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2008-10-08 第170回国会 衆議院 総務委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年十月八日(水曜日)     午後三時十分開議  出席委員    委員長 赤松 正雄君    理事 大野 松茂君 理事 岡本 芳郎君    理事 実川 幸夫君 理事 林田  彪君    理事 森山  裕君 理事 黄川田 徹君    理事 原口 一博君 理事 谷口 隆義君       伊藤 忠彦君    稲田 朋美君       今井  宏君    遠藤 宣彦君       川崎 二郎君    木挽  司君       鈴木 淳司君    関  芳弘君       薗浦健太郎君    田中 良生君       谷  公一君    谷垣 禎一君       土屋 正忠君    土井  亨君       葉梨 康弘君    萩原 誠司君       橋本  岳君    平口  洋君       古屋 圭司君    松本 文明君       松本 洋平君    武藤 容治君       小川 淳也君    逢坂 誠二君       玄葉光一郎君    田嶋  要君       寺田  学君    福田 昭夫君       森本 哲生君    伊藤  渉君       塩川 鉄也君    重野 安正君       亀井 久興君     …………………………………    総務大臣         鳩山 邦夫君    経済産業大臣      吉川 貴盛君    総務大臣政務官      鈴木 淳司君    総務大臣政務官      中村 博彦君    政府参考人    (内閣官房内閣参事官)  大内 秀彦君    政府参考人    (内閣官房内閣参事官)  野村 正史君    政府参考人    (総務省大臣官房長)   田中 順一君    政府参考人    (総務省自治財政局長)  久保 信保君    政府参考人    (総務省自治税務局長)  河野  栄君    政府参考人    (財務省大臣官房審議官) 田中 一穂君    政府参考人    (財務省主計局次長)   香川 俊介君    政府参考人    (社会保険庁運営部長)  石井 博史君    政府参考人    (中小企業庁事業環境部長)            横尾 英博君    政府参考人    (国土交通省道路局次長) 西脇 隆俊君    総務委員会専門員     伊藤 孝一君     ————————————— 委員の異動 十月八日  辞任         補欠選任   今井  宏君     伊藤 忠彦君   坂本 哲志君     武藤 容治君   谷  公一君     松本 洋平君 同日  辞任         補欠選任   伊藤 忠彦君     今井  宏君   松本 洋平君     谷  公一君   武藤 容治君     坂本 哲志君     ————————————— 十月七日  地方税等減収補てん臨時交付金に関する法律案内閣提出第五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  地方税等減収補てん臨時交付金に関する法律案内閣提出第五号)      ————◇—————
  2. 赤松正雄

    赤松委員長 これより会議を開きます。  内閣提出地方税等減収補てん臨時交付金に関する法律案を議題といたします。  これより趣旨説明を聴取いたします。鳩山総務大臣。     —————————————  地方税等減収補てん臨時交付金に関する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  3. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 地方税法等の一部を改正する法律等平成二十年四月一日より後に公布されたことにより生じた地方税等収入減少に伴う地方公共団体平成二十年度の減収を補てんするため、地方税等減収補てん臨時交付金交付その他の必要な財政上の特別措置を定める必要があります。  次に、法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  地方税法等の一部を改正する法律等平成二十年四月一日より後に公布されたことにより生じた地方税等収入減少に伴う地方公共団体減収を補てんするため、平成二十年度に限り、都道府県及び市町村に対して、六百五十六億千九百万円を総額とする地方税等減収補てん臨時交付金交付することとしております。  地方税等減収補てん臨時交付金の種類は、自動車取得税減収補てん臨時交付金軽油引取税減収補てん臨時交付金及び地方道路譲与税減収補てん臨時交付金とし、それぞれの総額及び各地方公共団体交付すべき交付金の額の算定方法を規定しております。  また、平成二十年度分の地方交付税の特例として、地方税等減収補てん臨時交付金一定割合基準財政収入額に加算することとするほか、地方税等減収補てん臨時交付金交付税及び譲与税配付金勘定において経理することとしております。  以上が、この法律案提案理由及び内容概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  4. 赤松正雄

    赤松委員長 これにて趣旨説明は終わりました。     —————————————
  5. 赤松正雄

  6. 赤松正雄

    赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  7. 赤松正雄

    赤松委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。逢坂誠二君。
  8. 逢坂誠二

    逢坂委員 民主党の逢坂誠二でございます。  鳩山大臣お世話になりますけれども、よろしくお願いいたします。また、委員長も新たにかわりまして、お世話になりますけれども、よろしくお願いいたします。  さて、私からはきょう、最初にまず予算情報について若干お伺いをしたいというふうに思っております。聞きたいことは山のようにあるんですけれども、鳩山大臣とはこの分野のことをいろいろ話するのは初めてなものですから、予算情報といいましょうか、民主主義情報というようなところについて若干お伺いをしたいと思うんです。  私は、民主主義において、適切な情報がきちんと国民皆様に広く行き渡っているということが極めて大事だというふうに思っております。情報統制をするとか、あるいは、権力側にといいましょうか為政者にといいましょうか、その人たちだけに都合のいい情報国民に流してしまったのであれば、主権者である国民皆さん判断が間違うというふうに思うわけですね。これは当たり前のことだと思います。  私は、現在、函館市の梁川町というところに住んでおりますけれども、これは、そういう町内会とか町会運営を見ても全くそのとおりなわけですね。  例えば、町会でいろいろな活動をしている。その中で、今回どうも電気代が値上がりして町会会費を値上げせねばならないといったときに、単に町会皆さんに、電気代が上がったから町会費を月五百円値上げしますと言っても、これは簡単に納得が得られないわけですね。  だから、町会会費を上げるときには、実は町会ではこういうところにお金を使っています、電気代は今回これほど、例えば月に十万円なら十万円上がりましたというようなこと、そうなったときに、ではほかの部分でどこか急を要しない支出はないのか、そっちを少し削って、でも十万円上がった分全部はやはりほかのコストは削減できない、だから例えば五万円分に見合う分だけ町会費を値上げしましょう、皆さんいかがですかというようなことを説明する。そうしなければ、町会構成員皆さんからは御納得が得られないわけでありますね。これはまことにもって当たり前のことだというふうに思うわけです。  だから、私は、民主主義における情報というのは民主主義を動かす原動力だというふうにも思っておりますし、例えば、動物における酸素のようなもの、民主主義情報をきちんと出していなければ、例えば酸素がなければ動物は息絶えてしまうわけでありますから、そういうようなもの。あるいは植物における光のようなもの。植物において、誤った光の当て方をすると植物は曲がって成長してしまうわけですね。黒い箱の中に植物を入れて横からしか光を当てないとなるならば、植物はそちらの方へ曲がってしまう。全体にしっかり降り注ぐようにしなければ、植物は天へ向かって成長していかないわけですね。  だから、その意味で、民主主義では情報というのは極めて大切だというふうに私は考えていますが、まずこの点、大臣の御認識をお伺いします。
  9. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 おっしゃることは全く正しいと思います。  総務省所管に係る決算報告書は、毎会計年度財務大臣の定めるところにより作成し、財務大臣に送付しているとか、決算報告書は、組織別項別目別に作成することとされているため、総務省においてもそれに基づいて作成しているところというようなことが書かれているわけですが、答弁書には。  いや、もちろん答弁書に書かれている内容は重要なんですけれども、結局は予算書決算書の連携ですね、予算決算がどう違っているかということは大変重要でございまして、これが政策評価につながっていくという観点で、決算報告書においても、従来の組織別項別目別に加えて、予算事項別決算額を報告することとされたところだということになっておりまして、工夫はしているんだろうと思います。  実は、例えば、きょう予算委員会で質問が出るかと思っておったのは、原口先生のもの、政策評価フォーラム、これは三回やると言っていたのにどうなったかという話で、結局これは、百九十八万円という予算なのかな、三回やろうと思って予算書で組んだ、ところが、年金問題が大変になって、年金記録確認第三者委員会に大量に資金も人も投入しなくちゃならなくなった、とても余裕がなくなって一回に終わったということが大事なんですよ、実は。  そういう意味で、本来は予算より決算の方が大事だ、参議院はそういう傾向があるのかもしれませんが、そういう点も踏まえてこれから行政運営はしなければならないとよく感じてはおります。
  10. 逢坂誠二

