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2008-10-21 第170回国会 参議院 議院運営委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年十月二十一日(火曜日)    午後一時三十分開会     ─────────────    委員の異動  十月二十日     辞任         補欠選任         青木  愛君     川崎  稔君      川上 義博君     柳澤 光美君      今野  東君     大塚 耕平君      那谷屋正義君     大久保 勉君      松野 信夫君     行田 邦子君      室井 邦彦君     富岡由紀夫君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         西岡 武夫君     理 事                 池口 修次君                 小川 勝也君                 榛葉賀津也君                 秋元  司君                 世耕 弘成君                 魚住裕一郎君     委 員                 大久保 勉君                 大塚 耕平君                 川崎  稔君                 行田 邦子君                 佐藤 公治君                 富岡由紀夫君                 直嶋 正行君                 中村 哲治君                 柳澤 光美君                 礒崎 陽輔君                 島尻安伊子君                 伊達 忠一君                 西田 昌司君                 長谷川大紋君                 丸川 珠代君                 義家 弘介君                 山本 博司君                 鰐淵 洋子君    委員以外の議員        議員       仁比 聡平君        議員       渕上 貞雄君         ─────        議長       江田 五月君        副議長      山東 昭子君         ─────    事務局側        事務総長     小幡 幹雄君        事務次長     橋本 雅史君        議事部長     東海林壽秀君        委員部長     諸星 輝道君        記録部長     富山 哲雄君        警務部長     井高 育央君        庶務部長     古賀 保之君        管理部長     中村  剛君        国際部長     高橋 邦夫君    参考人        検査官候補者        検査官      山浦 久司君        日本銀行総裁        候補者        日本銀行理事   山口 廣秀君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○検査官任命同意に関する件 ○日本銀行総裁任命同意に関する件     ─────────────
  2. 西岡武夫

    委員長西岡武夫君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。  まず、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  検査官及び日本銀行総裁任命同意に関する件のため、本日の委員会参考人として検査官候補者検査官山浦久司君及び日本銀行総裁候補者日本銀行理事山口廣秀君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 西岡武夫

    委員長西岡武夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 西岡武夫

    委員長西岡武夫君) 次に、検査官及び日本銀行総裁任命同意に関する件を議題といたします。  候補者から所信を聴取いたします。  まず、山浦久司さんにお願いいたします。山浦久司さん。
  5. 山浦久司

    参考人山浦久司君) 山浦久司でございます。  本日はこのような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。心よりお礼を申し上げます。  昨年、国会の御同意を得まして、本年二月に会計検査院検査官に就任し、この八か月間、検査官会議の一員として会計検査院意思決定に携わってまいりました。とりわけ、会計検査院法第二十条以降の規定に基づきます基本的な検査権限の行使はもとよりでありますけれども、第三十条の二に規定する国会並びに内閣に対する随時報告あるいは第三十条の三に規定します国会からの検査要請に対する報告などについて、民間人として、かつ学識経験者としての視点も取り入れながら、検査を実施する事務総局指揮に当たってまいりました。  近年の我が国経済社会、極めて厳しい環境の下にあります。また、これを反映しまして、行財政に対しても国民皆様の厳しい目線が注がれております。そして、これらは行政説明責任向上、さらには不正や無駄の撲滅などについての国民皆様からの強い要求へとつながりまして、同時に、会計検査院活動の更なる機能強化が求められるようになったものと理解しております。  会計検査院として、国民のこのような要望を踏まえまして、不正、不当な事態に対して、正確性合規性観点から厳正な検査を行うことはもとより、経済性効率性及び有効性観点からの検査も重視し、また行財政透明性説明責任向上事業運営の改善に資するための分析や評価を行っていくことが重要であると考えております。  今後とも、国民皆様の関心の所在や国会における御審議状況に常に注意を払い、いろいろな御意見に耳を傾けながら、誠心誠意検査官として努力し、職務に精励してまいりたいと存じますので、どうかよろしくお願い申し上げます。  以上でございます。
  6. 西岡武夫

    委員長西岡武夫君) ありがとうございました。  次に、山口廣秀さんにお願いいたします。山口廣秀さん。
  7. 山口廣秀

    参考人山口廣秀君) 日本銀行理事山口でございます。  本日は所信を述べる機会を与えていただきまして、誠に光栄に存じます。  私は、日本銀行に入行して以来三十年余り、ほぼ一貫して中央銀行の実務に携わってまいりました。一昨年理事に就任して以降は、金融政策金融システム内部管理等仕事に従事してまいりました。  日本銀行使命は、物価の安定と信用秩序維持を達成することであります。これら二つのことが実現されて初めて我が国経済が持続的に発展していくための基盤が整うということであります。それだけに、日本銀行に課された使命は誠に重大であると認識しております。  日本銀行は、あくまでも中央銀行という銀行であります。したがいまして、使命の達成も、銀行業務、言い換えますと、銀行券の発行、預金の提供、貸出しの実行といった業務を通じて行うことになります。ここに、行政機関ではない日本銀行の特徴がありますし、日本銀行仕事中央銀行としての専門性が求められるゆえんがあると考えています。  内外経済金融情勢に目を向けますと、現在、国際金融資本市場及び金融システムは、米欧を中心に近年例を見ないほどの緊張下にあります。景気米国等で減速の動きがはっきりしてきていますし、インフレ率は世界的になお高い水準となっています。先行きについては、金融実体経済のマイナスの相互作用がどのように展開するのかといったこととも関連して、見通しが大変難しくなっています。  一方、我が国状況を見ますと、金融資本市場は欧米に比べれば落ち着いていますが、緊張感が次第に広がっています。株価や円相場は極めて神経質な展開を示しています。景気は、輸出の伸び悩みなどから既に停滞局面に入っていますし、当面停滞を続ける見通しです。消費者物価は、このところ前年比二%台半ばの上昇となり、ここしばらくはこれに近い上昇率を続けると見られます。我が国経済先行きにつきましても、国際的な経済金融動き見通しにくいということでありますだけに、不確実性が更に高まっております。  このように内外経済についての情勢判断が非常に難しくなっている下にありまして、日本銀行政策運営のかじ取りも一段と難しさを増しています。仮に副総裁を拝命することになりました場合には、果たすべき役割を十分にわきまえて職務に邁進することがこれまで以上に重要になっていると考えます。  副総裁役割として特に大事であると思いますのは、第一に、言うまでもありませんが、総裁をしっかりと補佐することであります。これまでに培ってきました知識や経験を生かしながら、金融政策を始めとして、日本銀行の遂行する政策業務運営全般にわたって総裁を適切に補佐していかなければならないと考えます。  二つ目は、日本銀行がその組織力を最大限に発揮できるよう努力することであります。組織は人であります。日本銀行に長く勤務した経験を基に、職員一人一人の持てる力や専門性を引き出し、日本銀行組織力をフルに発揮させていくことが重要な任務であると考えます。  仮に副総裁を拝命することになるとすれば、ただいま申し述べた役割を十分に認識し、また独立性透明性という日本銀行政策運営を律する基本原則をしっかり踏まえながら、全身全霊を傾けて職務に取り組む所存であります。  どうかよろしくお願い申し上げます。
  8. 西岡武夫

