○二階国務
大臣 私は、このERIA、東アジア・アセアン
経済研究センターというのは、OECDの東アジア版だということで、ASEANの閣僚
会議等におきまして二年半ぐらい前に提案し、そのころは、今、後藤先生がおっしゃったように、何もかもやっていこうということでありますが、ERIAの設立そのものが、そう簡単でないほど難しい、日中関係、日韓関係等が当然横たわっておる、そういう
状況の中でありました。
しかし、私は、めげずに一カ国一カ国説得しまして、
関係者の
皆さんが、もうこれだけみんなが同意しているんだから、こういう方向でいきましょうということで、
日本が今後百億円の基金を提供して、御一緒に研究していきましょうと。そして、OECDの東アジア版だということでありますから、当然OECDの事務総長やASEANの事務総長等にも立場を超えてERIAを支援してもらいたいというお願いをしまして、彼らの協力を得ることになって、今順調なスタートを切ったところであります。
昨年の六月三日に正式にスタートしまして、九月以降、こういう
経済情勢になったわけでありますから、このASEANの国々を中心とする、そして、いわゆる日中韓、さらに、今
お話にありましたとおり、
インド、オーストラリア、ニュージーランド等を加えて、三十一億人の民が存在します十一兆ドルの
経済規模であります。
私は、ここを中心に
日本の今後の展開があろうと。
日本だけが何かいいことがあるようなことを言うわけにもまいりませんから、そこは控えておりますが、やはり
日本がこのERIAの中心国としてこれからやっていくということが大事でありますが、今
インドネシアのジャカルタに本部を置いて対応しております。
きょう、たまたまでございますが、参加国の中にいろいろな国々がありますが、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムという国の
政府の高官が、ぜひ
日本へ行って、ERIAの
状況等をしっかり勉強したい、こういうことでございまして、これは、青年やあるいは若い
人たちの研究もこれからERIAのプログラムに入ってくるわけですが、その際、閣僚の
皆さんからも、我々や局長、実際にこのことを動かしている
人たちが勉強しなきゃならぬということで、
日本に来ているところでございます。
ですから、後藤議員が今おっしゃったように、具体的な動きがなきゃだめだということでございますが、全くそのとおりでありまして、今後の具体的な活動ということに関しては、東アジアの中長期
エネルギーの需給の見通しを立てる、そして、インフラの整備を通じた
貿易・
投資の促進や、いわゆるIT化によるアジアの知識
経済化の推進等の政策課題に取り組む。
そして、貧困のアジアの
皆さんもまだいらっしゃいます、豊かな国もあります、そこを、お互いに協力し合って、アジアが
一つになって発展できるような構想を
考えていく。そこに
日本がいかに奉仕するか、いかに尽くすかということが私は大事じゃないかと思っておりますが、今ようやく
関係者の理解が得られつつあります。
先般も、福田前
総理にカンボジア訪問の際に、ERIAの本部にも立ち寄っていただいて、カンボジアの閣僚やいろいろな
方々がお集まりになって、ERIAができたということに対して大変称賛の言葉を伺ってきたという御報告をいただきました。これからは、例えばアジアの学生
たちがみんなでロボットコンクールをやろうということでありますが、私
どもは、可能な限り、あらゆる方策に対して、聖域とか制限を設けずにどんどんと対応していきたいと思っております。
当面、私が
考えていることの
一つに、OECDの事務総長、これは大変有力者でございますし、ASEANの事務総長、あるいは、
日本から出ておりますが、ERIAの事務総長
たちを中心にしまして、
日本で今後のアジア政策についてのフォーラムを開催するなど、今
考えているところであります。そして、
日本から
理事が一人出ておりますが、これは、前の経団連会長の奥田さんに
理事として出ていただいております。
ただいま、自動車の面で、あるいは家電の面等についての今後の発展とアジアとの関係についても言及がありましたが、私は、先ほ
ども申し上げましたように、三十一億人の民が存在しているということは、これは大変重要なことであります。
僕はさっきカンボジアと言いましたが、
インドネシアでございまして、ごめんなさい。きょうは、カンボジアが来ておるものですから。
そういう自動車あるいは家電製品にしましても、現に三十一億人の民がERIAの中に存在しておるということは、我々にとっては宝の山のようなものであります。
こうした
皆さんとどう接点を求めていくか、お互いに、貧困から脱出する、あるいはまた、
経済の困難な
状況に陥っている
我が国など、あるいは、
先進国といいますか、アジアの中では比較的
先進国と言われる国々もみんな
経済的に困難に遭遇しているわけですから、協力し合って脱出できる、そしてそれが、ERIAが幾分かでも役割を果たしたということになれば、去年の六月にできたものが九月以降の国際的な急変に何らかの対応ができたといえば、私はそれだけでも大変結構なことではないかと思っております。