    逢坂委員 大臣から、極めて重要なといいましょうか、情報は大事だという御認識はいただいているということで、私も大臣はそう考えておられるんだというふうに理解をいたしまして、非常に心強く思いました。  そこで、ちょっと、実際にそれでは国の予算というのはどうなっているのかというので、これを国民皆さんにも若干御説明をしたいなというふうに思うわけですね。  お手元に資料を用意いたしまして、一の一と書いてあります。これは十八年度の国の一般会計予算の表紙でございます。一枚おめくりをいただくと、これはたまたまです、何も意図があってここに丸をつけたわけではありませんけれども、管区行政評価局、そこの予算が上がっている。七十七億五千百七十五万九千円だというふうに予算書で上がっているわけですね。ただ、この予算書を見ただけで、この予算が適切かどうかなんということは全く判断ができないわけですね。七十七億という固まりを見せられて、これは適切かと言われると、全くわからないわけであります。  そこで、さらに調べてみますと、予算書にはさらに予算説明書がついているんですね。一の三をごらんいただきたい。この管区行政評価局予算七十七億五千百七十五万九千円の内訳がそこについているわけであります。  まず、上の方には事項別内訳がついている。事項が四つに分かれていて、合計で七十七億だと。下の方には、今度は歳出科目別内訳がついているわけです。職員の基本給からざあっと始まって、次のページ行政相談委員実費弁償金ですか、そこまでついているということですね。これで七十七億がよりわかりやすくなるわけであります。  しかし、ここまで見ても、ではこの予算は適切ですかと言われると、これでもやはり判断は必ずしもつきにくいわけでありますね。  そこで、我々は今まで、もっと詳しい資料を出してほしいというふうにお願いをしていたわけですが、残念ながらなかなか出てこない。先生が御所望なのは一体どの事業のどの費目のことが知りたいんですか、だったら、そこのところを御説明に行きますよということで、全体像はなかなか明かしてくれなかったわけでありますね。  ところが、最近になりましてから、さすが総務省情報重要性を理解しているというんでしょうか、私のあれでいきますと三の一というところ、済みません、ちょっとページが飛びまして。三の一をごらんいただくと、今のその七十七億というお金が、これは一例でございますが、次をめくっていただくと三の二で、こういうふうに庁費だとか諸謝金だとか、こういう予算の積み上げによって実は七十七億という予算を構成していますよという明細総務省はお出しいただけるようになったわけですね。  これは、予算中身が非常にわかりやすくなって、ああ、なるほど、こういう積算をしているのかというふうになったわけでありまして、これは私は非常にいいことだなと思っています。  ところが、ほかの省庁へ行きますと、余りこういう資料を出さないところが多いわけですね。私は、こういうものはやはりきっちり出すということが何をおいても大事なことではないか、情報公開をしっかりしさえすれば、さまざま、今情報を出せとか出すなとか言っている問題はたちどころに解決するわけでありまして、こういう資料というのはやはり霞が関の各省庁が備え置くということが大事ではないかと。  私がこの指摘をしたら、あるときこう言われました。逢坂さん、そんなことを言いますけれども、国の予算なんてネットで二百十二兆ですよ、そんな資料用意できるわけがないじゃありませんか、トラック一台分になるでしょうなんと言われるんですが、そんなことはないですね。今、ネットの時代でもありますし、いろいろな方法で公開することが可能なわけですから、やはりこういう資料を明確に公開しておくことが大事かなというふうに思うわけです。  そこで、先ほど大臣がおっしゃった、もう一つ重要なポイントがあります。  予算はそういうふうに計上されていることが、厚生労働省国土交通省はまだわからないんですけれども、少なくとも総務省の分はわかるわけですが、さすれば決算はどうかということであります。大変恐縮です、今度は二の一をごらんください。二の一が、これが同じく平成十八年度の一般会計決算書であります。それで、二の二を見ると、同じく管区行政評価局予算が出ておりまして、歳出済み額が七十三億九千二百九十万六千六百九十三円と、ここはもう円単位で出ていて、不用額が一億五千百万何がしということなわけであります。  でも、これではちょっとわかりにくいね、本当にちゃんと使っているかどうかわからないということで、今度は二の三にさらに明細書があるわけですね。それで、二の四をごらんいただくと、まさにこの七十三億の中身がざあっと書いてあるということになっているわけです。  しかし、この七十三億の中身も、ここに書いてあるぐらいの分類ですとやはりわからないということで、私は、この決算について、では、先ほど私が予算説明したような、三の一、三の二に見られるような、積算に対応するような支出をどうやったのかと。まさに先ほど大臣がおっしゃった、会議を三回開くと言っていたのが実は二回にしたから不用額が出たんだとか、そういう資料というのはお出しできないのかということをお願いしているわけですが、さすがにそこまではなかなか出ないというのが今の現実のようなのでありますけれども、なぜこういうことになっているのか、まず政府参考人の方から実態をお伺いしたいと思います。
  11. 田中順一

    田中(順)政府参考人 先生にはこの問題に従前から熱心に取り組んでいただいておりまして、いろいろ御指摘もちょうだいをいたしております。まことに恐縮でございます。  それで、ただいま資料で御紹介がございました三の一の予算明細のこの資料でございますが、これは、今御指摘をいただきましたように、先生から御指示がございまして、私ども実はこういうレベルで、あるいはこういう整理でもって、予算編成過程における作業に資する目的でいろいろな格好資料をつくっております。それを整理いたしましてお出しをしたということでございます。  これに対応するような、いわば決算のベースでこういう資料はないかという御指摘でございますけれども、決算につきましては、膨大な予算執行管理集計業務がございまして、現在、政府共通システムでございます官庁会計事務データシステム、いわゆるADAMS、これを使用いたしまして計数を集計して作成をしておるということでございまして、現在、ADAMSにおきまして、予算内訳に対比した集計機能というのは付加されておりません。  したがいまして、私どもといたしましては、現在のいわば予算明細に対する決算明細という格好のものは、先ほど大臣が申しましたように、情報の重要さそれから決算の重要さを認識した上ではございますけれども、ちょっと整理はできないということでお話を申し上げておるところでございます。
  12. 逢坂誠二

    逢坂委員 いみじくも、今、田中官房長から、そういう整理はできないんだという話でありましたけれども、であるならば、大臣、せっかく細かく予算積算したことが、本当にそれで妥当であり、そのとおり執行されているのかということは、一体どこで担保するんでしょうね。  せっかく、例えば八月から十二月まで、予算案をつくるために、霞が関で、各省庁財務省皆さんが御熱心にいろいろ協議をされて予算案をつくる。多分、千円単位の、私が三の二で示したような資料を、赤鉛筆を入れて、ここは要るとか要らないとかさまざまなことをおやりになられる、それで予算をつくる。  だけれども、執行段階になると、必ずしもこれに連携した整理ができていないということになるならば、その予算積算の適切さというのは、だれがどこでどうチェックするんでしょうかね。これはなかなか不思議でしようがないのでありますけれども。  財務省からも政府参考人にお越しいただいておりますけれども、財務省ではこういうことについてはどのようにお考えになっておりますか。
  13. 香川俊介

    香川政府参考人 予算積算につきましては、予算を適正に見込むために、一番ありそうな想定を置いて、例えば何人の人間が何カ所でというようなことでつくります。先ほど大臣からも御答弁ありましたように、実際にはそうしない方がいいこともございますし、それは執行段階で柔軟にある程度対応をいたします。  それで、決算書は目のレベルまででつくっておりまして、目の中での流用というのはある程度柔軟に認められております。  積算レベル執行管理するかどうかということですけれども、執行が硬直的になるとかあるいは事務量が相当煩雑になるということで、それは各省においてできる限りでやっておるということでございます。  例えば、庁費というのが一本そこにあると思いますけれども、庁費というのは、これは内訳光熱水料でありますとか修繕費でありますとか印刷費でありますとか、いろいろなものがございます。例えば財務省の場合ですと、その庁費内訳ごとに一応管理をしておりますけれども、それは役所によって違うやり方をしていることもございます。  我々、決算実態はどうでしたかというのを予算編成過程伺いまして、それは実態とかなり乖離していますねというようなことがあれば、翌年の予算編成のときにそれを是正していくということで、決算予算に反映するというようなことをやっておるわけであります。
  14. 逢坂誠二

    逢坂委員 国民皆さんにぜひ御理解いただきたいんですけれども、予算は確かに細かく、私が三の二で資料をお出しいただいたように、積算はされているようであります。ところが、今の財務省説明をお聞きになっていただいても、実は執行はそのとおり必ずしもやっていない、あるいはその積算どおりにやるということで逆に予算が硬直化していくとか、あるいはまた事務が煩雑になるとかということになれば、では、八月から十二月まで物すごい膨大なエネルギーをかけて予算編成をしている作業というのは一体何なんだということになりはしないか。  あるいはまた、今の予算が本当に適切に使われているのかどうかということをどうやって判断するんだ。これは、もう、一回予算がついてさえしまえば、非常に悪い言い方をさせていただきますと、目単位、場合によっては項単位で、どんぶりで予算執行したって、それはチェックさえされなければわからないということになりはしないかということなんですね。  このあたり、大臣、どう思われますか。
  15. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 私は財務大臣でないので、この問題に答弁する力はないかと思いますが、私も、皆様大変お世話になっております私の兄も、大蔵官僚の息子でございまして、父がまた大蔵省主計局畑をずっと行っておりまして、車なんか買ったりして子供を連れてドライブへ行って、川に橋がかかっていると、あの橋はおれがかけたと。これは大蔵省的感覚なんですね。自分で鉄を組んだわけではないけれども、あの橋はおれがかけたと。これは当時の大蔵省に非常によくあるタイプだったと思うんですが。  その自分の父親が、十二月の後半になると猛烈に忙しくなるわけですよ。大体、今とちょっと仕組みが違いますから、大みそかに帰ってくるか、十二月三十日に帰ってくるか、徹夜徹夜でくたくたになって帰ってくる。予算だ、予算だ、こういうふうに小学校のころから言われて、予算絶対主義みたいなものが我が家庭の中にもあった。大体、主計局長がやはり次官になる率が高いし、大蔵省といえば主計局だ、こういう感じだったわけですよ。  それで、私は二十八歳でおかげさまで国会議員になった。そうしたら、決算委員会というところへ入ったことはないが、決算が今と違って三年、四年ぐらい前のもの、一番おくれたときはどうでしょうね、何か本会議決算が回ってくるわけですよ、三年とかそれぐらい前のもので、何でこんな前のものをやっているのと言うと、いや、決算委員会というのはそういうものなんだと先輩に教えられた。今はもううんと狭まってきたけれども。  そういうふうな誤った予算絶対主義というのかな、決算はどうでもいいというのか、こういうものが日本の国でまかり通り過ぎていたのではないかという反省はみんなでしなければいけないのではないかと。  正確な記憶でないから仮定のこととしていただきたいと思うのですが、文部省なんかにいたときに、私の記憶が間違いかもしれませんが、単価というのがありますよね。例えば、子供たちをどこかへ連れていって訓練する企画があって、単価があるとしますね。何泊何日、例えば四泊五日で、どれくらいの単価で、これくらいの学校でやろうというふうに組んでおいて、実は希望が多ければ二泊三日にして倍ぐらいやっちゃうとか、そういうことも平気で行われていたような気がするんですね。そういうときには、やはり一つでも多くの学校子供たちに経験してもらいたいと思ったから、予算書では四泊五日にしたけれども実際は二泊三日で数をいっぱいやりましたよと、正直な告白があってもいいんだろうと思うんですね。  そういう意味で、そういう柔軟性も含めて、予算絶対主義から決算重視へというのは、正しい方向だとは思います。
  16. 逢坂誠二