    委員長西岡武夫君) ありがとうございました。  以上で候補者からの所信の聴取は終了いたします。  速記を止めてください。    〔速記中止
  9. 西岡武夫

    委員長西岡武夫君) 速記を起こしてください。  まず、検査官候補者に対する質疑を行います。  質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を受けてから御発言いただきたくお願いをいたします。  なお、質疑及び答弁の際は着席のままで結構でございます。  それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 柳澤光美

    柳澤光美君 民主党新緑風会国民新日本柳澤光美でございます。  本日は、本当に御苦労さまでございます。  山浦検査官にお伺いをしたいと思います。  検査官は、今年の二月に就任をされて八か月になられる、大変な御尽力を、御活躍をされているというふうにお伺いしております。特に、会計学専門家として外から入られて、この八か月間、実際会計検査をされる中で、やってみて、会計検査の在り方、一つは非常に思った以上にいい点、それからもう一つはいろいろやはり外から見られてこの辺は問題だなというふうに考えられる点を率直に少しお聞かせいただければというふうに思います。
  11. 山浦久司

    参考人山浦久司君) ありがとうございます。  確かに、私、会計学それから監査論専門家として学界から検査官に就任したのでありますけれども、むしろ検査官になって思ったことは、やはり一国民それから一納税者としての視点、これがやはり大事だ、その上で専門家としての知見をプラスして検査官会議に臨むと、こういう姿勢を貫いてまいりました。  実際に入ってみますと、国の財政構造すべてを見渡せる立場にありますし、問題点多々出てきまして、そういった意味で私自身が自分の人生の中で非常に貴重な、しかも有意義な仕事をさせていただくと、これはもう最大の検査官に就任して私自身が感じております良い点でございます。  その上で、私自身検査官として特に意を砕いてまいりましたのは、何か会計上の問題を見付けた場合には、その機関で過去に同じような問題があったんではないか、即座にそれを調べるように、それから再発防止のためにはどうしたらいいか、それを検査院としてできるだけの知恵を出して相手に対して伝えるように、それから同じような問題はきっとほかの省庁とか機関にもあるんじゃないか、それも調べるように、こういうことで、しかもそれを迅速性を持って調べるようにと、こういったことで指示してまいりました。  そういう検査報告を聞きながら、我が国財政とか予算執行の仕方とか非常に多くの問題を見付けさせていただきました。そして、それで、それなりの私なりの視点から検査に当たっての指揮をしてまいりました。
  12. 柳澤光美

    柳澤光美君 ありがとうございます。  私も決算委員会に所属しておりまして、参議院決算委員会決算重視ということで、むしろ党派を超えて決算重視を図ってまいりまして、そんな中で、会計検査院役割というのは非常に重い。党派を超えて必要であれば会計検査院法を変えても検査充実を図るべきだというような議論も今起きておりまして、この後、特に山浦さんの方でこんなことを今やってもらえると有り難いというような要望なり決意なりをちょっとお聞かせいただければというふうに思いますけれども
  13. 山浦久司

    参考人山浦久司君) 基本的には、平成十七年に院法改正が行われまして、例えば国会等への随時報告それからフォローアップのための権限とかいろんなものが加えられまして、現時点では私どもはその院法に従って粛々と仕事をすると。  もちろん、院法改正動きについてまた内容について私どももちろん把握しておりますし、意見は述べさせてもらっておりますけれども、今私自身は現在の制度的な仕組みの中で精いっぱいのことをやるということで、あとはもう国会議員の方々の御見識ですね、院法改正についてよろしくお願いしたいと思っている次第です。
  14. 柳澤光美

    柳澤光美君 ありがとうございました。  終わります。
  15. 秋元司

    秋元司君 自由民主党秋元司でございます。  今日は大変御苦労さまでございます。時間がありませんので、私の方から幾つか質問をさせていただきますので、端的にお答えいただければ有り難いと思います。  まず一点目であります。  昨日今日、地方自治体不正経理というのが非常に発覚する中に、ある意味これは残念なことでありますけれども、逆を言いますと、非常に会計検査院の皆さんの御尽力のおかげでこういったことが今世の中に暴かれたということでございます。  ただ、不正経理というのは当然直していかなくちゃいけない、そういった思いでありますけれども、いろいろと各地方自治体の話を聞きますと、なかなか国の予算というものが、特に補助金というものに対して非常に使い勝手が悪いということも言われているのも事実であり、我々国会に携わる者としては、いわゆる今後ともこの縦割り行政というものをどういうふうに考えていくのか、そして予算というものを、特に限られた予算というものをどのように使っていくのかということも同時に考えていかなきゃならないということを、そういった状態に直面しているわけでありまして、そういった観点からこの会計というものを、会計監査というものに携わっている皆様所見としてお伺いしたいわけでありますけれども。  公会計というのは、性質上どうしても単年度主義という、これに限られてきたわけでありますけれども、他の国においては、一年間予定した予算が例えば余った場合、繰り越すのか又はほかの事業に充てるのか、そういったことからいわゆる複式簿記発生主義会計というものに対して我が国もいろいろと議論していく必要性が私はあるんじゃないかなという思いがございますけれども、この道に携わっているプロとしてこの件に対する所見をお伺いしたいと思います。
  16. 山浦久司

    参考人山浦久司君) 財政法の第十二条におきまして、国の毎会計年度における経費はその年度の歳入をもってこれを支弁すると、こういう会計年度独立原則というんでしょうか、これを規定しているところでありまして、この制度そのものは、我が国会計制度会計年度独立原則に基づいた制度になっている理由というのは、国会審議の確保とかあるいは財政健全性維持のためであると、こういうふうに理解しております。  ただ、原則原則でありますけれども、例外的な措置として、財政法で十四条から十五条にかけて歳出予算年度を超えて使うことができると、こういうことがあります。ただ、確かにこれは使い勝手が悪いということはよく言われております。  ただ、この件に関して検査院立場としては、やはり法を遵守するという基本的な姿勢は崩すことができませんので、ここは少し頑固だと言われてもやはりこの点は維持せざるを得ないと。もし、これについて国会の方で御審議されるんであれば、我々としてはそれについて従順に付いていくという、こういう姿勢であります。  それから、発生主義に関しては、確かに今独立行政法人とかあるいは国立大学法人ですね、それからあと今度特別会計にも入ってきましたし、その発生主義会計で示される会計情報それから従来の年度決算収支情報、これは複合的に非常に有用な情報を出すものと思っております。  我々としても、今後とも従来の単年度主義決算情報に加えて発生主義会計に基づく財務情報検査にも力を注いでいるところであります。そのつもりでいます。
  17. 秋元司

