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2008-09-18 第169回国会 参議院 農林水産委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年九月十八日(木曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  八月六日     辞任         補欠選任         野村 哲郎君     末松 信介君      谷合 正明君     渡辺 孝男君  八月七日     辞任         補欠選任         末松 信介君     野村 哲郎君      渡辺 孝男君     山本 香苗君  九月二日     辞任         補欠選任         澤  雄二君     遠山 清彦君  同日   委員遠山清彦君は議員を辞職した。  九月十二日     選任          草川 昭三君  九月十六日     辞任         補欠選任         山本 香苗君     風間  昶君  九月十七日     辞任         補欠選任         金子 恵美君     福山 哲郎君  九月十八日     辞任         補欠選任         福山 哲郎君     金子 恵美君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         郡司  彰君     理 事                 主濱  了君                 平野 達男君                 加治屋義人君     委 員                 青木  愛君                 一川 保夫君                 金子 恵美君                 亀井亜紀子君                 高橋 千秋君                 福山 哲郎君                 藤原 良信君                 舟山 康江君                 米長 晴信君                 市川 一朗君                 岩永 浩美君                 野村 哲郎君                 牧野たかお君                 山田 俊男君                 風間  昶君                 草川 昭三君                 紙  智子君    国務大臣        農林水産大臣   太田 誠一君    副大臣        内閣府副大臣   増原 義剛君        農林水産大臣  近藤 基彦君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       金子善次郎君        農林水産大臣政        務官       野村 哲郎君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木 朝雄君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       福富 光彦君        内閣食品安全        委員会事務局長  栗本まさ子君        農林水産省総合        食料局長     町田 勝弘君        農林水産省消費        ・安全局長    佐藤 正典君        中小企業庁事業        環境部長     横尾 英博君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○農林水産に関する調査  (事故米穀不正規流通に関する件)  (事故米穀不正規流通問題に関する件)  (食の安全・安心に関する件)     ─────────────
  2. 郡司彰

    委員長郡司彰君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、谷合正明君、澤雄二君及び金子恵美君が委員辞任され、その補欠として風間昶君及び福山哲郎君が選任されました。  また、去る十二日、草川昭三君が委員選任をされております。おめでとうございます。     ─────────────
  3. 郡司彰

    委員長郡司彰君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官福富光彦君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 郡司彰

    委員長郡司彰君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 郡司彰

    委員長郡司彰君) 農林水産に関する調査議題といたします。  事故米穀不正規流通に関する件について政府から報告を聴取いたします。太田農林水産大臣
  6. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 農林水産大臣に就任いたしました太田誠一でございます。  委員長を始め委員の諸先生におかれましては、日ごろから農林水産行政推進に格段の御理解と御支援をいただいているところであり、この機会に厚く御礼を申し上げます。  石田、近藤両副大臣、江藤、野村大臣政務官共々、農林水産行政推進全力を挙げてまいる考えであります。  委員長を始め委員皆様方の御指導を賜りますよう、よろしくお願いいたします。  委員会の冒頭にお時間をいただきまして、初めに事故米穀不正規流通問題について発言させていただきます。  この問題につきましては、消費者国民皆様に大変御心配や御迷惑をお掛けしており、深くおわび申し上げます。  また、今回の三笠フーズ株式会社が転売した流通先米穀販売業の中川さんが亡くなられたとの報告を受けました。お亡くなりになられました背景等についてはまだ十分承知しておりませんが、報告を受け、こうしたことが起きたことについて衝撃を受けております。心から御冥福をお祈り申し上げます。  農林水産省としては、国民の食の安全を確保し、消費者の方々に一日も早く安心していただけるようにするため、実態早期解明再発防止策の確立に全力で取り組んでいるところであります。  今回の問題については、八月二十二日及び二十七日に、福岡農政事務所食品表示一一〇番に、三笠フーズ農林水産省から工業用用途を限定して売却した事故米穀をしょうちゅう用横流ししているとの通報がありました。  この通報を受け、農林水産省としては、厚生労働省地方公共団体保健衛生部局と連携し、関係先への立入調査事故米穀等出荷自粛要請を行いました。  八月四日には三笠フーズ社長横流しの事実を認めたため、五日には、同社に対し転売した非主食用米穀等回収要請を行うとともに、その事実を公表いたしました。  また、九月八日からは、三笠フーズ以外の事故米穀売渡先事業者全十九社に対し、全国一斉点検を実施しております。  特に、九月十二日から、本省に事故米穀不正規流通対策特別チームを編成し、また、地方農政局等食品表示Gメン約二百二十名を本事件に追加従事させるなど、体制を抜本的に強化いたしました。  流通ルート解明や一斉点検については、本日までのところ、三笠フーズ関係では、関係事業者数が三百八十にも及ぶことが判明しております。その中には、酒、和菓子、米菓等のメーカーや給食施設外食企業等も含まれており、農林水産省として今回の事態を深刻に受け止めております。  これに関連して、流通ルートに出てくる関係事業者等名称公表の件につきましては、当初、同意を得た上で公表することとしてまいりました。しかしながら、公表に同意するケースは極めて少なく、このままでは消費者信頼を回復できないと考えました。  私としましては、流通実態も相当程度解明されてきたことも考慮し、食の安全の確保を最優先する観点から、関係事業者等名称公表することといたしました。  公表対象となったからといって、事故米穀であることを知りながら販売、加工していたわけではありませんので、この点について国民皆様の御理解をお願いしたいと考えております。  また、事故米穀であることを知らずに販売、加工を行った事業者におかれましては、製品の回収を行ったり、売上げが減少しているところもあるかと存じます。経営に支障を来すことのないよう万全の支援策を講じてまいりたいと考えております。  政府事故米穀販売先に対する一斉点検については、現時点で、三笠フーズ以外の十九社のうち、浅井、太田産業島田化学工業の合計三社の横流しが判明しており、これについても流通ルート解明を急いでおります。  また、横流しを行った三笠フーズにつきましては、既に九月十一日に不正競争防止法違反刑事告発を行いました。他の横流しを行った業者についても、刑事告発に向けて調査を急いでおります。  次に、再発防止策でありますが、今回の食品衛生上問題のある事故米穀食用への横流しを防止できなかったことについては、農林水産省として十分反省しなければならないと考えております。  再発防止については、消費者が不安を感じることのないよう、食品衛生上の問題のある事故米穀については、国内流通する可能性を断つということが基本であると考えております。具体的には、今後は、政府食品衛生上問題のある事故米穀販売することをやめ、輸出国等への返送や焼却等廃棄処分を行うこととしたいと考えております。  また、今回は、流通実態解明に時間を要しましたが、今後、流通した後に問題が発生したときは、直ちに流通ルートを特定できる米トレーサビリティーシステム消費者が自ら商品を選択できる米関連商品原料米原産地表示システムを確立していきたいと考えております。  さらに、省内業務分担について、例えば販売と検査を同一部局で行わないなどその在り方や、職員能力向上の方策について検討することといたしております。  今回の問題の農林水産省としての責任についてでありますが、各種法令契約条項に違反して横流しを行った三笠フーズ等が言語道断であるのは言うまでもありませんが、農林水産省は、これを長期にわたって見逃し、結果として消費者の食の安全に対する不安を招いたことについて責任を痛感しております。  流通ルート解明再発防止と併せて、これまでの農林水産省事故米穀に対する業務実態等を徹底して検証するため、野田消費者行政担当大臣の下、法曹関係者消費者団体代表等による第三者委員会を立ち上げ、その検証結果を踏まえて関係職員処分を厳正に行うことといたします。  また、農林水産省職員国家公務員倫理法を遵守するよう徹底して指導するとともに、違反行為があった場合には厳正に処分を行います。  今回の事件を機に、農林水産省職員全体が、消費者のことを真剣に考え、食の安全を守るとの強い意識を持ち、日々の業務一つ一つ点検して改めるべきものは速やかに改めるよう全力を挙げてまいりますので、委員各位の御理解のほどをよろしくお願いいたします。
  7. 郡司彰

    委員長郡司彰君) 以上で報告の聴取は終わりました。  農林水産に関する調査議題とし、これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 平野達男

    平野達男君 平野達男でございます。  今回のいわゆる汚染米横流し事件、食の安全の制度に関しての根本を揺るがす事件であります。そしてまた、経済的にも大きなダメージを与えている事件になっております。さらに、大臣の先ほどの報告にもございましたけれども、どうやらこの事件に端を発して自殺をされた方まで出たという本当に深刻な事態に立ち入っているというふうに認識しておりまして、当委員会でもなぜこのようなことが起こったのかということについては徹底して追及してまいる必要があるというふうに考えております。  そこで、太田大臣、私は、太田大臣は、福田大臣が辞めた段階で、よもや農林水産委員会でこういう形で相まみえることはないだろうと思っておりました。この汚染米事件がありまして、閉会中審査でこういう形で相まみえることになりましたけれども、一言大臣に聞いておきたいことがあります。  福田総理が辞めたときに、実は農林大臣、ほっとされませんでしたか。福田総理が突然辞任をされたとき、農林大臣は実はほっとされませんでしたか。
  9. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 福田総理が辞められたときには大変衝撃を受けました。
  10. 平野達男

    平野達男君 衝撃は、多分、大臣のみならず全国民が受けました。大変無責任だったと思います。私の質問、これ、ここについては深入りしません。  次の質問に移りますけれども、まず、大臣の午前中の衆議院農林水産委員会やり取りもちょっと私は見ておったんですけれども、大臣発言について一つお聞きします。  今回の汚染米については人体に影響はないんだと。これは食品安全委員会もある条件の下で言っていることであります。その後、最終的にはこれは安全だというふうに言っておりますが、この認識はまだ変わっておりませんか。
  11. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 前にも別の場所で申し上げましたけれども、食品安全性についてはリスク評価機関である食品安全委員会科学的知見に基づいて評価することであり、その評価を受けてリスク管理機関である農林水産省が適切に対応していくことが必要であるというふうに認識しております。  したがって、食品安全委員会見解というものは今なお私の頭の中にあります。
  12. 平野達男

    平野達男君 食品安全委員会においでいただいていますのでお聞きしますけれども、今回の汚染米は安全でしょうか。
  13. 栗本まさ子

    政府参考人栗本まさ子君) 九月十一日の食品安全委員会第二百五十四回会合におきまして、見上委員長事故米穀に関する御発言をしておられます。そのまま御紹介させていただきたいと思います。   残留基準値を超えて検出された米穀が、食用に流通していたということは、量はともかくとして、食品安全確保のための制度の根底を覆すという本当にゆゆしき事態であって、あってはならないことと考えます。   一方で、国民が過剰に不安を感じないよう、科学者の立場から現状リスクを冷静に分析するということも重要です。   危害要因のうち、アセタミプリドとメタミドホスにつきましては、暫定基準値を上回っているものの、幸い比較的低い濃度でした。   この二つ農薬について、食品安全委員会ではリスク評価を既に行い、毎日、一生涯食べ続けても健康に悪影響がない量である一日……
  14. 平野達男

    平野達男君 私の質問に答えてください。安全ですか、どうですか、実際。
  15. 栗本まさ子

    政府参考人栗本まさ子君) はい。ここのところです。   ある一日摂取許容量を決めておりますが、この値に比べても、事故米に含まれている農薬の量は十分に低いレベルなので、健康に悪影響が出る心配はありません。   このことについては、我々のホームページに詳しく掲載したいと考えております。
  16. 平野達男

    平野達男君 大臣は安全ですと言ったんです。食品安全委員会でも安全だというふうな見解ですか。いや、食品安全委員会です。
  17. 栗本まさ子

    政府参考人栗本まさ子君) 二つ農薬につきましては、健康に悪い影響が出る心配はありませんというふうに述べておられます。
  18. 平野達男

    平野達男君 ですから、それを安全と言うんでしょうか。安全委員会です。
  19. 栗本まさ子

    政府参考人栗本まさ子君) 二つ農薬につきましては十分に低いレベルである、これは科学的に安全であるという見解というふうに考えていただいてよろしいと思います。
  20. 平野達男

    平野達男君 それは、今回の段階で、一つは、今回、残留基準を超えて検出された米穀、これは濃度は決まっていますね。そうですね。これに対しての検体科学的見地でありますね。汚染米全体が安全という結論はここからは導き出せないでしょう。汚染米には膨大な量があるんです。  ここから大臣への質問です。いいですか、濃度基準値のここで検出された濃度に限らないんです。いろんな濃度があるんです。それを大臣は、私が言うといいかげんな扱いになるから言わないけれども、だけど安全だと言ったんです。これは、食品安全委員会が言っているのは限られた検体ですよ。大臣が言っているのは汚染米全体を言ったんです。全然違うんですよ。この辺の認識ありますか、大臣
  21. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) この日、私は、朝に閣議後記者会見がありまして、そのときにもこのことに、食品安全委員会見解について触れました。その後の午後のBSイレブンの際にも、私はこの食品安全委員会見解のことを申し上げたつもりでございます。
  22. 平野達男

    平野達男君 それから、科学的に安全というのと一般的に安全というのは、これは、今食品安全委員会は科学的に安全と言いましたけれども、安全というのと消費者が受ける安全というのは、この意識にまずギャップがあります。  まず、私は、大臣の本当に間違いは、食品安全委員会の特に極めて限られた検体を通しての情報をもって、あたかも今回出回った汚染米が安全だというがごとき発言をしたというのは、これは大臣として私はあるまじき話だと思います。食品安全委員会でさえそんなことは言っていませんよ。ここに大臣発言として極めて不適切な問題があった。消費者はここは賢いですよ。じゃ、なぜ安全なものが横流しされてこんなに騒ぎになっているんですか、みんな思ったはずです。だれもこんなもの安全だなんて思っていませんよ。  それで、科学的に安全だというふうに言っていますけれども、消費者は、これ食べても安心ですか、安全ですか、安心も含めて安全ですかということを聞いているんです。そういうことを大臣は全然理解していない。そして安全だと言った。この結果、消費者は何と思ったか。大臣発言、信用しなくなりますよ。あの大臣の安全という定義は実にあいまいだと。恐らく事を鎮静化しよう鎮静化しようというふうにそういう言葉を使ったと思いますが、そういうふうに不適切な言葉を使えば使うほど消費者行政と政治に対しての不信が増すんですよ。BSEと全く同じです、これは。  今回の一連の話は、農水省はBSE一連のレッスン、あそこから学ぶべきことが全く反映されていない。事務次官発言もそうです。責任がないがごとくの発言をしていた。この大臣発言事務次官のあの発言で、これは十一日、十二日、十三日、この三日間にわたって、二日間にわたってですかね、報道もされましたけれども、それが消費者にこの食品安全制度に対する不信をいかに増幅させたかという認識はありますか。
  23. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 私の発言については、そういう大意を、全体の大意をつかんでいただければと思いますけれども、部分につきまして不適切なことがあったことは、これはあるいはあるかもしれないと思っております。  事務次官の話でございますが……
  24. 平野達男

    平野達男君 質問に答えてください。
  25. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) いや、今事務次官のことも一緒に質問されたので、私、今答えようとしている。  白須事務次官が九月十一日の記者会見において発言をした内容でありますが、この件につきましては、翌日、白須事務次官、私のところに参りまして、厳重に注意をしておきました、責任がないことはないと。本人もそのことをよく認識しておりまして、誤解を招くようなこと、発言があったことを謝罪をいたしておりました。責任を痛感をいたしているということでございました。  私ももちろん、この全体につきまして、このような事件があったことについて、当然農林水産省には責任があると考えております。
  26. 平野達男

    平野達男君 まず一点目ですけれども、午前中の衆議院での農林水産委員会やり取りも聞いていて、食品安全云々という、委員会がどうのこうの言われましたね。全く大臣認識は間違っているんですよ。  繰り返しますけれども、食品安全委員会見解は、この検出された検体に対しての回答なんです。汚染米については一言も言っていないんです。それを大臣は、汚染米が全部があたかも安全のように発言した。これはだれが聞いたっておかしいと思いますよ。この発言重要性について、少なくとも今の段階でも、午前中の衆議院農林水産委員会の中でも大臣認識されていない。これが問題なんですよ。  それから二点目。その発言農林事務次官発言、私の質問は、重なってそういった相次いで発言をされたということが食品安全制度に対しての信頼を根幹的に揺るがしたんではないですかということを質問しているんです。そういう認識がありますかということを質問しているんです。責任を痛感しているのは当たり前ですよ、そんなものは。むしろそんなものは遅過ぎたぐらいですよ、その発言は。その信頼制度に、揺るがすようなことにつながったんではないかという認識がありますかということです。
  27. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) この食品の安全について、消費者に不安を抱かせ、様々な食品の安全に対する信頼性が失われてきたということは、まさにそういう横流しを発見できなかったということにあるんだと思っております。その後、私の発言や次官の発言でその信頼性について更に何か疑問を抱かれるようなことがあったとすれば、それは誠に不適切であったということを申し上げているわけでございます。
  28. 平野達男

    平野達男君 あったとすればなんて、人ごとみたいに言わないでくださいよ。全くありますよ、これは、私に言わせたら。あの言葉でこれからいろんな、その後いろんな、大臣記者会見されたと思います。大臣発言は本当に信頼されなくなったということですよ。私はそういうふうに理解します。少なくとも国民はそういうふうに理解すると思います。そして、ましてや今の私の質問に対してもあったとすればなんて、そんな人ごとじゃないですよ。これは本当に重い発言だと思いますよ。  私は今ここではっきり申し上げますけれども、大臣に要求しますけれども、大臣発言は多分省内でも余り信用されないと思う。私らも信用できません。大臣辞めたらどうですか、もう。──いや、ですから、もう大臣を辞めた方がいいと思います、どうですかという見解をお伺いしているんです。
  29. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 事柄の本質は、当初起きた事故米横流しの件について、十分にそれを不適切な、十分に対応できなかったということにあると思っております。  今、平野委員から御指摘をされた点につきましては、これは私は十分に不適切であるというふうに御指摘があることは重く受け止めたいと存じます。
  30. 平野達男

    平野達男君 そういう本当に今の現状問題認識をしっかりやることがこれからの対策だし、原因追求にもつながるんだろうと思いますよ。そこに対しては、繰り返して大変大臣申し訳ありませんけれども、認識が甘過ぎると思う、私は。  次の質問に入ります。  午前中の質問にもありますけれども、カドミ米、これは熱処理して破砕して色を付けて、絶対ほかの用途には使われない、食用には回らないという措置をやっております。今回の汚染米、私はあえてここで事故米と言わないで汚染米と言うのは、いわゆるメタミドホスあるいはその他基準を上回る農薬が検出された米を汚染米と言いますが、汚染米について同様の措置をとらなかったのはなぜか。これは安いからということで答弁されておりましたけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。要するに、コスト節減のためにそうしなかったということで午前中発言されておりましたけれども、そういう理解でよろしいんでしょうか。
  31. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 極力コストを掛けないといった観点からでございます。
  32. 平野達男

    平野達男君 これは横流しはないという、想定されなかったという理解でよろしいでしょうか。これも午前中の質問の確認でございます。
  33. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 横流しがされるということは認識はなかったということでございます。
  34. 平野達男

    平野達男君 九月十七日付けの産経新聞、大変面白い記事が出ています。農林省幹部発言です。いいですか。仲介業者で転売を繰り返すのは昔からの商慣習米業界に出回るくず米をみんなで転がしていれば、出どころが分からなくなるし、自然に値段が上がる。くず米汚染米というふうにこれ読み替えても同じことが言えます。それからもう一つ、これも農林省幹部発言ですよ。いいですか。やばい米と何となく分かっていても、みんなで転売を繰り返せば責任逃れができる。我々の検査も途中で止まると思っている。検査も途中で止まると思っている。まあ、ここは私の発言ですけど、この検査自体が実はいいかげんだったんですけどね、まあとにかく止まると思っていると発言しています。商慣習ができた背景には業界のこうした集団心理があると思うと、他人事のように発言しています。しかし、ここで言っていることは、業界というのはこういうものだということを農林省幹部認識しているということなんですよ。  そして、汚染米販売価格は非常に低いです。それが、正規米という形で末端のところにまで回った段階ではかなりの高い価格になります。価格差が上がったら流通業界がどう動くかなんというのは、農林省が認識していないとか、そういう問題じゃないですよ。この産経新聞のこの幹部の発言、これは農林省の全体の要するに認識じゃないんですか。
  35. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 今御指摘のあった産経新聞の記事のような認識は、私ども持っておりません。
  36. 平野達男

    平野達男君 農水省幹部というふうに出ています。  それからもう一つ、私、だれというふうに特定しませんが、同じような発言を私も何回も聞いています。昔、食管時代からこういうルートはあったんだと、こういうくず米の問題で、いろいろ転がして転がして値段を上げると、それが米の流通業界なんだという発言を私も何回も聞いています。それは、この場の中でそれが認識だなんて言えないと思いますが、少なくとも私は、私の判断ではそういう認識は十分あったはずだというふうに断ぜざるを得ません。  ちなみに、こういうふうに発言する農水省の幹部、幹と書いていますけどね、これから病院の患者の患に変えた方がいいですよ。こんな認識を持って堂々とマスコミにしゃべるような幹部は幹部じゃないですよ。もしこういう認識を持っていたら、もっともっと今回の検査についてだってきちっとした対策を取るべきだったんだから、そのことをはっきり示したようなものだと思いますよ。  そこで、今回、じゃ予想されなかったということだったんですけれども、私は十分予想されたはずだと思います。じゃ、しからば検査をどうやっていたか。実はこの検査というのは、契約書の根拠は、政府所有物品売買契約書の中の第十四条が根拠になっています。この第十四条、どう書いているか。これは、物を売ったときにそれが契約どおり処理されているかということに対しての検査の規定だというふうに思います。第十四条、甲は、必要があると認めるときは、乙に対し、その業務又は資産の状況に関して質問し、帳簿書類その他の物件を調査し、又は参考となるべき報告若しくは資料の提出を求めることができるものとするという、これが今回の調査の根拠規定になっているというふうな理解でよろしいですね。
  37. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) さようでございます。
  38. 平野達男