    逢坂委員 今のお話で非常に重要だと思うのは、四泊計上していた、だけれども現場の状況に合わせて二泊にして対象人員をふやした、これは私は、予算上それはあり得ることだし、それが現実的だというふうに思っています。  しかし、問題なのは、そういったことを明らかにしないことなんですよ。一体どういう裁量をもってやっているのかを全く明らかにしないということなんですね。だから、実際に予算が足りるのか足りないのかなんて、今この国ではチェックなんかできないんですよ。要するに、バルク、大きな固まり、それでは予算は示されていますよ、八十三兆の内訳がどうだこうだということで。でも、本当に細かいところで、どれが本当に必要な予算であったのか、どこを裁量権をもってやったのかが全く明かされていない。こういう中で、例えば財源が足りるとか足りないとか、そんな議論をせよと言われたって、こんなのやりようがないんですよ。  国民皆様に、我々国会議員として、国会で予算議決した責任、おまえはあるだろう、逢坂とかとよく言われるんだけれども、私、国会で予算議決したという責任は余りとれないよな、責任とれるほど資料情報ももらってないしなというような感じなわけですよ。  ですから、大臣がおっしゃるような、裁量ある予算のある種の運営をすることは極めて大事なことなんですけれども、その情報をしっかり公開するということが私は必要だろうと。それをやらなければ、この今の財源足りるとか足りないとかなんという話にならない。この全面公開がまず先決だというふうに思うんですね。しかも、一部だけ公開してもだめなんですよ。全面的に公開をするということなんですね。  それで、私は、各省庁予算、今いろいろと見させていただいているんですが、大臣、埋蔵金議論というのがありますよね。埋蔵金議論と同時に、日本の予算には砂金があると思っているんです。それぞれの予算の中にいろいろな裁量幅が紛れ込んでいて、本当に必要な予算以外にどうも余裕幅を持って見ている省庁があるようなんです。だから、埋蔵金以外に砂金があるんです。砂金の場合は、きらきらきらきらしていて、これは精錬作業が必要なので若干手間がかかるんですけれども、砂金はフローでありますから、埋蔵金はストックだから一回使っちゃえばなくなるんですが、砂金は見つけさえすればこれはまたいい財源になるんじゃないかなというふうに私は思うんですね。  それで、財務省皆さんにもお伺いしたいんですけれども、財務省でも今いろいろと、財政大変だ、金大変だ、消費税何とかかんとかというようなところにも持っていきたいような雰囲気もあるようですけれども、これは少し決算情報の公開の仕方を変えるというような気持ちは、まずきょうの段階ではどうでしょうか。どうですか。
  17. 香川俊介

    香川政府参考人 先ほども申し上げましたけれども、執行する段階である程度柔軟性を持ってやった方が結果として効率的にできる場合がございます。それをすべてフォローするかどうか、資料としてとっておくかどうかということは、事務量との関係で……(発言する者あり)いや、変なことを言っているつもりはございませんけれども、相当な事務量になると思います。  その細かい、何カ所で何とかという、実際にどう使ったのかというのを全部把握して発表するということになりますと、決算を、項のレベル資料を出せばそれで足りるわけですけれども、積算レベルまで全部フォローして決算をつくるということになりますと、それは相当な時間もかかりますし、事務量が相当になると思いますので、サンプル的にいろいろなものを聞くとかそういうことは可能だと思いますけれども、事務的な対応がかなり困難だと思います。
  18. 逢坂誠二

    逢坂委員 いや、きょうは非常に意義深い委員会ですね。  要するに、私は、きょうの段階では、これをさらにどうするかというところまで、時間がございませんので進むとは思っていないんですが、マスコミの方は余り来ていないので残念ですけれども、マスコミの方にもぜひ御理解いただきたいんですね。実は日本の予算決算は何にも公開されていないということを今まさに財務省政府参考人がおっしゃったのと同一なんですね。  要するに、細かいところまでそんなの出せない、目ごとくらいだったら出せると。では本当にそれが適切かどうかなんということはわかりゃしないということですよ。そういうことの中で、金が足りるとか、この予算が適切であるとか、ちゃんと執行しているとか議論したって、本当に砂上の楼閣なんですよ。ここをやはり出発点にしなければいけない。ここだけは、しかも今ITの時代じゃないですか、やろうと思ったらいろいろなことできますよ。  それと、私、これも非常に驚いたんですが、これも伝票会計で、先ほどADAMSというシステムがこの霞が関に入っているというふうに言いました。ADAMSは単にお金を出し入れするだけのシステムであって、予算管理のシステムではございません。どうやって予算管理しているのかなと思ったら、主任さんとか係長さんというんでしょうか、わからないですけれども、若い方の御自分の机の席にあるパソコンで、エクセルとかで表を組んで予算執行管理をしているんですね。これはまたなかなか驚きでして、いや、最近、市町村でもなかなかそういうことをしないよなというのが現実なんですね。  ですから、ここはぜひこれから、きょうは問題提起だけにとどめておきたいと思いますけれども、これを明確にしない限りは、どんなに議論したって、日本の国ではいい予算編成はできない。  それで、先ほども言いました、日本の今の予算ネットで二百十二兆です。私の言葉で言うところの砂金の割合が、もし仮にそこに一〇%あるとするならば、二十兆の財源が浮くんですよ。五%だって十兆ですよ、砂金率。(発言する者あり)あの辺で笑っているかもしれませんが、あそこで笑っている方々は予算実態を知らない方です。  私は、実際に現場に行って細かく見て、自分の体験も踏まえて、やはり見ればわかるんですよ。どんな小さな自治体といえども、二十年近くにわたって予算査定の作業をさせてもらいました。このぐらいの事業をやるのにこんなに金がかかるはずはないとか、これは過大だということはよくわかるんですね。しかも、そこの執行中身を最終的に見せない。これはやはりとんでもないというふうに言わざるを得ないんですね。砂金率が仮に五%だったら、大臣、十兆ですよ、十兆。だから、ここをもう少し明確にすると、与党も野党ももっと心安らかに財源議論ができるようになると私は思います。大臣、いかがでしょうか。  これは、財務大臣としてということじゃなくて、せめて総務省の経理はもうそういうふうにやってもらうということで。総務省はもう随分突っ込んで資料を出していただいていますので。
  19. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 一生懸命法律の提案理由説明したんですけれども、余り聞いていただけないのが残念でございますけれども。  おっしゃることの意味はよくわかりますが、私は、決算が大事だということは非常に痛感するし、決算内容が明らかになって本当は次の予算を考えればいいわけで、私の家なんかは家計は完全にそうで、予算というものは一切考えたことがないんですけれども、東京と久留米と両方に家があればいろいろな費用がかかって、それで、決算はあるんですよ、それでは今度は少しこうしよう、ああしようと考えるわけですから、決算が大事だというのはわかりますが、砂金がそこらじゅうにあるというのは本当にどうであるか、私はよくはわかりません。  また、埋蔵金の議論も、例えば、きょうは二時四十五分ぐらいの時点で日経平均が九百円以上下げていまして、ドル安も進んで、幾らだったかな……(発言する者あり)九十幾ら、もうそんなになったの。私は、予算委員会の隣が専門家の与謝野先生ですから、与謝野先生に、仮にこれが九十円ぐらいになるとどうなるのと言うと、いやあ、外為特会に逆埋蔵金ができるなというぐらい変化激しいものだと思いますから、実際には、埋蔵金とか砂金とか、なかなか難しい問題だとは思います。
  20. 逢坂誠二

    逢坂委員 質疑時間が終わりましたので、これでやめたいと思いますが、今大臣がおっしゃられたようなことを明らかにするためにも、情報の全面公開なんですよ。そうすれば、砂金率なんてないんだということも国民にも御理解いただけますし、実は埋蔵金というのはそういう性格のものだということも御理解できるわけですので、全面公開がやはり一番の肝だというふうに思います。  時間がなくなりましたけれども、手元に資料を幾つかつけました。今、地方財政は大変なところに来ているのはもう大臣も御案内のとおりだと思います。六百五十六億については、もう早目に、多分、自治体ではみんな口をあけて待っていると思いますので、私は早目にというような感じでおりますので、よろしくお願いいたします。  以上で終わります。
  21. 赤松正雄

    赤松委員長 次に、小川淳也君。
  22. 小川淳也

    ○小川(淳)委員 民主党の小川淳也でございます。  鳩山大臣、きょうは大変論戦を楽しみに参りました。非常に存在感のある方でいらっしゃいますし、また、かねがねいろいろな御発言、非常に刺激的な、楽しみに参っております。  まず、いみじくも大臣おっしゃいました、きょう、一昨日からの補正予算審議、きょうまさにこの後衆議院を通過しようとしているそのときに、終わり値で申し上げます、九百五十二円下落いたしました。九%以上。日経平均終わり値で九千二百と三円。こんな下げ幅、私見たことがありません。地方経済、地域経済、地域の景気、責任を負われる、また経済財政諮問会議の担当大臣として、御見識をいただきたいと思います。
  23. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 少なくとも補正予算を提案する、あるいはその前に、総合経済対策をつくった時点にはまだこのリーマンの話はなかったわけで、そこから激しい変化があって、一たん落ちつくのかなと思ったらこのような形で、きょう、史上最大かどうかわかりませんが、日経平均が下げる。恐ろしい激変で、これは、まず日本の経済をどうするかということを真剣に考えなくちゃいけない。  日本の金融機関は、アメリカの金融機関よりも先にさまざまな経験をしたから体質が強くなっておりますけれども、実体経済にどんどん響いていくと、えらいことになると思います。
  24. 小川淳也

