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2008-03-19 第169回国会 参議院 予算委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年三月十九日(水曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  三月十八日     辞任         補欠選任      末松 信介君     石井 準一君      山本 一太君     森 まさこ君      仁比 聡平君     山下 芳生君      福島みずほ君     近藤 正道君  三月十九日     辞任         補欠選任      浅尾慶一郎君     大久保 勉君      川合 孝典君     轟木 利治君      今野  東君     辻  泰弘君      西田 実仁君     浮島とも子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         鴻池 祥肇君     理 事                 尾立 源幸君                 櫻井  充君                 津田弥太郎君                 羽田雄一郎君                 水岡 俊一君                 椎名 一保君                 伊達 忠一君                 林  芳正君                 山口那津男君     委 員                 相原久美子君                 石井  一君                 植松恵美子君                 大石 尚子君                 大久保 勉君                 大久保潔重君                 川合 孝典君                 自見庄三郎君                 辻  泰弘君                 轟木 利治君                 友近 聡朗君                 内藤 正光君                 中谷 智司君                 平野 達男君                 福山 哲郎君                 藤原 良信君                 森 ゆうこ君                 森田  高君                 米長 晴信君                 荒井 広幸君                 有村 治子君                 石井 準一君                 加納 時男君                 河合 常則君                 佐藤 信秋君                 田村耕太郎君                 谷川 秀善君                 南野知惠子君                 松村 龍二君                 森 まさこ君                 山田 俊男君                 浮島とも子君                 渡辺 孝男君                 鰐淵 洋子君                 山下 芳生君                 近藤 正道君    国務大臣        総務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣地方分        権改革))    増田 寛也君        財務大臣     額賀福志郎君        厚生労働大臣   舛添 要一君        農林水産大臣   若林 正俊君        経済産業大臣   甘利  明君        国土交通大臣   冬柴 鐵三君        環境大臣     鴨下 一郎君        防衛大臣     石破  茂君        国務大臣        (内閣官房長官) 町村 信孝君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)        (内閣特命担        当大臣(防災、        食品安全))   泉  信也君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣沖縄及        び北方対策、規        制改革国民生        活、科学技術政        策))      岸田 文雄君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣経済財        政政策))    大田 弘子君    副大臣        財務大臣    遠藤 乙彦君        文部科学大臣  池坊 保子君        厚生労働大臣  岸  宏一君        農林水産大臣  岩永 浩美君        経済産業大臣  新藤 義孝君        国土交通大臣  平井たくや君        防衛大臣    江渡 聡徳君    大臣政務官        農林水産大臣政        務官       澤  雄二君        国土交通大臣政        務官       金子善次郎君        環境大臣政務官  並木 正芳君        防衛大臣政務官  秋元  司君         ─────        会計検査院長   伏屋 和彦君         ─────    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局民事局長        兼最高裁判所事        務総局行政局長  小泉 博嗣君    事務局側        常任委員会専門        員        村松  帝君    政府参考人        人事院事務総局        職員福祉局長   吉田 耕三君        総務省自治行政        局公務員部長   松永 邦男君        財務省主計局長  杉本 和行君        財務省理財局次        長        藤岡  博君        厚生労働省医政        局長       外口  崇君        厚生労働省医薬        食品局食品安全        部長       藤崎 清道君        厚生労働省労働        基準局長     青木  豊君        厚生労働省雇用        均等・児童家庭        局長       大谷 泰夫君        水産庁次長    中前  明君        経済産業省製造        産業局長     細野 哲弘君        国土交通省河川        局長       甲村 謙友君        国土交通省道路        局長       宮田 年耕君        国土交通省住宅        局長       和泉 洋人君        国土交通省自動        車交通局長    本田  勝君        海上保安庁長官  岩崎 貞二君        海難審判庁海難        審判理事所長   横山 鐵男君        防衛省防衛参事        官        小川 秀樹君        防衛大臣官房長  中江 公人君        防衛省運用企画        局長       徳地 秀士君        防衛省経理装備        局長       長岡 憲宗君    説明員        会計検査院事務        総局次長     増田 峯明君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○平成二十年度一般会計予算内閣提出衆議院  送付) ○平成二十年度特別会計予算内閣提出衆議院  送付) ○平成二十年度政府関係機関予算内閣提出、衆  議院送付)     ─────────────
  2. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成二十年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告をいたします。  本日は、一般質疑を百二十分行うこととし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会・国民新日本七十分、自由民主党・無所属の会二十六分、公明党十二分、日本共産党六分、社会民主党護憲連合六分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────
  3. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 平成二十年度一般会計予算平成二十年度特別会計予算平成二十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。福山哲郎君。
  4. 福山哲郎

    福山哲郎君 おはようございます。福山でございます。  大臣におかれましては、連日、本当にお疲れさまでございます。また、予算委員長も、長時間いつもお疲れさまでございます。  まず、冬柴大臣、実は事前通告していないんですが、多分お答えいただけると思うのでお伺いをしたいと思います。  衆議院も含めて予算委員会が始まりました。この国会ガソリン国会とか言われてスタートして、基本的にはそれぞれの委員から道路の問題について議論がなされています。大臣からは本当に真摯な答弁をいただいていると思いますが、国民理解を得るというお話ですが、昨今の世論調査を見ると、暫定税率廃止国民が非常に強く望んでおられると、減るどころか、実は世論調査数字は上がる一方です。それから、我々が当初から主張しておりました一般財源化の問題も、暫定税率廃止以上に、多いところでは八割とか九割の世論調査一般財源という議論が出ています。  大臣が御説明を真摯にいただいているけれども、残念ながら国民の中には理解が広がっていないどころか、逆に我々民主党の主張に対して国民は非常に共感を持っていただいているというふうに私は現状認識しておりますが、この状況について大臣はどのようにお考えでしょうか。
  5. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 新聞紙面等世論調査を見ますと、福山委員が今おっしゃったような結果が示されております。私は真摯に受け止めなければならないとは思いますけれども、しかし、私の説明が十分でないということでそのような結果が出ていることについては非常に責任も感ずるし、残念な思いでいっぱいでございます。  ただ、各種世論調査というのはそのときの世相を受けて大きく変わる、それはもう常でございますけれども、いわゆるこの道路特会からの目に余る不正支出といいますか、こういうものを、民主党議員先生方はもう大変な勉強をされまして、そして詳細に挙げられました。私は、その中で聞いていて恥ずかしくなるようなこともありました。  したがって、そこで私は真摯におわびもし、そしてそれに対する改革にも取り組む、本当に政治生命懸けてでも取り組むんだという気持ちで、私どもの方の副大臣二人、政務官三人とともに、政治主導で、専門家意見も聴きながらこれを改革しようと。それで、当初は六月と言っていたんですけれども、総理からもそれは遅過ぎるんじゃないかということで、四月には結論を出そうと。  その中には、特命発注の問題はもちろんの話ですけれども、特に道路特会から一口五百万以上の支出を受けた法人を洗い出しますと、五十ありました。そういう意味で私は、これを半減するということも、これは根拠があって言っているわけじゃなしに、庶民の感覚として、皆さん方に、これは大変な作業だと思うけれども、私はもう半分にしてもらう。それから、役員の数もいろいろ指摘されました。これも、もう大きく減員すると、納得していただけるように減員すると。それから、まあ極め付けといいますか、のこともたくさん出ました。私はそういうものについては、もう即座、その質問された議員に対して、直ちに廃止しますというようなこと、あるいはそれは辞めさせますということで辞めていただいた方も何人もあります。  そういうふうに私はその悪いところは改革し、改めていかなきゃならないけれども、しかし本筋の道路を今後造らなきゃならないというその点は本当に分かってほしい。そうでなければ、今からの十年というのは日本にとって本当に残された十年だという私危機感を持っているぐらいもう大変な十年だと思いますので、本当に国民皆さん方に分かっていただくべく、今後も懸命に誠心誠意、冷静沈着に私はその説明をさせていただきたいと、このように思っておるところでございます。
  6. 福山哲郎

    福山哲郎君 大臣説明が不十分だと謙虚におっしゃられましたけれども、恐らく大臣説明が不十分という問題ではなくて、本質的に、非常にこの特定財源制度暫定税率を維持する中で国土交通省道路行政というのをじゃぶじゃぶにして好き放題やってきたと、そこのところを国民が気付いているから、世論調査の中では一回見直せと、ちゃんと変えろという声が私は強いんだと思います。  先ほど半減の話もされましたけれども、それはある意味でいうと、やっていて普通なら当たり前のことを指摘されてようやく変えましたと、それでも半分かいというのが実態のところだというふうに私は思っておりまして、やはり根本的な道路行政の在り方を見直すという思い切ったことを与党側が言っていただかなければ、これは修正協議の話も出ておりますけれども、今までの制度を維持するような前提のものでは、我々は到底国民の声からいってものめないということは申し上げておきたいと思います。  お伺いをします。昨年、私が資料要求をさせていただいて出てきた数字の中で驚くべきものがありましたので、お答えください。  平成十四年度から現在まで、完了した、また実施中の事業のうち、まず百億円以上の事業が幾つあったかお答えください。
  7. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  事業費が百億円以上で国直轄事業及び補助事業、これがトータルでいいますと千百七十六事業でございます。
  8. 福山哲郎

    福山哲郎君 そのうち、当初の見積もられた事業費より総事業費が下回ったものの数と割合はどれだけかお答えください。
  9. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  当初事業費より下回った事業費最終又は現時点事業費が下回った事業が百二十事業、一〇・二%でございます。
  10. 福山哲郎

    福山哲郎君 当初事業費と総事業費がほぼ同じだった数とパーセンテージをお答えください。
  11. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  三百六十七事業、三一・二%でございます。
  12. 福山哲郎

    福山哲郎君 それでは問題の、当初事業費より総事業費が上回ったものの数と割合をお答えください。
  13. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 五百九十七事業、五〇・八%でございます。
  14. 福山哲郎

    福山哲郎君 五〇・八%が当初事業よりも上回りました。  この数字に関連して、二月八日、衆議院予算委員会冬柴大臣はこう答えておられます、我が党の長妻代議士質問に対して。下がった分は四一・八%、我々としてはいろいろと見直して減少させているものも、先ほど言いましたように四一・四%あるわけですと。  実は、下がったとか減少したもの、先ほどおっしゃられた、大臣ですね、数字でいうと、ほぼ当初事業費と同じものが実は三一・二%だったんです。実は、下がったものは、今明快に答えていただきましたが、一〇・二しかないんです。ところが、大臣衆議院答弁の中で、下がった分は四一・八、減少させているものも四一・四、これは数字を間違えられたんだと思いますが、これはどう考えても間違った答弁だと思いますので、修正をしていただきたいと思います。
  15. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 長妻さんは三回質問主意書を出されまして、百億円以上で一・五倍以上上がったものを示せということで、たくさんある中から職員が拾い出して、その要件に合致するものを提供をずっとし続けてきたわけで、それをパネルに書かれまして、ほとんどが上がっているような言い方されました。これは議事録読んでもらったら分かります。私は、それは違うんじゃないですかと。上がった分だけ出せと言うから上がった分を出して、それが、大半が上がるというような印象を与えるような言い方は違うんではないですかと言った後に、このように私は述べております。  したがって、母数が違うんですと、母数が。確かに二倍より大きくなったもの、いや、当初より大きくなったものは八・三%ありますが、当初事業費より以下となっている事業が四割あります。もう少し詳しく言えば四一・四%あるんです。したがって、増えた分だけ挙げろと言われてから挙げて、それがそうなるわけでございますと、こういうことを言ったわけです。  したがいまして、その直後に今指摘されましたように、もちろん、下がった分は四一・八と、これ間違ってますね。それから、減少させているものもという言葉で、減少ですから、以下をもって下がってないので四一・四あると、こう言ったのは、これは誤解を招くと思います。  したがいまして、これは併せて読めば私の言いようは分かると思うんですが、その点は訂正をさせていただきたいと思います。
  16. 福山哲郎

    福山哲郎君 今大臣訂正をされたので、私はこのことについては細かく申し上げません。  しかしながら、実態は、重要なのはここなんです。実は、当初事業費より下回ったのはたった一〇・二%しかないということです。八割以上が、当初事業費より上回るか、それと同じ額だということです。よくこの委員会答弁の中で効率化をするとかコストを下げるとか言ってるけど、実態としては全く下がってないということがこれで明らかになっています。  それでは、先ほど言われました五百九十七事業、上回った分でございますが、当初の事業費合計幾らですか。
  17. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  当初事業費合計でございますが、十九兆五千三百億円でございます。
  18. 福山哲郎

    福山哲郎君 それが現時点では幾らになっていますか。
  19. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  最終又は現在の事業費合計は、二十八兆一千七百億円でございます。
  20. 福山哲郎

    福山哲郎君 驚くべき数字ですよね。この五年分だけでも八兆六千四百億円も増えているんです。  他方、下回っている金額は幾らですか、先ほどの一〇%のうちの。
  21. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  当初事業費より下回ったものでございますが、トータルで八千七百億円でございます。
  22. 福山哲郎

    福山哲郎君 八兆六千四百億増えて下回ったのは八千億、差引き約八兆当初見積りより事業費は増えているんです。これをどんぶり勘定と言わず何と言うんでしょうか。冬柴大臣、お答えください。
  23. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 道路事業を進めていく上においては、ほぼ十年の歳月が掛かります。その中で、地元協議に伴う計画変更見直し用地補償費の増加、現地の地盤状況などによるトンネル等の工法の変更など、当初予測できない要因でやむを得ず事業費が増加する場合があるわけであります。  しかしながら、いずれにいたしましても、道路事業を進めるに当たっては、事業開始段階から完了後まで評価を徹底するとともにコスト削減を図っていかなければならない、このような観点で、途中経過でも評価をやり直したりして、中止をしたり、あるいは工事自体見直したりしたものも起こるようになりました。平成十年から、そういうような、途中経過でも評価とか、そういうものによって見直し中止をする部分も出てきまして、確かに、今挙げられたように、余りにも増額が大きいという点については、御批判は甘受しなきゃならないと思います。  しかし、今、冒頭にも述べたような事情でやむを得ず膨らんでいく部分があったわけでございますが、今後は、事業途中でも評価をして、そしてそれについていろいろな見直しをする、そういうようなことを、事によれば中止をする、そういうこともこれからはやっていかなければならないと、このように思っております。
  24. 福山哲郎

    福山哲郎君 大臣が今せっかく言われた再評価の数ですが、実は平成十年度からやって、二千七百八十二件のうち見直しはたった四十一件、中止はわずか二十九件。しかし、これは、ダムが実は事業中止になって、それにくっついている道路がなくなったりするような見直しとか中止ばかりなんです。道路本体をやめましょうというのはほとんどない。こんなので見直しはちゃんとしていると言えるんですか、大臣
  25. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) ダムのためにやめたのはそのうち二件でございます。
  26. 福山哲郎

    福山哲郎君 実は私は、先ほど言われた用地買収とか移転の問題も幾つか新しい事業で見ました。例えば用地補償費が何で増えたか。工場、病院、大型商業施設買収費用の増、商業施設に伴う移転費用の増。だって商業施設、ここに書いてあるのは、自動車販売店、ガソリンスタンド、パチンコ店等、こんなの、だって計画のときにその施設があることは分かっているんじゃないですか。こんなの分かっているから逆に言うと事業をして見積りをするんでしょう。  なぜ、こういういいかげんな見積り事業が始まっているのか、大臣、どのような認識ですか。
  27. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  先ほど大臣答弁申し上げましたように、いろんな要素があると思います。商業施設とかそういう御指摘もありますが、いろんな、用途が変わる、あるいは地価が上がる、それに伴って物件の評価が上がっていくと、そういうことでございます。
  28. 福山哲郎

    福山哲郎君 いいかげんにしなさいよ。地価が上がると言いますけれども、私、事業を全部見ました。例えば北海道の夕張とかだって地価が上がっているんですか、本当に今。要は、一個一個見ていくと、あなたたちの説明は全く整合性がないことがたくさんあるんだ。本当に、事実上うそなんだ。  それで、額賀大臣、お伺いします。一度衆議院でやった議論ですが、五十九兆円の中期計画財務省査定をされたんでしょうか。
  29. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これはこれまでも御説明をしてまいりましたけれども、中期計画につきましては、国交省において素案の作成段階において国民からのヒアリングをしたりして、残された課題を抽出して一定考え方をつくられて、つまり十六の政策課題整備目標をつくられたということを聞いております。そして、そこに直近の標準的な単価を用いて、現行五か年計画から約一割を縮減した事業費六十五兆円が算出されたというのが当初の考え方であったということでございます。  財務省としては、そういう政策課題整備目標については認めまして、その上に立って徹底したコスト削減をしてほしいということ、それから一方で、まちづくり交付金等の仕組みもありますから、そういうことを活用してみてもいかがでしょうかとか、あるいは高速料金引下げ等によって渋滞対策に役立ててくださいと。そういうことで徹底的に議論して、厳しい効率化そして合理化を図ってほしいということで、最大限五十九兆円を上回らないという形にして財務省意見十分反映をしてもらったというふうに考えております。
  30. 福山哲郎

    福山哲郎君 査定をされたかどうかお答えください。
  31. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ですから、五十九兆円の上回らない範囲でそういうコスト縮減を図るということ、それから十六の政策課題と、それまでの単価等について一定の算定をつくってきたわけでありますから、それぞれについて更なる合理化を図っていくようにお願いをし、議論をしたということでございます。
  32. 福山哲郎

    福山哲郎君 お願いをして議論をしたのは分かりましたし、先ほど大臣の話をお伺いしていると、聞いておりますとか、ということでございますとかいって、何か国土交通省の伝聞を聞いているようですが、お願いをしたのは分かりますが、査定財務省はされたのかとお伺いしています。
  33. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 一つ一つ道路、この橋をどうする、この道路をどうするということについて査定をしているわけではありませんが、全体的な計画について、コスト縮減を図るということ、そして合理化を図るということ、そういうことを徹底してやってほしいということを議論をしたということであります。
  34. 福山哲郎

    福山哲郎君 議論をして査定はしていない。  じゃ、平成十四年度以降、先ほどのお話ですが、実際八兆円増えています。個別の事業は新規採択時にBバイCの評価をされていますが、その後財務省査定をしていますか。──いやいや、財務省財務省。今申し上げた、ちょっと、これ、時間がもったいないな。
  35. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 福山君。
  36. 福山哲郎

    福山哲郎君 今申し上げた、十四年度以降の八兆円膨れ上がっている事業ありますよね、先ほどから議論していた。その部分について財務省査定をされているかどうかを聞いています。
  37. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) それは、膨れ上がった分というのは、先ほど冬柴国交大臣がお話し申し上げたように、長年の間に用地買収とか様々なことで膨れ上がったと聞いておりますが、その一つ一つ課題についてきちっと精査をしているわけではありません。
  38. 福山哲郎

    福山哲郎君 精査をしているわけではありません。  事務方お答えください、財務省。この個別の事業、新規採択時にはBバイCで評価をされますが、その後の事業査定はどのようになっているかお答えください。
  39. 杉本和行

    政府参考人(杉本和行君) 道路関係の公共事業に関しましては、毎年、実施計画というものの協議を受けております。そうした毎年の実施計画の中で継続事業について精査させていただきまして、議論させていただいた上で了承させていただいているという手続を取っております。
  40. 福山哲郎

    福山哲郎君 うそを言っちゃいけませんよ。毎年毎年一つ一つ事業なんか評価していないでしょう。もう一回お答えください。
  41. 杉本和行

    政府参考人(杉本和行君) 毎年、実施計画の協議を受けておりまして、その中で一つ一つ事業説明を受けております。その説明を受けまして、その事業を実施計画上了承するかどうか、事業費全体として見させていただいているところでございます。
  42. 福山哲郎

    福山哲郎君 説明を受けているんですね。査定はしていませんね。
  43. 杉本和行

    政府参考人(杉本和行君) 説明を受けた上で承認させていただいているものでございます。
  44. 福山哲郎

    福山哲郎君 だから、査定はしているのかしていないのか。大臣は先ほどしていないとおっしゃったけど、しているのかしていないのかお答えください。
  45. 杉本和行

    政府参考人(杉本和行君) 協議を受けまして、その協議を踏まえまして、内容をお伺いいたしまして、その上で承認しているわけでございますから、承認手続を査定と呼ぶならば査定でございますし、そういう形で協議を受けて承認させていただくという手続を取っているということでございます。
  46. 福山哲郎

    福山哲郎君 じゃ、今の大臣とあなたの答弁、違うよ。ちょっと、理事。今の違うよ。
  47. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 査定という定義、概念でありますけれども、私が言ったのは、もう先ほど来申し上げているのは、いろんな計画ができている、整備目標ができているときに、合理化とかコスト縮減を図るとか、それから効率化を図るとか、そういうことを議論をして、その計画を認知をし、そしてそれは単年度主義でありますから、予算編成のときもそういうことをしていると、そういうことが査定であれば査定であります。  あと、査定というのは、一つ一つを個別に、この道路延長はどうなの、そして幾ら毎年毎年、長期延長のときどうなのと、そういうことをきっちりとやっているというふうに厳しく見たときは、それが査定という概念に当たるのかどうかということが問題意識としてあったから答えたことでありまして、広い意味での査定という意味では、そういう長期計画においても単年度においても、コスト縮減を図りなさい、合理化を図りなさい、効率化を図りなさいということであれば、それは査定をしているということになります。
  48. 福山哲郎

    福山哲郎君 ごめんなさい。例えば、今大臣の言われたことを査定だと百歩譲ったとして、じゃこの八兆円膨れ上がっていることを財務省は全部認めてきたということですね。放置したということですね。それでいいんですね、額賀大臣
  49. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 放置をしてきたということよりも、毎年計画が立てられて、毎年そういう要求があって、それで議論をした上で承認をしてきたということであります。
  50. 福山哲郎

    福山哲郎君 じゃ、八兆円上回ったことに対する責任は財務省国土交通省も両方あるということですね。財務省、事務方、本当にそれでいいの。毎年毎年個別の事業をやっていますか。これ、答弁違っていたら大変になるよ。
  51. 杉本和行

    政府参考人(杉本和行君) コスト等の関係で上回ったことは事実で、それを前提に毎年毎年協議を受けておりまして、それで承認を受けたのは事実でございます。それに対しまして私どもは、毎年毎年、これから当初計画における事業の適正さを確保する努力を続けるといったことで見直し等の評価をやっていかなければならないと思っております。
  52. 福山哲郎

    福山哲郎君 いや、個別の事業はどうなんだと聞いているんです。
  53. 杉本和行

    政府参考人(杉本和行君) 毎年毎年の実施計画の手続から申し上げますと、個別の事業につきまして協議を受けまして、その上で説明を受けまして承認しているということでございますので、そういった個別の事業については十分協議しているということでございます。
  54. 福山哲郎

    福山哲郎君 協議と、じゃ、査定の違いを述べてください。
  55. 杉本和行

    政府参考人(杉本和行君) 査定ということは、要求を受けまして、協議を受けまして十分調整するということが査定ということだと考えますれば、そういった形で調整はさせていただいているということでございます。
  56. 福山哲郎

    福山哲郎君 そうすると、この委員会国会で衆参共に言われている、額賀大臣が言われている、毎年度毎年度必要な道路予算についてきちっと精査をしてとか、冬柴大臣が言われている、きちっとその年の道路歳出については査定をされるわけですという話は、八兆円膨れ上がるようなことを前提に査定をしたら、こんな五十九兆円、信用できないじゃないですか。大臣、どうですか。
  57. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 新規事業につきましても途中事業につきましても、財務と相談をし、先ほど、それを査定と言われるのであれば査定をいただいております。  その結果、他の事業をあきらめなきゃいけないとか、シーリング掛かるんですよ。ですから、総額で五十九兆を超えないというのは、上回らないというのは、そういうところへ効いてくるんですよ。全然それ、八兆円増えたから五十九兆がまた六十何兆になるという、そんなことじゃないわけですよ。それは毎年毎年、我々がここの道路を整備させていってほしい、ここをさせてほしい、それで増額はやむを得ないと思いますということを説明して、これは納得いただければそれで認めていただくし、それは駄目だと言われればそこはあきらめなきゃならないわけですよ。
  58. 福山哲郎

    福山哲郎君 駄目だとなんて言われてないんですよ。
  59. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) いやいや、駄目だというやつもありますよ。
  60. 福山哲郎

    福山哲郎君 言われてないんですよ。
  61. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) いや、しかし、言われなくてもですよ、そのとき我々が造りたいということで申告している部分についてあきらめるとか、それを削除するとかいうところで、そういうところで毎年シーリング掛かるわけですから、少なくとも一%は削られるわけですから。そうでしょう。三%削られるわけですから。そういう意味で、そこは財務省とよく協議をして、それは厳しい査定ですよ、我々見たら。そういうことで、我々としてはここをやりたいということでも通らない部分はたくさんあるわけです。  そして、その上で、十年間で五十九兆を上回らないというのはもうきちっと決まっているわけでございまして、そういう意味で私どもは厳格な査定をしていただいてここへ来ていると。財務省が納得できない、してもらえないようなことで歳出をお願いすることはできないわけであります。
  62. 福山哲郎

    福山哲郎君 厳しい査定が八兆円上回るというのは私は納得全くできないんですが、昨日財務省に聞いたら、事後評価制度があるので、何もなければ十年後の再評価で判断するから、それまでは新規にBバイCを含めて評価したものは十年間基本的にはチェックしないと財務省は答えていますが、それと今の答弁の違いを明確に説明してください。
  63. 杉本和行

    政府参考人(杉本和行君) 道路予算につきましては、予算額は、全体は、予算編成の過程で財源事情等を見まして相当縮減させていただいているところでございまして、補正後予算額で見ますと、ピーク時に対して四割の削減になっております。  そうした中で、毎年毎年個別の事業について実施計画予算が成立した後の実施計画査定させていただいているわけでございますが、その中で、国土交通省の方では五年後それから十年後についていろいろ事業実施計画について見直していただくわけでございましたから、その見直しを踏まえて私たちも協議させていただいているわけでございます。  国土交通省においては、五年未着工の事業、十年継続の事業、再評価後五年経過した事業について再評価を行うこととされておりますので、それを踏まえて対応させていただいているところでございます。
  64. 福山哲郎

    福山哲郎君 どこに財務省の主体的な判断があるんですか、今の話だと。全部、国土交通省の実施計画に対して協議をして説明を受けて承認をする、五年後、十年後の事後評価について説明を受けて協議をします。どこに財務省は厳しく査定する評価があるんですか。もう一回お答えください。
  65. 杉本和行

    政府参考人(杉本和行君) 五年後の未着工の事業、十年後の継続の事業、再評価後五年を経過した事業について再評価されるときに、その再評価の中身について十分お伺いいたしまして、それについて十分調整させていただいているところでございます。
  66. 福山哲郎

    福山哲郎君 そうしたら、さっき毎年毎年やっているという話と今の五年後と話が違うじゃないか。やっていないんだよね、十年間は、財務省は。個別の査定はやっていないんだよね。やっていないって答えなさいよ。
  67. 杉本和行

    政府参考人(杉本和行君) 再評価については今申し上げたとおりですが、予算が成立いたしますと、毎年毎年事業の実施計画ということを協議を受けております。その毎年毎年の事業の実施計画予算が成立いたしますと、その予算全体額についてそれぞれ具体的な事業をそれぞれ承認ということで協議させていただきますので、その協議の中で、個別の事業について、それはこういう形でどういうふうになっていくのか、どういう単価で、どれだけ事業費を付けていくのかという、毎年毎年そこは見させていただいているということでございます。  事業全体についての評価については、先ほど申し上げましたような形で再評価を定期的にやられているのを踏まえて検討させていただいているということでございます。  毎年の予算とそれぞれの全体のお話と両方あると思っております。
  68. 福山哲郎

    福山哲郎君 さっきから僕は何回個別の事業だって質問したんですか。だれが全体の話を聞いたんだ。予算でシーリングが掛かるのは分かりますよ。でも、それは個別の事業に振り分けられたときにシーリングが掛かってそれぞれが少なくなっているかもしれないけど、事業年度が長くなって結局毎年毎年膨れ上がって、トータル八兆円増えているんじゃないですか。  だから、個別の事業についてどうだと聞いているのに全体のことしか言わない。ごまかすから今みたいな答弁になるんじゃないですか。個別の事業については、だから十年やっていないとお答えください、査定は。
  69. 杉本和行

    政府参考人(杉本和行君) 申し上げましたように、毎年予算が成立いたしますと、それについて実施計画を協議いただきます。その協議の中におきましては、個別の事業について御協議いただいておりますわけですから、その個別の協議を実施するかどうかについて調整させていただいた上で承認させていただいているわけでございますから、毎年の予算の執行に対しましては個別の協議をやらせていただいているということでございます。
  70. 福山哲郎

    福山哲郎君 毎年の予算の執行では個別に例えばシーリングが掛かると。でも、事業に対しては見ていないから、それはどんどんどんどん続いていくと。合成の誤謬なんですよ。トータルしたら八兆円膨らんでいるんだ。そのことについて、じゃ、財務大臣どう思われますか。
  71. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 例えば、一つの道路建設においても、あるいはまた橋を架けるにしても、恐らく福山委員も地元のこと等を考えれば、道路用地買収だとかそういうものはなかなかこれは容易じゃないことがたくさんありますよ。その過程で相場が上がっていったりとかそういうことも考えられますし、それで一定の方向付け、この道路は必要だ、この橋は必要だという、地域づくりのためには完成させていかなければならないという中で、そのコストアップもあるわけでございますから、そのときは毎年度毎年度もう建設省、国交省の要求があって、それをきちっと協議をして、その上で何かもうちょっと効率化できないのかとか、そういう厳しい協議が私は続いた中でコストアップがあったということもあったんだと思うんです。  ただ、これは委員が御承知のとおり、道路財源というのはもう国の場合は四・八兆から二・九兆円ぐらいに減っているし、この五か年だって三十八兆円から三十三兆円台に物すごく減っているわけですよ。そういう中で、やっぱり必要最低限のものがこの道路を完成させるために要求されていく場合は、これは増やさざるを得ない場合もあったんだろうというふうに思っておりますが、できるだけこれは合理化、縮減を図っていかなければならないということが前提だと思います。
  72. 福山哲郎

    福山哲郎君 私は全く納得できない。今の話で、聞けば聞くほど決めた道路はやり続けるとしか聞けないんです。何も、査定したって、それは年度では、トータル予算では査定するかもしれないが、事業見直しはほとんど行われないと財務省も認めた。ということは、それは時間は掛かるかもしれないけど、延々と続いてトータル八兆円増えるということじゃないですか。この五十九兆円の価格でそこに対してどうやってチェックをされるのかというのは、今のは全く説明になっていませんよ。  ちなみに聞きます。お手元にお配りをしている資料のこれは実は膨張率の大きい十事業のうちの一つですけど、沖縄に豊見城東道路というのがあります。これは何と最初の当初予算三百億円、道路特定財源二百八十五億使っています。これが何と当初の四・二四倍、千二百七十二億円に膨れ上がっています。  下から三番目の豊見城東道路というのは三百億円で、道路特定財源二百八十五億円使っています。それが現状のところ千二百八億円で四・二四倍に膨張しているような事業でございます。これの二〇〇〇年の再評価のときの、十年たったときのBバイCは幾らですか。
  73. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 当該道路の二〇〇〇年、平成十二年の事業評価、BバイCは一・八でございます。
  74. 福山哲郎

    福山哲郎君 二〇〇五年のBバイCは幾らですか。
  75. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 二〇〇五年、平成十七年、事業費が千二百七十二億円での再評価、BバイCは一・一でございます。
  76. 福山哲郎

    福山哲郎君 大臣、これ、秋に新たな交通センサスが出てきて需要が落ちていたら、一・一以下になる可能性って高いですよね。どう思われます。
  77. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 一・一ですか、一・〇……
  78. 福山哲郎

    福山哲郎君 今が一・一です。
  79. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) だから、一・〇を切ったらどうするかと言われるんでしょう。私どもは、その場合には道路構造を見直す。例えば、暫定二車線でやっているものはもう確定二車線にするとか、BバイCが、要するに便益が投資額を上回らない限りこれを続けることはできません。
  80. 福山哲郎

    福山哲郎君 今の一・一というのは、まさに今の大臣おっしゃられた見直しの規定に当てはまる数字ですよね。
  81. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) それは百二十四ページのことを言っておられると思うんですけれども、そうでしょう。それは、その時点において、その時点においてですよ、これからそれ全部それで造るということじゃなしに、それで査定をして、そして一・二という、要するに普通は一・〇でやるわけですけれども、それを評価のときには一・二と。なぜならば、そういう将来通行量が減る可能性があるとか、いろんな状況があるがゆえに、我々はそのアローアンスを〇・二見まして、二〇%ですね、見まして、そして査定してやったのが百八十七のそれでございます。  したがって、今ずっとやっていって落ちてくるやつはありますよ。でも、一・〇を切ったら、これはしてはいけません。いけません。しかし、そのときにはそれが一・二に、一・二というか一を超えられるように構造を見直したり、あるいはやり方を見直したりしながらじゃないとできないということを意味するわけでありまして、それはそこを挙げられて一・二まで回復しなきゃできないというものではないということを明確に申し上げておきます。
  82. 福山哲郎

    福山哲郎君 私は一・二まで回復してくれと言っているわけではないです。今一・一の状態、一・八から一・一の状態に落ちている状況大臣が言われたグループ三に入りますから、構造の見直し等に該当するところですねと申し上げている。
  83. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) ごめんなさい。正確に言っておられると思います。私の気持ちもそのとおりでございます。
  84. 福山哲郎

    福山哲郎君 これ、四倍に膨れ上がって一・八から一・一に落ちているんです。交通センサス、古い需要を使ってこれは作っていますから、今年の秋に需要が落ちたら一・一からまた下がる可能性があります。  この道路は四車線化の予定はまだ残っているかどうかお答えください。
  85. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 当該道路は今月の二十二日に暫定二車線で供用します。その後、五年以内に事業評価を実施します。現在作業中の平成十七年のセンサスに基づく推計交通量の評価を行い、十分な整備効果が得られるかを検証したいと、こう考えております。  ちなみに、交通量が下がるか上がるかということで、平成十一年と十七年の当該道路の交通量で……
  86. 福山哲郎

    福山哲郎君 そんなこと聞いてない、聞いてない。予定が残っているかどうか聞いているんだ。
  87. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) はい。申し上げますと、平成十七年のセンサスは交通量増加を当該道路してございます。    〔福山哲郎君「違う、違う。予定が四車線化」と述ぶ〕
  88. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 起立の上、御発言願います。    〔福山哲郎君「答えてないですよ」と述ぶ〕
  89. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 起立して発言してください。
  90. 福山哲郎

    福山哲郎君 答えてください、私の質問に。
  91. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 当然、BバイC、再評価のときに点検をして、そこがBバイCが一・〇ということになれば完成四車、そういうことを見直すということになります。
  92. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記止めてください。    〔速記中止
  93. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。宮田道路局長
  94. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 四車線の計画でございます。四車線化については、事後評価の結果も踏まえてその必要性について改めて検討してまいります。
  95. 福山哲郎

    福山哲郎君 大臣、おかしいでしょう。一・八から一・一に落ちたんですよね。まだ四車線化残っているんです。今、暫定二車線なんです。大臣、まだ残っているんですよ。これ、あなたの言っていることと全く逆のことを言ったわけ。大臣は四車線化を暫定二車線とかにしてコストを減らしていって一・一から一・二に上げたいと言ったんだけど、四車線化まだ残っているんですよ。こういう事業、どう思われます。
  96. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) この豊見城の自動車道というのは四車線で計画されているわけです。現時点はそうなんです。  したがいまして、これから供用が開始されます。それで、それによってもう一度道路の通行量等を調査もいたします。その結果ですね、またこの秋には新しい交通センサスに基づく将来交通需要予測も出ます。また、BバイCについても私は見直しをせよと言っています。したがって、そういう最新のデータを用いて一遍やってもらいますよ、この部分について、御指摘があるわけですから。その結果、一・〇を切るようであれば、私はこの四車線というものを、今は暫定でございますが、完成二車線に見直すことも十分あり得るけれども、現時点では四車線の計画でやっているわけですから、そういうことを正確に申し上げているんだろうと思います。
  97. 福山哲郎