    平野達男君 以下、質問します。  甲は、甲はというのは、この場合は総合食料局長と農政事務所長であります。必要があると認めるときはというのは、だれが判断するんですか。
  39. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 当該判断をいたしますのは契約者であります各地方農政事務所長等でございますが、非食用に仕向けなければならないこの事故米穀につきましては、原則として、すべて決められた買受け目的に沿って処理されたか確認するようにしているところでございます。
  40. 平野達男

    平野達男君 それじゃ、今のお答えは農政事務所長だということですね、必要があると認めるときの判断は。それをしなければならないということになっていると。  それでは、どういう基準で、どういう考え方で、何をチェックすればこれが契約どおりに処理されたということがなっているのかという、いわゆるその調査マニュアル、調査の考え方、基準といったものがあるんでしょうか。
  41. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) この事故米穀固有の全国統一的な明文化されたマニュアルはございませんが、加工用原材料米穀の立会いに準じて行っているところでございます。
  42. 平野達男

    平野達男君 その準じてという通達は出しているんでしょうか。
  43. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 加工原料用米穀販売要領というものを出しております。
  44. 平野達男

    平野達男君 いやいやいや、準じて行うという通達を出しているかということです。
  45. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 失礼いたしました。そういったものはありません。
  46. 平野達男

    平野達男君 では、準じているとかどうの、その通達も出していないし、何で準じていると言えるんですか。そういういいかげんな答弁はしない方がいいですよ。  それから、加工用米穀というのは、変形する、変形加工ですね、これは第三者に米を変形加工するのを委託して、それをもらって政府が流すという仕組みだから、今回の仕組みとは全く違うんですよ、これは生で売っているんだから。そんなものに準じてやるという考え方自体まずおかしい。そういうとにかく答弁自体が本当に軽いですね、答弁が。  それからもう一つ。今のお話の中で非常に重要なのは、基準も考え方もマニュアルもないなんですよ。ないんですよね。ということは、農政事務所長に全部丸投げですよ。  それから、総合食料局長、本省はこの検査について報告を求めていますか。
  47. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 調査結果について、本省への報告の義務といったものを定めたものはございません。
  48. 平野達男

    平野達男君 いいですか、汚染米メタミドホスでも他の要するに残留基準を超えた農薬の問題でもいいですよ。何トンを売却したという数量は分かっているんですよ、この数量が。だけど、それが適正に処理されたかどうか、数量的にはじゃだれも把握していないということじゃないですか。そうでしょう。  農政事務所は検査に行って立会いやって、それが破砕されているという現場は見ているんです。だけど、農水省の倉庫から出た汚染米五百トンなら五百トン、千トンなら千トンでもいいですよ、最終的にどういうふうに処理されたかということで、まずシステムとしてそれを管理するシステムというのはないじゃないですか。しかも、個々の検査の問題についても、マニュアルもなければ何もない、何をやっていたんだかという話になっちゃうんですよ、これは。  いいですか。今回の問題は、カドミ米については、絶対これは出回ったとしても流通させないようにするということをお金を掛けてやりました。今度は、まあ多少これは安全だから横流しをされてもいいやと思ったのかもしれませんが、経済的にこれは少しコストを削減しようと。だったら、だったらですよ、その部分を検査で徹底的に強化しなくちゃならないんですよ。ところが、全然やっていないじゃないですか。やっていないどころじゃない、マニュアルもなければ何もない、システムも何もない。だれがどうやってこれ検査するんですか、これは。どうですか。
  49. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 確かに、立会い、その加工するところの立会いだけ一回確認ということしかやっていなかった、現物を押さえていなかったということで、長年にわたってこのような転用、横流しが行われていたということについて、政府が売ったものでございます、大変責任を痛感しているところでございます。
  50. 平野達男

    平野達男君 要するに、そうしますと、私は、農政事務所の職員の立場に立って考えますと、何をやればいいんだかよく分からなかったと思う、目的意識もないですよ。ただ行って現場の確認をしてきましたということだけです。  ここに民主党が、我が方で要求して提出していただいた復命書があります。実に大変な簡単なものですね。これはそうでしょう、これは、何をやるか分からないから。中には検査官によってしっかりとした、あ、これならしっかり検査したのかなと思うのもあります。だけど、ほとんど復命事項も、行ってまいりましたぐらいの話ですよ。これは、検査そのものが全くずさんだったということだし、検査をやるつもりもなかったということですよ。やるつもりがなかったというか、やり方も分かっていなかったということですよ。この責任は本当大きいですよ。  大臣、どうですか、今までの話を聞いていて。
  51. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 今、平野委員から御指摘の点につきましては、私は最初に九月の五日に報告を受けまして、九月の八日に我が省の幹部を招集をいたしまして、そのときに最初に聞いた点でございます。  そして、それを、まず検査に行くという立場が、同じ部局におきまして同じ担当者が検査と販売と両方に携わっているということでありますので、これはとんでもないことだと。これは、利益相反という言葉がこの場合当てはまるかどうか分かりませんが、立場が相反している仕事をやっているというのが第一の問題。  それからその次に、今御指摘の点でございますが、検査マニュアルがないということも大変驚きました。そして、従来の慣例に沿ってやっていたということになるわけでございますから、慣例に沿ってやれば各農政局でも違ったことをやるおそれがあるわけでございますので、これは再発防止としてはそれぞれの部局に分かれている検査業務というのを統一的なマニュアルの下でやると、厳格な検査マニュアルを作るということを最初の再発防止案として決めたところでございます。
  52. 平野達男

    平野達男君 いずれ、まず検査をやる上でのルールが決まっていなかった、検査官も何をやればいいか分からないまま農政事務所に任せられていた。横流しをやろうと思ったらいつでもできるシステムになっていたということですよ。この検査が防波堤だったはずですから、今回のシステムでは。このことについては、本当に、今日の冒頭の大臣の説明の中にも触れられていませんでしたけれども、核心の核心だと思います。事実上、国は何もやっていなかったというのと私は同じだと思いますよ。  それでは、もう一つ、この報告書を見てちょっと気になることがあるんです。ぱらぱらっとめくってみますと、大体十時から十二時にかけて行っている人がいますね。これ、お昼時間にかけて行って、昼御飯の提供受けていないでしょうね、どうですか。
  53. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 現在、立会い調査時におけます昼食等の、御指摘のあった昼食等の提供を含めて、国家公務員倫理法違反の有無につきまして、すべての職員を対象に緊急調査を実施して把握に努めているところであります。国家公務員倫理法違反があった場合には厳正な処分を行う考えでございます。
  54. 平野達男

    平野達男君 それは、とにかくすぐ調べた方がいいですよ。一件でもあったら大変なことですよ。私も役所にいましたから、私の役人の感覚でいきますと、事前通告すると大体相手方に何か期待する面もありますよ。大体、九十六回行って大体全部事前通告するっていうんだから。十時から行って十二時までやる。という推測も成り立つ。これが事実でないことを期待するだけです。検査の目的もない、検査もどうすればいいか分からない、ただ十時から十二時までいる、事前通告する、何ですかという話になりかねませんよ、これ。これは、早くこれ調査を出してきっちり結論を出した方がいいと思います。  次の質問に移ります。  今回の中で一点、ちょっと細かい話ですけれども、双日から、これは双日、これ午前中の質問、私、質問通告していませんが、午前中の社民党の菅野先生、菅野先生ですか、のやり取りを聞いていて感じたことなんですが、双日から、これはポジティブリストが出た後ですね、残留基準を超える、基準を超えるこれはベトナムからの米ではなかったかと思いますが入っています。これは五百九十八トンだったと思いますが、これはミニマムアクセス米としてカウントされているんでしょうか。
  55. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) ミニマムアクセス米としてカウントされております。
  56. 平野達男

    平野達男君 ということは、恐らくは、これは国貿ですから、政府がいったん買い取っているはずですね。買い取って、またそれを商社に戻すという手続を踏んでいるはずですね。そうですね。  そうすると、その手続自体は商社が、双日がこれは選択すればシップバック、焼却若しくは国内での流通ができますということだったんですけれども、これは商社がそういうふうに希望したからミニマムアクセス米として政府が買ったと、こういう理解でよろしいでしょうか。
  57. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 御指摘のとおりでございます。商社が工業用として輸入するということで、国が国家貿易としていったん買ったということでございます。
  58. 平野達男

    平野達男君 それでは、それがきちっと処理されているというのは、だれの責任で行うことになっているんでしょうか。
  59. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) この三つの選択肢につきましては、検疫所の所長さんの許可といいましょうか、出ております。検疫所との関係ではきちっと加工用に処理するという誓約書を取っておりますし、私ども地方農政事務所がその商社の売られた、三笠フーズに売られたものについて、これは結果として非常に不十分だったわけでございますが、それの立会、立会いということもやってきたところでございます。ただ、これは大変不十分でございました。
  60. 平野達男

    平野達男君 私の質問は、政府から売り渡したものについては極めてずさんだったけれども、一応農政事務所がやることになっているんですね、制度は。双日が三笠フードに売ったときにそれがきちっと処理されているというのはだれの責任で確認することになっているんでしょうかという質問です。
  61. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) それは、地方農政事務所がその九十六回という立会調査の中で行っているところでございます。
  62. 平野達男

    平野達男君 それは任意でやったんでしょうか、制度上そうなっているという理解でしょうか。
  63. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 処理要領に従って、局長通知だと思いますが、局長通知だと思いますが、それに沿った対応でございます。
  64. 平野達男

    平野達男君 その通知はあるんですね。それは出していただけますね、当委員会に。  それは、先ほど言ったように政府の所有物売買契約書とは別ですよ、これはもう政府所有物じゃないですから。民民ベースでやられているものに対して農政事務所が行って検査をするという仕組みですよ。それは根拠法が必要なんですよ、そういうときは、それを本当にやるんだったら。
  65. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) その資料につきましては、大臣とよく相談して対応させていただきます。
  66. 平野達男

    平野達男君 大臣と何を相談するんですか。  私が言いたいのは、民民ベースでやっているものに農政事務所が行って検査をするためには、法律が必要じゃないかと思うんです。恐らく私の考えでは、これ、通達も何もないんじゃないですか。ここは濁さない方がいいですよ。ここは何もルールすらなかった可能性があるんですよ。それはあったかどうかを、それを見てから確認しますけれども。今局長ね、そのことについて理解していないというのはおかしいですよ。メタミドホスメタミドホスばっかり議論になっていますけれども、住商と双日からポジティブリストが出た後に入ってきた汚染米について、ミニマムアクセスカウントして、かつまた売り戻して、それであと売ってくださいとやっているわけだから。ここは、大臣責任持ってここをちょっとクリアにしていただきたいと思います。  局長、何かありますか。
  67. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 先ほど言いました通知でございますが、十九年三月三十日付けの総合食料局長通知、輸入米麦の事故品及び荷粉品処理要領というものでございます。そこの中に、第一の趣旨の第七というところに書いてございます。これに従って指導監督をするということになっているところでございます。
  68. 平野達男

    平野達男君 その資料はいずれ後で出してください。私、この問題について、そこの部分については重大な疑義持っていますので、後でまたいろいろ聞かせていただきます。  それから、大臣、今回の案件は汚染米政府でいうところの事故米横流しが問題になっていまして、特にこの問題は安全性の問題と併せて、いわゆるロンダリングという言葉が使われていますけれども、仲介業者を次から次へと介して、その中での価格差を仲介業者が吸い上げて、末端の使用の段階でかなり価格が上がっているという、正規米のごとき扱いを受けられているという、その構図に問題があります。  今回、三笠フーズの流通経路を見させていただいたときに、私は本当びっくりしました。何でこんなに業界がいっぱい、仲介業界とか取扱業者とか入っているのか。大臣、どう考えられました、こういうクモの巣みたいなあの流通経路を見て。
  69. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 私も、クモの巣のような図を見たときには大変驚きました。最後の実需者に至るまでに四つも五つも中間段階が入っているということは、流通といいますか、このマーケット、市場の体質というか風土というのはおかしいというふうに私も思います。  どういうふうにこれは是正されるべきかといえば、今回の再発防止策が何よりも大事なんだけれども、再発防止策を取ろうとすれば、そもそもこういうものをなくすと、世の中からなくすのが一番でございますので、これは入ってきたものは戻す、それから国内で生じたものについては焼却など廃棄をするという以外にはないというふうに判断をいたしました。  つまり、事故米のようなものが流通を始めると、どこで、善意の取引関係者ばかりじゃありませんから、善意でない人がかかわればそれは正常な価格と同じ値段で最後は売れるわけでございますから、その間が大きな利益になると、だからこれだけのたくさんの業者が入っておるんではないかというふうに推察をいたしております。
  70. 平野達男

    平野達男君 これからのいわゆる汚染米事故米の処理については、横流しできないようなものにして出すということも一つの方策だと思います。しかし、問題はここで終わらないんです。ここからは普通の正規米の話あるいはミニマムアクセス米、汚染されていないミニマムアクセス米の話に入っていきます。  飼料米で百四万トン、ミニマムアクセス米、これまで、特に平成十八年以降だと思いますけど、売っています、飼料米で。飼料米と加工用米では単価が三倍近くあります。飼料米が三倍近くあるということは、ミニマムアクセス米の加工用米とミニマムアクセス米の飼料米ですからね、国内産米の加工米でしたらまた更に価格差があります。飼料米で百四万トン売りましたけど、本当に飼料米で使われているかどうか、だれが確認しているんでしょうか。
  71. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 飼料用向けのMA米の販売でございますが、この……
  72. 平野達男

    平野達男君 確認だよ、確認。
  73. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 確認、はい。販売に当たっては、配合飼料工場に出向きまして、販売したMA米が配合、原料タンクに投入されるということを現場で、これは現場で確認しているところでございます。
  74. 平野達男

    平野達男君 私が言いたいのは、これも、ただ現場で確認というのは汚染米と同じなんですよ。  大臣、これだけ一物の中に、一物というか、一つの米の中に価格が、時期とか用途によって価格が違ってくるんです。しかも、末端のところに行きますと、これがミニマムアクセス米か国内産米かなかなか分からない。これは大変実は難しい問題だと思います。  私が言いたいのは、今現場で確認していると言いましたけれども、実はこの飼料米だって、飼料米というふうに買っておきながら横流しするということは十分可能なんです。それをねらっている仲介業者がいっぱいいるということですよ。そういう認識を持つ必要があるんじゃないかということです。  更に言いますと、加工用米なんか粉にしてしまいますから、末端のところに行きましたら国内産の米の粉ですと言ったってだれも分からないです。価格差にこれだけ差がありますから、そこで偽装をやろうと思ってやる仲介業者がいつでも入ってこれるという構図になっているということなんです。今のシステム自体が偽装をやりやすい構図になっているというふうにも、あえて言わせていただければ、構図になっていると言っても過言ではないと思います。  更にもっと言いますと、国内産米の過剰米がありますね、今、集荷円滑化事業で取り扱われています。農家は五千円とか何かで買われてしまいます。さあ、それね、市場に出回ったら、主食用として回れば、一俵一万五千円とか一万四千円ぐらいの価格が付きます。仲介業者、取扱業者は、そうやった安く手に入れた米を必ず流そうとする構図があるということなんです。その構図がそっくり、私に言わせれば、今回の汚染米事件につながっているんだろうというふうに私は考えます。大臣はどのように考えられますか。
  75. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 自由な競争といいますか、市場経済で動いている限り、これは起こらない問題が割当て制、統制の下では起きてくる余地が常にあるわけであります。今の事故米の話は、まさにその一つの話であり、今、平野委員から御指摘のありました飼料米、それから加工用米、それから米粉ですね、それぞれ最終段階では区別が付かなくなるということはそのとおりであります。これからそういうことも十分視野に入れて制度を仕組んでいかなければいけないと思います。
  76. 平野達男

    平野達男君 特に、私は、こういうことがもし、実態よく分かりませんよ、相当程度出回っているとすれば、まず一点目は、集荷円滑化の米が仮に回っているとすれば、それで生産調整の効力が弱められるんです。農家にとってはたまったもんじゃないですよ。安く米を買い上げられて、それでそれが市場に出回って米価全体も下がるという、そういう構図になりかねないということです。  こういうことが、私は、今回の汚染米事件をきっかけに実はそういうことが本当に起こっているんじゃないかという不満を、不安というか、現にこれは山形県の方から、農家がそういう不安を言っている、持っていると、なっているんじゃないかという不安を持ち始めていますよ。これは意識のある農家、制度に対して本当に分かっている農家は大抵そう思うはずです。汚染米ですらこうなっている、集荷円滑化で行った米はどうなっているんだろうかという不安を持つということを、これは実態としてそういう声が上がっているということです。どうぞ。
  77. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) この点は是非御説明をさせていただきたいと存じます。  この集荷円滑化対策でございますが、平成十七年度に発動しております。この際、区分出荷米でございますが、米穀機構に七万五千トン、これ現物弁済されております、当時されました。そのうち、この七月末現在で一万三千トンが外国航路船向け等一部の特殊な需要に対する、これはもう外国に行ってしまいますので丸米販売でございますが、全量を破砕加工の上、主食用以外の用途販売、まさに今米粉を推進しておりますが、そういったものとして今販売をされて、管理をきちっとさせているところでございます。
  78. 平野達男

    平野達男君 だから、その程度の説明では納得しないということですよ、今回の事件は納得されないということです。  私は大臣に要望しておきます。今回は汚染米についての要するに実態解明をするということで検証委員会を設けるというふうに言っています。この際、正規米それからミニマムアクセス米の飼料米、飼料用米、加工用もそうですね、こういったものが流通形態でどういうふうになっているか、これもきちっと検証して、いや、大丈夫だというので答えになると思います、ならなくちゃおかしいですから。これは併せて私は検証すべきだと思いますが、大臣、どうでしょうか。
  79. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 今までの事故米の処理についての制度が性善説にのっとってできていたということで、これは十分な責任が果たせなかったわけであります。恐らく、今御指摘のその他の種類の米についても性善説にのっとっているものもあろうかと思いますので、今の御指摘を踏まえてよく検討してまいりたいと思います。
  80. 平野達男

    平野達男君 検討というか、是非検証委員会を立ち上げて、きちっと報告を出して国民に説明するということを約束してください。
  81. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 今御指摘を受けてのことでございますので、責任のある形というものを考えたいと思います。
  82. 平野達男

    平野達男君 それから、風評被害、これは本当に大変ですね。野村務官、何か一言、言いたいんじゃないですか。どうですか。
  83. 野村哲郎

    大臣政務官野村哲郎君) 私も被害を受けた県の一人でございまして、この風評被害、国民の皆さん方にまずはこういった起こったことに対するおわびを申し上げなきゃならないんですが、一方で、知らずに買った善意の第三者、そしてしょうちゅうメーカーの皆さんやあるいは菓子メーカーの皆さん方、これも同じ私は被害者だと、消費者と同じ被害者だという気持ちでおります。それゆえに風評被害というのは大変心配になっておりますので、科学的な知見に基づいてきちっとその安全性を、今県の方でも、そしてまた国の方でもちゃんとやっていただこうということで鋭意やっているところでございます。  本当に風評被害があってはならないというふうに思っておるところでありますが、いかんせんやっぱり、いろんな形でこれだけ毎日マスコミに流れますと、いろんな消費者の不安がやはり増幅されてきて、そしてそのことがメーカーの皆さん方にも大変迷惑を掛けているということについてはおわびを申し上げなきゃならぬというふうに思っております。
  84. 平野達男

    平野達男君 本当にしょうちゅうなんかは蒸留しますと、蒸留しますから、蒸留する前に米もきっちり洗いますし、これこそ大臣言葉ではないですけれども、私はこれは本当に安全だと思います。だけれども、本当に初期のいろんな情報発信を誤ってしまいますとこういう風評被害につながってしまうということなんだろうと思います。これを完全に風評被害を抑えるということは難しいんですけれども、今ずっとこうやって初期の段階からを振り返りますと、やり方をもうちょっと考えれば風評はこんなに大きくならなかった可能性があります。  そのことに関して一言申し上げておけば、私は、九月十六日付けで大臣談話が出ました。大臣が謝罪する旨の言葉を出しています。謝罪というか、今回について責任を痛感しておりますという言葉を出していますね、九月十六日付け。私に言わせれば、本当遅かったですね、これ。これを一番最初に出すべきでしたよ。このことは意見として申し上げておきます。  それから、今の、先ほどの答弁の中で局長、平成十九年三月三十一日の通達と言いましたね。双日から、双日からですよ、三笠に米を売ったのは十八年度です。その通達出てないんですよ。十八年度というより、十七年度だったと思います。だから、その辺の事実関係もあいまいですよ。今ここで、もう時間がありませんから、その分も含めてきちっと精査しておいてください。こういった部分に対して担当局長が、繰り返して申し訳ないんだけど、きちっと事実認識を把握してないこと自体、やっぱり問題だということを再度指摘させていただきます。  それで、最後の質問になりますけれども、これ、通告しておりませんが、大臣にお聞きいたします。  これは、政府売却工業用加工米横流しのおわび及び釈明ということで、三笠フーズの冬木社長が出したコメントであります。この中に宮崎一雄顧問の発言として、上手にやればもうかる、私は十数年来やってその方法、やり方を熟知していると教唆されというふうにあります。  この発言と、先ほど産経新聞の記事を報告しましたけれども、農林水産、いわゆる幹部たる者の発言というのは、随分符合する感じがあるんです。  大臣、ここのくだりについて、釈明について、本文、文章を読まれたかどうか分かりませんが、かなり新聞報道でもされましたので、こういう発言があったことに対してどのような感想、認識を持たれたでしょうか。
  85. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 民間の企業の中のことでございますから、それぞれ人間関係やあるいは取引というのがあると思います。その中で確かに言われているようなことはあったのかもしれませんけれども、農林水産省のその幹部というのは私は本当に幹部なのかどうか分かりませんけれども、私の接触している限りでは、全く性善説に立っていたという以外の何物でもないわけでございます。
  86. 平野達男

    平野達男君 私は、この発言は本当に、たかが、たかがというのは失礼ですけれども、一個人の発言として看過するわけにはいきません。当委員会として是非、当委員会として是非、宮崎一雄顧問それから冬木三男社長、これは米の流通形態の実態を明らかにするという意味において非常に重要だと思いますので、当委員会で参考人として呼んで、後日審議してくださることを提案したいと思います。
  87. 郡司彰

    委員長郡司彰君) 平野委員の申出につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
  88. 平野達男