    ○小川(淳)委員 ありがとうございました。  一つには、深刻に受けとめる必要があろうかと思います。もう一つには、国内の特に投資家に対して冷静な対応を呼びかける必要があるでしょう。  そしてもう一つには、アメリカに始まったマネーゲームが実体経済を振り回す。本当に我々は、一般の庶民の暮らしですよ、本当につつましく暮らしておられる方々がこういうことに一回一回振り回される。もういいかげん、このマネーゲームを中心にした、金融経済が実体経済を振り回す、しっぽが体を振り回す、こういう経済との決別といいますか適正な関係、そろそろ考えていく時代に入っていくんじゃないかと思います。  参考までに申し上げます。きょう、これは九%以上の下落ということは、恐らく、きょう一日で三十兆円、東証株価の総額でいえば三十兆円、国民の財産が毀損しています、見かけ上です。ことし年初来きのうまでで百六十兆円。福田総理が辞任されてから二十兆円、麻生内閣が誕生してから六十兆円、きょうの三十兆円と合わせて約百兆円、国民の富が毀損しています。  そういう中にあって、大臣、今回の補正予算総額で一兆八千億、見かけ上ですね、実質一兆円。単純比較はできませんよ、単純比較はできませんが、このボリュームだけは、国民の富が年初来二百兆円近く毀損している中での一兆円の補正予算を議論しているということに関しては、改めて認識をお願いしたいと思います。  これは個別に中を、全部時間内に申し上げるわけにいきませんから、少し気になっているところだけ確認します。  まず、年金記録、これは大きな問題ですね。二百四億円の補正予算を計上しておられます。きょう、厚生労働省にもお越しをいただきました。記録の解明、どんどんこれは進めていただかなければなりません。最後、紙台帳に当たるしかないわけですね。  全国の第三者委員会大臣、所管ですよ、年金記録の第三者委員会、春先まで三千件ぐらい記録の訂正をあっせんしていました。この秋、一万件。しかし、大臣、ここを注意してください。一万件認められている一方で、一万四千件拒否されていますからね。第三者委員会は、そもそも証拠のない人のための機関であったはずが、非常に厳しく証拠を求める方向へ移行しつつあります。この点はぜひ注意深く警鐘を鳴らしたいと思いますが、地元の第三者委員会を含めてこういう声がありますので、社会保険庁、これだけ確認させてください。  紙台帳に当たるしかありませんが、マイクロフィルムになっているもの、これに、第三者委員会に社会保険庁から貸し出しをした端末からマイクロフィルムへアクセスできない。紙で元台帳を請求すると、他県のものも含めて一月近くかかるということがあります。これは早急に対応をお願いしたいと思います。これが一点。  もう一つ、社会保険庁から貸し出しをしている端末、すべて有期契約で、一年前後だそうです。これはリース期間が終わったら、貸し出しの期間が終わったら引き揚げられるんじゃないかと第三者委員会あるいは社会保険労務士会、不安に思っています。それはないこと、この二点、確認させてください。
  25. 石井博史

    石井政府参考人 お答え申し上げます。  二点御質問をちょうだいいたしました。  まず二点目から申し上げますと、要するに、リースの契約期間が一年間である、それがその期限を迎えた時点ですべて引き揚げられるのではないか、こういう御趣旨だったかと思いますけれども、私ども、年金記録の解明、統合、これは是が非ともやらなければいけないというふうに思っておりますので、一たんそういう形で期限が来ましょうとも、そのときの状況に応じてこれは適切に対応したい。したがって、現時点において、引き揚げるというような考え方は一切持っていないということを明言させていただきたいと思います。  それから、私ども、現在、中央それから地方の第三者委員会の方に、御要請もございまして、百四台のウィンドウマシンを貸与させていただいております。このウィンドウマシンからのマイクロフィルムへのアクセスでございますけれども、大変恐縮でございますけれども、使用しております回線のいわば処理容量、これが小さいタイプのものでございまして、したがって、マイクロフィルムといった非常に情報量の多いものへのアクセスはできない仕様、オンラインの記録は見ることができますけれども、そういうような仕様になっております。  これをそのような大きな容量のものにかえるとすると、これは専用回線を改めて引き直すということになります。これはこれで、厚生労働省のいわば回線のネットワークシステム、これを組織の外の、省外の組織とつなぐという観点からの検討も必要になってまいりますものですから、大変恐縮でございますけれども、そういう観点からの検討も、技術的に可能かどうか、そこは考えさせていただきたいというふうに思っております。
  26. 小川淳也

    ○小川(淳)委員 簡単だとは思いません。簡単だとは思いませんが、最近、PDFファイルですか、さまざまな文書、ドキュメントに、インターネットを通じて、回線を通じてアクセスするというのは当たり前の時代ですから、これはぜひ引き続き鋭意検討をお願いしたいと思います。  大臣、本題に入ります。  この補正予算、既に予算委員会審議されているところでありますが、この年金記録あるいは原油高対策等々、さまざまな数字が込められておりますし、私どもこれは賛成しましたので、一つ一つ効果を発揮するように、あとはもうこの年度はそんなにありませんが、半年ありませんが、着実な執行に努めていただくように、衆議院としてはお願いするということかと思います。  本題に入ります。  この地方税等減収補てん臨時交付金、こういうことですね。ことし、暫定税率が失効いたしました、一カ月間。これによって地方財政に、六百五十六億円ですか、収入不足が生じた。これを交付金という形で埋めたい、埋められるというのが今回の提案の趣旨と承りました。  大臣、ここは二通り私はあろうかと思うんですが、六百億円の歳入の欠損、これは、たかが六百億か、されど六百億か。ここまで法案化して予算化して配らないと自治体の財政運営は困るんですか。そういう御判断ですか。
  27. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 私はかつて東京を選挙区とする議員で、二十五、六年やっておったんでしょうか、そして、福岡六区というところに移ってちょうど三年たったわけでありますけれども、それは市もあれば町もあるわけでございまして、地方の非常にくたびれている姿というのがひしひしと感じられますし、それこそそれぞれの首長さんたちが、あともう少し、ちょっとでもお金があればということをいろいろおっしゃっているところを考えますと、この六百五十六億というのはたかがではないなというふうに思います。
  28. 小川淳也

    ○小川(淳)委員 まさにそこは判断の分かれるところだろうと私は思います。  地方財政規模、大臣御存じのとおり、約百兆円ですよね。六百億とは、百分の一の百分の六です、万分の六。これをわざわざ法案化して、いろいろ事情はあったんでしょう、地方に配るということをしなければ、それは地方の立場からすればお金はあるにこしたことはないですよ。しかし、私が問題にしたいのは、こういう体質、小さな親切は大きな迷惑じゃないかと、私は地方財政に関してはそういう意見を持っているわけです。そういう見解を持っている。  では、大臣、重ねてお尋ねします。  これは道路財源の閣議決定。当時、四月、五月大変すったもんだいたしました。きょう委員長のお許しをいただいて資料をお配りさせていただいているかと思うんですが、閣議決定の中身に、「暫定税率の失効期間中の地方の減収については、」「国の責任において適切な財源措置を講じる。その際、地方の意見にも十分配慮する。」これは閣議決定の内容です。  これを受けた、七月の十八日、全国知事会の道路財源対策本部から要望が上げられていますね、総務大臣。地方債の対応ではなくて特例交付金によって補てんしてくれ、約六百六十億。これが今回の対応につながっている。  もう一つ、ガソリン税の四分の一は地方道路整備臨時交付金として地方に配ることが決まっているんでしょう。これ、約三百億についても、当初予算額の全額に相当する額を措置せよと、これは全国知事会から要望が上がっていますが、こっちの方、これはどうなったんですか。財務省でも国土交通省でも結構です。
  29. 西脇隆俊

    西脇政府参考人 お答え申し上げます。  今御指摘の、本年度の地方道路整備臨時交付金につきましては、暫定税率が一カ月間失効するということに伴いまして揮発油税収の減収が見込まれましたことから、機械的に約三百億円を留保して公共団体に配分しておるところでございます。  この交付金、非常に、道路整備を進めるために重要な予算でございますし、地方からの要望ということは承知しておりますが、今後、この留保分の取り扱いにつきましては、この交付金による事業の進捗状況とか、あと税収全体の動向、あと制度が持っております趣旨、そんなものをさまざま踏まえながら、引き続き関係機関と調整してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  30. 小川淳也

    ○小川(淳)委員 大臣、今国交省のをお聞きのとおりです。三百億については、今後の税収動向とか事業執行状況を見きわめるというのが国交省の答弁。  もう一つお尋ねします。国にも、ガソリン税の暫定税率が失効した影響で欠損が生じていますね、一カ月分。これ、国の、補正予算では今回どう対応したんですか、あるいはしていないんですか。
  31. 田中一穂

    田中(一)政府参考人 お答えいたします。  国の税収の見積もりについてのお話でございました。  国の税収につきましては、既に判明しております課税実績だけではなくて、今後の経済動向等も考えながら、これにも左右されることでございますので、進行年度の国の税収の補正を行うかどうかについて、これを総合的に勘案して、年度を通じまして一体的に取り扱うべきものだというふうに考えておりまして、今回の補正予算では、揮発油税収を含めて税収の補正を行っておりません。
  32. 小川淳也

    ○小川(淳)委員 大臣、これもお聞きのとおりです。国は約一千億近い欠損、これは今後の税収動向、経済動向を見きわめると言った。国交省は、臨時交付金の三百億、これも今後の事業遂行等見きわめると言った。これは一つのあり得る見解なんですよね。  大臣にお尋ねします。  これは六百億、私は百分の一の百分の六だと申し上げました。一万分の六、地方財政全体からいえば。これを手とり足とり、小さな親切を込めて法案化して補正予算に組み込んで配る、これが大事だと今大臣はおっしゃった。そのお立場からすれば、三百億、絶対に措置しろと今回の補正予算で主張すべきではありませんでしたか、国交省に対して、あるいは財務省に対して。逆のお立場なら、これは後ほど議論したいと思いますが、逆のお立場なら、六百億ぐらい、自治体に、迷惑はかけたけれどもこのぐらい何とかするだけの財政規律を持ってくれと総務大臣として言わなきゃいけない。これはどっちですか。整合性をとる立場としてどうですか、総務大臣
  33. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 私も突然総務大臣になりまして、正直言って、ちょっと予想していた場所と違ったものだから、それはにわか勉強しているところもありますが。  ただ、いわゆる六百五十六億円問題というのを知って、これは閣議決定もある、そのころ私は法務大臣として内閣にいたんだと思う、そのときにやはり一番最初に感じたのは、どうも国から来るいわゆる補助金の方は、予算ベースで五千五百八十一億円となっていますが、これは国の直轄事業を減らすことによって地方の方は減らさないらしい。これはいいんですが、今あなたがおっしゃった、ガソリン税の四分の一はどうなんだ、これは減っちゃうじゃないか、三百億か、何とでもとらにゃ地方がかわいそうじゃないかというふうに大騒ぎをしたわけですが、そのときには既に補正予算やこの法律はこういう形になっておりましたので、これは三百億も、たかがじゃなくてされどというふうに思っています。
  34. 小川淳也

