○市村
委員 先ほどからあるように、平和条約を結ぼうという、もっと大きな
観点で話をしようとしているのに、なぜかもっと手前に引き戻されたような感じがしてならないんですね、この話は。ある種、こういうやり方というのは、外交上、私は大変失礼な話だと思いますし、これはロシアの国内問題なのかもしれませんが、やはり
日本としての立場ははっきりとしていくべきだと思います。そうしないと、こういう状況では平和条約どころじゃない。
せっかくビザなし渡航もこれだけ進んできて、両国の交流も進み、私も一昨年行かせていただいて、現地の皆さんともいろいろ話をさせていただく機会もありましたし、家庭訪問もさせていただきました。そして、やはり
日本に対する期待、それから
日本に対する
感謝ですね、どっちかというと
日本に近いわけですから、医療の面でも、いろいろな食料の面でも、
日本の皆さんには大変
感謝しているということを現地の方もおっしゃっているわけでありまして、そういう素朴な住民交流といいますか、それをせっかく進めてきているところに、しかも人道支援で行った船が戻らざるを得ないと。これは残念な状況であると思わざるを得ません。
これはなかなか
政府同士では言いづらいかもしれませんが、これは国会としてもはっきりとこうした議論を通じて、
我が国の意思というのはいろいろなチャンネルを通して伝えていかなくちゃならないと私は思います。
ビザなし渡航が例年どおり友好ムードの中で、しかも、平和条約締結という、まさに次世代に先送りしないという大統領と
我が国の首相が交わした言葉があるわけですから、こういうムードの中で行われるビザなし渡航であれば、さらにもっと歓迎ムードというか友好ムードがあって当然だと思います。五月からのビザなし渡航が一月のようにならないように、ぜひとも外相にはしっかりと交渉していただきたいと思うわけであります。
次に、サハリンといいますか、
日本で言えば樺太というんでしょうか、この問題になります。
私が小さいころ、地図を見詰めながら大変注目した
場所がありまして、それがまさに樺太、サハリンなのであります。何でこの半分だけ白なんだろうと。ほかのところは色分けされているんですね。あのときは小学校の低学年だったか忘れましたが、何でここだけ白なんだろうなと。ひょっとしたら、千島列島も白だったかもしれませんが、余り覚えはありません。少なくとも樺太の半分だけ白だということだけは非常に印象に残っていたこともあります。長じて、いろいろな歴史的な背景も、もちろん多少学ばせていただきました。
平和条約締結に当たりまして、いろいろ経緯があったわけでありますけれ
ども、今私
たちは北方四島の問題だけを言っておりますけれ
ども、本当はこうした樺太の問題も含めて話をすべきではないのかなと。ひょっとしたら、それはなかなか
政府は言えないのかもしれませんが、私は一人の
国民として、幼きころからいろいろ
考えていく中で、いろいろ経緯はあったとしても、やはり樺太の問題も含めて私
たちは議論すべきじゃないか。
そのときに一番の問題は何かといいますと、
我が国がさきの戦争をきちっと総括していないのが問題だと思うわけであります。
やはり、日ソ中立条約を破って入ってきた。それがまさに北方四島の問題の根幹にかかわっているところでありますが、その後、あの樺太はどうだったのか、サハリンはどうだったのか。
私は、決して、今全部
日本のものにしろというような発想で言っているわけじゃありません。私は、今後のロシアと
日本の関係というのは、二十一世紀、大変重要な協力関係を結ぶべき二国だと思っているんです。そこがぎくしゃくするようじゃいけないと。
そのときに、やはり歴史をしっかり踏まえて、さきの大戦のこともしっかりと認識を一にして、合意できるものは合意していく、その上で平和条約を締結していく。そして、協力して二十一世紀の、この東アジア、まあ、極東を含めて、ロシアで言う極東ですね、いわゆるシベリアを含めたところも、しっかりと我々がエネルギー資源の共同開発とかを進めていく、
我が国の技術と資金を提供していく、そして、ともに開発したものは
我が国もしっかりと恩恵をいただく。こうした二国間関係もしくは多国間関係、この
地域関係を築いていくべきだと私は思っています。
そのときに、このサハリンの問題については慎重でなきゃならないと私は思っておりました。ところが、この間、麻生総理がサハリン2の天然ガス液化
施設稼働の記念式典に行かれた。それはメドベージェフ大統領からお誘いもあったということでありますが、やはりここは慎重でなくてはならなかったのではないかと私は思います。
実際、私もテレビの報道で、ロシア側ではこれをもっていわゆる樺太、サハリンの南側については
日本も認めたというような報道もされているかのように
日本国内の報道で知るところとなりました。それについて外相の御
意見もお伺いしたいと思います。