    平野達男君 私の時間になりましたので、終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  89. 福山哲郎

    福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。  今日は農水委員会質問の機会をいただきましたこと、それぞれの委員の各位に心から御礼を申し上げたいと思います。  私にいただいた時間が三十分しかありませんので、もう単刀直入に申し上げたいと思いますが、実は十二日に流通の経路が明らかになったときに、新聞報道も多く出されました京都市の上賀茂保育園というところがございます。これは私事で恐縮でございますが、この上賀茂保育園の前の園長先生が私の高校の担任の先生でございまして、今、息子さんが園長先生をやっておられます。報道で知って、私、次の日に慌てて保育園に行っていろんなお話を伺ってきました。  もう、まさに憔悴し切っておられまして、対応が早かったもので保護者の方への説明もちゃんと十二日の夜にされて、その後すぐに京都市も動いていただきまして、その元々残っていた在庫のパックと、それから料理をしていた赤飯も検体をいたしまして、今その安全性について、まあ大丈夫ではないかという議論が出て、我々もほっとしているところでございます。昨日も検尿、園児百五十人ぐらいですが、検尿を実施されまして、今日、全員の健康診断をやっていらっしゃいます。健診をやられています。つまり、このぐらいのことをそれぞれがやって初めてやっと安全だと。  当時、保護者の方は、親の知らないところで目に見えないものが子供の中に入っていたと、体内に入っても安心な量だと説明されても安心はできないと、ただし保育園には罪はないのでといって、大変保護者の方も冷静に対応していただきました。  そのような親や、それから老人ホームや老健施設でも実際に流通していることが明らかになったときの御家族のことを考えたときのあの大臣の無責任な、人体に影響ないということは自信を持って言えると。まさに、先ほど平野委員がおっしゃいましたように、どのぐらいの汚染の広がりがあるのか、どう流通しているのか、それぞれの商品濃度が明らかに全くない段階であのような発言をしたことの無責任さに私は大変憤りを持っておりまして、まずそのことについて、先ほども釈明はございましたけれども、一言お願いしたいと思います。
  90. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 先ほども申し上げましたけれども、私が申し上げたのは内閣府の食品安全委員会見解について申し上げたことでございます。内閣府の食品安全委員会が示した見解について私が述べたものでございます。
  91. 福山哲郎

    福山哲郎君 もうこの話は幾らしてもしようがないですが、大臣発言はそんなことは全く発言の前後にもありません。人体に影響ないということは自信を持って言えると、だから余りじたばた騒いでいないという話で。で、安全宣言かと聞かれると、いや、そうではないと。全く何を言っているのかよく分からないというのが実態でございまして、この話は大臣の不適格性を現しているのでもうこれ以上求めませんが。  それで、実は大臣が先ほどから声高に言われている再発防止策のところでございます。  事故米穀販売をやめ、輸出国等への返送や焼却等廃棄処分をして流通しないようにするんだと言われています。お手元に資料をお配りしておりますが、これ、厚生省の検疫官からお伺いをした資料でございます。そこから若干抜粋をして作りました。  実は、メタミドホスを始め今回流通経路がより明らかになっているのは、大臣の言われた事故米として検疫所でもう既に排除されて、そして積み戻しなのか廃棄なのか、更に言えば、非食用として外へ出すのかの選択をされる事故米の話ではありません。もちろん、これも、先ほど平野委員が言われたように、商社を通じて外へ出てきています、三笠フーズにも入っていますが。実際には政府食用として保管をしていた中で汚染米として出てきたものについて今回流通をしているわけです。  今大臣の言われた廃棄と積み戻しをしてなるべく流通しないようにするということは、それはもちろんですが、それだけでは足りません。今問題になっているのは、食用として入ってきて保管をしながら汚染米としたものに対して流通しているわけですから、そのことについての認識について全く言及がないことについて、大臣、御答弁ください。
  92. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 私から大臣の談話等、冒頭発言、補足をさせていただきたいと存じます。  まず一点目、水際で出たものにつきましては、おっしゃるとおり今後は返送するということでございます。また、これと併せて、いったん入って、国内で保管している間に食品衛生上問題があるようなもの、これにつきましてももう国内流通はさせない、消費者の方に不安を抱かせないように国内流通をシャットアウトするというのを基本とするということで、食品衛生上問題があるものについての扱いは中に入っても同じというふうな方向で今整理、今決定していただいたところでございます。
  93. 福山哲郎

    福山哲郎君 それならもっと早く明確にされればいいじゃないですか、大臣。何でそのことの言及はされないんですか。
  94. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 私は言及しているつもりでございますが、何か途中で言葉の使い方が間違ったのかもしれませんけれども、要するに、戻せるものは返す、返せるものは返すと、返せないものは焼却など廃棄処分にするということでございます。
  95. 福山哲郎

    福山哲郎君 じゃ、お伺いしますが、今まで廃棄、積み戻しがされなかった理由は何ですか。
  96. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) このお配りしていただいた表にもございますが、検疫所長からこの三つの選択肢が示されまして、輸入者の判断ということで工業用として処理をされたということでございます。
  97. 福山哲郎

    福山哲郎君 ですから、今まで輸入者の判断として工業用として処理されたものを政府が積み戻し、廃棄に決められる根拠は何ですか。
  98. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) これは今後の取扱いでございますが、私ども、この輸出国等への返送につきましては、具体的には国と輸入業者が契約をいたします、そのときにこういった問題があった場合は返送するということを明記して担保したいと考えております。
  99. 福山哲郎

    福山哲郎君 はっきり申し上げますが、商社は積み戻すとしても廃棄するにしても、コストが掛かるから工業用として外へ出させてくれと言ってきたわけでしょう。そのコストの負担はどうするんですか。契約をするとおっしゃいますが、現実の問題として今までできなかったことが今回できることの根拠を明確にお示しください。
  100. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) この点については更に詳細な規定ぶり等を詰めようと思っておりますが、確かに一義的にはその時点では輸入商社の負担となるわけでございますが、かかることがないように輸出国側に対してきちっとした衛生上の担保をするという働きかけをしていくというふうに考えております。
  101. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) なぜそんなことをしていたのか、なぜすぐに戻さなかったのかということについては、私は、最後の負担はこれは輸出をしている国とか輸出をしている国の生産者あるいは取扱業者の負担になると思います。転嫁されていくはずでございます。そこのところが、輸入をした方に責任が生じて余分なコストが掛かるんじゃないか、事故米工業用として処分した方が安上がりだというふうに局部の計算をしたんではないかというふうに思います。
  102. 福山哲郎

    福山哲郎君 じゃ、正直言って、このことが実現されるかどうかについてはまだ根拠も、それから相手国との交渉も、それから輸入業者との交渉も含めてまだだということですね。
  103. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) その責任を、輸出業者として責任を負いたくないというところからは買わないという自由はあります。
  104. 福山哲郎

    福山哲郎君 ということは、そのことをもってこのことを実現すると、別にこのコストについては国が負担をするという判断ではないということですか。
  105. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 基本的には、輸入するときの契約で相手側の国においてその基準値を超えたものだけを輸出することになっておりますので、その負担は基本的には相手方の負担になるというふうに考えております。
  106. 福山哲郎

    福山哲郎君 基準値を超えていないものですよね、を輸出することになっているんですよね。  だけど、国内にいったん食料米で入ったものについてはどこが責任か分からなくなりますよ。
  107. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 国内に一回入ってしまったものについては、先ほど言いましたように、焼却など廃棄処分にするわけであります。そのためのコストは当然掛かるわけでありますけれども、それは誠に申し訳ありませんが、財政負担でやらなければいけないということであります。
  108. 福山哲郎

    福山哲郎君 そこまで一応御決意をいただいたので、早く制度を整備して、根拠のない状況でこうやって宣言だけ、スローガンだけ言われても我々は信用できません。それはなぜかというと、実際にこうやって非食用だと言われているものが転送されて流通しているからです。そこについてはしっかりと根拠を示していただきたいことをまず強く申し上げます。  それから、次の質問に行きます。  これらの事故米について、本省側からそれぞれの農政事務所に早く売却をして処分しろという命令を出した事実は一度たりともあったかなかったか、明確にお答えください。
  109. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 御質問でございます平成十八年四月十一日付け、総合食料局消費流通課長名で「政府所有物品(事業用)の亡失・損傷事故に係る迅速な処理について」という文書を各農政事務所長等に発出しております。  これは事故に係る一連の処理につきまして長期を要しているものが見られ、会計検査院等から事務処理が遅いとの指摘を受け、事故品の早期売却、求償又は無責認定の伺いの提出等、迅速な事務処理に努めるということを指示したものでございます。
  110. 福山哲郎

    福山哲郎君 まず、本省側から早く売却しろという指示をあちこちに出していると。  次です。じゃ、本省や農政事務所から業者に対して早く買ってくれというようなことをお願いをしたり指示をしたりしている事実はありますか。
  111. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 事故米穀の買受け資格を有する方々に対して入札等での積極的な参加を要請するということは過去にあったというふうに承知しています。  ただ、この入札を促すこと自体は、複数の方が参加するわけでございます。より競争性が高まることは期待できるということから、競争入札の趣旨を踏まえますれば、一概に否定すべきものではないと考えております。
  112. 福山哲郎

    福山哲郎君 これ、実は回答いただかなかったんですけど、昨日から何回も要請をしていますが、じゃ、三笠フーズは五十五回、四年間で購入をしていますが、随意契約の占める割合はどのぐらいですか。
  113. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 五十五回のうち随意契約は四十四回でございます。すべて理由は少額、五十万円未満であるためでございます。
  114. 福山哲郎

    福山哲郎君 それから、後でもう一回このことを聞きます。  三笠フーズは平均すると、五十五回のうち、キログラム十一円で大体この事故米を入札をしています。もし本当に工業用ののりの原料に使われると仮定したとしても、工業用のりの原料価格は三円から十円です。十一円で仕入れています。工業用のりの原料価格は三円から十円です。  いいですか、本当に工業用のりのために売却するんだったら、三笠フーズに対して国は赤字をのめと言って随意契約していることになりますよ。分かりますか。赤字をのんで買ってくれと言ってお願いをしている。これ、すごく重要なんです。じゃ、何で赤字をのめと言われて三笠フーズはわざわざ随意契約でそれを買うんですか、民間が。おかしいでしょう、普通で考えれば。  類推すれば、類推ですよ、私は特定はしませんが、赤字だけど、どうせ工業用のりに使わないんだと、転用してもうかるんだろうということをどこかの時点で知っていると類推されても仕方ない状況だと思いますが、いかがですか。
  115. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 事故品のこの売却でございますが、事故処理要領というもので指名競争入札又は見積りの随意契約で実施するとされております。このため、入札の参加有資格者のうち、実際に当該物品の入札に参加した者の中で最も高い札を提示した者が落札、契約するということになります。  ただ、今思えば、落札価格が他の事故米買受け者より高いということも念頭に更に適切に調査進めるような余地があったんではないかと、この点反省しております。
  116. 福山哲郎

    福山哲郎君 いや、違うんですよ。随契で五十五回のうち四十四回も三笠に行っているんですよ。で、先ほどまさにお話をいただいたように、本省から農政事務所に早く売れと言っている。そして、現実の問題として、あなたは明言しなかったけど、もう一度言います、入札公告ではなくて随契でやっている四十四回について、農政事務所の方から三笠フーズの方にとにかく買ってくれというような接触は本当になかったのかどうか、お答えください。
  117. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 当然のことながら、買受け資格がある方には連絡をしておるということでございます。
  118. 福山哲郎

    福山哲郎君 今のはほぼ認めたことになるわけです。  ですから、構図としては、本省から早く売却しろと言って、農政事務所はそれを早く売却しなきゃいけないという状況の中で、現実にそれを三笠フーズに対して随意契約で、おい、出ているから買ってくれという交渉をしている、なおかつ、そのコスト工業用ののりの原料に使うより高く。普通なら、何で三笠フーズが買うんだろうなと思いませんでしょうか。  これ、もう一回御説明いただけますか。
  119. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 繰り返しになるかもしれませんが、過去に購入実績がある者に対しまして入札を促すこと自体、これは一概に否定すべきではないと考えております。  ただ、いろんな報道もされております。私ども、事実関係を正確に把握する必要があると思っております。今、三笠フーズが購入した経緯、こういったものについて確認を進めているところでございます。
  120. 福山哲郎

    福山哲郎君 全く納得できないんですけど。  それでは、先ほど平野委員も御指摘をされた九十六回の検査について御質問をします。  なぜ把握できなかったのかというのはもう先ほどからさんざん言われていますからあれなんですが、私もこれ見ました。実は、垂れ込みのあった、通報のあった平成十九年の一月の二十九日から一気にこの立会調査が増えています。何と、平成十九年の一月の二十九日から四十八回、今年に入って何と三十二回立会調査が行われています。  現実の問題として、この立会調査はどういう基準で行っていますか。これね、ほとんど今年に入ってからですと三日に一遍とか一週間に一遍なんですよ。簡単に言うと、平成十九年の一月二十九日の通報があってから圧倒的にこれ増えているんです。どういう状況でこれ行っていますか。
  121. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) そういった情報が提示されたということで、横流れ防止のための立会を、結果的には不十分でしたが、強化をしたということかと存じます。
  122. 福山哲郎

    福山哲郎君 強化をした。  実は事前通報があったかどうかが大変な争点になっているんですが、事前通報って、大臣、これ、ないんですよ。なぜかというと、これ全部見ていただいたら分かるように、工業用のりに加工するのに米粉に加工するんです。その状況の、加工を見てきたという報告が全部書かれているわけです、さっき言われたように十時から十二時がほぼ決まった時間なんですけれども。この日数は加工をされている日数なんです、加工を形だけしたときの日数なんです。  これ、あれですよね、事実を認めてくださいね。三笠フーズから加工をしますという報告を受けてこの人たちは、農政事務所からは検査に出向いていますよね。
  123. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 地方農政事務所の立会い確認でございますが、契約に基づきまして加工計画書というのを提出することになっております。その中に加工日というのが書いてございます。その加工日のうちの中から日時を決めて立会い等を行ってきたということでございます。
  124. 福山哲郎

    福山哲郎君 加工日が決まっているからその加工日に行きます、行って形だけ加工をしてもらって、当たり前のようにいつも同じような報告書を書いて、十時から十二時、いるかいないか分かりません、昼御飯をごちそうになったかどうかも分かりませんが、帰ってきます。  現実の問題として、じゃ、加工日以外に転用されていたり流通で事故米が流されていたりしていることについては全く関心がなかったわけですね。
  125. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 九月五日にこの不祥事を知りまして、明けて月曜日に農林水産省幹部を呼んで、そのときにこの件については報告を聞きまして大変びっくりしたわけであります。  予告をして、予告をして検査に行く、あるいは一年間のうちのいついつ定例日に検査を行く、あるいは相手側と都合を調整して行くということをやるんでは検査にならないわけでありまして、立会い検査というのは抜き打ちでやるもの以外は立会い検査と言わないと。だから、以後は検査というときには抜き打ちでやらなければいけないという制度に変えるということを決めたところでございます。
  126. 福山哲郎

    福山哲郎君 そんな今の話を聞いているんじゃないですよ。事実を述べてください。  つまり、加工日を農政事務所は三笠フーズから聞いて、更に言えば、その時間まである程度毎回同じ時間に行って、その状況を見せられて、その報告を書いて帰ってきたということですよね。
  127. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) そのときに、九月八日に私が聞いた話では、相手側と日程調整をして行ったというふうに聞いております。今委員が御指摘の点はその中に含まれるかと思います。
  128. 福山哲郎

    福山哲郎君 つまり、加工日を教えてもらって、向こうは偽装することを手ぐすね引いて待っているところに行って、はい、やりましたよといって、そして、それに沿って報告を書いてきたのが九十六回なわけですよ。こんなの検査って言わないでしょう。  よく言われている話ですが、運送伝票を確かめられましたか、出荷伝票を確かめられましたか。銀行の帳簿、銀行伝票を確かめられましたか。
  129. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 今御指摘の点はそのとおりでありまして、前もって通報して行くのは、これは検査と認められないということであります。
  130. 福山哲郎

    福山哲郎君 いや、違う違う、後半の部分です。
  131. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 確認につきましては、全く今考えると調査方法大きな問題があったんですが、加工をする現場を、加工するところを見るということでその日時に行っていたということでございます。また、これと併せて、台帳によりまして工場の受入れ数量と販売数量の確認を行ってきたということでございます。
  132. 福山哲郎

    福山哲郎君 それは確認とは言いませんよね。  じゃ、どういうことで三笠フーズはその偽装加工の合間をくぐって事故米を流通させていたと農水省はお考えですか。  もう大臣、結構です。
  133. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) そこで二重帳簿等で見抜けなかったわけでございますが、そのときだけやっていて、あとはまた出荷等をしていたということかと思います。
  134. 福山哲郎

    福山哲郎君 二重帳簿もくそも、だって皆さん、加工した状況を見て、この報告書を見れば分かるじゃないですか、加工していますと。加工した状況だけ見て、何パック加工しましたというのを見て、それで帰ってきているわけでしょう。その加工している以外の時間に汚染米を転用しているわけでしょう。悪いですけど、どこにそれが行っているか、少しの知恵があれば、出荷伝票を見たらすぐ分かる、数が合うか合わないかを見ればすぐ分かる。  いいですか、在庫の汚染米から、事故米からどの程度の米粉ができて送られているか、数合うじゃないですか、すぐに考えれば、計算すれば。それ、合わないはずなんでしょう、現実には一部しか加工していないんだから、偽装しているんだから、あなたたちに見せているときしか加工していないんだから。  これも私は、類推です、決め付けません。しかしながら、先ほどの、買えと言われて、買えと言われて、例えば原材料価格がコスト割れにもかかわらず買えと言われて買って随意契約をしていたこと等を含めて、九十六回、なおかつ通報があった後も加工日を教えてもらって行っていた、十時から十二時の決まった時間だったと。これ、本当に農水省は知らなかったんでしょうか。これ、もし知っていたとしたら共犯ですからね。  もし疑いがあるんだとしたら、怪しいんだと思っているんだったら、それこそさっき私が申し上げた銀行帳簿にしたって出荷伝票にしたって、見ようと思えばそのチャンスは幾らでもあったはずだ。どう思いますか。
  135. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 今御指摘いただいたように、この調査方法、非常に不十分であった、出荷台帳を見て出荷先に行けばそれは押さえられただろう、全く御指摘のとおりだと思います。大変甘い調査方法だったというふうに反省しているところでございます。
  136. 福山哲郎

    福山哲郎君 それともう一点、平成十九年の一月の二十九日に最初の通報がありました。そのときに、実は我々の部門会議での報告書にも書いていないんですが、一体いつどのような調査をこの通報の後にしたか、実は報告書を持ってきてくださいと何度も申し上げているんですが、一切出てこないんです。  実は、一月の二十九日にこの通報があって、平成十九年のこの立会は、三月の六日まで約二か月、間が飛んでいるんですよ。この間調査をしていたというのが、僕は善意に解釈したいと思いますが、その報告書、全く持ってきてもらえない。なぜですか。
  137. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 確かにその間に調査をしておりまして、やっております。また、今回は立会の九十六回の分の資料要求ということで私ども承知しておりまして、出させていただきました。その分の取扱いについてはまた中でよく相談をさせていただきたいと思います。
  138. 福山哲郎

    福山哲郎君 相談って、けしからぬことを言わないでください。当たり前でしょう、最初の通報の後に農水省がどんな調査をして、その結果をどういうふうに本省に報告したかをここに出すなんというのはもうごく当たり前で、相談という言葉が出てくること自身、けしからぬと私は思う。  大臣、こんなの当たり前でしょう、資料を出すの。当たり前ですよね、こんな資料出すの。
  139. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) ちょっと……
  140. 郡司彰

    委員長郡司彰君) 質問、もう一度繰り返してください。
  141. 福山哲郎

    福山哲郎君 大臣、時間もったいない。いいですか。いや、時間ないから、大臣、お答えください。
  142. 郡司彰

    委員長郡司彰君) 通告があって以降、二か月間の間の報告書を出していただけますかという質問です。
  143. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) それは提出させます。
  144. 福山哲郎

    福山哲郎君 つまり、これも、申し訳ないですけれども、通報があって調査を形としてはしたけれども、一月の二十九日通報があった後、三月の六日から立会調査がスタートするわけです、再開するわけです。再開をしますが、それは、頻度は増えています。頻度は増えているけれども、加工日を教えてもらって同じように行っている、それで同じような報告書を書いている。  これ、この二か月出してくれていない報告書の中身を見ないと、精査しないと言えませんが、これは、下手すれば農水省、不作為責任問われますよ、こういう通報があったにもかかわらず、数だけ増やして、アリバイのように調査回数は増やしましたと。これ、大臣、そういうことを言われてもしようがないですよね。
  145. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 九十六回、五年間に九十六回だということがまず頭にありましたけれども、もっと間隔を縮めればもっと頻度が多いということで、これはおかしいと、異常であります。私は、そういう今言ったような、委員の御指摘のようなことも考えられるし、また、販売の担当者と検査の担当者兼ねているからどっちの用で行ったのか分からないというぐらいに思っております。  したがって、これは、今日か明日にも内閣府に第三者委員会が立ち上がりますので、立ち上げましたので、そこで第三者の目から厳正に見てもらいたいと思います。
  146. 福山哲郎