    ○小川(淳)委員 これは大臣、お気持ちはわかりますよ。しかし、閣僚の矜持として、過去がどうだったとか、いつ就任したとか、そういうことはおっしゃらないのが多分一種のルールでしょうね。総務大臣として今後の対応をお聞きしているわけですから、そういう御答弁は、失笑が出ていますけれども、これじゃ済みませんよ。しっかりした御見識をいただきたいと思います。  もう一回整理しますけれども、今おっしゃいました、三百億絶対なら、それでいいわけですね。しかし、さっき申し上げた、小さな親切は大きな迷惑だ、迷惑になり得るということを私は申し上げたい。  これから地方財政運営に当たられますからあえて申し上げたいのですが、ことし一月、この総務委員会で、十九年度補正予算の関連法案の審議がありました。その理由は、一兆円税収見積もりを下回ったからです。一兆円税収見積もりが下回れば約三千億、三〇%ですから、地方交付税にはね返りがあるわけですね。しかし、地方財政当局は、交付税については十一月にもう配り終えていますと。三千億、これは自治体に返してくれなんて言えませんということで、増額補正をやるわけです。増額というか、当初どおり配りますという補正予算を上げてきた。その三千億の財源、翌年分から持ってきますという話ですよ、総務大臣。  これは、またよく地方財政運営に当たって御認識をいただきたいんですが、バブルが崩壊するまで地方の借金というのはわずか五十兆円でした。現在二百兆円。国も一緒のような状態です。しかし、さまざまな理由をつけて国は地方に対して景気対策等々つき合わせてきた。借金してどうぞやれ、その借金の返済金は交付税で面倒見てやるからと言い続けてきた。その交付税総額たるや、かつて二十兆円を超えた時代がありました。しかし、今や十五兆円から十六兆円。地方にしたら、これは詐欺に遭ったようなものですよね、総務大臣。  つまり、本題に戻りますが、地方財政計画の性格をどうするか。地方財政計画で約束したから、わざわざこんな六百億程度、法案までつくって、交付金で配りますという小さな親切はいっぱいやっている。しかし、ありもしない空手形を切って、翌年から翌々年から金を持ってきます、安心して借金して使え、これは最終的には大きな迷惑でしょう。財政規律が働くような地方財政の仕組みに抜本的に変える必要があると思いますが、大臣、御見識をいただきたいと思います。
  35. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 三位一体改革というのがありましたね。あのときに単に補助率を下げただけのものが幾つかありますね。私は義務教を二分の一から三分の一にする、最初は何か小学校だけじゃなくて中学校だけやるとかなんとか、わけのわからぬことをやった。とにかく補助金を四兆円減らすんだということで騒いだ。私は意味がわからなかったんです、実は。だって、補助率下げるだけで、二分の一から三分の一にしたって、それは義務教育というのは、それこそユニバーサルサービスで、広くあまねくどこでもきちんとやらなくちゃならないことだから、そんな補助金の削減というのは全く意味がないんじゃないのと私は論陣を張った方だったと思うのです。  結局、補助金が四兆七千億減っていく。しかし一兆円ぐらいはスリム化対応だ、交付税で七千億ぐらいかということで、ここの計算もちょっと怪しい。本当だったら単純に補助金を五兆円切ったら税財源を五兆円という、これがイコールフッティングでちょうどいいんじゃないかと本当は思う。そのときにいろいろな理由がくっつけられて、交付税が五兆一千億か、削られたことが、やはり自治体の長の方にしてみれば決定的に響いているということは随分おっしゃる。さっきあなたがおっしゃったように、かつて二十兆あったものが十五兆になっていくプロセスというのは、そこの交付税の激減があるわけですね。これが三位一体という中でなされた。この後遺症は何とかせにゃならぬと思って、どういう工夫があり得るかわかりませんが、根本的に言えば地方の自主税源をふやす以外にないんではないかと思っておりますけれども、私はそんなふうにとらえております。
  36. 小川淳也

    ○小川(淳)委員 大臣、のっけから厳しいお尋ねなんですけれども、とにかく小さな親切は最終的に大きな迷惑になる可能性がありますよ、これはたくさんの自治体との関係で言えば。その点、ぜひどこかに置いていただいて、今後の地方財政運営に当たっていただきたい。  もう一つ、この法案に関して、私は見逃せない論点があると思っていますが、法案の第七条、この交付金、六百億余りの交付金は、道路にしか使えないと書いてある。これは大臣、この交付金の財源は、ガソリンを入れた人とか自動車を買った人じゃないでしょう。一般の方が一般に払った一般の税金が込められたはずなんですが、これを道路にしか使えないとあえて縛ることの、論理的な根拠と政策的な意味合い、お尋ねしたいと思います。
  37. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 これはやはり閣議決定によって政治的に決められたものだろうと思うわけで、それは一月分、六百五十六億円の穴があいたときに、これは当然各自治体は道路関係のものとして当てにしていたものが、上乗せ分が入ってこなくなったわけだから、その分を埋めてあげようという形で、その財源、今度お渡しする交付金は道路に使ってくれというふうにしたんだと。これは確かに、理屈からいえばそういう理屈もあろうかと思いますが、あのときの閣議決定で、これは平成二十年度に限った措置でありますし、また、来年度からは一般財源化しますのでこれはまた大きな変化があるだろうと思いますが、二十年度に限った今回の措置としては、やはり道路に使っていただくということです。
  38. 小川淳也

    ○小川(淳)委員 そういうことなんでしょう。私はあえて論理的な根拠と申し上げましたが、つまり、これは整理するとこういうことですね。  この六百億は、たかが六百億かされど六百億か、ここは依然議論が残ります。しかし、今大臣がおっしゃったように、道路財源に六百億の穴があいた、その穴だけは絶対に埋めなきゃいかぬ。ほかに使えたはずの六百億をそこへ持ってきたわけです。まさにこれはことしの国会で大きな、もうさんざん議論をいたしましたが、道路を最優先にしているわけでしょう。道路政策を最優先にしているわけですよ。道路の欠損だけはほかから持ってきてでも埋めなきゃいかぬ、道路の財源の穴だけはあかないようにということを、まさにこの法案の第七条は、長らくの道路を優先してきた、いや、この際、道路に使いたいところは使えばいいんですよ。これは我々のかねてからの主張。道路に使いたいところは使えばいい。しかし、わざわざ国が縛らなくてもいいでしょうという議論をしてきた。しかし、おっしゃってこられたのは、いや、これは自動車に乗っている人がガソリンに払うときに払った税金だ、自動車を買うときに自動車を買った人が払った税金だ、道路以外に使うのはおかしいでしょうという論陣を政府は張ってこられたわけです。  額は小さいですよ、六百億。しかし、構造的に道路財源に充てる論理的な根拠も薄い。道路を最優先してほかの財源を犠牲にしている。これは本当に、道路を最優先してきた古い政治の象徴だと思いますよ、この法案は。  ぜひその点、改めて、今大臣がおっしゃった一般財源化に向けた決意も含めて、御見識をいただきたいと思います。
  39. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 私は、もちろん地元の道路に関してはそれはいろいろ一生懸命やりますが、決して道路最優先という発想で生きてきておりませんし、いわゆる道路族でも何でもないと思っております。  今回は、平成二十年度限りとして、もともと道路目的財源として当てにしていたものが穴があいたから、これは道路に使っていただくという形でこの交付金をお配りする。しかし、これは福田前総理の英断で、一般財源化を来年度からする。  私は、一般財源化するということについて、あのころは法務大臣という形で内閣におりましたが、私が受け取った感触はこうなんです。福田総理が委員会でおっしゃったかどうかわかりませんが、目的税でなくなるのだから、これは新しい税金になるんです、生まれ変わるんです、新しい税金に生まれ変わるということは、当然、税率も新しくいろいろな観点から考えるんですと。  これは大変な英断だと思うわけで、私は、そういう中で、暫定税率をどうするかという大問題もありますが、これは暫定税率というんじゃなくて、新しい税率をどこまでどうするかということで今度は考えるんでしょう。その税率の中で、環境のことも考えなくちゃいけないでしょう。環境税的色彩も帯びるかもしれない。さて、どう使うかというのは来年度からの最重要課題ですね。
  40. 小川淳也

    ○小川(淳)委員 道路財源の一般財源化は、大臣、強力に私は進めていただきたいわけです。予算委員会を拝見していて、これは私の直観ですけれども、麻生総理も、一般財源化と言う以上、二、三割はやはりほかに使わないとだめでしょうね。こういう直観的なことを言って政府にやらせるのが閣僚の務めですよ。それをやはりぜひお願いしたいと思うんです、大臣。  それから、きょう、内閣官房、国交省、お越しをいただいておりますが、時間の関係でまとめてお尋ねしますので、お答えください。  二十年五月の閣議決定、先ほど来話題にしています閣議決定の四項めで、道路の中期計画は五年とする、十年を五年に半減する、最新の需要推計を基礎にして新たな整備計画を策定する、この計画を二十年度道路予算執行に厳格に反映する。これは五月の閣議決定です。  二十年度予算執行に厳格に反映させるだけ、今の段階で新需要推計に基づいた新たな整備計画はどの程度進んでいるんですか。これを本気でどの程度進めようとしているんですか。途中経過を含めてお答えをいただきたいと思います。  もう一つ、この閣議決定の六項めに、これらの具体化、一般財源化等々を進めるため、道路特定財源等に関する関係閣僚会議を設置する。総務大臣はメンバーのお一人です。道路特定財源等に関する関係閣僚会議、これは一体いつ開催して、現在どういう経過にあり、どんな成果につながっているのか、この関係閣僚会議。  二点、それぞれ御担当のところからお答えいただきたいと思います。
  41. 西脇隆俊

    西脇政府参考人 前半の質問についてお答え申し上げます。  閣議決定しております基本方針には、まさに今委員御紹介のように、五年の中期計画を最新の需要推計を基礎に策定するということになっております。  この中期計画の策定に当たりまして、私ども、この基本方針に沿いまして、見直すべきものは見直すとともに、地域にとりまして必要な道路が何か、何を優先すべきかというような議論を丁寧に行うべきだというふうに考えておりまして、九月半ばから、道路行政の改善点も含めまして、国民各層とか各地方公共団体に対しまして意見、提案の募集をしておるところでございます。  今後は、これらの意見を踏まえるとともに、今お話がございました最新のデータを使っております交通需要推計がございます、これも今策定作業中でございまして、これを参考に精力的に議論を行いまして、遅くとも年内には道路整備の選択と集中の考え方を示します新たな中期計画を取りまとめたいという考えで、現在作業を進めておるところでございます。
  42. 野村正史

