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池坊委員 皆様おはようございます。公明党の
池坊保子でございます。
私は、先日の
中川前
財務大臣の
辞任について、
麻生総理に
質問をさせていただきたいと思います。
私たち公明党は、十年前に
自民党と連立を組み、二人三脚でやってまいりました。連立を組むということは、私は、結婚のようなものではないかと思います。時にむっとすることがあったとしても、相手のいい面を見詰め合って、喜びや悲しみを分かち合い、助け合い、励まし合い、そして、時に夫が溝に落ちたらしっかり者の妻が手を差し伸べ、引き上げ、そしてともに歩んでいく。さまざまな問題を英知を出し合って
解決していく、その過程の中で信頼や愛情のきずなが深まっていくのではないかと私は思います。
でも、正直言いまして、私は先日、その連立を組んでいる人間の一員としてではなく、その以前に一
政治家として、一
国民として、大変恥ずかしく、悲しい思いをいたしました。
テレビをつけましたら、突然、
中川前
大臣のもうろうとした会見が目に入り、一体これは何なんだろうかと思っておりますうちに、いろいろと何度も何度もそれが流れました。私が残念に思いましたのは、
日本のみならず全
世界にそれが発信されたということなのです。
昨日の
新聞、いろいろと目を通しましたら、先進七カ国
財務相・中央銀行総裁
会議の開催地であった、問題の震源地であるローマで、主要メディアが
中川氏
辞任を一斉に
速報しておりました。
主要紙では、
政治統治能力が失われた今の
日本を象徴している、あるいはまた、
日本人は常に真剣、清廉、厳格だというイメージが崩壊したと。ニューヨーク・タイムズ紙では、
アメリカのガイトナー
財務長官は投資家を奮い立たせるスピーチができないと批判されているがだれも彼を酔っぱらっていると非難しなかったとして、G7後の記者会見の映像を見ればだれもが酔っぱらい
大臣と結論づけるだろうと指摘しております。イギリスのフィナンシャル・タイムズは、
中川氏がローマの記者会見で見せた失態は国際
金融危機に効果的に対応できない
世界第二の
経済大国の無力ぶりを暗示したと酷評しております。そして中国でも、十七日付の北京晨報は、
日本の
財務相が酒に酔ってG7にと大きな見出しで報じたそうです。
私が残念に思いますことは、能力もさることながら、問題は、その態度、振る舞いであったのではないかと思います。つるべ落としに
景気が悪化していく中であって、ばたばたと中小
企業が
倒産し、失業者もふえ、あす食べることにも事欠いている人が多く出ている現在の
不況の中で、せっかく、
経済対策を担当する
大臣が
出席なさって、先進七カ国
財務相・中央銀行総裁
会議が
財政出動しようねということで一致した、こんな大切な
会議だった。そして、その
会議は無事に終了した。それなのに、その後の記者会見でこのような醜態を演じるということは、残念というとともに前代未聞なのではないかと思います。
体調が悪かった、風邪薬の飲み過ぎだったといろいろなことが言われておりますが、私は、重要なポストにいらっしゃる方のリーダーとしての
条件の中に、やはり危機管理能力、自己管理があるのではないかと思います。
何度も申し上げるようですが、私が残念に思ったのは、一国の問題ということではなくて、全
世界に
日本という国を印象づけたという点で、私は極めて残念に思います。イタリアのジョルナレ紙が、さっき申し上げましたように、
日本人は常に真剣、清廉、厳格、そういうイメージが崩壊したと。
私は、
総理もそうでいらっしゃると思いますが、
日本をこよなく愛しております。そして、
世界の人々が
日本人に愛情と信頼と尊敬を持ってほしい、そう願っております。私は、その
日本人のすばらしい人格や振る舞いが損なわれたということに大きな懸念と悲しさを感じております。
日本は、
経済大国第二位だけでなく、長い
歴史や文化や芸術を有しているすばらしい国なのよといつも
世界にアピールしている立場の人間として悲しく思っておりますが、
麻生総理は今回の事件をどのようにとらえていらっしゃるかをちょっとお伺いしたいと存じます。