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植松恵美子君 そうなんです、兵庫県ではトライやる・ウイークというのを非常に
推進されているようでございますけれども、実は私、
地元香川県で温浴施設を企業家として経営しております。それで、こういった中学生の
体験学習をする企業として受入れをしてほしいという申入れがありまして、何度か
子供たちを、まあ二日、三日、これ五日間トライやる・ウイークやられているそうですが、香川の場合、二日とか三日、短期間なんですけれども、受け入れることにしたことがございます。
実際に受け入れる企業側の心構えとしましては、まず、やはり企業ですからどうしても利益も考えるわけですよ。そうすると、
子供たちが一店に三人とか五人とかが店の中をうろうろうろうろしていたんでは、これお客様に対してどう思われるだろうかとか、料金は一緒なのに今日は
子供が接客しているのかって、これ、お客様に迷惑掛けるわけにはいかない。しかし、企業として社会的責任もあるし、やっぱり私も子を持つ母として
子供の
教育に企業としてもかかわっていきたいという思いから、いろいろと二日、三日のこのプログラムを自分なりに組み立てていくわけですよ。
例えばフロント業務も、じゃ、多分興味があるだろうと。でも、お金を触らしてこれ間違わられては困るなと。そして、これ良識の範囲内の、もう当たり前のことなんですけれども、おふろ屋さんって女ぶろと男ぶろありますから、女子中学生はこっちの女ぶろの方にじゃ入ってねとかというふうにちゃんと分けなきゃいけないとか、いろいろ。また、
子供ですから、同じ作業を、普通大人だったら一日八時間同じ作業をする、これが職業ではあるんですけれども、実際、仕事というのは華やかな場もあれば裏方もある、そういったものを満遍なく見せなきゃいけない。しかし、これ、プログラムを組み立てているのは企業側の良心だとかあるいは
教育的示唆、これオーナーによって大きく違うわけですよ、によって大きく左右される。それによって
子供たちのこの二日間、三日間の学習意欲とか学習の習得が全く違うものになってくる
可能性がある。
私、
一つ、今度保護者側に立ちまして、中学生から聞いた話なんですけれども、女子中学生です。本人は本を読むのが非常に好きだから書店、本屋さんに興味を持っていた。希望して県内でも一番大手の本屋さんに
体験入学に行きました。恐らく中学生だから本の売っているところで、フロアでいろんな接客もさせてもらえるんじゃないか、本を並べ替えさせていただけるんじゃないかという思いで多分本屋さんを選んだ。ところが、実際行ってみると、丸二日間とか三日間を倉庫の中に入れられて、倉庫で、もう企業ですからコストダウンしていますから非常に暗い、しかも夏なのに空調が効いていない、飲物とかそういうのも準備してないような
状況で、一日中そこで仕分ですかね、本のこん包を開いたりをさせられた。非常にほこりっぽかった。そうすると、その子が帰ってきて言いました、本屋にだけは就職してはいけないということがよく分かりましたと。
これ、
成果というところで、充実した一週間を過ごせたと書いている子が九割。これは非常に高い
成果だと思います。しかしながら、ニートとかフリーター
対策をするという
意味では、この答えなかった一割の
子供たちをいかに減していくかという作業が
教育の
現場では必要だと思うんです。
今、先ほど二つの例を挙げましたように、企業者の意識だとか、どういった目的で私たちはこういった受入れをお願いしているんですといった
学校側と企業側のオーナーとのすり合わせが、まあ私自身が
電話ぐらいで受けていますからね、とか紙一枚ですよ、余りにもずさんなんじゃないか。
これ非常に危険なのは、先ほどの倉庫に女の中学生が暗い中で二日間ほっとかれた。これ非常に危険で
事件性もあり、あるいは事故の
可能性もあるわけです。こういったことが起きてから、じゃもうこれキャリア
教育やめちゃおうとなったら、これ私、方向性としては非常にいいと思うんで、もったいないと思う。ですから、これを事前に未然に防ぐためのいろんな方策をきちっと先生と企業側である程度打合せをしておかないといけないのに、ちょっと何かそれが計画的じゃないような気がするんですね。
こういったことについて文科省は今後どうお考えになっていらっしゃいますでしょうか。