    野村政府参考人 それでは、二点目についてお答えを申し上げます。  先生指摘のとおり、五月十三日に、この道路特定財源等に関する基本方針を閣議決定するとともに、あわせて、その具体化を進めるためとしまして、道路特定財源等に関する関係閣僚会議を開催することについて、これは閣議口頭了解が行われたところでございます。これを受けまして、五月十六日、内閣総理大臣の主宰のもと、総務大臣財務大臣経済産業大臣、国土交通大臣、内閣官房長官が出席しまして、第一回会議を開催し、意見交換を行いました。そして、今後、年末の予算編成に向け、国民の理解が得られる具体的成案を得るよう検討を深めていくとされたところでございます。  現在は、関係府省におきまして鋭意検討が行われておるところと承知をしてございます。
  43. 小川淳也

    ○小川(淳)委員 時間が参りましたのでやめますが、大臣、今お聞きのとおりです。五月の十六日に関係閣僚が集まって、それっきりですよ、道路の関係閣僚会議。ぜひ大臣、先頭を切っていただいて、一般財源化に向けた議論をリードしていただきたい。そのことを改めてこの場をおかりしてお願い申し上げたいと思いますし、また、国交省さん、年内に新たな計画をつくれば、二十年度予算執行に厳格に反映ですからね。この閣議決定の言葉の重みをぜひかみしめていただいて、今後の行政運営に当たっていただきたい。このことをお願い申し上げ、質疑を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  44. 赤松正雄

    赤松委員長 次に、塩川鉄也君。
  45. 塩川鉄也

    ○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。  法案について質問いたします。  この道路特定財源制度の中でのこの法案、地方の財源の穴埋めをするのは当然のことでありますが、世論調査でも、国民の六割は道路特定財源の一般財源化を支持しておりました。今回の法案では、使途を道路に限定するとなっております。  そこで、大臣伺いますが、なぜ使途を限定するのか、なぜ一般財源として自由に使えるようにしないのか、その点についてお答えください。
  46. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 これは、先ほどお答え申し上げましたように、いわば政治的に閣議決定されたものと言っていいのかと思います。つまり、暫定税率の上乗せ分が一カ月分失効した。それが地方に六百五十六億円の穴を生んだ。これはやはり、各自治体が道路関係の予算と思って見込んで組んでおったものが消えていってしまったわけだから、この際、この穴は、この六百五十六億円は道路に使っていただこうというふうに決めたわけでございます。  しかも、これは平成二十年度限り、全く一回限りの措置でございまして、福田前総理の英断によって来年の四月からは一般財源化するわけでございますから、道路関係諸税も新しい税金に生まれ変わるということで、これからのことはこれからのことで大いに議論をしていけばいいと思いますが、今回は道路ということで御理解ください。
  47. 塩川鉄也

    ○塩川委員 日経新聞の報道なども拝見しても、ことしの四月の時点で、ある県では、道路整備費のほかに、イベントですとか教育ですとかあるいは福祉を含む幅広い行政経費について、一部の執行を留保したということが行われた。ですから、それが現時点でどういうふうになっているかということの実態調査もおありではないと思いますけれども、交付金ですから、福祉にも医療にも教育にも、もちろん道路にも使えるように、充てるようにすればいいわけで、福田総理も一般財源を言ったわけですし、もともと今回の六百五十六億円は色のついていないお金から持ってくるわけですから、例えば地域住民が願う地域の公立病院の維持の費用に充てるとか、そういうことだって可能にする選択肢があってもいいんじゃないですか。いかがでしょうか。
  48. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 今度の交付金は道路に使っていただかなければなりませんが、ただ、道路関係の予算決算段階でも同じだろうと思いますが、都道府県は道路関係に使うお金の大体四割ぐらいでしょう、目的税や何かで入ってくるのが。市町村に至っては三四、五%しかないんじゃないでしょうか。そこの穴を埋めているわけですけれども。  ですから、そのことを考えると、金に番号は振れませんから、やりくりでやっていただける部分もゼロではないかと思いますが。
  49. 塩川鉄也

    ○塩川委員 地方の財源の自由度を制約すべきではないということを申し上げたい。  もともと道路建設の予算はこの間ずっと減っていて、地方の単独事業もずっと減っている。しかし、そういう中で国の直轄事業費はふえているわけですよね。それは、道路特定財源の制度というのが高速道路を優先するという仕組みになっている、そういう中で生まれているわけで、高速道路優先の道路政策から、地域の住民に身近な生活道路の維持管理などを中心にした道路政策への転換を求められております。そして、道路特定財源をなくして、国民生活にとって緊急性と優先順位に従って何にでも使える一般財源化を図ることが国民の要求であります。その点で、今回の法案が道路特定財源制度の枠内での措置という点で私どもは同意ができない、このことを申し上げるものであります。  その上で、やはり今の地方の実情というのは深刻であります。そこで、大臣が初閣議後の記者会見で、麻生総理の言葉を紹介されておられるのを拝見いたしました。麻生総理は、去年の福田内閣誕生で無役になって、地方行脚して、地方は疲弊をしている、これを元気にしなければこの国は元気にならないとおっしゃったということですが、では、一体だれが地方を疲弊させたのか、お聞かせください。
  50. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 やはり一番大きな原因は、一極集中、あるいは一極だけでなくても大都市への集中ということが自然に起こっていったことなんだろうと思うわけでございます。それに、高度経済成長期は遠く去り、バブルも去りというような要素が加わっていったんだろうと思います。  そこで、地方分権ということで、これは地方分権だ、地方主権だというのは全く正しいことなのですが、三位一体改革というのをやった。大いに意味のある改革をやったんですが、私は、税源の移譲が決して十分ではなかった。ただ、所得税から住民税への移しかえ、このことによってもまた地方によって随分ばらつきが、有利不利が出てきてしまう。  補助金は四兆七千億円も切っていった。それで、国もスリム化をやるんだから地方もスリム化しろというので、地方も随分努力をした。地方の普通会計というんでしょうか、多分十兆円ぐらいの減がこの数年の間に起きている。非常に厳しい財政状況の中で、五兆一千億ですか、地方交付税が減額をされたのも極めて大きいと思うわけで、ここで地方税財源、税源も財源も真剣に考えないと地方を本当に元気にすることはできない、こういう使命感を持って日々を過ごしております。
  51. 塩川鉄也

    ○塩川委員 一極集中が何か自然に起こったような話をされますけれども、やはりこの間の大都市に資源を集中するような規制緩和政策、これが後に大きな影響を与えたんじゃありませんか。  そのときに、だれが政権を担っていたのか、このことが問われる。まさに麻生総理が、日本経済は全治三年と言いますけれども、では、全治三年にするような大重体に追い込んだときに、政権にいたのは一体だれだったのか。自民党、公明党の皆さんじゃありませんか。その責任こそ問われているんではありませんか。九〇年代の公共事業を積み増しするような国のやり方が地方の借金も膨大にし、その上に、二〇〇〇年代の三位一体改革という名での五兆円の地方交付税の削減というのが大きな影響を与えた。そのことを今大臣も、五兆円の減額というのは大きいということをお認めになったわけですから、その点を行ったのが一体だれかといえば、小泉内閣のときの自民党、公明党の政治であります。  その点では、大臣も記者会見で、この五兆円の地方交付税がボディーブローとしてきいて地方の元気がないというお話をされますけれども、では、この地方の元気を奪う五兆円の地方交付税の削減を行ったときの総務大臣というのは一体どなたでしょうか、お聞かせください。
  52. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 私の記憶に間違いがなければ、片山さんから麻生さんに移っていったのかなと思いますが。
  53. 塩川鉄也

    ○塩川委員 五兆円の地方交付税削減のときの大臣は、片山大臣と麻生大臣と、それから竹中大臣が最後の方で少しかかわってこられたわけであります。  ですから、小泉内閣の発足以来、麻生総理はいつも中核におられました。まずは自民党の政調会長の任につき、その後総務大臣の任につき、その後外務大臣ということで、小泉内閣の期間は政府と党の要職をずっと務めた方であります。そんな方というのは、麻生さん以外だと竹中さんぐらいしかいませんよ。ですから、小泉内閣の右腕が竹中さんだとすれば、左腕の役割を果たしたのが麻生総理ということになるんじゃありませんか。  地方の元気を奪うような五兆円の削減を行った、そのいわば張本人の一人が麻生総理本人だ。そのことへの反省の言葉が一言もない、このことについてはどのようにお考えですか。
  54. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 もちろん、三位一体改革ということには大きな意味はあるわけですね。ただ、私はボディーブローという表現をいたしましたが、みずからが、大都会が選挙区だった者が福岡の久留米というところに移って政治活動をやっておると、とにかくそれは極端な違いを感じるわけですよね。地方団体の、例の再生団体とか早期健全化団体とかというのの四つの指標の最後は、将来負担みたいな項目がありますね。この間見たら、東京二十三区、私がかつて選挙区としておったのは文京区、台東区、中央区ですが、三区とも将来負担がマイナスだというんですね。つまり、配当が残るという。ほかの自治体が何百%という将来の負担みたいなのが残っているのが、負担がマイナスだということは、プラスだということですよ。もし自治体をやめれば、金をみんなに配って回れるという話になる。そこまで違うのかと思うと、本当に愕然たる思いがいたすものです。  麻生総務大臣時代、懸命にやられて、よかれと思ってなさったことが、やはり多少効果を発揮できなかった部分とか、そうしたものを、十カ月に百六十一回全国行脚をする中で、地方を回って講演をして、地方の声を聞いて、今よくわかられたのではないだろうかと。  そういう意味で、当然、今までの三位一体の若干の反省も多少はあると思うんで、それを含めて、鳩山、おまえは地方を元気にしろよ、こういう指示を与えてくれているんだと思っています。
  55. 塩川鉄也

    ○塩川委員 自分は反省したからよろしくという指示を出したわけじゃありませんでしょうから、そういう点でも、反省もなしに具体的に本当に対策がとれるのかというのが、私どもが訴えるところであります。  そこで、大臣地方交付税の五兆円の削減が非常に大きいとお認めになったわけですから、これをどうするのかということであります。地方団体からは、昨年から地方交付税の復元、増額という要求がある。その点で、来年度、地方交付税の増額、大臣の御決意をお聞かせください。
  56. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 地方六団体からも強烈に要求をされております復元、復活ということについては、私なりに、できることがどこまであるかわかりませんが、それは懸命にやっていかなければならぬことだと思っております。  そもそも三位一体というのはニケアの宗教会議か何かに出てきた話でしょうから、何か三つ一体だと格好いい、三という数字がめでたいというのは中国の関係かもしれませんが、三つだと。  だけれども、本当は、あれは補助金の削減と税源移譲をまずセットでやるべきだったのではないのかな、その後で地方交付税のことは考えるべきではなかったのかなと、私は個人的に当時そう思っておりました。
  57. 塩川鉄也

