っておりますが、県内移設というものを、まずそれが決定されて、その後、名護での受入れというものが順番としては決まったことだと、そういうふうに思います。したがいまして、当時の名護市長ではなかったかと、そういうふうに思うところでございます。
  165. 山内徳信

    ○山内徳信君 私は、その当時は沖縄県の出納長をしております。したがいまして、そのいきさつはよく知っております。そのやり取りも、東京でもやりましたし、県庁でもやっております。  当時の沖縄県知事は、新しい基地建設にはやはり反対だと。そして、結局、海上基地の動きがありまして、当時の名護市長比嘉鉄也さんは官邸に呼ばれました。私たち沖縄の関係者は官邸に入ったら生きて帰れるという保証はないと。そして、総理に呼ばれて、鉄也市長は、辺野古新基地反対の市民の実行委員会の会長でありました。官邸に呼び付けられて、結局、理不尽に押し付けられて、官邸から帰って、その翌日は現職市長が辞表を出して辞めていきます。その次の岸本建男市長は、家族を含め市民は、基地に殺された、基地に殺されたと言って、若いのに岸本市長は他界をされたわけです。こういう理不尽な基地の押し付けは絶対に許されないと思います。  私は、あと一つ是非お伺いしたい。  普天間飛行場のある宜野湾市の市長はもっと居座ってくれという要請が続いておるのか、即時返還を求めておるのか、そのことを大臣からお聞きしておきたいと思います。
  166. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 宜野湾市長の普天間飛行場をどうするかという御質問、それに対するお考えということでございますが、これはもう委員会でも再三御議論されておりますように、あの普天間飛行場の現在の状況というのは非常に危険度も高いですし、事故も度々あり、近隣周辺の住民の皆さんにも多大な御迷惑を掛けているわけでありますから、市長さんといたしましてもこの基地については、普天間の移転というものは希望されていると、そういうふうに私は承知をしております。
  167. 山内徳信

    ○山内徳信君 今回のグアム協定問題点は、基地は個別的に解決をしていった方が効率的であり、早くできるわけです。そのことを私は戦後ずっと見てきておるわけです。ところが、大きな網を、国家的な規模で大きな網を頭の上からかぶせておいて、辺野古ができなければこのグアム協定で決められておることは全部駄目ですよと、嘉手納飛行場以南の基地の返還はありませんよと。こんな理不尽な、こんな協定の中身なんですよ。そして、そういうふうにアメリカ側にさんざんやられて、ついに二十八億ドルも出していくと。これが日本外交ですか。もう少し対等な、対等なイコールパートナーになってやってもらわぬと、国民の立場から、県民の立場からこういう基地行政では、あるいは防衛行政ではいかないと思います。  今日はもう時間でございますからこれで終わりますが、このグアム協定は余りにも大き過ぎる、パッケージ論だから。ですから、途中でつまずきますよ。アメリカ側でつまずくのか、日本側でつまずくのか、グアムでつまずくのか、沖縄でつまずくのか、こういう障害がいっぱいあり過ぎる。そういう問題提起を申し上げて、この質問は終わりたいと思います。  以上です。
  168. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  169. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。  第三海兵機動展開部隊要員及びその家族沖縄からグアムへの移転実施に関する日本国政府アメリカ合衆国政府との間の協定締結について承認を求めるの件の審査のため、沖縄県へ委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  170. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 異議ないと認めます。  つきましては、派遣委員、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  171. 榛葉賀津也

    委員長榛葉賀津也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五分散会