    福山哲郎君 今まさに大臣はおっしゃった、御指摘があったからちゃんと見直しますよと。御指摘がなきゃやらないんだ。  財務大臣、こういうことがたくさん起こっている。四倍に膨れ上がった。それは、毎年はシーリングしているかもしれないと言うが、四倍に膨れ上がっているんですよ。BバイC見たら、一・八から一・一に落ちている。需要予測も下回るかもしれない。ところが、四車線化はまだ維持されているんだ。僕は、この豊見城の方々に何の恨みもない、この道路やめたくも別に思っているわけではない。しかし、こういうことを前提として、何のチェックも働かないで事業費だけは膨脹していくことが本当に財務大臣として許されると思っているのかと。さっきの話言っても、要は何のチェックも働かないわけですよ。どう思われます、大臣
  98. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) この豊見城の道路について知見がないんでありますけれども、普通、一般的には、道路を新しく造るとか道路を拡幅する計画を作るときは、地域計画とかあるいは広域的な計画がありまして、あるいは、ここに将来はこういう工業団地を造るとか、これは港に続いていくんだとか、それから那覇空港に続いていくんだとか、何かそういう計画の下にそういうものが造られていくことであって、今交通量が少なくても将来伸びる可能性もある、そういうものがBバイCでどういうふうに算定されているのか私は詳しく知らないけれども、やっぱりそういう全体の総合的な評価の上に立って厳しく査定されなければならないということには同意をいたします。
  99. 福山哲郎

    福山哲郎君 現実に今一・八から一・一に落ちているんですよ。この一番重要な一・二、一・一、一・〇、今議論になっているBバイCのこの中期計画、皆さんがバイブルのように使っている中期計画、これ外注しているんですよ。どこに外注して、どの部分を外注しているか、お答えください。
  100. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  高規格幹線道路の点検作業の相手先でございますが、財団法人国土技術研究センターでございます。
  101. 福山哲郎

    福山哲郎君 随意契約かどうか、お答えください。
  102. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 随意契約でございます。
  103. 福山哲郎

    福山哲郎君 平成十七年度の国土技術研究センターに対する国土交通省本省からの発注件数と金額をお答えください。
  104. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  本省から国土技術センターへの支出でございますが、特会からの支出でございますが、平成十七年度は六・五億円でございます。
  105. 福山哲郎

    福山哲郎君 何件ですか。
  106. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 二十一件でございます。
  107. 福山哲郎

    福山哲郎君 随意契約かどうか、二十一件、お答えください。
  108. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 二十一件すべて随意契約でございます。
  109. 福山哲郎

    福山哲郎君 平成十八年度の件数、金額、随意契約かどうかもお答えください。
  110. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 十八年度は、十件で三・九億円、九件が随意契約、一件が企画競争でございます。
  111. 福山哲郎

    福山哲郎君 企画競争もほとんど相手のいない企画競争ですから、ほとんど、九九%、随意契約。そこに発注して、重要なBバイCの評価をしてくださいということを外注しているんですよ。  これは、国土技術研究センターへ国交省からの天下りの状況をお答えください。
  112. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 平成二十年三月十八日現在で、国土交通省から当該財団法人への再就職者数は、役員で六人、職員で十二人でございます。
  113. 福山哲郎

    福山哲郎君 ここはちゃんと仕事はされているみたいですから、百二十六人中の十八人が天下り職員です。しかし、天下りの職員がいるところに中期計画外注して、ちゃんと評価しなさいと。毎年毎年ここは随意契約で受注しているんですよ。こんなのちゃんとした評価してもらえるんでしょうか、本当に。額賀大臣、どう思われます。
  114. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 私は、どちらかというと人は信頼する方でございます。  技術屋さんというのは、やっぱり、昨日平野委員も言っていましたけれども、本物追求に言ってみれば打ち込んでいく方が多いと思うんですよ。ただ、打ち込み過ぎて常識外まで行ってしまう場合もあるんですね。物すごくコストアップになってしまう場合が、これは多くの分野でそういうことはあるわけであります。しかし、今までのこの国会議論を聞いておりまして、道路特会関係のその本質的な部分ではなくてね……
  115. 福山哲郎

    福山哲郎君 本質的じゃないですか。八兆円も膨れ上がっているんですよ。
  116. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) いや、本質で、いや、道路を造るとか、そういうことじゃなくて、側の部分で無駄がちょっと多過ぎるとか、余計なところに銭を使い過ぎているとか、そういうことは物すごく感じるところがありますよ。  したがって、これは我々も、随意契約とかそういうものは透明性を持って競争性を図って、そして国民皆さん方の納得が得られるような形にしなければならないと、そういう意味では監視を強めていかなければならないというふうに思っております。
  117. 福山哲郎

    福山哲郎君 私は、今日はマッサージチェアの話なんか一言もしていませんよ。  大臣、どうですか、これ。外注して、毎年随意契約先、発注しているところに評価お願いをして、これが金科玉条のごとく、ちゃんとやっていますと。どう思われますか、大臣
  118. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私も額賀大臣と同じような感じなんです。  しかし、今回行ったその点検作業というのは、公団民営化のときに行いましたね、千九百九十九キロについて。全く同じ手法を用いたんです。それについては、それでいいという、そういう学者の先生方の御意見も拝しながらこれやったわけでございまして、それを天下りがおる団体だから不正確になるとかどうとかいうことではなしに、私は、公団民営化時と同じ評価手法でこの業務でも成果を活用しながら、客観的かつ厳格に行われたものと私は考えております。  したがいまして、この契約が随意契約であるということについては、私も国民皆さん方に納得してもらうということが難しいと。そういう意味で、昨年の十二月二十六日に随意契約というのはやめるということを決めたわけでございまして、ただ、この公募手続とか、いわゆる企画競争というものにつきましても、本質は随意ですね、最後は。しかしながら、多くの、できれば十人ぐらいの競争できる人たちに出てきてもらって、そしてその中で我々としては選んでいきたいということも申し上げているわけであります。  それから、もう一つは金科玉条、確かに私は中期計画を金科玉条にしていますが、この百八十七についてのBバイCそのものは、全部、その内容ではありません。すなわち、それを全部それによって即造るということを決めたわけではありません。したがいまして、その点については、一つの判断をしていただく材料として私どもとしては誠心誠意作ったつもりでございます。  また、それの内容についても、今年の秋には本当に十七年のセンサスに基づく将来交通予測を出そうという。ただ、もう御存じだと思いますけれども、日本中、六千に区画して、その六千をまた往復したやつを全部拾うんですよ。六千掛ける六千ですから、実に三千六百万通りのものを出しましてね、交通需要、そして、それを即一つ一つ道路、整備する道路についての、断面でどういうふうに通るかという予測をするという大変な作業なんです。私どもは、その資料とかそれも私も全部見せてもらっているけれども、物すごい作業です。これについて今年の秋に出しますから、それに基づいて問題の部分についてはきちっと査定をさせていただきたいというふうに思っております。
  119. 福山哲郎

    福山哲郎君 それなら秋にもう一回それで作り直せばいいじゃないですか。違いますか。国民の税金をこれだけ使って、そして国民から今、もう暫定税率廃止だと、一般財源化しろという議論をしているのに、皆さんのお話を伺っていると、何があろうが何であろうがどうしても造るというふうにしか聞こえない。  そんな需要が秋に出るのが分かっているんだったら、秋に作り直せばいいじゃないですか、もう一回評価をして。
  120. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) いや、そこのところがどうも、私は、野党の方、今回これについては猛烈な勉強をされて、我々も本当にいろんな勉強をさせていただきましたけれども、その作り直すという点については私はがえんずることできませんね。  これは、十九年末に納税者に対してこういうものが姿を示すということで作らなきゃならなかったわけですよ、十九年の末までに。これは数次の政府・与党の申合せとか、あるいは行政改革法とかそういうものの法律の中でまで約束したものですから、十九年の十一月十三日に我々はようやく出せたわけです。ですから、その作るについて一番最新の資料は何かといえば、十一年のセンサスで十四年の将来交通予測、今さっき言いましたように三千六百万通りにも及ぶOD、いわゆる起終点をきちっとした交通というものを予測して、そして出したものが最新だったんです、十九年のそれ出すときには。ですから、それを作っているわけです。  したがいまして、今後は、その中でこれから整備をする場合には、最新の、新しい、例えば今年にできるんであれば今年以降に整備に着手する分についてはその新しいものでもう一度やり直しますと、それにとらわれることなくやり直します。そして、BバイCが一を超えなければ着工はできません。そしてまた、財務省にもそれは評価をいただきます。  私どもはそういうことでやっているわけですから、それ自身を、過去に出したものを半年延ばしたらどうだとか、そういう思想はありません。それはそれなんです。したがって、そういうことで御了解いただきたいと思います。
  121. 福山哲郎

    福山哲郎君 じゃ、これの信憑性で行きます。  前もやりました。ここの中にある三十か所の大気質対策ですが、どこの場所をやるか決まっていますか。
  122. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) どなたへの質問ですか。
  123. 福山哲郎

  124. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  前回のお尋ねでもお答え申し上げましたが、中期計画対象の三十か所というのが具体的な箇所としては決めておりません。
  125. 福山哲郎

    福山哲郎君 どういった基準で決めるんですか。
  126. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 個々具体的には、毎年度のいろんな大気の状況、あるいは地元の状況、そういうことを判断して決めます。
  127. 福山哲郎

    福山哲郎君 答弁変わっているじゃないか。ここに書いてあるものをそのまま読んでください。中期計画に書いてあるのをそのまま読めばいいんだよ。
  128. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 環境基準非達成の箇所約三十か所に対して大気質対策を実施、おおむね三年以上環境基準を達成していない箇所と。
  129. 福山哲郎

    福山哲郎君 平成十五年から十七年で大気質対策として実施された箇所は何か所ですか。大臣、よく聞いておいてください。
  130. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  十一か所でございます。
  131. 福山哲郎

    福山哲郎君 二十二か所じゃないですか。もう一回お答えください。
  132. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 済みません。二十二か所、十一事業でございます。
  133. 福山哲郎

    福山哲郎君 二十二か所で幾ら使っていますか。
  134. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  千九百六十七億でございます。
  135. 福山哲郎

    福山哲郎君 先ほど言った重要なところです。環境基準非達成の箇所は二十二か所のうち何か所ですか。
  136. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  四か所でございます。
  137. 福山哲郎

    福山哲郎君 私は、平成十五年から十八年度の環境基準非達成の箇所を全部調べました。あなたたちが大気質対策だと言った二十二か所のうち環境基準非達成の箇所は四か所しかない。何のための大気質対策なんだ、残りの十八か所は。お答えください。
  138. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  二十二か所のものは平成十五年度から十八年度まで事業完了いたしましたものでございまして、これは、前お答え申し上げましたが、大気質の単価算出に当たってのサンプルとして抽出をしております。したがいまして、二十二局につきましては、すべて事業実施によって環境基準非達成が達成に変化したものではありませんが、大気質対策として効果のある十一事業、その効果の対象となる二十二か所との関係として、サンプルとして取り上げた次第でございます。
  139. 福山哲郎

    福山哲郎君 大臣、今の説明はお分かりになられますか。二十二か所のうち大気質対策だといって上がってきたので非達成のところは四か所しかないんです。ほかのところも大気質対策だといって、そして算出根拠を、実は千九百六十六億を二十二で割って一か所八十九億円と出しているんですよ。これおかしいでしょう、大臣
  140. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 大気の状況を見るのに四百三十七か所、七局と言っていいでしょうか、オートマチックで観測をずっと続けておりますが、その年によって達成したり達成しなかったりする部分があるわけですが、三年連続で達成しなかったのが二十八局あると私は聞いております。そういうものについては、対策は、そこにも書いてありますけれども、交差点で滞留するものを流れやすくするとかいうような対策を講ずるわけですから莫大な費用が掛かるわけです。  したがいまして、それは、ひいては交差点の渋滞対策でもあり、そういうこともありますけれども、大気質としても、私は、そのように連続しているところは少ないにしても、問題のある箇所が二十八あると、そういうものについて我々としては対策を講じなきゃならないと、そういう考えでそれを起案しているわけでございます。
  141. 福山哲郎

    福山哲郎君 その二十八か所が対象になっていないから聞いているんですよ。二十八か所対象になって事業しているわけじゃないんです。将来的な、二十八か所に対してはまだどこからやるかも決まっていないんです。だから、おかしいでしょうと。大気質対策は二十二か所やったとあなたたちが、国土交通省が言っているのに、そのうち非達成の箇所は四か所しかないんですよ。大臣、それがおかしいんじゃないですかと申し上げている。
  142. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私どもは、この環境の問題につきましても、十年間の間に、暮らしやすい、そのような東京でも、あるいは私の地元の尼崎でも、要するに公害というものでNOxとかあるいは遊離何とか物質というようなものがたくさん出るところはあるわけですよ。しかしながら、その観測がまばらになるわけで、これから十年の間に三十か所というのは、これについて三十か所はやらなければならないという、そういう認識の下にしているわけです。  ほかは、ほかの部分についてはすべて、例えば四十人以上の子供たちが通っている十一万キロメートルというのは特定されていますが、そのうち直すのは四万四千ですというようにしているわけで、この部分については三十か所ほどあると、そういうことでございます。
  143. 福山哲郎

    福山哲郎君 全然答えてないんですよ。  実は、あなたたちが大気質対策だと言った中で、一度も環境基準が非達成であったことがないところが群馬、北海道、山梨についても入れられているんです。  このことについてはどう思います。
  144. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 先ほど答弁申し上げましたように、二十二か所十一事業については、こういう対策の単価を出すサンプル、そういうものとして抽出をいたしました。  したがいまして、今御指摘の、非達成から達成した測定局というのは四か所でございますが、こういうものの中で改善をしてきているという箇所もございます。十か所ございますが、そういうものを見ながら、こういう事業がサンプルの事業費として、そういうものとして抽出をしたわけでございます。
  145. 福山哲郎

    福山哲郎君 僕は、あなたたちの書いたこのとおりに言っているんだ。非達成のところを事業でやると書いてあるから聞いているんだ。違いますか。  実は、あなたたちのやった事業の中の元塩公園というところは非達成の場所ですよ。ところが、事業が終わった後、非達成がまだ続いている。効果が全然出ていない。  このことに対してはどう思いますか、じゃ。
  146. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  御指摘のように非達成でございますが、一方、国道二十三号、ここが非達成の箇所でございますが、このバイパス事業によりまして、平成十一年、十七年のピーク旅行速度、こういうものを比較しますと、二十三・一キロから四十五・三キロ、あるいは二十五・四キロから五十九・一キロということで、非達成ではございますが、大気質の改善に効果があったというふうに考えております。  それからちなみに……
  147. 福山哲郎

    福山哲郎君 さっき言ったように、非達成になったようなところでないところだって実は二十二か所、あなたたちは出してきたんですよ。  じゃ、サンプルはどうやってサンプル抽出したんですか。
  148. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  これも繰り返しになりますが、こういう単価を算出するために、平成十五年度から十七年度、こういう単価を取る対象として十一事業二十二か所、そういうものを抽出した次第でございます。三か所については達成、十か所については改善効果が見られたということでございます。
  149. 福山哲郎

    福山哲郎君 だれが抽出したんですか、じゃ。どうして今後の三十か所のそのサンプルが単価の合理的な根拠になるんですか。
  150. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 大気質の対策事業、そういうものとしては、バイパス事業とか現道拡幅事業、それからもう一つは環境を測定する局が近くにあるかどうか、そこを測る必要がありますので、そういうものを絡み合わせて二十二か所を選定した、サンプルとして出した次第でございます。
  151. 福山哲郎

    福山哲郎君 そんな恣意的な単価の積算でどうやって信用できるんですか。もっと言えば、あなたたちが言っているように、環境基準非達成の場所で何ができるかを考える方が重要なんじゃないですか、ここで何ができるかを考える方が。  環境大臣、これずっと環境省が苦労しているのを私は知っています。非達成のところは延々非達成が続くんです。こんな関係ないところにまでバイパス工事だといってお金使われているぐらいだったら、環境省予算をもっともらってここの対策をちゃんとやった方が、よっぽど一般財源化してやった方がいいと思われませんか、大臣
  152. 鴨下一郎

    国務大臣(鴨下一郎君) 交差点の改良あるいは植樹帯、こういうようなものを整備していくというのは、もう今先生おっしゃるように、非達成のところ、やればそれなりの効果があるということはもうそのとおりでございます。是非、そういう意味では、科学的な知見に基づいて最も優先するところはどこなのかと、こういうようなことを考えつつ事業をやっていくのが妥当だというふうに思います。
  153. 福山哲郎

    福山哲郎君 じゃ、環境大臣は、今の国土交通省の環境、何も非達成ではないところにまでお金をぶち込んでいることに対して、これが環境対策だと言っていることに関しては了解をされるんですか。
  154. 鴨下一郎

    国務大臣(鴨下一郎君) 過去の事業についてはそれなりに今国土交通省の方でも御評価があったんだろうというふうに思いますが、環境省としては、これは特に都市部、集中しているところで非達成のところもまだございますので、是非そういうところに重点的に配分をいただければと、こういうふうに思っております。
  155. 福山哲郎

    福山哲郎君 そうしたら十分、一般財源で環境省にいろいろな対策やってもらったらいいじゃないですか。こんなうそみたいに、環境非達成のところを三十か所やるとか言いながら全然ほかのことをやっているんだから。  もう時間がないので、ほかに実はこのそれぞれの単価がいかにいいかげんか今日はやろうと思っていたんですが、できませんが、今の八十九億円、一か所八十九億円の根拠すら崩れているということだけは強く申し上げておきたいと思います。  これは一度話が出たかもしれませんが、お伺いをします。  地方事務所における道路特会の無駄遣いですが、中部地方整備局でテニスコートを道路財源で造った事実があるかないか、お答えください。
  156. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 過去におきまして、中部地方整備局北勢国道事務所、そこにおきましてテニスコートの設置がございました。現在はございません。
  157. 福山哲郎

    福山哲郎君 幾ら掛かって、いつまで使用されていましたか。
  158. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 恐れ入りますが、幾らというのは、時点が古うございますので、平成九年、その時点でございますので残っておりませんが、使用しておりましたのは平成十六年まででございます。
  159. 福山哲郎

    福山哲郎君 会計検査院、最後に質問します。  会計検査院が実際にあなたたちもテニスラケットやテニスボールを買った事実があったかどうか、お答えください。その上で、今の膨脹している事業費の在り方、それから積算根拠のいいかげんさも含めて、会計検査院として、一体道路行政に対してどのようなチェックをしてきたのか。  正直申し上げると、言いますが、会計検査院も実はテニスラケットを買っているんですね。何かテニスコートを国土交通省が造って、テニスラケットを会計検査院が買っているというのも、もう笑い話みたいなんですが、会計検査院はチェックをしなければいけないところでございます。  やっぱりこの問題は本当に根が深い問題で、今日の八兆円の膨脹も含めて、国民の皆さんは、暫定税率廃止をして特定財源を一般財源にしろという声が高くなっています。是非、政府においては真摯に受け止めていただいて、修正案を出されるんだったら思い切った修正案を、国民が納得する修正案を出していただきますことをお願いしまして、会計検査院の答弁、事実があったかないか、幾ら金額、買ったか、それから今までの流れを見ての答えをいただいて、終わりたいと思います。
  160. 増田峯明

    説明員増田明君) お答えを申し上げます。  今お尋ねのテニスラケットにつきましては、研修所庁費という費目の中で、私どもの合宿研修所における研修員の健康管理のための体育用品の一つとして平成十四年度に購入したものでございますけれども、こういったスポーツ用品の購入につきましては、十六年度以降は、国民の目から見た場合になかなか理解が得られないだろうということで自粛をしているところでございます。
  161. 伏屋和彦

    会計検査院長(伏屋和彦君) お答えいたします。  まず、ラケットの点でございますが、事務総局から答弁したとおりでございます。今の時点で考えますと、改めて当時の判断が甘かったのではないかと言われれば否定できません。国民の皆様、納税者の皆様の目から見てどう思われるかよくよく考え、慎重の上にも慎重に判断して対応してまいりたいと、そういう考え方に立ちまして、世間から疑念を抱かれることのないよう事務総局を指揮監督してまいります。  それからいま一つ、道路の話でございます。  会計検査院の検査は、御承知のように、予算や政策、事業の執行あるいは執行結果を対象としておりますが、やはり国民の皆様から納めていただいている大切な税金の使い道の話でございます。ただいま拝聴させていただきました道路の建設に関する事前評価、それから中期計画、さらには事業状況などに関する御議論を、今後の会計検査に具体的に生かしてしっかり検査してまいりたいと考えております。
  162. 福山哲郎

    福山哲郎君 終わります。
  163. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 関連質疑を許します。森ゆうこ君。
  164. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 森ゆうこでございます。  委員長、連日お疲れさまでございます。今日は質問が多岐にわたりまして、各大臣、大勢の大臣からおいでいただきました。どうぞよろしくお願い申し上げます。  まず、去る二月二十三日から二十四日にかけまして富山県を始め各地で暴風や暴風雪、高波による甚大な被害が生じました。亡くなられた方の御冥福を心からお祈りし、被災された皆様に対しまして心からお見舞いを申し上げたいと思います。  また、昨年の能登半島そして中越沖地震に関しましては、国を始めといたしました関係者の皆様方から大変御尽力をいただきまして、復興への道筋ができつつあります。この場を借りまして深く敬意を表し、感謝を申し上げるとともに、政府におかれましては、今回の災害についても被災地の要望をきめ細かく酌み取りながら、一日も早い復旧復興に向けた万全の措置をお願い申し上げたいと思います。  また、先般、臨時国会におきましては、被災者生活再建支援法の歴史的な大改正が行われました。このことにつきましても、政治のダイナミズムというんでしょうか、国民のために頑張るということで意見が一致すればできるじゃないかという思いを強くしたわけでございます。御協力いただきました先生方にも心から感謝を申し上げたいと思います。  それで、防災担当大臣に今後の能登及び新潟中越沖地震、さらにはさきの高波被害に対する対応について一言お述べいただきたいと思います。
  165. 泉信也

    国務大臣(泉信也君) 森委員にも大変災害に対してお力を貸していただきましたことをお礼を申し上げたいと思います。  能登半島地震が発生いたしまして約一年を迎えますし、また新潟県の中越沖地震発生からも八か月が経過したところでございます。いずれの被災地におきましてもインフラの復旧も順調に進んでおりますし、被災者の住まいの再建も進展しつつあるなど、地震被害からの復興に向けた歩みが進んでおると認識しているところでございます。特に御発言ございました被災者生活再建支援法につきましては、党派を超えて被災者の立場あるいは生活者の立場を重視した法律改正をやっていただきましたことに、私の方からも関係の議員に、あるいは全議員にお礼を申し上げる次第でございます。こうした再建支援法の改正に基づきまして、再建支援の足取りが一層確実に進んでおると理解をいたしております。  先ほどの能登半島あるいは中越、両地域とも被災者の方々が一日も早く元の暮らしに戻っていただきますよう、引き続き地元の御要望をお聞きしながら政府一体となって取り組んでまいるつもりでございます。  また、二月の二十三日、四日にかけての低気圧による高波災害につきましては、恐らく被災地の方々も思わぬ波浪の被害であったと思います。きっと戸惑っておられると思いますが、復旧のために我々としてできることに取り組んでまいりたいと思っておるわけでございます。特に新潟県、富山県におきましては漁業関係の被害が大変大きかったということを承知をいたしております。  引き続き、当面は被災の状況を的確に把握して、関係省庁と連絡を取りながら復旧対策に万全を尽くしてまいる所存でございます。
  166. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。  さて、次の問題に移りたいと思いますが、郵政の見直しについて、先般もこの委員会で自見議員の方から今の現状についてるる御説明がありました。  郵政民営化法第二条におきましては、この基本理念は、国民の利便性の向上と経済の活性化を図るというふうにされているんですけれども、先般いろいろ提示されましたそれを見ますと、サービスを向上させ、そして国民の利便性の向上を図るというよりも、明らかにサービスが低下しているんじゃないか、本当に国民に利益をもたらすと言えるのかという指摘があるわけですけれども、総務大臣、この点についてはいかがお思いでしょうか。
  167. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) お答えを申し上げます。  昨年十月、この民営化がスタートしたわけでございますが、その直後、情報システムのトラブルが生じたり、それから窓口での待ち時間の増加などが見られて国民皆さん方に御迷惑をお掛けした事実がございます。  こうしたことについては現在解消してございますが、一方で、全国に張り巡らされております郵便局ネットワーク、特に簡易郵便局の一時閉鎖の問題が起こっておりまして、今委員の方からもお話がございましたが、サービスの低下にもつながりかねないこの一時閉鎖局が今約四百四十局ほど生じていると、二万四千のうちですね、こういうことがございます。  これはやはり何としてでも、過疎地域の重要なネットワークでございますので解消しなければいけないということで、私も西川社長などに会いまして直接その対策を指示したところでございますが、例えばこの四百四十か所については、今臨時に他の郵便局から職員を派遣して開局をさせるサービス、これは百か所ほど今月中には実施をして、これはフルにということにはなかなかまいりません、曜日とか時間を指定をしてということになりますが、百か所はそれで臨時に開局をさせる。あと、移動郵便局、車に機材を積んでそして回らせるといったこと。それから、受託手数料も一度昨年上げたんですが、更に大幅にアップをさせるといったようなことを郵便局グループでも考えて、緊急対策を順次打ち出しているところでございます。私もその前倒しを指示をして、早く取り組むように指示をしてございます。  また、総務省として、こうした過疎地の特に簡易郵便局については地元の自治体にもいろいろ協力していただきたいと思っておりまして、そのモデルケースを今創出することを取り組んでいるところでございます。  一方で、民間との提携なども順次行われてきつつあるところでございまして、そうした新たな取組が進みますとまたサービスも新たなものが出てくるということでございますが、一方で、今委員御指摘いただきましたようなサービスの低下につながりかねないと思われるようなもの、これの解消に極力努めまして法の目的が達成されるように努力をしていきたいと、このように考えております。
  168. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 今大臣の方からも御説明がありましたけれども、それ以外にも千局の郵便局が集配業務を廃止、それから時間外の窓口を閉鎖したところも三千六百局ということで、本当にこれは明らかなサービス低下なんですよ。しかも、手数料が、例えば定額小為替の発行手数料は十円から百円と、十倍もアップしたと。こういう負担増は生じさせないと竹中大臣は言っていたんですよね。法案が成立しちゃったらそれまでかと、これだまされたんじゃないかなというふうに怒っている国民も多いと思います。  そんな中で、何とか自分たちの郵便局を存続させようと、出す必要のない荷物をわざわざつくって届けているという、これ本当ですよ、おじいちゃん、おばあちゃんたちからそういうふうに言われました。何とか守りたい、これがなくなったらここに住めないと、そういう意見もいただきました。  ですから、今度、郵政民営化委員会において三年ごとに総合的な見直しを行うと、これが二十一年の三月末までということでございますが、このフォローアップに向けてこういう切実な声をしっかりと受け止めていただきたいと思いますが、いかがですか。
  169. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) 昨年、大きな改革を行いました。そして、そのことによっていろいろと従前と違った取扱いになる、しかもサービス低下につながるようなことがいろいろ起きていると、こういう御指摘でございます。  これについては、法案の附帯決議でも、そうしたことのないように様々努力していかなければならないということになっておりますので、この見直し、これは来年の三月までに民営化委員会の方でこうした総合的な見直しを行うということとされておりますけれども、私どもも、民営化委員会のそこで示される内容について十分留意しつつ、また、先ほども言いましたような取組、これはもう待ったなしで、できるものからすぐに始めていかなければならないと思っておりますので、それも実施を促していきたいと。  そして、やはり何よりも、今委員御指摘のとおり、実態を常によく把握をして機敏に対応していくということが重要でございます。立入検査をしたり、報告を求めたり、あるいは、場合によっては新しい事業の認可の際にいろいろ意見を付けたりと、いろいろなやり方がございますが、常にそうした現場で行われている実態の把握に努めまして、そして国民目線に立った取組を行っていきたいと、このように考えております。
  170. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 法案の審議のときに約束されたこと、国民との約束は必ず守っていただきたいと思います。  次に、タクシーの問題に移りたいと思います。  一月に東京地裁で、このタクシー業、タクシーのドライバーさんたちからの訴え、これに対する異例とも言える判決が下されました。この件につきまして、大臣の御所見を伺いたいと思います。
  171. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 森委員がおっしゃったとおりでございまして、この判決には、傍論ではありますが、大変重要な指摘をされた異例の判決だと評価をいたしております。  要旨としては、規制緩和政策の実施、推進を経て、中略ですが、要旨だけ言いますが、タクシー運転手の労働条件の悪化というひずみを生み出していることは明らか。タクシー業務適正化特別措置法の改正をして、国土交通省厚生労働省においてもタクシー事業者の法令遵守への監督強化の姿勢を打ち出していると、こういう点については評価をされまして、政府、国土交通省厚生労働省が継続してその責務を果たすことを強く期待すると。こういう異例の、請求棄却ですけれども、問題意識を提起されました。私も全くそのとおり思っております。  それで、この法律は先年改正をさせていただきまして、この監督権限の強化とか、あるいは厚生労働省との共同しての調査とかいうことも入れたわけでございますが、もっと直接的には、タクシー運賃の値上げということが相次いでありまして、私の方でそれを承認をいたしましたが、その過程において私は、この値上げした分が労働者に配分されなきゃならない、この配分についてきちっと申し渡しをし、そしてその結果を報告を徴求して、そしてそれを公表するという形で、こういうものを実行できない人に対しては、私はまた監督を強化していこうというふうにも思っておりますが、そのような点を指摘された警世の判決であったと評価をいたしております。
  172. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 私は、規制緩和は必要なものはすればいいと思います。でも、このタクシー業界に関して言えば、規制緩和をして市場原理によって悪質な業者が市場から追放される、こういうことは起こりにくいということはもう既に証明されたというふうに言えると思います。そういう意味において、このタクシー産業の疲弊が供給過剰に起因するとの認識に立って、その是正を図るために新たな制度づくりを進めるべきというふうに、早急に進めるべきというふうに考えます。  先ほど大臣がおっしゃってくださった値上げなんですけれども、これ、原油高もありまして、ドライバーさんの運賃に反映していないんですよ。今、平均賃金、新潟の場合ですよ、新潟のタクシードライバーの平均賃金、三百六万円ですよ、年間。たった三百六万。一方で、同じ自動車、トヨタの去年の一時金の給与はたしか二百九十五万円でしたよ。本当にこれはいわゆる格差社会の象徴の問題だと思いますので、しっかりと対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  173. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 値上げをしました大分とか長野とかから、一定の期間がたちましたので報告を徴求いたしておりますが、売上げが余り上がっていないにかかわらず労働者の手取りは増えているというような、大変うれしい報告もあります。その中で、ごくごくわずかでございますが、これが労働者の賃金に反映していないという報告の部分もございまして、私は、それについてはひとつ監督を強化したいというふうに思っておりますし、森委員の地元、新潟だと思いますが、これは平成十年と比べて運賃収入というものが、平成十年が一〇〇とすれば平成十八年が七五・二と、二五%も売上げが下がっているんですね。ですから、これはやっぱり乗用車を使う人が、自家用乗用車の利用が物すごく増えてこういうことになるんではないかとも思われます。この車両は一〇二・一ということで、一〇〇に対して一〇二・一ということですから、微増なんですが、売上げがもうがくっと落ちているんですね。  そういう実態もいろいろ見ながら、しかし、働く人がそのようなことでは、私は、生活の面もそうですけれども、そういうことが自動車事故にもつながりかねないわけなんです。安全性の確保、利便性の向上、我々運輸事業の命ですけれども、その両方にこういうものがかかわってくると思いますので、引き続いてその点はきっちりウオッチングしながら、御指摘を踏まえて頑張ってまいりたいと思います。
  174. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 次に、情報インフラ整備について伺います。  携帯電話なんですけれども、最初の質問、ちょっと飛ばします、時間の関係で。  それで、国土交通大臣伺いたいんですが、先ほども災害のお話をさせていただきました。災害対応の観点から道路整備が必要だという御主張もあるわけですけれども、でも一方、災害の対応は道路整備だけでできるものではありません。それはこれまでの経験でもよく分かるわけでございます。  地元でいろいろ集会をしますと、皆さんから、道路の要望というよりは、新潟県は道路の整備が進んでいるということもあるのかもしれませんけれども、道路の要望よりはこの情報インフラの整備をもっと進めてほしいという要望の方が多いんですよ、私の場合ですが。ですから、道路特定財源は、こういう道路整備だけにかかわるんじゃなくて、一般財源化をして、限られた財源でございますので有効活用すべきではないかと思いますが、いかがですか。
  175. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 委員の近くでは能登半島沖地震に引き続いて新潟県中越沖地震がありまして、私もすぐ飛んでいきました。本当に悲惨に道路が崩れているんですよ。それで、この道路は、八号線、それから高速道路ですね、こういうものがやられていましたけれども、私はそこへ行って、本当に昼夜を分かたずその復旧に頑張っている人たちを励まし、本当に真っ黒けの顔で、ひげも伸ばして、やっていましたよ。  それで、ただ、八号線はすぐには直らないなと。がけ崩れとか、非常に大きい被害を受けた。しかしながら、高速道路については、これは頑張れば何とかなるんじゃないかということで、二日、三日で直しました。私びっくりした。ですから、この通行料金、ただにしようと、ここは。そして、八号線が通るまではただにしようじゃないかということは、みんな喜んでいただきましたよ。  また、ちょっと付言しますけれども、そういうふうになる前には、道路全然駄目ですから、我々の方の海上保安の船艇を用いていろいろ水も四千トン以上運びましたよ。それから、救急患者を船で新潟市へ運んだり、いろいろ本当、国土交通省挙げてやりましたよ。それで、激甚災害だって史上初めてですよ、一か月を切って指定したじゃないですか。これについても公的な被害を我々が査定、一生懸命したからできたんですよ。  私は、そういう意味で、この道路がなければ本当に大変だったということは実感いたしておりますし、その中越の、ここら辺に住んでいられる方の私は本当に総意であったんではないかというふうに思いました。非常に喜んでいただきました。
  176. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 自慢してほしいわけ。  まあ、本当にお世話になったことは確かですが、そういうことでは、自慢をしていただきたいためにこの質問をしたわけじゃなくて、もちろん道路も大切ですけれども、情報、インフラ整備のためにもこういうお金を使ったらいかがでしょうかというふうに質問したわけですが。  総務大臣、地元の人の言葉を借りますと、携帯電話も通じないんじゃ嫁が来ない、こう言われるんですよ。やっぱり、利用したい人が利用できるというふうな状況に持っていくべきだと思いますが、その観点で大臣の御所見方伺いたい。そして、この来年度予算での財源措置、財源確保についてはいかがでしょうか。
  177. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) やはり携帯電話、今もうだれもが所有する時代になっておりますし、特にその不感地域を解消させていく、これはもうここずっと長い間の懸案になってございまして、大分その解消が進んできましたが、どうしても地理的に不利な地域、電波の届かない、我が国の地形上もどうしても電波が届かない地域がございまして、大分解消には努めてまいりましたけれども、まだそうしたところが残っていると。委員の新潟を始め、やはりそうしたところは、今例え話でもお話がございましたとおり、なかなか嫁の来手もないんだなんという、あるいは若い人たちがレクリエーションで来ないんだという話も実際にあるわけでございまして、私どもも目標を立てて、今そういったエリア外人口が五十万以下まで減ってきておりますけれども、十八年から二十年度末までの間に新たに二十万人以上が利用可能な状態にしようと、こういう目標を立ててやっております。  事業者が、もちろん自主的な判断で整備をするということが基本ではありますけれども、それではかえって地域間の格差が広がるということにつながりかねませんので、政府としてもこの条件不利地域のエリア整備に予算を当てて取り組んできております。  二十年度の当初予算にはその関係の予算として五十八・八億、昨年は当初予算で五十・一億でございましたけれども、今年度は五十・一億、当初予算ベースではですね、来年度は五十八・八億を盛り込んでいるわけでございますが、そうしたことと同時に、今関係者を集めた懇談会を開いておりまして、あと新しい技術でこの経済的な基地局の開発ということにも取り組んでいるところでございますので、いずれにしてもこうしたエリア整備の予算を使うなりあるいは様々な技術を組み合わせるなりといったことでこの不感地域の解消ということに今後も取り組んでいきたいと、このように考えております。
  178. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 無駄遣いというふうに指摘されている道路予算に比べますと、何か額は、ええっ、それだけなのという感じもするんですけれども、是非積極的なお取り組みをお願いしたいと思います。  次に、自動車リサイクル法について質問させていただきます。  皆様のお手元にも少し資料を配らせていただきました。道路特定財源は入っておりません。しかし、自動車のユーザーの立場からいたしますと、このリサイクル料金、強制的に取られます。これが本当に有効に使われているのかということについてただしていかなければいけない。  実際、今地元を回って自動車屋さんに行きますと、このリサイクル料金もう高いんですよね。それで強制的に取っていく。そして情報管理料金は何の相談もなく勝手に値上げをしたと、こういうこともありまして、本当にちゃんと使われているのという質問が度々ございますので、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。  それで、まずこのリサイクル法の施行状況、特に、今資料もお渡ししましたけれども、預託・運用・払渡し状況等について政府の御答弁お願いいたします。
  179. 甘利明