    ○塩川委員 三位一体改革というのは、結局は地方交付税を削ったということなんですよ。中央の、国の財政再建のために利用されたんだ、これが地方団体の共通の認識だと思いますよ。  だからこそ、改めて復元の増額という要求があるわけで、少なくとも来年度増額をする、昨年、増田大臣が増額ということで、仕組みそのものは何とも問題のあるものではありますけれども、来年度、増額をするという決意として、もう一回言っていただけますか。
  58. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 増額に向かって努力しなければ私は務めを果たすことにならないと思っておりまして、小学生のころに、六年生ぐらいのときでしょうか、地方交付税というのを習って、法人税、所得税、酒税の、あのときは三二%でしたか、それを小学校のときに習う。小学校のときに、六年生だと思いますが、その三、七という話を聞いたんですよ。地方税と国税を分けて、地方税が三で国税が七なんだと。しかし、仕事は逆なんだから、だんだん一対一にしなければならないというのを聞いたのは、もう私にとって四十五、六年前なんだろうと。  こう思いますと、本当に地方行政とか地方分権という課題は、五十年間解決できないで来ているんだと思えば、まず一歩踏み出すことは、昔は三税だった、今は五税なんだから、これはまたいろいろな計算法を新たに生み出してもいいし、増額できるように全力で頑張ります。
  59. 塩川鉄也

    ○塩川委員 先ほどの質疑の中でも、地方税源の移譲の話はあったけれども、地方財源のお話がなかったものですから、改めてその立場で御努力をいただきたいということと、最後に、今、地方経済、中小企業の実態を考えたときに、今のアメリカ発の金融危機というのが日本の実体経済にも大きな影響を与え始めています。  その点で、中小企業金融について、きょうは吉川経済産業大臣にお越しいただきました。ありがとうございます。具体的な対策について求めたいと思います。それは、中小企業金融の上での信用保証制度、信用補完制度の問題ですけれども、昨年の十月に、この信用補完制度に責任共有制度が導入をされました。これは、これまで融資額の一〇〇%を保証してきたものを、原則八割の部分保証として、残りの二割を金融機関が持とうという仕組みに切りかわったわけであります。  信用補完制度というのは、そもそも、リスクの高さゆえに金融機関からなかなか融資が受けられない中小企業のために、信用保証によってその資金繰りを援助しようという仕組みになっているわけです。信用保証協会が公的な保証人として融資の橋渡しをするものです。  その点で、もともとリスクを負おうとしないのが日本の金融機関でしたから、この二割のリスクを負わせたことによって、信用保証の利用件数が大きく減少しております。〇八年の上半期、前年同期比で見ても、保証件数で全国ベースで九%減、東京などでは一五・四%減、大阪では二四%減と、大きな影響が出ているわけです。  私は、この部分保証、責任共有制度の弊害は明らかだ、だからこそ直ちに責任共有制度を凍結すべきだ、きっぱり廃止をすべきだと思いますが、大臣の御所見をいただきます。副大臣の。
  60. 吉川貴盛

    ○吉川副大臣 塩川先生の御質問にお答えをさせていただきます。  この責任共有制度につきましては、先生が以前から関心を持たれておりますことにも、私もよく理解をさせていただいておるところでありますが、大臣ではなくて、私は今副大臣でございます。  この制度につきましては、くどくどと御説明を申し上げることはないわけでありますけれども、金融機関に適切な責任を分担させることによりまして、融資先の財務状況の管理や経営アドバイスに積極的に取り組むことを促すものでございます。  導入に際しましては、中小企業団体や民間金融機関と議論を重ねてまいりました。セーフティーネット保証や小規模事業者の方が通常利用される分は対象外としたほか、さらに、金融庁、民間金融機関も含めて、責任共有制度を理由とした融資の拒絶は行わないよう周知を徹底いたしておるところでありまして、さらに周知徹底もしてまいりたいと存じております。  ただいま御指摘がございましたように、昨年来、民間の金融機関が融資残高を減らす中で、保証づき融資残高は横ばいとなっています。また、今次創設する緊急保証制度につきましては、責任共有制度の対象外となっておりまして、引き続き、中小・小規模事業者の利益が何であるかを常に念頭に置きまして、適切な運営の確保に万全を期してまいりたいと存じております。
  61. 塩川鉄也

    ○塩川委員 〇二年の、導入の仕組みをつくった法律を変えるときに、当時の平沼大臣は、中小企業向け融資が確保されるような状況になるまでは導入するのは現実的ではないという形で、資金繰りが難しいときに導入するものではないんだと言っていたわけですが、現状では、その資金繰りは深刻になっている。  先日の代表質問で、与党の公明党の太田代表からも、この責任共有制度、これが金融機関の融資姿勢の硬直化を招き、中小企業を直撃している、与党からもこういう批判の声が上がっているわけで、実際には、信用保証協会はいいと言っても、銀行がうんと言わないから信用保証が利用できない。  セーフティーネット保証というのは、いわば転んだときのつえです。一般保証の方は、転ばぬ先のつえですから、こっちの方も使えてこそ初めて中小企業はしっかりと対応できるわけで、今実態が深刻なんだということを、実態調査をきちっとやっていただきたい。実態調査もやって、その上でふさわしい対策を求めたいと思いますが、現状をしっかり把握する、実態調査を行う、この点について、いかがですか。
  62. 吉川貴盛

    ○吉川副大臣 ただいまも申し上げましたように、今次創設する緊急保証制度につきましては、責任共有制度の対象外となっておるところでありますし、小規模事業者に対しましては、一千二百五十万までは一〇〇%保証するということになっております。また、災害や不況などに対応したセーフティーネット保証につきましても一〇〇%保証するといった工夫を行っているところでありまして、さらに、この制度におきましては、これまで百八十五業種でありました不況業種を大幅に、二倍を大きく超えて拡大をすることといたしておりまして、この制度が導入をされますれば、一〇〇%保証の対象となる中小企業者が大きく拡大することとなると思っております。  実態調査につきましては、御検討をさせていただきたいと思います。
  63. 塩川鉄也

    ○塩川委員 責任共有制度の凍結、廃止を改めて求めて、質問を終わります。
  64. 赤松正雄

    赤松委員長 次に、重野安正君。
  65. 重野安正

    ○重野委員 社会民主党の重野安正です。  今回の臨時交付金に関する法案に関連して質問をいたします。  まず最初に、今回、地方の減収分を補てんすることにしたのか、それについてまず聞いておきたい。あわせて、補てんの仕方、地方債などの発行ではなくて、臨時交付金とした理由。この二点です。
  66. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 地方債にしなかったのは、やはり、地方六団体からの御要望が交付金という形でぜひお願いをしたいということであったからでございます。  一月分の暫定税率上乗せ分六百五十六億円が穴があいてしまったわけでございまして、先ほど、たかが六百五十六億か、されど六百五十六億かという議論はありましたけれども、地方自治体は、この数年間で普通会計で十兆円以上のスリム化もやってくる中で、先ほどから議論が出ております地方交付税の五兆円の減というのがボディーブローできいてきているような、そういう状況の中で大変に厳しい状況にある。今日のような経済情勢が地方へ行けば今度は地方の法人事業税等の減収にもつながっていく可能性も十二分にあるということで、非常に厳しい。  そうなりますと、この六百五十六億円の穴というのはやはりきちんと埋めてさしあげなければいけないということで、閣議決定をしてこのような形にしたわけでございます。
  67. 重野安正

    ○重野委員 再度聞きますけれども、臨時交付金、これは、地方の財政援助の方法にはいろいろな方法があると思うんですが、よく、起債を打って、それは後で国が全部面倒を見ます、そういう方法、今回はそうじゃないわけですね。臨時交付金というふうな形でやることの方が僕はいいと思うんですね。  それで、今後この種の問題たくさん出てくると思うんですが、そのときに、こういう手法を今後の方法として定着させていく、そういう腹づもりはあるんでしょうか。
  68. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 今まで、こういう形で減収分を補てんしたという例は何回かあるようでございますが、やはり例外的なケースが多いわけでございまして、特に、景気の変動で地方税収が減ってしまったなんというときには、よほどのことがあってもこういう交付金は出しませんので、これを慣例、恒例にするという形ではないかと思います。特別な事情が生じたときのみだろうと思います。
  69. 重野安正

    ○重野委員 今大臣の言う特別な事情という概念、どういうふうなものをもって特別な事情というふうに判断されるのか、お聞かせください。
  70. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 今までの例ですと、最近では、このときは定率減税ですか、平成十一年度からの恒久的な減税による地方税の減収を補てんするための減税補てん特例交付金を出したことがございます。  それから、例のあれですね、税源移譲により住宅ローンが、所得税が減ったので所得税では全部控除し切れない、つまり、所得税額が減ったから期待された控除が所得税だけでは全部引けなくなったときには、住民税からも追加の分を引いていいよということを制度的にやっているわけですね。これも、予想外の住民税からの住宅ローン減税になるものですから、減収補てん特例交付金を出したようでございます。
  71. 重野安正

    ○重野委員 そこで、先ほどの大臣説明でも言われていますけれども、地方からの要望があったということですね。  五月のこの問題に関する閣議決定の中に、「ガソリン税などの暫定税率の失効期間中の地方の減収については、各地方団体の財政運営に支障が生じないよう、国の責任において適切な財源措置を講じる。」こういうふうな閣議決定がありますから、それを実行したんだというふうに受けとめます。  そこで、きょうは国土交通省さらには財務省にも来ていただいておりますけれども、揮発油税を原資とする地方道路整備臨時交付金、これは現状はどうなっているんでしょうかということが一つ。  それから、全国知事会が、この地方道路整備臨時交付金で三百億円程度の減収となっている、これも補てんしてもらいたい、こういうふうな要望がなされておりますが、この点についてどういうふうな対応をなされておるか、お聞きします。
  72. 西脇隆俊