    福山哲郎君 第三者委員会は、それは政府責任でやってください。しかしながら、我々は国会の場にいる者として、これだけ不審なものが出てきて不透明な状況の中で、第三者委員会はそれは政府責任でやればいい。しかし、国会は更に継続して開会をしていただいてこの問題については徹底的に追及していかないと、国民の食の安全に対する不安と不信感は払拭できないと私は思うんですよ、これ、実は流通経路まだまだ解明されていないことたくさんありますから。  大変実は問題で、もう一つ最後にこれを指摘して終わりたいと思いますが、先ほどの話で申し上げると、流通経路が複雑なので中に仲介業者がたくさん入りますから、値段が最初は三笠からは安く出ても、そのうち価格がオンされますから、最終消費者の近くに来れば来るほど値段は変わらなくなるわけです、普通の商品と。そうすると、最初の上流の業者の方は、値段が普通に比べれば異常に安いわけですから、何らかの形でこれはおかしいんじゃないかということは分かっているはずなんです。  私は、実はある業者の方にヒアリングを、直接聞きに行きました。名前は絶対出すなとおっしゃいましたけれども、現実には安い米が入ってきたら、これは何らかの危ない米なんじゃないかというのはみんな分かっていると言うわけですよ。つまり、そこで、善意の第三者ではなくて、ある種、三笠フーズが安く卸しているのは分かった中で流通をさせている業者が一体どの程度のレベルなのかというのも、これもすごく特定のしにくい難しい作業なんですね。そのことをもって実は全部の業者を一遍に公表したことの公表基準の正当性も含めて、これは明確にちゃんと説明をしてもらわないと困る。  私のヒアリングをしたある業者の方は、これはまずいと思って、付き合いだから引き取ったけれども、在庫でずっと置いておいて全然使っていないと。でも、名前が出てしまって今、頭を抱えているとおっしゃっているわけですよ。先ほどの上賀茂保育園なんか、最終消費者として、園児に調理をするときに、頼んできたら、調理をして渡したら、それが残留農薬基準の二倍だったと。もうたまらぬですよ、こんなの。分かりますか。  そのスタート時点で、農水省が先ほど申し上げたようなことを、余りにもいいかげんなことをやっていることに対する農水省の責任というのは、これ重大ですからね。そのことを指摘をして、まだまだ未解明な部分がたくさんありますので、更に委員会をやっていただきますことをお願いしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  147. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 民主党の高橋千秋でございます。  引き続き質問をさせていただきたいと思います。  私、今回の事件で大変残念に思うのは、昨年、米価が大幅に下がって緊急買い付け等の措置も行われました。多くの農家も努力をしながら今やっている中で、最近、食料品の暴騰等で米がようやく見直されるようになってきて、米はいいんじゃないかという雰囲気がつい最近まであったんですね。ところが、今回の件で、これは事故米という一般的にはほとんど知らないことまでマスコミに流れて初めて事故米という言葉を知った人が多いと思うんですが、これがすべての米をイメージを悪くして、米自体に、今一生懸命、今は収穫の時期です。この時期にこういうダメージを与えるということは生産者にとっても消費者にとっても物すごく大きな影響があるということを農水省も理解をしなきゃいけないし、しかし、ここまでの経過を見ていて、私たちの民主党の部門会議に来ていただいていろいろ返事を聞いても、全く当事者意識に欠けるというようなイメージを持ったのは私だけではないはずです。  連日の報道の中でも指摘されているのは、農水省そのものが今回のこのことに対して、先ほど福山さんの方から共犯だという話もありましたけれども、私は共犯というより主犯じゃないかなというふうに思います。一番悪いのは確かにこれを流した流通業者であろうと思います。しかし、これをちゃんと取り締まってこなかった農水省が私は主犯じゃないかなという、多くの国民は最近思い始めているのではないかと。  これは生産者にとっても消費者にとっても大変不幸なことです。是非このことをまず反省をしていただきたいと思うし、最近、大臣もおわびを申し上げるとかいろいろ言われておりますけれども、私はやはり上辺だけのもののような感じがまだまだしておりまして、是非とも早急な対応をまずお願いをしたいと思います。  それで、先ほどの検査のことについて引き続きお聞きをしたいと思います。  私は、今週の火曜日に大阪の米の関係者に会っていろいろ話を聞いてまいりました。米の業界のこと、そして大阪の米の業界、九州の米の業界の話もいろいろ聞いてまいりました。  その中で、私が部門会議で、この九十六回の検査、事前通告は何回したんですかという質問をその部門会議でさせていただきました。そのときには返事がありませんでした。当日中にというお話でありましたが、その当日中にも返事がありませんでした。  ほかの三社、全部で四社挙がっています、三笠フーズ、浅井、太田産業島田化学工業。この四社に何回検査に入って、そのうち何回事前通告をして入っているのか、まず教えていただけますでしょうか。
  148. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 三笠フーズ外三社に対します立会い調査の回数でございます。  過去五年間で三笠フーズが九十六回、株式会社浅井が十六回、太田産業株式会社が二十七回、島田化学工業が五回となっております。いずれも事前に連絡した上で立ち入っているということでございます。
  149. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 部門会議では事前通告をせずに入ったのもありますというようなことも言われていました。九十六回、その三笠フーズの九十六回のことでそのときに話になりましたけれども、九十六回のうち何回事前通告をしたんですかと何回も何回も聞きました。それは、その一週間前に私たちが開いた部門会議でその九十六回のうち何回事前通告をして入ったのかということを明らかにしてくださいという質問、要求をして、そしてそのときにもお答えがありませんでした。ほとんどが事前通告というか、もう全部事前通告だと。  さっきからいろいろお話がありましたけれども、事前通告をして入る、どのような事前通告をするのかと現地でいろいろ聞いてきました。あしたか二、三日うちに、この日に入りますと。さっきの話で、計画があったその日に行くということですから、むしろ業者の方からこの日にやるから来てねというような、そんな話かも分かりませんが、しかし、この日に入りますから帳簿をちゃんとそろえておいてくださいね、ちゃんと受け入れられるようにしておいてくださいねという事前通告をして入ってくると、それがあの業界の何か常識だみたいなことを言われております。これははっきり言って検査と言わないですよね。  先ほどの福山さんの話で、帳簿も見ていない。工業用として売るしかないということであれば十円そのもの自体が高いのかも分かりませんが、その売り先まで行って伝票を見たらもう簡単に分かる話ですね、幾らで売っているのか。十円のものが例えば十一円ぐらいで売ったとしましょう。一円ぐらいの利益であったら、それは工業用としてまだ使う可能性はあるかも分からない。しかしそれが、十円のものが売り先へ行って伝票を見たら購入価格が百円だとすると、これは明らかにおかしいというのはすぐだれが見ても分かるんですね。  これ、売り先、その先まで調査に入ったことはあるんでしょうか。
  150. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 申し訳ございませんが、ございません。
  151. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 そうすると、この九十六回、ほかのところも、まあほかのところに比べるとこの三笠フーズ九十六回というのは、さっき大臣も言われましたけれども大変多い。内部告発があったからということかも分かりませんが、しかしこの九十六回というのは異常に多いんですね。計算してみると、五年で九十六回というと、毎日入っている日がありますが、平均しても二、三週間に一回行っていると。業者側からしてみると何かうっとうしいなというふうに思うかも分からないぐらい入っているんですね。何をしに行っていたのかと。  ここの、先ほどから話題になっていますこの報告書のコピー、これをほかの業者も出してくださいという、ほかの業者調査のコピーも出してくださいということを我々部門会議でお願いをしておりますが、まだ出ておりません。これは是非、当委員会としてもほかの三社の調査報告書のコピーも出していただけるようにまず委員長にお願いしたいと思います。
  152. 郡司彰

    委員長郡司彰君) その問題については、後刻理事会にて協議をいたします。
  153. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 この報告書の幾つかを見ると、例えば今年の五月二十六日から二十九日まで毎日入っています。毎日入っていますが、そのうち、毎日というのは四回入っているんですね。四回のうち二十六日、二十七日はまた別の人、二十八日、二十九日と同じ人が二回入っています。それも時間を見ると約一時間から二時間ぐらいしか滞在をしていません。報告書を見ると在庫の量が書いてあります。在庫の量というか、そのときに加工した量が書いてあります。指摘事項、四枚ともなしか空白、何も指摘してありません。それで、その中で五月二十七日に入った方の報告書を見ると、加工終了まで確認できずと書いてあります。つまり、行っただけなんですね。行って米粉にしている現場を見た。さっきの話で、帳簿も見ていない、伝票も見ていないということは、これは類推で、先ほどの平野さんの話じゃありませんが、弁当食べに行っただけかと、そのように思われても仕方がない、そういう報告書です。  ほかの報告書、出張伺等を見ると、どこそこへ行ったと、そういう報告書で、復命書が書いてあります。上司の、所長以下の皆さんの判が押してこれは確認をされています。ところが、ほとんどが同じような内容しか書いてありません。全部見ると、やはりほとんどがその袋の数を数えただけ。これははっきり言って検査と言わない。むしろ、私は、不正を隠すために、農水省は知っていて、これを不正を隠すために既成事実として行った、そういうふうに思われても仕方ないと思うんですが、いかがでしょうか。
  154. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) この立会い調査のやり方、特にこの報告書について御指摘をいただきました。  私どもは、あくまでもきちっと横流しを防止するという観点で入っていたというふうに、そういう横流しがあったというふうな認識はないというふうに思っておりますが、今御指摘のような御意見が出てきているということも承知しております。報道等で承知しております。
  155. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 それじゃ、別の角度で聞きたいと思います。  今回のこの事故米工業用に使う、口には入らないという形でしますということなんですが、いわゆる工業用のりという、昔、私のひいおじいちゃんなんかは御飯粒つぶしてのり張ってくれましたよ。そんなのりに米をそんなに使っているのか。これ、全部で流れたのが数千トンあります。数千トンも米をのりに使っていたのか、その辺の工業用の需要量を農水省としてどのように把握をされているのか、そして本当の実績のところを教えてください。
  156. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 工業用のりの需要量でございます。  この用途は、いわゆるベニヤといった合板の接着剤用の工業のりということでございます。私ども、日本接着剤工業会の統計資料等拝見いたしますと、出荷量は、これは平成十七年でございますが、二十九万三千トンということでございます。私どもがこの九月に実施いたしました調査によりますと、この合板接着剤の増量剤、これが米粉が使われているものでございますが、全体の一五%ということで、増量剤の需要は約四万四千トンというふうに推計できるわけでございます。この中で米粉の使用割合は、最大ですが、三分の一ということでございます。四万四千トンの三分の一ということで、年間一万五千トンというふうに推計できるところでございます。  また、この事故米の年間販売量でございますが、数千トンでございます。幅はありますが、一万五千トンというのはそれを上回っているということでございます。また、このほかにもバイオプラスチックですとか道路の下に敷きます人工骨材、そういった用途も、需要もあるというふうに考えております。
  157. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 のりの業界の方に聞いても、最近、米を使ってそんなものを作っているというのは聞いたこともないという声がほとんどです。今の数字は、統計上出されている数字が本当かどうか疑わしいところがありますので、是非もう一度御確認をいただきたいというふうに思います。  しかし、実際に今回のこの事故米として流れたうちで、工業用として本当に使われた分はどれだけあるんですか。
  158. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 現在、まさに全量解明ということでこの三笠のルート、また同様に事故米を処理した買受け業者、これについて全国一斉調査をやっております。早急な取りまとめに向け努力したいと思います。
  159. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 まさにそこが問題で、それを把握していなかったこと自体が大きな問題です。  大体が、のり業界の方々はほとんど使っていないということを、一般の方が聞いたらすぐ分かるような話も農水省がもし把握をしてなかったとしたらこれは情報不足だし、これはちゃんと情報を取ってなかったこともおかしな話です。一方で、もしそれを知りながら売っていたとしたら、これはもっともっと大変なことだと思います。私は、この点をもう少し調査をしていただいて、まあ調査していただいてというか、多分農水省知っていたんじゃないかと私は類推をしますけれども、この点は明らかにしていただきたいというふうに思います。  それで、先ほどから大臣の方でも責任問題が出ました。今回のこの件で多くの小さな菓子メーカーとか、菓子メーカーというよりお菓子屋さんですね、九州の方のお菓子屋さん、随分名前が挙がりました。そういう方々にとってみれば、まして寝耳に水のような話でしょう。今朝のニュース等でも、名古屋の方の老舗のお菓子屋さんがこれが入っていたということで、そこの社長は事故米という言葉すら知らなかったというようなことがあります。  さっき大臣責任を取りますというお話をされておられましたが、どの範囲まで責任を取られるのか。私は、これ、地元の方でも聞くと、国に対して、農水省に対して賠償請求したいというような話も既に流れています。今回のこの公表に当たっては、そのような発表をされるとつぶれてしまうからよしてくれというお話もされた企業もあるようです。しかし、農水省からのお話は、つぶれてもいいから出すというふうに言ったと。そのことに対して、農水省に対して大変怒りを覚えて、これは国家賠償請求をしたいというような話があります。  これは、このほかにも、これから多分幾つか出てくるでしょう。その請求に対して、当然これは裁判になるからその裁判次第かも分かりませんが、どのような覚悟で取り組まれるのでしょうか、大臣
  160. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) まず、これを発表、公表をする際に重々申し上げておりましたのは、ここで発表する事業者名というのは事故米であることを知らずに売買をした方々であるということを、はっきりこれは言ってもらいたいと。リストが出たから何か三笠フーズのような会社だと思われては、これは大変名誉が損なわれるわけでありますから、それは事故米と知らずに売買に携わった方々であるということははっきり申し上げたいと、申し上げるということを言いました。  いずれにしましても、こういう発表を行うときにはきちんと何の名簿なのかということをはっきりしなければいけない、そこが第一であります。で、なおかつ、こういうふうに急に発表をいたしますと、もちろん誤解が生ずるわけでございますから、それに対しては可能な限りの御支援を申し上げたいと。そしてまた、この公表ということについても、できればそれぞれの業者の方々において自発的に開示をしていただくことが望ましかったわけでありまして、それはしょうちゅうメーカーの方々については御自身でやられました。大変高く評価をいたしたいと思います。  しかし、それであるといつまでたってもこれは全容が解明されませんので、大変申し訳なかったけれども、こちらの方で公表させていただいた次第であります。それをしなければ消費者の不安というものが一向に解消されないということでありますのでやらせていただきました。  そういうことで、リストについては是非またあらゆる機会に、これは我々だけではなくて地方自治体の協力もいただいて、地域社会に対して周知徹底すると、これは別に悪いことをした人たちじゃないんだということをはっきりさせていきたいと思うのでございます。
  161. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 質問に答えてないです。  どこまで責任を取るのかと。例えば、これ、しにせの場合は、単純に回収費用、原料費、そういうものだけじゃなくて、のれん費というのが出てきます。これはしにせの店に多大なる信用を損害をさせる、そういうことが出てきます。農水省としてどこまで責任を取る覚悟なのか、そこだけお伺いをしたいと思います。
  162. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 事故米穀とは今回知らずに事故米穀を買い受けた事業者の方々、今回のこの事案の発生を受けて、今御指摘をいただきましたように、商品回収を行ったり売上げが減ったり経営に影響が出ているということを承知しております。これらの方が知らずに買ったということを周知しているのというのは大臣がお話をいただいたとおりでございます。  私ども、事業者の方々、こういった影響を受けた事業者の方々の経営に支障が生じないよう万全の措置を講じてまいりたいというふうに考えております。その範囲、内容、これにつきましては早急に詰めてまいりたいというふうに考えております。
  163. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 大臣の談話の中で、職員処分もするという話がございました。今日のところじゃなくて記者会見でされた話ですね。しかし、これをよく読むと、接待を受けた方が、公務員倫理規程に反している方については処分をするというようなことだけで済むのか。職員を単に減給にするのか降格にするのか分かりませんが、それだけで済むような話ではないというふうに思います。  この責任の取り方、この損害賠償に対してこたえるということも大事ですが、そのほかの責任の取り方についてはどういうふうにお考えなんでしょうか。
  164. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 公務員倫理法、国家公務員倫理法に言及している部分はこの本体の話とは限らないわけでありまして、本体のこの横流しを見逃したという点については今様々な御指摘があっているような様々な疑念があるわけでございますから、それを第三者委員会において厳正に調査をしてもらって、その結果を踏まえて厳正に処分をすると、農林水産大臣処分をするということでございます。
  165. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 さっきの流通ルート、これは三笠の部分だけ出ていますが、ほかの部分についてはいつ出されますか。
  166. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 先般十六日に中間報告ということで全国一斉調査関係でも発表させていただきました。その時点で三笠のほかに三社、これが事故売買の不正規流通を認めたということでございます。残りの社につきましては、現在調査を引き続き実行いたしているところでございます。できるだけ早く努力をして取りまとめて、三笠ルートとともにまた新しい報告をできたらというふうに思っております。
  167. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 他の会社から流れてきていることを知っている業者の方々は、今多分戦々恐々とされているんだろうと思います。これは、やっぱりきっちりと責任を持ってそういうことも考えて出さなきゃいけませんから、ちゃんと早急に解明をしていただきたいというふうに思います。  同じように、その問題で接待の話が出ました。一人だけ元課長という方が接待を受けたというふうに聞いていますが、私が大阪のいろんな方から聞いてくると、接待というのはしょっちゅうあの社長はやっておったと。本当にこの人一人だけが焼き鳥屋で二回だけその接待を受けただけかというのは、地元の方々に聞くと、そんなことはあり得ないと。これはちゃんと省内調査はされておられますね。ほかにされている方はありませんか、ほかの三社も含めて。
  168. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 今回のこの事案を受けまして、現在、全国の食糧関係の全職員に対しまして国家公務員倫理法違反がないかどうか、これの緊急調査に着手しております。対象は過去五年間にこの食糧関係部門に在籍していた約七千名でございます。数は多うございますが、調査を進めまして、もちろん同様な事態があれば、これは厳正に大臣の方から処分していただくということになろうかと思います。
  169. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 九十六回入った検査のときもそうなんですが、私たちが九十六回のうち事前通告をして入ったのは何回ですかというそういう質問をしたときに、一週間後の部門会議でも出ませんでした。これ、省内の話ですよね。会社でいったら同じ会社の本店支店の話で、これを調べるのに何でそんな時間が掛かるのか非常に不思議です。  今回の、これはもうあくまでも推測ですけれども、この検査報告書も後で作ってコピーしようと思ったら幾らでもできますね、これ。これは、そう言われても仕方ないですよ。我々は通告をして早く出してくださいと言っても、一週間掛かっても出てこなかった。省内のそういうことを調べるのに、事前通告の話なんというのは電話一本で分かる話ですよね。それから、接待の話でも、これ、辞めた人だけが今出ていますけれども、しかし、七千人もいるんであれば、それだけの多くの方々がいるんであれば大変かも分かりませんけれども、しかし、調べようと思ったらこれ簡単な話ですよ。それができないこと自体が組織としておかしいというふうに思わざるを得ません。  それで、今回のこの問題が出たときに、MA米という、ミニマムアクセス米が出てまいります。これが毎年七十六万トン、七十七万トンぐらい入ってくるわけですが、それが在庫として残っていくわけですね。それが、その中で事故米があって、事故米がある、いつまでも保管料が掛かるから早く処分をしたいということで今回の話が出てきたのかも分かりませんが、この保管を一括管理をするのに全国食糧保管協会という公益法人があります。この法人、職員数、役員数、何人で、そのうち農水省からの天下りは何人おられますか。
  170. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 御指摘の全国食糧保管協会でございます。現在、役職員七十九名でございます。四名が農林水産省OBとなっております。
  171. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 その四名は役員の方々ですか。
  172. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 役員が三名、職員が一名でございます。
  173. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 その全国保管協会に年間幾らのお金が流れるわけですか。
  174. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 当該法人には国の補助金は、ここの団体は受けておりません。
  175. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 保管料として幾ら払われるわけですか。
  176. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) ちょっと申し訳ありません。ちょっと手元に資料が今、すぐ出ません。
  177. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 質問通告してあるんですけどね、これについては。年間幾ら保管料として払われるのか。私は昨日、質問通告しました。約二百億円ぐらい毎年入るそうです。  それじゃ、この保管協会がもうけるためには、このMA米が余り処理されない方が利益が出るわけですね。それの役員三人が元農水省、農政事務所長の方がほとんどです。  それで、これ自体がおかしいんじゃないでしょうか。まさに、天下りの組織を生かすために保管をしているようなもので、これについてどういうふうに今後整理をされていくのか、お考えを聞かせてください。
  178. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) このMA米の保管につきましては、一年間、トン当たり一万円というお金が掛かります。これは税金でございます。極力、効率的に販売ができるものは販売していくというのが前提でございます。この当該法人のためというようなことは、私どもそういったことは全く考えておりません。
  179. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 当然そう言いますよね、そちらの立場では。でも、そういうふうに見られても仕方がないですね。私たちも深川の倉庫、見てまいりました。山のように積んでありました。あのMA米、今年は入札が全部できなかった、落札できなかったという状況にあるそうです。今どんどんどんどん在庫がたまってくる、これWTOの中で買わなきゃいけないわけですから、どんどんたまっていく。これ、ほかに売る措置を考えておられますか。
  180. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) MA米の、ミニマムアクセス米の在庫につきましては、かつて二百数十万トンといったときもございましたが、現在は約百三十万トンということで減少しているところでございます。また、今年に入ってからの大変な食料、何といいましょうか、価格の高騰で食料がなかなか手に入らないといった諸国もございます。私ども、この輸出ということも視野に入れて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  181. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 そもそも今回、三笠フーズ、それから太田産業等、MA米、それも事故米をなぜ買えたのか。それも、関西でいえばこの三笠フーズだけですね。それの資格がある企業に入札をしてもらうというお話でありましたが、さっき聞いたらほとんど随契だ。これは何かあると思われても仕方ないですよね。  この資格要件、大阪でいろいろ聞きました。その米関係の方々に、農政事務所にこの資格要件を聞いてもあいまいな答弁しかされない、はっきりしていないという、そういうお話でありましたが、この資格要件はどうなっていますでしょうか。
  182. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 事故米販売に当たっての資格要件でございますが、その買受けの用途に応じまして買受け資格を限定いたしております。今回の工業用のり等として販売する場合には、工業用のり等の製造加工や販売を業とする者に買受け資格を与えてきたところでございます。この工業用のり等の製造の中に、のり用の米粉の製造を含めていたということでございます。  今回、この三笠フーズ、一方で米の販売も行っていたわけでございます。今思いますと、この横流し可能性のあるような、こういった事業を兼ねている者に買受け資格、与えるべきではなかったというふうに深く反省しております。
  183. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 それじゃ、三笠フーズは、この全体の販売量の中でのり用の販売というのは何割ぐらいやっているんですか。分かりますか。これはちょっと質問通告していないので。
  184. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) ちょっと申し訳ございませんが、手元に資料がございません。
  185. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 じゃ、後で教えてください。  それで、聞くところによるとというか、これは規定を確認をしたいんですが、通常のMA米は転売をすることができません。転売不可。ところが、事故米については転売不可としていないというふうに聞いているんですが、これは事実ですか。
  186. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 工業用米として売る場合、例えばこの工業用のり等でございますが、他の用途、目的外の用途にはもちろん使用はできません。失礼しました、補足させていただきます。転売に当たっては食糧事務所長の承認を必要といたしております。
  187. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 でも、転売はできるということですね。
  188. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 承認を得てということでございます。
  189. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 通常のMA米はどうなんですか。
  190. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 同様でございます。
  191. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 今回、大阪の方で聞くと、なぜ三笠フーズがあんなに買えたのかよく分からないという声が大変多いんです。表現が良くないかも分かりませんが、多分べたべたの関係だったんだろうというようなことを大阪の米の関係者は言っておられました。まさにここを解明しない限り今回の問題ははっきりしてこないというふうに思います。  もう時間がなくなりましたので終わりますけれども、これは大変大きな国家的詐欺と言ってもいいような話になってしまいます。是非、早急に解明をしていただきたいと思いますし、農水省が手を挙げて何か野田大臣の方に行くようでありますけれども、農水省としてもやっぱりきっちりと模範を示していただきたい、そのことを申し上げて質問を終わります。     ─────────────
  192. 郡司彰

