○和田
委員 民主党の和田隆志でございます。
塩谷大臣と
厚生労働省の副
大臣にいらっしゃっていただいておるはずでございますので、お二人に対して、今回、一般
質疑ということで取り上げさせていただく一つの病気の件でございますが、調べましたところ、どうも過去にこれを真っ正面から取り上げた
質疑は今までなかったようでございますので、少しお二人に、政治家として前向きに対処していただきたいという気持ちを込めまして、
最初に私の方から、今回これを取り上げるに至った経緯を御
説明いたしたいと
思います。
資料がそれぞれ
委員各位のお手元にも配付されているところでございます。
今回取り上げようとしております病気の名前は、色素性乾皮症という病気でございます。英語名の略称をとりまして、XPというものでございます。
大臣のお手元に、よろしいでしょうか。
この病気のこと、私自身も今回、地元、広島県の福山市でございますが、こちらの有権者の方からお
伺いするまで全然存じ上げませんでした。そうした意味で、
委員各位にもぜひこの機会に知っていただければというふうに
思います。私自身も、
最初に
お話をお聞きしておりまして、世の中にこういう病気があるものなのかというふうに、非常に不思議にも、また深刻にも感じました。
今、お手元にそろそろ資料が行き渡ったかと
思います。
そこに書いてございますが、この病気の特徴といたしまして、皮膚と脳神経に重い障害が生じる、進行性で治療法が未確立というふうに
厚生労働省もお考えのようでございますが、まだ原因不明だと言われている病気でございます。
そういった意味で、特徴として、先天性でもあり、それがだんだん進行していくものでもあり、さらにこれが深刻化しますと、本当に死に至ってしまうということのようでございます。
こうしたことがいろいろ学術的に研究されている中で、
厚生労働省におかれてもいろいろ前向きに
対応してくださった結果でございます、大いに評価いたしたいと
思いますが、この資料にありますとおり、二〇〇七年、二年前の三月に特定疾患対策懇談会において、原因不明なんだけれ
ども、また、治療法が確立されていないんだけれ
ども、これから先この病気について研究していこうということで、難治性疾患克服研究事業の対象に取り上げるという結論を導いていただいたところでございます。
この病気は、先ほど申し上げたとおり、先天性でもあり進行性でもあり、かつ、深刻な場合に死に至るということが相まちまして、
実態上、この病気にかかっていらっしゃる方は、ほとんど学童期を通じて症状が悪化してしまい、むしろ成人としての、社会人としての人生を送るよりも、学童期の人生を送っただけで世の中から去ってしまわれているというのが
実態のようでございます。
こういった病気が紫外線の影響とともに進行していくわけでございますが、こういった方々が生活していくためにいろいろな
環境が必要でございまして、今そこにお書きしましたとおりでございますが、できるだけ紫外線を浴びないように窓ガラスにフィルムを張ったり、窓をできるだけあけないようにということで室内にエアコンを施したり、また、こういうふうに部屋の中を照らしております蛍光灯などが若干なりとも紫外線を発しておるがために、こうしたものをほかのものに切りかえるだとか、さらに換気扇に至るまでも暗室用の換気扇を使うだとか、こういったことが必要な
状況のようでございます。
私も本当にショッキングだったんですが、皆様方、ぜひこの資料の写真をごらんになっていただければと
思います。
子供さんが育っていく過程で、先ほど申し上げたとおり、日の光の中に含まれている紫外線を浴びるたびに症状が悪化するものでございますので、本当に私は
最初見たとき、宇宙服か、ハチみつをとるために服を着ている光景かなと思ったんですが、まさにこれは
小学校に通う児童が、こういった服を着てでないと表に出られないということでございます。
御参考までに書きましたけれ
ども、子供が成長していく過程でこうしたものをつくらなければいけない親の方々の御負担は大変なもののようでございまして、工夫に工夫を重ねて、生地を若干ずつ伸ばしながら生き抜いていっているというのが、現在までに私の知り得たこの病気の情報でございます。
もう一つ、資料の下の方をごらんになっていただければと
思います。
先ほど申し上げたとおり、ほとんどがお子さんなのでございますが、今この病気を抱えますお子さんをお持ちの親御さん、保護者の方々が全国で、何とかして子供さんたちに少しでも充実した人生を送らせてあげたいという気持ち、一念の