    国務大臣(甘利明君) 御指摘の自動車リサイクル法でありますが、平成十七年の一月一日から本格施行されましたので、約三年強が過ぎたところでございます。料金は御案内のとおり新車販売時あるいは最初の車検のときにその所有者から預託されることになっておりますが、現在国内で使用されているほぼすべての自動車についてリサイクル料金の預託が終了しています。ほぼというのは、一時抹消をして中古流通に係る部分がこれには入っていない、しかしこれも再度車検を受けてナンバーを取るときには払うわけでありますから、そうするとすべてということになります。  預託状況についてでありますが、平成二十年一月末までに約八千六百十五万台を対象に、金額が約八千四百十八億円預託されております。比較的順調に預託が進んでいると思っております。
  180. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 資料を皆さん見ていただきたいんですけれども、今この資金管理法人、平成十八年度末で六千八百二十億円、これを運用しております。物すごい金額です。  財務大臣に、通告していないんですけれども、この金額、どう思われますか。六千八百二十億円という巨額のリサイクル料金が資金管理法人に今プールをされているわけですけれども。──また後でじゃ感想があれば、今お休みのようだったので。大丈夫でしょうか。  それで、これがきちんとリサイクルに最後まで使われているのかということについて、もしきちんとやられているんであれば不法投棄の車両はすべてなくなるわけですけれども、まだあるわけですよね。これは不法投棄の防止という法の目的もあったわけですけれども、それが達成されたとは言えないんじゃないんでしょうか、環境大臣
  181. 鴨下一郎

    国務大臣(鴨下一郎君) この自動車リサイクル法施行前におきましては、これ都道府県が把握していた使用済自動車の不法投棄あるいは不正保管台数は二十一万八千台あったわけでありますが、その後に、これ平成十七年の一月に同法が全面施行されまして、平成十九年三月末現在の不法投棄等の台数は三万五千台と、施行前の六分の一ぐらいに減少しております。そのうち施行後に新たに発生した不法投棄等の台数は約四千台ぐらいと、こういうようなことでありまして、これは平成十九年の三月末に自動車リサイクルシステムにおいて適正処理された七百九万台のわずか〇・〇六%と、こういうようなことでありまして、これは不法投棄等の台数が大変減ったと。  こういうようなことは、自動車リサイクル法が不法投棄防止等のことにつきまして効果を上げていると、こういうように認識しております。
  182. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 大臣が今提示された台数は、地方自治体が調査をしたところが報告をする、そういう台数ですので、必ずしも実数、きちんと政府が調べて明らかにしている不法投棄の車の台数ではないということを指摘しておきたいと思います。  ところで、これは、今、中古車輸出台数、これ百五十万台ぐらいあるんですけれども、そのうちこのリサイクル料金の手続、リサイクルの手続をしたものが五十万台ぐらいですので、ここにギャップが生じているんです、返還金額。なぜこのようなギャップが生じるんでしょうか。
  183. 細野哲弘

    政府参考人(細野哲弘君) お答えを申し上げます。  今御指摘のリサイクルのための預託金でございますけれども、本来国内で適正な処理がされるということの担保のために徴収しているものでございまして、したがいまして、その料金につきましては、仮にその車が輸出に回った場合につきましては、当然のことながら、ちゃんと輸出がなされたという書類を出すことによって還付を受けることができるということになっております。  今御指摘の件数でございますけれども、輸出の抹消仮登録台数、これ十八年度、国土交通省の統計によりますと約百四十四万台でございまして、これに対して、輸出をしたといってその料金の、リサイクル料金を還付を受けたものが、先ほど五十万台とおっしゃいましたけれども、正確には三十八万台でございまして、いずれにしても大変ギャップがあるということで御質問いただいたと思います。  このようなギャップが生じますのは、一つには、これは十八年度の数字でございますので、まだ法施行から二年目であるということでありまして、新車はともかくとして、既販車につきましては車検に掛からないというものがありまして、まだ多くの自動車に関してはリサイクル料金が預託されていなかったと。あるいは、これは輸出の抹消仮登録をいたしますと二年間は後で払戻しができるということでございますので、必ずしも当該年度に全部払戻しが来ないということもございまして、そういった事情によりましてこのギャップが生じたと承知しております。  したがいまして、それは十八年度までの状況でございますけれども、法施行三年後でございますので、先ほどの既販車についてのリサイクル料金につきましても預託が着々と進んでおりますし、恐らく平成二十年度からはこのギャップについては相当程度解消されるものと考えております。
  184. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 これ、ギャップによって生じるその差額、本来であればリサイクルに使われるべきこの預託金、使われないものは積み増されていくと思うんですけれども、それは幾らぐらいですか。
  185. 細野哲弘

    政府参考人(細野哲弘君) お答えをいたします。  ちょっと統計の取り方にはむらがありますけれども、例えば十八年度からその一年の差がありまして、十九年度でございますと、百四十八万台の抹消仮登録に対しまして返還を受けたのが約百十万台、この分が百十三億円ほどございます。したがいまして、その差額につきましては、これは当然のことながら、先ほど言いましたように少しずつ、二年の払戻しの権利がキャリーオーバーされる分がございますので、そこのストックに、ストックといいますかリザーブに使うということに基本的になろうかと思います。
  186. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 使われないお金がどんどんここにプールされていくことに問題はないんでしょうか。大臣、経産大臣かな、環境大臣でしょうか、どちらでもいいんですけれども、これ今六千八百二十億円あるんですよ。ここに毎年その差額、百億とか、ほかにもありますよね、強制的に抹消登録をしたものとか、そういうものももろもろプールされていくわけですけれども、このことについて問題はないでしょうか。
  187. 甘利明

    国務大臣(甘利明君) 六千数百億というのは、これから処理に使われる費用がプールされているわけであります。先ほど製造局長から申し上げましたとおり、中古車として輸出される中で、リサイクル制度、料金賦課制度が入っていないときのものが輸出されている、これは返還しようにもそのプール金がないわけでありますから、これ三年過ぎて以降はほぼすべての車から徴収をされているのでそれが返っていくということになろうかと思います。  ある程度の金額について権利を行使されないという方がいらっしゃるかもしれません。それはどう金額が積み上がっていくのかの中で適正処理についてきちんと検討していくべきだと思っております。
  188. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 これは年金と同じように後で使うために積んであるわけです。で、要らないお金、使われなかったお金、これ申請主義ですから、申告主義ですから年金と一緒ですね、こういうお金がどんどんこういうところに積まれていく。巨額の運用になっていく。そして、この管理している財団法人はここから運営費を出しているわけですよ。こういうふうにじゃぶじゃぶになっていると必ず財政規律が乱れて、今道路のところでいろんな指摘がありますけれども、今後こういう問題が起こるのではないでしょうか。  現在、ちょっと質問飛ばしますが、この運営している、管理している財団等について適切に運営されているか把握していらっしゃいますか。
  189. 鴨下一郎

    国務大臣(鴨下一郎君) 今経産大臣も申し上げましたけれども、実際には車、これは中古車は大体十一年ぐらいの寿命である意味でスクラップされていくわけでありまして、そのときの言わばプール金と、こういうようなことであるわけでございます。そういう意味においては、今は積み上がっておりますけれども、結果的には最終的に決済していくと、こういうようなことでありますけれども。ただ、その中で、この資金がきちんと管理されなければいけないと、こういうようなことで、これは自動車リサイクル促進センターの中に資金管理業務諮問委員会と、こういうようなものもできておりまして、この委員会では、リサイクル料金の管理は万全か、あるいは資金管理業務が適正に行われているか、リサイクル料金の使われ方は適正かなどについてしっかりと審議をしていると、こういうようなことでございます。  引き続き、これは環境省そして経産省の所管でもございますので、我々もしっかりと見守っていきたいと、こういうふうに考えております。
  190. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 先ほども申し上げました申請主義、それからユーザーに対してこのリサイクル料金がきちんと使われたのか、リサイクルが行われたのかということを通知するシステムがないんですね。  済みません、ちょっと時間の関係で、本会議がこの後ありますので、もう途中で質問をやめなければいけませんのでまとめて伺いますけれども、ちゃんとリサイクル料金を払ったユーザーが納得できるような透明性のあるシステムを再構築すべきであると考えますが、いかがでしょうか。
  191. 細野哲弘

    政府参考人(細野哲弘君) お答え申し上げます。  御指摘の点でございますけれども、リサイクル料金を負担した方から見て適切にいろいろな業務が進んでいるかということが透明性を持って分かる必要があるということでございます。という御指摘だと思います。  現在も、適正に処理がされますと、今ここでやっております財団法人の自動車リサイクル促進センターのシステムから引取り業者の方にその解体等の報告が参りまして、その上で解体報告を受けた業者から最終の所有者、つまり委託をした人に情報が行くということになっておりますけれども、御指摘のように実際自分の委託したものが引渡しの後どのような段階まで処理が進んでいるかとか、いつだれが処理をしたのかといったことについては大変関心があろうかと思います。  したがいまして、そういったリアルな情報につきまして、本年五月から、車両状況照会機能と我々言っておりますけれども、そういった機能を拡充いたしまして、車両番号でありますとか登録番号を検索していただきますとインターネットですぐ分かると、こういうサービスを始める予定でございまして、いずれにしましても、非常に高い透明性のある制度を構築をしてサービスの拡充に努めてまいりたいと思います。
  192. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開をいたします。休憩いたします。    午前十一時五十四分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  193. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成二十年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。森ゆうこ君。
  194. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 午前中の質問はちょっと優し過ぎたというふうに委員長から言われましたので、厳しく行きたいと思いますが。  冬柴大臣道路特別会計について伺いたいと思うんですけれども、じゃぶじゃぶだと、お金余っているんじゃないかという指摘がいろいろあるわけですけれども、皆さんのお手元にもお配りしておりますが、財務諸表、貸借対照表に基づいて少し質問させていただきたいと思います。  それで、いわゆる資産・負債差額、一番右側の方ですよね、六兆円、これは普通の感覚で見ますと、これは余っているお金じゃないか、剰余金は幾ら会社がもうかっているかという参考になるわけですけれども、単純に見ますと六兆円なんですけれども、なかなかそうはいかないというふうな答弁が返ってくるんですが。  それで、左側の方でちょっと説明をいただきたいんですが、例えば貸付金というのがございますが、これはどういうものでしょうか。
  195. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) これは、これでいいますと、負債の方にも他会計繰戻し未済金というのがありますが、これ非常に大きいお金ですが、これは産投会計、NTTのもの、これをお借りして、そしてこれをまた地方の道路公社等に私の方が仲介をして貸していると、こういうものが、これ非常に大きな金額ですが、一兆八千九百二億円、こういうものがありますが、これ両建てになっているんですね、これと。それでよろしいでしょうか。
  196. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 ほかにもあるでしょう、それ以外にも。残りの部分はどういうものですか。
  197. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 例えば、それが一番大きいものでございまして、地方道路公社、これが一兆百八十八億円というもので非常に大きいんですが、その次に日本高速道路保有・債務返済機構に対する五千六十九億等々、全部でたくさんありますけれども一兆八千九百二億というものが貸付金の明細でございます。
  198. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 資料を私はいただきました。道路開発資金貸付金というものがございます。こういうパンフレットに基づいて貸し出しているんですけれども、この中に会社、それから個人に対してもこの道路特定財源から貸出しをしているということがあったんですけれども、この辺について御説明いただけますか。参考人で結構です。
  199. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 道路開発資金につきましては、民間会社の方は、例えば民間の駐車場を造る際、そこの資金として貸し出しているというものでございます。会社というのは、東日本株式会社が持っておりますアクアライン、それに対する貸付金でございます。
  200. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 そのほかに一般の企業もあるんじゃないですか。
  201. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 先ほど申し上げましたように、一般企業も、例えば駐車場等やっている民間企業にもございます。
  202. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 その会社の名前を提示していただきたいと思いますが。
  203. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 済みません、突然のお尋ねでございますので、ちゃんと用意をして、提出は可能だと思います。
  204. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 要求しましたけれども、個人情報なので開示できないという返答でしたけれど。
  205. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 済みません。個人情報の部分は、もし提出するとすると、消して、そこを墨塗りということになろうかと思います。済みません。
  206. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 じゃ、お出しいただくということでよろしいですね。予算委員会に提出していただきたいと思いますが。
  207. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 済みません。情報公開の手続、そこの規定しっかり見てお答えをすべきだったと思いますが、それに沿って、手続の規定に沿って、個人情報の部分、それに沿って判断をして、提出できるんであれば提出したいと思います。
  208. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 どちらなんですか。出すんですか、出さないんですか。
  209. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 済みません。情報公開の手続、今にわかに記憶がございませんので、そこの手続に沿って調べまして、出せるものは出したいと思います。
  210. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 この委員会に参考資料として提出をいただきたいと思います、委員長
  211. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) ただいまの森委員の発言につきましては、後の理事会において諮りたいと思います。
  212. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 ミュージカルを上演したりしてプロモーターまでやっているのか、道路特定財源でというふうに思っておりましたけれども、何で金融業までやらなきゃいけないんですか、大臣。やめるべきじゃないでしょうか。
  213. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  先ほどお答え申し上げましたが、いろんなところが駐車場を整備されます。路上駐車がなくなりまして渋滞が減るということで、全体的な道路の管理に寄与する、そういうものに対して一定の条件を付して融資をしている、こういうものでございます。
  214. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 公に資するということは個人情報でも何でもないということですよね。公の情報ですね。そのことだけ確認させてください。
  215. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  支出については公でございます。個人で出している個人名ということでいえば個人情報になろうかと思います。
  216. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 とにかく公表していただきたいと思います。そして、このような事業はもう来年度から必要ないんではないでしょうか。大臣、やめるというふうに言っていただけないんですか。
  217. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 趣旨に沿って必要なものはやらなければなりませんし、私は今それが国民の目線から見て必要かどうかということを判断するほど情報を得ておりません。私に対するもちろん質問通告もなかったと思います。そういう意味で、よく判断ができるようになれば判断をしたいというふうに思いますが。
  218. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 本質は道路を造ることというふうに先ほどもおっしゃっていらっしゃいました。もう役割を終えた事業は見直すべきであると思いますし、もっと情報を開示すべきだと思います。  この貸借対照表にある固定資産ですね。この土地は、評価方法は簿価ですか、時価ですか。
  219. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 台帳の価格を基に減価償却を行って計上してございます。
  220. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 簿価ですか、時価ですか。
  221. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) これは貸借対照表だけが出されておりますけれども、これには附属明細があるはずでございます。この土地については、これ道路を造るわけですから、道路用地として買収をして、そして道路が完成するまでここに有形固定資産として、そういうものは多いと思います。そういうものにつきましては、当然のことながら、取得価格が記載されるのであろうというふうに思います。
  222. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 附帯の資料は余りにも分からないんですよ、情報の公開の程度が低くて。もっと公開をすべきだと思いますし、時価評価して再評価すべきだと思いますが、いかがですか。
  223. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) この道路特会財務諸表につきましては、特別会計に帰属する資産等の状況を明らかにするために、財政制度審議会におきまして取りまとめられた特別会計財務書類作成基準というものに基づいて作成し、公表を行っているところでございます。  御指摘の分かりやすい開示という観点からは、同基準に従いまして、現金、預金、貸付金、固定資産、出資金、貸付金等の明細についてもそれぞれ財務書類の附属明細書において明らかにしております。また、平成十九年度の決算からは、これらの財務書類に基づきまして、特別会計に関する法律の規定に基づき、会計検査院の検査を経て国会に提出することといたしております。今後とも一層分かりやすい特会の情報開示に努めたいというふうに思いますが、現在の時点ではこうです。  私も、ちょっと前職から見て、企業会計原則に従う典型的な貸借対照表、損益計算書、あるいは財産目録に比して分かりにくいなという感じは否めません。しかしながら、私ども、私はこれ当選してここへ帰ってきたときは大福帳でした。それで資産について、道路について評価もなかったですよ。  しかしながら、私もそういう点はあれですからいろいろ提言をしまして、企業会計原則にのっとったような会計基準に基づく経理を是非国から始め地方にも、また特別会計にもそれを適用を広げて、そしてこれについて連結決算が組める程度、そして、だれが見ても会計知識に通暁した人であれば問題点がすぐ分かるというようなものにしなければならない、その努力中だろうと思うんです。でも、なかったんですよ、財務諸表。そんなのですよ。だから、この間の道路公団改革のときに大問題になったのは、道路が一体幾ら評価があるのかということすら分からなかったということを思い起こしていただきたいと思うわけでございます。
  224. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 自慢しないでください。当たり前のことを要求しているんです。もうじゃぶじゃぶだということはこの委員会でも度々いろんな問題点指摘されました。指摘されたら出してくるけれども、そうじゃなかったら知らんぷりじゃないですか。  せっかく今いいことをおっしゃったんですから、やると言ってください。号令出してください。
  225. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) じゃぶじゃぶというのはどれがじゃぶじゃぶなのか分からないですけれども、これ、この貸借対照表で、本来であれば資本金勘定とかあるいは正味あり高と記載すべきところが、資産・負債差額と書いて、ごっつい金額が書いてあります。しかしながら、これは、六兆円というのは、この資産を全部売り払って、そして債務を全部返したらこれ出てくるんですよ。しかしながら、国土交通省では全部これ看過するわけにいかないわけです。  例えば、一番大きい出資金、三兆ですか、これ、三兆七千四百八十二億円、これは日本高速道路保有・債務返済機構に対する出資金が大宗を占めておりますけれども、これを返してもらえるかといったら、これは高速道路会社としては、法律で定められた四十五年以内に四十兆を返すという債務を履行する会社ですから、これを返してもらうわけにはいかないわけでございまして、そのほか現金・預金のところでも八千六百二十七億という現・預金があるというのは、普通の会社では非常に異常です。しかしながら、これは土地を買収した金額を、これ年度末ですけれども、予算が通れば次に箇所付けして払わなきゃいかぬ金なんですよ。  そういう意味で、非常に特殊ですけれども、御理解いただけると思うんですね。
  226. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 大臣がいろいろとこんなやって説明していただくよりも、本当にはっきりと分かるような財務書類を提出していただきたい。情報の開示と、そしてそれをきちんとチェックをしていただくということを強く求めたいと思います。  いかがですか。予算委員会に提出していただきたいんですが、再評価して。
  227. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) ただいまの件も後の理事会において協議をいたします。
  228. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 それでは、食の安全に移りたいと思います。大臣、お待たせいたしました。済みません。  それで、ギョーザの問題ですが、まず国家公安委員長にお聞きしたいんですが、中国の対応について、中国当局の対応ですね、これに関して非常に国民は不快に思っておりますが、こちらから情報提供をもう要求していると思いますが、その後、警察庁の方に、公安当局の方に中国の方から報告された内容等を御説明いただきたいと思います。
  229. 泉信也

    国務大臣(泉信也君) お尋ねの件につきましては、現段階では中国公安当局の見解と私ども日本の警察庁との見解に、事実認識について異なった点があることは事実であります。他方で、日中捜査当局間におきましては、これまで継続して連絡を取り合ってきたところでございますが、日本側が要求している資料についても既にその一部が提供されておりますなど、緊密な連携を図っているところでございます。  本事案の真相解明のためには中国側との緊密な連携を図る必要があるという観点から、警察としては、従来どおり中国側に対して、中国国内の捜査に必要な情報を日本側から提供するとともに、我が国の捜査に必要な情報の提供を要請しておるわけでありまして、早期の全容解明に努めておるところでございます。
  230. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 ちょっと不満ですね。要求も弱いと思いますし、いい関係を構築することは大切ですが、きちんと国民の安全を守るために、要求すべきことは迅速にタイミングよく要求をしていただきたいと思うんです。  このままではらちが明きませんが、この場合、総理特使などを派遣して、もっと高いレベルで中国の首脳部に日本側の懸念を伝えるべきではないですか。官房長官、お願いいたします。
  231. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 高いレベルでのやり取りは既に行われております。先般、二月二十一日に総理自らが来日された唐家セン国務委員に対してお話をしておりますし、外務大臣、唐家セン、あるいは在中国の日本大使から外交部等々への働きかけ、十分やってきております。  今、泉国家公安委員長お話しのとおり、必ずしも現時点で十分な情報提供があったとは思われませんけれども、今度、来週に中国側から鑑定の専門家日本に派遣をするというようなことも決まってきているようでございまして、多少入口において意思疎通がスムーズでない面もございましたけれども、今一番真相解明にとって重要な警察、公安当局間の話合い、情報提供も大分円滑化してきていると、こんなふうに認識しております。
  232. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 そもそも官邸の危機管理体制、これはもう本当に危機管理の問題ですよ。今回のギョーザの問題は危機管理体制に不備があったのではないでしょうか、官房長官。
  233. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 本件は、一月の三十日の日に事態が明らかになりました。早速、総理の御指示もあり、三十一日の早朝に関係閣僚会議を開催をするというようなところから作業が始まりまして、被害の拡大の防止とか原因の究明とか、再発防止策の検討等々をやってまいりました。  ただ、十二月の下旬の時点で、たしか千葉の保健所でしたか、そこのところから上のレベルへの情報伝達が不十分であった。果たしてこれが本当に食中毒なのか何なのかよく分からない状態でやや一か月近くが経過したというような点は反省点としてあるわけでございまして、今そうした危害情報の迅速かつ的確な政府における収集というものを構築している最中でございますし、もっと言いますと、こうした体制の整備というのをやらなければいけないという総理の強い御指示もございまして、今、岸田大臣を中心にしてそうした対応をどうしていくのか、消費者行政推進会議というものも発足をして、その一環の中で情報の一元化等々について検討して、五月ごろには方向性を明らかにしていきたいと考えているところでございます。  反省すべき点が全くないと私言っているつもりはございません。
  234. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 厚生労働大臣にお聞きしたいんですが、今後同様な事案があった場合に、予防原則に基づいて緊急的な輸入禁止措置をとる可能性について伺いたいと思います。
  235. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) これは食品衛生法を、こういう武器がありますから、これを使ってきちんと国民の生活を守っていくということをやろうと思っています。  食品衛生法八条を平成十四年に追加しましたのは、御記憶と思いますが、あの冷凍ホウレンソウ、残留農薬でずっとあった。何度やっても入ってくる。そうすると、今までの食品衛生法のやり方は、何か問題があったら個別にやってきた。これはちょっと待ってくださいということで投網を掛けるようにやろうというやり方をしたので、極端に言えば中国からのものを全部ストップする、ないしは例えば山東省からのものを全部ストップする、それから、この工場だったらそこの工場のものを全部ストップするという法の仕組みになっているんですが、ただそれをやると、安全、つまり問題のないようなものまで全部ストップすることになりますから、かなり厳格な適用基準があって、例えば五%ぐらいの違反率がないと駄目だと、そういういろんな条件がありますから、実際今のところは、ですから、もうとにかく一日も早く国民の生命を守るということで自粛要請するわけです。  今回やりましたら、厚生労働省から通報いたしますと、中国政府は、御存じのようにあの製造工場が操業停止で今止まっています。それから、中国国内含めての出荷済製品の回収も全部行われていますから、これ、あそこの製品は流通しておりません。しかも、検疫所に対して、輸入業者に対しても入れるなということで、ぴったり止まっています。  ただ、委員が御指摘のように、もしそういう措置があるにもかかわらず更に繰り返しそういうことがあれば、食品衛生法八条を発動するということは十分考えております。
  236. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 舛添さん、この間、八条の発動もあり得るとここで答弁されたわけです。今おっしゃった経緯は、私もこの法案の審議にかかわりましたのでよく分かっております。まさに今回の結果が、この間の食品安全基本法の制定、そして食品衛生法の改正、その他関係法の改正、これのケーススタディーだったんですよ、緊急事態ということでやるべき。で、発動もあり得るってここで言ったんですよね。きちんと審議会で検証してないじゃないですか。検討さえしてないじゃないですか。約束したんだったら守ってくださいよ、やるやるって言ってないで。
  237. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) それは、法の仕組みを今申し上げたように、なぜこれをやらないか、やってないかということは、先ほど言ったように、発動を検討する要件として直近の六十例について五%以上の違反がないといけない。それ、ないですよ。それから、薬事・食品衛生審議会の意見を徴してからでないとできないです。それをやっていると間に合いません。したがって、実効的に成果が上がる方法を取りましたので、今委員が御懸念のようなことが再び起こるとすれば、そして発動要件が満たされればやります。しかし、この法律を背後に置いて自粛要請、中国政府に対する外交的働きかけ、それで操業停止と、こういうことになっていますから、今全くこの問題なくなっておりますので、今はやらないということでありますから、必要ならばいつでもやります。
  238. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 私は、検討さえもしていないではないかと申し上げたんです。発動もあり得る、検討すると言いながら、審議会での検討さえもしていない。やるやると言ってやらないのが舛添流なんじゃないですか。  もう時間がないので次へ行きます。  それで、済みません、岸田さん、沖北待たせていらっしゃるようで申し訳ありません。  ちょっと質問順番があれですけれども、このまま、もちろん国産の食品が見直されるのはいいことなんです。でも、今もう年金は物価スライドしない、いろんな負担増、そういうことで、特に高齢者の皆さん、それから障害者、非課税世帯の皆さんに対しての何か手当て必要じゃないですか。困っているんですよ、食品が値上げされて、結果として。対策はありませんか。
  239. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) この食の安全というのは国民生活の安心、安全の中でも最も基本的な安全でありまして、この食の安全において国民の中に不安が広がっているということ、大変深刻に受け止めております。そして、こうした事案による影響につきましてはしっかりと把握をしなければいけないということで、関係省庁連絡会議におきましてもしっかりと把握をしていきたいというふうに思いますが、まずは今現状最優先で取り組むべきことは、この原因の究明と再発防止等を通じて国民の不安を払拭することだというふうに認識をしております。  原因究明も今道半ばでありますが、この再発防止策につきましては、二月二十二日、第一弾の防止策発表させていただきました。こうしたものをしっかりと進める、また原因究明の状況を見ながら第二次、第三次の再発防止策を積み重ねていく、こういったことによって不安を払拭する、これを最優先課題で取り組み、状況につきましてはしっかりと把握を続けていきたい、そのように思っております。
  240. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 情報の共有とかいろんな問題点が指摘されておりますけれども、私、先ほど申し上げました、さっきの法案の成立の過程で審議にかかわりましたので、本来この食品安全基本法第十四条に、そういう情報の連携、緊急時の対応ということは、構築すべきというふうにもう法律にもうたわれているんですよ。なぜやらなかったんですか、今まで。もうサボタージュしていたんじゃないですか。どうですか、大臣から。
  241. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) こうした緊急事態に対する対応につきましては、もう平時からしっかりとした対応を考えておかなければいけない、これは当然のことであります。そして、現実、今回の事案の発生を受けまして、いろいろと行政、緊急時に対する対応ということで考えてみなければいけない、こういった点は出てきているというふうに思っています。  ですから、先ほど御紹介申し上げましたこの二月二十二日の再発防止策の中にも、食品危害情報総括官という役割の人間を各省に配置するというような体制等、より一層現実に即した体制をこの再発防止策の中に盛り込んだということでございます。
  242. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 農水大臣にやっぱりお答えいただかなきゃいけないんですが、食料、もう輸出国も輸出を止めるというところも出てきているわけですね。この食料難、原油高もあります、それからバイオエタノールもあります。その未来戦略として、農業、食料の確保について未来戦略というようなものがありましたら是非お述べいただきたいと思います。
  243. 若林正俊

    国務大臣(若林正俊君) この冷凍ギョーザ問題を契機として、国民の多くの人たちが輸入食品についての不安を抱き、そしてまたいろいろな各種の世論調査を通じましても、やはり基本的には食料の自給率を高めなければ駄目なんだというような認識、そういう意見というのが広く広がってきていると思います。そういうような国民的な意識というようなものをしっかり受け止めまして、今までも努力をしてきましたけれども、なかなかこの食料自給率のアップということが難しい、うまく進まなかったという状況がございます。  そこで、私の下に、食料の未来を考える戦略会議というのを有識者を集めてやっておりまして、近々総理も出ていただいて、そこでしっかりとした将来に向けての方向付けをした上でそれを実現するための具体的な施策を組んでいきたいと思いますが、一番大事なことは国民理解そしてまた御支持がいただけることだと思います。相当の財政負担を伴うような対策も必要になってまいりますので、その意味では国民的な理解をいただくための食料自給率向上に向けての国民運動のようなものを展開をしながら具体的な施策を積み上げていきたいと思っております。
  244. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 今地元に帰りますと、民主党の農業政策に対する期待が非常に大きい。私は農業専門じゃないんですけれども、もうとにかく集会では農業を何とかしてもらいたい、食料の自給率を確保してほしいと、そして民主党の政策を実現してほしいという要望が大変強いということを申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  245. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  246. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 次に、中谷智司君の質疑を行います。中谷智司君。
  247. 中谷智司

    ○中谷智司君 皆さんこんにちは。民主党・新緑風会・国民新日本の中谷智司です。委員長大臣の皆さん、そして委員の皆さん、大変お疲れさまでございます。  現在、サブプライムローンの問題、そして原油や鉄鉱石などの資源高、そして国内においては、何といっても建築基準法改正による混乱によって日本経済の見通しは大変厳しいものになっています。日経平均株価も二年七か月ぶりの低水準で、今朝の時点で一万二千二百円台まで下がってきています。私の地元徳島においても、原油高と建築基準法改正の混乱を何としても良くしてほしい、そういうふうなお声をたくさんいただいております。今日は、建築基準法改正による住宅着工の落ち込みについて御質問をさせていただきます。  まず最初に、大田大臣に御質問いたします。  建築基準法改正によって住宅着工が落ち込んでいますけれども、日本の経済損失はどの程度だと考えられますか。
  248. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) 新設の住宅着工戸数が昨年七月以降大幅に落ち込みまして、前月比で見ますと十月以降はプラスに転じておりますけれども、前年比、前の年との比較で見ますとマイナスが続いております。  この着工の落ち込みによりまして、昨年の七月—九月期、それから十月—十二月期、この二四半期は民間住宅投資が実質GDP成長率をそれぞれ〇・三%ポイントずつ押し下げました。また、数字としては把握できませんけれども、この影響で建築資材の生産や出荷が減少しているほか、倒産した企業もあると聞いております。さらに、企業収益、耐久財消費といったところへの波及の可能性も考えられます。  ただ、冬柴大臣が積極的に改善に、打開に取り組んでおられますので、足下の動向を見ますと、一月の住宅着工は百十八・七万戸まで持ち直しておりまして、回復に向けた動きは進んでおります。  今後もこの住宅投資が実体経済に与える影響というのは注意して見てまいります。
  249. 中谷智司

    ○中谷智司君 いろいろな見方があります。みずほ証券チーフ不動産アナリストは、建設関連業界には八兆円から十数兆円程度の影響が出ることも考えられるという厳しい見方をしておりますし、今、大田大臣は〇・三%とおっしゃられましたけれども、私の前回の質問のときにはGDPを〇・六%、住宅だけでは〇・四%下押ししたと見ていますということをおっしゃられていましたけれども、ここから試算をすると約三兆円の損失ということになります。どちらにしても大変大きな損失です。大田大臣も数兆円規模の大きな損失があったという御認識はおありでしょうか。
  250. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) 先ほどは住宅だけを申し上げましたけれども、これ以外に、今先生がおっしゃった設備投資の方への影響もございます。工場とかオフィスビルという建築系の設備投資、これが十九年度全体の見通しを〇・二%実質GDPを押し下げておりますので、十九年度でいきますと、住宅分が〇・四%押し下げられ、設備の分が〇・二%押し下げられ、合わせて〇・六%分の押し下げがあったと見られます。  単純に計算しますと、〇・六でGDP五百兆円で掛けると三兆円という数字になりますが、それ以外に先ほど申し上げた波及の分も恐らくあるんだろうと思いますが、これはちょっと数字で十分に把握できません。
  251. 中谷智司

    ○中谷智司君 ありがとうございました。  そうした中で、先ほどもお話の中に出ていましたけれども、住宅需要が落ち込んだわけではなくて住宅着工が先送りされてきただけなので、景気は回復が続いて、これも前回の質問のときの御回答なんですけれども、来年度、平成二十年度は実質成長率を〇・四%押し上げるとおっしゃいましたけれども、その方向になってきているでしょうか、御認識をお伺いさせてください。
  252. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) 足下の住宅着工を見ますと、昨年の前半の水準に戻ってきております。これは二十年度の実質GDPを押し上げていくと見ております。それによりまして、十九年度は住宅投資がマイナス一二・七%でしたけれども、二十年度は九・〇%に、それから設備投資の分は、昨年度は、これは設備投資全体でですけれども、〇・九%にとどまっていたものが、二十年度は三・三%になると見ております。  非常に落ち込みが大きかったですから、それが完全に戻るとはなかなか考えられませんし、その過程で例えば倒産ですとか幾つもの影響が出ておりますので、完全に先送りされて元に戻るというふうに楽観的には見ておりませんけれども、来年度はこの押し上げ要因になっていくということは考えております。
  253. 中谷智司