    西脇政府参考人 お答え申し上げます。  本年度の地方道路整備臨時交付金につきましては、暫定税率が失効するということで揮発油税収の減収が見込まれますことから、機械的に約三百億円を留保いたしまして地方公共団体に配分したところでございます。今委員指摘ございました知事会の要望にございます三百億というのは、まさにこの数字に該当するものというふうに認識しております。  地方道路整備臨時交付金は、私ども、地域の生活に密着した道路整備ということを進めるために非常に重要な予算だと思っておりますし、まさに今知事会の要望がありますように、地方からそういう声があるということも十分承知しております。  今後、この留保分をどういうふうに取り扱うかということにつきましては、この交付金事業がどういうぐあいの進捗状況にあるかということと、制度と関係します税収の動向、そういうことを勘案いたしまして、引き続き関係機関と調整し検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  73. 重野安正

    ○重野委員 ということですけれども、今ここでは地方税等減収補てん臨時交付金の創設ということで審議されているわけですね。これの方が、この一カ月の補てんをどうするかということについて具体的に前に進んでいる。  今、国土交通省関連の部分については、今からだ、まだその方向すら定まっていないというふうに私は受けとめたんですが、これはやはり問題があるんじゃないですか。そういう問題意識はないんですか。地方のそういう要望というのは当然である、それに対して、国としてその求めというか要望にこたえていく、こういう方向が出されないといけないんじゃないですか、どうですか。
  74. 西脇隆俊

    西脇政府参考人 お答え申し上げます。  地方で当初予算どおり配分していただきたいという要望があることは私どもも十分承知しておりますし、先ほど申しましたように、非常に重要な予算だというふうに思っております。  ただ、これは税収と連動して配分をするという制度の仕組みがございます。それと、当初で配分しております事業の動向とか年度を通じました税収の動向、そういうことを見る必要があるからということで、現在調整し検討しておるというふうに答弁申し上げたところでございます。よろしくお願いいたします。
  75. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 私は、閣議決定の正確な内容は把握できていなかったわけなんですね。それで、要するに穴があいた分は地方に補てんをするというふうにやや雑に理解をしておったものですから、六百五十六億と聞いたときに、違うじゃないか、年間六千八百二十五億円来ているいわゆるガソリン税の四分の一の上乗せ分の一月分が穴になるから、これが三百億だとすれば、何で三百億は入らないんだ、こういうふうに考えましたけれども、実際にはこの法律には入っておりませんし、国交省あるいは財務省がどう判断するかという問題だろうと思っております。  これは、上乗せ税率、暫定税率が一カ月失効したために、地方の道路関係の予算として、歳入としてあく穴という意味ではこの三百億も全く同じでございますので、理解を得て、何とかこれを得る方法を考えなければいかぬと思っております。
  76. 重野安正

    ○重野委員 五月十三日に閣議決定がされていますが、その中で五項めに「ガソリン税などの暫定税率の失効期間中」云々という文があるわけですけれども、私は、これを素直に読めば、やはりこれに従ってやるというのが筋だと思いますよ。そこら辺はそんなに細かな検討をする余地が私はないんじゃないかと思うんですが、どうですか。
  77. 西脇隆俊

    西脇政府参考人 お答え申し上げます。  私どもも、道路財源の一般財源化については、この五月十三日の基本方針、これをきちっと実行していくというのが最大の責務だというふうに考えております。  ただ、これが税収連動だというような制度の趣旨もございますので、そういう意味で検討を申し上げているということでございますし、地方の声というのは十分に配慮するという気持ちはございますので、引き続き検討させていただきたいというふうに思いますので、御理解を賜りたいと思います。
  78. 重野安正

    ○重野委員 この閣議決定の趣旨に沿って検討する、それは、交付を受ける側からすれば前向きにそこら辺は検討をするんだというふうな受けとめをしたいと思います。  そこで、鳩山大臣、ちょっと通告してはおりませんけれども、今、自治体の財政というのは極めて深刻であります。例えば、先般、朝日新聞に報道されていたのですが、これを見ますと、もう地方自治体の余裕というのは本当にないんですね。財政調整基金それから減債基金、それを合わせても、北海道は〇八年に底をつく、こういうふうに言われていますし、〇九年には宮城、福島、栃木、香川、熊本、一〇年には茨城、静岡、大分、宮崎、一一年高知というふうに、全く地方自治体の財政は底をつきつつある。いわゆる行政を進めていく上で弾力的に財政運営ができるような余地が全くなくなっている。これは私は大変厳しいと思うんですね。神奈川県という大きな県でも〇八年でもう一億七千万しかない、こういう状況になったというその原因には、やはり、国の財政運営における、地方自治体が大変な痛手を受けているんだ、そういうことはあろうと私は思うんですね。  だから、そういう現状認識と、そして地方自治体の要望、さまざまな要望があると思うんですが、それに対して、地方自治体を統合するというか、地方自治体の国の窓口は総務省ですから、総務省として、総務大臣として、そういう現状認識に立ってどうするのか、どういう方向をもって今後やっていくのか、その点についてもお聞かせいただきたい。
  79. 鳩山邦夫

    鳩山国務大臣 地方の悲鳴が聞こえるような思いがするわけでして、これは決算ベースですが、平成十一年度に地方の一般歳出七十九・一兆円だったものが、平成十八年度六十六・五兆円に、何と十二兆六千億減っている、一五・九%の減だ。こういうスリム化もやって、しかも、結局義務的な経費が、これは社会保障関係の義務的な経費がどんどん膨らんでいく。しかも、地方の借入金残高が百九十七兆円だ、これは交付税特会の三十三・六兆を入れているんでしょうが、地方が二百兆の借金を背負っている。地財計画が、一生懸命組んでも、どうしても最近は五兆円ぐらいの、歳入欠陥というんじゃないんでしょうけれども、財源不足が出てくるので、これをまたいろいろ工夫して何とか埋めているという状況。先生指摘のように、財政調整基金や減債基金として積んでいるものも取り崩しが続いて、このままいったら底をついてしまうということでございます。  とにかく地方を元気にするのがおまえの仕事だと総理に言われているわけでございますから、それは単に何かのノウハウとソフトだけで元気になるわけではない、やはり制度的なものを変えていかなければいけないとつくづく思うわけでございまして、その制度的な問題とは何かといえば、それは五兆円の地方交付税の急減がやはり響いているから、この復元にも努めなければならないし、地方税源がもっと拡充できるように方法を考えなければいけないと思うし、これは勝手に言うと怒られるかもしれませんけれども、東京都から三千億、愛知県から八百億、大阪二百億か、四千億ぐらいを地方へ持っていっていますが、もう少し多くてもいいのかなと思いますし、ありとあらゆる方法を考えなければいかぬと思っております。
  80. 重野安正

    ○重野委員 財政の上でも非常に地方は疲弊をしておりますし、また、この間のいわゆる市町村の再編、合併がどんどん進んでおります。自治体職員も相当に削って、しかし、広域合併した後そこに住む地域住民の要望にこたえられない、こういう事実が、いろいろなケース出てきているんですね。だから、そういうこの間の負の部分というものをやはりえぐり出して、それらにどう向き合っていくか、新大臣の奮闘に期待しておきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  以上で終わります。
  81. 赤松正雄

    赤松委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  82. 赤松正雄

    赤松委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。森本哲生君。
  83. 森本哲生

    ○森本委員 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました政府提出の地方税等減収補てん臨時交付金に関する法律案に対して、賛成の立場から討論いたします。  麻生総理は、所信表明演説で地方税収の減少の責任を民主党に転嫁されました。このことはとんでもないことであります。ことし二月、民主党は、暫定税率を廃止すると同時に国の直轄事業に対する地方負担金廃止などで地方の財源を確保する、特定財源制度改革法案を提出いたしました。これに政府・与党が聞く耳を持たなかったために、地方は財源不足に陥ったのであります。猛省すべきは、民意を無視して道路特定財源を死守しようとした政府・与党にあります。  その上、本法案に、臨時交付金を道路に関する費用に充てなければならないという規定が設けられています。これは、道路特定財源を一般財源化して地方の自由な判断で使える財源を拡充すべきという民主党の主張とは相入れません。  しかし、政府・与党の悪政のツケを地方に回すべきではなく、今回の地方の減収政府が補てんすることは当然の措置であります。原材料高と景気の後退が国民の生活を圧迫している現状にかんがみ、地方の減収に対する早期の対応が必要と判断し、本法案に賛成することといたします。  ただし、これで政府・与党の財政運営や道路特定財源を容認するものでは全くありません。民主党は、新しい政権の初の予算編成となる第一段階平成二十一年度には、ガソリン税などの暫定税率を廃止し、二兆六千億の減税を実施いたします。  自公政権は無責任に次々と政権をほうり出し、既に政権担当能力を失っておられます。官僚の言うがままに道路特定財源などを通して莫大な税金の無駄遣いを続ける自民党政治か、国民の生活が第一の理念に基づいて、無駄遣いを徹底的になくし、国民生活を立て直すことに税金を振り向ける民主党政治を選ぶのか、早々に解散して国民の信を問うべきことを強く訴えて、討論を終わらせていただきます。
  84. 赤松正雄

    赤松委員長 次に、塩川鉄也君。
  85. 塩川鉄也

    ○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、地方税等減収補てん臨時交付金に関する法律案に反対の討論を行います。  年度当初見込んだ地方税の減収が補てんされるのは当然のことであります。しかしながら、この法案は、道路特定財源制度の枠内の措置であり、補てんされた財源の使途が道路関係に限定されております。もともと、本法案が必要になったのは、本年度の総予算審議に当たって、暫定税率の廃止や一般財源化を求める世論を無視して、福田内閣と与党があくまでも暫定税率を強行しようとしたことにあります。こうした経過に思いをいたすなら、その補てんを道路関係に限定することは到底容認できません。  自治体で予算執行が留保されたのは道路関係だけではありません。福祉や教育の投資的経費や経常的経費の一部も執行が留保されました。補てん財源は、道路だけでなく、福祉や教育にも使えるようにすべきであります。今年度限りとはいえ、道路特定財源を前提として財源補てんは容認できません。  政府は来年度からの道路特定財源の一般財源化を閣議決定していますが、来年度を待つのではなく、この法案から国民の求める道路特定財源の一般財源化に踏み出すべきであることを申し添えて、討論を終わります。
  86. 赤松正雄

    赤松委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  87. 赤松正雄

    赤松委員長 これより採決に入ります。  地方税等減収補てん臨時交付金に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  88. 赤松正雄

    赤松委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 赤松正雄

    赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  90. 赤松正雄

    赤松委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時三分散会