    委員長郡司彰君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、福山哲郎君が委員辞任をされ、その補欠として金子恵美君が選任されました。     ─────────────
  193. 米長晴信

    ○米長晴信君 民主党の米長晴信です。  時間が短いものですからどんどん進めていきたいんですけれども、まず基本的なことで、三笠フーズ、これフーズという名前が付いていることからも、工業用のり以外に、むしろ主要たる業務食品の売買だと思うんですけれども、これについては、MA米及び正規米含めて食用に回り得る米は政府とはどれぐらい取引をされておりましたでしょうか。
  194. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 三笠フーズが平成十五年から二十年八月まで国から購入いたしましたミニマムアクセス米、これは事故米を含まない数量でございますが、約一万六千トンというふうになっております。
  195. 米長晴信

    ○米長晴信君 一万六千トンが扱われていたと。そのうちの事故米に当たるものが、政府から入ったものが千七百七十九トンということになるかと思います。  それでは、同じその米を食用と非食用と扱っているわけですけれども、九十六回にわたって粉にする作業自体は御覧になったということですけれども、この現場、私、行く機会がなかったものですからここで質問させていただきますけれども、工場として、粉にする機械というのは、正規の食用に回るものと工業用と、これは分かれていたんですか、同じ機械を使っていたんですか。
  196. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) ラインが異なるということでございます。
  197. 米長晴信

    ○米長晴信君 それでは、今お手元にお配りをしました、これ十二日まで、ここから先はリスト化して三百七十九社発表ということになったそうですけれども、途中まではこういったラインを作っておられたんですけれども、このうち、先ほど福山委員の方からも本来は安いものが末端では高くなったというお話もありましたけれども、これ政府から三笠フーズにキロ幾らで流れて、番号でいう一、二、三、四、五、ちょっと多いんではしょって、最後、例えばこの六番の施設、これキロ幾らで卸したのか教えていただけますでしょうか。
  198. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 中国産モチ精米の事例ということで御説明をさせていただきたいと思います。  政府三笠フーズ工業用のりの原料として売り渡した価格は、一キログラム当たり五円程度となっております。この事件発生後、当省で実施した調査によりますと、三笠フーズがペーパーカンパニーでございます佐賀県のマルモ商事株式会社に売り渡した価格は、一キログラム当たり五十円程度ということでございます。それ以降、複雑多岐にわたる流通経路の中で、末端の価格のことではございますが、一キログラム当たり百四十円から二百四十円程度で取引をされているということでございます。
  199. 米長晴信

    ○米長晴信君 まさにぬれ手にアワとはもうこのことを言うんでしょうか、五円が二百四十円まで膨らんでいったと。  もうちょっと、先ほど風評被害と、犯罪と被害者という話がございますので、今大ざっぱな入口と出口のお話されましたけれども、せっかくですので、本当、二、三、四、五、これのどこぐらいまでがいわゆる加害者と思われるのか。つまり、安いと知って、薄々危ない米だと知っておきながら横に流したのかというのを理解する上でも、是非、これ通告しておりますから、五番まで正確に教えていただけますでしょうか。
  200. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 私どもの、ちょっと御説明させていただきたいんですが、この流通ルート調査というのは、とにかくそのものがどういうふうに移っていったかということに主眼が置いてルートを特定いたしております。そういったことで、今言ったような、ちょっと数字は私、今持ち合わせておりません。  ただ、この三笠フーズにつきましては、先週、九月十一日でございますが、不正競争防止法で熊本県警に告発をいたしております。そういったことで、捜査に入っていただければ、真相といいましょうか、実態、故意があったのかどうかといったようなことも含めて判明していくのではないかというふうに考えているところでございます。
  201. 米長晴信

    ○米長晴信君 もう一つお伺いします。  この事故米、すなわち食用に回してはならぬと、工業用として、非食用として回るべき千七百七十九トン、この図及び三百何十社のリストがあるわけですけれども、これ末端の、実際に販売されたもの及び在庫で残っているもの、全部足して千七百七十九、確認しましたか。
  202. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) それは在庫として残っているもの、流通在庫も含めまして、それと非食用として売られた数量、また流通した数量、この数量につきましては押さえております。
  203. 米長晴信

    ○米長晴信君 いや、だからそこまで押さえていて、流通の経路でここからここが幾らだというのが分からないというのがよく分からないんですよ。分かっているのか分かっていないのか、そういうのが分かっているんだったら何で、例えば六番幾らで売られたとか、答えることできないんですか。
  204. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 申し訳ありません。私、そこまで把握しておりません。分かっていないということでございます。
  205. 米長晴信

    ○米長晴信君 先ほど帳簿上というような単語も出てきましたけれども、これは帳簿上だけですか。実際にその製品あるいは消費されたもの、在庫、すべて物としての確認をされましたでしょうか、千七百七十九トンすべて。
  206. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 在庫についてはきちっと押さえられたということでございます。
  207. 米長晴信

    ○米長晴信君 参考までに、在庫というのは何トンですか。
  208. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 説明が遅くなって申し訳ございません。  メタミドホス八百トン、これでございますが、在庫が六百四十三トンでございます。非食用として流れましたのが二十二トン、市場流通が百三十五トン、中間報告段階でございます。
  209. 米長晴信

    ○米長晴信君 それが結果的には、例えば三笠の場合はのり用と使われていたのが今確認できていないということですね、ゼロということですけれども、一応もう一回確認させてください。ゼロですね。
  210. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 工業用として販売されたといったものが確認できたものは今の時点でございません。
  211. 米長晴信

    ○米長晴信君 まあ、これ、千七百七十九トンのうち、のりに実際になったのがゼロと。このMA米の中の事故米全体、七千四百でしたっけ、これについてはどうですか。この中で実際にのりになったもの、確認できたもの、これは何トンですか。
  212. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) これも、申し訳ございません、今調査しておりまして、売却レベルでしか今ちょっと申し上げられません。売却した七千四百トンのうち、工業用ののりが六千四百五十六トンということでございます。  これは今、全国一斉点検をいたしております。販売先調査、確認に加えまして、業者の、遅ればせながら、出荷先まで立ち入って買受け目的に沿った加工が行われているかどうか、こういったことを調査を行っております。できるだけ早く実態、そういったことの早期点検結果をまとめたいと考えております。
  213. 米長晴信

    ○米長晴信君 まあとにかく、最終製品として何トンというのは全く確認できていないという答弁と等しいと思うんですけれども、一方で、試算では、一万五千トン、のりになっている米が試算上はあるということですけれども、これはどう考えてもおかしいと思うんですよ。つまり、七千四百仮に全部ちゃんと使われたとして、まあ千七百七十九はそのうち違うということが分かったわけですけれども、そうすると、約、およそ半分の七千五百は事故米じゃない米から使われているということでしょう。そういうことは確認できているんですか。年間一万五千の需要がある、事故米工業用として流される、そうすると需要としてあと七千五百あるじゃないですか。それはどこから出てきているんですか。
  214. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) コーンスターチですとか小麦粉、そういったところから出ているということでございます。
  215. 米長晴信

    ○米長晴信君 それだと根底から答えが違うじゃないですか。先ほどは、質問は、米としてのりに使われているものの需要が幾らだという質問で、それが一万五千と。ということは、そのスターチとか入っているというのはおかしいじゃないですか。米のことを言っているんですよ。
  216. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) さっき、済みません、米粉用ということが最大で私、三分の一というふうに申し上げたと思うんですが、潜在的な需要量ということで一万五千トンというふうに申し上げました。そこまでは需要は潜在的にあるということを申し上げたところでございます。
  217. 米長晴信

    ○米長晴信君 だから、需要があるんだったら供給があるはずで、供給は、今のところ事故米はそれに充てるということになっていて、MA米の、それは七千四百あって、実際には千七百七十九その中から全く使われていないことが分かっていて、仮にそれが全部使われていたとしても、およそ七千五百あるはずじゃないですか、のり用に、需要があるんだったら。そういうのはどこから出てきているんですかと言っているんです。米。
  218. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 先ほどからいろいろ御指摘いただきますきちっと粉にして色も付けているカドミ米、こういったものは工業用ののりの原料として使われております。
  219. 米長晴信

    ○米長晴信君 じゃ、もっと具体的に、数量、これが何トン、これが何トン、で、毎年一万五千トン、こういう形で需要と供給が一致していると、そういう明確な答弁をお願いします。
  220. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 申し訳ございません。私ども、先ほどの数字は業界の出荷量と聞いており、また私どもの調査ということで試算として申し上げたものでございまして、工業用のり原料としての需給バランスについて今説明するだけの材料を持っておりません。
  221. 米長晴信

    ○米長晴信君 それは工業用製品のことは、スターチとかいろんなほかのものも扱うから、それは把握できないのは分かるんですけど、我々は、農水省が把握しているべき米についてどうなっているかということです。それを答えてください。
  222. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) のりとしての需要、その増量剤として四万トンという需要があると。その中で米が最大三分の一占める。そのほかに、先ほどちょっと言葉足らずでしたが、小麦粉とかスターチ、こういったものが増量で使われているということでございます。
  223. 米長晴信

    ○米長晴信君 その最大というのがまた変な表現で、最大だったら別にその三分の一の限りではないわけですよ。  私が伺っているのは、農水省として年間、試算上は一万五千トンの米の需要があると推測されるけれども、実際に工業用として出荷されている、あるいは農水省が売っているのはどれぐらいかと聞いているんです。
  224. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 申し訳ございません。ちょっと私の説明が舌足らずかもしれませんが、売った数量は先ほど言った工業用のりとしては六千五百四十六トンということでございます。また、その工業用のりのほかにも、先ほど御答弁させていただきましたが、道路に敷く人工骨材ですとかバイオプラスチックとか、そういったものの需要もあるということでございます。  定性的な言い方で恐縮でございますが、需要を超える量を販売を行ってきたということはないというふうに思っております。
  225. 米長晴信

    ○米長晴信君 需要を超える量を販売したことがないというのは、裏を返せば需要がなかったということだと思うんですよ。六千五百四十六というのは、これは内数で三笠フーズ分入っているんですか、入っていないんですか。
  226. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) この六千五百四十六トンの中には、三笠フーズ分千七百七十九トンを含んでおります。
  227. 米長晴信

    ○米長晴信君 つまり、工業用のりとして売っている実績が六千五百四十六だけど、それをのり用でも何でもなくて、帳簿上はのりだったというものが六千五百四十六で、そのうち千七百七十九の三笠は違うということが分かった、もう三社違うことが分かった。じゃ一体本当に米はのりとして使われていたんですか。
  228. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) これは私ども合板、ベニヤ板の加工業のところでお話も伺っていますが、当然米というのは使われております。米粉として原材料に交ぜられて使われております。全く使われていないということはございません。ただ、何度も同じことを恐縮ですが、少し数字的に今私ここで説明するだけの力といいましょうか、資料を持ち合わせていないということでございます。
  229. 米長晴信

    ○米長晴信君 六千五百四十六トンというのが工業用のりとして政府が売った実績ですね、帳簿上であれ何であれ。でも、実際に分かったのは、そのほとんどがのりとして使われずに横流しされていたということが分かったと。そうすると、この一万五千トンというこの数字は全く空虚な意味のないもので、それは単なる試算で、我々をだますためにやっているとしか考えられないと、本当にけしからぬ話だと思うんですけれども。  なぜなら、どうしてもこの日本の社会の中で一万五千トン、のりを作るために米が必要ということであれば、そういう市場があるべきだし、そういう販売実績もあるはずじゃないですか。それがないどころか、その一万五千トンの半分以下の六千五百四十六しか帳簿上とはいえ卸していなくて、その帳簿もよく見たら実際には使われていない。この事態大臣、どう思いますか。
  230. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 事柄の本質は、結局最初に売った相手のことは、中身は別として一応調べに行っている、その先は調べていない。検査に行ったことが全く意味がなかったということになるわけであります。その先の、今、工業用ののりとして実際に確認できたものがゼロであるということも、三笠フーズについてはそういうやり取りでございましたので、そこは今まで省内にあってチェックをしていない点でございますので、大変自らの不明を恥じております。  きちんとまた調べて、そののりの業界については、恐らくこれは従来の縦割りの官僚組織の中では、これは多分経済産業省の管轄になるということで、ここから先は自分たちのテリトリーではないというようなことでもう追跡をしなかったんじゃないかと思いますけれども、そういうことも含めて、これは日本国全体の問題でございますので、新たに設けられます内閣府の第三者委員会で更にこの調査をすると思います。我々もそこは更に追跡して、調査をいたしたいと思います。
  231. 米長晴信

    ○米長晴信君 一連のこういうのりとして使われないのに横流しされていたという実態を放置されていて、その重要なきっかけの一つが十九年一月のいわゆる匿名情報ということで、これ何度か同僚も指摘をしておりますけれども、これ、提供内容を出してくださいということは部会でもここでも話されておりましたけれども、改めまして、これどういう検査をしたかというのを口頭で教えてください。
  232. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) しょうちゅう用の原料として売り込みが行われているのではないかという匿名の情報がございました。それを受けまして、所在地、農政事務所でございますが、工場へ立入調査をして、事故品の在庫状況、こういった調査をしたのでございますが、この調査をもっと徹底して行えば今回のような三笠フーズ不正規流通早期解明につながった可能性があるということで、この後の調査の在り方を含めて、私ども大変監視体制に大きな問題があったというふうに思っております。  また、先ほど私がのりの需要について説明させていただきましたが、そういった前提で売っていたということについては、これも併せて反省しなくてはいけないというふうに思っております。
  233. 米長晴信

    ○米長晴信君 調査が不十分だったという反省は結構ですけれども、少なくともその時点で何を調査して、何をもってこれは白だと、問題ない、犯罪性はないという断定をしたか、そこを教えてください。
  234. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 調査におきましては、台帳によりまして、工場の受入れ数量、販売数量の確認、またこれは目視でございますが、米穀の数量、ほぼ数量があるということを確認したということで、何か横流しを立証できるような、そういった特段の事実は、これも能力の問題もあると思うんですが、発見できなかったというふうに聞いております。
  235. 米長晴信

    ○米長晴信君 横流しできる事実を発見しなかったんじゃなくて、横流しまさにされようとしている粉とその予備軍の在庫を確認しておきながら、一年間それを放置して、それで今に至ったわけですよ。その一年半前のその瞬間もそうだけれども、それ以前からこういうことが五年間継続的に行われていたにもかかわらず、そういう角度で調査をしなかったというのは、これは大失態であると思うんですけれども、少なくとも去年の一月二十九日、この検査、これに携わった関係者、これ現場と本庁含めて、こういった方々の処分はどう考えておられますか。大臣で結構です。
  236. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) これは処分農林水産大臣の職権において行うものでございます。処分をしますときには、公務員ですから、国家公務員法の規定などにのっとって、それがどういうことでどういう処分を受けるかというのは事実を確認をしていなければこれはできないわけでございます。今から、その点については我々もやりますけれども、第三者委員会でも調査をして、その結果を受けて私の方で処分をするということでございます。
  237. 米長晴信

    ○米長晴信君 もう最後になりますが、質問というよりも、とにかく今、食の安全という問題で日本が揺さぶられている。それだけでなくて、自給率、食料自給率、これが四〇パー切っていると。その食料自給率向上の最大のやっぱり、最短でもあるんですけれども、米主食の日本の食文化を取り戻すということも非常に重要な要素の一つであるにもかかわらず、米及びその加工品が、むしろ今買い控えなんかが生じてしまうという本当に国家危機的な状況になり得ると。これは本当に真摯に反省していただいて、一刻も早く改善を望みたいというふうに申し上げまして、質問を終わります。
  238. 山田俊男

    ○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。  今回のミニマムアクセス米の事故米汚染米でもありますが、食用に転用されたということであります。これは国民の食に対する安全安心信頼を本当に根底から裏切った重大な事態だと、こんなふうに考えるところであります。  今御案内のとおり、世界的に食料の高騰があるわけで、我が国国内におきましても、自給率の向上であったり、さらにはとりわけ米の需要拡大の動きが出ている中で、そうした動きに対しても水を掛けかねない大変重大な出来事ということで大きな心配をしているところであります。  冒頭、太田農林水産大臣は、ともかくこの事件を引き起こした業者責任、徹底的に追及するぞということでありました。同時にしかし、こうした事態を引き起こしたというふうにいいますか、農林水産省責任も大変大きいと、こう考えるわけであります。  政府は、事故米事件解明、これを徹底して行うと同時に、再発防止対策をしっかりやってもらわなきゃ当然のこといけないわけであります。  私は、同時に今回の出来事がどういう背景で生じたのか。とすると、その背景そのものをやはり見直していく、仕組み、制度を見直していくということも必要になるという観点質疑をさしてもらいたいと、こんなふうに考えております。  まず最初に、事故米汚染米実態についてであります。事故米汚染米の定義はどのようなものであるのか、町田局長にお願いします。
  239. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 私ども事故米穀と呼んでおりますが、この定義でございます。これは私どもの局長通知で定まっております。幾つかございます。一つは異臭のあるものでございます。二つ目は、非常な高温等でございますが、測定され、発酵等の変質作用が進行中であると認められるもの。三つ目といたしまして、昆虫、水、熱、カビ、菌、その他の原因によって損害を受けた粒を大量に含んでいるもの。四番目として、水分を異常に含んでいるもの、こういったものとされておるところでございます。
  240. 山田俊男

    ○山田俊男君 それでは、事故米の年間発生量は大体どのくらいなんですか。
  241. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 過去五年間の事故米穀の発生数量でございます。これは、年平均でいいますと千三百八十七トン程度でございますが、年によってばらつきが見られるところでございます。少し詳しくで恐縮ですが、平成十五年四百七十九トン、十六年千八百六十七トン、十七年二百六十九トン、十八年三千七百六十六トン、十九年五百五十五トンということでございます。
  242. 山田俊男

    ○山田俊男君 年間によりまして相当な差が出ているんですが、その原因はどういう原因があるんですか。
  243. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) この十八年に多いのは、先ほど御説明したかと思いますが、十八年五月からいわゆるポジティブリスト制、この制度を控えまして、あらかじめ新しい残留農薬基準に適合しているか否かを確認するために、平成十七年の十二月から翌三月までこの政府保有米、政府保有のMA、ミニマムアクセス米につきまして残留農薬検査を実施したところでございます。その結果、中国産モチ精米にメタミドホス基準値を超えて検出されたということでございます。その関係でございます。
  244. 山田俊男

    ○山田俊男君 なかなかそこは大事なところでありますが、メタミドホス等、基準を超える農薬等に汚染された汚染米、一般的にこう汚染米という言い方、もうされているわけでありますけれど、この汚染米事故米の中に含まれると、こう考えていいんですか。
  245. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) さようでございます。
  246. 山田俊男

    ○山田俊男君 それでは、その汚染米についてでありますが、これまでの発生量はどの程度なんですか。
  247. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 先ほど申しました国内に入って残留農薬基準を超えたものというのはこのメタミドホス、これでございます。ポジティブリスト施行後は、当然のことながら水際でポジティブリストの制度がありますので、この一点、これがいわゆる残留農薬基準オーバーでございます。  それともう一点、ポジティブリスト施行後、今のは国内での保有のものでございますが、水際で出ましたアセタミプリドでございます。これはベトナム産のお米でございますが、これが一点ということでございます。  合わせまして水際一件、国内、制度切替え前でございますが一件、この二件ということでございます。
  248. 山田俊男

    ○山田俊男君 としますと、ポジティブリスト制度が制定された十八年五月以前はこれは入っていたんですか。今はしかし入っていないと。十八年五月以前はメタミドホスについての検査はしてない。だから、基準がないからしてない、それで入っていたと。ところが、十八年五月からは今はもう入ってない。  そして、十八年五月以前に入っていたものについてはどうですか。これは全量検査して、そのうち汚染されていた輸入米を工業用に仕向けたと、こんなふうに理解していいんですか。
  249. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) メタミドホスにつきましては、輸入されたのは十五年度でございます。このときは、委員指摘いただきましたとおりまだこのポジティブリスト制度施行前でございますので、メタミドホスにつきましては残留農薬基準値、規制値がございませんでした。したがいまして、水際の検疫でもチェックはそこはされていないということでございます。  この制度が施行されましたのは十八年五月末でございます。その制度の施行を控えまして、十七年の十二月から翌年にかけまして、政府が持っているお米につきまして新制度適用後、適用になります農薬を調べました。その中で一件出たのがこの中国産のメタミドホスでございます。したがいまして、そのほか今残留農薬として問題になったのはこれが一件でございます。  また、アフラトキシン、これはカビ毒でございますが、これが政府が保有してから起こったのが一件ということで、食品衛生上大きな問題があったのはこの二件、水際では先ほど申し上げましたとおりベトナム産の関係が一件ということでございます。あとは水ぬれですとかカビですとか、そういったものになるわけでございます。
  250. 山田俊男

