○郡
委員 私もそのとおりだと思います。しかしながら、提出させていただきましたこのBさんのケースですけれども、均等室が指導してもそれがかなわず、結局のところ和解金で
退職を余儀なくされたわけでございます。
私ども
民主党は、ほかの野党とともに、今回
修正案、きょうも冒頭
趣旨説明をさせていただきました。
育児休業切り
対策の一環として、
労働者が
育児休業を取得する際に、
育児休業の
期間それから
休業中の給与、また復帰条件などを会社と書面で確認しておけば、こういった個別
労働紛争を未然に防ぐことができるというふうに
考えて、現在
努力義務規定となっておりますこの書面の提示につきまして、育休法の第二十一条二項ですけれども、これを
義務規定にさせていただく
修正案を提案させていただいたわけでございます。
この二十一条二項ですけれども、
事業主が、
育児休業を
申し出た個々の
労働者に対して、
労働者の
育児休業及び
介護休業中における待遇に関する事項、それから
育児休業及び
介護休業後における賃金、配置その他の
労働条件に関する事項、施行規則の第三十二条に定める事項、これらを書面で明示することについて、
努力義務を課しているわけでございます。この書面のひな形というのも、既にほかの書面様式同様、
厚生労働省のホームページにはひな形としてしっかりと掲載をされております。
ですけれども、これが
努力義務規定になっているということで、書面での明示というのはあくまでも、していた方がいいですよというお勧めでしかありません。実際、この書面で明示している
企業はどれぐらいあるんですかということを私どもの部会の中でも尋ねさせていただきましたけれども、
厚生労働省は、把握していないというようにお答えになっていらっしゃいました。
なぜ書面で確認をしておくことが大切なのかということです。これはもう言わずもがなだと思います。一番トラブルが起きやすいのが、
育児休業に入ってそしてまた復帰をする、復帰する直前に起こってくる場面なんだろうというふうに思いますけれども、
育児休業に入るときに、
事業主と、
育児休業期間がこれだけですよ、この
期間です、そしてまた復帰するときにはこの職場でこの
状況で戻るんですよということをあらかじめ書面で確認をしておけば、その後、言った言わないといったような水かけ論にもならないわけですし、何よりも、復帰がスムーズにいかなかった場合のさまざまなケースで、この書面が論拠となるわけです、証拠となるわけです。こういうものをしっかりととっておくことこそが、安易な
育休切りというのを防ぐ手だてになる、そういうふうに思っています。
妊娠や
出産というのは極めて個人的なことです。しかも、休みをとる
労働者というのは、同僚の皆さん
たちに迷惑をかけるけれども、申しわけないけれどもお願いしますね、そういう気持ちで休みに入っているわけです。その気持ちにつけ込んで、
事業主あるいは上司が、君、
子供の手のかかるうちは
家庭に入っていた方がいいんじゃないか、こういうふうに言うのが
育休切りのそれこそ常套句ですよ。こういうことはあってはならない。それを防ぐためにも、この書面を提示するということがやはり
義務的なことにならなければいけない、そういうふうに思っています。
しかも、この二十一条第二項が
義務規定となれば、書面を交わしたか否か、あるいは書面に書かれている
内容がなぜ守られなかったのかといったような事実関係というのが、
育児休業法五十六条が定める
大臣による助言、指導もしくは勧告の根拠となるわけでございます。
子供を抱えて
労働審判、裁判に訴えるというのは、精神的にも、そしてまた物理的にも大変大きな負荷がかかるわけです。行政による指導
範囲を広げるということは、
育休切りを未然に防止する上で大変重要な
意味を持つというふうに
考えております。これには、新たな予算
措置というのでしょうか、経費もかからないわけです。すぐできることだというふうに思っています。
この点について、私どもの党所属の議員が
委員会で既に取り上げております。きょうは、私どもの資料の二ということで、新聞記事を取り上げさせていただきました。四月八日の日経新聞の夕刊、四月一日の朝日新聞の記事です。これは、「育休復帰 一部に逆風」「
退職勧奨/周囲に気兼ね」「
両立支援へ
社会も変化を」ということでの記事、また、「育休前に書面確認を」というふうに見出しに書いておりますけれども、ここで均等室長のコメントが出されているわけですね。「育休を
申し出るときに、
期間や休む間の給与、復帰条件などを会社と書面で確認しておくことをすすめる。」というふうにおっしゃった。日経の記事でも朝日の記事でも同じようなコメントをされているわけです。これをぜひ今回の
改正案に盛り込むことがやはり重要なことであろうというふうに私は思っています。
二十一条二項について
義務化すること、これは
大臣も、均等室長がお話しになっているように、勧めるというふうなお話ですけれども、同じように
義務化すべきだとお
考えのことと思いますが、いかがでしょうか。