    秋元司君 ありがとうございます。  今おっしゃっていただきましたように、独立行政法人等もやはり今新しくこの企業会計というものを導入する中で進んでいる、またこの方向というのは今後減ることはないのかなという思いでありますから、この発生主義会計については当然国会とのかかわり方ということにも非常に関係してくると思いますので、我々も真剣に議論してまいりたいと思いますので、是非積極的なアドバイスをいただきたいなと思っております。  最後に、これも先ほど申し上げたように、非常に今回地方自治体不正経理の問題が議論されておりますけれども、その中で毎年この監査報告というもの、検査報告というものをしていただいて、しっかりそれを公開して、大体こういう傾向があるということをそれなりに毎年説明いただいていると思うんですけれども、一方で、非常に複雑で分かりにくいという声もあると思うんですが、そういった要望にこたえまして、今後不正経理がありそうな傾向と対策みたいなのを今後は作られてオープンにすることが明日の不正防止又は勘違いというものをなくすことにつながるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  18. 山浦久司

    参考人山浦久司君) 心得ておきます。
  19. 秋元司

    秋元司君 以上です。
  20. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 公明党魚住裕一郎でございます。  私、今、愛知県に住んでおりまして、何かもう今十二道府県のことで本当に大きな話題となっているところでありまして、報道を見るたびに会計検査院頑張っているなという印象はあるわけでございます。しっかり頑張っていけますように国会としても応援していきたいと思います。  そこで、今平成十九年度決算報告の取りまとめという形になっていると思いますが、その中には参議院決算委員会の要請した検査事項も記載が入るだろうというふうに承知しております。  このような決算委員会を始めとする国会委員会会計検査院との関係連携決算参議院でございますけれども、どのような認識をお持ちなのか、一言お願いいたします。
  21. 山浦久司

    参考人山浦久司君) 我々にとって国会審議は非常に参考になると同時に、ある意味では我々の検査の後押しになります。  例えば、昨年から今年にかけて審議された内容として道路特会の問題があります。例えばタクシーとかあるいは例のマッサージチェアの問題であるとか、いろいろ無駄遣い指摘されておりますけれども、実は検査院権限として、国会で通った予算の範囲内であればその使い方までなかなか指摘できなかった。ところが、国会審議を通して新しい切り口を得たと。そういった意味での我々にとって非常に検査の要するに切り口、これを力を得たと、こういうことはあります。  そのほか、我々としては随時報告を順次やっております。それから、当然せんだっての五つの検査要請、これもすべて受け入れまして特別の検査チームを組んで、そして今進めているところであります。その検査の結果については、近いうちに順次出てくることになると思います。
  22. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 国会参議院に対してのお励ましのお言葉だというふうに思っているわけでございますが、国会でも、先ほどお話がありましたけれども、やはり会計検査院機能充実強化、これをしっかり今議論をしております。我が公明党も、無駄遣い防止という観点から権限強化するあるいは不正会計処理を行った公務員に対する罰則強化等を今議論をしているところでございますけれども国会の方でよろしくお願いしますということではなくして、現場においでになってこの会計検査院充実強化についてどのような御所見をお持ちなのか、よろしくお願いいたします。
  23. 山浦久司

    参考人山浦久司君) これにつきましても基本的には国会の場で審議していただくということでありますけれども、先ほど柳澤先生秋元先生指摘あったんですけれども、それに対して私自身答えましたとおり、検査院としては現在の法律の枠内であらん限りの力を尽くしていくということで、その方針で検査活動指揮してまいっております。その上で、フォローアップとかあるいはいろんな公務員罰則規定検査権強化につながるものであれば本当に我々としては是非歓迎したいところであります。
  24. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 終わります。
  25. 川崎稔

    川崎稔君 民主党新緑風会国民新日本川崎でございます。  山浦参考人、今日はありがとうございます。  私の方からは、所信の中でも述べられたわけですが、検査観点についてちょっとお伺いしたいというふうに思っております。  会計検査院法第二十条、ここで正確性合規性経済性効率性及び有効性という観点検査を行うということになっているわけでございますが、従前からどちらかといえば正確性とかあるいは合規性というのはきっちりやっておられるが、経済性効率性及び有効性、この辺り観点についてはややチェックが少ないんではないかという指摘が聞かれてきたところであります。もとより、平成十八年度決算検査報告、こちらの方を拝見しますと、経済性あるいは効率性有効性観点からの検査を重視するということを確かに言っておられるわけですが、そういう意味でこういった点をかなり意識されておられるというのは私ども十分承知しているところであります。  その上でなんですが、参考人の方でこの経済性効率性有効性、こういった観点に関して現状をどう認識されておられるのか、あるいはこれからどう取り組んでいこうと思われているのか、その辺りをお聞かせください。
  26. 山浦久司

    参考人山浦久司君) まず、経済性効率性につきましては、コスト削減を求めるとかあるいは資産等有効活用とか、そういう点でかなり指摘は数多くしているつもりでございます。  ただ、有効性につきましては、若干検査院検査権限との関係で問題があることは理解しております。特に有効性視点から検査を進めますと、どうしても政策評価に入っていくと。その政策評価そのもの一つ法制度等に結び付いておりますと、なかなかこれを検査院観点から指摘できない。したがって、私たちのアプローチは、いったん政策が施行されまして、そしてその結果として予算執行が行われる、そして行われた結果、例えば政策効果が出ていないとか、あるいは例えば具体的に言いますと、物を作ってそれが十分に活用されていないとか、そういった視点から指摘すれば、それが次の政策に反映されていくだろうと。ですから、言わば政策評価に直接に我々はかかわることはできないけれども一つ政策評価のサイクルの一環を担うと、こういう立場を貫いていこうと思っております。
  27. 川崎稔

    川崎稔君 その観点から申し上げると、総務省行政評価局の方で行っておられる行政評価というものがございます。その関係をどう考えておられるのか、その相互連携というのをどう意識されておられるのか、その辺りについての御所見はいかがでしょうか。
  28. 山浦久司

    参考人山浦久司君) 総務省の方にもこちらとの連携があると承知しておりまして、特に検査報告については総務省の方も十分に評価してそれをこの行政評価に反映させると。またあわせて、財務省の予算査定の問題、こちらの方にも検査院検査結果が反映されると。そういう仕組みの中で我々の活動結果が生かされていけばいいと、こういうふうに思っております。
  29. 川崎稔

    川崎稔君 終わります。
  30. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 自由民主党の礒崎陽輔でございます。  今日は、山浦参考人、大変お疲れさまでございます。  私も、先ほどから何回か出ておりますけれども、十二道府県で折しも会計検査院会計報告が出されたわけであります。私も長い間地方行政に携わっておった人間でありますけれども、こんなことをまだやっているのかという感じが本当にぬぐえないで残念な思いがいたしております。もちろん、いろんなものがあるとは思うんですけれどもね。特に、やはり公共事業費の中に事務費が付いているというところに私大きな問題があるんだとは思います。そこがまあちょっと政策の中なのかもしれませんけれど。  それはまあ別といたしまして、山浦参考人から今回の十二道府県に関する会計検査の結果についての率直な御感想をお聞きしたいと思います。
  31. 山浦久司