    ○中谷智司君 三月十四日、参議院予算委員会で、私どもの党の津田委員が住宅着工の落ち込みについて福田総理と冬柴大臣に御質問をいたしました。そのときに福田総理は、極めて悪い状況というものは脱して正常に復しつつあると認識している、冬柴大臣は、正常に戻りつつあるのかなというふうに言って過言ではないと思いますと。  私からするとちょっと甘い認識なのかなと、そういうふうに感じましたけれども、改めて今の冬柴大臣の認識を伺わせてください。
  254. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) まず、今回の建築基準法の改正に伴い大変な混乱が生じた、そして国民生活にも経済にも影響を与えたということ、そしてまた、そのほとんどが中小企業ですけれども、この建築関係の多くの業界の方々が大変苦しい思いをされた。これに対しましては、私は建築行政を担当する者として心から国民におわびを申し上げたいと思います。  ただ、これを始めたのはもう御案内のとおりでございまして、姉歯事件から始まりまして、多くの心ない、一級建築士と申しますか、そういう人たちの驚くべき行為によって、この国で震度五強の地震というのは我々はよく経験するんですが、それで完全に倒壊してしまうというようなマンションがこの国で売られたと、こういうことは二度とあってはならない、これは国民共通の意思だったと思います。  したがいまして、民主党におかれても、これに対して、早く改正をしてこういうことが起こらないようにという御意思を示されましたし、我々が言っていた以上にもっと強い規制すべきだというお話もございました。しかしながら、これが一年で早くやらないと、中小企業の宅地建物取引業者始め建築業者も、とてももう売れない、一戸も売れないという状況が続いては困るから一日も早く施行すべしということで、一昨年の六月二十日に成立いたしまして、一年以内に施行せよということでこれを施行させていただいたわけでございますが、ただ、これだけ大きな法律でございますし、単に建築基準法だけではなしに建築士法の改正も行いましたし、そういうことから考えますと大変難しい仕事だったと思います。  しかしながら、それだけの、もう弁解はやめますけれども、いろいろと手を打って、本当に私にとっても、住宅局なんかほとんど昼夜を分かたず徹夜を続けてやってくれましたけれども、十分習熟をしなかったところでこういうことが行われたということで落ちました。  一番落ちたときは昨年九月で、着工戸数では六万三千戸、前年同月比では四四%減という大変な落ち込みで、年率換算して季節調整値では七十三万戸落ちたという、これを底にしまして着実に回復を現在までいたしておりまして、先ほど大田大臣もおっしゃっていただきましたように、年率換算にして季節調整済みで百十八万七千戸まで回復した、一月現在ですけれども、これは平成十五年の百十七万四千戸を超えています。そして、平成十六年の百十九万三千戸に迫るものでありまして、ほぼ対前年が百二十八万五千戸と、これ史上一番多かったわけですが、それと前年と比較するとまだ若干落ちていますが、それでも一けた台まで回復することができました。  したがいまして、例年春先から建築確認申請件数が増加するのは常でございますので、引き続き建築確認手続が円滑に行われるようにきめ細かな情報提供とか技術的支援の取組を継続してまいりたいと思っております。
  255. 中谷智司

    ○中谷智司君 福田総理やあるいは冬柴大臣、そして国土交通省の方々にこのことを聞くと、住宅着工数が戻ってきている、だから良くなってきているんだ、そういうふうなお話をされます。  ちょっと見方を変えます。  この住宅着工の申請を出してから住宅着工ができるまでの、つまり審査期間、これが建築基準法改正の前と後でどれぐらい変わったか、冬柴大臣、教えてください、お願いします。
  256. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) お答え申し上げます。  今回の改正によりまして、建築期間に関する法定の審査期間は、木造の二階建てみたいな小さなもの、これは従来どおり七日でございますが、その他の建築物につきましては従前の二十一日から三十五日に延長され、加えて大臣認定構造計算というものを用いない場合、いわゆるピアチェックを受けるもの、これにつきましてはプラス三十五日で最大七十日とされております。  改正法施行前における審査期間の調査データがございませんが、施行後について、最も審査に長期間を要する構造計算適合性判定の対象物件について審査期間のサンプル調査を実施しました。対象は今年の一月の最初の五営業日、一月七日から十一日に確認済証が交付された物件、都合二百九十二物件でございます。サンプル調査の結果、平均で審査期間は六十三・八日、事前審査期間を含めると百一・五日となっています。そのうち構造計算適合性判定に要した期間が三十九・三日となっております。当然、この数字には審査中の中断期間が入ってございますので、そういった中断期間等について建築行政の関係団体に聞きますと、全体のおおむね半分ぐらいがいわゆる持ち帰って作業をしている審査中断期間じゃないかと、こういった答えを聞いております。
  257. 中谷智司

    ○中谷智司君 今お話があったのが、私が皆さんに資料として二枚目と三枚目でお配りをしているものです。二枚目が事前審査を含んだ審査期間、二十一のものを出しています。そして今御説明にあったその五営業日の平均というものが、三枚目の資料の全体というところの一番右、事前審査を含んだ審査期間百一・五日、これは建築基準法改正の前はどれぐらいの期間でしたか。
  258. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 率直に言って、建築基準法施行前のデータは取ってございません。少なくとも、改正前は元々七日から二十一日でございましたし、ピアチェックという制度はなかったわけでございますから、当然、今お示ししている数字よりははるかに短い期間で済んだものと考えております。
  259. 中谷智司

    ○中谷智司君 確かに、数値のデータとしては残っていないようなんですけれども、一般的におおよそ一月ぐらい、三十日前後じゃないかと言われています。つまり、今でもこの審査期間、以前に比べて三倍以上掛かっているんです。つまり、住宅着工の落ち込みというのは、着工数だけを見て数字の上で正常に戻りつつあるように言っておられますけれども、実際私、地元徳島に帰って、そして地元の建築業者さんの方々とお話をしていると、まだまだ地元は混乱している、そういうふうに言っておられます。  それについてはどうお考えでしょうか。
  260. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 御指摘のとおり、当初非常な混乱がございました。これは大変私どもの周知不足でございまして、大変申し訳ないと思っております。しかしながら、構造計算適合性判定につきましても、かなり判定員が充実するとか、あるいは適判についての習熟が進む、あるいは新しい構造基準に関する設計側の習熟が進む、こういった状況の中で、今、私御説明しましたが、数字についても、まだまだ長いわけでございますが、改善の方向と見ております。    〔委員長退席、理事椎名一保君着席〕  先生お配りになりました資料でも個別の案件の一覧表がございましたが、あの中でも非常に短く済んでいるものと非常に長く掛かっているものがあると、こういった実態がございまして、その辺は当初の設計の熟度が高ければかなり早く進む、あるいは当初の設計の熟度が非常に悪ければ事前審査を含めて長く掛かってしまうと、こういったばらつきがございまして、この辺を、冒頭大臣も御説明しましたが、きめ細かな情報を周知して解消していかなければならないと、こう考えております。
  261. 中谷智司

    ○中谷智司君 冬柴大臣、これを聞いて、この混乱は収まってきているというふうに受け取れますか。
  262. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私は、一けたに落ちたから混乱が収まっているとは絶対思っていません。まだまだ努力しなきゃならない、そのように思います。  私も現場も見せてもらい、ピアチェックの現場、大変な書類なんですね。もうこれは一万平米の書類だと言われましたけれども、本当にすごい書類で、それをめくってみると全部数字なんですね。我々はこういうものを、大臣認定プログラムができればこれについては審査が物すごく早くなる、法律も大臣認定プログラム、七十日まで認めていただいておりますが、それを大臣認定プログラムを用いた場合は三十五日を限度とするということで、すぐ半減されるわけでございます。私は、大臣認定プログラムについても大変遅れて、二月二十二日に大臣認定プログラムが正式な認定をしたということで判定は遅れていますけれども、そういうものもこれを正常化して、一日も早くしないと、やはり混乱しておられる。  それから、末端では、我々としてはいろんな融資の手続とかいっぱい、三十万部にも及ぶパンフレットをあらゆる業界の人に渡したんですが、私にお会いした人は、私は三部もらったという人もあれば、おれはもらっていないという人、いやもらったけど、途中まで読んだけど、一番最後にそんな融資のこと書いてあるのはおれもう知らなかったとかですね、いろんなことがありまして、だから、なかなかそれを周知していただくのは難しいんですけれども、だからといって、私はこの混乱は何としても我々の責任で回避したい、回復したい、これは一過性のものにして、そして国民経済に与える影響を小さくしたい、こんな思いで我々は努力をしているつもりでございます。また、しなければならないと思っています。
  263. 中谷智司

    ○中谷智司君 私も、この住宅着工の落ち込みというのは非常に大きな問題で、まだまだ混乱が続いていると思っています。  私も今までのこの衆参の委員会での議事録、すべて目を通しました。しかし、この委員会議論していることは、まだまだ大きな大変厳しい状況にある方々の議論が欠けています。というのは、もっともっと言うと、これは常に困っているのは建築関連業者さんだという話になります。建築関連業者さんが間違いなく困っておられる、もう本当に日々の生活に困っておられる、仕事がなくなってきて困っている、これは確かなんですけれども、それだけではないんです。  私のこのお配りした資料の六枚目と七枚目を見てください。今日はまた違う視点から、もっと広い範囲の人が厳しい状況になっているということを話をさせていただきたいと思います。  これは建築主さんです。つまり、建築業者さんに仕事の依頼をされる方々です。ケーズホールディングスが二〇〇七年度の下期の出店計画を二十店から十店に半減した、タリーズコーヒーが六十を計画していたのを四十五店にとどまる見通しだとか、そういったことをこれ二ページにまとめています。小学校だとか幼稚園や保育所までが、冬柴大臣の地元、兵庫県の川西市の保育所も実際に今年四月に開設の予定がこの六月まで先延ばしになっています。  こういった建築主さん、マンションであれば建築主さんに加えてそこに入居したい方々までが大きな影響を受けています。これについてはどう思われますか。こういう認識ありましたか、冬柴大臣
  264. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) もちろん認識あります。もちろん認識がございます。私の地元もありますし、諸所にそういうところの方々ともお会いをし、そしてまた私の方の、去年の九月ごろまでですけれども、大変抗議に近い要請もたくさん参りました。そういうことから、いろんな範囲で御迷惑が広がっているなということはもちろん実感をいたしておりました。  ただ、今委員のように特定の会社の名前を挙げてされるということは、私は、私自身は、まあ小さな中小企業の人たちからのいろんなお話とかは聞きましたけれども、そこに書かれているような大きな会社がそういうことになっているということは私は初めて知らしていただきました。
  265. 中谷智司

    ○中谷智司君 ここに書いてあるのはもう本当に一部の一部なんです。もう本当にたくさんの方が困っておられます。そして、これらの方々に対して御認識があったということなんですけれども、救済策を講じたことがありますか。
  266. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 去年の九月ごろから、私、中小企業の方が多いと、大企業は別として中小企業の方が多いということの認識がありましたので、産業経済大臣お願いをいたしまして、あの貸し渋りのときの、平成十年あるいは十一年というときの中小企業金融安定化特別保証制度というものを発動してほしいということでやっていただき、最初は業種も限られていましたけれども、もっと広くしてほしいということで、現在は、委員から出していただきました資料にもありますけれども、もうほとんどの業界については政府系金融からの融資、それからそれも枠を非常に広げています。それから、中小企業金融保証協会における保証枠も、普通は二億ですけれども、別枠で二億を、しかも非常に低い保証料でやっていただくという手も打ち、私どもは中小企業に関してはそういうふうな手続をさせていただきましたけれども、今挙げられたような、イオンさんとか、そういうものについては我々はそういう手は打っていないというのが事実でございます。
  267. 中谷智司

    ○中谷智司君 学校や幼稚園や保育所というのはこの中に入っているんですか。
  268. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 政府系融資とか保証の対象じゃございませんが、特に学校とか幼稚園とか小学校、こういった公的施設につきましては、そういった問題が起きたときに、例えば確認申請する相手が地元の特定行政庁であれば、それはもう公共団体の責任で一生懸命頑張ってほしいと。加えて、民間確認検査機関の場合についても、公共団体の方で事前相談等をしっかりやる中でなるべく円滑に進むように指導してほしいと、こういったお願いをしてまいりました。
  269. 中谷智司

    ○中谷智司君 これは新聞から引っ張ってきたものなんです。つまり、新聞に出るということは大企業がどうしても多くなってしまうんですよね。ということは、中小零細企業の方は新聞にも載らない、だから地元を歩かないと分からない、そういったことで、こういった大きな被害を受けていてもなかなか救済策を講じてもらえない、そういうふうな状況にあります。  そういうことをきちんと認識していただきたいんですけれども、冬柴大臣、どう思われますか。
  270. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 先ほどからるる申し上げたとおりでございまして、私も、当選以来、地元大阪あるいは尼崎は中小企業の町でございますから、そういう人たちの声は一番よく入るわけです。したがいまして、そういうものに対して、先ほど申し上げましたように、中小企業金融安定化特別保証とか、あるいは中小企業金融円滑化借換え保証というものを、まあここで言うのはどうかと思いますけれども、公明党、率先してこれやったわけですよ。そういう実績があるわけです。したがいまして、それを創設したことも私関与していますから、そういうものを利用してでもこれをやってほしいということでやっていただいた。ここに書いてありますけれども、ほとんどの業種は入れていただきました。  そして、今言ったように、政府系信用保証につきましても、あるいは融資にしても、国金は普通二千四百ですが四千八百万円、それから商工中金とか、これは四億八千万まで融資が受けられるようにしましたし、そういうことで、金融上それによって影響を受けて倒産することがないようにということは配慮をし、一生懸命やってきたつもりでございます。
  271. 中谷智司

    ○中谷智司君 今、冬柴大臣はほとんどの業種が入ったとおっしゃいましたけれども、私は、もちろんこの建築関連の業種の方、これはもう一番に救済してあげなければいけない、助けてあげなければいけないと思いますけれども、それ以外の業種がかなり漏れていると思いますけれども、いかがでしょうか。
  272. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) こういった建築の落ち込みで、委員おっしゃるように、初めにすぐ影響を受ける業種、だんだんと遅れて後の方で影響を受ける業種、いろいろあるかと思います。そういった意味で、関係業界等からいろいろヒアリングをする、あるいは公共団体から話を聴く、こういう中で、先ほど大臣からも御説明しましたが、十一月二十七日、十二月十八日、二月二十九日と、そういった影響の波及を見ながら中小企業庁とともに相談して追加してまいりました。  一例を挙げますると、一番初めの十五業種の中には建築工事業と、こういったものがずばり入ってございます。二番目の十二月十八日の二十業種の追加に当たっては、ベニヤ板とか合板の製造業、こういった素材関係、そして第三弾の二月の二十九日、こういった時点ではいわゆる家具などの製造業、これは委員御指摘のように、建築関連産業というのはすそ野が広くて、建築業者だけじゃなくて、そういったすそ野の広い部分について対応を行うように努めてまいりましたし、今後とも努力をしてまいります。
  273. 中谷智司

    ○中谷智司君 この建築基準法改正の問題は、この国会議論されている業種、それ以外の方々も本当に困られているんです。ですから、本当に日本全国いろんな地域を回られて、是非ともその困っている方々を助けるような施策を打っていってください。お願いいたします。  私は、今さっき冬柴大臣が言われた構造計算の大臣認定プログラムの御質問に移らせていただきたいと思います。  この構造計算プログラム、二月二十二日に大臣認定されました。その後、現在までの出荷状況を教えてください。
  274. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 第一号のNTTデータのプログラムを二月二十二日に大臣認定しました。現在、NTTデータにおきまして、いわゆる分かりやすい取扱説明書、マニュアルの作成、あるいは三月六日からでございますが、これはNTTデータが行っていることでございますが、全国七か所で操作説明会等行っております。  現在、NTTから聞いている話によりますと、三月二十四日又は二十五日をめどに正式な販売が開始されると聞いております。  先週の金曜日、津田委員から御質問あったときに、大臣の方から何とか三月十九日という話を聞いているので、それをめどに頑張ってまいりたいという話を申し上げましたが、今申し上げましたようなNTTデータの方で確実に普及していくために操作説明会の結果を踏まえて扱える取扱説明書等を変えて出したいと、こんな話を聞いておりまして、二十四日又は二十五日をめどに正式な販売が開始されると聞いております。  なお、現在、仮認定の際に試行利用を行ったコンソーシアムメンバー十九社につきまして、現在既にこのプログラムの利用を開始してございます。  以上でございます。
  275. 中谷智司

    ○中谷智司君 大臣認定されているのになぜ今出荷されてないんですか。
  276. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 大臣認定をした上で、いわゆる企業としては製品を一般に頒布する以上は企業等の責任があるというようなことで、これは聞きまするとNTTデータの中のすべてのプログラムの発売に関する内規というふうに聞いておりますけれども、一斉に、再度企業としての責任で再度チェックをしてその上で販売すると、こういった形になっているそうでございます。そういった意味で今回、来週の月、火をめどに現在のプログラムを一斉販売したいと、こう聞いております。
  277. 中谷智司

    ○中谷智司君 おかしいじゃないですか。私と二月一日に話したときには、二月末をめどに建築、建設業者さんの方の手に届くようにするとおっしゃっていたじゃないですか。
  278. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 前回、今ちょっと手元に議事録ございませんが、二月末をめどに何とか大臣認定できるように最大限努力をしたいと。委員からちゃんともう約束しろと言われまして、二月中に何とか大臣認定したいと、最大限努力をしますと。大臣認定自体は二月二十二日にできたわけでございますが、今申し上げましたように、企業の側が企業の責任として、一般に頒布する以上は更に最善の状態に持っていきたいという御意思がございまして、そのためのチェックを今して、来週の月、火に頒布を開始するというふうになっております。
  279. 中谷智司

    ○中谷智司君 一月も遅れているということになります。私たちの、あの委員会のときの議論からすると、ここにいらっしゃる皆さんだれもが二月の末に出荷されると思っていましたよ。どう思います。
  280. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) ちょっと言い訳がましいんですが、過去のいわゆる新大臣認定プログラムでないものにつきましても過去のケースをちょっと調べてみたんですが、やはりその大臣認定というオーソライズの手続を経た後に、民間企業としては、プログラムメーカーとしてはその最善のものを届け、かつその消費者に対してお届けするという観点から、再度会社の内規としていわゆる一斉社内試験みたいなものを行って一般に普及すると、こういったことを過去にもしてございます。  今回もそういった意味で大変申し訳ございませんが、二月二十二日に大臣認定した後に一定期間徹底したチェックを社内で行って、その結果を踏まえて三月の二十四日からないしは二十五日に一斉頒布すると、こういう事態に至ったということでございます。
  281. 中谷智司

    ○中谷智司君 どうして今言ったような話を前回二月一日のときに、認定した後にも時間がある程度掛かるんだ、そういう話をなぜしなかったんですか。
  282. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) その点についてはおわびを申し上げます。
  283. 中谷智司

    ○中谷智司君 前回も言いましたけれども、おわびでは済まないんです。本当に大きな問題が起こっているんです。今さっきも冬柴大臣とそういう話をしたじゃないですか。どういう気持ちで聞いていたんですか。
  284. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 私どもが能動的にできることは、大臣認定を早くすると。これにつきましては前回のやり取りの中でも、そもそも国会では昨年末という話をしていました。その後性能評価機関の状況等を聞くとなかなか難しいということがございまして、一月二十一日に仮認定、仮使用という形でその大臣認定を取得すべくその作業を開始したわけでございます。  しかしながら、るる御説明していますように、いわゆる民間企業であるNTTデータとしては、大臣認定というお墨付きを得た後にもう一回自社なりに再チェックをして、安心のある、会社として責任を持って一般消費者に配れるものとして一定の作業をし、手続を踏んでいると、こういった状況でございます。
  285. 中谷智司

    ○中谷智司君 確かに私との前回の委員会のときには、二月末までに認定するということしか、確かに冬柴大臣も、そして和泉局長も言われていませんでした、それは事実です。  しかし、あなたは一月の九日の衆議院国土交通委員会でこういうことも言っているんです、正式に大臣認定を行う際に、直ちにプログラムが全国の設計事務所で使えるようにすると、そういうふうに言っているんです。それについてはどう思われますか。
  286. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) それは、コンソーシアムの活動の一環として、いわゆるその特定の企業の大臣認定を応援するだけじゃなくて、これ一方で大臣認定プログラムが早期に出るという公益性があるわけでございますが、それと同時に、後発のそのプログラムメーカーにとってもメリットのあるように、その当時あった仮認定のプログラムを使って、全国の設計事務所が新しい本認定プログラム出たときにいわゆる使いやすいように、基本的なその動作等についての講習会をするという話を申し上げました。それにつきましては、実績言いますると、全国で二千余の方々に対してそういった講習会をしてまいりました。
  287. 中谷智司

    ○中谷智司君 先日、三月十四日、津田委員冬柴大臣質問したときに、冬柴大臣は「三月十九日を目途に正式な販売が開催されると聞いております。」とおっしゃいました。これについてはどうですか。
  288. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) そのとおりに答弁をさせていただいたと思います。  私の認識は、そのときはそのとおりに思っていたわけでございまして、それがまた先に延びるということは私の責任でもありますけれども、当時の認識を私は認識のままに申し上げたわけでございまして、それがまた延びるということは、まだ私の認識にはなかったということを申し上げたいと思います。  それは客観的事実とそごをしていないので、これは津田議員始め国民の皆様にもまたおわびを申し上げなきゃならないというふうに思います。
  289. 中谷智司

    ○中谷智司君 前回のときもおわびで済まない、それほど大変な状況に陥っているということで、そういう認識があると冬柴大臣もおっしゃられましたよね。それについてはどうですか。
  290. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 誠心誠意やっているつもりでございます。しかしながら、客観的にそれが御迷惑を掛けるということは、私が作っているわけじゃないわけですから、そうでしょう。  ですから、私としてはそうあるべしとして一生懸命、これも仮認定というのは本当に異例だと思いますよ、私はそれ決断したんです。そして、仮認定しないと、もう向こうが言っていられるとおりにしていますと、我々関与なしにそれをオウム返しにこうしてやっていると大変な迷惑掛かるから、私どもも入り、それからコンソーシアムという形を作って使う方、そしてまた設計士、それから認定する人たちも入って、我々も入って、そしてそこにどんな問題があるかということを始めたのは私が決断をしたわけでございます。  そういうことで、努力はしているんですが、それが客観的に間に合わないということについては、これは本当におわび申し上げなきゃしようがないわけでございまして、どうぞそういうことでございます。
  291. 中谷智司

    ○中谷智司君 冬柴大臣がこのプログラムを作っていないというのはもちろん分かっています。それはみんな分かっています。  しかし、大臣には管理監督責任があると思いますが、それについてはどう思われますか。
  292. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) もちろん管理監督の責任はございます。
  293. 中谷智司

    ○中谷智司君 先ほど冬柴大臣の知らないところで出荷の時期が変わったというお話がありましたけれども、だれが出荷の時期を変えられたんでしょうか。
  294. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) まず、この委員会での質問の際に、大臣認定のみ触れて実際の普及についてあえて触れなかったとすれば、それは私おわび申し上げます。  その上で、大臣の方に対しましては、大臣から御指示をいただいて、一連のコンソーシアムの活動を踏まえ、何とか二月中、前回は一月二十一日にコンソーシアムがスタートしておりますんで、何とか二月中に認定をしていきたいと、そういったことを作業してまいりました。  一方で、繰り返しになって恐縮でございますけれども、大臣認定とは別に、認定を受けたプログラムメーカーとしての企業責任として先ほど来るる御説明しているようなことがありまして、結果として企業側の要請もございまして一般頒布については遅れておると、こういった状況でございます。
  295. 中谷智司

    ○中谷智司君 冬柴大臣、もう一度、今のこの世の中の状況、建築関連業者さんあるいは建築をしたいと思っておられるクライアントさん、そういう方々がどういうふうな状況にあるか、大臣の御見解を聞かせてください。
  296. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 我々の努力にもかかわらず多くの迷惑をお掛けしています。これについては本当に申し訳ない思いでいっぱいでございますが、しかしながらこれは、私も、大臣に就任する以前に起こった問題ですよ。そういうものについて、私は誠心誠意、とにかくこれを、こういうこと、こういうマンションが日本の国で売られるようなことがないように、そういうことでここまでやっているわけです。  それで、建築士も、こういうふうに見ますと、百万人からいらっしゃったわけですけれども、構造計算、私が見せてもらったような構造計算をできる人というのはもうごく限られた人だということが分かりました。そういうことから、どういうふうにしたらこれが防げるかということを私なりにも考え、そしてこれに対して建築士法の改正、これは私がやらせていただきました。  それからまた、瑕疵担保責任ですね、民法では一年しかありませんけれども、これを十年間、しかも建築あるいは販売の両方で買った人に迷惑が掛からないように、言わば二重ローンというようなとんでもないことが起こらないようにという、そういうこともこれ併せてやっているわけでございます。  しかしながら、建築関係というのは、最近非常に大きなビルがどんどんどんどん建ちまして、一昔前の日本の建築物とは全く様相が変わりました。したがいまして、これについて通暁している人たちというのは案外少ないということも分かりました。そういうことから、我々としては、あとう限りの努力を傾注してやっていますけれども、そこに至らざるところがあって、誠に残念ですけれども、多くの方々に御迷惑を掛けているということについては十分認識もいたしておりますし、心からおわびも申し上げたい。  これに対してどうするんだと。これは一日も早く回復できるようにさせていただきたいということ以外にないわけです。この大臣認定プログラムができれば、今七十日というものが一挙に三十五日まで短縮できるわけですから、これを一日も早く完全なものが出るように努力するというのが今の努力だろうと思っております。
  297. 中谷智司

    ○中谷智司君 この大臣認定プログラムについては、出荷の時期が非常に遅れている。十二月末までに出荷をする予定だったのが十二月の末までに出荷できなかった。しかし、今この世の中では非常に多くの方々が被害を受けている。だから、この被害を食い止めるために国土交通省がその中に乗り込んでいって一緒になってこの大臣認定プログラム、構造計算プログラムを作り上げていく、そういうふうなことを冬柴大臣はおっしゃっていましたけれども、それは覚えていらっしゃいますか。
  298. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 覚えていますし、今もそのように申し上げたつもりです。大臣認定、仮認定というのはまさにそのことの象徴的な事実だろうと思います。
  299. 中谷智司

    ○中谷智司君 そこまで本気で乗り込んでいって良い構造計算プログラムを作りたいという認識があるにもかかわらず、なぜ、二月二十二日に大臣認定をしたらその途端手放して、あとはメーカーの責任ですよという話になるんですか。
  300. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 大臣認定して以降、もう何度も繰り返しになって恐縮でございますけれども、やはり企業としては、企業の社会的な責任として、より完成度が高いものを消費者に頒布したいという気持ちがあるかと思います。これはまた、先ほども御説明しましたように、かつての旧大臣認定プログラムにおきましても、大臣認定という国としてのお墨付きをもらった以降、企業として最後のチェックをもう一回するというのがこういったプログラムの世界の一般的にあることのようでございます。  ただ、我々も、委員がおっしゃるように、一刻も早い頒布が必要なわけでございますんで、例えば我々の努力としましては、並行してもうこの大臣認定プログラムを使って、いわゆる構造計算適合性判定する場合の判定士に対する研修等については既に着手しておりまして、そういった意味で、我々の方でできる取組については最大限今努力をさせていただいていると、こんな状況でございます。
  301. 中谷智司

    ○中谷智司君 今努力をされている、二月二十二日以降も努力をされているとおっしゃいましたけれども、もう一度具体的に話してください。
  302. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 認定されたプログラムのバグチェック自体は私どもがやるわけにはいきませんので、我々の方でやっていることは、今もうできているわけで、大臣認定したわけでございますんで、それが一般頒布されたときに、いわゆるピアチェックに係るような建物にこのプログラム使うわけでございますんで、ピアチェック機関、いわゆる構造計算適合性判定機関の判定士がスムーズにこの新しい大臣認定プログラムによるピアチェックができるように全国説明会などを今やっておると、こういった状況でございます。
  303. 中谷智司

    ○中谷智司君 こうしている間にも、本当にこの問題はだんだんだんだんと被害を受ける方が増えていっているんです。  例えば、これ大臣認定プログラムが出荷をされれば、例えば審査をする側の仕事も減るわけですよね。そして、設計士さんの仕事も減るわけですよね。そして、こういった混乱によって、もちろんこの国土交通省職員さんなんかも仕事が大変な状況になっていますよね。こんなことをやっていると、だれもが何も信じられなくなって、何を信じて何をやりがいにして仕事をしていっていいか分からなくなります。それについてはどうお考えですか。
  304. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) もちろん、なるべくスムーズに進むことはいいわけでございますし、スムーズに進めば、今委員から御心配いただきました私どもの職員の士気も上がるわけでございますんで、私どもとしましても、私としましても、こういった一種の遅滞が生じることについては本当に残念ですし、力不足を感じております。  今委員が御指摘しましたように、このプログラムができれば、先ほど来大臣からも御紹介していますように、七十日の審査期間が半分になる。加えて言うと、いわゆる適判機関の仕事も効率化される。そのことは、換言すれば、大臣認定プログラム使わない案件についてのキャパシティーが広がると。更に加えて言うと、この大臣認定プログラムを使えばいわゆる確認手数料、適判手数料についても軽減が図られる。こういったある意味では一挙両得の事態が生じるわけでございまして、先ほど来申し上げているような努力を重ねて、なるべく早く、何とか来週の月、火に一般頒布ができるようにNTTデータにも働きかけをしてまいりたいと、こう考えております。
  305. 中谷智司

    ○中谷智司君 じゃ、この件については、最後に大臣、この責任はだれが取るんですか、この遅れていっているのは。
  306. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) このような状態を一日も早く脱するべく懸命に努力する、これが私の責任の取り方だと思います。
  307. 中谷智司

    ○中谷智司君 それだけなんですか。
  308. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私は誓って違法なことをやったとは思っておりません。一生懸命努力しなければならないのが私の務めだと思っております。それでございます。
  309. 中谷智司

    ○中谷智司君 和泉局長はどうお考えですか。
  310. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 大臣の指揮の下、私も最大限の努力をして、今るる委員御指摘のような状況の改善に最大限努力することが私の責任だと思っております。
  311. 中谷智司

    ○中谷智司君 それでは、質問を続けます。  これはもう本当に来週必ず出荷してください。それについて、もう一度最後に冬柴大臣
  312. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) NTTデータの方も私どもに十九日に出荷できるという話をよこしていただきました。その結果延びたわけでございまして、彼らの方も非常に心苦しく思っております。  冒頭言いましたように、いわゆる企業の責任として完成度の高い完璧なものを出そうという努力の中でのNTTデータの取組でございます。私どもとしましては、そういった努力をしっかりやっていただいて、何とか二月の二十四日ないし二十五日に出荷できるように、こういった話を、委員質問通告があって何度かやり取りをして聞いております。  最大限努力してもらいたいと思いますし、片方で、私どもの方もそういったものができたときに速やかに全国の適判機関で使えるように、適判機関の判定士に対するプログラム研修、こういったものについて判定士の観点からのプログラムの研修を行ってまいりたいと、こう考えております。
  313. 中谷智司

    ○中谷智司君 この構造計算プログラム、大臣認定を急いでいくためにコンソーシアムを設立してNTTデータの構造計算プログラムを仮認定されましたよね。このコンソーシアムと仮認定について説明してください。
  314. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) まず、仮認定でございますが、これは法制度上のいわゆる処分ではございません。あくまでも、大臣からも先ほど言いましたように、これは本来、民間から申請してきたものを私ども受け止めて認定するものでございますが、いわゆるその作業が遅れておったと。  そういう中で、性能評価を行う機関から聞きますると、NTTデータのものが一番進んでおり完成度が高いと。ただ、これをそのままNTTデータに任せたんでは、いわゆる業界用語で言うバグチェック等も社内限りでやるわけでございますんで時間が掛かると。そういう中で仮認定という、法律上の用語じゃございませんけれども、そういった仕組みを使って私どもが主体的に参画して、いわゆる優秀な設計側並びに審査側、こういったものから構成されるコンソーシアムをつくって、いわゆる仮使用しながら試設計をして、その中で様々な不具合とか改善すべき点を抽出して、それをNTTデータに還元して、そこで最終的な完成についての加速化を図ると、こういった趣旨の作業でございました。
  315. 中谷智司

    ○中谷智司君 これ仮認定の前までは、ほかに二社ほどが検討の対象になっていたといいます。NTTデータのプログラムが選定された理由を教えてください。
  316. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) コンソーシアムを構成する段階で正式にいわゆる性能評価機関に評価申請をしておった会社は、今委員御指摘のようにNTTデータ以外二社ございました。    〔理事椎名一保君退席、委員長着席〕  当然、性能評価機関における性能評価の作業をするわけでございますが、そういった性能評価機関から私どもが状況を聞いたところ、いわゆる性能評価機関における評価委員会の開催度数、部会と、こう言っていますけれども、作業の進捗状況、そういった中で直近にいわゆる大臣認定に至るのはNTTデータである、こうお聞きしまして、そのNTTデータをコンソーシアムの対象に選んだと、こういった状況でございます。
  317. 中谷智司

    ○中谷智司君 そのコンソーシアムで一月二十一日、コンソーシアムの設立から約一か月間、NTTデータの構造計算プログラムを検査した結果、設計者から四百項目、審査側から千項目の不具合や意見、要望があったそうですが、これは事実でしょうか。
  318. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 御指摘のとおり、このコンソーシアムの活動、まさにそういった不具合とか改善点、こういったことを抽出することが目的でございました。  委員御指摘のように、設計者側から約四百項目、審査側から一千項目、これを詳細に見ますると、不具合に関する指摘と、こういった点を改善してほしいと、こういった指摘いろいろございました。そういった報告を踏まえて、それを改善して二月二十二日の正式認定に至ったと、こういった状況でございます。
  319. 中谷智司

    ○中谷智司君 そのさっき言った千四百項目については、二月二十二日の大臣認定をする時点ではどうなっていましたか、修正ができていましたか。
  320. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 計算結果に影響を与える、すなわち建築確認に影響を与えるような問題点については解消したと聞いております。  ただし、一方で、こういった方がもっと便利じゃないかと、こういう指摘もたくさんあったわけでございます。こういった点については、NTTデータとしては次の改善、いわゆるバージョンアップのときに取り入れていこうといった部分もあったと聞いております。
  321. 中谷智司

    ○中谷智司君 その仮認定によって介在したプロセスによって、つまりそのコンソーシアムの開設などによってコストはどれだけ掛かりましたか。
  322. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 全体で三千万の国費を支出してございます。
  323. 中谷智司

    ○中谷智司君 それはどれだけの期間で三千万円掛かりましたか。
  324. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 正式なスタートから、ちょっと今覚えていませんが、やはり基本的には一月二十一日のコンソーシアムのスタートから、その前段階に若干の準備あったかもしれませんけれども、二月の二十二日の大臣認定の間が基本でございます。
  325. 中谷智司

    ○中谷智司君 その一か月間で三千万円というのは妥当なんでしょうか。冬柴大臣の御見解を伺わせてください。
  326. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 済みません、先に数字だけ御説明させていただきます。  まず、三千万のうちの七百万程度はコンソーシアムを運営する事務局経費でございました。次に、そのコンソーシアムのメンバーに先行利用していただいて試設計していただく、その過程でバグチェックあるいは改善点等出していただきます。それが一社五十万で二十八社、一千四百万。残りにつきましては、このコンソーシアムの作業としまして、全国の設計者、先ほど話がございましたが、設計者に対して大臣認定プログラムの趣旨とか基本的な構成、あるいは大臣認定プログラムを使って構造計算適合判定する場合の手順、こういったことについて全国で二千三百人程度の方々に研修しました。この研修に関する会場借り上げ費、あるいは印刷代、あるいは講師代、こういったものがその残余の金額でございます。
  327. 中谷智司

    ○中谷智司君 今の話を聞いて、冬柴大臣コストは妥当だと思いますか。
  328. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私の生涯の中でその知見は全くありません。したがって、それが高いのか安いのか、それは分かりません。  しかしながら、今、和泉局長答弁したように、住宅局として、私が見ている限り、同じ建物の中におりますが、本当に一生懸命みんなが、若い人も含めて、あなたからいただいた質問だってこんなに、私今朝読んでいるんですよ、今朝、あなたからの、今朝からですよ。今朝というよりも、昼休みですよ、昼、本会議がありましたから。それで私にそこまで言われても、それは答弁できないですよ、限度があると思いますから。どうぞ。
  329. 中谷智司

