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国務大臣(
若林正俊君) またもや五つも連続して、つながりがないというわけじゃないんですけれども、それぞれ話の展開としては
一つ一つお話をしていかないと御理解いただけないようなことをまとめてぼんと言われたんでは大変私もお答えをするのに苦慮するわけでございますけれども、丁寧にお答えをいたしましょう。
まず、
輸出規制のことでございます。
今、
委員がおっしゃられましたように、今朝の明け方、明け方というより午前二時ごろですかね、ファルコナーの再改訂ペーパーが出ました。その再改訂ペーパーでは、
日本とスイスが提案をしております
輸出規制のルール化ということについては全く触れておりません。したがいまして、我々としては、スイスとも相談をいたしますし、また、同じような趣旨に賛同をいただいている国々とも相談をしながら、これから、ファルコナーは二十六日から再度
農業交渉会議を開くと言っておりますので、二十六日からの
農業交渉会議においては重ねて我々の主張をそこで展開をさせていただいて、是非とも前進が図られるようにしていきたいと思っております。
そこで、現行のWTO協定上は、
輸出規制するときに通報をするのは義務になっていないんですね。そしてまた、その通報をした一定の実施期間、この期間の規定も何もないというような極めて不十分な規定になっております。
そこで、
日本は、このWTO交渉が始まった当初から
日本提案というのをいたしております。その
日本提案の中に、
輸出国と
輸入国のバランスの取れた
貿易秩序ということを主張しておりまして、その中に、
輸出国側が今のように勝手にできているのはおかしいんじゃないかということで、これをルール化すべきであるということを主張しておりました。そのことが、ファルコナーも一応
認識をいたしまして、それでファルコナー提案の中には、議長提案として、
輸出規制についてファルコナーは今の提案の中に書き込んでいるわけでございます。それは、通報の義務を強化しますと。九十日以内に通報して、これは毎年更新しなきゃいけないと。それから、現行にある措置は、
輸出規制のですね、これはもう撤廃してもらって、新規の措置は原則一年以内に撤廃すると。最長は十八か月。そして、
先進国、
途上国問わず規制対象にするといったようなことを、議長がもう既に提案としてあるわけでございます。
しかし、これでも、それじゃそれによって
輸入国側が不満がある場合、どうやってこれを解決するのかということについて何ら規定がないわけですね。したがって、
輸入国側の意見というものをWTOが取り上げる。どこが取り上げるんだと。
農業委員会なら
農業委員会が取り上げると。取り上げて、パネルのような議論をして結論が出るまでの間は、例えば
輸出規制は止めててもらわなきゃ、もう我々としては、先行しちまっちゃ具合悪いんじゃないかというような、そういうルールを明確にして、これがちゃんと働くような形にしてもらいたいというふうに考えております。
そういう意味で、通報は必ず義務化すると。
輸出規制するときはWTOに通報を義務化してもらいたい、そして、その
輸入国側の要請によって協議をする場合には、協議中は
輸出規制の措置は発動しないようにすると、そして協議の場合の基準というものを明らかにしておかなければいけないんじゃないかというようなことを申入れをしているということでございます。
これは前にも申し上げましたけれども、これに対して非公式にいろんな意見が出ておりますが、
途上国で
輸入も相当しながら
輸出をしている国、今、今度、
輸出規制掛けているのは
途上国が多いんですよね。そういう
途上国は
国内が
暴動が起きそうだと、大変なんだというような
状況の中で規制掛けざるを得なくて規制を掛けているというような
途上国もあるわけでありまして、そういうところはやはり特別の配慮をしていかないと、同じ
輸出規制といっても性格が違うんじゃないかという意見が出ているわけです。私もそれはもっともだなという気持ちがありまして、そういう
途上国への配慮というのをどのような形で配慮をするのかということが考えられると思うんです。
中国も
輸出規制しましたからね。中国の場合は
輸入をしながら
輸出をしていると、こういう関係になってくるわけですね。中国のような国をどう扱うのかということもあるでしょう。そういう意味では、これから詰めていく過程で、
途上国あるいは先進的
途上国といいますかね、そういう国をどう扱うかといったようなことについて関係国と協議をしながら、WTOの場合は協議調わないと生きてきませんから、そういうのを精力的に生かしていくようにしたいと、このように思います。
そして、
委員が、
状況が変わったんだから新しい提案でWTOをやり直したらどうだと、こういう趣旨とも受け取れるお話が、御意見がありました。これはできません。これは
世界の、御承知のように、百五十か国が六年前にドーハ・ラウンドということで立ち上げて、ずっと積み上げて今日まで来ていよいよ大詰めの今段階になっているわけですね。だから、
世界中の最大の課題、
貿易関係でいえば最大の課題になって百五十か国がここで積み上げてきたのに、
日本がもう今までの議論はチャラにして新しい議論をしようじゃないかというようなことで言えば、もう
日本はこれ完全につぶしに入ったということになることは明らかであります。
農業だけじゃありませんで、みんながNAMAの交渉、サービスの交渉、ルールの交渉、交渉分野がいっぱいあって、それらをずっと百五十か国が積み上げて今日来ているものを、我々がこれをここでストップを掛ける、新たにやろうじゃないかということはもうこれを、今までやってきたことをチャラにするということですから、そういうことはやはり私はできないというふうに思います。
委員のお話でございますが、私の承知する限り、
委員の御出身の全中の会長以下幹部の皆さんもそこまでは私の方にはおっしゃっておられないんですよ。やはり今まで積み上げてきたことを積み上げてきたこととして尊重しながら、どうやって交渉過程で
我が国が大きな
被害を受けないような形で
我が国農業が存続可能なことにしていくかということで大変御苦労いただいているわけでございまして、新提案というのは、ちょっとドーハ・ラウンドをひっくり返すようなことというのは私はできないというふうに申し上げざるを得ないのであります。
それから、韓国との関係ですが、韓国側は確かにそういうことを言ったかのように伝えられております。しかし、私どもはそういうふうにちゃんと聞いたわけじゃございませんで、再開に
当たりましては、福田総理からも言われておりますが、ここでつぶれるようなことがあってはならないので非常に慎重に進めていこうということでありまして、ですから、お互いがリクエストオファーに至る前にそういう誤解によって日韓の話合いがつぶれることがないように進めていかなきゃいけないというふうに、慎重に関係省庁と
連携取りながら進めようという姿勢でおります。
しかし、今何も進んでおりません。今具体的には何も出てきておりませんので、何か、
委員のお話で、
農業の方で
日本がかたくなで妥協する余地を全然示さないのでこれをチャラにしたんだというふうに巷間伝わっておりますけれども、私は、実はその関係者からいろいろ聞きますと、どうも
農業ではなかったように思うんですね。だから、そういうようなことが広がるようなことがないように、お互いの交渉過程というのが誤解を生むことがないような慎重な進め方をしていかなきゃいけないというふうに考えているわけでございます。
あと何でしたかね……