    参考人山浦久司君) 今回の検査院指摘といいますか、まだ検査官会議を通っておりませんので、むしろこれは取材に基づいて検査を受けた側からの情報が報道されていると、こういうふうに御理解いただきたいと思います。近いうちに検査院としての検査結果については公表するということになると思います。  その上で、この不正経理の問題、これは長い間こういった視点から検査院がメスを入れておりませんでした。国と地方との言わば予算の配分の問題、そしてある意味では一種の会計に対する文化と申しましょうか、地方自治体での甘い経理についても容認するような姿勢、これはやはりあったというのが率直な感想であります。  その上で、今後、検査院としてもこの検査、ほかの自治体についても広げていくことでしっかりやっていくつもりでありますし、実際やっておりますけれども補助金を出す側と受け取る側、その緊張関係、これを検査院を介して常に維持していきたいと、こういうふうに思っております。そういった意味での役割を今後とも指揮してまいりたいと思っております。
  32. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 もう一点は、会計検査院、今お話あったようにいろいろ努力なされておられると思いますけれども検査でこういうものを表に出すと、その後のフォローも非常に大切だと思うんですね。会計検査院検査した結果がきちんとやはり現実の行政の中に反映されていくと、そういう機能を私はもっと強化していくべきではないかと考えますが、参考人のお考えはいかがでしょうか。
  33. 山浦久司

    参考人山浦久司君) まさに同感でございます。  そのつもりで私ども指揮してまいっているつもりでありますけれども、特にいったん指摘したもの、これが同時に、それを繰り返すことを要するに防ぐためにはどうしたらいいか。特に内部的な管理体制あるいは内部監査あるいは自治体でいいますと監査委員制度、こういったものを活用してその管理体制をしっかりしていくように、それも附帯的な意見として付けていくつもりでございますし、それからそれについては当然フォローアップをしていきます。それから、フォローアップ一つとしていわゆる返還の問題がございます。これについても我々はしっかりウオッチしていくと、そのつもりでございます。
  34. 礒崎陽輔

    ○礒崎陽輔君 終わります。
  35. 行田邦子

    行田邦子君 民主党新緑風会国民新日本行田邦子でございます。  山浦検査官には、本日はどうもありがとうございます。  私は、まず検査院からの天下りについて質問をさせていただきます。  会計検査院というのは内閣から独立した機関であり、独立を生命線とする財政監視機関であります。その機関から天下りをするというのは自殺行為に等しい、納税者の期待に背を背ける行為であるといった指摘がなされています。  受検庁に対する厳正かつ公正な検査という観点から、会計検査院も天下りを極力排除すべきと考えますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。また、会計検査院からの天下りの現状をお聞きしたいと思います。
  36. 山浦久司

    参考人山浦久司君) この点については私、最初の就任に当たっての所信表明でも明言いたしましたし、この姿勢は変わっておりません。  特に天下りをするという、天下りという言葉は適当かどうか分かりませんけれども、少なくとも受検、検査を受ける側の機関に職員が再就職することによってなれ合いが出てくるんではないか、それからそういうことを国民が知ることによって検査院検査の信頼性、これが損なわれる可能性がある、そういった意味で極力これは避けるべきだということで、検査官会議でもそういった職員に対する再就職の指導等に当たってきております。  実態と申しますと、特に幹部職に就いていた職員の再就職の問題でありますけれども、これも二人いまして、一人は技術畑の人でそういった技術者を育てるための機関に就職する、それからもう一人は研究職に就職すると、そういうことで、この件については検査に直接関係ないということで了解いたしました。  そういうふうに、行田先生が御指摘のところ、こちらも今後とも心して指揮してまいりたいと思っております。
  37. 行田邦子

    行田邦子君 ありがとうございます。  次に、道府県における不正経理についてお伺いしたいと思います。  マスコミ報道になされているとおり、十二道府県での不正経理が見付かったということです。こういった自治体においての不正経理というのはあってはならないことであり、また厳正な対処をしなければいけないというのは当然だと思いますが、一方でこのような不正経理が自治体において行われてしまう、その背景には補助金を使い切らなければいけないというような現状の国の補助金交付の在り方そのものにも問題があるのではないかというふうに考えております。  自治体における不正経理再発防止そして国費を使った事業執行の適正化という観点からすると、会計検査院としては、自治体の経理処理の適正化を求めるだけではなくて、国に対してもあるいは事業官庁に対しても厳しく指摘すべきではないかと考えておりますが、御所見をお願いいたします。
  38. 山浦久司

    参考人山浦久司君) この点もまさにおっしゃるとおりでございまして、こういった国の補助金を出す側も、やはり出すに当たっての審査の体制それから決算の結果についての審査、それをまた補助金に反映させていく、こういったシステムをしっかりと維持すべきだと思っておりますし、検査院はそのすべての支出行為の結果を見るだけでございまして、そこはもう合規性に従って判断していかざるを得ない。その意味では、むしろ第一次的な現場、補助金を受ける側であります自治体それから交付する側の本省、そちらの方での会計責任をしっかりと維持してもらいたいと、そういった視点での指摘をこちらの方も続けてまいっております。
  39. 行田邦子

    行田邦子君 ありがとうございます。
  40. 西岡武夫

    委員長西岡武夫君) これにて検査官候補者に対する質疑を終了いたします。  次に、日本銀行総裁候補者に対する質疑を行います。  それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
  41. 大塚耕平

    大塚耕平君 民主党大塚でございます。  山口参考人におかれては、本日はお疲れさまでございます。時間の許す範囲で、三問ほどお伺いをさせていただきたいと思います。  まず、一点でございますが、現在のこの世界的な金融危機の深刻さあるいは今後の展開について、副総裁候補としての現時点でのお考えをお伺いをさせていただきたいと思います。
  42. 山口廣秀

    参考人山口廣秀君) お答えいたします。  私どもは、先ほど所信でも申し述べたとおり、現在の国際的な金融環境、もう少しかみ砕いて言いますと、金融資本市場の動向それから金融システム状況につきましては極めて緊張感のある状況だというふうに認識しております。  具体的に申しますと、御承知のとおり国際金融資本市場におきましては米欧金融機関が相次いで破綻するというようなこともありますし、そういう中で世界経済についても下振れ懸念が高まっているというような状況でございます。特にリーマン・ブラザーズが破綻して以降ということになりますと、米欧の市場におきましては、取引相手に係るリスク、これを通常カウンターパーティーリスクというふうに呼んでおりますが、これについての非常に強い意識というのが生じてきております。それから、証券化商品市場を見てみますと、引き続き機能が低下しているといった状況であります。これらを反映しまして、株価につきましても極めて神経質な展開を示しているというような状況であります。  それから、目を国際金融システムの方に向けてみますと、証券化商品の価格が下落しているということもございますし、それから実体経済が低下してきているというようなこともございまして、商業用の不動産ローンですとかあるいは消費者ローンの延滞率が上昇してきているということであります。これを受けまして金融機関の資産内容というのは一段と悪化してきているという状況でありまして、御承知のとおり、幾つかの金融機関については、市場参加者等の信認が急速に低下し、経営が困難化するといった事例が相次いでおります。まさに国際金融システムについては非常な困難に直面していると、こう言っていい状況だというふうに思っております。  このような状況でありますから、今後の展開というのはもちろんなかなか読みにくい面はありますけれども、私どもとしても非常な緊張感を持って今後の展開をウオッチしてまいりたいと、かように思っておるところでございます。
  43. 大塚耕平