    ○山田俊男君 もう一度お尋ねしたいんですが、十八年五月以前はメタミドホス等の検査はやってないわけですよね、基準がないし。それで、十八年五月時点であってもMA米の在庫は相当量あったはずですね。相当量なものがあった。百八十万トンぐらいあったかもしれませんね。これらについて全量検査したということでいいんですね。そして、そのことで出てきたメタミドホス等に、それからカビ毒も含めて、そして汚染米と言われるような量はどのくらいあったんですか。(発言する者あり)そうです、在庫のうち。
  251. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) ポジティブリスト制度に移行する前に輸入したものにつきましては、御指摘いただいたとおり全量検査を行っております。その結果、十五年度に輸入したこの中国産モチ米からメタミドホスが検出をされて、非食用工業用のりとして売却をされたということでございます。この数量が三千四百トンということでございます。
  252. 山田俊男

    ○山田俊男君 事故米、中でもその中の汚染米と分かった時点でなぜ輸出国に返品できなかったんですか。
  253. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) これは、輸入した時点におきましては、先ほど申しましたとおり残留農薬の規制はございませんでした。他の食品もそうでございますが、その時点では適法なものとして輸入をされたということでございます。それが、政府が保管いたしまして売る場合に、これは新制度施行後であれば当然この基準値は満たしていなくてはいけないということで検査をして、その残留農薬基準値を超えるメタミドホスがあったわけでございますが、輸入時点では適法といいましょうか、合法的に輸入されたというものでございまして、それを返送するといったような状況にはなかったと承知しております。
  254. 山田俊男

    ○山田俊男君 今、三笠フーズ等を始めとして、こうして事故米といいますか汚染米の流通が問題になっているのは、この十五年産のモチ米三千四百トン、中国産を始めとするこの時点のものであるということで考えていいんですね。
  255. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 食品衛生上大きな問題があるのは御指摘のとおりでございます。
  256. 山田俊男

    ○山田俊男君 それで、事故米汚染米工業用に仕向けられるということでありますが、先ほど来の御質疑の中でもそれぞれ出ているわけですが、販売用には、食用への転用を防止するためにも、カドミ米で実施しておりますような色を付けたり、それからさらに圧扁したり、それから破砕したりするということだと思うんですよ、当然のこと。これをやめたのはいつなんですか。
  257. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) カドミ米につきましては、現在も着色して売却をいたしております。この事故米、従来、水ぬれとか袋が破れたとか、そういう認識が強うございまして、また、当然のことながら余り安くしか売れないということで極力コストを掛けたくないという意識があって、これまでは事故米について、着色また粉砕といったことは最初からやっていなかったということでございます。
  258. 山田俊男

    ○山田俊男君 まず、そこに最大の問題が私はあるというふうに言わざるを得ません。丸米のままこれ工業用販売していたのであれば、それを不正流通する業者が現れることはだれでも想定できたわけじゃないですか。工業用販売した事故米が、汚染米が、それじゃ用途どおり工業用として消費されているのかどうかということも確認するのは、これは当然の責務じゃないですか。これはなぜこれをできなかったのか、お聞きしたいと思います。
  259. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 全く御指摘のとおりでございまして、先ほど、着色をしていなかったわけですが、売る以上は着色をする、着色をしない場合は、きちっと現物を押さえて、きちっと工業用として使われるということを確認することが必要だったわけでございます。大変この点は抜かりがあった、申し訳なく思っております。反省しているところでございます。
  260. 山田俊男

    ○山田俊男君 どうも、本来そうすべきだったんだけれど抜かりがあったというだけでこの問題、始末が付かないというふうに思います。もちろん、その際、そうした判断を行った際のやっぱり責任の取り方が大変大事になりますし、同時に、そこに行き着く背景は一体何だったのかと。先ほど局長おっしゃるように、安くしか対応できなかったということで染色できなかったということがあるのかもしれませんが、染色するのにそんなに大きなコストを掛けているわけではないと、こんなふうに思います。  そこで、これまでの報道なり、それから先ほど来の御議論の中で、事故米は主に工業用ののりに利用されているということでありますが、平成十九年の合板用接着剤生産量は二十六万六千トンというふうに私お聞きしましたが、これに米穀を添加するケースがあるというふうに伺っております。  先ほどの高橋委員質問に対しまして、年間一万数千トンぐらいが工業用のりに米が使われている量だと、こういうふうに局長、答弁されていたわけでありますが、一体、工業用のりに仕向けられる米穀は、米は、本当、年間どのぐらいあるんですか、もう一回改めてお聞きします。
  261. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) その点については、先ほど申し上げましたとおり、最大の潜在需要量が一万五千トンということで、売っている数量が年間数千トンということで、これなら需要の中だから工業用として使われるだろうという、大変、その辺の見通しといいましょうか、需要見通しの見方、これについても厳しくといいましょうか、きちっとチェックができていなかったということでございます。申し訳ございません。
  262. 山田俊男

    ○山田俊男君 潜在需要量というのは、どういうことで理解したらいいんですか、お聞きしたいと思います。
  263. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 先ほども御説明をさせていただきましたが、工業用のりの増量剤として使うというものの中に、でん粉、またスターチ、小麦粉、こういうものと並んで米粉があるということでございます。その中で米粉が占める位置というのが大体三分の一ということで見ていたということでございます。
  264. 山田俊男

    ○山田俊男君 米を工業用ののりに仕向ける需要は本当にあるんですか。あったんですか、あるんですか。あるなら合板用の業者に直接売却すればいいじゃないですか。なぜ、わざわざ三笠フーズを通じて売却しなきゃいけなかったんですか、その点お聞きします。
  265. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 御指摘、ごもっともでございます。  二つございます。今にして思えば、販売にそこまでこだわって売る必要があったのか、廃棄しても良かったのではないか。また、売るのであればきちっと最終需要者に直接売るべきではなかったのか、全く御指摘のとおりでございます。
  266. 山田俊男

    ○山田俊男君 行き場のない、逆に言うと、需要のないものを業者に渡していたということじゃないんですかね。どうも心配なのは、在庫がかさむMA米について、いかに量を多く安くさばけるかということを念頭に置いた、これだけしかなかったんじゃないかというふうに思うんです。  先ほど来、これも福山委員質問に対して、事故品の早期売却を会計検査院から迫られていたということで、その指導通達がなされたということでありますが、まさに行き場のないところ、行き場のないものを分かっておりながら売却していたんではないですか。
  267. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) この点については幾つか反省すべき点があると思います。  一つは、やはり国の財産だからできるだけ売りたいという気持ち、これは一方では財政負担ということがあるから当然でありますが、そういった気持ちが強過ぎたということ、また、先ほど言いました水ぬれ、そういったものとカドミウムみたいなものと全然違うわけでございますが、どちらかといえば、そういった延長線上で、水ぬれ等の延長線上で考えていたんじゃないかということで、この食の安全に対する意識、組織全体としてきちっと共有できていなかったんではないか、そういったところも今考えておりますが、反省すべき点だというふうに思っております。  余りにも販売にこだわり過ぎて、かえってコストが掛かり皆様に御迷惑を掛けるようなことになってしまったという点について、大変反省しているところでございます。
  268. 山田俊男

    ○山田俊男君 反省は分かりますが、やっぱりそれだったら、何度も言いますけれど、なぜ、工業用に売ったわけですから、それがちゃんと工業用に売れているのかどうかということをしっかり点検しなければいけなかったと、こんなふうに思います。  そこのところが一番のやっぱり反省点だと思うんです。ちゃんとポジティブリストを入れた、入れた時点で以降はちゃんと検査して、そしてそれを排除しているわけです。ところが、その前の段階のものがあったわけで、その米についての処理を私は徹底して焦ってしまったということなんだと思うんです。そこのやっぱり背景をしっかり詰めなければならない、こんなふうに思います。  ところで、農水省の三笠フーズによる不正規流通の中間報告をいただいておりますが、それによりますと、中間報告には住友商事のタイ米百四十六トンのカビによる事故米が盛り込まれていないが、これはどういう扱いなのかということなんです。  それで、米長委員の先ほどの資料、これは農林水産省が作成した資料ということでありますが、これを見ると、中間報告よりもちょっと詳しくて、この左側の方に政府の売却、それから商社の売却、それから米穀販売、福岡の動きがここに書いてありまして、この商社百四十五トンというのが住友商事の量というふうに見ていいんですか。
  269. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) そうでございます。
  270. 山田俊男

    ○山田俊男君 住友商事は、ホームページで「輸入米に関する一部報道について」ということで説明をされております。  当社は、平成十七年八月十三日にミニマムアクセス輸入米として農林水産省に向けタイ米を七千トン輸入しました。その一部、約百四十六トン、以下タイ米、について検疫当局よりカビ発生の指摘を受けました。このカビは、輸送途上の水漏れにより発生したものと推測されますが、カビが発生したタイ米については、農林水産省との契約条件により当社が買い取り、処理することになったものです。  こう一々言っていますが、要はこの構図を明らかにするために申し上げています。  当社では、本件タイ米の処理について、農林水産省の了解を得た上で三笠フーズ株式会社に対して工業用のり加工品に用途を限定することを条件に販売しましたと。販売期日は十七年十一月一日。また、当社は、本件タイ米が販売条件に従って工業用のり加工用に処理されたことについて、三笠フーズ株式会社が検疫当局に提出した措置完了報告書、十八年三月三十一日付けの写しを受領しておりますと。  なお、三笠フーズ株式会社との取引は本件タイ米の販売以外にはありませんというふうにホームページに書いています。  以上で我が社は責任ありませんというふうに大商社が言ってるのかなというふうに受け止めたりもしますが、しかしその一方で、ここに、農林水産省が契約条件によりまして了解の下、三笠フーズに売ったこと、さらには、工業用のり加工品に向けるということを明らかにしていること、それから措置完了報告書をいただいていますよということになっちゃう。これだと、一体、農林水産省はこれらの商社の米の扱いについても相当の責任を持っているというふうに言わざるを得ないんですが、この経緯、内容について、これでいいんですか。
  271. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 今、山田議員から御指摘いただいたような事実関係でございます。  住友商事の、一般のカビでございます、これはメタミドホスとかアフラトキシンとかそういうのではございませんが、それが水際で食品衛生法上、まあカビですから、食品として輸入できないといったときに、廃棄あるいは返送あるいは工業用の処理といったことについて、この中から選択をしたということでございます。  検疫当局は、工業用に処理するといったことについてきちっと誓約書を取り、措置完了というお話がありましたが、そういった報告を受けております。  また、私どもは、この工業用の米というものを国家貿易ということでいったん買って、それを商社に買い戻したという形になっておりますので、工業用としての米として買った、売ったというのもその事実関係のとおりでございます。
  272. 山田俊男

    ○山田俊男君 先ほど米長委員への答弁で、三笠フーズでは工業用のりへの売却がゼロだというふうにおっしゃっていたようにお聞きしましたが、そうすると、この百四十六トン、百四十五トンですか、このタイ米も実は食用に転用されたというふうに見ていいんですか。
  273. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 現在調査をやっているわけでございます。九月十六日に三笠フーズ不正規流通の中間報告を取りまとめさせていただきましたが、この中では、食品衛生上問題が大きいと考えられますカビ毒のアフラトキシン、また、メタミドホス、アセタミプリド、この基準値を上回る残留農薬が発見されたこの三つに今重点を置いて取りまとめたというものでございます。  住友の関係につきましては、一般カビということでその他の事故米穀になるわけでございますが、これについても引き続き調査を継続をしているというところでございます。
  274. 山田俊男

    ○山田俊男君 ところで、平成十六年に食糧法が改正されました。流通業者を届出制にして原則自由化したわけであります。従来の流通業者販売業者等については登録制度でありましたが、届出制にしました。届出制にすることによって、極めて多様な業者が参入することになりました。そして、政府流通ルートをチェックする権限を失ってしまったんではないかというふうに思います。  これら届けられた流通業者への食糧法上の規制は何かあるんですか、お聞きしたいと思います。
  275. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 食糧法におけます流通ルートに対する政府の権限でございます。  これは、一つといたしまして、米穀の出荷・販売事業者に対しまして、農林水産大臣への届出及び帳簿の備付け、これを義務付けますとともに、二つ目といたしまして、農林水産大臣は、この届出事業者を含めまして、業として米穀の出荷、販売、輸入、加工、製造、こういったお仕事をするすべての者に対しまして、食糧法の施行に必要な限度におきまして報告徴求また立入検査を行うことができるということとされているところでございます。
  276. 山田俊男

    ○山田俊男君 問題の三笠フーズも届出業者であったのかというふうに思いますが、五年間で九十六回も立入検査をしたということでありますが、違反をしかし発見することができなかった。なぜ徹底的に踏み込んだ検査をすることができなかったのかと先ほど来からも議論があるわけでありますが、要は、十六年の改正食糧法ではそこまでの検査を求めていなかったんじゃないか。逆に言いますと、食糧法の中に徹底した検査を行う権限が措置されていないんではないんですか。その点はどうなんですか。
  277. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 御指摘をいただきましたこの平成十六年の食糧法の改正でございますが、かつての食糧管理法から食糧法へと流通規制を緩和してきたと。こういった中で、流通業者の新規参入を増加させよう、また消費者ニーズ、大変多様化してきております。それに伴いまして民間流通というのも成熟化してきたということを踏まえまして、消費者のニーズに応じました米の需給及び価格安定、こういったことを図るために米の流通規制、これはもう原則撤廃したということでございます。  先ほど申し上げましたが、権限としては、届出ですとか立入検査、報告徴求、こういった規定がございます。今回の件におきましても、ルート解明、必要な場合には、米穀事業者等に対してこういった規定に基づいて調査にも入っているということでございます。
  278. 山田俊男

    ○山田俊男君 大臣からも先ほど来から、事前通告して検査に入るというのは検査じゃないというふうにおっしゃってもらっていますが、現行の改正食糧法自体がもう事前通告の検査しか実は入れないと。それほど流通業者に対する国としてのかかわり方はもう規制緩和してしまったというのが実際じゃないかと思うんです。としますと、先ほど来大臣がおっしゃる、事前通告検査やめて無通告検査にするんだというふうにおっしゃられても、現行の食糧法ではそれができないんじゃないですか。食糧法の改正が必要になるんじゃないですか。どうですか。
  279. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 一般の立入検査規定のお話になろうかと思いますが、通常JAS法等におきましても、取りあえずは任意の調査といったことで入ります。これについて、調査を拒否するというようなことになりますれば、法律に基づいて入るということもできます。当然そのときに無通告でもできるということだと思います。  今回も、実際調査拒否をされている企業の方、ございます。そういったところで、米穀関係のお仕事をされている方につきましては、昨日もこの法律に基づきまして、五十二条でございますが、調査に入って全容の解明、急いでいきたいというふうに思っているところでございます。
  280. 山田俊男

    ○山田俊男君 いずれにしても、きちっと法律に基づいてこうした問題について措置するという側面が私は求められるというふうに思いますので、その点十分な対策を講じていただきたいと、こんなふうに思います。  ところで、MA米について、輸入時にはタグが付いてますから、それはどこの国から来たMA米であるということが分かると、原産地表示がなされているということであります。このうち、食用に行くものについては当然原産地表示がそのままくっついていくわけでありますが、非食用に行くものについては表示義務がないというふうに聞いております。加工品、とりわけもちについては、これはちゃんと表示の対象になっているということだけれども、それ以外の米粉とかについてはこれは表示義務がないというふうに承っていますが、この理解で正しいんですか。
  281. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) はい。そのとおりでございます。
  282. 山田俊男

    ○山田俊男君 今後、水田を活用してそして取り組むという方向をしっかり出しているわけで、その中で大々的に米粉の国内生産を行うということもあるわけで、これら加工品についてしっかり表示義務を盛り込んでいくということが大変必要だというふうに考えますので、大量に入ってきているMA米の表示、それもしっかり対策を講じていく、もちろん国産の米粉その他についての表示の徹底を図っていく、この点の取組をしっかりやっていただきたいと、こんなふうに強く要望しておきます。  そこで、近藤大臣にお尋ねいたしますが、食の安全、安心確保国民的課題であります。食品のトレーサビリティーの確立、原産地表示の徹底、それから農薬使用など生産情報の開示が求められているわけでありますが、安全で安心食品を提供することは、今若干議論してまいりましたように、規制緩和で実現できるものではなくて、むしろこれは規制強化が求められる部分もあるわけであります。  御案内のとおり、平成十年の建築基準法改正において建築確認を自治体のチェックなしに民間企業ができるように規制緩和したわけでありますが、結果的に耐震偽装事件の大きな要因になったということが言われております。今回の事件も私は背景は同じじゃないかというふうに見ているんです。民間企業のモラル、意識だけに任せるのではなくて、行政がしっかり検査、監督する、そういう面での法律、諸制度、仕組みの制定、規制の強化、その側面が必要だと考えるわけですが、是非副大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  283. 近藤基彦

    ○副大臣近藤基彦君) 個人的に言えば、今、山田先生がおっしゃったとおり、やっぱり規制強化、あるいは罰則の強化も含めて必要なのかなと考えておりますが、いずれにしても、今回のこの事故米の件や最近頻発しております偽装問題等を踏まえて、直ちに流通ルートを特定できるトレーサビリティーシステムや、消費者が自ら商品を選択できる、米でいえば米関連商品原料米原産地表示システム、こういうものの早急な確立が必要なんだと思っております。食の安全と消費者信頼確保されるように、あらゆる施策の抜本的な見直し、そして強化に向けて早急に検討してまいりたいと思っております。
  284. 山田俊男

    ○山田俊男君 ありがとうございます。是非その方向で進めていただきたい、こんなふうに考えます。  次に、事故米汚染米発生の背景ともなっていますMA米のことについて質疑したいというふうに思います。  平成十九年四月に日中の大臣級協議におきまして、中国向け日本産米輸出の検疫条件を基本的に合意しました。御案内のとおりです。米の中国への輸出に当たりまして、我が国は検疫対象病害虫について、それら病害虫が発生していないことが確認された精米工場で、さらに、特定された包装材を使って、輸出前の薫蒸処理を行って、輸出検査を行って、コンテナ等の検査、消毒と、これを行ってという、これら大変な取組を行って初めて輸出できるということになっているわけで、国内の産地含めて大変な苦労をしているのが実際であります。  それじゃ、お聞きするわけでありますが、MA米については輸出国においてどのような処理や検査を条件にしているのか、お尋ねします。
  285. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) ミニマムアクセス米の輸入に当たりましては品質や安全性が確かなものを輸入すると、こういう考え方に立ちまして、私ども、輸出国におけます保管時また船積み時に残留農薬などの安全性検査や品質検査、こういったことを行っております。また、厚生労働省さんの検疫所におきましては、残留農薬の水際で検査もしていただいております。また、日本到着後、当然のことながら、私どももう一回カビとか水ぬれ、そういった検査をいたしまして、こういったものにすべて合格したものが買い付けると、そういうのを買い付けの条件といたしております。水際、輸出のときにもしそれがはねられれば、それはもう買わないということでやっているところでございます。
  286. 山田俊男

    ○山田俊男君 御案内のとおり、SBSで入れております十万トンについては、これ基本的に国産米と同様な扱いをしてほしいというアメリカ側等からの強い要求もあって、そして小売の商品の棚に国産米と同様な形で置くということも含めて、要は、食用に回すことを前提にしてSBS米の取引がなされているところでありますが、この食用に回すことについては同じなわけです。とすると、輸出国において、我が国が中国へ輸出するその諸条件と同様なものを中国に求めて、そしてちゃんとやらせているんですか、その点をお聞きしたいと思います。
  287. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 私どもは、植物検疫という立場からいいますれば、こちらに、日本にないようなそういった病害虫が入らないよう、そういったチェックはしているということでございます。一般的な残留農薬等につきましては、厚生労働省さんにもやっていただくし、もちろん私どもも自主的なチェックはやっているということです。国内でSBS米の輸入米穀、これを入れるときも、先ほど言いました一般のMA米と同様の検査行っているところでございます。
  288. 山田俊男

    ○山田俊男君 先ほど、年次ごとの汚染米事故米の発生量をお聞きしました。大量のものが汚染米として、事故米として来ているんですよ、国内に。しかし、もしも我が国から輸出する米、こんなことが生じた場合、一体中国との間はどんな関係になりますか。  逆に、我が国はMA米について、SBSの米について安易に入れてませんか。その点をもう一度お聞きしたいと思います。
  289. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意の際にこのミニマムアクセス米を受け入れたわけでございますが、そのときの閣議了解でございますが、ミニマムアクセス米の導入によりまして転作の強化は行わないということでございます。私ども、現在、生産調整、今後、水田のフル活用というふうに考えておりますが、その食用の需給計画を作るときにはこのMA米というものはカウントしていないところでございます。
  290. 山田俊男

    ○山田俊男君 ちょっと質問観点、私の質問と答えがちょっと違うようなんですが、私の言うのは、我が国から中国へ輸出する米について、大変な、検疫も含めた、精米も含めた対策を講じて、コストを掛けてやっているんですよ。ところが、中国から入れる、アメリカから入れるそれらの米について、きちっと我が国と同様の条件を相手国に求めて実施させているんですかということを申し上げているんですが、いかがですか。
  291. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 私ども、先ほど話しましたように、中国への輸出で大変皆さんに御指導いただいてできたわけでございますが、確かに日本にはいて中国にいないというカツオブシムシとか、そういった虫についてはきちっと薫蒸をしろとか、そういった条件が付いたわけでございます。精米工場につきましても、一か所とか、一年間それで虫がいないということをやるということでございます。  それは、私どもの説明は、今のは植物検疫上の説明になるということでございます。そういった説明で先ほどもさせていただいたところでございます。  大変な皆さんにお力をいただいて今輸出ができるというのは、そのとおりでございます。
  292. 山田俊男

