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国務大臣(野田
聖子君) 森議員の御
質問に
お答えする前に、まずは、先ほどの与謝野
大臣ではありませんけれども、森議員と出会ったことによって、私は消費者行政という政策を学ばせていただきました。消費者視線とか
国民目線。
実は、度々いろんなところで申し上げているんですけれども、我が自民党にはなかなかそういう意識がなく、その希薄な中で明治以来の殖産政策を築き上げてきたやはり霞が関とどうしても表裏一体のところがあり、自分たちで消費者消費者と言いながら、本当にその消費者の側に立った様々な政策について光を当ててきたかというと、なかなか率直に言って厳しかったんではないか。
私は、自民党の消費者問題調査会の初代の会長になりました。それまで自民党には包括的な消費者問題を調査する会がなかったということも非常に残念なことであったわけですが、その中にあって私は、森さんやほかの消費者団体又は日弁連の
皆さん、これまで出会ったことのない、正直自民党の議員としては出会ったことがなかったし会話も交わしたことがなかったような人たちとの勉強を繰り返す中で、当時の福田
総理が念願とされておられました消費者庁設置法案、関連三法案の
一つのたたき台を提出することができたわけであります。
もし仮に十二年前に森
まさこさんと出会っていれば私の
質問も随分変わっていたと
思いますが、
平成八年四月、三十六歳、商工
委員会の
委員であった私は、当時の訪販法の
改正について素朴な疑問を持ち、
質問させていただきました。と申し上げますのも、その訪販法の
改正に当たって、どうやらそのベースになっている話が、昭和四十九年七月辺りに出ている
国民生活
審議会消費者保護
委員会でしたっけ、の中間覚書やら産構審の中間答申の中に書かれているいわゆるマルチ商法というのは……(発言する者あり)マルチ、所感を聞かれているので、所感を。マルチ商法というのはもうすべて駄目だと、それに基づいて何か動きが出ているんじゃないかという懸念を
感じました。
実際に、あの当時もう、何年前かな、十二年前、
平成八年ですから十二年前で既にもう訪販又はいわゆる連鎖販売取引というのは社会生活上現実にあるものであって、私
自身もそういう商を通じて商品を買ったことも実際ありました。ですから、それを、現実あるものをすべてなくすということが果たして可能かどうかという疑問の中で幾つか
質問させていただいたわけであります。その中で、やはり自分の勉強不足、消費者行政、消費者側の視線に立った
質問ができなかったことは、十二年前のことでありますけれども、逆に今消費者行政を預かる身として、そういうことを学べたことは非常に有り難いことだと思っていますが。
さて現実、私が当時十二年前に国に対して要望していたことは、やはり業を担う者のコンプライアンス、やはり自主的にしっかりと自分の事業の大切さ、そして消費者に対する責任を果たすために余りがんじがらめに、例えば池があるから危ないから全部コンクリートで埋めてしまいましょうみたいな法律を作るのではなく、やはりそういう事業者の責任感というのを育てていかなきゃならないなということが一点と、消費者、被害に遭った消費者が現実的に救われる方法、例えばクーリングオフとかそういうものに関してしっかり担保していこうということを申し上げたわけであります。
十二年たった今、今、森議員がおっしゃったように、残念ながら、
平成十年から二十年、まあ十九年までですけれども、実はこのマルチ商法での消費者被害というのは減るどころか増えてしまいました。
つまり、コンプライアンスだけではこの被害が減らせないし、これまでの消費者保護の取組ではいまだ未達成であるということが明らかになった今、今現在は特商法によって、先ほど担当官庁からの取締りの話がありましたし、それをますます強化していくとともに、私どもとしては、消費者行政、つまりこのマルチ商法の怖さというのは、消費者が自分の自覚をしないうちに販売員になってしまっていて、被害者が知らぬ間に加害者になるというところが分かりづらい。そういうところを、とりわけ最近は、二十代の学生が自分はマルチに入っているんだという意識のないまま加害者になってしまっているというケースがあることを踏まえ、国
民生活センターでは、引き続きより一層、そういう物を知らなかったゆえに、
理解がなかったゆえにその被害を大きくしてしまう消費者を増やさないためにしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
以上です。