    大塚耕平君 今回の金融危機の背景あるいはその原因について、これまでの日本銀行金融政策が何らかの影響を与えていたかどうかという点についてどのようにお考えになっているかをお伺いしたいと思います。
  44. 山口廣秀

    参考人山口廣秀君) お答えいたします。  実は、お尋ねの点について明快にお答えすることは非常に難しいと思っております。  ただ、言えますことは、私どもが長年にわたって低金利政策、一時は量的緩和というような緩和政策を行ってきたわけでありますが、その一つの副作用として円キャリートレードのようなものを生み出し、それが何がしか海外の市場に影響を与えたんではないかというようなことが言われております。実際にそれを定量的に把握することができるかといいますと、これはかなり難しいことでありますけれども、そういった面で私どもの緩和政策がひょっとすると何がしかのインパクトを与えた可能性は否定できないと思っております。  ただ、翻ってみますと、私どものこの置かれた環境というのは十年余りにわたって非常に厳しい状況でありました。経済環境、金融環境両方取ってみましてもかなり厳しいというのは皆様方御承知のとおりであります。したがって、そういう中で私どもとしては金融緩和政策をきっちりやっていくということでぎりぎりの政策を追求してきたという状況であります。したがって、その結果として、何がしか副作用的なものが生じたとしても、むしろ得られるベネフィットの方を非常に重く考えて対応してきたと、このように認識しております。
  45. 大塚耕平

    大塚耕平君 それでは、最後になりますが、新日銀法が施行されて十年が経過いたしましたが、中央銀行と政治の関係について、旧法下よりも改善したと思う点あるいは逆に新たに問題になっていると思う点について、それぞれ御所見をお伺いしたいと思います。
  46. 山口廣秀

    参考人山口廣秀君) お答えいたします。  今私どもの法律によりまして日本銀行独立性という点につきましては明確に規定されております。その点につきましては、その以前の法律の下におきます私どもの行動様式に比べれば、より自主性、独立性を持って対応できるようになっているということは事実だろうと思っております。  ただ一方で、私ども独立性ないし自主性を獲得したからといって独善に陥っていいというわけではございません。したがいまして、様々な批判というのはあるいは御意見というのは各方面からいただくわけでありますが、そういったものも謙虚に受け止めながら対応するということでやってきておるつもりでございます。  そういう中にありまして特別問題が、今の法律によって何らか問題が生じているかということにつきましては、私自身、何か問題があるというようには理解しておりません。
  47. 大塚耕平

    大塚耕平君 終わります。
  48. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 自由民主党島尻安伊子でございます。  山口参考人、今日はありがとうございます。  私からは三点ほどお聞きをしたいと思います。  山口参考人、これまで日銀の方で企画局長それから理事ということで、要職を歴任をされておられますけれども、そのキャリアといいますかお仕事ぶりはマスコミ等でもそれなり評価を得ていらっしゃるのではないかという私は認識をしているところでございますけれども。  当時のゼロ金利政策、今お話の中にありましたけれども、それから量的緩和の導入に携わった御経験を踏まえて、今般の金融市場の混乱それからその影響による実体経済の減速傾向というものにいかに対応すべきとお考えでしょうか。
  49. 山口廣秀

    参考人山口廣秀君) お答えいたします。  先ほど大塚先生から御質問いただいたことと重なるかもしれませんが、お答え申し上げますと、米欧金融機関につきましては破綻がかなり出てきているということでありまして、国際的な金融資本市場の緊張というのは相当強まっております。  こうした情勢というのは、欧米経済はもちろんでありますが、世界経済全体にわたりまして非常に大きな影響を及ぼしているということであります。日本経済につきましても米欧を中心に海外経済の減速の影響というのが出てきておりまして、当面停滞を続ける可能性が高いというように私ども認識しております。  ただ、先行きのリスク要因ということで見てみますと、まず景気の面でありますけれども、今申し上げましたように国際金融市場とか世界経済の情勢というのは私どもにとっては非常に難しい状況になってきているわけでありますが、これが一段と悪化しその影響が及ぶおそれがあるということでございますので、やはり国内の景気の面につきましては下振れリスクが高まっていると、このように認識しております。  一方で物価の方でありますが、ひところに比べますと原油価格など落ち着いてきているわけでありますが、なお高めの消費者物価上昇率が続いております。一方で消費者のインフレ予想というのも、何となくでありますが、少し上振れてきている感じもございます。そういったことでありますので、物価の面につきましては上振れリスクに注意が必要だと、かように思っているところであります。  結局のところ、非常に先行きについては不確実性が高い状況という認識でありまして、私ども金融政策当局といたしましては、この不確実性の高い中で様々なリスク要因につきまして十分目を凝らしてしっかりとした対応をしてまいりたいなというふうに思っておるところでございます。
  50. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 特に外銀とかの外資系金融機関についてちょっとお聞きしたいんですけど、特に短期金融市場、短期市場の中での調達金利というのが上昇しているというふうな指摘がありまして、市場参加者の中の相互不信による市場機能の低下ということも指摘されておりますけれども、そういった混乱の中での市場に対する見解と、それからいかなる対応が必要で効果的なのかということをお聞きしたいというふうに思います。
  51. 山口廣秀

    参考人山口廣秀君) お答えいたします。  御指摘のとおりでありまして、今日本の市場におきましても、信用度において多少疑念があるような金融機関に対しては資金が流れないというような状況になってきております。したがいまして、そういった金融機関を中心にいたしまして、そうしたところの資金調達金利というのはかなり上昇をしてきているというのが実態であります。基本的にはマーケットの機能が低下してきているというふうに言っていい面があろうかと思います。  そういう状況でありますので、私どもとしては、特に九月の半ば以降、流動性の供給というようなことについて相当大胆かつ柔軟に対応してきております。連日のように大量の資金供給を行うといったこともやってきておりましたし、それからドル資金の供給ということにつきましても、海外中央銀行連携を取りながら積極かつ果断に対応してきたというように認識してきております。  今後ということになりますと、なかなか先行き見通しというのは正直申し上げて不確実性が非常に高いと、リスクは相当あるというようには認識しておりますが、明確に先行きの方向を見通すだけの力は私どもに今ありません。したがいまして、その状況状況に応じて遅滞なく対応していくということが基本になろうかと思っておりますが、ただ、私どもとしては、既に流動性の供給という面ではあらん限りのことをやりたいということで、いろんな検討項目を掲げ、やれるものについては既に実施に移してきているというような対応も講じております。  現在は、十月の半ばに、今月の半ばに、流動性供給面でより検討すべきことがないか、そういったことを考えるんだという意思表明をいたしまして、一部は実施に移したところでありますが、今またそうしたことで何らかの対応の余地がないかどうか真剣に考えておるという状況でございます。
  52. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 最後になりますけれども、今のお話の中にもありました国際的な協調というのが今後大切になっていくんだろうというふうに思うんですけれども日本銀行として今後更なる協調の中で利下げというものを求められたとき、どのようにしていったらいいかということをお考えなのかをお聞きして、終わりたいと思います。
  53. 山口廣秀