    ○山田俊男君 SBSの米は主食用に回すという条件で、必ずしも全部そうでない部分がありますが、圧倒的な多くは主食用に回るということでSBSの取組をやっております。とすると、少なくともSBSの米については、同様な、我が国がやっているのと同様な条件でしっかり対策が必要になるわけでありますので、その点、何というんですか、MA米を入れるんだと、無理に入れるんだ、何でもいいんだ、ともかく入れるんだということでやってしまっていないのかということなんです。そのことが今回の出来事の背景にあったんではないかということを申し上げたかったわけであります。  そこで、近藤大臣にお尋ねしたいと思います。  今後、WTO交渉の結果いかんではMA米はますます拡大することが懸念されます。極めて政治的な話でありますが、その心配があるわけです。しかし、MA米が拡大されれば我が国の購入の費用が掛かります、保管料も掛かります。今のように売り先もなかなか見付かりません。それから、今回のような事件が発生したときのトレーサビリティーもほとんど見分けが付きません。これではますます矛盾が拡大するだけではなかろうかと、こんなふうに思います。もちろん、じゃ、主食用に向けるかという話になりますと、御案内のとおり、生産調整の拡大にすぐつながってしまうわけですから、到底これは認めることができないわけであります。  MA米制度そのものがどうも大きな矛盾を抱えてきているんではないかということでありまして、MA米の制度の在り方を交渉のテーブルにのせていくことが必要になってきているんじゃないかと。これは、WTOの基本を揺るがしかねない、我が国にとりまして基本を揺るがしかねない課題であろうかと思いますが、今回のこうしたことの問題の背景になっているMA米の扱いにつきまして、やはりそこへ踏み込んで議論していく、主張していくということが必要になってきているんじゃないかというふうに思いますので、副大臣の考えをお聞きしたいと思います。
  293. 近藤基彦

    ○副大臣近藤基彦君) 委員指摘のとおり、このミニマムアクセス制度は一九九三年に合意に至ったガット・ウルグアイ・ラウンドで全体のパッケージの一つとして合意されたもので、従来、輸入がほとんどなかった品目について大幅な自由化は行わない、代わりに最低限の市場参入機会を与えるという観点からすべての加盟国の合意の下につくられたものであります。  このミニマムアクセス制度は、このような経緯の下に導入されたものであって、例えば既存の米のミニマムアクセス、この撤廃や削減を我が国が主張しても、現WTO加盟国の合意を得るということは私個人的の話でも極めて困難だろうと思っております。ただ、我が国とすれば、もちろん生産調整等を行っているわけでありますから、そういった意味で、山田委員の御質問に答えられるかどうか分かりませんが、どのような対応が可能なのか検討させていただきたいと思います。
  294. 山田俊男

    ○山田俊男君 ありがとうございました。  是非、そうした大きい政治的な課題であるということを私もよく承知しているつもりでありますが、しかし、同時にそのことについて十分な検討を是非お願いしたいと、こんなふうに思っております。  ところで、再発防止策、経営支援策についてお尋ねしたいと思いますが、政府としてどのような再発防止策を取るつもりであるのか、とりわけ輸出国、輸入国における検査制度の確立、先ほど来局長との間で議論はしましたが、この確立が必要ではないかというふうに考えておりますので、この点、近藤大臣にお聞きしたいと思います。
  295. 近藤基彦

    ○副大臣近藤基彦君) 先ほども大臣からの御答弁があったとおり、再発防止については、最高の再発防止を図るにはこの事故米が外に出ないということであります。これはもう大臣からもはっきりそういうことで決めたということでありますので、早急にそうなるべくいろんな施策を打ち立てていかなきゃいかぬということでありますが、山田先生の御質問で輸出国、輸入国における検査制度の確立、これは当然必要だろうと思っています。  各国で農薬の使用量、使い方あるいはそういうものが違っています。ですから、我が国としては我が国の輸入の検疫機能・体制を輸出国にもきちんと更に理解を深めていただいて、輸出時にきちんとひとつチェックをして、日本に輸入できるかどうかのチェックをひとつしていただく。そして、輸入国である我が国の検疫体制も強化をして、ダブルチェックがきちんと働くような形で、もしそこで見付かればお返しをするなり焼却をするなりということにしたいと思っておりますので、とにかくこういったダブルチェックの体制を強化をしていくということが肝要かと思っております。
  296. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) ちょっといいですか。
  297. 郡司彰

  298. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) ありがとうございます。休ませてやろうという有り難い御配慮で私に質問がないものですから。  これ、いただいた申入れの中にございますので、もう一回確認をいたしたいと思いますが、再発防止として私が直接指示して今農林水産省の柱となっておりますのは、まず、今言った、そもそも、副大臣も言っておられました、入れないということですから、来たものについては返送すると。返送すればどういうことが起きるかというと、せっかく日本に売り付けたと思っている船が帰ってきてまだ載っているわけですから、それについての負担は、もちろん商社がかんだりするけれども、最終的には輸出国の生産者なり提供側の負担になるはずでございます。だからそういうことは二度と向こうはしないようになるだろうと。だから検査体制、向こうも充実した検査体制を取るようになるというふうに思うのでございます。  それからさっきおっしゃっていたのは、恐らく相互主義、つまり日本が中国に輸出しようとしたときにやられている検査の体制とこちら側の検査の体制、こっちの方が弱いんじゃないかという御指摘だと思いますけれども、大いにあり得ることでございますので、よくチェックをしてもらいたいと思います。ですから、まず一つは流通させないということが一つ。  それから、先ほどから申し上げておりますけれども、まとめますと五つでありまして、再発防止のための今考えております、五つあって、今の話が一つと。それから、行政改革的な検査と販売の、農林水産省の中での検査と販売部門を分離をするということが一つであります。それから、検査マニュアルがないに等しいと、それを厳格な政府共通の検査マニュアルを作るということが第三点。それから第四点は、検査は抜き打ちでやるということでございます、前もって通告するようなことはやらないと。それと、もう一つがトレーサビリティー、原産地表示でございます。  以上です。
  299. 山田俊男

    ○山田俊男君 大臣から、是非お聞きしたいところを率直におっしゃっていただいたというふうに思います。  まさに相互主義であります。しっかり我が国の主張を通すというところが大変大事でありますし、おっしゃいますように、検査について、抜き打ち検査も含めて、必要ならそのための法制度の準備もしていただくことが何としても必要と、こんなふうに考えます。  ただ、若干懸念しますのは、返送ということにつきまして本当に可能なのかどうかということを考えます。その返送につきましてもしっかり法その他の整備を行っていただきたいと、こんなふうに思います。  それから、現行の食糧法の下で効果的な再発防止策が講ぜられるのかどうかということを先ほど来申し上げたとおりでありまして、食糧法の流通業者制度について私は見直しが必要なんじゃないかというふうに思います。  このことは、単にMA米のことについて言うだけではありません。我が国は今後、御案内のとおり、えさ米作ります、それから米粉も含めて対策を講じます、主食用のほかに、主食用で流通するもののほかにこうした取組を多層的に錯綜して実施することになります。その上で、計画生産を行ったもの、さらに、計画生産を一切行わないで、流通については、御案内のどこへ出しても何ら問題はないという食糧法の下でこの流通を一体どんなふうにちゃんと見ていくことができるか、トレーサビリティーができるか、表示ができるかという課題を抱えるわけであります。このことはそのうちに、今回この議論で事故米汚染米のことを議論していたということが、二、三年後にはそうじゃなくて、国産のえさ米や、それから米粉米で議論しているみたいな話になったら大変だというふうに思いますので、この際、食糧法の流通のありようについてしっかり検討するということを是非やっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。  続いて、農林省は、今回事故米であるとは承知しないで三笠フーズから食用米、加工米として購入した事業者がおいでになるわけです、先ほど来からも議論がありますが、どのような経営支援策を行っていかれるつもりか。これは近藤大臣にお聞きしたいと思います。
  300. 近藤基彦

    ○副大臣近藤基彦君) 事故米とは知らずに事故米を買わされた善意の事業者でありますが、とにかく緊急的に、今大変経営に影響が出ているということでありますので緊急的に、農林水産省では、農林漁業金融公庫における相談窓口の設置をしてあらゆる相談に乗り、なお、現行の貸付金の償還猶予の措置を取りあえずとらせていただきました。  また、中小企業庁とも連携をさせていただいて、政府系中小企業金融機関によるセーフティーネット貸付けの適用といった措置をとらせていただいております。  なおも、事故米穀であることを知らずに販売、加工した事業者の方々に対し、その経営に支障を来すことがないように今どういう手だてができるのか検討して、万全の措置をこれからとっていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
  301. 山田俊男

    ○山田俊男君 中小企業庁から横尾事業環境部長さん、お見えいただいております。  中小企業庁は、中小企業対策としてどのような経営支援対策を行うつもりであるのか。これも、先ほど来から大変深刻な皆さんの心配、とりわけ経営をやっておられる皆さんからすると大変な御心配があるわけで、これについての対策をお聞かせ願いたいと思います。
  302. 横尾英博

    政府参考人(横尾英博君) お答え申し上げます。  今般の事故米穀不正規流通問題につきましては、食品加工業者、酒造業者など多くの中小企業者の方の資金繰りへの影響が懸念されるところでございます。  したがいまして、中小企業庁といたしましては、この問題によって影響を受ける中小企業者対策として、この九月十六日から資金繰り支援に関する特別相談窓口を政府系の中小企業金融機関、商工会議所、商工会連合会等全国九百四十二か所に設置をいたしまして、あわせて、政府系中小企業金融機関によるセーフティーネット貸付けの適用といった措置を講じたところでございます。  中小企業庁といたしましては、関係機関と密接に連携を取りながら、これら中小企業者対策を実施してまいりたいというふうに考えております。
  303. 山田俊男

    ○山田俊男君 本日、増原内閣府副大臣にお見えいただいております。  今回の事件を見ましても、どこまでが農水省の所管で、今日はお呼びしませんでしたが、どこからどこまでが食品衛生を所管する厚労省の所管なのか、実は私も頭の中がよく分からないということなんです。その意味では、今後内閣府に設置されます消費者庁の果たす役割は大変大きいんじゃないかというふうに思います。  しかし、その際、私は、単に内閣府の消費者庁が連携を取るだけということでは決してなくて、先ほど来から申し上げておりますが、実態として規制緩和の流れだけでは国民の食の安全、安心は守れないということを十分踏まえられた上で、必要なものは規制を見直したり規制を強化したりすることが必要なんだということでありますので、是非、増原副大臣消費者庁の取組に対します決意をお聞きしたいというふうに思います。
  304. 増原義剛

    ○副大臣(増原義剛君) 御指摘の点でございますが、今現在、私ども政府部内におきまして、消費者庁設置法案、それからその約二十九に関連します整備法案と、そして加えて消費者安全法という三つの三本立てで法律を組み立てるべく今検討いたしております。近々閣議決定になる予定であります。  その法案の中は、今、山田議員が御指摘になりましたようなことを十分踏まえておりまして、まずは消費者庁が自ら所管する法律、これも相当あります。それが入ることになっております。この場合は、速やかにその執行に消費者庁自身が対応するということ。さらには、他の省庁が所管する法律により対応する必要がある場合は、その省庁に対しまして、当該しかるべき立入調査行政処分等の措置をとるように要求することができるということになっております。また、必要と判断する場合には消費者庁自らが事業者への立入調査などを行うと、こういう権限も今考えております。さらに、今おっしゃいましたけれども、既存の法律ではカバーし切れていないすき間、いわゆるすき間ですね、すき間事案、あのコンニャクゼリーがよく言われますけれども、これに対しましては、消費者庁自らが事業者に対して必要な立入調査行政処分を行うと、こういう規定を設けようといたしております。  改めて申し上げるまでもありませんが、消費者庁、これは消費者安心、安全でかつ豊かな消費生活を営むことができるような、そういう社会をつくっていこうと、こういう観点で私どもは考えておりまして、また再発防止策なども講じる、そういった中核的な役割をこの消費者庁が担う。ただ単に調整だけではございません。直接陣頭指揮に立つ。加えて、ヘッドクオーターとしまして各省庁に指示をする、こういうことも考えております。  なお、先ほどといいますか、数日前に官邸の方から御指示ございまして、野田大臣の方に関係省庁を引っ張っていくように、プレ消費者庁といいましょうか、むしろ実体的にそれをつくっていくという意味でありまして、私がその各省庁の担当官を集めたメンバー、対応検討チームでありますが、そのヘッドになりまして、既に消費者庁ができたと同じような形で実質的に今運営を行っているところでございます。是非、近々にお出ししたいと思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
  305. 山田俊男

    ○山田俊男君 それでは、最後に太田大臣から、先ほど来から実態解明、さらには再発防止についてお聞きしたわけでありますが、改めて所管大臣としての決意をしっかりおっしゃっていただきたいというふうに思います。
  306. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) この出来事が発覚をいたしましたときに、私は食料自給率五〇%を目指して頑張るという国民運動をどうやってスタートさせようかというふうに思い悩んでいるところでございましたので、それも、供給側のことも大事だけれども、需要の側が同じように大事であると。需要の側というのは、つまりは消費者の話であります。消費者が、今国内外においての消費者が、いずれも日本で流通されている食品について安全、安心という非常に高い評価を従来得ていたわけなので、それがそもそもこの自給率の話についても根底に大前提としてあるわけでございます。それが揺らいだということについて大変大きな問題だと当初から認識をいたしております。  今だんだんと、今日もそうでございますけれども、いろんなことが露見してくる。そして、危うい、もろい基盤の上に我々は立っているということがよく分かってまいりましたので、これを、先ほど挙げました五つの再発防止策だけではなくて、さらに今内閣府に設けられました増原副大臣のチームの活動を支え、我々自身も自ら監督権者として仕事を十分にしてまいりたいと思います。これは何よりも優先する我々の責任であると思っております。そういうことを考えております。
  307. 山田俊男

    ○山田俊男君 頑張ってください。  じゃ、終わります。
  308. 風間昶

    風間昶君 公明党の風間ですけれども、まさに今回のこの事件は本当に国民の多くの方々が怒り心頭に達しているというふうに思います。  米に対する信頼を失いつつある状態、せっかく、日本の米を主食にしていく、そういう食文化の根幹、そしてまた自給率を高めよう、休耕地を活用して飼料米などを作っていこうという、いわゆる本丸の日本の米政策、この施策そのものを一方で掲げておきながら政府が管理している輸入米からこういう問題が起こったということについて、本当に国民の皆さんは怒っていると思います。冗談じゃないと、何食べればいいのよというふうにすら思っていらっしゃる方が多いと思います。  先ほど大臣は、消費者国民皆様に大変御心配や御迷惑をお掛けしており、深くおわび申し上げますと、まあこんな程度の深くでしたけれどもね。本当に私は、これまでの米政策の信頼を失っていることについて、また国民の多くの方々が不安になっている中で、この米政策を担当している大臣として、心から国民皆様方にやはり私はおわびをすべきだというふうに思いますが、いかがですか。
  309. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) たった今申し上げましたように、私は非常に危機感を持っておりまして、日本の国の今日の食品に対する評価、国内外の評価というものは、これは安全であるという前提に乗っておると思います。それを損なったということは大変な出来事でありまして、その原因の一つ業者に対する必要な検査あるいは監督の仕事がなされていなかったということにつきまして、これまで数年間の農林水産省の役割が果たせていないということについて、国民皆様方に深く心からおわびを申し上げます。
  310. 風間昶

    風間昶君 先ほど大臣の方から再発防止策の主要五点についてお話しいただきました。そしてまた、先ほどの委員会冒頭の大臣の御発言でも、実態早期解明再発防止策の確立に全力を挙げてまいりますというふうにおっしゃっております。  来週、臨時国会開かれて、大臣が替わるかもしれない。もし替わることを前提にするならば、あともう何日もないわけであります。恐らく役所の人たちは、いや、大臣替わってもらった方がいいなとか思っている方はいないとは思うけれども、でも心の底ではそう思っている人もいるかもしれない。しかし、そんなことに負けずに、全力を挙げるというふうに先ほど大臣がおっしゃったなら、自分としてはいつまでにこの問題について決着を付けるという腹構えでいるのか、教えていただきたい。
  311. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) もうじき内閣は替わるということはそのとおりでございますし、私がいない方がいいと思っておる者も省内には何人もおられるかもしれませんが、ただ、それは、いない方がいいという者の方が役に立っているということもあるわけでございまして、そこはよく、私は役割を果たすということでありますし、これは長年の、食管法以来、もっと長い長い農林水産省の歴史の中で、おりのようにたまってきておるものはまだまだあると思っております。それを、我々が政治任用でこういうところに来ていて、例えば八月の二日に来てですよ、そして八月の末というか九月の初めにはこの出来事が起きて、すぐさまリーダーシップを取って再発防止のための案を打ち出さなくちゃいけない。何か、事務方が考えたんじゃないんですよ、今の五つの案というのは。私が集めて指示をしたんだということを言っております。そういうことに勢いを付けることが大事なんだと思っております。  だから、この問題自体は、先ほど増原副大臣もおられましたけれども、あの調査第三者委員会はある程度の時間を掛けないと結論が出ないと思うんです。非常に司法的なことをされるわけですので時間が掛かると思いますけれども、今できる限りのことはこの何日かの間でもやりたいと思っております。
  312. 風間昶

    風間昶君 大臣の心意気は伝わってまいりました。  新聞に、北海道の新聞でありますけれども、事故米という米の存在も知らなかったけど、これほどまでに流通しやすい状態であることも知らなかったと、驚いていると。中国であの回収されたギョーザが流出した中毒事件で、日本は、中国だからやっぱりねと冷ややかに笑っていたけれども、汚染米の今回転売を見ると、ほかを笑うどころの騒ぎでないですよ。そういう声もある。  また、この事故米の汚染というのはどこまで広がっているのか。先ほど来の三百八十社、もっと膨らむ可能性があるというふうに感じている方もおいでになるわけであります。そういう意味では、実際に口にしたことのあるお菓子、駄菓子も含めて、それを食べながら怒っている人も相当多いだろうというふうに私は思います。  したがいまして、私は、今回、給料上がらないで物が上がっている状況の中で、政府が緊急総合対策を打った。私は、その中に、農林水産業の消費者に対する強力なメッセージが込められております。その中に、安心、安全の国内の生産物の需要に啓蒙を含めてしっかりやっていくということがなされておりますけれども、私は、この今回の事故米の不正流通に関しても、追加してでもこの緊急総合対策の中に打ち込むべきだというふうに思っております。そのことについて、まあできるかできないか分からないけれども、要請したいんですが、大臣としてはどうですか。
  313. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 安心実現のための緊急総合対策と銘打った政府・与党、経済対策閣僚会議の決定でございます。このタイトルだけを、安心実現のためのというタイトルだけを見ると、私もひょっとしたらばこういった食の安全という話も出てくるんだろうと思って見ておりましたが、そういうことは大項目としては出てこないで、農林水産業の供給力の増強と、強い農林水産業の創出というふうなところの一つの項目として出てきているにすぎないわけでございます。  ただ、これは閣議で、閣議というかこの会議に私おりまして、もうオーケーと言ってしまったので、これは今から変えることはなかなか難しいと思いますが、しかしこの話は、この食の安全のことの方、今話題になっておりますこのことに関する決定というのは全体に負けないほど大きなことでございますから、そういうものとして位置付けを政策的な優先順位をより高いものにしていくために努力をしたいと思います。
  314. 風間昶

    風間昶君 先ほどの各同僚委員のこの三笠フーズの五年間で九十六回立入りということの問題点が浮き彫りにされて、いや大変なことだなと。農水省が持て余していた米の処理を有り難いことに買ってくれる業者さんがいると。農水省にとってはお得意さんだったと。それが有り難い存在だから、当然その恩を、あるいはそのことを考えるならば、チェック、監視が甘くなるというのはだれが見たって感じることなんですよ。  恐らく、不正を見抜く力はあったんでしょう。あったんだけれども、まあそこはお客さんだから、お客さん大事にしなきゃならないと。そういうことから追及もしないし、何日の何時に行きますよということで。  しかもですよ、報道によれば、去年ですか、去年の一月に匿名の告発があったと。それが、そのままにしておいた、そしてこの今年の八月の二十何日でしたか、本格的にしょうちゅうに横流しされているよということで動いたと。じゃ、去年の一月からこの八月まで、本省には届いていたんですか、この告発あるいは連絡が。そのことの事実をちょっと確認したいと思います。
  315. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 申し訳ございません。来ておりません。
  316. 風間昶

    風間昶君 局長になったばかりで申し訳ないですが、今あなたがこの役所側のトップでここにいらっしゃるわけだからあれですけれども、来ていなかったというふうな今御答弁がありました。じゃ、どこで止まっているのか、それ精査しているんですか、答えてください。
  317. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) この五年間の一連の行動につきましては、きちっとすべて整理をいたしましてやってまいりたいと思います。
  318. 風間昶

    風間昶君 そんなこと聞いていないんだよ。不正の指摘があった内部告発は去年の一月にあったんだけれども、それは聞いてないと言うから、あなたが答えたから、どこで止まっているのかを調べているんですかと聞いているんです。
  319. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 大変申し訳ございません。私の答弁が誤っておりました。  一月二十九日に本局の方に来たということでございます、本省の方に来たということでございます。誠に事実関係の把握が甘く、申し訳ございません。
  320. 風間昶

    風間昶君 ちょっと待ってよ。来ていなかったというのにかかわらず、資料がきちっと出されたら一月の二十九日は来ていたということなんですね。  じゃ、そのときあなたは局長でなかったかもしれないけれども、それはどういう形で省内で処理をされていたんですか。
  321. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 申し訳ございません。直ちに今答えることはできません。課の中で止まっていたのか、局長まで行っていたのか、そこについては早急に調べさせていただきます。申し訳ございません。
  322. 風間昶

