○木村仁君 その時点では、オバマ大統領も、また麻生総理
大臣も、国連安保理事会における新たな決議で対抗するという意思が固かったと思います。ところが、若干の時間を経て、
ロシア及び中国が議決には反対するという態度が明らかになった時点で、オバマ大統領は極めて速やかに決議には固執しないというようなことを言われました。やがて麻生総理
大臣も形式は問わないということを言い出されました。
ここ辺りは連係プレーでよろしいのだと思いますが、その後、十一日にタイのパタヤで行われた日中韓首脳会議、麻生、温家宝、李明博の首脳会談でありますが、この首脳会談では、麻生総理は冒頭から、形式もさることながら日中韓で連携して早期に強いメッセージを発出したいと、こういうことを言っておられまして、もうその時点で決議はあきらめたということのようでありました。
私は、やっぱり決議をもう少し頑張っていただいた方がいいのかなという気もいたしましたし、またそういう論評を加えた方も私以外にもいらっしゃると思います。
しかしながら、この発出された声明の
内容を見てまいりますと、なるほど麻生総理が言われるように、形はどうでもいいと、そういうふうに言ってもいいのかなと思います。ともかく、温家宝は三か国共に受入れ可能な
内容のものを作ってくれと言って、一致したということでありましたけれども、あるいは温家宝はここまで強い文章が出てきて通ってしまうとは思わなかったのかもしれません。
第一に、イン・コントラベンション・オブ・一七一八ということについて、その
発射を非難するという言葉が明確にされております。それから第二に、
発射しないことを要求するディマンズという言葉が使われております。第三に、対
北朝鮮制裁
委員会が速やかに行動を起こして四月二十四日までに安保理に報告せよと、もし、それができない場合は、安保理が自ら四月三十日までに行動を完了するというようなことも言っております。
そして最後に、これが大事なところかもしれませんが、安保理としては、六者会合を支持し、その早期の再開を
要請し、二〇〇五年九月十九日の共同声明の完全な
実施を求めると、こういうことでありますから、私は、まだこれでも
内容に不満という
日本の人は多いかもしれませんけれども、私は、この国際情勢の中で大変、
中曽根外務大臣始め
外務省の皆様、努力していただいたものと評価をいたしております。
ところが、
北朝鮮はどういう反応をしたかというと、もう御承知のとおりでありまして、これは絶対こういう決定を受け入れるわけにはいかない、そして肝心かなめの六者会合も全部もう反対すると、そして廃棄した原子炉等も、施設等も全部復活して、そして燃料もちゃんと使ってやると、そういうことを言っているわけであります。
そういう態度に
北朝鮮が出てくるということはある程度予想されていたのか、いや、ちょっとひどいなというお感じなのか、どういう御感想でありましょうか。