    ○中谷智司君 では、話を変えます。大臣でもお答えができるような御質問にさせていただきたいと思いますが。  そのコンソーシアムというのはいつまで続くんですか。そして、仮認定はほかのメーカーに対してもされるんでしょうか。
  330. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 仮認定は、コンソーシアムの活動の目的は二つあると思います。一点は、遅れておった大臣認定プログラムを何とか早く出すと、これが一つの目的でございます。もう一点は、このコンソーシアムの活動の中で、先ほど委員、一千四百項目という話がございましたが、参加した設計側からこういった大臣認定プログラムで起こり得る様々な諸問題を抽出してもらう、あるいは審査側から同じように審査に付する上での不便な点、改善すべき点を抽出してもらう。  加えて言うと、一連の講習をしたという話はしましたが、そういった講習を通じて、基本的な構成要素は大臣認定プログラムについては共通であろうと思いますので、後発の大臣認定プログラムが出たときにスムーズに設計会、審査会で使えるようになると。こういった後者の二つの公益性があると思います。その限りにおいては、後者の公益性についていえば、今回のコンソーシアムの活動でおおむね目的を達していると思いますが、ただ、今後新規のプログラムが出てきて今回のような活動が必要となるというようなことがあれば、またその時点でいろいろ考えながら最善の努力をしてまいりたいと、こう考えております。
  331. 中谷智司

    ○中谷智司君 それでは、その後発のメーカーの方にもきちんと利益が出るように、つまり次から使えるような形になっているというふうに認識してよろしいんでしょうか。
  332. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 委員から御指摘があった一千四百項目の様々な問題点、これにつきましては現在重複を省いて整理してございます。それについては三月中をめどに後発メーカーもちゃんと参考にできるようにそれを情報開示する予定でございます。
  333. 中谷智司

    ○中谷智司君 この大臣認定プログラムに関しては、建築基準法改正の混乱を解決するための一番大きなものであると、今までの国会委員会での議事録を見ていても、大臣であるだとかあるいは住宅局長も言われています。私も非常にこのプログラムに関しては期待をしています。  そして、何よりも今これは全国の建築関連業者さんあるいはその建物を建てたいクライアントさん、そういった方々を少しでも早く混乱から抜け出させてあげたい、そういうふうに思う気持ちは、もちろん大臣、住宅局長、同じようにお持ちだと思います。来週二十四日でよろしいんでしょうか。
  334. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) NTTデータからは、二十四日ないし二十五日と言ってほしいと、こう言われております。
  335. 中谷智司

    ○中谷智司君 その二十四日ないしは二十五日、どんなことがあっても出荷をして早くこの混乱を回避をしていただきたいと思います。  私の質問はこれで終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  336. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 関連質疑を許します。大久保勉君。
  337. 大久保勉

    大久保勉君 民主党・新緑風会の大久保です。国民新もいらっしゃいます。  まずは、道路特定財源、タクシーチケットの状況について御質問します。  昨日も尾立委員がすばらしい質問をしましたが、そのフォローアップも含めまして、五年間で二十三億円のタクシーチケットが使われたと、このことに関して質問したいと思います。  資料を、配付しました一ページ、参考人の方でこの資料を説明してください。その後に、冬柴大臣の方で感想をお聞きしたいと思います。
  338. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 委員に提出いたしました資料でございますが、十四年度以降の五か年で特別会計と一般会計で支出されたチケット代、全地方整備局員の利用実績トータルでございます。
  339. 大久保勉

    大久保勉君 大臣
  340. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) タクシーチケットというのはもう金券でございますので、これは、その管理は各地方整備局において適切に運用、確保が図られるものと私は認識をいたしております。  しかしながら、タクシー料金の支払に際しましては、領収書や半券を利用して使用済みのチケットとの照合を実施している整備局もあるけれども、運用が統一ではないというのが現状だということを昨日の質疑の中で、私もそこで聞いていて知りました。しかしながら、これはいやしくも金券でございます。したがって、不正使用されるというようなことを防止するためには領収書や半券による照合を徹底する必要があるというふうに思っております。  したがいまして、私は直ちに昨日、これの統一的な扱い、帳簿の書式もきちっと決めて、半券もどこまで何年間保存しなきゃならないというものの規定をきちっと整えるように指示をしたところでございまして、私は、これがこれからも適切に利用され、適正に利用される、それを確保するための方策をきちっとしておかなければならない、このように思っております。
  341. 大久保勉

    大久保勉君 大臣にもう一度聞きます。これまでは適切であったとお考えでしょうか。
  342. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) これは、その扱いがばらばらだということを聞きました。それから、半券が残されていないと、それを残さなければならないという規定がなかったというところもあったように昨日聞きました。  私は、私の感覚からいけば、こういう金券ですから、例えば今日は残業をしたと、家へ帰るのに公共交通機関もないので乗って帰りたいという申請書を所管の人に提出をして、そしてそれを、チケットを受け取って、そして自動車を降りるときにはきちっとその日の日にちとかそういうものも、名前も書いて、そしてそれがまた請求書とともにタクシー会社から戻ってきたものをきちっと照合をし、不正がないことを確かめて、それを一定期間保存するというのが普通の社会の在り方ではないか、そういうふうに思いますので、そのようにしなければならないと思います。  現在までそれに、そういうふうにしていないところがあったとするならば、どこか分かりません、昨日の答弁の中では扱いがばらばらだったということは聞きました。しかしながら、もしそれと、そういうふうになっていないのであれば、それは不適切であったろう、私はそういうふうに思います。
  343. 大久保勉

    大久保勉君 もう少し中身を検証するために、国土交通省参考人に質問します。  平成十四年、十五年、十六年度において、タクシーチケットを利用した職員の数及び全体の職員の比率は何%か、さらには各年度トップテンの数字を教えてください。
  344. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  使用実績につきまして、過去五年、十四年から十八年でございますが、委員に提出いたしましたトータルの実績額は把握しておりますが、利用した職員数、これについては把握しておりません。チケットの交付を受けた職員数について、平成十九年度については調べればお答えできると思います。
  345. 大久保勉

    大久保勉君 大臣、これが実態です。つまり、実態が把握されていないんです。これは、実は、この質問は一週間前に書面でお願いしておりました。時間は十分にあったんですが、時間を掛けても過去の分は分からない状況であると、分かったら困るという状況かもしれません。この辺りをもう少し検証します。  そこで、昨日も言いましたが、平成十九年度の分だけだったらあるでしょうということで、トップテンの利用者の数を教えてください。
  346. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 昨日の答弁でも申し上げましたが、整理をしているところと整理をしていないところがございます。保存しているところにつきまして把握可能な整備局について調査をいたしまして、少しお時間をちょうだいしたいと思いますが、調べてお答えをしたいと思います。
  347. 大久保勉

    大久保勉君 昨日からこれはお願いしておりますし、実は一週間前から五年分はお願いしております。ですから、今発表できない、発表したらおかしい、こういう状況ではないかと私は思っているんです。つまり、チケットはだれが使っているか分からないと。金券ショップに売って第三者が使っている可能性もあるでしょう。こういった実態が分からない、このことが問題じゃないかと思います。  そこで、委員長お願いしたいのは、少なくとも平成十九年度、タクシーチケットの利用上位十人の明細、出勤簿、そして残業手当、これを是非予算委員会に提出してもらいたいと思います。よろしいでしょうか。じゃ、参考人の方でイエスかノーかでお願いします。(発言する者あり)まず委員長、じゃ委員長お願いします。
  348. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) ただいまの件につきましては、後ほどの理事会において協議をいたします。
  349. 大久保勉

    大久保勉君 では次に、タクシーの使用規定はあるところとないところがあると。また、使用記録簿があるところとないところがあると。さらには、半券を保存しているところと保存していないところがあると。この辺りに関してもう少し詳しく聞きたいと思います。  まず、使用規定のない八地方整備局中、どことどこが使用規定がないのか、教えてください。
  350. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  使用規定のない二整備局でございますが、東北と北陸整備局でございます。
  351. 大久保勉

    大久保勉君 それ以外は使用規定があると。じゃ、どういう使用規定になっておりますでしょうか。
  352. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 失礼しました。  各地方整備局で運用が異なる面もございますが、昨日もお答え申し上げましたが、近畿地方整備局の例で申し上げますと、まず、職員は、所属長の承認を受けた後に所属の管理者にタクシー券の使用申込書を提出をいたします。その次に、その管理者は、その内容を審査して必要があると認めたときはタクシー券に使用年月日を記載の上、払出しをいたします。管理者は、タクシー券の受け払い状況を明らかにしておくため受け払い簿を備えて所要事項を記載いたします。タクシー利用者は、払出しを受けたタクシー券を使用したときは当該タクシー券に金額、乗車地、降車地等必要事項を記載をいたします。総務課長、筆頭課長ですが、タクシー会社から料金の請求があったときは当該請求に係る使用済タクシー券を管理者ごとに区分をしてそれぞれの管理者へ確認の依頼をいたします。そういう依頼を受けた管理者は、内容を審査、確認の上、タクシー乗車証明書を作成して支払のための事務処理を行うと、そういう手続でタクシー券の交付及び支払事務を行っている、そういう規定でございます。
  353. 大久保勉

    大久保勉君 非常に複雑なように見えますが、ポイントは、タクシーチケットをもらって、実際に金額を記入したその半券が請求書として戻ってきます。その請求書の金額、ここには行き先、時間があります。金額もあります。それと実際の記録簿を照合しているかということです。これは照合していると、六地方局は照合しているという理解でよろしいでしょうか。
  354. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 照合してございます。
  355. 大久保勉

    大久保勉君 それでしたら、ちゃんとした資料が残っておりますから、五年間の使用実績が出てこないというのはおかしいんじゃないでしょうか。
  356. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  保存期間が一年ということで、あるところについても、先ほど申し上げましたように、十九年度ということでございます。
  357. 大久保勉

    大久保勉君 保存期間が一年、半券の保存期間が仮に一年であったとしましても、記録簿の方に何々さんは幾ら使ったというのが集計されておりますから、その記録簿を集計したらだれが一年間に幾ら使ったか分かるはずです。このことでよろしいでしょうか。
  358. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  その簿だけでは個人の、利用者の特定というのはできないということで、両方ないと駄目でございます。
  359. 大久保勉

    大久保勉君 分かりません。  恐らくは、タクシー会社が一月分まとめて請求書を持ってきて、それで照合されていたらそういう答えになりますが、一枚一枚半券をチェックしていましたら、だれが使ったかというのは分かります。どうしてこういうことをされてないんでしょうか、質問します。
  360. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  半券の保存をしているというところが二つのところでございまして、それ以外は今委員が御指摘の照合というのはいたしかねます。
  361. 大久保勉

    大久保勉君 大分分かってきました。  事実は、八地方整備局のうち二つしかきっちりやってなくて、残りはいいかげんであると、こういうことじゃないですか。  実は、こういった事例は国土交通省以外にありまして、厚生労働省、一般会計では半券のチェックまできっちりやっておりますが、例えば労働基準局の特別会計に関してはこういった半券のチェックをしておりませんで、「半券照合せず精算 職員、私的流用の疑いも」と、こういった記事が産経新聞、昨年の七月三十一日に載っています。同じような犯罪が行われている可能性もあるから、私は気にしているんです。  冬柴大臣、これまでのことに関して適切だと思いますか。
  362. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 今、宮田局長から近畿整備局の扱いというものを聞きまして、これであれば私の感覚ときちっと合うなと。したがって、そういうものをやっていない、八つの整備局がありますが、七つのところはそれに倣ってそのようなきっちりしたものをつくってほしいし、手続をきちっと定めてほしい。  それから、半券もまずどれぐらいの量になるのか。二十三億円といったらすごいことになると思うんですけれども、それをどう保存するのかということも併せて、何年間保存できるのか、もしその半券が保存されないとしても、今委員がおっしゃったように、それの受け払い簿というものがきちっと残されていて、それに使用した人や金額等がきちっと記載されておれば、これはその半券に代わるものとしていいんではないかという感じもしますけれども、いずれにしましても、私も素人ですから、専門の人たち、それからそれを処理する人に過分の手数が掛かるようなことも困りますから、そこら辺をきちっとしてやっていただこうというふうに思っております。
  363. 大久保勉

    大久保勉君 大臣大臣らしくないですね。二十三億円の半券というのは保存できないというよりも、むしろ逆でしょう。保存できないほどの半券があるタクシー代を使ったということでしょう。それは国民の血税なんです。庶民感覚から考えたらとんでもないと思います。大臣、もう一度御所見を聞きたいと思います。
  364. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 今の、私もそれは残すべきだということを冒頭言っているわけですけれども、それに対して、私そういう経験も何もないものですから、そういうものは例えば消費税を導入するときに、これインボイスをどうするとかいうときに、これはすごい倉庫を幾つも借りなきゃできないとかそんな話あったじゃないですか。私はそういうことも思いながら、素人である私がここでそれは全部保存しますとかどうしますとか言い切る知見がないんですよ、私には。したがって、そのように申し上げました。  しかしながら、近畿地整の扱いというのは、私は聞いていてこれはいいなあという感じしましたから、そういうものをほかのところにもやっていただくということを原則を申し上げたわけです。それ以上のことは言わなくてもよかったと思いますけれども、そういうことでございますので、御了解いただきたいと思います。
  365. 大久保勉

    大久保勉君 大臣、一ついい提案をしましょう。大臣が知見がないんでしたら、道路特別会計でのタクシーチケットの使用をこの調査が完了するまでは一切中止する。大臣の権限でできますよ。もしタクシーチケットが必要でしたら、一般会計から払う、若しくは個別に精査する、取りあえず調査するまではタクシーチケットを使わない、このことをここで確約してもらってもよろしいでしょうか。その意向があるかないか。大臣のお言葉が必要です。
  366. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 四月一日から禁止するようにいたしましょう、でき上がるまで。それまでにできればそれはいいと思います。というのは、年度末でしょう、決算期を控えて一番忙しいときですよ。そういうときに、タクシー一切ならぬという場合にどういうことになるのか、私には分かりません。で、局長意見も聴いて、四月一日以降そういう整備きちっとしていただかなければ使わさないと、これは私がここで断言したらいいんじゃないでしょうか。
  367. 大久保勉

    大久保勉君 確認したいのは、でしたら四月一日に過去五年間の実績を調査完了して、一切金券ショップに下ろしてない、裏金をつくってないと、このことが確認されるまでは一切タクシーチケットを使わないという理解でよろしいですね。確認します。
  368. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 金券ショップは今初めて大久保さんがおっしゃったんですよ。だから、私が申し上げているのは、私も性善説でございましてそんな悪いことしてるとは思いませんが、ですけれども、こういう手続がきちっとしてないと、そういうものはきちっとしますと、それで、三月は年度末で、とても公務員の忙しいときにそれは実務的ではないので、四月一日までにきちっとそういう制度を、することを条件に、それができなければ使わさないと、そういうことを申し上げているわけでありまして、そこへ、金券ショップへ行ったかどうかと、それは私調査できないですよ。それは警察なり検察がやらなくちゃしょうがない。できませんよ。  ですから、私は、私が言っているのは、これからきちっと金券が金券らしく扱われるようにいたしますということでございます。
  369. 大久保勉

    大久保勉君 ここは、四月一日以降は適切な使われ方しかされない、それが確認されるまでは一切チケットは使われないと、取りあえずここで理解しました。  では、続きまして、実は河川情報センターというところがあります。ここの過去五年のタクシーチケットの使用金額及び半券の保存状況を聞きたいと思います。
  370. 甲村謙友

    政府参考人(甲村謙友君) お答えいたします。  河川情報センターのタクシーチケットは、業務打合せのための移動や勤務が深夜に及ぶ場合の帰宅等に使用されております。  平成十四年度六千三百五十三万円、平成十五年度三千百七万円、平成十六年度二千八十六万円、平成十七年度千八百五十万円、平成十八年度千九百二十七万円でございます。  なお、タクシーチケットの毎月の合計の請求書を七年間保管しておりますし、さらに、本社分につきましては平成十七年度以降分のタクシーチケット一枚ごとの伝票を保持しているというふうに聞いております。
  371. 大久保勉

    大久保勉君 こういったところのチケットが本省の職員に使われているとか、そういうような紹介もありました。私は事実かどうか分かりませんから、こういったことも含めまして、国土交通省及びそれに関連する独法、公益法人、この辺りも含めて是非精査してもらいたいなと思います。お願いします。  続きまして、道路特定財源に関しまして、その他人件費等に関して質問したいと思います。  まず、どうして道路特定財源でタクシーチケットとか人件費を使うことができるのか、根拠を教えてください。資料の二ページ目にございますので、参考人の方で読んでください。
  372. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) これは平成十九年度のものでございますが、歳入及び歳出、二百一条の二項のイでございますが、道路勘定における歳入及び歳出は次のとおりとすると。二の歳出、イの道路事業に要する費用、括弧、これらの事業又は工事の業務取扱いに関する諸費及び社会資本整備に関する横断的な調査に要する費用を除く。これだけでございますが、これは工事費等の支出でございまして、人件費等の支出の根拠規定というのはその次の五項の業務勘定における歳入及び歳出の中にございまして、第二号のロで、道路事業の業務の取扱いに関する諸費、括弧、国が北海道又は沖縄県で行うこれらの事業又は工事に関する事務費を除くということであります。  十八年度までは道路整備特別会計法に基づく道路整備特別会計において処理されておりまして、ここの場合では、三条の第二項第一号で、道路整備に要する費用、括弧、これらの事業のうち国が北海道又は沖縄県で行うものに係る職員の給与に要する費用を除くと、そういう規定でございます。
  373. 大久保勉

    大久保勉君 冬柴大臣、この説明でタクシー券が使える若しくは人件費、残業代が使えるということは納得できますか。私は分からないんです、これ、この解釈が。
  374. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) そこに出ていませんけれども、今、宮田局長が言いました道路整備に必要な、これは人件費は、反対解釈すれば出てくるんですよ。  要するに、北海道及び沖縄開発庁についての部分の人件費は除くということは、本省あるいは整備局、各地整備局の人件費はそれは含むという、そういうことですよ。それで、それは道路特会から出てよろしいと。それは道路整備特別会計法の規定でございますから。そしてその中には、私は、人件費の中にはその人が道路整備のために動く、あるいは出張する、そこから、通常の人件費と言われるもの、あるいはそれに附帯した経費というものはそれに当然含まれるというのが普通の解釈ではないかと、私はそう思います。
  375. 大久保勉

    大久保勉君 いや、法律家らしくないような解釈、拡大解釈かもしれませんが、どう読んでも、業務取扱いに関する費用、北海道又は沖縄で行うこれらの事業又は工事に関する事業費を除くしか書いていませんで、人件費は入っています、タクシー、旅費、こういったものが含まれているというのはどこにも条文に載っていないと思うんです。  ちなみに、額賀大臣財務省の立場からこういった解釈はできるんでしょうか。参考人でも結構です。
  376. 杉本和行

    政府参考人(杉本和行君) 先ほど説明ございましたように、特別会計に関する法律第二百一条二項及び五項によりまして、道路事業整備の業務の取扱いに関する諸費を特別会計から支出することとされております。道路整備事業に関する業務に従事する職員の人件費等は、この道路整備事業業務取扱いに関する諸費に当たれば特別会計から支出することが法律上定められておるわけでございますから、そういったことで道路整備事業に関する業務に関する諸費が支出されることになっていると考えております。
  377. 大久保勉

    大久保勉君 人件費、実額はばかにならないんです。五年間で三千五百億円。さらには、残業代だけでも二百八十七億円。さらに、一般会計の職員でも残業代だけ道路特別会計からもらっている人がいます。  ページ三の一、この資料に関して説明してください。
  378. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 平成十四年以降に一般会計の人件費における道路整備特別会計負担額、本省及び地方整備局ということでございまして、表の中で道路整備特別会計人件費総額が掲げられております。うち、超勤手当、そのまた内数として一般会計職員分がございます。(発言する者あり)  ページ違いましたですか。三の一、失礼いたしました。三の一でございますが、超過勤務手当を特会から支給された地方整備局職員上位十名のリストということで、十四年度から十八年度でございます。  左側の金額が特別会計から支給をされた金額、時間、役職等がありまして、一番右端がこの外数としての一般会計の支弁額、時間と金額でございます。
  379. 大久保勉

    大久保勉君 番号一というのは十四年度、十五年度、十六年度、十七年度があります。ここの説明お願いします。
  380. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 番号一が千五百五十九時間。それで、番号の一が十五年度に行きまして四位ということでございます。それから、十六年度が四位、十七年度が一位ということでございます。
  381. 大久保勉

    大久保勉君 いや、この表で分かりますのは、一般会計の職員が年間千五百五十九時間残業して道路特別会計から四百五十万以上のお金をもらっているということです。この人は一般会計からもらっていまして、合計で五百万円残業手当が付いています。年間千六百時間働いているんですから、相当頑張っているんですね。  冬柴大臣の方に確認したいんですが、地方整備局というのはやはり本省よりも忙しいんでしょうか。
  382. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私も視察で行く程度で分かりませんけれども、事務内容は大変だということはよく分かります。  というのは、特に災害のときに現地へ私行きます。そうすると、整備局の職員が本当に昼夜を問わず、ひげもそらずに仕事していますよ。そういう人を見て、それから、この間たしか、僕の記憶が間違っていなければ、一人亡くなったんですね。そして、それは労働災害認められましたよ。余りにも、これは仕事を減らさずに定員だけ減らしているんですよ。したがって、仕事はどんどん増える。地方整備局でも入札やっているのは、これから全部、総合評価とかあるいは企画とかそういうようなことになりますと事務が物すごく増えるんですね。ですから、そういうところで地方は大変だと。  今、本庁は、国会開かれていますから夜中も全部働いていますけれども、大変だなという感じはいたします。
  383. 大久保勉

    大久保勉君 災害対策ということで、ということは近畿地方というのは相当災害が多いんですね、いつも近畿地方にいっぱいトップテンが入っていますから。  続いて、三の二、こちらは本省の手当ですが、参考人、説明お願いします。三の二の説明です。
  384. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 平成十四年度における超過勤務手当総支給額上位十名ということでございまして、上位十位を都市局、それから道路局、で、年間支給額、総時間数、それから所属部署ということでございます。
  385. 大久保勉

    大久保勉君 地方整備局のトップが一千六百七十三時間残業を付けて、一般会計、本省は六百時間付けました、残業手当を。もしかしたら、残業手当を付けるんだったら特別会計に付けましょうと、こういった慣行がある、こういうふうに考えますが、冬柴大臣、御意見を聞きたいと思います。冬柴大臣大臣
  386. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 道路特会、一般会計それぞれからの超過勤務手当の支給は超過勤務の実績に応じて支払います。すなわち、道路に係る事業をそういうものでやってございますと道路特会ということでございまして、超過勤務の実績に応じて支払うものでございまして、一般会計の不足を補うものでございません。
  387. 大久保勉

    大久保勉君 更にどんどん出てきます。ページ、四ページを見てください。  こちら一般会計職員の旅費です。御説明お願いします。
  388. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 旅費の上位十名のリストということで、平成十四年度、平成十五年度で、一位から十位まで、所属、それから道路特会の出張、うち海外出張ということで記載がございます。
  389. 大久保勉

    大久保勉君 これ見ましたら、ほとんど海外出張が上位に占めていまして、どうして道路特別会計と関係あるのか私は分からないんです。一般会計の本省の職員なんです。ところが、海外に行くときは、いつの間にか道路特別会計に旅費を使っていると。  じゃ、平成十五年の第十位、こちらの欧州道路制度実態調査、この内訳を教えてください。どう関係あるんですか。
  390. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) これは都市・地域整備局のものでございますが、都市・地域整備局におきましても、都市計画道路の整備あるいは区画整理、再開発等で道路整備を実施してございます。これらの都市内道路に関する調査を目的としまして、担当部門におきましては道路特定財源により海外出張を行ったということでございまして、公共交通に関してLRTとかバス、そういうものの調査、あるいは中心市街地活性化のための道路空間の在り方、そういうものの調査を行ったものでございます。
  391. 大久保勉

    大久保勉君 これこそ拡大解釈の実態です。道路と付いたら何でもかんでも道路特別会計に経費を持っていくと、これが実態じゃないですか。  さらに質問します。  国土交通省職員で社宅を二つ以上借りている人は何人いますか。そのうち一年以上借りている人は何人いますか。質問します。
  392. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 国土交通省職員で、宿舎に家族が残り、単身赴任先においても宿舎を借りておりまして、宿舎を二つ借りている者は三百三十二名でございます。そのうち一年を超えて借りておる者が二百五名でございます。
  393. 大久保勉

    大久保勉君 国家公務員宿舎法に違反するんじゃないですか。二十日を超えた場合には明け渡すようにということです。この点に対する説明お願いします。
  394. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 国家公務員宿舎法十八条の一項三号には、転任とか配置換え、勤務する官署の移転その他これにたぐいする事由により当該宿舎に居住する資格を失い、又はその必要がなくなったときには返しなさいと書いてあります。  これに対して、施行令というのがありまして、その部分につきまして、退職その他の場合、財務大臣が定める場合には、その定める期間に限り、一・一倍に相当する金額を払って、やむを得ないというふうに判断された場合にはここへ配偶者が残るということはあり得ると。我々も単身赴任ですね、地元には家族がおるわけでございますが、それがもし、国家公務員の場合はしようがないけれども、借家の場合には二つこちらも借りなきゃいけない、こういうことが起こるわけです。  したがいまして、それがやむを得ないという場合にはここに残してもいいということが書かれてありまして、それは宿舎施行令第十六条というところで、財務大臣の定める場合には、その定める期間に限って一・一倍に相当する金額を払いなさいと書いてあります。
  395. 大久保勉

    大久保勉君 これは罰則規定のはずなんですね。この一・一倍というのは何という名前ですか。参考人に聞きます。
  396. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 十八条のところで損害賠償金の額は云々云々ということで、まず十八条で三倍と書いてありまして、施行令の方で、財務大臣が定める場合に、定める期間において一・一倍ということでございます。  ただし、財務大臣が定める場合の取扱いという通達が出されておりまして、そこの中の三番で、被貸与職員が転任、配置換え、勤務する官署の移転、そういうことで当該宿舎を明け渡さなければならなくなった場合、そういうものが規定をされてございます。
  397. 大久保勉

    大久保勉君 これは損害賠償金という規定なんです。二重貸与を禁止する、その場合、それでも借りたかったら損害賠償金を支払いなさい。国土交通省には三百三十二人のそういう対象者がいます。どうしてか。それは、道路特定財源で多額の宿舎を持っております。そういう意味で余裕がある。庶民感覚から考えたら非常におかしいんじゃないかと思いますが、冬柴大臣、御所見を聞きたいと思います。
  398. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 御家族があって子供さんが学校に通っているというような場合に、御主人が転勤で単身赴任をしなきゃならないという場合の手当てがここに書かれているわけです。(発言する者あり)これ特会だけと違いますよ、特会だけと違いますよ、こんなの。  これは、昭和四十六年三月二十日付け、蔵、蔵というのは大蔵の蔵ですが、理、理財の理、第九百九十二号、「国家公務員宿舎法施行令第十六条かっこ書きに規定する財務大臣が定める場合の取扱いについて」通達、その抜粋でございます。  ですから、これ、何もそれだけに限りません。その通達の中にたくさんありますが、一項三号にこのように書いてあります。被貸与職員が転勤、配置換え、勤務する官署の移転その他これらに類似する事由により、当該宿舎を明け渡さなければならなくなった場合であって、当該宿舎の維持管理機関が、主として当該被貸与職員の収入により生計を維持する者を引き続き当該宿舎に居住させておくことがやむを得ないと認めた場合にはそれでよろしいと。一・一倍は本則に書いてありますが、それで認めてよろしいということが定められてあります。これに基づいて行われているわけでありまして、違法ではございません。
  399. 大久保勉

    大久保勉君 道路特定財源の宿舎に百十七人の人が住んでいます。道路特定財源が社宅を持っていなかったら、この百十七人は二重貸与はしておりません。ですから、こういった余裕があると。本来、こういった二重貸与をするためにガソリン税が使われるべきなのか、私は疑問です。  額賀大臣に御所見を聞きたいと思います。大臣お願いします。
  400. 藤岡博

    政府参考人(藤岡博君) ただいま国土交通大臣から御説明したとおりでございますが、国家公務員宿舎法、同施行令等に基づきまして、国家公務員宿舎に入居する職員が、子弟の教育又は家族の病気の療養等の事情によりやむを得ず宿舎に家族を残して単身赴任し、赴任先においても宿舎に入居する場合がございます。このような場合につきまして、通例、委員御指摘の損害賠償金でございますが、三倍取るわけでございますが、やむを得ざるものとして一・一倍の金額を取ることといたしておるわけでございます。  以上の措置といたしましては、社会的な傾向として単身赴任が大変増加してまいりまして、平成元年の人事院勧告に基づきまして単身赴任手当が平成二年に創設されたことなどを踏まえまして、国として一定の配慮を行ったものでございます。
  401. 大久保勉

    大久保勉君 民間企業出身の委員からはいろんなブーイングが出ていますが、必要なことは分かりますが、ただ、市価の半分以下の公務員社宅に住む、それも二重に住む、このこと自身は本当に適切かなと。違法じゃないです、適切かということです。  冬柴大臣、どう思われます。
  402. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) これは道路特会の宿舎だけではないんですよ、今読み上げられたのは。すべての公務員を網羅しているんですよ。特会があったからこの規定があるわけじゃないんです。それだったら私の通達になります。財務大臣が出しておられるというのは、すべての職員に対するそのような手当てなんです。今読み上げられた要件であれば、私はそれは是認されるべきであると、私もそのように思います。
  403. 大久保勉

    大久保勉君 分かりました。  じゃ、額賀大臣の所管ということですから、額賀大臣の御意見を聞いて、次に行きます。じゃ、お願いします。
  404. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今言ったように、それぞれの勤めている方々、民間であれ公務員であれ、様々な事情、背景があると思います。教育のこともあるし、あるいは家族が病気になっている場合もあるし、あるいは連れ合いが病気になったり不具合を持って、あるいは病院に通っている場合があると思います。そういうことについてやっぱり惻隠の情は必要だと思います。  そういうことを考えながら働く環境をしっかりとしておくことは、やっぱり公務員に対しても、それから通常の民間の人に対しても、人間としての扱いをしておくべきであると思っております。
  405. 大久保勉

    大久保勉君 分かりました。  問題は、国民の税金、それも道路を造るために取った税金を使ってそういうことがなされていると、この点に対して私は適切じゃないと言いたいと思います。  じゃ、続きまして、防衛省報償費について石破大臣質問します。  平成十四年から十七年度まで毎年一億二千三百万、さらには、平成十八年には一億四千万の報償費が使われております。報道では裏金化が指摘されておりまして、私も昨年の十二月二十日に外交防衛委員会でこの件に関して質問しました。  今、調査状況はどうなっていますか、質問します。
  406. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 昨年御質問いただきましたときにお答えしたことはもう省略をいたします。  今どのような状況であるかということでございますが、この点聴き取りを行っておるところでございます。関係者から聴き取りを現在行っておるところでございまして、おおむね聴き取りは了したというふうに承知をいたしております。  では、今後どうなるかということでございますが、今後必要な確認というものを行っていかなければならない。特に年度末に集中をしておるということについてどうなのだという確認をきちんと行いました上で、正確なお答えができるように今鋭意作業を進めさせておるところでございます。
  407. 大久保勉

    大久保勉君 時間がないので次に行きまして、ページ、七ページを見てください。いわゆる富士インダストリー、山田洋行、極東貿易の過払い調査の状況です。この状況に関して政府参考人説明を願います。
  408. 小川秀樹

    政府参考人(小川秀樹君) お答え申し上げます。  七ページでございますけれども、これは一般輸入の商社に係ります過大請求の過払い額の調査の内容でございます。  かいつまんで申し上げますと、富士インダストリーズでございますけれども、装備施設本部が調達しております中央調達分では八件の契約、四百八十八件の地方調達があるわけでございますけれども、それ以外に間接調達三百件以上の発注がございます。その過払いの内容について調査の今の状況でございますけれども、直接契約分につきましては、ここに書いてございますように、中央調達で数件で約一千万円、地方調達で三百数十件でおおむね五、六億円ということになってございます。間接契約については引き続き調査中でございます。  山田洋行でございますけれども、この表では十四年度以降の数値が出ておりますけれども、過払い件数八件、過払い額二千四百五十万ということになってございますけれども、この表以外で十三年度以前の契約について過大請求を確認したものが八件ございまして、これを合計いたしますと計十八件で、四億三千七百万円ほどの過大請求額ということになってございます。  それから極東貿易でございますけれども、現在鋭意調査中でございますけれども、ここでは過払い件数、過払い額とも調査中になってございますが、過払い額がまだ調査中でございますのでこの表に入ってございませんけれども、一応過大請求の案件五件を確認しておるところでございます。  以上でございます。
  409. 大久保勉

    大久保勉君 どうして調査がこんなに遅れているんですか。
  410. 小川秀樹

    政府参考人(小川秀樹君) 過払いの調査でございますけれども、これは企業側に対して、基本的に民事の損害賠償請求を行うということが目的になっておるわけで、最終的には裁判、訴訟ということになり得るということなので、そうした請求に堪え得るように一件一件十分調査をして事実関係を確認していく必要があると、そういう積み上げの調査でございますので、どうしても時間が掛かるということでございます。  加えて、富士インダストリーズにつきましては、一昨年発生したものでございますけれども、輸入品に関するこういった過大請求は初めてのケースでございまして、調査の方法、それから過払い額算定方法の検討、それをまず行う必要があったと、そういうことで若干時間を要しておるところでございます。  山田洋行、極東貿易につきましては、山田洋行が昨年十一月、極東貿易が本年一月に発生をしておりまして、山田洋行につきましては、今、既に中央、地方調達含めまして約六百四十件の契約について見積書を海外メーカーに送付をして一件一件確認作業に入っておりまして、鋭意進めるところでございますけれども、現状こういう状況になっておるところでございます。
  411. 大久保勉

    大久保勉君 ページ、八ページを見てください。いわゆる過払いに関しましては構造的なものじゃないかということで、現在全取引先を対象に、昨年より中央調達、地方調達共にサンプリング調査を行っています。この資料が八ページです。こちらの説明お願いします。
  412. 小川秀樹

    政府参考人(小川秀樹君) この八ページの表でございますけれども、これは今ほど申し上げました山田洋行の事案を一つの契機といたしまして、やはりほかの会社契約でもそういった過大請求が行われておるようなことがあっちゃいけない、それを確認する必要があるということで、我が方防衛省が契約をしておりますすべての契約企業について、当面サンプリングでございますけれども、調査を行ったわけでございます。  中央調達について申し上げますと、百十社あるわけでございますが、昨年までに百八十九件について契約の見積書を海外メーカーに送付したわけでございます。そのうち、既に八十五件の回答が来ておるわけでございますけれども、そのうちで一件につきましては過大請求の事実を確認をいたしまして、先ほど申しました極東貿易でございますけれども、一月に公表をしたところでございます。それ以外の七十三件につきましては、送った見積書は真正であるという返事が来ておりまして、残数が十一件ということになるわけでございますけれども、その確認中の案件についてこれは表になったものでございます。
  413. 大久保勉