もとに、二〇〇四年の十月にシンポジウムを開催された後、全国で細々とやっていらっしゃった患者の会を統合しまして、全国色素性乾皮症連絡会というものを立ち上げていらっしゃるわけでございます。
実は、きょう、当事者二人に傍聴にいらっしゃっていただいております。ぜひ
大臣、副
大臣におかれましては、先ほど
塩谷大臣には、甲子園で高校球児に元気を送るためにあんなにすばらしい始球式をやっていただいた
大臣でございますので、あらゆるお子さんたちに元気を送るべく、御
答弁いただければというふうに
思います。
こういったことが動きとして起きておったところ、今から三年ほど前になりますが、二〇〇六年にこうした病気を映画とドラマで取り上げていただいたようでございます。これが「タイヨウのうた」という題名の映画であり、また同じ題名ですぐ直後にドラマ化されております。
大臣も副
大臣も御存じかどうかわかりませんが、私自身もインターネットで調べたぐらいでございますが、映画ではYUIさんというシンガーソングライター兼女優が主演され、ドラマでは、有名になられましたが、沢尻エリカさんが主演されておられるということで、実は、これを契機に、随分世の中でこの病気に対する
認識が広まりました。
実は私、今回これを取り上げるに当たりまして、地元でお聞きしました
案件だけに、その周囲の関係者の方々にこの病気のことについてどれぐらい知っていらっしゃるか聞いて回りました。およそ三十人ほど当たったのでございますが、ほとんどの方がこのドラマや映画を御存じで、実際相当大変な病気なんだなということを、少なくとも私が当たりました有権者レベルでは非常に
認識が高まっており、しかも、先ほど申し上げたように、有名な女優さんやシンガーソングライターが主演されただけあって、若い世代の方々にはほとんど一〇〇%の
認識度でございました。
そうした意味におきまして、私自身、今回この件を積極的に立法府で何とか対処策を講じていくことによりまして、若い世代の方々にも政治的な関心度を高めていただきたい、
自分たちが何か声を上げれば実現するのではないかという希望を抱いていただきたい、そういった意味を込めまして、
質疑に取り上げさせていただいた次第でございます。
大臣、副
大臣には、きょうは、かなりそうした意味で、
お話をお聞きいただきまして
コメントをいただきたいという
趣旨でいらっしゃっていただきました。
まず、
渡辺副
大臣の方に一言
コメントをいただければと思うんですが、私が今回この
案件を取り上げようと
思いまして、
厚生労働省の事務方との間で何度かやりとりをさせていただきました。
先ほど申し上げたとおり、私はこの病気を、今申し上げたとおりですが、研究対象事業として取り上げていただくに至ったことは大いに評価させていただければと
思います。
厚生労働省の本来の
責任を大いに果たしていただけるのではないかと期待しております。
ただし、これから先、こういった病気のことについて、国民の皆様方のより一層の
理解や、しっかりやっているという感触を持っていただくための対処策として考えれば、今は仕組み上難しいのかもわかりませんが、
厚生労働省がこのような難病指定を行うに至ったものについて、もう少し関係諸機関に
周知徹底せしめてはいかがかというふうに感じるわけでございます。
後でちょっと
コメントをいただくようにしますけれ
ども、今回この
案件を
お話ししてくださったお母様によれば、私のお聞きしました事例ですが、
小学校までは随分個々の保育所、
小学校の
理解ある
先生方、そういった方々の間で良心的に
対応していただいたというのが恐らく概括的な
実態だろうと
思います。
もう少し
学校教育の
現場で
文部科学省がこういったものを詳細に
認識し、子供たちによりすばらしい
思い出を残させてあげるべく義務
教育を充実させるという観点から、
厚生労働省として、こういう難病指定を行った際、特にこの病気につきましては、先ほ
ども申し上げたとおり、子供の時代に人生の大半が過ぎてしまうという病気でございますので、政府部内で難病指定を行ったことの
周知徹底、もしくは、この難病にかかっている方々に対する保護の観点から、どんな対処が必要なのか、そうしたものを政府部内でもっと回していただいてよろしいのではないかというふうに考えて、きょういらっしゃっていただいた次第でございます。
今の仕組み上どのようなものがあるのか、私は存じ上げないでお聞きいたしておりますが、こういったものをまず、政治家として、今の行政府が持っている仕組みが限界なのであれば一歩踏み込んで対処策を講じてもよろしいのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。