    参考人山口廣秀君) お答えいたします。  先般、欧米の主要国で利下げが行われました。同日しかも同幅での金利引下げということでありましたから、見た目には協調が優先されての政策判断のように見えます。  ただ、私どもの理解は、そうしたことではなくて、あくまでもそれぞれ個々の当局が、個々の中央銀行がそれぞれの置かれた経済・金融環境の下で必要な政策を行ったというふうに認識しております。もちろん、グローバルに金融市場が非常に混乱した状態になっておりますので、効果を考えますと、やはり同じことを考え同じ判断に至ったんであるとすれば同時に発表する方が望ましいと、効果的であるというようなことがもちろんあって、結局ああいう形での協調になったということだろうと理解しております。  ただ、翻って日本の置かれた状況を見ますと、経済につきましては停滞局面に既に入っております。当面ということでいきますと、この停滞を続けるという状況にあろうかと思いますが、一方で、先ほども申し上げましたが、リスクファクター自体は上にも下にも散らばっているという状況であります。したがって、我々としては、経済、物価状況を十分見極めながら必要な政策判断というのを行い必要な政策対応を取っていくと、こういうことに尽きるんではないかというふうに思っております。  一言付け加えますと、各国からあるいはどこかの国から協調を求められて何らか必要のない政策を行うというような判断に至ることがあるかということでありますとすれば、そういったことはないというふうに私自身は理解しております。
  54. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 ありがとうございます。
  55. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 公明党魚住裕一郎でございます。  マスコミ的には総裁の懐刀というふうに言われておりまして、その実力を発揮していただきますようにお願いするものでございますが、今お話にございましたこの低金利政策ということで、先ほど円キャリートレードの話がありましたけれども、ただ、その裏面は家計の利子収入が減少してきていると、大変な金額だというふうに思っておりますが、もちろん金融政策はマクロの政策で対応が非常に困難な論点ではありますけれども金融政策を決定するに当たって、下げ代がないよというのはもうそうかもしれませんけれども、家計への影響をどのように織り込むことが望ましいとお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
  56. 山口廣秀

    参考人山口廣秀君) お答えいたします。  非常に割り切った言い方をしてしまいますと、金融政策というのは、先生御指摘のとおりマクロ的な観点に立って行うものであります。したがって、そのマクロ的と申しますのは、家計にしろ企業にしろ、所得の分配、そういったことについて金融政策的に配慮して行うべきものではないということがまずあります。したがって、所得分配、家計に所得を移転させるために金融政策を行う、あるいは企業に所得移転を行うために金融政策を行う、こういった判断は基本的には取り得ないというように私自身は思っております。  ただ、経済全体のことを考えあるいは景気全体のことを考えた場合には、家計部門がどのような状況に置かれているのか、その結果として個人消費がどのように推移しているのか、こういった点については当然のことながら金融政策判断を行うときにはしっかり見ていかなければならないことだと思っております。  したがいまして、今後金融政策を考える場合にも、家計を中心として個人消費がどのような動きを示すのか、そういったことについてはしっかりと見ていかなければならないというように思っております。
  57. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 もちろん、日銀の使命として、先ほど金融システムの安定化ということでございますが、そのために金融機関に対する考査等も経営実態の把握等を行っているというふうに理解するものでございますが、今中小企業への金融の円滑化、というのは非常に貸し渋りとか貸し止めみたいな話もございまして、金融庁あるいは中小企業庁においても取組を強化しているわけでございますが、日本銀行もこの中小企業金融の円滑化に寄与する観点からやはり金融機関に働きかけていくことも重要ではないかというふうに考えておりますが、どのような方策が考えられるか、御所見をお伺いいたしたいと思います。
  58. 山口廣秀

    参考人山口廣秀君) まず、私どもの企業金融面における理解ということから申し上げますと、足下の企業金融をめぐる環境というのは少しずつ緩和度合いが後退してきているというような認識にあります。もちろん、全体として見ますと、なお緩和的な状況にあることは間違いないわけでありますが、変化ということでは今申し上げたとおりだと思っております。  特に、中小の零細企業ですとかあるいは一部の産業を中心にしまして金融機関の貸出し姿勢が厳しくなっているという声がかなり増えているというように認識しております。もちろん、その背景には金融機関なりの事情があるわけでありまして、マクロ経済環境が悪化してきているというようなこともありますし、企業業績についても少しずつ後退してきているということもありますので、金融機関自身としては、信用リスク管理を適切に行っていくという観点から、やはり企業への貸出しというものについてもそれなりの目線を持って対応せざるを得なくなっているという面はあろうかと思います。  ただ一方で、金融機関一つ機能としては、やはりある種景気の流れを超えて必要なときにはリスクを取りながら貸出しを行うということも金融機関機能一つに入ろうかと思っております。したがって、ただ企業の業績が悪くなってきたら直ちに貸出しを抑える、広く与信を抑えるというようなことでいいのかどうかという問題はあるのかもしれません。そういった目線に立って金融機関が適切に行動されるよう、私どもとしては期待していると、こういうことでございます。
  59. 大久保勉

    大久保勉君 民主党大久保勉です。  山口参考人に三点まとめて御質問をいたしたいと思います。  まず一点目は、日本銀行法は日本銀行物価の安定を課しております。百年に一度と表現されます昨今の世界的な金融危機に対処するためには、一時的には物価の安定より金融危機対応がより優先されるべきだと私は考えますが、御所見を伺いたいと思います。  先ほどの島尻委員の質問に関連しまして、特に今月八日の欧米主要六か国及び中国等一部新興国の協調利下げに対して日銀のみが結束を乱したように見えるのは得策でないと私は思います。もっと市場にきめ細かく説明する等の対処をすべきだと考えますが、御所見を伺いたいと思います。  二点目は、日本銀行の副総裁として特にどのような面で力を発揮されたいのか、抱負を聞きたいと思います。  最後の質問は、今年は日本がG8サミットの議長国をしております。政府のみならず日本銀行も存在感を高める好機であると考えております。しかしながら、BIS等の中央銀行総裁会議やG7財務相・中央銀行総裁会議等においてほとんどリーダーシップを発揮していないように見えます。日銀の幹部のみならず事務局要員を含めて国際金融界で活躍できる人材をもっと育成すべきだと考えますが、そのことに関して質問したいと思います。  以上です。
  60. 山口廣秀