    大久保勉君 是非この辺りはきっちり調べてもらいたいと思います。  この辺り、石破大臣の方もリーダーシップを持って防衛調達に関して鋭意検討されているということですが、この点に関して、今現状若しくは御所見を聞きたいと思います。
  414. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 調達改革でございます。  これもいろいろ新聞報道等々なされておるところでございますが、既に輸入商社から当省に提出される見積書の写しを外国メーカーに送付し、真正性を確認した上で契約する措置を実施したということでございます。これ、本当ですかというふうに聞くのも妙な話なのですけれども、それは真正性を確認せねばならないということになります。  この二十年度には、この直接照会の措置を明記した特約条項を新設する、流通業者を介する場合には外国メーカーの見積書の提出を義務付けるということになっております。  商社等につきましては、経理会計システムの適正性や法令遵守体制等に関する調査の受入れ義務を契約上に規定するということにいたしました。過大請求事案に対する制裁措置の実効性を高めますために違約金制度を強化しなければならないと思っております。  また、一般輸入の適正性確保のための体制強化といたしまして、装備施設本部の外国駐在の輸入調達専門官、現在今まで三名であったところ、七名の振替増員要求を行い十名体制と、平成二十年度の予算案ではいたしておるところでございます。  また、装備施設本部に一般輸入調達の統括部門を、平成二十一年度予算要求を予定しておるところでございますが、新設するということでありまして、これらは行うべきことをきちんと行うということでございます。  また、以上のほか、いろいろとチームで検討しておるところでございますが、ライフサイクルコスト管理の強化ということをやっていかねばならない。これは、いろいろな局面におきましてどのようにコストが管理されるかということも含めまして、ライフサイクルコストという、廃棄されるまでその管理をやっていかねばならぬと思っておるところでございます。  また、コスト縮減達成目標を設定する、研究開発評価プロセスの強化を行うなどなど多岐にわたる具体策を策定すべく進めております。  防衛改革会議、これは官邸において行われているものでございますが、ここの御議論を踏まえまして、装備品等の取得の効率性、公正性、透明性の向上を図りたいと思っております。  また、ここにおきまして外国でいろいろな事例、特にイギリスの事例等々紹介をされておりますが、これが我が国においてどうなのか、それぞれ商慣習が違うところもございますが、いいところは抜本的な見直しの過程において取り入れていかねばならないというふうに考えておるところでございまして、委員会におきます委員の御提案等々またいただければ参考にさせていただきたいと考えておるところでございます。
  415. 大久保勉

    大久保勉君 最後の質問なんですが、この間、道路特定財源のいわゆる無駄遣い、若しくは防衛調達に関しても非常な不適切な調達、場合によっては過払いという言葉、実は書類を偽造して調達しています。ですから、この辺りはきっちりチェックする必要があります。  今回、財務省予算執行調査に力を入れておりますが、この辺りに関してどういうふうに応用したらいいか、最後に質問します。これで終わります。
  416. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 大久保委員の御指摘は当然のことだと思っております。  例えば、過払い事件が発覚をした山田洋行については、二十年度予算案についても、二十年度に納入する装備、あるいはまた未契約になった分等については、これは関連するその額については含めておらないようになっているわけであります。  先ほど、富士何とかとかいろいろ問題の企業が出たりしておりますけれども、そういう案件については、その個別の問題が発覚したときに予算の執行の中でこれはきっちりと減額をするとか含めないようにしていく、対応していきたいというふうに思っております。
  417. 大久保勉

    大久保勉君 終わります。
  418. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 以上で中谷智司君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  419. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 次に、石井準一君の質疑を行います。石井準一君。
  420. 石井準一

    石井準一君 自由民主党石井準一でございます。私は、地元、房総半島野島崎沖での事故について質問をさせていただきます。  イージス艦「あたご」、はえ縄漁船清徳丸の衝突事故から早くも一か月が経過をしようとしております。いまだ行方不明の吉清さん親子は発見に至らず、捜索は打ち切られました。吉清さんの御家族、御親族、関係者の方々の悲しみは計り知れないものと察し、衷心よりお見舞いを申し上げる次第であります。また、捜索に携わられました関係者の方々の御尽力に心から敬意と感謝を表したいと思います。  こういう状況の中で、川津の漁師たちは悲しみを背負ったままいつもと同じように漁場に向かっております。私は、事故後訪れた川津漁港で親族の方々や関係者の皆様方とお会いした際に、同じ房総に生まれ育った人間の一人として心に深く突き刺さるものを感じ得ました。本来ならば顔も見たくないはずの石破防衛大臣防衛省の幹部の方々に、怒りを抑えながらも冷静に対応しようと努める地元関係者の姿を大臣はどのようにお感じになられましたか。
  421. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) これは、委員がお感じになったのと同じことを私も感じたということだと思います。いろんなことをおっしゃいました。そこで言われたことを私はここで繰り返すことはすまいと思っております。  ただ、本当に、委員がおっしゃいますように、一番つらい思いをしておられる方々は御家族であり、仲間の漁師の方々である。その方々のおっしゃることを私は常に胸に置いておかねばならないし、そして私ども防衛省・自衛隊、なかんずく海上自衛隊は、本当に自分たちがやろうとしていることが、この御家族の、そして漁協の関係者の皆様方の思いにこたえるものであるのかどうなのかということを最優先に考えていかねばならないと思っておるところでございます。
  422. 石井準一

    石井準一君 彼らの望みはたった一つ、二度と事故を起こさないためにも真実を明らかにしてほしい、ただそれだけなんです。ここにお集まりの野党の方々の中には大臣辞任を要求される方もおられるようですが、彼らはそんなことはこれっぽっちも望んでおりません。むしろ、悲しみを政争の具にしてほしくないとはっきりと意思表示をされております。たとえ自分たちの悲しみがいえる日は来なくても、せめて人様を恨みながら海へ出るような後悔だけは残したくない。それが房総半島の突端で、海を愛し、海とともに生きている彼らのプライドであり、祈りであるということを私たち一人一人がしっかりと受け止める必要があるのではないでしょうか。  現在、あらゆる角度から事故原因の解明がされていると思いますが、吉清さん親子のために、また親族や川津の皆さんのためにも、そして海を愛するすべての人のためにも、海上自衛隊が海の平和の番人としてその名を汚すことのないよう、真実を包み隠さず公表するということをいま一度改めてここに約束をしてください。  事故発生当時から本日まで、この問題解決に取り組む大臣の姿勢についてお伺いをいたします。
  423. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 私も選挙区に漁港はたくさんございます。漁師の方々とお話しする機会も非常に多いです。やはり今委員がおっしゃるように、海に生きる人たちのプライドというものを今回改めて感じましたし、同時に、世の中にはこんなに立派な人たちがおられるということをつくづくと思い知らされた、そういうような思いでいっぱいであります。  真実をすべて明らかにせよという委員の御指摘でございます。  私はいろいろ御批判をいただき、反省せねばならないこともたくさんありますが、この事故が起こったときに、すべて調査中です、分かりませんということは決して言うまいというふうに考えてまいりました。そして、捜査に支障のない範囲で、当然海難審判の手続が始まる、そして海上保安庁の捜査が始まるわけですが、それまでの間に知り得たことを、付け加えることなく、あるいは歪曲することなく、それはきちんと発表をしていかねばならないということでやってまいりました。  ただ、そのことの間に矛盾を生じているような、またそういうような誤解を招きかねないようなことがございまして、御批判をいただいておるわけでございますが、いずれにしてもそういうような最初の気持ちに変わりはございません。  再発防止、そのためには事故原因の究明というのが大切です。ただ、これ、裁判にこの後係る、海難審判に係ることでございますので、私どもとして、今聴き取ったことがすべて言えるかといえば、それはそうでないことがあるというのは、委員理解をいただけることだと思っております。  現在、作業を進めておるところでございますが、早ければ、早ければ二十一日にも、今週の金曜日でございますが、捜査に支障のない範囲で私から申し上げられることは申し上げたいというふうに思っておるところでございます。  そういうような、二十一日にできるように今最大限の努力をしておるところでございますが、そこにおいて現時点で申し上げられることを申し上げる。そして、その後また明らかになることもあるでしょう。海難審判やあるいは裁判の過程において明らかになることもあるでしょう。防衛省としてできる限りのことはやってまいりたいと思っておるところでございます。
  424. 石井準一

    石井準一君 次に、関係自治体への通報と初動活動についてお伺いをいたします。  千葉県におきましては、消防地震防災課の職員が午前六時ごろニュースで事故を知り、千葉海上保安部、海上自衛隊に確認を取るとともに、知事室に連絡、自衛隊からは午前八時に、午前四時ごろイージス艦と漁船とが衝突をし、漁船の船体が割れたとの報告を受けたと。同課と水産課と情報を収集し、政策推進室が自衛隊との連絡に当たった。また、調査船など三隻を現場に派遣をし、午前九時過ぎから現場を捜索。そのため、知事室の担当者から堂本知事へ連絡が入ったのは事故発生から約五時間たった午前九時だったということであります。海上自衛隊横須賀地方総監部から詳しい事故情報が入ったのは八時ごろで、最初の段階で詳しい報告があればもっと早く千葉県所属の調査船三隻が現場に向かえたはずであるということであります。こういう事故が起こったときに自治体への通報というものを即座に行わなきゃならないということが大きな教訓となったわけであります。  国民を守り国を守る自衛隊が、たとえ過失で生じたこととはいえ、国民に被害を与えるような事故を起こしてしまった場合、海難対処訓練がなされている海上自衛隊にあって人命救助が最優先されるという点から、現場における適切な初動活動が十分に行われたかどうかをお聞かせいただきたいと思います。
  425. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 関係自治体に対する通報体制でございますが、今回十分でございませんでした。  千葉県知事あるいは勝浦市長から厳しい御指摘をいただきました。これは体制を改めまして、事故が起こる関係自治体にきちんと即刻御連絡が行くように体制を改めたところでございます。この点、私ども本当に反省をしなければいけないことだというふうに考えておる次第でございます。  また、初動活動が十分であるかどうかということについてのお尋ねをちょうだいをいたしました。これはもちろん今後とも改善点というものを見付けて、より良い初動というものをやっていかねばならない、当然のことでございます。  ただ、今回の「あたご」の件に関して申し上げますと、ぶつかったということになり、直ちにその関係の部署が発動をされました。四時七分の事故発生を受けまして、四時八分、一分後には救助作業を開始というものが下令、命令をされたところでございます。照明で海面を照らす、艦橋及び甲板から呼びかける等々を行い、十四分後の二十一分には内火艇二隻、後に一隻を追加をいたしましたが、それぞれ七名ほどの乗組員が乗り込んで発進をしたところでございます。また、その後、航空機等々におきます捜索も行われたわけでございます。  私は、先ほど申し上げましたように、改善の余地があるとすれば、更に更に努力をしていかねばならないと思っています。ただ、夜間でございました。夜間ですから、寝ている者を起こさなきゃいかぬということがございました。イージスでございますので、甲板から水面まで相当の高さがほかの護衛艦よりもございます。また、積んでおります内火艇も大きなものでございました。私は、そのときの状況において、乗組員たちは本当にできる限り一生懸命のことをやったというふうに思っております。  更なる改善の余地があれば、私どもも努力をしていかねばならないと、かように思っておりますので、またいろいろ御批判、御指摘等々は謙虚に真摯に承りたいと存じます。
  426. 石井準一

    石井準一君 今後とも初動活動が十分に行われるように御期待をいたします。  事故当日の二月十九日十一時十分より、江渡防衛大臣が現地、千葉県勝浦市に入って、新勝浦市漁協並びに勝浦市役所を訪問し対応を協議と報告を受けましたが、どのような対応を協議したのか、お伺いをしたいと思います。  なぜこのようなことをお聞きするかといいますと、私自身、二十日に現地入りをし、外記組合長から、現場海域では海自や海保が捜索を続けているが、何が見付かったか家族に全く伝えられていないと、どんなものが発見されたかぐらいは教えてあげてほしいと、当局側に積極的な情報開示を強く求める要請を受けたからであります。お伺いをしたい。
  427. 江渡聡徳

    ○副大臣(江渡聡徳君) 石井委員にお答えさせていただきたいと思います。  御指摘の事故当日の二月の十九日でございますけれども、事故及び捜索の状況も必ずしも明らかでない、そういう中におきまして、被害に遭われた御親族の皆様あるいは漁協の同僚の皆様方など大変御心配なされていると、そのように思われました。  このため、当日、石破大臣の指示の下、私が防衛省を代表いたしまして、地元であります勝浦市を訪問し、関係の皆様方に捜索の最新の状況等について取り急ぎ御報告申し上げるとともに、このような二度とあってはならないこういう事故を起こしたということに対して深くおわびを申し上げた次第でございます。  具体的におきましては、まず私は、新勝浦市漁業協同組合の川津支所を訪問させていただきまして、外記栄太郎組合長、そして行方不明の吉清治夫さんの弟様と面会させていただき、吉清治夫さん並びに吉清哲大さんのお二人の方が行方不明となる重大な事故を起こしたことを心よりおわび申し上げるとともに、行方不明者の捜索に全力を挙げて取り組むんだと、それが防衛省・自衛隊にとって今一番最大限の眼目であるというようなことをお約束させていただいたわけでございます。  その際、外記組合長から、現地に情報が少ないので自衛隊から情報が欲しいという御要望がございました。ですからこそ、当日中に海上自衛隊横須賀総監部の要員三名を連絡要員として同組合に派遣させていただきました。また、組合長から、清徳丸の船体を港まで曳航したいという御要望がございましたもので、防衛省と海上保安庁で調整するよう事務方に指示させていただき、これを受けて、横須賀地方総監部と第三管区海上保安部の調整が行われ、海上自衛隊が手当てをすることになりまして、翌日の二十日の午後に横須賀まで曳航されることになったわけでございます。  そして、引き続き私は、千葉県沿岸小型漁業協同組合を、さらには勝浦市役所に参りました。そこで、小型漁船漁業組合におきましては組合長にお会いすることはできなかったんですけれども、役員の方々四名と、そしてまた勝浦市役所におきましては藤平市長並びに杉本副市長と面談させていただき、私からはまず、重大な事故を起こしたことについて心からおわびを申し上げるとともに、捜索活動に関する防衛省の活動について取りあえずの御報告を申し上げ、そしてまた行方不明者の捜索に全力を挙げて取り組むということをお約束させていただいたわけでございます。  なお、漁協の皆様始め、また多くの方々から行方不明者の捜索に全力を挙げてほしいと、そういう言葉をいただきまして、防衛省に帰省後、すぐさま大臣に、これら弟様の思い、そして外記組合長の思い、そしてまた沿岸小型漁業組合の方々、そして勝浦市長等の御要望ということを御報告させていただいたところでございます。
  428. 石井準一

    石井準一君 次に、現場に駆け付けた僚船が船体が二つに分断された状態で海面に浮かぶ清徳丸を発見したとき、海上には漁具や布団などが散乱していたそうです。その後、行方不明の治夫さんの銀色のジャンパーや荷物などを仲間の僚船が発見、回収した様子を皆様方もテレビや報道で御覧になっていると思います。事故当日、海自の連絡官が地元勝浦市に入ったが、新勝浦市漁協川津支所において一日に二回ほど海自による捜索活動の状況を伝えるとともに、気象情報を伝えるにとどまったと聞いております。  海自や海保が浮遊物を回収していたときに、仲間の船長が様子を尋ねても、捜査内容は教えられないという答えだったそうですが、捜査段階とはいえ、今回の自衛隊による過失による事故は国民も大変な不安を抱いているわけで、海自や海保は家族や組合に速やかに情報を提供すべきだったのではないか、地元や家族に対する配慮が多少なさ過ぎたのではないか。どのようにお考えでしょうか。
  429. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) これは捜査との関係もございまして、私どもとして、すべてのいろいろなお申出におこたえができなかった面があったのかもしれません。これはもう本当に事故発生以来、委員には大変な御尽力をいただき、地元の方々との間に入っていただいていろいろなお助けもいただきました。  私どもとして、最大限の配慮、一番大事なのは御家族であり心配しておられる方々なのだということで、現地に行きました駐在官も本当に不眠不休で誠心誠意やったと私は思っております。  ただ、なお足らざる点あるとしますれば、どうか御指摘をいただき、改善をさせていただきたいと思っております。仮に御家族の方々が、関係者の方々が足らざる点があるというふうにお思いであるとするならば、それは深くおわびを申し上げる次第でございます。
  430. 石井準一

    石井準一君 最初のうちはそういう思いであったということでございますけど、最後は御家族や親族、組合員の方々は連絡官に対し感謝の気持ちでいっぱいだということも申しておりました。  次に、二つに折れた清徳丸の内部において行方不明の二人の捜査を行うために、ダイバーを何時の時点で派遣依頼をし、実際に捜索、捜査が始まったのは何時ごろなのか。また、不明者を発見できなかったという結果を、なぜテレビやマスコミから知る前に組合や家族に伝えられなかったのかをお伺いをしたいと思います。
  431. 岩崎貞二

    政府参考人(岩崎貞二君) お答えいたします。  二月の十九日の四時二十三分に「あたご」から事故発生を、私ども海上保安庁第三管区海上保安本部でございますが、連絡を受けまして、直ちに巡視船艇、航空機、それから特殊救難隊というものの出動を指示をいたしました。午前の五時四十八分、私どものヘリコプターに同乗した特殊救難隊が現場に到着し、六時六分から十時二十七分までの間、断続的でございますけれども、三回にわたり船首部それから船尾部の捜査を実施、船内外の潜水の捜索を実施をいたしました。残念ながら、お二人の方を発見できなかったということでございます。  こうした状況につきまして、御家族の方あるいは漁協の方について情報連絡が十分ではなかったかと、このような御指摘でございます。私どもも当日、御家族からのお問い合わせに答えるような形で話をしたこともないわけではございませんけれども、先生の御指摘のとおり、必ずしも十分適切なことをやったかということについては少々疑問でございますので、今後できるだけ適時適切に、こうしたものについては配慮しながら関係の情報を流していくということを考えていきたいと、このように思っております。
  432. 石井準一

    石井準一君 つまり、危機管理、初動活動は現地、現場をよく把握することから始まることで、石破防衛大臣が現地入りしたのは二十一日十五時十一分、事故発生から三日後となってしまった訳をお聞かせいただきたいと思います。
  433. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 今、江渡副大臣からお答え申し上げましたが、発生当日直ちに江渡副大臣が現地に参りました。そして、報告を受け、どのように対処するかということについて、私自身、政府関係機関あるいは国会等々への御説明ということで、当日、二日目というふうに使ったようなことでございます。  これは、もう一日早く行けなかったかとか、いろいろな反省点はあろうかと思います。ただ、一日目、副大臣が本当に防衛省を代表して現地に参り、つぶさに情勢を把握をしてきた、そしてそれを受けて二日目、いろいろな関係機関あるいは国会、マスコミ等々への御説明を行った、三日目となったものでございますが、これも先ほど来のお答えの繰り返しになるかもしれませんが、更なる改善の点があったのではないか、それは常に自ら反省していかねばならないことだと思っております。
  434. 石井準一

    石井準一君 また、舩渡イージス艦艦長を始め防衛省の幹部が親族や現地に謝罪に訪れたのは、なお事故後九日目であり、もっと早く対応ができたのではないかと思われますが、いかがでしょうか。
  435. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) ここは委員もあるいは御存じなのかもしれませんが、艦長は状況が許せば一番先に行きたかったと、そういう思いでございました。逃げ隠れするような人間ではございません。艦長として事情が許すようになれば一番先に行きたいという思いはずっと持っておったと私は聞いております。また、現地で艦長がそのようなことを申したというふうな報道も承知をいたしておるところでございます。  これはくだくだ申しませんけれども、状況が許すようになって一番最初に真っ先に伺ったのが現地であり、お目に掛かったのが御家族であると。それは、艦長のそういう思いは是非是非国民の皆様方にも御理解をいただきたい。そういうような艦長の誠意というのか、それが伝わって、一番つらいのは艦長だろう、そして艦長にも御家族がいるのであろうと、そういうようなお言葉になった。そういう有り難いお言葉をちょうだいできたということは、私自身、そういう事故を起こしたということは本当に起こしたこととして、艦長の誠意というものは伝わったのではないかというふうに考えております。だからそれでよしというようなつもりはございませんが、艦長の誠意、そういう思いは委員は御理解をいただけていることだというふうに思っております。
  436. 石井準一

    石井準一君 次に、漁業操業の安全についてお伺いをします。  三方を海に囲まれた千葉県は、海面漁獲量二十万六千トン、全国第五位の水産県であります。今後とも漁業を振興していくためには千葉県として漁業操業の安全を確保することが重要であり、今回の事故に関しては国に対し、今後も漁業者が安心して操業できるよう徹底した原因究明と万全な再発防止策を講じ、二度とこのような事故が起こらないよう申出をしております。  事故に遭った清徳丸七・三トンの建造費用は二千六百万程度であり、平成五年十一月に進水をいたしました。昨年八月には約一千三百万のお金を掛け、推進機関の改修も行ったところであります。また、年間の水揚げ金額につきましては約二千万円だが、経費を差し引きますと二人での所得は六百万程度であると聞いております。命懸けでの操業による所得が二人で六百万程度というのは、全国勤労者世帯所得六百三十万であることからすると決して多いものとは言えない状況であり、漁業経営の厳しさが表れております。  衝突事故当時は漁船事故不明者の生還を祈り、御法楽を唱える地元の女性たちの姿、捜査打切りを受けた後は海難事故の区切りの行事、浦じまいが行われました。帰ってこない者たちへの家族や親族によって行われる一つの思い出、けじめの儀式であります。それは漁港を清めると同時に、新たに漁に携わる仲間を思いやり、安全を願うために行うものであり、漁師という職業が第一次産業の商業活動を担うという側面以上に文化や伝統、独自性を持っているということを私たちは理解をしなくてはいけないのではないでしょうか。  そうした中、都市と地方との格差も問題となっている中、全国津々浦々で営々と営まれる漁業について安心して漁に出られるような対策が必要と考えます。漁業者側で講じる対策といたしましてはライフジャケットの着用が考えられております。ライフジャケットの着用に関しては、本年四月から一人乗り小型漁船のライフジャケットの着用が義務付けられました。  漁業者のライフジャケット着用率を高め、安全に、かつ安心して操業ができる対策を講じるべきだと考えますが、農林水産省としての取組はどのようにされているのか、お伺いをしたいと思います。
  437. 中前明

    政府参考人(中前明君) 漁船の海難防止、それから安全操業の確保に関しましては、これまでも関係省庁及び全漁連等の関係団体と連携を図りつつ、漁業関係者に対する普及啓蒙活動を行い、事故発生防止に努めているところでございます。  特にライフジャケットの着用推進につきましては、国土交通省省令の改正により、本年四月一日から一人乗り小型漁船のライフジャケット着用が義務化されることを控えて、三月一日から十五日までの間、広く全漁船を対象として、国土交通省と連携し、関係漁業団体、都道府県等の関係機関の協力の下にライフジャケット着用推進キャンペーンを行ったところでございます。また、漁船の海難事故を更に減少するため、平成二十年度予算において漁船の安全操業に関する対策事業を拡充し、従来から実施してきたライフジャケットや救命いかだの実地訓練のほか、新たに漁業操業の実態に合ったライフジャケットの開発のための調査を実施することとしたところでございます。  今後とも、漁船の海難防止の取組を関係省庁との連携の下に積極的に図ってまいりたいと考えております。
  438. 石井準一

    石井準一君 大変厳しい経営状況に置かれている沿岸漁業の振興を国としても積極的に進めていくべきだと考えますが、農林水産省の所見をお伺いしたいと思います。
  439. 岩永浩美

    ○副大臣(岩永浩美君) 石井議員にお答えをいたします。  御指摘のとおりに、沿岸漁業は漁業全体の中で生産量で約五割、生産額で約六割を占めております。国民に対する水産物の安定供給を図る上で重要な役割を果たしていることは言うまでもありません。漁村における地場産業として地域の経済、雇用にも貢献していることを我々は認識をいたしております。  しかしながら、沿岸漁業は、委員御指摘のように、資源状況の悪化や就業者の減少、高齢化、漁船の老朽化、燃油価格の高騰など、極めて厳しい状況にございます。このため、十九年の三月に策定された水産基本計画に基づいて、低位水準にある水産資源の回復、管理の推進、漁船漁業や水産物流通システムの構造改革、新たな経営安定対策の導入や新規参入の促進、漁港、漁場、漁村の総合的整備を始めとする水産政策の改革を推進するとともに、平成十九年度補正予算より燃油高騰対策として百二億計上させていただき、省エネ漁業への転換を推進しているところでございます。  今後とも、国民に対する水産物の安定供給を図るとともに、沿岸漁業を始めとする力強い水産業の豊かで活力のある漁村の確立を図っていきたいと考えております。
  440. 石井準一

    石井準一君 今後も、経営の厳しい沿岸漁業の振興をよろしくお願いしたいと思います。  次に、大型船の航行に対し、小型漁船が衝突を回避している状況についてお伺いをいたします。  漁業者との話合いの中で、以下のような話がありました。実際の海上では、タンカーや大型旅客船など大型船は急な進路変更や小刻みな方向転換が困難なことから、多くの場合、小型漁船側が衝突を回避するために進路を変更しており、事故を未然に防いでいるのが現状であると。また、釣り等の漁具の上げ下ろしが比較的容易な小型船は小型船側で回避可能でありますが、マグロ網漁船や底引き網漁船では一度下ろした漁具の回収に時間が掛かるため、すぐには衝突の回避動作が難しいことから、操業海域の周辺には常に神経をとがらせ操業しているのが現状であるということでございます。  こうしたことを考えた場合に、二度と事故が起きないよう、大型船の航行に対しどのような指導をしているのか、お伺いをしたいと思います。
  441. 岩崎貞二

    政府参考人(岩崎貞二君) 一般的な交通ルールは海上衝突予防法というルールがございますけれども、船舶交通がふくそうしている東京湾でありますとか、そうした区域におきましては特別な航路を設定し、交通ルールを定めているという現状でございます。私どもの方で海上交通センターというのを設置しまして、レーダーを監視する、それから巨大船等大きな船については航路に入る順番なんかを調整していく、あるいは付近の通航船舶に対して情報提供でありますとかいろんな注意喚起を行っているとか、そうしたいろいろなことをやっておるところでございます。また、そうしたルールの徹底を図るとともに、いろんな海難防止活動等々につきましていろんな機会を使ってやっている状況でございます。  ただ、こうした状況でも、特にやっぱりふくそうする海域では事故が多く発生しておる現状でございますので、もう少し対策が取れないかということにつきまして、今、航行環境の変化等に対応した新しい船舶交通安全対策がないのかどうか審議会も開いて勉強しているところでございます。
  442. 石井準一

    石井準一君 次に、地元の様子を述べさせていただきたいと思います。  日差しも暖かくなり、春めいて、桜の開花を待つ季節が今年も巡ってまいりました。しかし、二月十九日に発生したイージス艦との衝突事故以来、地元の人々の思いはなかなか晴れません。吉清さん親子という仕事仲間をのみ込んだ海を目の前にし、川津の人たちはこれからも船を出し、漁師としての生活を営んでいかなければならないのです。人々は心の重さを抱えながらも、元の川津に戻るにはまだまだ時間は掛かると話をしております。  現在、新勝浦市漁協川津支所では、沖合のキンメダイ漁などが始まり、魚が水揚げをされ、入札に掛けられるようになり、ようやく漁業としての業務に戻り始めたところであります。ただ、マグロはえ縄漁をする清徳丸の僚船は、季節の変わり目の天候不順や強風も影響しやすく、漁に出れない状況が続く日もありました。同漁協の七十九歳になる外記栄太郎組合長は、吉清さん親子がいまだ行方不明であるが、今後は各自操業しながら二人の手掛かりがないか注意を払っていきたい、このような様々な心配を抱いたまま漁に出て操業するのは安全の面でもまだまだ問題が残ると言っておられました。組合長の気持ちといたしましては、国会議論をされている石破防衛大臣辞任より、むしろ大臣に責任を持って続けてほしいということであります。それは「あたご」の艦長に対して思いも同じであります。国は、今後のためにも、漁業者が安心して操業できるよう徹底した原因究明と万全な再発防止策を講じ、二度とこのような事故を引き起こさないためにも頑張っていただきたい、このことについては新勝浦市漁協の外記組合長も強く望んでいるところであります。  このことについて改めて所見をお伺いしたいと思います。
  443. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 外記組合長の思いに本当にこたえることができるかどうか、常に胸に手を当ててやっていかねばならないと思います。  海上衝突予防法というものをきちんと守っていれば事故というのは起こらないはずだということを私今回改めて海上衝突予防法を読み直してみてつくづく思っております。また、あるいは「なだしお」の後、通知というものを出しました。そのほかにもいろいろな関連の規則等々私どもの中にはございます。そのことが本当に徹底されていますかと、紙にどんなに立派なことを書きましてもやらなきゃしようがないわけで、そのことが本当にそれぞれの一隻一隻に至るまで行えているかどうか、これをちゃんと見なければいけないと思っております。  もう一点は、これは衆議院でもお答えをしたことでございますが、自衛隊なべてそういうところがございますが、特に海上自衛隊の場合には、ここ数年、任務というのが物すごく増えております。工作船は来る、インド洋には行かなければいけない、そしてまたミサイル防衛もやらねばならないということでございます。そういうふうに任務が非常に増大していく中にあって、定員が増えないという状況がございます。  そうすると、この辺を一体どう考えたらいいのかということを私どもとしてよく考えてみなければいけないと思っております。足らぬ足らぬは工夫が足らぬなぞという精神論だけで私は事が済むと思っておりませんで、我々政治として何をオーダーしているのか、そしてまたそれにこたえ得る体制にあるのかどうなのかということは、私自身、防衛省をお預かりする者としてきちんとした把握をしていかねばならないと思っております。  きちんと基本を徹底するということと、もう一度海上自衛隊、特に艦船部隊の状況がどうであるのかということにつきまして、私自身、強い問題意識を持ってこれから先臨んでまいりたいと考えます。
  444. 石井準一

    石井準一君 一時は百人を超えた報道陣もまばらになり、小さな漁港も落ち着いてきました。外記組合長は、事故の当日、報道陣が次々と集まり、驚いたと言っておりました。辞任問題に結び付けられたことは本意ではなかった、政争の具にはなりたくなかったと昨日国会に見え、お会いした際にその胸中を語っておられます。  また、清徳丸の事故後に、対応に関する新勝浦市漁協の考え方、これは、組合ではまだ役員会を開催していないので、あくまでも組合長の私見ということであります。  三つの要望をしております。  一つは、清徳丸の家族に対する十分な補償をしてもらいたい。  二つといたしまして、今回の捜索には、新勝浦市漁協及び鴨川市、天津小湊、勝浦、御宿岩和田の各漁協から漁船延べ二百二十隻、漁業者延べ七百八十人が捜索に当たった。新勝浦市漁協組合長といたしましては、行方不明となっている清徳丸乗組員の捜索は、地元及び近隣の漁業者が仲間である行方不明者やその家族のためボランティア的に行っていることなので、漁業経営の厳しい中ではあるが、捜索等に掛かった費用については組合から国に補償を求めることができない。しかしながら、大勢の漁業者が漁を休み、多数の漁船が捜索を行っており、捜索漁船の燃料等の捜索費用、捜索に伴う漁業損失が生じているので、国の方から自発的に十分な配慮をしてもらえば有り難い。  三点目といたしまして、川津支所事務所は築五十三年という老朽化をしており、清徳丸を忘れることのないよう、またこのような事故が二度と起こることのないよう記憶にとどめるため、祈りの碑に代わるものとして、清徳丸の家族や乗組員の意向を受け、地元の漁業振興に役立つような支援策を検討してもらいたいということであります。
  445. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) まず、私の方からお答えをさしていただきたいと思います。  まさしく今委員がおっしゃいましたその自発的というのが極めて大事なことで、いろいろ法律に照らしますと、これはできる、これはできないみたいなことがどうしても出てまいります。  私どもとしてどのような誠意の示し方というのか、これは言い方が難しいのですが、本当に金が欲しくてやっているわけじゃないというのは当たり前のことでございます。でも、私どもとして、どういうようなおわびあるいは誠意、お見舞いの気持ち、償い、補償、そういうことができるか。ありとあらゆる観点からやってまいりたいというふうに思っておるところでございます。これは政府全体で議論をし、スピーディーに対応していかねばならないというふうに考えておる次第でございます。事故原因が究明されました後、速やかに誠意を持って国家賠償法に基づく損害賠償を被害者また御家族に行っていくということは、またそれはそれとして当然行わねばならないことだというふうに考えておる次第でございます。  なお、漁業振興につきましては、関係大臣あるいは副大臣からお答えがあるものと存じます。
  446. 岩永浩美

    ○副大臣(岩永浩美君) イージス艦と漁船の事故によって吉清さん親子が依然として行方不明になっておられること、また漁業者の仲間の皆さんが必死に救援の努力をなされましたことを思いますと、誠に胸の痛む思いであって、このような事故が二度と起こることがないよう記憶にとどめておくことは大変大切なことであると思います。  農林水産省では、沿岸漁業等の振興を図る観点から、漁業研修施設を含む共同利用施設の整備に必要な経費について、強い水産業づくり交付金により助成を行っているのは御案内のとおりでございます。  現在のところ、先ほど委員からも御指摘がございましたが、地元や県からは具体的な要請は来ておりませんが、国としても地域の漁業振興を図ることは極めて大切であると考えており、千葉県や地元の意向をよく踏まえながら適切に前向きに対処してまいりたいと考えております。
  447. 石井準一

    石井準一君 よろしくお願いいたします。  危機管理意識の希薄によるあってはならない事故が起きてしまい、御家族、御親族を始め漁業関係者の方々の受けた悲しみはいえることがありません。しかし、悲しみや怒りを抱いたままではつら過ぎます。  昨日、外記組合長とお会いする機会があり、話をする中で、三月二日の朝、福田総理が吉清さんの御自宅を訪問し、御親族に真摯な言葉で謝罪をいただきましたこと、また事故翌日から吉清さん親子の無事を祈り、御家族や漁業関係者を励ます手紙、色紙、ファクス、電話、お見舞い等が多数寄せられたことに対し、国民の皆様方の温かい心に感謝を申し上げたいという言葉を預かりました。  割り切れない思いの中にも人の温かさや誠意は生きる勇気や力になってくると私も心から感謝申し上げる次第でございます。真に国民の皆様方から信頼を取り戻すよう、早急な防衛省の組織改革大臣を中心に行われていくと期待をしておりますが、体制という形ばかりではなく、被害に遭われた方々の気持ちを察し、不測の事態に心ある対応ができる改革となるよう願いますが、最後にもう一度、大臣にその決意のほどをお伺いさせていただき、私の質問を終わらせていただきます。
  448. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 委員の御質問、大変感銘深く承らせていただきました。  組織改革だけですべてができるとは私は思っておりません。ただ、精神論だけですべてができるわけでもないのだということだと私は思っております。それを本当に両方やっていかねばならないわけでございますが、私どもの組織として、事故を起こしてはならない、これは本当に二度とこのような事故が起こることがないようという言葉をもう使いたくないのであります。本当にどうすれば徹底するか。また、「なだしお」があったにもかかわらず、何で今回こんなことが起こったということは私ども相当強く受け止めねばならないことだと思っておりまして、そういうような教訓がきちんと伝えられていくような、そういう体制を整備をしなければいかぬと思っております。  それから、先ほど任務あるいは海上自衛隊、特に艦艇部隊の体制につきまして、私として見てみたいと申しましたのは今先ほど申し上げたとおりでございます。  もう一つは、防衛省内の体制の問題でございまして、今回事故が起こったこともそうでございますし、その後の対応につきましても反省すべき点が多々あったというふうに考えております。そのときに、組織の中での調整に時間が掛かるとか、あるいはだれの責任だとか、そういうようなことで本当に国民に対する責任が果たせるのか。まさしく委員御指摘の点をよく踏まえて、どういうような体制をつくっていけばみんなが心を一つにして国家国民のために働けるかということにつき、最大限の努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。  御指摘、誠にありがとうございました。
  449. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 関連質疑を許します。森まさこ君。
  450. 森まさこ