    風間昶君 大臣、副大臣、お聞きのように、職員のお一人お一人の方の言わば、大臣の十六日の談話でもありますように、今回の事件をきっかけに職員のお一人お一人が消費者のことを真剣に考え、食の安全を遂行していく、そういう意識を持って業務一つ一つ改めなきゃならないことはすぐ改めるというこの御発言大臣談話の中でも全国民に発信されている、そのことを知っているにもかかわらず悪いことは、あるいは不都合なことは上に上がっていかない、これは農水省の構造的な、本質的な問題だと私は思うんですよ。  だから、総点検が必要だ。一つの問題で言えば、販売と検査が一緒になっている部局が、これをきちっと分離していくことで、あるいは恐らく分離してでも私は難しい部分があると思う。外からの血を入れないと駄目かもしれない。そのぐらいの私は総点検を、組織点検をすべきだと思いますし、組織改革をすべきでないかというふうに思いますが、大臣、どうでしょうか。
  323. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) まず物を、米なら米、買ったらば後は売る仕事が残っているわけだけれども、その場合に農林水産省職員全体というよりも、まさに買ってそれを売る部門にいる人たちは結局は消費者のこと以外に真剣に考える対象はないわけでありまして、そのために給料をもらっているんだと思ってもらわなければいけないわけでございます。そういう意味では消費者中心、農林水産省の役所のどこから先は消費者中心に仕事をしていってもらうということが大前提でございます。そのことはこれからも事あるたびに職員の末端まで、一人一人まで指示をしていかなければいけないと思います。  それから、せっかくお尋ねでございますので、検査担当者とそれから販売部門が混同しているという話でございますが、農林水産省の本省においては今は販売部門というのは、これは総合食料局の中に販売部門があるわけでございます。それに対して、同じ話ではないけれども、食品の安全については消費・安全局があるわけですから、むしろ、本省段階での仕事はこれから先のこういった米についての検査部門も消費・安全局の方に移してしまう、そういうふうな局間の再編成をしなければならないということを言っておるわけでございます。  また、そんなことを今考えておりますので、今委員おっしゃるとおりに、組織の末端までこの消費者重視という精神が徹底されるように頑張ってまいりたいと存じます。
  324. 風間昶

    風間昶君 それから、先ほど大臣再発防止策の中に、まず第一の入れないということについて、これは山田委員質問されておりましたけど、輸出国への返送というのはなかなかこれそう簡単に、今の日本の農水省の外交交渉能力といったら語弊がありますが、かなり厳しい部分が予測されると私は思います。したがいまして、むしろ、国民的には、それはがっちりやってもらいたいけれども、少なくとも食品会社に行っている汚染米については即刻廃棄してほしいという気持ちが私は国民の中に多く感じていらっしゃることじゃないかというふうに思いますから、この廃棄処分を直ちに、調査して今いるわけですから、すべきだというふうに思います。  それからもう一点、健康不安のことについて。  どっちにしても、病院や保育園、まあ高齢者やあるいはもうかなり若い乳幼児の人たちが取っていることについては、まあ恐らく個人差や年齢差というのは相当あるわけですから平均的に言えないけれども、この食品の健康に与える影響というのはそう短期に分からないんです。かなりこれ長期にわたって見ないといけないので安易に、要するに、先ほど平野委員も言っていましたけれども、検体が決まっている段階のものだけではなくて、それ以外のことについてもやはり安易に安心だということの断定をするにはやはりリスキーだと私は思います。  したがって、そういう意味では、国民の皆さん方に対するより一層丁寧な説明が必要だと思いますし、報道によると、一日要するに四、五百件、各県の農政事務所から本省まで、苦情から何から不安相談の電話やファクスやメールが入っていると思いますけれども、その相談窓口を私はきちっと各県ごとにブロックごとに設置する、早急にもう設置する。まあ受けざるを得ないと思いますので、専業でもいいからそういうスタッフを設置をすることをもうすぐさまやると、これはスピーディーにやらないとどうにもならない話ですから。  そのことを併せて二点、お伺いしたいと思っておりますので、どうぞよろしく御回答をお願いします。
  325. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) まず一点目の食品衛生法上問題のあるこの事故米穀、これについて分かったものの取扱いでございます。  これにつきましては、九月五日に、私どもは食品衛生法を所管しておりませんので回収要請ということでございましたが、三笠フーズにつきましては福岡県の方から回収命令というのが出ております。流通在庫等、押さえられたものにつきましては、全部回収をしているということになって市場から隔離をしているということでございます。  二点目でございます。大変国民皆様に健康面含めて不安を与えてしまっております。この関係で窓口を設置して丁寧に御説明をせよという御指摘でございます。  私ども、この点もっともだというふうに思っておりまして、昨日でございますが、本省の方に今回のこの不正規流通に係ります相談窓口を設置いたしました。専用の電話を設けまして、消費者皆様から様々なお問い合わせや御相談に対して丁寧に対応をし、またおわびをするとともに、いろんな情報も御提供していきたいというふうに思っております。  昨日もたくさんのお電話をいただいているようでございます。関心の深さということを本当に感じているところでございます。こうした取組を着実に進めて、少しでも皆様信頼回復が図られるように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
  326. 風間昶

    風間昶君 一点目の廃棄については、答弁がなかったので、これは局長じゃなくて、考え方として私は直ちにやるべきだと思いますので、大臣に答弁いただきたいというふうに思います。  それからもう一点、先ほど来、この平成十八年以前と以降で、要するに農薬入りの米は工業用に回すしかないと、あるいは回すことに決めたことが私は、その判断は誤りだったというふうに私自身は個人的に認識しております。  だからといってどうこうという話じゃないんですが。ですから、この流通過程で工業用食用が絶対交ざらないようなその仕組みをどうつくるのかということと、もう一つは、扱う業者を私は限定した方がいいのではないかというふうに思います。これだけ仲介業者が入り込んできますと、しかもそのたびごとにもうぴんぴんぴんぴんこの値段が上がっていくという状況で、少なくとも新聞報道では三笠フーズは八千万ぐらいこれで稼いだと言われているぐらいでありますから、そういう意味では流通経路のチェックと同時に、業者をきちっと限定すること、それからルートをきちっと透明化することが、先ほど来平野さんもおっしゃっていましたし、これ本当に簡単なことではないと思うんです。相当膨大ないろいろな仕組み、システムを考えなきゃならない話なんですが、これ正に日本の食料の危機管理上避けて通れない問題だと思っていますから、是非そのことを肝に銘じて、大臣、いかがですか。
  327. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 第一問目のすぐに処分できないかというお話でございますが、私も同様に思いましたんで、昨日かおとといか、明日もうできないかと、どこかにあるんならば明日皆様が見えるところで焼却すればいいじゃないかと、こういうふうに言ったんですが、それは無理ですと。どうして無理なのか分からないけれども、まあ無理そうではあるけれども、明日にでもやれということを言っております。なるべく早く物理的にできるようになったらば、本当にやっているんだということを皆様方にお見せしなければならないと思います。  それと、今ののり用として売ったのならば、本当ならば、もちろんそもそもそういうタマというかギョクというか、出てこなければそれがいいわけです。本当に出てこなければそれでいいわけでありますけれども、出てきた場合にどうするのかと、どうしても出てきた場合どうするのかと。そのときには私は、今おっしゃられるとおり、製造業者を証明することのできる者のみが入札に参加できるというのが正しいと思いますが、更に言えば、国がそこまでやるのはどうかと思いますけれども、国がそれこそのり以外の用途には使えないところまで加工してから売るということが一つだと思っております。  これからもほかにいろんな案があると思いますので、検討いたしたいと思います。
  328. 風間昶

    風間昶君 あと、先ほど流通先事業者名の公表を含めてこれに被害を被った事業者についての支援は伺いましたのであれですが、これも急いでやらないと、もたもたしている間にもうばたんといっちゃいますから、それを極めてスピーディーにやることが大事じゃないかというふうに思います。  それから、この一連のことを考えると、私は、食品の表示の在り方についてもっと踏み込んだ、JAS法の改正も含めてやらなきゃならないんじゃないかという気してならないんです。去年の一年間の文字が偽でしたけれども、これがまあ今も続いておるというふうな状況を考えるならば、悪質な業者には、やっぱり今のスリーアウト制、指示、命令、罰則というこの制度がありますけれども、罰則適用されたことないんですよ。それで、私は、ペナルティーをやっぱり見える形でやらないと駄目ではないかというところまで来ているんじゃないかというふうに私は思うんです。そういう意味で、直罰の規定を検討することも含めて議論をしていく必要があるんじゃないかというふうに思います。  それから、先ほどの米トレーサビリティーシステム、原産地表示確立についての大臣のお話もありましたけど、具体的なスケジュールをやっぱり立てていく必要があるんじゃないかというふうに思います。どんな検討をしていらっしゃるのか、教えてください。
  329. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 支援策について早く中身を具体化しろということ、おっしゃるとおりだと思っております。検討を急いで、とにかく早くまとめるようにしたいというふうに思っております。  また、米トレーサビリティーシステム、今回の事案をかんがみますと大変重要だということで、大臣の御指示で今検討に着手したところでございます。牛トレーサビリティーとはまた違いまして、DNA鑑定と、そういった手法はちょっと難しいわけでございますが、直ちに問題が起こりましたときに流通ルートを特定できるようなシステムづくり、米の流通実態等を踏まえまして、直ちに今ちょっと内容を申し上げることは今の時点ではできないんですが、とにかく検討をこれも急ぎたいと思っております。
  330. 風間昶

    風間昶君 終わります。
  331. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  午後から様々な角度から議論がされてきたと思います。それらを踏まえて、幾つか私も質問をしたいと思うわけです。  今度の事故米の転用の問題ですね。ミニマムアクセス米として輸入されていた米のうち、事故米の扱いになっているものが、この三笠フーズ株式会社、浅井、太田産業島田化学工業などに非食用として販売されていたにもかかわらず食用に転用されて売られていたと。もう国民は本当に大変な怒りと不信を募らせているわけですよね。特に、その米の中に最強の発がん物質と言われるアフラトキシンB1に汚染されたものもあったり、基準値の五倍以上のメタミドホスに汚染されていたりと、こういうものがあったと。さらに、この事故米がそういう事態でありながら堂々ともうスーパーだとか米穀店に売られていたと。  このことは、これまで私などがミニマムアクセス米について、これはやっぱり日本の国内の米全体に影響を与えるのじゃないかというふうに言うたびに、決してそんなことはありませんと、決してこの主食用の米の需要には影響を与えないんですということを豪語していたわけですよ。その発言が結局は全くの虚構であったということを示すものだというふうに思うんです。  まあこういう事件を起こしたということでいうと、三笠フーズもそれらも責任重大で許せない問題だというふうに思っていますけれども、こういう事件を引き起こす原因をつくった農水省の責任というのはより重大なんだというふうに思うんですね。  ところが、農水省の方の認識はどうだったかというと、先ほど来いろいろ議論があったように、その白須事務次官が、立入調査は不十分であったと言いながらも、しかしそのことをもって責任があるかと言われれば、責任はないというような発言をしたわけですよ。  それに対して大臣は注意をしたということなんだけれども、大臣は先ほども、農水大臣責任なかったなんて言ってないんだと、責任はあったというふうにおっしゃったんだけど、しかし、その責任の中身は何かというと、冒頭に報告の中で言われていましたけれども、不正な実態を見通せなかったという責任、そのために消費者に不安をあおったという責任と。見通せなかった、そして不安をあおったというふうにおっしゃったわけですよ。  だけど、私はその程度じゃない、そういう責任じゃないだろうと思うんです。もっと根本的に言えば、本来は水際のこの食品の検疫ですね、ここで食品衛生法の違反だと言われて、積み戻しないしは廃棄と、こういうふうに指示をされていたミニマムアクセス米を年間七十七万トンですか、今、大体、義務だから輸入しなきゃいけないと。これ義務でも何でもないのに、義務だから輸入しなきゃいけないということで、どんな不衛生な米も、これ輸入してきたと。それがやっぱり今回の事件の大きな原因であって、それを進めてきた農林水産省責任こそ、これ真っ先に問われなければいけないというふうに思うわけですけど、この点について、大臣、いかがですか。
  332. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 紙委員の御指摘をよく理解をしていないのかもしれませんけれども、ミニマムアクセス米は、これはいわゆる完全な関税を、高関税を認めてもらう代わりに課せられた義務でありますので、今、農林水産省がどういう……
  333. 紙智子

    ○紙智子君 そんなこと言ってるんじゃない。
  334. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 意図であれこれだけは輸入しなければいけないということでございます。その中には非衛生的なものもあるでしょうし、食品衛生法違反だったものもあるかもしれない。だからそれを水際で検査して、これ以上は、これは食用としては使わないということでございます。
  335. 紙智子

    ○紙智子君 また後戻りですよ、今の答弁では。(発言する者あり)
  336. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) いやいや、そういう検査を、水際検査でそれは入れないことにするということだと思います。(発言する者あり)いやいやちょっと分からない。
  337. 紙智子

    ○紙智子君 答弁後戻りしちゃ駄目ですよ、いろいろ議論こう来ているのに、また先に戻っちゃって。だからそういうことはしようがなかったというわけですか。その事故品として扱われたものをそもそも入れちゃいけなかったと、それを入れたというところが問題だということを言っているのに、それをもし入れなかったら今度のような事故につながっていなかったわけでしょう。そこのところを言っているわけですよ。  今回のこの事件事故米の数量でいいますと、二千七百七十九・五トンだと。ミニマムアクセス米が輸入され始めたのは九六年からですよね。九六年から二〇〇七年までの検疫で食品衛生法違反というふうに言われたミニマムアクセス米は、いろいろ調べますと一万七百二十八トンですよ、全部で。それらのミニマムアクセス米も日本に非食用として入ってきたと。いろいろ聞いて調べていきますと、輸入商社と農水省との間で契約が交わされていたと。食品衛生法違反とされたミニマムアクセス米も非食用として輸入できるということになっているわけです。選択とかなんとか言っていますが、輸入できるということにしてきたわけですよね。そうすると、輸入商社にしてみれば、どんな非衛生的な米を持ってきてもこれは入るわけだから、輸入できるわけだから、これはリスクを負わなくていい。確かに安く売らなきゃいけないというのはあるけれども、リスクを負わなくていいわけですよ。こんなおいしい取引はないと。  一方、政府にしてみれば、とにかく輸入すれば非食用であってもミニマムアクセス米の数量としてはカウントできるわけだから、そうしたら七十七万トン、とにもかくにも入れることはできるというような意識が働いてきたと思うんですよ。だから、農水省から見れば願ったりかなったりだと。  この一万トン超えるような食品衛生法違反のミニマムアクセス米は、じゃ、どんなふうに扱われてどこに販売されていったのかということでいうと、今、過去五年間については今一生懸命解明しているというんだけれども、その前のこともあるわけですよ。これ一体どうなっちゃったのかと。これについてはどうですか、大臣
  338. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 現在お示ししておりますのは、十五年以降のものでございます。これにつきましては、公文書といいましょうか、関係の書類の保存期間という関係もございまして、現在すぐ分かったものはこの五年ということで行っているものでございます。  また、食品衛生法違反ということで、残留農薬基準がオーバーしていれば、これは食品衛生法違反、違反する可能性が高いものでございまして、これにつきましてはベトナムから入りましたアセタミプリド、この一件、これまで一件ということになっております。
  339. 紙智子

    ○紙智子君 それで、ちょっと厚生労働省にお聞きしたいんですけど、一万トン超える食品衛生法違反のミニマムアクセス米のうち、その多くがカビ発生って書いてあるんですね、全部、見てみると。カビ発生、カビ発生、カビ発生、ずうっと書いてあるんだけど、このカビ発生ということで食品衛生法違反になったんだけれども、そのカビが最強の発がん物質であるアフラトキシンB1なのかどうかということについて検査していますか。
  340. 金子善次郎

    大臣政務官金子善次郎君) 先生御指摘のアフラトキシンにつきましては、検査は実施しておりません。と申しますのは、食品衛生法上の体系から申しまして、カビ等を理由に食品衛生法違反として取り扱われた輸入米につきましては、要はカビ米等というような理由で違反ということになるわけでございますので、それらにつきましては更なる検査の必要性というものがないというような判断をいたしておりまして、格別にアフラトキシンということにつきましては実施はいたしておりません。
  341. 紙智子

    ○紙智子君 だから、していないんですよ、要するに。していない、カビに汚染されていた、それもアフラトキシンに汚染されていたかどうかもだから分からないと。そういうものが、一万トンを超えるものが日本国内に輸入されて、その後の流通経路も分からないし、場合によっては主食として転用されていたかもしれないというか、実際転用されていたという事実があるわけですよね。  現実には、今回もう病院とか福祉施設だとか保育所にも回っていると。この責任を一体どうするのか、だれが取るのかと、大臣いかがですか。
  342. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) この責任を取るというのは、先ほどから申し上げておりますように、法令上の不備のせいで起きたとすれば、それは法令を直さなければいけない。それが再発防止策になるわけでありますし。法令どおりにしていなかったためにそういうことが起きているということであれば、その個人の刑事責任を問うことになるわけでございます。  そういうふうにして責任は明らかにすべきものと、厳格にこれは行われるべき処分は行わなければいけないと。また特に、内閣府の第三者委員会において、そのことは法曹界の代表者なども含めて厳格な結論を出してもらおうとしているところでございます。
  343. 紙智子

    ○紙智子君 もう食べちゃった人がいるかもしれないわけですよね。そして、どうしてか分からないけれども具合悪いなと、だけれども理由が分からないということだってあったかもしれないわけですよ。本当にその責任というのは重大だと。  農水省は、この非食用の米の工業需要がどれだけあるのかという、これもつかんでいなかったというのがさっきの話の中でもはっきりしたと思うんですよ。結局つかんでいなかったと。  工業用ののり需要といっても、のり業者の方から見れば、要はでん粉であればいいわけだから、小麦でもいいし、タピオカなど幾らでも安く手に入るわけですよ。だから、何もあえてお米でなくたってよかったわけですよ。  ですから、本来非食用の米の工業用の需要なんてほとんどないと。そんなことは重々分かっていながら、農水省は、そういうことが分かっていたから逆に、実需者に直接売るんじゃなくてわざわざ三笠フーズのような中間加工業者事故米を売っていたんじゃないかと、正直に言えばそういうことだったんじゃないのかということなんですけれども、いかがですか。
  344. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 私も競争入札で大半が売られているものと思っておりましたので、それはだれが参入してきても文句は言えないと。製造業者だからといって横流しをしないとは限らないというふうに思っておりましたが、随契も多いということを後に知りましたんで、それならば話は別だというふうに今は考えております。
  345. 紙智子

    ○紙智子君 それで、ちょっと今の答弁も納得できないんですけれども、問題はここにとどまらないんですよね。  こういう事故米が堂々とスーパーで売られていたということは、じゃこれ以外にも、例えば加工米だとかほかのものもそういうことがあるんじゃないだろうかと当然私たち疑問に思うわけですよ。  思っていたら、やっぱり案の定、加工米についても、その米が、三笠フーズが加工米を主食用にしていたということが明らかになったわけですし、もう少し以前にも、株式会社伊藤謹ですか、ここが加工原料用の輸入米を主食用に転売して不当に利益を上げていたと。米粉に加工する条件で買い受けた輸入米を米粉に加工しないでそのまま転売していたということが発覚しているわけですよ。  だから、やっぱり氷山の一角なんじゃないのかと。だとしたら徹底的な調査がこれ必要だと思いますけれども、いかがですか、調査されますか。
  346. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 報道等あります。徹底的に調査をしたいと思います。
  347. 紙智子

    ○紙智子君 それから、もう一つなんですけれども、ちょっと資料も要求しているんですけれどもなかなか出てこなくて、質問までには出してほしいと言っていたんですけれども出てこないんですけれども、小麦です。  小麦について見ても、これ九五年から二〇〇七年にかけてミニマムアクセス米を上回る三万八千七百一トンもの食品衛生法違反の輸入小麦が非食用で輸入されているわけですけれども、果たしてこれミニマムアクセス米と同じような事態がないのかどうか。これ厳しくチェックすべきではないかと思うんです。  なぜかといいますと、この今までの経過もあるんですけれども、実は私どものところに内部告発が来ています。それで、元製粉工場に出入りしていた業者の方から、当時三笠フーズと同じようなことが行われていたんだと、過去ですね、行われていたと。  それで、米と違うのは、小麦の場合数千トン、数万トンという物すごい規模だと。ダンプで毎日搬入がされるわけだけれども、その際に、山のように盛り上がって積み重ねられるところの中に大小のカビの山があって、中には赤い字で使用禁止と書かれた紙の切れ端が交ざっていることもあったと。色が変わっていたり変なにおいがしたりと、そういうのがあって、それを、悪いものについてはちょっと取り除いて、そして正規の麦と分からないように、物によっては一五%あるいは一〇%、五%と交ぜていたと、こういうことが指摘をされているわけですよ。  そういう事態を見ても、やはりこれについてもきっちりと点検すべきだというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
  348. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 一点、事実関係だけ御説明、まずさせていただきたいと思います。  御指摘のありました食品衛生法違反三万八千トンということでございましたが、私どもこれ、十四年に二万七千八百十五トンと大変多い数字でございましたので確認をしましたところ、この二万七千八百十五トンにつきましては、染料が付着していた大麦が混入されていたということで、これはすべて返送されておりまして国内には輸入されておりません。  このほかのものにつきましても、これまで輸入検疫におきまして残留農薬基準、超えた事例はございません。食品衛生法違反になったのは水漏れによる腐敗等でございます。これらのものにつきましては、食用に回らず飼料等にされているということでございます。  今後、消費者皆様に不安を与えないようにということで、食品衛生上問題になります輸入米穀、お米につきましては輸出国への返却又は焼却等廃棄処分を行うということでございますので、輸入小麦につきましても同様な取扱いを行っていきたいというふうに考えております。
  349. 紙智子

    ○紙智子君 今そういう説明あったんですけれども、これらについても非常に重大な問題ですし、やっぱり本当に分からないところで、もしかこれが回っていたんだとしたら、分からないところでパンになったり、めんになったりしたものを口に入っているということにもなりかねないということだと思います。  ですから、これを受けて、ちょっと大臣、最後に、こういう事態に対してもきちんと一刻も早く点検すべきだと思いますので、それについて御答弁いただきたいと思います。
  350. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) MA米のみならず小麦についても同様のことがないかということでもって厳格にチェックすべきだというのは、おっしゃるとおりでございます。その点について、今御指摘のあった、今日御指摘のあった様々な点については幅広く見直しを指示をいたしたいと存じます。
  351. 紙智子

    ○紙智子君 最も国民の食の安全、安心というところで責任を持ってやらなければならないところで、今ずっと議論になって明らかになってきたように、結局は、実態もないのに、やっぱり無理に、もう無理して無理してMA米を買い入れて、その処理でどうするかということでとにかく吐き出したいと、そういうことが優先されて、本来ちゃんと点検したり把握しなければならないことも把握していないと。  こういう事態というのは本当にゆゆしき事態でありまして、是非、まだ今解明途中のところもたくさんあると思いますから、引き続きこの問題について取り組んでいただきたいということを最後に申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
  352. 郡司彰

    委員長郡司彰君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時八分散会