    参考人山口廣秀君) 三点御質問いただきました。  まず一点目の私ども物価の安定よりも金融のクライシス対応を優先させるべきではないかということとその延長線上でのお話ということだろうと思いますが、協調利下げに追随すべきであったのではないかと、その辺についての考え方いかんということだろうと思います。  まず、その点についてでありますが、私ども何度も申し上げていることでありますが、国際金融資本市場及び国際的な金融システムにつきまして緊張感がかなり高まっているという認識はしっかり持っているつもりであります。そういう局面で中央銀行として最も重要な責務というのは何だろうかというふうに考えてみますと、やはり流動性供給を大胆に行って金融市場の安定を確保することだというように思っております。そういうような認識に立って、先ほども申し上げましたが、流動性供給面で積極的な対応策を私どもなりに講じてきているというのがこれまでの推移であります。  そういう中で、例えば具体的に申し上げますと、リーマン・ブラザーズの破綻直後からは、先ほども申し上げましたけれども、数兆円規模の大量の資金供給を行っているということでありますし、ドルの供給オペレーションも導入しているということであります。しかも、それは主要国との協調策という形で行ってきておるわけであります。  ただ、その上で金利政策についての考え方ということになりますと、各国が各国なりに置かれた経済環境を踏まえて判断すべきものというふうに思っておりまして、この点については事情を繰り返しませんが、私どもとしては利下げというような判断には至らなかったというのが実情でございます。  それからもう一点、二点目ということでありますが、私が仮に副総裁になりました場合の抱負ということであります。  冒頭の所信のところでも申し上げました。私は今の日本銀行の置かれた環境、特に政策環境というのは非常に難しい立ち位置に来ているなというように思っております。それだけに副総裁の役回りとしてどれだけのことができるか、特に私がなったからといってどれほどのことができるか、そう自信があるわけではございませんが、ただ、認識としては相当一生懸命頑張らないといかぬ局面に来ているという認識はしっかり持っておるつもりであります。  その上で、まずもってしっかりやらなければいけないこととして、総裁を十分に補佐することと、もう一つは私は日銀に三十年余り勤めてまいりましたのでその経験を基に組織力を精いっぱい発揮させること、これが重要なことだというふうに思っておりますが、もう一点付け加えますと、これは所信のところでは申し上げませんでしたけれども、私は政策委員会での議論ということになりますと、独立したメンバーとしてその議論に参画するよう日銀法上も求められております。したがって、そうしたことを十分意識しながら、そこでの議論が一層充実したものになるよう貢献したいと思っておりますし、出てきた政策につきましても誤りのないよう私なりに少しでも貢献していきたいと、このように思っておるところでございます。  それから、国際的な人間の育成ということについてどう思うかという御質問でございますが、これはなかなか難しいことであります。  ただ、私どもも相当暗中模索を繰り返しながら実はそうしたインターナショナルに通じる人間の育成に努めてきたところであります。毎年私どもは三十人から四十人新しく人を採用しておりますが、そうした者についてかなりの割合でもって留学経験を持たせたり、あるいは海外の事務所で働かせたり、あるいは国際機関で勤務させたりといったようなことを行ってきております。また、最近は国際会議の頻度も非常に多くなってきておりまして、これについては上から下まで、英語がしゃべれようがしゃべれまいがと言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、一生懸命海外に出向き国際会議に少しでも貢献するような努力を求めてくるというようなこともやってきておりまして、こうしたことを続けながら国際的にも通用する人材の育成に努めてまいりたいと、かように思っております。
  61. 大久保勉

    大久保勉君 終わります。
  62. 西田昌司

    ○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。  まず、先ほどからの御答弁にもありましたけれども、今のこの金融情勢で流動性を確保する政策を行っていくというのは短期的には非常に大事なことだと思うんですけれども、私は、この間なぜこういう危機になってきたかというと、やはりかなり金融のグローバリズムと申しましょうか、余りにも自由化し過ぎて、資金が世界中を無秩序に駆け巡ってしまった結果ではないかなと思うのです。  そうしますと、片っ方、短期的にはそういう資金の供給は大事なんですけれども、長期的なグローバリズムに対して何らかの歯止めと申しましょうか、そういう見識がどこかで示されないとまた同じようなことになるんじゃないかと思いまして、その辺のまず御見解をお聞きしたいと思います。
  63. 山口廣秀

    参考人山口廣秀君) お答えいたします。  なかなか難しい御質問だと思いますが、世界の経済状況というのを見渡してみますと、米国、欧州それから日本というようないわゆる先進国と、それに加えましてエマージング諸国と言われるような諸国も経済発展を遂げてきておるわけでありまして、そういう大きな流れの中で、やはり経済の一つ一つの取引ですとかあるいは金融の取引といったものがグローバルに行われていくというのはこれはかなり不可避なんではないかというふうに私自身は思っております。したがって、こうした流れ自体に歯止めを掛けるあるいはさお差すというようなことよりも、むしろそういう流れの中で生じてくる問題に対してどのように対応していくのか、これが一つ重要な視点ではないかというふうに私自身は思っております。  今回の問題でいきますと、やはり証券化商品を形成し、組成し、それを販売していくというスタイルの金融機関のビジネスモデルにやはり一定の限界があったというように認識しておりまして、今後こうしたビジネスモデルについてはかなりブレーキが掛かっていくというようなことになるんだろうと思いますし、これは金融機関自身の行動としてそういうことになるんだろうと思いますが、一方で中央銀行も含めまして監督当局、規制当局としては、そうした金融動きに対してやはりこれまでのような形での対応ということではなく、一歩踏み込んだ規制なり監督なりというようなことが求められていくんではないかというように思っております。現にそうした監督規制についての議論というのは相当進んできております。  例えばFRB、米国の中央銀行でありますが、ここにおきましては、やはり投資銀行についてそれを自らの規制下に置こうというような動きが既に始まっております。それから、イギリスでありますが、バンク・オブ・イングランドにおきましては、バンク・オブ・イングランドの規制監督権限強化していこうというような動きも既に生じておるところであります。  結局のところ、そうした形でもって金融機関を見る目、当局が見る目というのをいかに充実させていくかというような問題意識の下で規制監督の見直しが行われてきておりますし、今後そうした流れというのが続いていくんではないかと、私自身はそうした流れが妥当なんではないかというように思っております。
  64. 西田昌司

    ○西田昌司君 ということは、日銀におきましても、そういう金融の今までのような単に自由化じゃなくて規制をする方向で政策を考えていこうということでしょうか。
  65. 山口廣秀

    参考人山口廣秀君) 今私が申し上げたのは、投資銀行というような金融一つの形態について、それがもたらした問題点というのを十分認識していくと今申し上げたようなことになり、現にそういう動きが続いているということであります。  ただ一方で、では金融全体に対して規制の網を掛けていくのが正しいのかどうかということになってきますと、それはいろんな議論があろうかと思いますが、これだけ経済あるいは金融全体がグローバル化している中で、やはり基本は市場原理というものを大事にしていくという視点が重要なんではないかというふうに思っております。ただ、市場原理だけではやはり経済全体の公正といいますか、そういったものが高まらない、あるいはうまくいかないということも事実でありますので、そういった点をどうやってカバーしていくのか、そういった状況に今我々は立ち至っているということだろうと思っております。  ですから、自由なのかそれとも規制なのかというように問われますと、そこについて直ちにどうかということは難しいんですが、私自身はやはり市場における効率性の追求と、その一方で必要な規制監督というのをどう調和させていくか、そこが大事だというふうに認識しております。
  66. 西田昌司