    ○森まさこ君 自由民主党・無所属の会の森まさこでございます。予算委員会において初めての質問です。よろしくお願いをいたします。  まず、私の方からは、本日、消費者問題の一元化について御質問をさせていただきたいと思います。  お手元の方に資料があると思いますが、その資料の一番最後に福田総理の御発言の要旨があります。そちらの方に書いてあります消費者問題の一元化について、まず舛添厚生労働大臣に御質問をさせていただきます。  私は、実は議員になる前、弁護士を十三年間しておりまして、弁護士一年生のときから弁護士会の消費者問題委員会に入りまして、消費者問題の専門の弁護士として務めてまいりました。弁護士会では、消費者問題委員会の副委員長として数々の消費者問題の相談を担当する弁護士を更に研修をする仕事もしておりましたし、日弁連の御推薦を受けてアメリカへ消費者問題の研究に行ったこともあります。  そこで学んだことは、この我が国においては、世界に比べて消費者問題、消費者行政が大変何十年も遅れているということ、この国ほど消費者がないがしろにされている国はない、この国ほど悪徳商法がはびこっている国はない、この国ほど消費者の安全が放置されている国はないということを学んでまいりまして、戻ってきてからも消費者問題に携わってきたところでございますが、このところ、食品の安全について様々な企業の不祥事が明るみに出ました。私も食卓を預かる主婦でございます。大変な不安でいっぱいです。中国ギョーザの問題も起きました。  資料の一を御覧ください。  最近、皮と具に入っているこのような高濃度の基準が明らかにされて、ニラの基準の約一万倍以上ということです。専門家によると、子供であれば一、二個食べただけでも死亡の危険があったということです。体重二十キログラム以下の子供、私の子供も同年代で体重も二十キロありません。全国のお子さんを持つ親たちを震撼させた事件であると。笑い声が今起きましたけれども、子供を持つ母親、そして私は働いておりますから、給食にその食品が、同じところの食品が出ていたと、これは母親ではブロックできません。ベビーシッターに頼んでいる働く母親、どんなに不安であるでしょうか。  この数字を見ますと、過失であるか犯罪であるかまだ明らかではありませんが、犯罪の可能性、否定できないと思います。食品テロで、もしテロであったら、意図的な混入であったら、そういう問題がまた再度起こったら、その被害は甚大で回復できません。そのような重大性を大臣、御認識でいらっしゃるんでしょうか。犯罪であったときに、警察庁だけの問題ではございません。食品を扱う厚生労働省も農水省も、その組織から情報が上がってこなければ捜査が始まらないんです。  この点について、資料二で、厚生労働省が対策を出しておられますが、大臣の方から、その御説明お願いいたします。
  451. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 委員の方から今、今後の再発防止策としてこの資料二に提示していただきましたけれども、まず、今回、この事案が発生してから私のところまで上がるのに一月掛かっているというこの連絡体制どうするかと。それから、輸入食品の監視をきちんとやらないといけないと。こういう問題点が指摘されましたので、まず、そこにございますように情報の集約・一元化体制を強化する、そして輸入加工食品の安全確保を強化するということをこれは二月二十二日の関係閣僚会議において、今委員がおっしゃったように原因究明がまだできていませんけれども、しかしこれはやれることだということでまずやると。それから、再発防止策に基づきまして、先ほど申し上げましたように、保健所から食中毒に係る報告をまず都道府県知事にやってもらう、都道府県知事から厚生労働大臣の下へきちんと上がる体制をこれは徹底させる。それから、やっぱり食中毒情報をみんなで共有しないといけない。それは自治体も、食品メーカーも、輸入元も、そういうことをしっかり改善していくと。それから、輸入食品の監視体制をやるということをやりたいと思います。  今、先ほど森委員が冒頭におっしゃったのは、物やサービスに対して、これまでやはりサプライヤーというか提供者の方はよく見てきたんですね。しかし、それを需要する消費者、こちらの方の視点が欠けている。それで、総理がそういう国民の目線に立った消費者行政の一元化ということをおっしゃっていると思いますし、私自身、厚生労働大臣として就任以来、一番心を込めてやっていきたいと思ったのはまさにその点であって、国民の立場でどうして命を守っていくかと、この視線で今後とも厚生労働行政を推進してまいりたいと思います。
  452. 森まさこ

    ○森まさこ君 それ、厚生労働省だけでできますかね。  不二家の事件が起きたときに、そのときに消費者担当大臣は高市早苗先生でした。私そのとき弁護士でありましたけれども、国民生活センターの委員もしておりましたので、高市早苗大臣にその件でお目にかかってお話をする機会があったんですけれども、食品安全についてどこが所管かはっきりしない、複数いろいろな法律があって、複数の担当者が、事件が起きたときになるとどこだかはっきりしない。高市大臣がおっしゃった、もし私のところなんだったらすぐ不二家を呼んでいろいろな対策をするから、どうなの、内閣府の役人に聞いてもはっきりしないんだ。つまり、縦割り行政のときには、事故が起きたときには自分のところじゃないと押し付け合うという、そういう弊害があります。そして、産業育成省庁の場合にはそこの業者をかばってしまうという、そういう問題もあるんです。  ですから、総理がおっしゃっているとおり、すべて消費者問題については一元化をしていく、一つの司令塔となる、消費者の目線でほかの省庁に強い意見を言える、そういう機関が必要であると思うんですけれども、その点の御意見をお聞かせください。
  453. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 総理がお考えになっているのは、まさに消費者行政を一元化してきちんと国民、消費者の目線に立ってやれということでありますんで、それは、例えば犯罪、今回のような中毒事件、警察もかかわりある、それから農林水産省もかかわりある、厚生労働大臣もかかわりある、そして今度岸田大臣が担当大臣になる、この連携をきちんと取っていかないといけないと思いますが。  ただ、問題は、例えば先ほども森ゆうこ議員議論をした食品衛生法ですけれども、これは私が担当というか、法令上私が命令を下すことになっています。だから、そういう点で岸田大臣と連携を深めながら、私が所管するところはきちんとやる、それから国家公安委員長の場合はきちんとやると、こういうことをやればいいと思います。  ですから、さらにそれを超えてやるとすると、やはり省庁の再々編成をやるということになろうと思いますんで、私は、橋本行革のときにでき上がった今のこの省庁の体制でいいとは決して思っておりません。私自身、厚生労働大臣として日々務めていて、私はあと体が二つ、三つ欲しいと思いますから、そういうことも含めて、消費者庁なり消費者省をつくるというようなことを長期的にビジョンとして国家百年の大計で考えるということはあっていいと思います。そのときには、もう委員は霞が関におられましたからよく御案内のように、どういう形で今の法体系を統合するか、こういう問題もあると思いますけれども、果敢にこういう課題にチャレンジすべきときが来ているというふうに思います。
  454. 森まさこ

    ○森まさこ君 厚労省の場合は縦割りの弊害だけではない。先ほど言ったように、薬害の問題であり得ないことばかりが起きていた。国民がそれを、食品の安全任せてくださいということで信頼できますかね。  まず、この資料の二ですね、御説明いただきましたけれども、いろんな報告義務や速報対象の拡大、今まで様々な消費者問題が厚労省担当のところで行われてきたときに言われてきたことばっかりです。同じことの繰り返しです。しかも、それを通知という紙一枚でぺらっとやって、その通知は、今担当の方が異動してしまったら引継ぎ書類の中に埋もれて、もう忘れ去られてしまうんじゃないでしょうか。  資料の三を御覧ください。これは内閣府が作った今回の中国ギョーザの問題の流れですが、黒丸を印を付けたのは私です。ここのところの連絡が全部断絶されていたんですよ。これについて通知をして、それですぐ直りますかね。同じ問題が起きたときに、食品衛生法という武器を駆使して舛添大臣国民の食品の安全を守り切れると責任を持って言い切れるんでしょうか。  例えば保健所に年末年始だったから連絡が行かなかった。それで今回、保健所に年末年始は人を置くようにしました。そんな問題なんでしょうか。年末年始だったら、もしですよ、マインドの問題だと思うんです。意識があったら、電話を転送するようにすれば、ここは保健所で、国民の安全の情報が来るかもしれない、危険な情報が。そうしたら、担当の自分がお休みで人がだれもいないときだったら転送しようと、意識があればそう思うんですよ。その意識を改革していくようにしなければならない。  実際に人がいても、資料の四を見ていただけると分かるように、これは自民党の消費者問題調査会で出た資料ですけれども、地方の相談員が持ってきました。相談員が保健所に検査してくださいと言っても拒否されるんです。実際、私が弁護士のときに、相談してくださいと言われても拒否されました。その理由は、保健所が検査に乗り出すとそこの旅館がつぶれてしまうから、そんな理由でありました。  資料の五を御覧ください。流通食品への毒物の混入を防止する法、まさにこれが今回の中国ギョーザのときに適用されていたならばよかったと思うんですが、これは皆さん、昭和六十二年にもうできているんです。森永・グリコ事件のときにちゃんと作られた法律、国が必要な施策を講じるような義務があります。全く何の施策も講じられてこなかったんです。だから、同じことが起こったんです。  これを施策を講じなかったのは、リーダーシップを持って消費者の目線でこれをやれと言う機関がなかったからやらない。つまり、何か社会的な問題が起きたときに、省庁というのは、こういった制度ばっかり、改革の改善策ばっかり出して、対症療法を出して、その後はほうっておくんですよ。だから、何にも国民は救われてないんです。  済みません、時間がないので矢継ぎ早に言いますが、資料六も見てください。これはBSE問題のときに、厚労省がこんなにすてきなポンチ絵を作って、こういうふうに直しますと、これでもう万全ですと説明した絵でございます。少しコピーが薄いんですけれども、消費者のところから、これ薄くて見えませんが、消費者から厚生労働省に太い矢印で緊急情報がばしっと行くようになっているんです。ところが、これも今回、中国ギョーザのときに全然機能していないということがございます。  資料七も御覧ください。コンニャクゼリーによる死亡・重篤事故の件数ですが、十五人が今まで死亡しているんです。直近の事件では、私の娘と同い年の七歳の子供がコンニャクゼリーのどに詰まらせて死亡しています。ところが、コンニャクゼリー危ないというのは分かっていますから、これは保育士さんがちゃんと四つに切って与えているんですよ。四つに切っても詰まらせちゃうんです。こんなに危険な食べ物を何か売るほどの比較考量して利益があるんでしょうか。  これを韓国と比較しますと、韓国には消費者院というちゃんとした消費者のための消費者の視点を持った行政機関がございます。コンニャクゼリーの死亡事故が一件だけ起きました。九歳の子供が死亡してすぐに消費者院が厚生労働省に当たる省庁に勧告を出して、そして厚生労働省に当たる食品衛生という行政機関がコンニャクゼリーの製造も輸入も禁止をいたしました。日本ではこのままもう垂れ流されていて、ここを農水省に聞きますと、コンニャクなのかお菓子なのか分からないということで担当の部署が分からない、全く調査も動いてないんです。  そして、国民生活センターは調査権能がございますが、国民生活センターに勧告権限がないので幾らその情報を言っても省庁が動かない。厚生労働省は、大臣、何と言っていると思いますか、コンニャクゼリーについて。厚生労働省は、食品衛生法という立派な法律があるが、これは食品の成分、衛生に関する成分だけ調べるものだから、コンニャクゼリーのような形態に問題があるものについては私たちは関係ありませんということを言っているんです。  これは縦割り省庁のすき間に落ちた問題、マインドの問題、これについてはやっぱり消費者の目線の組織がきちんと意見を言う、そういう必要があると思いますが、どうですか、御意見
  455. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) いろいろ貴重な意見を賜りまして、私が常に申し上げていることとほとんど同じでございます。  そういう観点から、総理も国民の目線で、私は先ほど来、提供者じゃなくて需要する消費者の立場に立って、生産者ではなくて消費者ということが欠けてきたということを申し上げておりますんで、そういう形で今制度改革もやっております。法律を作ったり制度を変えても、そこにいる人間が変わらなければならないと思います。  そういう意味で、今度、岸田大臣のリーダーシップの下に、消費者行政の一元化というのを総理の御指示の下で行うということで、全面的に協力をしたいと思います。
  456. 森まさこ

    ○森まさこ君 ありがとうございました。  次に、農水省にお聞きをしたいと思います。  資料八にございますが、やはり農水省も同じように平成十七年に既に食品安全に関する指針を出しておりまして、資料七でございますが、事故があったときにはこのような対策をしているというふうになっていますが、今回は機能しなかったと。残念なことでございます。  そして、もう一つ、表示の点についても国民の側からは分かりにくい、そういう指摘がされています。これは国民の側からだけではなく業者の側からもされているんですよ。今日、自民党の消費者問題調査会に商工会の代表がいらっしゃいまして、商工会としてもこれは裏面に書く表示が農水省さんにも聞かなきゃいけない、厚労省さんにも聞かなきゃいけない、同じ問題を聞くと答えが違う、困ってしまうということを言っています。是非、表示についても一元化をしていただきたいと思いますが、御回答よろしくお願いします。
  457. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) どなたへの質問ですか。
  458. 森まさこ

    ○森まさこ君 農水省さんでございます。
  459. 岩永浩美

    ○副大臣(岩永浩美君) 産地表示等々について、消費者行政の第一人者である先生は今までずっと党の中でも随分活躍をしていただき、今その一つの案をまとめていただいていることには敬意を表したいと思います。  特に消費者が的確に食品を選択するために十分な情報を得るというようなことは大変大切なことであって、特に消費者の立場に立った分かりやすい食品表示を実施していくことは重要な課題である。そのために、今先生大変主張をしていただいている消費者庁の設置等々についても、大変御活躍をいただいていることは私どもは承知をいたしております。  先生、弁護士ですから、食品の表示について釈迦に説法ですが、食品衛生法、JAS法、健康増進法の法律がありますが、それぞれ法目的から必要な規制が行われておりまして、関係省庁が連携を取って効率的かつ的確な運用を図ることが重要であることは言うまでもありません。これまでも様々な連携を各省庁と取って今までやってまいりました。  先生御指摘の加工食品の原料の原産地表示については、消費者の皆さんの関心が大変高くなっていることを踏まえて、食品事業者が自主的に情報提供をするに当たっての基本的な考え方やあるいは留意点を手引として取りまとめなどをやっており、表示が義務付けられていないものについても原料の原産地表示を推奨することを今からやっていきたいと思っております。  さらに、国民の皆さんに制度の内容を説明する食品表示フォーラムの開催などを頻繁にやることによって、消費者の視点に立った分かりやすい食品表示の実現のために取組を着実に推進をしてまいりたいと思っております。
  460. 森まさこ

    ○森まさこ君 ありがとうございました。  時間がないということで、あと一問だけということで質問したいと思いますが、資料九を御覧ください。  増田大臣に御質問したいんですが、地方の消費者行政でございますが、多重債務問題プログラムのときに相談窓口を充実させるようにというふうに決まりましたが、全くこれが進んでおりません。住民にとって、相談窓口を、どこに相談したらよいか分かるだけで問題解決には大きく前進をいたします。是非、積極的に取り組んでいただきたいんですが、資料十、資料十一にあるように、地方行政においては消費者問題の予算から大きく削減をされておりまして、消費者相談員の方がワーキングプアのような状態に陥っております。この点、増田総務大臣としましては、国からの支援策など、もしありましたらお聞かせください。
  461. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) お答えを申し上げますが、今先生の方からお示しございました資料、資料九以下の多重債務、そして地方での大変厳しい状況などの資料が付いてございます。特に資料十三に、私が知事をしておりました岩手で、例の田岡弁護士が多重債務に大変献身的に取り組まれた、その資料なども入っておりました。  今、そうしたまさに国民との接点である地方組織が、残念ながら予算が半分程度になる、それから人員も四分の三、四分の一ぐらい減ってしまっているということで大変弱体化をしていると。一方で、相談件数が大変多くなってきておりまして複雑化している問題がある。これは、多重債務以外の問題も含めて、こうしたところを必ず強化していかなければこの消費者行政というものの解決に結び付かないと、このように私も認識をしているところでございます。  今お話がございました相談窓口の統一化、これは各省としても取り組んでいただくと同時に国として全体を一元的にやっていただく、そして、地方もこうした住民の皆さん方の目線に立ってその相談を寄せるところを一本化をしていくということに今後取り組んでいきたいと思いますし、それから、あとやはり地方公共団体のこうした消費者行政についての権限の拡充も今後必要になってくるだろうと。これは分権を進めていく中で大きな課題、論点だと思っておりますし、それから地方公共団体への情報提供体制の充実、さらには、今最後にお話がございましたが、財政支援などについて、私どもも関係府省ともよく協力をしてできる限りの努力をしていきたいと、このように考えているところでございます。
  462. 森まさこ

    ○森まさこ君 ありがとうございました。
  463. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 以上で石井準一君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  464. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 次に、渡辺孝男君の質疑を行います。渡辺孝男君。
  465. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。  平成二十年度の一般会計予算等に関連しまして質問をさせていただきます。  まず初めに、がん対策に関連して質問をいたしたいと思います。  がんの治療法は、現在において手術あるいは放射線治療あるいは抗がん剤等による化学療法の三つが根治を目指す場合の中心的治療法であります。これに加えて、第四の治療法として期待されているのが免疫療法です。  そこで、世界と我が国におけるがんの免疫療法の研究の現状と成果について、その概要を舛添厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
  466. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 今、免疫療法としましては三つの新しい技術がございます。それは、樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法、それから自己腫瘍を用いた活性化自己リンパ球移入療法、さらに自己組織ないし腫瘍及び樹状細胞を用いた活性化自己リンパ球移入療法、専門的なことはさておき、そういう三つの技術がございますけれども、平成十八年においては計十四施設で二百十三件が実施されております。  これらの技術につきましては、本年一月の先進医療専門家会議におきまして、有効性等の観点から先進医療としての継続が適切であるとされておりまして、引き続きこの枠組みの中で評価を進めてまいりたいと思っております。
  467. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 ただいま舛添大臣の方から、先進医療として行われている治療につきまして成績の方も状況も御説明いただきましたので、次に、がんの免疫療法の推進に関しまして平成二十年度予算案でどのような対応がなされているのか、この点を厚生労働省、そしてまた文部科学省にお伺いをしたいと思います。
  468. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 二十年度予算案におきましては、新たな免疫療法の開発など免疫療法に関する研究を進めるということで、約三億円を確保してございます。
  469. 池坊保子

    ○副大臣(池坊保子君) 文部科学省においては、免疫療法に特化した研究として、革新的ながん治療法等の開発に向けた研究の推進の中で四つの課題を実施しておりまして、平成二十年度予算案として三億一千万円を計上しております。  このほか文部科学省においては、がんに関する基礎研究、診断法、治療法等の様々な研究開発、人材育成に取り組んでおり、それらの平成二十年度がん研究関連予算案として二百三億円を計上いたしております。  先ほど、厚生労働省の方にがんの免疫療法はどのようになっているのかという御質問でございましたけれども、文部科学省も、がん対策基本法などを踏まえまして、様々な競争的資金などを活用して、がんそのものの解明、がんに関する診断法、化学療法、放射線治療法の様々ながん治療法に関する研究開発を行っております。  特に、平成十六年度から開始しております革新的ながん治療法等の開発に向けた研究の推進事業の中で、免疫細胞を活性化し、がんを攻撃させる治療法として四つの課題を選定して研究を推進しております。この四つの課題においては、現時点において、いずれも安全上の問題がなく一定の効果が認められる結果が出ております。  ただ、この本事業平成二十年度が最終年度となっております。計画的、効率的に研究を進めているところでございますが、これらが薬事承認のプロセスである治療にスムーズに移行するなど、将来的に実際の医療につながるようにこれからも研究をしてまいれたらというふうに思っております。
  470. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 がんの患者さん、日本でもまだまだ多くなっているわけでありまして、根治的治療ができないような場合、特にこういう免疫療法に期待をしている方々が多いわけでありまして、研究を推進していただいて有効な方法を開発をしていただきたい、そういうことでございます。特に、免疫学の学術的な発展に日本は大変貢献をしておりますので、文部科学省、厚労省、中心となってこの研究を一段と進めていただければと思います。  次に、がんの代替医療、あるいは代替療法と呼んだ方がいいのかもしれませんが、その研究と評価の概要についてお伺いをしていきたいと思っておりますけれども、まず、がんの代替療法の我が国及び世界での普及の状況がどのようになっているのか、この点を舛添厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
  471. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) がんの代替療法というのはいろいろありまして、例えばハーブとか食品とかビタミン、こういう生物学に基づく療法、それから瞑想をするとか、お祈りをするとか、ダンス療法という体を使ってやる、それから気功療法とか、そういうエネルギー療法、様々ございます。  我が国におきましても、こういうのがどれぐらい効果があるのかということで、がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究というのをがん研究助成金による研究事業として今行っておりまして、この代替医療が有効かどうか、この科学的な裏付けの状況調査を今行っているところでございます。
  472. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 今、舛添大臣の方もおっしゃいましたけれども、世界的に広く行われているがんの代替療法ですけれども、その有効性あるいは安全性の評価についてやっぱりきちんとやっていくことが大切でありまして、もし何か更に追加することがあれば、舛添大臣にお伺いをしたいと思います。
  473. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 先ほどの渡辺委員の御質問にすべて全部答えてなかったので、ちょっと付け加えさせていただきますと、先ほどの代替医療の科学的検証ということでありますけれども、今、少し具体的に申し上げますと、がん患者が利用している代表的な健康補助食品、いわゆるサプリメントについての文献を調査したところ、がんに対する直接的な治療効果を証明するような研究はほとんどないというのが今の現状です。  ただ、この同じ研究によりますと、我が国のがん患者の四四・六%が、約半分ですね、何らかの代替医療を利用しているということでありまして、この研究において世界はどうかというと、やっぱりおおむね四割から六割のがん患者が代替医療を世界でも利用しているということでありますので、我が国ではサプリメントとか、さっきの体使うとかね、瞑想とか音楽とかいろいろあると思うんですけど、それはやっぱりがんに対して直接的な効果があるという、そういうのを日本人は求めている。このサプリメントを飲むとがんが治るんじゃないか。ところが、欧米ではむしろ直接的というより痛みの緩和とか副作用などの症状緩和、それから精神的にやっぱり不安になりますからこれを軽減、それをするためにハーブを使っていい香りというようなことだと思いますので、ちょっとそこの、患者さんの期待の方向が日本と世界では少し違うと、こういうことでございます。
  474. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 世界的にも代替医療に関して関心が高まっておりまして、科学的な根拠を求める、あるいは評価をするという流れもございまして、ハーバード大学の研究グループの有効性、科学的根拠、あるいは安全性の面での高い評価を受けていた中にリンパ浮腫に対するマッサージが含まれているわけでありまして、これは医学的にも効果があるだろうということで、公明党としては診療報酬等でも評価をいただきたいということで申し上げておりましたが、これ、今回の診療報酬の中で一部評価をいただいたということで、代替医療の中に含まれているものの中にもきちんとした科学的根拠あるいは医学的根拠があるものがあるわけでありまして、こういうところをしっかり日本としても研究をしていただきたい、そういう思いでございます。    〔委員長退席、理事伊達忠一君着席〕  それから、いろんな代替療法あるわけでありますが、例えばモンブランの登山とかそういう、あるいは富士山の登山でもいいわけでありますけれども、そういう明確な目標を持つことによってがんを克服する力を得ていこうと、生きがい療法というようなことも実践をしている方々がいらっしゃいます。また、笑いという、笑うことによって自己の免疫力を高めていく、あるいはがんと闘う力を強めていく、そういうことで笑いの療法というようなものも研究をされている、あるいは実践をしている方々がおられるわけでありまして、こういういろいろながんに対する対症療法、こういうものを舛添厚生労働大臣はどのようにお考えになっているか、あるいはお感じになっているか、一言お伺いをできればと思っております。
  475. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 実は、先般テレビ番組見ていましたら、モンブランだったかどの山だったか、とにかくもうあなたはがんで余命幾ばくもないと言われた方が、じゃ最後にというので登山なさったら、まだ生きているよというので大変感動いたしました。ですから、そういう生きがいを取り入れると前向きになる、で、ああいう効果が出るのかなと、今そういう療法をやっておられる方がおられる。それからやはり、これは科学的なデータがありますけれども、怒ったり悲しんだりしているよりは笑っている方がはるかに健康にいいことは確かだと思いますので、そういう笑い療法とか生きがい療法を入れると。  そういうことは、いわゆる西洋医学だけではなくていろんなそういう要素を入れるということなんで、これは統合医療と呼んでもいいと思いますけれども、これは果敢に試みていいんではないかというふうに思いますし、先ほどの申し上げた、私も見ましたテレビ番組のような報告もありますから。安全性と有効性、これが保険適用ということのいつもの課題ですから、そういうものも念頭に置きながら私は積極的に試みていい療法だと思っております。
  476. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 日本や世界には近代西洋医学以外に様々な伝統医学があるわけであります。また、日本でも温泉が多いわけでありますけれども、湯治などの自然療法の文化もあります。そのほかに、音楽療法あるいは芸術療法、ハーブなどを用いた療法もあるわけでありまして、そのような様々な病気の療法がこれまで活用されてきたわけであります。  これらを相補・代替医療というふうに呼んで、これを近代西洋医学に統合して患者の状況や希望に基づいた患者中心の医療をしていこうということで、先ほど舛添大臣の方からもお名前がありました統合医療と、そういうものを推進していったらどうかと、そういう流れが世界的にも起こっておりまして、日本でもそういう研究が進められているわけでありますけれども、この統合医療の研究を政府としてどのように推進をしていくのか、その取組につきまして、また平成二十年度予算案でこれに対応するものがどのようになっているのか、舛添厚生労働大臣、それから池坊文部科学大臣にお伺いをしたいと思います。
  477. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) これは、日本だけじゃなくて、アメリカでも国立相補・代替医療研究センターというのが統合医療の研究を行っていまして、例えばアメリカですと、平成十九年度に約百五十億円の研究予算を計上してやっていると。  昨年、平成十九年度に同じような研究を我が国もやるということで九千五百万円を計上いたしました。平成二十年度においても、引き続き同様にこの研究を進めてまいりたいと思っております。
  478. 池坊保子

    ○副大臣(池坊保子君) がん対策基本法を作りますときに、渡辺委員と御一緒に様々な方々の御意見伺い、また、がん研にも視察に御一緒させていただいたように思います。  これから二十一世紀は統合医療の研究がもっともっと進まなければならないと思っております。文部科学省においては、平成十九年度において競争的資金等の枠内で十二億円を計上し、医薬品と食品の相互作用、漢方、整体など、科学的にいまだ検証されていない医療についての研究を支援しております。  例えば、グローバルCOEプログラムにおいては、健康長寿科学教育研究の戦略的新展開、あるいは二十一世紀COEプログラムにおいては東洋の知に立脚した個の医療の創生等々、東洋と西洋の医学の統合の研究などに励んでいるところでございます。  このような研究における文部科学省の役割は、基本的に基礎研究の推進であると考えております。今後とも、大学や研究機関等における自主的な研究であり、その内容が優れたものについては、各種の競争的資金等を活用してこれを支援していきたいと思っております。
  479. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 昨年十二月にWHOの西太平洋地域事務局が主導しまして、日本の伝統医学の学会等が合同で日本東洋医学サミット会議というのを組織しまして、伝統医学国際標準用語集というようなものを作りまして学術研究等の推進にも貢献をしているわけでありまして、政府としても、がんはなかなかこれは克服するのは難しいものでありまして、様々な知恵を結集して克服に当たっていただきたいと、そういう思いで質問をさせていただきました。  次に、違う質問に入りますけれども、迅速的確な救急医療体制の構築に関して質問をさせていただきます。  消防庁は、去る三月十一日に救急搬送における医療機関の受入状況実態調査の結果についてを公表しました。この結果の概要について増田総務大臣にお伺いをいたします。
  480. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) この調査の概要でございますけれども、いわゆるたらい回しと称されているものの実態を把握しようということで行ったわけでございますが、かいつまんで申し上げますと、昨年におきまして医療機関に照会を行った回数が四回以上の場合ですね、その事案が重症以上の傷病者で一万四千三百八十七、それから産科・周産期で千八十四、小児で八千六百十八、そして三次救急の救命救急センターでも六千九百九十件と、実に多数に上るということが一つ。それから、一番多い照会回数ですが、これは重症以上で五十回、それから産科・周産期で四十三回、救命救急センターで六十三回というものがございました。それから、受入れに至らなかった、それまで何度言っても受入れに至らなかった主な理由でありますが、これは、設備、スタッフの不足、傷病者の症状から手に負えないことを理由とするいわゆる処置困難と、こういうものが一番多い状況でございました。そして、地域別の状況を見ますと、首都圏や近畿圏の大都市周辺部に事案が集中しているということでございました。  こうしたことを総体的に考えまして、我々の予想もはるかに上回る大変厳しい状況であるということがこの調査でもまた明らかになったところでございます。
  481. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 多数回の照会を要するような患者さんが多く、どちらかというと都会の方に多く発生しているということでありますけれども、そういうところでは、これまでも救急医療情報システムが整備されているはずなんですね。ところが、これがうまく機能していなかった。そういうこともありますんで、これがどういう理由なのか。  前に消防庁でもいろんな調査をされておりますけれども、リアルタイムであるかどうか等の調査をされておりますが、こういうことを勘案して、今回の調査結果とを結び付けて、どういう理由で情報システムがうまく機能しないのか、このことの見解を舛添厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
  482. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 今おっしゃったように、この情報体制ということが非常に必要なものですから、昨年十二月以来、緊急搬送受入れ医療体制について、まず、受入れ可能な医療機関に関する情報の迅速で正確な更新をしてくださいと、それからさらに、夜間等において受け入れる機関の円滑な選定を支援するお医者さんなどのコーディネーターを配置するというようなことを繰り返し都道府県に対して要請しているところでありまして、また、これを支援するために二十年度予算に約百億円の予算を盛り込んだところでございますし、それからまた、診療報酬改定におきましても、緊急搬送された妊産婦を受け入れ入院させた場合の加算を創設して、その緊急医療に係る報酬の充実ということで受入れ促進を図ると。これらの対策を講じることによって緊急医療体制の更なる整備を行いたいと思っております。
  483. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 増田総務大臣の方に、リアルタイム、前に調査をしておりましたね、消防庁でですね、それと関連があるのではないかと思っておりますけれども、救急情報システムが整えられているのにこういう多数照会事例が出てきているというのは、どういうことが消防庁としては考えられるのか、この点、御所見を伺えればと思います。
  484. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) 私どもで今回の調査、それから今年の一月にも調査を行っておりまして、やはり今先生お話がございましたとおり、こういったせっかく医療情報システムがあるのでございますが、現場の方でも大変忙しいという病院の中の実態もあるようでございます。リアルタイムで情報を更新するということになかなか手が回らないと。そして、そのことによって、一日二回ぐらいの情報更新というのはいろいろやっていただいているような実態もあるようでございますが、それ以上なかなか手が回らないということで、本当のリアルタイムになっていないという。ですから、せっかく映し出されていてもその情報の信憑性が低いといったようなことで、なかなか消防本部が利用してない、そういう信憑性の問題を上げている消防本部が二七%ございました。それで、逆に、医療機関の方の調査も行いましたところ、リアルタイムで行っている医療機関は一一%にとどまると、こういう実態もございました。  したがいまして、迅速的確な情報収集がなかなか難しいということが先ほど私が申し上げました多数照会事案という、こういう発生の一因になっているのではないかと、このように考えているところでございます。
  485. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 地域でやはり救急医療機関が少なかったり専門医が少なかったりしてほかの病院を探さざるを得ないという状況は当然あるわけだと思います。  今回の調査で、多数回照会をせざるを得なかったようなところで、ほかの隣県で救急病院は受入れが可能だったとか、あるいは違った救急医療ゾーンで受入れが可能だったとか、そういうこともあるんではないかと思うんですが、多数、例えば五十回以上探していたというようなところでそういう隣県とか近隣の救急医療圏の依頼を、そういうのをしているのかどうか、これも大事なことじゃないかと思うんですが、そういう調査はされておりますでしょうか。
  486. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) 今回の調査結果からはなかなか隣県への受入れ依頼の状況についてちょっと分析はできなかったんでありますけれども、ただ、隣県で運用されている情報システムを使うという、その広域連携の問題、これは私ども大変重要だというふうに思っております。これは今後のこうした問題の解決に向けて生かしていかなければならないと。  今現在、この連携状況でございますが、隣接県との相互利用をしているところが全国で九県、これは関西圏の方に実は多いわけでございますが、これは九県。それから、隣接県へ情報を開放しているというところが一つの県でございました。  全体四十四が情報システムができているんですが、その中で十県でありますのでまだまだ数少のうございますけれども、こうした広域性というのは大変重要であるということがございます。これは私どもが設けております作業部会の中間報告でも提言がなされて、広域連携の重要性ということが提言をなされておりますので、厚労省と連携しながら、システムの有効利用という中でこの広域性ということを今後有効に機能するようにしていきたいと。実は今までこの調査についてきちんと真っ正面から向き合う調査もございませんでしたので、今後、これを重く受け止めて今後そうした広域性ということに努力していきたいと考えております。
  487. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 先ほども舛添厚生労働大臣の方からもこの調査結果を受けてどういう対応をするのかというお話がございましたけれども、更に何か追加することがあれば、今、増田総務大臣の方からも対応についてはお伺いしましたが、追加で何かあればお伺いをしたいと思います。
  488. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) リアルタイムで正確にその病院のベッド数、お医者さんがいるかどうか、そういうことをきちんと対応できるシステムの構築を急がないといけないと思いますので、それは今IT技術を使えば、ポケベルのようなものを持ってお医者さんがオペの部屋に入ればもうその方は使えませんということができるので、そういうことも総務省、消防庁と連携しながらやっていきたいと思います。
  489. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) 舛添大臣ともよく連携して取り組んでいきたいというふうに思いますのが一点。  それから、あと、こうした今回の調査を受けまして、早速来週に都道府県のメディカルコントロール協議会担当課長会議というのを開催をいたします。これは厚労省と共同で連携して開催をするものでございまして、この課長さん、現場を一番よく知っている課長さん方に全部集まっていただいて、今回の調査結果も申し上げながら各地域の救急搬送受入れ体制について検証を行っていただくように要請をする予定でございます。早速、私どもも委員御心配のようなことがないように動いていきたいと、このように考えております。
  490. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 ひとつ、今回の調査結果を見て、ベッドが満床で受入れが困難だという事例も多いわけでありまして、こういう場合に、当面の対応として、救急患者に備えて一つは夜間等空床を確保しておく、あるいは満床になっちゃったんだけれどももうどうしてもほかに行くところがない場合に、一床オーバーになりますけれども一床使わせてもらうと、そういう対応をできないのかどうか、この点に関しまして舛添厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
  491. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) いわゆる第三次緊急医療機関全体の平均での病床利用率が平成十八年で八一・六%ですから、約二割近くは空きベッドがあるということになりますけれども、今おっしゃったように、急性期を脱した患者さんをほかのベッドに移すということでの対応も可能だと思いますし、それからやはり経営という観点から見ると、空きベッドをほったらかして置いておくんじゃ経営成り立たないということなんで、これについても収益性が著しく低下するような場合には補助金ということで対応してきておりますし、今後とも、緊急患者を受け入れられるように、その空きベッドの問題についてもしっかりとやっていきたいと思います。
  492. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 公明党も、いろいろ救急医療に関しましてはなかなか搬送に大変御苦労されているということでありまして、救急医療情報システムをもっとしっかりしたものにしていきたい、そのように考えておりまして、二月の二十二日に救急医療情報システムの整備及び適切な運用の確保等に関する法律案骨子というものを作らせて公表させていただいたんですが、これからも各界の皆様のお知恵をいただいてこういう法案ができればなというふうに思っております。  最後の質問になりますけれども、国民の死因の第二位、第三位に位置しているのが心臓疾患あるいは脳血管疾患であります。この心・脳疾患に関係する労災の補償の近年の動向について、舛添厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
  493. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 過剰な労働によります脳血管疾患及び虚血性心疾患等の労災請求件数及び認定件数は、やはり近年増加傾向にございます。  過去五年間を見ますと、平成十八年度の請求件数は平成十四年度に比べて一四・五%増しの九百三十八件、平成十八年度の認定件数はやはり平成十四年度に比べますと一二・〇%増加した三百五十五件となっております。過去五年間の認定件数の合計を業種別、年齢別に見ますと、業種別ではやはり運輸業、例えば長距離トラックのような、が最も多く全業種の約二五%を占めて、また年齢別では五十歳代の方が最も多くて全体の四一%を占めているところでございます。
  494. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 本当に、平成十八年度がそういう労災請求あるいは支給が過去最大になったということでありまして、この対策が大変重要でありますので、この対策について舛添厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
  495. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) これはもう長時間労働で疲労回復できないということがありますから、時間外・休日労働をなるべく削減すると。それから、長時間の時間外・休日労働を行った労働者に対しては医師による面接指導、これをもう義務化されておりますし、それをやらないといけないということで、過剰労働による健康障害防止のための総合対策を策定して事業者の指導を行っているところでございます。    〔理事伊達忠一君退席、委員長着席〕  こういう指導を徹底して、過剰労働に起因する脳・心臓疾患の防止に全力を挙げたいと思っております。
  496. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 本日、第十一次労働災害防止計画が公表されるということを聞いておりましたけれども、職場における健康づくり対策にどのように取り組んでいくのか、第十一次労働災害防止計画の中ではどのようなことが盛り込まれているのか、この点を舛添厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
  497. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 本日公示しました第十一次の労働災害防止計画の中身でございますけれども、まず健康診断の実施及びその結果に基づく健康管理の徹底、二番目が心身両面にわたる健康づくり対策の一層の普及・定着、例えば運動指導、栄養指導、メンタルヘルスケアなどによる健康づくりの推進、それから三番目が受動喫煙防止対策の徹底を始めとする快適な職場づくりの対策推進、例えば喫煙室を設置する、喫煙に関する教育の実施、こういうことが中身でございまして、これらを積極的に行って労働者の健康確保に努めたいと思います。
  498. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 五か年の目標も掲げられているはずなんですが、この点はいかがでしょうか。
  499. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) ちょっと資料を探すのに、失礼いたしました。  第十一次労働災害防止計画の目標ですけれども、死亡者数につきましては対平成十九年比で二〇%以上減少させること、死傷者数については対平成十九年比で一五%以上減少させること。それから、労働者の定期健康診断における有所見率の増加傾向がある。所見をお医者さんが書いていく。これを、やはり日ごろの日常生活の健康管理によって所見を書かないでいいようにその数を減らしていくと、こういうことが防止計画の具体的な目標でございます。
  500. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 先ほどもお話ししましたけれども、心臓や脳疾患が、過重労働等でそれで倒れるような方が多くなってきた、あるいは心的ストレスに起因する疾患も増えているということで、働く方々の健康を守るということが非常に大事なことだと思っておりますので、この第十一次労働災害防止計画が立てられたわけでありますので、これの確実な目標の達成等に努力していただいて、働く方々、本当に貴重な方々でありますので健康を守っていただく、また、労災等で命を失うような、あるいは健康を害するような方が少なくなってくるようにしっかり取り組んでいただきたいと思います。  以上で質問を終わります。
  501. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 以上で渡辺孝男君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  502. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 次に、山下芳生君の質疑を行います。山下芳生君。
  503. 山下芳生