    ○西田昌司君 もう時間がないので終わりますが、今年のノーベル経済学賞がポール・クルーグマンで、いわゆるグローバリズムと一線を画す方がそういうノーベル賞を受賞されたということも非常に象徴的でありまして、この間の流れといいますのは、冷戦が崩壊してからやっぱり政治の世界の中でアメリカ一極集中に金融の世界も追随してきたことが非常に大きいと思います。もちろん、我々政権にあずかってきた人間も非常に反省しなければならないところあると思いますが、是非日銀におかれましても、金融政策におきまして秩序を回復するためには自由だけではどうしようもないということを是非念頭に置いて頑張っていただきたいと思います。  終わります。
  67. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 民主党の富岡でございます。  今、西田議員がお話ししたいろんな規制についてちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、規制すべきところと金融のグローバル化の推進のところが両方必要だというお話あったんですけれども、具体的にどのレベルまでは規制して、どのレベルは金融グローバル化で規制緩和していくのかというところをちょっと教えていただきたいなと思っております。  アメリカは今までG7とかG8の中で規制はすべきでないと、ヘッジファンドなんかに対して規制はすべきでないということで反対していたわけですね。ところが、もうヨーロッパ諸国は早くから規制すべきだと、もう何年も前から言っていたというところの中で、日本はどちらかというとアメリカの言いなりになって規制すべきでないという立場をずっと取ってきたんですね。  そういった状況からすると、日本の何というか主張というかそういうのが余り見えてこないというふうにずっと歯がゆい思いでいたんですけれども山口参考人はその点についてどういうふうに個人的にお思いでしょうか。
  68. 山口廣秀

    参考人山口廣秀君) お答えいたします。  今回の問題ということを振り返ってみますと、発端は米国におけるサブプライム住宅ローンということになるわけでありますが、それにつきましては、米国の金融機関も相当関与しておりましたが、欧州の金融機関も関与しておりました。したがって、それは米欧併せての金融機関行動というのがこうした問題を引き起こしたというように理解していいんだろうと思います。  そういたしますと、それはどういうことかということですが、米国における規制の在り方あるいは欧州における規制の在り方、そのいずれにおいても、結局今回の投資銀行を中心とする金融機関の行動を許容したという点においては実は同一、同様のことであったというように私自身は理解しております。したがって、先ほど申し上げましたように、アメリカにおいても監督規制の見直しの動きが既に出ておりますし、欧州におきましてもそうした動きは出ているということであります。  ただ、これからどのようにその辺りが展開していくかということでありますけれども、私自身が見ますところ、やはり米欧金融監督当局あるいは中央銀行のスタンスとしては、どのようにして今回のようなサブプライムローン問題に端を発する問題を二度と起こさないようにするか、そういった目線から規制のありよう、監督のありようを考えていくんだろうということだろうと思います。  翻って、日本における金融機関に対する規制の在り方いかんということでありますが、これは、私ども日本銀行は規制監督当局という立場行政当局でありませんのでそこは微妙に違うわけでありますが、私自身としては、やはり金融というのはこれだけ大きな規模でお金が動き、市場参加者が動くというようなことになってきておりますので、市場の効率性ということをどうやって確保するかという視点を一方に置きながらでないと実はなかなか落ち着くところに落ち着かないという面があることも事実だろうと思っております。  したがって、先ほどの西田先生の御質問に対することと重なりますが、やはりそのバランスの問題と、自由とと言うと言い過ぎかもしれませんけれども、マーケットでの取引あるいは市場参加者の行動、こういったものの効率と、それから規制を講じなければいけないその規制の在り方とをどうバランスさせていくか、こういう問題だろうというふうに思っております。
  69. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 先ほど、今の金融環境というのは非常に例のない緊張感を持った対応が必要だというお話だったんですけれども、今後の見通しについてもなかなか見通しが立たないというお話だったんですが、確かに厳密に言うと立たないのかもしれませんけれども、そこはやはり金融当局というか日銀の中でお仕事していただくわけですから、やはりある程度そういう見通しみたいなもの、今後のビジョンみたいなものを考えていただかないといけないなというふうに思っております。  去年の三月十六日の日経新聞の記事のインタビューの中で山口参考人は、サブプライムの問題についてどういうふうに思うかという質問に対して、その時点では多分情報がなかったんだと思うんですけれども、アメリカの銀行に対して深刻な不良債権は生じていないという発言をされておりました。ですから、そのときは限られた情報の中でそういう発言をされたんだと思うんですけれども、やはり日銀としてあらゆる情報をいっぱい集めて今後の見通しなんかはしっかり、我々より一歩も二歩も先を進んだビジョンというか考え方を持っていただく必要があるかというふうに思っておりますけれども、その点についてどういうふうにお考えか、御意見をお伺いしたいと思います。
  70. 山口廣秀

    参考人山口廣秀君) 先行き見通しを何とか見極めることについてあきらめているわけではございません、一生懸命努力しております。私自身としては、この問題の先行きを考えるときにいつも手掛かりになりますのは、やはり我々の経験だというふうに思っております。  日本の十年余りの苦労というのを振り返ってみますと、やはり一番大きかったのは、実態面と金融面のマイナスの相互作用というのが生じてきて、その結果として不良債権の規模がどのぐらいになるのか、またその結果として金融機関の必要な自己資本がどのぐらいなのか、ここがなかなか見極めが付かなかったということがあります。今アメリカの苦労とかヨーロッパの苦労を見渡してみますと、結局のところ同じような問題にぶつかっているなというふうに思っております。  したがって、今後の展開を一つ一つはっきりと見通すことは難しいのでありますが、動いていく流れとしては、やはり金融機関の不良債権の規模をきっちり確定していくこととそのために必要な自己資本をきちっと調達していくこと、これが当面必要なことだと思っております。  ただし、そのことについて実は簡単かといいますと、非常に難しいプロセスだというふうに思っております。何が難しいかといえば、一つ国民の血税を投入しなければならないことについてどうやって国民の理解を得ていくのかという問題に既にアメリカはぶつかったわけでありますが、そうしたこともあります。それから、実際にマーケットでの価格というのがなかなか決まってこないということがありますので、結局のところ不良債権の規模とか必要な自己資本の額というのが決まらないという問題に実はぶつかってまいります。  こういったことについて我々として、多分これから米欧のこの問題についての対応ということを考えると、こういった問題についてどう処理していくかということに改めてやはりぶつかっていくんではないかというふうに思っておりますし、そんな頭を持ちながら、我々として必要な対策、日本に降りかかってくる、日本金融に降りかかってくる影響の度合い、それからそれを踏まえての我々の対策というのを考えてまいりたいなというふうに思っております。
  71. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 終わります。
  72. 西岡武夫

    委員長西岡武夫君) これにて日本銀行総裁候補者に対する質疑を終了いたします。  お二人の候補者の方に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、御多忙の中を御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼を申し上げます。  ありがとうございました。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十八分散会