    山下芳生君 ワーキングプア、働く貧困層の増大が社会問題となっております。それにかかわって、地方自治体で臨時、非常勤など非正規職員が増えている問題について質問します。  総務省、全国の自治体の臨時・非常勤職員の数は何人ですか。
  504. 松永邦男

    政府参考人(松永邦男君) お答えいたします。  地方公共団体におきますいわゆる臨時・非常勤職員についてでございますが、職種ですとか勤務の形態、これが極めて多様であるということから、その実態を把握することにつきましてはなかなか難しい面もございますが、一定の条件を置いた上で、平成十七年四月一日現在の職種別職員数等につきまして調査を行ったことがございます。  具体的には、全国の地方公共団体の臨時・非常勤職員、この中からいわゆる任期付短時間勤務職員などの一定職員を除いておりますが、そういう職員で、任用期間が六か月以上又は六か月以上となることが明らか、かつ一週間当たりの勤務時間が二十時間以上の職員につきまして、平成十七年四月一日現在におきます状況を調査いたしましたところ、その数は四十五万五千八百四十人と、こういうふうになっております。
  505. 山下芳生

    山下芳生君 物すごい数なんですね。しかし、実際はもっと多いと思います。自治労連の調査では、自治体職員のおよそ三割が非正規であります。非正規が四割、五割を超える自治体もあります。  こうした自治体の非正規職員がどんな仕事をしているか、総務大臣、御存じですか。
  506. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) 委員お話がございましたとおり、実は内容、多種多様でございまして非常に多岐にわたっておりますが、例えば、今申し上げました四十五万人という総数の中で主なものが一般の事務職員、それから保育士さん、技能労務職員、それから学校の先生、教員、講師、それから給食調理員、看護師と、こうした人たちが多い数を占めてございまして、職種、それから職務内容等多様にわたっていると、このように承知しているところでございます。
  507. 山下芳生

    山下芳生君 職種多様ということと同時に、以前は補助的な業務だったんですが、今は違います。  ある自治体の市民課の臨時職員は、市民からの問い合わせや苦情の電話対応など、専門的な知識がないとできない仕事をこなしております。市民に臨時なので分かりませんとは言えませんから、法律や条例の改正は全部自分でその内容を勉強されております。  広報課の別の嘱託職員は、報道各社の対応までこなされております。つまり、正規の職員が減らされる中で、今や非正規の職員が基幹的業務を担っている。  総務大臣、そういう認識ありますか。
  508. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) 今各自治体で様々な仕事、官と民の仕分などいろいろな仕事の分類を行っております。そして、行政の担う分野というのは非常に重点化をしているような、そういう状況にあるわけでございます。また一方で、財政的な問題等もございまして、人員も極めて限られた体制で効率的に実施をしていこうということをいろいろやっております。  これは全国なかなか一概に申し上げるというよりも、各任命権者、各自治体ごとの御判断というものがあろうかと思いますけれども、しかし、いずれにしても、その中で、多くの仕事の中で非常勤の皆さん方も重要な仕事を担っている場合もあるだろうと。非常に多岐にそれぞれの実態がわたっているということは私も認識をしているところでございます。
  509. 山下芳生

    山下芳生君 重要な仕事を担っている人もいるということです。この人たちがいなければ公務は回りません。ところが、非常な低賃金に置かれております。  先ほど紹介した市民課の臨時職員の方の賃金は時給七百三十一円です。地域の最賃すれすれです。月額にして、給与明細票いただきましたけれども、十万円から十二万円程度で、これは地域の生活保護基準よりも低いんです。広報課の嘱託職員の方の賃金は月十五万円です。シングルマザーの彼女は、銀行は住宅ローンを組んでくれない、不動産屋は物件を貸してくれないと嘆いておられました。まさに官製ワーキングプアだと思います。  基幹的な公務を担い、懸命に働いているのにまともな生活ができない、ローンも組めない、そんな人たちを自治体が大量に生み出していいんでしょうか、総務大臣
  510. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) 今委員の方から御指摘をいただいている臨時あるいは非常勤職員、こうした皆さん方というのはやはり臨時的あるいは補助的な業務に従事すべきということがこの制度の趣旨ということでございまして、やはりこうした制度本来の趣旨を踏まえて任用していただくということが大事だというふうに思っております。  そういう職場の勤務の実態、それからそうした人たちが果たしている職務内容というのは、それはそれぞれの各公共団体がそれぞれ御判断をされている、いろいろな御判断を経た上でそういうことになっているだろうというふうに思うわけでございますが、やはり私どもとしては、いずれにしても同じところで働く職員皆さん方でございますし、そうした中で、やはり仕事としては、一方で基幹的な業務があれば一方で臨時的、補助的業務というのは仕事の中で当然あるわけですので、こういう臨時、非常勤の職員皆さん方には、そういう臨時、補助的な業務の際にそういった職員皆さん方に担っていただくと、こういう意識が必要だというふうに考えております。
  511. 山下芳生

    山下芳生君 実態を少し紹介します。  正規職員と非正規職員が同じ仕事をしている職場があります。保育の職場です。今や保育士の半数以上が非正規という自治体も珍しくありません。そこでは、非正規の保育士もクラスの担任を持ち、保育日誌を作成し、保護者からの相談に応じるなど、正規と区別のない仕事をしています。しかし、賃金は正規職員の三分の一以下の水準で、年収二百万円を切っております。  正規職員と同じ資格を持ち、同じ職場で同じ仕事をしている人が差別されている。自治体職場でこんな事態、許していいんですか。
  512. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) 今、正規の職員の方、それから非正規のいわゆる臨時、非常勤の方のお話ございました。  これも各公共団体、今財政状況も含めて非常に厳しい状況もあると思いますし、それからその職場環境というもの多種多様でございますので一概に申し上げられないところもございますけれども、やはりそれぞれの公共団体がそうした今の状況をよく見つつ、やはり本来的な業務とそれから臨時、補助的な業務ということの仕分をよく考えながら御判断をいただく必要があるだろうと。  それから、もう一つ申し上げておきたいのは、私どももやはり雇用の実態というのはいろいろあると思いますので、これはまだ歴史がそれほどあるわけではございませんが、平成十六年から任期付の短時間勤務職員制度というものを新たに設けまして、そういった常勤職員と同様の本格的な業務に従事することが想定されている場合に、ただ任期付ですけれども、短時間勤務、いろんな働かれる方の実態に応じて短時間勤務ということも可能なものを新たにつくりました。処遇についても、給料その他期末・勤勉手当も一定の手当が支給されるということで、こうした職員制度もつくったものでございますので、やはり勤務の実態、職務の内容や責任に応じてこうした制度を活用していただいて、そして職員皆さん方の働く環境を整備していただきたい、今そういうことで各自治体に働きかけをしているところでございます。
  513. 山下芳生

    山下芳生君 質問に答えていただいておりません。同じ仕事をしている人が差別されていいのかということを聞いているんです。  私が直接話を聞いた方は、同じ保育所で十年以上非正規の保育士として働いておられました。正規保育士が減らされる中で、非正規が一時的なものではなくて恒常的に任用されているのが実態です。同じ資格を持って同じ仕事をしている人が差別されていることがあってもいいのか。総務大臣、どうですか。
  514. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) 今委員の方から全く同じような条件ということでございましたけれども、同じ職場ということの中では、それはやはり自治体の中で任命権者がいろいろそういった実態はよく御存じのはずでありますので、私は、今お話しになっている事例が具体的にどこかということを存じ上げませんけれども、やはりそれぞれ自治体におきまして御判断をされているんであろうというふうに思います。何らかの判断をされてそれぞれ任用しているのではないかというふうに思うわけでございますが、現在の働く職場の環境ですとか勤務内容、多様にわたりますので、先ほど申し上げましたような新たな制度などを御活用していただいて、できるだけきめ細かく勤務実態に合ったような任用をしていただきたいということを期待をしているということを申し上げておきたいと思います。
  515. 山下芳生

    山下芳生君 なかなか大事なことを言ってくれませんけれども。  非正規の保育士がどんな思いで保育をしているか。聞きますと、子供がけがをしてきたら、先生はアルバイトやからとは言えないとか、賃金が低いならそれだけの働きをではなくて、将来を担うかわいい子供たちのために私たちができることは何でもしようと、こう話し合って頑張っているんですよ。子供たちのことを一番に考える気持ち、保育に懸ける熱意。私は、雇用の形態は非常勤だけれども志はプロフェッショナルだと、そう思いました。大変立派だと思います。  舛添大臣、こういうことをどう思いますか。
  516. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 保育所というのは子供たちが健全に育っていく時間を過ごす非常に重要な場でありますから、私は、正規、非正規を問わず、保育に携わる方々がそういう高い志を持ってきちんと仕事をしてくださるということは大変重要だと思いますし、この度、保育所保育指針というのを改定を予定していますけれども、そこでも、今委員がおっしゃったように、こういう高い志を持ってやるということの重要性を認識しておりますので、公務員法制と私の所管する、特に民間企業なんかの労働に関連する法制は少し仕組みが違いますけれども、しかし、例えばパートタイム労働法の趣旨というようなものがきちんと反映できるような体制というのを公務員法制においても考えられてしかるべきだと、私はそういうふうに考えております。
  517. 山下芳生

    山下芳生君 非常に重要な答弁があったと思います。  志は大事だと言うんですが、ところが、この志ある人たちが低賃金で独り暮らしができない、貯金ができない、毎日の生活で精いっぱいで今後のことを考えられない、先生同士の親睦会にも行けない、コンビニでダブルワークしている、こういう状況に置かれております。  厚生労働大臣、これは、働き方が同じであれば待遇も同じにすべきという改正パート労働法の精神に反しているんじゃないですか。
  518. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 改正パートタイム労働法ですけど、今委員御指摘のように、これはすべてのパートタイム労働者を対象とした均衡待遇の確保ということと、特に正社員と同じように見ることができる、同視できる働き方をしている者には差別的な取扱いを禁止すると、こういうことになっています。  これは、先ほど私申し上げましたように、自治体ということですから、事業者を対象にやっているこのパートタイム労働法の適用除外になっておりますけれども、しかし、繰り返しますけれども、今私が申し上げた改正パートタイム労働法の趣旨というものはきちんと生かされるように公務員法制においても考えられてしかるべきだと思います。
  519. 山下芳生

    山下芳生君 私は、常勤的非常勤職員の増大に法律が対応できていないと思います。  最高裁、中野区非常勤保育士雇い止め事件の概要を説明していただけますか。
  520. 小泉博嗣

    最高裁判所長官代理者(小泉博嗣君) ただいま議員から御指摘いただきました判決は、東京高裁、平成十九年十一月二十八日判決でございますので、当該判決の該当箇所を朗読させていただきます。  本件は、一審原告らが、平成十六年三月三十一日まで、一審被告の非常勤保育士の業務に長年にわたり従事していたところ、一審被告において平成十六年四月一日に一審原告らの再任用拒否(解雇)をしたことは、解雇権濫用法理の類推適用あるいは不当労働行為により正当な理由がなく無効であるなどとして、一審被告に対し、非常勤職員としての地位の確認と各賃金の支払請求、再任用に対する期待権侵害を理由として、国家賠償法一条一項に基づき、損害賠償を請求した事案である。  以上でございます。
  521. 山下芳生

    山下芳生君 非常勤職員の地位確認の部分について判決はどう述べていますか。
  522. 小泉博嗣

    最高裁判所長官代理者(小泉博嗣君) あらかじめ議員から御指摘いただきました判決の該当箇所を朗読させていただきます。  三権分立の建前から、裁判所は、行政庁に代わって行政行為をすることができず、義務付けの訴えにおいて、行政庁に対して、ある行政行為をなすべきことを命ずることができるにとどまる(行政事件訴訟法三条六項等)のであり、任命権者の任命行為がないにもかかわらず、裁判所の判決により実質的に任命がされたのと同様の法律関係をつくり出すことは、法解釈の限界を超えるものというほかない。反復継続して任命されてきた非常勤職員に関する公法上の任用関係においても、実質面に即応した法の整備が必要とされるところである。  以上でございます。
  523. 山下芳生

    山下芳生君 最後のところが大事なんですね。要するに、今の法律の下では臨時、非常勤の公務員は半年とか一年の任用しかできないが、実態は十年続けて非常勤保育士をやっている方々がいる、こういう実態に即した法律の整備が必要という指摘であります。  総務大臣、重く受け止めるべきではありませんか。
  524. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) 先ほど御指摘をいただきました判決でございますけれども、これについては私どもも当然のことながら承知をしているわけでございまして、この判決でございますけれども、これは、最高裁の判例では、期限付で任用されている非常勤職員は任用期間終了をもって職員としての身分を失うことと解されておりまして、期限付の任用を反復して更新されても期限の定めのない任用に転化することはないと、このようにされているところでございます。  今御指摘いただきました判決、これは高裁の判決でございますが、これは、判決文を読みますと、特別の事情、これは任期の終了後再度任用されることを期待されるような特別の事情があったと、この場ではもう時間の関係もございますしあえて申し上げませんが、特別の事情があったと判断されて、そして損害賠償が認容されたと、こういう判決だと承知をしているものでございますので、私どもは、この本来臨時的、補助的な業務に従事することが想定されている非常勤職員制度の趣旨というものに沿ってそれぞれの自治体の皆さん方が適切な運用をしていただく必要があると、このことは先ほども申し上げましたけれども、この判決を受けまして、また今申し上げましたような適切な運用を行っていただく必要があると、このように考えているものでございます。
  525. 山下芳生

    山下芳生君 認識が極めて不十分だと思いますね。  本来ではない事態が今起こっているということなんですね。常勤的非常勤がどんどん増えている。それを増やしたのは、これは勝手に自治体が増やしたんじゃないですよ。政府が交付税を削減して自治体リストラを押し付けてきたことがそれ加速させているんですから。本来、そういう方々は正規職員にすべきなんですが、しかしせめて待遇を改善する必要があると、そういうことで裁判所が法の整備が必要だと指摘しているんですけれども、これを受け止めないんですか、大臣
  526. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) やはり、各自治体におきましてこうした非常勤の皆さん方の扱いが様々それぞれ任用権者のお考えによってあるという、こういうことでございます。それぞれの自治体の判断があるということがまず大前提でございます。  それから、あと、今の判決でございますが、私もこの判決を、概略でございます、細かなところまではまだきちんと理解してございませんが、概略を読みましたんですが、今の部分、高裁の判決でございますが、傍論部分としてそのような判断をしておられると、こういうことがございまして、こうした傍論部分での判断をどのように受け止めるかという法制的な問題もあろうかと思います。  ただ、そういうことでございますが、地方公共団体で非常勤の職員皆さん方、いろいろな事情、それぞれの団体あろうかと思いますけれども、やはり国、国ももちろん非常勤の職員いろいろいるわけですが、地方公共団体の中で、一方で正規の方がおられる、それからもう一方で非常勤の方、非正規の方がおられると、そしてやはりそういう当該団体の一つの社会の中で仕事をそれぞれが懸命にしておられると、こういう実態ですね、委員が先ほど来御指摘いただいていますけれども、やっぱりそういう実態をきちんと真っ正面から受け止めるということが私も大事だろうというふうに思います。  こうした判決を受けて、何ができるのかということをよく考えなければいけないというふうに思っているところでございますが、この正規、非正規の問題、やはりこれは民間と違って官ですね、公共団体、官の方でやっぱりそうした実態があるということを私自身は重く受け止めていきたいと、このように考えております。
  527. 山下芳生

    山下芳生君 差別されているのは賃金だけじゃありません。非正規の保育士は育児休業も取れません。育児・介護休業法は地方公務員に適用されますか。
  528. 大谷泰夫

    政府参考人(大谷泰夫君) お答え申し上げます。  地方公務員の育児のための休業の制度につきましては、公務に服さない期間が三年間と長期にわたる場合があるために休職類似の効果を伴うこと、また育児休業に伴う代替要員の確保は任用に関連するものであること、こういった理由から公務員法体系の観点からの制度整備が必要でありまして、育児・介護休業法ではなく地方公務員の育児休業法等に関する法律により規定されているところでございます。
  529. 山下芳生

    山下芳生君 地方公務員育児休業法は臨時、非常勤に適用されますか。
  530. 松永邦男

    政府参考人(松永邦男君) お答えいたします。  地方公務員の育児休業法は、臨時・非常勤職員には適用されておりません。臨時・非常勤職員、これは本来臨時的、補助的な業務に従事することが前提であるということから、そもそも恒常的な業務に長期にわたって勤務することは想定されておりません。  育児休業、これは職員の継続的な勤務を促進するという制度の趣旨にかんがみまして、基本的に本格的業務に従事いたします長期継続雇用の常勤の職員、これを念頭に置いているところでございます。  なお、このような地方公務員の育児休業法の考え方につきましては、これは国家公務員におきます育児休業制度、これと同様となっているところでございます。
  531. 山下芳生

    山下芳生君 どちらも適用されない。まさに非常勤職員は法の谷間に置かれております。保育の仕事をしながら、自分の育児休業が取れない。  二〇〇四年三月十六日、日弁連が人権擁護委員会の調査報告書を踏まえて総務省に勧告した内容、どうなっていますか。
  532. 松永邦男

    政府参考人(松永邦男君) お答え申し上げます。  平成十六年三月十六日に日弁連から総務大臣あてに、実は千葉市に対しましても勧告が出されておりますが、総務大臣あてに出された勧告の内容を読み上げさせていただきます。  国は、地方自治体における非常勤職員の育児休業及び看護休暇の取得状況についての実態調査を行った上で、地方自治体の非常勤職員も、少なくとも実質的に継続して雇用され常勤としての勤務実態を有する場合は育児休業及び看護休暇を取得できるよう、地方公務員の育児休業等に関する法律の改正も含めて適切な措置をとること。  以上でございます。
  533. 山下芳生

    山下芳生君 勧告を受けて総務省はどのような措置をとりましたか。
  534. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) 日弁連の勧告については、当時の状況を私も調べてみましたが、御意見として承るということでございました。  要は、臨時・非常勤職員は、今も申し上げました、期限を定めて任用することが基本だという、その原則の中で考えていたということでございます。  なお、子供さんの看護休暇の方については、これは地方公務員についても各自治体の条例で定めることができると、このようになっておりますので、そちらの方については公共団体で条例で定めているものと、こういうふうに考えております。
  535. 山下芳生

    山下芳生君 結局、調査もやっていないんですね。千葉市は真剣に受け止めて、人権侵害行為を改める具体的措置、非常勤職員も育児休暇が取れるようにいたしました。国は何にもしていない。無責任極まると思います。  総務大臣、もう一遍聞きますけれども、同じ仕事をしている人たちを差別していいのかと、自治体が。答えてないです。もう一回聞きます。いいんですか。
  536. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) 実態をよく直視する必要があるということがあります。それから、各任命権者のそれぞれの御判断があろうかと思いますけれども、しかし、その中で、同じように働く人たちが、違いが同じようなことによってあってはいけませんし、それぞれの基本的な、そういう処遇というものについてもいろいろ考えていかなければならないということがあるわけでありますので、まず、こうした問題について、非常勤の問題について、国の場合も人事院でいろいろ検討を進めているようでございますけれども、我々、常に、公務員ということであれば国と地方というのはお互い関連をするところがございます。国の動向も十分踏まえたいというふうに思っておりますが、こうした今公共団体での非常勤の職員の人たちの問題というものについて直視をして検討していかなければならないと、このように思っております。
  537. 山下芳生

    山下芳生君 同じように働く人が違いがあってはならないと、非常に重要な答弁がありました。  仕事の中身が同じなら権利もお金もみんな同じ、人間の平等からいってこれは当たり前のことだと思います。公務の職場でそれに反する差別を放置し、官製ワーキングプアを増やし続けることは許されない。そのことを指摘して、質問を終わります。
  538. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 以上で山下芳生君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  539. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 次に、近藤正道君の質疑を行います。近藤正道君。
  540. 近藤正道

    近藤正道君 社民党・護憲連合近藤正道です。  私は、温暖化防止問題を中心に質問をいたします。  COP13、バリ会議で、先進国全体で二〇二〇年までに九〇年比で二五%から四〇%温室効果ガス削減、これが共通の認識となりました。この点について賛意を示している国もたくさんございますが、なぜか政府はずっと沈黙をしたままであります。明確な答弁をしていないわけでございます。サミット議長国である政府は、この点について賛成なのか反対なのか、環境大臣、お答えください。
  541. 鴨下一郎

    国務大臣(鴨下一郎君) 先生御指摘の数字は、これはIPCCの第四次評価報告書に基づく数字でありまして、バリ行動計画においてはこれは脚注で引用箇所が明示されるとともに、京都議定書に基づくAWGの結論文書にも明記されていると、こういうようなことでございます。  この結論文書には、これはIPCCのシナリオに基づいた場合、先進国がグループとして削減する必要がある幅を二〇二〇年までに一九九〇年比で二五から四〇%の範囲で削減する必要があると指摘していることを認識するとあるわけでありまして、これは全会一致で合意された文書であり、我が国もIPCCの報告書を引用することに合意をしていると、こういうようなことでございます。
  542. 近藤正道

    近藤正道君 ですから、合意をしているということを前提にお聞きをするんですが、この方向については賛意を表すると、こういうふうに理解してよろしいんでしょうか、もう一度。
  543. 鴨下一郎

    国務大臣(鴨下一郎君) これは認識をするというようなことでございまして、これを一つのよすがにといいますか、これから先、具体的にそれをどういうふうに国際社会の中で日本がきちんとした形で表明していくかというようなことはこれからの話でございますけれども、これは例えば新AWGのすべての国が入る枠組みと、こういうような中でいかに日本が役割として、プレーヤーとしての役割もありますし調整役としての役割も、これG8に向けて重要な立場でございますので、これを適宜適切に様々な状況を勘案してどういうような形で表明をするのかと、こういうようなことなんだろうというふうに思います。
  544. 近藤正道

    近藤正道君 この指標をよすがとして日本が適切に行動すると、こういう理解でよろしいんですね、もう一度。
  545. 鴨下一郎

    国務大臣(鴨下一郎君) これは、環境省としてはこれをよすがにするというのは誠にそのとおりだというふうに思います。
  546. 近藤正道

    近藤正道君 環境大臣、具体的な削減目標をサミット前に公表すべきではないでしょうか。政府として先進国の多くはこの数字を明らかにしております。二〇二〇年とそして二〇五〇年に九〇年比で何%削減する意向なのか明らかにすべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  547. 鴨下一郎

    国務大臣(鴨下一郎君) 先生のおっしゃることは私たちもある種共感をするところでございますけれども、これはもう日本の全体的なこれからのリーダーシップというようなことにおいて、どのタイミングでどういうような形で表明するかというようなことにつきましては、これは一環境省だけの話ではなく政府を挙げての合意形成というのが必要なんだろうというふうに思っておりまして、この作業を今鋭意進めているというのが現状でございます。
  548. 近藤正道

    近藤正道君 総理はダボス演説で、国別総量目標、セクター別の積み上げ方式そして基準年の見直しを主張されました。セクター別の積み上げ方式でありますが、これは経団連は大賛成でございます。  しかし、先日、千葉で開催されましたG20、ここでは、例えば南アフリカは、日本提案は自国の産業を守るのが目的で、先進国と途上国の間には責任に差異があるとの原則をほごにしようとしているとしか見えないと、こういうふうに発言するなど、途上国は大変総じて不評でございます。また、先進国もドイツなど評判が良くない、こういうふうな現実がございます。社説も必ずしも良くない、厳しい批評、見直すべきだ、戦略を立て直すべきだと、こういう指摘もされております。  このセクター別積み上げ方式、見直すべきなのではないでしょうか。また、G20のこれは議題にはなりませんでしたけれども、基準年の見直し、これもここへ来て、従来のルールを変えるものだ、国際的な議論を混乱させるだけで、日本の手前勝手と映るんではないでしょうか。  このままで洞爺湖サミットで議長国としての国際的なリーダーシップを発揮できるというふうにお考えなのか。経産大臣環境大臣お二人で共同議長をやられたんですけれども、お二人それぞれその現場におられてどういう所見をお持ちになったのか。積み上げ方式と、それとその基準年の変更、大変厳しい批判が出ておるわけでございますけれども、お二人の大臣にそれぞれから感想、所見をお伺いしたいと、こういうふうに思います。
  549. 甘利明

    国務大臣(甘利明君) たしか近藤先生も出ておられましたですよね、初日でしたっけ。セクトラルアプローチは私が初日に提案をしましたけれども、これ次期枠組みにも関連をするということで、二日目もやろうということで二日間やりました。  その中で、もちろん私、南アとのバイ会談もやりましたし中国ともやりましたけれども、要するに途上国は、全くこれによって新しい枠組みができて今までのが取って代わられちゃうんじゃないかと。例えば、CDMという枠組みは技術と資金が途上国に移転をすると、それがチャラになっちゃうんじゃないかと、そういうことを警戒しているんですね。話でも、二日間の話、通しで参加されていればお分かりのとおり、支持する声の方が多かったことは事実であります。ただ、途上国の懸念は、今まで途上国にあったメリットがなくなってしまうんではないかということを心配しているということなんであります。  それから、この二日間の後、月曜に日・EUの環境ハイレベル対話、高級事務レベル協議というのが日本とEUでありました。その中で、これは月曜日ですけれども、EUが何を言っているかというと、セクトラルアプローチについてですね、共通だが差異ある責任の原則を確保する実際的な方法を探求する必要がある、セクター別アプローチが有益な手段となり得ることは認識していると。これEU側の発言です。それから、セクター別アプローチは有効な解決策となり得る手法として是非議論を進めていきたいと。これもEU側の発言なんです。  それから、基準年の問題は、これは日本の御都合ではなくて、より公平公正な取組でないと全員参加が望まれないと、特定なところに有利な位置付けにするような基準年ではということを我々は言っているわけですね。これについてもEU側は日・EUの環境ハイレベル対話でどういうことを言っているかというと、EU側ですよ、これ、基準年については一九九〇年は聖域ではないと、先般のEU指令では二〇〇五年を域内の基準年としていると。これEU側の発言ですから。  これ、我々が地道な努力をして公平な基準年にしていこうと、あるいは全員参加型で、共通だが差異ある取組ということについて理解が進んできたというふうに思っております。
  550. 鴨下一郎

    国務大臣(鴨下一郎君) セクター別アプローチにつきましては、これG20で多分環境大臣の会合としては初めて正式に提案されたと、こういうようなことで、今、甘利大臣からも話がありましたけれども、総量削減を回避しようと、こういうふうに考えているんではないかとか、共通だが差異ある責任及び各国の能力と、こういう基本原則をある意味で軽視するんではなかろうかと、こういうような私は誤解があったんだろうというふうに思います。  ですから、二日目に私の基調講演の中で、こういうような原則はきちんと守ると、こういうような中でセクター別に積み上げていく、こういうような算出方法も一つの科学的な方法論としてあるんだと、こういうようなことで多くの国の誤解は解けたんではなかろうかというふうに思っております。
  551. 近藤正道

    近藤正道君 極めて楽観的で、私はそうは思いませんが。  日本は、八十二の大企業、百八十の大口事業者がCO2の約半分を排出している国であります。国内排出量の六十数%を産業・エネルギー転換部門が占めている、そういう国であります。この大口排出者に対する対策が温暖化防止のまさにかぎを握っているわけでございます。いつまでこの部門について、いわゆる自主行動計画でやっていくのか、それで本当に削減ができるのか。排出量取引を中心としたポリシーミックスしかない、これは今や世界の流れ、常識ではないかというふうに思っておりますが、排出量取引制度は既に主要国では検討レベルから運用のレベルに入っております。アメリカも既に各州が動いておりまして、この候補者の顔ぶれから見ても、大統領選挙の後、劇的に変わるんだろうというふうに思っております。  二〇一三年までの間に試行期間、試しの期間が必要であると考えれば、遅くても来年ぐらいに立法しなければ排出量間に合わないんではないか、こういうふうに私は思いますが、なぜ日本政府はこんなに対応が遅いのか、経産大臣にお尋ねをしたいと思います。
  552. 甘利明

    国務大臣(甘利明君) 自主行動計画がすべてとは申しませんけれども、非常に自主的に極めてよくやっていると。これに積み増しもお願いしましたし、それも実行していただいていると。それで京都議定書の目標が達成できる見通しが立ったと。よその国と話していますと、日本みたいに自主的にできればうちもいいよと、だけど、企業がそんなに一生懸命自主的になかなかやってくれないんだというのが本音なんであります。  私は、今そのお話しの排出権取引について全面的に否定するつもりはありません。いろんな研究をしています。どういう手法が一番効果的なのかしっかり勉強しておく必要はあろうかと思います。
  553. 近藤正道

    近藤正道君 完全に私は遅れているというふうに思っております。  省エネ法で通産省に工場、事業所ごとの燃料使用状況が報告されておりますけれども、温対法の公表制度、今度実現いたしますが、これではCO2の排出総量が事業所ごとに公表されるだけで内訳は全く分からない。政府は、省エネ法の定期報告をより一層開示、公開する方向で見直すべきではないでしょうか。  質問でございます。  国内排出量取引において、公平適正な排出枠、キャップを定めるためにも、客観的検証が可能な省エネ法の情報を活用するのが現実的で合理的だ、私はそういうふうに思っております。省エネ法の定期報告を公表すべきではないでしょうか、経産大臣
  554. 甘利明

    国務大臣(甘利明君) 省エネ法の定期報告には企業の競争上の権利利益にかかわる情報が含まれている場合があると、そのために省エネ法上報告を公表することにはなっていませんが、事業者に対して必要に応じて意見照会を行った上で原則開示するということには情報公開法でなっているわけです。これで九〇%以上は開示をされています。  じゃ、残りは何かというと、鉄と化学が、企業としては公表していますが事業所ごとに公表していません。これはエネルギーの使用量がまさに競争力の源泉であるということで、企業秘密にかかわるということでしていないと。これは今御案内のとおり、係争中の話であります。
  555. 近藤正道

    近藤正道君 だれの利益をより重く考えているのか、ここに端的に私は表れている、やっぱり公表させるべきだと、そういうふうに制度を見直すべきだというふうに思っています。  最後に、防衛大臣、来ておられますので、防衛省の報償費の裏金問題についてお尋ねをしたいと思います。  さっきもちょっと質問出ましたが、私は昨年の十二月とそして今年の一月に質問いたしました。調査中、調査中ということでありまして、調査の結果を楽しみに待っておったんですが、先ごろ、裏金の内部調査は放置だと、具体的な内部調査を事実上放置していると、こういう報道がなされているわけでございます。一体どういうことになっているんでしょうか、御説明願いたいと思います。
  556. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 委員からそのような御指摘をいただきましたこと、また報道も承知をいたしておるところでございます。これは本当に時間が掛かっておりまして、大変私も委員にも国会にも申し訳のないことだと思っております。  なぜこんなに遅くなるのかと申しますと、担当者からの聴き取りに時間を要しているということ、そしてもう一つは、委員にも御指摘をいただきましたでしょうか、年度末になぜ集中をしているか、予算をすべて使い切るということは不自然ではないかというような御指摘をちょうだいをいたしました。実際にそのようなことになっていないか、ましてや予算をすべて使い切るために不自然な執行の形態になっていないかという問題意識の下に、年度末執行を重点的に確認をいたしておるところでございます。現在、聴き取らねばならない者からの聴き取りはおおむね了したという報告を受けております。  そうしますと、まさしく年度末にどうだったんだということ、あるいは関係のいろいろな書類、そういうような整理の段階に入っておるというふうに報告を受けておるところでございます。  このことは私も大変、先ほど申し上げましたように、御報告が遅れて申し訳のないことだというふうに考えておる次第でございまして、できるだけ早く作業を終えて取りまとめができますように更に努力をし、督励をしてまいりたいと思います。  いつまでというお話でございますが、これが例えば今月中、まあ今月ももう少しでおしまいでございますが、とか来月中とかいうことが言えるような段階に今ございません。それは私自身も、いつ一体それが終わるのだということにつきまして、私自身が見てまた言わねばならないというふうに思っております。  いずれにしても、作業は急ぎます。急がねばならないということをよく承知をいたしております。
  557. 近藤正道

    近藤正道君 終わりますが、ひどい話だと思いますよ。これだけ時間たってまだ中間報告のめどさえ示せない。イージス艦だとか、あるいは守屋さんの問題、いろんな問題がある中でこういう問題ですよ。もっとやっぱり監督者としての説明責任をちゃんと果たしていただきたい、そのことを強く申し上げまして、私の質問を終わります。
  558. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 以上で近藤正道君の質疑は終了をいたしました。  次回は来る二十一日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十二分散会